説明

遊技機

【課題】図柄表示装置での演出と入賞装置への遊技球の入賞との把握を容易にする。
【解決手段】遊技盤に設けられた枠状装飾体30の上部に、図柄表示装置17での図柄の変動結果に応じて入賞口が開放して遊技球が入賞可能な第2の特別入賞装置を設けると共に、該枠状装飾体30の内周縁部に、第2の特別入賞装置に入賞した遊技球を球回収部に排出する球排出通路45を形成し、球排出通路45の外側面には、回転装飾部材50,51を配設する。回転装飾部材50,51は、球排出通路45の外側面に回転可能に支持される回転体54と、回転体54に連結されて一体的に回転される複数の接触片56aを有し、当該複数の接触片56aの一部が常には球排出通路45の内部に臨む作動部材56とから構成されて、球排出通路45を通過する遊技球が接触片56aに接触して作動部材56を回転付勢することで回転体54が回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に設けられた遊技領域を遊技球が流下することで遊技が行なわれる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やアレンジボール機等の遊技機では、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の装飾部材(所謂センター役物)が配設されており、この装飾部材の開口部を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動ゲームを行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における装飾部材の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。この種の遊技機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動ゲームに伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、遊技盤に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−170282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くのパチンコ機では、前記大当りが発生すると、前記図柄表示装置において特殊な大当り演出を行なうことで、大当り中の遊技者の優越感や昂揚感を高めることが行なわれている。このような大当り演出を行なうことで、遊技に対する遊技者の満足感が向上されるものの、大当り中は前記特別入賞装置へのパチンコ球の入賞状況によって得られる賞球数が変化するため、遊技者の注意が特別入賞装置に向けられることも多い。このとき、遊技者が特別入賞装置に注目している間は前記図柄表示装置等で行なわれる大当り演出が見逃されてしまうことに繋がり、演出効果の低下が懸念される。また、前述のように特別入賞装置には遊技者の注目が集まり易いものの、その注目はパチンコ球が入賞装置に入賞するまでに止まり、入賞した後のパチンコ球が注目されることはなかった。
そこで、本発明は、図柄表示装置での演出と入賞装置への遊技球の入賞とを容易に把握し得ると共に、入賞装置に入賞した後の遊技球での演出が可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る遊技機は、
遊技球(B)が流下可能な遊技領域(20a)を有する遊技盤(20)に枠状装飾体(30)が設けられると共に、該遊技盤(20)の裏側に、図柄を変動表示可能な図柄表示装置(17)が配設されて、該図柄表示装置(17)の表示面(17a)が枠状装飾体(30)の開口部(31)を介して後方から臨むよう構成されると共に、機裏側に遊技球(B)を回収する球回収部が設けられた遊技機において、
前記枠状装飾体(30)の上部に設けられ、前記図柄表示装置(17)での図柄の変動結果に応じて入賞口(40a)が開放して前記遊技領域(20a)を流下する遊技球(B)が入賞可能な入賞装置(40)と、
前記枠状装飾体(30)の内周縁部に設けられて前記入賞装置(40)および球回収部を連通し、前記入賞装置(40)に入賞した遊技球(B)を球回収部に排出する球排出通路(45)と、
前記球排出通路(45)の外側面に配設された回転装飾部材(50,51)とを備えると共に、
前記回転装飾部材(50,51)は、
前記球排出通路(45)の外側面に回転可能に支持され、前記枠状装飾体(30)の開口部(31)の内側に位置する回転体(54)と、
前記回転体(54)に連結されて一体的に回転されると共に、回転に伴って前記球排出通路(45)に開設した孔部(45a)に進入および退避する複数の接触片(56a)を有し、当該複数の接触片(56a)の一部が常には球排出通路(45)の内部に臨む作動部材(56)とから構成されて、
前記球排出通路(45)を通過する遊技球(B)が接触片(56a)に接触して前記作動部材(56)を回転付勢することで前記回転体(54)が回転されることを要旨とする。
【0005】
このように、入賞装置に入賞した遊技球が通過する球排出通路を枠状装飾体の内周縁部に形成すると共に、該球排出通路を通過する遊技球に接触して回転する回転装飾部材を設けることで、入賞装置への遊技球の入賞状況を回転装飾部材の回転で把握することができる。ここで、図柄表示装置の表示面が臨む枠状装飾体の内周縁部に回転装飾部材が位置することになるから、視線を大きく移動することなく図柄表示装置の表示と回転装飾部材とを視界に捉えることが可能となる。また、図柄表示装置の表示面が臨む枠状装飾体に入賞装置を配設することで、入賞装置への遊技球の入賞状況を直接目視する際の視線移動も少なくできる。更に、入賞装置への遊技球の入賞に伴って回転装飾部材が回転されることで、演出効果の向上を図り得る。更にまた、入賞装置に入賞した遊技球が自重で流下する力を利用して回転装飾部材が回転されるから、回転装飾部材用に駆動手段を設ける必要がなく、構造が簡略化されコスト低減を図り得る。
【0006】
請求項2に係る遊技機は、前記球排出通路(45)には、前記回転装飾部材(50,51)が複数配設されて、該球排出通路(45)の下流側に位置する回転装飾部材(51)の回転体(54)は、上流側に位置する回転装飾部材(50)の回転体(54)より大型に形成されることを要旨とする。
【0007】
このように、入賞装置に入賞した遊技球により小型の回転装飾部材が最初に回転付勢され、その後に大型の回転装飾部材が回転付勢されることで、遊技球が球排出通路を通過した際に、上流側に位置する回転装飾部材の回転と、下流側に位置する回転装飾部材の回転との間で回転の勢いに差をつけることができる。
【0008】
請求項3に係る遊技機は、前記回転装飾部材(50,51)の後方には、前記回転体(54)と同種の形態に形成されると共に電気的駆動手段の駆動により回転される第2の回転体(26a)を備えた演出装置(26)が配設されることを要旨とする。
【0009】
このように、回転装飾部材の後方に、電気的駆動手段により回転される第2の回転体を備えた演出装置を配設することで演出性が一段と高まる。
【0010】
請求項4に係る遊技機は、前記枠状装飾体(30)は、内周下縁部に遊技球(B)が転動するステージ(35)が設けられると共に、前記遊技領域(20a)を流下する遊技球(B)を該ステージ(35)に誘導する球誘導通路(33)が設けられ、
前記球排出通路(45)および球誘導通路(33)は、通過する遊技球(B)を視認し得るよう透明樹脂材により形成されると共に、該球排出通路(45)と球誘導通路(33)が前後の位置関係で交差するよう構成されたことを要旨とする。
【0011】
このように、球排出通路および球誘導通路を通過する遊技球が立体的に交差することで、遊技球の移動による演出性の向上が図られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機によれば、図柄表示装置での演出と入賞装置への遊技球の入賞とを容易に把握し得ると共に、入賞装置に入賞した後の遊技球での演出が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0014】
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置17が着脱し得るよう構成される。また、前記中枠12の前面側には、装飾用の電飾装置等が設置された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球Bを貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられている。前記前枠13には、前記中枠12に保持された遊技盤20の前面に、ガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透明保護板(図示せず)が備えられており、該遊技盤20を透視保護するよう構成されている。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球Bを貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、前記中枠12の裏側には、遊技に供されたパチンコ球Bを遊技店側に設けた球回収設備に排出する球回収部(図示せず)が設けられている。
【0015】
(遊技盤について)
前記遊技盤20は、図3に示すように、略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材からなる透明板21と、該透明板21の裏面に組み付けられると共に前記図柄表示装置17が配設される裏ユニット25とから構成される。図2に示すように、前記透明板21の前面には、外レール22aと内レール22bとが半円弧状に配設されており、両レール22a,22bにより画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球Bが遊技領域20a内に打ち出されて、該遊技領域20a内をパチンコ球Bが流下して遊技が行なわれるようになっている。なお、打球発射装置から発射されたパチンコ球Bは、透明板21の下側から左側に両レール22a,22bで案内されて、遊技領域20aの左上部に打ち出される。
【0016】
また、前記透明板21には、前記裏ユニット25に配設された前記図柄表示装置17の表示面17aに対応して前後に開口する装着口(図示せず)が形成されており、該装着口に対して枠状装飾体30が配設される。更に、前記透明板21の前面には、図2に示す如く、前記枠状装飾体30より下方位置に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Bが入賞可能な始動入賞装置23や第1の特別入賞装置24が配設されており、該始動入賞装置23の入賞口にパチンコ球Bが入賞することで、前記図柄表示装置17の表示面17aで図柄変動が開始されるようになっている。また、前記第1の特別入賞装置24は、入賞口24aが開閉扉24bで常には閉鎖されており、前記図柄表示装置17での図柄変動の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉24bが開放するよう作動制御されて、入賞口24aへの入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。実施例では、前記第1の特別入賞装置24では、前記図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせが停止して大当りが発生すると、所定時間(例えば30秒)の開放を1回とするラウンド遊技を複数回(例えば15回)繰り返すよう作動制御される。また、前記「大当り」が発生すると、前記図柄表示装置17の表示面17aにおいて、特別に設定された大当り演出が表示されるよう表示制御されている。なお、前記透明板21の遊技領域20aには、前記枠状装飾体30の外側位置に多数の遊技釘が植設されて、遊技領域20aを流下するパチンコ球Bの流下方向が不規則に変更され得るようになっている。
【0017】
前記裏ユニット25は、図3または図4に示すように、前記透明板21の外郭形状と略整合する大きさおよび形状に形成されると共に前方に開口する箱枠状に形成されて、該裏ユニット25の開口前端部を透明板21の裏面に当接させた状態で、透明板21と裏ユニット25とが連結固定される。そして、前記裏ユニット25には、前記透明板21との間に画成される空間に、可動演出装置(演出装置)26や各種の装飾部材27が配設されており、透明板21を介して可動演出装置26や各種の装飾部材27を視認し得るようになっている。また、前記裏ユニット25には、略矩形状の開口部25aが前後に開口するよう開設されると共に、該裏ユニット25の裏側に前記図柄表示装置17が着脱自在に取り付けられており、該開口部25aを介して図柄表示装置17が透明板21の前側から視認し得るようになっている。なお、図柄表示装置17としては、液晶表示装置やドラム式の表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を用いることができる。また、前記裏ユニット25の開口部25aの左側部には、前方に開口する連絡口28aを有すると共に裏ユニット25の下端部から下方に開口する排出口28bを有する連絡通路28が形成されており、前記枠状装飾体30に形成される球排出通路45(後述)が該連絡通路28の連絡口28aに連通するよう構成される。この連絡通路28の排出口28bは、前記中枠12に形成された前記球回収部の上方で開口するよう構成されており、該連絡通路28を通過したパチンコ球Bを球回収部に落下させるようになっている。
【0018】
ここで、図4に示すように、実施例の可動演出装置26は、前記裏ユニット25の開口部25aの左側部に配設されており、図示しない電気的な駆動手段の駆動により花弁を模した複数の可動装飾体(第2の回転体)26aが回転するよう構成されている。この可動装飾体26aは、前記始動入賞装置23にパチンコ球Bが入賞した際に、所定の制御条件に基づいて前記図柄表示装置17に表示される演出に合わせて回転されると共に、前記「大当り」が発生した際に所定の制御条件に基づいて回転されるよう構成されている。また、前記裏ユニット25の開口部25aの右側部には、前記装飾部材27が配設されており、該装飾部材27には、前記可動演出装置26の可動装飾体26aと同種の形態の花弁を模した固定装飾体27aが設けられている。同種の形態には、形状が完全に一致するものや相似形のものを含むと共に、形状や大きさが異なっても基本的な形状が共通するものやモチーフ等が共通するものを含む概念である。
【0019】
(枠状装飾体について)
図4に示すように、前記枠状装飾体30は、前後に開口する枠状に形成されて、前記遊技盤20(透明板21)に開設した装着口(図示せず)に取り付けられており、前記裏ユニット25に配設された図柄表示装置17が枠状装飾体30の開口部31に臨んで前側から視認し得るようになっている。また、図2に示すように、前記枠状装飾体30の左側部には、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Bが通過可能な球入口32や、該球入口32に通入したパチンコ球Bを枠状装飾体30の内周下縁部へ誘導する球誘導通路33が形成されると共に、該枠状装飾体30の内周下縁部には、球誘導通路33を通過したパチンコ球Bが転動するステージ35が形成されている。ここで、前記球誘導通路33は、前記球入口32から右下方に傾斜する第1球案内部33aと、該第1球案内部33aに連通して前記ステージ35上で球出口34が開口する第2球案内部33bとから屈曲形状に形成されている。また、前記球誘導通路33は、透明な合成樹脂材により形成されており、該球誘導通路33をパチンコ球Bが通過する様子を前側から視認し得るよう構成されている。
【0020】
(第2の特別入賞装置について)
また、図1または図2に示すように、前記枠状装飾体30の上部位置には、前記図柄表示装置17での図柄の変動結果に応じて入賞口40aが開放することで前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Bが入賞可能な第2の特別入賞装置(入賞装置)40が設けられている。実施例に係る第2の特別入賞装置40は、前記枠状装飾体30の上部位置に、左方向に開口するよう開設された入賞口40aをフラップ状の開閉部材41により閉鎖するよう構成されており、該開閉部材41が左方向に傾倒することで、該入賞口40aが遊技領域20a内に開口するようになっている。
【0021】
また、前記第2の特別入賞装置40の入賞口40aは、前記開閉部材41により常には閉鎖されており、前記図柄表示装置17での図柄変動の結果、前記第1の特別入賞装置24の開閉扉24bを開放させる前記所定の図柄組み合わせ以外の特定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が図柄表示装置17に停止表示されることで発生する「大当り」により、該開閉部材41を開放するよう作動制御されて、入賞口40aへのパチンコ球Bの入賞を許容するようになっている。そして、前記第2の特別入賞装置40の入賞口40aに入賞したパチンコ球Bを球検出センサ43(後述)が検出することで、遊技者が多数の賞球を獲得し得るようになっている。また、大当り(後述する特別開放大当り)が発生すると、前記図柄表示装置17の表示面17aにおいて、前記第1の特別入賞装置24が開放する大当りの時とは異なった特別開放大当り演出が表示されるよう表示制御されている。すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、「大当り」の発生時に開放可能な2つの特別入賞装置24,40が配設されており、「大当り」の発生条件に応じて、第1の特別入賞装置24および第2の特別入賞装置40の何れかの入賞口24a,40aが開放されるようになっている。例えば、「大当り」の発生時における図柄組み合わせの種類(偶数、奇数)に応じて第1の特別入賞装置24および第2の特別入賞装置40の何れかの入賞口24a,40aが開放するよう作動制御される。ここで、前記第2の特別入賞装置40は、枠状装飾体30の左上部位置に設けられていることから、前記第1の特別入賞装置24に較べて、遊技領域20aの左上部に打ち出されたパチンコ球Bが入賞し易くなっている。
【0022】
ここで、前記第2の特別入賞装置40が開放される大当りとして、所定時間(例えば2.6秒)の開放を連続して複数回(例えば16回)行なうラウンド遊技を1〜3回の内の何れか回数だけ実行される「特別開放大当り」と、短時間(例えば0.5秒)の開放を2回だけ行なう「2ラウンド大当り」とが設定されている。従って、実施例では、大当りにおける第2の特別入賞装置40の開放回数は、2回、16回、32回、48回の何れかとなる。なお、「特別開放大当り」の発生時に、第2の特別入賞装置40の開放回数が16回となるか、32回となるか、48回となるかは、図柄表示装置17の表示態様から区別することは困難または不可能としてある。また、「特別開放大当り」の発生と、「2ラウンド大当り」の発生については、図柄表示装置17に表示される表示態様により区別し得るよう設定されている。なお、「特別開放大当り」では、ラウンド遊技の間に所定時間(例えば1秒)のインターバルが設定されている。ここで、前記図柄表示装置17は、前記ラウンド遊技間のインターバル中にラウンド遊技の継続を演出するラウンド継続演出が特別開放大当り演出として表示されるよう表示制御される。なお、特別開放大当り時のラウンド遊技の回数としては、1〜3回に限られないことは当然である。
【0023】
また、第2の特別入賞装置40では、短時間(例えば0.5秒)の開放を2回だけ行なう「小当り」が別に設定されている。なお、「2ラウンド大当り」が発生する際に図柄表示装置17に表示される表示態様と、「小当り」が発生する際に図柄表示装置17に表示される表示態様とは、図柄表示装置17の表示態様から区別することは困難または不可能としてある。なお、前記「小当り」が発生すると、前記図柄表示装置17の表示面17aにおいて、特別に設定された小当り演出が表示されるようになっている。
【0024】
また、前記枠状装飾体30には、図5に示すように、前記第2の特別入賞装置40の入賞口40aに連通する球排出通路45が、該枠状装飾体30の内周縁部(開口上縁部および開口左側縁部)に沿って形成されている。更に、前記枠状装飾体30の開口上縁部には、前記球排出通路45を通過するパチンコ球Bを検出する球検出センサ43が設けられており、該球検出センサ43がパチンコ球Bを検出することで、所定数(例えば10個)のパチンコ球Bが賞球として払い出されるようになっている。すなわち、前記第2の特別入賞装置40の入賞口40aに入賞したパチンコ球Bは、前記球排出通路45を通過する過程で球検出センサ43に検出される。なお、球検出センサ43としては、近接センサや光学式のフォトセンサ、マイクロスイッチ等のように、球排出通路45を通過するパチンコ球Bを検出し得るものであれば、従来公知の各種センサを採用できる。
【0025】
この球排出通路45は、前記枠状装飾体30の開口左側縁部の下端部近傍で前記裏ユニット25に形成された前記連絡通路28に連通するよう構成されている。すなわち、前記第2の特別入賞装置40の入賞口40aに入賞したパチンコ球Bは、前記枠状装飾体30の球排出通路45および裏ユニット25の連絡通路28を通過して、前記中枠12の球回収部に回収されるようになっている。また、前記球排出通路45は、透明な合成樹脂材により形成されており、該球排出通路45をパチンコ球Bが通過する様子を前側から視認し得るよう構成されている。更に、図2または図6に示すように、前記ステージ35にパチンコ球Bを誘導する球誘導通路33の第1球案内部33aは、前記球排出通路45の前側を横切るよう交差して傾斜すると共に、該球誘導通路33の第2球案内部33bは該球排出通路45の右側部に沿って下方に延在している。すなわち、前記球排出通路45および球誘導通路33は、前後の位置関係で交差するよう構成されており、該球排出通路45および球誘導通路33を通過するパチンコ球Bにより立体的な動きをさせ得るようになっている。
【0026】
(回転装飾部材について)
図2または図6に示すように、前記球排出通路45には、前記枠状装飾体30の開口部31に臨む外側面(図2における右側面)に、該球排出通路45を通過するパチンコ球Bに付勢されて回転する回転装飾部材50,51が配設されている。この回転装飾部材50,51は、前記枠状装飾体30の外側面に取り付けられる取付片47に回転可能に軸支されている。この取付片47は、前記球排出通路45に沿って上下に延在する平板状に形成された本体部47aに対して、後方へ向かうにつれて左方向に傾斜すると共に前後に貫通する通孔48a(図7参照)が形成された軸受け部48が上下に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に形成されており、各軸受け部48に回転装飾部材50,51が回転可能に軸支されている。なお、上下に離間して位置する回転装飾部材50,51の構成は基本的に同一なので、球排出通路45の上流側に位置する回転装飾部材50に基づいて構成を説明し、下流側に位置する回転装飾部材51については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
前記回転装飾部材50は、図6〜図8に示すように、前記軸受け部48の前側に位置する装飾部54aおよび該軸受け部48の通孔48aに挿通される回転軸52から構成された回転体54と、該回転軸52の後端部に連結されて回転体54と一体的に回転する作動部材56とから構成される。すなわち、前記回転体54は、前記回転軸52を中心に、前記球排出通路45に対して傾斜する姿勢で回転可能に支持されて、前記枠状装飾体30の開口部31の内側に位置するよう構成されている。また、前記装飾部54aは、前記裏ユニット25に配設した可動演出装置26の可動装飾体26aと同種の形態の花弁を模した形状に形成してある。ここで、前記球排出通路45の下流側に位置する回転装飾部材51の装飾部54a(回転体54)は、上流側に位置する回転装飾部材50の装飾部54a(回転体54)より大型に形成されている。また、実施例では、前記枠状装飾体30に配設された前記回転装飾部材50,51の後方に前記可動演出装置26が位置して、該回転装飾部材50,51の回転体54と可動演出装置26の可動装飾体26aとが前後の位置関係で重なりながら回転し得るようになっている。
【0028】
前記作動部材56は、図8に示すように、前記回転軸52を中心として放射状に延在する複数(実施例では3つ)の接触片56aを有しており、前記球排出通路45の外側面(右側面)に開設した孔部45aを介して、該球排出通路45内に接触片56aが臨むようになっている。この接触片56aは、前記回転軸52を中心とする周方向に略等間隔に位置(すなわち略120°毎に離間)するよう構成されると共に、当該複数の接触片56aの一部が常には球排出通路45の内部に臨む長さ寸法に形成されている(図8(b)参照)。すなわち、前記回転装飾部材50,51を球排出通路45の外側面に配設した状態において、前記作動部材56における何れかの接触片56aが常には球排出通路45の内部に突出している。また、前記接触片56aが球排出通路45の内部に突出する突出寸法は、該球排出通路45の幅(球排出通路45の断面が円形状であれば直径となる)からパチンコ球Bの直径を引いた寸法よりも大きく設定されており、球排出通路45をパチンコ球Bが通過する際に何れかの接触片56aに接触するよう構成されている。すなわち、球排出通路45を通過するパチンコ球Bが何れかの接触片56aに接触して、前記作動部材56を回転付勢し、該作動部材56の回転に伴って回転体54が回転されるようになっている。また、前記回転装飾部材50(回転体54、作動部材56)の回転に伴って、前記各接触片56aが前記孔部45aを介して球排出通路45内に順次進入および退避し、該球排出通路45を通過する次のパチンコ球Bが球排出通路45に臨む何れかの接触片56aに接触し得るようになっている。すなわち、前記球排出通路45を通過するパチンコ球Bは、何れかの接触片56aに接触して前記回転体54を回転付勢し、該回転体54の回転に伴って作動部材56の異なる位置にある接触片56aが球排出通路45内に移動してパチンコ球Bに接触し得るようになる。
【0029】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
【0030】
前記遊技盤20に設けた内外のレール22a,22bに沿って遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球Bは、遊技盤20上に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球Bが前記始動入賞装置23に入賞すると、前記図柄表示装置17において所要の図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせまたは特定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置17に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤20の下方に設けられた第1の特別入賞装置24および前記枠状装飾体30の上部位置に設けられた第2の特別入賞装置40の何れかの入賞口24a,40aが開放される。このように、大当りの発生時に入賞口24a,40aが開放する特別入賞装置24,40を2つ設けたことで、遊技演出の多様化が図られる。更に、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に小当りを発生する図柄組み合わせが表示されると小当りが発生して、第2の特別入賞装置40の入賞口40aが開放される。すなわち、大当りとは別に小当りを設けることで、遊技演出の更なる多様化を図り得る。
【0031】
そして、前記第2の特別入賞装置40の開閉部材41が開放すると、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球Bが該第2の特別入賞装置40の入賞口40aに入賞し得るようになる。そして、前記第2の特別入賞装置40の入賞口40aに入賞したパチンコ球Bが前記球排出通路45を通過する過程で球検出センサ43に検出されると、前記上球受け皿14や下球受け皿15に所定数のパチンコ球Bが賞球として払い出される。更に、前記球排出通路45を通過するパチンコ球Bが、該球排出通路45に配設された回転装飾部材50,51の各接触片56aに接触することで、該回転装飾部材50,51の回転体54が連続的に夫々回転される。すなわち、前記回転装飾部材50,51の回転体54の回転により、前記第2の特別入賞装置40にパチンコ球Bが入賞したことを遊技者が認識することができる。
【0032】
ここで、前記回転装飾部材50,51は、前記枠状装飾体30の開口部31の内周縁部(開口左側縁部)に沿って形成された前記球排出通路45に配設されると共に、該枠状装飾体30の開口部31からは、前記図柄表示装置17の表示面17aが臨んでいる。すなわち、図柄表示装置17の表示面17aが臨む枠状装飾体30の開口部31の内周縁部に回転装飾部材50,51が位置することで、視線を大きく移動することなく図柄表示装置17に表示される特別開放大当り演出や小当り演出と回転装飾部材50,51とを視界に捉えることが可能となる。このため、図柄表示装置17で行なわれる特別開放大当り演出や小当り演出を見ながら回転装飾部材50,51の回転体54が回転する様子を遊技者が容易に認識できるから、該図柄表示装置17での特別開放大当り演出や小当り演出により遊技に対する優越感や昂揚感を高めつつ、第2の特別入賞装置40にパチンコ球Bが入賞したことを同時に把握することができる。特に、実施例では、「小当り」や「2ラウンド大当り」の発生時における第2の特別入賞装置40の開放時間が短く設定されているため、該第2の特別入賞装置40の開放自体を遊技者が認識できなくても、回転装飾部材50,51の回転により第2の特別入賞装置40にパチンコ球Bが入賞したことを認識でき、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0033】
また、前記回転装飾部材50,51を前記枠状装飾体30の開口左側縁部に沿って形成された前記球排出通路45に配設することで、遊技者の視線が回転装飾部材50,51に向けられた場合であっても、図柄表示装置17で行なわれる特別開放大当り演出や小当り演出を認識させ得るから、該図柄表示装置17で行なわれる特別開放大当り演出や小当り演出の演出効果が低下するのを防止できる。更に、図柄表示装置17の表示面17aが臨む枠状装飾体30に第2の特別入賞装置40を配設したことで、遊技者が第2の特別入賞装置40を直接目視してパチンコ球Bの入賞状況を確認した場合であっても、遊技者の視線移動を極力少なくでき、図柄表示装置17で行なわれる特別開放大当り演出や小当り演出を遊技者が見逃すのが防止される。例えば、特別開放大当りに際して、第2の特別入賞装置40の開放が何回行なわれたかに関してや、インターバル中に行なわれるラウンド遊技の継続を演出するラウンド継続演出を見逃すのが防止される。
【0034】
そして、前記第2の特別入賞装置40へ入賞したパチンコ球Bを利用して前記回転装飾部材50,51の回転体54を回転させることで、入賞装置へ入賞したパチンコ球Bをそのまま球回収部に回収していた従来のパチンコ機に較べて、演出効果の向上を図り得る利点がある。ここで、前記回転装飾部材50,51の回転体54は、前記第2の特別入賞装置40へ入賞したパチンコ球Bが球排出通路45を自重で通過(流下)する力を利用して回転されるから、回転装飾部材50,51の回転体54を回転させるために独立した駆動手段を設ける必要がなく、構造の簡略化を図り得ると共に低コストでの演出が可能となる。
【0035】
特に、前記第2の特別入賞装置40は、枠状装飾体30の左上部位置に設けられていることから、該第2の特別入賞装置40が開放された状態では遊技領域20aの左上部に打ち出されたパチンコ球Bが入賞し易く、短時間で多数のパチンコ球Bが第2の特別入賞装置40に入賞する。すなわち、短時間で多数のパチンコ球Bが入賞することで、回転装飾部材50,51(回転体54)の回転頻度が高められ、独立した駆動手段を設けていなくとも、該回転装飾部材50,51(回転体54)の回転による演出を効果的に行なうことができる。また、前記回転装飾部材50,51の複数の接触片56aの一部が前記球排出通路45の内部に常に臨むよう構成したことで、該球排出通路45を通過する全てのパチンコ球Bが何れかの接触片56aに接触して回転装飾部材50,51(回転体54)を回転付勢させるから、回転装飾部材50,51(回転体54)の回転頻度を高め、演出効果の向上を図り得る。
【0036】
また、前記球排出通路45には、前記球検出センサ43よりも下流側に回転装飾部材50,51が配設されている。このため、球排出通路45を通過するパチンコ球Bは、前記回転装飾部材50,51の接触片56aに接触する前に球検出センサ43で検出される。すなわち、球検出センサ43の検出により賞球の払い出しが確定した後に、パチンコ球Bが回転装飾部材50,51(接触片56a)に接触するから、該球検出センサ43でのパチンコ球Bの検出に回転装飾部材50,51が悪影響を及ぼすことはなく、球排出通路45を通過するパチンコ球B毎に球検出センサ43が検出して確実な賞球の払い出しを行なうことができる。
【0037】
更に、実施例では、前記球排出通路45に2つの回転装飾部材50,51を配設すると共に、下流側に位置する回転装飾部材51の回転体54の装飾部54aを、上流側に位置する回転装飾部材50の回転体54の装飾部54aより大型に形成してある。このため、前記第2の特別入賞装置40に入賞したパチンコ球Bは、前記球排出通路45を通過する過程で、上流側に位置する小型の回転装飾部材50の接触片56aに最初に接触して回転付勢し、その後に下流側に位置する大型の回転装飾部材51の接触片56aに接触して回転付勢する。すなわち、上流側に位置する小型で軽量な回転装飾部材50が最初に回転付勢されることで、該上流側の回転装飾部材50が勢いよく回転すると共に、該上流側に位置する回転装飾部材50に接触して減勢されたパチンコ球Bが下流側に位置する大型で重量のある回転装飾部材51に接触することで、該下流側に位置する回転装飾部材51が回転する勢いは弱くなる。このように、球排出通路45をパチンコ球Bが通過するだけで、上流側に位置する回転装飾部材50の回転と、下流側に位置する回転装飾部材51の回転との間で回転の勢いに差をつけることができ、演出効果の向上に寄与し得る。
【0038】
更に、実施例では、前記回転装飾部材50,51の後方に可動演出装置26を配設して、該可動演出装置26の可動装飾体26aを電気的な駆動手段により回転させるよう構成したことで、回転装飾部材50,51(回転体54)の回転と可動装飾体26aの回転により演出効果が相乗的に高められる。特に、実施例のように、前記可動演出装置26の可動装飾体26aと、前記回転装飾部材50,51の装飾部54aとの意匠を関連付けることで、該可動装飾体26aの回転による演出と、回転装飾部材50,51の回転による演出との関連性が一層高められ、演出の一体性が向上される。ここで、前記回転装飾部材50,51の回転体54は、前記第2の特別入賞装置40に入賞するパチンコ球Bにより回転されるため不規則な回転となる。すなわち、所定の制御条件に従って回転される前記可動演出装置26の可動装飾体26aと、第2の特別入賞装置40へのパチンコ球Bの入賞に依存して不規則に回転する前記回転装飾部材50,51の回転体54とを設けることで、回転装飾部材50,51(回転体54)および可動装飾体26aの回転による演出の多様化を図ることができる。
【0039】
また、大当りが発生して前記第2の特別入賞装置40が開放した状態において、該第2の特別入賞装置40に入賞しなかったパチンコ球Bは遊技領域20aを流下する。このパチンコ球Bは、遊技領域20aを流下する過程で前記枠状装飾体30の左側部に設けた球誘導通路33の球入口32に入球する場合がある。そして。前記枠状装飾体30の球入口32に入球したパチンコ球Bは、前記球誘導通路33を通ってステージ35に案内されることになる。ここで、前記球排出通路45および球誘導通路33を前後の関係で交差するよう形成したことで、球排出通路45および球誘導通路33を通過するパチンコ球Bは立体的に交差しながら夫々の通路33,45を流下するから、各通路33,45を通過するパチンコ球Bの動きの興趣が高められる。
【0040】
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、遊技盤を透明板と裏ユニットとを積層して構成したが、所定厚のベニヤ板や合成樹脂板の単体から構成してもよく、また3つ以上の部材を積層して遊技盤を構成するようにしてもよい。
【0041】
実施例では、花弁を模した形状に回転体を形成したが、これに限られるものではないことは当然であり、任意の形状に形成することができる。
【0042】
実施例では、遊技盤に第1の特別入賞装置および第2の特別入賞装置の2つを設けるよう構成したが、少なくとも第2の特別入賞装置(枠状装飾体の入賞装置)を備えるよう構成すればよい。また、実施例では、枠状装飾体の入賞装置として、大当りの発生時に開放する特別入賞装置を挙げたが、これに限らず、図柄表示装置での図柄の変動結果に応じて入賞口が開放するよう構成された入賞装置であればよい。
【0043】
実施例では、回転装飾部材を取付片を介して球排出通路の外側面に取り付けるよう構成したが、該球排出通路の外側面に直接回転装飾部材を軸支する構成も採用できる。また、実施例では、球排出通路を透明な合成樹脂材により形成したが、不透明な合成樹脂材により球排出通路を形成して、通路内部を通過するパチンコ球を前側から目視し得ないようにしてもよい。
【0044】
実施例では、回転装飾部材の作動部材に3つの接触片を設けるよう構成したが、4つ以上の接触片を設けるようにしてもよい。また、各接触片は必ずしも等間隔に設ける必要はなく、当該複数の接触片の一部が常には球排出通路の内部に臨むよう形成すればよい。
【0045】
実施例では、回転装飾部材を球検出センサの下流側に設けるようにしたが、該球検出センサの上流側に位置するよう回転装飾部材を設けてもよい。また、球検出センサの上流側に回転装飾部材を設けた場合に、該回転装飾部材の回転を規制する回転規制部材を設けて、所定制御条件で入賞装置が開放された場合に、該回転規制部材を解除するよう構成することもできる。この場合には、入賞装置が不正に開放されて遊技球が入賞したとしても、球排出通路に臨んでいる何れかの接触片に遊技球が接触しても該回転装飾部材が回転しないから、遊技球の通過が規制できる。これにより、不正者が不正に利益を獲得するのを防止できる
【0046】
更に、例えば回転装飾部材を球検出センサの下流側に設けて回転規制部材により回転装飾部材の回転を規制し得るよう構成することもできる。この場合に、大当りの発生時に前記入賞装置が所定時間毎に間欠的に開閉するラウンド遊技を複数回継続し得るよう設定して、各ラウンド遊技中には前記回転規制部材により回転装飾部材の回転を規制して球排出通路中に遊技球を貯留するよう構成し、ラウンド遊技が継続する場合に回転規制部材による回転規制を解除するようにすれば、大当りが継続することを回転装飾部材の回転により遊技者に認識させることができる。なお、大当りが継続しない場合には、前記球排出通路に貯留された遊技球を1球ずつ排出するよう回転規制部材を断続的に作動させて、ラウンド遊技が継続する場合との間に回転装飾部材の回転態様に差が生ずるよう構成し得る。
【0047】
実施例では、球排出通路の外側面に2つの回転装飾部材を設けたが、該回転装飾部材を1つ設けるようにしてもよく、また3つ以上の回転装飾部材を設けるようにしてもよい。また、実施例では、球排出通路の下流側に位置する回転装飾部材の回転体を上流側に位置する回転装飾部材の回転体より大型に形成したが、下流側に位置する回転装飾部材の回転体を小型に形成してもよい。更に、実施例では、回転装飾部材の回転軸を球排出通路の外側面に傾斜姿勢で配設するよう構成したが、これに限られるものではない。
【0048】
実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の従来公知の各種遊技機を採用し得る。また、図柄表示装置としても液晶パネルを用いたものに限らず、ドラム式やベルト式、その他の形式の図柄表示装置も採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤を示す正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤を分解して示す側面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤の裏ユニットを示す正面図である。
【図5】実施例に係る枠状装飾体を示す背面図である。
【図6】実施例に係る枠状装飾体における回転装飾部材の配設部位を拡大して背面側から見た状態を示す斜視図である。
【図7】実施例に係る遊技盤を回転装飾部材の配設位置で横断した状態を示す概略平面図である。
【図8】(a)は、回転装飾部材を示す背面図であり、(b)は回転装飾部材の接触片と球排出通路との関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0050】
17 図柄表示装置
17a 表示面
20 遊技盤
20a 遊技領域
26 可動演出装置(演出装置)
26a 可動装飾体(第2の回転体)
30 枠状装飾体
31 開口部
33 球誘導通路
35 ステージ
40 第2の特別入賞装置(入賞装置)
40a 入賞口
45 球排出通路
45a 孔部
50 上流側の回転装飾部材
51 下流側の回転装飾部材
54 回転体
56 作動部材
56a 接触片
B パチンコ球(遊技球)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤に枠状装飾体が設けられると共に、該遊技盤の裏側に、図柄を変動表示可能な図柄表示装置が配設されて、該図柄表示装置の表示面が枠状装飾体の開口部を介して後方から臨むよう構成されると共に、機裏側に遊技球を回収する球回収部が設けられた遊技機において、
前記枠状装飾体の上部に設けられ、前記図柄表示装置での図柄の変動結果に応じて入賞口が開放して前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞装置と、
前記枠状装飾体の内周縁部に設けられて前記入賞装置および球回収部を連通し、前記入賞装置に入賞した遊技球を球回収部に排出する球排出通路と、
前記球排出通路の外側面に配設された回転装飾部材とを備えると共に、
前記回転装飾部材は、
前記球排出通路の外側面に回転可能に支持され、前記枠状装飾体の開口部の内側に位置する回転体と、
前記回転体に連結されて一体的に回転されると共に、回転に伴って前記球排出通路に開設した孔部に進入および退避する複数の接触片を有し、当該複数の接触片の一部が常には球排出通路の内部に臨む作動部材とから構成されて、
前記球排出通路を通過する遊技球が接触片に接触して前記作動部材を回転付勢することで前記回転体が回転される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記球排出通路には、前記回転装飾部材が複数配設されて、該球排出通路の下流側に位置する回転装飾部材の回転体は、上流側に位置する回転装飾部材の回転体より大型に形成される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記回転装飾部材の後方には、前記回転体と同種の形態に形成されると共に電気的駆動手段の駆動により回転される第2の回転体を備えた演出装置が配設される請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記枠状装飾体は、内周下縁部に遊技球が転動するステージが設けられると共に、前記遊技領域を流下する遊技球を該ステージに誘導する球誘導通路が設けられ、
前記球排出通路および球誘導通路は、通過する遊技球を視認し得るよう透明樹脂材により形成されると共に、該球排出通路と球誘導通路が前後の位置関係で交差するよう構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−119671(P2010−119671A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296925(P2008−296925)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】