説明

遊技機用ボタンユニット

【課題】遊技者が遊技機を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができる遊技機用ボタンユニットを提供する。
【解決手段】左停止ボタン7Lは、遊技者により押圧される押圧部105と、押圧方向に沿って延びたボタン基部108と、押圧部105が押圧されることにより生じる歪みに応じて発電する圧電素子112と、を有し、ボタン基部108は、ボタン収容部102側に突出した鍔部111を有し、ボタン収容部102は、鍔部111を収容する鍔部収容部113を有し、鍔部収容部113は、左停止ボタン7L側に突出し、鍔部収容部113の押圧方向端部に設けられた突起部114を有し、圧電素子112は、鍔部111の押圧方向側に設けられ、押圧部105が押圧された場合に、鍔部111と突起部114とから押圧されることにより生じる歪みに応じて発電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に取り付けられる遊技機用ボタンユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機としては、複数の図柄が夫々の周面に配された複数のリールと、これら各リールに対応するように複数設けられ、各リールの周面に配された複数の図柄のうちの一部の図柄を遊技者が視認可能なように表示する表示窓と、遊技媒体が投入されていることを条件に、遊技者による操作を検出すると、各リールの回転の開始を要求する信号を出力するスタートスイッチと、遊技者による操作を検出すると、リールの種別に応じて当該リールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、これらスタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行う制御部と、を備えたものが知られている。通常、このような遊技機では、複数の表示窓により表示される図柄の組み合わせに基づいて、入賞か否かが判別され、入賞と判別されると遊技媒体がホッパーから払出されて受皿に溜められる。
【0003】
このような従来の遊技機においては、発光ダイオードなどの発光素子からなる発光部を設け、遊技の進行に対応して発光表示を行って、遊技の進行状況を遊技者にわかりやすく報知したり、遊技をより盛り上げるようにしている。ここで、このような発光部に電力を供給する電源部として、遊技機本体に設けられたメイン電源部を用いなければならず、消費電力を増加させる要因となっていた。
【0004】
そこで、このような問題を解決するものとして、遊技媒体と接触する接触部と、接触部に設けられ、遊技媒体が接触した際に生じる変位によって起電力を発生する起電力発生部と、起電力発生部の起電力によって発光する発光部とを備えることにより、遊技機本体に設けられたメイン電源部からの電力供給を必要とすることなく発光部を発光することができる遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−68157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機においては、遊技媒体が遊技機内を移動して接触部に接触することによって生じるエネルギーを有効利用することができるが、遊技者が遊技機を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することについては考慮されておらず改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、遊技者が遊技機を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができる遊技機用ボタンユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機用ボタンユニットは、遊技者が操作するボタン(例えば、停止ボタン7)と、前記ボタンを移動自在に収容するボタン収容部(例えば、ボタン収容部102)と、を備えた遊技機用ボタンユニットであって、前記ボタンが、遊技者により押圧される押圧部(例えば、押圧部105)と、押圧方向に沿って延びたボタン基部(例えば、ボタン基部108)と、前記押圧部が押圧されることにより生じる歪みに応じて発電する圧電素子(例えば、圧電素子112)と、を有し、前記ボタン基部が、前記ボタン収容部側に突出した鍔部(例えば、鍔部111)を有し、前記ボタン収容部が、前記鍔部を収容する鍔部収容部(例えば、鍔部収容部113)を有し、前記鍔部収容部が、前記ボタン側に突出し、前記鍔部収容部の押圧方向端部に設けられた突起部(例えば、突起部114)を有し、前記圧電素子が、前記鍔部の押圧方向側に設けられ、前記押圧部が押圧された場合に、前記鍔部と前記突起部とから押圧されることにより生じる歪みに応じて発電する構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明の遊技機用ボタンユニットは、遊技者によって押圧部が押圧された場合に、圧電素子が、ボタン収容部側に突出した鍔部と、ボタン側に突出し、鍔部収容部の押圧方向端部に設けられた突起部とから押圧されることにより生じる歪みに応じて発電するので、遊技者が遊技機を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができる。さらに、不要に強くボタンを操作した場合には、圧電素子が鍔部と突起部とからさらに強い圧力を受けるため、より多くの電気を発生することができる。
【0009】
また、本発明の遊技機用ボタンユニットは、前記ボタン基部が、ボタン基部上面から押圧方向にかけて凹む凹部(例えば、凹部109)と、前記凹部に設けられた光源(例えば、LED110)と、を有し、前記押圧部が、透光性のある材料で形成され、前記凹部を覆うように設けられ、前記光源が、前記圧電素子により発電された電気により発光し、前記光源からの光が、前記押圧部を透過する構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明の遊技機用ボタンユニットは、押圧部が、透光性のある材料で形成され、凹部を覆うように設けられ、光源が、圧電素子により発電された電気により発光し、光源からの光が、押圧部を透過するので、圧電素子により発電された電気により発光した光をボタンの外部へ放出することができる。
【0011】
また、本発明の遊技機用ボタンユニットは、前記ボタンが遊技者により操作されたことを検知する検知手段(例えば、フォトセンサ104)を備えた構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明の遊技機用ボタンユニットは、遊技者が遊技機を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができるとともに、ボタンが遊技者により操作されたことをも検知することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、遊技者によって押圧部が押圧された場合に、圧電素子が、ボタン収容部側に突出した鍔部と、ボタン側に突出し、鍔部収容部の押圧方向端部に設けられた突起部とから押圧されることにより生じる歪みに応じて発電するので、遊技者が遊技機を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る遊技機について、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観を示す正面図である。この遊技機は、いわゆる「パチスロ機」である。パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球またはトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0016】
図1に示すように、パチスロ機1の全体を形成しているキャビネット2(筐体に含まれる)の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成されている。このパネル表示部2aの前面には、液晶表示装置5により表示される矩形の液晶表示画面(以下、表示画面ともいう)5aが設けられ、この表示画面5aに液晶表示することができ、かつ液晶の奥側に配置されたリール3(左リール3L、中リール3C、右リール3Rに相当する)を透過表示できるようになっている。前記表示画面5aには、遊技に関する情報、あるいはアニメーション等による各種の演出が表示されるようになっている。
【0017】
パネル表示部2aの中央には、縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが設けられている。表示窓4L、4C、4Rには、有効ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8cおよびボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8aおよびクロスアップライン8eが設けられている。
【0018】
これらの有効ラインは、後述する1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が設定される。どの有効ラインが設定されたかは、後で説明するBETランプ9a、9b、9cが点灯されることで認識される。
【0019】
ここで、有効ライン8a〜8eは、役の成否に関わる。具体的には、所定の役(例えば、後述の「チェリーの小役」)に対応する1つの図柄(例えば、後述の“チェリー”)がセンターライン8cに対応する所定の位置(例えば、左の表示窓4L内の中段の位置)に停止表示されること、または所定の役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄がいずれかの有効ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が成立することとなる。
【0020】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3つのリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。前述したように、各リールの図柄は表示窓4L、4C、4Rを透して目視できるようになっている。各リールは、定速(例えば80回転/分)で回転するようになっている。
【0021】
前述の液晶表示画面5aの領域外で、表示窓4L、4C、4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19、操作キー24が設けられている。
【0022】
1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9cは、1つのゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
【0023】
1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の有効ラインが設定されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の有効ラインが設定されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の有効ラインが設定されたときに点灯する。
【0024】
クレジット表示部19は、7セグメントLEDからなり、貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示する。前記貯留されているメダルは、遊技者がゲームで獲得し、払出されるべきものを、後述するC/Pスイッチ14の操作により機内に貯留されたものである。この貯留されているメダルの枚数は、所定の記憶領域に記憶されている。
【0025】
操作キー24は、表示画面5aに表示された表示画像の選択操作を行うものである。また、所定の操作を行うことにより、メニュー画面の呼び出し表示を行うものである。
【0026】
表示窓4L、4C、4Rの右側には、WINランプ(いわゆる当り表示ランプ)17、払出表示部18およびボーナス遊技情報表示部20が設けられている。
【0027】
WINランプ17は、所定の役、例えば「ビッグボーナス(以下、BBと記す)」または「レギュラーボーナス(以下、RBと記す)」の入賞成立が実現可能となった後、BBまたはRBの入賞が成立するまでの間、点灯する。ここで、BBおよびRBを総称して、以下単に「ボーナス」という。
【0028】
払出表示部18は、7セグメントLEDからなり、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDからなり、RB遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。
【0029】
液晶表示画面5aの下方には、水平面の台座部10が形成されている。液晶表示画面5aの左側下方に、1−BETスイッチ11および2−BETスイッチ12、台座部10の左側に、最大BETスイッチ13が設けられている。
【0030】
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回の押し操作により、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチ11、12、13を操作することで、前述のとおり、所定の有効ラインが設定される。
【0031】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(Credit)/払出し(Pay)を押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、クレジットモードまたは払出モードの切り換えが行われる。クレジットモードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが、クレジットされる。また、払出モードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが、正面下部のメダル払出口15から払出され、このメダル払出口15から払出されたメダルは、メダル受け部16に溜められる。
【0032】
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作によりリール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0033】
スタートレバー6の右側には、3つのリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3つの停止ボタン7(左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rに相当する)が設けられている。
【0034】
パネル表示部2aの上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、表示図柄の組み合わせおよびメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。
【0035】
ここで、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに行われる停止操作を「第1停止操作」、「第1停止操作」の後に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
【0036】
また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0037】
また、本実施の形態のパチスロ機1には、3つの停止ボタン7L、7C、7Rが設けられているので、これらの操作順序は“6種類”ある。そこで、これらの操作順序を次のように区別する。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記する。
【0038】
そして、停止順序を示すとき、各停止ボタン7L、7C、7Rの略を、停止操作された順番で左から並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、停止順序を「左中右」と示す。なお、実施の形態の停止順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」および「右中左」の“6種類”がある。
【0039】
図2は、各リール3L、3C、3Rに表された複数種類の図柄が配列された図柄列を示している。各図柄には“0”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5参照)に格納されている。
【0040】
各リール3L、3C、3R上には、「青7」、「赤7」、「ベル」、「リプレイ(Replay)」および「チェリー」の図柄で構成される図柄列が表されている。各リール3L、3C、3Rは、図柄列が図2中、下方向に移動するように回転駆動される。
【0041】
ここで、本実施の形態の遊技状態として、一般遊技状態(この状態にあることを「一般遊技中」とも表現する)、BB中一般遊技状態(この状態にあることを「BB作動中」とも表現する)、RB遊技状態(この状態にあることを「RB作動中」とも表現する)の3つ状態に区分している。通常、一般遊技状態にあることを「一般遊技中」と、BB中一般遊技状態にあることを「BB作動中」と、RB遊技状態にあることを「RB作動中」と表現する。
【0042】
なお、内部当籤する可能性のある役の種類は、所謂、確率抽籤テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられている。
【0043】
すなわち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当籤する可能性のある役の種類が同一となる。ただし、「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」を含むものであり、内部当籤する可能性のある役の種類が異なる状態を含む。
【0044】
例えば、一般遊技状態において、有効ラインに沿って“赤7−赤7−赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立してメダルが払出されないが、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0045】
また、「一般遊技状態」および「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組み合わせが“青7−青7−青7”であるとき、RBの入賞が成立してメダルが払出されないが、次のゲームの遊技状態が「RB遊技状態」となる。
【0046】
「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組み合わせ“ベル−ベル−ベル”が揃い、8枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。
【0047】
1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。すなわち、この「RB遊技状態」は、ゲーム数が12回に達するか、または入賞回数が8回に達した場合に終了する。
【0048】
なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0049】
前述した停止ボタン7L、7C、7Rは、以下に説明するボタンユニットに備えられる。以下、左停止ボタン7Lがボタンユニットに取り付けられる部分について説明する。なお、中停止ボタン7C及び右停止ボタン7Rがボタンユニットに取り付けられる部分ついては、左停止ボタン7Lがボタンユニットに取り付けられる部分と同様な構成であるため、その説明を省略する。
【0050】
図3は、本発明の実施の形態に係るボタンユニットを示す断面図である。また、図4は、本発明の実施の形態に係る圧電素子を示す斜視図である。
【0051】
図3に示すように、ボタンユニット101は、パチスロ機1の台座部10の前面部に取り付けられており、左停止ボタン7Lと、左停止ボタン7Lを移動自在に収容するボタン収容部102と、左停止ボタン7Lが押圧される方向(以下、押圧方向という)と逆方向に付勢するコイル状のバネ103と、左停止ボタン7Lが遊技者により操作されたことを検知するフォトセンサ104とを有する。
【0052】
左停止ボタン7Lの前面には、遊技者により押圧される押圧部105が設けられている。押圧部105は、円板形状で透光性のある樹脂等により形成されている。押圧部105の裏面には、遊技者によって押圧部105が押圧されることにより生じる歪みに応じて発電する圧電素子106が設けられている。圧電素子106は、図4(a)に示すように、円板形状に形成され、その中央に円状の開口部107を有している。
【0053】
圧電素子106の裏面には、押圧方向に沿って延びたボタン基部108が設けられている。ボタン基部108には、ボタン基部上面108aから押圧方向にかけて凹む凹部109が形成されており、この凹部109には、LED110が設けられている。
【0054】
圧電素子106は、遊技者によって押圧部105が押圧された場合に、バネ103により付勢されたボタン基部108と押圧部105とから押圧されて応力が加わり、この応力による歪みを電気的エネルギーに変換して電気を発生する。LED110は、圧電素子106と電気的に接続されており、圧電素子106により発電された電気を用いて発光する。ここで、押圧部105は、凹部109を覆うように設けられており、LED110により発光された光は、開口部107を通過して、押圧部105を透過し、左停止ボタン7Lの外部に放出される。
【0055】
ボタン基部108には、ボタン収容部102側に突出した鍔部111が形成され、この鍔部111の押圧方向側には、遊技者によって押圧部105が押圧されることにより生じる歪みにより発電する圧電素子112が設けられている。また、ボタン収容部102には、押圧方向と垂直な方向に凹み、鍔部111を収容する鍔部収容部113が形成されている。鍔部収容部113の押圧方向端部には、左停止ボタン7L側にボタン収容部102の内周面に沿って突出した突起部114が形成されている。
【0056】
圧電素子112は、遊技者によって押圧部105が押圧されて左停止ボタン7Lが所定距離を移動した場合に、突起部114と当接して鍔部111と突起部114とから応力が加わり、この応力による歪みを電気的エネルギーに変換して電気を発生する。LED110は、圧電素子112と電気的に接続されており、圧電素子112により発電された電気を用いて発光する。なお、図4(b)に示すように、圧電素子112は、圧電素子106と同様に円板形状に形成され、その中央に円状の開口部115を有している。
【0057】
ここで、前述した圧電素子106は、遊技者によって押圧部105が押圧されて鍔部111が突起部114に到達した後には、ボタン基部108と押圧部105からさらに強い圧力を受けて、より多くの電気を発生する。
【0058】
鍔部収容部113の押圧方向と逆方向端部には、左停止ボタン7L側に突出した突起部116が形成されている。突起部116は、遊技者によって押圧部105が押圧された後、バネ103によって押圧方向と逆方向に付勢された場合に、左停止ボタン7Lがパチスロ機1の外部に飛び出してしまうことを防止する。
【0059】
ボタン基部108には、押圧方向に沿って延びた円柱形状の軸部117が設けられている。また、ボタン基部108のバネ103側には、遊技者によって押圧部105が押圧されることにより生じる歪みにより発電する圧電素子118が設けられている。ここで、バネ103は、左停止ボタン7Lとボタン収容部102との間に軸部117を巻包するように設けられ、その一端が圧電素子118に当接し、他端がボタン収容部102に固定されている。そして、バネ103は、ボタン基部108を押圧方向と逆方向に付勢する。
【0060】
圧電素子118は、遊技者によって押圧部105が押圧された場合に、ボタン基部108とバネ103とから応力が加わり、この応力による歪みを電気的エネルギーに変換して電気を発生する。LED110は、圧電素子118と電気的に接続されており、圧電素子118により発電された電気を用いて発光する。また、図4(c)に示すように、圧電素子118は、圧電素子106と同様に円板形状に形成され、その中央に円状の開口部119を有している。
【0061】
ボタン収容部102の下面には、フォトセンサ104が設けられている。フォトセンサ104は、投光器120と、受光器121とを有しており、以下のようにして左停止ボタン7Lが遊技者により操作されたことを検知する。まず、遊技者によって押圧部105が押圧され、投光器120と受光器121との間に軸部117が位置した場合に、受光器121に入射する光が遮られる。そして、フォトセンサ104は、この遮光状態を検出し、検出信号を後述するリール停止信号回路46に送信する。
【0062】
図5は、パチスロ機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御信号に基づいて液晶表示装置5およびスピーカ21L、21R等を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0063】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32およびRAM33を含む。
【0064】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34および分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36およびサンプリング回路37とが接続されている。
【0065】
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわち、CPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成しても良い。その場合、乱数発生器36およびサンプリング回路37は省略可能であり、あるいは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0066】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判別に用いられる「確率抽籤テーブル」(図示せず)、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための「停止テーブル」(図示せず)、副制御回路72に送信するための各種制御信号(コマンド、信号)等が記憶されている。
【0067】
また、RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報等が格納される。
【0068】
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、メダルを収納しホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー40と、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ49L、49C、49Rとがある。
【0069】
さらに、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御するモータ駆動回路39およびホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41がCPU31に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0070】
また、マイクロコンピュータ30が制御信号を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51があり、これらもCPU31に接続されている。
【0071】
スタートスイッチ6Sは、スタートボタン6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生し、このスタートスイッチ信号をCPU31に送信するようになっている。また、投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。
【0072】
CPU31は、投入メダルセンサ22Sがメダル投入口22に投入されたメダルを検出すると、このメダルをカウントしてRAM33に最大50枚のメダルをクレジットするようになっており、CPU31は、RAM33にクレジットされたメダルを1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13の操作に応じた枚数だけ減算し、有効化される入賞ライン8a〜8eをBETランプ9a、9b、9cにより表示するようになっている。
【0073】
リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。具体的には、リール停止信号回路46は、フォトセンサ104から検出信号を受信すると、停止信号を発生する。このリール停止信号回路46から発生した停止信号はCPU31に送信されるようになっている。
【0074】
リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU31に供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検出するための信号を発生する。
【0075】
また、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートボタン6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。
【0076】
CPU31は、メダルが投入された状態において、スタートスイッチ6Sによって出力された開始信号に基づいてサンプリングされた乱数およびROM32内に格納されている確率抽籤テーブルに基づいて、CPU31が内部当籤役を決定するようになっている。
【0077】
リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L、49C、49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。
【0078】
こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0079】
前記リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が図5に示すROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0080】
さらに、ROM32内には、入賞図柄組み合わせテーブル(図示せず)が格納されている。この入賞図柄組み合わせテーブルでは、入賞となる図柄の組み合わせと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。前記の入賞図柄組み合わせテーブルは、左のリール3L、中央のリール3C、右のリール3Rの停止制御時、および全リール3L、3C、3Rの停止後の入賞確認を行う場合に参照される。
【0081】
前記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(確率抽籤処理)に基づいて、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られるリール停止信号、および停止テーブルに基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0082】
また、当籤した役の入賞を示す停止態様となれば、CPU31は、払出制御信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
【0083】
図6は、副制御回路72の構成を示す図である。副制御回路72は、主制御回路71からの制御信号に基づいて液晶表示装置5の表示制御、ランプ類やLED類の点灯制御およびスピーカ21L、21Rからの音の出力制御を行う。
【0084】
この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上から構成されており、音・ランプ制御回路73および画像制御回路80とを備えている。
【0085】
音・ランプ制御回路73は、画像制御回路80のシリアルポート81に接続されたシリアルポート77と、シリアルポート81、77を介して主制御回路71から送信される制御信号に従って制御動作を行う音・ランプ制御CPU74と、音・ランプ制御CPU74を制御するプログラムが格納されたプログラムROM75と、前述した制御プログラムを音・ランプ制御回路73で実行するときの一時記憶手段としてのワークRAM76と、音源IC78と、パワーアンプ79と、音源ROM91とを備えている。
【0086】
音・ランプ制御CPU74は、主制御回路71から制御信号に基づいてのBETランプ9a、9b、9cおよびWINランプ17等のランプ類を点灯制御したり、払出表示部18、クレジット表示部19およびボーナス遊技情報表示部20等のLED類を点灯制御するようになっている。
【0087】
一方、画像制御回路80は、主制御回路71とシリアルポート77の間で信号の遣り取りを行うシリアルポート81と、画像制御CPU82と、画像制御ワークRAM83と、画像制御プログラムROM84と、カレンダIC85と、画像ROM86と、ビデオRAM87と、画像制御IC88と、制御RAM89とを備えている。
【0088】
画像制御CPU82は、画像制御回路80の全体を制御するコンピュータからなり、所定のパラメータに基づいて画像制御プログラムROM84内に記憶された画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。
【0089】
画像制御プログラムROM84には、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルが記憶されており、画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0090】
画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力するようになっており、制御RAM89は画像制御IC88が画像を形成するときの各種制御パラメータが記憶される。
【0091】
画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを記憶するようになっており、ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0092】
カレンダIC85には時刻情報が記憶されており、このカレンダIC85と画像制御ワークRAM83は電源がオフしたときでもデータを保持するためのバックアップ対象となっている。
【0093】
次に、図7、図8のフローチャートに基づいてパチスロ機1の主制御回路71による制御処理を説明する。このフローチャートは、ROM32に記憶された制御プログラムにより実行される処理手順を示すものであり、CPU31によって実施される。
【0094】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。
【0095】
次いで、1ゲーム終了時用初期化処理、すなわち、ゲーム終了時のRAM33の所定の記憶領域の情報を消去する(ステップS2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次いで、CPU31は、ボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。ここでは、BB作動中であるときに、RBも作動中となるようにする。
【0096】
次いで、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。具体的には、リプレイ作動中フラグに基づく前回のゲームでリプレイが成立したか否かの判別情報、メダル投入口22へのメダル投入に基づく投入メダルセンサ22Sからの入力、および、BETスイッチ11、12、13からの入力、に応じて、RAM33にセットされた投入枚数カウンタを更新する。ここで、リプレイ作動中フラグは、リプレイの成立の有無を識別する情報であり、投入枚数カウンタは、次のゲームにおける投入枚数を特定する情報である。
【0097】
また、投入枚数カウンタの値に応じて有効ラインの設定を行う。例えば、投入枚数カウンタが“3”であれば、全ての有効ライン上に表示された図柄の組み合わせに基づいて後述の表示役を決定する。さらに、メダルが投入されていること(例えば、投入枚数カウンタが“1”以上であること、または、投入枚数カウンタが最大値“3”であること)を条件として、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力の有無をチェックする。
【0098】
次いで、CPU31は、内部抽籤用の乱数値抽出処理を行う(ステップS5)。この乱数値抽出処理では、サンプリング回路37を介して乱数発生器36により発生されている「0〜65535」の範囲の乱数値から1つの乱数値を抽出し、抽出した乱数値をRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。
【0099】
次いで、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS6)。この遊技状態監視処理では、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ、または持越役の情報に基づいて、今回のゲームにおける遊技状態を識別する情報をRAM33にセットする。次いで、CPU31は、内部抽籤処理を行う(ステップS7)。
【0100】
この内部抽籤処理では、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、上記遊技状態監視処理で取得した遊技状態に基づいて、抽籤回数と内部抽籤テーブルの種別を決定する。例えば、遊技状態が一般遊技状態である場合、抽籤回数として“5”を決定するとともに、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブルを決定する。
【0101】
次いで、この一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照し、上記乱数値抽出処理で取得した乱数値(RAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値)に基づいて、今回の内部当籤役を決定する。次いで、決定した内部当籤役がボーナスであれば、このボーナスを持越役としてRAM33の持越役格納領域にセットする。さらに、上記で決定した今回の内部当籤役と持越役との論理和を当籤役として決定する。
【0102】
例えば、内部当籤役として「ベルの小役」が決定され、持越役として「BB」がセットされていれば、「ベルの小役」と「BB」を当籤役として決定する。つまり、内部当籤役と持越役は、リール停止時の図柄の表示態様の決定に関わる情報であり、これらを含めて「当籤役」という。
【0103】
次いで、CPU31は、副制御回路72に対して「スタートコマンド」を送信する(ステップS8)。「スタートコマンド」には、内部当籤役、遊技状態の情報等が含まれている。
【0104】
続いて、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば“4.1秒”)経過しているか否かを判断し(ステップS9)、この判断結果が“YES”のときにはタイマのセット処理(ステップS11)に移り、“NO”のときには待ち時間消化処理(ステップS10)に移る。
【0105】
待ち時間消化処理(ステップS10)では、前回のゲームが開始してから所定時間経過するまでの間、以降の処理を行わずに、ゲーム開始待ち時間の消化(ウェイト)を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0106】
次いで、ゲーム監視用タイマのセット処理(ステップS11)において、ゲーム監視用タイマをセットする。具体的には、1ゲーム間監視用タイマ、自動停止タイマをセットする。1ゲーム間監視用タイマは、上記ゲーム間の時間を確保するために、ゲームが開始してからの時間を測定するタイマであり、自動停止タイマは、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L、3C、3Rを停止させるためのタイマである。
【0107】
続いて、CPU31は、モータ駆動回路39に対して、全リール(リール3L、3C、3R)の回転開始要求を行い(ステップS12)、モータ駆動回路39は、全リール(リール3L、3C、3R)の回転処理を行う。
【0108】
次いで、リール停止制御処理を行う(ステップS13)。具体的には、いずれかの停止ボタン7L、7C、7Rが操作された場合、停止テーブルに基づいて、停止操作された停止ボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rを停止させる。そして、副制御回路72に対して、「リール停止コマンド」を送信する。「リール停止コマンド」には、停止リール、停止位置の情報等が含まれている。このとき、圧電素子106、112、118は、遊技者によって押圧部105が押圧されることにより生じる歪みにより発電する。そして、LED110は、圧電素子106、112、118により発電された電気を用いて発光し、LED110により発光された光は、押圧部105を透過して停止ボタン7L、7C、7Rの外部に放出される。
【0109】
全ての停止ボタン7L、7C、7Rが操作され、全てのリール3L、3C、3Rを停止させたら、図柄組み合わせテーブルに基づいて、表示役と払出枚数を決定する(ステップS14)。この処理では、表示窓4L、4C、4Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(当籤が成立した役)を識別し、表示役フラグをセットする。具体的には、有効ラインに沿って並ぶ図柄のコードナンバーおよび図柄組み合わせテーブル、投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数を識別する。
【0110】
次いで、副制御回路72に対して表示役コマンドを送信する(ステップS15)。「表示役コマンド」には、表示役を特定する表示役フラグの情報、払出枚数に関する情報等が含まれる。
【0111】
次いで、メダル払出処理を行う(ステップS16)。このメダル払出処理では、クレジットモードであれば、払出枚数情報に基づいて、RAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。クレジット表示部19のクレジットカウンタの値は、このクレジットカウンタの更新に基づいて、表示させる。
【0112】
また、払出モードであれば、払出枚数情報に基づいて、ホッパー駆動回路41によりホッパー109を駆動制御してメダルの払出しを行う。また、CPU31は、表示役がリプレイであれば、リプレイ作動中フラグを“オン”にする。また、CPU31は、メダルの獲得枚数を更新する。この後、CPU31は、副制御回路72に払出終了コマンドを送信する。この払出終了コマンドは、メダルの払出しが完了したことを示す情報を含む。
【0113】
次いで、CPU31は、上記払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する(ステップS17)。ここでは、ボーナス終了枚数カウンタの値が“1”以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタの値を減算する。
【0114】
次いで、CPU31は、RAM33の所定の記憶領域を参照して、BB作動中フラグおよびRB作動中フラグを確認して(ステップS18)、BB作動中フラグまたはRB作動中フラグが“オン”であれば、ボーナス終了チェック処理を行う(ステップS19)。
【0115】
BB作動中フラグおよびRB作動中フラグがともに“オフ”であるか(ステップS18で判定)、ボーナス終了チェック処理(ステップS19)が終了したら、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS20)。
【0116】
そして、ボーナス作動チェック処理(ステップS20)が終了したら、1ゲーム終了用初期化処理(図7のステップS2)に戻る。
【0117】
次に、副制御回路72において実施される処理について説明する。副制御回路72では、画像制御プログラムROM84に記憶された制御プログラムに従って、画像制御CPU82によって処理が行われる。画像制御CPU82は、電源が投入されると、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、画像制御プログラムROM84に記憶されたリセット割込処理を順次行う。
【0118】
図9に、副制御回路72において行われるリセット割込処理のフローチャートを示し、説明する。
【0119】
図9に示すように、副制御回路72において行われるリセット割込処理では、初めに、画像制御ワークRAM83、制御RAM89、ビデオRAM87等の初期化を行う(ステップS31)。
【0120】
次いで、画像制御CPU82は、入力監視処理を行う(ステップS32)。この入力監視処理では、画像制御回路80に信号が入力されたか否かを監視する処理等を行う。例えば、画像制御CPU82は、遊技中以外(リール3の回転中以外等)において、操作部(図示せず)の入力があれば、操作部の入力に対応する演出データ(メニュー画面等)を決定する。
【0121】
次に、画像制御CPU82は、後述するコマンド入力処理を行う(ステップS33)。コマンド入力処理では、入力した各コマンドに応じて、液晶表示装置5、LED(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)、ランプ(BETランプ9a〜9c、WINランプ17)、スピーカ21L、21R等により実行する演出の内容(すなわち、演出データ)を決定する。
【0122】
次いで、画像制御CPU82は、画像描画処理を行う(ステップS34)。この画像描画処理では、決定された演出データに基づいて画像表示する演出画像の描画を行う。これにより、液晶表示装置5に、決定された演出データに応じた画像を表示することができる。
【0123】
次に、VDPカウンタの値が“2”であるか否かを判定する(ステップS35)。VDPカウンタの更新は、画像制御IC88からの定期信号受信処理により行われる。この割込処理は、画像制御IC88から1/60sec周期で出力される信号の受信に起因して行われる。
【0124】
すなわち、1/30sec周期でVDPカウンタの値が“2”に更新される。画像制御CPU82は、VDPカウンタの値は“2”でないと判別したときには、VDPカウンタが“2”に更新されるのを待つ。
【0125】
画像制御CPU82は、ステップS35においてVDPカウンタの値が“2”であると判別したとき、VDPカウンタの値に“0”をセットする(ステップS36)。
【0126】
次に、画像制御CPU82は、画像制御IC88にバンク切り換えコマンドを送信し、バンク切り換え処理を行って、表示画像データ領域と書込画像データ領域を入れ換えさせる(ステップS37)。この処理により、描画を行ったデータの表示を行うことができるとともに、このデータ表示中に今まで表示を行っていたデータ領域に描画を行うことができる。データ領域の入れ換えができたら、入力監視処理に戻り、上記処理(ステップS32〜ステップS37)を繰り返す。
【0127】
このような本発明の実施の形態に係るパチスロ機1によれば、遊技者によって押圧部105が押圧された場合に、圧電素子112が、ボタン収容部102側に突出した鍔部111と、停止ボタン7側に突出し、鍔部収容部113の押圧方向端部に設けられた突起部114とから押圧されることにより生じる歪みに応じて発電するので、遊技者がパチスロ機1を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができる。さらに、不要に強く停止ボタン7を操作した場合には、圧電素子112が鍔部111と突起部114とからさらに強い圧力を受けるため、より多くの電気を発生することができる。
【0128】
また、押圧部105が、透光性のある材料で形成され、凹部109を覆うように設けられ、LED110が、圧電素子106、112、118により発電された電気により発光し、LED110からの光は、押圧部105を透過するので、圧電素子106、112、118により発電された電気により発光した光を停止ボタン7の外部へ放出することができる。
【0129】
また、遊技者がパチスロ機1を操作することによって生成されるエネルギーを有効利用することができるとともに、停止ボタン7が遊技者により操作されたことをも検知することができる。
【0130】
なお、本実施の形態では、圧電素子106、112、118によって発生した電気は、LED110が発光するために用いられるが、これに限らず、蓄積手段に蓄積されることにより、LED110による発光以外に用いられるようにしてもよい。例えば、圧電素子106、112、118によって発生した電気は、コンデンサに蓄積され、蓄積された電気を用いて、BETランプ9a、9b、9c、WINランプ17、払出表示部18、クレジット表示部19、およびボーナス遊技情報表示部20等を点灯させる。
【0131】
また、本実施の形態では、圧電素子106、112、118は、停止ボタン7に備えられているが、これに限らず、停止ボタン7以外のボタン、例えば、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、スタートボタン6、C/Pスイッチ14等に備えられていてもよい。
【0132】
また、本実施の形態では、圧電素子106、112、118により発電された電気を用いて発光するものとして、LED110を利用しているが、これに限らず、電球、蛍光灯、エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子を利用してもよい。
【0133】
さらに、本実施の形態では、パチスロ機1として例示したが、これに限らず、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の外観を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の形態に係るパチスロ機の図柄の配列を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るボタンユニットを示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る圧電素子を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る主制御回路を含む電気回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るパチスロ機の主制御回路による処理を表すメインフローチャートである。
【図8】図7に後続する主制御回路による処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る副制御回路のリセット割込処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
1 パチスロ機
2 筐体
3L、3C、3R リール
6 スタートレバー
7L、7C、7R 停止ボタン
30 マイクロコンピュータ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
71 主制御回路
72 副制御回路
101 ボタンユニット
102 ボタン収容部
103 バネ
104 フォトセンサ
105 押圧部
106、112、118 圧電素子
107、115、119 開口部
108 ボタン基部
109 凹部
110 LED
111 鍔部
113 鍔部収容部
114、116 突起部
117 軸部
120 投光器
121 受光器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作するボタンと、前記ボタンを移動自在に収容するボタン収容部と、を備えた遊技機用ボタンユニットであって、
前記ボタンは、遊技者により押圧される押圧部と、押圧方向に沿って延びたボタン基部と、前記押圧部が押圧されることにより生じる歪みに応じて発電する圧電素子と、を有し、
前記ボタン基部は、前記ボタン収容部側に突出した鍔部を有し、
前記ボタン収容部は、前記鍔部を収容する鍔部収容部を有し、
前記鍔部収容部は、前記ボタン側に突出し、前記鍔部収容部の押圧方向端部に設けられた突起部を有し、
前記圧電素子は、前記鍔部の押圧方向側に設けられ、前記押圧部が押圧された場合に、前記鍔部と前記突起部とから押圧されることにより生じる歪みに応じて発電することを特徴とする遊技機用ボタンユニット。
【請求項2】
前記ボタン基部は、ボタン基部上面から押圧方向にかけて凹む凹部と、前記凹部に設けられた光源と、を有し、
前記押圧部は、透光性のある材料で形成され、前記凹部を覆うように設けられ、
前記光源は、前記圧電素子により発電された電気により発光し、
前記光源からの光は、前記押圧部を透過することを特徴とする請求項1に記載の遊技機用ボタンユニット。
【請求項3】
前記ボタンが遊技者により操作されたことを検知する検知手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機用ボタンユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−86396(P2008−86396A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267966(P2006−267966)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】