説明

遊技機

【課題】透明板に生じた静電気を効果的に逃がし、該静電気に起因する発光装置等への影響を防止し得る遊技機を提供する。
【解決手段】透明な板部材と裏ユニットベース45との間に、固定発光演出装置47が配設される。固定発光演出装置47は、LEDを実装した固定用LED基板の前側を覆う導電性を有する固定用装飾カバー部材52を備える。固定用装飾カバー部材52は、アース部材に電気的に接続される。板部材に配設されて固定用装飾カバー部材52の前側に臨む導電性を有する枠状装飾体36の裏側に、固定用装飾カバー部材52に接触して該装飾カバー部材52と枠状装飾体36とを電気的に接続する接触部39を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、樹脂製の透明板の裏面に裏ユニットベースが配設された遊技盤を備える遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機において、アクリル板やポリカーボネート板等からなる透明樹脂板と、該透明樹脂板の裏面に設けられる裏ユニットとから構成された透明遊技盤を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この透明遊技盤では、前記透明樹脂板と裏ユニットとの間に、LED等を備えた発光装置を、透明樹脂板を介して前側(遊技者側)から視認し得るように配設し、該発光装置の光による演出によって演出効果を向上するよう構成される。また、透明樹脂板の前面側には、各種の役物や遊技釘が設けられ、遊技球が流下する遊技領域を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−179854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
木製合板の表面に化粧板を貼り合わせて構成される通常の遊技盤に比べ、前記透明遊技盤における透明樹脂板とパチンコ球との摩擦係数が大きく、当該摩擦により遊技中に静電気が発生し易い性質がある。そして、発生した静電気が透明樹脂板に帯電し、該帯電した静電気が発光装置に悪影響を及ぼす問題があった。例えば、帯電した静電気が透明樹脂板の裏側に設けられた発光装置(LED基板)に放電すると、該発光装置の発光手段であるLEDが破壊される影響が生じていた。
【0005】
ここで、パチンコ球との接触により発生した静電気を外部アース部に流すために、透明樹脂板の裏側に一端を接続したアース線を外部アース部と接続すると、該アース線が透明樹脂板を介して前側から視認され、見栄えが低下するおそれもある。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、透明板に生じた静電気を効果的に逃がし、該静電気に起因する発光装置等への影響を防止し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
透明板(28)の裏面に裏ユニットベース(45)を取り付けた遊技盤(26)を備える遊技機において、
前記透明板(28)と裏ユニットベース(45)との間に配設され、LED(54)を実装したLED基板(55,134)を備える発光装置(47,48)と、
前記LED基板(55,134)の前側を覆う導電性を有する装飾カバー部材(52)と、
前記装飾カバー部材(52)に電気的に接続し、外部アース部に電気的に接続するアース部材(66)と、
前記透明板(28)に形成された開口部(28a)に嵌め合わされ、前記装飾カバー部材(52)の前側に臨む導電性を有する枠状装飾体(36)と、
前記枠状装飾体(36)の裏側に配設され、前記装飾カバー部材(52)に接触して該装飾カバー部材(52)と枠状装飾体(36)とを電気的に接続する接触部(39)とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、透明板に配設した枠状装飾体と、発光装置を覆ってアース部材に接続する装飾カバー部材とを電気的に接続し、透明板に帯電する静電気を装飾カバー部材およびアース部材を介して外部アース部に逃がすことができる。従って、透明板の裏側に臨むLEDやLED基板に静電気が影響するのを防止し得る。また、透明板の裏側にアース線を引き回す必要はないから、見栄えが低下することはなく、かつ発光装置による発光演出を阻害することもない。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記装飾カバー部材(52)における前記接触部(39)との対向面は平坦に形成されることを要旨とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、接触部を装飾カバー部材に確実に接触することができ、効率的な静電気対策が図られる。
【0011】
請求項3に係る発明では、前記接触部(39)は、前記枠状装飾体(36)に接触状態を維持して前後方向に進退自在に配設された可動接触体(41)と、該可動接触体(41)を常には前記装飾カバー部材(52)に接触する方向に付勢する弾性部材(44)とから構成されることを要旨とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、装飾カバー部材に対して可動接触体を弾性部材の弾力により確実に接触することができ、しかも、その接触状態は安定的に維持される。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記接触部(39)は、前記可動接触体(41)の前記装飾カバー部材(52)からの突出寸法を調節する調節手段(43)を備えることを要旨とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、各部品の組付け誤差等に応じて可動接触体の位置調節を行なうことで、該可動接触体を装飾カバー部材に確実に接触させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る遊技機によれば、透明板に生じた静電気を効果的に逃がし、該静電気に起因する発光装置への影響を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を中枠および遊技盤を取外した状態で示す正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、板部材の裏側に配設される装置を図示省略したものである。
【図4】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、板部材の裏側に配設される装置を図示したものである。
【図5】実施例に係る遊技盤を図柄表示装置を取外した状態で示す背面図である。
【図6】実施例に係る遊技盤の縦断側面図である。
【図7】実施例に係る遊技盤の板部材を背面から視た斜視図である。
【図8】実施例に係る遊技盤から裏ユニットボックスを取外した状態で示す背面図である。
【図9】実施例に係る左固定発光演出装置と枠状装飾体とのアース構造を示す要部断面図である。
【図10】実施例に係る右固定発光演出装置と枠状装飾体とのアース構造を示す要部断面図である。
【図11】実施例に係る枠状装飾体に配設される接触部を分解して背面から視た斜視図である。
【図12】実施例に係る裏ユニットベースを正面から視た斜視図である。
【図13】実施例に係る裏ユニットベースを背面から視た斜視図である。
【図14】実施例に係る裏ユニットベースを示す背面図である。
【図15】実施例に係る左固定発光演出装置を分解して正面から視た斜視図である。
【図16】実施例に係る左固定発光演出装置を分解して背面から視た斜視図である。
【図17】実施例に係る固定用光透過部材の要部斜視図である。
【図18】実施例に係る裏ユニットベースにおける左固定発光演出装置の配設部の横断面図である。
【図19】実施例に係る裏ユニットを示す正面図であって、左右の側部演出ユニットにおける可動発光演出装置が第1位置に臨む状態を示す。
【図20】実施例に係る裏ユニットを示す正面図であって、左右の側部演出ユニットにおける可動発光演出装置が第2位置に臨む状態を示す。
【図21】実施例に係る裏ユニットボックスから各種装置を取外した状態の正面図である。
【図22】実施例に係る裏ユニットボックスに各種装置を取付けた状態の正面図である。
【図23】実施例に係る裏ユニットボックスに配設される左側部演出ユニットを示す正面図である。
【図24】実施例に係る左右の側部演出ユニットを分解して正面から視た斜視図である。
【図25】実施例に係る左側部演出ユニットを示す正面図である。
【図26】実施例に係る左側部演出ユニットを背面から視た斜視図である。
【図27】実施例に係る左側部演出ユニットにおける後可動発光演出装置を分解して正面から視た斜視図である。
【図28】実施例に係る左側部演出ユニットにおける前可動発光演出装置を分解して正面から視た斜視図である。
【図29】図25のA−A線断面図である。
【図30】実施例に係る裏ユニットボックスにおける左ケース体の配設部位を示す要部背面図である。
【図31】実施例に係る裏ユニットボックスにおける右ケース体の配設部位を示す要部背面図である。
【図32】実施例に係る左ケース体を示す斜視図である。
【図33】実施例に係る右ケース体を示す斜視図である。
【図34】実施例に係る裏ユニットボックスを、左右のケース体を取外した状態で示す要部背面図である。
【図35】変更例に係る発光演出装置を示す概略断面図である。
【図36】変更例に係る左ケース体が配設された裏ユニットボックスを示す要部背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0018】
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤26(図3参照)が着脱可能に保持される本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられて、該遊技盤26の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤26を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、該前枠14の下方にパチンコ球(遊技球)を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前記前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。
【0019】
(中枠について)
図2に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなし、スピーカや打球発射装置、操作ハンドル25等が設置された下枠部材18と、左側縁をなす左枠部材19と、右側縁をなす右枠部材20とから構成されて、これら上下左右の枠部材17,18,19,20を組付けた際に、全体が前記外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、前記上下左右の枠部材を組付けた際に前後に開口する開口部分が、前記遊技盤26を設置する遊技盤保持部21として機能する。ここで、前記中枠12は、前記外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠12を回転させることで、該外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
【0020】
また、図2に示すように、前記左枠部材19の開口内側(遊技盤保持部21側)には、上下に離間する位置に、前記遊技盤26の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具22,22が複数設けられると共に、上下の枠部材における右端部(右枠部材20側)に、固定位置および固定解除位置に回転可能な固定具23,23が夫々設けられており、該固定具23,23により遊技盤26の右側上下端部を中枠12に固定し得るようになっている。すなわち、前記遊技盤26を中枠12に配設するには、該遊技盤26の左側端部を前記回転保持具22,22で保持した状態で、遊技盤26の右側端部を押し込んで遊技盤26の左側端部(回転保持具22,22)を中心に回動させて遊技盤26の全体を遊技盤保持部21に臨ませて、前記固定具23,23を固定位置に回転変位させて遊技盤26の右側上下端部を支持固定する。このように中枠12に組付けられる遊技盤26は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材17,18,19,20に当接支持された状態で、前記回転保持具22,22および固定具23,23で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。
【0021】
前記右枠部材20には、前記遊技盤26の裏側に配設される図柄表示装置13を裏側から覆う保護カバー(図示せず)を開閉可能に枢支する軸受部(金属部品)24が設けられ、該軸受部24は、遊技盤26を中枠12に嵌め込んだ際に、後述するアース部材66と接触するよう構成される。また軸受部24は、中枠12の裏側に配設される図示しない電源基板(外部アース部)にリード線等を介して電気的に接続されており、遊技盤26で発生した静電気を、アース部材66および軸受部24を介して電源基板に流し得るよう構成してある。
【0022】
(遊技盤について)
前記中枠12の遊技盤保持部21に配設される前記遊技盤26は、図3に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域27が画成され、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる平板状の板部材(透明板)28と、該板部材28の裏面に組付けられて図柄表示装置13が着脱可能に配設されると共に、複数の演出装置47,48,71,73,74や発光装置49,50が配設される裏ユニット29とから構成され、該裏ユニット29に形成された前後に開口する開口部29aを介して図柄表示装置13の表示部を前面側から視認し得るよう構成されている。そして、裏ユニット29に形成される開口部29aの周囲に、前記演出装置47,48,71,73,74や発光装置49,50が配設されている。
【0023】
(板部材について)
図3または図4に示すように、前記板部材28の前面には、円弧状に形成した案内レール30が配設されると共に、該案内レール30の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した第1盤面飾り部材31aが配設されている。そして、前記案内レール30および第1盤面飾り部材31aにより前記遊技領域27が略円形状に画成される。また、前記板部材28の盤面には、前記案内レール30の左方(遊技領域27の外側)の上下位置に第2盤面飾り部材31bが夫々が配設されている。更に、板部材28の遊技領域27には、前記裏ユニット29に形成された開口部29aの前側に前後に貫通する貫通口(開口部)28a(図7参照)が形成されており、裏ユニット29に形成された開口部29aおよび板部材28の貫通口28aから遊技盤26の可視部が構成される。そして、該貫通口28aに対して、後述する前後に開口する枠状装飾体(装飾枠体)36が前側から嵌め込まれるようになっている。
【0024】
前記板部材28には、後述する枠状装飾体36の下方位置に、前記遊技領域27を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置32や特別入賞装置33が配設されている。また、板部材28には、始動入賞装置32や特別入賞装置33の左右両側に複数の普通入賞口34,34が夫々が設けられている。
【0025】
前記始動入賞装置32には、図3に示す如く、前記遊技領域27を流下するパチンコ球が入賞可能な上下の始動入賞口32a,32bが設けら、該始動入賞口32a,32bへ入賞したパチンコ球が始動入賞センサで検出されることで、図柄表示装置13の表示部で図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。なお、前記下側の始動入賞口32bを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材32c,32cが設けられており、図示しないソレノイドの駆動により羽根部材32c,32cを揺動することで、下側の始動入賞口32bが開閉されるようになっている。
【0026】
前記特別入賞装置33には、前後に開口する横長の特別入賞口33a開設され、該特別入賞口33aは、図示しないソレノイドの駆動により開閉作動される開閉扉33bにより開閉されるようになっている。そして、前記図柄表示装置13で行なわれる図柄変動演出の結果、該図柄表示装置13に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより特別入賞装置33の特別入賞口33aが開放され、該特別入賞口33aに入賞したパチンコ球が特別入賞センサで検出されることで、多数の賞球が上下の下球受け皿15,16に払い出されるよう構成される。
【0027】
前記板部材28の前面には、前記枠状装飾体36の左側に臨む遊技領域27に、該遊技領域27を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート35が配設されている。球通過ゲート35には、該ゲート35を通過するパチンコ球を検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる入球検知信号を出力する普通図柄入球検出手段(図示せず)が配設されている。この普通図柄入球検出手段は、図示しない制御装置に電気的に接続され、該制御装置は、球通過ゲート35を通過するパチンコ球を普通図柄入球検出手段が検出したことを条件として、前記始動入賞装置32の羽根部材32c,32cを開放するか否かの抽選を行なうよう設定されている。
【0028】
(枠状装飾体について)
前記板部材28に形成されている前記貫通口28aに対し、前後に開口する枠状の枠状装飾体36が配設される。すなわち、前記裏ユニット29の開口部29aから臨む前記図柄表示装置13の表示部は、前記枠状装飾体36における前後に開口する窓口36aを介して板部材28の前側に露出して、該図柄表示装置13の表示部で展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。実施例では、枠状装飾体36の窓口36aに対応する領域が、図柄表示装置13の表示部を前側から視認可能とする遊技盤26の可視部と対応している。また、枠状装飾体36には、上縁部から左右両縁部に亘り、板部材28より前面に突出する円弧状の庇状部36bが設けられており、前記遊技領域27に打ち出されたパチンコ球が枠状装飾体36の窓口36aを横切って流下するのを該庇状部36bで規制している。
【0029】
前記枠状装飾体36には、図3に示す如く、窓口36aの下側に、枠内に取込まれたパチンコ球を左右に転動可能なステージ37が配設されており、該ステージ37から遊技領域27に排出されたパチンコ球が、前記始動入賞装置32の始動入賞口32a,32b、特別入賞装置33の特別入賞口33aまたは普通入賞口34,34等に入賞可能に構成される。また、枠状装飾体36には、窓口36aの左側に、遊技領域27を流下するパチンコ球をステージ37に案内する球通路部38が設けてある。
【0030】
(枠状装飾体のアース構造について)
前記枠状装飾体36は、全面に金属メッキが施されて、メッキ面が前記板部材28に接触して電気的に接続されている。この枠状装飾体36の裏側には、前記貫通口28aの内側であって、後述する固定発光演出装置47,48の装飾カバー部材52,52や装飾部品51に電気的に接続する接触部39が複数箇所に設けられている。各接触部39は、図9〜図11に示す如く、枠状装飾体36に形成されて裏面に開口する凹部40に摺動自在に配設される可動接触体41を備える。この可動接触体41は、全面に金属メッキが施されており、凹部40内面に接触しつつ進退動することで、該可動接触体41は枠状装飾体36と常に電気的な接続状態を維持するようになっている。また凹部40内には、底面から同軸で後方に向けて延出するボス部42が設けられ、該ボス部42には後端で開口するネジ孔42aが形成されている。
【0031】
前記可動接触体41は、前側の小径筒部41aと後側の大径筒部41bとを連設して構成されており、両筒部41a,41bには前記ボス部42が挿通可能な通孔41cが形成される。また、小径筒部41aと大径筒部41bとの連設部には、外周に外側段部41dが形成されると共に、内周に内側段部41eが形成される。そして、可動接触体41は、通孔41cにボス部42を挿通するよう凹部40に収容した状態で、該通孔41cに後側から挿通したネジ(調節手段)43をボス部42のネジ孔42aに螺挿することで取付けられるようになっている。すなわち、ネジ43には、ネジ部における頭部側に、前記内側段部41eに当接可能なフランジ43aが設けられており、ネジ43をネジ孔42aに螺挿した状態で、内側段部41eがフランジ43aに当接することで、該可動接触体41が凹部40から脱落しないよう構成される。また、凹部40の底面と外側段部41dとの間に弾性部材としての圧縮コイルバネ44が介挿されており、該圧縮コイルバネ44によって可動接触体41は、常に凹部40から後方に突出する方向、すなわちネジ43のフランジ43aに内側段部41eが当接する方向に向けて付勢されている。従って、ネジ43のネジ孔42aに対する螺挿量を可変してボス部42の後端とフランジ43aとの間隔を調節することで、凹部40に対する可動接触体41の後方への突出寸法が調節される。なお、可動接触体41は、それ自体を導電性を有する金属材料で形成したものであってもよい。
【0032】
(裏ユニットについて)
前記裏ユニット29は、前記枠状装飾体36の窓口36aを囲う枠状に形成されて前記板部材28の裏面に配設される板状の裏ユニットベース45と、前側に開口する箱状に形成されて裏ユニットベース45の裏側に配設される裏ユニットボックス46とから構成される(図6参照)。裏ユニットベース45は、透視不能な合成樹脂材(例えばABS樹脂)から、外郭形状が前記板部材28と略整合する大きさ形状に形成され、略中央位置に前記開口部29aを構成する前開口45aが形成されている。これに対し、裏ユニットボックス46は、透明な合成樹脂材(例えばPC樹脂)から形成されて、その略中央位置に前記開口部29aを構成する後開口46aが形成される。そして、裏ユニットボックス46の裏側に配設された前記図柄表示装置13の表示部は、前後の開口45a,46aから構成される開口部29aを介して前側に臨むよう構成される。
【0033】
(裏ユニットベースについて)
前記裏ユニットベース45の前面には、図12に示す如く、前開口45aを挟む左右両側に後側に凹む側部凹所45b,45bが形成されると共に、前開口45aの上側に後側に凹む上部凹所45cが形成されている。左右の側部凹所45b,45bには、固定発光演出装置(発光装置)47,48が夫々配設される。また上部凹所45cには、対応する固定発光演出装置47,48の上端部に隣接して上部発光装置49,50が配設されると共に、左側に偏った位置に装飾部品51が配設されている。固定発光演出装置47,48、上部発光装置49,50および装飾部品51は、対応する凹所45b,45b,45cに配設した状態で、各前端が裏ユニットベース45の前端と略面一となる厚み寸法に設定されており、該裏ユニットベース45を板部材28の裏面に取付けた際に、各装置47,48,49,50および装飾部品51が板部材28の裏面に近接するよう構成される。また各装置47,48,49,50および装飾部品51は、板部材28に配設された前記枠状装飾体36に一部が前後で重なり、その他の部分は透明な板部材28を介して前面から視認し得る遊技領域27の後方に臨むよう構成されている(図4参照)。なお、左右の固定発光演出装置47,48については、枠状装飾体36の窓口36aの内側に一部が臨むようになっている。
【0034】
(固定発光演出装置について)
前記左右の固定発光演出装置47,48は左右対称であるので、左側に配設される左固定発光演出装置47について説明し、右側に配設される右固定発光演出装置48については、対応する部位に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。左固定発光演出装置47は、図18に示す如く、裏ユニットベース45に対する取付部材として機能する最前面に位置する固定用装飾カバー部材(装飾部材)52と、該カバー部材52の裏側に配設される固定用光透過部材53と、複数のLED(発光体)54を実装した固定用LED基板55と、前記固定用光透過部材53の裏側を覆う光非透過性の固定用ベース部材56とを基本的に備える。
【0035】
(固定用装飾カバー部材について)
前記固定用装飾カバー部材52は、透視不能(非光透過性)な合成樹脂材から所要形状に形成された前壁52aの外縁から後方に外壁52bを突設して構成され、該前壁52aには複数の開口からなる光透過部52cが形成されている(図8,図15,図16参照)。また固定用装飾カバー部材52の全面には金属メッキが施されて導電性を有するように構成され、前記枠状装飾体36に配設された前記可動接触体41が接触することで該枠状装飾体36と固定用装飾カバー部材52とが電気的に接続するよう構成される。なお、固定用装飾カバー部材52の前壁52a前面には、可動接触体41と対向する位置に平坦に形成された接触面52dが形成されて、該接触面52dと可動接触体41とを面接触させ得るようにしてある(図9または図12参照)。
【0036】
前記固定用装飾カバー部材52における前壁52aの裏面には、前記光透過部52cが形成される領域の外側位置に突壁52eが形成され、該突壁52eと固定用装飾カバー部材52における内側(窓口36a側)の外壁52bとにより画成される収容部に、板状の固定用透明部材57が収容されている。この固定用透明部材57の前面には、各光透過部52eの開口形状に一致する凸部57aが突設され、該凸部57aが対応する光透過部52eに嵌合される(図15参照)。なお、各凸部57aには、固定用装飾カバー部材52の前面に施された意匠に対応する意匠が凹凸により形成してある。また固定用装飾カバー部材52における前壁52aの裏面には、前記固定用光透過部材53に形成される後述する屈折部60と対応する位置に主反射部(反射部)58が突設されている。更に、主反射部58との間で屈折部60を挟み得る間隔で離間して副反射部(第2の反射部)59が屈折部60に沿って延在するよう突設されると共に、該副反射部59の突出寸法は主反射部58の突出寸法より小さく設定されている。なお、両反射部58,59の間に臨む前壁52aの裏面も、屈折部60に対する反射部として機能するようになっている。
【0037】
(固定用光透過部材について)
前記固定用光透過部材53は、透明な板状に形成されて、前記固定用透明部材57と大きさおよび形状が略同一に形成された本体部53aを有し、該本体部53aの裏面には光拡散処理が施してある。固定用光透過部材53の本体部53aにおける左側(窓口36aから離間する側)の端縁に、該本体部53aの端縁に沿って所定長さで屈折部60が形成されている。この屈折部60は、図17または図18に示す如く、裏面が平坦で前側に2つの山形の突部60a,60aを平行に突設して形成され、該突部60a,60aが本体部53aの前面から前方に突出すると共に、該屈折部60の裏面は、本体部53aの厚み方向の略中間位置に臨むよう設定される。すなわち、屈折部60の裏面は、本体部53aの裏面に対して厚み寸法の半分だけ前方に位置すると共に、該屈折部60の裏面と本体部53aの裏面とは傾斜面53bにより接続される。そして、前記固定用LED基板55に実装されたLED54が、屈折部60の後側で傾斜面53bの側方に臨むように配置される。
【0038】
前記屈折部60の幅寸法(本体部53aの端縁から屈折部60の外端までの寸法)は、前記固定用装飾カバー部材52に形成された主反射部58と副反射部59との離間間隔と略同一に設定され、前記突壁52eおよび外壁52bにより画成される前記収容部に固定用光透過部材53を固定用透明部材57に重ねて収容した際に、屈折部60が主反射部58と副反射部59との間に収容されるよう構成される。すなわち、主反射部58と副反射部59との間に臨む屈折部60は、本体部53aから離間する開放端面が主反射部58で覆われると共に、屈折部60における本体部53a側に位置する突部60aの傾斜端面(端面)が副反射部59で覆われ、また屈折部60の前面は前記前壁52aの裏面で覆われて、該屈折部60から射出される光は、各反射部58,59および前壁52aで屈折部60に向けて反射されるよう構成される。
【0039】
(固定用LED基板について)
前記固定用装飾カバー部材52の裏側には、前記固定用光透過部材53の屈折部60を照明するための2つの固定用LED基板(基板)55,134が配設されている。各固定用LED基板55,134は、対応する位置の屈折部60に沿う形状に形成され、該固定用LED基板55,134の前側を向く実装面に、複数のLED54が、屈折部60の延在方向に一定間隔で実装されている。そして、固定用LED基板55,134は、実装面を固定用装飾カバー部材52の前壁52aおよび固定用光透過部材53の本体部53aと平行な姿勢で、固定用装飾カバー部材52における主反射部58より外側に設けられた位置決めボス61にネジ止め固定される。また、固定用LED基板55,134の実装面に実装された各LED54は、屈折部60の後側に位置して該屈折部60に向けて光を照射するように構成される。すなわち、固定用LED基板55,134のLED54は、固定用光透過部材53の本体部53aと平行に配置された固定用LED基板55に対して直交する前方に向けて光を照射するよう設定されている。なお、固定用LED基板55,134の各LED54は、屈折部60および傾斜面53bに対して一定間隔で離間するよう設定される。また、固定用LED基板55,134は、固定用装飾カバー部材52における前記光透過部52cが形成される領域から外れた前壁(非光過部)52aの裏側の位置に臨み、前側から固定用LED基板55,134は勿論、前記LED54も視認し得ないようになっている。
【0040】
前記固定用LED基板55,134に配設される複数のLED54は、その並び順に段階的に発光の変化を行なうよう制御される。実施例では、両固定用LED基板55,134のLED54が、固定用光透過部材53の外縁に沿って略並ぶように配置されており、上側に位置する第1の固定用LED基板55の一端側(実施例では上端側で下側に位置する第2の固定用LED基板134から離間する側)のLED54から他端側(実施例では下端側で第2の固定用LED基板134に近接する側)のLED54の順で発光の変化が行なわれ、続いて第2の固定用LED基板134の一端側(実施例では上端側で第1の固定用LED基板55に近接する側)のLED54から他端側(実施例では下端側で第1の固定用LED基板55から離間する側)のLED54の順で発光の変化が行なわれる。次いで、第2の固定用LED基板134の下側から上側、続いて第1の固定用LED基板55の下側から上側の順で発光の変化が行なわれるように設定されている。なお、LED54の発光の変化の順は、上記のパターンに限定されるものでなく、第1の固定用LED基板55が上端から下端に向けて順にLED54の発光の変化を行なうのに対し、同時に第2の固定用LED基板134が下端から上端に向けてLED54の発光の変化を行ない、両固定用LED基板55,134の発光の変化が下端または上端に至った後は、他端側に向けてLED54の発光の変化を行なう等、各種のパターンを設定可能である。
【0041】
ここで、LED54の発光の変化とは、色彩の変化または色調の変化、色彩および色調の両方の変化を含むものであって、使用されるLEDの仕様によって適宜に設定される。すなわち、単色のLEDを用いる場合は、色調の変化のみが行なわれ、フルカラーのLEDを用いる場合は、色彩および色調およびその組合わせの変化を行なうことができる。
【0042】
前記固定用光透過部材53における本体部53aの裏面には、前記固定用ベース部材56との間に固定用反射シート62が挟持されて臨んでいる。この固定用反射シート62は、本体部53aと大きさおよび形状が略一致するように形成されて、該本体部53aの裏面の全体を覆うよう構成される。また、固定用反射シート62における本体部53aと対向する前面には、光の照射角度によって色の見え方が変わる処理が施されている。
【0043】
(固定用ベース部材について)
前記固定用ベース部材56は、前記固定用装飾カバー部材52の外壁52bと突壁52eとにより画成される収容部の形状および大きさに略一致するように形成された板状本体56aにおける外縁に前方に突出す側壁56bが形成されて、板状本体56aが正面視において固定用光透過部材53の本体部53aと略同一外形に形成されている。そして、固定用装飾カバー部材52の突壁52eの後端に側壁56bの前端を当接すると共に固定用装飾カバー部材52の外壁52bの内面に側壁56bの外面を当接した状態で固定用ベース部材56を固定用装飾カバー部材52に取付けることで、両部材52,56間に空間63が画成され、該空間63に前記固定用透明部材57および固定用光透過部材53が収容されるよう構成される。固定用ベース部材56は、非光透過性であって、前記空間63に入射された光は、板状本体56aの前面および側壁56bの内面で反射するよう構成される。すなわち、固定用ベース部材56における板状本体56aの前面および側壁56bの内面が、前記固定用光透過部材53から射出される光を固定用装飾カバー部材52に向けて反射する反射面として機能するようになっている。ちなみに、板状本体56aの前面および側壁56bの内面は、光反射率の高い白色としてある。また実施例では、固定用光透過部材53における本体部53aの裏面は、前記固定用反射シート62で略全面が覆われているから、実施例においては固定用反射シート62自体も反射面を構成している。
【0044】
前記固定用ベース部材56の板状本体56aにおける前記屈折部60と対応する縁端部の前面には、該屈折部60の裏側に位置する固定用LED基板55,134における固定用光透過部材53の本体部側の端縁部を裏側から覆う被覆部56cが設けられ、各LED54から照射された光が本体部側の裏側に漏れるのを防止するよう構成される。
【0045】
(上部発光装置について)
前記左右の上部発光装置49,50の構成は、基本的には同じであるので、主に左側に配設される左上部発光装置49について説明し、右側に配設される右上部発光装置50については、対応する部位に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。左上部発光装置49は、図12に示す如く、裏ユニットベース45に対する取付部材として機能するカバー部品64と、該カバー部品64に配設されたランプカバー65と、該ランプカバー65の後側に配置されるLED基板(図示せず)とから基本的に構成され、該LED基板の前側を向く実装面に実装した複数のLEDを発光することで、ランプカバー65を裏側から照明するよう構成される。
【0046】
前記カバー部品64は、全面に金属メッキが施された導電性を有する部品であって、該カバー部品64は、前記左固定発光演出装置47の固定用装飾カバー部材52に接触して、該カバー部品64と固定用装飾カバー部材52とが電気的に接続するよう構成してある。なお、右上部発光装置50のカバー部品64は、前記右固定発光演出装置48の固定用装飾カバー部材52に接触して、該カバー部品64と固定用装飾カバー部材52とが電気的に接続している。
【0047】
(装飾部品について)
前記上部凹所45cに配設される前記装飾部品51は、全面に金属メッキが施された導電性を有する部品であって、該装飾部品51は、前記左上部発光装置49のカバー部品64に接触した状態で上部凹所45cに取付けられている。すなわち、左固定発光演出装置47の固定用装飾カバー部材52と装飾部品51とは、左上部発光装置49のカバー部品64を介して電気的に接続するよう構成される。なお、右上部発光装置50のカバー部品64は、対応する右固定発光演出装置48の固定用装飾カバー部材52にのみ電気的に接続するよう構成される。
【0048】
前記装飾部品51の前面には、前記枠状装飾体36に配設した対応する前記可動接触体41と対向する位置に、平坦に形成された接触面51aが形成されて、前記板部材28の裏面に裏ユニットベース45を取付けた際に、該板部材28に配設されている枠状装飾体36の可動接触体41と接触面51aとが面接触するよう構成してある。
【0049】
前記遊技盤26の右側部には、導電性を備えた金属片を折曲成形して構成されたアース部材66が配設されており、該アース部材66は、遊技盤26を中枠12に取付けた際に前記軸受部24に接触して電気的に接続するよう構成される。また、前記右固定発光演出装置48の固定用装飾カバー部材52に裏面で一端部が電気的に接続されるリード線(アース線)67の他端部が前記アース部材66に電気的に接続されている。すなわち、遊技盤26において、板部材28の前側に臨む前記枠状装飾体36が、裏ユニットベース45に配設されて板部材28の裏側に臨む固定発光演出装置47,48、上部発光装置49,50および装飾部品51と夫々電気的に接続し、板部材28の前側で発生した静電気を、前記アース部材66から中枠12の軸受部24を介して前記電源基板(外部アース部)に流し得るよう構成してある。なお、一端が右固定発光演出装置48の固定用装飾カバー部材52に裏側で接続されたリード線67は、裏ユニットベース45の裏側を引き回されて他端がアース部材66に接続されており、該リード線67は前記板部材28の前側から視認し得ないようになっている。またアース部材66には、前記案内レール30も電気的に接続されており、板部材28に接触する案内レール30からもアース部材66に静電気が流れるよう構成される。
【0050】
(裏ユニットボックスについて)
前記裏ユニットボックス46は、図21に示す如く、略矩形状に形成された設置板部68の外縁から前方に向けて外壁69を突設した箱枠状に形成され、該設置板部68の略中央位置に前記後開口46aが開設されている。各外壁69の前端所要位置には、外方に向けて設置板部68と平行に延在する複数のフランジ部70が夫々形成されており、裏ユニットボックス46は、各フランジ部70の前面を前記裏ユニットベース45の裏面に当接した状態で該ベース45にネジ止め固定されて、該裏ユニットベース45の裏面と裏ユニットボックス46との間に所要の設置空間を画成するよう構成してある。そして、裏ユニットベース45の裏面と裏ユニットボックス46との間に画成される設置空間には、図22に示す如く、前記後開口46aの上側に上部可動発光演出装置71の駆動機構72,72が配置されると共に、後開口46aを挟む左右両側に側部演出ユニット73,74が配置されて、これら演出装置71および演出ユニット73,74により動作および発光による演出を行なうよう構成される。
【0051】
(上部可動発光演出装置について)
前記上部発光演出装置71は、前記設置板部68における上板部に左右に離間して一端が夫々回動自在に枢支された一対のアーム75,75の他端が回動自在に枢支された可動体76を備え、両アーム75,75を駆動機構72,72によって同期して作動することで、可動体76が後開口46aの前側において上下方向に移動するよう構成される。すなわち、裏ユニットボックス46の裏側に配設された前記図柄表示装置13における表示部の前側を、可動体76が上下方向に移動することで、動作による演出を行なうようになっている。なお、上部発光演出装置71は、駆動機構72,72が前記設置空間に収容された状態で、可動体76が前記枠状装飾体36の窓口36a内に臨む位置まで前側に突出するよう配置されている。
【0052】
(側部演出ユニットについて)
前記裏ユニットボックス46に配設される左右の演出ユニット73,74は左右対称であるので、左側に配設される左演出ユニット73について説明し、右側に配設される右演出ユニット74については、対応する部位に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
前記左演出ユニット73は、図23〜図26に示す如く、前後に重なる2つの可動発光演出装置(可動体)77,78と、該可動発光演出装置77,78を揺動する駆動手段としてのモータ79とを備え、該モータ79が配設される取付部材80を介して前記裏ユニットボックス46に着脱自在に配設される。取付部材80は、後側に位置する板状の後取付体81の前側に、後方に開口する箱状の前取付体82を取付けて構成され、該前取付体82の前側に、前記モータ79が出力軸を後向きで設置される。そして、モータ79の出力軸における取付部材80の内部に臨む先端に、駆動歯車83が一体的に回転するよう配設されている。
【0054】
(可動発光演出装置について)
前記取付部材80の内部には、前後方向に延在して支軸84が配設され、該支軸84に、前記2つの可動発光演出装置77,78が共通して回動自在に配設されて、両演出装置77,78は支軸84を支点として揺動するよう構成される。後側に位置する後可動発光演出装置77は、図27に示す如く、所要形状に形成された前壁85aの外縁から後方に外壁85bを突設して構成された可動用装飾カバー部材(装飾部材)85と、該カバー部材85の裏側に配設される可動用ベース部材86とから本体が構成されて、該本体の内部に画成される空間87に、可動用透明部材88、可動用光透過部材89、可動用反射シート90および複数のLED(発光体)91を実装した可動用LED基板(基板)92を収容して構成される。
【0055】
(可動用装飾カバー部材について)
前記可動用装飾カバー部材85は、透視不能(非光透過性)な合成樹脂材から形成され、全面には金属メッキが施されると共に、前記前壁85aには複数の開口からなる光透過部85cが形成されている。可動用装飾カバー部材85における前壁85aの裏側には、前面に各光透過部85cの開口形状に一致する凸部88aが突設された可動用透明部材88が、各凸部88aを対応する光透過部85cに嵌合した状態で配置される。各凸部88aには、可動用装飾カバー部材85の前面に施された意匠に対応する意匠が凹凸により形成してある。また可動用装飾カバー部材85における前壁85aの裏面には、図29に示す如く、前記可動用光透過部材89に形成される後述する屈折部95と対応する位置に主反射部(反射部)93が突設されている。更に、主反射部93との間で屈折部95を挟み得る間隔で離間して副反射部(第2の反射部)94が屈折部95に沿って延在するよう突設されると共に、該副反射部94の突出寸法は主反射部93の突出寸法より小さく設定されている。なお、両反射部93,94の間に臨む前壁95aの裏面も、屈折部95に対する反射部として機能するようになっている。
【0056】
(可動用光透過部材について)
前記可動用光透過部材89は、透明な板状に形成されて、図27に示す如く、前記可動用透明部材88と大きさおよび形状が略同一に形成された本体部89aを有し、該本体部89aの裏面には光拡散処理が施してある。可動用光透過部材89の本体部89aにおける左側(窓口36aから離間する側)の端縁に、該本体部89aの端縁に沿って所定長さで屈折部95が形成されている。屈折部95は、裏面および前面が平坦で前面の幅が小さな台形に形成されて、図29に示す如く、その前部が本体部89aの前面から前方に突出すると共に、該屈折部95の裏面は、本体部89aの厚み方向の略中間位置に臨むよう設定される。すなわち、屈折部95の裏面は、本体部89aの裏面に対して厚み寸法の半分だけ前方に位置すると共に、該屈折部95の裏面と本体部89aの裏面とは傾斜面89bにより接続される。そして、前記可動用LED基板92に実装されたLED91が、屈折部95の後側で傾斜面89bの側方に臨むように配置されるようになっている。
【0057】
前記屈折部95の幅寸法(本体部89aの端縁から屈折部95の外端までの寸法)は、前記可動用装飾カバー部材85に形成された主反射部93と副反射部94との離間間隔と略同一に設定され、前記可動用光透過部材89を可動用透明部材88の後に重ねた際に、該屈折部95が主反射部93と副反射部94との間に収容されるよう構成される。すなわち、主反射部93と副反射部94との間に臨む屈折部95は、本体部89aから離間する開放端面が主反射部93で覆われると共に、屈折部95における本体部89aの前面から前方に突出する突部95aにおける本体部89a側に位置する傾斜端面(端面)が副反射部94で覆われ、また屈折部95の前面は前記前壁85aの裏面で覆われて、該屈折部95から射出される光は、各反射部93,94および前壁85aで屈折部95に向けて反射されるよう構成される。
【0058】
(可動用LED基板について)
前記可動用装飾カバー部材85の裏側には、前記可動用光透過部材89の屈折部95を照明するための可動用LED基板92が配設されている。可動用LED基板92は、図27に示す如く、屈折部95に沿う形状に形成され、該可動用LED基板92の前側を向く実装面に、複数のLED91が、屈折部95の延在方向に一定間隔で実装されている。そして、可動用LED基板92は、実装面を可動用装飾カバー部材85の前壁85aおよび可動用光透過部材89の本体部89aと平行な姿勢で、可動用装飾カバー部材85における主反射部93より外側に設けられた位置決めピン96で位置決めされるよう構成してある。また、可動用LED基板92の実装面に実装された各LED91は、屈折部95の後側に位置して屈折部95に向けて光を照射するよう構成される。すなわち、可動用LED基板92のLED91は、可動用光透過部材89の本体部89aと平行に配置された可動用LED基板92に対して直交する前方に向けて光を照射するよう設定されている。なお、可動用LED基板92の各LED91は、屈折部95および傾斜面89bに対して一定間隔で離間するよう設定される。また、可動用LED基板92は、可動用装飾カバー部材85における前記光透過部85cが形成される領域から外れた前壁(非光過部)85aの裏側の位置に臨み、前側から可動用LED基板92は勿論、前記LED91も視認し得ないようになっている。
【0059】
前記可動用LED基板92の前面には、長手方向の一端部(支軸84による枢支端部側)に、各LED91に接続するソケット92aが、接続口を基板92に沿う外方に向けた姿勢で配設されており、該ソケット92aは、可動用装飾カバー部材85に形成した切欠部85eを介して前側に露出するよう構成される。このソケット92aには、後述する左配線111の一端に設けられたプラグ111aが着脱自在に差し込み接続される。またソケット92aは、図23,図25に示す如く、外側(開口部46aから離間する側)に向けて斜め上方に接続口が開口するよう設定されており、該ソケット92aにプラグ111aを介して接続される左配線111は、該ソケット92aの上方位置に形成される後述の配線通孔81を介して裏側に引き出されるよう構成される。更に、可動用LED基板92の裏面には抵抗97が配設され、該抵抗97は、前記可動用ベース部材86の対応箇所に開設された後述する第2の放熱口99を介して後側に露出するよう構成される。実施例では、LED91を備えた可動用LED基板92が、可動体としての本体と一体的に移動する電気部品となる。
【0060】
前記可動用LED基板92に配設される複数のLED91は、その並び順に段階的に発光の変化を行なうよう制御される。なお、複数のLED91の発光の変化のパターン等に関しては、前記固定用LED基板55,134のLED54に関して前述したように、各種のパターンを採用し得る。またLED91の発光の変化についても、用いるLEDの仕様に応じて、色彩または色調およびその組合わせの変化等の何れかまたは全部を行ない得ることは、前述した通りである。
【0061】
前記可動用光透過部材89における本体部89aの裏面には、前記可動用ベース部材86との間に可動用反射シート90が挟持されて臨んでいる。この可動用反射シート90は、本体部89aと大きさおよび形状が略一致するように形成されて、該本体部89aの裏面の全体を覆うよう構成される。また、可動用反射シート90における本体部89aと対向する前面には、光の照射角度によって色の見え方が変わる処理が施されている。
【0062】
(可動用ベース部材について)
前記可動用ベース部材86は、前記可動用装飾カバー部材85の外郭形状と略同じ形状で僅かに小さな大きさに形成された板状本体86aにおける外縁に、前方に突出す側壁86bが形成されて、該可動用ベース部材86を可動用装飾カバー部材85の裏側に取付けた際に、図29に示す如く、前記可動用透明部材88、可動用光透過部材89、可動用反射シート90および可動用LED基板92を収容する空間87を該カバー部材85との間に画成するよう構成される。そして、空間87に収容される可動用透明部材88、可動用光透過部材89、可動用反射シート90および可動用LED基板92は、可動用装飾カバー部材85と可動用ベース部材86とで挟持されて位置決め保持されるようになっている。可動用ベース部材86は、非光透過性であって、前記空間87に入射された光は、板状本体86aの前面および側壁86bの内面で反射するよう構成される。すなわち、可動用ベース部材86における板状本体86aの前面および側壁86bの内面が、前記可動用光透過部材89から射出される光を可動用装飾カバー部材85に向けて反射する反射面として機能するようになっている。ちなみに、板状本体86aの前面および側壁86bの内面は、光反射率の高い白色としてある。また実施例では、可動用光透過部材89の本体部89aの裏面は、前記可動用反射シート90で略全面が覆われているから、実施例においては可動用反射シート自体も反射面を構成している。
【0063】
前記可動用ベース部材86の板状本体86aにおける前記可動用LED基板92の配設位置に対応して、該基板92を収容する収容凹部86cが後側に凹むように形成されており、前記位置決めピン96により位置決めされている可動用LED基板92が該収容凹部86cに収容された状態で、該可動用ベース部材86と位置決めピン96とで挟持されて位置決め保持されるよう構成してある。すなわち、空間87に収容される各部品88,89,90,92は、ネジ等の固定手段を用いることなく、可動用ベース部材86および可動用装飾カバー部材85で挟持されることで位置決め保持されるようになっている。
【0064】
前記可動用装飾カバー部材85および可動用ベース部材86には、前記空間87の左側(窓口36aから離間する側)に偏って収容されている可動用LED基板92の対応する位置の外壁85bおよび側壁86bの対向面間(本体の外周縁)に、空間87と外部とを連通する第1の放熱口98が形成されている(図29参照)。また可動用ベース部材86の板状本体86aには、可動用LED基板92の裏面に配設した前記抵抗97と対応する位置に、前後に貫通する第2の放熱口99が形成されており(図27参照)、該第2の放熱口99を介して抵抗97は後側に露出するよう構成される。
【0065】
(可動発光演出装置の駆動機構について)
前記可動用装飾カバー部材85および可動用ベース部材86の上端部には、後支持部材100が、両部材85,86の間に挟持された状態で配設される。この後支持部材1000は、両部材85,86で構成される本体から外方に突出する位置に前後方向に貫通する貫通孔100aが穿設され、該貫通孔100aに前記支軸84が挿通されて回動自在に支持されるよう構成される。また後支持部材100には、本体から外方に突出する扇形の従動歯車101が設けられ、該従動歯車101が前記駆動歯車83に噛合している。すなわち、前記モータ79を駆動して駆動歯車83を正転または逆転することで、両歯車83,101の噛合作用下に後可動発光演出装置77は、支軸84を支点として左右方向に揺動するよう構成される。実施例では後可動発光演出装置77は、前記左固定発光演出装置47の後側に位置する第1位置(図19参照)と、前記枠状装飾体36の窓口36aの内側で図柄表示装置13の表示部の前側に位置する第2位置(図20参照)との間を揺動するよう構成されている。
【0066】
前記後支持部材100の従動歯車101には、後方に突出する案内突起101aが設けられている。これに対し、前記後取付体81および該後取付体81が取付けられる前記裏ユニットボックス46の設置板部68の対応する夫々の位置に、図27または図34に示す如く、案内突起101aが摺動自在に挿通される案内孔81a,68aが形成されている。両案内孔81a,68aは、前記支軸84を中心とする弧状に形成されて、案内突起101aが案内孔81a,68a内を摺動することで、後可動発光演出装置77を安定して揺動するよう構成される。また後可動発光演出装置77は、案内突起101aが案内孔81a,68aの端部に当接する範囲内で揺動可能であり、この揺動範囲が、従動歯車101と駆動歯車83との噛合状態を維持する長さに設定されている。
【0067】
前記後支持部材100には、前記空間87内に臨む前面に、前記可動装飾カバー部材85の対応する箇所に形成した通孔85dを介して前方に突出する係合突起100bが突設されている。そして、該係合突起100bが、前可動発光演出装置78に配設される後述する前支持部材102の係合孔(係合溝)102bに摺動自在に係合し、係合突起100bが係合孔102bの端部に係合当接した状態で、後可動発光演出装置77の揺動に伴って前可動発光演出装置78が揺動するよう構成される。
【0068】
(前可動発光演出装置について)
前記左側部演出ユニット73を構成する前側に位置する前可動発光演出装置78の基本的な構成は、前記後可動発光演出装置77と同じであるので、同じ部材については同一の符号を付して詳細説明は省略し、異なる部分についてのみ説明するものとする。また、前後の可動発光演出装置77,78の部材を特に区別する場合には、部材名の前に「前」または「後」を付すものとする。
【0069】
前可動発光演出装置78を構成する可動用装飾カバー部材85と可動用ベース部材86から構成される本体の上端部に配設される前支持部材102には、図28に示す如く、該本体から突出する部分に前後方向に貫通する貫通孔102aが形成されており、該貫通孔102aに前記支軸84が挿通されている。すなわち、前可動発光演出装置78は、後可動発光演出装置77の揺動支点となる支軸84を支点として左右方向に揺動するよう構成される。なお、前支持部材102には従動歯車は設けられておらず、該前可動発光演出装置78は、後可動発光演出装置77の揺動に追従して揺動するよう構成されている。
【0070】
前記前支持部材102における本体内部に臨む位置に前後方向に貫通する係合孔102bが、前記支軸84を中心とする弧状に形成されており、該係合孔102bは、可動用ベース部材86における板状本体86aの対応箇所に形成された通孔103を介して後方に開口している。そして、この係合孔102bに、前記後可動発光演出装置77の前方に突出する係合突起100bが摺動自在に挿入されている。
【0071】
前記前可動発光演出装置78における本体の左側面(窓口36aから離間する側の面)に保持部104が設けられ、該保持部104の内部に永久磁石105が収納されている。また前記裏ユニットボックス46における左側の外壁69の内側には、図23に示す如く、前記永久磁石105の側方に対応して金属板(磁性体)106が配設されており、永久磁石105が金属板106に磁力によって磁着(吸着)することで、前可動発光演出装置78は、前記第1位置に臨む後可動発光演出装置77と前記左固定発光演出装置47との間において前後に重なる第1位置(図19参照)に保持されるよう構成される。なお、前可動発光演出装置78は、前記支軸84に前支持部材102が支持されて垂れ下がっている自由状態では、前記金属板106に対して永久磁石105の磁力が作用するよう設定されており、該前可動発光演出装置78に外力が加わっていない状態では永久磁石105が金属板106に磁着されて前可動発光演出装置78が第1位置に保持されるように構成される。そして、前可動発光演出装置78は、左固定発光演出装置47の後側に位置する第1位置と、前記枠状装飾体36の窓口36aの内側で図柄表示装置13の表示部の前側に位置する第2位置(図20参照)との間を揺動可能に構成されている。
【0072】
前記前可動発光演出装置78の第1位置では、第1位置に臨む後可動発光演出装置77の前記係合突起100bが、前記係合孔102bにおける左右方向の中間に位置するよう設定される。すなわち、前後の可動発光演出装置77,78が前後方向に重なり合った第1位置から、後可動発光演出装置77が前記モータ79の駆動により第2位置に向けて右方に移動される際には、係合突起100bが係合孔102bの右端部に左側から当接するまでは該後可動発光演出装置77のみが移動して前可動発光演出装置78の後側から前記窓口36a側に徐々に露出し、係合突起100bが係合孔102bの右端部に当接した後は、後可動発光演出装置77の移動に伴って永久磁石105の磁力に抗して前可動発光演出装置78が一体的に右方に移動するようになっている。そして、後可動発光演出装置77が第2位置に至ったときには、前可動発光演出装置78が前記窓口36aの内側で表示部の前側に位置する第2位置に臨み、このとき左固定発光演出装置47、前可動発光演出装置78および後可動発光演出装置77が左右方向に連なる状態となるよう構成される(図20参照)。更に、第2位置において前後の可動発光演出装置77,78が左右方向に連なった状態から、後可動発光演出装置77がモータ79の駆動により第1位置に向けて左方に移動される際には、後可動発光演出装置77の係合突起100bが前可動発光演出装置78の係合孔102bにおける右端部に当接したまま両可動発光演出装置77,78が一体的に移動し、前可動発光演出装置78の永久磁石105が金属板106に磁着して該前可動発光演出装置78が第1位置に保持された後は、後可動発光演出装置77のみが移動して第1位置に至るよう構成される。
【0073】
前記前支持部材102には、前可動用ベース部材86の板状本体86aに形成した通孔107を介して該板状本体86aの裏面(対向面)から後方に突出する突起108が形成されており、該突起108は、前記後可動発光演出装置77における後可動用装飾カバー部材85の前面(対向面)に当接して、前後の可動発光演出装置77,78の対向面間に隙間を形成するよう構成される(図29参照)。突起108は、両可動発光演出装置77,78が第1位置と第2位置との間を揺動する範囲で常に後可動用装飾カバー部材85の前面に当接するよう設定される。また、突起108が当接する後可動用装飾カバー部材85の前面は平坦に形成されて、両可動発光演出装置77,78が相対的に移動する際の円滑な移動を確保するよう構成されている。
【0074】
ここで、前記左固定発光演出装置47、両可動発光演出装置77,78は、何れもパチンコ機のモチーフに関連する形態(実施例では羽根)に形成されて、両可動発光演出装置77,78が第2位置に位置した状態では羽根を広げた形態を構成するようになっている。また、各演出装置47,77,78における装飾カバー部材52,85,85の表面に施される金属メッキの色合いを変えてあり、両可動発光演出装置77,78を第2位置に位置させた状態での演出効果を向上するよう構成している。
【0075】
(検出手段について)
前記取付部材80の内部に臨む前記従動歯車101には前方に突出する検出片101bが設けられている。また取付部材80の内部には、前記検出片101bを検出可能な検出手段109が配設されている。この検出手段109は、前記後可動発光演出装置77が第1位置に到来した際に検出片101bを検出し、その検出信号に基づいてモータ79が制御されるよう構成される。検出手段109としては、受光素子および発光素子を備えた光学式センサが採用されるが、検出片101bを検出可能なその他の型式の各種センサを用いることができる。
【0076】
(左ケース体について)
前記裏ユニットボックス46における前記左側部演出ユニット73の取付部材80が配設される部位に、前後に貫通する左第1配線孔110が形成され(図34参照)、該側部演出ユニット73に配設される前後の可動用LED基板92,92の前記ソケット92a,92aに一端がプラグ111a,111aを介して接続される夫々の左配線111が、該左第1配線孔110を介して裏側に引き出されるよう構成される。そして、左配線111の他端は、裏ユニットボックス46の裏面上部に配設された上部中継基板(基板)112に接続される(図5参照)。裏ユニットボックス46の裏面には、前記左第1配線孔110を覆う保護部材としての左ケース体(ケース体)113がネジ止め固定されている。なお、前記後取付体81には、前記左第1配線孔110と対応する位置に配線通孔81bが形成されており、前記左配線111は配線通孔81bおよび左第1配線孔110を介して裏側に引き出されるようになっている。
【0077】
前記左ケース体113は、図32に示す如く、前方に開口する略箱状に形成され、左第1配線孔110から裏側に引き出された左配線111の後述する移動許容部111bを収容するよう構成される。また左ケース体113は、裏ユニットボックス46に固定した状態で、該ボックス46との間に右側方(上部中継基板側)に開口する導出口113aを画成するよう構成され、前記左配線111は該導出口113aから外部に引き出されて前記上部中継基板112に接続されるようになっている。
【0078】
前記裏ユニットボックス46の裏面には、前記左ケース体113の内部に臨む位置に左配線結束片(第2の係止部)114が形成され、該左配線結束片114に、左ケース体113の内部に臨む左配線111が結束具を介して結束される。なお、左配線結束片114に結束される左配線111は、当該結束部から前記ソケット92a,92aに接続する部位までの長さが、前後の可動発光演出装置77,78が左右方向に揺動する際に移動してソケット92a,92aとプラグ111a,111aとの接続部に大きな負荷が加わらない寸法に設定される。すなわち、左配線111における可動発光演出装置77,78の揺動に伴って移動する部分が、移動許容部111bとして機能するよう構成され、該移動許容部111bの一部が前記左ケース体113の内部に収容されている。すなわち、移動許容部111bは、左ケース体113によって上方、左側方および下方への移動が規制されて、可動発光演出装置77,78の揺動に伴う移動時において遊技盤26の外側縁から外方へはみ出すことがないよう構成してある。
【0079】
前記上部中継基板112(他の電気部品)に一端が接続する他の配線115は、裏ユニットボックス46における裏側左側部を引き回されて、該裏ユニットボックス46の裏面下部に配設される下部中継基板116に接続される(図5参照)。また裏ユニットボックス46の裏面には、左ケース体113の導出口113aに近接する位置に係止フック117が形成されており、該係止フック117に他の配線115が係止されている。またこの係止フック117には、左ケース体113の導出口113aから引き出された左配線111が、他の配線115と纏められた状態で係止される。すなわち、係止フック117は、左配線111および他の配線115を係止する手段として兼用される。
【0080】
前記左ケース体113の外側には、図32に示す如く、裏ユニットボックス46の裏側を引き回される各種配線を係止可能な左係止部(係止部)113bが形成されている。なお、実施例では左ケース体113の複数箇所(実施例では上面および側面)に左係止部113bが夫々形成されており、仕様変更によって各種配線を引き回す位置が変わった場合に対応し得るようになっている。
【0081】
また、前記左側部演出ユニット73のモータ(電気部品)79や検出手段(電気部品)109に一端が接続される他の配線118は、裏ユニットボックス46の設置板部68における前記左ケース体113で覆われていない部位に形成された左第2配線孔119を介して裏側に引き出され(図30参照)、該他の配線118の他端は前記上部中継基板112に接続される。
【0082】
(右ケース体について)
前記裏ユニットボックス46における前記右側部演出ユニット74の取付部材80が配設される部位に、前後に貫通する右第1配線孔120が形成され(図34参照)、該側部演出ユニット74に配設される前後の可動用LED基板92,92の前記ソケット92a,92aに一端がプラグ121a,121aを介して接続される夫々の右配線121が、後取付体81の配線通孔81bおよび右第1配線孔120を介して裏側に引き出されるよう構成される。そして、右配線121の他端は、前記上部中継基板112に接続される。
【0083】
前記裏ユニットボックス46の裏面には、前記右第1配線孔120を覆う保護部材としての右ケース体(ケース体)122がネジ止め固定されている。この右ケース体122は、図33に示す如く、前方に開口する略箱状に形成され、右第1配線孔120から裏側に引き出された右配線121の移動許容部121b(後述)を収容するよう構成される。また右ケース体122は、裏ユニットボックス46に固定した状態で、該ボックス46との間に左側方に開口する導出口122aを画成するよう構成され、前記右配線121は該導出口122aから外部に引き出されて前記上部中継基板112に接続されるようになっている。
【0084】
前記裏ユニットボックス46の裏面には、前記右ケース体122の内部に臨む位置に右配線結束片(第2の係止部)123が形成され(図34参照)、該右配線結束片123に、右ケース体122の内部に臨む右配線121が結束具を介して結束される。なお、右配線結束片123に結束される右配線121は、前記左配線111と同様に、結束部からソケット92a,92aに接続する部位までの長さが、前後の可動発光演出装置77,78が左右方向に揺動する際に移動してソケット92a,92aとプラグ121a,121aとの接続部に大きな負荷が加わらない寸法に設定されて、この部分が移動許容部121bとして機能するよう構成され、該移動許容部121bの一部が前記右ケース体122の内部に収容されている。すなわち、右配線121の移動許容部121bは、右ケース体122によって上方、右側方および下方への移動が規制されて、可動発光演出装置77,78の揺動に伴う移動時において遊技盤26の外側縁から外方へはみ出すことがないよう構成してある。
【0085】
前記右側部演出ユニット74のモータ(電気部品)79や検出手段(電気部品)109に一端が接続される他の配線124は、裏ユニットボックス46の設置板部68における前記右ケース体122で覆われていない部位に形成された右第2配線孔125を介して裏側に引き出され(図31参照)、該他の配線124の他端は前記上部中継基板112に接続される。また右ケース体122の外側(実施例では裏面)に右係止部(係止部)122bが形成されており、前記他の配線124における右第2配線孔125から引き出されて上部中継基板112に至る間の部位が、該右係止部122bに係止されている。
【0086】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
【0087】
前記遊技領域27に打出されたパチンコ球は、前記枠状装飾体36の外側の遊技領域27を流下し、該パチンコ球が前記球通過ゲート35を通過すると、前記普通図柄入球検出手段の球検出に基づいて前記普通図柄表示装置による抽選が行なわれる。そして、抽選の結果、当たりとなった場合は、普通図柄表示装置に当たり図柄を表示すると共に、前記始動入賞装置32の羽根部材32c,32cが開放されて、該始動入賞口32a,32bへの入賞確率が高まる。また、遊技領域27を流下するパチンコ球が前記球通路部38に通入すると、該パチンコ球は前記ステージ37に通出され、該ステージ37を左右に転動した後に遊技領域27に排出され、このパチンコ球は始動入賞装置32の始動入賞口32a,32bや普通入賞口34に入賞可能となる。
【0088】
前記始動入賞口32a,32bにパチンコ球が入賞すると、前記制御装置の制御信号に基づいて、前記図柄表示装置13の図柄が変動開始され、所要の図柄組合わせゲームが展開される。そして、前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置13に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに、前記特別入賞装置33の開閉扉33bが閉状態から開状態に作動することで特別入賞口33aを開放して所謂大当りが発生し、多数の賞球の獲得が可能となる。
【0089】
また、前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの演出に応じて、前記発光演出装置47,48,71,73,74や発光装置49,50が制御手段により作動制御されて、動的および発光による演出により遊技の興趣が向上される。
【0090】
(遊技盤の静電気対策について)
前記板部材28の遊技領域27に配設される金属メッキされた枠状装飾体36は、該板部材28と広い範囲で接触して電気的に接続されている。また、板部材28の裏面に配設される前記裏ユニットベース45に配設される左右の固定発光演出装置47,48および上部発光装置49,50は、金属メッキされた固定用装飾カバー部材52,52とカバー部品64とが接触して電気的に接続されている。更に、枠状装飾体36の裏側上部に臨む金属メッキされた装飾部品51は、左側の上部発光装置49のカバー部品64に接触して電気的に接続されている。そして、枠状装飾体36は、左右の固定発光演出装置47,48および装飾部品51に、前記接触部39を介して夫々電気的に接続されている。また、右固定発光演出装置48の固定用装飾カバー部材52にリード線67を介して電気的に接続される前記アース部材66は、前記中枠12に設けられる軸受部24に接触し、該軸受部24を介して電源基板(外部アース部)に電気的に接続されている。
【0091】
ここで、合成樹脂製の板部材28で遊技領域27が画成されるパチンコ機10では、当該板部材28とパチンコ球との摩擦係数が大きく、当該摩擦により遊技中に静電気が発生し易い。また板部材28の後側には、前記固定発光演出装置47,48や上部発光装置49,50が近接位置しているから、板部材28に帯電した静電気が該装置47,48,49,50に配設されるLED基板55,55,134,134に放電すると、該LED基板55,55,134,134のLED54が破壊されるおそれがある。この場合において、前記枠状装飾体36は板部材28に対して広い面積で接触しているから、該板部材28で発生した静電気は枠状装飾体36に流れる。そして、枠状装飾体36に流れた静電気は、前記固定発光演出装置47,48および上部発光装置49,50の金属メッキが施されている固定用装飾カバー部材52,52やカバー部品64等を介して右固定発光演出装置48の固定用装飾カバー部材52に接続するリード線67およびアース部材66を介して電源基板に逃すことができる。すなわち、板部材28の後側に位置する固定発光演出装置47,48や上部発光装置49,50のLED基板55,55,134,134に板部材28から静電気が放電することはなく、該LED基板55,55,134,134に実装されているLED54が破損するのを防止し得る。しかも、枠状装飾体36と各固定発光演出装置47,48や装飾部品51は、該枠状装飾体36の裏側に配設される接触部39を介して電気的に接続すると共に、右固定発光演出装置48とアース部材66とは前側に露出しない位置でリード線67で電気的に接続しているから、透明な板部材28の裏側にリード線を引き回す必要はなく、見栄えが低下することはない。また、固定発光演出装置47,48や上部発光装置49,51による発光演出を、静電気対策のためのリード線67で阻害することもない。
【0092】
前記固定発光演出装置47,48の固定用装飾カバー部材52および装飾部品51における枠状装飾体36の各接触部39と対向する接触面52d,51aは平坦に形成されているから(図12参照)、該接触部39における可動接触体41と面接触して、固定用装飾カバー部材52および装飾部品51と枠状装飾体36との間で静電気を確実に流すことができる。すなわち、接触不良によって静電気が流れずに帯電したままとなって確実な静電気除去がなし得なくなるのを防止して、効率的な静電気対策を図り得る。また、可動接触体41は、前述したように圧縮コイルバネ44によって常に対応する接触面52d,51aに接触する方向に付勢されているから(図9または図10参照)、可動接触体41と接触面52d,51aとの接触状態は安定的に維持され、パチンコ機10で発生する振動等によって接触不良が生ずるのを防止することができる。更に、各部品の成形誤差や組付け誤差によって、枠状装飾体36の裏面と固定発光演出装置47,48の固定用装飾カバー部材52の接触面52dや装飾部品51の接触面51aとの間隔が異なる場合は、対応する接触部39において前記ネジ43のボス部42に対する螺挿量により可動接触体41の枠状装飾体36の裏面からの突出量を調節することで対応でき、安定した接触状態を確保し得る。
【0093】
(固定発光演出装置の作用について)
前記図柄変動ゲームの演出に応じて発光演出される前記左右の固定発光演出装置47,48の作用は同一であるので、左固定発光演出装置47の作用について説明する。すなわち、左固定発光演出装置47に配設されている前記固定用LED基板55,134のLED54を発光させると、該光は前記固定用光透過部材53の屈折部60の裏面に向けて照射される。屈折部60に入射された光は、該屈折部60の山形に形成された突部60a,60aの傾面から屈折されて外部に射出され、この光が前記固定用装飾カバー部材52に設けた主副の反射部58,59および前壁52aの裏面で反射して屈折部60に戻る。そして、屈折部60に再び入射された光は、前記本体部53aに導入されて板面に沿って進み、該本体部53aの裏面に臨む固定用反射シート62および固定用ベース部材56の側壁56b内面等の反射面で反射されて、当該本体部53aの光拡散処理が施されていない前面から前方に射出される。前方に射出された光は、前記固定用透明部材57を介して固定用装飾カバー部材52の光透過部52cを裏側から照明する。
【0094】
前記左固定発光演出装置47における固定用LED基板55,134は、図18に示す如く、固定用装飾カバー部材52の前壁52aと平行に延在するように配設してあるから、該カバー部材52の裏側に必要とされる固定用LED基板55,134の配設スペースを小さくすることができ、左固定発光演出装置47の薄型化を図り得る。また、固定用LED基板55,134のLED54から照射される光を、屈折部60で屈折し、主副の反射部58,59等で更に反射させて屈折部60に戻した後に、固定用装飾カバー部材52と平行に延在する固定用透過部材53の本体部53aに端部側から導入するようにしたから、該本体部53aに対する光の入射角度がランダムとなり本体部53a内で光が全体に広がり、少ないLED54により固定用装飾カバー部材52の全体を照明することができる。すなわち、左固定発光演出装置47の薄型化を図ったもとで、固定用装飾カバー部材52の全体を少ないLED54により照明し得る。
【0095】
前記各LED54の光を固定用光透過部材53の本体部53aに導入し、該本体部53aの広い面(前面)から射出しているから、LED54からの光が固定用装飾カバー部材52の光透過部52cで点光となって表われることはなく、演出効果が損なわれることはない。また、固定用光透過部材53の本体部53aの裏面には光拡散処理が施されているから、該本体部53aに導入された光を拡散させることができ、LED54からの光が線状となって表われるのを抑制し得る。
【0096】
前記左固定発光演出装置47では、固定用発光透過部材53および固定用LED基板55,134を、図18に示す如く、固定用装飾カバー部材52と固定用ベース部材56との間に画成される空間63に収容しているから、固定用LED基板55,134のLED54から照射される光を裏側に漏らすことなく固定用装飾カバー部材52の光透過部52cを効率的に照明し得る。
【0097】
前記左固定発光演出装置47での発光演出に際し、前記固定用LED基板55,134に配設される複数のLED54は、その並び順に段階的に発光の変化を行なうよう制御される。この場合に、前述したように各LED54からの光を、固定用光透過部材53の本体部53aに対して屈折部60を介して端部から導入して、該本体部53aの全体が発光(面発光)するよう構成しているから、隣り合うLED54,54の発光による境界が分り難く、固定用装飾カバー部材52の光透過部52cを境目のない流れるような光のグラデーションで発光演出することができ、発光演出効果を向上し得る。
【0098】
前記固定用LED基板55,134の複数のLED54は相互に一定間隔で離間し、かつ屈折部60に対して一定間隔で離間するよう設定されているから、各LED54から屈折部60に照射される光の条件は同じとなり、固定用LED基板55,134における各LED54の光によるグラデーションはより境目のないものとして表現し得る。また、固定用光透過部材53における本体部53aの裏面には光拡散処理が施されているから、グラデーションによる発光演出を行なう際には、LED54からの光がより拡散され、むらなくグラデーションを表現することができる。更に、実施例では固定用光透過部材53における本体部53aの裏面を覆う固定用反射シート62の前面に、光の照射角度によって色の見え方が変わる処理を施しているから、本体部53aに対して屈折部60を介して導入される光の入射角度が様々となることと相俟って、単色のLEDを用いた場合でもカラフルな発光演出ができる。すなわち、発光演出に要するコストを低廉に抑えることができる。
【0099】
(側部演出ユニットの作用について)
前記図柄変動ゲームの演出に応じて作動される前記左右の側部演出ユニット73,74の作用は同一であるので、左側部演出ユニット73の作用について説明する。左側部演出ユニット73において、前後の可動発光演出装置77,78が第1位置に臨む状態では、図19に示す如く、前記左固定発光演出装置47の後側に前後に重なって略全体が隠れて、前側から視認し得ない。また前可動発光演出装置78は、前記永久磁石105が金属板106に磁力によって磁着されて、振動等によって前記枠状装飾体36の窓口36aの内側に移動してしまうのは防止されている。なお、後可動発光演出装置77については、後支持部材100の従動歯車101がモータ79に接続される駆動歯車83に噛合しているから、該後可動発光演出装置77も、振動等によって枠状装飾体36の窓口36aの内側に移動してしまうことはなく、図柄変動ゲームとは関係なく意図しないときに窓口36aの内側に各演出装置77,78が飛び出すのは防止されている。
【0100】
前記左側部演出ユニット73のモータ79が駆動されて前記駆動歯車83を介して後支持部材100の従動歯車101が正方向に回転されると、後可動発光演出装置77が第1位置から第2位置に向けて移動される。前可動発光演出装置78の第1位置では、第1位置に臨む後可動発光演出装置77の前記係合突起100bは、前記係合孔102bにおける左右方向の中間に位置しているから、後可動発光演出装置77がモータ79の駆動により第2位置に向けて右方に移動される初期には、係合突起100bが係合孔102b内を移動し、前可動発光演出装置78は前記金属板106に永久磁石105が磁着した第1位置に保持される。すなわち、後可動発光演出装置78のみが、前記枠状装飾体36の窓口36aの内側に移動して前側から視認可能となる。
【0101】
前記後可動発光演出装置77の移動によって前記係合突起100bが係合孔102bの右端部に当接すると、後可動発光演出装置77の移動に伴って永久磁石105の磁力に抗して前可動発光演出装置78が一体的に右方に移動する。すなわち、前後の可動発光演出装置77,78が左右方向に連なった状態で枠状装飾体36の窓口36aの内側に移動して前側から視認可能となる。そして、駆動歯車83が所定角度回転し、前記後可動発光演出装置77が第2位置に到来すると、前記モータ79が停止制御され、前後の可動発光演出装置77,78は第2位置に保持される。図20に示すように、前後の可動発光演出装置77,78が第2位置に至った状態では、左固定発光演出装置47、前可動発光演出装置78および後可動発光演出装置77が左右方向に連なる状態となり、前記図柄表示装置13の表示部における左半分を略覆ようになる。この状態で左固定発光演出装置47、前可動発光演出装置78および後可動発光演出装置77の夫々のLED54,91,91を発光させれば、遊技盤26における遊技領域27の左側半分の略全体を発光演出することができる。なお、右側部演出ユニット74においても同様に前後の可動発光演出装置77,78を第2位置に保持したもとで各LED54,91,91を発光させれば、遊技領域27の全体を発光演出することができる。
【0102】
前記前後の可動発光演出装置77,78を第2位置で停止保持している状態で、前記モータ79が逆方向に回転駆動されると、駆動歯車83および従動歯車101が逆方向に回転し、後可動発光演出装置77は第2位置から第1位置に向けて移動する。このとき、前可動発光演出装置78は、自重によって常に第2位置に向けて戻るように重心位置が設定されているから、後可動発光演出装置77が第1位置に向けて移動する際には、前記係合突起100bが係合孔102bの右端部に当接したまま前後の可動発光演出装置77,78が一体的に移動する。そして、前可動発光演出装置78の永久磁石105が金属板106に磁着して該前可動発光演出装置78が第1位置に保持された後は、後可動発光演出装置77のみが移動し、前記後支持部材100の検出片101bが検出手段109で検出されることで前記モータ79が停止制御されて、該後可動発光演出装置77が第1位置に保持される。
【0103】
実施例の遊技盤26では、透明な板部材28の裏側に前記裏ユニットベース45を取付けることで、該ベース45に配設した固定発光演出装置47,48を、板部材28の裏側において遊技領域27に対応して位置させている。すなわち、前記枠状装飾体36の窓口36aの外周囲に、遊技領域27を狭くすることなく大型の固定発光演出装置47,48を配設することができ、インパクトのある発光演出を行ない得る。更に、裏ユニットベース45の裏側に裏ユニットボックス46を取付けることで、該ボックス46に配設した左右の側部演出ユニット73,74を対応する左右の固定発光演出装置47,48の後側に位置させている。各側部演出ユニット73,74は、前後の関係で配設した可動発光演出装置77,78を備えており、両可動発光演出装置77,78は固定発光演出装置47,48の後側に位置しているから、動作により演出を行なう装置の大型化を、遊技領域27を狭くすることなく図り得る。
【0104】
前記固定発光演出装置47,48を裏ユニットベース45に配設すると共に、側部演出ユニット73,74を裏ユニットボックス46に配設しているから、固定発光演出装置47,48および側部演出ユニット73,74を1つの基体に配設する場合に比べ、ベース45やボックス46自体の構成を簡略化することができ、全体として製造コストを低廉に抑えることができる。また、1つの基体に複数の装置を取付ける構成に比べ、固定発光演出装置47,48および側部演出ユニット73,74に対応する裏ユニットベース45および裏ユニットボックス46に対する取付け精度を向上することができ、固定発光演出装置47,48および側部演出ユニット73,74を適正な位置に配置し得る。
【0105】
前記側部演出ユニット73,74では、前後の可動発光演出装置77,78を1つのモータ79で揺動するよう構成したから、部品点数や組付け工数を低減し得ると共に、設置スペースを小さくすることが可能となる。また実施例の側部演出ユニット73,74では、前後の可動発光演出装置77,78の隙間を突起108によって確保するよう構成してあるから、支軸84に吊り下げ(片持ち)される構成であっても、両可動発光演出装置77,78の相対的な移動を円滑に行ない得る。すなわち、可動発光演出装置77,78の円滑な移動を確保したもとで、該演出装置77,78の大型化を図ることができる。また、突起108によって前後の可動発光演出装置77,78の間に隙間を確保しているから、該装置77,78の移動時やパチンコ機10に加わる振動等によって前後の可動発光演出装置77,78のカバー部材85とベース部材86が直接接触するのは防止され、両装置77,78が損傷する等の事態の発生を防ぐことができる。
【0106】
(配線保護対策について)
前記左側部演出ユニット73において、前後の可動発光演出装置77,78の可動用LED基板92,92のソケット92a,92aに一端がプラグ111a,111aを介して接続される左配線111は、前記後取付体81の配線通孔81bおよび裏ユニットボックス46の左第1配線孔110を介して裏側に引き出され、他端が前記上部中継基板112に接続されている。また、裏ユニットボックス46の裏側に引き出された左配線111における前記移動許容部111bは、該ボックス46の裏面に配設されている前記左ケース体113の内部に収容されている(図30参照)。そして、前記可動発光演出装置77,78が左右方向に揺動する際には、左配線111の移動許容部111bが追従して移動することで、ソケット92a,92aとプラグ111a,111aとの接続部に大きな負荷が加わることはなく、ソケット92a,92aからプラグ111a,111aが抜けるのは防止される。このときに、裏ユニットボックス46の裏側に引き出されている左配線111の移動許容部111bは、左ケース体113の内部に収容されて、該移動許容部111bが遊技盤26の外縁から外方に延出するのは規制される。すなわち、移動許容部111bが移動する際に遊技盤26の外縁から延出して中枠側の部品に引っ掛かるのを左ケース体113により防ぐことができるから、可動発光演出装置77,78の動作が左配線111によって阻害されたり、左配線111の前記接続部が外れるのを防止し得る。また、図23または図25に示す如く、前記ソケット92aに接続される左配線111が裏側に引き出される配線通孔81bは、該ソケット92aの上方に位置しており、該ソケット92aの接続口が斜め上方を向く姿勢となっていることから、ソケット92aに接続する左配線111を無理に折曲することなく配線通孔81bまで引き回すことができる。従って、可動発光演出装置77,78が左右方向に揺動する際においても、左配線111におけるソケット92aに接続する近傍において大きな負荷が加わるのをより抑制し得る。
【0107】
実施例の遊技盤26では、前記左側部演出ユニット73は、前記裏ユニットボックス46における上隅部に支軸84を介して揺動自在に配設されているから、該左側部演出ユニット73に配設される可動用LED基板92,92に一端が接続される左配線111については、該裏ユニットボックス46の上隅部から裏側に引き出して処理する必要がある。すなわち、裏側に引き出された左配線111は、裏ユニットボックス46の外縁近傍(遊技盤26の外縁近傍)で引き回されており、前記中枠12に対する遊技盤26の取付け時に左配線111の挟み込みや引っ掛かりを生ずるおそれがある。しかるに、実施例の遊技盤26では、前記裏ユニットボックス46の裏側に引き出された左配線111の移動許容部111bを左ケース体113の内部に収容して、裏ユニットボックス46の外縁から外方に延出しないように構成してあるから、中枠12に対する遊技盤26の取付け時に左配線111の挟み込みや引っ掛かりを防止でき、遊技盤26の取付け作業性を向上し得る。しかも、移動許容部111b自体の移動は、左ケース体113内で許容されているから、前記可動発光演出装置77,78の揺動に支障を来たすこともない。
【0108】
前記左側部演出ユニット73においては、可動発光演出装置77,78の揺動時に移動しないモータ79や検出手段109に一端が接続する他の配線118は、前記裏ユニットボッックス46に形成された前記左第2配線孔119を介して裏側に引き出された後に、前記上部中継基板112に他端が接続されている。すなわち、可動発光演出装置77,78の揺動時に移動する左配線111と移動しない他の配線118との引き回す経路を異ならせることで、左配線111の移動許容部111bが可動発光演出装置77,78の揺動時に移動したときに他の配線118と干渉するのを防止し得る。これにより、左配線111の移動許容部111bと他の配線118が絡まることで移動許容部111bの移動が阻害されてしまうのを防ぐことができる。
【0109】
また、前記左配線111における左ケース体113の内部に臨む部位は、前記裏ユニットボックス46に配設した前記左配線結束片114に結束具を介して結束されており、この結束部から前記導出口113aを介して左ケース体113内から引き出された左配線111が、前記上部中継基板112に一端が接続して下部中継基板112に接続される他の配線115と共に前記係止フック117に係止されている。すなわち、左配線111が他の配線115と纏められる前に左配線結束片114に結束してあるから、前記移動許容部111bの動きが結束部から上部中継基板112までの間の左配線111に作用することはなく、該左配線111が他の配線115に絡まって移動許容部111bの移動の妨げとなるのを防止できる。また、左配線111と他の配線115とを別々に係止する係止フックを設ける必要もないから、構成の簡略化およびコストの抑制に寄与し得る。
【0110】
前記右側部演出ユニット74における配線保護に関する作用については、前記左側部演出ユニット73の場合と基本的には同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。すなわち、右側部演出ユニット74において、可動発光演出装置77,78の揺動時に移動しないモータ79や検出手段109に一端が接続する他の配線124は、図31に示す如く、前記裏ユニットボックス46に形成された前記右第2配線孔125を介して裏側に引き出され、前記右ケース体122の裏面に設けた右係止部122bに係止した後に前記上部中継基板112に他端が接続されている。すなわち、可動発光演出装置77,78の揺動時に移動する右配線121と移動しない他の配線124との引き回す経路を異ならせることで、右配線121の移動許容部121bが可動発光演出装置77,78の揺動時に移動したときに他の配線124と干渉するのを防止し得る。これにより、右配線121の移動許容部121bと他の配線124が絡まることで移動許容部121bの移動が阻害されてしまうのを防ぐことができる。なお、前記裏ユニットボックス46の裏側に引き出された右配線121の移動許容部121bについても、右ケース体122の内部に収容して裏ユニットボックス46の外縁から外方に延出しないように構成してあるから、中枠12に対する遊技盤26の取付け時に右配線121の挟み込みや引っ掛かりを防止でき、遊技盤26の取付け作業性を向上し得る。
【0111】
前記裏ユニットボックス46に配設される左ケース体113の外側には、複数の左係止部113bが形成されており、該左係止部113bは各種の配線を係止するために用いられる。すなわち、左ケース体113は、可動発光演出装置77,78の揺動に伴い移動許容部111bが移動する左配線111の該移動許容部111bを遊技盤26の外縁からはみ出すのを防止する機能だけでなく、各種の配線を係止する機能を有しているから、各種の配線を係止ためだけの係止片を裏ユニットボックス46に設ける場合に比べて該ボックス46の構造を簡略化し得る。また、裏ユニットボックス46に対する各種電気部品の配設位置の変更や増加に伴い、配線が引き回される可能性の高い左ケース体113には、予め複数箇所に左係止部113bを形成してあるから、設計変更に際してケース体自体を交換することなく対応し得る。
【0112】
(可動発光演出装置の発光演出について)
前記図柄変動ゲームの演出に応じて発光演出される前記前後の可動発光演出装置77,78の作用は同一であるので、後可動発光演出装置77の作用について説明する。すなわち、後可動発光演出装置77に配設されている前記可動用LED基板92のLED91を発光させると、該光は前記可動用光透過部材89の屈折部95の裏面に向けて照射される。屈折部95に入射された光は、該屈折部95の台形状に形成された突部95aの傾面から屈折されて外部に射出され、この光が前記可動用装飾カバー部材85に設けた主副の反射部93,93および前壁85aの裏面で反射して屈折部95に戻る。そして、屈折部95に再び入射された光は、前記本体部89aに導入されて板面に沿って進み、該本体部89aの裏面に臨む可動用反射シート90および可動用ベース部材86の側壁86b内面等の反射面で反射されて、当該本体部89aの光拡散処理が施されていない前面から前方に射出される。前方に射出された光は、前記可動用透明部材88を介して可動用装飾カバー部材85の光透過部85cを裏側から照明する。
【0113】
前記後可動発光演出装置77における可動用LED基板92は、図29に示す如く、可動用装飾カバー部材85の前壁85aと平行に延在するように配設してあるから、該カバー部材85の裏側に必要とされる可動用LED基板92の配設スペースを小さくすることができ、後可動発光演出装置77の薄型化を図り得る。また、各可動用LED基板92のLED91から照射される光を、屈折部95で屈折し、主副の反射部93,94等で更に反射させて屈折部95に戻した後に、可動用装飾カバー部材85と平行に延在する可動用透過部材89の本体部89aに端部側から導入するようにしたから、該本体部89aに対する光の入射角度がランダムとなり本体部89a内で光が全体に広がり、少ないLED91により可動用装飾カバー部材85の全体を照明することができる。すなわち、後可動発光演出装置77の薄型化を図ったもとで、可動用装飾カバー部材85の全体を少ないLED91により照明し得る。
【0114】
前記各LED91の光を可動用光透過部材89の本体部89aに導入し、該本体部89aの広い面(前面)から射出しているから、LED91からの光が可動用装飾カバー部材85の光透過部85cで点光となって表われることはなく、演出効果が損なわれることはない。また、可動用光透過部材89の本体部89aの裏面には光拡散処理が施されているから、該本体部89aに導入された光を拡散させることができ、LED91からの光が線状となって表われるのを抑制し得る。
【0115】
前記後可動発光演出装置77では、可動用発光透過部材89および可動用LED基板92を、図29に示す如く、可動用装飾カバー部材85と可動用ベース部材86との間に画成される空間87に収容しているから、可動用LED基板92のLED91から照射される光を裏側に漏らすことなく可動用装飾カバー部材85の光透過部85cを効率的に照明し得る。但し、可動用LED基板92が配設される側の壁に第1の放熱口98を形成しているから、空間87内に熱がこもるのを防止することができる。また可動用LED基板92の裏面に配設される抵抗97に対応して可動用ベース部材86に第2の放熱口99が形成してあるから、抵抗97の発熱を抑制して故障するのを防止し得る。
【0116】
前記後可動発光演出装置77での発光演出に際し、前記可動用LED基板92に配設される複数のLED91は、その並び順に段階的に発光の変化を行なうよう制御される。この場合に、前述したように各LED91からの光を、可動用光透過部材89の本体部89aに対して屈折部95を介して端部から導入して、該本体部89aの全体が発光(面発光)するよう構成しているから、隣り合うLED91,91の発光による境界が分り難く、可動用装飾カバー部材85の光透過部85cを境目のない流れるような光のグラデーションで発光演出することができ、発光演出効果を向上し得る。
【0117】
前記可動用LED基板92の複数のLED91は相互に一定間隔で離間し、かつ屈折部95に対して一定間隔で離間するよう設定されているから、各LED91から屈折部95に照射される光の条件は同じとなり、可動用LED基板92における各LED91の光によるグラデーションはより境目のないものとして表現し得る。また、可動用光透過部材89における本体部89aの裏面には光拡散処理が施されているから、グラデーションによる発光演出を行なう際には、LED91からの光がより拡散され、むらなくグラデーションを表現することができる。更に、実施例では可動用光透過部材89における本体部89aの裏面を覆う可動用反射シート90の前面に、光の照射角度によって色の見え方が変わる処理を施しているから、本体部89aに対して屈折部95を介して導入される光の入射角度が様々となることと相俟って、単色のLEDを用いた場合でもカラフルな発光演出ができる。すなわち、発光演出に要するコストを低廉に抑えることができる。
【0118】
前記側部演出ユニット73,74を構成する前後の可動発光演出装置77,78は、可動用LED基板92を可動用装飾カバー部材85と平行に配置すると共に、可動用光透過部材89の本体部89aに対して屈折部95を介して端部から可動用LED基板92のLED91の光を導入するよう構成することで夫々の薄型化が図られているから、2つの可動発光演出装置77,78を前後に重なる関係で配設しても、全体の前後寸法を小さく抑えることができる。また実施例では、側部演出ユニット73,74の前側に配設される固定発光演出装置47,48についても同様の薄型化が図られているから、固定発光演出装置47,48、複数の可動発光演出装置77,78を前後の関係で重なるように配設しても、遊技盤自体の厚み寸法を小さく抑えることができる。
【0119】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
【0120】
(1) 実施例では、発光演出装置において、光透過部材における本体部の端部に屈折部を設け、該屈折部で屈折した光を本体部に端部側から導入するよう構成したが、例えば図35の構成を採用することができる。すなわち、発光演出装置の本体が、光を透過可能な光透過部を形成したカバー部材126と、該カバー部材126の裏側に組付けられる非光透過性のベース部材127とで構成され、両部材126,127の間に内部画成される空間128に、透明な板状の光透過部材129がカバー部材126と平行に収容される。また、ベース部材127の一端部には前後方向に開口する開口部127aが形成されると共に、該開口部127aの裏側を塞ぐようにしてLED基板130がカバー部材126と平行に配設される。このLED基板130の前側を向く実装面には、開口部127aに臨むLED(発光体)131が配設される。
【0121】
前記空間128には、ベース部材127の開口部127aと対応する位置に、前記LED131から前方に向けて照射される光を、光透過部材129の他端部側に向けて反射する反射部材132が、光透過部材129の端面に沿って配設されている。この反射部材132は、非光透過性の樹脂材料から開口部127aと略同じ長さ寸法に形成され、反射部材132には、ベース部材127の開口部127aを指向する面が、開口部127aから離間するにつれて前方に向けて他端部側に傾斜するよう形成されて、この傾斜面が反射面132aとなっている。反射面132aは、LED131の前側に臨んでおり、該LED131から反射面132aに向けて照射される光は、該反射面132aにおいて光透過部材129の他端部側に向けて反射されるよう構成してある。
【0122】
すなわち、前記LED131を発光させると、該光は光透過部材129を透過して反射部材132の反射面132aに至り、該反射面132aで反射した光が、光透過部材129に端面から導入される。そして、光透過部材129に導入された光は、該光透過部材129の板面に沿って他端部側に進み、ベース部材127の内面(反射面)で反射されて、当該光透過部材129における光を反射する処理を施していない前面から前方に射出され、前記カバー部材126の光透過部を裏側から照明する。
【0123】
この変更例においても、前記LED基板131は、カバー部材126と平行に延在するように配設してあるから、カバー部材126の裏側に必要とされるLED基板131の配設スペースを小さくすることができ、発光演出装置の薄型化を図り得る。また、LED131から照射される光を、反射部材132の反射面132aでカバー部材126と平行に延在する光透過部材129に端面側から導入するようにしたから、該光透過部材129内で光が全体に広がり、少ないLED131によりカバー部材126の全体を照明することができる。すなわち、発光演出装置の薄型化を図ったもとで、カバー部材126の全体を少ないLED131により照明し得る。
【0124】
(2) 実施例では、固定発光演出装置の後側に2つの可動発光演出装置を配設したが、可動発光演出装置は1つまたは3つ以上であってもよい。
(3) 実施例では、裏ユニットを、裏ユニットベースと裏ユニットボックスとで構成した場合で説明したが、裏ユニットボックスのみから裏ユニットを構成したものであってもよい。すなわち、裏ユニットベースに配設される各種装置の設置部を裏ユニットボックスに設けることで対応し得る。
(4) 実施例では、側部演出ユニットにおける前後の可動発光演出装置を、係合突起と係合孔との係合作用により連動するよう構成したが、両可動発光演出装置を連動する手段は、これに限らずリンク機構等、他の手段を用いることができる。
(5) 実施例では、前後の可動発光演出装置の対向面間に突起により隙間を設けるようにしたが、ベアリング等の回転する手段により隙間を設けることで、よりスムーズな移動を図ることができる。
(6) 実施例では、前後の可動発光演出装置のLED基板に接続する左右の配線の移動許容部をケース体に収容するよう構成したが、移動許容部が遊技盤の外縁側からはみ出すのを防止し得るものであれば、裏ユニットの裏面から突出する壁部であってもよい。すなわち、配線の移動許容部の移動を許容すると共に、遊技盤の外縁側からのはみ出しを防止し得るものであればよい。
(7) 実施例の左ケース体では、上部および左側部に左係止部を形成したが、図36に示す如く、右側部にも第2の左係止部133を形成し、該左係止部133によって前記上部中継基板112に一端が接続される他の配線115を係止する構成を採用し得る。
(8) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
26 遊技盤
28 板部材(透明板)
28a 貫通口(開口部)
36 枠状装飾体
39 接触部
41 可動接触体
43 ネジ(調節手段)
44 圧縮コイルバネ(弾性部材)
45 裏ユニットベース
47 左固定発光演出装置(発光装置)
48 右固定発光演出装置(発光装置)
52 固定用装飾カバー部材(装飾カバー部材)
54 LED
55 第1の固定用LED基板(LED基板)
66 アース部材
134 第2の固定用LED基板(LED基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明板の裏面に裏ユニットベースを取り付けた遊技盤を備える遊技機において、
前記透明板と裏ユニットベースとの間に配設され、LEDを実装したLED基板を備える発光装置と、
前記LED基板の前側を覆う導電性を有する装飾カバー部材と、
前記装飾カバー部材に電気的に接続し、外部アース部に電気的に接続するアース部材と、
前記透明板に形成された開口部に嵌め合わされ、前記装飾カバー部材の前側に臨む導電性を有する枠状装飾体と、
前記枠状装飾体の裏側に配設され、前記装飾カバー部材に接触して該装飾カバー部材と枠状装飾体とを電気的に接続する接触部とを備える
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記装飾カバー部材における前記接触部との対向面は平坦に形成される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記接触部は、前記枠状装飾体に接触状態を維持して前後方向に進退自在に配設された可動接触体と、該可動接触体を常には前記装飾カバー部材に接触する方向に付勢する弾性部材とから構成される請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記接触部は、前記可動接触体の前記装飾カバー部材からの突出寸法を調節する調節手段を備える請求項3記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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