説明

遊技機

【課題】遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供する。
【解決手段】遊技領域14a内に2つの始動口6A,6Bが設けられ、遊技球が始動口6Aに入球した場合と、始動口6Bに入球した場合とで、第1種遊技の抽選条件が異なるように設定される。また、始動口6Bは、第2種遊技の始動口と兼用されており、この始動口6Bに遊技球が入球した場合には、可動翼片36が所定時間回動すると共に、所定の選択確率で特別図柄ゲームを実行するか否かが選択される。また、可変入賞装置33の内部に設けられた所定領域P1を遊技球が通過した場合には、選択モードが変更される。従って、遊技者に対して、遊技球が所定領域P1を通過することについての関心を持たせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパチンコ機等の遊技機に係り、特に、遊技性に富んだ遊技形態を備える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における遊技機としてのパチンコ機では、始動口に遊技球が入球すると電動チューリップが開放され、該電動チューリップを介して導入される入賞領域に設けられたVゾーンを遊技球が通過すると大当たり遊技を実行する第2種遊技と、始動口に遊技球が入球すると大当たり抽選が行われ、この大当たり抽選に当選すると大当たり遊技を実行する第1種または第3種遊技と、が存在する。更に、近年においては、上述した第2種遊技と、第1種または第3種遊技とを一台の遊技機で行い得る複合種のパチンコ機が提供され始めている。
【0003】
また、昨今におけるパチンコ機では、遊技者に対してより多くの大当たり抽選の機会を提供することが望まれ、このために、遊技盤に複数の始動口を設け、更に、各始動口に対応した識別情報をそれぞれ変動表示するものが提供されている。このようなパチンコ機の従来例として、例えば、特開2006−26042号公報(特許文献1)、及び特開2006−181354号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。
【0004】
上記特許文献1では、複数の始動口に遊技球が入球した場合に、複数の識別情報の変動を同期させることが開示され、また、上記特許文献2では、複数の始動口のうちの一つの始動口に遊技球が入球したことを契機に行われた大当たり抽選が当選である場合には、他方の始動口へ遊技球が入球したことに基づく識別情報の変動を継続させることが記載されている。
【特許文献1】特開2006−26042号公報
【特許文献2】特開2006−181354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1,2に記載された遊技機では、複数の始動口が設けられることにより、遊技者に対して多くの大当たり抽選の機会が提供されるものの、各始動口へ遊技球が入球したことによる抽選の条件は同一とされているので、遊技者は遊技球を入球させようとする始動口を狙う位置を変更する等の操作を行う必要はなく、結局は従来におけるパチンコ機と対比してさほど遊技性は変化していない。また、前述した複合種の遊技機においては、単に異なる種類の遊技を行い得るのみであり、複合種であることの特性を生かした新たな遊技形態を有する遊技機の提供が待望なされていない。そこで、複数の始動口を有すると共に、複数種類の遊技を行い得る、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機の提供が望まれている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、遊技球が転動する遊技領域が設けられた遊技盤と、前記遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利となる第1特別遊技へ移行する契機となる特定領域を含む第1特別遊技移行可能領域へ、前記遊技領域を転動する遊技球が入球し難い状態から、入球し易い状態へ切り換える可動部材と、前記第1特別遊技移行可能領域外の前記遊技領域に設けられた第1特別領域を遊技球が通過した際に、前記可動部材を所定時間だけ可動させて、前記第1特別遊技移行可能領域に遊技球が入球し易い状態とする制御を行う可動部材制御手段と、前記第1特別遊技移行可能領域に入球した遊技球が、この第1特別遊技移行可能領域内に設けられた前記特定領域を通過した場合に、前記第1特別遊技を実行する制御を行う第1特別遊技実行制御手段と、前記第1特別遊技移行可能領域外の前記遊技領域に複数設けられた第2特別領域を、遊技球が通過したことを条件として、通常遊技から該通常遊技よりも遊技者にとって有利な、前記第1特別遊技とは異なる第2特別遊技に移行するか否かの抽選を行う第2特別遊技抽選手段と、複数の前記第2特別領域のうち、一の第2特別領域を通過した場合と、他の第2特別領域を通過した場合で、前記第2特別遊技抽選手段による抽選条件を変更する制御を行う抽選条件変更手段と、前記抽選条件変更手段により変更された抽選の条件に基づく、前記第2特別遊技抽選手段による抽選の結果が当選であった場合に、第2特別遊技を実行する制御を行う第2特別遊技実行制御手段と、複数の前記第2特別領域のうち、前記第1特別領域と兼用であるいずれかの前記第2特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2特別遊技抽選手段による抽選を実行するか否かを所定の確率で選択する抽選実行選択手段と、前記第1特別遊技移行可能領域に設けられた所定領域を遊技球が通過した際に、前記抽選実行選択手段による選択の、前記所定の確率を変更する制御を行う抽選実行確率変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明では、遊技領域内に複数の第2特別領域が設けられ、このうち一の第2特別領域を遊技球が通過した場合と、他の第2特別領域を遊技球が通過した場合で、第2特別遊技抽選手段による抽選条件が異なるという遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することが可能となる。
【0009】
また、遊技球が第1特別領域と兼用である第2特別領域を通過した場合には、可動部材が可動すると共に、所定の確率で第2特別遊技抽選手段による抽選が行われる。更に、遊技球が第1特別遊技移行可能領域内に入球し、この第1特別遊技移行可能領域内に設けられた所定領域を通過した場合には、上記の所定の確率が変更される。従って、遊技者に対して、遊技球が所定領域を通過することについての関心を持たせることができるという、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記抽選実行確率変更手段は、複数の遊技球が前記所定領域を通過したことを条件として、前記所定の確率をより高い確率に変更する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明では、遊技球が、第1特別遊技移行可能領域内に設けられた所定領域を、複数回通過した場合に、所定の確率がより高い確率に変更されるので、遊技者に対して、遊技球が所定領域を通過することについての関心をより強く持たせることができるという、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記第1特別遊技移行可能領域内には前記所定領域が複数設けられ、且つ、各前記所定領域には、前記抽選実行選択手段による個別の前記所定の確率が設定され、前記抽選実行確率変更手段は、遊技球が一の前記所定領域を通過した場合には、前記第1特別領域と兼用であるいずれかの第2特別領域のうち、一の第2特別領域に対する前記所定の確率を変更し、遊技球が他の前記所定領域を通過した場合には、前記第1特別領域と兼用であるいずれかの第2特別領域のうち、他の第2特別領域に対する前記所定の確率を変更する制御を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明では、複数の所定領域のうちの一の所定領域を遊技球が通過した場合には、第1特別領域と兼用である一の第2特別領域に対する所定の確率が変更され、複数の所定領域のうちの他の所定領域を遊技球が通過した場合には、第1特別領域と兼用である他の第2特別領域に対する所定の確率が変更されるので、遊技者に対して、遊技球が各所定領域を通過することについての関心を持たせることができるという、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機では、遊技領域内に設けられる一の第2特別領域を遊技球が通過した場合と、他の第2特別領域を遊技球が通過した場合とで、第2特別遊技抽選手段による抽選条件が異なり、更に、遊技球が第1特別遊技移行可能領域内に設けられた所定領域を通過した際には、第1特別領域と兼用である第2特別領域を遊技球が通過した場合の、抽選実行選択手段による選択の、所定の確率が変更されるという、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、遊技機の具体例として、パチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
【0016】
[パチンコ遊技機の構成]
図1は本実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図、図2は同パチンコ遊技機の正面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技場に設けられる図示しない遊技機設置基台(遊技島)に当該パチンコ遊技機10を固定するための外枠11と、該外枠11内に配設された本体枠12と、該本体枠12に取り付けられた光透過性を有する遊技盤14と、その他図示しない各種部品と、本体枠12に一側が枢着されて開閉自在とした前枠16と、を備えている。
【0018】
また、遊技盤14のほぼ中央には、液晶表示装置32が設けられており、該液晶表示装置32の表示領域32aには、左列、中列、右列の3列の識別情報が変動表示、及び停止表示されるようになっている。更に、この液晶表示装置32では、遊技に関する演出画像や背景画像を表示することができる。
【0019】
液晶表示装置32の上方には、第1種大当たり遊技(第2特別遊技)に関連する、2つの特別図柄表示器133a,133bが設けられ、これらの各特別図柄表示器133a,133bにて、後述する特別図柄ゲーム(第1種遊技)が実行される。また、液晶表示装置32の左側下方には、普通図柄表示器135、及び第1種大当たり遊技に関連するラウンド数表示器151が設けられている。ここで、遊技盤14の前面側は、遊技球が転動する遊技領域14aとされている。
【0020】
図2に示す遊技領域14aの液晶表示装置32の下方には、第1種遊技(後述)を実行するための始動口6A,及び6B(第2特別領域)が設けられており、このうち始動口6Bは、後述する可変入賞装置33を開放させる契機となる可変入賞口と兼用され、且つ、予め設定されている所定の確率で、第1種大当たり抽選である特別図柄ゲームを実行するか否かを決める選択抽選が行われる。即ち、遊技球が始動口6Bに入球した場合には、可動翼片36が回動して可変入賞装置33内へ遊技球が入球し易い状態とすると共に、特別図柄ゲームを実行するか否かを決める選択抽選が行われる。そして、選択抽選に当選した場合には、第1種大当たり遊技へ移行するか否かを決めるための特別図柄ゲームが実行される。即ち、特別図柄表示器133bにて特別図柄が変動表示された後停止表示する特別図柄ゲームが実行される。更に、これと連動して液晶表示装置32の表示領域32aにて3桁の識別情報が変動表示した後、停止表示する可変表示ゲームが実行される。そして、後述するように、遊技球が始動口6Bに入球したことによる特別図柄ゲームでは、図4に示す第1抽選モードに基づく第1種大当たり抽選が行われる。
【0021】
他方、始動口6Aに遊技球が入球した場合には、特別図柄表示器133aにて特別図柄が変動表示された後停止表示する特別図柄ゲームが実行される。更に、これと連動して液晶表示装置32の表示領域32aにて3桁の識別情報が変動表示した後、停止表示する可変表示ゲームが実行される。そして、後述するように、遊技球が始動口6Bに入球したことによる特別図柄ゲームでは、図4に示す第2抽選モードに基づく第1種大当たり抽選が行われる。
【0022】
つまり、遊技球が始動口6Aに入球した場合には、特別図柄ゲームの実行が抽選により決定される。そして、この始動口6Aに遊技球が入球したことにより実行される特別図柄ゲームと、遊技球が始動口6Bに入球して実行される特別図柄ゲームで、第1種大当たり遊技へ当選するか否かを決める抽選条件が異なるように設定されている。
【0023】
なお、後述する第2の変形例では、始動口6A,6Bの双方が、第1種遊技と第2種遊技の兼用とされる。
【0024】
また、図2に示す本体枠12の上部にはスピーカ46L,46Rが取り付けられると共に、下部右側には発射ハンドル26が取り付けられている。この発射ハンドル26の裏側には、ソレノイド等からなる弾球装置を備える発射装置130(図3参照)が設けられ、更に、この発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられており、遊技者がこのタッチセンサに触れた際に、遊技者により発射ハンドル26が握持されたことが検知される。そして、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、且つ時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射装置130に電力が供給されて遊技球が遊技盤14に順次発射される。なお、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0025】
また、本体枠12の前面下部には上皿20,及び下皿22からなる受け皿ユニット21が設けられている。そして、上皿20に貯留された遊技球が発射装置130に供給されるようになっており、上皿20の容量を越えた遊技球が下皿22に供給されるようになっている。また、前枠16の開口部には、ガラス等からなる透明保護板19(図1参照)が設けられ、更に、遊技盤14の上方には、演出表示や報知などに用いられる各種ランプ132が設けられている。
【0026】
遊技盤14には、その前面に円弧状のガイドレール30a,30bが設けられており、このガイドレール30a,30bに囲まれた内側が遊技領域14aとされている。発射ハンドル26の操作により発射された遊技球は、ガイドレール30aにより案内されて、遊技領域14a内に導入され、遊技領域14a内を下方に向けて転動する。
【0027】
遊技盤14の前面側となる遊技領域14a上には、図示しない複数の障害釘が打ち込まれており、遊技球が遊技領域14aを上部から下部へ流下する際の流下方向を複雑に変化させるようにしている。
【0028】
更に、遊技領域14aの略中央位置には、図2に示すように、遊技球の流下方向を大きく変化させる第1遊技球誘導部材3、及び第2遊技球誘導部材4が上下に対向状態に配設されている。本実施形態では図示のように、これら第1遊技球誘導部材3及び第2遊技球誘導部材4の間に液晶表示装置32の表示領域32aが設けられている。
【0029】
また、遊技盤14の遊技領域14a内には、遊技形態が異なる2種類の遊技を行うための複数の遊技部材が配設されている。ここでは、第1種大当たり遊技(第2特別遊技)を実行するための遊技部材として、液晶表示装置32のほかに、特別図柄ゲームが開始される契機となる前述した始動口6A,6Bと、特別図柄ゲームで第1種大当たり遊技に当選した際に実行される第1種ラウンド遊技において所定時間だけ開放可能となる大入賞口8と、始動口6Aに設けられ電動役物である可動片58a,58bを開放させる契機となる球通過検出ゲート55a,55b等が設けられている。
【0030】
更に、第2種大当たり遊技(第1特別遊技)を実行するための遊技部材として、可変入賞装置(第1特別遊技移行可能領域)33が設けられ、更に、始動口6Aの側部には、この可変入賞装置33を開放させる契機となる可変入賞口(第1特別領域)9が設けられている。また、前述したように始動口6Bは、可変入賞装置33を開放させる契機となる可変入賞口(第1特別領域)と兼用されている。従って、可変入賞口9、或いは始動口6Bのいずれかに遊技球が入球した場合に、可動翼片36が所定時間回動する。なお、後述する第2の変形例では、始動口6Aが始動口6Bと同様に、第1種遊技と、第2種遊技の兼用とされる。この場合には、始動口6Bに遊技球が入球した場合においても、可動翼片36が所定時間回動する。
【0031】
また、遊技領域14aには、遊技球が入球すると入賞となる複数の一般入賞口5と、一般入賞口5、始動口6A,6B、大入賞口8、可変入賞装置33、可変入賞口9のいずれにも入球しなかった遊技球が遊技領域外域へ排出されるアウト口7が設けられている。
【0032】
以下に、上記した第1種遊技、第2種遊技と、各遊技を実行可能とする遊技部材について、図2を参照しながら説明する。
【0033】
第1種遊技では、2つの特別図柄表示器133a,133bのいずれかで特別図柄を変動表示させ、その後停止表示させる特別図柄ゲームを実行する。具体的には、遊技球が遊技領域14a内の始動口6Aに入球した場合には、特別図柄表示器133aにて特別図柄ゲームが実行され、始動口6Bに入球した場合には、特別図柄表示器133bにて特別図柄ゲームが実行される。この際、各特別図柄表示器133a,133bにて同時に特別図柄ゲームが実行されることはなく、いずれか一方の特別図柄表示器で特別図柄ゲームが実行される。本実施形態では、始動口6Aに入球した遊技球に対する特別図柄ゲームが、始動口6Bに入球した遊技球に対する特別図柄ゲームに対して、優先的に実行されるように設定されている。即ち、特別図柄表示器133aで実行される特別図柄ゲームの方が、特別図柄表示器133bで実行される特別図柄ゲームよりも、優先度が高く設定されている。
【0034】
更に、上記の各特別図柄ゲームが実行されると、遊技盤14の略中央に設けられた液晶表示装置32の表示領域32a上で、図柄或いは数字等からなる識別情報を変動表示させた後停止表示させる可変表示ゲームを、上記した各特別図柄表示器133a,133bで実行される特別図柄ゲームと連動させて実行する。
【0035】
第1種遊技は、特別図柄(識別情報)が所定の入賞態様で表示されると、それを移行条件として遊技者に有利な第1種大当たり遊技(第2特別遊技)へ移行させる遊技形態であり、後述する第2種大当たり遊技(第1特別遊技)と対比すると遊技者が獲得できる賞球数が多く、遊技者にとって有利度合いが高い遊技形態である。
【0036】
この特別図柄ゲームは、遊技者が遊技盤14上に発射した遊技球が、遊技盤14の遊技領域14aで液晶表示装置32の下方に設けた始動口6A,始動口6Bへ入球すると、その入球に基づいて、第1種大当たり遊技に当選するか否かについての内部抽選を行う。そして、この内部抽選の結果が当選となり、液晶表示装置32の表示領域32aで実行される可変表示ゲーム(特別図柄ゲームと連動している)で、3桁の各識別情報が予め定められた特定の入賞態様で表示された場合に、第1種大当たり遊技に移行する。なお、本実施形態では、第1種大当たり遊技として、15R通常大当たり遊技と、2R確変大当たり遊技、及び15R確変大当たり遊技の、3種類を設定している。また、上述したように遊技球が始動口6Bに入球した場合には、常に第1種大当たり遊技に当選するか否かの内部抽選が行われるのではなく、選択抽選に当選した場合にのみ行われる。例えば、選択抽選の確率が50%に設定されている場合には、2回中1回の確率で、第1種大当たり遊技への移行抽選を行うか否かの選択抽選が行われる。
【0037】
ここで、上述した15R通常大当たり遊技は、大入賞口8を開閉する動作を、第1ラウンドから第15ラウンドまでの最大15回のラウンド遊技を繰り返し、且つ、1回のラウンド遊技で最高10個の遊技球の入球を受け付ける。そして、大当たり遊技の終了後は、通常モードとなる。また、15R確変大当たり遊技は、上記した15R通常大当たり遊技と同様に、大入賞口8を第1ラウンドから第15ラウンドまでの最大15回のラウンド遊技を繰り返し、且つ、1回のラウンド遊技で最高10個の遊技球の入球を受け付ける。そして、大当たり遊技の終了後は、上記した通常モードよりも第1種大当たり遊技へ移行する確率が相対的に高く設定された確変モードとなる。更に、2R確変大当たり遊技は、大入賞口8を第1ラウンド、及び第2ラウンドの2回のラウンド遊技を実行し、且つ、1回のラウンド遊技で最高2個の遊技球の入球を受け付ける。そして、大当たり遊技の終了後は、確変モードとなる。
【0038】
ここで、遊技球が始動口6Aに入球したときに実行される第1種大当たり抽選と、遊技球が始動口6Bに入球したときに実行される第1種大当たり抽選では、図4に示すように、2R確変大当たり遊技に当選する確率と、15R確変大当たり遊技に当選する確率が異なるように設定されている。
【0039】
具体的には、遊技球が始動口6Aに入球したときに実行される第1種大当たり抽選では、第1抽選モードが選択され、遊技球が始動口6Bに入球したときに実行される第1種大当たり抽選では、第2抽選モードが選択される。そして、第1抽選モードが選択された場合には、15R通常大当たり遊技、或いは15R確変大当たり遊技のいずれかに当選する可能性が設定されている。
【0040】
他方、第2抽選モードが選択された場合には、2R確変大当たり遊技へ移行する場合がある。即ち、第2抽選モードが選択された場合には、15R通常大当たり遊技、2R確変大当たり遊技、或いは15R確変大当たり遊技のいずれかに当選する可能性が設定されている。
【0041】
従って、第1抽選モードが選択された方が、第2抽選モードが選択された場合よりも、15R確変大当たり遊技に当選する確率が相対的に高くなるように設定されている。
【0042】
そして、第1種大当たり遊技では、遊技領域14aの始動口6Aの下方に設けられた大入賞口8を所定時間(例えば、30秒間)、或いは所定個数(例えば10個)の遊技球が入球する間だけ開放状態とする第1種ラウンド遊技が、所定回数(例えば15ラウンド)を限度として行われる遊技態様となる。
【0043】
即ち、大入賞口8には、開閉自在なシャッタ40が設けられており、第1種ラウンド遊技においては、このシャッタ40が開放されて遊技球が受け入れ易くなった開放状態と、シャッタ40が閉鎖して遊技球の入球ができない状態とが所定回数だけ繰り返される。
【0044】
また、この大入賞口8内には、第1Vカウントセンサ102(図3参照)を有する図示省略の第1Vゾーンと、第1カウントセンサ104(図3参照)を有する一般領域(図示せず)とが設けられており、これらの領域を遊技球が所定個数通過するか、或いは、所定時間が経過するまで、シャッタ40が開放状態に駆動される。なお、第1種大当たり遊技が、15R通常大当たり遊技、及び15R確変大当たり遊技の場合には、上記の所定個数は例えば10個であり、所定時間は例えば30秒である。他方、2R確変大当たり遊技の場合には、上記の所定個数は例えば2個であり、所定時間は例えば0.5秒である。
【0045】
つまり、開放状態において大入賞口8への所定数の遊技球の入球、或いは所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口8を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。次いで、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口8に受け入れられた遊技球が第1Vカウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口8が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口8内に設けられた第1Vゾーンを通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態となり、第1種ラウンド遊技が継続可能となる。
【0046】
これにより、遊技者が、大入賞口8が開放状態の間にこの大入賞口8に入球させた遊技球の個数に応じた入賞球を獲得できるようにしている。
【0047】
また、第1種遊技では、遊技球が始動口6A,6Bに入球した場合において、特別図柄ゲームが実行中の場合であり、上限の保留数に達していないことを条件として、特別図柄ゲームの実行が保留される。即ち、特別図柄ゲームの実行中に遊技球が始動口6A,6Bへ入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、当該始動口6A,6Bへの遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行が保留される。
【0048】
より詳細には、各始動口6A,6B毎にそれぞれ最大4つの保留数が設定されており、その保留数は、図2に示す保留ランプ134a,134bが点灯することにより、遊技者に報知される。即ち、始動口6Aに遊技球が入球すると、4個の保留ランプ134aが順次点灯すると共に、特別図柄表示器133aにおける特別図柄ゲームの実行に伴って、点灯する保留ランプ134aの数が減少する。また、始動口6Bに遊技球が入球すると、4個の保留ランプ134bが順次点灯すると共に、特別図柄表示器133bにおける特別図柄ゲームの実行に伴って、点灯する保留ランプ134bの数が減少する。
【0049】
従って、最大8個まで特別図柄ゲームの実行を保留することができる。また、上述したように、各特別図柄表示器133a,133bでは、同時に特別図柄ゲームは実行されないので、各特別図柄表示器133a,133bのうち、いずれか一方でのみ特別図柄ゲームが実行されることになる。この際、保留ランプ134aに保留されている特別図柄ゲーム(即ち、始動口6Aに基づく特別図柄ゲーム)、及び保留ランプ134bに保留されている特別図柄ゲーム(即ち、始動口6Bに基づく特別図柄ゲーム)のうち、保留ランプ134aの保留に基づく特別図柄ゲームが優先的に実行される。
【0050】
例えば、各保留ランプ134a,134bの双方に特別図柄ゲームの実行が保留されている場合には、前回の特別図柄ゲームの終了後には、保留ランプ134aの保留についての特別図柄ゲームが優先して実行されることになる。
【0051】
また、始動口6Aには、電動役物(所謂、電動チューリップ)である一対の可動片58a,58bが開閉自在に付設されている。この可動片58a,58bは、初期状態は閉鎖状態であって、閉鎖状態において遊技球が始動口6Aへ入球するのは一対の可動片58a,58bの狭い間からのみであるが、開方向に駆動された場合は、可動片58a,58bがガイドとなって始動口6Aに遊技球が入り易くなる。
【0052】
また、液晶表示装置32の左右両側の下方には、球通過検出ゲート55a,55bが設けられており、この球通過検出ゲート55a,55bに付設された通過球センサ114a,114b(図3参照)により遊技球の通過が検出されたときに内部抽選が行われ、その抽選結果として、図2に示すように、普通図柄表示器135にて普通図柄が変動表示されると共に停止表示される。
【0053】
そして、例えば内部抽選に当選し、普通図柄表示器135にて、「○」、「×」のうち、「○」で停止表示された場合には、普通電動役物ソレノイド118(図3参照)により、始動口6Aに付設されている可動片58a,58bが所定の開閉パターンで駆動する。
【0054】
即ち、初期状態の閉鎖状態から開方向に駆動されて可動片58a,58bが所定時間だけ開放し、始動口6Aに遊技球が入り易くなる。なお、所定時間が経過すると可動片58a,58bは再び閉鎖されて遊技球が始動口6Aに入り難い状態に戻る。また、上記の内部抽選に外れた場合には可動片58a,58bは駆動することはない。本実施形態では、このような普通図柄を変動表示及び停止表示させ、その結果によって可動片58a,58bが開閉駆動される(あるいは駆動しない状態が維持される)までを普通図柄ゲームと呼ぶ。
【0055】
なお、普通図柄ゲームでは、前述した特別図柄ゲームと同様に、普通図柄ゲームの実行中に、球通過検出ゲート55a,55bを遊技球が通過した場合には、普通図柄ゲームの実行が保留される。この場合の保留数は最大4個であり、図2に示す4個の保留ランプ135aが順次点灯する。
【0056】
また、本実施形態における第2種遊技は、遊技領域14aに設けられた可変入賞装置33の内部のほぼ中央に設けられた入賞口である第2Vゾーン(特定領域)34に遊技球が入球したことを移行条件として、遊技者にとって有利な第2種大当たり遊技(第1特別遊技)に移行させる遊技形態である。なお、第2種遊技は、通常「羽根物ゲーム」と称することがある。また、第2種遊技は、前述した第1種遊技と対比すると、遊技者が獲得できる賞球数が少なく、遊技者にとって有利度合いが低い遊技形態である。
【0057】
可変入賞装置33の内部には、第2Vカウントセンサ108(図3参照)を有する入賞口である第2Vゾーン(特定領域)34と、第2カウントセンサ110(図3参照)を有する入賞口である複数の副入賞口35とが設けられている。また、可変入賞装置33の内部には、後述する選択モードを変更する契機となる所定領域P1が設けられている。遊技球がこの所定領域P1を通過した場合には、特別図柄ゲーム(第1種大当たり抽選)を実行するか否かを決める選択抽選が行われる。
【0058】
更に、この可変入賞装置33の両側部には、一対の可動翼片(可動部材)36を回動軸37を支点に回動自在に取り付けており、この可動翼片36を回動させることにより、可変入賞装置33を開放状態と閉鎖状態との2種類の状態にすることができるような構造としている。
【0059】
そして、第2種遊技(羽根物ゲーム)では、遊技者が遊技盤14上に発射した遊技球が、遊技領域14aの下方に設けられた可変入賞口9、または始動口6Bに入球すると、可動翼片36が回動して可変入賞装置33が所定時間(例えば0.5秒間)で1回だけ開放状態となる。なお、後述する第2の変形例では、始動口6Aに遊技球が入球した場合においても、可動翼片36が開放状態となる。
【0060】
この可変入賞装置33が開放状態である間に、該可変入賞装置33内に遊技球が入球し、更に、この遊技球が第2Vゾーン34に入球すると、第2種大当たり遊技が実行される。
【0061】
第2種大当たり遊技状態では、可変入賞装置33の可動翼片36が所定回数(例えば、16回)回動することにより、可変入賞装置33が所定回数開放状態と閉鎖状態とを繰り返すか、或いは可変入賞装置33が開放状態である間に所定個数(例えば、10個)の遊技球が可変入賞装置33の内部の第2Vゾーン34または副入賞口35に入球するまで、可動翼片36を所定回数回動させる第2種ラウンド遊技が所定回数を限度として行われる遊技態様となる。
【0062】
これにより、可変入賞装置33が開放状態の間に、この可変入賞装置33の内部の第2Vゾーン34または副入賞口35に入球した遊技球の個数に応じた入賞球を、遊技者が獲得できるようにしている。
【0063】
[パチンコ遊技機の電気的構成]
図3は、本実施形態に係るパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロックである。同図に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10の制御回路は、主制御回路60と、副制御回路200と、ランプ群74と、払出・発射制御回路126、及びその他の構成要素から構成されている。
【0064】
主制御回路60は、メインCPU66と、メインROM(読み出し専用メモリ)68と、メインRAM(読み書き可能メモリ)70と、を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0065】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、本実施形態では、メインCPU66は、第2種遊技を実行する際に、遊技領域14aに設けられた可動翼片36を回動させる制御を行う可動部材制御手段としての機能を備える。
【0066】
更に、可動翼片36の回動の作動により、図2に示す第2Vゾーン34内に遊技球が入球した場合に、第2種大当たり遊技(第1特別遊技)を開始し、該第2種大当たり遊技の実行を制御する第1特別遊技実行制御手段としての機能を備える。
【0067】
また、メインCPU66は、第1種遊技を実行する際に、遊技球が始動口6A、或いは6Bに入球した場合に所定の抽選モード(第1抽選モード或いは第2抽選モード)で、第1種大当たり遊技(第2特別遊技)へ移行するか否かの抽選を行う第2特別遊技抽選手段としての機能を備え、且つ、第1種大当たり遊技に当選した場合には、第1種大当たり遊技の実行を制御する第2特別遊技実行制御手段としての機能を備える。
【0068】
更に、メインCPU66は、第1種遊技を実行する際に、遊技球が始動口6Aに入球した場合と、始動口6Bに入球した場合とで、第1種大当たり遊技へ移行させる際の抽選の条件を変更する抽選条件変更手段としての機能を備える。
【0069】
また、メインCPU66は、遊技球が始動口6Bに入球した際に、予め設定されている選択確率で特別図柄ゲーム(第1種大当たり遊技へ移行するか否かを決定する抽選)を実行するか否かを選択するための抽選を行う抽選実行選択手段としての機能を備える。
【0070】
更に、メインCPU66は、遊技球が所定領域P1を通過したことに基づいて、抽選実行選択手段での抽選の確率を変更する抽選実行確率変更手段としての機能を備える。
【0071】
また、メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するための各種プログラムが記憶されており、その他には、第1種遊技に関連した特別図柄ゲームにおける乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり判定テーブル(図4参照)や、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル、普通図柄ゲームにおける乱数抽選によって当たり判定をする際に参照される当たり判定テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0072】
ここで、本実施形態では、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更に、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
【0073】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
【0074】
メインRAM70には、制御状態フラグ、高確率フラグ、第2種大当たり遊技開始フラグ、第1種大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、当たり判定用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、可変入賞装置入賞カウンタ、始動記憶数カウンタ、球通過記憶数カウンタ、可変表示ゲーム用待ち時間タイマ、普通図柄ゲーム用待ち時間タイマ、第2種遊技(羽根物ゲーム)用待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、始動口開放時間タイマ、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタ、可変入賞装置開閉時間タイマ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が設定されている。
【0075】
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。高確率フラグは、第1種遊技の実行により第1種大当たり遊技に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。第2種大当たり開始フラグは、第2種大当たり遊技状態に移行可能であることを示すものである。
【0076】
第1種大当たり判定用乱数カウンタは、第1種遊技において、特別図柄ゲームでの第1種大当たりを判定するための乱数カウンタである。大当たり図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームで第1種大当たり遊技への移行を判定した場合に、停止表示される特別図柄、及び液晶表示装置32に表示する3桁の識別情報を決定するためのものである。
【0077】
はずれ図柄決定用乱数カウンタは、第1種大当たりへ移行しない場合に停止表示する特別図柄、及び識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、3桁の識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。当たり判定用乱数カウンタは、普通図柄ゲームの当たりを判定するためのものである。
【0078】
これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
【0079】
大入賞口開放回数カウンタは、1回の第1種大当たり遊技における大入賞口8の開放回数、即ち、ラウンド遊技数(所謂ラウンド数)を示すものであり、初期設定時やカウンタのクリア時には“1”となっている。そして、メインCPU66は、第1Vカウントセンサ102から所定の検知信号が供給された場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する。
【0080】
大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口8に入賞し、第1Vカウントセンサ102、または第1カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。
【0081】
第2種ラウンド遊技実行回数カウンタは、1回の第2種大当たり遊技において実行された第2種ラウンド遊技の回数(所謂ラウンド数)を示すものであり、初期設定時やカウンタのクリア時には“0”となっている。そして、メインCPU66は、第2Vカウントセンサ108から所定の検知信号が供給された場合に、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する。
【0082】
可変入賞装置入賞カウンタは、1ラウンド中に可変入賞装置33に入賞し、第2Vカウントセンサ108、或いは第2カウントセンサ110を通過した遊技球の数を示すものである。
【0083】
始動記憶数カウンタは、特別図柄ゲームの保留数を示すものである。即ち、各始動口6A,6Bに遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、特別図柄の変動表示を保留し、その保留されている特別図柄の変動回数を示すものである。本実施形態では、2つの始動口6A,6Bに対してそれぞれ、最大4個の保留数が設定されている。
【0084】
球通過記憶数カウンタは、普通図柄ゲームの保留数(以下、球通過記憶数ともいう)を示すものである。即ち、球通過検出ゲート55a,55bを遊技球が通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている普通図柄の変動回数を示すものである。
【0085】
可変表示ゲーム用待ち時間タイマ、普通図柄ゲーム用待ち時間タイマ、及び第2種遊技用待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。
【0086】
また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口8を開放状態としている時間を計測するためのものである。また、始動口開放時間タイマは、可動片58a,58bを駆動させ、始動口6A,6Bを開放状態としている時間を計測するためのものである。
【0087】
可変入賞装置開閉時間タイマは、第2種大当たり遊技状態中に可動翼片36を駆動させ、可変入賞装置33を所定回数(例えば16回)開放、及び閉鎖させる時間を計測するためのものである。なお、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
【0088】
また、メインRAM70には、特別図柄記憶領域、普通図柄記憶領域が設定され、各種のデータが記憶されている。特別図柄記憶領域には、特別図柄ゲームについての保留数を記憶し、普通図柄記憶領域には、普通図柄ゲームについての保留球が記憶される。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0089】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62と、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64と、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72と、を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
【0090】
また、主制御回路60には、各種の機器が接続されている。具体的には、図3に示すように、第1Vカウントセンサ102、第1カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、通過球センサ114a,114b、始動入賞球センサ116a,116b、所定領域通過センサ125、第2Vカウントセンサ108、第2カウントセンサ110、可変入賞球センサ112、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、可動翼片ソレノイド123、及びバックアップクリアスイッチ124が接続されている。
【0091】
第1Vカウントセンサ102は、大入賞口8における第1Vゾーン内に設けられている。この第1Vカウントセンサ102は、大入賞口8における第1Vゾーンを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0092】
第1カウントセンサ104は、大入賞口8における第1Vゾーンとは異なる一般入球ゾーンに設けられている。この第1カウントセンサ104は、大入賞口8における一般入球ゾーンを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0093】
一般入賞球センサ106は、一般入賞口5に設けられている。この一般入賞球センサ106は、各一般入賞口5を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0094】
通過球センサ114a,114bは、球通過検出ゲート55a,55bにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114a,114bは、球通過検出ゲート55a,55bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0095】
始動入賞球センサ116a,116bは、始動口6A,6Bにそれぞれ設けられている。この始動入賞球センサ116a,116bは、始動口6A,6Bに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0096】
所定領域通過センサ125は、可変入賞装置33内に設けられた所定領域P1を遊技球が通過した際に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0097】
第2Vカウントセンサ108は、可変入賞装置33における第2Vゾーン34内に設けられている。この第2Vカウントセンサ108は、可変入賞装置33における第2Vゾーン34を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0098】
第2カウントセンサ110は、可変入賞装置33における第2Vゾーン34とは異なる副入賞口35に設けられている。この第2カウントセンサ110は、可変入賞装置33における副入賞口35を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0099】
可変入賞球センサ112は、可変入賞口9に設けられている。この可変入賞球センサ112は、可変入賞口9に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に出力する。
【0100】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して始動口6Aに付設された可動片58a,58bに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、可動片58a,58bを開放状態、或いは閉鎖状態とする。
【0101】
大入賞口ソレノイド120は、大入賞口8を開閉するシャッタ40(図2を参照)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口8を開放状態、或いは閉鎖状態とする。
【0102】
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40の内側に設けられている図示しないシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、遊技球が第1Vゾーンを通過し易くなるように、或いは一般入球ゾーンを通過しやすくなるように切り替えることとなる。
【0103】
可動翼片ソレノイド123は、リンク部材(図示せず)を介して可変入賞装置33に付設された可動翼片36に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて可動翼片36を回動させることにより可変入賞装置33を開放状態、或いは閉鎖状態とする。
【0104】
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有するものである。
【0105】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、賞球となる遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。
【0106】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
【0107】
また、発射装置130には、発射用ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。
【0108】
更に、主制御回路60には、ランプ群74が接続されている。ランプ群74は、特別図柄ゲームの結果を表示する特別図柄表示器133a,133bと、普通図柄ゲームの結果を表示する普通図柄表示器135と、第1種大当たり遊技が実行されている際の、ラウンド遊技数を表示するラウンド数表示器151を備えている。更に、特別図柄ゲーム用の保留ランプ134a,134b、及び普通図柄ゲーム用の保留ランプ135aを備えている。
【0109】
他方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L,46Rから発生させる音声に関する制御、各種ランプ132の制御等を行うものであり、主に演出表示などの制御を行う。
【0110】
副制御回路200は、サブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L,46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、各種ランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されており、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0111】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。特に、サブCPU206は、液晶表示装置32に対する表示制御を行うと共に、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0112】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
【0113】
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。副制御回路200による演出表示は、3桁の識別情報の変動表示、及び停止表示を含む可変表示ゲームの進行に応じて実行される。
【0114】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が設定されている。
【0115】
なお、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0116】
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPという)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
【0117】
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
【0118】
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32に画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
【0119】
画像データROM216には、背景画像データ、演出画像データ、識別情報データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。
【0120】
また、VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、背景画像データ、演出画像データ、識別情報画像データ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。更に、このVDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
【0121】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPという)から構成されている。
【0122】
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46L,46Rから発生させる音声の制御を行う。
【0123】
サブCPU206は、演出パターンを選択し、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。その後、サブCPU206は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音源IC232に供給する。音声データを受け取った音源IC232は、その音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ46L,46Rから音声を発生させる。
【0124】
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。
【0125】
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図5〜図7、図9〜図11、図13〜図23、図25に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される可変表示ゲーム制御処理(図7)の状態遷移については図8を用いて、パチンコ遊技機10で実行される羽根物ゲーム制御処理(図11)の状態遷移については図12を用いて説明する。
【0126】
[メイン処理]
まず、メイン処理について説明する。主制御回路60のメインCPU66は、図5に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化、始動記憶数カウンタ等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。
【0127】
その後、第1種遊技(特別図柄ゲーム)を実行し、且つ、液晶表示装置32に表示される演出用の識別情報を可変表示させる可変表示ゲームを実行する(ステップS12)。更に、後述する第2種遊技(羽根物ゲーム)の実行処理を行う(ステップS13)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12、S13の処理を繰り返し実行することとなる。
【0128】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図6を参照して説明する。
【0129】
まず、図6に示すように、メインCPU66は、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、詳しくは図14を用いて後述するが、第1種遊技に関する始動口6A,6B、第2種遊技に関する可変入賞口9、球通過検出ゲート55a,55b、一般入賞口5等の遊技球の入球、または通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。
【0130】
この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入球したことを条件として、遊技球を賞球として払い出す旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための可変表示ゲーム用待ち時間タイマ、普通図柄ゲーム用待ち時間タイマ、第1種大当たり遊技が実行される際に開放する大入賞口8の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ、第2種大当たりが遊技が実行される際に所定回数開放及び閉鎖を繰り返す可変入賞装置33の開閉時間を計測するための可変入賞装置開閉時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。
【0131】
そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
【0132】
ステップS25では、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、左列、中列、右列に表示される各識別情報の種類を示す識別情報指定コマンド、各識別情報の変動表示パターンを示す識別情報変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
【0133】
ステップS26の処理では、メインCPU66は、払出装置128に賞球の払い出しを行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。この処理により、各種入賞口へ遊技球が入賞した場合には、予め設定された所定数の賞球が払出装置128から払い出される。また、この処理が終了した場合には、ステップS27に処理を移す。
【0134】
ステップS27では、普通図柄ゲーム制御処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄表示器135にて、「○」「×」の図柄を変動表示及び停止表示させて、普通図柄ゲームを実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0135】
[特別図柄制御処理]
図5のステップS12において実行される特別図柄ゲーム制御処理のサブルーチンについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図7において、ステップS32からステップS40の側方に示した数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
【0136】
まず、図7に示すように、メインCPU66は、ステップS30にて、特別図柄ゲーム実行抽選処理を行う。この処理では、遊技球が始動口6Bに入球したことが検出された際に、後述の図20に示す手順により、特別図柄ゲームを実行するか否かを抽選により決定する。
【0137】
次に、ステップS31にて、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS32に処理を移す。
【0138】
なお、後述するステップS32からステップS40において、メインCPU66は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS32からステップS40における処理のいずれかを実行可能にするものである。
【0139】
また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された可変表示ゲーム用待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。勿論、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0140】
ステップS32では、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図9を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、特別図柄ゲームの保留数のチェックを行い、保留数が存在する場合に、大当たり判定、停止表示する特別図柄、及び識別情報の変動パターン等の決定を行う。
【0141】
また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を特別図柄ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS33の処理を実行するように設定する。
【0142】
更に、始動記憶数カウンタを“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、始動記憶数を示すデータを、メインRAM70の所定領域に記憶する。
【0143】
ステップS33では、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を特別図柄ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS34の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS34に処理を移す。
【0144】
ステップS34では、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、第1種大当たり遊技に当選したか否かを判断する。メインCPU66は、第1種大当たりに当選している場合に、第1種大当たり開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、第1種大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を特別図柄ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、第1種大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS35の処理を実行するように設定する。
【0145】
一方、メインCPU66は、第1種大当たり遊技に当選していない場合に、可変表示ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS40の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS35に処理を移す。
【0146】
ステップS35においては、第1種大当たり開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが第1種大当たり開始インターバル管理を示す値(03)であり、その第1種大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口8を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に設定された変数を更新する。また、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットすると共に、上限開放時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS37の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
【0147】
ステップS36では、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、再び大入賞口8を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に設定された変数を更新する。また、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットすると共に、上限開放時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS37の処理を実行するように設定する。
【0148】
更に、メインCPU66は、大入賞口入賞カウンタを含む各第1種ラウンド遊技での入賞状況に関連する各種カウンタの値をクリアする処理(少なくとも大入賞口入賞カウンタの値を“0”にクリアする処理)を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS37に処理を移す。
【0149】
ステップS37では、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、上限開放時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。そして、メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口8を閉鎖させるために、メインRAM70に設定された変数を更新する。
【0150】
また、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットし、大入賞口内残留球監視時間(例えば、1秒)を特別図柄ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS38の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS38に処理を移す。
【0151】
ステップS38では、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口8における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“15”以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、第1種大当たり終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、第1種大当たり終了インターバルに対応する時間を可変表示ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、第1種大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS39の処理を実行するように設定する。
【0152】
一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を特別図柄ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS36の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
【0153】
ステップS39においては、第1種大当たり終了インターバル処理を実行する。詳しくは図10を用いて後述するが、この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが第1種大当たり終了インターバルを示す値(07)であり、第1種大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS40の処理を実行するように設定する。
【0154】
また、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)のセットに基づき、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタ及び大入賞口入賞カウンタを含む第1種大当たり遊技での遊技状況に関連する各種カウンタの値をクリアする処理(少なくとも大入賞口開放回数カウンタは“1”に、大入賞口入賞カウンタは“0”にクリアする処理)を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
【0155】
ステップS40では、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが可変表示ゲーム終了を示す値(08)である場合に、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。また、メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS32の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0156】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図8に示すように、第1種大当たり遊技ではない場合において、大当たり判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図7に示すステップS32、ステップS33、ステップS34、ステップS40の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
【0157】
また、メインCPU66は、第1種大当たり遊技ではない場合において、大当たり判定の結果が第1種大当たりであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図7に示すステップS32、ステップS33、ステップS34、ステップS35の処理を所定のタイミングで実行し、第1種大当たり遊技への制御を実行することとなる。
【0158】
更には、メインCPU66は、第1種大当たり遊技への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図7に示すステップS37、ステップS38、ステップS36の処理を所定のタイミングで実行し、第1種ラウンド遊技を実行することとなる。なお、第1種ラウンド遊技が実行されている場合において、第1種大当たり遊技の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図7に示すステップS37からステップS40の処理を所定のタイミングで実行し、第1種大当たり遊技を終了することとなる。なお、この第1種大当たり遊技は、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、または第1種ラウンド遊技最大継続数(本実施形態においては、例えば15ラウンド)が終了したことを条件として終了することとなる。
【0159】
[特別図柄記憶チェック処理]
図7のステップS32において実行される特別図柄記憶チェック処理のサブルーチンについて、図9に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図9のステップS51に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS52に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0160】
そして、ステップS52では、特別図柄ゲームの保留数が“0”であるか否かの判断を行う。即ち、この処理において、メインCPU66は、始動記憶数カウンタから始動記憶数(即ち、「特別図柄ゲームの保留数を示すデータ」)を読み出し、始動記憶数が“0”であるか否かの判断を行い、始動記憶数が“0”であると判別した場合には、ステップS53に処理を移し、始動記憶数が“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS54に処理を移す。本実施形態では、上述したように、始動口6Aに基づく保留数と、始動口6Bに基づく保留数が存在する。即ち、遊技球が始動口6Aに入球した場合には、特別図柄表示器133aで特別図柄ゲームを実行するための保留ランプ134aが順次点灯し、遊技球が始動口6Bに入球した場合には、特別図柄表示器133bで特別図柄ゲームを実行するための保留ランプ134bが順次点灯する。そして、「始動記憶数が“0”である」とは、各始動口6A,6Bに基づく保留数が共にゼロであることを示す。
【0161】
ステップS53では、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、副制御回路200に、デモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0162】
ステップS54では、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS55に処理を移す。
【0163】
ステップS55では、大当たり判断処理を実行する。この大当たり判断処理では、前述した特別図柄ゲーム選択処理で選択された特別図柄ゲームを実行して、第1種遊技の大当たり抽選を行う。本実施形態では、遊技球が始動口6Aに入球した際に実行される特別図柄ゲームと、遊技球が始動口6Bに入球した際に実行される特別図柄ゲームで、第1種大当たり抽選を行う際の抽選モードが異なるように設定されている。
【0164】
具体的には、遊技球が始動口6Aに入球した際に実行される特別図柄ゲームでは、図4に示した第1抽選モードに基づいて、第1種大当たり遊技の抽選を行い、遊技球が始動口6Bに入球した際に実行される特別図柄ゲームでは、図4に示した第2抽選モードに基づいて、第1種大当たり遊技の抽選を行う。
【0165】
図4に示すように、遊技球が始動口6Aに入球したときに選択される第1抽選モードでは、2R確変大当たり遊技へ移行する確率がゼロとなっている。即ち、第1抽選モードが選択された場合には、15R通常大当たり遊技、或いは15R確変大当たり遊技のいずれかに当選する可能性がある。
【0166】
他方、遊技球が始動口6Bに入球したときに選択される第2抽選モードでは、2R確変大当たり遊技へ移行する場合がある。即ち、第2抽選モードが選択された場合には、15R通常大当たり遊技、2R確変大当たり遊技、或いは15R確変大当たり遊技のいずれかに当選する可能性がある。
【0167】
また、第1抽選モードが選択された場合と、第2抽選モードが選択された場合で、第1種大当たり遊技(15R通常、2R確変、15R確変の各大当たり遊技)に当選する合計の確率は同一となっており、更に、第1抽選モードが選択された場合の方が、第2抽選モードが選択された場合よりも、15確変大当たり遊技に当選する確率が相対的に高く設定されている。つまり、第1抽選モードが選択された場合の方が、第2抽選モードが選択された場合よりも、多くの賞球を獲得する可能性が高く、遊技者にとって有利となっている。
【0168】
そして、メインCPU66は、始動入賞時(遊技球が始動口6Aまたは6Bに入球したとき)に抽出された大当たり判定用乱数値と、メインROM68に記憶された、図4に示す如くの大当たり判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な第1種大当たり遊技(15R通常大当たり遊技、2R確変大当たり遊技、及び15R確変大当たり遊技)とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS56に処理を移す。
【0169】
ステップS56では、第1種大当たりであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS55の参照の結果に基づいて、第1種大当たりであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、第1種大当たりであると判別した場合には、ステップS57に処理を移し、第1種大当たりであるとは判別しなかった場合には、ステップS58に処理を移す。
【0170】
ステップS57では、大当たり図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当たり図柄用乱数値を抽出し、その大当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄表示器133a,133bに停止表示する特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。更に、液晶表示装置32の表示領域32aに設定した左列、中列、右列に対応する各識別情報が決定され、その識別情報を示すデータが、図6のステップS25の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止させる識別情報の図柄指定コマンドとして出力される。この処理が終了した場合には、ステップS59に処理を移す。
【0171】
ステップS58では、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄決定用乱数カウンタからはずれ図柄決定用乱数値を抽出し、そのはずれ図柄決定用乱数値に基づいて特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。また、左列、中列、右列に対応する各識別情報が決定され、その識別情報を示すデータは、図6のステップS25の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に、停止させる識別情報の図柄指定コマンドとして出力される。この処理により、識別情報の可変表示の結果が決定される。
【0172】
なお、メインCPU66は、左列と右列とが同じ識別情報となり、更には、左列及び右列と中列とが同じ識別情報となる場合には、中列の識別情報を、所定のコマ数(例えば3コマ)だけ補正するように決定し、第1種大当たり遊技とならないように制御している。つまり、はずれの場合には、3つの識別情報が揃わないように制御される。この処理が終了した場合には、ステップS59に処理を移す。
【0173】
ステップS59では、特別図柄と連動して変動する3桁の識別情報の変動パターンを決定するための、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS57及びステップS58により決定された左列、中列、右列の識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。
【0174】
そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図6のステップS25の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に識別情報変動パターン指定コマンドとして供給される。
【0175】
これにより、副制御回路200のサブCPU206は、受信した識別情報変動パターン指定コマンドに応じて、図2に示したように、液晶表示装置32の表示領域32aに識別情報の可変表示ゲームを演出表示することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS60に処理を移す。
【0176】
ステップS60では、決定した変動パターンに対応する変動時間を可変表示ゲーム用待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS59の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルとに基づいて、変動演出時間を算出し、その変動演出時間を示す値を可変表示ゲーム用待ち時間タイマに記憶する。そして、ステップS61にて、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS62に処理を移す。
【0177】
ステップS62では、メインCPU66は、始動記憶数カウンタを“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、始動記憶数を示すデータを、メインRAM70の所定領域に記憶する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0178】
[第1種大当たり終了インターバル処理]
図7のステップS39において実行される第1種大当たり終了インターバル処理のサブルーチンについて、図10のフローチャートを参照して説明する。まず、図10のステップS71に示すように、メインCPU66は、制御状態フラグが第1種大当たり終了インターバルを示す値(07)であるか否かの判断を行い、制御状態フラグが第1種大当たり終了インターバルを示す値であると判別した場合には、ステップS72に処理を移す一方、制御状態フラグが第1種大当たり終了インターバルを示す値であると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0179】
そして、ステップS72においては、制御状態フラグとして特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄ゲーム終了を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
【0180】
ステップS73では、第1種大当たり関連カウンタクリア処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタ及び大入賞口入賞カウンタを含む第1種大当たり遊技での遊技状況に関連する各種カウンタの値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0181】
[第2種遊技(羽根物ゲーム)制御処理]
次に、図5のステップS13にて実行される第2種遊技(羽根物ゲーム)制御処理のサブルーチンについて、図11に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図11において、ステップS92からステップS98の側方に示した数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、羽根物ゲーム(第2種遊技)が進行することとなる。
【0182】
まず、図11のステップS91に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS92に処理を移す。
【0183】
なお、後述するステップS92からステップS98において、メインCPU66は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、羽根物ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS92からステップS98における処理のいずれかを実行可能にするものである。
【0184】
また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された羽根物ゲーム用待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。勿論、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0185】
ステップS92においては、第2種大当たり開始判定処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが第2種大当たり開始判定を示す値(00)である場合に、第2種大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断する。
【0186】
メインCPU66は、後述する図19のステップS236の処理でメインRAM70の所定領域に記憶される第2種大当たり開始フラグが存在するか否かによって第2種大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断し、第2種大当たり開始フラグが存在する場合には、第2種大当たり開始インターバル管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットすると共に、第2種大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を特別図柄ゲーム用待ち時間タイマにセットし、メインRAM70における前記第2種大当たり開始フラグの記憶領域をクリアする処理を行う。つまり、第2種大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS93の処理を実行するように設定する。
【0187】
また、メインCPU66は、第2種大当たり開始フラグが存在しない場合には、羽根物ゲーム終了を示す値(06)をセットする。つまり、ステップS98の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS93に処理を移す。
【0188】
ステップS93では、第2種大当たり開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが第2種大当たり開始インターバル管理を示す値(01)であり、その第2種大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、可変入賞装置33を繰り返し開放、及び閉鎖させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に設定された変数を更新する。また、メインCPU66は、可変入賞装置33の開閉を示す値(02)を制御状態フラグにセットすると共に、上限開閉時間(例えば20秒)を可変入賞装置開閉時間タイマにセットする。つまり、ステップS95の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS94に処理を移す。
【0189】
ステップS94では、可変入賞装置再開放待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが可変入賞装置再開放待ち時間管理を示す値(04)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、再び可変入賞装置33を繰り返し開放、及び閉鎖させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に設定された変数を更新する。また、メインCPU66は、可変入賞装置33の開閉を示す値(02)を制御状態フラグにセットすると共に、上限開閉時間(例えば20秒)を可変入賞装置開閉時間タイマにセットする。
【0190】
つまり、ステップS95の処理を実行するように設定する。更に、メインCPU66は、可変入賞装置入賞カウンタを含む各第2種ラウンド遊技での入賞状況に関連する各種カウンタの値をクリアする処理(少なくとも可変入賞装置入賞カウンタの値を“0”にクリアする処理)を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS95に処理を移す。
【0191】
ステップS95では、可変入賞装置開閉処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが可変入賞装置開閉を示す値(02)である場合に、可変入賞装置入賞カウンタが“10”以上であるという条件、上限開閉時間を経過した(可変入賞装置開閉時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。そして、メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、可変入賞装置33の開閉動作を終了させるために、メインRAM70に設定された変数を更新する。
【0192】
また、メインCPU66は、可変入賞装置再開放管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、可変入賞装置再開放管理時間(例えば1秒)を羽根物ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、可変入賞装置再開放管理時間が経過した後、ステップS96の処理を実行するように設定する。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS96に処理を移す。
【0193】
ステップS96では、可変入賞装置再開放管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが可変入賞装置再開放管理を示す値(03)であり、可変入賞装置再開放管理時間が経過した場合に、可変入賞装置33における第2Vゾーン34を遊技球が通過しなかったという条件、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタの数値がメインRAM70に記憶された最大ラウンド数に達したという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、第2種大当たり終了インターバルを示す値(05)を制御状態フラグにセットし、第2種大当たり終了インターバルに対応する時間を羽根物ゲーム用待ち時間タイマにセットする。
【0194】
つまり、第2種大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS97の処理を実行するように設定する。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、可変入賞装置再開放待ち時間管理を示す値(04)を制御状態フラグにセットし、ラウンド間インターバルに対応する時間を羽根物ゲーム用待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS94の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS97に処理を移す。
【0195】
ステップS97では、第2種大当たり終了インターバル処理を実行する。詳しくは図13を用いて後述するが、この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが第2種大当たり終了インターバルを示す値(05)であり、第2種大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、羽根物ゲーム終了を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS98の処理を実行するように設定する。
【0196】
また、第2種遊技(羽根物ゲーム)終了を示す値(06)のセットに基づき、メインCPU66は、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタ、及び可変入賞装置入賞カウンタを含む第2種大当たり遊技状態での遊技状況に関連する各種カウンタの値をクリアする処理(少なくとも第2種ラウンド遊技実行回数カウンタ、及び可変入賞装置入賞カウンタを“0”にクリアする処理)を実行すると共に、メインRAMの所定領域に記憶された最大ラウンド数情報をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS98に処理を移す。
【0197】
ステップS98においては、第2種遊技終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが第2種遊技の終了を示す値(06)である場合に、次回の第2種ラウンド遊技の実行のために、第2種大当たり開始判定を示す値(00)をセットする。つまり、ステップS92の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0198】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、第2種遊技(羽根物ゲーム)が実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図12に示すように、第2種大当たり遊技状態ではない場合において、メインRAM70の所定領域に第2種大当たり開始フラグが記憶されていないときには、制御状態フラグを“00”、“06”と順にセットすることにより、図11に示すステップS92、ステップS98の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
【0199】
また、メインCPU66は、第2種大当たり遊技状態ではない場合において、メインRAM70の所定領域に第2種大当たり開始フラグが記憶されているときには、制御状態フラグを“00”、“01”と順にセットすることにより、図11に示すステップS92、ステップS93の処理を所定のタイミングで実行し、第2種大当たり遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、第2種大当たり遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“02”、“03”、“04”と順にセットすることにより、図11に示すステップS95、ステップS96、ステップS94の処理を所定のタイミングで実行し、第2種ラウンド遊技を実行することとなる。なお、第2種ラウンド遊技が実行されている場合において、第2種大当たり遊技状態の終了条件(第2種大当たり遊技終了条件)が成立した場合には、“02”、“03”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図11に示すステップS95からステップS98の処理を所定のタイミングで実行し、第2種大当たり遊技状態を終了することとなる。なお、この第2種大当たり遊技状態は、所定の時間が経過するまでに第2Vゾーン34への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、または第2種ラウンド遊技最大継続数が終了したことを条件として終了することとなる。
【0200】
[第2種大当たり終了インターバル処理]
図11のステップS97において実行される第2種大当たり終了インターバル処理のサブルーチンについて、図13を参照して説明する。
【0201】
まず、メインCPU66は、図13のステップS111に示すように、制御状態フラグが第2種大当たり終了インターバルを示す値(05)であるか否かの判断を行い、制御状態フラグが第2種大当たり終了インターバルを示す値であると判別した場合には、ステップS112に処理を移す。他方、制御状態フラグが第2種大当たり終了インターバルを示す値であると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0202】
そして、ステップS112では、制御状態フラグとして第2種遊技終了を示す値(06)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、第2種遊技(羽根物ゲーム終了)を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0203】
[入力検出処理]
次に、図6のステップS22において実行される入力検出処理のサブルーチンについて図14を用いて説明する。まず、図14のステップS131に示すように、メインCPU66は、賞球関連スイッチチェック処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、賞球に関連するスイッチである第1Vカウントセンサ102、第1カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、第2Vカウントセンサ108、第2カウントセンサ110、可変入賞球センサ112、始動入賞球センサ116a,116bなどの各種のセンサより、所定の検知信号が供給されているかを検出する。そして、これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、信号を供給したセンサに応じて、賞球の数を決定し、メインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS132に処理を移す。
【0204】
ステップS132では、特別図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図15を用いて後述するが、特別図柄ゲームに関連する第1Vカウントセンサ102、第1カウントセンサ104、始動入賞球センサ116a,116bより所定の信号が供給されているかを検出する。これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、後述するような処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS133に処理を移す。
【0205】
ステップS133では、普通図柄関連スイッチ入力処理を実行する。この処理において、通過球センサ114a,114bは、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、後述する球通過記憶数の更新等の処理を行う。詳細はについては、図17に示すフローチャートで説明する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS134に処理を移す。
【0206】
ステップS134では、可変入賞装置関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図19を用いて後述するが、可変入賞装置33に関連する第2Vカウントセンサ108、第2カウントセンサ110、及び可変入賞球センサ112より所定の信号が供給されているかを検出する。これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、後述するような処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0207】
[特別図柄関連スイッチ入力処理]
図14のステップS132において実行される特別図柄関連スイッチ入力処理のサブルーチンについて、図15のフローチャートを参照して説明する。まず、図15のステップS151に示すように、第1カウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、第1カウントセンサ104から供給される所定の信号に応じて、第1カウントスイッチ入力があると判別した場合には、ステップS152にて、大入賞口入賞カウンタを“1”増加させるように記憶更新する第1カウントスイッチ検出時処理を実行する。一方、メインCPU66は、第1カウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS153に処理を移す。
【0208】
ステップS153では、第1Vカウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、第1Vカウントセンサ102から供給される所定の信号に応じて、第1Vカウントスイッチ入力があると判別した場合には、ステップS154にて、この領域を通過した旨のフラグを成立させて、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する第1Vカウントスイッチ検出時処理を実行する。
【0209】
また、この第1Vカウントスイッチ検出時処理では、メインCPU66は、第1Vカウントセンサ102から供給される所定の信号に応じて、第1Vカウントスイッチ入力があると判別した場合には、大入賞口入賞カウンタを“1”増加させるように記憶更新する処理を実行する。一方、メインCPU66は、第1Vカウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS155に処理を移す。
【0210】
ステップS155では、始動口スイッチ入力(各始動口6A,6Bに遊技球が入球したことについての検知信号)があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116a,116bから供給される所定の信号を受け取ることにより、始動口スイッチ入力があるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、始動口スイッチ入力があると判別した場合には、ステップS156に処理を移し、始動口スイッチ入力があると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0211】
ステップS156では、始動口検出時処理を実行し、この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。詳しくは図16を用いて説明するが、メインCPU66は、特別図柄ゲームの保留数、即ち、始動口6Aに基づく保留数、及び始動口6Bに基づく保留数がそれぞれ“4”より小さいと判別した場合には、大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値を抽出し、メインRAM70の所定領域に記憶する。また、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に各種のコマンドをセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0212】
[始動口検出時処理]
図15のステップS156において実行される始動口検出時処理のサブルーチンについて、図16に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図16のステップS171に示すように、メインCPU66は、始動口6Aに基づく特別図柄ゲームの保留数、及び始動口6Bに基づく特別図柄ゲームの保留数が“4”以上であるか否かの判断を行う。即ち、この処理において、メインCPU66は、始動記憶数カウンタから始動記憶数を読み出し、始動記憶数が“4”以上であるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、始動記憶数が“4”以上であると判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0213】
つまり、各始動口6A,6Bについての特別図柄ゲームの保留数が上限数に至っているときには、始動口6A,6Bに遊技球が入球した場合でも、始動記憶情報の記憶を行うことなく、本サブルーチンを終了することとなる。他方、メインCPU66は、始動記憶数が“4”より小さいと判別した場合には、ステップS172にて、始動記憶数カウンタを“1”増加させ、ステップS173に処理を移す。
【0214】
詳細には、始動口6Aに対応する保留数が“4”より小さい場合には、始動口6Aに対応する始動記憶数カウンタを“1”増加させ(即ち、保留ランプ134aの点灯数を1つ増加させ)、始動口6Bに対応する保留数が“4”より小さい場合には、始動口6Bに対応する始動記憶数カウンタを“1”増加させる(即ち、保留ランプ134bの点灯数を1つ増加させる)。
【0215】
ステップS173では、メインCPU66は、大当たり判定用乱数カウンタから大当たり判定用乱数値を抽出し、大当たり図柄決定用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出する。そしてステップS174では、メインCPU66は、抽出した大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値をメインRAM70の所定領域に始動記憶情報として記憶する。このように記憶された大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値を示すデータは、図9のステップS56等の処理においてメインCPU66により読み出され、第1種大当たりであるか否かが判断され、表示する特別図柄、及び表示する識別情報の種類が決定されることとなる。
【0216】
このように、メインCPU66は、遊技球が始動口6A,6Bに入球し、特別図柄ゲームの保留条件が成立した場合に、その特別図柄ゲームが実行できる条件が成立するまで、その特別図柄ゲームの結果を決定するための始動記憶情報を、所定数を上限として記憶することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS175に処理を移す。
【0217】
ここで、本実施形態では、メインCPU66は、遊技球が始動口6Aに入球したことによる特別図柄ゲームを、遊技球が始動口6Bに入球したことによる特別図柄ゲームに対して、優先して実行するように制御する。即ち、始動口6Aに基づく保留数、及び始動口6Bに基づく保留数の双方が存在する場合には、始動口6Aに基づく特別図柄ゲームを優先して実行することとなる。
【0218】
ステップS175では、メインCPU66は、始動記憶数を示すデータを読み出し、そのデータに基づく始動記憶数を示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0219】
[普通図柄関連スイッチ入力処理]
次に、図14のステップS133において実行される普通図柄関連スイッチ入力処理のサブルーチンについて、図17に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図17のステップS191にて、球通過スイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114a,114bから供給される所定の信号に応じて球通過スイッチ入力があると判別した場合に、ステップS192にて、球通過検出時処理を実行し、この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。詳しくは図18を用いて説明するが、球通過検出時処理において、メインCPU66は、普通図柄ゲームの保留数が“4”より小さいと判別した場合には、当たり判定用乱数値、当たり図柄用乱数値を抽出し、メインRAM70の所定領域に記憶する。また、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に各種のコマンドをセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0220】
[球通過検出時処理]
次に、図17のステップS192において実行されるサブルーチンについて図18を用いて説明する。まず、図18のステップS211に示すように、メインCPU66は、普通図柄ゲームの保留数が“4”以上であるか否かの判断を行う。即ち、この処理において、メインCPU66は、球通過記憶数カウンタから球通過記憶数を読み出し、球通過記憶数が“4”以上であるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、球通過記憶数が“4”以上であると判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0221】
つまり、普通図柄ゲームの保留数が上限数に至っている場合には、球通過検出ゲート55a,55bを遊技球が通過した場合でも、球通過記憶情報の記憶を行うことなく、本サブルーチンを終了することとなる。一方、メインCPU66は、球通過記憶数が“4”より小さいと判別した場合には、ステップS212にて、球通過記憶数カウンタを“1”増加させ、ステップS213に処理を移す。
【0222】
ステップS213では、メインCPU66は、当たり判定用乱数カウンタから当たり判定用乱数値を抽出する。そして、ステップS214では、メインCPU66は、抽出した当たり判定用乱数値をメインRAM70の所定領域に球通過記憶情報として記憶する。このように記憶された当たり判定用乱数値を示すデータは、メインCPU66により読み出され、当たりであるか否かが判断され、導出表示させる普通図柄が決定されることとなる。
【0223】
このように、メインCPU66は、遊技球が球通過検出ゲート55a,55bを通過したが、所定の可変表示保留条件が成立した場合に、その普通図柄の可変表示が実行できる所定の可変表示開始条件が成立するまで、その普通図柄の可変表示の結果を決定するための球通過記憶情報を、4個を上限として記憶することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS215に処理を移す。
【0224】
ステップS215において、メインCPU66は、球通過記憶数を示すデータを読み出し、そのデータに基づく球通過記憶数を示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0225】
[可変入賞装置関連スイッチ入力処理]
次に、図14のステップS134において実行される可変入賞装置関連スイッチ入力処理のサブルーチンについて、図19に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図19に示すように、ステップS231の処理にて、メインCPU66は、第2カウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、第2カウントセンサ110から供給される所定の信号に応じて、第2カウントスイッチ入力があると判別した場合には、ステップS232の処理にて、可変入賞装置入賞カウンタを“1”増加させるように記憶更新する第2カウントスイッチ検出時処理を実行する。一方、メインCPU66は、第2カウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS233に処理を移す。
【0226】
ステップS233では、第2Vカウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、第2Vカウントセンサ108から供給される所定の信号に応じて、第2Vカウントスイッチ入力があると判別した場合には、ステップS234の処理にて、第2Vゾーン34を通過した旨のフラグを成立させて、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する第2Vカウントスイッチ検出時処理を実行する。
【0227】
また、この第2Vカウントスイッチ検出時処理では、メインCPU66は、第2Vカウントセンサ108から供給される所定の信号に応じて、第2Vカウントスイッチ入力があると判別した場合には、可変入賞装置入賞カウンタを“1”増加させるように記憶更新する処理を実行する。そして、この処理が終了した場合、ステップS235に処理を移す。一方、メインCPU66は、第2Vカウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS237に処理を移す。
【0228】
ステップS235においては、メインCPU66は、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタの値が“1”となっているか否かを判断する。第2種ラウンド遊技実行回数カウンタの値が“1”となっていると判別した場合には、第2種大当たり遊技状態に移行させるためにステップS236に処理を移す一方、第2種ラウンド遊技実行回数カウンタが“1”となっていない(“1”を超えている)と判別した場合には、既に第2種大当たり遊技状態に移行していると判断してステップS237に処理を移す。
【0229】
ステップS236では、メインCPU66は、第2種大当たり遊技状態に移行することを示す第2種大当たり開始フラグをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された第2種大当たり開始フラグは、図11のステップS92などの処理においてメインCPU66により読み出され、第2種大当たり遊技状態に移行させるか否かが判断されることとなる。
【0230】
ステップS237では、可変入賞口スイッチ入力があるか否か(遊技球が可変入賞口9に入球したか否か)の判断を行う。この処理において、メインCPU66は、可変入賞球センサ112から供給される所定の信号を受け取ることにより、可変入賞口スイッチ入力があるか否かを判断することとなる。また、本実施形態では、始動口6Bについて、遊技球が入球したか否かの判断を行う。メインCPU66は、可変入賞口スイッチ入力があると判別した場合には、ステップS238に処理を移し、可変入賞口スイッチ入力があると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0231】
ステップS238では、可変入賞口検出時処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、可変入賞球センサ112から供給された所定の信号に基づいて可変入賞口9に遊技球が入球したかを判断し、可変入賞装置33を開放させるために、メインRAM70に設定された変数をメインROM68から読み出したデータに基づいて更新する。この処理が終了した場合、メインCPU66は、本サブルーチンを終了する。
【0232】
[特別図柄ゲーム実行抽選処理]
次に、図7のステップS30に示した特別図柄ゲーム実行抽選処理について、図20に示すフローチャートを参照して説明する。
【0233】
本実施形態では、図26に示すように、選択抽選確率が異なる2つの選択モードが設定されている。そして、第1選択モードとして選択抽選確率が50%、第2選択モードとして選択抽選確率が80%が設定されている。つまり、第1選択モードが選択されている場合には、第1種遊技と第2種遊技の兼用の入賞口である始動口6Bに遊技球が入球した場合には、可動翼片36が所定時間回動すると共に、50%の確率で特別図柄ゲームが実行される。
【0234】
他方、第2選択モードが選択されている場合には、始動口6Bに遊技球が入球した場合には、可動翼片36が所定時間回動すると共に、80%の確率で特別図柄ゲームが実行される。従って、第1選択モードが選択されている場合よりも、第2選択モードが選択されている場合の方が、遊技者にとって有利となる。
【0235】
そして、図20のステップS291にて、メインCPU66は、現在選択されている選択モードを読み出す。即ち、図26に示す第1,第2の選択モードのうち、いずれの選択モードが選択されているかを認識する。その後、ステップS292に処理を移す。
【0236】
ステップS292では、メインCPU66は、所定領域通過センサ125の検出信号に基づき、可変入賞装置33内に設けられた所定領域P1を遊技球が通過したか否かを判定する。この判定処理の結果、所定領域P1を遊技球が通過したと判定された場合には、ステップS293に処理を移し、所定領域P1を遊技球が通過していないと判定された場合には、ステップS294に処理を移す。
【0237】
ステップS293では、メインCPU66は、選択モードを変更する処理を実行する。即ち、メインCPU66は、現在の選択モードが第1選択モードである場合には、第2選択モードに変更し、現在の選択モードが第2選択モードである場合には、第1選択モードに変更する。その後、ステップS294に処理を移す。
【0238】
ステップS294では、この時点で選択されている選択モードで、特別図柄ゲーム(第1種大当たり抽選)を実行するか否かの選択抽選を行う。即ち、遊技球が始動口6Bに入球し、第1選択モードが選択されている場合には、50%の確率で特別図柄ゲーム(第1種大当たり抽選)が実行され、第2選択モードが選択されている場合には、80%の確率で特別図柄ゲームが実行されることになる。その後、処理をステップS295に移す。
【0239】
ステップS295では、メインCPU66は、ステップS294にて実行された抽選の結果が当選である場合、即ち、特別図柄ゲームを実行する場合には、図7のステップS31に処理を進める。他方、ステップS294にて実行された抽選の結果が当選でない場合には、処理を元に戻す。
【0240】
そして、上記の処理を実行することにより、第1選択モードまたは第2選択モードのうち、いずれの選択モードに基づいて特別図柄ゲームを実行するかが決定されることになる。また、遊技球が所定領域P1を通過することにより、第1選択モードと第2選択モードが変更され、更に、第1選択モードが選択されている場合には、50%の確率で特別図柄ゲームが実行され、第2選択モードが選択されている場合には、80%の確率で特別図柄ゲームが実行される。このため、遊技球が所定領域P1を通過するか否かが、遊技者にとって重要な関心事となる。
【0241】
[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンドを受信し、図21に示すようなコマンド受信処理を実行することとなる。
【0242】
[コマンド受信処理]
まず、副制御回路200のサブCPU206は、図21のステップS251に示すように、識別情報変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。識別情報変動パターン指定コマンドを受信した場合には、ステップS252に処理を進め、受信していない場合には、ステップS254に処理を進める。
【0243】
ステップS252では、サブCPU206は、リーチ判定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、変動パターンに基づいて、リーチとなる変動パターンであるか否かを判定する。この処理が終了した場合にはステップS253に処理を移す。
【0244】
ステップS253では、サブCPU206は、変動パターン、リーチ判定結果、演出決定テーブルを参照し、演出パターンを選択する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から供給された識別情報変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターンと、ステップS253においてリーチとなるか否かを判定した判定結果と、演出決定テーブルとを参照する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0245】
ステップS254では、サブCPU206は、その他の受信したコマンドに対応する制御を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0246】
[識別情報変動開始処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミングでコマンド受信処理、保留数表示処理等とは異なる識別情報変動開始処理が実行される。この特別図柄変動開始処理について図22に示すフローチャートを参照して説明する。
【0247】
まず、図22に示すステップS271にて、サブCPU206は、始動記憶情報が残存しているか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、始動記憶数を示すデータを読み出し、そのデータが“0”であるか否かによって、始動記憶情報が残存しているか否かを判断することとなる。サブCPU206は、始動記憶情報が残存していると判別した場合には、ステップS272に処理を移す。一方、サブCPU206は、始動記憶情報が残存していないと判別した場合には、ステップS273に処理を移す。
【0248】
ステップS272では、サブCPU206は、所定の可変表示保留条件が成立したか否かを判断する。この所定の可変表示保留条件は、上述したように、遊技球が始動口6A,6Bに入球した場合において、特別図柄ゲームの実行に伴う可変表示ゲームの保留数が上限に達することなく、特別図柄が変動していることが条件である。サブCPU206は、所定の可変表示保留条件が成立したと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、所定の可変表示保留条件が成立していないと判別した場合には、ステップS274に処理を移す。
【0249】
一方、ステップS273では、サブCPU206は、遊技球が始動口6A,6Bに入球したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、始動記憶数が“0”から“1”となったか否かによって、遊技球が始動口6A,6Bに入球したか否かを判断する。サブCPU206は、遊技球が始動口6A,6Bに入球したと判別した場合には、ステップS274に処理を移す。一方、サブCPU206は、遊技球が始動口6A,6Bに入球しなかったと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0250】
ステップS274では、サブCPU206は、識別情報の変動開始処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、識別情報の変動パターンを示すデータをワークRAM210にセットする。そして、サブCPU206は、所定のタイミングで、識別情報の変動パターンを示すデータをVDP212に供給する。これにより、液晶表示装置32の表示領域32a上に、可変表示ゲームが演出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0251】
このようにして、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、遊技領域14a内に2つの始動口6A,6Bが設けられ、このうち遊技球が始動口6Aに入球することにより実行される特別図柄ゲームと、遊技球が始動口6Bに入球することにより実行される特別図柄ゲームとで、第1種大当たり遊技への移行抽選の条件が異なるように設定されているので、遊技者に対して、それぞれの始動口6A,6Bに遊技球が入球することについての関心を強く持たせることができる。
【0252】
また、始動口6Bは、第1種遊技と第2種遊技との兼用とされている。即ち、遊技球が始動口6Bに入球した場合には、第2種遊技である可動翼片36が所定時間回動し、且つ、所定の選択確率で特別図柄ゲームが実行される。従って、遊技者に対して、遊技球が始動口6Bに入球することについての関心を強く持たせることができる。
【0253】
また、始動口6Bに遊技球が入球した際に、特別図柄ゲームを実行するか否かを決定する選択確率としてそれぞれ選択確率が相違する2つの選択モード、即ち、第1選択モードと第2選択モードとが設定されており、遊技球が可変入賞装置33内の所定領域P1を通過した際に、選択モードが変更される。従って、遊技者に対して、遊技球が所定領域P1を通過することについての関心を強く持たせることができる。その結果、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することが可能となる。
【0254】
次に、上述した実施形態の第1の変形例について説明する。上述した実施形態では、図20のフローチャートに示したように、遊技球が所定領域P1を通過することにより、第1選択モードと第2選択モードを交互に変更する例について説明したが、第1の変形例では、通常時には第1選択モードを選択し、複数の遊技球が所定領域P1を通過した場合には、第2選択モードを選択するように制御する。以下、図23に示すフローチャートを参照して、第1の変形例の詳細について説明する。
【0255】
まず、図23のステップS301にて、メインCPU66は、現在選択されている選択モードを読み出す。即ち、図26に示す第1,第2の選択モードのうち、いずれの選択モードが選択されているかを認識する。その後、ステップS302に処理を移す。
【0256】
ステップS302では、メインCPU66は、第1種大当たり遊技に当選したか否かを判定する。そして、第1種大当たり遊技に当選したと判定した場合には、ステップS303に処理を移し、当選したと判定しない場合には、ステップS304に処理を移す。
【0257】
ステップS303では、選択モードを第1選択モードに設定する。即ち、遊技球が始動口6Bに入球した際に特別図柄ゲームが実行される確率が50%となる選択モードが設定される。その後、ステップS304に処理を移す。
【0258】
ステップS304では、メインCPU66は、所定領域通過センサ125の検出信号に基づき、可変入賞装置33内に設けられた所定領域P1を、複数の遊技球が通過したか否かを判定する。この判定処理の結果、複数の遊技球が所定領域P1を通過したと判定された場合には、ステップS305に処理を移し、複数の遊技球が所定領域P1を通過していないと判定された場合には、ステップS306に処理を移す。
【0259】
ステップS305では、メインCPU66は、選択モードを遊技者にとって有利となる選択モードとなるように変更する処理を実行する。即ち、第2選択モードの方が第1選択モードよりも遊技者にとって有利であるので、メインCPU66は、現在の選択モードが第1選択モードである場合には、第2選択モードに変更し、現在の選択モードが第2選択モードである場合には、そのまま第2選択モードを維持する。その後、ステップS306に処理を移す。
【0260】
ステップS306では、この時点で選択されている選択モードで、特別図柄ゲーム(第1種大当たり抽選)を実行するか否かの選択抽選を行う。即ち、遊技球が始動口6Bに入球し、第1選択モードが選択されている場合には、50%の確率で特別図柄ゲーム(第1種大当たり抽選)が実行され、第2選択モードが選択されている場合には、80%の確率で特別図柄ゲームが実行されることになる。その後、処理をステップS307に移す。
【0261】
ステップS307では、メインCPU66は、ステップS294にて実行された抽選の結果が当選である場合、即ち、特別図柄ゲームを実行する場合には、図7のステップS31に処理を進める。他方、ステップS307にて実行された抽選の結果が当選でない場合には、処理を元に戻す。
【0262】
このようにして、第1の変形例に係る遊技機では、複数の遊技球が所定領域P1を通過した際には、遊技者にとって有利な第2選択モードが選択され、且つ、第1種大当たり遊技に当選した場合には、選択モードが第1選択モードに設定されるので、遊技者に対して、複数の遊技球が所定領域P1を通過することについての関心を持たせることができる。その結果、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することが可能となる。
【0263】
次に、上記した実施形態の、第2の変形例について説明する。図24は、第2の変形例に係る可変入賞装置33の構成を示す説明図である。第2の変形例では、始動口6A、6Bの双方が共に、第1種遊技と第2種遊技の兼用の入賞口とされている。即ち、始動口6Aに遊技球が入球した場合、及び始動口6Bに遊技球が入球した場合の双方において、特別図柄ゲームを実行するか否かを決める選択抽選が行われ、この選択抽選に当選した場合に、特別図柄ゲームが実行される。
【0264】
また、図24に示すように、可変入賞装置33内には、第1所定領域P1、及び第2所定領域P2が設けられている。各所定領域P1,P2には、それぞれ遊技球の通過を検知するための通過検知センサ(図示省略)が設けられ、この検知信号は、図3に示したメインCPU66に出力されるようになっている。そして、図25に示すフローチャートの手順で特別図柄ゲーム選択処理が実行される。以下、詳細に説明する。
【0265】
まず、図25のステップS321にて、メインCPU66は、それぞれの始動口6A,6Bに対して、現在選択されている選択モードを読み出す。即ち、各始動口6A,6Bに対し図26に示す第1,第2の選択モードのうち、いずれの選択モードが選択されているかを認識する。その後、ステップS322に処理を移す。
【0266】
ステップS322では、メインCPU66は、各始動口6A,6Bのそれぞれに設けられた所定領域通過センサの検出信号に基づき、可変入賞装置33内に設けられた第1所定領域P1を遊技球が通過したか否かを判定する。この判定処理の結果、第1所定領域P1を遊技球が通過したと判定された場合には、ステップS324に処理を移し、所定領域P1を遊技球が通過していないと判定された場合には、ステップS323に処理を移す。
【0267】
ステップS323では、可変入賞装置33内に設けられた第2所定領域P2を遊技球が通過したか否かを判定する。この判定処理の結果、第2所定領域P2を遊技球が通過したと判定された場合には、ステップS325に処理を移し、第2所定領域P2を遊技球が通過していないと判定された場合には、ステップS326に処理を移す。
【0268】
ステップS324では、メインCPU66は、始動口6Aについて設定されている選択モードを変更する。即ち、始動口6Aについての選択モードが第1選択モードであった場合には、第2選択モードに変更し、第2選択モードであった場合には、第1選択モードに変更する。その後、ステップS326に処理を移す。
【0269】
ステップS325では、メインCPU66は、始動口6Bについて設定されている選択モードを変更する。即ち、始動口6Bについての選択モードが第1選択モードであった場合には、第2選択モードに変更し、第2選択モードであった場合には、第1選択モードに変更する。その後、ステップS326に処理を移す。
【0270】
ステップS326では、この時点で選択されている選択モードで、特別図柄ゲーム(第1種大当たり遊技へ移行するか否かを決めるための抽選)を実行するか否かを決定する。即ち、各始動口6A,6Bに対する選択モードに基づいて特別図柄ゲームを実行するか否かを決定する。その後、処理をステップS327に移す。
【0271】
ステップS327では、メインCPU66は、ステップS326にて実行された抽選の結果が当選である場合、即ち、特別図柄ゲームを実行する場合には、図7のステップS31に処理を進める。他方、ステップS327にて実行された抽選の結果が当選でない場合には、処理を元に戻す。
【0272】
そして、上記のように構成した第2の変形例では、遊技球が第1所定領域P1を通過することにより、遊技球が始動口6Aに入球した際に特別図柄ゲームを実行するか否かの選択確率が変更され、遊技球が第2所定領域P2を通過することにより、遊技球が始動口6Bに入球した際に特別図柄ゲームを実行するか否かの選択確率が変更されるので、遊技球が各所定領域P1,P2を通過することについての関心を持たせることができる。その結果、遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えた遊技機を提供することが可能となる。
【0273】
以上、本発明の遊技機を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0274】
遊技性に富んだ新たな遊技形態を備えたパチンコ遊技機を提供する上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0275】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機で使用される大当たり判定テーブルを示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理の状態遷移図である。
【図9】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理の状態遷移図である。
【図13】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第2の変形例に係るパチンコ遊技機の、可変入賞装置の構成を示す説明図である。
【図25】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機において用いられる選択モードテーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
【0276】
3 第1遊技球誘導部材
4 第2遊技球誘導部材
5 一般入賞口
6A,6B 始動口
7 アウト口
8 大入賞口
9 可変入賞口
10 パチンコ遊技機
11 外枠
12 本体枠
14 遊技盤
14a 第1遊技領域
14b 第2遊技領域
16 前枠
19 透明保護板
20 上皿
21 皿ユニット
22 下皿
26 発射ハンドル
30a,30b ガイドレール
32 液晶表示装置
32a 表示領域
33 可変入賞装置
34 第2Vゾーン
35 副入賞口
36 可動翼片
37 回動軸
40 シャッタ
46L,46R スピーカ
55a,55b 球通過検出ゲート
58a,58b 可動片
60 主制御回路
62 リセット用クロックパルス発生回路
64 初期リセット回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
72 シリアル通信用IC
74 ランプ群
102 第1Vカウントセンサ
104 第1カウントセンサ
106 一般入賞球センサ
108 第2Vカウントセンサ
110 第2カウントセンサ
112 可変入賞球センサ
114a,114b 通過球センサ
116a,116b 始動入賞球センサ
118 普通電動役物ソレノイド
120 大入賞口ソレノイド
122 シーソーソレノイド
123 可動翼片ソレノイド
124 バックアップクリアスイッチ
126 払出・発射制御回路
128 払出装置
130 発射装置
132 ランプ
133a,133b 特別図柄表示器
134a,134b 保留ランプ
135 普通図柄表示器
135a 保留ランプ
150 カードユニット
151 ラウンド数表示器
200 副制御回路
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
212 VDP
216 画像データROM
218 D/Aコンバータ
220 初期リセット回路
230 音声制御回路
232 音源IC
234 音声データROM
236 増幅器(AMP)
240 ランプ制御回路
242 ドライブ回路
244 装飾データROM
250 表示制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域が設けられた遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利となる第1特別遊技へ移行する契機となる特定領域を含む第1特別遊技移行可能領域へ、前記遊技領域を転動する遊技球が入球し難い状態から、入球し易い状態へ切り換える可動部材と、
前記第1特別遊技移行可能領域外の前記遊技領域に設けられた第1特別領域を遊技球が通過した際に、前記可動部材を所定時間だけ可動させて、前記第1特別遊技移行可能領域に遊技球が入球し易い状態とする制御を行う可動部材制御手段と、
前記第1特別遊技移行可能領域に入球した遊技球が、この第1特別遊技移行可能領域内に設けられた前記特定領域を通過した場合に、前記第1特別遊技を実行する制御を行う第1特別遊技実行制御手段と、
前記第1特別遊技移行可能領域外の前記遊技領域に複数設けられた第2特別領域を、遊技球が通過したことを条件として、通常遊技から該通常遊技よりも遊技者にとって有利な、前記第1特別遊技とは異なる第2特別遊技に移行するか否かの抽選を行う第2特別遊技抽選手段と、
複数の前記第2特別領域のうち、一の第2特別領域を通過した場合と、他の第2特別領域を通過した場合で、前記第2特別遊技抽選手段による抽選条件を変更する制御を行う抽選条件変更手段と、
前記抽選条件変更手段により変更された抽選の条件に基づく、前記第2特別遊技抽選手段による抽選の結果が当選であった場合に、第2特別遊技を実行する制御を行う第2特別遊技実行制御手段と、
複数の前記第2特別領域のうち、前記第1特別領域と兼用であるいずれかの前記第2特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2特別遊技抽選手段による抽選を実行するか否かを所定の確率で選択する抽選実行選択手段と、
前記第1特別遊技移行可能領域に設けられた所定領域を遊技球が通過した際に、前記抽選実行選択手段による選択の、前記所定の確率を変更する制御を行う抽選実行確率変更手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記抽選実行確率変更手段は、複数の遊技球が前記所定領域を通過したことを条件として、前記所定の確率をより高い確率に変更する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1特別遊技移行可能領域内には前記所定領域が複数設けられ、且つ、各前記所定領域には、前記抽選実行選択手段による個別の前記所定の確率が設定され、前記抽選実行確率変更手段は、
遊技球が一の前記所定領域を通過した場合には、前記第1特別領域と兼用であるいずれかの第2特別領域のうち、一の第2特別領域に対する前記所定の確率を変更し、遊技球が他の前記所定領域を通過した場合には、前記第1特別領域と兼用であるいずれかの第2特別領域のうち、他の第2特別領域に対する前記所定の確率を変更する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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