説明

遊技機

【課題】ワープ装置に流入した遊技球の動き自体に興趣を持たせるとともに、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合にも、その転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならない遊技機を提供することにある。
【解決手段】ワープ装置24には、当該ワープ装置24内に流入した遊技球を保持可能な第1保持部309bおよび第2保持部309cが外周に形成された回転体309を配設し、ワープ装置24内に流入した遊技球を当該回転体309によって保持可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤に、前面が開口する凹室を形成したセンターケースを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機に配設されるセンターケースには、遊技領域からの遊技球をステージ部(遊技球転動面)へ誘導するためのワープ装置が設けられている。そして、ワープ装置は、センターケースを構成する複数の演出ユニットの間の領域にワープ通路を設けるとともに、演出ユニットの発光基板をワープ通路裏面側まで延出させてワープ通路の後ろに発光部材を設け、ワープ通路の前後の壁には、透光部を設けることで、ワープ装置の装飾演出を行っている(例えば、特許文献1参照)。
また、ワープ装置によりセンターケース内に誘導された遊技球は、ワープ出口より流出してステージ上を転動し、うまく中央に誘導された遊技球が直下に配設される始動口へ誘導されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−344226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような遊技機において、ワープ装置は、遊技領域を流下する遊技球を単にセンターケース内に取り込む通路としての構造でしかなく、どんな遊技機においてもあまり変わりはなく、遊技球の動きに関連したり、転動態様に影響を及ぼすことは期待できなかった。
また、ワープ装置のワープ出口から遊技球が連続して流出してくる場合、ステージ上で遊技球同士が衝突し、本来、意図していない方向へ遊技球が転動し、結果的に直下の始動口へ誘導される確率が低下してしまうことが大いに考えられ、遊技者が不満を感じる可能性が高く、せっかくの遊技球の転動を充分に楽しむことができない構成となっていた。
【0004】
本発明の目的は、ワープ装置に流入した遊技球の動き自体に興趣を持たせるとともに、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合にも、その転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならない遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤に、前面が開口する凹室を形成したセンターケースを備える遊技機において、
前記センターケースは、
前記凹室の下部内周部に形成される遊技球が転動可能な遊技球転動面と、
前記遊技領域を流下する遊技球を、前記凹室の外側から内側の前記遊技球転動面に流入させるためのワープ装置と、を備え、
前記ワープ装置に、当該ワープ装置内に流入した遊技球を保持可能な球保持部が外周に所定数形成された回転体を配設したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、ワープ装置には、当該ワープ装置内に流入した遊技球を保持可能な球保持部が外周に所定数形成された回転体を配設したので、ワープ装置内に流入した遊技球を当該回転体によって保持可能となり、当該遊技球の動きや、転動態様に変化を与えることができる。また、立て続けにワープ装置内に遊技球が流入した場合でも、当該回転体を介することにより、所定の間隔で遊技球を遊技球転動面に流入させることができるので、本来、意図しない箇所での遊技球同士の衝突を好適に防止することができる。
従って、ワープ装置に流入した遊技球の動き自体に興趣を持たせるとともに、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合にも、遊技球転動面での遊技球の転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならないようにすることができる。
【0007】
ここで、遊技機には、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機などが含まれる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技球転動面の一側には、前記ワープ装置が配設され、当該遊技球転動面の他側には、遊技球を入賞可能な入賞口が配設されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、遊技球転動面の一側には、ワープ装置が配設され、当該遊技球転動面の他側には、遊技球を入賞可能な入賞口が配設されるので、ワープ装置内に流入した遊技球を、遊技球転動面の他側に配設された入賞口に入賞させることが可能となり、当該遊技球転動面での遊技球の転動をより好適に楽しむことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、
前記遊技球転動面には、遊技球が流下可能な溝部が形成され、
前記球保持部により保持された遊技球が、所定数連続して前記遊技球転動面に流入した場合には、先に流入した遊技球が前記溝部に進入し、後続の遊技球が該溝部に進入した遊技球を乗り越えるように構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、球保持部により保持された遊技球が、所定数連続して遊技球転動面に流入した場合には、先に流入した遊技球が溝部に進入し、後続の遊技球が該溝部に進入した遊技球を乗り越えるように構成されているので、先に流入し溝部に進入した遊技球と後続の遊技球との動きに関連性を持たせることができることとなり、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合にも、当該遊技球転動面での遊技球の転動をより好適に楽しむことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機であって、
前記回転体の回転制御を行う回転体制御手段を備え、
前記ワープ装置は、前記球保持部に遊技球が保持されたことを検出する検出手段を備え、
前記回転体制御手段は、
前記検出手段により、前記球保持部に遊技球が保持されたことが検出された場合には、前記回転体を、遊技球が保持されていない球保持部が遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体の回転を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、検出手段により、球保持部に遊技球が保持されたことが検出された場合には、回転体制御手段によって、回転体を、遊技球が保持されていない球保持部が遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体の回転を行うことができるので、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合でも、回転体の外周に形成された球保持部に各遊技球を好適に保持することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機であって、
前記球保持部は、
後続の遊技球を誘導するための遊技球を保持する第1保持部と、
該後続の遊技球を保持するための第2保持部と、からなり、
前記検出手段は、前記第1球保持部に遊技球が保持されたことを検出することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、検出手段により、第1保持部に遊技球が保持されたことが検出された場合には、回転体制御手段によって、回転体を、遊技球が保持されていない第2保持部が遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体の回転を行うことができるので、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合でも、回転体の外周に形成された第1保持部および第2保持部に各遊技球を好適に保持することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ワープ装置には、当該ワープ装置内に流入した遊技球を保持可能な球保持部が外周に所定数形成された回転体を配設したので、ワープ装置内に流入した遊技球を当該回転体によって保持可能となり、当該遊技球の動きや、転動態様に変化を与えることができる。また、立て続けにワープ装置内に遊技球が流入した場合でも、当該回転体を介することにより、所定の間隔で遊技球を遊技球転動面に流入させることができるので、本来、意図しない箇所での遊技球同士の衝突を好適に防止することができる。
従って、ワープ装置に流入した遊技球の動き自体に興趣を持たせるとともに、ワープ装置に連続して遊技球が流入した場合にも、遊技球転動面での遊技球の転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る第1の実施形態について説明する。
本実施形態は、本発明に係る遊技機100の適例としてのパチンコ遊技機100について説明を行う。
【0018】
図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、パチンコ遊技機100の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
【0019】
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aでは、図示しない発射装置によって発射された遊技球が流下するようになっている。遊技領域1a内には、普図始動ゲート4、この普図始動ゲート4を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器5、普通図柄の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器3が設けられている。また、普通変動入賞装置7と、この普通変動入賞装置7に遊技球が入賞して特図の変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器6、特図の変動表示ゲームを表示する特図変動表示器13が設けられている。
【0020】
さらに、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、特図の変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴9が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口8,8,…、打球方向変換部材としての風車27、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
【0021】
また、遊技領域1aの下半部には、遊技領域1aを区画するガイドレール2の内周から遊技領域1aの中央に向かう所定範囲に、遊技盤1の装飾をなす板状の遊技盤装飾部材14,14,14が取り付けられている。
【0022】
遊技盤装飾部材14,14,14は、左、右及び中央に配される3つの部材からなり、このうち、左右に配される遊技盤装飾部材14,14には、その前面に一般入賞口8,8,…が形成されている。また、中央に配される遊技盤装飾部材14には、普図始動記憶表示器5、普図変動表示器3、特図変動表示器13、特図始動記憶表示器6が設けられており、さらに、中央部分には大入賞口をなす開口が形成され、その前面が開閉扉10aによって覆われている。なお、この開閉扉10aの前面にも遊技盤装飾部材14と同じ装飾が施されている。また、遊技盤装飾部材14,14,14の一部は光を透過可能な材質からなり、その後方に配された盤装飾LED(図示略)をなす発光部材の発光による装飾も可能となっている。
【0023】
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、図示しない駆動装置(例えばソレノイド)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置7は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた第1始動口SW7d(図2に図示)によって遊技球を検出することに基づき、特図の変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、この普通変動入賞装置7は、センターケース11のステージ部17に配設された前側溝部216aの真下に配設されており、前側溝部216aに沿って転動する遊技球を、普通変動入賞装置7に流入可能となっている。
【0024】
この特図の変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図の変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図の変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0025】
一方、特図の変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図の変動表示ゲームが行われ、その特図の変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図の変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図の変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図の変動表示ゲームが開始される。なお、特図の変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特図始動記憶表示器6にて表示されるようになっており、始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯するようになっている。
【0026】
特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる特図変動表示器13で実行され、ここで実行される特図の変動表示ゲームに対応する表示ゲームを画像表示装置112に表示するようになっている。なお、遊技機に特図変動表示器13を備えずに、画像表示装置112のみで特図の変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0027】
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4aが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図始動記憶表示器5にて表示されるようになっており、始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯するようになっている。
【0028】
普図変動表示器3は、当たりとはずれを表示する二つのLEDによって構成され、普図変動表示ゲームは、普図変動表示器3の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。なお、画像表示装置112の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0029】
また、遊技領域1aの略中央には、特図の変動表示ゲームの表示領域となる矩形状の表示窓部12を形成するセンターケース11が取り付けられており、表示窓部12の後方には、透明な保護パネル28を挟んで画像表示装置112が配されている。この画像表示装置112は、液晶表示装置112bを備え、表示内容が変化可能な表示部112aがセンターケース11の表示窓部12を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、画像表示装置112は、液晶表示装置112bを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。なお、センターケース11の詳細な構成については後述する。
【0030】
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置7へ進入して始動条件が成立することに基づき、特図変動表示器13において特図の変動表示ゲームを実行可能となっている。また、画像表示装置112にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図の変動表示ゲームに対応した表示ゲームを実行可能となっている。なお、この表示ゲームは、画像表示装置112において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器13の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示装置112の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
【0031】
また、例えば、画像表示装置112の表示部112aを左領域、中領域、右領域の三つに分け、各領域で1〜9までの数字(特図:識別情報)を順次変動表示した後に、三つの各領域の変動表示を順に停止し(例えば、左領域、右領域、中領域の順で停止)、停止図柄として各領域で1つの数字が表示される特図の変動表示ゲームが行われる。また、二つの領域の変動表示を停止し、残りの一つの領域が変動表示しているときに、停止した二つの領域の数字が同じ数字で停止した状態(リーチ状態)になったときには、最後に停止する図柄の停止方法を変化できるようにしている。このようなリーチ状態における変動表示の停止方法の変化(リーチアクション)としては、例えば、通常より変動表示の時間を長くしたり、キャラクタなどを登場させたりするものがある。また、まれに、あるリーチアクションから別のリーチアクションへ発展させたり、通常のリーチアクションとは違ったリーチアクション(いわゆるスペシャルリーチ、プレミアムリーチ)を出現させたりして遊技者の興趣を向上させるようにしている。
【0032】
特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉10aは、大入賞口ソレノイド10b(図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントSW10c(図2に図示)が配設されている。
【0033】
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口8,8,…には、一般入賞口8,8,…に入った遊技球を検出するための入賞口SW8a,8a,…(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8,8,…、普通変動入賞装置7、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出される(払い出される)ようになっている。
【0034】
また、図2に示すように、パチンコ遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置40、排出装置51による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行う排出発射制御装置50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
【0035】
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
【0036】
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7に設けられた始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
【0037】
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1始動口SW7d、第2始動口SW15d、ゲートSW4a、入賞口SW8a,8a,…、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121、排出発射制御装置50などが接続されている。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。なお、ガラス枠開放SW146は、クリア部材保持枠が開放されていることを検出するものであり、内枠開放SW121は、前面枠が開放されていることを検出するものである。
【0038】
また、入出力インタフェース33には、CPU31aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特図表示器13、特図記憶表示器6、普図表示器3、普図記憶表示器5、大入賞口SOL10b、始動口開閉SOL7b、遊技機外部の管理装置200などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置50に出力される。
【0039】
演出制御装置40は、CPU40a、ROM40b、RAM40c、入出力インタフェースや、液晶表示装置112bにおける表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、画像や映像データが記憶されたCGROM40dなどを含むビデオ回路、グラフィックプロセッサとしてのVDP40e(video display processor)を備えている。また、遊技盤1や該遊技盤1の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられた装飾用の各種LED45などを駆動するドライバ40f、音の出力を制御する音源LSI40gを備えている。
【0040】
この演出制御装置40は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30が接続されている。そして、遊技制御装置30から入力される各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPUに対し出力される。演出制御装置40は、この遊技制御装置30から受信した演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)パチンコ遊技機100の制御を行う。また、入出力インタフェースには、上皿に設けられた操作ボタン158からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40はこれらの検出信号に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)パチンコ遊技機100の制御を行う。
【0041】
さらに、入出力インタフェースには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバ40fを介して各種LED45、ワープ装置24の回転体モータ310、などに出力される。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40eに出力され、VDP40eから該制御信号に基づく画像データが液晶表示装置112bに出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音源LSI40gに出力され、音源LSI40gから該制御信号に基づく音声データがスピーカ145,157に出力される。
【0042】
排出発射制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置51に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行うようになっており、排出発射制御装置50には、遊技者が操作ハンドルに触れることで、操作ハンドルに設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドルに設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
【0043】
また、遊技制御装置30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
【0044】
これらの制御装置においては、例えば、以下のような制御が行われる。遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器3に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器3に特別の結果態様を表示するとともに、始動口開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器3にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0045】
また、普通変動入賞装置7に入賞した遊技球を検出する第1始動口SW7d、または、第2始動入賞口15に入賞した遊技球を検出する第2始動口SW15dからの検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してRAM31bに記憶する処理を行う。
【0046】
そして、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に、RAM31bに記憶されている大当たり判定用乱数値をROM31bに記憶されている特図変動表示ゲーム用の判定値(特定値)と比較し、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。なお、特定値は、確率状態(通常確率状態もしくは高確率状態)に応じて設定される。例えば、通常確率状態では、特定値として所定数の第1判定値が設定され、高確率状態では、第1判定値および第1判定値とは別の第2判定値が設定される。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置40に出力する。また、特図変動表示ゲームの当たりはずれの判定処理は、普通変動入賞装置7又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞時に行っても良い。
【0047】
そして、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、特図表示器13に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、液晶表示装置112bで特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、遊技盤1に設けられた各種LED45を制御する処理、ワープ装置24の回転体モータ310を動作する処理を行う。
【0048】
そして、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31は、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特図表示器13に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回または2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器13にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0049】
また、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31は、各種入賞口に設けられたセンサ(第1始動口SW7d、第2始動口SW15d、カウントSW10c、入賞口SW8a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置50に制御信号を出力し、排出装置51を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
【0050】
また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの指令信号(変動時間コマンド、変動停止コマンド等)に基づき、液晶表示装置112bで特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や、演出の制御を行う。
【0051】
次に、本発明の要部であるセンターケース11について詳述する。
【0052】
図3,4に示すように、センターケース11は、前面が開口する凹室16を形成しており、当該凹室16の下部内周部には遊技球が転動可能な遊技球転動面としてのステージ部17と、遊技領域1aを流下する遊技球を、凹室16の外側から内側のステージ部17に流入させるワープ装置24と、を備えている。また、センターケース11は、前側に配設される前面構成部材200と、後側に配設される後面構成部材300と、から構成されている。このうち、前面構成部材200は、枠状の前側ベース部材201を有し、この前側ベース部材201に各種の部材が取り付けられている。この枠状の前側ベース部材201は、周面を形成する周囲壁202を有し、この周囲壁202にネジ穴やネジ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。また、周囲壁202の前端部には、該周囲壁202に対して垂直に外側に向かって延出する鍔状の取付ベース203が形成されている。
【0053】
取付ベース203は、遊技盤1に形成された開口の周縁よりも外側に延出するように形成されており、開口にセンターケース11を前面側から挿入した際に、遊技盤1の前面にその裏面が当接するようになっている。これによって、遊技盤1に対するセンターケース11の前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。また、この取付ベース203には、前後に貫通するネジ孔が複数形成されており、ネジによってセンターケース11を遊技盤1に固定できるようになっている。さらに、取付ベース203は、遊技盤1の前面側であって遊技者から視認可能な位置に配設されるものであり、その前面には装飾が施されている。
【0054】
また、前側ベース部材201の前面側には鎧部材212が取り付けられている。この鎧部材212は、センターケース11の上部および側部において、前方に向かって遊技領域1a内に突出するように配設され、鎧部材212の前端が遊技領域1aの前側を覆うガラス枠の内側のガラス板の裏面近傍に配設される。そして、鎧部材212は、遊技領域1aを流下する遊技球が、センターケース11の上側および側部から凹室16に進入するのを防止し、画像表示装置112の視認性を確保するとともにステージ部17上への遊技球の流入数を制限するようになっている。
【0055】
前側ベース部材201の前面側から見て左側の側部には、上述したワープ装置24の前側部分を形成するワープ流路前側構成部材215が取り付けられている。このワープ流路前側構成部材215は、前側ベース部材201の前側に突出するように配設され、センターケース11の左側に開口する流入口25を形成し、この流入口25に流入した遊技球を、その後方に配設されたワープ流路後側構成部材307に形成された第1ワープ流路A又は第2ワープ流路Bに誘導するようになっている。
【0056】
前側ベース部材201の下側の内周面には、ステージ部17の前方部分を形成する前側ステージユニット216が取り付けられている。この前側ステージユニット216の上面は、上述したステージ部17をなす面であって、略W字状の傾斜面となっている。また、前側ステージユニット216の上面における左右方向の中央には、遊技球を普通変動入賞装置7に誘導する前方に傾斜した前側溝部216aが形成されている。
また、前側ステージユニット216は透明な材質からなり、裏面には表面に細かい凹凸が形成された領域(図示略)が複数形成されている。
【0057】
後面構成部材300は、枠状の後側ベース部材301を有し、この後側ベース部材301に各種の部材が取り付けられている。この後側ベース部材301は、センターケース11の後端部に位置するものであって、中央に矩形状の表示窓部12を有するとともに、該表示窓部12の後端が透明な材質からなる保護パネル28によって覆われている。この後側ベース部材301の裏面に画像表示装置112の前面が当接した状態で固定されることで、画像表示装置112の表示領域が区画されるようになっている。また、この表示窓部12の周囲であって、後側ベース部材301の前面および裏面には、ネジ穴やネジ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。
【0058】
後側ベース部材301の前面には、該後側ベース部材301の前側をちょうど覆うように、透明な材質からなる枠状レンズ部材304が取り付けられている。この枠状レンズ部材304の中央には、後側ベース部材301に形成された表示窓部12に対応するように矩形状の開口が形成されている。また、この矩形状の開口の周囲には、前面側から見て下側を除き、その前面側に装飾部材308が配設されている。
【0059】
また、枠状レンズ部材304の外周には、前方へ延出する板状の周囲壁304aが形成されている。そして、この周囲壁304aの前端部が前面構成部材200に接続するようになっている。すなわち、後面構成部材300においては後側ベース部材301の前側に枠状レンズ部材304が配設され、さらに、その前側に前面構成部材200が配設されている。そして、後側ベース部材301の外周壁301aの外周面と枠状レンズ部材304の周囲壁304aの外周面、および前側ベース部材201の周囲壁202の外周面は、略同一面を形成するようになっており、これらによってセンターケース11の外周面が形成されている。
【0060】
枠状レンズ部材304の前面側から見て左側の側部には、上述したワープ装置24の後側部分を形成するワープ流路後側構成部材307が取り付けられている。
このワープ流路後側構成部材307は、その前方部分を形成する第1構成部材307aと、その後方部分を形成する第2構成部材307bと、から構成され、第1ワープ流路A及び第2ワープ流路Bをなしている。
【0061】
図5に示すように、第1構成部材307aは、その前側に配設される第1前壁307a1と、第1前壁307a1の左右に配設される第1左側壁307a2と、第1右側壁307a3と、から構成されており、第1前壁307a1には、ワープ流路前側構成部材215に形成された流路に連通する第1開口部307a4が形成されている。また、第1右側壁307a3の下流側端部には第1流出口307a5が形成されている。また、第1左側壁307a2の後側部には、第1構成部材307aと第2構成部材307bとを組み付ける際に位置決めを行うための突起部307a6と、ボス307a7と、が配設されている。
【0062】
第2構成部材307bは、その前側に配設される第2前壁307b1と、第2前壁307b1の右側に配設される第2右側壁307b2と、から構成されており、第2前壁307b1には、第1開口部307a4を通過した遊技球を、第2ワープ流路Bへ流入させるための第2開口部307b3が形成されている。また、第2右側壁307b2の下流側端部には第2流出口307b4が形成されている。また、第2前壁307b1の後面には、第2開口部307b3への遊技球の流入を制限するための回転体309と、回転体309を回転させるための回転体モータ310と、が配設されている。また、第2前壁307b1の平面には、第1構成部材307aと第2構成部材307bとを組み付ける際、突起部307a6に嵌合する、位置決め孔307b5と、ボス307a7に嵌合するボス孔307b6と、が配設されている。
【0063】
そして、第1ワープ流路Aは、第1構成部材307aの前側に配設される第1前壁307a1と、第1前壁307a1の左右に配設される第1左側壁307a2と、第1右側壁307a3と、第2構成部材307bの前側に配設される第2前壁307b1と、で囲まれることにより形成され、第1開口部307a4を通過した遊技球は、第1ワープ流路Aを通り、第1流出口307a5からステージ部17に向かって遊技球が流出するようになっている。
【0064】
また、第2ワープ流路Bは、第2構成部材307bの前側に配設される第2前壁307b1と、第2前壁307b1の右側に配設される第2右側壁307b2と、枠状レンズ部材304を構成する周囲壁304aと、第2構成部材307bの後側に配設される後壁(図示略)と、で囲まれることにより形成され、第2開口部307b3を通過した遊技球は、第2ワープ流路Bを通り、第2流出口307b4からステージ部17に向かって遊技球が流出するようになっている。
【0065】
図6(1),図7に示すように、回転体309は、平面形状が略銀杏の葉形状をなしており、その中心に配設された中心軸309aが回転体モータ310の回転軸(図示略)に連結されることにより、回転体309が所定の回転速度で回転するようになっている。また、この回転体309の周面には、中心軸309aへ向かって窪んだ第1保持部309bおよび第2保持部309cが形成されており、第1保持部309bまたは第2保持部309cが中心軸309aの上方に位置するとき、遊技球が第2開口部307b3に流入可能となるように回転体309が配設され(図6(2)参照)、この第1保持部309bおよび第2保持部309cで遊技球を1個ずつ保持できるようになっている。また、この回転体309におけるその他の周面には、第2開口部307b3を遊技球が通過することを阻止するための流入阻止部309dが形成されている。これにより、回転体309が右回り(時計回り)に回転を行い、流入阻止部309dが中心軸309aの上方に位置するとき(図7(1)参照)、当該流入阻止部309dが第2開口部307b3の開口を塞ぎ、遊技球は、第1ワープ流路Aを通り、第1流出口307a5からステージ部17に向かって遊技球が流出することとなる。また、回転体309が右回り(時計回り)に回転を行い、第1保持部309bが中心軸309aの上方に位置するとき(図7(2)参照)、遊技球は、第2開口部307b3の開口を通過し、第1保持部309bで保持されることとなる(図7(3)参照)。そして、さらに、回転体309が右回り(時計回り)に回転を行い、第2保持部309cが中心軸309aの上方に位置するとき(図7(4)参照)、連続して遊技球が流入口25から流入してきた場合、この遊技球は、第2開口部307b3の開口を通過し、第2保持部309cで保持されることとなる。そして、さらに、回転体309が右回り(時計回り)に回転を行うと、第1保持部309bおよび第2保持部309cに保持された遊技球がそれぞれ所定の回転速度に基づき一定の間隔で、第2ワープ流路Bへ流下し、第2流出口307b4からステージ部17に向かって遊技球が流出することとなる。
【0066】
枠状レンズ部材304の下側の内周面には、ステージ部17の後方部分を形成する後側ステージユニット311が取り付けられている。この後側ステージユニット311は、上述した前側ステージユニット216と同様に、その上面が、遊技球が転動する面とされ、枠状レンズ部材304の下側の内周面に沿って配設されている。
【0067】
後側ステージユニット311の上面は略W字状の傾斜面となっており、遊技球の転動方向を変更するリブ23や、遊技球を前側溝部216aに誘導する前方に傾斜した後側溝部311aが形成されている。また、後側ステージユニット311の上面における左右方向の右側部には、第2始動入賞口15が形成されており、第2始動入賞口15の内部(入賞領域)に備えられた第2始動口SW15d(図2に図示)によって遊技球を検出することに基づき、特図の変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、後側ステージユニット311は透明な材質からなり、裏面には表面に細かい凹凸が形成された領域(図示略)が複数形成されている。そして、枠状レンズ部材304を透して後方から照射された光が後側ステージユニット311の端面から入射することで、この領域が光るようになっており、光による装飾が可能となっている。また、枠状レンズ部材304を透して後側ステージユニット311に照射された光は、後側ステージユニット311の前側に位置する前側ステージユニット216を後方から照射するようになっている。
【0068】
また、枠状レンズ部材304の下部後端部には、矩形状の表示窓部12に対応した開口を形成するとともに、枠状レンズ部材304の後端面を形成するように、周囲壁304aに対して垂直な板状の後壁315が形成されている。
【0069】
次に、回転体309が回転体モータ310の駆動に基づき所定の回転速度で回転している状態において、2個の遊技球が連続して第2ワープ流路Bへ流入した場合における当該遊技球の流下経路の一例について図8〜10を参照して説明する。なお、説明上、先に第2ワープ流路Bに流入した遊技球を「1」、後続の遊技球を「2」とする。
【0070】
まず、図8(1)に示すように、第1保持部309bが中心軸309aの上方に位置するとき、遊技球「1」は、第2開口部307b3を通過し、第1保持部309bで保持された状態となる。次いで、図8(2)に示すように、第2保持部309cが中心軸309aの上方に位置するとき、遊技球「2」は、第2開口部307b3を通過し、第2保持部309cで保持された状態となる。このとき、遊技球「1」は、第1保持部309bで保持された状態を維持している。次いで、図9(3)に示すように、第1保持部309bが中心軸309aの下方に位置するとき、遊技球「1」は、第1保持部309bでの保持が解除され、第2ワープ流路B内を流下する。なお、このとき、遊技球「2」は、第2保持部309cで保持された状態を維持している。次いで、図9(4)に示すように、第2保持部309cが中心軸309aの下方に位置するとき、遊技球「2」は、第2保持部309cでの保持が解除され、第2ワープ流路B内を流下する。また、このとき、第2ワープ流路B内を流下した遊技球「1」は、第2流出口307b4から流出し、ステージ部17の後方に配設された後側ステージユニット311の上面を転動することとなる。次いで、図9(5)に示すように、後側ステージユニット311の上面を転動した遊技球「1」は、後側溝部311aに進入することとなる(図10(1)参照)。そして、後続の遊技球「2」は、第2流出口307b4から流出した後、後側ステージユニット311の上面を転動し、後側溝部311aに進入した遊技球「1」を乗り越えて(図10(2)参照)、第2始動入賞口15へ入賞可能となる。また、後側溝部311aに進入した遊技球「1」には、後続の遊技球「2」が遊技球「1」を乗り越える際、前方へ押し出される力が働くので、前方の前側溝部216aに進入した後、さらにセンターケース11の前方へ転動し、迅速に当該前側溝部216aの真下に配設された普通変動入賞装置7へ入賞可能となる。
【0071】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が流下する遊技領域1aが形成された遊技盤1に、前面が開口する凹室16を形成したセンターケース11を備え、センターケース11は、凹室16の下部内周部に形成される遊技球が転動可能なステージ部17と、遊技領域1aを流下する遊技球を、凹室16の外側から内側のステージ部17に流入させるためのワープ装置24と、を備え、ワープ装置24には、当該ワープ装置24内に流入した遊技球を保持可能な第1保持部309bおよび第2保持部309cが外周に形成された回転体309を配設している。
【0072】
これにより、ワープ装置24には、当該ワープ装置24内に流入した遊技球を保持可能な第1保持部309bおよび第2保持部309cが外周に形成された回転体309を配設したので、ワープ装置24内に流入した遊技球を当該回転体309によって保持可能となり、当該遊技球の動きや、転動態様に変化を与えることができる。また、立て続けにワープ装置24内に遊技球が流入した場合でも、当該回転体309を介することにより、所定の間隔で遊技球をステージ部17に流入させることができるので、本来、意図しない箇所での遊技球同士の衝突を好適に防止することができる。
従って、ワープ装置24に流入した遊技球の動き自体に興趣を持たせるとともに、ワープ装置24に連続して遊技球が流入した場合にも、ステージ部17での遊技球の転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならないようにすることができる。
【0073】
また、ステージ部17の左側部には、ワープ装置24が配設され、当該ステージ部17の右側部には、遊技球を入賞可能な第2始動入賞口15が配設されている。
【0074】
これにより、ステージ部17の一側には、ワープ装置24が配設され、当該ステージ部17の他側には、遊技球を入賞可能な第2始動入賞口15が配設されるので、ワープ装置24内に流入した遊技球を、ステージ部17の他側に配設された第2始動入賞口15に入賞させることが可能となり、当該ステージ部17での遊技球の転動をより好適に楽しむことができる。
【0075】
また、ステージ部17には、遊技球が流下可能な前側溝部216aおよび後側溝部311aが形成され、第1保持部309bおよび第2保持部309cにより保持された遊技球が、所定数連続してステージ部17に流入した場合には、先に流入した遊技球が前側溝部216aまたは後側溝部311aに進入し、後続の遊技球が前側溝部216aまたは後側溝部311aに進入した遊技球を乗り越えることが可能となっている。
【0076】
これにより、第1保持部309bおよび第2保持部309cにより保持された遊技球が、連続してステージ部17に流入した場合には、先に流入した遊技球が後側溝部311aに進入し、後続の遊技球が該後側溝部311aに進入した遊技球を乗り越えるように構成されているので、先に流入し後側溝部311aに進入した遊技球と後続の遊技球との動きに関連性を持たせることができることとなり、ワープ装置24に連続して遊技球が流入した場合にも、当該ステージ部17での遊技球の転動をより好適に楽しむことができる。
【0077】
<変形例1>
以下に、パチンコ遊技機100の第1変形例について図11〜13を参照して説明する。
なお、以下に説明する以外の点では、上記実施形態と略同様であり、その説明は省略する。
【0078】
この第1変形例におけるワープ装置24は、第2前壁307b1背面の第2開口部307b3の近傍に近接センサ等の保持センサ318が配設されており、回転体309の外周に形成された第1保持部309bまたは第2保持部309cに遊技球が保持されたことを検出することができるようになっている。
【0079】
そして、この第1変形例における演出制御装置40は、ワープ装置24に備えられた遊技球の保持を検出する保持センサ318からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40は、この検出信号に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)パチンコ遊技機100の制御を行う。具体的には、この演出制御装置40は、保持センサ318により、第1保持部309bまたは第2保持部309cに遊技球が保持されたことが検出された場合には、回転体309を、遊技球が保持されていない第1保持部309bまたは第2保持部309cが遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させるように回転体モータ310の制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体309の回転を行うようにする。なお、ここで、「所定時間」とは、遊技球が第1保持部309bおよび第2保持部309cにそれぞれ保持される際、後続の遊技球が流入口25に流入してから第2開口部307b3を通過するまでの時間を意味する。
【0080】
次に、第1変形例における回転体309の回転制御について、図13に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0081】
通常、演出制御装置40は、保持センサ318により、第1保持部309bまたは第2保持部309cに遊技球が保持されたことを検出されるまでは、一定の回転速度を保ちながら右回り(時計回り)に回転体309を回転させる。そして、例えば、保持センサ318により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことが検出されると、演出制御装置40は、回転体309を、第2保持部309cが中心軸309aの上方に位置する点まで、回転体309を回転させた後、所定時間回転体309の回転を停止させる。これにより、ワープ装置24内に連続して遊技球が流入した際、好適に後続の遊技球を第2保持部309cに保持し易くすることができるようになる。そして、演出制御装置40は、当該所定時間が経過すると、再度、回転体309を一定の回転速度を保ちながら右回り(時計回り)に回転させる。
【0082】
以上のように、第1変形例のパチンコ遊技機100は、回転体309の回転制御を行う演出制御装置40を備え、ワープ装置24には、第1保持部309bまたは第2保持部309cに遊技球が保持されたことを検出する保持センサ318を備え、演出制御装置40は、保持センサ318により、第1保持部309bまたは第2保持部309cに遊技球が保持されたことが検出された場合には、回転体309を、遊技球が保持されていない第1保持部309bまたは第2保持部309cが遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体309の回転を行っている。
【0083】
従って、保持センサ318により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことが検出された場合には、演出制御装置40によって、回転体309を、遊技球が保持されていない第2保持部309cが遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体309の回転を行うことができる。
よって、ワープ装置24に連続して遊技球が流入した場合、回転体309の外周に形成された第1保持部309bおよび第2保持部309cに各遊技球が保持されることにより、その後、当該各遊技球をステージ部17に連続して流下させることができるようになり、各遊技球のうち、先に流下した遊技球は後側溝部311aに進入させるとともに、後続の遊技球は後側溝部311aに進入した遊技球を乗り越えて第2始動入賞口15へ案内することが可能となる。
すなわち、先に流下した遊技球は、その後、前側溝部216aへ案内され、普通変動入賞7への入賞が可能となるとともに、後続の遊技球は第2始動入賞口15へ案内され、入賞が可能となるため、ステージ部17での遊技球の転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならないようにすることができる。
【0084】
<変形例2>
以下に、パチンコ遊技機100の第2変形例について図14〜16を参照して説明する。
なお、以下に説明する以外の点では、上記実施形態と略同様であり、その説明は省略する。
【0085】
この第2変形例におけるワープ装置24は、回転体309の第1保持部309bに接触式センサ等の第1保持センサ319が配設されており、回転体309の外周に形成された第1保持部309bに遊技球が保持されたことを検出することができるようになっている。
【0086】
そして、この第2変形例における演出制御装置40は、ワープ装置24に備えられた遊技球の保持を検出する第1保持センサ319からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40は、この検出信号に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)パチンコ遊技機100の制御を行う。具体的には、この演出制御装置40は、第1保持センサ319により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことが検出された場合には、回転体309を、遊技球が保持されていない第2保持部309cが遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させるように回転体モータ310の制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体309の回転を行うようにする。なお、ここで、「所定時間」とは、遊技球が第1保持部309bおよび第2保持部309cにそれぞれ保持される際、後続の遊技球が流入口25に流入してから第2開口部307b3を通過するまでの時間を意味する。
【0087】
次に、第2変形例における回転体309の回転制御について、図16に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0088】
通常、演出制御装置40は、第1保持センサ319により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことを検出されるまでは、一定の回転速度を保ちながら右回り(時計回り)に回転体309を回転させる。そして、第1保持センサ319により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことが検出されると、演出制御装置40は、回転体309を、第2保持部309cが中心軸309aの上方に位置する点まで、回転体309を回転させた後、所定時間回転体309の回転を停止させる。これにより、ワープ装置24内に連続して遊技球が流入した際、好適に後続の遊技球を第2保持部309cに保持し易くすることができるようになる。そして、演出制御装置40は、当該所定時間が経過すると、再度、回転体309を一定の回転速度を保ちながら右回り(時計回り)に回転させる。
【0089】
以上のように、第2変形例のパチンコ遊技機100は、第1保持センサ319によって、第1保持部309bに遊技球が保持されたことを検出するようになっている。
【0090】
従って、第1保持センサ319により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことが検出された場合には、演出制御装置40によって、回転体309を、遊技球が保持されていない第2保持部309cが遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体309の回転を行うことができる。
よって、ワープ装置24に連続して遊技球が流入した場合、回転体309の外周に形成された第1保持部309bおよび第2保持部309cに各遊技球が保持されることにより、その後、当該各遊技球をステージ部17に連続して流下させることができるようになり、各遊技球のうち、先に流下した遊技球は後側溝部311aに進入させるとともに、後続の遊技球は後側溝部311aに進入した遊技球を乗り越えて第2始動入賞口15へ案内することが可能となる。
すなわち、先に流下した遊技球は、その後、前側溝部216aへ案内され、普通変動入賞7への入賞が可能となるとともに、後続の遊技球は第2始動入賞口15へ案内され、入賞が可能となるため、ステージ部17での遊技球の転動を楽しみつつ、遊技者に不利とならないようにすることができる。
【0091】
<第2実施形態>
以下に、第2の実施形態のパチンコ遊技機1100について図17,18を参照して説明する。
なお、以下に説明する以外の点では、上記実施形態と略同様であり、その説明は省略する。
【0092】
遊技制御装置30の入出力インタフェース33には、CPU31aから出力される各種の制御信号が入力される。この制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポートおよびドライバを介して、ワープ装置24の回転体309を回転駆動させる普電回転モータ320に出力され、回転体309の回転制御を行うようになっている。
【0093】
具体的には、図18(1)に示すように、例えば、常時、普図変動表示ゲームにおいて、停止表示が特別の結果態様とならない場合(はずれの場合)は、遊技制御装置30は、普電回転モータ320を駆動させることなく、回転体309を停止させた状態とする。そして、普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、このとき、遊技制御装置30は、回転体調整時間の間に普電回転モータ320を駆動させ、第1球保持状態、すなわち、回転体309の第1保持部309bが中心軸の上方に位置する状態で回転体309の回転を所定時間停止させる。そして、遊技制御装置30は、所定時間の経過後、普電回転モータ320を駆動させることにより、回転体309を所定量回転させ、第2球保持状態、すなわち、回転体309の第2保持部309cが中心軸の上方に位置する状態で回転体309の回転を所定時間停止させる。そして、遊技制御装置30は、所定時間の経過後、普電回転モータ320を駆動させることにより、第1保持部309bおよび第2保持部309cに保持された遊技球が解除され、第2ワープ流路Bに遊技球が流下することができる位置まで回転体309を回転させ、回転体309の回転を停止させる。
【0094】
これにより、第2実施形態のパチンコ遊技機1100は、回転体309を備えるワープ装置24を普電役物として機能させ、普通変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合において、当該ワープ装置24内に連続して遊技球が流入すると、回転体309の第1保持部309bおよび第2保持部309cに遊技球を好適に保持することができることとなり、その後、ステージ部17に流出した遊技球の第2始動入賞口15への入賞の確率が高めることができる。
【0095】
また、遊技制御装置30による回転体309の回転制御において、例えば、図18(2)に示すように、遊技制御装置30は、回転体調整時間の間に普電回転モータ320を駆動させ、第1球保持状態、すなわち、回転体309の第1保持部309bが中心軸の上方に位置する状態で回転体309の回転を停止させている際に、保持センサ318により、第1保持部309bに遊技球が保持されたことを検出した場合、所定時間の経過を待つことなく、普電回転モータ320を駆動させることにより、回転体309を所定量回転させ、第2球保持状態、すなわち、回転体309の第2保持部309cが中心軸の上方に位置する状態で回転体309の回転を所定時間停止させる。そして、このとき、保持センサ318により、第2保持部309cに遊技球が保持されたことを検出した場合、遊技制御装置30は、所定時間の経過を待つことなく、普電回転モータ320を駆動させることにより、第1保持部309bおよび第2保持部309cに保持された遊技球が解除され、第2ワープ流路Bに遊技球が流下することができる位置まで回転体309を回転させ、回転体309の回転を停止させるようにしても良い。
【0096】
これにより、所定時間の経過を待ってから回転体309の回転制御を行う場合に比べて、好適に時間の短縮を図ることができるとともに、確実に遊技球を第1保持部309bおよび第2保持部309cで保持できることとなり、第2ワープ流路Bに流入した2個の遊技球を迅速、かつ、確実にステージ部17へ流出することができるようになる。
【0097】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0098】
例えば、本実施例においては、回転体309を、回転体モータ310もしくは普電回転モータ320の駆動に基づき回転させる設計としたが、かかる動力を用いることなく、回転体309を回転させるようにしても良い。例えば、図19(1)に示すように、流入阻止部309dに錘を備え、常時、第1保持部309bが中心軸309aの上方に位置するように、回転体309の重心位置を調整する。この状態において、第1保持部309bに遊技球が保持されると(図19(2a)参照)、当該遊技球の重さにより、回転体309が右回り(時計回り)に回転を行い、第2保持部309cが中心軸309aの上方に位置するようになる(図19(2b)参照)。そして、第2保持部309cにも遊技球が保持されると(図19(3)参照)、第2保持部309cに保持された遊技球の重さにより、回転体309は、さらに右回り(時計回り)に回転を行い、第1保持部309bに保持された遊技球の保持を解除し(図19(4a)参照)、さらに、第2保持部309cに保持された遊技球の保持を解除する(図19(4b)参照)。そして、遊技球の保持を解除した回転体309は、流入阻止部309dに備えられた錘の重さにより、第1保持部309bが中心軸309aの上方に位置する状態に復帰する(図19(5)参照)。
【0099】
また、本実施例においては、回転体309の第1保持部309bおよび第2保持部309cには遊技球をそれぞれ1個ずつ保持可能としたが、これに限らず、第1保持部309bおよび第2保持部309cには遊技球をそれぞれ並列に2個ずつ保持可能としても良い。
これにより、例えば、第1保持部309bに2個の遊技球が保持され、第2保持部309cに1個の遊技球が保持されている場合、まず、第1保持部309bに保持された2個の遊技球の保持が解除され、第2ワープ流路B内を流下する。そして、この2個の遊技球はステージ部17の後方に配設された後側ステージユニット311の上面を転動し、後側溝部311aに進入することとなる(図20(1)参照)。次いで、第2保持部309cに保持されていた1個の遊技球が解除され、第2ワープ流路B内を流下する。そして、この1個の遊技球はステージ部17の後方に配設された後側ステージユニット311の上面を転動し、後側溝部311aに進入した2個の遊技球「1」を乗り越えて(図20(2)参照)、第2始動入賞口15へ入賞可能となり、後側溝部311aに進入した遊技球が1個の場合に比べて2個の場合の方がより確実に第2始動入賞口15へ誘導することができるようになる。
【0100】
また、本実施例においては、回転体309の外周に遊技球を保持可能な球保持部として、第1保持部と、第2保持部と、を配設したが、これに限らず、さらに、第3保持部を配設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示すパチンコ遊技機における遊技盤の正面図である。
【図2】遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】センターケースと変動入賞装置を前面側から見た斜視図である。
【図4】センターケースを前面側から見た分解斜視図である。
【図5】(1)ワープ装置とその周辺を前面側から見た分解斜視図、(2)ワープ装置とその周辺を背面側から見た分解斜視図である。
【図6】(1)回転体の正面図、(2)ワープ装置とその周辺を前面側から見た分解斜視図である。
【図7】回転体における遊技球の保持を説明するための図である。
【図8】第2ワープ流路における遊技球の流出経路を示す図である。
【図9】第2ワープ流路における遊技球の流出経路を示す図である。
【図10】後側溝部の断面図であって、後側溝部に進入した遊技球を、後続の遊技球が乗り越える様子を示す図である。
【図11】第1変形例の遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図12】第1変形例のセンターケースと変動入賞装置を前面側から見た斜視図である。
【図13】第1変形例の回転体の回転動作状態を示すタイミングチャートである。
【図14】第2変形例の遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図15】第2変形例のセンターケースと変動入賞装置を前面側から見た斜視図である。
【図16】第2変形例の回転体の回転動作状態を示すタイミングチャートである。
【図17】第2実施形態の遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図18】第2実施形態の回転体の回転動作状態を示すタイミングチャートである。
【図19】変形例の回転体における遊技球の保持を説明するための図である。
【図20】変形例における後側溝部の断面図であって、後側溝部に進入した遊技球を、後続の遊技球が乗り越える様子を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
100 パチンコ遊技機(遊技機)
1 遊技盤
1a 遊技領域
11 センターケース
16 凹室
17 ステージ部(遊技球転動面)
24 ワープ装置
309 回転体
309b 第1保持部(球保持部)
309c 第2保持部(球保持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤に、前面が開口する凹室を形成したセンターケースを備える遊技機において、
前記センターケースは、
前記凹室の下部内周部に形成される遊技球が転動可能な遊技球転動面と、
前記遊技領域を流下する遊技球を、前記凹室の外側から内側の前記遊技球転動面に流入させるためのワープ装置と、を備え、
前記ワープ装置に、当該ワープ装置内に流入した遊技球を保持可能な球保持部が外周に所定数形成された回転体を配設したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球転動面の一側には、前記ワープ装置が配設され、当該遊技球転動面の他側には、遊技球を入賞可能な入賞口が配設されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技球転動面には、遊技球が流下可能な溝部が形成され、
前記球保持部により保持された遊技球が、所定数連続して前記遊技球転動面に流入した場合には、先に流入した遊技球が前記溝部に進入し、後続の遊技球が該溝部に進入した遊技球を乗り越えるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記回転体の回転制御を行う回転体制御手段を備え、
前記ワープ装置は、前記球保持部に遊技球が保持されたことを検出する検出手段を備え、
前記回転体制御手段は、
前記検出手段により、前記球保持部に遊技球が保持されたことが検出された場合には、前記回転体を、遊技球が保持されていない球保持部が遊技球を保持可能な状態に回転させた後に所定時間停止させる制御を行い、該所定時間の停止が終了した後に、再度回転体の回転を行うことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記球保持部は、
後続の遊技球を誘導するための遊技球を保持する第1保持部と、
該後続の遊技球を保持するための第2保持部と、からなり、
前記検出手段は、前記第1保持部に遊技球が保持されたことを検出することを特徴とする請求項4に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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