遊技機
【課題】 確率変動状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止するとともに、複数の変動表示部を用いたことによる特有の不利益の発生を防止する遊技機を提供することである。
【解決手段】 第1特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されているときに、第1チャンスフラグをセットし、第1特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されていないときに選択される変動パターンから特定される変動時間より長い変動パターンを選択し、第1特別図柄表示器において変動表示を行なう。また、第2特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されているときに、第2チャンスフラグをセットし、第2特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されていないときに選択される変動パターンから特定される変動時間より長い変動パターンを選択し、第2特別図柄表示器において変動表示を行なう。
【解決手段】 第1特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されているときに、第1チャンスフラグをセットし、第1特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されていないときに選択される変動パターンから特定される変動時間より長い変動パターンを選択し、第1特別図柄表示器において変動表示を行なう。また、第2特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されているときに、第2チャンスフラグをセットし、第2特別図柄表示器において確変図柄とすると判定されていないときに選択される変動パターンから特定される変動時間より長い変動パターンを選択し、第2特別図柄表示器において変動表示を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一般的に知られている遊技機に、たとえば、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備えるものがあった。
【0003】
また、従来の遊技機としては、複数種類の図柄を変動表示する一つの可変表示部と、遊技球が通過することにより該可変表示部において変動表示を開始する2つの始動入賞領域とが設けられており、可変表示部に当り図柄態様が確定表示されたときに大当りとしての特別遊技作動が実行されるものであって、始動入賞領域を遊技球が通過したことに起因し可変表示部に特定図柄での当り図柄態様が確定表示されたときには再度当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動が実行され、特定図柄以外の通常図柄での当り図柄態様が確定表示されたときには当り図柄態様となる確率が低い通常確率遊技作動が実行されるもの(たとえば、特許文献1参照)があった。
【0004】
また、複数種類の図柄の変動表示を個別に行なうことが可能な特別図柄表示装置を2つ有し、遊技球が通過することにより特別図柄表示装置において変動表示を開始する始動入賞領域が該特別図柄表示装置各々に対応して設けられており、いずれかの特別図柄表示装置に当り図柄が表示されたときに大当り状態に制御され、いずれかの特別図柄表示装置に確率変動図柄が表示されたときには、大当り状態に制御された後、次の当りを引く確率を高くする確率変動状態に突入させるもの(たとえば、特許文献2参照)があった。
【特許文献1】特開2004−121729号公報
【特許文献2】特開2001−62080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の従来の遊技機を組合せることにより、複数種類の図柄の変動表示を個別に行なうことが可能な変動表示部を2つ有し、遊技球が通過することにより変動表示部において変動表示を開始する始動入賞領域が該変動表示部各々に対応して設けられており、始動入賞領域を遊技球が通過したことに起因して当該始動入賞領域に対応する変動表示部に当り図柄が導出表示されると大当り状態に制御され、変動表示部に当り図柄に含まれる確率変動図柄が導出表示されると大当り状態終了後に確率変動状態に制御し、確率変動図柄以外の当り図柄が導出表示されると大当り状態終了後に確率変動状態に制御しないものが構成される。
【0006】
しかしながら、このように構成された遊技機においては、確率変動状態に制御されているときに、一の変動表示部において確率変動図柄が導出表示され大当り状態終了後に再度確率変動状態に制御されたとしても、その直後に、他の変動表示部において確率変動図柄以外の当り図柄が導出表示されると、大当り状態終了後に確率変動状態に制御されないため、わずかな期間しか遊技者が確率変動状態で遊技を行なうことができず、確率変動状態の制御が終了するときに興趣を盛り下げてしまう不都合が生じていた。
【0007】
さらに、このような複数の変動表示部を有する遊技機においては、始動入賞領域に遊技球が通過したタイミングに関係なく、対応する変動表示部において順次変動表示が行なわれる。このため、他の変動表示部において確率変動図柄以外の当り図柄が導出表示される契機となった始動入賞領域への遊技球の通過タイミングが、一の変動表示部において確率変動図柄が導出表示される契機となった始動入賞領域への遊技球の通過タイミングよりも先であったとしても、上述した興趣を盛り下げてしまう不都合が発生し、遊技者にとって極めて不利益となる虞があった。なお、一つの変動表示部を有する遊技機である場合は、始動入賞領域に遊技球が通過した順に変動表示部において順次変動表示が行なわれるため、このような不利益を生ずることはない。
【0008】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、確率変動状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止するとともに、複数の変動表示部を用いたことによる特有の不利益の発生を防止する遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0009】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9)と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(第1特別図柄表示器8の大当り図柄である「1,3,5,7,9」、第2特別図柄表示器9の大当り図柄である「C,E,F,H,J」)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する特定遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図10のS123、S124等参照)と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果(たとえば「5,7」、第1特図特別表示結果(確変図柄)ともいう、「C,E」、第2特図特別表示結果(確変図柄)ともいう)となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態(確率変動状態、時短状態)に制御する特別遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133、図16のS172等参照)と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果(たとえば「1,3,9」、第1特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう、「F,H,J」、第2特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう)となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133で第1確変開始フラグをセットすることなくS136で確変フラグをクリアする処理、第2特別図柄停止図柄設定処理についても同様)と、を備える遊技機(たとえば、弾球遊技機1、パチンコ遊技機、画像式の遊技機、コイン遊技機、スロット機)であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131)とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10と同様の第2大当り判定処理)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131と同様、第2特別図柄停止図柄設定処理)とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御(変動表示)を行なう変動制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図14の第1特別図柄変動処理、第2特別図柄変動処理についても同様)と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段(ROM54、図13)と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段(たとえば、図12、第2変動時間設定処理)と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることが判定されたとき(図11のS131でNOのとき)、前記変動時間データとして非特別時変動時間データ(8003H〜8006H)を選択する機能(図12のS145a、S145b)を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定されたとき(図11のS131でYESのとき)、前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも長い変動時間(たとえば、600秒)を示す長変動時間データ(8001H)を前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能(図12のS144で第1チャンスフラグがセットされているときにはS144aによりチャンス時間テーブルが参照されS146において8001Hのコマンドがセットされる、第2変動時間設定処理についても同様)を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることを判定されたとき前記第1の変動表示部において、前記変動時間データ選択手段により選択された前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なう(第1特別図柄表示器8の変動表示の表示結果として確変図柄による大当りが発生するときは第1特別図柄プロセスタイマとして600秒をセットする、また、第2特別図柄表示器9の変動表示の表示結果として確変図柄による大当りが発生するときは第2特別図柄プロセスタイマとして600秒をセットする、チャンス演出)。
【0010】
このような構成によれば、変動時間を特定するための変動時間データが予め記憶されており、該記憶されている変動時間データのうち、第1の変動表示部において特別表示結果とすると判定されているときは、第1の変動表示部において特別表示結果とすると判定されていないときに選択する変動時間データから特定される変動時間よりも長い変動時間を示す長変動時間データを第1の変動表示部の変動時間データとして選択する機能を有する。このため、このような機能を有しない遊技機と比較し、特別遊技状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止することができるとともに、複数の変動表示部を有することによる特有の不利益の発生を防止することができる。また、長変動時間データに基づく変動制御が行なわれているときに、第2の変動表示部において非特別表示結果が導出表示され特別遊技状態の制御が終了した後に、第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示され再度特別遊技状態に制御されることが保証されているため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、予め複数種類の変動時間を特定するための変動時間データが記憶されているため、処理負担を増大させることなく、特別表示結果とすると判定されたときに長変動時間データに基づく変動制御を容易に行なうことができる。
【0011】
(2) 前記変動時間データ選択手段が前記長変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示(特別図柄表示器において青色で点灯表示させた図柄を変動表示、図25、図26)を行なう特定演出表示手段(図14のS152b、第2特別図柄変動処理においても同様、図23のSub20、第2飾り図柄変動中処理においても同様)をさらに備える。
【0012】
このような構成によれば、長変動時間データに基づく変動制御が行なわれていることを、遊技者に対し容易に認識させることができる。
【0013】
(3) 前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データ(大当り判定用乱数)を所定の数値範囲内(0〜658)で更新する判定用数値データ更新手段(図6のS24)と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段(図8のS102、第2始動口スイッチ通過処理についても同様)と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値(大当り判定値「7,17」)と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値(大当り判定値「7,17,107,207,307,407,507,607,117,217」)とを記憶する判定値記憶手段(ROM54、図5(a)大当り判定用テーブル)と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS122、S124、第2大当り判定処理についても同様)、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS121、S123、第2大当り判定処理についても同様)、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致したと判定したとき、前記長変動時間データを前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能(図10の第1大当り判定処理において、確変時大当り判定値でもあり、通常時大当り判定値でもある「7,17」のいずれかと一致するときに第1確変時大当りフラグをセットする、第2大当り判定処理についても同様)をさらに有する。
【0014】
このような構成によれば、共通判定値と一致したときにのみ第1の変動表示部において長変動時間データに基づく変動制御が行なわれるため、第1の変動表示部において長変動時間データに基づく変動制御が行なわれた後の遊技状態が特別遊技状態に制御されていない遊技状態であるにもかかわらず、特別状態判定値と一致することにより第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示される不都合を防止することができる。
【0015】
(4) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9)と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(第1特別図柄表示器8の大当り図柄である「1,3,5,7,9」、第2特別図柄表示器9の大当り図柄である「C,E,F,H,J」)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する特定遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図10のS123、S124等参照)と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果(たとえば「5,7」、第1特図特別表示結果(確変図柄)ともいう、「C,E」、第2特図特別表示結果(確変図柄)ともいう)となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態(確率変動状態、時短状態)に制御する特別遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133、図16のS172等参照)と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果(たとえば「1,3,9」、第1特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう、「F,H,J」、第2特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう)となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133で第1確変開始フラグをセットすることなくS136で確変フラグをクリアする処理、第2特別図柄停止図柄設定処理についても同様)と、を備える遊技機(たとえば、弾球遊技機1、パチンコ遊技機、画像式の遊技機、コイン遊技機、スロット機)であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131)とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10と同様の第2大当り判定処理)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131と同様、第2特別図柄停止図柄設定処理)とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御(変動表示)を行なう変動制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図14の第1特別図柄変動処理、第2特別図柄変動処理についても同様)と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段(ROM54、図13)と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段(たとえば、図12、第2変動時間設定処理)と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることを判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして非特別時変動時間データ(8001H)を選択する機能(図12のS144a)を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも短い変動時間を示す短変動時間データ(8003H〜8006H)を選択する機能(図12のS144で第1チャンスフラグがセットされていないときには、S145aにより通常時間テーブルか、S145bにより時短テーブルか、が参照されS146において8003H〜8006Hのうちいずれかのコマンドがセットされる、第2変動時間設定処理についても同様)を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記第1の変動表示部における表示結果を前記特別表示結果とすることが判定され、前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記第2の変動表示部において前記変動時間データ選択手段により選択された前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なう(第1特別図柄表示器8の変動表示の表示結果として確変図柄による大当りが発生するときは第1特別図柄プロセスタイマとして600秒がセットされ変動表示が行なわれ、第2特別図柄表示器9の変動表示の変動時間として600秒より短い変動時間が第2特別図柄プロセスタイマとしてセットされる)。
【0016】
このような構成によれば、変動時間を特定するための変動時間データが予め記憶されており、該記憶されている変動時間データのうち、第1の変動表示部において特別表示結果とする変動表示が行なわれているときは、選択された第1の変動表示部における変動時間データから特定される変動時間よりも短い変動時間を示す短変動時間データを第2の変動表示部の変動時間データとして選択する機能を有する。このため、このような機能を有しない遊技機と比較し、特別遊技状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止することができるとともに、複数の変動表示部を有することによる特有の不利益の発生を防止することができる。また、第2の変動表示部において短変動時間データに基づく変動制御が行なわれ、第2の変動表示部において非特別表示結果が導出表示され特別遊技状態の制御が終了した後に、第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示され再度特別遊技状態に制御されることが保証されているため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、予め複数種類の変動時間を特定するための変動時間データが記憶されているため、処理負担を増大させることなく、特別表示結果とすると判定されたときに短変動時間データに基づく変動制御を容易に行なうことができる。
【0017】
(5) 前記変動時間データ選択手段が前記短変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示(他方の特別図柄表示器において青色で点灯表示させた図柄を変動表示、図25、図26)を行なう特定演出表示手段(図14のS152b、第2特別図柄変動処理においても同様、図23のSub20、第2飾り図柄変動中処理においても同様)をさらに備える。
【0018】
このような構成によれば、短変動時間データに基づく変動制御が行なわれていることを、遊技者に対し容易に認識させることができる。
【0019】
(6) 前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データ(大当り判定用乱数)を所定の数値範囲内(0〜658)で更新する判定用数値データ更新手段(図6のS24)と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段(図8のS102、第2始動口スイッチ通過処理についても同様)と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値(大当り判定値「7,17」)と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値(大当り判定値「7,17,107,207,307,407,507,607,117,217」)とを記憶する判定値記憶手段(ROM54、図5(a)大当り判定用テーブル)と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS122、S124、第2大当り判定処理についても同様)、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS121、S123、第2大当り判定処理についても同様)、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致すると判定し、前記変動制御手段により前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記短変動時間データを前記第2の変動表示部における変動時間として選択する機能(図10の第1大当り判定処理において、S120でYESのときであって、かつ、確変時大当り判定値でもあり、通常時大当り判定値でもある「7,17」のいずれかと一致するときに第1確変時大当りフラグをセットする、第2大当り判定処理についても同様)をさらに有する。
【0020】
このような構成によれば、共通判定値と一致したときにのみ第2の変動表示部において短変動時間データに基づく変動制御が行なわれるため、第1の変動表示部において変動制御が行なわれた後の遊技状態が特別遊技状態に制御されていない遊技状態であるにもかかわらず、特別状態判定値と一致することにより第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示される不都合を防止することができる。
【0021】
(7) 前記複数の変動表示部各々に対応して一つずつ設けられ、遊技領域に打ち出された遊技媒体の進入を検出する遊技媒体検出手段(第1始動口スイッチ62、第2始動口スイッチ67)と、
前記複数の変動表示部のうち少なくとも一の変動表示部(たとえば、第2特別図柄表示器9)に対応して設けられ、当該一の変動表示部に対応して設けられた遊技媒体検出手段へ遊技媒体が進入しやすい第1の状態(開状態)と遊技媒体が進入し難い第2の状態(閉状態)とに変化可能な可変入賞装置(可変入賞装置17)と、
該可変入賞装置に対応して設けられ、各々が識別可能な複数種類の普通識別情報(たとえば、「○」および「×」)の変動表示を行なうことが可能な普通変動表示部(普通図柄表示器12)と、
前記普通変動表示部において前記複数種類の普通識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する普通変動制御を行なう普通変動制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図17)と、
前記普通変動制御手段により前記普通変動表示部において導出表示された変動表示の表示結果が予め定められた普通特定表示結果(たとえば、「○」)となったとき(図18(b)のS339で当りフラグがセットされたとき)に、当該普通変動表示部に対応する可変入賞装置を前記第2の状態から前記第1の状態に変化させる変化制御を行なう可変入賞装置制御手段(図17のS327)と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときに、前記普通変動制御手段により前記複数種類の普通識別情報の変動表示が実行されてから表示結果が導出表示されるまでの普通変動時間を前記通常状態に制御されているときよりも短縮して前記普通変動制御を行なう機能(図19のS351)と、前記可変入賞装置制御手段により前記可変入賞装置が前記第1の状態に変化される時間を前記通常状態に制御されているときよりも延長して前記変化制御を行なう機能(図19のS363)と、の少なくとも一つの機能を有する。
【0022】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されているときに、可変入賞装置が、第1の状態に変化する機会を増加させるか、または、第1の状態に変化している時間を延長することができる。これにより、可変入賞装置が設けられている変動表示部が第1の変動表示部であるか否かにより、有利度合いを変化させることができ遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、可変入賞装置が第2の変動表示部に対応して設けられている場合は、可変入賞装置が第1の変動表示部に対応して設けられている場合に比べて、第2の変動表示部において変動表示が行なわれやすくなり、特定遊技状態および特別遊技状態に制御される割合を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
【0024】
まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。
【0025】
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
【0026】
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0027】
遊技領域7中には、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1特別図柄表示器8と、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2特別図柄表示器9と、が間隔を隔てて配置されている。
【0028】
第1特別図柄表示器8の下には、その第1特別図柄表示器8に対応する識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1飾り変動表示部8kが設けられ、第2特別図柄表示器9の下にはその第2特別図柄表示器9に対応する識別情報(たとえば、「A〜J」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2飾り変動表示部9kが設けられている。
【0029】
本実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9はそれぞれ7セグメントLED表示器により構成されている。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、それぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(たとえば、第1飾り変動表示部8kにおいては第1飾り図柄8a〜8c、第2飾り変動表示部9kにおいては第2飾り図柄9a〜9c)に識別情報が表示制御されるものである。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
【0030】
第1特別図柄表示器8の表示結果が大当りの発生する第1特図特定表示結果(たとえば、奇数図柄)の場合には、第1飾り変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する第1飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる図柄組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御され、第2特別図柄表示器9の表示結果が大当りの発生する第2特図特定表示結果(たとえば、「C,E,F,H,J」の図柄)となる場合には、第2飾り変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する第2飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる図柄組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
【0031】
なお、第1特別図柄表示器8で変動表示される識別情報は第1特別図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器9で変動表示される識別情報は第2特別図柄と呼ばれる。
【0032】
また、第1飾り変動表示部8kで変動表示される識別情報は第1飾り図柄と呼ばれ、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第1特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
【0033】
また、第2飾り変動表示部9kで変動表示される識別情報は第2飾り図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第2特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
【0034】
所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。
【0035】
なお、本実施形態における弾球遊技機1では、定期的に実行されるタイマ割込み処理において次のような処理が行なわれることにより、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の変動表示の表示結果が決定される。
【0036】
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示結果を決定するために実行することが必要な処理としては、共通の処理である特定更新処理、第1特別図柄表示器8専用の処理である第1抽出条件判定処理と第1抽出処理と第1表示結果決定処理、第2特別図柄表示器9専用の処理である第2抽出条件判定処理と第2抽出処理と第2表示結果決定処理、を含む処理が実行される。
【0037】
そして、弾球遊技機1は、第1表示結果決定処理により第1特別図柄表示器8の表示結果を第1特図特定表示結果とし特定遊技状態(大当り)とすることが決定されたときに、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果を、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特定表示結果をそれぞれ表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当りに制御する機能を有する。
【0038】
また、第2表示結果決定処理により第2特別図柄表示器9の表示結果を第2特定表示結果とし特定遊技状態(大当り)とすることが決定されたとき、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果を、第2飾り変動表示部9kに第2飾り特定表示結果をそれぞれ表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当りに制御する機能を有する。
【0039】
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が、第2飾り変動表示部9kに第2飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等)の特定遊技状態としているが、一方の特定遊技状態を他方の特定遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
【0040】
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっているが、これに限らず複数系統の表示部を備え、複数(2〜∞のうちの任意の自然数)の表示部にて識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
【0041】
次に、第1特別図柄表示器8における変動表示に用いられる第1特別図柄の種類と、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示に用いられる第1飾り図柄の種類と、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられる第2特別図柄の種類と、第2飾り変動表示部9kにおける変動表示に用いられる第2飾り図柄の種類と、について図2を参照し説明する。図2は、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,および,第2飾り変動表示部9k各々の変動表示に用いられる図柄の種類を説明するための図である。
【0042】
第1特別図柄表示器8は、0〜9の10種類の数字からなる第1特別図柄を表示する。第1飾り変動表示部8kは、0〜9の10種類の数字からなる第1飾り図柄を表示する。
【0043】
第1特別図柄表示器8により奇数(1,3,5,7,9)の第1特別図柄が表示結果として導出表示されたときには第1特図特定表示結果となり、大当りが発生する。第1特別図柄表示器8により奇数が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにゾロ目となる第1飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
【0044】
第1特別図柄表示器8により「7」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄の表示結果となり、大当りが発生するばかりでなくその大当りが終了した後大当りの発生確率が通常遊技状態時に比べて向上した確変状態となる。なお、通常遊技状態とは、特別遊技状態(確変状態)および大当りとは異なる遊技状態のことである。
【0045】
第1特別図柄表示器8により「5」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄および時短図柄の表示結果となり、後述するように、大当りが発生しするばかりでなくその大当りが終了した後大当りの発生確率が向上した確変状態となり、さらにその確変状態が終了した後時短回数の残り回数だけ時短制御が行なわれる。時短制御とは、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9と後述する普通図柄表示器12との変動表示時間を通常よりも短縮して早期に表示結果を導出表示する制御である。この時短制御により、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示できるという遊技者にとって有利な遊技状態となる。
【0046】
なお、第1特別図柄表示器8により確変図柄としての「5」または「7」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに奇数図柄のいずれかのゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0047】
第1特別図柄表示器8により「3」が表示結果として導出表示されたときには、大当りが発生するばかりでなく前述の時短制御が行なわれる。第1特別図柄表示器8により「3」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「0」のゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0048】
第1特別図柄表示器8により「1」または「9」が表示結果として導出表示されたときには、大当りのみが発生し、確変状態や時短制御は生じない。第1特別図柄表示器8により「1」または「9」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに偶数のゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0049】
第1特別図柄表示器8により「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されたときには、はずれとなり、大当り状態、確変状態、時短制御は生じない。第1特別図柄表示器8により「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにばらけ目(ゾロ目以外の組合せ)が表示結果として導出表示される。
【0050】
第1特図特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する第1特図特定表示結果(ここでは、「5,7」)を「第1特図特別表示結果(確変図柄)」といい、確変状態が発生しない第1特図特定表示結果(ここでは、「1,3,9」)を「第1特図非特別表示結果(非確変図柄)」という。
【0051】
第2特別図柄表示器9は、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の10種類のアルファベットからなる第2特別図柄を表示する。第2飾り変動表示部9kは、A〜Jの10種類のアルファベットからなる第2飾り図柄を表示する。
【0052】
第2特別図柄表示器9により「C,E,F,H,J」が表示結果として導出表示されたときには第2特定表示結果となり、大当りが発生する。第2特別図柄表示器9により「C,E,F,H,J」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにゾロ目となる第2飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
【0053】
第2特別図柄表示器9により「C」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄の表示結果となり、大当りが発生するばかりでなくその大当りが終了した後に確変状態となる。
【0054】
第2特別図柄表示器9により「E」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄および時短図柄の表示結果となり、後述するように、大当りが発生するばかりでなくその大当りが終了した後に確変状態となり、さらにその確変状態が終了した後時短回数の残り回数だけ時短制御が行なわれる。
【0055】
なお、第2特別図柄表示器9により「C」または「E」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「A〜E」図柄のいずれかのゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0056】
第2特別図柄表示器9により「F」が表示結果として導出表示されたときには、大当りが発生するばかりでなく前述の時短制御が行なわれる。第2特別図柄表示器9により「F」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「F」のゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0057】
第2特別図柄表示器9により「H」または「J」が表示結果として導出表示されたときには、大当りのみが発生し、確変状態や時短制御は生じない。第2特別図柄表示器9により「H」または「J」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「G」〜「J」のいずれかによるゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0058】
第2特別図柄表示器9により「L,O,P,S,U」図柄のいずれかが表示結果として導出表示されたときには、はずれとなり、大当り状態、確変状態、時短制御は生じない。第2特別図柄表示器9により「L,O,P,S,U」図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにばらけ目が表示結果として導出表示される。
【0059】
第2特図特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する第2特定表示結果(ここでは、「C,E」)を「第2特図特別表示結果(確変図柄)」といい、確変状態が発生しない第2特図特定表示結果(ここでは、「F,H,J」)を「第2特図非特別表示結果(非確変図柄)」という。
【0060】
なお、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとで表示する図柄の種類が各々異なる例について説明するが、これに限らず、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとで表示する図柄の種類が同じであってもよい。
【0061】
第1,第2の2系統の第1特別図柄表示器8、または、第2特別図柄表示器9のいずれか一方において特別表示結果が導出表示されて確変状態になれば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9との両方で特定表示結果となる確率が向上するように制御される。また、確変状態が発生すれば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9と普通図柄表示器12との変動表示時間が短縮される時短制御も実行される。第1,第2の2系統の第1特別図柄表示器8、または、第2特別図柄表示器9のいずれか一方において時短制御が実行される表示結果が導出表示されれば、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、および、普通図柄表示器12との変動表示時間が短縮される時短制御が、所定回数(たとえば100回)の範囲内で実行される。
【0062】
第1の始動条件が成立(打球が第1始動入賞口14へ入賞)したときには、第1抽出手段により、数値データ更新手段によって更新された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等の乱数、以下、乱数値という)を抽出する処理が行なわれる。また、第2の始動条件が成立(打球が第2始動入賞口16へ入賞)したときには、第2抽出手段により、数値データ更新手段によって更新された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等の乱数値、以下、乱数値という)を抽出する処理が行なわれる。
【0063】
第1抽出手段によって抽出された乱数値は、抽出順に上限個数である4個を越えない範囲で、第1記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図3参照))に記憶する処理が行なわれる。第1特別図柄表示器8の下部には、この保留記憶手段としての第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数を遊技者に報知するための第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。このように記憶される数値データは、第1始動入賞記憶データとも呼ばれる。
【0064】
この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数と同数のLEDを点灯表示することにより、その個数を遊技者に報知することができる。この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎に表示色を変化させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
【0065】
第2抽出手段によって抽出された乱数値は、抽出順に上限個数である4個を越えない範囲で、第2記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図3参照))に記憶する処理が行なわれる。第2特別図柄表示器9の下部には、この保留記憶手段としての第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数を遊技者に報知するための第2特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。このように記憶される数値データは、第2始動入賞記憶データとも呼ばれる。
【0066】
この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、第2保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数と同数のLEDを点灯表示することにより、その個数を遊技者に報知することができる。この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第2始動入賞口16に入賞)がある毎に表示色を変化させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
【0067】
なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ各々に記憶可能となる乱数値の上限個数は上記のものに限らず、たとえば、上限個数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限個数を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
【0068】
第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。
【0069】
また、第2特別図柄表示器9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する可変入賞装置17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、第2始動入賞口16を有する開閉動作を行なう可変入賞装置17には、左右一対の可動片が設けられている。可変入賞装置17の可動片は、ソレノイド74によって開状態とされる。ソレノイド74により可変入賞装置17の可動片が開状態となることにより、遊技球が第2始動入賞口16に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
【0070】
第1始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、第1特別可変入賞装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
【0071】
第1特別可変入賞装置20の第1大入賞口21には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域が備えられている。第1大入賞口20から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
【0072】
可変入賞装置17の下方には、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド75によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備えている。ソレノイド75は、第2特別可変入賞装置22の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
【0073】
第2特別可変入賞装置22の第2大入賞口23には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域が備えられている。第2大入賞口23から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ69で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ68で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
【0074】
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と第2特別図柄表示器9に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22とを備えているが、特別可変入賞装置を1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、を同一の特別可変入賞装置を用いて構成してもよい。
【0075】
また、この実施の形態では、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる可変入賞装置17を備える構成として説明するが、これに限らず、たとえば、変動表示部の数だけ可変入賞装置を設けるように構成してもよい。すなわち、この実施の形態では、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる可変入賞装置17を備えているが、さらに、第1特別図柄表示器8の始動条件成立に関わる可変入賞装置15をさらに備えてもよい。また、この実施の形態では、可変入賞装置を1つだけ備える構成において、可変入賞装置が1つの変動表示部(第2特別図柄表示器9)の始動条件の成立に関わる例を示した。しかし、これに限らず、可変入賞装置を1つだけ備える構成において、可変入賞装置が2つの変動表示部(第1特別図柄表示器8,第2特別図柄表示器9)の始動条件の成立に関わるようにしてもよい。その場合には、可変入賞装置の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9のいずれか)にて変動表示を実行するかを選択する構成としてもよく、また、2つの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8,第2特別図柄表示器9)について予め定められた所定の順序(たとえば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とを交互に変動表示)で変動表示を実行するように構成してもよい。
【0076】
第2飾り変動表示部9kの下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
【0077】
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると、または第2ゲート29を遊技球が通過して第2ゲートスイッチ66で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、普通図柄表示器12の右側には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器18は、第1,第2ゲート28,29を遊技球が通過し、第1,第2ゲートスイッチ61,66で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
【0078】
この実施の形態では、普通図柄表示器12にて、「○」と「×」の付された上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は通常では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1,第2ゲート28,29を遊技球が通過し、第1,第2ゲートスイッチ61,66で遊技球が検出されたときに抽出された乱数値(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置17が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第2始動入賞口16に入賞しやすい状態(第1の状態ともいう)になる。すなわち、可変入賞装置17の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態(第2の状態ともいう)から有利な状態に変化する。
【0079】
なお、上記の特別遊技状態として特図時短状態に制御することにより、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態とするようにしてもよい。特図時短状態では、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kおよび普通図柄表示器12の変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。さらに、可変入賞装置17において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置17の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、第2始動入賞口16への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8,第2飾り変動表示部9kにおける変動表示回数が増加して当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0080】
なお、上述した確変状態は、時短状態よりもさらに遊技者にとって有利な状態となるため、一方(または複数のうちのいずれか1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を確変状態とし、他方(または残りの複数のうちの1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を時短状態とすることにより特別遊技状態に格差をつけるように構成してもよい。また、この場合には、特別遊技状態として時短状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって不利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率を特別遊技状態として確変状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって有利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することにより、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
【0081】
また、特別遊技状態は上記のものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないもの(特定遊技状態中以外)と大当りに直接的に係わるもの(特定遊技状態中)とに分けて説明する。すなわち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。
【0082】
先ず、特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9および普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(たとえば、可変入賞装置17)の開放期間の延長制御、特別図柄および普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(たとえば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(たとえば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、または所定領域への通過率向上制御(たとえば、第1始動入賞口14の上流側に打球規制装置を設け、該打球規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。
【0083】
一方、特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、特別可変入賞装置20,22の開放延長制御、または特別可変入賞装置20,22によって開放された大入賞口21,23への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記の遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできる。さらには、特別遊技状態への突入条件および特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、特別遊技状態を発生させるための判定用乱数、特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(確変判定用乱数)、遊技履歴(たとえば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、およびサブゲーム(たとえば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つまたは任意の組合せを、特別遊技状態への突入条件または特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
【0084】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
【0085】
次に、リーチ状態(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ状態(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
【0086】
本実施形態では、たとえば、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9におけるリーチ状態とは、特定表示結果(第1特別図柄表示器8の大当り図柄である「1,3,5,7,9」、第2特別図柄表示器9の大当り図柄である「C,E,F,H,J」)が点滅表示している状態をリーチ状態またはリーチという。
【0087】
また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおけるリーチ状態とは、予め定められた図柄が停止することで当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ状態またはリーチという。
【0088】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0089】
さらに、本実施の形態においては、確変状態に制御されているときに、通常状態であるときの変動表示に費やす変動表示時間と比較し、長い変動表示時間が経過するまで変動表示が行なわれることがある。この場合には、通常と異なる演出が第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1飾り変動表示部8k、および、第2飾り変動表示部9kやランプ、音等で行なわれることがある。この演出をチャンス演出という。なお、チャンス演出については、後で詳述する。
【0090】
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
【0091】
打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始する。第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される乱数値(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第1特別図柄保留記憶表示器10におけるLEDの点灯数を増加させる。
【0092】
また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始する。第2特別図柄表示器9の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される乱数値(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第2特別図柄保留記憶表示器11におけるLEDの点灯数を増加させる。
【0093】
第1特別図柄表示器8の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄表示器8が大当り図柄となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に打球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
【0094】
第1特別図柄表示器8の変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に大当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0095】
第2特別図柄表示器9の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄表示器9が大当り図柄となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に打球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
【0096】
第2特別図柄表示器9の変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0097】
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図3は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。
【0098】
主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
【0099】
また、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、可変入賞装置17を開閉するソレノイド74、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、第2大入賞口23内に設けられたシーソーを可動するソレノイド76、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
【0100】
基本回路53は、LED駆動回路71に対して第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、および、第2特別図柄保留記憶表示器11を駆動させるための駆動信号を出力する。LED駆動回路71には、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、普通図柄表示器12、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、普通図柄保留記憶表示器18が接続されている。
【0101】
主基板31は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9各々において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
【0102】
主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々において、対応する保留記憶バッファに記憶されている乱数値の記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、後述するプログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々に出力し制御を行なう。また、主基板31は、普通図柄表示器12の表示制御を行なう。
【0103】
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行なう球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
【0104】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用マイクロコンピュータ(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2コマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
【0105】
表示制御用マイクロコンピュータは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP(図示しない)により変動表示部の表示制御を行なう。表示制御用マイクロコンピュータは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
【0106】
そして、表示制御用マイクロコンピュータはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用マイクロコンピュータからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1VDP(図示しない)と、第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2VDP(図示しない)と、の2つのVDPが表示制御基板80に搭載されている。なお、変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ搭載される。すなわち、変動表示部の数に対応した数のVDPが表示制御基板80に搭載される。また、第1VDPおよび第2VDPは、それぞれ、表示制御用マイクロコンピュータとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに第1VRAM(図示しない)および第2VRAM(図示しない)をマッピングしている。なお、1つのVDPで複数の変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
【0107】
第1VDPまたは第2VDPはキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に表示するための画像データを生成し、第1VDPは第1VRAMに、第2VDPは第2VRAMに展開する。第1RAMは第1VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであり、第2VRAMは第2VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に出力する。
【0108】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうとともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータである。
【0109】
次に、この実施の形態の弾球遊技機1での制御に用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図4は、遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図4には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R6の6種類のランダムカウンタが示されている。
【0110】
R1は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)のそれぞれの変動表示について大当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「658」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。第1始動口スイッチ62または第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて第1始動入賞記憶のデータまたは第2始動入賞記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致(合致)するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、大当り図柄を変動表示の表示結果として導出表示し大当りを発生させることが決定されて、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、はずれ図柄を変動表示の表示結果として導出表示することが決定されて、遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば2つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が向上する。
【0111】
図4の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を省略する。
【0112】
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、どの種類の大当り図柄を第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
【0113】
なお、本実施の形態においては、R2を用いて決定された大当り図柄が、図2を用いて説明した確変図柄(第1特別図柄表示器8においては「5,7」、第2特別図柄表示器9においては「C,E」)であるときに、当該大当り終了後に確変状態に制御される。また、第1特別図柄表示器8の図柄として「5,7」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいて奇数図柄のゾロ目が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「C,E」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいて「A〜E」のいずれかの図柄のゾロ目が導出表示されるように制御される。
【0114】
また、R2を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄として「1,3,9」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいて偶数図柄のゾロ目が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「F,H,J」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいて「G〜J」のいずれかの図柄のゾロ目が導出表示されるように制御される。
【0115】
R3は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、はずれとなる停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのはずれ図柄決定用のランダムカウンタである。R3のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
【0116】
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータのCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
【0117】
なお、本実施の形態におけるはずれ図柄は、R1を用いて大当りに制御されないことが決定されているときには、はずれ図柄(第1特別図柄表示器8においては「0,2,4,6,8」、第2特別図柄表示器9においては「L,O,P,S,U」)から、このランダムカウンタR3の抽出値に従って決定される。
【0118】
たとえば、第1特別図柄表示器8におけるはずれ図柄としては、ランダムカウンタR3の抽出値が「0」のとき「0」が、ランダムカウンタR3の抽出値が「1」のとき「2」が、ランダムカウンタR3の抽出値が「2」のとき「4」が…、ランダムカウンタR3の抽出値が「13」のとき「6」が、決定される。第2特別図柄表示器9におけるはずれ図柄についても、第1特別図柄表示器8におけるはずれ図柄と同様である。
【0119】
なお、本実施の形態においては、R3を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄として「0,2,4,6,8」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいてゾロ目とならないはずれ図柄が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「L,O,P,S,U」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいてゾロ目とならないはずれ図柄が導出表示されるように制御される。
【0120】
R4は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)の変動表示時間をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生するためのランダムカウンタである。R4のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動時間決定用のランダムカウンタR4から抽出されたカウンタの値により、変動時間が決定される。
【0121】
R5は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)のそれぞれについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。R5のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算されることとなる。第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k各々に停止させる図柄を決定する前の段階で、R5から抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
【0122】
R6は、普通図柄表示器12の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R6のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算されることとなる。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
【0123】
以上に示したような大当り判定機能、はずれ停止図柄決定機能、大当り図柄決定機能、リーチ判定機能、変動時間選択機能、普通図柄当り判定機能等の機能、および、確変判定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0124】
図5は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される各種処理に用いられる各種判定値を記憶したデータテーブルを説明するための図である。本実施の形態におけるデータテーブルは、前述した主基板31に搭載されるROM54に予め記憶されている。
【0125】
図5(a)は、大当りを発生させるか否かの判定に用いられる大当り判定値を記憶した大当り判定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における大当り判定用テーブルは、遊技状態が通常遊技状態であるか確変状態であるかに応じて、大当り判定値の数が異なるように記憶されている。大当り判定は、第1始動入賞口14または第2始動入賞口16へ入賞したときにR1から抽出された乱数値が、通常遊技状態であるときに通常時の大当り判定値と一致するか否か、また、確変状態であるときに確変時の大当り判定値と一致するか否かにより行なわれる。
【0126】
具体的に、遊技状態が通常遊技状態であるときには、R1から抽出した乱数の値が通常時の大当り判定値である「7,17」のいずれかと一致するときに、大当りとする判定が行なわれる。
【0127】
一方、遊技状態が確変状態であるときには、R1から抽出した乱数の値が確変時の大当り判定値である「7,107,207,307,407,507,607,17,117,217」のいずれかと一致するときに、大当りとする判定が行なわれる。
【0128】
なお、本実施の形態における大当り判定用テーブルは、確変時における大当り判定値の数の方が、通常時の大当り判定値の数よりも多くなるように、予め記憶されている。たとえば、確変時の大当り判定値は「10個」、通常時の大当り判定値は「2個」、予め記憶されている。これにより、確変状態であるときに大当りとする判定が行なわれる確率を、通常遊技状態であるときに大当りとする判定が行なわれる確率よりも高くすることができる。
【0129】
また、本実施の形態における大当り判定用テーブルは、通常遊技状態であるときでも確変状態であるときでも、R1から抽出した乱数の値が「7,17」のいずれかと一致するときには、大当りとする判定が行なわれるように、大当り判定値が予め記憶されている。
【0130】
図5(b)は、変動表示中にリーチ状態を発生させるか否かに用いられるリーチ判定値を記憶したリーチ判定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態におけるリーチ判定は、第1始動入賞口14または第2始動入賞口16へ入賞したときにR5から抽出された乱数値が、リーチ判定値と一致するか否かにより行なわれる。具体的に、R5から抽出した乱数の値が、リーチ判定値である「0〜3」のいずれかと一致するときに、リーチを発生させる判定が行なわれる。
【0131】
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図6においては、(a)に遊技制御用メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
【0132】
(a)に示す遊技制御用メイン処理においては、まずS11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S12においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S12における乱数更新処理は前述のR3〜R6の値を更新するための処理である。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS12の処理が繰返し行なわれることとなる。
【0133】
次に、(b)のタイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S21)を行なった後、S22〜S36の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S22)。
【0134】
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S23)。第1特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。さらに、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8における図柄の変動表示を制御するための駆動信号を、RAM55の所定の領域に設定して各々出力する処理が行なわれる。
【0135】
また、本実施の形態においては、さらに、第1特別図柄プロセス処理による第1特別図柄表示器8の制御に応じて、第1飾り変動表示部8kを制御させるための第1飾り図柄コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処理が行なわれる。
【0136】
たとえば、第1特別図柄表示器8において確変図柄(5,7等)を停止表示するときには、第1飾り変動表示部8kにおいても確変図柄(奇数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り確変図柄コマンドが設定される。また、第1特別図柄表示器8において非確変図柄(1,3,9等)を停止表示するときには、第1飾り変動表示部8kにおいても非確変図柄(偶数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り非確変図柄コマンドが設定される。第1特別図柄表示器8の変動表示においてリーチ(大当り図柄による点滅)が発生するときには、第1飾り変動表示部8kにおいてもリーチ(左図柄と右図柄同一)を発生させるための第1飾りリーチコマンドが設定される。第1特別図柄表示器8においてはずれ図柄(0,2,4,6,8等)を停止表示するときには、第1飾り変動表示部8kにおいてばらけ目を停止表示させるための第1飾りはずれ図柄コマンドが設定される。
【0137】
次に、CPU56は、S24において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S24における乱数更新処理は、前述のR1〜R6を更新するための処理である。
【0138】
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S25)。第2特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。さらに、本実施の形態においては、第2特別図柄表示器9における図柄の変動表示を制御するための駆動信号を、RAM55の所定の領域に設定して各々出力する処理が行なわれる。また、本実施の形態においては、さらに、第2特別図柄プロセス処理による第2特別図柄表示器9の制御に応じて、第2飾り変動表示部9kを制御させるための第2飾り図柄コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処理が行なわれる。なお、設定される第2飾り図柄コマンドについては、第1飾り図柄コマンドと同様であるため、説明を省略する。
【0139】
このように、S23の第1特別図柄プロセス処理とS25の第2特別図柄プロセス処理との間にS24の乱数更新処理を行なっているために、S23の第1プロセス処理で抽出した乱数値とS25の第2プロセス処理とで同じ乱数値を抽出する(同期した乱数を取得する)不都合を防止できる。
【0140】
次に、CPU56は、保留表示制御処理を行なう(S26)。保留表示制御処理では、第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数を第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、第2保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数を第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、それぞれ報知する処理が行なわれる。
【0141】
次に、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
【0142】
次いで、CPU56は、S23の第1特別図柄プロセス処理またはS25の第2特別図柄プロセス処理によりRAM55の所定の領域に設定された第1飾り図柄コマンドおよび第2飾り図柄コマンド等の表示制御に関する演出制御コマンドを、表示制御用マイクロコンピュータに出力するする処理を行なう(飾り図柄コマンド制御処理:S28)。また、普通図柄表示器12を駆動させ普通図柄による変動表示を行なうための駆動信号を出力する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S29)。
【0143】
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
【0144】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0145】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S33)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行なうソレノイド出力処理を実行する(S34)。第1特別可変入賞装置20、可変入賞装置17、第2特別可変入賞装置を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23、内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド72〜76を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(S35)、割込許可状態に設定する(S36)。
【0146】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0147】
図7は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する第1特別図柄プロセス処理(S23)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8を制御する処理が実行される。特別図柄プロセス処理としては、第1特別図柄表示器8を対象として処理を行なう第1特別図柄プロセスと、第2特別図柄表示器9を対象として処理を行なう第2特別図柄プロセスとが実行される。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1特別図柄表示器8を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2特別図柄表示器9を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる特別図柄を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。
【0148】
まず、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ62がオンしている場合、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたときに(S50においてYESのときに)、第1始動口スイッチ通過処理(S51)を行なった後に、内部状態に応じて、S52〜S59のうちのいずれかの処理を行なう。
【0149】
第1特別図柄通常処理(S52):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否か(第1特図特定表示結果とするか否か)を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS53に移行するように更新する。
【0150】
第1特別図柄停止図柄設定処理(S53):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値または前述のはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値とを用いて、変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、はずれ停止図柄を決定するときには、前述のリーチ判定用のランダムカウンタR5の抽出値を用いてリーチ判定を行ない、リーチとするときには、R3の抽出値を用いて決定されたはずれ図柄の手前の大当り図柄をリーチ図柄として決定する(たとえばR3の抽出値が「6」であるときは、一つ手前の「5」を第1特別図柄表示器8において点滅させ、リーチとする)。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS54に移行するように更新する。
【0151】
なお、第1特別図柄表示器8の停止図柄は、確変図柄となるときに、確変図柄として定められた「5,7」の識別情報のうちから決定する。第1特別図柄表示器8の停止図柄は、非確変大当りとなるときに、非確変図柄として定められた「1,3,9」の識別情報のうちから決定する。第1特別図柄表示器8の停止図柄は、はずれとなるときに、はずれ図柄として定められた「0,2,4,6,8」の識別情報のうちから決定する。また、第2特別図柄表示器9の停止図柄は、確変大当りとなるときに、確変図柄として定められた「C,E」の識別情報のうちから決定する。第2特別図柄表示器9の停止図柄は、非確変大当りとなるときに、非確変図柄として定められた「F,H,J」の識別情報のうちから決定する。第2特別図柄表示器9の停止図柄は、はずれとなるときに、はずれ図柄として定められた「L,O,P,S,U」の識別情報のうちから決定する。
【0152】
第1変動時間設定処理(S54):第1特別図柄表示器8の変動表示の変動表示の変動パターン(変動時間データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(変動時間データ)の中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)とを特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8において図柄の変動表示が行なわれてから停止されるまでの変動時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、変動時間の長さを含む変動態様(変動パターン)を指令する情報(第1飾り図柄変動パターンコマンド)が送信される。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS55に移行するように更新する。
【0153】
第1特別図柄変動処理(S55):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S54でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS56に移行するように更新する。
【0154】
第1特別図柄停止処理(S56):第1特別図柄表示器8において変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止する駆動信号が送信される。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS57に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をS52に移行するように更新する。
【0155】
第1大入賞口開放前処理(S57):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS58に移行するように更新する。
【0156】
第1大入賞口開放中処理(S58):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をS57に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をS59に移行するように更新する。
【0157】
第1大当り終了処理(S59):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態をS52に移行するように更新する。
【0158】
図8は、S51の第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S100により、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタの値が上限個数である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。保留記憶カウンタは、打球が始動入賞して抽出条件が成立したが未だに変動表示に用いられていない開始条件を保留記憶するカウンタであり、前述したように第1保留記憶バッファに記憶できる乱数値の上限個数がたとえば「4」と定められている。この保留記憶カウンタの値(保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がS101へ進み、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。次にS102へ進み、ランダムカウンタR1〜R6の乱数値を抽出する処理がなされる。次に制御がS103へ進み、加算した保留記憶カウンタの値に対応する記憶エリアに、各抽出値を記憶する制御が行なわれる。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される乱数値の記憶個数(保留記憶数)が上限個数に達していないときに、R1〜R6から乱数を抽出し、第1保留記憶バッファに記憶する制御が行なわれる。S104では、図6のS26で説明した保留表示制御処理を行なうための、保留表示フラグをオン状態にセットする処理を行ない、第1始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、保留表示フラグがオン状態にセットされているときには、図6のS26において第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数分第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDを点灯表示する処理と、第2保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数分第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDを点灯表示する処理とが行なわれた後に、保留表示フラグをオフ状態にセットする処理がなされる。
【0159】
以上のような第1始動口スイッチ通過処理によれば、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタの値が「4」未満であるときに、R1〜R6の各ランダムカウンタから乱数値が抽出されて第1特別図柄表示器8における図柄の変動表示のために用いるデータとして、第1保留記憶バッファに設けられた保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに格納される。一方、図示を省略した第2特別図柄プロセス処理に含まれる第2始動口スイッチ通過処理でも同様に、第2保留記憶バッファの保留記憶カウンタの値が「4」未満であるときに、R1〜R6の各ランダムカウンタから乱数値が抽出されて第2特別図柄表示器9における図柄の変動表示のために用いるデータとして、第2保留記憶バッファに設けられた保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに格納される。具体的には、第2始動口スイッチ67がオンし、かつ、第2保留記憶バッファに記憶される乱数値の記憶個数(保留記憶数)が上限個数に達していないときに、R1〜R6から乱数を抽出し、記憶する制御が行なわれる。
【0160】
図9は、S52の第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S111)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(第2特図特定表示結果)が導出表示されて大当りが開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄変動処理(図示しない)にてセットされ、大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)にてリセット(クリア)される。次いで、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(S112)。具体的には、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がS52を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8において変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0161】
第1保留記憶バッファの保留記憶数が0でなければ、S113において、RAM55の第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタ1に対応する乱数値を読出す処理が行なわれる。なお、第2特別図柄通常処理におけるS112では、RAM55の第2保留記憶バッファに記憶されているか否かを確認する処理が行なわれる。そして、記憶されているときには、RAM55の第2保留記憶バッファの保留記憶カウンタ1に対応する乱数値を読出す処理が行なわれる。
【0162】
次に、S114では、S113で読出した乱数値を乱数記憶エリアから削除(無効化)する処理が行なわれる。次に、S115において、保留表示フラグがオン状態にセットされているか否かを確認する処理を行ない、オン状態でないときには、S116において保留表示フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。
【0163】
次に、S117に進み、CPU56は、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値を一つ小さい保留記憶カウンタに対応する領域にシフトする処理が行なわれる。
【0164】
次いで、CPU56は、第1大当り判定処理を実行する(S118)。この第1大当り判定処理では、大当りとすることに決定した場合に、第1大当りフラグをセットする処理が行なわれる。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S53)に対応した値に更新する(S119)。
【0165】
以上の処理のうち、S111の判定処理により第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには第1特別図柄表示器8の変動表示を開始させない制御がなされる。すなわち、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S52)におけるS111でYESが選択され、S112〜S119の処理が実行されない。
【0166】
図10は、S118に示された第1大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S120により、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合すなわち通常確率の遊技状態の場合には、S122により、S113において保留記憶バッファから読出された大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの通常時大当り判定値であるか否かを判定する処理が行なわれる。S122において大当り判定値であると判定されたときには、S124において、通常時に発生する大当りである旨を示す第1非確変時大当りフラグをセットする処理が行なわれる。一方、S122において大当り判定値でない判定がなされたときには、はずれとなるため、そのまま大当り判定処理を終了する。
【0167】
一方、S120において確変フラグがセットされている場合にはS121により、S113において保留記憶バッファから読出された大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値であるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0168】
S121において大当り判定値であると判定されたときには、S123において、確変状態時に発生する大当りである旨を示す第1確変時大当りフラグをセットする処理が行なわれる。一方、S121において大当り判定値でない判定がなされたときには、はずれとなるため、そのまま大当り判定処理を終了する。なお、本実施形態における第1確変時大当りフラグおよび第1非確変時大当りフラグを総称して、第1大当りフラグともいう。
【0169】
なお、第2大当り判定処理においても同様に、確変フラグがセットされており大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値であるときに第2確変時大当りフラグがセットされ、確変フラグがセットされておらず通常時大当り判定値であるときに第2非確変時大当りフラグがセットされる。
【0170】
図11は、S53の第1特別図柄停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この第1特別図柄停止図柄設定処理においては、第1大当りフラグ等に基づき第1特別図柄表示器8における変動表示の表示結果として導出表示する停止図柄を決定する処理が行なわれる。
【0171】
まず、S130においては、図10のS123またはS124においてセットされる第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる。すなわち、今から開始される変動表示の表示結果が大当り図柄となるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0172】
S130において、第1大当りフラグがセットされていると判定がなされたときには、S131において図9のS113において第1保留記憶バッファから読出された大当り図柄決定用乱数R2が、奇数であるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0173】
S131において奇数であると判定がなされたときには、S132aにおいて確変図柄から大当り図柄決定用乱数R2の値に基づき大当り図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。S132bにおいては、第1確変時大当りフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる。
【0174】
S132bにおいて第1確変時大当りフラグがセットされていると判定されたときには、S132cにおいて第1チャンスフラグをセットし、S132dにおいて第1チャンスコマンドをセットする処理が行なわれる。第1チャンスフラグとは、チャンス演出を第1特別図柄表示器8において行なうか否かを判定するためのフラグである。第1チャンスコマンドとは、チャンス演出を第1飾り変動表示部8kにおいて行なうときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータに出力されるコマンドである。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理においても同様に、第2大当りフラグがセットされているときであって、大当り図柄決定用乱数R2の値が奇数でありかつ第2確変時大当りフラグがセットされているときには、第2チャンスフラグおよび第2チャンスコマンドをセットする処理が行なわれ、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kにおいてチャンス演出が行なわれる。
【0175】
次に、S132dにおいてセットされた第1チャンスコマンドがRAM55の所定の領域に設定され、S28の飾り図柄コマンド制御処理により、表示制御用マイクロコンピュータへ出力される。これにより、第1飾り変動表示部8kにおいてチャンス演出を行なうことができる。そして、S133においては、大当り終了後に確変状態に制御させるための第1確変開始フラグをセットする処理が行なわれる。
【0176】
一方、S131において奇数でないと判定がなされたときには、S134において非確変図柄から大当り図柄決定用乱数R2の値に基づき大当り図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。
【0177】
一方、S130において、第1大当りフラグがセットされていないと判定されたときには、S137において図5(b)で説明したリーチ判定用テーブルをルックアップし、リーチ判定値を読み出す処理が行なわれる。
【0178】
S138においては、S113において第1保留記憶バッファから読出されたリーチ判定用乱数R5と、S137において読み出されたリーチ判定値と、を比較する処理が行なわれる。
【0179】
S139においては、S138による比較の結果、読出したリーチ判定用乱数R5がリーチ判定値と一致するか否かを判定する処理が行なわれる。S139においてリーチ判定値と一致すると判定されたときには、S140において大当り図柄以外からはずれ図柄決定用乱数R3の値に基づきはずれ図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。なお、変動表示中に点滅表示させリーチ状態を発生させるリーチ図柄は、はずれ図柄として決定された図柄の一つ手前の大当り図柄として設定するようにしてもよい。たとえば、はずれ図柄として「4」が決定されたときには、図柄「4」の一つ手前の大当り図柄「3」をリーチ図柄として設定し、大当り図柄「3」を点滅表示することによりリーチ状態を発生させるようにしてもよい。
【0180】
一方、S139においてリーチ判定値と一致しないと判定されたときには、S141において大当り図柄以外からはずれ図柄決定用乱数R3の値に基づきはずれ図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。
【0181】
S142においては、S132a,S134,S140,S141のいずれかにおいて決定された停止図柄に対応する予定停止図柄をセットする処理を行ない、S143において第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動時間設定処理(S54)に対応した値に更新し、第1特別図柄停止図柄設定処理を終了する。なお、本実施の形態においては、S142でセットされた予定停止図柄から、前述した第1飾り図柄コマンドおよび第2飾り図柄コマンドとがRAM55の所定の領域に設定され、S28の飾り図柄コマンド制御処理により、表示制御用マイクロコンピュータへ出力される。これにより、第1特別図柄表示器8に停止表示される第1特別図柄と対応する飾り図柄を、第1飾り変動表示部8kに停止表示させることができる。たとえば、第1特別図柄表示器8により「5、7」のいずれかが停止表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに奇数図柄のいずれかのゾロ目が停止表示される。第1特別図柄表示器8により「1,3,9」のいずれかが停止表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「0」または偶数図柄のゾロ目が停止表示される。第1特別図柄表示器8によりリーチが発生するときには、第1飾り変動表示部8kの左図柄と右図柄とが同一となる図柄が停止表示される。第1特別図柄表示器8により「0,2,4,6,8」が停止表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにばらけ目が停止表示される。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理(図示しない)についても、同様に処理することにより、第2特別図柄表示器9に停止表示される第2特別図柄と対応する飾り図柄を、第2飾り変動表示部9kに停止表示させることができる。
【0182】
図12は、S54の第1変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S144において、第1チャンスフラグがセットされているか否か判定する。確変状態の終了に関する予告演出を行なう場合には第1チャンスフラグがセットされていると判定されたときには、S144aにおいて変動時間テーブルのチャンス時間テーブルを参照して変動時間を決定する。
【0183】
変動時間テーブルは、図13に示されており、チャンス時間テーブルと通常時間テーブルと時短テーブルとに分かれている。チャンス時間テーブルを参照した場合には、R4の抽出値がどのような値であっても変動時間が600秒という長い時間に決定される。その結果、チャンス演出を行なう場合には、第1特別図柄表示器8の変動時間が600秒という長い時間に設定される。なお、図13に示す変動時間テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータに搭載されたROM54に予め記憶されている。
【0184】
一方、S144で第1チャンスフラグがセットされていないと判断した場合には、S145において確変フラグがセットされているか否か判定する。確変フラグがセットされている場合には、S145bにおいて変動時間テーブルの時短テーブルを参照する。図13を参照して、時短テーブルは、0〜5の全てのR4の値に対応して変動時間が4秒となるようにテーブルが構成されている。その結果、確変フラグがセットされている場合には、変動時間の短縮制御が行なわれる。なお、時短制御が行なわれている場合にも、変動時間テーブルの時短テーブルを参照するようにしてもよい。
【0185】
S145によりNOの判断がなされた場合には、S145aにおいて変動時間テーブルの通常時間テーブルを参照する。図13を参照して、変動時間テーブルの通常時間テーブルは、リーチ状態が発生する場合とリーチ状態が発生しない場合とに分かれており、リーチ状態が発生しない場合には、すべてのR4の値に対して一律に変動時間が6秒となるようにテーブルデータが構成されている。一方、リーチ状態が発生する場合には、R4の抽出値が0の場合には6秒、R4の抽出値が1〜3のいずれかの場合には20秒、R4の抽出値が4または5のいずれかの場合には30秒に変動時間が設定されるようにテーブルデータが構成されている。
【0186】
次に、S146においては、S144a、S145a、S145bで決定した変動時間のコマンドをセットする。図13を参照して、たとえば、変動時間が600秒の場合には8001Hのコマンドがセットされる。また、リーチ状態が発生して変動時間が20秒の場合には8004Hのコマンドがセットされる。なお、セットされたコマンドは、RAM55の所定の領域に設定され、S28の飾り図柄コマンド制御処理により、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして表示制御用マイクロコンピュータへ出力される。これにより、第1特別図柄表示器8において行なわれる変動時間と、第1飾り変動表示部8kにおいて行なわれる変動時間とを同じにすることができる。
【0187】
次に、S147においては、決定された変動時間に応じた時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットする。この第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄表示器8の変動時間を計時するためのタイマである。図13を参照して、たとえば、変動時間が600秒の場合には600秒に対応するタイマがセットされる。また、変動時間が4秒の場合には4秒に対応するタイマがセットされる。なお、第2変動時間設定処理でも同様に、第2チャンスフラグがセットされているときにはチャンス時間テーブルが参照され、確変フラグがセットされているときには時短テーブルが参照され、第2チャンスフラグおよび確変フラグのいずれもがセットされていないときには通常時間テーブルが参照され、変動時間のコマンドをセットする処理が行なわれる。そして、決定された変動時間に応じた時間を第2特別図柄プロセスタイマにセットする処理が行なわれる。
【0188】
本実施の形態において、確変状態に制御されている場合であって、第1特別図柄表示器8の変動によって再度確変図柄による大当りが発生するときには、第1特別図柄表示器8では600秒という非常に長い変動時間がセットされる。また、確変状態に制御されている場合であって、第1特別図柄表示器8の変動によって再度確変図柄による大当りが発生しないときには、第1特別図柄表示器8では4秒という非常に短い変動時間がセットされる。
【0189】
また、第2変動時間設定処理においても、第1変動時間設定処理と同様の処理が行なわれる。確変状態に制御されている場合であって、第2特別図柄表示器8の変動によって再度確変図柄による大当りが発生するときすなわち第2チャンスフラグがセットされているときには、第2特別図柄表示器9では600秒という非常に長い変動時間がセットされる。また、確変状態に制御されている場合であって、第2特別図柄表示器9の変動によって再度確変図柄による大当りが発生しないときには、第2特別図柄表示器9では4秒という非常に短い変動時間がセットされる。
【0190】
このため、確変状態に制御されているときで、かつ、第1特別図柄表示器8において再度確変図柄による大当りが発生するときには、第1特別図柄表示器8において確変図柄による大当りが発生する変動表示が1回行なわれる間に、第2特別図柄表示器9において何回も繰返して変動表示可能に構成されている。また、逆に、確変状態に制御されているときで、かつ、第2特別図柄表示器9において再度確変図柄による大当りが発生するときには、第2特別図柄表示器9において確変図柄による大当りが発生する変動表示が1回行なわれる間に、第1特別図柄表示器8において何回も繰返して変動表示可能に構成されている。なお、変動時間テーブルは、図13で示すものに限るものではない。
【0191】
図14は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S55)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、先ず第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S150)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算する(S151)。
【0192】
次に、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる(S152a)。S152aにおいて第1チャンスフラグがセットされていると判定されたときには、第1特別図柄表示器8において青色で点灯表示させた図柄を変動表示する(S152b)。一方、S152aにおいてセットされていないと判定されたときには、第1特別図柄表示器8において赤色で点灯表示させた図柄を変動表示する(S152c)。このように、本実施の形態において、第1チャンスフラグがセットされているときには、第1特別図柄表示器8において変動表示させる図柄を青色に点灯表示することにより、チャンス演出が行なわれる。
【0193】
次に、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S153a)。S153aにおいて第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていると判定されたときには、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定し(S153b)、セットされているときには第1チャンスフラグをオフ状態にセットする処理を行なう(S153c)。
【0194】
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(S154)。第1大当りフラグがセットされていれば、第1大当り実行中フラグをセットし(S155)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S56)に対応した値に更新する(S156)。S153aで第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ第1特別図柄プロセスフラグの値を更新しない。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が再び行なわれる。また、S155で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S25)で第2特別図柄表示器9の変動表示を停止させる処理が実行される。
【0195】
一方、S150で第2大当りフラグがセットされていれば、中断フラグがセットされているか否か確認する(S157)。中断フラグがセットされていなければ(S157)、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S158)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(S158)、中断フラグをセットし(S159)、中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S160)。中断コマンドは、第1特別図柄表示器8の変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S160でセットされた中断コマンドは2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。すなわち、S158で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S151の処理を実行しないため特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を中断させる制御を実行する。
【0196】
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kの変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算を中断する。そして、その中断時には、第1特別図柄表示器8への駆動信号に基づいて第1特別図柄の変動表示を中断させる制御を行なうとともに、表示制御基板80に第1飾り変動表示部8kにおける変動表示の中断を指示するコマンドを送信して第1飾り変動表示部8kにおける変動表示を中断させることにより、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kで特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りが発生してから、その大当りが終了するまでは、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄の変動表示、および、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示を中断させる処理を行なっている。
【0197】
なお、第2特別図柄変動処理においても同様に、第1大当りフラグがセットされていないときであって、第2チャンスフラグがセットされているときには、第2特別図柄表示器9において青色で点灯表示させた図柄を変動表示することにより、チャンス演出が行なわれる。そして、第2特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときであって、第2チャンスフラグがオン状態にセットされているときにはオフ状態にセットし、第2大当りフラグがオン状態にセットされているときにはオフ状態にセットする処理が行なわれる。また、第1大当りフラグがセットされているときであって、第1大当り実行中フラグがセットされているときには、中断フラグがオン状態にセットされ、以後第2特別図柄プロセスタイマを減算せずに、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄の変動表示、および、第2飾り変動表示部9kにおける変動表示を中断させる処理が行なわれる。
【0198】
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S56)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、S161において、第1飾り図柄停止コマンドをセットする処理が行なわれる。第1飾り図柄停止コマンドとは、変動表示が行なわれる毎にセットされる変動時間が計時されたとき(計時が終了したとき)にセットされるコマンドであって、第1飾り変動表示部8kにおいて飾り図柄を停止表示させるためのコマンドである。S162aにおいては、第1特別図柄表示器8において特別図柄を停止表示させる処理が行なわれる。このような処理により、定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8において同期する態様で変動表示が停止され、表示結果が導出表示されることとなる。
【0199】
次に、S162bにおいては、確変フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれ、確変フラグがセットされているときにはS162cにおいて確変状態を終了させるために確変フラグをクリアする処理が行なわれる。
【0200】
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S163)。S163で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(S52)における図10のS123またはS124で第1大当りフラグがセットされたときには、第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(S164)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S57)に対応した値に更新する(S165)。また、S164でセットされた第1大当り開始コマンドは、2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは第1大当り開始コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに大当りを開始する旨の表示制御を行なう。
【0201】
また、S163で第1大当りフラグがセットされていなければ、すなわち、第1特別図柄通常処理(S52)においてはずれと判定されて第1大当りフラグがセットされていないときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S52)に対応した値に更新する(S166)。
【0202】
なお、第2特別図柄停止処理においても同様に、第2飾り図柄停止コマンドをセットし、第2特別図柄表示器9を予定停止図柄で停止表示させる処理が行なわれる。そして、第2大当りフラグがセットされているときには、第2大当り開始コマンドをセットする処理が行なわれる。
【0203】
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S59)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、図11のS133においてセットされる第1確変開始フラグがセットされているか否か確認する(S170)。すなわち、今回の確変図柄が表示されたことにより発生した大当りであるか否か確認する。確変図柄以外の非確変図柄が導出表示されることにより発生した大当りの場合には、S174に移行する。
【0204】
一方、第1確変開始フラグがセットされている場合には、第1確変開始フラグをクリアし(S171)、確変フラグをセットする(S172)。これにより、以降確変状態となる。次に確変開始コマンドをセットする(S173)。このセットされた確変開始コマンドが表示制御基板80へ送信される。
【0205】
次いで、CPU56は、第1大当り実行中フラグをリセットした後(S174)、第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄変動処理でセットされた中断フラグをリセットするとともに(S175)、第1大当りフラグをリセットし(S176)、再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S177)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S52)に対応した値に更新する(S178)。
【0206】
S174で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄通常処理が実行されて第2特別図柄表示器9の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。また、S177でセットされた再開コマンドは、中断している第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kの変動表示の再開を指示するコマンドであり、2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは再開コマンドを受信すると、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kの変動表示を再開する制御を行なう。
【0207】
図17は、S27の普通図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、第1または第2ゲートスイッチが玉を検出してオン状態になったか否かの判断を行なう(S320)。オン状態になっていると判断した場合には、ゲートスイッチ通過処理を実行する(S321)。このゲートスイッチ通過処理について、図18(a)に基づいて説明する。
【0208】
CPU56は、普通保留記憶カウンタの値がその上限である「4」以上になっているか否か判断する(S330)。この普通保留記憶カウンタは、第1ゲート28または第2ゲート29を通過した始動通過玉のうち未だに普通図柄表示器12による変動表示に用いられていないものを保留記憶するカウンタである。そしてその記憶上限値「4」以上になっている場合には、それ以上記憶できないために、このゲートスイッチ通過処理のサブルーチンプログラムが終了する。一方、「4」未満の場合には、CPU56は、普通保留記憶カウンタを「1」加算更新し、普通図柄当り判定用ランダムカウンタR6の値を抽出する(S332)。そして、加算した普通保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアにその抽出したR6の値を記憶させる(S333)。
【0209】
図17に戻り、S320によりNOの判断を行なった後あるいはS321の処理を行なった後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、S322〜S327の各処理のいずれかにジャンプする。
【0210】
S322は、普通図柄通常処理、S323は、普通図柄表示器12の予定停止図柄を設定する処理、S324は、普通図柄表示器12の変動時間を設定する処理、S325は、普通図柄表示器12を変動表示制御する処理、S326は、普通図柄表示器12を停止させる処理、S327は、電動チューリップすなわち可変入賞装置17を開状態(第1の状態)に制御する処理である。
【0211】
図18(b)は、S322に示された普通図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、普通保留記憶カウンタの値すなわち普通保留記憶数が「0」であるか否かの判断を行なう(S335)。「0」の場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、「0」でない場合には、普通保留記憶カウンタの値(普通保留記憶数)が「1」すなわち一番古い普通保留記憶数に対応する乱数記憶エリアに保存されている乱数値R6を呼出す(S336)。そして、普通保留記憶カウンタを「1」を減算更新して、かつ、乱数記憶エリアの内容をそれに応じて1つずつシフトする処理を行なう(S337)。
【0212】
次に、呼出した乱数R6が当り判定値(たとえば1、3、5、7、9、11)と一致するか否か判断する(S338)。一致しない場合にはS340へ進むが、一致する場合には、当りフラグをセットする(S339)。次に、普通図柄プロセスフラグを変動時間設定処理に切換える(S340)。この普通図柄プロセス処理が変動時間設定処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S324の普通図柄変動時間設定処理が実行されることとなる。
【0213】
図19は、S324の普通図柄変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、確変状態に制御されているか否かを判定するために、確変フラグがセットされているか否かを判定する(S350)。
【0214】
確変フラグがセットされているときには、普通図柄表示器12の変動時間として、短縮変動時間(たとえば4秒)を設定する(S351)。これにより、普通図柄表示器12は短い変動時間となり時短制御が行なわれる。一方、確変フラグがセットされていないときには、普通図柄表示器12の変動時間として、標準時間(29.2秒)を設定する(S352)。次に、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動処理に切換える(S353)。この普通図柄プロセス処理が普通図柄変動処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S325の普通図柄変動処理が実行されることとなる。
【0215】
図20は、S326の普通図柄停止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0216】
まず、図18のS339においてセットされる当りフラグがセットされているか否かを判定する(S360)。当りフラグがセットされているときには、「○」の付された左側のランプを点灯させて、当り図柄で停止表示する処理が行なわれる(S361)。
【0217】
次に、確変フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する処理が行なわれる(S362)。確変フラグがセットされているときには、可変入賞装置17を開状態とする時間を特定するための開放タイマTとして5をセットする処理が行なわれる(S363)。一方、確変フラグがセットされていないときには、開放タイマTとして2をセットする処理が行なわれる(S364)。なお、本実施の形態において、開放タイマTとして5がセットされているときには、可変入賞装置17が5秒間開状態に制御され、開放タイマTとして2がセットされているときには、可変入賞装置17が2秒間開状態に制御される。
【0218】
次に、普通図柄プロセスフラグを電動チューリップ開放処理に切換える(S365)。この普通図柄プロセス処理が電動チューリップ開放処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S327の電動チューリップ開放処理が実行されることとなる。電動チューリップ開放処理では、S363またはS364においてセットされた開放タイマTが経過するまで、可変入賞装置17を開状態に制御する処理が行なわれる。
【0219】
一方、S360において、当りフラグがセットされていないと判断されたときには、S366において「×」の付された右側のランプを点灯させて、はずれ図柄で停止表示する処理が行なわれる(S366)。次に、普通図柄プロセスフラグを普通図柄通常処理に切換える(S367)。この普通図柄プロセス処理が普通図柄通常処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S322の普通図柄通常処理が実行されることとなる。
【0220】
図21は、表示制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる(Sub1)。その後、表示制御用マイクロコンピュータは、タイマ割込フラグの監視(Sub2)の確認を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用マイクロコンピュータは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用マイクロコンピュータは、そのフラグをクリアし(Sub3)、以下の演出制御処理を実行する。
【0221】
この実施の形態では、タイマ割込は33ms毎にかかる。すなわち、表示制御メイン処理は、33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御は、表示制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御メイン処理を実行してもよい。
【0222】
表示制御メイン処理において、表示制御用マイクロコンピュータは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:Sub4)。本実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータから第1チャンスコマンドを受信したときには、第1飾り変動表示部8kにおいてチャンス演出を行なうための第1飾りチャンスフラグをオン状態にセットするとともに、チャンス画面を表示するタイミングを特定するための第1チャンス画面開始タイマをセットする処理が行なわれる。また、第2チャンスコマンドを受信したときにおいても同様に、第2飾り変動表示部9kにおいてチャンス演出を行なうための第2飾りチャンスフラグをオン状態にセットするとともに、第2チャンス画面開始タイマをセットする処理が行なわれる。
【0223】
次いで、表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31側から送信される第1飾り図柄コマンド等に基づき第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1表示制御プロセス処理を行なう(Sub5)。第1表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。
【0224】
また、表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31側から送信される第2飾り図柄コマンド等に基づき第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2表示制御プロセス処理を行なう(Sub6)。第2表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセス処理と同様に、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、主基板31側から送信される飾り図柄コマンド等に基づき、特別図柄と対応する飾り図柄の変動表示内容を決定するために用いる乱数(ランダムカウンタ)や、変動表示の表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いる乱数(ランダムカウンタ)を更新する処理を実行する(Sub7)。その後、Sub2のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
【0225】
次に、表示制御基板80に搭載されている表示制御用マイクロコンピュータが実行する表示制御プロセス処理について説明する。表示制御プロセス処理としては、第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行なう第1表示制御プロセスと、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう第2表示制御プロセスとが実行される。第1表示制御プロセス処理および第2表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2表示制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1表示制御プロセス処理をこれらの表示制御プロセス処理の代表例として説明し、第2表示制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。
【0226】
なお、以下に説明する第1表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2表示制御プロセス処理の処理内容となる。
【0227】
図22は、表示制御基板80に搭載されている表示制御用マイクロコンピュータが実行する第1表示制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセスフラグの値に応じてSub10〜Sub16のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。なお、図示を省略するが、第2表示制御プロセス処理についても同様に、第2表示制御プロセスフラグの値に応じて第2飾り変動表示部9kに対するSub10〜Sub16と同様の処理のうちのいずれかが行なわれる。
【0228】
第1飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(Sub10):コマンド解析処理によって、第1飾り図柄変動パターンコマンド(変動表示コマンド)を含む演出制御コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、第1飾り図柄変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1飾り図柄変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1飾り図柄変動パターン受信フラグは、表示制御用マイクロコンピュータが実行するコマンド解析処理にて第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0229】
第1飾り図柄変動パターン決定処理(Sub11):主基板31から受信した第1飾り図柄変動パターンコマンドから特定される変動時間に基づき第1飾り図柄の変動パターンを決定する。また、第1飾り図柄コマンドから特定される表示結果に基づき表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定する。
【0230】
第1飾り図柄変動開始処理(Sub12):変動表示が開始されるように制御する。なお、変動表示を開始するときに、Sub11で決定された第1飾り図柄の変動パターンから特定される第1変動時間タイマがセットされる。
【0231】
第1飾り図柄変動中処理(Sub13):前述のように決定された第1飾り図柄の変動パターンに応じて選択されたプロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。その制御においては、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御、および、左右図柄の停止制御等を行なう。
【0232】
また、第1変動時間タイマを減算していき、第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、第1飾り図柄停止待ち処理に移行する。
【0233】
第1飾り図柄停止待ち処理(Sub14):第1飾り図柄停止コマンドを受信したことに応じて、第1飾り図柄の変動表示を終了し、Sub11で決定されている第1飾り図柄の組合せを表示結果として導出表示する。
【0234】
第1大当り表示処理(Sub15):変動表示終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。
【0235】
第1大当り遊技中処理(Sub16):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、ソレノイド72により特別可変入賞装置20を駆動して大入賞口21を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口21が開放中であることを示す大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
【0236】
図23は、第1表示制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(Sub13)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において表示制御用マイクロコンピュータは、第1チャンスコマンドを受信したときにセットされる第1飾りチャンスフラグがオン状態にセットされているか否かを判定し(Sub19)、セットされているときに、チャンス画面の背景画面表示を開始するタイミングを特定するための第1チャンス画面開始タイマが「0」以下の値になっているか否かを判定し(Sub20a)、「0」以下の値になっていないとき、すなわち、第1チャンス画面開始タイマが未だ経過していないときに当該第1チャンス画面開始タイマの値を「1」減算する(Sub20b)。「0」以下の値になっていると判定されたときにチャンス画面を背景画面としてセットする処理が行なわれる(Sub20c)。これにより、チャンス画面を背景にして第1飾り図柄の変動表示を行なうことにより、第1飾り変動表示部8kにおいてチャンス演出を行なうことができる。なお、第2飾り図柄変動中処理においても同様に、第2チャンスコマンドを受信したときにセットされる第2飾りチャンスフラグがオン状態にセットされているか否かを判定し、セットされているときに、チャンス画面の背景画面表示を開始するタイミングを特定するための第2チャンス画面開始タイマが「0」以下の値になっているか否かを判定し、「0」以下の値になっていないときに当該第2チャンス画面開始タイマの値を「1」減算する。「0」以下の値になっていると判定されたときにチャンス画面を背景画面としてセットすることにより、チャンス画面を背景にして第2飾り図柄の変動表示を行なうことにより、第2飾り変動表示部9kにおいてチャンス演出を行なうことができる。なお、チャンス演出画面については、図25、図26を用いて後述する。一方、Sub19において、第1飾りチャンスフラグがオン状態にセットされていない判定がなされたときには、通常時の画面を背景にして第1飾り図柄の変動表示が行なわれる。
【0237】
次に、変動中断フラグがセットされているか否か確認し(Sub21)、変動中断フラグがセットされていないと確認されれば、中断コマンドを受信したか否か確認する(Sub25)。そして、Sub25で中断コマンドを受信していると確認されれば、変動中断フラグをセットし(Sub26)、第1飾り変動表示部8kに第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を中断する旨を示す変動中断表示を行なう(Sub27)。この変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の図柄表示部での変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算が中断されている旨を意味する表示でもある。
【0238】
また、Sub21で変動中断フラグがセットされていると確認されれば、表示制御用マイクロコンピュータは再開コマンドを受信したか否か確認する(Sub22)。Sub22で再開コマンドを受信していると確認されれば、変動中断フラグをリセットするとともに(Sub23)、第1飾り変動表示部8kに第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行なう(Sub24)。Sub22で再開コマンドを受信していないと確認されれば、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
【0239】
Sub25で中断コマンドを受信していないと確認されれば、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し(Sub28)、タイムアウトしていることが確認されれば、表示制御実行データの切替を行なう(Sub29)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている。プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用マイクロコンピュータは選択決定した変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
【0240】
また、第1変動時間タイマがタイムアウトしていることが確認されれば(Sub30a)、第1飾りチャンスフラグをオフ状態にし(Sub30b)、監視タイマをスタートさせ(Sub31)、第1プロセスフラグを第1飾り図柄停止待ち処理(Sub14)に対応した値に更新する(Sub32)。
【0241】
以上の処理によって、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに第1飾り変動表示部8kで変動中断表示を行なう。そして、再開コマンドを受信するまでSub28以降の処理を実行しないように制御する。すなわち、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1飾り図柄の変動表示を行なわない制御がなされる。同様に、第1飾り図柄変動中処理に対応する第2表示制御プロセス処理中の第2飾り図柄変動中処理では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに第2飾り変動表示部9kで変動中断表示を行なう。
【0242】
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、主基板31から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて表示制御用マイクロコンピュータは他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御を行なっている。また、大当り遊技状態が終了するときに主基板31から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータは、中断していた変動表示を再開させる制御を行なっている。
【0243】
なお、前述した実施の形態では、主基板31から中断コマンドおよび再開コマンドを送信することにより飾り図柄の変動の中断および再開を行なう例を示したが、これに限らず、主基板31から中断コマンドおよび再開コマンドを送信することなく、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータに飾り図柄の変動の中断および再開を行なわせるように構成してもよい。
【0244】
たとえば、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときに、主基板31からその変動表示部についての大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信する。そして、その大当り開始コマンドを受信したことに基づいて表示制御用マイクロコンピュータが、他方の変動表示部での飾り図柄の変動表示を中断させる制御を行なう。また、そのような一方の変動表示部での大当り図柄の導出表示に基づく大当り遊技状態が終了するときに、主基板31からその一方の変動表示部についての確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンドを表示制御基板80に送信する。その確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータが、中断していた他方の変動表示部での飾り図柄の変動表示を再開させる制御を行なう。
【0245】
図24は、第1表示制御プロセス処理における第1飾り図柄停止待ち処理(Sub14)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0246】
まず、Sub40においては、第1飾り図柄停止コマンドを受信したか否かを判別する処理が行なわれる。第1飾り図柄停止コマンドは、第1特別図柄表示器8において第1特別図柄の表示結果を停止表示するタイミングに到達したときに、主基板31から表示制御基板80に送信されるコマンドである。
【0247】
Sub40において第1飾り図柄停止コマンドを受信していないと判別されたときには、第1飾り図柄停止待ち処理を終了し、リターンする。一方、Sub40において第1飾り図柄停止コマンドを受信していると判別されたときには、Sub41において、Sub11で既に決定されている飾り図柄(全図柄)を停止表示させる制御が行なわれる。
【0248】
Sub42では、飾り図柄の組合せがゾロ目となる大当り図柄が停止表示されているか否かを判別する処理が行なわれる。Sub42で大当り図柄が停止表示されていると判別されたときには、Sub44において第1プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(Sub15)に対応した値に設定される。一方、Sub42で大当り図柄が停止表示されていないと判別されたときには、Sub43において第1プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(Sub10)に対応した値に設定される。
【0249】
なお、図示を省略するが、第2表示制御プロセス処理に含まれる第2飾り図柄停止待ち処理についても同様に、第2飾り図柄停止コマンドを受信したときに、第2飾り変動表示部9kにおいて飾り図柄を停止表示させる制御が行なわれる。また、飾り図柄の組合せがゾロ目となる大当り図柄が停止表示されているときには、第2プロセスフラグの値を第2大当り表示処理に対応した値に設定される。一方、大当り図柄が停止表示されていないときには、第2プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定される。
【0250】
次に、確変状態に制御されているときであってチャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様について説明する。図25、図26は、チャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様の一例を示す図である。
【0251】
図25(a)の第1飾り変動表示部8kにおいては、飾り図柄の組合せとして「123」が停止表示されている。停止表示する飾り図柄の組合せは、図24のSub41により停止表示される。第2飾り変動表示部9kにおいては、飾り図柄の組合せとして「ABC」が停止表示されている。
【0252】
図25(b)の第1飾り変動表示部8kにおいては、変動表示が開始されている。変動表示は、第1飾り図柄変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドが受信されたことにより、図22のSub11で決定された飾り図柄の変動パターンに基づき、Sub12により第1変動時間タイマがセットされ開始される。第2飾り変動表示部9kにおいても、同様に、第2飾り図柄変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信したことにより、決定された飾り図柄の変動パターンに基づき、第2変動時間タイマがセットされ新たな変動表示が開始されている。
【0253】
図25(b)では、表示制御用マイクロコンピュータが、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8006Hのコマンドを、第2飾り図柄変動パターンコマンドとして8001Hのコマンドを受信したことにより変動表示が開始された場合について説明する。よって、第1変動時間タイマとしては、4秒がセットされ、第2変動時間タイマとしては、600秒がセットされているものとする。これは、図12のS145bにおいて時短テーブルが参照され、S146において8006Hのコマンドがセットされたことによる。また、第2特別図柄停止図柄設定処理(図11参照)において第2チャンスフラグがセット(図11のS132c)され、第2変動時間設定処理(図12参照)においてチャンス時間テーブルが参照され(図12のS144a)、8001Hのコマンドがセット(図12のS146)されたことによる。よって、第1特別図柄表示器8においては、図14のS152cにより赤色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。また、第2特別図柄表示器9においては、第2特別図柄変動処理(図14のS152b参照)により青色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。
【0254】
図25(c)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図25(b)で開始された変動表示が継続して行なわれているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、確変図柄「A」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。
【0255】
図25(d)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図23のSub30aにより第1変動時間タイマがタイムアウトしたと判定され、図24のSub41において飾り図柄の組合せとして「234」が停止表示されている。また、第2飾り変動表示部9kにおいては、中央にチャンス演出中であることを報知する「チャンスタイム!」が画面中央部に表示され、図25(b)で開始された第2飾り図柄の変動表示が画面右下部に縮小して表示されている。
【0256】
以降、第1飾り変動表示部8kにおいては、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8006Hのコマンドを受信したことにより、図25(e)および(g)に示すように、新たな変動表示が開始されている。また、第1飾り図柄変動パターンコマンドに基づきセットされる第1変動時間タイマとしての4秒が経過したことにより、図25(f)および図26(h)に示すように、飾り図柄の組合せとして「345」および「456」が停止表示されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、図25(b)で説明したように第2変動時間タイマとしてセットされた600秒が未だ経過していないため、チャンス演出が継続して行なわれている。
【0257】
図26(i)の第1飾り変動表示部8kにおいては、新たな変動表示が開始されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、チャンス演出が継続して行なわれている。
【0258】
なお、図26(i)においては、表示制御用マイクロコンピュータが、第1飾り変動表示部8kにおいて非確変図柄(偶数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り非確変図柄コマンドと、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8005Hのコマンドとを、受信したことにより変動表示が開始された場合について、図26(j)〜(n)を用いて説明する。これは、図12のS145bにおいて時短テーブルが参照され、S146において8006Hのコマンドがセットされたことによる。よって、第1特別図柄表示器8においては、図14のS152cにより赤色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。
【0259】
図26(j)の第1飾り変動表示部8kにおいては、非確変図柄「8」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、チャンス演出が継続して行なわれている。
【0260】
図26(k)の第1飾り変動表示部8kにおいては、非確変図柄「8」のゾロ目が停止表示され、非確変図柄による大当りが発生したときの表示状態を示している。このとき、第1特別図柄表示器8においても同様に、非確変図柄が導出表示される。また、第2特別図柄変動処理(図14参照)においては、第1大当り実行中フラグがオン状態にセットされているため、中断フラグと中断コマンドとがセットされる(S159、S160参照)。これにより、以後の第2特別図柄変動処理においては、第2特別図柄プロセスタイマから1減算する処理(S151参照)が行なわれない。また、第2飾り図柄変動中処理においても同様に中断処理が行なわれる。第2飾り変動表示部9kにおいては、チャンス演出が継続して行なわれている。以後、第1飾り変動表示部8kにおいて大当り遊技が行なわれる。
【0261】
図26(l)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図26(k)で発生した大当り遊技が終了したときの表示状態を示している。このとき、図16の第1大当り終了処理では、第1確変開始フラグがセットされていないため、S172において確変フラグがセットされることなく終了する。第2飾り変動表示部9kにおいては、「チャンスタイム中」の表示が消去され、画面中央部で第2飾り図柄の変動表示が行なわれている。なお、第2飾り変動表示部9kにおいては、確変図柄「A」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。
【0262】
図26(m)の第1飾り変動表示部8kにおいては、新たな変動表示が開始されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄変動中処理において第2変動時間タイマがタイムアウトしたと判定され、第2飾り図柄停止待ち処理において飾り図柄の組合せとして、確変図柄「A」のゾロ目が停止表示され、確変図柄による大当りが発生したときの表示状態を示している。このとき、第2特別図柄表示器9においても同様に、確変図柄が導出表示される。また、図14の第1特別図柄変動処理においては、第2大当り実行中フラグがオン状態にセットされているため、S159、S160で中断フラグと中断コマンドとがセットされる。これにより、以後の第1特別図柄変動処理においては、S151において第1特別図柄プロセスタイマから1減算する処理が行なわれない。また、第1飾り図柄変動中処理においても同様に中断処理が行なわれる。
【0263】
図26(n)の第1飾り変動表示部8kにおいては、変動表示が行なわれているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、図26(m)で発生した大当りが終了したときの表示状態を示している。このとき、第2大当り終了処理(図16参照)では、第2確変開始フラグがセットされていないため、確変フラグがセットされ(S172)、確変状態に制御される。
【0264】
次に、図26(i)において、表示制御用マイクロコンピュータが、第1飾り変動表示部8kにおいて確変図柄(奇数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り確変図柄コマンドと、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8001Hのコマンドとを、受信したことにより変動表示が開始された場合について、図26(o)〜(r)を用いて説明する。これは、図11のS132cにおいて第1チャンスフラグがセットされ、図12のS144aにおいてチャンス時間テーブルが参照され、S146において8001Hのコマンドがセットされたことによる。よって、第1特別図柄表示器8においては、図14のS152bにより青色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。
【0265】
図26(o)の第1飾り変動表示部8kにおいては、確変図柄「7」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、「チャンスタイム中」の表示が消去され、画面中央部で第2飾り図柄の変動表示が行なわれている。なお、第2飾り変動表示部9kにおいては、確変図柄「A」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。
【0266】
図26(p)の第1飾り変動表示部8kにおいては、中央にチャンス演出中であることを報知する「チャンスタイム!」が画面中央部に表示され、図26(i)で開始された第1飾り図柄の変動表示が画面右下部に縮小して表示されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄変動中処理において第2変動時間タイマがタイムアウトしたと判定され、第2飾り図柄停止待ち処理において飾り図柄の組合せとして、確変図柄「A」のゾロ目が停止表示され、確変図柄による大当りが発生したときの表示状態を示している。このとき、第2特別図柄表示器9においても同様に、確変図柄が導出表示される。また、図14の第1特別図柄変動処理においては、第2大当り実行中フラグがオン状態にセットされているため、S159、S160で中断フラグと中断コマンドとがセットされる。これにより、以後の第1特別図柄変動処理においては、S151において第1特別図柄プロセスタイマから1減算する処理が行なわれない。また、第1飾り図柄変動中処理においても同様に中断処理が行なわれる。
【0267】
図26(q)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図25(i)で説明したように第1変動時間タイマとしてセットされた600秒が未だ経過していないため、チャンス演出が継続して行なわれている。第2飾り変動表示部9kにおいては、図26(p)で発生した大当り遊技が終了したときの表示状態を示している。このとき、第2大当り終了処理(図16参照)では、第2確変開始フラグがセットされているため、確変フラグがセットされ(S172参照)、確変状態に制御される。
【0268】
図26(r)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図25(i)で説明したように第1変動時間タイマとしてセットされた600秒が未だ経過していないため、チャンス演出が継続して行なわれている。第2飾り変動表示部9kにおいては、新たな変動表示が開始されている。なお、第1飾り変動表示部8kにおいては、確変図柄による大当りが発生することとなる。よって、第1飾り変動表示部8kに確変図柄のゾロ目が停止表示されるまでに、第2飾り変動表示部9kにおいて非確変図柄のゾロ目が停止表示され確変状態が終了したとしても、その後、第1飾り変動表示部8kにおいて確変図柄のゾロ目が停止表示されるため、再度確変状態に制御される。
【0269】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0270】
(1) 前述した実施形態においては、確変状態に制御されており、第1特別図柄表示器8において確変図柄とすると判定されているときに、図11のS132cにおいて第1チャンスフラグをセットし、第1特別図柄表示器8において確変図柄が導出表示されるまでに、第2特別図柄表示器9において複数回変動表示を行なうチャンス演出が行なわれる。このため、チャンス演出を行なわない場合と比較し、第2特別図柄表示器9において非確変図柄が導出表示され確変状態が終了したとしても、その後第1特別図柄表示器8において確変図柄が導出表示され確変状態に再度制御されることが保証されているため、確変状態が終了するときの遊技者の興趣の盛り下がりを極力抑止することができるとともに、特別図柄表示器を複数有することによる特有の不利益の発生を防止することができる。また、チャンス演出が行なわれることにより遊技の興趣を向上させることができる。また、確変状態に制御されており、第2特別図柄表示器9において確変図柄とすると判定されているときに、第2チャンスフラグをセットし、第2特別図柄表示器9において確変図柄が導出表示されるまでに、第1特別図柄表示器8において複数回変動表示を行なうチャンス演出が行なわれる。このため、上述した同様の効果を奏する。
【0271】
(2) 前述した実施形態においては、ROM54には図13を用いて説明したように複数種類の変動時間が予め記憶されている。そして、第1変動時間設定処理または第2変動時間設定処理において、ROM54に記憶されている変動時間のうち、チャンスフラグがセットされていないときに選択する変動時間よりも長い変動時間をその後に確変図柄を導出表示する特別図柄表示器の変動時間として選択することにより、チャンス演出を行なうことができる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータによる処理負担を増大させることなく、チャンス演出を容易に行なうことができる。
【0272】
(3) 前述した実施形態においては、確変状態に制御されているときに、図19のS351において短縮変動時間を設定することにより可変入賞装置17が開状態に変化する機会を増加させ、かつ、図20のS363において開放タイマとして5をセットすることにより開状態に変化している時間を延長することができる。これにより、チャンス演出が、第1特別図柄表示器8で行なわれているときと、可変入賞装置17が設けられている第2始動入賞口16に対応する第2特別図柄表示器9で行なわれているときとで、有利度合いを変化させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
【0273】
具体的には、チャンス演出が第1特別図柄表示器8において行なわれているときには、第2特別図柄表示器9において通常通り変動表示が行なわれるため、可変入賞装置17が開状態に制御され第2始動入賞口16に遊技球が入賞しやすくなっても、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられない遊技者にとって無駄となる入賞が発生する可能性が低くなる。一方、チャンス演出が第2特別図柄表示器9において行なわれているときには、第2特別図柄表示器9において長い変動時間の変動表示が行なわれるため、可変入賞装置17が開状態に制御され第2始動入賞口16に遊技球が入賞しやすくなっても、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられない遊技者にとって無駄となる入賞が発生する可能性が高くなる。すなわち、遊技者にとって無駄となる入賞が発生する可能性が、チャンス演出が第1特別図柄表示器8において行なわれているときよりも、チャンス演出が第2特別図柄表示器9において行なわれているときの方が、高くなる。このように、チャンス演出がいずれの特別図柄表示器において行なわれるかによって、有利度合いを変化させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
【0274】
(4) 前述した実施形態においては、チャンス演出が行なわれているときに、特別図柄表示器において青色で点灯表示させた図柄を変動表示したり、図25、図26で説明したように飾り変動表示部において「チャンスタイム」表示が行なわれるため、遊技者に対し容易に認識させることができる。
【0275】
(5) 図6のS23〜S25に示されるように、2msタイマ割込処理を一回実行する間に、大当り判定用のランダムカウンタによる数値データの更新(S24)が実行される前に、第1特別図柄プロセス処理の第1始動口スイッチ通過処理(図8)により第1特別図柄表示器8の変動表示の大当り判定に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行され(S23,S102)、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行された後に、第2特別図柄プロセス処理の第2始動口スイッチ通過処理(図8と同様)により第2特別図柄表示器9の変動表示の大当り判定に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行される(S25,S102と同様)。これにより、大当り判定値が共通である遊技機において、複数の特別図柄表示器各々における表示態様決定に共通の大当り判定用のランダムカウンタを用いることにより、複数の特別図柄表示器を制御するために必要となるデータ量を最小限度に抑えたときであって、第1特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件と第2特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件とが不正行為により同時に成立した場合であっても、タイマ割込処理を一回実行する間に、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行される前に第1特別図柄プロセス処理で数値データが抽出され、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行された後に第2特別図柄プロセス処理で数値データが抽出される。これにより、第1特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件と第2特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件とが不正行為により同時に成立した場合であっても、これらの特別図柄プロセス処理において抽出された数値データが異なることとなり、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kにおいて不正に同時に特定遊技状態に制御されることを防止できるため、射倖性を適正に保ちつつ不正行為の発生を極力防止することができる。
【0276】
(6) たとえば、図14の第1特別図柄変動処理のS150およびS157によりYESとなると、以降の処理を実行しない制御を行なうことにより、第1および第2特別図柄表示器のうちの一方の側の特別図柄表示器および飾り変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたときに、他方の側の特別図柄表示器および飾り変動表示部における変動表示時間の計測を中断するので、第1および第2特別図柄表示器の両方にて同時に特定遊技状態となる表示結果が発生することを防ぐことができ、第1および第2特別図柄表示器の両方で同時に特定遊技状態が発生することにより遊技者に有利な状態となり過ぎて射倖性が高くなり過ぎてしまわないようにすることができる。
【0277】
(7) CPU56が、特別図柄表示器を構成する7セグメント表示器へ駆動信号を出力する制御を行なうとともに、選択した変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータが、受信した飾り図柄変動パターンコマンドに基づき、第1または第2特別図柄表示器各々に対応して設けられている第1または第2飾り変動表示部における飾り図柄の変動表示に用いる変動パターンや、停止図柄を決定するとともに、該決定した変動パターンおよび停止図柄に従って、第1または第2飾り変動表示部において飾り図柄の変動表示を実行する。これにより、CPU56による制御負担を軽減させることができ、多くのバリエーションの演出を行なうことができる。
【0278】
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0279】
(1) 前述した実施の形態においては、第1チャンスフラグがセットされていないときにS146で決定される変動時間よりも長い変動時間を第1特別図柄表示器8の変動時間として選択することにより、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出を行なう例について説明した。同様に、第2チャンスフラグがセットされていないときに決定(S146参照)される変動時間よりも長い変動時間を第2特別図柄表示器9の変動時間として選択することにより、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、第1チャンスフラグがセットされていないときにS146で決定される変動時間よりも短い変動時間を第2特別図柄表示器9の変動時間として選択することにより、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出を行なうようにしてもよい。また、同様に、第2チャンスフラグがセットされていないときに決定(S146参照)される変動時間よりも短い変動時間を第1特別図柄表示器8の変動時間として選択することにより、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出を行なうようにしてもよい。すなわち、ROM54にはチャンス時間テーブルを参照したときに、その他のテーブルを参照したときよりも短い変動時間がS146において決定されるように複数種類の変動時間を予め記憶する。そして、第1変動時間設定処理または第2変動時間設定処理において、ROM54に記憶されている変動時間のうち、チャンスフラグがセットされていないときに選択する変動時間よりも短い変動時間をその後に確変図柄を導出表示する特別図柄表示器以外の特別図柄表示器の変動時間として選択することにより、チャンス演出を行なうように構成してもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータによる処理負担を増大させることなく、チャンス演出を容易に行なうことができる。
【0280】
具体的には、時短テーブルを参照したときに決定される変動時間が10秒となるように、また、チャンス時間テーブルを参照したときに決定される変動時間が1秒となるように、変動時間テーブルをROM54に記憶させる。そして、図12のS144では第2チャンスフラグがセットされているか否かの判定を行ない、第2チャンスフラグがセットされているときにはS144aでチャンス時間テーブルを参照し、S146で変動時間として1秒が決定されるように構成してもよい。また、同様に、第2変動時間設定処理においても、第1チャンスフラグがセットされているか否かの判定を行ない、第1チャンスフラグがセットされているときにはチャンス時間テーブルを参照し、変動時間として1秒が決定されるように構成してもよい。これにより、たとえば、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出が行なわれるときには、第2特別図柄表示器9において最大で10回変動表示を行なわせることができる。
【0281】
(2) 前述した実施の形態においては、チャンス演出を行なう特別図柄表示器における変動時間を他の特別図柄表示器の変動時間よりも長く設定すること、または、チャンス演出を行なう特別図柄表示器以外の特別図柄表示器における変動時間を、チャンス演出を行なう特別図柄表示器の変動時間よりも短く設定することにより、チャンス演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、チャンス演出を行なう特別図柄表示器の変動時間の減算を、チャンス演出を行なう特別図柄表示器以外の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれるまで、中断するように構成してもよい。このような構成について、図27を用いて説明する。
【0282】
図27は、変形例における第1特別図柄変動処理(S55)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、先ず、第2チャンスフラグがセットされているか否かを判定する(S148)。すなわち、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出が行なわれているか否かを判定する。セットされているときには第1変動カウンタを1加算する(S149)。なお、第1変動カウンタは、RAM55に記憶され、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出が行なわれているときに第1特別図柄表示器8において変動表示が行なわれた回数を特定するためのカウンタである。
【0283】
次に、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S150)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる(S152a)。S152aにおいて第1チャンスフラグがセットされていると判定されたときには、第1特別図柄表示器8において青色で点灯表示させた図柄を変動表示する(S152b)。
【0284】
次に、第1チャンスフラグがセットされているときに第2特別図柄変動処理において加算(S149参照)される第2変動カウンタが30に達したか否かを判定する(S152d)。そして30に達していると判定されたときには、第1特別図柄プロセスタイマを1減算する(S152e)。また、30に達していないと判定されたときにはS153aへ移行される。
【0285】
なお、S152aにおいて第1チャンスフラグがセットされていないと判定されたときには、第1特別図柄表示器8において赤色で点灯表示させた図柄を変動表示し(S152c)、S152eで第1特別図柄プロセスタイマを1減算し、S153aへ移行される。
【0286】
次に、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S153a)。S153aにおいて第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていると判定されたときには、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定し(S153b)、セットされているときには第1チャンスフラグをオフ状態にセットし(S153c)、第2変動カウンタをリセットする処理を行なう(S153d)。なお、S154〜S160の処理については、図14のS154〜S160の処理と同様のため、その説明を省略する。
【0287】
以上のように、第1チャンスフラグがセットされているときには、S152dにおいて第2変動カウンタが30に達するまで、S152eにおいて第1特別図柄プロセスタイマを減算しない。このため、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出が行なわれているときには、第2特別図柄表示器9において少なくとも30回以上変動表示が行なわれなければ、チャンス演出が終了し、第1特別図柄表示器8において表示結果が導出表示されることがないように制御することができる。なお、変形例としての第2特別図柄変動処理においても同様に、第2チャンスフラグがセットされているときには、第1変動カウンタが30に達するまで(S152d参照)、第1特別図柄プロセスタイマを減算しない(S152e参照)ように構成すればよい。また、第1飾り図柄変動中処理および第2飾り図柄変動中処理においても同様に、チャンス演出が行なわれているときには、チャンス演出が行なわれている飾り変動表示部以外の飾り変動表示部において30回変動表示が行なわれるまで、変動時間から減算しないように構成すればよい。
【0288】
このような構成は、次のように表現することもできる。前記第1の変動表示部において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから、前記第2の変動表示部において前記変動制御が行なわれた回数をカウントする回数カウント手段(図27のS149、第2特別図柄変動処理についても同様)をさらに備え、前記調整制御手段は、前記回数カウント手段によりカウントされた回数が所定回数(たとえば、30回等)に達したことを条件として表示結果を導出表示することにより、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なう。
【0289】
また、このような構成は、次のように表現することもできる。前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを予め定められた複数種類の変動時間データの中から選択する変動時間データ選択手段(たとえば、図12、第2変動時間設定処理)と、該変動時間データ選択手段によって選択された変動時間データが示す前記変動時間を計測する変動時間計測手段(たとえば、図27のS152e、第2変動時間設定処理)と、該変動時間計測手段により計測された前記変動時間が経過したか否かを判定する変動時間判定手段(たとえば、図27のS153a、第2変動時間設定処理)と、をさらに備え、前記変動制御手段は、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始し、前記変動時間判定手段により前記変動時間が経過した旨の判定がなされたときに表示結果を導出表示し(図15、第2特別図柄停止処理)、前記変動時間計測手段は、前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されており、かつ、前記第1特別表示結果判定手段により前記特別表示結果とすると判定されているときに、前記第1の変動表示部において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから前記第2の変動表示部において前記変動制御が所定回数(30回)行なわれるまで、前記第1の変動表示部における変動時間の計測を中断し(たとえば、図27のS152dでNO、第2変動時間設定処理)、前記第2の変動表示部において前記変動制御が所定回数行なわれた後に変動時間の計測を再開する(たとえば、図27のS152dでYES、第2変動時間設定処理)中断再開制御を行ない、前記調整制御手段は、前記変動時間計測手段により前記中断再開制御が行なわれた後であって、前記変動時間判定手段により前記変動時間が経過した旨の判定がなされたときに表示結果を導出表示することにより、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なう。
【0290】
以上のような構成にすることにより、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なうときの変動時間を予めROM54に記憶させる必要がない。また、前述した内容と同様の効果を奏することができる。なお、所定回数として、保留記憶数の上限回数を設定するようにしてもよい。
【0291】
(3) 前述した実施の形態においては、図10のS121において、大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値である「7,107,207,307,407,507,607,17,117,217」のいずれかと一致するか否かを判定し、一致するときにS123で第1確変時大当りフラグをセットする。そして、S131において確変図柄による大当りが発生すると判定されたときであって、かつ、第1確変時大当りフラグがセットされているときに、第1チャンスフラグをセットし、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値でもあり、通常時大当り判定値でもある「7,17」のいずれかと一致するときに第1確変時大当りフラグをセットするように構成してもよい。すなわち、大当り判定用乱数R1が、確変状態のときと通常状態のときとで共通の大当り判定値と一致することを条件に、チャンス演出を行なうようにしてもよい。このような構成は、次のように表現することもできる。前記調整制御手段は、さらに、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した数値データが前記通常状態判定値と一致し変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると前記第1特定表示結果判定手段が判定したときに、前記長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なう。このような構成によれば、通常状態判定値と一致したときにのみ長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御が行なわれるため、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御が行なわれた後の遊技状態が特別遊技状態に制御されていない遊技状態であるにもかかわらず、特別状態判定値と一致することにより第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示される不都合を防止することができる。
【0292】
(4) 前述した実施の形態において、第1チャンスフラグと第2チャンスフラグとが同一時点において双方オン状態にセットされているときには、それぞれの特別図柄表示器毎にセットされた変動時間が経過した後に、または、他の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれた後に、特別表示結果を導出表示する例について説明した。しかし、これに限らず、第1チャンスフラグと第2チャンスフラグとが同一時点において双方オン状態にセットされているときは、後にセットされたチャンスフラグを強制的にクリアし、当該チャンスフラグに対応する特別図柄表示器においてチャンス演出を行なわないようにしてもよい。また、第1チャンスフラグまたは第2チャンスフラグがすでにオン状態にセットされているときは、他のチャンスフラグをオン状態にセットされないように制御し、複数の特別図柄表示器において同一時点においてチャンス演出が行なわれないように構成してもよい。これにより、複数の特別図柄表示器において、チャンス演出が行なわれ、いずれの特別図柄表示器においてもなかなか変動表示が行なわれない不都合の発生を防止することができる。
【0293】
(5) 前述した実施の形態において、一方の特別図柄表示器においてチャンス演出が行なわれているときに、他の特別図柄表示器において非確変図柄による大当りが発生したときであっても、チャンス演出が行なわれている特別図柄表示器にセットされた変動時間が経過した後でなければ、または、他の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれた後でなければ、当該特別図柄表示器において確変図柄の大当りを発生さない例について説明した。しかし、これに限らず、一方の特別図柄表示器においてチャンス演出が行なわれているときに、他の特別図柄表示器において非確変図柄による大当りが発生したときは、チャンス演出が行なわれている特別図柄表示器にセットされた変動時間が経過していなくても、または、他の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれていなくても、当該特別図柄表示器において確変図柄の大当りを発生させるように構成してもよい。これにより、連続して大当りが発生するとともに、確変状態が終了した直後に再度確変状態に制御することができため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0294】
(6) 前述した実施の形態では、特別図柄が数字図柄やアルファベットである場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、数字以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切換えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、本実施の形態においては、7セグメント表示器を用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9における変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示することをいい、また、表示結果を導出表示するとは、図柄を点灯させて停止表示することをいう。しかし、これに限らず、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることのできる態様であればよい。
【0295】
(7) 前述した実施の形態では、大当り判定用乱数R1を用いて大当りを発生させる決定が行なわれたときに、確変図柄を停止表示し大当り終了後に確変状態に制御するか否かの確変判定を行ない、確変状態に制御されているときであって非確変図柄による大当りが発生したときに確変状態を強制終了させる例について説明した。しかし、これに限らず、大当り判定用乱数R1を用いて大当りを発生させる決定が行なわれたときに、確変図柄を停止表示し大当り終了後に確変状態に制御するか否かの確変判定を行ない、確変判定により確変状態に制御する判定が行なわれてから所定回数非確変図柄による大当りが発生するまで確変状態を継続させるように構成してもよい。これにより、一旦、確変状態に制御されると、少なくとも所定回数大当りが発生するまで確変状態が継続されるため、遊技者は安心して確変状態における遊技を堪能することができ、興趣を向上させることができる。
【0296】
(8) 前述した実施の形態では、図1に示す弾球遊技機において、遊技領域7の中央部の向かって左側に第1飾り変動表示部8kを、右側に第2飾り変動表示部9kを設け、第1飾り変動表示部8kの上方に第1特別図柄表示器8を、第2飾り変動表示部9kの下方に第2特別図柄表示器9を設けた例について説明した。しかしながら、これに限らず、第1および第2飾り変動表示部、第1および第2特別図柄表示器の配置は、弾球遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。また、第1および第2飾り変動表示部、第1および第2特別図柄表示器は、各々、独立した表示装置として構成される必要はなく、たとえば1つの表示装置が有する表示領域を分割して複数の表示領域が形成されるように構成してもよい。
【0297】
(9) 前述した実施の形態では、基本回路53のCPU56が、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を開始するときに、変動パターンを決定し、さらに、変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータが、変動表示部において飾り図柄の変動表示を開始するときに受信した飾り図柄変動パターンコマンドから変動パターンを決定し、飾り図柄を表示制御する例について説明した。しかし、これに限らず、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに、基本回路53のCPU56が飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。
【0298】
(10) 前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部を備える遊技機について説明したが、これに限らず、たとえば、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、変動表示部の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該変動表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンなどであってもよい。
【0299】
また、弾球遊技機において表示装置を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう弾球遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0300】
また、弾球遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0301】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0302】
(11) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0303】
【図1】弾球遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】第1特別図柄表示器,第1飾り変動表示部,第2特別図柄表示器,および,第2飾り変動表示部各々の変動表示に用いられる図柄の種類を説明するための図である。
【図3】弾球遊技機の回路構成の概要を表したブロック図である。
【図4】遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。
【図5】各種判定値を記憶したデータテーブルを説明するための図である。
【図6】遊技制御メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】第1特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図9】第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図10】第1大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図11】第1特別図柄停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図12】第1変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図13】変動時間テーブルを説明するための図である。
【図14】第1特別図柄変動処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図15】第1特別図柄停止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図16】第1大当り終了処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである
【図18】(a)はゲートスイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は普通図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図19】普通図柄変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図20】普通図柄停止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】表示制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図22】第1表示制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図23】第1飾り図柄変動中処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】第1飾り図柄停止待ち処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】チャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様の一例を示す図である。
【図26】チャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様の一例を示す図である。
【図27】変形例における第1特別図柄変動処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0304】
14 第1始動入賞口、16 第2始動入賞口、8 第1特別図柄表示器、9 第2特別図柄表示器、8k 第1飾り変動表示部、9k 第2飾り変動表示部、56 CPU、62 第1始動口スイッチ、67 第2始動口スイッチ、80 表示制御基板、54 ROM、55 RAM、57 I/Oポート部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一般的に知られている遊技機に、たとえば、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備えるものがあった。
【0003】
また、従来の遊技機としては、複数種類の図柄を変動表示する一つの可変表示部と、遊技球が通過することにより該可変表示部において変動表示を開始する2つの始動入賞領域とが設けられており、可変表示部に当り図柄態様が確定表示されたときに大当りとしての特別遊技作動が実行されるものであって、始動入賞領域を遊技球が通過したことに起因し可変表示部に特定図柄での当り図柄態様が確定表示されたときには再度当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動が実行され、特定図柄以外の通常図柄での当り図柄態様が確定表示されたときには当り図柄態様となる確率が低い通常確率遊技作動が実行されるもの(たとえば、特許文献1参照)があった。
【0004】
また、複数種類の図柄の変動表示を個別に行なうことが可能な特別図柄表示装置を2つ有し、遊技球が通過することにより特別図柄表示装置において変動表示を開始する始動入賞領域が該特別図柄表示装置各々に対応して設けられており、いずれかの特別図柄表示装置に当り図柄が表示されたときに大当り状態に制御され、いずれかの特別図柄表示装置に確率変動図柄が表示されたときには、大当り状態に制御された後、次の当りを引く確率を高くする確率変動状態に突入させるもの(たとえば、特許文献2参照)があった。
【特許文献1】特開2004−121729号公報
【特許文献2】特開2001−62080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の従来の遊技機を組合せることにより、複数種類の図柄の変動表示を個別に行なうことが可能な変動表示部を2つ有し、遊技球が通過することにより変動表示部において変動表示を開始する始動入賞領域が該変動表示部各々に対応して設けられており、始動入賞領域を遊技球が通過したことに起因して当該始動入賞領域に対応する変動表示部に当り図柄が導出表示されると大当り状態に制御され、変動表示部に当り図柄に含まれる確率変動図柄が導出表示されると大当り状態終了後に確率変動状態に制御し、確率変動図柄以外の当り図柄が導出表示されると大当り状態終了後に確率変動状態に制御しないものが構成される。
【0006】
しかしながら、このように構成された遊技機においては、確率変動状態に制御されているときに、一の変動表示部において確率変動図柄が導出表示され大当り状態終了後に再度確率変動状態に制御されたとしても、その直後に、他の変動表示部において確率変動図柄以外の当り図柄が導出表示されると、大当り状態終了後に確率変動状態に制御されないため、わずかな期間しか遊技者が確率変動状態で遊技を行なうことができず、確率変動状態の制御が終了するときに興趣を盛り下げてしまう不都合が生じていた。
【0007】
さらに、このような複数の変動表示部を有する遊技機においては、始動入賞領域に遊技球が通過したタイミングに関係なく、対応する変動表示部において順次変動表示が行なわれる。このため、他の変動表示部において確率変動図柄以外の当り図柄が導出表示される契機となった始動入賞領域への遊技球の通過タイミングが、一の変動表示部において確率変動図柄が導出表示される契機となった始動入賞領域への遊技球の通過タイミングよりも先であったとしても、上述した興趣を盛り下げてしまう不都合が発生し、遊技者にとって極めて不利益となる虞があった。なお、一つの変動表示部を有する遊技機である場合は、始動入賞領域に遊技球が通過した順に変動表示部において順次変動表示が行なわれるため、このような不利益を生ずることはない。
【0008】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、確率変動状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止するとともに、複数の変動表示部を用いたことによる特有の不利益の発生を防止する遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0009】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9)と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(第1特別図柄表示器8の大当り図柄である「1,3,5,7,9」、第2特別図柄表示器9の大当り図柄である「C,E,F,H,J」)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する特定遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図10のS123、S124等参照)と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果(たとえば「5,7」、第1特図特別表示結果(確変図柄)ともいう、「C,E」、第2特図特別表示結果(確変図柄)ともいう)となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態(確率変動状態、時短状態)に制御する特別遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133、図16のS172等参照)と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果(たとえば「1,3,9」、第1特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう、「F,H,J」、第2特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう)となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133で第1確変開始フラグをセットすることなくS136で確変フラグをクリアする処理、第2特別図柄停止図柄設定処理についても同様)と、を備える遊技機(たとえば、弾球遊技機1、パチンコ遊技機、画像式の遊技機、コイン遊技機、スロット機)であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131)とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10と同様の第2大当り判定処理)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131と同様、第2特別図柄停止図柄設定処理)とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御(変動表示)を行なう変動制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図14の第1特別図柄変動処理、第2特別図柄変動処理についても同様)と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段(ROM54、図13)と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段(たとえば、図12、第2変動時間設定処理)と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることが判定されたとき(図11のS131でNOのとき)、前記変動時間データとして非特別時変動時間データ(8003H〜8006H)を選択する機能(図12のS145a、S145b)を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定されたとき(図11のS131でYESのとき)、前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも長い変動時間(たとえば、600秒)を示す長変動時間データ(8001H)を前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能(図12のS144で第1チャンスフラグがセットされているときにはS144aによりチャンス時間テーブルが参照されS146において8001Hのコマンドがセットされる、第2変動時間設定処理についても同様)を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることを判定されたとき前記第1の変動表示部において、前記変動時間データ選択手段により選択された前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なう(第1特別図柄表示器8の変動表示の表示結果として確変図柄による大当りが発生するときは第1特別図柄プロセスタイマとして600秒をセットする、また、第2特別図柄表示器9の変動表示の表示結果として確変図柄による大当りが発生するときは第2特別図柄プロセスタイマとして600秒をセットする、チャンス演出)。
【0010】
このような構成によれば、変動時間を特定するための変動時間データが予め記憶されており、該記憶されている変動時間データのうち、第1の変動表示部において特別表示結果とすると判定されているときは、第1の変動表示部において特別表示結果とすると判定されていないときに選択する変動時間データから特定される変動時間よりも長い変動時間を示す長変動時間データを第1の変動表示部の変動時間データとして選択する機能を有する。このため、このような機能を有しない遊技機と比較し、特別遊技状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止することができるとともに、複数の変動表示部を有することによる特有の不利益の発生を防止することができる。また、長変動時間データに基づく変動制御が行なわれているときに、第2の変動表示部において非特別表示結果が導出表示され特別遊技状態の制御が終了した後に、第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示され再度特別遊技状態に制御されることが保証されているため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、予め複数種類の変動時間を特定するための変動時間データが記憶されているため、処理負担を増大させることなく、特別表示結果とすると判定されたときに長変動時間データに基づく変動制御を容易に行なうことができる。
【0011】
(2) 前記変動時間データ選択手段が前記長変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示(特別図柄表示器において青色で点灯表示させた図柄を変動表示、図25、図26)を行なう特定演出表示手段(図14のS152b、第2特別図柄変動処理においても同様、図23のSub20、第2飾り図柄変動中処理においても同様)をさらに備える。
【0012】
このような構成によれば、長変動時間データに基づく変動制御が行なわれていることを、遊技者に対し容易に認識させることができる。
【0013】
(3) 前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データ(大当り判定用乱数)を所定の数値範囲内(0〜658)で更新する判定用数値データ更新手段(図6のS24)と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段(図8のS102、第2始動口スイッチ通過処理についても同様)と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値(大当り判定値「7,17」)と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値(大当り判定値「7,17,107,207,307,407,507,607,117,217」)とを記憶する判定値記憶手段(ROM54、図5(a)大当り判定用テーブル)と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS122、S124、第2大当り判定処理についても同様)、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS121、S123、第2大当り判定処理についても同様)、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致したと判定したとき、前記長変動時間データを前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能(図10の第1大当り判定処理において、確変時大当り判定値でもあり、通常時大当り判定値でもある「7,17」のいずれかと一致するときに第1確変時大当りフラグをセットする、第2大当り判定処理についても同様)をさらに有する。
【0014】
このような構成によれば、共通判定値と一致したときにのみ第1の変動表示部において長変動時間データに基づく変動制御が行なわれるため、第1の変動表示部において長変動時間データに基づく変動制御が行なわれた後の遊技状態が特別遊技状態に制御されていない遊技状態であるにもかかわらず、特別状態判定値と一致することにより第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示される不都合を防止することができる。
【0015】
(4) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9)と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(第1特別図柄表示器8の大当り図柄である「1,3,5,7,9」、第2特別図柄表示器9の大当り図柄である「C,E,F,H,J」)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する特定遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図10のS123、S124等参照)と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果(たとえば「5,7」、第1特図特別表示結果(確変図柄)ともいう、「C,E」、第2特図特別表示結果(確変図柄)ともいう)となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態(確率変動状態、時短状態)に制御する特別遊技状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133、図16のS172等参照)と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果(たとえば「1,3,9」、第1特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう、「F,H,J」、第2特図非特別表示結果(非確変図柄)ともいう)となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図11のS133で第1確変開始フラグをセットすることなくS136で確変フラグをクリアする処理、第2特別図柄停止図柄設定処理についても同様)と、を備える遊技機(たとえば、弾球遊技機1、パチンコ遊技機、画像式の遊技機、コイン遊技機、スロット機)であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131)とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図10と同様の第2大当り判定処理)と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図11のS131と同様、第2特別図柄停止図柄設定処理)とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御(変動表示)を行なう変動制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図7、第2特別図柄プロセス処理、図14の第1特別図柄変動処理、第2特別図柄変動処理についても同様)と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段(ROM54、図13)と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段(たとえば、図12、第2変動時間設定処理)と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることを判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして非特別時変動時間データ(8001H)を選択する機能(図12のS144a)を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも短い変動時間を示す短変動時間データ(8003H〜8006H)を選択する機能(図12のS144で第1チャンスフラグがセットされていないときには、S145aにより通常時間テーブルか、S145bにより時短テーブルか、が参照されS146において8003H〜8006Hのうちいずれかのコマンドがセットされる、第2変動時間設定処理についても同様)を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記第1の変動表示部における表示結果を前記特別表示結果とすることが判定され、前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記第2の変動表示部において前記変動時間データ選択手段により選択された前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なう(第1特別図柄表示器8の変動表示の表示結果として確変図柄による大当りが発生するときは第1特別図柄プロセスタイマとして600秒がセットされ変動表示が行なわれ、第2特別図柄表示器9の変動表示の変動時間として600秒より短い変動時間が第2特別図柄プロセスタイマとしてセットされる)。
【0016】
このような構成によれば、変動時間を特定するための変動時間データが予め記憶されており、該記憶されている変動時間データのうち、第1の変動表示部において特別表示結果とする変動表示が行なわれているときは、選択された第1の変動表示部における変動時間データから特定される変動時間よりも短い変動時間を示す短変動時間データを第2の変動表示部の変動時間データとして選択する機能を有する。このため、このような機能を有しない遊技機と比較し、特別遊技状態の制御が終了するときの興趣の盛り下がりを極力抑止することができるとともに、複数の変動表示部を有することによる特有の不利益の発生を防止することができる。また、第2の変動表示部において短変動時間データに基づく変動制御が行なわれ、第2の変動表示部において非特別表示結果が導出表示され特別遊技状態の制御が終了した後に、第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示され再度特別遊技状態に制御されることが保証されているため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、予め複数種類の変動時間を特定するための変動時間データが記憶されているため、処理負担を増大させることなく、特別表示結果とすると判定されたときに短変動時間データに基づく変動制御を容易に行なうことができる。
【0017】
(5) 前記変動時間データ選択手段が前記短変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示(他方の特別図柄表示器において青色で点灯表示させた図柄を変動表示、図25、図26)を行なう特定演出表示手段(図14のS152b、第2特別図柄変動処理においても同様、図23のSub20、第2飾り図柄変動中処理においても同様)をさらに備える。
【0018】
このような構成によれば、短変動時間データに基づく変動制御が行なわれていることを、遊技者に対し容易に認識させることができる。
【0019】
(6) 前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データ(大当り判定用乱数)を所定の数値範囲内(0〜658)で更新する判定用数値データ更新手段(図6のS24)と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段(図8のS102、第2始動口スイッチ通過処理についても同様)と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値(大当り判定値「7,17」)と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値(大当り判定値「7,17,107,207,307,407,507,607,117,217」)とを記憶する判定値記憶手段(ROM54、図5(a)大当り判定用テーブル)と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS122、S124、第2大当り判定処理についても同様)、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し(図10のS121、S123、第2大当り判定処理についても同様)、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致すると判定し、前記変動制御手段により前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記短変動時間データを前記第2の変動表示部における変動時間として選択する機能(図10の第1大当り判定処理において、S120でYESのときであって、かつ、確変時大当り判定値でもあり、通常時大当り判定値でもある「7,17」のいずれかと一致するときに第1確変時大当りフラグをセットする、第2大当り判定処理についても同様)をさらに有する。
【0020】
このような構成によれば、共通判定値と一致したときにのみ第2の変動表示部において短変動時間データに基づく変動制御が行なわれるため、第1の変動表示部において変動制御が行なわれた後の遊技状態が特別遊技状態に制御されていない遊技状態であるにもかかわらず、特別状態判定値と一致することにより第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示される不都合を防止することができる。
【0021】
(7) 前記複数の変動表示部各々に対応して一つずつ設けられ、遊技領域に打ち出された遊技媒体の進入を検出する遊技媒体検出手段(第1始動口スイッチ62、第2始動口スイッチ67)と、
前記複数の変動表示部のうち少なくとも一の変動表示部(たとえば、第2特別図柄表示器9)に対応して設けられ、当該一の変動表示部に対応して設けられた遊技媒体検出手段へ遊技媒体が進入しやすい第1の状態(開状態)と遊技媒体が進入し難い第2の状態(閉状態)とに変化可能な可変入賞装置(可変入賞装置17)と、
該可変入賞装置に対応して設けられ、各々が識別可能な複数種類の普通識別情報(たとえば、「○」および「×」)の変動表示を行なうことが可能な普通変動表示部(普通図柄表示器12)と、
前記普通変動表示部において前記複数種類の普通識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する普通変動制御を行なう普通変動制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ、図17)と、
前記普通変動制御手段により前記普通変動表示部において導出表示された変動表示の表示結果が予め定められた普通特定表示結果(たとえば、「○」)となったとき(図18(b)のS339で当りフラグがセットされたとき)に、当該普通変動表示部に対応する可変入賞装置を前記第2の状態から前記第1の状態に変化させる変化制御を行なう可変入賞装置制御手段(図17のS327)と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときに、前記普通変動制御手段により前記複数種類の普通識別情報の変動表示が実行されてから表示結果が導出表示されるまでの普通変動時間を前記通常状態に制御されているときよりも短縮して前記普通変動制御を行なう機能(図19のS351)と、前記可変入賞装置制御手段により前記可変入賞装置が前記第1の状態に変化される時間を前記通常状態に制御されているときよりも延長して前記変化制御を行なう機能(図19のS363)と、の少なくとも一つの機能を有する。
【0022】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されているときに、可変入賞装置が、第1の状態に変化する機会を増加させるか、または、第1の状態に変化している時間を延長することができる。これにより、可変入賞装置が設けられている変動表示部が第1の変動表示部であるか否かにより、有利度合いを変化させることができ遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、可変入賞装置が第2の変動表示部に対応して設けられている場合は、可変入賞装置が第1の変動表示部に対応して設けられている場合に比べて、第2の変動表示部において変動表示が行なわれやすくなり、特定遊技状態および特別遊技状態に制御される割合を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
【0024】
まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。
【0025】
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
【0026】
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0027】
遊技領域7中には、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1特別図柄表示器8と、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2特別図柄表示器9と、が間隔を隔てて配置されている。
【0028】
第1特別図柄表示器8の下には、その第1特別図柄表示器8に対応する識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1飾り変動表示部8kが設けられ、第2特別図柄表示器9の下にはその第2特別図柄表示器9に対応する識別情報(たとえば、「A〜J」の全10種類のアルファベット図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2飾り変動表示部9kが設けられている。
【0029】
本実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9はそれぞれ7セグメントLED表示器により構成されている。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、それぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(たとえば、第1飾り変動表示部8kにおいては第1飾り図柄8a〜8c、第2飾り変動表示部9kにおいては第2飾り図柄9a〜9c)に識別情報が表示制御されるものである。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
【0030】
第1特別図柄表示器8の表示結果が大当りの発生する第1特図特定表示結果(たとえば、奇数図柄)の場合には、第1飾り変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する第1飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる図柄組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御され、第2特別図柄表示器9の表示結果が大当りの発生する第2特図特定表示結果(たとえば、「C,E,F,H,J」の図柄)となる場合には、第2飾り変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する第2飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる図柄組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
【0031】
なお、第1特別図柄表示器8で変動表示される識別情報は第1特別図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器9で変動表示される識別情報は第2特別図柄と呼ばれる。
【0032】
また、第1飾り変動表示部8kで変動表示される識別情報は第1飾り図柄と呼ばれ、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第1特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
【0033】
また、第2飾り変動表示部9kで変動表示される識別情報は第2飾り図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第2特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
【0034】
所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。
【0035】
なお、本実施形態における弾球遊技機1では、定期的に実行されるタイマ割込み処理において次のような処理が行なわれることにより、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の変動表示の表示結果が決定される。
【0036】
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示結果を決定するために実行することが必要な処理としては、共通の処理である特定更新処理、第1特別図柄表示器8専用の処理である第1抽出条件判定処理と第1抽出処理と第1表示結果決定処理、第2特別図柄表示器9専用の処理である第2抽出条件判定処理と第2抽出処理と第2表示結果決定処理、を含む処理が実行される。
【0037】
そして、弾球遊技機1は、第1表示結果決定処理により第1特別図柄表示器8の表示結果を第1特図特定表示結果とし特定遊技状態(大当り)とすることが決定されたときに、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果を、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特定表示結果をそれぞれ表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当りに制御する機能を有する。
【0038】
また、第2表示結果決定処理により第2特別図柄表示器9の表示結果を第2特定表示結果とし特定遊技状態(大当り)とすることが決定されたとき、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果を、第2飾り変動表示部9kに第2飾り特定表示結果をそれぞれ表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当りに制御する機能を有する。
【0039】
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が、第2飾り変動表示部9kに第2飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等)の特定遊技状態としているが、一方の特定遊技状態を他方の特定遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
【0040】
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっているが、これに限らず複数系統の表示部を備え、複数(2〜∞のうちの任意の自然数)の表示部にて識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
【0041】
次に、第1特別図柄表示器8における変動表示に用いられる第1特別図柄の種類と、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示に用いられる第1飾り図柄の種類と、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられる第2特別図柄の種類と、第2飾り変動表示部9kにおける変動表示に用いられる第2飾り図柄の種類と、について図2を参照し説明する。図2は、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,および,第2飾り変動表示部9k各々の変動表示に用いられる図柄の種類を説明するための図である。
【0042】
第1特別図柄表示器8は、0〜9の10種類の数字からなる第1特別図柄を表示する。第1飾り変動表示部8kは、0〜9の10種類の数字からなる第1飾り図柄を表示する。
【0043】
第1特別図柄表示器8により奇数(1,3,5,7,9)の第1特別図柄が表示結果として導出表示されたときには第1特図特定表示結果となり、大当りが発生する。第1特別図柄表示器8により奇数が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにゾロ目となる第1飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
【0044】
第1特別図柄表示器8により「7」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄の表示結果となり、大当りが発生するばかりでなくその大当りが終了した後大当りの発生確率が通常遊技状態時に比べて向上した確変状態となる。なお、通常遊技状態とは、特別遊技状態(確変状態)および大当りとは異なる遊技状態のことである。
【0045】
第1特別図柄表示器8により「5」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄および時短図柄の表示結果となり、後述するように、大当りが発生しするばかりでなくその大当りが終了した後大当りの発生確率が向上した確変状態となり、さらにその確変状態が終了した後時短回数の残り回数だけ時短制御が行なわれる。時短制御とは、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9と後述する普通図柄表示器12との変動表示時間を通常よりも短縮して早期に表示結果を導出表示する制御である。この時短制御により、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示できるという遊技者にとって有利な遊技状態となる。
【0046】
なお、第1特別図柄表示器8により確変図柄としての「5」または「7」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに奇数図柄のいずれかのゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0047】
第1特別図柄表示器8により「3」が表示結果として導出表示されたときには、大当りが発生するばかりでなく前述の時短制御が行なわれる。第1特別図柄表示器8により「3」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「0」のゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0048】
第1特別図柄表示器8により「1」または「9」が表示結果として導出表示されたときには、大当りのみが発生し、確変状態や時短制御は生じない。第1特別図柄表示器8により「1」または「9」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに偶数のゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0049】
第1特別図柄表示器8により「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されたときには、はずれとなり、大当り状態、確変状態、時短制御は生じない。第1特別図柄表示器8により「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにばらけ目(ゾロ目以外の組合せ)が表示結果として導出表示される。
【0050】
第1特図特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する第1特図特定表示結果(ここでは、「5,7」)を「第1特図特別表示結果(確変図柄)」といい、確変状態が発生しない第1特図特定表示結果(ここでは、「1,3,9」)を「第1特図非特別表示結果(非確変図柄)」という。
【0051】
第2特別図柄表示器9は、「C,E,F,H,J,L,O,P,S,U」の10種類のアルファベットからなる第2特別図柄を表示する。第2飾り変動表示部9kは、A〜Jの10種類のアルファベットからなる第2飾り図柄を表示する。
【0052】
第2特別図柄表示器9により「C,E,F,H,J」が表示結果として導出表示されたときには第2特定表示結果となり、大当りが発生する。第2特別図柄表示器9により「C,E,F,H,J」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにゾロ目となる第2飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
【0053】
第2特別図柄表示器9により「C」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄の表示結果となり、大当りが発生するばかりでなくその大当りが終了した後に確変状態となる。
【0054】
第2特別図柄表示器9により「E」が表示結果として導出表示されたときには確変図柄および時短図柄の表示結果となり、後述するように、大当りが発生するばかりでなくその大当りが終了した後に確変状態となり、さらにその確変状態が終了した後時短回数の残り回数だけ時短制御が行なわれる。
【0055】
なお、第2特別図柄表示器9により「C」または「E」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「A〜E」図柄のいずれかのゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0056】
第2特別図柄表示器9により「F」が表示結果として導出表示されたときには、大当りが発生するばかりでなく前述の時短制御が行なわれる。第2特別図柄表示器9により「F」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「F」のゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0057】
第2特別図柄表示器9により「H」または「J」が表示結果として導出表示されたときには、大当りのみが発生し、確変状態や時短制御は生じない。第2特別図柄表示器9により「H」または「J」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「G」〜「J」のいずれかによるゾロ目が表示結果として導出表示される。
【0058】
第2特別図柄表示器9により「L,O,P,S,U」図柄のいずれかが表示結果として導出表示されたときには、はずれとなり、大当り状態、確変状態、時短制御は生じない。第2特別図柄表示器9により「L,O,P,S,U」図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにばらけ目が表示結果として導出表示される。
【0059】
第2特図特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する第2特定表示結果(ここでは、「C,E」)を「第2特図特別表示結果(確変図柄)」といい、確変状態が発生しない第2特図特定表示結果(ここでは、「F,H,J」)を「第2特図非特別表示結果(非確変図柄)」という。
【0060】
なお、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとで表示する図柄の種類が各々異なる例について説明するが、これに限らず、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとで表示する図柄の種類が同じであってもよい。
【0061】
第1,第2の2系統の第1特別図柄表示器8、または、第2特別図柄表示器9のいずれか一方において特別表示結果が導出表示されて確変状態になれば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9との両方で特定表示結果となる確率が向上するように制御される。また、確変状態が発生すれば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9と普通図柄表示器12との変動表示時間が短縮される時短制御も実行される。第1,第2の2系統の第1特別図柄表示器8、または、第2特別図柄表示器9のいずれか一方において時短制御が実行される表示結果が導出表示されれば、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、および、普通図柄表示器12との変動表示時間が短縮される時短制御が、所定回数(たとえば100回)の範囲内で実行される。
【0062】
第1の始動条件が成立(打球が第1始動入賞口14へ入賞)したときには、第1抽出手段により、数値データ更新手段によって更新された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等の乱数、以下、乱数値という)を抽出する処理が行なわれる。また、第2の始動条件が成立(打球が第2始動入賞口16へ入賞)したときには、第2抽出手段により、数値データ更新手段によって更新された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等の乱数値、以下、乱数値という)を抽出する処理が行なわれる。
【0063】
第1抽出手段によって抽出された乱数値は、抽出順に上限個数である4個を越えない範囲で、第1記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図3参照))に記憶する処理が行なわれる。第1特別図柄表示器8の下部には、この保留記憶手段としての第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数を遊技者に報知するための第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。このように記憶される数値データは、第1始動入賞記憶データとも呼ばれる。
【0064】
この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数と同数のLEDを点灯表示することにより、その個数を遊技者に報知することができる。この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎に表示色を変化させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
【0065】
第2抽出手段によって抽出された乱数値は、抽出順に上限個数である4個を越えない範囲で、第2記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図3参照))に記憶する処理が行なわれる。第2特別図柄表示器9の下部には、この保留記憶手段としての第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数を遊技者に報知するための第2特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。このように記憶される数値データは、第2始動入賞記憶データとも呼ばれる。
【0066】
この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、第2保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数と同数のLEDを点灯表示することにより、その個数を遊技者に報知することができる。この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第2始動入賞口16に入賞)がある毎に表示色を変化させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
【0067】
なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ各々に記憶可能となる乱数値の上限個数は上記のものに限らず、たとえば、上限個数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限個数を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
【0068】
第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。
【0069】
また、第2特別図柄表示器9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する可変入賞装置17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、第2始動入賞口16を有する開閉動作を行なう可変入賞装置17には、左右一対の可動片が設けられている。可変入賞装置17の可動片は、ソレノイド74によって開状態とされる。ソレノイド74により可変入賞装置17の可動片が開状態となることにより、遊技球が第2始動入賞口16に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
【0070】
第1始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、第1特別可変入賞装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
【0071】
第1特別可変入賞装置20の第1大入賞口21には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域が備えられている。第1大入賞口20から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
【0072】
可変入賞装置17の下方には、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド75によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備えている。ソレノイド75は、第2特別可変入賞装置22の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
【0073】
第2特別可変入賞装置22の第2大入賞口23には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域が備えられている。第2大入賞口23から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ69で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ68で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
【0074】
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と第2特別図柄表示器9に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22とを備えているが、特別可変入賞装置を1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、を同一の特別可変入賞装置を用いて構成してもよい。
【0075】
また、この実施の形態では、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる可変入賞装置17を備える構成として説明するが、これに限らず、たとえば、変動表示部の数だけ可変入賞装置を設けるように構成してもよい。すなわち、この実施の形態では、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる可変入賞装置17を備えているが、さらに、第1特別図柄表示器8の始動条件成立に関わる可変入賞装置15をさらに備えてもよい。また、この実施の形態では、可変入賞装置を1つだけ備える構成において、可変入賞装置が1つの変動表示部(第2特別図柄表示器9)の始動条件の成立に関わる例を示した。しかし、これに限らず、可変入賞装置を1つだけ備える構成において、可変入賞装置が2つの変動表示部(第1特別図柄表示器8,第2特別図柄表示器9)の始動条件の成立に関わるようにしてもよい。その場合には、可変入賞装置の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9のいずれか)にて変動表示を実行するかを選択する構成としてもよく、また、2つの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8,第2特別図柄表示器9)について予め定められた所定の順序(たとえば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とを交互に変動表示)で変動表示を実行するように構成してもよい。
【0076】
第2飾り変動表示部9kの下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
【0077】
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると、または第2ゲート29を遊技球が通過して第2ゲートスイッチ66で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、普通図柄表示器12の右側には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器18は、第1,第2ゲート28,29を遊技球が通過し、第1,第2ゲートスイッチ61,66で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
【0078】
この実施の形態では、普通図柄表示器12にて、「○」と「×」の付された上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は通常では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1,第2ゲート28,29を遊技球が通過し、第1,第2ゲートスイッチ61,66で遊技球が検出されたときに抽出された乱数値(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置17が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第2始動入賞口16に入賞しやすい状態(第1の状態ともいう)になる。すなわち、可変入賞装置17の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態(第2の状態ともいう)から有利な状態に変化する。
【0079】
なお、上記の特別遊技状態として特図時短状態に制御することにより、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態とするようにしてもよい。特図時短状態では、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、第1特別図柄表示器8,第1飾り変動表示部8k,第2特別図柄表示器9,第2飾り変動表示部9kおよび普通図柄表示器12の変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。さらに、可変入賞装置17において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置17の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、第2始動入賞口16への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8,第2飾り変動表示部9kにおける変動表示回数が増加して当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0080】
なお、上述した確変状態は、時短状態よりもさらに遊技者にとって有利な状態となるため、一方(または複数のうちのいずれか1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を確変状態とし、他方(または残りの複数のうちの1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を時短状態とすることにより特別遊技状態に格差をつけるように構成してもよい。また、この場合には、特別遊技状態として時短状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって不利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率を特別遊技状態として確変状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって有利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することにより、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
【0081】
また、特別遊技状態は上記のものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないもの(特定遊技状態中以外)と大当りに直接的に係わるもの(特定遊技状態中)とに分けて説明する。すなわち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。
【0082】
先ず、特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9および普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(たとえば、可変入賞装置17)の開放期間の延長制御、特別図柄および普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(たとえば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(たとえば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、または所定領域への通過率向上制御(たとえば、第1始動入賞口14の上流側に打球規制装置を設け、該打球規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。
【0083】
一方、特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、特別可変入賞装置20,22の開放延長制御、または特別可変入賞装置20,22によって開放された大入賞口21,23への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記の遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできる。さらには、特別遊技状態への突入条件および特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、特別遊技状態を発生させるための判定用乱数、特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(確変判定用乱数)、遊技履歴(たとえば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、およびサブゲーム(たとえば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つまたは任意の組合せを、特別遊技状態への突入条件または特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
【0084】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
【0085】
次に、リーチ状態(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ状態(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
【0086】
本実施形態では、たとえば、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9におけるリーチ状態とは、特定表示結果(第1特別図柄表示器8の大当り図柄である「1,3,5,7,9」、第2特別図柄表示器9の大当り図柄である「C,E,F,H,J」)が点滅表示している状態をリーチ状態またはリーチという。
【0087】
また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおけるリーチ状態とは、予め定められた図柄が停止することで当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ状態またはリーチという。
【0088】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0089】
さらに、本実施の形態においては、確変状態に制御されているときに、通常状態であるときの変動表示に費やす変動表示時間と比較し、長い変動表示時間が経過するまで変動表示が行なわれることがある。この場合には、通常と異なる演出が第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1飾り変動表示部8k、および、第2飾り変動表示部9kやランプ、音等で行なわれることがある。この演出をチャンス演出という。なお、チャンス演出については、後で詳述する。
【0090】
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
【0091】
打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始する。第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される乱数値(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第1特別図柄保留記憶表示器10におけるLEDの点灯数を増加させる。
【0092】
また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始する。第2特別図柄表示器9の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される乱数値(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第2特別図柄保留記憶表示器11におけるLEDの点灯数を増加させる。
【0093】
第1特別図柄表示器8の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄表示器8が大当り図柄となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に打球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
【0094】
第1特別図柄表示器8の変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に大当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0095】
第2特別図柄表示器9の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄表示器9が大当り図柄となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に打球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
【0096】
第2特別図柄表示器9の変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0097】
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図3は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。
【0098】
主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
【0099】
また、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、可変入賞装置17を開閉するソレノイド74、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、第2大入賞口23内に設けられたシーソーを可動するソレノイド76、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
【0100】
基本回路53は、LED駆動回路71に対して第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、および、第2特別図柄保留記憶表示器11を駆動させるための駆動信号を出力する。LED駆動回路71には、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、普通図柄表示器12、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、普通図柄保留記憶表示器18が接続されている。
【0101】
主基板31は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9各々において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
【0102】
主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々において、対応する保留記憶バッファに記憶されている乱数値の記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、後述するプログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々に出力し制御を行なう。また、主基板31は、普通図柄表示器12の表示制御を行なう。
【0103】
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行なう球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
【0104】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用マイクロコンピュータ(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2コマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
【0105】
表示制御用マイクロコンピュータは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP(図示しない)により変動表示部の表示制御を行なう。表示制御用マイクロコンピュータは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
【0106】
そして、表示制御用マイクロコンピュータはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用マイクロコンピュータからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1VDP(図示しない)と、第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2VDP(図示しない)と、の2つのVDPが表示制御基板80に搭載されている。なお、変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ搭載される。すなわち、変動表示部の数に対応した数のVDPが表示制御基板80に搭載される。また、第1VDPおよび第2VDPは、それぞれ、表示制御用マイクロコンピュータとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに第1VRAM(図示しない)および第2VRAM(図示しない)をマッピングしている。なお、1つのVDPで複数の変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
【0107】
第1VDPまたは第2VDPはキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に表示するための画像データを生成し、第1VDPは第1VRAMに、第2VDPは第2VRAMに展開する。第1RAMは第1VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであり、第2VRAMは第2VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に出力する。
【0108】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうとともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータである。
【0109】
次に、この実施の形態の弾球遊技機1での制御に用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図4は、遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図4には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R6の6種類のランダムカウンタが示されている。
【0110】
R1は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)のそれぞれの変動表示について大当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「658」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。第1始動口スイッチ62または第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて第1始動入賞記憶のデータまたは第2始動入賞記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致(合致)するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、大当り図柄を変動表示の表示結果として導出表示し大当りを発生させることが決定されて、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、はずれ図柄を変動表示の表示結果として導出表示することが決定されて、遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば2つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が向上する。
【0111】
図4の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を省略する。
【0112】
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、どの種類の大当り図柄を第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
【0113】
なお、本実施の形態においては、R2を用いて決定された大当り図柄が、図2を用いて説明した確変図柄(第1特別図柄表示器8においては「5,7」、第2特別図柄表示器9においては「C,E」)であるときに、当該大当り終了後に確変状態に制御される。また、第1特別図柄表示器8の図柄として「5,7」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいて奇数図柄のゾロ目が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「C,E」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいて「A〜E」のいずれかの図柄のゾロ目が導出表示されるように制御される。
【0114】
また、R2を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄として「1,3,9」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいて偶数図柄のゾロ目が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「F,H,J」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいて「G〜J」のいずれかの図柄のゾロ目が導出表示されるように制御される。
【0115】
R3は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、はずれとなる停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのはずれ図柄決定用のランダムカウンタである。R3のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
【0116】
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータのCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
【0117】
なお、本実施の形態におけるはずれ図柄は、R1を用いて大当りに制御されないことが決定されているときには、はずれ図柄(第1特別図柄表示器8においては「0,2,4,6,8」、第2特別図柄表示器9においては「L,O,P,S,U」)から、このランダムカウンタR3の抽出値に従って決定される。
【0118】
たとえば、第1特別図柄表示器8におけるはずれ図柄としては、ランダムカウンタR3の抽出値が「0」のとき「0」が、ランダムカウンタR3の抽出値が「1」のとき「2」が、ランダムカウンタR3の抽出値が「2」のとき「4」が…、ランダムカウンタR3の抽出値が「13」のとき「6」が、決定される。第2特別図柄表示器9におけるはずれ図柄についても、第1特別図柄表示器8におけるはずれ図柄と同様である。
【0119】
なお、本実施の形態においては、R3を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄として「0,2,4,6,8」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいてゾロ目とならないはずれ図柄が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「L,O,P,S,U」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいてゾロ目とならないはずれ図柄が導出表示されるように制御される。
【0120】
R4は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)の変動表示時間をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生するためのランダムカウンタである。R4のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動時間決定用のランダムカウンタR4から抽出されたカウンタの値により、変動時間が決定される。
【0121】
R5は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)のそれぞれについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。R5のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算されることとなる。第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k各々に停止させる図柄を決定する前の段階で、R5から抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
【0122】
R6は、普通図柄表示器12の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R6のカウント値は、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算されることとなる。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
【0123】
以上に示したような大当り判定機能、はずれ停止図柄決定機能、大当り図柄決定機能、リーチ判定機能、変動時間選択機能、普通図柄当り判定機能等の機能、および、確変判定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0124】
図5は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される各種処理に用いられる各種判定値を記憶したデータテーブルを説明するための図である。本実施の形態におけるデータテーブルは、前述した主基板31に搭載されるROM54に予め記憶されている。
【0125】
図5(a)は、大当りを発生させるか否かの判定に用いられる大当り判定値を記憶した大当り判定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における大当り判定用テーブルは、遊技状態が通常遊技状態であるか確変状態であるかに応じて、大当り判定値の数が異なるように記憶されている。大当り判定は、第1始動入賞口14または第2始動入賞口16へ入賞したときにR1から抽出された乱数値が、通常遊技状態であるときに通常時の大当り判定値と一致するか否か、また、確変状態であるときに確変時の大当り判定値と一致するか否かにより行なわれる。
【0126】
具体的に、遊技状態が通常遊技状態であるときには、R1から抽出した乱数の値が通常時の大当り判定値である「7,17」のいずれかと一致するときに、大当りとする判定が行なわれる。
【0127】
一方、遊技状態が確変状態であるときには、R1から抽出した乱数の値が確変時の大当り判定値である「7,107,207,307,407,507,607,17,117,217」のいずれかと一致するときに、大当りとする判定が行なわれる。
【0128】
なお、本実施の形態における大当り判定用テーブルは、確変時における大当り判定値の数の方が、通常時の大当り判定値の数よりも多くなるように、予め記憶されている。たとえば、確変時の大当り判定値は「10個」、通常時の大当り判定値は「2個」、予め記憶されている。これにより、確変状態であるときに大当りとする判定が行なわれる確率を、通常遊技状態であるときに大当りとする判定が行なわれる確率よりも高くすることができる。
【0129】
また、本実施の形態における大当り判定用テーブルは、通常遊技状態であるときでも確変状態であるときでも、R1から抽出した乱数の値が「7,17」のいずれかと一致するときには、大当りとする判定が行なわれるように、大当り判定値が予め記憶されている。
【0130】
図5(b)は、変動表示中にリーチ状態を発生させるか否かに用いられるリーチ判定値を記憶したリーチ判定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態におけるリーチ判定は、第1始動入賞口14または第2始動入賞口16へ入賞したときにR5から抽出された乱数値が、リーチ判定値と一致するか否かにより行なわれる。具体的に、R5から抽出した乱数の値が、リーチ判定値である「0〜3」のいずれかと一致するときに、リーチを発生させる判定が行なわれる。
【0131】
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図6においては、(a)に遊技制御用メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
【0132】
(a)に示す遊技制御用メイン処理においては、まずS11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S12においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S12における乱数更新処理は前述のR3〜R6の値を更新するための処理である。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS12の処理が繰返し行なわれることとなる。
【0133】
次に、(b)のタイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S21)を行なった後、S22〜S36の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S22)。
【0134】
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S23)。第1特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。さらに、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8における図柄の変動表示を制御するための駆動信号を、RAM55の所定の領域に設定して各々出力する処理が行なわれる。
【0135】
また、本実施の形態においては、さらに、第1特別図柄プロセス処理による第1特別図柄表示器8の制御に応じて、第1飾り変動表示部8kを制御させるための第1飾り図柄コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処理が行なわれる。
【0136】
たとえば、第1特別図柄表示器8において確変図柄(5,7等)を停止表示するときには、第1飾り変動表示部8kにおいても確変図柄(奇数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り確変図柄コマンドが設定される。また、第1特別図柄表示器8において非確変図柄(1,3,9等)を停止表示するときには、第1飾り変動表示部8kにおいても非確変図柄(偶数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り非確変図柄コマンドが設定される。第1特別図柄表示器8の変動表示においてリーチ(大当り図柄による点滅)が発生するときには、第1飾り変動表示部8kにおいてもリーチ(左図柄と右図柄同一)を発生させるための第1飾りリーチコマンドが設定される。第1特別図柄表示器8においてはずれ図柄(0,2,4,6,8等)を停止表示するときには、第1飾り変動表示部8kにおいてばらけ目を停止表示させるための第1飾りはずれ図柄コマンドが設定される。
【0137】
次に、CPU56は、S24において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S24における乱数更新処理は、前述のR1〜R6を更新するための処理である。
【0138】
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S25)。第2特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。さらに、本実施の形態においては、第2特別図柄表示器9における図柄の変動表示を制御するための駆動信号を、RAM55の所定の領域に設定して各々出力する処理が行なわれる。また、本実施の形態においては、さらに、第2特別図柄プロセス処理による第2特別図柄表示器9の制御に応じて、第2飾り変動表示部9kを制御させるための第2飾り図柄コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処理が行なわれる。なお、設定される第2飾り図柄コマンドについては、第1飾り図柄コマンドと同様であるため、説明を省略する。
【0139】
このように、S23の第1特別図柄プロセス処理とS25の第2特別図柄プロセス処理との間にS24の乱数更新処理を行なっているために、S23の第1プロセス処理で抽出した乱数値とS25の第2プロセス処理とで同じ乱数値を抽出する(同期した乱数を取得する)不都合を防止できる。
【0140】
次に、CPU56は、保留表示制御処理を行なう(S26)。保留表示制御処理では、第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数を第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、第2保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数を第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、それぞれ報知する処理が行なわれる。
【0141】
次に、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
【0142】
次いで、CPU56は、S23の第1特別図柄プロセス処理またはS25の第2特別図柄プロセス処理によりRAM55の所定の領域に設定された第1飾り図柄コマンドおよび第2飾り図柄コマンド等の表示制御に関する演出制御コマンドを、表示制御用マイクロコンピュータに出力するする処理を行なう(飾り図柄コマンド制御処理:S28)。また、普通図柄表示器12を駆動させ普通図柄による変動表示を行なうための駆動信号を出力する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S29)。
【0143】
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
【0144】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0145】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S33)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行なうソレノイド出力処理を実行する(S34)。第1特別可変入賞装置20、可変入賞装置17、第2特別可変入賞装置を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23、内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド72〜76を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(S35)、割込許可状態に設定する(S36)。
【0146】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0147】
図7は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する第1特別図柄プロセス処理(S23)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8を制御する処理が実行される。特別図柄プロセス処理としては、第1特別図柄表示器8を対象として処理を行なう第1特別図柄プロセスと、第2特別図柄表示器9を対象として処理を行なう第2特別図柄プロセスとが実行される。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1特別図柄表示器8を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2特別図柄表示器9を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる特別図柄を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。
【0148】
まず、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ62がオンしている場合、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたときに(S50においてYESのときに)、第1始動口スイッチ通過処理(S51)を行なった後に、内部状態に応じて、S52〜S59のうちのいずれかの処理を行なう。
【0149】
第1特別図柄通常処理(S52):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否か(第1特図特定表示結果とするか否か)を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS53に移行するように更新する。
【0150】
第1特別図柄停止図柄設定処理(S53):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値または前述のはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値とを用いて、変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、はずれ停止図柄を決定するときには、前述のリーチ判定用のランダムカウンタR5の抽出値を用いてリーチ判定を行ない、リーチとするときには、R3の抽出値を用いて決定されたはずれ図柄の手前の大当り図柄をリーチ図柄として決定する(たとえばR3の抽出値が「6」であるときは、一つ手前の「5」を第1特別図柄表示器8において点滅させ、リーチとする)。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS54に移行するように更新する。
【0151】
なお、第1特別図柄表示器8の停止図柄は、確変図柄となるときに、確変図柄として定められた「5,7」の識別情報のうちから決定する。第1特別図柄表示器8の停止図柄は、非確変大当りとなるときに、非確変図柄として定められた「1,3,9」の識別情報のうちから決定する。第1特別図柄表示器8の停止図柄は、はずれとなるときに、はずれ図柄として定められた「0,2,4,6,8」の識別情報のうちから決定する。また、第2特別図柄表示器9の停止図柄は、確変大当りとなるときに、確変図柄として定められた「C,E」の識別情報のうちから決定する。第2特別図柄表示器9の停止図柄は、非確変大当りとなるときに、非確変図柄として定められた「F,H,J」の識別情報のうちから決定する。第2特別図柄表示器9の停止図柄は、はずれとなるときに、はずれ図柄として定められた「L,O,P,S,U」の識別情報のうちから決定する。
【0152】
第1変動時間設定処理(S54):第1特別図柄表示器8の変動表示の変動表示の変動パターン(変動時間データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(変動時間データ)の中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)とを特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8において図柄の変動表示が行なわれてから停止されるまでの変動時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、変動時間の長さを含む変動態様(変動パターン)を指令する情報(第1飾り図柄変動パターンコマンド)が送信される。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS55に移行するように更新する。
【0153】
第1特別図柄変動処理(S55):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S54でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS56に移行するように更新する。
【0154】
第1特別図柄停止処理(S56):第1特別図柄表示器8において変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止する駆動信号が送信される。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS57に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をS52に移行するように更新する。
【0155】
第1大入賞口開放前処理(S57):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS58に移行するように更新する。
【0156】
第1大入賞口開放中処理(S58):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をS57に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をS59に移行するように更新する。
【0157】
第1大当り終了処理(S59):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態をS52に移行するように更新する。
【0158】
図8は、S51の第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S100により、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタの値が上限個数である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。保留記憶カウンタは、打球が始動入賞して抽出条件が成立したが未だに変動表示に用いられていない開始条件を保留記憶するカウンタであり、前述したように第1保留記憶バッファに記憶できる乱数値の上限個数がたとえば「4」と定められている。この保留記憶カウンタの値(保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がS101へ進み、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。次にS102へ進み、ランダムカウンタR1〜R6の乱数値を抽出する処理がなされる。次に制御がS103へ進み、加算した保留記憶カウンタの値に対応する記憶エリアに、各抽出値を記憶する制御が行なわれる。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される乱数値の記憶個数(保留記憶数)が上限個数に達していないときに、R1〜R6から乱数を抽出し、第1保留記憶バッファに記憶する制御が行なわれる。S104では、図6のS26で説明した保留表示制御処理を行なうための、保留表示フラグをオン状態にセットする処理を行ない、第1始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、保留表示フラグがオン状態にセットされているときには、図6のS26において第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数分第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDを点灯表示する処理と、第2保留記憶バッファに記憶されている乱数値の個数分第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDを点灯表示する処理とが行なわれた後に、保留表示フラグをオフ状態にセットする処理がなされる。
【0159】
以上のような第1始動口スイッチ通過処理によれば、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタの値が「4」未満であるときに、R1〜R6の各ランダムカウンタから乱数値が抽出されて第1特別図柄表示器8における図柄の変動表示のために用いるデータとして、第1保留記憶バッファに設けられた保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに格納される。一方、図示を省略した第2特別図柄プロセス処理に含まれる第2始動口スイッチ通過処理でも同様に、第2保留記憶バッファの保留記憶カウンタの値が「4」未満であるときに、R1〜R6の各ランダムカウンタから乱数値が抽出されて第2特別図柄表示器9における図柄の変動表示のために用いるデータとして、第2保留記憶バッファに設けられた保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに格納される。具体的には、第2始動口スイッチ67がオンし、かつ、第2保留記憶バッファに記憶される乱数値の記憶個数(保留記憶数)が上限個数に達していないときに、R1〜R6から乱数を抽出し、記憶する制御が行なわれる。
【0160】
図9は、S52の第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S111)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(第2特図特定表示結果)が導出表示されて大当りが開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄変動処理(図示しない)にてセットされ、大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)にてリセット(クリア)される。次いで、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(S112)。具体的には、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がS52を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8において変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0161】
第1保留記憶バッファの保留記憶数が0でなければ、S113において、RAM55の第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタ1に対応する乱数値を読出す処理が行なわれる。なお、第2特別図柄通常処理におけるS112では、RAM55の第2保留記憶バッファに記憶されているか否かを確認する処理が行なわれる。そして、記憶されているときには、RAM55の第2保留記憶バッファの保留記憶カウンタ1に対応する乱数値を読出す処理が行なわれる。
【0162】
次に、S114では、S113で読出した乱数値を乱数記憶エリアから削除(無効化)する処理が行なわれる。次に、S115において、保留表示フラグがオン状態にセットされているか否かを確認する処理を行ない、オン状態でないときには、S116において保留表示フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。
【0163】
次に、S117に進み、CPU56は、第1保留記憶バッファの保留記憶カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファに記憶されている乱数値を一つ小さい保留記憶カウンタに対応する領域にシフトする処理が行なわれる。
【0164】
次いで、CPU56は、第1大当り判定処理を実行する(S118)。この第1大当り判定処理では、大当りとすることに決定した場合に、第1大当りフラグをセットする処理が行なわれる。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S53)に対応した値に更新する(S119)。
【0165】
以上の処理のうち、S111の判定処理により第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには第1特別図柄表示器8の変動表示を開始させない制御がなされる。すなわち、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S52)におけるS111でYESが選択され、S112〜S119の処理が実行されない。
【0166】
図10は、S118に示された第1大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S120により、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合すなわち通常確率の遊技状態の場合には、S122により、S113において保留記憶バッファから読出された大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの通常時大当り判定値であるか否かを判定する処理が行なわれる。S122において大当り判定値であると判定されたときには、S124において、通常時に発生する大当りである旨を示す第1非確変時大当りフラグをセットする処理が行なわれる。一方、S122において大当り判定値でない判定がなされたときには、はずれとなるため、そのまま大当り判定処理を終了する。
【0167】
一方、S120において確変フラグがセットされている場合にはS121により、S113において保留記憶バッファから読出された大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値であるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0168】
S121において大当り判定値であると判定されたときには、S123において、確変状態時に発生する大当りである旨を示す第1確変時大当りフラグをセットする処理が行なわれる。一方、S121において大当り判定値でない判定がなされたときには、はずれとなるため、そのまま大当り判定処理を終了する。なお、本実施形態における第1確変時大当りフラグおよび第1非確変時大当りフラグを総称して、第1大当りフラグともいう。
【0169】
なお、第2大当り判定処理においても同様に、確変フラグがセットされており大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値であるときに第2確変時大当りフラグがセットされ、確変フラグがセットされておらず通常時大当り判定値であるときに第2非確変時大当りフラグがセットされる。
【0170】
図11は、S53の第1特別図柄停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この第1特別図柄停止図柄設定処理においては、第1大当りフラグ等に基づき第1特別図柄表示器8における変動表示の表示結果として導出表示する停止図柄を決定する処理が行なわれる。
【0171】
まず、S130においては、図10のS123またはS124においてセットされる第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる。すなわち、今から開始される変動表示の表示結果が大当り図柄となるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0172】
S130において、第1大当りフラグがセットされていると判定がなされたときには、S131において図9のS113において第1保留記憶バッファから読出された大当り図柄決定用乱数R2が、奇数であるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0173】
S131において奇数であると判定がなされたときには、S132aにおいて確変図柄から大当り図柄決定用乱数R2の値に基づき大当り図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。S132bにおいては、第1確変時大当りフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる。
【0174】
S132bにおいて第1確変時大当りフラグがセットされていると判定されたときには、S132cにおいて第1チャンスフラグをセットし、S132dにおいて第1チャンスコマンドをセットする処理が行なわれる。第1チャンスフラグとは、チャンス演出を第1特別図柄表示器8において行なうか否かを判定するためのフラグである。第1チャンスコマンドとは、チャンス演出を第1飾り変動表示部8kにおいて行なうときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータに出力されるコマンドである。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理においても同様に、第2大当りフラグがセットされているときであって、大当り図柄決定用乱数R2の値が奇数でありかつ第2確変時大当りフラグがセットされているときには、第2チャンスフラグおよび第2チャンスコマンドをセットする処理が行なわれ、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kにおいてチャンス演出が行なわれる。
【0175】
次に、S132dにおいてセットされた第1チャンスコマンドがRAM55の所定の領域に設定され、S28の飾り図柄コマンド制御処理により、表示制御用マイクロコンピュータへ出力される。これにより、第1飾り変動表示部8kにおいてチャンス演出を行なうことができる。そして、S133においては、大当り終了後に確変状態に制御させるための第1確変開始フラグをセットする処理が行なわれる。
【0176】
一方、S131において奇数でないと判定がなされたときには、S134において非確変図柄から大当り図柄決定用乱数R2の値に基づき大当り図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。
【0177】
一方、S130において、第1大当りフラグがセットされていないと判定されたときには、S137において図5(b)で説明したリーチ判定用テーブルをルックアップし、リーチ判定値を読み出す処理が行なわれる。
【0178】
S138においては、S113において第1保留記憶バッファから読出されたリーチ判定用乱数R5と、S137において読み出されたリーチ判定値と、を比較する処理が行なわれる。
【0179】
S139においては、S138による比較の結果、読出したリーチ判定用乱数R5がリーチ判定値と一致するか否かを判定する処理が行なわれる。S139においてリーチ判定値と一致すると判定されたときには、S140において大当り図柄以外からはずれ図柄決定用乱数R3の値に基づきはずれ図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。なお、変動表示中に点滅表示させリーチ状態を発生させるリーチ図柄は、はずれ図柄として決定された図柄の一つ手前の大当り図柄として設定するようにしてもよい。たとえば、はずれ図柄として「4」が決定されたときには、図柄「4」の一つ手前の大当り図柄「3」をリーチ図柄として設定し、大当り図柄「3」を点滅表示することによりリーチ状態を発生させるようにしてもよい。
【0180】
一方、S139においてリーチ判定値と一致しないと判定されたときには、S141において大当り図柄以外からはずれ図柄決定用乱数R3の値に基づきはずれ図柄として停止表示する図柄を決定する処理が行なわれる。
【0181】
S142においては、S132a,S134,S140,S141のいずれかにおいて決定された停止図柄に対応する予定停止図柄をセットする処理を行ない、S143において第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動時間設定処理(S54)に対応した値に更新し、第1特別図柄停止図柄設定処理を終了する。なお、本実施の形態においては、S142でセットされた予定停止図柄から、前述した第1飾り図柄コマンドおよび第2飾り図柄コマンドとがRAM55の所定の領域に設定され、S28の飾り図柄コマンド制御処理により、表示制御用マイクロコンピュータへ出力される。これにより、第1特別図柄表示器8に停止表示される第1特別図柄と対応する飾り図柄を、第1飾り変動表示部8kに停止表示させることができる。たとえば、第1特別図柄表示器8により「5、7」のいずれかが停止表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに奇数図柄のいずれかのゾロ目が停止表示される。第1特別図柄表示器8により「1,3,9」のいずれかが停止表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「0」または偶数図柄のゾロ目が停止表示される。第1特別図柄表示器8によりリーチが発生するときには、第1飾り変動表示部8kの左図柄と右図柄とが同一となる図柄が停止表示される。第1特別図柄表示器8により「0,2,4,6,8」が停止表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにばらけ目が停止表示される。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理(図示しない)についても、同様に処理することにより、第2特別図柄表示器9に停止表示される第2特別図柄と対応する飾り図柄を、第2飾り変動表示部9kに停止表示させることができる。
【0182】
図12は、S54の第1変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S144において、第1チャンスフラグがセットされているか否か判定する。確変状態の終了に関する予告演出を行なう場合には第1チャンスフラグがセットされていると判定されたときには、S144aにおいて変動時間テーブルのチャンス時間テーブルを参照して変動時間を決定する。
【0183】
変動時間テーブルは、図13に示されており、チャンス時間テーブルと通常時間テーブルと時短テーブルとに分かれている。チャンス時間テーブルを参照した場合には、R4の抽出値がどのような値であっても変動時間が600秒という長い時間に決定される。その結果、チャンス演出を行なう場合には、第1特別図柄表示器8の変動時間が600秒という長い時間に設定される。なお、図13に示す変動時間テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータに搭載されたROM54に予め記憶されている。
【0184】
一方、S144で第1チャンスフラグがセットされていないと判断した場合には、S145において確変フラグがセットされているか否か判定する。確変フラグがセットされている場合には、S145bにおいて変動時間テーブルの時短テーブルを参照する。図13を参照して、時短テーブルは、0〜5の全てのR4の値に対応して変動時間が4秒となるようにテーブルが構成されている。その結果、確変フラグがセットされている場合には、変動時間の短縮制御が行なわれる。なお、時短制御が行なわれている場合にも、変動時間テーブルの時短テーブルを参照するようにしてもよい。
【0185】
S145によりNOの判断がなされた場合には、S145aにおいて変動時間テーブルの通常時間テーブルを参照する。図13を参照して、変動時間テーブルの通常時間テーブルは、リーチ状態が発生する場合とリーチ状態が発生しない場合とに分かれており、リーチ状態が発生しない場合には、すべてのR4の値に対して一律に変動時間が6秒となるようにテーブルデータが構成されている。一方、リーチ状態が発生する場合には、R4の抽出値が0の場合には6秒、R4の抽出値が1〜3のいずれかの場合には20秒、R4の抽出値が4または5のいずれかの場合には30秒に変動時間が設定されるようにテーブルデータが構成されている。
【0186】
次に、S146においては、S144a、S145a、S145bで決定した変動時間のコマンドをセットする。図13を参照して、たとえば、変動時間が600秒の場合には8001Hのコマンドがセットされる。また、リーチ状態が発生して変動時間が20秒の場合には8004Hのコマンドがセットされる。なお、セットされたコマンドは、RAM55の所定の領域に設定され、S28の飾り図柄コマンド制御処理により、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして表示制御用マイクロコンピュータへ出力される。これにより、第1特別図柄表示器8において行なわれる変動時間と、第1飾り変動表示部8kにおいて行なわれる変動時間とを同じにすることができる。
【0187】
次に、S147においては、決定された変動時間に応じた時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットする。この第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄表示器8の変動時間を計時するためのタイマである。図13を参照して、たとえば、変動時間が600秒の場合には600秒に対応するタイマがセットされる。また、変動時間が4秒の場合には4秒に対応するタイマがセットされる。なお、第2変動時間設定処理でも同様に、第2チャンスフラグがセットされているときにはチャンス時間テーブルが参照され、確変フラグがセットされているときには時短テーブルが参照され、第2チャンスフラグおよび確変フラグのいずれもがセットされていないときには通常時間テーブルが参照され、変動時間のコマンドをセットする処理が行なわれる。そして、決定された変動時間に応じた時間を第2特別図柄プロセスタイマにセットする処理が行なわれる。
【0188】
本実施の形態において、確変状態に制御されている場合であって、第1特別図柄表示器8の変動によって再度確変図柄による大当りが発生するときには、第1特別図柄表示器8では600秒という非常に長い変動時間がセットされる。また、確変状態に制御されている場合であって、第1特別図柄表示器8の変動によって再度確変図柄による大当りが発生しないときには、第1特別図柄表示器8では4秒という非常に短い変動時間がセットされる。
【0189】
また、第2変動時間設定処理においても、第1変動時間設定処理と同様の処理が行なわれる。確変状態に制御されている場合であって、第2特別図柄表示器8の変動によって再度確変図柄による大当りが発生するときすなわち第2チャンスフラグがセットされているときには、第2特別図柄表示器9では600秒という非常に長い変動時間がセットされる。また、確変状態に制御されている場合であって、第2特別図柄表示器9の変動によって再度確変図柄による大当りが発生しないときには、第2特別図柄表示器9では4秒という非常に短い変動時間がセットされる。
【0190】
このため、確変状態に制御されているときで、かつ、第1特別図柄表示器8において再度確変図柄による大当りが発生するときには、第1特別図柄表示器8において確変図柄による大当りが発生する変動表示が1回行なわれる間に、第2特別図柄表示器9において何回も繰返して変動表示可能に構成されている。また、逆に、確変状態に制御されているときで、かつ、第2特別図柄表示器9において再度確変図柄による大当りが発生するときには、第2特別図柄表示器9において確変図柄による大当りが発生する変動表示が1回行なわれる間に、第1特別図柄表示器8において何回も繰返して変動表示可能に構成されている。なお、変動時間テーブルは、図13で示すものに限るものではない。
【0191】
図14は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S55)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、先ず第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S150)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算する(S151)。
【0192】
次に、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる(S152a)。S152aにおいて第1チャンスフラグがセットされていると判定されたときには、第1特別図柄表示器8において青色で点灯表示させた図柄を変動表示する(S152b)。一方、S152aにおいてセットされていないと判定されたときには、第1特別図柄表示器8において赤色で点灯表示させた図柄を変動表示する(S152c)。このように、本実施の形態において、第1チャンスフラグがセットされているときには、第1特別図柄表示器8において変動表示させる図柄を青色に点灯表示することにより、チャンス演出が行なわれる。
【0193】
次に、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S153a)。S153aにおいて第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていると判定されたときには、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定し(S153b)、セットされているときには第1チャンスフラグをオフ状態にセットする処理を行なう(S153c)。
【0194】
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(S154)。第1大当りフラグがセットされていれば、第1大当り実行中フラグをセットし(S155)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S56)に対応した値に更新する(S156)。S153aで第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ第1特別図柄プロセスフラグの値を更新しない。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が再び行なわれる。また、S155で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S25)で第2特別図柄表示器9の変動表示を停止させる処理が実行される。
【0195】
一方、S150で第2大当りフラグがセットされていれば、中断フラグがセットされているか否か確認する(S157)。中断フラグがセットされていなければ(S157)、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S158)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(S158)、中断フラグをセットし(S159)、中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S160)。中断コマンドは、第1特別図柄表示器8の変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S160でセットされた中断コマンドは2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。すなわち、S158で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S151の処理を実行しないため特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を中断させる制御を実行する。
【0196】
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kの変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算を中断する。そして、その中断時には、第1特別図柄表示器8への駆動信号に基づいて第1特別図柄の変動表示を中断させる制御を行なうとともに、表示制御基板80に第1飾り変動表示部8kにおける変動表示の中断を指示するコマンドを送信して第1飾り変動表示部8kにおける変動表示を中断させることにより、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kで特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りが発生してから、その大当りが終了するまでは、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄の変動表示、および、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示を中断させる処理を行なっている。
【0197】
なお、第2特別図柄変動処理においても同様に、第1大当りフラグがセットされていないときであって、第2チャンスフラグがセットされているときには、第2特別図柄表示器9において青色で点灯表示させた図柄を変動表示することにより、チャンス演出が行なわれる。そして、第2特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときであって、第2チャンスフラグがオン状態にセットされているときにはオフ状態にセットし、第2大当りフラグがオン状態にセットされているときにはオフ状態にセットする処理が行なわれる。また、第1大当りフラグがセットされているときであって、第1大当り実行中フラグがセットされているときには、中断フラグがオン状態にセットされ、以後第2特別図柄プロセスタイマを減算せずに、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄の変動表示、および、第2飾り変動表示部9kにおける変動表示を中断させる処理が行なわれる。
【0198】
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S56)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、S161において、第1飾り図柄停止コマンドをセットする処理が行なわれる。第1飾り図柄停止コマンドとは、変動表示が行なわれる毎にセットされる変動時間が計時されたとき(計時が終了したとき)にセットされるコマンドであって、第1飾り変動表示部8kにおいて飾り図柄を停止表示させるためのコマンドである。S162aにおいては、第1特別図柄表示器8において特別図柄を停止表示させる処理が行なわれる。このような処理により、定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8において同期する態様で変動表示が停止され、表示結果が導出表示されることとなる。
【0199】
次に、S162bにおいては、確変フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれ、確変フラグがセットされているときにはS162cにおいて確変状態を終了させるために確変フラグをクリアする処理が行なわれる。
【0200】
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S163)。S163で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(S52)における図10のS123またはS124で第1大当りフラグがセットされたときには、第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(S164)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S57)に対応した値に更新する(S165)。また、S164でセットされた第1大当り開始コマンドは、2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは第1大当り開始コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに大当りを開始する旨の表示制御を行なう。
【0201】
また、S163で第1大当りフラグがセットされていなければ、すなわち、第1特別図柄通常処理(S52)においてはずれと判定されて第1大当りフラグがセットされていないときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S52)に対応した値に更新する(S166)。
【0202】
なお、第2特別図柄停止処理においても同様に、第2飾り図柄停止コマンドをセットし、第2特別図柄表示器9を予定停止図柄で停止表示させる処理が行なわれる。そして、第2大当りフラグがセットされているときには、第2大当り開始コマンドをセットする処理が行なわれる。
【0203】
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S59)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、図11のS133においてセットされる第1確変開始フラグがセットされているか否か確認する(S170)。すなわち、今回の確変図柄が表示されたことにより発生した大当りであるか否か確認する。確変図柄以外の非確変図柄が導出表示されることにより発生した大当りの場合には、S174に移行する。
【0204】
一方、第1確変開始フラグがセットされている場合には、第1確変開始フラグをクリアし(S171)、確変フラグをセットする(S172)。これにより、以降確変状態となる。次に確変開始コマンドをセットする(S173)。このセットされた確変開始コマンドが表示制御基板80へ送信される。
【0205】
次いで、CPU56は、第1大当り実行中フラグをリセットした後(S174)、第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄変動処理でセットされた中断フラグをリセットするとともに(S175)、第1大当りフラグをリセットし(S176)、再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S177)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S52)に対応した値に更新する(S178)。
【0206】
S174で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄通常処理が実行されて第2特別図柄表示器9の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。また、S177でセットされた再開コマンドは、中断している第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kの変動表示の再開を指示するコマンドであり、2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは再開コマンドを受信すると、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kの変動表示を再開する制御を行なう。
【0207】
図17は、S27の普通図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、第1または第2ゲートスイッチが玉を検出してオン状態になったか否かの判断を行なう(S320)。オン状態になっていると判断した場合には、ゲートスイッチ通過処理を実行する(S321)。このゲートスイッチ通過処理について、図18(a)に基づいて説明する。
【0208】
CPU56は、普通保留記憶カウンタの値がその上限である「4」以上になっているか否か判断する(S330)。この普通保留記憶カウンタは、第1ゲート28または第2ゲート29を通過した始動通過玉のうち未だに普通図柄表示器12による変動表示に用いられていないものを保留記憶するカウンタである。そしてその記憶上限値「4」以上になっている場合には、それ以上記憶できないために、このゲートスイッチ通過処理のサブルーチンプログラムが終了する。一方、「4」未満の場合には、CPU56は、普通保留記憶カウンタを「1」加算更新し、普通図柄当り判定用ランダムカウンタR6の値を抽出する(S332)。そして、加算した普通保留記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアにその抽出したR6の値を記憶させる(S333)。
【0209】
図17に戻り、S320によりNOの判断を行なった後あるいはS321の処理を行なった後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、S322〜S327の各処理のいずれかにジャンプする。
【0210】
S322は、普通図柄通常処理、S323は、普通図柄表示器12の予定停止図柄を設定する処理、S324は、普通図柄表示器12の変動時間を設定する処理、S325は、普通図柄表示器12を変動表示制御する処理、S326は、普通図柄表示器12を停止させる処理、S327は、電動チューリップすなわち可変入賞装置17を開状態(第1の状態)に制御する処理である。
【0211】
図18(b)は、S322に示された普通図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。CPU56は、普通保留記憶カウンタの値すなわち普通保留記憶数が「0」であるか否かの判断を行なう(S335)。「0」の場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、「0」でない場合には、普通保留記憶カウンタの値(普通保留記憶数)が「1」すなわち一番古い普通保留記憶数に対応する乱数記憶エリアに保存されている乱数値R6を呼出す(S336)。そして、普通保留記憶カウンタを「1」を減算更新して、かつ、乱数記憶エリアの内容をそれに応じて1つずつシフトする処理を行なう(S337)。
【0212】
次に、呼出した乱数R6が当り判定値(たとえば1、3、5、7、9、11)と一致するか否か判断する(S338)。一致しない場合にはS340へ進むが、一致する場合には、当りフラグをセットする(S339)。次に、普通図柄プロセスフラグを変動時間設定処理に切換える(S340)。この普通図柄プロセス処理が変動時間設定処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S324の普通図柄変動時間設定処理が実行されることとなる。
【0213】
図19は、S324の普通図柄変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、確変状態に制御されているか否かを判定するために、確変フラグがセットされているか否かを判定する(S350)。
【0214】
確変フラグがセットされているときには、普通図柄表示器12の変動時間として、短縮変動時間(たとえば4秒)を設定する(S351)。これにより、普通図柄表示器12は短い変動時間となり時短制御が行なわれる。一方、確変フラグがセットされていないときには、普通図柄表示器12の変動時間として、標準時間(29.2秒)を設定する(S352)。次に、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動処理に切換える(S353)。この普通図柄プロセス処理が普通図柄変動処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S325の普通図柄変動処理が実行されることとなる。
【0215】
図20は、S326の普通図柄停止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0216】
まず、図18のS339においてセットされる当りフラグがセットされているか否かを判定する(S360)。当りフラグがセットされているときには、「○」の付された左側のランプを点灯させて、当り図柄で停止表示する処理が行なわれる(S361)。
【0217】
次に、確変フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する処理が行なわれる(S362)。確変フラグがセットされているときには、可変入賞装置17を開状態とする時間を特定するための開放タイマTとして5をセットする処理が行なわれる(S363)。一方、確変フラグがセットされていないときには、開放タイマTとして2をセットする処理が行なわれる(S364)。なお、本実施の形態において、開放タイマTとして5がセットされているときには、可変入賞装置17が5秒間開状態に制御され、開放タイマTとして2がセットされているときには、可変入賞装置17が2秒間開状態に制御される。
【0218】
次に、普通図柄プロセスフラグを電動チューリップ開放処理に切換える(S365)。この普通図柄プロセス処理が電動チューリップ開放処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S327の電動チューリップ開放処理が実行されることとなる。電動チューリップ開放処理では、S363またはS364においてセットされた開放タイマTが経過するまで、可変入賞装置17を開状態に制御する処理が行なわれる。
【0219】
一方、S360において、当りフラグがセットされていないと判断されたときには、S366において「×」の付された右側のランプを点灯させて、はずれ図柄で停止表示する処理が行なわれる(S366)。次に、普通図柄プロセスフラグを普通図柄通常処理に切換える(S367)。この普通図柄プロセス処理が普通図柄通常処理に切換わることにより、2msec経過後の次回の実行に際しては、S322の普通図柄通常処理が実行されることとなる。
【0220】
図21は、表示制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる(Sub1)。その後、表示制御用マイクロコンピュータは、タイマ割込フラグの監視(Sub2)の確認を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用マイクロコンピュータは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用マイクロコンピュータは、そのフラグをクリアし(Sub3)、以下の演出制御処理を実行する。
【0221】
この実施の形態では、タイマ割込は33ms毎にかかる。すなわち、表示制御メイン処理は、33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御は、表示制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御メイン処理を実行してもよい。
【0222】
表示制御メイン処理において、表示制御用マイクロコンピュータは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:Sub4)。本実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータから第1チャンスコマンドを受信したときには、第1飾り変動表示部8kにおいてチャンス演出を行なうための第1飾りチャンスフラグをオン状態にセットするとともに、チャンス画面を表示するタイミングを特定するための第1チャンス画面開始タイマをセットする処理が行なわれる。また、第2チャンスコマンドを受信したときにおいても同様に、第2飾り変動表示部9kにおいてチャンス演出を行なうための第2飾りチャンスフラグをオン状態にセットするとともに、第2チャンス画面開始タイマをセットする処理が行なわれる。
【0223】
次いで、表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31側から送信される第1飾り図柄コマンド等に基づき第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1表示制御プロセス処理を行なう(Sub5)。第1表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。
【0224】
また、表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31側から送信される第2飾り図柄コマンド等に基づき第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2表示制御プロセス処理を行なう(Sub6)。第2表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセス処理と同様に、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、主基板31側から送信される飾り図柄コマンド等に基づき、特別図柄と対応する飾り図柄の変動表示内容を決定するために用いる乱数(ランダムカウンタ)や、変動表示の表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いる乱数(ランダムカウンタ)を更新する処理を実行する(Sub7)。その後、Sub2のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
【0225】
次に、表示制御基板80に搭載されている表示制御用マイクロコンピュータが実行する表示制御プロセス処理について説明する。表示制御プロセス処理としては、第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行なう第1表示制御プロセスと、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう第2表示制御プロセスとが実行される。第1表示制御プロセス処理および第2表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2表示制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1表示制御プロセス処理をこれらの表示制御プロセス処理の代表例として説明し、第2表示制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。
【0226】
なお、以下に説明する第1表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2表示制御プロセス処理の処理内容となる。
【0227】
図22は、表示制御基板80に搭載されている表示制御用マイクロコンピュータが実行する第1表示制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセスフラグの値に応じてSub10〜Sub16のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。なお、図示を省略するが、第2表示制御プロセス処理についても同様に、第2表示制御プロセスフラグの値に応じて第2飾り変動表示部9kに対するSub10〜Sub16と同様の処理のうちのいずれかが行なわれる。
【0228】
第1飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(Sub10):コマンド解析処理によって、第1飾り図柄変動パターンコマンド(変動表示コマンド)を含む演出制御コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、第1飾り図柄変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1飾り図柄変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1飾り図柄変動パターン受信フラグは、表示制御用マイクロコンピュータが実行するコマンド解析処理にて第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0229】
第1飾り図柄変動パターン決定処理(Sub11):主基板31から受信した第1飾り図柄変動パターンコマンドから特定される変動時間に基づき第1飾り図柄の変動パターンを決定する。また、第1飾り図柄コマンドから特定される表示結果に基づき表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定する。
【0230】
第1飾り図柄変動開始処理(Sub12):変動表示が開始されるように制御する。なお、変動表示を開始するときに、Sub11で決定された第1飾り図柄の変動パターンから特定される第1変動時間タイマがセットされる。
【0231】
第1飾り図柄変動中処理(Sub13):前述のように決定された第1飾り図柄の変動パターンに応じて選択されたプロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。その制御においては、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御、および、左右図柄の停止制御等を行なう。
【0232】
また、第1変動時間タイマを減算していき、第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、第1飾り図柄停止待ち処理に移行する。
【0233】
第1飾り図柄停止待ち処理(Sub14):第1飾り図柄停止コマンドを受信したことに応じて、第1飾り図柄の変動表示を終了し、Sub11で決定されている第1飾り図柄の組合せを表示結果として導出表示する。
【0234】
第1大当り表示処理(Sub15):変動表示終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。
【0235】
第1大当り遊技中処理(Sub16):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、ソレノイド72により特別可変入賞装置20を駆動して大入賞口21を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口21が開放中であることを示す大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
【0236】
図23は、第1表示制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(Sub13)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において表示制御用マイクロコンピュータは、第1チャンスコマンドを受信したときにセットされる第1飾りチャンスフラグがオン状態にセットされているか否かを判定し(Sub19)、セットされているときに、チャンス画面の背景画面表示を開始するタイミングを特定するための第1チャンス画面開始タイマが「0」以下の値になっているか否かを判定し(Sub20a)、「0」以下の値になっていないとき、すなわち、第1チャンス画面開始タイマが未だ経過していないときに当該第1チャンス画面開始タイマの値を「1」減算する(Sub20b)。「0」以下の値になっていると判定されたときにチャンス画面を背景画面としてセットする処理が行なわれる(Sub20c)。これにより、チャンス画面を背景にして第1飾り図柄の変動表示を行なうことにより、第1飾り変動表示部8kにおいてチャンス演出を行なうことができる。なお、第2飾り図柄変動中処理においても同様に、第2チャンスコマンドを受信したときにセットされる第2飾りチャンスフラグがオン状態にセットされているか否かを判定し、セットされているときに、チャンス画面の背景画面表示を開始するタイミングを特定するための第2チャンス画面開始タイマが「0」以下の値になっているか否かを判定し、「0」以下の値になっていないときに当該第2チャンス画面開始タイマの値を「1」減算する。「0」以下の値になっていると判定されたときにチャンス画面を背景画面としてセットすることにより、チャンス画面を背景にして第2飾り図柄の変動表示を行なうことにより、第2飾り変動表示部9kにおいてチャンス演出を行なうことができる。なお、チャンス演出画面については、図25、図26を用いて後述する。一方、Sub19において、第1飾りチャンスフラグがオン状態にセットされていない判定がなされたときには、通常時の画面を背景にして第1飾り図柄の変動表示が行なわれる。
【0237】
次に、変動中断フラグがセットされているか否か確認し(Sub21)、変動中断フラグがセットされていないと確認されれば、中断コマンドを受信したか否か確認する(Sub25)。そして、Sub25で中断コマンドを受信していると確認されれば、変動中断フラグをセットし(Sub26)、第1飾り変動表示部8kに第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を中断する旨を示す変動中断表示を行なう(Sub27)。この変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の図柄表示部での変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算が中断されている旨を意味する表示でもある。
【0238】
また、Sub21で変動中断フラグがセットされていると確認されれば、表示制御用マイクロコンピュータは再開コマンドを受信したか否か確認する(Sub22)。Sub22で再開コマンドを受信していると確認されれば、変動中断フラグをリセットするとともに(Sub23)、第1飾り変動表示部8kに第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行なう(Sub24)。Sub22で再開コマンドを受信していないと確認されれば、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
【0239】
Sub25で中断コマンドを受信していないと確認されれば、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し(Sub28)、タイムアウトしていることが確認されれば、表示制御実行データの切替を行なう(Sub29)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている。プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用マイクロコンピュータは選択決定した変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
【0240】
また、第1変動時間タイマがタイムアウトしていることが確認されれば(Sub30a)、第1飾りチャンスフラグをオフ状態にし(Sub30b)、監視タイマをスタートさせ(Sub31)、第1プロセスフラグを第1飾り図柄停止待ち処理(Sub14)に対応した値に更新する(Sub32)。
【0241】
以上の処理によって、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに第1飾り変動表示部8kで変動中断表示を行なう。そして、再開コマンドを受信するまでSub28以降の処理を実行しないように制御する。すなわち、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1飾り図柄の変動表示を行なわない制御がなされる。同様に、第1飾り図柄変動中処理に対応する第2表示制御プロセス処理中の第2飾り図柄変動中処理では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに第2飾り変動表示部9kで変動中断表示を行なう。
【0242】
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、主基板31から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて表示制御用マイクロコンピュータは他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御を行なっている。また、大当り遊技状態が終了するときに主基板31から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータは、中断していた変動表示を再開させる制御を行なっている。
【0243】
なお、前述した実施の形態では、主基板31から中断コマンドおよび再開コマンドを送信することにより飾り図柄の変動の中断および再開を行なう例を示したが、これに限らず、主基板31から中断コマンドおよび再開コマンドを送信することなく、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータに飾り図柄の変動の中断および再開を行なわせるように構成してもよい。
【0244】
たとえば、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときに、主基板31からその変動表示部についての大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信する。そして、その大当り開始コマンドを受信したことに基づいて表示制御用マイクロコンピュータが、他方の変動表示部での飾り図柄の変動表示を中断させる制御を行なう。また、そのような一方の変動表示部での大当り図柄の導出表示に基づく大当り遊技状態が終了するときに、主基板31からその一方の変動表示部についての確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンドを表示制御基板80に送信する。その確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータが、中断していた他方の変動表示部での飾り図柄の変動表示を再開させる制御を行なう。
【0245】
図24は、第1表示制御プロセス処理における第1飾り図柄停止待ち処理(Sub14)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0246】
まず、Sub40においては、第1飾り図柄停止コマンドを受信したか否かを判別する処理が行なわれる。第1飾り図柄停止コマンドは、第1特別図柄表示器8において第1特別図柄の表示結果を停止表示するタイミングに到達したときに、主基板31から表示制御基板80に送信されるコマンドである。
【0247】
Sub40において第1飾り図柄停止コマンドを受信していないと判別されたときには、第1飾り図柄停止待ち処理を終了し、リターンする。一方、Sub40において第1飾り図柄停止コマンドを受信していると判別されたときには、Sub41において、Sub11で既に決定されている飾り図柄(全図柄)を停止表示させる制御が行なわれる。
【0248】
Sub42では、飾り図柄の組合せがゾロ目となる大当り図柄が停止表示されているか否かを判別する処理が行なわれる。Sub42で大当り図柄が停止表示されていると判別されたときには、Sub44において第1プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(Sub15)に対応した値に設定される。一方、Sub42で大当り図柄が停止表示されていないと判別されたときには、Sub43において第1プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(Sub10)に対応した値に設定される。
【0249】
なお、図示を省略するが、第2表示制御プロセス処理に含まれる第2飾り図柄停止待ち処理についても同様に、第2飾り図柄停止コマンドを受信したときに、第2飾り変動表示部9kにおいて飾り図柄を停止表示させる制御が行なわれる。また、飾り図柄の組合せがゾロ目となる大当り図柄が停止表示されているときには、第2プロセスフラグの値を第2大当り表示処理に対応した値に設定される。一方、大当り図柄が停止表示されていないときには、第2プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定される。
【0250】
次に、確変状態に制御されているときであってチャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様について説明する。図25、図26は、チャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様の一例を示す図である。
【0251】
図25(a)の第1飾り変動表示部8kにおいては、飾り図柄の組合せとして「123」が停止表示されている。停止表示する飾り図柄の組合せは、図24のSub41により停止表示される。第2飾り変動表示部9kにおいては、飾り図柄の組合せとして「ABC」が停止表示されている。
【0252】
図25(b)の第1飾り変動表示部8kにおいては、変動表示が開始されている。変動表示は、第1飾り図柄変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドが受信されたことにより、図22のSub11で決定された飾り図柄の変動パターンに基づき、Sub12により第1変動時間タイマがセットされ開始される。第2飾り変動表示部9kにおいても、同様に、第2飾り図柄変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信したことにより、決定された飾り図柄の変動パターンに基づき、第2変動時間タイマがセットされ新たな変動表示が開始されている。
【0253】
図25(b)では、表示制御用マイクロコンピュータが、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8006Hのコマンドを、第2飾り図柄変動パターンコマンドとして8001Hのコマンドを受信したことにより変動表示が開始された場合について説明する。よって、第1変動時間タイマとしては、4秒がセットされ、第2変動時間タイマとしては、600秒がセットされているものとする。これは、図12のS145bにおいて時短テーブルが参照され、S146において8006Hのコマンドがセットされたことによる。また、第2特別図柄停止図柄設定処理(図11参照)において第2チャンスフラグがセット(図11のS132c)され、第2変動時間設定処理(図12参照)においてチャンス時間テーブルが参照され(図12のS144a)、8001Hのコマンドがセット(図12のS146)されたことによる。よって、第1特別図柄表示器8においては、図14のS152cにより赤色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。また、第2特別図柄表示器9においては、第2特別図柄変動処理(図14のS152b参照)により青色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。
【0254】
図25(c)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図25(b)で開始された変動表示が継続して行なわれているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、確変図柄「A」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。
【0255】
図25(d)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図23のSub30aにより第1変動時間タイマがタイムアウトしたと判定され、図24のSub41において飾り図柄の組合せとして「234」が停止表示されている。また、第2飾り変動表示部9kにおいては、中央にチャンス演出中であることを報知する「チャンスタイム!」が画面中央部に表示され、図25(b)で開始された第2飾り図柄の変動表示が画面右下部に縮小して表示されている。
【0256】
以降、第1飾り変動表示部8kにおいては、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8006Hのコマンドを受信したことにより、図25(e)および(g)に示すように、新たな変動表示が開始されている。また、第1飾り図柄変動パターンコマンドに基づきセットされる第1変動時間タイマとしての4秒が経過したことにより、図25(f)および図26(h)に示すように、飾り図柄の組合せとして「345」および「456」が停止表示されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、図25(b)で説明したように第2変動時間タイマとしてセットされた600秒が未だ経過していないため、チャンス演出が継続して行なわれている。
【0257】
図26(i)の第1飾り変動表示部8kにおいては、新たな変動表示が開始されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、チャンス演出が継続して行なわれている。
【0258】
なお、図26(i)においては、表示制御用マイクロコンピュータが、第1飾り変動表示部8kにおいて非確変図柄(偶数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り非確変図柄コマンドと、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8005Hのコマンドとを、受信したことにより変動表示が開始された場合について、図26(j)〜(n)を用いて説明する。これは、図12のS145bにおいて時短テーブルが参照され、S146において8006Hのコマンドがセットされたことによる。よって、第1特別図柄表示器8においては、図14のS152cにより赤色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。
【0259】
図26(j)の第1飾り変動表示部8kにおいては、非確変図柄「8」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、チャンス演出が継続して行なわれている。
【0260】
図26(k)の第1飾り変動表示部8kにおいては、非確変図柄「8」のゾロ目が停止表示され、非確変図柄による大当りが発生したときの表示状態を示している。このとき、第1特別図柄表示器8においても同様に、非確変図柄が導出表示される。また、第2特別図柄変動処理(図14参照)においては、第1大当り実行中フラグがオン状態にセットされているため、中断フラグと中断コマンドとがセットされる(S159、S160参照)。これにより、以後の第2特別図柄変動処理においては、第2特別図柄プロセスタイマから1減算する処理(S151参照)が行なわれない。また、第2飾り図柄変動中処理においても同様に中断処理が行なわれる。第2飾り変動表示部9kにおいては、チャンス演出が継続して行なわれている。以後、第1飾り変動表示部8kにおいて大当り遊技が行なわれる。
【0261】
図26(l)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図26(k)で発生した大当り遊技が終了したときの表示状態を示している。このとき、図16の第1大当り終了処理では、第1確変開始フラグがセットされていないため、S172において確変フラグがセットされることなく終了する。第2飾り変動表示部9kにおいては、「チャンスタイム中」の表示が消去され、画面中央部で第2飾り図柄の変動表示が行なわれている。なお、第2飾り変動表示部9kにおいては、確変図柄「A」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。
【0262】
図26(m)の第1飾り変動表示部8kにおいては、新たな変動表示が開始されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄変動中処理において第2変動時間タイマがタイムアウトしたと判定され、第2飾り図柄停止待ち処理において飾り図柄の組合せとして、確変図柄「A」のゾロ目が停止表示され、確変図柄による大当りが発生したときの表示状態を示している。このとき、第2特別図柄表示器9においても同様に、確変図柄が導出表示される。また、図14の第1特別図柄変動処理においては、第2大当り実行中フラグがオン状態にセットされているため、S159、S160で中断フラグと中断コマンドとがセットされる。これにより、以後の第1特別図柄変動処理においては、S151において第1特別図柄プロセスタイマから1減算する処理が行なわれない。また、第1飾り図柄変動中処理においても同様に中断処理が行なわれる。
【0263】
図26(n)の第1飾り変動表示部8kにおいては、変動表示が行なわれているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、図26(m)で発生した大当りが終了したときの表示状態を示している。このとき、第2大当り終了処理(図16参照)では、第2確変開始フラグがセットされていないため、確変フラグがセットされ(S172)、確変状態に制御される。
【0264】
次に、図26(i)において、表示制御用マイクロコンピュータが、第1飾り変動表示部8kにおいて確変図柄(奇数図柄等)のゾロ目を停止表示させるための第1飾り確変図柄コマンドと、第1飾り図柄変動パターンコマンドとして8001Hのコマンドとを、受信したことにより変動表示が開始された場合について、図26(o)〜(r)を用いて説明する。これは、図11のS132cにおいて第1チャンスフラグがセットされ、図12のS144aにおいてチャンス時間テーブルが参照され、S146において8001Hのコマンドがセットされたことによる。よって、第1特別図柄表示器8においては、図14のS152bにより青色で点灯表示させて変動表示が行なわれる。
【0265】
図26(o)の第1飾り変動表示部8kにおいては、確変図柄「7」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。第2飾り変動表示部9kにおいては、「チャンスタイム中」の表示が消去され、画面中央部で第2飾り図柄の変動表示が行なわれている。なお、第2飾り変動表示部9kにおいては、確変図柄「A」が左表示領域と右表示領域とに停止表示されリーチが発生しているときの表示状態を示している。
【0266】
図26(p)の第1飾り変動表示部8kにおいては、中央にチャンス演出中であることを報知する「チャンスタイム!」が画面中央部に表示され、図26(i)で開始された第1飾り図柄の変動表示が画面右下部に縮小して表示されている。第2飾り変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄変動中処理において第2変動時間タイマがタイムアウトしたと判定され、第2飾り図柄停止待ち処理において飾り図柄の組合せとして、確変図柄「A」のゾロ目が停止表示され、確変図柄による大当りが発生したときの表示状態を示している。このとき、第2特別図柄表示器9においても同様に、確変図柄が導出表示される。また、図14の第1特別図柄変動処理においては、第2大当り実行中フラグがオン状態にセットされているため、S159、S160で中断フラグと中断コマンドとがセットされる。これにより、以後の第1特別図柄変動処理においては、S151において第1特別図柄プロセスタイマから1減算する処理が行なわれない。また、第1飾り図柄変動中処理においても同様に中断処理が行なわれる。
【0267】
図26(q)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図25(i)で説明したように第1変動時間タイマとしてセットされた600秒が未だ経過していないため、チャンス演出が継続して行なわれている。第2飾り変動表示部9kにおいては、図26(p)で発生した大当り遊技が終了したときの表示状態を示している。このとき、第2大当り終了処理(図16参照)では、第2確変開始フラグがセットされているため、確変フラグがセットされ(S172参照)、確変状態に制御される。
【0268】
図26(r)の第1飾り変動表示部8kにおいては、図25(i)で説明したように第1変動時間タイマとしてセットされた600秒が未だ経過していないため、チャンス演出が継続して行なわれている。第2飾り変動表示部9kにおいては、新たな変動表示が開始されている。なお、第1飾り変動表示部8kにおいては、確変図柄による大当りが発生することとなる。よって、第1飾り変動表示部8kに確変図柄のゾロ目が停止表示されるまでに、第2飾り変動表示部9kにおいて非確変図柄のゾロ目が停止表示され確変状態が終了したとしても、その後、第1飾り変動表示部8kにおいて確変図柄のゾロ目が停止表示されるため、再度確変状態に制御される。
【0269】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0270】
(1) 前述した実施形態においては、確変状態に制御されており、第1特別図柄表示器8において確変図柄とすると判定されているときに、図11のS132cにおいて第1チャンスフラグをセットし、第1特別図柄表示器8において確変図柄が導出表示されるまでに、第2特別図柄表示器9において複数回変動表示を行なうチャンス演出が行なわれる。このため、チャンス演出を行なわない場合と比較し、第2特別図柄表示器9において非確変図柄が導出表示され確変状態が終了したとしても、その後第1特別図柄表示器8において確変図柄が導出表示され確変状態に再度制御されることが保証されているため、確変状態が終了するときの遊技者の興趣の盛り下がりを極力抑止することができるとともに、特別図柄表示器を複数有することによる特有の不利益の発生を防止することができる。また、チャンス演出が行なわれることにより遊技の興趣を向上させることができる。また、確変状態に制御されており、第2特別図柄表示器9において確変図柄とすると判定されているときに、第2チャンスフラグをセットし、第2特別図柄表示器9において確変図柄が導出表示されるまでに、第1特別図柄表示器8において複数回変動表示を行なうチャンス演出が行なわれる。このため、上述した同様の効果を奏する。
【0271】
(2) 前述した実施形態においては、ROM54には図13を用いて説明したように複数種類の変動時間が予め記憶されている。そして、第1変動時間設定処理または第2変動時間設定処理において、ROM54に記憶されている変動時間のうち、チャンスフラグがセットされていないときに選択する変動時間よりも長い変動時間をその後に確変図柄を導出表示する特別図柄表示器の変動時間として選択することにより、チャンス演出を行なうことができる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータによる処理負担を増大させることなく、チャンス演出を容易に行なうことができる。
【0272】
(3) 前述した実施形態においては、確変状態に制御されているときに、図19のS351において短縮変動時間を設定することにより可変入賞装置17が開状態に変化する機会を増加させ、かつ、図20のS363において開放タイマとして5をセットすることにより開状態に変化している時間を延長することができる。これにより、チャンス演出が、第1特別図柄表示器8で行なわれているときと、可変入賞装置17が設けられている第2始動入賞口16に対応する第2特別図柄表示器9で行なわれているときとで、有利度合いを変化させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
【0273】
具体的には、チャンス演出が第1特別図柄表示器8において行なわれているときには、第2特別図柄表示器9において通常通り変動表示が行なわれるため、可変入賞装置17が開状態に制御され第2始動入賞口16に遊技球が入賞しやすくなっても、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられない遊技者にとって無駄となる入賞が発生する可能性が低くなる。一方、チャンス演出が第2特別図柄表示器9において行なわれているときには、第2特別図柄表示器9において長い変動時間の変動表示が行なわれるため、可変入賞装置17が開状態に制御され第2始動入賞口16に遊技球が入賞しやすくなっても、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられない遊技者にとって無駄となる入賞が発生する可能性が高くなる。すなわち、遊技者にとって無駄となる入賞が発生する可能性が、チャンス演出が第1特別図柄表示器8において行なわれているときよりも、チャンス演出が第2特別図柄表示器9において行なわれているときの方が、高くなる。このように、チャンス演出がいずれの特別図柄表示器において行なわれるかによって、有利度合いを変化させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
【0274】
(4) 前述した実施形態においては、チャンス演出が行なわれているときに、特別図柄表示器において青色で点灯表示させた図柄を変動表示したり、図25、図26で説明したように飾り変動表示部において「チャンスタイム」表示が行なわれるため、遊技者に対し容易に認識させることができる。
【0275】
(5) 図6のS23〜S25に示されるように、2msタイマ割込処理を一回実行する間に、大当り判定用のランダムカウンタによる数値データの更新(S24)が実行される前に、第1特別図柄プロセス処理の第1始動口スイッチ通過処理(図8)により第1特別図柄表示器8の変動表示の大当り判定に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行され(S23,S102)、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行された後に、第2特別図柄プロセス処理の第2始動口スイッチ通過処理(図8と同様)により第2特別図柄表示器9の変動表示の大当り判定に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行される(S25,S102と同様)。これにより、大当り判定値が共通である遊技機において、複数の特別図柄表示器各々における表示態様決定に共通の大当り判定用のランダムカウンタを用いることにより、複数の特別図柄表示器を制御するために必要となるデータ量を最小限度に抑えたときであって、第1特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件と第2特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件とが不正行為により同時に成立した場合であっても、タイマ割込処理を一回実行する間に、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行される前に第1特別図柄プロセス処理で数値データが抽出され、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行された後に第2特別図柄プロセス処理で数値データが抽出される。これにより、第1特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件と第2特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件とが不正行為により同時に成立した場合であっても、これらの特別図柄プロセス処理において抽出された数値データが異なることとなり、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kにおいて不正に同時に特定遊技状態に制御されることを防止できるため、射倖性を適正に保ちつつ不正行為の発生を極力防止することができる。
【0276】
(6) たとえば、図14の第1特別図柄変動処理のS150およびS157によりYESとなると、以降の処理を実行しない制御を行なうことにより、第1および第2特別図柄表示器のうちの一方の側の特別図柄表示器および飾り変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたときに、他方の側の特別図柄表示器および飾り変動表示部における変動表示時間の計測を中断するので、第1および第2特別図柄表示器の両方にて同時に特定遊技状態となる表示結果が発生することを防ぐことができ、第1および第2特別図柄表示器の両方で同時に特定遊技状態が発生することにより遊技者に有利な状態となり過ぎて射倖性が高くなり過ぎてしまわないようにすることができる。
【0277】
(7) CPU56が、特別図柄表示器を構成する7セグメント表示器へ駆動信号を出力する制御を行なうとともに、選択した変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータが、受信した飾り図柄変動パターンコマンドに基づき、第1または第2特別図柄表示器各々に対応して設けられている第1または第2飾り変動表示部における飾り図柄の変動表示に用いる変動パターンや、停止図柄を決定するとともに、該決定した変動パターンおよび停止図柄に従って、第1または第2飾り変動表示部において飾り図柄の変動表示を実行する。これにより、CPU56による制御負担を軽減させることができ、多くのバリエーションの演出を行なうことができる。
【0278】
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0279】
(1) 前述した実施の形態においては、第1チャンスフラグがセットされていないときにS146で決定される変動時間よりも長い変動時間を第1特別図柄表示器8の変動時間として選択することにより、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出を行なう例について説明した。同様に、第2チャンスフラグがセットされていないときに決定(S146参照)される変動時間よりも長い変動時間を第2特別図柄表示器9の変動時間として選択することにより、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、第1チャンスフラグがセットされていないときにS146で決定される変動時間よりも短い変動時間を第2特別図柄表示器9の変動時間として選択することにより、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出を行なうようにしてもよい。また、同様に、第2チャンスフラグがセットされていないときに決定(S146参照)される変動時間よりも短い変動時間を第1特別図柄表示器8の変動時間として選択することにより、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出を行なうようにしてもよい。すなわち、ROM54にはチャンス時間テーブルを参照したときに、その他のテーブルを参照したときよりも短い変動時間がS146において決定されるように複数種類の変動時間を予め記憶する。そして、第1変動時間設定処理または第2変動時間設定処理において、ROM54に記憶されている変動時間のうち、チャンスフラグがセットされていないときに選択する変動時間よりも短い変動時間をその後に確変図柄を導出表示する特別図柄表示器以外の特別図柄表示器の変動時間として選択することにより、チャンス演出を行なうように構成してもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータによる処理負担を増大させることなく、チャンス演出を容易に行なうことができる。
【0280】
具体的には、時短テーブルを参照したときに決定される変動時間が10秒となるように、また、チャンス時間テーブルを参照したときに決定される変動時間が1秒となるように、変動時間テーブルをROM54に記憶させる。そして、図12のS144では第2チャンスフラグがセットされているか否かの判定を行ない、第2チャンスフラグがセットされているときにはS144aでチャンス時間テーブルを参照し、S146で変動時間として1秒が決定されるように構成してもよい。また、同様に、第2変動時間設定処理においても、第1チャンスフラグがセットされているか否かの判定を行ない、第1チャンスフラグがセットされているときにはチャンス時間テーブルを参照し、変動時間として1秒が決定されるように構成してもよい。これにより、たとえば、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出が行なわれるときには、第2特別図柄表示器9において最大で10回変動表示を行なわせることができる。
【0281】
(2) 前述した実施の形態においては、チャンス演出を行なう特別図柄表示器における変動時間を他の特別図柄表示器の変動時間よりも長く設定すること、または、チャンス演出を行なう特別図柄表示器以外の特別図柄表示器における変動時間を、チャンス演出を行なう特別図柄表示器の変動時間よりも短く設定することにより、チャンス演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、チャンス演出を行なう特別図柄表示器の変動時間の減算を、チャンス演出を行なう特別図柄表示器以外の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれるまで、中断するように構成してもよい。このような構成について、図27を用いて説明する。
【0282】
図27は、変形例における第1特別図柄変動処理(S55)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、先ず、第2チャンスフラグがセットされているか否かを判定する(S148)。すなわち、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出が行なわれているか否かを判定する。セットされているときには第1変動カウンタを1加算する(S149)。なお、第1変動カウンタは、RAM55に記憶され、第2特別図柄表示器9においてチャンス演出が行なわれているときに第1特別図柄表示器8において変動表示が行なわれた回数を特定するためのカウンタである。
【0283】
次に、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S150)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定する処理が行なわれる(S152a)。S152aにおいて第1チャンスフラグがセットされていると判定されたときには、第1特別図柄表示器8において青色で点灯表示させた図柄を変動表示する(S152b)。
【0284】
次に、第1チャンスフラグがセットされているときに第2特別図柄変動処理において加算(S149参照)される第2変動カウンタが30に達したか否かを判定する(S152d)。そして30に達していると判定されたときには、第1特別図柄プロセスタイマを1減算する(S152e)。また、30に達していないと判定されたときにはS153aへ移行される。
【0285】
なお、S152aにおいて第1チャンスフラグがセットされていないと判定されたときには、第1特別図柄表示器8において赤色で点灯表示させた図柄を変動表示し(S152c)、S152eで第1特別図柄プロセスタイマを1減算し、S153aへ移行される。
【0286】
次に、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S153a)。S153aにおいて第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていると判定されたときには、第1チャンスフラグがセットされているか否かを判定し(S153b)、セットされているときには第1チャンスフラグをオフ状態にセットし(S153c)、第2変動カウンタをリセットする処理を行なう(S153d)。なお、S154〜S160の処理については、図14のS154〜S160の処理と同様のため、その説明を省略する。
【0287】
以上のように、第1チャンスフラグがセットされているときには、S152dにおいて第2変動カウンタが30に達するまで、S152eにおいて第1特別図柄プロセスタイマを減算しない。このため、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出が行なわれているときには、第2特別図柄表示器9において少なくとも30回以上変動表示が行なわれなければ、チャンス演出が終了し、第1特別図柄表示器8において表示結果が導出表示されることがないように制御することができる。なお、変形例としての第2特別図柄変動処理においても同様に、第2チャンスフラグがセットされているときには、第1変動カウンタが30に達するまで(S152d参照)、第1特別図柄プロセスタイマを減算しない(S152e参照)ように構成すればよい。また、第1飾り図柄変動中処理および第2飾り図柄変動中処理においても同様に、チャンス演出が行なわれているときには、チャンス演出が行なわれている飾り変動表示部以外の飾り変動表示部において30回変動表示が行なわれるまで、変動時間から減算しないように構成すればよい。
【0288】
このような構成は、次のように表現することもできる。前記第1の変動表示部において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから、前記第2の変動表示部において前記変動制御が行なわれた回数をカウントする回数カウント手段(図27のS149、第2特別図柄変動処理についても同様)をさらに備え、前記調整制御手段は、前記回数カウント手段によりカウントされた回数が所定回数(たとえば、30回等)に達したことを条件として表示結果を導出表示することにより、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なう。
【0289】
また、このような構成は、次のように表現することもできる。前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを予め定められた複数種類の変動時間データの中から選択する変動時間データ選択手段(たとえば、図12、第2変動時間設定処理)と、該変動時間データ選択手段によって選択された変動時間データが示す前記変動時間を計測する変動時間計測手段(たとえば、図27のS152e、第2変動時間設定処理)と、該変動時間計測手段により計測された前記変動時間が経過したか否かを判定する変動時間判定手段(たとえば、図27のS153a、第2変動時間設定処理)と、をさらに備え、前記変動制御手段は、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始し、前記変動時間判定手段により前記変動時間が経過した旨の判定がなされたときに表示結果を導出表示し(図15、第2特別図柄停止処理)、前記変動時間計測手段は、前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されており、かつ、前記第1特別表示結果判定手段により前記特別表示結果とすると判定されているときに、前記第1の変動表示部において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから前記第2の変動表示部において前記変動制御が所定回数(30回)行なわれるまで、前記第1の変動表示部における変動時間の計測を中断し(たとえば、図27のS152dでNO、第2変動時間設定処理)、前記第2の変動表示部において前記変動制御が所定回数行なわれた後に変動時間の計測を再開する(たとえば、図27のS152dでYES、第2変動時間設定処理)中断再開制御を行ない、前記調整制御手段は、前記変動時間計測手段により前記中断再開制御が行なわれた後であって、前記変動時間判定手段により前記変動時間が経過した旨の判定がなされたときに表示結果を導出表示することにより、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なう。
【0290】
以上のような構成にすることにより、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なうときの変動時間を予めROM54に記憶させる必要がない。また、前述した内容と同様の効果を奏することができる。なお、所定回数として、保留記憶数の上限回数を設定するようにしてもよい。
【0291】
(3) 前述した実施の形態においては、図10のS121において、大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値である「7,107,207,307,407,507,607,17,117,217」のいずれかと一致するか否かを判定し、一致するときにS123で第1確変時大当りフラグをセットする。そして、S131において確変図柄による大当りが発生すると判定されたときであって、かつ、第1確変時大当りフラグがセットされているときに、第1チャンスフラグをセットし、第1特別図柄表示器8においてチャンス演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、大当り判定用乱数R1が、図5(a)で説明した大当り判定用テーブルの確変時大当り判定値でもあり、通常時大当り判定値でもある「7,17」のいずれかと一致するときに第1確変時大当りフラグをセットするように構成してもよい。すなわち、大当り判定用乱数R1が、確変状態のときと通常状態のときとで共通の大当り判定値と一致することを条件に、チャンス演出を行なうようにしてもよい。このような構成は、次のように表現することもできる。前記調整制御手段は、さらに、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した数値データが前記通常状態判定値と一致し変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると前記第1特定表示結果判定手段が判定したときに、前記長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御を行なう。このような構成によれば、通常状態判定値と一致したときにのみ長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御が行なわれるため、長変動時間データに基づく変動制御または短変動時間データに基づく変動制御が行なわれた後の遊技状態が特別遊技状態に制御されていない遊技状態であるにもかかわらず、特別状態判定値と一致することにより第1の変動表示部において特別表示結果が導出表示される不都合を防止することができる。
【0292】
(4) 前述した実施の形態において、第1チャンスフラグと第2チャンスフラグとが同一時点において双方オン状態にセットされているときには、それぞれの特別図柄表示器毎にセットされた変動時間が経過した後に、または、他の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれた後に、特別表示結果を導出表示する例について説明した。しかし、これに限らず、第1チャンスフラグと第2チャンスフラグとが同一時点において双方オン状態にセットされているときは、後にセットされたチャンスフラグを強制的にクリアし、当該チャンスフラグに対応する特別図柄表示器においてチャンス演出を行なわないようにしてもよい。また、第1チャンスフラグまたは第2チャンスフラグがすでにオン状態にセットされているときは、他のチャンスフラグをオン状態にセットされないように制御し、複数の特別図柄表示器において同一時点においてチャンス演出が行なわれないように構成してもよい。これにより、複数の特別図柄表示器において、チャンス演出が行なわれ、いずれの特別図柄表示器においてもなかなか変動表示が行なわれない不都合の発生を防止することができる。
【0293】
(5) 前述した実施の形態において、一方の特別図柄表示器においてチャンス演出が行なわれているときに、他の特別図柄表示器において非確変図柄による大当りが発生したときであっても、チャンス演出が行なわれている特別図柄表示器にセットされた変動時間が経過した後でなければ、または、他の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれた後でなければ、当該特別図柄表示器において確変図柄の大当りを発生さない例について説明した。しかし、これに限らず、一方の特別図柄表示器においてチャンス演出が行なわれているときに、他の特別図柄表示器において非確変図柄による大当りが発生したときは、チャンス演出が行なわれている特別図柄表示器にセットされた変動時間が経過していなくても、または、他の特別図柄表示器において所定回数変動表示が行なわれていなくても、当該特別図柄表示器において確変図柄の大当りを発生させるように構成してもよい。これにより、連続して大当りが発生するとともに、確変状態が終了した直後に再度確変状態に制御することができため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0294】
(6) 前述した実施の形態では、特別図柄が数字図柄やアルファベットである場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、数字以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切換えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、本実施の形態においては、7セグメント表示器を用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9における変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示することをいい、また、表示結果を導出表示するとは、図柄を点灯させて停止表示することをいう。しかし、これに限らず、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることのできる態様であればよい。
【0295】
(7) 前述した実施の形態では、大当り判定用乱数R1を用いて大当りを発生させる決定が行なわれたときに、確変図柄を停止表示し大当り終了後に確変状態に制御するか否かの確変判定を行ない、確変状態に制御されているときであって非確変図柄による大当りが発生したときに確変状態を強制終了させる例について説明した。しかし、これに限らず、大当り判定用乱数R1を用いて大当りを発生させる決定が行なわれたときに、確変図柄を停止表示し大当り終了後に確変状態に制御するか否かの確変判定を行ない、確変判定により確変状態に制御する判定が行なわれてから所定回数非確変図柄による大当りが発生するまで確変状態を継続させるように構成してもよい。これにより、一旦、確変状態に制御されると、少なくとも所定回数大当りが発生するまで確変状態が継続されるため、遊技者は安心して確変状態における遊技を堪能することができ、興趣を向上させることができる。
【0296】
(8) 前述した実施の形態では、図1に示す弾球遊技機において、遊技領域7の中央部の向かって左側に第1飾り変動表示部8kを、右側に第2飾り変動表示部9kを設け、第1飾り変動表示部8kの上方に第1特別図柄表示器8を、第2飾り変動表示部9kの下方に第2特別図柄表示器9を設けた例について説明した。しかしながら、これに限らず、第1および第2飾り変動表示部、第1および第2特別図柄表示器の配置は、弾球遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。また、第1および第2飾り変動表示部、第1および第2特別図柄表示器は、各々、独立した表示装置として構成される必要はなく、たとえば1つの表示装置が有する表示領域を分割して複数の表示領域が形成されるように構成してもよい。
【0297】
(9) 前述した実施の形態では、基本回路53のCPU56が、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を開始するときに、変動パターンを決定し、さらに、変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータが、変動表示部において飾り図柄の変動表示を開始するときに受信した飾り図柄変動パターンコマンドから変動パターンを決定し、飾り図柄を表示制御する例について説明した。しかし、これに限らず、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに、基本回路53のCPU56が飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。
【0298】
(10) 前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部を備える遊技機について説明したが、これに限らず、たとえば、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、変動表示部の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該変動表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンなどであってもよい。
【0299】
また、弾球遊技機において表示装置を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう弾球遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0300】
また、弾球遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0301】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0302】
(11) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0303】
【図1】弾球遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】第1特別図柄表示器,第1飾り変動表示部,第2特別図柄表示器,および,第2飾り変動表示部各々の変動表示に用いられる図柄の種類を説明するための図である。
【図3】弾球遊技機の回路構成の概要を表したブロック図である。
【図4】遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。
【図5】各種判定値を記憶したデータテーブルを説明するための図である。
【図6】遊技制御メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】第1特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図9】第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図10】第1大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図11】第1特別図柄停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図12】第1変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図13】変動時間テーブルを説明するための図である。
【図14】第1特別図柄変動処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図15】第1特別図柄停止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図16】第1大当り終了処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである
【図18】(a)はゲートスイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は普通図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図19】普通図柄変動時間設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図20】普通図柄停止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】表示制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図22】第1表示制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図23】第1飾り図柄変動中処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】第1飾り図柄停止待ち処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】チャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様の一例を示す図である。
【図26】チャンス演出が行なわれたときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示態様の一例を示す図である。
【図27】変形例における第1特別図柄変動処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0304】
14 第1始動入賞口、16 第2始動入賞口、8 第1特別図柄表示器、9 第2特別図柄表示器、8k 第1飾り変動表示部、9k 第2飾り変動表示部、56 CPU、62 第1始動口スイッチ、67 第2始動口スイッチ、80 表示制御基板、54 ROM、55 RAM、57 I/Oポート部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御を行なう変動制御手段と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることが判定されたとき、前記変動時間データとして非特別時変動時間データを選択する機能を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定されたとき、前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも長い変動時間を示す長変動時間データを前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることを判定されたとき前記第1の変動表示部において、前記変動時間データ選択手段により選択された前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記変動時間データ選択手段が前記長変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示を行なう特定演出表示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データを所定の数値範囲内で更新する判定用数値データ更新手段と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値とを記憶する判定値記憶手段と、
をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致したと判定したとき、前記長変動時間データを前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御を行なう変動制御手段と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることを判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして非特別時変動時間データを選択する機能を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも短い変動時間を示す短変動時間データを選択する機能を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記第1の変動表示部における表示結果を前記特別表示結果とすることが判定され、前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記第2の変動表示部において前記変動時間データ選択手段により選択された前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項5】
前記変動時間データ選択手段が前記短変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示を行なう特定演出表示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データを所定の数値範囲内で更新する判定用数値データ更新手段と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値とを記憶する判定値記憶手段と、
をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致すると判定し、前記変動制御手段により前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記短変動時間データを前記第2の変動表示部における変動時間として選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記複数の変動表示部各々に対応して一つずつ設けられ、遊技領域に打ち出された遊技媒体の進入を検出する遊技媒体検出手段と、
前記複数の変動表示部のうち少なくとも一の変動表示部に対応して設けられ、当該一の変動表示部に対応して設けられた遊技媒体検出手段へ遊技媒体が進入しやすい第1の状態と遊技媒体が進入し難い第2の状態とに変化可能な可変入賞装置と、
該可変入賞装置に対応して設けられ、各々が識別可能な複数種類の普通識別情報の変動表示を行なうことが可能な普通変動表示部と、
前記普通変動表示部において前記複数種類の普通識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する普通変動制御を行なう普通変動制御手段と、
前記普通変動制御手段により前記普通変動表示部において導出表示された変動表示の表示結果が予め定められた普通特定表示結果となったときに、当該普通変動表示部に対応する可変入賞装置を前記第2の状態から前記第1の状態に変化させる変化制御を行なう可変入賞装置制御手段と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときに、前記普通変動制御手段により前記複数種類の普通識別情報の変動表示が実行されてから表示結果が導出表示されるまでの普通変動時間を前記通常状態に制御されているときよりも短縮して前記普通変動制御を行なう機能と、前記可変入賞装置制御手段により前記可変入賞装置が前記第1の状態に変化される時間を前記通常状態に制御されているときよりも延長して前記変化制御を行なう機能と、の少なくとも一つの機能を有することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御を行なう変動制御手段と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることが判定されたとき、前記変動時間データとして非特別時変動時間データを選択する機能を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定されたとき、前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも長い変動時間を示す長変動時間データを前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることを判定されたとき前記第1の変動表示部において、前記変動時間データ選択手段により選択された前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記変動時間データ選択手段が前記長変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記長変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示を行なう特定演出表示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データを所定の数値範囲内で更新する判定用数値データ更新手段と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値とを記憶する判定値記憶手段と、
をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致したと判定したとき、前記長変動時間データを前記第1の変動表示部における変動時間として選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部と、
前記複数の変動表示部のうちいずれかにおける変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったときに、当該特別表示結果となったことにより制御される前記特定遊技状態が終了した後に、前記特定表示結果が導出表示される確率が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも高い状態である特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
該特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果が前記特定表示結果のうち前記特別表示結果以外の非特別表示結果となったとき、前記特別遊技状態の制御を終了し前記通常状態に制御する特別遊技状態終了手段と、を備える遊技機であって、
前記第1の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第1表示結果判定手段と、
前記第2の変動表示部における変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果を前記特別表示結果とするか前記非特別表示結果とするかの判定とを行なう第2表示結果判定手段と、
前記第1表示結果判定手段と前記第2表示結果判定手段との判定結果に基づいて、前記複数の変動表示部各々において前記複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動制御を行なう変動制御手段と、
前記複数種類の変動表示部における前記複数種類の識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動時間を示す変動時間データを複数種類記憶する変動時間データ記憶手段と、
前記変動時間データ記憶手段に記憶されている複数種類の変動時間データの中から一の変動時間データを選択する変動時間データ選択手段と、を備え、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記非特別表示結果とすることを判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして非特別時変動時間データを選択する機能を有するとともに、前記第1表示結果判定手段により前記特別表示結果とすることが判定された変動表示が前記変動制御手段により実行されているとき、前記第2の変動表示部における前記変動時間データとして前記非特別時変動時間データが示す変動時間よりも短い変動時間を示す短変動時間データを選択する機能を有し、
前記変動制御手段は、前記第1表示結果判定手段により前記第1の変動表示部における表示結果を前記特別表示結果とすることが判定され、前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記第2の変動表示部において前記変動時間データ選択手段により選択された前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項5】
前記変動時間データ選択手段が前記短変動時間データを選択したとき、前記変動制御手段が前記短変動時間データに基づいて変動制御を行なっている旨を報知する特定演出表示を行なう特定演出表示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記特定表示結果とするか否かの判定に用いる判定用数値データを所定の数値範囲内で更新する判定用数値データ更新手段と、
該判定用数値データ更新手段によって更新された判定用数値データを抽出する判定用数値データ抽出手段と、
前記通常状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる通常状態判定値と、前記特別遊技状態において前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段による判定に用いられる判定値であって、前記通常状態判定値の個数よりも多く、かつ、前記通常状態判定値と同一の共通判定値を含む特別状態判定値とを記憶する判定値記憶手段と、
をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されていないときに、前記第1表示結果判定手段および前記第2表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが、前記判定値記憶手段に記憶されている前記通常状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときにおいて、前記第1表示結果判定手段は、前記判定用数値データ抽出手段により抽出した判定用数値データが前記特別状態判定値と合致すると判定したとき、変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると判定し、
前記変動時間データ選択手段は、前記第1表示結果判定手段により前記判定用数値データが前記共通判定値と合致すると判定し、前記変動制御手段により前記第1の変動表示部において前記特別表示結果とする変動表示を実行しているとき、前記短変動時間データを前記第2の変動表示部における変動時間として選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記複数の変動表示部各々に対応して一つずつ設けられ、遊技領域に打ち出された遊技媒体の進入を検出する遊技媒体検出手段と、
前記複数の変動表示部のうち少なくとも一の変動表示部に対応して設けられ、当該一の変動表示部に対応して設けられた遊技媒体検出手段へ遊技媒体が進入しやすい第1の状態と遊技媒体が進入し難い第2の状態とに変化可能な可変入賞装置と、
該可変入賞装置に対応して設けられ、各々が識別可能な複数種類の普通識別情報の変動表示を行なうことが可能な普通変動表示部と、
前記普通変動表示部において前記複数種類の普通識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する普通変動制御を行なう普通変動制御手段と、
前記普通変動制御手段により前記普通変動表示部において導出表示された変動表示の表示結果が予め定められた普通特定表示結果となったときに、当該普通変動表示部に対応する可変入賞装置を前記第2の状態から前記第1の状態に変化させる変化制御を行なう可変入賞装置制御手段と、をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときに、前記普通変動制御手段により前記複数種類の普通識別情報の変動表示が実行されてから表示結果が導出表示されるまでの普通変動時間を前記通常状態に制御されているときよりも短縮して前記普通変動制御を行なう機能と、前記可変入賞装置制御手段により前記可変入賞装置が前記第1の状態に変化される時間を前記通常状態に制御されているときよりも延長して前記変化制御を行なう機能と、の少なくとも一つの機能を有することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−14930(P2006−14930A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195525(P2004−195525)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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