遊技機
【課題】従動部材を収容したケース体を、別部品に容易に組み付け可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明に係るパチンコ遊技機１０によれば、従動部材４６を収容したケース体４２Ｃを、球供給用カム７８が回転可能に取り付けられたベース部材６５に組み付ける際に、ケース体４２Ｃの操作窓４３Ｗを通して従動部材４６の一部を操作し、カム摺接突部４６Ｂを球供給用カム７８のカム回動領域Ｒ２の外側に移動することができる。そして、この状態を保持してケース体４２Ｃをベース部材６５に装着することにより、カム摺接突部４６Ｂが球供給用カム７８に干渉することなく組み付けられる。即ち、本発明によれば、従動部材４６を収容したケース体４２Ｃを、球供給用カム７８を備えたベース部材６５に容易に組み付け可能になる。
【解決手段】本発明に係るパチンコ遊技機１０によれば、従動部材４６を収容したケース体４２Ｃを、球供給用カム７８が回転可能に取り付けられたベース部材６５に組み付ける際に、ケース体４２Ｃの操作窓４３Ｗを通して従動部材４６の一部を操作し、カム摺接突部４６Ｂを球供給用カム７８のカム回動領域Ｒ２の外側に移動することができる。そして、この状態を保持してケース体４２Ｃをベース部材６５に装着することにより、カム摺接突部４６Ｂが球供給用カム７８に干渉することなく組み付けられる。即ち、本発明によれば、従動部材４６を収容したケース体４２Ｃを、球供給用カム７８を備えたベース部材６５に容易に組み付け可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カムを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、モータによる回転動作を往復動作に変換するためにカムが用いられる。そして、従来の遊技機として、例えば、遊技球を発射させるための打撃槌とモータとの間にカムを備え、その打撃槌に遊技球を供給する球供給装置とモータとの間にもカムを備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００５−１５２４７７号公報（段落［００６３］〜［００６９］、第２１〜２５図）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところで、組み付け作業を単純化するためには、複数の部品群を予め組み付けておき、それら組み付けられた部品群同士を合体させる作業が望まれる。例えば、上記した従来の遊技機の場合では、予めケース体に種々の部品を収容して球供給装置を完成させておく一方、カム等の可動部品をベース部材に組み付けておき、その球供給装置のケース体とベース部材とを組み付ける作業が望ましい。しなしながら、ケース体に収容された部品の中に、外部から力を受けて作動する従動部材が含まれている場合には、ケース体をベース部材に組み付ける際に、従動部材が任意に動いて、ベース部材側の可動部品に連結できない事態が生じ得た。
【０００４】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従動部材を収容したケース体を、別部品に容易に組み付け可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するためになされた請求項１の発明に係る遊技機は、カムが回転可能に取り付けられたベース部材と、カムから力を受けて従動する従動部材を収容したケース体とを備え、ケース体は、ベース部材に設けられる共に、従動部材からベース部材側に突出したカム摺接突部がカムに対して当接して摺動する遊技機において、ケース体のうち従動部材を覆う壁部に、従動部材の一部をケース体の外側に臨ませ、カム摺接突部をカムの回動領域の外側に移動操作可能とする操作窓が形成されたところに特徴を有する。
【０００６】
請求項２の発明は、請求項１に記載の遊技機において、従動部材は、ケース体の内部において回動可能に支持され、ケース体には、従動部材の可動範囲を規制する回動規制部が備えられ、可動範囲の一端側で回動規制部に従動部材を当接させたときに、カム摺接突部がカムの回動領域から外れるように構成したところに特徴を有する。
【０００７】
請求項３の発明は、請求項１又は２に記載の遊技機において、ベース部材は、ケース体とカムとの間に配置されると共に、カム摺接突部が貫通したカム連結孔を備えたところに特徴を有する。
【０００８】
請求項４の発明は、請求項１乃至３の何れかに記載の遊技機において、遊技機は、遊技球を用いて遊技を進行する弾球遊技機であって、ケース体は、遊技球を案内する遊技球誘導路を備え、従動部材が往復動して遊技球誘導路から遊技球を１つずつ受け取りかつケース体外に排出するように構成したところに特徴を有する。
【０００９】
請求項５の発明は、請求項４に記載の遊技機において、従動部材は、遊技球誘導路の終端開口との対向面に遊技球を１つ受容可能な球受容部を備え、従動部材が可動範囲における球受容位置に移動すると、球受容部が終端開口に対向して遊技球誘導路から１つの遊技球を受け入れ、従動部材が可動範囲における球排出位置に移動すると、球受容部が終端開口からずれて終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、球受容部からケース体の外部に遊技球を排出するように構成したところに特徴を有する。
【００１０】
請求項６の発明は、請求項５に記載の遊技機において、カム摺接突部に、カム側に向かって膨出した円弧摺動面が形成され、カムのうち回動中心から最も離れたピーク部は、円弧摺動面における一の位置から他の位置へと摺動してからカム摺動突起から離間し、ピーク部が円弧摺動面における他の位置に至ったときに、従動部材が可動範囲における球規制位置に配置され、球受容部が終端開口からずれて終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、球受容部内に遊技球を保持するように構成したところに特徴を有する。
【００１１】
請求項７の発明は、請求項４乃至６の何れかに記載の遊技機において、遊技を行う遊技領域と、遊技機の前面側に設けられた遊技球供給皿と、ケース体に設けられて、遊技球供給皿からの遊技球を遊技球誘導路に受け入れる球流入口と、球受容部からケース体の外部に排出された遊技球を受容して位置決めする球停止部と、球停止部で位置決めされた遊技球を弾く打撃槌と、打撃槌によって弾かれた遊技球を遊技領域に誘導するレール部材とを備えたところに特徴を有する。
【００１２】
請求項８の発明は、請求項７に記載の遊技機において、遊技機は、遊技機本体と、遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、遊技球供給皿は、外装カバーに一体化されると共に、遊技球供給皿からケース体への球通路を遮断可能なシャッタと、そのシャッタを閉じる方向に付勢するシャッタ付勢部材とを備え、外装カバーを遊技枠体の前面から外したときに、シャッタ付勢部材の付勢力によってシャッタが球通路を遮断する一方、外装カバーを遊技枠体の前面に取り付けたときに、遊技枠体側の一部に当接してシャッタが開き球通路が開通するように構成したところに特徴を有する。
【００１３】
請求項９の発明は、請求項１乃至８の何れかに記載の遊技機において、遊技機は、遊技機本体と、遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、ベース部材は、遊技枠体のうち外装カバーに覆われた部分に取り付けられると共に、そのベース部材の後面側にカムを配置する一方、前面側に従動部材及びケース体を配置したところに特徴を有する。
【００１４】
請求項１０の発明は、請求項１乃至９の何れかに記載の遊技機において、カム摺接突部をカム側に付勢する付勢手段として従動部材に重り部を備えたところに特徴を有する。
【００１５】
請求項１１の発明は、請求項１乃至１０の何れかに記載の遊技機において、遊技球誘導路の途中から下方に分岐し、遊技球誘導路内に遊技球を排出するための球抜き通路を備え、遊技球誘導路から球抜き通路への分岐口を常には閉塞し、外部からの操作によって分岐口を開放する開閉部材を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【００１６】
［請求項１の発明］
請求項１の構成によれば、従動部材を収容したケース体を、カムが回転可能に取り付けられたベース部材に組み付ける際に、ケース体の操作窓を通して従動部材の一部を操作し、カム摺接突部をカムの回動領域の外側に移動することができる。そして、この状態を保持してケース体をベース部材に装着することにより、カム摺接突部がカムに干渉することなく組み付けられる。即ち、本発明によれば、従動部材を収容したケース体を、カムを備えたベース部材に容易に組み付け可能になる。
【００１７】
［請求項２の発明］
請求項２の構成によれば、従動部材を可動範囲の一端側で回動規制部に当接させることで、カム摺接突部がカムの回動領域から外れたことを確認することができる。
【００１８】
［請求項３の発明］
請求項３の構成によれば、ベース部材を間に挟んで配置されたケース体の従動部材とカムとの間が、ベース部材のカム連結孔を貫通したカム摺接突部によって連結可能となる。
【００１９】
［請求項４及び５の発明］
請求項４の構成によれば、カムの回転に応じて従動部材が往復動し、ケース体の遊技球誘導路から遊技球を１つずつ受け取りかつケース体外に排出することが可能となる。即ち、遊技球を１つずつ供給する球供給手段として機能する。そのためには、請求項５の構成のように、従動部材のうち遊技球誘導路の終端開口との対向面に遊技球を１つ受容可能な球受容部を形成し、従動部材が球受容位置に移動したときに、球受容部が終端開口に対向して遊技球誘導路から１つの遊技球を受け入れ、従動部材が球排出位置に移動したときに、球受容部が終端開口からずれて終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、球受容部からケース体の外部に遊技球を排出するように構成すればよい。
【００２０】
［請求項６の発明］
請求項６の構成によれば、球受容部から遊技球を排出する前に、終端開口からの遊技球の排出を禁止し、球詰まりを防止することができる。
【００２１】
［請求項７の発明］
請求項７の構成によれば、遊技球供給皿に貯留された遊技球を、ケース体を通して１つずつ球停止部に供給することができる。そして、その遊技球を打撃槌で弾きかつレール部材で案内して遊技領域へと発射することができる。
【００２２】
［請求項８の発明］
請求項８の構成によれば、外装カバーを遊技枠体の前面から外すと、その外装カバーに備えた遊技球供給皿の球通路がシャッタによって遮断され、遊技球の飛散を防止することができる。
【００２３】
［請求項９の発明］
請求項９の構成によれば、外装カバーを外すことでベース部材を露出させ、この状態でケース体及びその内部に収容した部品一式を、部品交換することが可能になる。ここで、新たにケース体をベース部材に装着する際に、ケース体の操作窓を通して従動部材の一部を操作し、カム摺接突部をカムの回動領域の外側に移動することで、ベース部材の後面側で配置されて視認し難い状態のカムに対して、カム摺接突部を干渉させることなく容易に組み付けることができる。
【００２４】
［請求項１０の発明］
請求項１０の構成によれば、重り部及び従動部材の自重によりカム摺接突部をカムに押し付けて、カムに対するカム摺接突部の追従性を向上させることができる。
【００２５】
［請求項１１の発明］
請求項１１の構成によれば、外部からの操作によってケース体内から遊技球を外部に排出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２６】
以下、本発明の遊技機としてのパチンコ遊技機１０に係る一実施形態を、図１〜図１７に基づいて説明する。図１に示すように、パチンコ遊技機１０は、誘導レール１２（本発明に係る「レール部材」に相当する）に囲まれた遊技領域Ｒ１を有し、その遊技領域Ｒ１内に液晶表示部３２を備えている。誘導レール１２は帯状の板金を略円形に湾曲させてなり、遊技板１１の前面から起立している。また、液晶表示部３２は、遊技板１１に貫通形成した略矩形の表示窓１１Ｗに、遊技板１１の後面側から表示装置３０の液晶表示画面３０Ｇを宛がって構成されている。
【００２７】
液晶表示部３２は、遊技領域Ｒ１のうち上寄りかつ向かって右側寄りに配置され、主にその液晶表示部３２の上側、左側、下側に遊技球が流下可能なスペースが確保されている。液晶表示部３２の下側スペースには、その左右方向の中央に、第１及び第２の始動入賞口１４Ａ，１４Ｂ、大入賞口１５及びアウト口１６が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、誘導レール１２に沿って一般入賞口２０，２１及びサイドランプ２２，２２がそれぞれ設けられている。また、液晶表示部３２の左側スペースには、始動ゲート１８と風車１９とが上下に並べて設けられている。さらに、風車１９の下方には、サイドランプ２２と一体に、普通図柄表示部１８Ｈが設けられている。これら各種入賞口１４Ａ，１４Ｂ，１５，２０，２１，表示装置３０等の役物以外に、遊技領域Ｒ１には、遊技球と当接して流下方向を様々に変化させることが可能な障害釘が分散配置されている。
【００２８】
上記した役物の詳細は、以下のようである。一般入賞口２０，２１は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度１つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口２０，２１へ入球すると、その遊技球は遊技板１１の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球がパチンコ遊技機１０の前面に備えた上皿２６（本発明に係る「遊技球供給皿」に相当する）に払い出される。
【００２９】
始動ゲート１８は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート１８に内蔵された普通図柄始動スイッチによって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄表示部１８Ｈにおいて図柄が変動表示される。具体的には、「０」〜「９」までの数字からなる数字図柄が所定期間に亘って変動表示された後、所定の数字図柄が停止表示される。
【００３０】
第１及び第２の始動入賞口１４Ａ，１４Ｂは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂは、共に遊技板１１から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに入った遊技球は、遊技板１１に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技板１１の裏側に回収される。
【００３１】
上側に配置された第１の始動入賞口１４Ａは、遊技球が１つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第２の始動入賞口１４Ｂは、第１の始動入賞口１４Ａの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片１４Ｃ，１４Ｃが備えられている。これら両可動翼片１４Ｃ，１４Ｃは、常には起立状態になっており、両可動翼片１４Ｃ，１４Ｃに挟まれた第２の始動入賞口１４Ｂの開口幅は、遊技球が１つだけ入る大きさとなっている。また、第２の始動入賞口１４Ｂの上方空間は、常には、第１の始動入賞口１４Ａを構成する部材と可動翼片１４Ｃ，１４Ｃとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、普通図柄表示部１８Ｈで停止表示された数字図柄が奇数になると、遊技板１１の裏に設けたソレノイドが駆動されて、可動翼片１４Ｃ，１４Ｃが所定期間（例えば、０．４秒間）に亘って横に倒される。すると、第２の始動入賞口１４Ｂの上方空間が側方に開放し、第１の始動入賞口１４Ａの両脇を通過した遊技球が可動翼片１４Ｃに受け止められて第２の始動入賞口１４Ｂに案内されるようになる。
【００３２】
各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに遊技球が入賞すると、各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂ内に設けた図示しない始動口センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、４個の遊技球が上皿２６に払い出されると共に、表示装置３０の液晶表示部３２において図柄が変動表示される。具体的には、液晶表示部３２には、通常、３つの左、中、右の特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが横並びに表示されている。これら各特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃは、例えば、「０」〜「１１」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに遊技球が入賞したときに、これら３つの特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になる。なお、液晶表示部３２において特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに入賞した場合、その入賞球は最大で４個まで保留記憶され、特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが停止表示又は「大当たり状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが変動表示される。
【００３３】
大入賞口１５は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉１５Ｔにて閉塞されている。パチンコ遊技機１０が「大当たり状態」になると、遊技板１１の裏に設けた図示しないソレノイドが駆動され、可動扉１５Ｔが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口１５が開放され、可動扉１５Ｔを案内にして、大入賞口１５に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉１５Ｔが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、１つのラウンドは、可動扉１５Ｔの開放時間が３０秒に達したか、又は、大入賞口１５に遊技球が１０個入賞したかの何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり状態」は、最大で、例えば１５ラウンドまで継続される。
【００３４】
大入賞口１５の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。より詳細には、可動扉１５Ｔが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサが遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサが遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球とあわせて、大入賞口１５への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計１０個に達したか否かがチェックされる。なお、大入賞口１５に遊技球が入賞すると、例えば、１５個の遊技球が上皿２６に払い出される。
【００３５】
図２に示すように、パチンコ遊技機１０は、遊技機本体８１と、その遊技機本体８１が着脱可能に組み付けられる遊技枠体８０とから構成されている。また、遊技機本体８１は、遊技板アッシ１１Ａと機構板アッシ８４Ａとから構成されている。
【００３６】
遊技板アッシ１１Ａは、遊技板１１に上記した始動ゲート１８、風車１９等の各種役物を組み付けると共に、後面側に各種制御装置を組み付けてなる。具体的には、遊技板１１の後面側の上寄り位置には、前記した表示装置３０が取り付けられ、その後面には、図示しないランプ制御装置及び音声制御装置が取り付けられている。そして、これらにより役物に備えたランプの点灯制御、スピーカ１３（図１参照）からの音声の制御を行っている。また、表示装置３０を制御するための表示制御装置（図示せず）は、ランプ制御装置及び音声制御装置と表示装置３０との間に取り付けられている。さらに、表示装置３０の後面の下側には、メイン制御装置３１Ｃ（図３参照）が重ねられ、遊技板１１の後面から突出した支持体（図示せず）に固定されている。
【００３７】
一方、機構板アッシ８４Ａは、機構板８４に遊技球タンク５５，払出装置５６等を組み付けてなる。機構板８４は、全体として縦長の矩形状をなしかつ遊技板アッシ１１Ａに後方から重ねて配置される。機構板８４のうち遊技板１１との対向部分には、遊技板アッシ１１Ａにおける後方突出部分を受容するための矩形窓８４Ｗが貫通形成されている。この矩形窓８４Ｗは、遊技板アッシ１１Ａの後方突出部分を収容可能な箱形カバー８４Ｃによって閉塞されている。
【００３８】
機構板アッシ８４Ａの後面のうち矩形窓８４Ｗの上側には、遊技球を貯留する遊技球タンク５５が組み付けられている。また、矩形窓８４Ｗの一側方には払出装置５６が設けられ、さらに、矩形窓８４Ｗの下方には払出制御装置５７と電源装置５８とが設けられている。なお、払出装置５６は、遊技球タンク５５から遊技球誘導レール５５Ｒを通して遊技球を受け取り、払出制御装置５７からの指令に応じて遊技球を払い出す。
【００３９】
遊技枠体８０は、外枠８２に前面枠９０を第１ヒンジ機構８０Ｈ（図１参照）にて連結してなる。外枠８２は、４つの木製の長板８３を縦長矩形状に接合して構成されている。一方、前面枠９０は、例えば合成樹脂で構成され、遊技板１１に対応した開口部９０Ｗを備えている。また、図１に示すように第１ヒンジ機構８０Ｈは、遊技枠体８０のうち一方の側部における上端部と下端部とに配置されている。これら第１ヒンジ機構８０Ｈは、前面枠９０を遊技枠体８０に対して上方にスライドすることで、図２に示すように前面枠９０側のヒンジ構成部９０Ｈと、外枠８２側のヒンジ構成部８２Ｈとに分かれ、これにより外枠８２から前面枠９０を離脱することができる。
【００４０】
前面枠９０の後面には、開口部９０Ｗを取り囲むように囲壁９０Ｖが形成され、その囲壁９０Ｖの内側に遊技板１１が嵌合して固定されている。また、機構板８４は、前面枠９０のうち第１ヒンジ機構８０Ｈを備えた側の側部に第２ヒンジ機構（図示せず）にて連結されている。
【００４１】
図４には、前面枠９０を前面から見た状態が示されている。その前面枠９０の前面上寄り位置には、図２に示したガラス枠９５（本発明の「外装カバー」に相当する）が重ねて設けられている。ガラス枠９５は、前面枠９０のうち第１ヒンジ機構８０Ｈと同じ側の側部に備えた第３ヒンジ機構９５Ｈにて連結されている。また、ガラス枠９５には、略円形の窓部９５Ｗが設けられ、ここにガラス板が嵌め込まれている。そして、このガラス板越しに遊技領域Ｒ１を視認することができる。また、ガラス枠９５の前面のうち窓部９５Ｗより上側には、左右に１対のスピーカ１３，１３が設けられている。さらに、ガラス枠９５のうち窓部９５Ｗの下方には、球抜きボタン２３が設けられている。
【００４２】
図１に示すようにガラス枠９５のうち窓部９５Ｗの下方には、上皿２６が設けられている。上皿２６は、前方に向かって膨出しており、その上皿２６の右側には、球貸し操作ボタン２４と球貸し状態表示モニター２５とが並べて配置されている。また、図５に示すように、ガラス枠９５の後面側には、上皿２６から後述する球供給装置４２に遊技球を送給するための球通路２６Ａが開口している。また、ガラス枠９５には、この球通路２６Ａを遮断可能なシャッタ２７が設けられている。シャッタ２７は、ガラス枠９５に軸支されてガラス枠９５の後端面と平行な面内で回動可能なシーソー構造をなしている。そして、その回動軸から一方に延びた作動部２７Ｃが、球通路２６Ａの開口の一部を遮った遮断位置と、その遮断位置から作動部２７Ｃが上方に移動して球通路２６Ａの開口から退避した開通位置との間で往復動可能になっている。
【００４３】
シャッタ２７のうち回動中心部の前面側には、トーションスプリング２７Ｓ（本発明に係る「シャッタ付勢部材」に相当する）が備えられている。そして、ガラス枠９５が開かれた状態（前面枠９０の前面から離間した状態）では、トーションスプリング２７Ｓの弾発力によってシャッタ２７が遮断位置に保持されて球通路２６Ａを遮断している。その遮断位置にシャッタ２７が配置されると、遊技球がせき止められ、球通路２６Ａの開口から遊技球が排出されなくなる。
【００４４】
シャッタ２７のうち回動軸を挟んで作動部２７Ｃと反対側に延びた受圧部２７Ａには、ガラス枠９５の前面側に向かって斜め上方に張り出した摺接片２７Ｂが備えられている。そして、ガラス枠９５が閉じられると、前面枠９０側から前方に突出した開放シャフト４３Ｃが摺接片２７Ｂに摺接してシャッタ２７が開通位置に移動する。これにより、遊技球が球通路２６Ａから排出可能になる。
【００４５】
前面枠９０の前面のうちガラス枠９５の下方には、下部カバー２９が取り付けられている。この下部カバー２９の前面には、その中央に下皿２８が設けられている。下皿２８は、パチンコ遊技機１０の前方に膨出してここに遊技球が貯留可能になっている。そして、上記した球抜きボタン２３を押圧操作すると、上皿２６に貯留された遊技球が下皿２８に排出される。下皿２８には、ファール球等も貯留される。下部カバー２９のうち下皿２８の左側方には、遊技スイッチ５３が設けられている。この遊技スイッチ５３を押圧すると、液晶表示部３２で変動表示されている画像、例えば、キャラクタ画像を、遊技者の任意のタイミングで停止させることができる。また、下皿２８の右側方には、球排出ボタン５２が設けられている。この球排出ボタン５２を押圧すると、下皿２８に貯留された遊技球をパチンコ遊技機１０の外部に排出することができる。
【００４６】
下部カバー２９は、第１ヒンジ機構８０Ｈと同じ側の側部に備えた第４ヒンジ機構２９Ｈによって前面枠９０に回動可能に連結されている。そして、前面枠９０のうち、第４ヒンジ機構２９Ｈから前面枠９０の横方向における途中部分までが下部カバー２９に覆われ、残りの部分が前面枠９０の下側一角部に固定された角部カバー７１によって覆われている。また、図５に示すように、下部カバー２９の回動端に備えた可動フック２９Ｆを角部カバー７１から張り出した係止片７１Ｆに係止させることで、下部カバー２９が閉止状態に保持されている。そして、図１に示すように角部カバー７１の前面に露出した解錠操作部８５Ｓを所定の鍵を用いて解錠操作することで、可動フック２９Ｆと係止片７１Ｆとの係止が解除されて下部カバー２９を開くことができる。また、解錠操作部８５Ｓは、ガラス枠９５、前面枠９０及び外枠８２を閉止状態にするための解錠装置８５（図４参照）を解錠するための操作部にも兼用されている。
【００４７】
図６に示すように、角部カバー７１は、上方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなった形状をなし、前面枠９０の一角部における下縁部と一側縁部とに縁部を重ねた状態にして螺子止めされている。その螺子は、前面枠９０の後面側から角部カバー７１に螺合され、角部カバー７１の前面には露出しないようになっている。これにより、防犯性が高められている。また、前面枠９０の前面には、下部カバー２９と角部カバー７１の境界部分の後方に発射装置ユニット７０が取り付けられ、角部カバー７１の一部が発射装置ユニット７０の一部の前方を覆っている。詳細には、角部カバー７１の下側部分は、発射装置ユニット７０のうち打撃槌６７の回動中心に隣接した位置まで覆っている。そして、角部カバー７１のうち下部カバー２９側の側縁部７１Ｃが上下方向の途中から緩やかに傾斜し、その側縁部７１Ｃの中間部分からは三角突片７１Ｄが突出している。また、角部カバー７１を前方から見ると、その三角突片７１Ｄが発射装置ユニット７０に備えた後述のベース部材６５における一側縁部に重ねられ、前面枠９０の一角部においてベース部材６５により覆われていない部分を角部カバー７１が前方から覆っている。これにより、ベース部材６５より奥側に異物が入り込むことを防止している。
【００４８】
角部カバー７１の下端部には、操作ノブ５０が回動可能に取り付けられて、その操作ノブ５０に備えた連結シャフト５０Ｓ（図５参照）が発射装置ユニット７０の可動部分に連結されている。そして、操作ノブ５０を回動すると操作ノブ５０に内蔵した始動スイッチがオンして発射装置ユニット７０が始動し、遊技領域Ｒ１へと遊技球が発射される。
【００４９】
以下、発射装置ユニット７０について詳説する。発射装置ユニット７０は、前面枠９０の前面に重ねて取り付けられる板状のベース部材６５に、打撃槌６７、球供給装置４２等の複数の部品を組み付けてなる。図７に示すようにベース部材６５の下端部からは、一側方に向けてノブ対応突片６５Ａが張り出されている。また、ノブ対応突片６５Ａの前面には筒形支柱７２が取り付けられている。筒形支柱７２の軸心部には軸孔７２Ａが貫通しており、ベース部材６５にはその軸孔７２Ａの同心上に貫通孔（図示せず）が形成されている。そして、その貫通孔にノブ対応突片６５Ａの後面側から中継スリーブ７３が挿入されている。また、ノブ対応突片６５Ａ及び筒形支柱７２は、図６に示すように角部カバー７１によって前面側を覆われる。
【００５０】
中継スリーブ７３は、筒形支柱７２内に軸支された連結筒部７３Ｂ（図７参照）の一端に扇形の巻取盤７３Ａ（図８参照）を有してなる。その連結筒部７３Ｂの内側には、操作ノブ５０の連結シャフト５０Ｓ（図５参照）が挿入されて一体回転可能に連結されている。図８に示すように巻取盤７３Ａは、ベース部材６５の後面に一体形成されたストッパ６５Ｓによって回動範囲を規制されている。また、ベース部材６５の後面には、抜け止め蓋７３Ｃが巻取盤７３Ａを跨ぐようにしてベース部材６５に固定され、これにより中継スリーブ７３が抜け止めされている。
【００５１】
ベース部材６５の後面側のうち巻取盤７３Ａの側方には、弾発エレメント６２が取り付けられている。弾発エレメント６２は、図９に示すように、円筒スリーブ６２Ｔの両端部に回動リング６３と回動キャップ６４とを回動可能に軸支すると共に、円筒スリーブ６２Ｔの中間部分に挿通した捻りコイルバネ６６で回動リング６３と回動キャップ６４とを連結した構造になっている。そして、ベース部材６５の後面に座ぐって形成された円形凹部（図示せず）に円筒スリーブ６２Ｔの一端が嵌合固定され、回動リング６３がベース部材６５側に配置されている。
【００５２】
図８に示すように回動リング６３は前記した巻取盤７３Ａにワイヤ６２Ｗで連結されている。そのワイヤ６２Ｗは、その両端部が回動リング６３の周面と巻取盤７３Ａの周面とにそれぞれ沿わされ、中間部が回動リング６３と巻取盤７３Ａとの間に張られている。これにより、操作ノブ５０（図４参照）の操作に連動して、回動キャップ６４が回動し、捻りコイルバネ６６の捻れ量が変更される。
【００５３】
回動キャップ６４には、側方に張り出したトルクアーム６４Ａが備えられ、そのトルクアーム６４Ａの先端からベース部材６５に向かって摺接ボス６４Ｂが突出している。回動キャップ６４の中心部には、槌支軸６９が一体回転可能に固定され、その槌支軸６９がベース部材６５を貫通し、ベース部材６５の前面側に突出している。また、ベース部材６５には、前記円筒スリーブ６２Ｔを嵌合固定した円形凹部（図示せず）の内側に、ベアリング嵌合孔（図示せず）が貫通形成され、そこに嵌合したベアリング（図示せず）により槌支軸６９が回転可能に支持されている。そして、ベース部材６５の前面側から槌支軸６９に、打撃槌６７が取り付けられている。
【００５４】
図９に示すように打撃槌６７は、ベース部材６５の前面と平行になって斜め上下方向に延びた本体部６７Ｈを有し、その本体部６７Ｈの下端寄り位置には、取付孔（図示せず）が形成されている。そして、槌支軸６９のうちベース部材６５の前面側に突出した部分（図７参照）を、ワッシャ（図示せず）、打撃槌６７の取付孔、スプリングワッシャ（図示せず）に順番に挿通して、槌支軸６９の先端に形成された螺子部にナットＮ１（図７参照）が締め付けられている。これにより、打撃槌６７が槌支軸６９に固定されている。
【００５５】
図７に示すように本体部６７Ｈの上端部には、回動方向に槌先端部６７Ｓが突出している。詳細には、本体部６７Ｈの上端部は、湾曲して先端面が筒形支柱７２と反対側を向いている。そして、その先端面に、図示しないピン孔が形成され、そこに打撃ピン６７Ｐが圧入されると共に、その打撃ピン６７Ｐの外側に打撃スプリング６７Ｃが嵌合固定されている。そして、これら打撃ピン６７Ｐと打撃スプリング６７Ｃとから本発明に係る槌先端部６７Ｓが構成されている。
【００５６】
なお、打撃スプリング６７Ｃは、コイル形状をなし、そのコイル径が先端側に向かって徐々に小さくなっている。また、その打撃スプリング６７Ｃの先端面が、巻回軸方向と直交した平坦面になるように加工されている。
【００５７】
ベース部材６５の前面のうち打撃槌６７を挟んで筒形支柱７２と反対側には、槌ストッパ７４が取り付けられている。槌ストッパ７４は、樹脂ボディ７４Ａに円形ゴム７４Ｂを固定してなり、その円形ゴムが打撃槌６７における長手方向の中間部に当接して打撃槌６７を打撃位置に停止させる。
【００５８】
ベース部材６５の前面のうち打撃槌６７との間で槌ストッパ７４を挟む位置には、打撃用モータ７５が取り付けられている。そして、打撃槌６７は、この打撃用モータ７５の駆動力を後述するカム機構を介して受けて槌ストッパ７４に接離するように往復回動し、打撃槌６７が槌ストッパ７４側に移動したときに遊技球を弾く。
【００５９】
図１０に示すようにベース部材６５の前面のうち槌ストッパ７４及び打撃用モータ７５の上方には、レール取付溝６５Ｄが形成されている。レール取付溝６５Ｄは、ベース部材６５のうちノブ対応突片６５Ａと反対側の側縁の上端部で側方に開放しており、その開放口から槌ストッパ７４の上側部分に向かって一定の幅で斜め下方に延びている。また、レール取付溝６５Ｄの下端部からは、レール取付溝６５Ｄと直交する斜め上方に分岐溝６５Ｅが連続して延びている。分岐溝６５Ｅは、レール取付溝６５Ｄと同じ深さでレール取付溝６５Ｄより幅狭になっている。
【００６０】
レール取付溝６５Ｄには、発射レール４０が取り付けられている。発射レール４０は、板金（例えば、ステンレス製）を断面略Ｍ字形に屈曲してなり、互いに対向した１対の板金側壁部４０Ａ，４０Ｂと、それら板金側壁部４０Ａ，４０Ｂの上縁部間でＶ字状になった誘導壁４０Ｃとを備えている。また、発射レール４０は、レール取付溝６５Ｄの長手方向全体に亘って延びている。図１１には、ベース部材６５及び発射レール４０の断面図が示されている。同図に示すように、発射レール４０の幅は、遊技球１つ分より僅かに大きくなっている。そして、一方の板金側壁部４０Ａが、ベース部材６５におけるレール取付溝６５Ｄの奥面に宛がわれると共に、レール取付溝６５Ｄの下縁部側に偏在した状態に配置され、誘導壁４０Ｃの上面とレール取付溝６５Ｄの上縁部との間に遊技球１つ分の間隔が開けられている。
【００６１】
一方の板金側壁部４０Ａには、長手方向の両端寄り位置に、図１１に示した位置決貫通孔４０Ｈが貫通成形されている。これらに対応して、他方の板金側壁部４０Ｂには、両位置決貫通孔４０Ｈとの対向位置に、位置決貫通孔４０Ｈより小径の螺子挿通孔４０Ｊが貫通成形されている。これに対応して、レール取付溝６５Ｄの奥面における長手方向の両端部からは、取付支柱６５Ｔがそれぞれ突出している。取付支柱６５Ｔは、ベース部材６５に一体成形され、先端に向かうに従ってテーパー状に縮径している。また、取付支柱６５Ｔの軸心部は空洞になっており、取付支柱６５Ｔの先端部内周面に雌螺子部６５Ｕが形成されている。そして、各取付支柱６５Ｔが、一方の板金側壁部４０Ａにおける各位置決貫通孔４０Ｈを挿通されると共に、取付支柱６５Ｔの先端面が、他方の板金側壁部４０Ｂの内側から螺子挿通孔４０Ｊの開口縁に対向している。この状態で、取付支柱６５Ｔの雌螺子部６５Ｕに、他方の板金側壁部４０Ｂの外側から螺子４０Ｎが螺合されている。これにより、他方の板金側壁部４０Ｂが、螺子４０Ｎのヘッド部と取付支柱６５Ｔの先端面とに挟まれて固定され、一方の板金側壁部４０Ａが取付支柱６５Ｔの基端部によって位置決めされかつ支持されている。また、本実施形態では、ベース部材６５におけるレール取付溝６５Ｄの奥面に発射レール４０の一側面を宛がって固定したので、ベース部材６５からの発射レール４０の突出量を抑えることができる。
【００６２】
図１０に示すように分岐溝６５Ｅには、球停止部材４１が取り付けられている。そして、発射レール４０の下端部とこの球停止部材４１とから、本発明に係る「球停止部」が構成されている。球停止部材４１は、図８に示すように断面台形の角筒構造をなし、球停止部材４１の一端に備えた底壁（図示せず）の底壁中心部を貫通した螺子４１によりベース部材６５に固定されている。また、底壁からは、螺子４１を挟んだ両側に１対の突起４１Ｐ，４１Ｐが突出しており、これら突起４１Ｐ，４１Ｐがベース部材６５に貫通成形した位置決め孔に嵌合されている。
【００６３】
図１０に示すように球停止部材４１は、互いに平行になった１対の側壁面４１Ａ，４１Ａが、発射レール４０の長手方向で対向するように配置され、一方の側壁面４１Ａが発射レール４０の下端面に対して略面一になっている。また、両側壁面４１Ａ，４１Ａの間で傾斜したテーパー面４１Ｂが、発射レール４０の下端部に上方から臨んでおり、テーパー面４１Ｂと発射レール４０の上面との間隔が、斜め下方に向かうに従って徐々に狭くなっている。そして、発射レール４０上に遊技球（図８の符号Ｙ）が供給されると、その遊技球が自重により発射レール４０の下端側に転動して球停止部材４１のテーパー面４１Ｂに当接し発射レール４０上の打撃待機位置に停止する。このとき、遊技球は、図１２に示すように発射レール４０の誘導壁４０ＣにおけるＶ字形底面によって誘導壁４０Ｃの幅方向の中心に配置されると共に、発射レール４０の下端側に向かうに従って徐々に接近する球停止部材４１のテーパー面４１Ｂ（図８参照）により、遊技球の上下方向の跳ね上がりが抑えられる。これにより、遊技球が安定して発射レール４０の打撃待機位置に停止する。また、前記した打撃槌６７が槌ストッパ７４に当接して打撃位置に移動すると、打撃槌６７の槌先端部６７Ｓが球停止部材４１と発射レール４０との間隙部に突入して、打撃待機位置の遊技球を弾く。これにより、遊技球が発射レール４０に沿って斜め上方に向けて発射される。
【００６４】
なお、前記した誘導レール１２の端部は、発射レール４０の延長線から若干下方にオフセットした位置に配置されており、発射装置ユニット７０から発射された遊技球が誘導レール１２により遊技領域Ｒ１へと案内される。
【００６５】
図９に示すようにベース部材６５の前面側には、発射レール４０、球停止部材４１に重ねて球供給装置４２が取り付けられている。球供給装置４２は、透明な樹脂製のケース体４２Ｃの内部に、図１３に示した従動部材４６と開閉部材４５とを収容している。ケース体４２Ｃは、ケース本体４４にケース蓋４３（本発明の「壁部」に相当する）を組み付けてなる。ケース本体４４は、ベース部材６５と平行なベース対向壁４４Ａを有し、そのベース対向壁４４Ａの外縁部から前側（ベース部材６５から離れる側）に包囲壁４４Ｂを起立してその内側に収容空間を備えている。
【００６６】
ケース蓋４３は、包囲壁４４Ｂの前面開口全体を覆う略平板状をなしている。また、ケース蓋４３の一側縁部とケース本体４４の一側縁部との間にはヒンジ機構４３Ｈ（図７参照）が備えられ、その一側縁部を中心にケース蓋４３が開閉可能になっている。さらに、ケース蓋４３とケース本体４４との間には、ヒンジ機構４３Ｈと反対側の縁部に係止機構４３Ｋ（図７参照）が備えられ、この係止機構４３Ｋによってケース蓋４３が閉止状態に保持されている。
【００６７】
ケース本体４４におけるベース対向壁４４Ａの後面側には、上縁部と両側縁部の一部とから後方に向けて嵩上げ壁４４Ｃが起立している。また、ベース対向壁４４Ａにおける一方の側縁部の嵩上げ壁４４Ｃの先端からロック片４４Ｄ（図８参照）が延設されている。さらに、ベース対向壁４４Ａの他方の側縁部側の上側角部には、包囲壁４４Ｂより外側に取付壁４４Ｅ（図１３参照）が張り出され、その取付壁４４Ｅをナイラッチ４４Ｆが前後方向に貫通している。
【００６８】
これに対し、ベース部材６５には、図１０に示すように、ノブ対応突片６５Ａが張り出された側の上端角部に、ラッチ孔６５Ｈが形成されると共に、反対側の上端角部寄り位置に、縦長の係止スリット６５Ｇが形成されている。そして、ケース本体４４のロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに係止し、そのロック片４４Ｄ（図８参照）を中心にしてケース本体４４を回動させてナイラッチ４４Ｆをラッチ孔６５Hに係止することで、嵩上げ壁４４Ｃの先端面がベース部材６５の前面に突き当てられた状態でケース本体４４がベース部材６５に固定されている。これにより、ベース対向壁４４Ａがベース部材６５から浮いた状態に保持されている。また、ベース対向壁４４Ａは、発射レール４０及び球停止部材４１からも浮いている。
【００６９】
図１４に示すようにベース対向壁４４Ａには、遊技球が１つ通過可能な球出口４４Ｇが貫通形成されている。また、ケース本体４４には、球出口４４Ｇの上側部分から発射レール４０と平行な斜め上方に向けて遊技球誘導路４４Ｈが延びている。さらに、ケース蓋４３には、遊技球誘導路４４Ｈの上端部に対応した位置に、遊技球が１つ通過可能な球流入口４３Ａが貫通形成されている。そして、上皿２６の球通路２６Ａの開口が、球流入口４３Ａに対面する。また、ケース蓋４３の上端部からは、図１２に示すように前方に向けて開放シャフト４３Ｃが突出している。そして、ガラス枠９５を閉じたときに、前述の如く、開放シャフト４３Ｃがシャッタ２７の摺接片２７Ｂに摺接してシャッタ２７が開き、上皿２６に貯留された遊技球が球通路２６Ａから球流入口４３Ａへの遊技球が流れ込む。
【００７０】
ケース本体４４には、遊技球誘導路４４Ｈの中間部分の下面から分岐した球排出路４４Ｋ（本発明の「球抜き通路」に相当する）が設けられている。そして、開閉部材４５がケース本体４４のうち遊技球誘導路４４Ｈの下方に回動可能に軸支され、その開閉部材４５の回動位置に応じて遊技球誘導路４４Ｈから球排出路４４Ｋへの分岐口４４Ｚが開閉される。また、開閉部材４５は、コイルバネ４５Ａによって分岐口４４Ｚを常には閉塞するように付勢されている。さらに、図１２に示すように開閉部材４５には、ケース蓋４３に向けて突出した操作突起４５Ｂが備えられ、この操作突起４５Ｂがケース蓋４３に形成された長孔４３Ｂを通して球供給装置４２から前方に突出している。そして、上記した球抜きボタン２３が操作突起４５Ｂに連結されている。これにより、球抜きボタン２３を操作することで、遊技球誘導路４４Ｈ内の遊技球が下皿２８に排出することができる。この結果、上皿２６から遊技球誘導路４４Ｈ内に補充されても、球抜きボタン２３が操作されている間は、それら補充された遊技球も順次下皿２８に排出される。
【００７１】
ベース対向壁４４Ａのうち球出口４４Ｇの上方には、カム連結孔４４Ｌが貫通成形されている。このカム連結孔４４Ｌに対応して、ベース部材６５には、図８に示すようにカム連結窓６５Ｃが貫通成形されている。また、ベース対向壁４４Ａのうち球出口４４Ｇ及びカム連結孔４４Ｌを挟んで遊技球誘導路４４Ｈと反対側の側部寄り位置からは、回動支軸４４Ｍが起立しており、ここに従動部材４６が回動可能に軸支されている。従動部材４６は、回動中心から遊技球誘導路４４Ｈ側に向かって広がった略扇形状をなした回動盤４６Ａと、その回動盤４６Ａの上面先端部から立ち上がって後方に延びたカム摺接突部４６Ｂとからなる。そして、カム摺接突部４６Ｂは、両カム連結孔４４Ｌ，６５Ｃを通過してベース部材６５の後面側まで延びている（図９参照）。
【００７２】
カム摺接突部４６Ｂのうちベース部材６５の後方側に突出した先端部は、図１３に示すように、円柱体を縦割りに略２分割した形状をなし、その縦割りの円柱体における円弧面が下方に向けられて本発明に係る円弧摺動面４６Ｅになっている。また、カム摺接突部４６Ｂは、長手方向の中間部分から回動盤４６Ａからの立ち上がり部に向かうに従って下方に膨み、これにより強度アップが図られている。
【００７３】
回動盤４６Ａのうち回動中心から離れた側が、丸みを帯びてその一部が遊技球誘導路４４Ｈの終端開口４４Ｘに対向した対向面４６Ｆになっている。回動盤４６Ａのうちその対向面４６Ｆの上下方向における中間位置には球受容部４６Ｃが陥没形成されている。球受容部４６Ｃは、回動盤４６Ａの板厚方向にも開放しており、その内面はベース対向壁４４Ａ側に向かって下っている。なお、従動部材４６全体は、合成樹脂で構成され、球受容部４６Ｃの下方には、金属製のウエイト４６Ｄ（本発明に係る「重り部」に相当する）が組み込まれている。
【００７４】
従動部材４６は、ケース本体４４に備えた１対の回動規制ストッパ４４Ｓ１，４４Ｓ２（本発明に係る「回動規制部」に相当する）によって可動範囲が規制されている。そのうち一方の回動規制ストッパ４４Ｓ１は、ベース対向壁４４Ａから起立した構造をなし、回動盤４６Ａの上面に当接可能になっている。また、他方の回動規制ストッパ４４Ｓ２は、包囲壁４４Ｂの一部を内側に張り出してなり、回動盤４６Ａの下面に当接可能になっている。
【００７５】
そして、従動部材４６が、可動範囲のうち上端寄りの本発明に係る球受容位置に配置されると、図１４に示すように球受容部４６Ｃが遊技球誘導路４４Ｈの終端開口４４Ｘに対向して遊技球誘導路４４Ｈから遊技球を１つ受け取ることができる。また、その球受容位置から僅か下方に従動部材４６が移動して球規制位置に至ると、球受容部４６Ｃが終端開口４４Ｘからずれて終端開口４４Ｘからの遊技球の排出を禁止し、球受容部４６Ｃ内には遊技球が保持された状態になる。さらに、そこから従動部材４６が下方に移動して可動範囲のうち下端寄りの本発明に係る球排出位置に配置されると、図１５に示すように、球受容部４６Ｃが終端開口４４Ｘからずれて終端開口４４Ｘからの遊技球の排出が禁止されると共に、球受容部４６Ｃの側面が球出口４４Ｇに対向し、球受容部４６Ｃからケース体４２Ｃの外部に遊技球が排出される。そして、球出口４４Ｇから排出された遊技球が発射レール４０を下り、球停止部材４１に当接して停止する。なお、球受容位置では、従動部材４６が上側の回動規制ストッパ４４Ｓ１に対して若干下方に離れた位置まで接近する。一方、球排出位置では、従動部材４６が下側の回動規制ストッパ４４Ｓ２に対して若干上方に離れた位置まで接近する。
【００７６】
回動盤４６Ａの前面のうち球受容部４６Ｃより回動中心側の部位からは、操作突部４６Ｇがケース蓋４３に向けて突出している。操作突部４６Ｇは、直径８〜１０ｍｍ程度で断面円形になっており、その先端面には、上側を差した矢印状の指示刻印４６Ｈが陥没成形されている。この操作突部４６Ｇに対し、ケース蓋４３には、操作窓４３Ｗが貫通形成され、そこに操作突部４６Ｇが収まっている。この操作窓４３Ｗは、角部が丸みを帯びた正方形になっており、回動盤４６Ａを回動するとすると、その対角線に沿って操作突部４６Ｇが移動する。また、回動盤４６Ａを回動規制ストッパ４４Ｓ１，４４Ｓ２に当接する位置まで回動しても、操作突部４６Ｇは操作窓４３Ｗの内面には当接しないようになっている。さらに、ケース蓋４３の前面には操作窓４３Ｗの上方と両側方を覆うように突条４３Ｄが突出形成されている。また、ケース蓋４３の上縁寄り位置には、「矢印の方向に上げて本体につける」という注意書きを刻印した注意書表示部４３Ｅが設けられている。
【００７７】
図８に示すように、ベース部材６５の後面には、球供給装置４２と打撃槌６７とを同期させて駆動するためのカム機構が設けられている。具体的には、ベース部材６５の後面には、前記した打撃用モータ７５の回転軸が突出し、その回転軸にピニオンギヤ７６Ａが固定されている。そのピニオンギヤ７６Ａの斜め上方には、アイドルギヤ７６Ｂが回転可能に軸支され、ピニオンギヤ７６Ａに噛合している。また、ベース部材６５の後面のうちアイドルギヤ７６Ｂと、その斜め下方に位置した弾発エレメント６２との間には、打撃カムギヤ７６Ｃが回転可能に軸支され、アイドルギヤ７６Ｂに噛合している。さらに、アイドルギヤ７６Ｂを上下方向で間に挟んで打撃カムギヤ７６Ｃとほぼ対称な位置には、球供給カムギヤ７６Ｄが回転可能に軸支され、アイドルギヤ７６Ｂに噛合している。
【００７８】
アイドルギヤ７６Ｂは、全体として円板状になった平ギヤである。打撃カムギヤ７６Ｃは、円板形の平ギヤ部７６Ｃ１の一端面に打撃用カム７７を一体成形して備えている。球供給カムギヤ７６Ｄは、円板形の平ギヤ部７６Ｄ１の一端面に球供給用カム７８を一体成形して備えている。また、アイドルギヤ７６Ｂ、打撃カムギヤ７６Ｃ及び球供給カムギヤ７６Ｄは、共に合成樹脂の成形品であり、打撃カムギヤ７６Ｃと球供給カムギヤ７６Ｄとは、異なる色（例えば、水色と黒）の合成樹脂で成形され、これにより容易に両者を識別可能になっている。
【００７９】
打撃用カム７７は、回転軸方向から見ると全体が略半円形になっており、その略半円形の直線部分の一端部が平ギヤ部７６Ｃ１の中心部に配置され、他端部が平ギヤ部７６Ｃ１から外側に張り出している。詳細には、打撃用カム７７のうち前記略半円形の直線部分を構成する直線壁７７Ａは、平ギヤ部７６Ｃ１の回転中心を通過する線上に配置されている。また、平ギヤ部７６Ｃ１の中心部には円筒壁７７Ｃが起立しており、その円筒壁７７Ｃから直線壁７７Ａが立ち上がっている。さらに、略半円形の円弧部分を構成する円弧壁７７Ｂは、円筒壁７７Ｃのうち直線壁７７Ａの立ち上がり部分の反対側から緩やかに立ち上がって丸みを帯び、インボリュート曲線のように、徐々に曲率が大きくなって先端が円弧壁７７Ｂに繋がっている。
【００８０】
そして、この円弧壁７７Ｂの外周面に、弾発エレメント６２の摺接ボス６４Ｂが摺接することで、打撃用カム７７が槌ストッパ７４から離れるように回動する。このとき、弾発エレメント６２の回動キャップ６４と回動リング６３との間で捻りコイルバネ６６が捻れ変形し、弾発力が蓄えられる。そして、摺接ボス６４Ｂが打撃用カム７７の先端を通過すると、捻りコイルバネ６６の弾発力が解放されて摺接ボス６４Ｂが打撃用カム７７の直線壁７７Ａに沿って移動し、打撃槌６７が回動キャップ６４と共に急峻に回動して槌ストッパ７４に当接する打撃位置に至る。これにより、遊技球が発射される。
【００８１】
球供給用カム７８は、打撃用カム７７と同様の構造をなし、略半円形の直線部分を構成する直線壁７８Ａと円弧部分を構成する円弧壁７８Ｂとを備えている。また、円筒壁７８Ｃのうち直線壁７７Ａの立ち上がり部分の反対側からは平ギヤ部７６Ｄ１の外縁部まで接線壁７８Ｄが円筒壁７８Ｃの接線方向に延びており、その球供給カムギヤ７６Ｄの先端から円弧壁７８Ｂが直線壁７８Ａの先端まで円弧状に延びている。
【００８２】
この球供給用カム７８に対して、球供給装置４２の従動部材４６におけるカム摺接突部４６Ｂが斜め上方から当接している。詳細には、カム摺接突部４６Ｂは、従動部材４６に備えたウエイト４６Ｄの自重とその従動部材４６の自重とによりカム摺接突部４６Ｂが球供給用カム７８側に付勢されて、球供給用カム７８に押し付けられている。
【００８３】
球供給用カム７８が回動すると、図１６（Ａ）に示すように球供給用カム７８の円弧壁７８Ｂに、カム摺接突部４６Ｂの円弧摺動面４６Ｅが摺接して、その摺接位置が円弧壁７８Ｂの接線壁７８Ｄ側から直線壁７８Ａ側へと移動する。すると、これに伴ってカム摺接突部４６Ｂが押し上げられ、これにより従動部材４６が可動範囲の上端側に移動する。そして、球供給用カム７８のうち円弧壁７８Ｂと直線壁７８Ａとの交点に位置した本発明に係るピーク部７８Ｐが、図１６（Ｂ）に示すように円弧摺動面４６Ｅの周方向における中心（本発明に係る「一の位置」に相当する）に接した状態になると、従動部材４６が球供給用カム７８によって最もその球供給用カム７８の回動中心から離される。このとき、従動部材４６が前記球受容位置に位置し、遊技球誘導路４４Ｈから球受容部４６Ｃに遊技球が受け入れられる。そして、そこから球供給用カム７８が僅かに回動して、図１６（Ｃ）に示すようにピーク部７８Ｐが円弧摺動面４６Ｅの周方向における一端部（本発明に係る「他の位置」に相当する）に移動すると、従動部材４６が僅かに下方に下がって（沈んで）、前記球規制位置に至り、遊技球誘導路４４Ｈからの遊技球の排出を規制し、球受容部４６Ｃに遊技球を保持した状態になる。さらに、球供給用カム７８が回動すると、ピーク部７８Ｐが円弧摺動面４６Ｅから離れ、カム摺接突部４６Ｂが円弧壁７８Ｂに沿って一気に球供給用カム７８の回動中心側に移動する。これにより、従動部材４６が、前記球排出位置に至り、球受容部４６Ｃから発射レール４０上に遊技球を排出する。このようにして、打撃槌６７の動作に同期して従動部材４６が上下に往復動し、球供給装置４２から発射レール４０上に遊技球が１球ずつ供給される。
【００８４】
なお、打撃槌６７が打撃位置から離れたタイミングで球供給装置４２から遊技球が供給されるように、打撃用カム７７と球供給用カム７８とがギヤ連結されている。そのために、アイドルギヤ７６Ｂの周縁部には、三角形突起ＭＫ１と丸形突起ＭＫ２とが間隔を開けて形成され、これらに対応させて打撃カムギヤ７６Ｃにおける平ギヤ部７６Ｃ１の周縁部には、三角形突起ＭＫ１が形成され、さらに、球供給カムギヤ７６Ｄにおける平ギヤ部７６Ｄ１の周縁部には、丸形突起ＭＫ２が形成されている。そして、三角形突起ＭＫ１，ＭＫ１同士を向かい合わせると共に、丸形突起ＭＫ２，ＭＫ２同士を向かい合わせてこれらギヤ７６Ｂ，７６Ｃ，７６Ｄを噛合させれば、上記のタイミングが図れられるようになっている。
【００８５】
遊技機が取り付けられるパチンコホールでは、遊技機を島施設に取り付けたままメンテナンス等を行う。このため、発射装置ユニット７０に遊技機背面側からアプローチして発射装置ユニット７０の後面に取り付けられた球供給カムギヤ７６Ｄ等を操作し、球供給用カム７８をカム摺接突部４６Ｂと接触しない位置に退避させるのは困難である。よって、本願発明のような構成にすることで、容易にケース体４２Ｃを遊技機に取り付けすることができ、作業性の向上につながる。
【００８６】
本実施形態に係るパチンコ遊技機１０の構成の説明は以上の通りである。次に、パチンコ遊技機１０の作用効果の説明を行う。パチンコ遊技機１０にて遊技を行う際には、操作ノブ５０を回動操作する。すると、打撃用カム７７及び球供給用カム７８とそれらの摺動部品とからなるカム機構が作動し、球供給装置４２から発射レール４０上に１つずつ遊技球が供給される度に、その球供給装置４２に同期して打撃槌６７が打撃動作を行い、打撃槌６７の槌先端部６７Ｓが遊技球に衝突して遊技球が弾かれ、発射レール４０及び誘導レール１２からなる本発明の「レール部材」によって遊技領域Ｒ１へと案内される。このとき、操作ノブ５０の回動量を変更することで、遊技球の発射力を変更することができる。そして、遊技領域Ｒ１を流下する遊技球の各種入賞口１４Ａ，１４Ｂ，１５，２０，２１，始動ゲート１８等への入球に応じて遊技が進行されていく。
【００８７】
さて、パチンコ遊技機１０の操作ノブ５０を操作しても遊技球が正常に発射されない場合には、通常、遊技ホールのホール係がガラス枠９５を開いてその原因を調べる。具体的には、所定の鍵を用いてパチンコ遊技機１０のガラス枠９５を開く。このとき上皿２６に遊技球が貯留されていても、ガラス枠９５を開いた際に自動的にシャッタ２７が上皿２６の球通路２６Ａを遮断するので、遊技球が飛散を防止することができる。
【００８８】
次いで、発射装置ユニット７０を検査する。そして、例えば、発射装置ユニット７０における球供給装置４２に、異物等が入り込んでいた場合には、ケース蓋４３を開いてその異物を球供給装置４２から排除する。このとき、ケース蓋４３を開く前に、ケース蓋４３の前面に突出した操作突起４５Ｂを操作することで、球供給装置４２内の遊技球を球排出路４４Ｋから排出しておけば、ケース蓋４３を開いた際の遊技球の飛散が防がれる。
【００８９】
また、異物混入により球供給装置４２の一部が破損している場合には、球供給装置４２を交換する。この場合は、球供給装置４２に備えたナイラッチ４４Ｆを引っ張ってラッチ孔６５Ｈから抜き、ケース体４２Ｃの一方の側部とベース部材６５との係合を解除する。そして、他方の側部を中心にして球供給装置４２を回動させてロック片４４Ｄ（図８参照）を係止スリット６５Ｇから抜く。これにより、球供給装置４２をベース部材６５から取り外すことができる。
【００９０】
次いで、新規の球供給装置４２を取り付ける。具体的には、先ほどの取り外し作業とは逆に、ロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに挿入して球供給装置４２を回動させてから、球供給装置４２をベース部材６５に対して供給用カム７８の回転軸方向に押し付けてベース部材６５に装着する。このとき、球供給装置４２に注意書表示部４３Ｅに表示された「矢印の方向に上げて本体につける」という注意書きと、指示刻印４６Ｈの矢印とをに従い、操作窓４３Ｗを通して操作突部４６Ｇを指で矢印の方向に押し上げながら、ケース体４２Ｃを、ベース部材６５に押し付ける。
【００９１】
すると、ケース体４２Ｃ内では従動部材４６が上側の回動規制ストッパ４４Ｓ１に当接し、球受容位置より可動範囲の端部側に位置決めされる。即ち、カム摺接突部４６Ｂと球供給用カム７８のピーク部７８Ｐとが接触する球受容位置より、カム摺接突部４６Ｂが、更に球供給用カム７８の回動中心から離れた位置に配置される。ここで、図１７には、球供給用カム７８におけるピーク部７８Ｐの軌跡より内側部分を球供給用カム７８のカム回動領域Ｒ２として示してある。そして、従動部材４６が回動規制ストッパ４４Ｓ１に当接する位置まで移動したときには、このカム回動領域Ｒ２より外側にカム摺接突部４６Ｂが位置することになる。
【００９２】
そして、この状態でケース体４２Ｃをベース部材６５に押し付けると、カム摺接突部４６Ｂがベース部材６５のカム連結窓６５Ｃに通過して、球供給用カム７８の斜め上方の離間した位置に突入した状態になる。これにより、ベース部材６５の後面側で配置されて視認し難い状態の球供給用カム７８に対して、カム摺接突部４６Ｂを干渉させることなくケース体４２Ｃをベース部材６５に組み付けることができる。そして、操作突部４６Ｇから手を離せば、自重により従動部材４６が降下して球供給用カム７８のカム回動領域Ｒ２内に移動する。すると、カム摺接突部４６Ｂが球供給用カム７８に対して球供給用カム７８の回転軸と直交する方向から当接し、球供給用カム７８に従動可能な状態になる。次いで、ナイラッチ４４Ｆをラッチ孔６５Ｈに押し込んでケース体４２Ｃをベース部材６５に固定し、ガラス枠９５を閉じる。すると、ケース体４２Ｃに備えた開放シャフト４３Ｃがシャッタ２７の摺接片２７Ｂに摺接し、シャッタ２７が球通路２６Ａを開通させて、上皿２６に貯留した遊技球が球供給装置４２に供給可能になる。これにより、遊技を再開することができる。
【００９３】
このように本実施形態のパチンコ遊技機１０によれば、ケース体４２Ｃの操作窓４３Ｗを通して従動部材４６を操作しながら、ケース体４２Ｃをベース部材６５に組み付けることで、従動部材４６のカム摺接突部４６Ｂと球供給用カム７８との干渉を避けることができる。これにより、従動部材４６を収容したケース体４２Ｃを、球供給用カム７８を備えたベース部材６５に容易に組み付け可能になる。
【００９４】
本実施形態の要点を纏めると、以下のようになる。
（１）遊技機構成部品を取り付け可能なベース部材６５と、前記ベース部材６５に着脱可能に取り付けられるケース体４２Ｃと、前記ケース体４２Ｃの中に一端を軸支され回動可能に収められた従動部材４６と、前記ケース体４２Ｃに設けられた前記従動部材４６をカム機構により回動させるカム機構部とを備えた遊技機において、前記従動部材４６は、カム機構部（本実施形態の「球供給カムギア７６Ｄ」、「打撃用カムギア７６Ｃ」、「アイドリングギア７６Ｂ」、「ピニオンギア７６Ａ」に相当する）と係合するための係合部（本実施形態の「カム摺接突部４６Ｂ」に相当する）を少なくとも備え、前記ケース体６５は、前記従動部材４６の一部が露出する第１開口部（本実施形態の「カム連結孔４４Ｌ」に相当する）と第２開口部（本実施形態の「操作窓４３Ｗ」に相当する）とを少なくとも備え、前記第１開口部からは、前記係合部が突出すると共に、前記第２開口部からは、前記従動部材４６を前記ケース体４２Ｃの外から回動操作することが可能であり、前記カム機構部は、前記係合部と回転することで係合するカム係合部材（本実施形態の「球供給用カム７８」に相当する）を少なくとも備えると共に、前記カム係合部材は、前記従動部材４６を最下限位置となる第１位置（本実施形態の「球排出位置」に相当する）と最上限位置となる第２位置（本実施形態の「球受容位置」に相当する）とに往復回動させ、前記従動部材４６を前記第２開口部より回動操作することで前記第２位置よりも高い第３位置に回動させることが可能な構成としたことを特徴とする遊技機である。そのため、ケース体４２Ｃの取り付け時に、外部から従動部材４６を操作して第２位置よりも高く持ち上げながらベース部材６５に取り付けることができるので、係合部とカム係合部材とが接触することがなく取り付けし易い。
【００９５】
（２）前記カム係合部材は、前記ベース部材６５に回動可能に軸支されると共に、回動した時には最外形の軌跡がカム回動領域Ｒ２を描き、前記第３位置においては、前記係合部が前記カム回動領域Ｒ２外に位置することを特徴とする上記（１）に記載の遊技機である。そのため、係合部を、カム係合部材の回動領域外に移動させることができるので、取り付け時における係合部とカム係合部材との干渉を避けることができる。
【００９６】
（３）前記ベース部材６５を取り付け可能な遊技枠体８０と、前記ベース部材６５の一端面側には、前記カム係合部材を取り付けると共に、他端面側には、前記ケース体４２Ｃが取り付けられ、前記ベース部材６５には、前記係合部が前記ベース部材６５の一端面側に突出可能なカム連結窓６５Ｃが形成されていることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の遊技機である。そのため、ベース部材６５を有効に使用して部材を配置することができる。
【００９７】
（４）前記遊技枠体８０に前記ベース部材６５を取り付けた状態において前記一端面側は、遊技機背面側方向に位置し、前記他端面側は遊技機前面側方向に位置することを特徴とする上記１乃至３の何れかに記載の遊技機である。そのため、ケース体４２Ｃを、ベース部材６５の遊技機前面側に取り付けて、ケース体４２Ｃを着脱し易くすることができる。
【００９８】
（５）前記ケース体４２Ｃ内部には、遊技球を前記従動部材４６へと流下させる遊技球誘導路４４Ｈが備えられ、前記従動部材４６は、前記第２位置において遊技球を受け入れ可能な前記球受容部４６Ｃを有したことを特徴とする上記（１）乃至（４）の何れかに記載の遊技機である。そのため、ケース体４２Ｃ内部で遊技球を容易に誘導することができる。
【００９９】
（６）遊戯を行う遊技領域Ｒ１と、遊技機の前面側に設けられた遊技球供給皿（本実施形態の「上皿２６」に相当する）と、遊技領域Ｒ１へ遊技球を誘導するレール部材と、前記遊技領域Ｒ１に遊技球を発射する打撃槌６７と、が備えられ、前記レール部材の少なくとも一部は、前記ベース部材６５に設けられ、前記ケース体４２Ｃには、前記遊戯球供給皿から流下する遊技球が前記遊技球誘導路４４Ｈに流入する球流入口４３Ａと、前記球受容部４６Ｃが前記第２位置において受け入れた遊技球を前記第１位置で前記ケース体４２Ｃ外に排出する球出口４４Ｇとが設けられ、前記ベース部材６５に備えられた前記レール部材は、前記球出口４４Ｇから排出される遊技球が誘導されるように配置されたことを特徴とする上記（５）に記載の遊技機である。ここで、レール部材は、本実施形態の誘導レール１２及び発射レール４０で構成される。そのため、遊技領域Ｒ１にコンパクトな装置で遊技球を発射することができる。
【０１００】
（７）前記係合部と前記カム係合部材は、それぞれ係合する面を略円弧形状に形成すると共にそれぞれ係合開始から係合終了までの過程において、前記第２位置と前記第２位置よりも前記従動部材４６が低い位置に位置して前記球受容部４６Ｃに遊技球が受け入れ不可となる球規制位置へと変換するように構成されることを特徴とする上記（５）又は（６）に記載の遊技機である。ここで、本実施形態では、カム摺接突部４６Ｂの円弧摺動面４６Ｅと球供給用カム７８の円弧壁７８Ｂとが係合する。そのため、球受容部４６Ｃに流入する遊技球の個数が制限され、球受容部４６Ｃに２球目の遊技球が流入し始めて球詰まり等の不具合が生じることを防ぐことができる。
【０１０１】
（８）前記従動部材４６は、重り部（本実施形態の「ウエイト４６Ｄ」に相当する）を備えると共に前記カム係合部材と係合していない状態においては、前記ケース体４２Ｃの一部と自重により回動し当接することにより前記第１位置に保持されることを特徴とする上記（１）乃至（７）の何れかに記載の遊技機である。ここで、本実施形態では、球排出位置において従動部材４６が下側の回動規制ストッパ４４Ｓ２に対して若干上方に離れた位置まで接近する構成としているが、球排出位置において従動部材４６と下側の回動規制ストッパ４４Ｓ２とが当接する構成にしてもよい。そのため、常には、遊技球が球受容部４６Ｃに流入せず遊技球の流下を止めることが可能である。
【０１０２】
（９）前記遊技球誘導路４４Ｈは、球止め部（本実施形態の「対向面４６Ｆ」に相当する）との間に遊技球１球分停留可能にして前記遊技球誘導路４４Ｈ上の遊技球を前記ケース体４２Ｃの外へと球抜き可能な前記球排出路４４Ｋを底面に備え、前記球排出路４４Ｋを開閉可能な開閉部材４５を備えると共に、前記開閉部材４５は、常には前記球排出路４４Ｋを閉塞状態に保ち遊技者の操作により前記球排出路４４Ｋを開放状態とすることを特徴とする上記（５）乃至（８）の何れかに記載の遊技機。そのため、球抜きを行いながらでも遊技球を１球だけ発射可能となり、誤って球抜きボタン２３を押した場合であっても、遊技球を１球だけ発射して遊技を継続することができる。
【０１０３】
［他の実施形態］
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【０１０４】
（１）前記実施形態では、パチンコ遊技機１０に本発明を適用していたが、遊技機であれば、アレンジボール等に備えてもよい。
【０１０５】
（２）前記実施形態では、打撃用カム７７及び球供給用カム７８を打撃用モータ７５で回転させていたが、手動で回転させてもよい。
【０１０６】
（３）前記実施形態では、従動部材４６をウエイト４６Ｄで下向きに付勢していたが、従動部材４６をバネ等の弾性体の弾発力により下向き又は上向きに付勢してもよい。
【０１０７】
（４）前記実施形態では、操作突部４６Ｇを操作して従動部材４６を上向きに回動させていたが、操作突部４６Ｇを操作して従動部材４６が下向きに回動するようにしてもよい。
【０１０８】
（５）前記実施形態では、ベース部材６５がケース体４２Ｃと球供給用カム７８との間に配置されていたが、球供給用カム７８をベース部材６５とケース体４３Ｃとの間に配置してもよい。
【０１０９】
（６）前記実施形態では、ガラス枠９５と下部カバー２９とを分離して別体の構成としたが、ガラス枠９５と下部カバー２９とを一体に形成してガラス枠９５とし、そのガラス枠９５の開放によって発射装置ユニット７０を確認可能に構成してもよい。
【０１１０】
（７）前記実施形態では、ロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに挿入して球供給装置４２を回動させてから、球供給装置４２をベース部材６５に対して供給用カム７８の回転軸方向に押し付けていたが、球供給装置４２を、供給用カム７８の回転軸に対して傾斜した方向からベース部材６５に近づけて、ロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに挿入しつつベース部材６５に押し付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【０１１１】
【図１】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図２】パチンコ遊技機の分解斜視図
【図３】パチンコ遊技機の後面図
【図４】前面枠の正面図
【図５】ガラス枠及び下部カバーの後面側の部分拡大図
【図６】前面枠に取り付けた状態の発射装置ユニットの正面図
【図７】発射装置ユニットの正面図
【図８】発射装置ユニットの後面図
【図９】発射装置ユニットの側面図
【図１０】球供給装置を取り外した状態の発射装置ユニットの斜視図
【図１１】発射装置ユニットの部分断面図
【図１２】発射装置ユニットの斜視図
【図１３】球供給装置の分解斜視図
【図１４】ケース蓋を取り外した発射装置ユニットの部分拡大図
【図１５】ケース蓋を取り外した発射装置ユニットの部分拡大図
【図１６】（Ａ）球供給用カムとカム摺接突部との摺動状況図、（Ｂ）球供給用カムとカム摺接突部との摺動状況図、（Ｃ）球供給用カムとカム摺接突部との摺動状況図
【図１７】ベース部材の後面図
【符号の説明】
【０１１２】
１０ パチンコ遊技機（遊技機）
１２ 誘導レール（レール部材）
２６ 上皿（遊技球供給皿）
２６Ａ 球通路
２７ シャッタ
２７Ｓ トーションスプリング（シャッタ付勢部材）
４０ 発射レール（レール部材）
４１ 球停止部材（球停止部）
４２Ｃ ケース体
４３ ケース蓋（壁部）
４３Ａ 球流入口
４３Ｗ 操作窓
４４Ｈ 遊技球誘導路
４４Ｋ 球排出路（球抜き通路）
４４Ｌ カム連結孔
４４Ｓ１，４４Ｓ２ 回動規制ストッパ（回動規制部）
４４Ｘ 終端開口
４４Ｚ 分岐口
４５ 開閉部材
４６ 従動部材
４６Ｂ カム摺接突部
４６Ｃ 球受容部
４６Ｄ ウエイト（重り部）
４６Ｅ 円弧摺動面
４６Ｇ 操作突部
６５ ベース部材
６７ 打撃槌
７７ 打撃用カム
７８ 球供給用カム
７８Ｐ ピーク部
８０ 遊技枠体
８１ 遊技機本体
９５ ガラス枠（外装カバー）
Ｒ１ 遊技領域
Ｒ２ カム回動領域（回動領域）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カムを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、モータによる回転動作を往復動作に変換するためにカムが用いられる。そして、従来の遊技機として、例えば、遊技球を発射させるための打撃槌とモータとの間にカムを備え、その打撃槌に遊技球を供給する球供給装置とモータとの間にもカムを備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００５−１５２４７７号公報（段落［００６３］〜［００６９］、第２１〜２５図）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところで、組み付け作業を単純化するためには、複数の部品群を予め組み付けておき、それら組み付けられた部品群同士を合体させる作業が望まれる。例えば、上記した従来の遊技機の場合では、予めケース体に種々の部品を収容して球供給装置を完成させておく一方、カム等の可動部品をベース部材に組み付けておき、その球供給装置のケース体とベース部材とを組み付ける作業が望ましい。しなしながら、ケース体に収容された部品の中に、外部から力を受けて作動する従動部材が含まれている場合には、ケース体をベース部材に組み付ける際に、従動部材が任意に動いて、ベース部材側の可動部品に連結できない事態が生じ得た。
【０００４】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従動部材を収容したケース体を、別部品に容易に組み付け可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するためになされた請求項１の発明に係る遊技機は、カムが回転可能に取り付けられたベース部材と、カムから力を受けて従動する従動部材を収容したケース体とを備え、ケース体は、ベース部材に設けられる共に、従動部材からベース部材側に突出したカム摺接突部がカムに対して当接して摺動する遊技機において、ケース体のうち従動部材を覆う壁部に、従動部材の一部をケース体の外側に臨ませ、カム摺接突部をカムの回動領域の外側に移動操作可能とする操作窓が形成されたところに特徴を有する。
【０００６】
請求項２の発明は、請求項１に記載の遊技機において、従動部材は、ケース体の内部において回動可能に支持され、ケース体には、従動部材の可動範囲を規制する回動規制部が備えられ、可動範囲の一端側で回動規制部に従動部材を当接させたときに、カム摺接突部がカムの回動領域から外れるように構成したところに特徴を有する。
【０００７】
請求項３の発明は、請求項１又は２に記載の遊技機において、ベース部材は、ケース体とカムとの間に配置されると共に、カム摺接突部が貫通したカム連結孔を備えたところに特徴を有する。
【０００８】
請求項４の発明は、請求項１乃至３の何れかに記載の遊技機において、遊技機は、遊技球を用いて遊技を進行する弾球遊技機であって、ケース体は、遊技球を案内する遊技球誘導路を備え、従動部材が往復動して遊技球誘導路から遊技球を１つずつ受け取りかつケース体外に排出するように構成したところに特徴を有する。
【０００９】
請求項５の発明は、請求項４に記載の遊技機において、従動部材は、遊技球誘導路の終端開口との対向面に遊技球を１つ受容可能な球受容部を備え、従動部材が可動範囲における球受容位置に移動すると、球受容部が終端開口に対向して遊技球誘導路から１つの遊技球を受け入れ、従動部材が可動範囲における球排出位置に移動すると、球受容部が終端開口からずれて終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、球受容部からケース体の外部に遊技球を排出するように構成したところに特徴を有する。
【００１０】
請求項６の発明は、請求項５に記載の遊技機において、カム摺接突部に、カム側に向かって膨出した円弧摺動面が形成され、カムのうち回動中心から最も離れたピーク部は、円弧摺動面における一の位置から他の位置へと摺動してからカム摺動突起から離間し、ピーク部が円弧摺動面における他の位置に至ったときに、従動部材が可動範囲における球規制位置に配置され、球受容部が終端開口からずれて終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、球受容部内に遊技球を保持するように構成したところに特徴を有する。
【００１１】
請求項７の発明は、請求項４乃至６の何れかに記載の遊技機において、遊技を行う遊技領域と、遊技機の前面側に設けられた遊技球供給皿と、ケース体に設けられて、遊技球供給皿からの遊技球を遊技球誘導路に受け入れる球流入口と、球受容部からケース体の外部に排出された遊技球を受容して位置決めする球停止部と、球停止部で位置決めされた遊技球を弾く打撃槌と、打撃槌によって弾かれた遊技球を遊技領域に誘導するレール部材とを備えたところに特徴を有する。
【００１２】
請求項８の発明は、請求項７に記載の遊技機において、遊技機は、遊技機本体と、遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、遊技球供給皿は、外装カバーに一体化されると共に、遊技球供給皿からケース体への球通路を遮断可能なシャッタと、そのシャッタを閉じる方向に付勢するシャッタ付勢部材とを備え、外装カバーを遊技枠体の前面から外したときに、シャッタ付勢部材の付勢力によってシャッタが球通路を遮断する一方、外装カバーを遊技枠体の前面に取り付けたときに、遊技枠体側の一部に当接してシャッタが開き球通路が開通するように構成したところに特徴を有する。
【００１３】
請求項９の発明は、請求項１乃至８の何れかに記載の遊技機において、遊技機は、遊技機本体と、遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、ベース部材は、遊技枠体のうち外装カバーに覆われた部分に取り付けられると共に、そのベース部材の後面側にカムを配置する一方、前面側に従動部材及びケース体を配置したところに特徴を有する。
【００１４】
請求項１０の発明は、請求項１乃至９の何れかに記載の遊技機において、カム摺接突部をカム側に付勢する付勢手段として従動部材に重り部を備えたところに特徴を有する。
【００１５】
請求項１１の発明は、請求項１乃至１０の何れかに記載の遊技機において、遊技球誘導路の途中から下方に分岐し、遊技球誘導路内に遊技球を排出するための球抜き通路を備え、遊技球誘導路から球抜き通路への分岐口を常には閉塞し、外部からの操作によって分岐口を開放する開閉部材を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【００１６】
［請求項１の発明］
請求項１の構成によれば、従動部材を収容したケース体を、カムが回転可能に取り付けられたベース部材に組み付ける際に、ケース体の操作窓を通して従動部材の一部を操作し、カム摺接突部をカムの回動領域の外側に移動することができる。そして、この状態を保持してケース体をベース部材に装着することにより、カム摺接突部がカムに干渉することなく組み付けられる。即ち、本発明によれば、従動部材を収容したケース体を、カムを備えたベース部材に容易に組み付け可能になる。
【００１７】
［請求項２の発明］
請求項２の構成によれば、従動部材を可動範囲の一端側で回動規制部に当接させることで、カム摺接突部がカムの回動領域から外れたことを確認することができる。
【００１８】
［請求項３の発明］
請求項３の構成によれば、ベース部材を間に挟んで配置されたケース体の従動部材とカムとの間が、ベース部材のカム連結孔を貫通したカム摺接突部によって連結可能となる。
【００１９】
［請求項４及び５の発明］
請求項４の構成によれば、カムの回転に応じて従動部材が往復動し、ケース体の遊技球誘導路から遊技球を１つずつ受け取りかつケース体外に排出することが可能となる。即ち、遊技球を１つずつ供給する球供給手段として機能する。そのためには、請求項５の構成のように、従動部材のうち遊技球誘導路の終端開口との対向面に遊技球を１つ受容可能な球受容部を形成し、従動部材が球受容位置に移動したときに、球受容部が終端開口に対向して遊技球誘導路から１つの遊技球を受け入れ、従動部材が球排出位置に移動したときに、球受容部が終端開口からずれて終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、球受容部からケース体の外部に遊技球を排出するように構成すればよい。
【００２０】
［請求項６の発明］
請求項６の構成によれば、球受容部から遊技球を排出する前に、終端開口からの遊技球の排出を禁止し、球詰まりを防止することができる。
【００２１】
［請求項７の発明］
請求項７の構成によれば、遊技球供給皿に貯留された遊技球を、ケース体を通して１つずつ球停止部に供給することができる。そして、その遊技球を打撃槌で弾きかつレール部材で案内して遊技領域へと発射することができる。
【００２２】
［請求項８の発明］
請求項８の構成によれば、外装カバーを遊技枠体の前面から外すと、その外装カバーに備えた遊技球供給皿の球通路がシャッタによって遮断され、遊技球の飛散を防止することができる。
【００２３】
［請求項９の発明］
請求項９の構成によれば、外装カバーを外すことでベース部材を露出させ、この状態でケース体及びその内部に収容した部品一式を、部品交換することが可能になる。ここで、新たにケース体をベース部材に装着する際に、ケース体の操作窓を通して従動部材の一部を操作し、カム摺接突部をカムの回動領域の外側に移動することで、ベース部材の後面側で配置されて視認し難い状態のカムに対して、カム摺接突部を干渉させることなく容易に組み付けることができる。
【００２４】
［請求項１０の発明］
請求項１０の構成によれば、重り部及び従動部材の自重によりカム摺接突部をカムに押し付けて、カムに対するカム摺接突部の追従性を向上させることができる。
【００２５】
［請求項１１の発明］
請求項１１の構成によれば、外部からの操作によってケース体内から遊技球を外部に排出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２６】
以下、本発明の遊技機としてのパチンコ遊技機１０に係る一実施形態を、図１〜図１７に基づいて説明する。図１に示すように、パチンコ遊技機１０は、誘導レール１２（本発明に係る「レール部材」に相当する）に囲まれた遊技領域Ｒ１を有し、その遊技領域Ｒ１内に液晶表示部３２を備えている。誘導レール１２は帯状の板金を略円形に湾曲させてなり、遊技板１１の前面から起立している。また、液晶表示部３２は、遊技板１１に貫通形成した略矩形の表示窓１１Ｗに、遊技板１１の後面側から表示装置３０の液晶表示画面３０Ｇを宛がって構成されている。
【００２７】
液晶表示部３２は、遊技領域Ｒ１のうち上寄りかつ向かって右側寄りに配置され、主にその液晶表示部３２の上側、左側、下側に遊技球が流下可能なスペースが確保されている。液晶表示部３２の下側スペースには、その左右方向の中央に、第１及び第２の始動入賞口１４Ａ，１４Ｂ、大入賞口１５及びアウト口１６が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、誘導レール１２に沿って一般入賞口２０，２１及びサイドランプ２２，２２がそれぞれ設けられている。また、液晶表示部３２の左側スペースには、始動ゲート１８と風車１９とが上下に並べて設けられている。さらに、風車１９の下方には、サイドランプ２２と一体に、普通図柄表示部１８Ｈが設けられている。これら各種入賞口１４Ａ，１４Ｂ，１５，２０，２１，表示装置３０等の役物以外に、遊技領域Ｒ１には、遊技球と当接して流下方向を様々に変化させることが可能な障害釘が分散配置されている。
【００２８】
上記した役物の詳細は、以下のようである。一般入賞口２０，２１は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度１つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口２０，２１へ入球すると、その遊技球は遊技板１１の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球がパチンコ遊技機１０の前面に備えた上皿２６（本発明に係る「遊技球供給皿」に相当する）に払い出される。
【００２９】
始動ゲート１８は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート１８に内蔵された普通図柄始動スイッチによって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄表示部１８Ｈにおいて図柄が変動表示される。具体的には、「０」〜「９」までの数字からなる数字図柄が所定期間に亘って変動表示された後、所定の数字図柄が停止表示される。
【００３０】
第１及び第２の始動入賞口１４Ａ，１４Ｂは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂは、共に遊技板１１から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに入った遊技球は、遊技板１１に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技板１１の裏側に回収される。
【００３１】
上側に配置された第１の始動入賞口１４Ａは、遊技球が１つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第２の始動入賞口１４Ｂは、第１の始動入賞口１４Ａの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片１４Ｃ，１４Ｃが備えられている。これら両可動翼片１４Ｃ，１４Ｃは、常には起立状態になっており、両可動翼片１４Ｃ，１４Ｃに挟まれた第２の始動入賞口１４Ｂの開口幅は、遊技球が１つだけ入る大きさとなっている。また、第２の始動入賞口１４Ｂの上方空間は、常には、第１の始動入賞口１４Ａを構成する部材と可動翼片１４Ｃ，１４Ｃとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、普通図柄表示部１８Ｈで停止表示された数字図柄が奇数になると、遊技板１１の裏に設けたソレノイドが駆動されて、可動翼片１４Ｃ，１４Ｃが所定期間（例えば、０．４秒間）に亘って横に倒される。すると、第２の始動入賞口１４Ｂの上方空間が側方に開放し、第１の始動入賞口１４Ａの両脇を通過した遊技球が可動翼片１４Ｃに受け止められて第２の始動入賞口１４Ｂに案内されるようになる。
【００３２】
各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに遊技球が入賞すると、各始動入賞口１４Ａ，１４Ｂ内に設けた図示しない始動口センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、４個の遊技球が上皿２６に払い出されると共に、表示装置３０の液晶表示部３２において図柄が変動表示される。具体的には、液晶表示部３２には、通常、３つの左、中、右の特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが横並びに表示されている。これら各特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃは、例えば、「０」〜「１１」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに遊技球が入賞したときに、これら３つの特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になる。なお、液晶表示部３２において特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口１４Ａ，１４Ｂに入賞した場合、その入賞球は最大で４個まで保留記憶され、特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが停止表示又は「大当たり状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃが変動表示される。
【００３３】
大入賞口１５は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉１５Ｔにて閉塞されている。パチンコ遊技機１０が「大当たり状態」になると、遊技板１１の裏に設けた図示しないソレノイドが駆動され、可動扉１５Ｔが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口１５が開放され、可動扉１５Ｔを案内にして、大入賞口１５に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉１５Ｔが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、１つのラウンドは、可動扉１５Ｔの開放時間が３０秒に達したか、又は、大入賞口１５に遊技球が１０個入賞したかの何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり状態」は、最大で、例えば１５ラウンドまで継続される。
【００３４】
大入賞口１５の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。より詳細には、可動扉１５Ｔが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサが遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサが遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球とあわせて、大入賞口１５への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計１０個に達したか否かがチェックされる。なお、大入賞口１５に遊技球が入賞すると、例えば、１５個の遊技球が上皿２６に払い出される。
【００３５】
図２に示すように、パチンコ遊技機１０は、遊技機本体８１と、その遊技機本体８１が着脱可能に組み付けられる遊技枠体８０とから構成されている。また、遊技機本体８１は、遊技板アッシ１１Ａと機構板アッシ８４Ａとから構成されている。
【００３６】
遊技板アッシ１１Ａは、遊技板１１に上記した始動ゲート１８、風車１９等の各種役物を組み付けると共に、後面側に各種制御装置を組み付けてなる。具体的には、遊技板１１の後面側の上寄り位置には、前記した表示装置３０が取り付けられ、その後面には、図示しないランプ制御装置及び音声制御装置が取り付けられている。そして、これらにより役物に備えたランプの点灯制御、スピーカ１３（図１参照）からの音声の制御を行っている。また、表示装置３０を制御するための表示制御装置（図示せず）は、ランプ制御装置及び音声制御装置と表示装置３０との間に取り付けられている。さらに、表示装置３０の後面の下側には、メイン制御装置３１Ｃ（図３参照）が重ねられ、遊技板１１の後面から突出した支持体（図示せず）に固定されている。
【００３７】
一方、機構板アッシ８４Ａは、機構板８４に遊技球タンク５５，払出装置５６等を組み付けてなる。機構板８４は、全体として縦長の矩形状をなしかつ遊技板アッシ１１Ａに後方から重ねて配置される。機構板８４のうち遊技板１１との対向部分には、遊技板アッシ１１Ａにおける後方突出部分を受容するための矩形窓８４Ｗが貫通形成されている。この矩形窓８４Ｗは、遊技板アッシ１１Ａの後方突出部分を収容可能な箱形カバー８４Ｃによって閉塞されている。
【００３８】
機構板アッシ８４Ａの後面のうち矩形窓８４Ｗの上側には、遊技球を貯留する遊技球タンク５５が組み付けられている。また、矩形窓８４Ｗの一側方には払出装置５６が設けられ、さらに、矩形窓８４Ｗの下方には払出制御装置５７と電源装置５８とが設けられている。なお、払出装置５６は、遊技球タンク５５から遊技球誘導レール５５Ｒを通して遊技球を受け取り、払出制御装置５７からの指令に応じて遊技球を払い出す。
【００３９】
遊技枠体８０は、外枠８２に前面枠９０を第１ヒンジ機構８０Ｈ（図１参照）にて連結してなる。外枠８２は、４つの木製の長板８３を縦長矩形状に接合して構成されている。一方、前面枠９０は、例えば合成樹脂で構成され、遊技板１１に対応した開口部９０Ｗを備えている。また、図１に示すように第１ヒンジ機構８０Ｈは、遊技枠体８０のうち一方の側部における上端部と下端部とに配置されている。これら第１ヒンジ機構８０Ｈは、前面枠９０を遊技枠体８０に対して上方にスライドすることで、図２に示すように前面枠９０側のヒンジ構成部９０Ｈと、外枠８２側のヒンジ構成部８２Ｈとに分かれ、これにより外枠８２から前面枠９０を離脱することができる。
【００４０】
前面枠９０の後面には、開口部９０Ｗを取り囲むように囲壁９０Ｖが形成され、その囲壁９０Ｖの内側に遊技板１１が嵌合して固定されている。また、機構板８４は、前面枠９０のうち第１ヒンジ機構８０Ｈを備えた側の側部に第２ヒンジ機構（図示せず）にて連結されている。
【００４１】
図４には、前面枠９０を前面から見た状態が示されている。その前面枠９０の前面上寄り位置には、図２に示したガラス枠９５（本発明の「外装カバー」に相当する）が重ねて設けられている。ガラス枠９５は、前面枠９０のうち第１ヒンジ機構８０Ｈと同じ側の側部に備えた第３ヒンジ機構９５Ｈにて連結されている。また、ガラス枠９５には、略円形の窓部９５Ｗが設けられ、ここにガラス板が嵌め込まれている。そして、このガラス板越しに遊技領域Ｒ１を視認することができる。また、ガラス枠９５の前面のうち窓部９５Ｗより上側には、左右に１対のスピーカ１３，１３が設けられている。さらに、ガラス枠９５のうち窓部９５Ｗの下方には、球抜きボタン２３が設けられている。
【００４２】
図１に示すようにガラス枠９５のうち窓部９５Ｗの下方には、上皿２６が設けられている。上皿２６は、前方に向かって膨出しており、その上皿２６の右側には、球貸し操作ボタン２４と球貸し状態表示モニター２５とが並べて配置されている。また、図５に示すように、ガラス枠９５の後面側には、上皿２６から後述する球供給装置４２に遊技球を送給するための球通路２６Ａが開口している。また、ガラス枠９５には、この球通路２６Ａを遮断可能なシャッタ２７が設けられている。シャッタ２７は、ガラス枠９５に軸支されてガラス枠９５の後端面と平行な面内で回動可能なシーソー構造をなしている。そして、その回動軸から一方に延びた作動部２７Ｃが、球通路２６Ａの開口の一部を遮った遮断位置と、その遮断位置から作動部２７Ｃが上方に移動して球通路２６Ａの開口から退避した開通位置との間で往復動可能になっている。
【００４３】
シャッタ２７のうち回動中心部の前面側には、トーションスプリング２７Ｓ（本発明に係る「シャッタ付勢部材」に相当する）が備えられている。そして、ガラス枠９５が開かれた状態（前面枠９０の前面から離間した状態）では、トーションスプリング２７Ｓの弾発力によってシャッタ２７が遮断位置に保持されて球通路２６Ａを遮断している。その遮断位置にシャッタ２７が配置されると、遊技球がせき止められ、球通路２６Ａの開口から遊技球が排出されなくなる。
【００４４】
シャッタ２７のうち回動軸を挟んで作動部２７Ｃと反対側に延びた受圧部２７Ａには、ガラス枠９５の前面側に向かって斜め上方に張り出した摺接片２７Ｂが備えられている。そして、ガラス枠９５が閉じられると、前面枠９０側から前方に突出した開放シャフト４３Ｃが摺接片２７Ｂに摺接してシャッタ２７が開通位置に移動する。これにより、遊技球が球通路２６Ａから排出可能になる。
【００４５】
前面枠９０の前面のうちガラス枠９５の下方には、下部カバー２９が取り付けられている。この下部カバー２９の前面には、その中央に下皿２８が設けられている。下皿２８は、パチンコ遊技機１０の前方に膨出してここに遊技球が貯留可能になっている。そして、上記した球抜きボタン２３を押圧操作すると、上皿２６に貯留された遊技球が下皿２８に排出される。下皿２８には、ファール球等も貯留される。下部カバー２９のうち下皿２８の左側方には、遊技スイッチ５３が設けられている。この遊技スイッチ５３を押圧すると、液晶表示部３２で変動表示されている画像、例えば、キャラクタ画像を、遊技者の任意のタイミングで停止させることができる。また、下皿２８の右側方には、球排出ボタン５２が設けられている。この球排出ボタン５２を押圧すると、下皿２８に貯留された遊技球をパチンコ遊技機１０の外部に排出することができる。
【００４６】
下部カバー２９は、第１ヒンジ機構８０Ｈと同じ側の側部に備えた第４ヒンジ機構２９Ｈによって前面枠９０に回動可能に連結されている。そして、前面枠９０のうち、第４ヒンジ機構２９Ｈから前面枠９０の横方向における途中部分までが下部カバー２９に覆われ、残りの部分が前面枠９０の下側一角部に固定された角部カバー７１によって覆われている。また、図５に示すように、下部カバー２９の回動端に備えた可動フック２９Ｆを角部カバー７１から張り出した係止片７１Ｆに係止させることで、下部カバー２９が閉止状態に保持されている。そして、図１に示すように角部カバー７１の前面に露出した解錠操作部８５Ｓを所定の鍵を用いて解錠操作することで、可動フック２９Ｆと係止片７１Ｆとの係止が解除されて下部カバー２９を開くことができる。また、解錠操作部８５Ｓは、ガラス枠９５、前面枠９０及び外枠８２を閉止状態にするための解錠装置８５（図４参照）を解錠するための操作部にも兼用されている。
【００４７】
図６に示すように、角部カバー７１は、上方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなった形状をなし、前面枠９０の一角部における下縁部と一側縁部とに縁部を重ねた状態にして螺子止めされている。その螺子は、前面枠９０の後面側から角部カバー７１に螺合され、角部カバー７１の前面には露出しないようになっている。これにより、防犯性が高められている。また、前面枠９０の前面には、下部カバー２９と角部カバー７１の境界部分の後方に発射装置ユニット７０が取り付けられ、角部カバー７１の一部が発射装置ユニット７０の一部の前方を覆っている。詳細には、角部カバー７１の下側部分は、発射装置ユニット７０のうち打撃槌６７の回動中心に隣接した位置まで覆っている。そして、角部カバー７１のうち下部カバー２９側の側縁部７１Ｃが上下方向の途中から緩やかに傾斜し、その側縁部７１Ｃの中間部分からは三角突片７１Ｄが突出している。また、角部カバー７１を前方から見ると、その三角突片７１Ｄが発射装置ユニット７０に備えた後述のベース部材６５における一側縁部に重ねられ、前面枠９０の一角部においてベース部材６５により覆われていない部分を角部カバー７１が前方から覆っている。これにより、ベース部材６５より奥側に異物が入り込むことを防止している。
【００４８】
角部カバー７１の下端部には、操作ノブ５０が回動可能に取り付けられて、その操作ノブ５０に備えた連結シャフト５０Ｓ（図５参照）が発射装置ユニット７０の可動部分に連結されている。そして、操作ノブ５０を回動すると操作ノブ５０に内蔵した始動スイッチがオンして発射装置ユニット７０が始動し、遊技領域Ｒ１へと遊技球が発射される。
【００４９】
以下、発射装置ユニット７０について詳説する。発射装置ユニット７０は、前面枠９０の前面に重ねて取り付けられる板状のベース部材６５に、打撃槌６７、球供給装置４２等の複数の部品を組み付けてなる。図７に示すようにベース部材６５の下端部からは、一側方に向けてノブ対応突片６５Ａが張り出されている。また、ノブ対応突片６５Ａの前面には筒形支柱７２が取り付けられている。筒形支柱７２の軸心部には軸孔７２Ａが貫通しており、ベース部材６５にはその軸孔７２Ａの同心上に貫通孔（図示せず）が形成されている。そして、その貫通孔にノブ対応突片６５Ａの後面側から中継スリーブ７３が挿入されている。また、ノブ対応突片６５Ａ及び筒形支柱７２は、図６に示すように角部カバー７１によって前面側を覆われる。
【００５０】
中継スリーブ７３は、筒形支柱７２内に軸支された連結筒部７３Ｂ（図７参照）の一端に扇形の巻取盤７３Ａ（図８参照）を有してなる。その連結筒部７３Ｂの内側には、操作ノブ５０の連結シャフト５０Ｓ（図５参照）が挿入されて一体回転可能に連結されている。図８に示すように巻取盤７３Ａは、ベース部材６５の後面に一体形成されたストッパ６５Ｓによって回動範囲を規制されている。また、ベース部材６５の後面には、抜け止め蓋７３Ｃが巻取盤７３Ａを跨ぐようにしてベース部材６５に固定され、これにより中継スリーブ７３が抜け止めされている。
【００５１】
ベース部材６５の後面側のうち巻取盤７３Ａの側方には、弾発エレメント６２が取り付けられている。弾発エレメント６２は、図９に示すように、円筒スリーブ６２Ｔの両端部に回動リング６３と回動キャップ６４とを回動可能に軸支すると共に、円筒スリーブ６２Ｔの中間部分に挿通した捻りコイルバネ６６で回動リング６３と回動キャップ６４とを連結した構造になっている。そして、ベース部材６５の後面に座ぐって形成された円形凹部（図示せず）に円筒スリーブ６２Ｔの一端が嵌合固定され、回動リング６３がベース部材６５側に配置されている。
【００５２】
図８に示すように回動リング６３は前記した巻取盤７３Ａにワイヤ６２Ｗで連結されている。そのワイヤ６２Ｗは、その両端部が回動リング６３の周面と巻取盤７３Ａの周面とにそれぞれ沿わされ、中間部が回動リング６３と巻取盤７３Ａとの間に張られている。これにより、操作ノブ５０（図４参照）の操作に連動して、回動キャップ６４が回動し、捻りコイルバネ６６の捻れ量が変更される。
【００５３】
回動キャップ６４には、側方に張り出したトルクアーム６４Ａが備えられ、そのトルクアーム６４Ａの先端からベース部材６５に向かって摺接ボス６４Ｂが突出している。回動キャップ６４の中心部には、槌支軸６９が一体回転可能に固定され、その槌支軸６９がベース部材６５を貫通し、ベース部材６５の前面側に突出している。また、ベース部材６５には、前記円筒スリーブ６２Ｔを嵌合固定した円形凹部（図示せず）の内側に、ベアリング嵌合孔（図示せず）が貫通形成され、そこに嵌合したベアリング（図示せず）により槌支軸６９が回転可能に支持されている。そして、ベース部材６５の前面側から槌支軸６９に、打撃槌６７が取り付けられている。
【００５４】
図９に示すように打撃槌６７は、ベース部材６５の前面と平行になって斜め上下方向に延びた本体部６７Ｈを有し、その本体部６７Ｈの下端寄り位置には、取付孔（図示せず）が形成されている。そして、槌支軸６９のうちベース部材６５の前面側に突出した部分（図７参照）を、ワッシャ（図示せず）、打撃槌６７の取付孔、スプリングワッシャ（図示せず）に順番に挿通して、槌支軸６９の先端に形成された螺子部にナットＮ１（図７参照）が締め付けられている。これにより、打撃槌６７が槌支軸６９に固定されている。
【００５５】
図７に示すように本体部６７Ｈの上端部には、回動方向に槌先端部６７Ｓが突出している。詳細には、本体部６７Ｈの上端部は、湾曲して先端面が筒形支柱７２と反対側を向いている。そして、その先端面に、図示しないピン孔が形成され、そこに打撃ピン６７Ｐが圧入されると共に、その打撃ピン６７Ｐの外側に打撃スプリング６７Ｃが嵌合固定されている。そして、これら打撃ピン６７Ｐと打撃スプリング６７Ｃとから本発明に係る槌先端部６７Ｓが構成されている。
【００５６】
なお、打撃スプリング６７Ｃは、コイル形状をなし、そのコイル径が先端側に向かって徐々に小さくなっている。また、その打撃スプリング６７Ｃの先端面が、巻回軸方向と直交した平坦面になるように加工されている。
【００５７】
ベース部材６５の前面のうち打撃槌６７を挟んで筒形支柱７２と反対側には、槌ストッパ７４が取り付けられている。槌ストッパ７４は、樹脂ボディ７４Ａに円形ゴム７４Ｂを固定してなり、その円形ゴムが打撃槌６７における長手方向の中間部に当接して打撃槌６７を打撃位置に停止させる。
【００５８】
ベース部材６５の前面のうち打撃槌６７との間で槌ストッパ７４を挟む位置には、打撃用モータ７５が取り付けられている。そして、打撃槌６７は、この打撃用モータ７５の駆動力を後述するカム機構を介して受けて槌ストッパ７４に接離するように往復回動し、打撃槌６７が槌ストッパ７４側に移動したときに遊技球を弾く。
【００５９】
図１０に示すようにベース部材６５の前面のうち槌ストッパ７４及び打撃用モータ７５の上方には、レール取付溝６５Ｄが形成されている。レール取付溝６５Ｄは、ベース部材６５のうちノブ対応突片６５Ａと反対側の側縁の上端部で側方に開放しており、その開放口から槌ストッパ７４の上側部分に向かって一定の幅で斜め下方に延びている。また、レール取付溝６５Ｄの下端部からは、レール取付溝６５Ｄと直交する斜め上方に分岐溝６５Ｅが連続して延びている。分岐溝６５Ｅは、レール取付溝６５Ｄと同じ深さでレール取付溝６５Ｄより幅狭になっている。
【００６０】
レール取付溝６５Ｄには、発射レール４０が取り付けられている。発射レール４０は、板金（例えば、ステンレス製）を断面略Ｍ字形に屈曲してなり、互いに対向した１対の板金側壁部４０Ａ，４０Ｂと、それら板金側壁部４０Ａ，４０Ｂの上縁部間でＶ字状になった誘導壁４０Ｃとを備えている。また、発射レール４０は、レール取付溝６５Ｄの長手方向全体に亘って延びている。図１１には、ベース部材６５及び発射レール４０の断面図が示されている。同図に示すように、発射レール４０の幅は、遊技球１つ分より僅かに大きくなっている。そして、一方の板金側壁部４０Ａが、ベース部材６５におけるレール取付溝６５Ｄの奥面に宛がわれると共に、レール取付溝６５Ｄの下縁部側に偏在した状態に配置され、誘導壁４０Ｃの上面とレール取付溝６５Ｄの上縁部との間に遊技球１つ分の間隔が開けられている。
【００６１】
一方の板金側壁部４０Ａには、長手方向の両端寄り位置に、図１１に示した位置決貫通孔４０Ｈが貫通成形されている。これらに対応して、他方の板金側壁部４０Ｂには、両位置決貫通孔４０Ｈとの対向位置に、位置決貫通孔４０Ｈより小径の螺子挿通孔４０Ｊが貫通成形されている。これに対応して、レール取付溝６５Ｄの奥面における長手方向の両端部からは、取付支柱６５Ｔがそれぞれ突出している。取付支柱６５Ｔは、ベース部材６５に一体成形され、先端に向かうに従ってテーパー状に縮径している。また、取付支柱６５Ｔの軸心部は空洞になっており、取付支柱６５Ｔの先端部内周面に雌螺子部６５Ｕが形成されている。そして、各取付支柱６５Ｔが、一方の板金側壁部４０Ａにおける各位置決貫通孔４０Ｈを挿通されると共に、取付支柱６５Ｔの先端面が、他方の板金側壁部４０Ｂの内側から螺子挿通孔４０Ｊの開口縁に対向している。この状態で、取付支柱６５Ｔの雌螺子部６５Ｕに、他方の板金側壁部４０Ｂの外側から螺子４０Ｎが螺合されている。これにより、他方の板金側壁部４０Ｂが、螺子４０Ｎのヘッド部と取付支柱６５Ｔの先端面とに挟まれて固定され、一方の板金側壁部４０Ａが取付支柱６５Ｔの基端部によって位置決めされかつ支持されている。また、本実施形態では、ベース部材６５におけるレール取付溝６５Ｄの奥面に発射レール４０の一側面を宛がって固定したので、ベース部材６５からの発射レール４０の突出量を抑えることができる。
【００６２】
図１０に示すように分岐溝６５Ｅには、球停止部材４１が取り付けられている。そして、発射レール４０の下端部とこの球停止部材４１とから、本発明に係る「球停止部」が構成されている。球停止部材４１は、図８に示すように断面台形の角筒構造をなし、球停止部材４１の一端に備えた底壁（図示せず）の底壁中心部を貫通した螺子４１によりベース部材６５に固定されている。また、底壁からは、螺子４１を挟んだ両側に１対の突起４１Ｐ，４１Ｐが突出しており、これら突起４１Ｐ，４１Ｐがベース部材６５に貫通成形した位置決め孔に嵌合されている。
【００６３】
図１０に示すように球停止部材４１は、互いに平行になった１対の側壁面４１Ａ，４１Ａが、発射レール４０の長手方向で対向するように配置され、一方の側壁面４１Ａが発射レール４０の下端面に対して略面一になっている。また、両側壁面４１Ａ，４１Ａの間で傾斜したテーパー面４１Ｂが、発射レール４０の下端部に上方から臨んでおり、テーパー面４１Ｂと発射レール４０の上面との間隔が、斜め下方に向かうに従って徐々に狭くなっている。そして、発射レール４０上に遊技球（図８の符号Ｙ）が供給されると、その遊技球が自重により発射レール４０の下端側に転動して球停止部材４１のテーパー面４１Ｂに当接し発射レール４０上の打撃待機位置に停止する。このとき、遊技球は、図１２に示すように発射レール４０の誘導壁４０ＣにおけるＶ字形底面によって誘導壁４０Ｃの幅方向の中心に配置されると共に、発射レール４０の下端側に向かうに従って徐々に接近する球停止部材４１のテーパー面４１Ｂ（図８参照）により、遊技球の上下方向の跳ね上がりが抑えられる。これにより、遊技球が安定して発射レール４０の打撃待機位置に停止する。また、前記した打撃槌６７が槌ストッパ７４に当接して打撃位置に移動すると、打撃槌６７の槌先端部６７Ｓが球停止部材４１と発射レール４０との間隙部に突入して、打撃待機位置の遊技球を弾く。これにより、遊技球が発射レール４０に沿って斜め上方に向けて発射される。
【００６４】
なお、前記した誘導レール１２の端部は、発射レール４０の延長線から若干下方にオフセットした位置に配置されており、発射装置ユニット７０から発射された遊技球が誘導レール１２により遊技領域Ｒ１へと案内される。
【００６５】
図９に示すようにベース部材６５の前面側には、発射レール４０、球停止部材４１に重ねて球供給装置４２が取り付けられている。球供給装置４２は、透明な樹脂製のケース体４２Ｃの内部に、図１３に示した従動部材４６と開閉部材４５とを収容している。ケース体４２Ｃは、ケース本体４４にケース蓋４３（本発明の「壁部」に相当する）を組み付けてなる。ケース本体４４は、ベース部材６５と平行なベース対向壁４４Ａを有し、そのベース対向壁４４Ａの外縁部から前側（ベース部材６５から離れる側）に包囲壁４４Ｂを起立してその内側に収容空間を備えている。
【００６６】
ケース蓋４３は、包囲壁４４Ｂの前面開口全体を覆う略平板状をなしている。また、ケース蓋４３の一側縁部とケース本体４４の一側縁部との間にはヒンジ機構４３Ｈ（図７参照）が備えられ、その一側縁部を中心にケース蓋４３が開閉可能になっている。さらに、ケース蓋４３とケース本体４４との間には、ヒンジ機構４３Ｈと反対側の縁部に係止機構４３Ｋ（図７参照）が備えられ、この係止機構４３Ｋによってケース蓋４３が閉止状態に保持されている。
【００６７】
ケース本体４４におけるベース対向壁４４Ａの後面側には、上縁部と両側縁部の一部とから後方に向けて嵩上げ壁４４Ｃが起立している。また、ベース対向壁４４Ａにおける一方の側縁部の嵩上げ壁４４Ｃの先端からロック片４４Ｄ（図８参照）が延設されている。さらに、ベース対向壁４４Ａの他方の側縁部側の上側角部には、包囲壁４４Ｂより外側に取付壁４４Ｅ（図１３参照）が張り出され、その取付壁４４Ｅをナイラッチ４４Ｆが前後方向に貫通している。
【００６８】
これに対し、ベース部材６５には、図１０に示すように、ノブ対応突片６５Ａが張り出された側の上端角部に、ラッチ孔６５Ｈが形成されると共に、反対側の上端角部寄り位置に、縦長の係止スリット６５Ｇが形成されている。そして、ケース本体４４のロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに係止し、そのロック片４４Ｄ（図８参照）を中心にしてケース本体４４を回動させてナイラッチ４４Ｆをラッチ孔６５Hに係止することで、嵩上げ壁４４Ｃの先端面がベース部材６５の前面に突き当てられた状態でケース本体４４がベース部材６５に固定されている。これにより、ベース対向壁４４Ａがベース部材６５から浮いた状態に保持されている。また、ベース対向壁４４Ａは、発射レール４０及び球停止部材４１からも浮いている。
【００６９】
図１４に示すようにベース対向壁４４Ａには、遊技球が１つ通過可能な球出口４４Ｇが貫通形成されている。また、ケース本体４４には、球出口４４Ｇの上側部分から発射レール４０と平行な斜め上方に向けて遊技球誘導路４４Ｈが延びている。さらに、ケース蓋４３には、遊技球誘導路４４Ｈの上端部に対応した位置に、遊技球が１つ通過可能な球流入口４３Ａが貫通形成されている。そして、上皿２６の球通路２６Ａの開口が、球流入口４３Ａに対面する。また、ケース蓋４３の上端部からは、図１２に示すように前方に向けて開放シャフト４３Ｃが突出している。そして、ガラス枠９５を閉じたときに、前述の如く、開放シャフト４３Ｃがシャッタ２７の摺接片２７Ｂに摺接してシャッタ２７が開き、上皿２６に貯留された遊技球が球通路２６Ａから球流入口４３Ａへの遊技球が流れ込む。
【００７０】
ケース本体４４には、遊技球誘導路４４Ｈの中間部分の下面から分岐した球排出路４４Ｋ（本発明の「球抜き通路」に相当する）が設けられている。そして、開閉部材４５がケース本体４４のうち遊技球誘導路４４Ｈの下方に回動可能に軸支され、その開閉部材４５の回動位置に応じて遊技球誘導路４４Ｈから球排出路４４Ｋへの分岐口４４Ｚが開閉される。また、開閉部材４５は、コイルバネ４５Ａによって分岐口４４Ｚを常には閉塞するように付勢されている。さらに、図１２に示すように開閉部材４５には、ケース蓋４３に向けて突出した操作突起４５Ｂが備えられ、この操作突起４５Ｂがケース蓋４３に形成された長孔４３Ｂを通して球供給装置４２から前方に突出している。そして、上記した球抜きボタン２３が操作突起４５Ｂに連結されている。これにより、球抜きボタン２３を操作することで、遊技球誘導路４４Ｈ内の遊技球が下皿２８に排出することができる。この結果、上皿２６から遊技球誘導路４４Ｈ内に補充されても、球抜きボタン２３が操作されている間は、それら補充された遊技球も順次下皿２８に排出される。
【００７１】
ベース対向壁４４Ａのうち球出口４４Ｇの上方には、カム連結孔４４Ｌが貫通成形されている。このカム連結孔４４Ｌに対応して、ベース部材６５には、図８に示すようにカム連結窓６５Ｃが貫通成形されている。また、ベース対向壁４４Ａのうち球出口４４Ｇ及びカム連結孔４４Ｌを挟んで遊技球誘導路４４Ｈと反対側の側部寄り位置からは、回動支軸４４Ｍが起立しており、ここに従動部材４６が回動可能に軸支されている。従動部材４６は、回動中心から遊技球誘導路４４Ｈ側に向かって広がった略扇形状をなした回動盤４６Ａと、その回動盤４６Ａの上面先端部から立ち上がって後方に延びたカム摺接突部４６Ｂとからなる。そして、カム摺接突部４６Ｂは、両カム連結孔４４Ｌ，６５Ｃを通過してベース部材６５の後面側まで延びている（図９参照）。
【００７２】
カム摺接突部４６Ｂのうちベース部材６５の後方側に突出した先端部は、図１３に示すように、円柱体を縦割りに略２分割した形状をなし、その縦割りの円柱体における円弧面が下方に向けられて本発明に係る円弧摺動面４６Ｅになっている。また、カム摺接突部４６Ｂは、長手方向の中間部分から回動盤４６Ａからの立ち上がり部に向かうに従って下方に膨み、これにより強度アップが図られている。
【００７３】
回動盤４６Ａのうち回動中心から離れた側が、丸みを帯びてその一部が遊技球誘導路４４Ｈの終端開口４４Ｘに対向した対向面４６Ｆになっている。回動盤４６Ａのうちその対向面４６Ｆの上下方向における中間位置には球受容部４６Ｃが陥没形成されている。球受容部４６Ｃは、回動盤４６Ａの板厚方向にも開放しており、その内面はベース対向壁４４Ａ側に向かって下っている。なお、従動部材４６全体は、合成樹脂で構成され、球受容部４６Ｃの下方には、金属製のウエイト４６Ｄ（本発明に係る「重り部」に相当する）が組み込まれている。
【００７４】
従動部材４６は、ケース本体４４に備えた１対の回動規制ストッパ４４Ｓ１，４４Ｓ２（本発明に係る「回動規制部」に相当する）によって可動範囲が規制されている。そのうち一方の回動規制ストッパ４４Ｓ１は、ベース対向壁４４Ａから起立した構造をなし、回動盤４６Ａの上面に当接可能になっている。また、他方の回動規制ストッパ４４Ｓ２は、包囲壁４４Ｂの一部を内側に張り出してなり、回動盤４６Ａの下面に当接可能になっている。
【００７５】
そして、従動部材４６が、可動範囲のうち上端寄りの本発明に係る球受容位置に配置されると、図１４に示すように球受容部４６Ｃが遊技球誘導路４４Ｈの終端開口４４Ｘに対向して遊技球誘導路４４Ｈから遊技球を１つ受け取ることができる。また、その球受容位置から僅か下方に従動部材４６が移動して球規制位置に至ると、球受容部４６Ｃが終端開口４４Ｘからずれて終端開口４４Ｘからの遊技球の排出を禁止し、球受容部４６Ｃ内には遊技球が保持された状態になる。さらに、そこから従動部材４６が下方に移動して可動範囲のうち下端寄りの本発明に係る球排出位置に配置されると、図１５に示すように、球受容部４６Ｃが終端開口４４Ｘからずれて終端開口４４Ｘからの遊技球の排出が禁止されると共に、球受容部４６Ｃの側面が球出口４４Ｇに対向し、球受容部４６Ｃからケース体４２Ｃの外部に遊技球が排出される。そして、球出口４４Ｇから排出された遊技球が発射レール４０を下り、球停止部材４１に当接して停止する。なお、球受容位置では、従動部材４６が上側の回動規制ストッパ４４Ｓ１に対して若干下方に離れた位置まで接近する。一方、球排出位置では、従動部材４６が下側の回動規制ストッパ４４Ｓ２に対して若干上方に離れた位置まで接近する。
【００７６】
回動盤４６Ａの前面のうち球受容部４６Ｃより回動中心側の部位からは、操作突部４６Ｇがケース蓋４３に向けて突出している。操作突部４６Ｇは、直径８〜１０ｍｍ程度で断面円形になっており、その先端面には、上側を差した矢印状の指示刻印４６Ｈが陥没成形されている。この操作突部４６Ｇに対し、ケース蓋４３には、操作窓４３Ｗが貫通形成され、そこに操作突部４６Ｇが収まっている。この操作窓４３Ｗは、角部が丸みを帯びた正方形になっており、回動盤４６Ａを回動するとすると、その対角線に沿って操作突部４６Ｇが移動する。また、回動盤４６Ａを回動規制ストッパ４４Ｓ１，４４Ｓ２に当接する位置まで回動しても、操作突部４６Ｇは操作窓４３Ｗの内面には当接しないようになっている。さらに、ケース蓋４３の前面には操作窓４３Ｗの上方と両側方を覆うように突条４３Ｄが突出形成されている。また、ケース蓋４３の上縁寄り位置には、「矢印の方向に上げて本体につける」という注意書きを刻印した注意書表示部４３Ｅが設けられている。
【００７７】
図８に示すように、ベース部材６５の後面には、球供給装置４２と打撃槌６７とを同期させて駆動するためのカム機構が設けられている。具体的には、ベース部材６５の後面には、前記した打撃用モータ７５の回転軸が突出し、その回転軸にピニオンギヤ７６Ａが固定されている。そのピニオンギヤ７６Ａの斜め上方には、アイドルギヤ７６Ｂが回転可能に軸支され、ピニオンギヤ７６Ａに噛合している。また、ベース部材６５の後面のうちアイドルギヤ７６Ｂと、その斜め下方に位置した弾発エレメント６２との間には、打撃カムギヤ７６Ｃが回転可能に軸支され、アイドルギヤ７６Ｂに噛合している。さらに、アイドルギヤ７６Ｂを上下方向で間に挟んで打撃カムギヤ７６Ｃとほぼ対称な位置には、球供給カムギヤ７６Ｄが回転可能に軸支され、アイドルギヤ７６Ｂに噛合している。
【００７８】
アイドルギヤ７６Ｂは、全体として円板状になった平ギヤである。打撃カムギヤ７６Ｃは、円板形の平ギヤ部７６Ｃ１の一端面に打撃用カム７７を一体成形して備えている。球供給カムギヤ７６Ｄは、円板形の平ギヤ部７６Ｄ１の一端面に球供給用カム７８を一体成形して備えている。また、アイドルギヤ７６Ｂ、打撃カムギヤ７６Ｃ及び球供給カムギヤ７６Ｄは、共に合成樹脂の成形品であり、打撃カムギヤ７６Ｃと球供給カムギヤ７６Ｄとは、異なる色（例えば、水色と黒）の合成樹脂で成形され、これにより容易に両者を識別可能になっている。
【００７９】
打撃用カム７７は、回転軸方向から見ると全体が略半円形になっており、その略半円形の直線部分の一端部が平ギヤ部７６Ｃ１の中心部に配置され、他端部が平ギヤ部７６Ｃ１から外側に張り出している。詳細には、打撃用カム７７のうち前記略半円形の直線部分を構成する直線壁７７Ａは、平ギヤ部７６Ｃ１の回転中心を通過する線上に配置されている。また、平ギヤ部７６Ｃ１の中心部には円筒壁７７Ｃが起立しており、その円筒壁７７Ｃから直線壁７７Ａが立ち上がっている。さらに、略半円形の円弧部分を構成する円弧壁７７Ｂは、円筒壁７７Ｃのうち直線壁７７Ａの立ち上がり部分の反対側から緩やかに立ち上がって丸みを帯び、インボリュート曲線のように、徐々に曲率が大きくなって先端が円弧壁７７Ｂに繋がっている。
【００８０】
そして、この円弧壁７７Ｂの外周面に、弾発エレメント６２の摺接ボス６４Ｂが摺接することで、打撃用カム７７が槌ストッパ７４から離れるように回動する。このとき、弾発エレメント６２の回動キャップ６４と回動リング６３との間で捻りコイルバネ６６が捻れ変形し、弾発力が蓄えられる。そして、摺接ボス６４Ｂが打撃用カム７７の先端を通過すると、捻りコイルバネ６６の弾発力が解放されて摺接ボス６４Ｂが打撃用カム７７の直線壁７７Ａに沿って移動し、打撃槌６７が回動キャップ６４と共に急峻に回動して槌ストッパ７４に当接する打撃位置に至る。これにより、遊技球が発射される。
【００８１】
球供給用カム７８は、打撃用カム７７と同様の構造をなし、略半円形の直線部分を構成する直線壁７８Ａと円弧部分を構成する円弧壁７８Ｂとを備えている。また、円筒壁７８Ｃのうち直線壁７７Ａの立ち上がり部分の反対側からは平ギヤ部７６Ｄ１の外縁部まで接線壁７８Ｄが円筒壁７８Ｃの接線方向に延びており、その球供給カムギヤ７６Ｄの先端から円弧壁７８Ｂが直線壁７８Ａの先端まで円弧状に延びている。
【００８２】
この球供給用カム７８に対して、球供給装置４２の従動部材４６におけるカム摺接突部４６Ｂが斜め上方から当接している。詳細には、カム摺接突部４６Ｂは、従動部材４６に備えたウエイト４６Ｄの自重とその従動部材４６の自重とによりカム摺接突部４６Ｂが球供給用カム７８側に付勢されて、球供給用カム７８に押し付けられている。
【００８３】
球供給用カム７８が回動すると、図１６（Ａ）に示すように球供給用カム７８の円弧壁７８Ｂに、カム摺接突部４６Ｂの円弧摺動面４６Ｅが摺接して、その摺接位置が円弧壁７８Ｂの接線壁７８Ｄ側から直線壁７８Ａ側へと移動する。すると、これに伴ってカム摺接突部４６Ｂが押し上げられ、これにより従動部材４６が可動範囲の上端側に移動する。そして、球供給用カム７８のうち円弧壁７８Ｂと直線壁７８Ａとの交点に位置した本発明に係るピーク部７８Ｐが、図１６（Ｂ）に示すように円弧摺動面４６Ｅの周方向における中心（本発明に係る「一の位置」に相当する）に接した状態になると、従動部材４６が球供給用カム７８によって最もその球供給用カム７８の回動中心から離される。このとき、従動部材４６が前記球受容位置に位置し、遊技球誘導路４４Ｈから球受容部４６Ｃに遊技球が受け入れられる。そして、そこから球供給用カム７８が僅かに回動して、図１６（Ｃ）に示すようにピーク部７８Ｐが円弧摺動面４６Ｅの周方向における一端部（本発明に係る「他の位置」に相当する）に移動すると、従動部材４６が僅かに下方に下がって（沈んで）、前記球規制位置に至り、遊技球誘導路４４Ｈからの遊技球の排出を規制し、球受容部４６Ｃに遊技球を保持した状態になる。さらに、球供給用カム７８が回動すると、ピーク部７８Ｐが円弧摺動面４６Ｅから離れ、カム摺接突部４６Ｂが円弧壁７８Ｂに沿って一気に球供給用カム７８の回動中心側に移動する。これにより、従動部材４６が、前記球排出位置に至り、球受容部４６Ｃから発射レール４０上に遊技球を排出する。このようにして、打撃槌６７の動作に同期して従動部材４６が上下に往復動し、球供給装置４２から発射レール４０上に遊技球が１球ずつ供給される。
【００８４】
なお、打撃槌６７が打撃位置から離れたタイミングで球供給装置４２から遊技球が供給されるように、打撃用カム７７と球供給用カム７８とがギヤ連結されている。そのために、アイドルギヤ７６Ｂの周縁部には、三角形突起ＭＫ１と丸形突起ＭＫ２とが間隔を開けて形成され、これらに対応させて打撃カムギヤ７６Ｃにおける平ギヤ部７６Ｃ１の周縁部には、三角形突起ＭＫ１が形成され、さらに、球供給カムギヤ７６Ｄにおける平ギヤ部７６Ｄ１の周縁部には、丸形突起ＭＫ２が形成されている。そして、三角形突起ＭＫ１，ＭＫ１同士を向かい合わせると共に、丸形突起ＭＫ２，ＭＫ２同士を向かい合わせてこれらギヤ７６Ｂ，７６Ｃ，７６Ｄを噛合させれば、上記のタイミングが図れられるようになっている。
【００８５】
遊技機が取り付けられるパチンコホールでは、遊技機を島施設に取り付けたままメンテナンス等を行う。このため、発射装置ユニット７０に遊技機背面側からアプローチして発射装置ユニット７０の後面に取り付けられた球供給カムギヤ７６Ｄ等を操作し、球供給用カム７８をカム摺接突部４６Ｂと接触しない位置に退避させるのは困難である。よって、本願発明のような構成にすることで、容易にケース体４２Ｃを遊技機に取り付けすることができ、作業性の向上につながる。
【００８６】
本実施形態に係るパチンコ遊技機１０の構成の説明は以上の通りである。次に、パチンコ遊技機１０の作用効果の説明を行う。パチンコ遊技機１０にて遊技を行う際には、操作ノブ５０を回動操作する。すると、打撃用カム７７及び球供給用カム７８とそれらの摺動部品とからなるカム機構が作動し、球供給装置４２から発射レール４０上に１つずつ遊技球が供給される度に、その球供給装置４２に同期して打撃槌６７が打撃動作を行い、打撃槌６７の槌先端部６７Ｓが遊技球に衝突して遊技球が弾かれ、発射レール４０及び誘導レール１２からなる本発明の「レール部材」によって遊技領域Ｒ１へと案内される。このとき、操作ノブ５０の回動量を変更することで、遊技球の発射力を変更することができる。そして、遊技領域Ｒ１を流下する遊技球の各種入賞口１４Ａ，１４Ｂ，１５，２０，２１，始動ゲート１８等への入球に応じて遊技が進行されていく。
【００８７】
さて、パチンコ遊技機１０の操作ノブ５０を操作しても遊技球が正常に発射されない場合には、通常、遊技ホールのホール係がガラス枠９５を開いてその原因を調べる。具体的には、所定の鍵を用いてパチンコ遊技機１０のガラス枠９５を開く。このとき上皿２６に遊技球が貯留されていても、ガラス枠９５を開いた際に自動的にシャッタ２７が上皿２６の球通路２６Ａを遮断するので、遊技球が飛散を防止することができる。
【００８８】
次いで、発射装置ユニット７０を検査する。そして、例えば、発射装置ユニット７０における球供給装置４２に、異物等が入り込んでいた場合には、ケース蓋４３を開いてその異物を球供給装置４２から排除する。このとき、ケース蓋４３を開く前に、ケース蓋４３の前面に突出した操作突起４５Ｂを操作することで、球供給装置４２内の遊技球を球排出路４４Ｋから排出しておけば、ケース蓋４３を開いた際の遊技球の飛散が防がれる。
【００８９】
また、異物混入により球供給装置４２の一部が破損している場合には、球供給装置４２を交換する。この場合は、球供給装置４２に備えたナイラッチ４４Ｆを引っ張ってラッチ孔６５Ｈから抜き、ケース体４２Ｃの一方の側部とベース部材６５との係合を解除する。そして、他方の側部を中心にして球供給装置４２を回動させてロック片４４Ｄ（図８参照）を係止スリット６５Ｇから抜く。これにより、球供給装置４２をベース部材６５から取り外すことができる。
【００９０】
次いで、新規の球供給装置４２を取り付ける。具体的には、先ほどの取り外し作業とは逆に、ロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに挿入して球供給装置４２を回動させてから、球供給装置４２をベース部材６５に対して供給用カム７８の回転軸方向に押し付けてベース部材６５に装着する。このとき、球供給装置４２に注意書表示部４３Ｅに表示された「矢印の方向に上げて本体につける」という注意書きと、指示刻印４６Ｈの矢印とをに従い、操作窓４３Ｗを通して操作突部４６Ｇを指で矢印の方向に押し上げながら、ケース体４２Ｃを、ベース部材６５に押し付ける。
【００９１】
すると、ケース体４２Ｃ内では従動部材４６が上側の回動規制ストッパ４４Ｓ１に当接し、球受容位置より可動範囲の端部側に位置決めされる。即ち、カム摺接突部４６Ｂと球供給用カム７８のピーク部７８Ｐとが接触する球受容位置より、カム摺接突部４６Ｂが、更に球供給用カム７８の回動中心から離れた位置に配置される。ここで、図１７には、球供給用カム７８におけるピーク部７８Ｐの軌跡より内側部分を球供給用カム７８のカム回動領域Ｒ２として示してある。そして、従動部材４６が回動規制ストッパ４４Ｓ１に当接する位置まで移動したときには、このカム回動領域Ｒ２より外側にカム摺接突部４６Ｂが位置することになる。
【００９２】
そして、この状態でケース体４２Ｃをベース部材６５に押し付けると、カム摺接突部４６Ｂがベース部材６５のカム連結窓６５Ｃに通過して、球供給用カム７８の斜め上方の離間した位置に突入した状態になる。これにより、ベース部材６５の後面側で配置されて視認し難い状態の球供給用カム７８に対して、カム摺接突部４６Ｂを干渉させることなくケース体４２Ｃをベース部材６５に組み付けることができる。そして、操作突部４６Ｇから手を離せば、自重により従動部材４６が降下して球供給用カム７８のカム回動領域Ｒ２内に移動する。すると、カム摺接突部４６Ｂが球供給用カム７８に対して球供給用カム７８の回転軸と直交する方向から当接し、球供給用カム７８に従動可能な状態になる。次いで、ナイラッチ４４Ｆをラッチ孔６５Ｈに押し込んでケース体４２Ｃをベース部材６５に固定し、ガラス枠９５を閉じる。すると、ケース体４２Ｃに備えた開放シャフト４３Ｃがシャッタ２７の摺接片２７Ｂに摺接し、シャッタ２７が球通路２６Ａを開通させて、上皿２６に貯留した遊技球が球供給装置４２に供給可能になる。これにより、遊技を再開することができる。
【００９３】
このように本実施形態のパチンコ遊技機１０によれば、ケース体４２Ｃの操作窓４３Ｗを通して従動部材４６を操作しながら、ケース体４２Ｃをベース部材６５に組み付けることで、従動部材４６のカム摺接突部４６Ｂと球供給用カム７８との干渉を避けることができる。これにより、従動部材４６を収容したケース体４２Ｃを、球供給用カム７８を備えたベース部材６５に容易に組み付け可能になる。
【００９４】
本実施形態の要点を纏めると、以下のようになる。
（１）遊技機構成部品を取り付け可能なベース部材６５と、前記ベース部材６５に着脱可能に取り付けられるケース体４２Ｃと、前記ケース体４２Ｃの中に一端を軸支され回動可能に収められた従動部材４６と、前記ケース体４２Ｃに設けられた前記従動部材４６をカム機構により回動させるカム機構部とを備えた遊技機において、前記従動部材４６は、カム機構部（本実施形態の「球供給カムギア７６Ｄ」、「打撃用カムギア７６Ｃ」、「アイドリングギア７６Ｂ」、「ピニオンギア７６Ａ」に相当する）と係合するための係合部（本実施形態の「カム摺接突部４６Ｂ」に相当する）を少なくとも備え、前記ケース体６５は、前記従動部材４６の一部が露出する第１開口部（本実施形態の「カム連結孔４４Ｌ」に相当する）と第２開口部（本実施形態の「操作窓４３Ｗ」に相当する）とを少なくとも備え、前記第１開口部からは、前記係合部が突出すると共に、前記第２開口部からは、前記従動部材４６を前記ケース体４２Ｃの外から回動操作することが可能であり、前記カム機構部は、前記係合部と回転することで係合するカム係合部材（本実施形態の「球供給用カム７８」に相当する）を少なくとも備えると共に、前記カム係合部材は、前記従動部材４６を最下限位置となる第１位置（本実施形態の「球排出位置」に相当する）と最上限位置となる第２位置（本実施形態の「球受容位置」に相当する）とに往復回動させ、前記従動部材４６を前記第２開口部より回動操作することで前記第２位置よりも高い第３位置に回動させることが可能な構成としたことを特徴とする遊技機である。そのため、ケース体４２Ｃの取り付け時に、外部から従動部材４６を操作して第２位置よりも高く持ち上げながらベース部材６５に取り付けることができるので、係合部とカム係合部材とが接触することがなく取り付けし易い。
【００９５】
（２）前記カム係合部材は、前記ベース部材６５に回動可能に軸支されると共に、回動した時には最外形の軌跡がカム回動領域Ｒ２を描き、前記第３位置においては、前記係合部が前記カム回動領域Ｒ２外に位置することを特徴とする上記（１）に記載の遊技機である。そのため、係合部を、カム係合部材の回動領域外に移動させることができるので、取り付け時における係合部とカム係合部材との干渉を避けることができる。
【００９６】
（３）前記ベース部材６５を取り付け可能な遊技枠体８０と、前記ベース部材６５の一端面側には、前記カム係合部材を取り付けると共に、他端面側には、前記ケース体４２Ｃが取り付けられ、前記ベース部材６５には、前記係合部が前記ベース部材６５の一端面側に突出可能なカム連結窓６５Ｃが形成されていることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の遊技機である。そのため、ベース部材６５を有効に使用して部材を配置することができる。
【００９７】
（４）前記遊技枠体８０に前記ベース部材６５を取り付けた状態において前記一端面側は、遊技機背面側方向に位置し、前記他端面側は遊技機前面側方向に位置することを特徴とする上記１乃至３の何れかに記載の遊技機である。そのため、ケース体４２Ｃを、ベース部材６５の遊技機前面側に取り付けて、ケース体４２Ｃを着脱し易くすることができる。
【００９８】
（５）前記ケース体４２Ｃ内部には、遊技球を前記従動部材４６へと流下させる遊技球誘導路４４Ｈが備えられ、前記従動部材４６は、前記第２位置において遊技球を受け入れ可能な前記球受容部４６Ｃを有したことを特徴とする上記（１）乃至（４）の何れかに記載の遊技機である。そのため、ケース体４２Ｃ内部で遊技球を容易に誘導することができる。
【００９９】
（６）遊戯を行う遊技領域Ｒ１と、遊技機の前面側に設けられた遊技球供給皿（本実施形態の「上皿２６」に相当する）と、遊技領域Ｒ１へ遊技球を誘導するレール部材と、前記遊技領域Ｒ１に遊技球を発射する打撃槌６７と、が備えられ、前記レール部材の少なくとも一部は、前記ベース部材６５に設けられ、前記ケース体４２Ｃには、前記遊戯球供給皿から流下する遊技球が前記遊技球誘導路４４Ｈに流入する球流入口４３Ａと、前記球受容部４６Ｃが前記第２位置において受け入れた遊技球を前記第１位置で前記ケース体４２Ｃ外に排出する球出口４４Ｇとが設けられ、前記ベース部材６５に備えられた前記レール部材は、前記球出口４４Ｇから排出される遊技球が誘導されるように配置されたことを特徴とする上記（５）に記載の遊技機である。ここで、レール部材は、本実施形態の誘導レール１２及び発射レール４０で構成される。そのため、遊技領域Ｒ１にコンパクトな装置で遊技球を発射することができる。
【０１００】
（７）前記係合部と前記カム係合部材は、それぞれ係合する面を略円弧形状に形成すると共にそれぞれ係合開始から係合終了までの過程において、前記第２位置と前記第２位置よりも前記従動部材４６が低い位置に位置して前記球受容部４６Ｃに遊技球が受け入れ不可となる球規制位置へと変換するように構成されることを特徴とする上記（５）又は（６）に記載の遊技機である。ここで、本実施形態では、カム摺接突部４６Ｂの円弧摺動面４６Ｅと球供給用カム７８の円弧壁７８Ｂとが係合する。そのため、球受容部４６Ｃに流入する遊技球の個数が制限され、球受容部４６Ｃに２球目の遊技球が流入し始めて球詰まり等の不具合が生じることを防ぐことができる。
【０１０１】
（８）前記従動部材４６は、重り部（本実施形態の「ウエイト４６Ｄ」に相当する）を備えると共に前記カム係合部材と係合していない状態においては、前記ケース体４２Ｃの一部と自重により回動し当接することにより前記第１位置に保持されることを特徴とする上記（１）乃至（７）の何れかに記載の遊技機である。ここで、本実施形態では、球排出位置において従動部材４６が下側の回動規制ストッパ４４Ｓ２に対して若干上方に離れた位置まで接近する構成としているが、球排出位置において従動部材４６と下側の回動規制ストッパ４４Ｓ２とが当接する構成にしてもよい。そのため、常には、遊技球が球受容部４６Ｃに流入せず遊技球の流下を止めることが可能である。
【０１０２】
（９）前記遊技球誘導路４４Ｈは、球止め部（本実施形態の「対向面４６Ｆ」に相当する）との間に遊技球１球分停留可能にして前記遊技球誘導路４４Ｈ上の遊技球を前記ケース体４２Ｃの外へと球抜き可能な前記球排出路４４Ｋを底面に備え、前記球排出路４４Ｋを開閉可能な開閉部材４５を備えると共に、前記開閉部材４５は、常には前記球排出路４４Ｋを閉塞状態に保ち遊技者の操作により前記球排出路４４Ｋを開放状態とすることを特徴とする上記（５）乃至（８）の何れかに記載の遊技機。そのため、球抜きを行いながらでも遊技球を１球だけ発射可能となり、誤って球抜きボタン２３を押した場合であっても、遊技球を１球だけ発射して遊技を継続することができる。
【０１０３】
［他の実施形態］
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【０１０４】
（１）前記実施形態では、パチンコ遊技機１０に本発明を適用していたが、遊技機であれば、アレンジボール等に備えてもよい。
【０１０５】
（２）前記実施形態では、打撃用カム７７及び球供給用カム７８を打撃用モータ７５で回転させていたが、手動で回転させてもよい。
【０１０６】
（３）前記実施形態では、従動部材４６をウエイト４６Ｄで下向きに付勢していたが、従動部材４６をバネ等の弾性体の弾発力により下向き又は上向きに付勢してもよい。
【０１０７】
（４）前記実施形態では、操作突部４６Ｇを操作して従動部材４６を上向きに回動させていたが、操作突部４６Ｇを操作して従動部材４６が下向きに回動するようにしてもよい。
【０１０８】
（５）前記実施形態では、ベース部材６５がケース体４２Ｃと球供給用カム７８との間に配置されていたが、球供給用カム７８をベース部材６５とケース体４３Ｃとの間に配置してもよい。
【０１０９】
（６）前記実施形態では、ガラス枠９５と下部カバー２９とを分離して別体の構成としたが、ガラス枠９５と下部カバー２９とを一体に形成してガラス枠９５とし、そのガラス枠９５の開放によって発射装置ユニット７０を確認可能に構成してもよい。
【０１１０】
（７）前記実施形態では、ロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに挿入して球供給装置４２を回動させてから、球供給装置４２をベース部材６５に対して供給用カム７８の回転軸方向に押し付けていたが、球供給装置４２を、供給用カム７８の回転軸に対して傾斜した方向からベース部材６５に近づけて、ロック片４４Ｄを係止スリット６５Ｇに挿入しつつベース部材６５に押し付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【０１１１】
【図１】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図２】パチンコ遊技機の分解斜視図
【図３】パチンコ遊技機の後面図
【図４】前面枠の正面図
【図５】ガラス枠及び下部カバーの後面側の部分拡大図
【図６】前面枠に取り付けた状態の発射装置ユニットの正面図
【図７】発射装置ユニットの正面図
【図８】発射装置ユニットの後面図
【図９】発射装置ユニットの側面図
【図１０】球供給装置を取り外した状態の発射装置ユニットの斜視図
【図１１】発射装置ユニットの部分断面図
【図１２】発射装置ユニットの斜視図
【図１３】球供給装置の分解斜視図
【図１４】ケース蓋を取り外した発射装置ユニットの部分拡大図
【図１５】ケース蓋を取り外した発射装置ユニットの部分拡大図
【図１６】（Ａ）球供給用カムとカム摺接突部との摺動状況図、（Ｂ）球供給用カムとカム摺接突部との摺動状況図、（Ｃ）球供給用カムとカム摺接突部との摺動状況図
【図１７】ベース部材の後面図
【符号の説明】
【０１１２】
１０ パチンコ遊技機（遊技機）
１２ 誘導レール（レール部材）
２６ 上皿（遊技球供給皿）
２６Ａ 球通路
２７ シャッタ
２７Ｓ トーションスプリング（シャッタ付勢部材）
４０ 発射レール（レール部材）
４１ 球停止部材（球停止部）
４２Ｃ ケース体
４３ ケース蓋（壁部）
４３Ａ 球流入口
４３Ｗ 操作窓
４４Ｈ 遊技球誘導路
４４Ｋ 球排出路（球抜き通路）
４４Ｌ カム連結孔
４４Ｓ１，４４Ｓ２ 回動規制ストッパ（回動規制部）
４４Ｘ 終端開口
４４Ｚ 分岐口
４５ 開閉部材
４６ 従動部材
４６Ｂ カム摺接突部
４６Ｃ 球受容部
４６Ｄ ウエイト（重り部）
４６Ｅ 円弧摺動面
４６Ｇ 操作突部
６５ ベース部材
６７ 打撃槌
７７ 打撃用カム
７８ 球供給用カム
７８Ｐ ピーク部
８０ 遊技枠体
８１ 遊技機本体
９５ ガラス枠（外装カバー）
Ｒ１ 遊技領域
Ｒ２ カム回動領域（回動領域）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
カムが回転可能に取り付けられたベース部材と、
前記カムから力を受けて従動する従動部材を収容したケース体とを備え、
前記ケース体は、前記ベース部材に設けられると共に、前記従動部材から前記ベース部材側に突出したカム摺接突部が前記カムに対して当接して摺動する遊技機において、
前記ケース体のうち前記従動部材を覆う壁部に、前記従動部材の一部を前記ケース体の外側に臨ませ、前記カム摺接突部を前記カムの回動領域の外側に移動操作可能とする操作窓が形成されたことを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記従動部材は、前記ケース体の内部において回動可能に支持され、
前記ケース体には、前記従動部材の可動範囲を規制する回動規制部が備えられ、前記可動範囲の一端側で前記回動規制部に前記従動部材を当接させたときに、前記カム摺接突部が前記カムの回動領域から外れるように構成したことを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記ベース部材は、前記ケース体と前記カムとの間に配置されると共に、前記カム摺接突部が貫通したカム連結孔を備えたことを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記遊技機は、遊技球を用いて遊技を進行する弾球遊技機であって、
前記ケース体は、遊技球を案内する遊技球誘導路を備え、前記従動部材が往復動して前記遊技球誘導路から遊技球を１つずつ受け取りかつ前記ケース体外に排出するように構成したことを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載の遊技機。
【請求項５】
前記従動部材は、前記遊技球誘導路の終端開口との対向面に遊技球を１つ受容可能な球受容部を備え、
前記従動部材が可動範囲における球受容位置に移動すると、前記球受容部が前記終端開口に対向して前記遊技球誘導路から１つの遊技球を受け入れ、
前記従動部材が可動範囲における球排出位置に移動すると、前記球受容部が前記終端開口からずれて前記終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、前記球受容部から前記ケース体の外部に遊技球を排出するように構成したことを特徴とする請求項４に記載の遊技機。
【請求項６】
前記カム摺接突部に、前記カム側に向かって膨出した円弧摺動面が形成され、
前記カムのうち回動中心から最も離れたピーク部は、前記円弧摺動面における一の位置から他の位置へと摺動してから前記カム摺動突起から離間し、
前記ピーク部が前記円弧摺動面における前記他の位置に至ったときに、前記従動部材が可動範囲における球規制位置に配置され、前記球受容部が前記終端開口からずれて前記終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、前記球受容部内に遊技球を保持するように構成したことを特徴とする請求項５に記載の遊技機。
【請求項７】
遊技を行う遊技領域と、
前記遊技機の前面側に設けられた遊技球供給皿と、
前記ケース体に設けられて、前記遊技球供給皿からの遊技球を前記遊技球誘導路に受け入れる球流入口と、
前記球受容部から前記ケース体の外部に排出された遊技球を受容して位置決めする球停止部と、
前記球停止部で位置決めされた遊技球を弾く打撃槌と、
前記打撃槌によって弾かれた遊技球を前記遊技領域に誘導するレール部材とを備えたことを特徴とする請求項４乃至６の何れかに記載の遊技機。
【請求項８】
前記遊技機は、遊技機本体と、前記遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、前記遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、
前記遊技球供給皿は、前記外装カバーに一体化されると共に、前記遊技球供給皿から前記ケース体に遊技球を送給する球通路を遮断可能なシャッタと、そのシャッタを閉じる方向に付勢するシャッタ付勢部材とを備え、
前記外装カバーを前記遊技枠体の前面から外したときに、前記シャッタ付勢部材の付勢力によって前記シャッタが前記球通路を遮断する一方、前記外装カバーを前記遊技枠体の前面に取り付けたときに、遊技枠体側の一部に当接して前記シャッタが開き前記球通路が開通するように構成したことを特徴とする請求項７に記載の遊技機。
【請求項９】
前記遊技機は、遊技機本体と、前記遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、前記遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、
前記ベース部材は、前記遊技枠体のうち前記外装カバーに覆われた部分に取り付けられると共に、そのベース部材の後面側に前記カムを配置する一方、前面側に前記従動部材及び前記ケース体を配置したことを特徴とする請求項１乃至８の何れかに記載の遊技機。
【請求項１０】
前記カム摺接突部を前記カム側に付勢する付勢手段として前記従動部材に重り部を備えたことを特徴とする請求項１乃至９の何れかに記載の遊技機。
【請求項１１】
前記遊技球誘導路の途中から下方に分岐し、前記遊技球誘導路内に遊技球を排出するための球抜き通路を備え、
前記遊技球誘導路から前記球抜き通路への分岐口を常には閉塞し、外部からの操作によって前記分岐口を開放する開閉部材を備えたことを特徴とする請求項１乃至１０の何れかに記載の遊技機。
【請求項１】
カムが回転可能に取り付けられたベース部材と、
前記カムから力を受けて従動する従動部材を収容したケース体とを備え、
前記ケース体は、前記ベース部材に設けられると共に、前記従動部材から前記ベース部材側に突出したカム摺接突部が前記カムに対して当接して摺動する遊技機において、
前記ケース体のうち前記従動部材を覆う壁部に、前記従動部材の一部を前記ケース体の外側に臨ませ、前記カム摺接突部を前記カムの回動領域の外側に移動操作可能とする操作窓が形成されたことを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記従動部材は、前記ケース体の内部において回動可能に支持され、
前記ケース体には、前記従動部材の可動範囲を規制する回動規制部が備えられ、前記可動範囲の一端側で前記回動規制部に前記従動部材を当接させたときに、前記カム摺接突部が前記カムの回動領域から外れるように構成したことを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記ベース部材は、前記ケース体と前記カムとの間に配置されると共に、前記カム摺接突部が貫通したカム連結孔を備えたことを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記遊技機は、遊技球を用いて遊技を進行する弾球遊技機であって、
前記ケース体は、遊技球を案内する遊技球誘導路を備え、前記従動部材が往復動して前記遊技球誘導路から遊技球を１つずつ受け取りかつ前記ケース体外に排出するように構成したことを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載の遊技機。
【請求項５】
前記従動部材は、前記遊技球誘導路の終端開口との対向面に遊技球を１つ受容可能な球受容部を備え、
前記従動部材が可動範囲における球受容位置に移動すると、前記球受容部が前記終端開口に対向して前記遊技球誘導路から１つの遊技球を受け入れ、
前記従動部材が可動範囲における球排出位置に移動すると、前記球受容部が前記終端開口からずれて前記終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、前記球受容部から前記ケース体の外部に遊技球を排出するように構成したことを特徴とする請求項４に記載の遊技機。
【請求項６】
前記カム摺接突部に、前記カム側に向かって膨出した円弧摺動面が形成され、
前記カムのうち回動中心から最も離れたピーク部は、前記円弧摺動面における一の位置から他の位置へと摺動してから前記カム摺動突起から離間し、
前記ピーク部が前記円弧摺動面における前記他の位置に至ったときに、前記従動部材が可動範囲における球規制位置に配置され、前記球受容部が前記終端開口からずれて前記終端開口からの遊技球の排出を禁止すると共に、前記球受容部内に遊技球を保持するように構成したことを特徴とする請求項５に記載の遊技機。
【請求項７】
遊技を行う遊技領域と、
前記遊技機の前面側に設けられた遊技球供給皿と、
前記ケース体に設けられて、前記遊技球供給皿からの遊技球を前記遊技球誘導路に受け入れる球流入口と、
前記球受容部から前記ケース体の外部に排出された遊技球を受容して位置決めする球停止部と、
前記球停止部で位置決めされた遊技球を弾く打撃槌と、
前記打撃槌によって弾かれた遊技球を前記遊技領域に誘導するレール部材とを備えたことを特徴とする請求項４乃至６の何れかに記載の遊技機。
【請求項８】
前記遊技機は、遊技機本体と、前記遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、前記遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、
前記遊技球供給皿は、前記外装カバーに一体化されると共に、前記遊技球供給皿から前記ケース体に遊技球を送給する球通路を遮断可能なシャッタと、そのシャッタを閉じる方向に付勢するシャッタ付勢部材とを備え、
前記外装カバーを前記遊技枠体の前面から外したときに、前記シャッタ付勢部材の付勢力によって前記シャッタが前記球通路を遮断する一方、前記外装カバーを前記遊技枠体の前面に取り付けたときに、遊技枠体側の一部に当接して前記シャッタが開き前記球通路が開通するように構成したことを特徴とする請求項７に記載の遊技機。
【請求項９】
前記遊技機は、遊技機本体と、前記遊技機本体が着脱可能に取り付けられた遊技枠体とからなり、前記遊技枠体の前面には外装カバーが取り付けられ、
前記ベース部材は、前記遊技枠体のうち前記外装カバーに覆われた部分に取り付けられると共に、そのベース部材の後面側に前記カムを配置する一方、前面側に前記従動部材及び前記ケース体を配置したことを特徴とする請求項１乃至８の何れかに記載の遊技機。
【請求項１０】
前記カム摺接突部を前記カム側に付勢する付勢手段として前記従動部材に重り部を備えたことを特徴とする請求項１乃至９の何れかに記載の遊技機。
【請求項１１】
前記遊技球誘導路の途中から下方に分岐し、前記遊技球誘導路内に遊技球を排出するための球抜き通路を備え、
前記遊技球誘導路から前記球抜き通路への分岐口を常には閉塞し、外部からの操作によって前記分岐口を開放する開閉部材を備えたことを特徴とする請求項１乃至１０の何れかに記載の遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【公開番号】特開２００９−２８５６５（Ｐ２００９−２８５６５Ａ）
【公開日】平成２１年２月１２日（２００９．２．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２９０５２５（Ｐ２００８−２９０５２５）
【出願日】平成２０年１１月１３日（２００８．１１．１３）
【分割の表示】特願２００５−３１７８２４（Ｐ２００５−３１７８２４）の分割
【原出願日】平成１７年１０月３１日（２００５．１０．３１）
【出願人】（５９９１０４１９６）株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年２月１２日（２００９．２．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１１月１３日（２００８．１１．１３）
【分割の表示】特願２００５−３１７８２４（Ｐ２００５−３１７８２４）の分割
【原出願日】平成１７年１０月３１日（２００５．１０．３１）
【出願人】（５９９１０４１９６）株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Ｆターム（参考）】
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