説明

遊技機用梱包機

【課題】遊技機の自重が加わる下部を溶着することなく、遊技機を四方封止状態に梱包することのできる梱包設備を提供する。
【解決手段】パチンコ機用梱包設備1は、コンベア装置10、L字形溶着・溶断装置20、ガイド部材30、チェーン式押圧装置40及びフィルム回収装置50を備え、長尺状フィルム材2は、折り目2cを搬送方向後方に向けた水平状態で、ガイド部材30の後方直近位置に対し、第1コンベア11の下を通る様に、第1コンベア11の側方から供給される。第1コンベア11の下方に供給されたフィルム材2は、上方に折り返されると共に、両側縁2a,2bを、それぞれコンベア11の外側からコンベア11を包み込む様に持ち上げられる。そして、持ち上げられた両側縁2a,2bは、それぞれ、ガイド部材30の分離プレート31,32の外側から内側へと掛けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機の製造工程で使用し、完成した遊技機を袋材に入れて封止する遊技機の梱包設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機の製造過程には、完成した遊技機に、傷がついたり埃が侵入したりするのを防止するために、フィルム等で梱包する工程が組み込まれている。この梱包工程においては、専用の機械(以下、「梱包機」という。)が使用される。
【0003】
こうした梱包機として、遊技機が受ステージに到達すると、受ステージ上方のドライブローラー対より垂れ下がった筒状の封袋材料の下端の未封止開口部を、チャック部で四方より把持して四角形断面に開き、ヒーターでチャック部より上方の封袋材料の所定位置を溶着すると同時に、カッターで当該溶着部分より上方を切断して、封袋材料より三方の封止された封筒のような封袋を切り離し形成した後に、封袋の未封止開口部を開き状態で把持したチャック部が下降して、封袋を受ステージ上の遊技機に上方より被せる様にしたものが知られている(特許文献1)。
【0004】
しかし、特許文献1の梱包機では、三方封止の袋を遊技機に上方から被せる都合上、遊技機下端では、袋が開口したままとなっており、四方を封止した状態に梱包することはできていなかった。
【0005】
そこで、保持台に遊技機を載置し、その上方から筒状シートを下端を開いた状態で供給すると共に保持台を上昇して遊技機を筒状シートの中に収容し、上昇位置にある遊技機の側面をシートごと把持した後に保持台を降下させ、遊技機を収容した状態で垂れ下がったシートの下端を溶着し、保持台を上昇させて遊技機を保持し、上昇位置での把持を解除して保持台を下降させつつシートを送り出し、遊技機の上側でシートを溶着すると共に切断することによって、四方が封止された状態まで自動的に梱包する装置が提案されている(特許文献2)。
【0006】
また、遊技機に被せる梱包材として二つ折りの長尺状フィルムを使用し、2枚の三角定規を対向配置した様な構成のガイド手段を用いてフィルム材を分離して遊技機の上から被せ得る状態にすると共にその供給方向を遊技機の搬送方向と同じ向きに方向転換し、遊技機の搬送速度にあわせてフィルム材を供給し、底部封止手段の加熱ローラの間にフィルム材の下縁部分を挿通して溶着し、底部封止手段よりも送り方向前方側に配置されている封止・切断手段で、先行するパチンコ機を挿入したフィルム材の後縁側の封止工程と、続行するパチンコ機を挿入したフィルム材の前縁側の封止工程と、フィルム材の切断工程とを同時に行う梱包機が提案されている(特許文献2)。
【0007】
これら特許文献2,3の梱包機によれば、特許文献1では達成できなかった四方封止の状態に遊技機を梱包する工程を自動化することができる。
【特許文献1】特開平10−1104(要約,図1)
【特許文献2】特開2002−119658(0066〜0084、図19)
【特許文献3】特開2002−177492(0009〜0020、図1,2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2,3の梱包機では、遊技機の下部に当たる部分を溶着しているので、その後の搬送・輸送において、遊技機の自重で下部の溶着部分が剥がれてしまう可能性がある。
【0009】
そこで、本願は、遊技機の自重が加わる下部を溶着することなく、遊技機を四方封止状態に梱包することのできる梱包設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するためになされた本発明の遊技機梱包設備は、遊技機を搬送する搬送装置と、該搬送装置による搬送経路の途中に設定される梱包位置に設置され、フィルムで遊技機を梱包する梱包装置と、前記梱包位置に遊技機梱包用の長尺状フィルムを供給するフィルム供給装置とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1−1)前記搬送装置は、第1コンベアと、該第1コンベアの下流側に遊技機の乗り移りが可能な隙間部分を設けて配置される第2コンベアとを備えていること。
(1−2)前記梱包装置は、前記第2コンベアの搬送経路に設置されていること。
(1−3)前記フィルム供給装置は、前記隙間部分から、前記第2コンベア上に、前記長尺状フィルムの両側縁が上方に立ち上がり、該長尺状フィルムの幅方向中央部が前記第2コンベアの上面に接し得る状態となる様に、前記長尺状フィルムを供給する装置として構成されていること。
(1−4)前記梱包装置は、前記梱包位置において、前記長尺状フィルムの上方へ立ち上げられた部分を、前記梱包位置において、前記遊技機の上部、搬送方向下流及び搬送方向上流の各位置にて溶着すると共に、該遊技機の搬送方向上流で切断する装置として構成されていること。
【0011】
ここで、本明細書において、遊技機は、第1コンベアから第2コンベアに向かって搬送される。そして、「上流」とは、遊技機の搬送方向(第1コンベアから第2コンベアへ向かう方向)に対して第1コンベア側をいい、「下流」とは、遊技機の搬送方向に対して第2コンベア側をいう。また、明細書中、「上流」を「搬送方向後方」といい、「下流」を搬送方向前方」という場合もある。
【0012】
本発明の遊技機梱包設備によれば、フィルム供給装置が、第1コンベアと第2コンベアの隙間部分から、長尺状フィルムの両側縁を上方に立ち上げ、幅方向中央部が第2コンベア上面に接し得る状態となる様に、フィルムを梱包位置に供給する。従って、第2コンベア上では、遊技機はコンベア上に乗り上げた長尺状フィルムの幅方向中央部に直に載った状態で、フィルムと共に梱包位置へと搬送される。そして、梱包位置においては、梱包装置が、長尺状フィルムの上方へ立ち上げられた部分を、遊技機の上部、搬送方向下流及び搬送方向上流の各位置(下部を除く三方位置)にて溶着すると共に、遊技機の搬送方向上流(第1コンベア側)で切断する。これにより、遊技機は、1台ずつ、フィルムによって四方封止の状態に梱包した状態にされる。このとき、遊技機を梱包するフィルムの下部には溶着部がないから、その後の搬送・輸送の過程で、遊技機の自重によってフィルムの溶着部が剥がれるといったことがない。また、第1コンベアと第2コンベアの隙間部分からフィルムを供給するようにしたので、第1コンベアから第2コンベアへと遊技機が乗り移る際に、遊技機はフィルムの上に自然と載置された状態になり、フィルム上に遊技機を載せるために遊技機を持ち上げたりする必要がない。従って、梱包工程において遊技機をフィルム上にセットするための余分な時間を必要としない。加えて、梱包封止に当たって遊技機をコンベアから持ち上げるための機械装置もいらない。
【0013】
ここで、本発明の遊技機梱包設備は、さらに、以下の構成をも備える様にするとよい。
(2−1)前記第1コンベア及び第2コンベアによる遊技機の搬送速度と、前記フィルム供給装置によるフィルムの供給速度とを略同一の速度としたこと。
【0014】
この様に、フィルムの供給速度と遊技機の搬送速度を同等とすることで、フィルム上に直に遊技機が載ってから梱包位置へと搬送する際に、フィルムに対して無駄な力、無理な力が加わるのを防止することができる。
【0015】
また、本発明の遊技機梱包設備は、さらに、以下の構成をも備える様にするとよい。
(3−1)前記フィルム供給装置は、前記長尺状フィルムを二つ折りの状態で送り出し、該二つ折りの折り目を上流側に向けた状態にて、前記第1コンベアの搬送方向に交差する方向から前記第1コンベアの下方位置へと送り出す送出機構を備えていること。
(3−2)前記フィルム供給装置は、前記送出機構によって送り出された長尺状フィルムを、前記二つ折りの外側の面が第1コンベアの下面に対面する様に、前記長尺状フィルムの全体を遊技機の搬送方向下流側に折り返した後、折り目の反対側の開いた両側縁を前記第1コンベアを包み込む様に上方に立ち上げ、この立ち上げた部分を、それぞれ内側に折り返して前記長尺状フィルムの先端を前記第2コンベアの方向に向かせる方向転換機構を備えていること。
(3−3)前記フィルム供給装置は、前記方向転換機構によって前記第1コンベアの下流方向に向かされた前記長尺状フィルムの幅方向中央部を、前記隙間部分で、前記第1コンベアの下方から前記第2コンベアの上方へと乗り上げさせて両側縁を立ち上げた状態で遊技機の搬送方向に供給する様に、前記長尺状フィルムに外側から当接し、遊技機の搬送速度と略同一の速度で、該長尺状フィルムを下流方向へ送るフィルム搬送機構を備えていること。
【0016】
この遊技機梱包装置によれば、フィルム供給装置の備えている送出機構によって、長尺状フィルムを二つ折りの状態で側方から第1コンベアの下方位置に送り込む。このとき、長尺状フィルムは、折り目側を上流側に向けている。そして、方向転換機構により、長尺状フィルムを、二つ折りの外側の面が第1コンベアの下面に対面する様に全体を遊技機の搬送方向下流側に折り返した後、折り目の反対側の開いた両側縁を第1コンベアを包み込む様に上方に立ち上げ、この立ち上げた部分を、それぞれ内側に折り返して長尺状フィルムの先端を第2コンベアの方向に向かせる。従って、二つ折りで送り出された長尺状フィルムは、送り出したときに二つ折りの外側となっていた面を内側にする様に、第1コンベアを下から包み込んだ状態とされる。こうして、第1コンベアを下から包み込む様に送り込まれた長尺状フィルムは、第1,第2コンベア間の隙間部分を介して第2コンベアの上に乗り上げられ、フィルム搬送機構によって立ち上がった部分に搬送力を与えられながら、幅方向中央部の外面(二つ折りの状態で送り出した時の内面)を第2コンベアの上面に接触させ、両側縁を上方に立ち上げた状態で、即ち、遊技機を直に載置して包み込む状態で、遊技機と共に搬送することができる。この結果、(3−1)〜(3−3)を備えた設備では、遊技機を、フィルムの幅方向中央の内側(二つ折りで送り出した時の外面)に直に載置し、下から包み込んだ状態にして梱包位置に送り込む動作を正確に実行することができる。
【0017】
ここで、前記方向転換機構は、具体例としては、「(3−1−4)二枚の直角三角形状の分離プレートを、垂辺が前方に向き、斜辺が後方に向く様に、底辺を下にして、前記第1コンベアの両側に対向して設置したもの」として構成することができる。この場合、第1コンベアの下方で全体に折り返した長尺状フィルムの両側縁を分離プレートの外側から斜辺に引っ掛ける様に内側に回り込ませる如く折り返してセットすればよい。なお、この二枚の分離プレートは、長尺状フィルムを方向転換する役割に加えて、長尺状フィルムを遊技機を包み込める状態に広げた状態を保持する役割も果たす。従って、この二枚の分離プレートは、その間を遊技機が通過できる様に対向配置する。よって、遊技機が大きくなった場合は、配置間隔を広げてやればよい。
【0018】
また、第1,第2コンベアの間の隙間部分は、これが広いほど、フィルムの第2コンベア上への乗り上げがスムーズになる。しかしながら、隙間部分の間隔が広すぎると、遊技機が傾いて乗り移りが困難になる場合があり得る。従って、隙間部分は、遊技機の乗り移りに支障がない様にある程度狭くする必要がある。ところが、隙間部分を狭くすると、第1コンベアの下方位置から第2コンベアの上方へと乗り上げるためのフィルムの屈曲角度が大きくなる。
【0019】
そこで、これら(3−1)〜(3−3)の構成をも備えた遊技機梱包設備においては、さらに、以下の構成をも備える様にするとよい。
(4−1)前記第1コンベアの下流端ローラを、前記第2コンベアの上流端ローラよりも小径のものにしたこと。
【0020】
この様に、第1コンベアの下流端ローラを第2コンベアの上流端ローラよりも小径のものにすることで、第1ローラコンベアから第2ローラコンベアへと乗り移る部分におけるフィルムの屈曲角度が小さくなる。この結果、第1コンベアを下から包み込む様にセットされたフィルムを、スムーズに第2コンベアの上面で遊技機を下から包み込む状態へと乗り上げさせることができる。よって、(4−1)を採用することにより、第1,第2コンベアの間の隙間部分を狭くすることができ、遊技機の乗り移りをスムーズにし、かつ、フィルムの乗り上げもスムーズにすることが可能になる。
【0021】
なお、この場合、さらに、以下の構成をも備える様にすることができる。
(5−1)前記第1コンベアの下流端ローラは、該第1コンベアの上流端ローラよりも小径とされていること。
【0022】
この(5−1)を備えることで、第1コンベアを全体に高さ方向の厚さの薄いものにしなくても、フィルムのスムーズな乗り上げを実現できる。そして、上流端ローラを大径とすることで、第1コンベアによる搬送速度と第2コンベアによる搬送速度とをほぼ同一に制御することが容易になる。また、上流端ローラを大径とすることによって回転速度を小さくすることもできるので、制御を容易にするという作用・効果も発揮される。
【0023】
なお、第2コンベアの載置面高さが第1コンベアの載置面高さよりも若干低くなる様に構成することで、第1コンベアから第2コンベアに遊技機が傾いても、乗り移りが容易である。また、第2コンベアの載置面高さを若干低くすることは、第1ローラコンベアから第2ローラコンベアへと乗り移る部分におけるフィルムの屈曲角度を小さくする作用・効果も発揮する。
【0024】
これら本発明の遊技機梱包設備においては、梱包装置として、以下の構成を備えたものを採用するとよい。
(6−1)前記遊技機を取り巻いた状態の前記長尺状フィルムを、その上部を水平方向に線状に溶着する第1溶着部と、該第1溶着部の上流側を垂直方向に線状に溶着する第2溶着部とからなるL字形溶着部を備えたL字形溶着装置を備えていること。
(6−2)前記L字形溶着装置は、前記第2溶着部の直近の上流側に位置し、前記長尺状フィルムを垂直方向に線状に溶断する後方溶断部を備えていること。
(6−3)前記L字形溶着装置は、前記後方溶断部の上流側に位置し、前記長尺状フィルムを垂直方向に線状に溶着する第3溶着部をも備えていること。
(6−4)前記L字形溶着装置は、前記第1溶着部,第2溶着部,第3溶着部及び後方溶断部を同時に作動させ得る装置として構成されていること。
【0025】
かかる構成からなる梱包装置を備えることで、(6−4)の構成によって、長尺状フィルムをL字形に溶着すると同時に後方切断部による切り離し動作と、次の遊技機用の送り方向前端封止動作とを同時に実行することができる。従って、梱包の作業効率を向上することができる。また、かかる動作を可能にするに当たり、(6−1)〜(6−3)の構成からなるL字形溶着装置を採用することで、梱包設備における送り方向の部品配置をコンパクトなものとすることができ、設備の大型化を招かない様にすることができる。
【0026】
また、梱包装置として、以下の構成を備えたものを採用する様にしてもよい。
(7−1)前記遊技機を取り巻いた状態の前記長尺状フィルムを、その上部を水平方向に線状に溶着する第1溶着部と、該第1溶着部の上流側を垂直方向に線状に溶着する第2溶着部とからなるL字形溶着部を備えたL字形溶着装置を備えていること。
(7−2)前記L字形溶着装置は、前記第2溶着部の直近の上流側に位置し、前記長尺状フィルムを垂直方向に線状に溶断する後方溶断部と、前記第1溶着部の上方に位置し、前記長尺状フィルムを水平方向に線状に溶断する上方溶断部とを、該上方溶断部と前記後方溶断部とが接触又は交差する様に配置することによって、前記第1溶着部及び前記第2溶着部によって形成されるL字形の溶着線の外側にL字形溶断線を形成して前記長尺状フィルムの先端部分を前記遊技機を取り巻いた状態に切り離すL字形切断部をも備えていること。
(7−3)前記L字形溶着装置は、前記後方溶断部の上流側に位置し、前記長尺状フィルムを垂直方向に線状に溶着する第3溶着部をも備えていること。
(7−4)前記L字形溶着装置は、前記第1溶着部,第2溶着部,第3溶着部,後方溶断部及び上方溶断部を同時に作動させ得る装置として構成されていること。
【0027】
かかる構成からなる梱包装置を採用すれば、(7−4)の構成によって、長尺状フィルムをL字形に溶着すると同時にL字形切断部による切り離し動作と、次の遊技機用の送り方向前端封止動作とを同時に実行することができる。従って、梱包の作業効率を向上することができる。また、かかる動作を可能にするに当たり、(7−1)〜(7−3)の構成からなるL字形溶着装置を採用することで、梱包設備の送り方向の部品配置をコンパクトなものとすることができ、設備の大型化を招かない様にすることができる。さらに、溶断部をL字形溶断部としたので、上部において、溶着線の外側に余白のフィルムを大きく残すことがなく、見栄えのよい梱包が可能となる。そして、この見栄えのよい梱包は、梱包した遊技機を送り方向前方に搬送等する際に、余白部分が梱包設備を構成する部品や周辺機器にひっかかって機械の動作不良を引き起こしたり、あるいはフィルムを破ってしまうという問題も生じない。
【0028】
この(7−1)〜(7−4)の構成を備えた梱包装置を採用する場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(8−1)前記L字形溶断部によって前記長尺状フィルムを切り離す際に生じる余白部分のフィルム材を回収するフィルム回収手段を備えたこと。
【0029】
かかる構成をも採用することにより、見栄え良く、かつ動作不良や梱包不良を来すことなく梱包作業を実行するだけでなく、溶断の際に発生する余白部分が堆積して残ったりするのを防止することができる。従って、大量の遊技機の梱包を実行しても、余白の絡まりによる機械の故障等を生じることがない。
【0030】
これらの梱包装置を備えた遊技機梱包設備においては、さらに、以下の構成をも備える様にするとよい。
(9−1)前記遊技機及び前記長尺状フィルムの送り動作及び停止動作を同期して実行する同期制御手段を備えていること。
(9−2)前記第3溶着部の直後位置に最初の遊技機が位置し、かつ、前記長尺状フィルムの先端が少なくとも前記第3溶着部を越える位置となる様に前記遊技機及び前記長尺状フィルムの送り動作を実行して一旦停止した状態で前記L字形溶着装置を作動させ、その後、前の遊技機が前記L字形溶着装置の前記第2溶着部の直前位置となり、かつ、次の遊技機が前記第3溶着部の直後位置となって停止する様に前記同期送り手段を作動させた後に前記L字形溶着装置を作動させる動作を実行し、最後の遊技機を前記第2溶着部の直前位置に停止させて前記L字形溶着装置を作動させる動作制御手段を備えていること。
【0031】
(9−1)及び(9−2)の構成を備えることにより、最初の遊技機の前端側の封止を実行した後、最後の遊技機の後端側の封止を実行するまでの間、一連の動作によって次々と遊技機の梱包を完了することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、遊技機の自重が加わる下部を溶着することなく、遊技機を四方封止状態に梱包することができる。また、そのために遊技機を搬送装置から一旦持ち上げる等の工程が不要で、梱包の作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を具体化したパチンコ機用の梱包設備1の実施形態を説明する。
【0034】
実施形態のパチンコ機用梱包設備1は、二つ折りにした長尺状のフィルム材2をパチンコ機Pの搬送方向に搬送しつつパチンコ機Pごとに四方封止状態に溶着するものであって、以下の構成を備えている。なお、本実施形態では、フィルム材2として、厚さ0.035mmのポリエチレン製シートを用いる。これは、梱包時の破損防止等を考慮したものである。
【0035】
パチンコ機用梱包設備1は、図1に示す様に、パチンコ機Pを搬送するためのコンベア装置10と、フィルム材2をパチンコ機Pを一台ずつ包み込んだ状態に封止すると共に、パチンコ機Pごとに切り離すための梱包装置であるところのL字形溶着・溶断装置20梱包機と、二つ折りで供給される長尺状フィルム材2を分離し、両側縁2a,2bを上方に持ち上げた状態に開くためのガイド部材30と、ガイド部材30によって開かれたフィルム材2を前方へ送るチェーン式押圧装置40と、L字形溶着・溶断装置20によって溶断された余白部分を巻き取って回収するフィルム回収装置50とを備えている。なお、以下、搬送方向との関係から、図1において、左側を前方、右側を後方とよぶ。
【0036】
コンベア装置10は、図1に示す様に、後方の第1コンベア11と、前方の第2コンベア12とを備えている。いずれも駆動装置によって駆動されるローラを備え、パチンコ機Pを正面をコンベアの側方に向けた起立状態で載置し、起立状体のまま前方へと搬送することができるものである。また、後方に位置する第1コンベア11と前方に位置する第2コンベア12との間はパチンコ機Pの左右幅よりも十分に小さな間隔(本実施形態では、左右幅の約1/3)をあけて設置される。
【0037】
また、第1コンベア11として、大径の上流端ローラ14(直径100mm)と、小径の下流端ローラ13(直径30mm)との間をベルトでつないだものを用いている。そして、第2コンベア12として、いずれも直径60mmの上流端ローラ15と下流端ローラ16とをベルトでつないだものを用いている。この結果、第1コンベア11の下面は、テーパ状となっている。なお、第1コンベア11の長さは2mであるから、この下面のテーパ角度は、緩やかである。一方、第1コンベア11と第2コンベア12の上面高さは、第1コンベア12側を若干(5〜10mm程度)低くしてパチンコ機Pの乗り移りが容易な様に構成してある。なお、第1,第2コンベア11,12は、ほぼ等速度で駆動される様に構成してある。
【0038】
L字形溶着・溶断装置20は、図1,図2に示す様に、上部の水平腕21と、この水平腕21の後端から下方に伸びる垂直腕22とから一体化されたL字形の枠体を、コンベア12の側方に対面して一対配置したものである。このL字形溶着・溶断装置20は、水平腕21に沿って、パチンコ機Pを取り巻いた状態のフィルム材2の上端を線状に溶着する第1溶着部23を備えると共に、この第1溶着部23の後端から垂直腕22に沿って下方に伸びる第2溶着部24をも備え、これら第1,第2溶着部23,24により構成されるL字形の溶着部を備えたものとなっている。また、L字形溶着・溶断装置20は、この第1溶着部23の上方に、第1溶着部23とほぼ平行に伸びる外側溶断部25を備えると共に、第2溶着部24の後方に、第2溶着部24とほぼ平行に伸びる後方溶断部26をも備え、これら外側溶断部25及び後方溶断部26により形成されるL字形の溶断部をも備えたものとなっている。さらに、垂直腕22には、後方溶断部26の後方において後方溶断部26と平行に伸びる第3溶着部27をも備えている。
【0039】
ガイド部材30は、図1に示す様に、第1コンベア11の両側に対向して設置される二枚の分離プレート31,32によって構成されている。この分離プレート31,32は直角三角形状のスチールプレートによって構成され、その垂辺31a,32aが前方に向き、斜辺31b,32bは後方に向く様に、底辺31c,32cを下向きにして設置されている。
【0040】
チェーン式押圧装置40は、図1に示す様に、ガイド部材30によって開かれたフィルム材2を、その上端を挟んで、ガイド部材30からL字形溶着・溶断装置20まで前方へ送るためのものである。このチェーン式押圧装置40は、L字形溶着・溶断装置20の水平腕21よりも上方に位置する様に、ガイド部材30の前方位置からL字形溶着・溶断装置20の前端付近までに渡る様に設置されている。また、チェーン式押圧装置40は、コンベア11,12の幅方向に対面している一対のチェーン駆動装置41,42と、これらチェーン駆動装置41,42をコンベア11,12の幅方向に移動させるエアシリンダ43,44とを備えている。このチェーン駆動装置41,42は、エアシリンダ43,44を伸長させてフィルム材2の上端を挟んで若干上方へ引っ張り上げた後、コンベア11,12の搬送速度と同期してフィルム材2に対して前方への移動力を与える様に構成されている。
【0041】
フィルム回収装置50は、図1に示す様に、チェーン式押圧装置40よりも前方に、チェーン式押圧装置40とほぼ同じ高さに設置された巻き取り装置によって構成されている。
【0042】
長尺状フィルム材2は、図3に示す様に開き、図4に示す様に、折り目2cを搬送方向後方に向けた水平状態で、ガイド部材30の後方直近位置に対し、第1コンベア11の下を通る様に、第1コンベア11の側方から供給される。第1コンベア11の下方に供給されたフィルム材2は、上方に折り返されると共に、両側縁2a,2bを、それぞれコンベア11の外側からコンベア11を包み込む様に持ち上げられる。そして、持ち上げられた両側縁2a,2bは、それぞれ、ガイド部材30の分離プレート31,32の外側から内側へと掛けられる。
【0043】
なお、この長尺状フィルム材2は、図示省略したロール軸にロール状のものとしてセットされている。このロール軸は、フリーロールであり、後述するシートのフィルム搬送動作に伴って長尺状フィルム材2を自然に送り出すことができる様になっている。フリーロールであることから、フィルム材2の溶着等の作業の際に搬送停止したときには、惰性で若干量多めにフィルムを送り出すことになる。しかし、この若干量多めにフィルムが送り出されることにより、次の動作のためにフィルムの搬送を開始する際の動きがスムーズになっている。
【0044】
ここで、フィルムロール(図示略)に巻き取られている状態のフィルム材2の折り方を山折りとして、このガイド部材30によって分離される状態を説明する。ガイド部材30によって分離されたフィルム材2は、図3,図4に示す様に、山折りの外面4を内面とし、内面5を外面とする谷折り状となる様に、両側縁2a,2bを上方に持ち上げた状態に分離して開かれる。
【0045】
なお、この様にフィルム材2をセットするためのフィルム材2の折り方を示すと図5の様になる。図中の点線は谷折り線であり、一点鎖線は山折り線である。
【0046】
こうして開かれたフィルム材2は、第1コンベア11の前端まで、その下方を通っている。従って、第1コンベア11の上を搬送されるパチンコ機Pが直に載った状態にはなっていない。
【0047】
ガイド部材30によって開かれたフィルム材2は、図6(A)に示す様に、チェーン式押圧装置40によって上端を軽く挟まれた状態で前方へ送られる。また、フィルム材2は、図6(C)に示す様に、第1コンベア11から前方へ送り出される際に、第2コンベア12の載置面の上に出る様にセットされている。従って、第2コンベア12の位置では、コンベア上を搬送されるパチンコ機Pがフィルム材2の上に直に載った状態となり、フィルム材2には、第2コンベア12による前方への移動力も付与されることになる。チェーン式押圧装置40におけるチェーン駆動装置41,42の駆動速度を第1,第2コンベア11,12の移動速度と同期させると共に、第2コンベア12上ではパチンコ機Pが直にフィルム材2に載った状態とすることにより、パチンコ機P及びフィルム材2を同期して送る同期送り手段が構成されている。
【0048】
次に、本実施形態のパチンコ機用梱包設備1の動作方法について説明する。動作制御を実行する制御装置60は、図7に示す様に、第1,第2コンベア11,12を駆動するコンベアモータ17,18と、L字形溶着・溶断装置20にフィルム挟持・開放動作を実行させるエアシリンダ28と、L字形溶着・溶断装置20の第1溶着部23,第2溶着部24,外側溶断部25,後方溶断部26及び第3溶着部27のヒータを駆動・停止する加熱装置29と、チェーン駆動装置41,42を接近・離間させるエアシリンダ43,44と、チェーン駆動装置41,42を回転・停止させるチェーンモータ45,46と、フィルム回収装置50の巻き取り軸を回転させる巻き取りモータ51とへ、制御信号を送出すると共に、これらモータ17,18等のエンコーダ信号や、シリンダ28等のストローク信号を入力する様に構成されている。
【0049】
この制御装置60により、本実施形態のパチンコ機用梱包設備1は、図8,図9に示す様な制御動作を実行する。
【0050】
まず、コンベアモータ17,18によるパチンコ機送り動作と、エアシリンダ43,44によるフィルム挟持動作と、チェーンモータ45,46によるフィルム送り動作を開始する(S10)。このパチンコ機送り動作とフィルム送り動作は、速度を同期させている。また、フィルム挟持動作は、フィルム材2をやや内側に押圧する程度とし、完全に挟持してはいない。これは、フィルム材2は軽いものであることから、わずかにチェーンに触れれば送り速度を与えることができるのと、逆に、完全に挟持するよりも、フィルム送り速度をパチンコ機送り速度に同期させるのに適するからである。
【0051】
こうして最初のパチンコ機P1とフィルム材2の送り動作を、第3溶着部27の直後位置に最初のパチンコ機P1が位置し、かつ、フィルム材2の先端が少なくとも第3溶着部27を越える位置となるまで実行した後に、一旦停止させる(S20)。この間の動作は、作業者のマニュアル操作によって実行してもよいし、センサ等の信号を用いて自動で実行してもよい。
【0052】
次に、チェーン駆動装置40のエアシリンダ43,44をさらに挟持方向に動作させて、フィルム材2を完全に挟持する(S30)。このとき、フィルム材2の上にはパチンコ機Pが載っているから、フィルム材2の下端は浮き上がることができない。よって、この挟持動作により、フィルム材2が上方に引き上げられる。
【0053】
続いて、エアシリンダ28を駆動してL字形溶着・溶断装置20による挟持動作を実行すると共に、加熱装置29に対して前端封止動作を指令する(S40)。これにより、L字形溶着・溶断装置20の第3溶着部27が作動し、フィルム材2は、その前端が封止された状態となる。
【0054】
次に、加熱装置29の通電を停止すると共に、エアシリンダ28を開放動させる(S50)。また、チェーン駆動装置40のエアシリンダ43,44をS10におけるフィルム挟持動作の位置に復帰させると共に(S60)、コンベアモータ17,18によるパチンコ機送り動作と、チェーンモータ45,46によるフィルム送り動作を再開する(S70)。ここでも、パチンコ機送り動作とフィルム送り動作を同期させる。
【0055】
そして、先頭のパチンコ機P1がL字形溶着・溶断装置20の第2溶着部24の直前位置となり、かつ、2台目のパチンコ機P2が第3溶着部27の直後位置となったところで送り動作を停止する(S80)。そして、S30と同様に、フィルム材2の完全挟持を実行し(S90)、フィルム材2を上方に引き上げることで、上部に溶着スペースを確保する。
【0056】
続いて、エアシリンダ28を駆動して挟持動作を実行すると共に、加熱装置29に対して全てのヒータの同時通電制御を指令する(S100)。これにより、L字形溶着・溶断装置20の第1溶着部23,第2溶着部24,外側溶断部25,後方溶断部26及び第3溶着部27が同時に作動し、先頭のパチンコ機P1を包み込んでいる部分の上部及び後方を封止及び切り離しがなされると共に、次のパチンコ機P2の前端の封止が実行される。
【0057】
次に、加熱装置29の通電を停止すると共に、エアシリンダ28を開放動させ(S1100)、チェーン駆動装置40のエアシリンダ43,44をS10におけるフィルム挟持動作の位置に復帰させる(S120)。ここで、切り離しによって発生したフィルムの余白部分をフィルム回収装置50の巻き取り軸に巻き付ける(S130)。この作業は、作業者がマニュアルで実行する。なお、巻き取り軸への巻付けを自動的に実施する様な装置を設備しても構わない。
【0058】
こうして、余白部分の回収の準備が整ったら、コンベアモータ17,18によるパチンコ機送り動作と、チェーンモータ45,46によるフィルム送り動作を再開すると共に(S140)、巻き取りモータ51によるフィルム回収動作を開始する(S150)。なお、パチンコ機送り動作、フィルム送り動作及びフィルム回収動作は、その速度を同期させる。
【0059】
そして、2台目のパチンコ機P2がL字形溶着・溶断装置20の第2溶着部24の直前位置となり、かつ、3台目のパチンコ機P3が第3溶着部27の直後位置となったところで送り動作及び回収動作を停止する(S160)。そして、S30と同様に、フィルム材2の完全挟持を実行し(S170)、続いて、S100と同様に、エアシリンダ28を駆動して挟持動作を実行すると共に、加熱装置29に対して同時通電制御を指令する(S180)。これにより、2台目パチンコ機P2を包み込んでいる部分の上部及び後方を封止及び切り離しがなされると共に、3台目のパチンコ機P3の前端の封止が実行される。
【0060】
次に、加熱装置29の通電を停止すると共に、エアシリンダ28を開放動させ(S190)、チェーン駆動装置40のエアシリンダ43,44をS10におけるフィルム挟持動作の位置に復帰させる(S200)。
【0061】
以下、最後のパチンコ機Pxになるまで、S140以下の制御処理を繰り返し実行する(S210:NO)。そして、最後のパチンコ機Pxになったら(S210:YES)、当該パチンコ機Pxが第2溶着部24の直前位置に来たところで送り動作及び回収動作を停止し(S220)、S30と同様に、フィルム材2の完全挟持を実行し(S230)、エアシリンダ28を駆動して挟持動作を実行すると共に、加熱装置29に対して、後端封止及び切り離しを指令する(S240)。これにより、第3溶着部27以外の各ヒータが通電されて、最後のパチンコ機Pxを包み込んでいる部分の上部及び後方を封止及び切り離しがなされる。後は、最後のパチンコ機Pxを取り出し位置へ移動する等の後処理を実行する(S250)。
【0062】
余白部分の回収準備が済んだ後の動作(S140以下の動作)は、センサ信号等に基づいて自動で実行することができる。
【0063】
本実施形態によれば、パチンコ機Pを四方封止状態に梱包するに当たり、長尺状のフィルム材2をL字形に溶着すると同時に切り離し動作と、次のパチンコ機用の前端封止動作とを同時に実行することができる。従って、梱包の作業効率を向上することができる。また、かかる動作を可能にするに当たり、L字形溶着・溶断装置20を採用したので、梱包設備1の送り方向の部品配置をコンパクトなものとすることができ、装置の大型化を招くことがない。さらに、切断部をL字形切断部としたので、溶着線の外側に余白のフィルムを大きく残すことがなく、見栄えのよい梱包が可能となる。そして、この見栄えのよい梱包は、梱包したパチンコ機を搬送等する際に、余白部分が梱包設備1にひっかかって機械の動作不良を引き起こしたり、あるいは梱包したフィルムを破ってしまうという問題も生じない。
【0064】
また、フィルム回収装置50を備えたので、上述の如く、見栄え良く、かつ動作不良や梱包不良を来すことなく梱包作業を実行するだけでなく、切断動作の際に発生する余白部分が切断位置に堆積して残ったりするのを防止することができる。また、余白部分の絡まりによる機械の故障も生じない。
【0065】
さらに、制御装置60による制御動作を上述の通り構成したので、最初のパチンコ機P1の前端側の封止を実行した後、最後のパチンコ機Pxの後端側の封止を実行するまでの間、一連の動作が次々と実行され、パチンコ機の梱包を迅速に実行することができる。
【0066】
また、本実施形態では、フィルム材2を上部が開いた状態にセットし、梱包状態で荷重の加わる下部を連続部分としているので、包装が破れにくい。また、フィルム材2を第2コンベア12の位置ではコンベアローラ上に持ち上げているので、パチンコ機Pとコンベアローラの間にフィルム材2が挟まれ、フィルム材2をパチンコ機Pと速度を同期させて送る際に有利な構成となっている。従って、封止動作前の送り動作においてフィルム材2に無理な力が加わって破れるということもない。この作用・効果はまた、チェーン式押圧装置40によってフィルム材2の上部に対しても送り動作を実行することにより、一層確実なものとなっている。特に、フィルム材2の上部に対する送り動作は、完全な挟持ではなく、軽い挟持で実行されることから、フィルム材2とパチンコ機Pの送り速度の同期をより一層確実にしている。また、チェーン式押圧装置40はフィルム材2を軽く挟持しているので、フィルム材2の端がずれた場合の補正作業等も容易に実施できる。
【0067】
また、この様なフィルム材2で下から包み込む様にしてパチンコ機Pを包装するに当たり、本実施形態で採用したフィルム供給方法によれば、フィルム材2を確実にパチンコ機Pを包み込む様に開くことができる。
【0068】
以上、発明を実施するための最良の形態としての一実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0069】
例えば、第1コンベア11と第2コンベア12を同じ厚さのコンベアで構成してもよいし、第1コンベア11と第2コンベア12の上面高さを同一高さとしておいても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態のパチンコ機用梱包機を示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図2】実施形態におけるL字形溶着・溶断装置を示し、(A)は背面図、(B)は水平腕の断面図、(C)は垂直腕の断面図である。
【図3】実施形態におけるフィルム材のセットに当たっての開き方を示す斜視図である。
【図4】実施形態におけるフィルム材のセット方法を示し、(A)は斜視図、(B)左側面図である。
【図5】実施形態におけるフィルム材の折り方を示す説明図である。
【図6】実施形態におけるフィルム材の送り方法を示し、(A),(B)は左側面図、(C)は正面図である。
【図7】実施形態における制御系統のブロック図である。
【図8】実施形態における動作制御のフローチャートである。
【図9】実施形態における動作制御の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0071】
1・・・パチンコ機用梱包設備
2・・・フィルム材
2a,2b・・・フィルム材の側縁
10・・・コンベア装置
11・・・第1コンベア
12・・・第2コンベア
13・・・第1コンベアの下流端ローラ
14・・・第1コンベアの上流端ローラ
15・・・第2コンベアの上流端ローラ
16・・・第2コンベアの下流端ローラ
17,18・・・コンベアモータ
20・・・L字形溶着・溶断装置(梱包装置)
21・・・水平腕
22・・・垂直腕
23・・・第1溶着部
24・・・第2溶着部
25・・・外側溶断部
26・・・後方溶断部
27・・・第3溶着部
28・・・エアシリンダ
29・・・加熱装置
30・・・ガイド部材
31,32・・・分離プレート
31a,32a・・・垂辺
31b,32b・・・斜辺
31c,32c・・・底辺
40・・・チェーン式押圧装置
41,42・・・チェーン駆動装置
43,44・・・エアシリンダ
45,46・・・チェーンモータ
50・・・フィルム回収装置
51・・・巻き取りモータ
60・・・制御装置
P,P1,P2,Px・・・パチンコ機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を搬送する搬送装置と、該搬送装置による搬送経路の途中に設定される梱包位置に設置され、フィルムで遊技機を梱包する梱包装置と、前記梱包位置に遊技機梱包用の長尺状フィルムを供給するフィルム供給装置とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機梱包設備。
(1−1)前記搬送装置は、第1コンベアと、該第1コンベアの下流側に遊技機の乗り移りが可能な隙間部分を設けて配置される第2コンベアとを備えていること。
(1−2)前記梱包装置は、前記第2コンベアの搬送経路に設置されていること。
(1−3)前記フィルム供給装置は、前記隙間部分から、前記第2コンベア上に、前記長尺状フィルムの両側縁が上方に立ち上がり、該長尺状フィルムの幅方向中央部が前記第2コンベアの上面に接し得る状態となる様に、前記長尺状フィルムを供給する装置として構成されていること。
(1−4)前記梱包装置は、前記梱包位置において、前記長尺状フィルムの上方へ立ち上げられた部分を、前記梱包位置において、前記遊技機の上部、搬送方向下流及び搬送方向上流の各位置にて溶着すると共に、該遊技機の搬送方向上流で切断する装置として構成されていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機梱包設備。
(2−1)前記第1コンベア及び第2コンベアによる遊技機の搬送速度と、前記フィルム供給装置によるフィルムの供給速度とを略同一の速度としたこと。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機梱包設備。
(3−1)前記フィルム供給装置は、前記長尺状フィルムを二つ折りの状態で送り出し、該二つ折りの折り目を上流側に向けた状態にて、前記第1コンベアの搬送方向に交差する方向から前記第1コンベアの下方位置へと送り出す送出機構を備えていること。
(3−2)前記フィルム供給装置は、前記送出機構によって送り出された長尺状フィルムを、前記二つ折りの外側の面が第1コンベアの下面に対面する様に、前記長尺状フィルムの全体を遊技機の搬送方向下流側に折り返した後、折り目の反対側の開いた両側縁を前記第1コンベアを包み込む様に上方に立ち上げ、この立ち上げた部分を、それぞれ内側に折り返して前記長尺状フィルムの先端を前記第2コンベアの方向に向かせる方向転換機構を備えていること。
(3−3)前記フィルム供給装置は、前記方向転換機構によって前記第1コンベアの下流方向に向かされた前記長尺状フィルムの幅方向中央部を、前記隙間部分で、前記第1コンベアの下方から前記第2コンベアの上方へと乗り上げさせて両側縁を立ち上げた状態で遊技機の搬送方向に供給する様に、前記長尺状フィルムに外側から当接し、遊技機の搬送速度と略同一の速度で、該長尺状フィルムを下流方向へ送るフィルム搬送機構を備えていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項3記載の遊技機梱包設備。
(4−1)前記第1コンベアの下流端ローラを、前記第2コンベアの上流端ローラよりも小径のものにしたこと。
【請求項5】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項4記載の遊技機梱包設備。
(5−1)前記第1コンベアの下流端ローラは、該第1コンベアの上流端ローラよりも小径とされていること。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−168886(P2007−168886A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372014(P2005−372014)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】