説明

遊技機

【課題】抽選を行う制御手段の構成を好適なものとすることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御装置60のMPU62では、遊技領域に設けられた上作動口への入賞に基づき取得された保留情報を利用して、大当たり抽選を行い、さらに大当たり当選となった場合には、大当たり結果の種類を振り分けるための振分抽選を行う。この場合、大当たり抽選に際しては大当たり乱数カウンタにより順次更新される数値情報が利用され、振分抽選に際しては大当たり種別カウンタにより順次更新される数値情報が利用される。そして、それら抽選結果を特図表示装置33の表示制御を通じて報知する。この場合に、大当たり種別カウンタから取得される数値情報は複数のビットにより構成されており、当該複数のビットのうち一部のビットを利用して特図表示装置33の表示態様が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種としてパチンコ遊技機等の遊技機が知られている。かかる遊技機は、CPUなどの制御手段にて、更新手段により更新された数値情報の取得を通じて抽選を行うとともにその抽選結果に応じた処理を実行することで、遊技を進行させる。
【0003】
例えば作動口への入球を条件に取得した数値情報を用いて当たり外れの抽選を行い、この抽選結果を表示装置などによって報知した上、当選の場合には大入賞口を開放するなどの特別遊技状態が繰り広げられる構成が知られている。また、特別遊技状態が終了した後の遊技状態の内容を、上記抽選とは別の抽選により決定する構成や、上記表示装置における演出の内容を、上記抽選とは別の抽選により決定する構成も知られている。
【0004】
上記のような数値情報の更新を行うための構成として、例えば数ms単位といった極微小な時間単位で+1ずつ更新され、最大値までくると最小値に戻される乱数カウンタを用いる構成が知られている。例えば、乱数カウンタが0〜599であったとすれば、数値情報が0から始まり、599にくると0に戻されるようになっている。そして、例えば上記のように当たり外れの抽選に乱数カウンタが利用される場合、作動口へ入球したタイミングによって乱数カウンタから取得した数値情報が、予め定めた当たり対応の数値情報である場合に当選として処理されるのである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−245455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記遊技機においては、遊技の興趣向上を図るべく、例えば抽選の仕方や、抽選結果の報知態様などが複雑化する傾向にある。この場合に、情報を記憶するためのメモリの記憶容量が極端に増大化してしまうことや回路構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくなく、同様に、制御手段のソフト構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくない。
【0007】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、抽選を行う制御手段の構成を好適なものとすることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0009】
請求項1記載の発明は、数値情報を更新する更新手段と、
予め定められた条件が成立した場合に、前記更新手段により更新された数値情報を取得する取得手段と、
当該取得手段により取得された数値情報を利用して、第1の決定を行う第1決定手段と、
を備えた遊技機において、
前記数値情報は、複数のビットにより構成されており、
前記取得手段により取得された数値情報の一部のビットにより表される数値情報を利用して、第2の決定を行う第2決定手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、抽選を行う抽選手段の構成を好適なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】(a)遊技盤の構成を示す正面図であり、(b)特図表示装置を説明するための正面図である。
【図3】(a)〜(j)図柄表示装置における表示内容を説明するための説明図である。
【図4】(a),(b)図柄表示装置における表示内容を説明するための説明図である。
【図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【図7】(a)低確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図であり、(b)高確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図である。
【図8】(a)第1振分テーブルを説明するための説明図であり、(b)第2振分テーブルを説明するための説明図である。
【図9】各種遊技結果の内容を説明するための説明図である。
【図10】各種遊技結果の内容を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】主制御装置のMPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図12】主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図13】主制御装置のMPUにて実行される大当たり種別更新処理を示すフローチャートである。
【図14】主制御装置のMPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【図15】主制御装置のMPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。
【図16】(a)格納エリアを説明するための説明図であり、(b)第1抽出エリア及び第2抽出エリアを説明するための説明図であり、(c)停止結果テーブルを説明するための説明図であり、(d)特図表示装置の表示態様を説明するための説明図である。
【図17】主制御装置のMPUにて実行される大当たり結果用の停止結果設定処理を示すフローチャートである。
【図18】主制御装置のMPUにて実行される特図変動中処理を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態における主制御装置のMPUにて実行される特図変動中処理を示すフローチャートである。
【図20】(a)第3の実施形態における主制御装置のMPUにて実行される大当たり結果用の停止結果設定処理を示すフローチャートであり、(b)第1テーブルを説明するための説明図であり、(c)第2テーブルを説明するための説明図である。
【図21】(a),(b)特図表示部の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
【0013】
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
【0014】
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
【0015】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0016】
内枠には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2(a)は遊技盤20の正面図であり、図2(b)は遊技盤20に設けられた特図表示装置33を説明するための正面図である。
【0017】
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口(第1始動入球部)23、下作動口(第2始動入球部)24、スルーゲート25、可変表示ユニット26、特図表示装置33及び普図表示装置34等がそれぞれ設けられている。
【0018】
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0019】
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0020】
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。
【0021】
電動役物24aは遊技盤20の背面側に搭載された電動役物駆動部24bに連結されており、当該電動役物駆動部24bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物24aの閉鎖状態では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態となることで下作動口24への入賞が可能となる。
【0022】
なお、これに限定されず、下作動口24への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物24aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物24aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口24自身の変位により行われる構成としてもよい。
【0023】
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口(図示略)を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉22aを備えている。開閉扉22aは可変入賞装置22として一体的に設けられた可変入賞駆動部(図示略)に連結されており(連結箇所については図示略)、当該可変入賞駆動部により駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れとなった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。
【0024】
特図表示装置33及び普図表示装置34は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル53と対向しており、さらに窓パネル53との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0025】
装飾部材39の前面から露出するようにして特図表示装置33及び普図表示装置34が設けられている。つまり、特図表示装置33及び普図表示装置34は、前扉枠14の窓パネル53を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示装置33,34の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0026】
特図表示装置33について、図2(b)を用いて詳細に説明する。
【0027】
図2(b)に示すように、特図表示装置33は、複数のセグメント表示器43〜46を備えている。各セグメント表示器43〜46は、それぞれ複数(具体的には8個)の表示用セグメント(例えばセグメント表示器44について47a〜47h)を備えている。これら表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示器43〜46では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。
【0028】
各セグメント表示器43〜46は同一の表示器であり、各セグメント表示器43〜46には、同一の大きさ及び同一の形で所定の記号を表示することができるように各表示用セグメントが配置されている。一のセグメント表示器43について具体的には、第1〜第7表示用セグメント47a〜47gは、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1〜第7表示用セグメント47a〜47gは、数字の「1」〜「9」やアルファベットの「F」,「H」等を表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメント47hは、円形状の表示用セグメントであり、第1〜第7表示用セグメント47a〜47gが設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、セグメント表示器43では、「1」〜「9」及び「F」,「H」と、「1.」〜「9.」及び「F.」,「H.」と、を少なくとも表示することができる。
【0029】
複数のセグメント表示器43〜46は、特図表示装置33の前面において上下2段となるように配置されているとともに、上段及び下段においてそれぞれ横並びで2個ずつ配置されている。上段に配置されている2個のセグメント表示器43,44は、上作動口23への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を報知するための第1特図表示部41を構成している。つまり、第1特図表示部41は、複数の単位表示部(具体的には、一の表示用セグメント)を有する第1特図側の第1表示領域(具体的には、一のセグメント表示器43により形成される表示領域)と、同じく複数の単位表示部(具体的には、一の表示用セグメント)を有する第1特図側の第2表示領域(具体的には、一のセグメント表示器44により形成される表示領域)と、を有している。
【0030】
一方、下段に配置されている2個のセグメント表示器45,46は、下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を報知するための第2特図表示部42を構成している。つまり、第2特図表示部42は、複数の単位表示部(具体的には、一の表示用セグメント)を有する第2特図側の第1表示領域(具体的には、一のセグメント表示器45により形成される表示領域)と、同じく複数の単位表示部(具体的には、一の表示用セグメント)を有する第2特図側の第2表示領域(具体的には、一のセグメント表示器46により形成される表示領域)と、を有している。
【0031】
第1特図表示部41では、上作動口23への入賞をトリガとして各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口23への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部41を構成する複数のセグメント表示器43,44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
【0032】
第2特図表示部42では、下作動口24への入賞をトリガとして各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部42を構成する複数のセグメント表示器45,46にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
【0033】
なお、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、対応する特図表示部41,42において変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回として以下の説明を行う。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の特図表示部が設けられ、いずれの作動口23,24への入賞が発生したとしてもその単一の特図表示部において変動表示が行われる構成においては、当該単一の特図表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
【0034】
複数のセグメント表示器43〜46は、表示面とは反対側から、図示しない表示器用基板上に搭載されている。当該表示器用基板は後述する主制御装置と電気配線を通じて電気的に接続されており、主制御装置から表示器用基板に駆動信号が出力されることで、各セグメント表示器43〜46の各表示用セグメントが個別に点灯される。
【0035】
普図表示装置34は、図示による詳細な説明は省略するが、特図表示装置33と同様にセグメント表示器を有しており、当該セグメント表示器には普図表示部が設けられている。普図表示部は、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための表示部である。この場合、普図表示部では、スルーゲート25への入賞をトリガとして、各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
【0036】
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置31が設けられているとともに、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
【0037】
図柄表示装置31では、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特図表示部41において絵柄の変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において図柄の変動表示が行われるとともに、第2特図表示部42において絵柄の変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において図柄の変動表示が行われる。
【0038】
図柄表示装置31の表示内容について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3は図柄表示装置31にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図4は図柄表示装置31の表示面Pを示す図である。
【0039】
図3(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【0040】
図4(a)に示すように、図柄表示装置31の表示面Pには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
【0041】
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
【0042】
図4(b)に示すように、表示面Pは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Pには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
【0043】
上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて表示面Pにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
【0044】
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、最有利大当たり結果とは異なる結果であって開閉実行モードへの移行に対応した遊技回であれば、同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが、通常外れ結果の場合に選択されない図柄の組み合わせが形成される。
【0045】
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
【0046】
センターフレーム32の前面側における左上部分には、図2(a)に示すように、第1特図表示部41及び図柄表示装置31に対応した第1保留ランプ部35が設けられている。遊技球が上作動口23に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム32の前面側における右上部分には、第2特図表示部42及び図柄表示装置31に対応した第2保留ランプ部36が設けられている。遊技球が下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0047】
センターフレーム32の前面側における下部には、普図表示装置34の普図表示部に対応した第3保留ランプ部37が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部37の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部35〜37が図柄表示装置31の一部で表示される構成等であってもよい。
【0048】
遊技盤20には、内レール部50aと外レール部50bとが取り付けられており、これら内レール部50aと外レール部50bとにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル51が操作されることにより遊技球の発射動作を行う。
【0049】
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部52が形成されている。窓部52は、略楕円形状をなし、窓パネル53が嵌め込まれている。窓パネル53は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置31の表示面P、特図表示装置33及び普図表示装置34などは、パチンコ機10前方から窓パネル53を介して視認可能となっている。
【0050】
窓部52の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部54が窓部52の上方に設けられている。また、表示ランプ部54の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部55が設けられている。
【0051】
前扉枠14における窓部52の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿56a及び下皿57aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
【0052】
内枠の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
【0053】
<パチンコ機10の電気的構成>
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0054】
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。なお、主制御装置60において主制御基板61などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
【0055】
主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、ROM63及びRWM64が内蔵されている。
【0056】
ROM63は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM63は、MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【0057】
RWM64は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM63よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM64は、ROM63内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
【0058】
また、MPU62又は主制御基板61には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU62に対してROM63及びRWM64が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の制御装置についても同様である。
【0059】
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65及び払出制御装置70が接続されている。この場合に、停電監視基板65には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置80が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。
【0060】
また、MPU62の入力側には、各種入賞検知センサ67a〜67eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ67a〜67eには、一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU62において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU62では上作動口23及び下作動口24への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
【0061】
MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置70及び音声発光制御装置90が接続されている。払出制御装置70には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
【0062】
音声発光制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、音声発光制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置60と電気的に接続されている。
【0063】
また、MPU62の出力側には、可変入賞装置22の開閉扉22aを開閉動作させる可変入賞駆動部22b、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、特図表示装置33及び普図表示装置34が接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0064】
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置22の大入賞口が開閉されるように、MPU62において可変入賞駆動部22bの駆動制御が実行される。また、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU62において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU62において特図表示装置33の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において普図表示装置34の表示制御が実行される。
【0065】
停電監視基板65は、主制御基板61と電源及び発射制御装置80とを中継し、また電源及び発射制御装置80から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置70は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置71により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0066】
電源及び発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置80にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60のRWM64に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置80は遊技球発射機構81の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構81は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0067】
音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信したコマンドに基づき、各種ランプ部35,36,54やスピーカ部55を駆動制御するとともに、表示制御装置100にコマンドを送信する。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置31の表示面Pにおける画像の表示を制御する。
【0068】
<主制御装置60のMPU62にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置60のMPU62にて各種抽選を行うための電気的な構成について図6を用いて説明する。
【0069】
MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示装置33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、普図表示装置34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値カウンタCN1と、大当たり種別カウンタC2の初期値設定に使用する第2初期値カウンタCN2と、特図表示装置33及び図柄表示装置31における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CN1,CN2,CS,C4は、RWM64の各種カウンタエリア64bに設けられている。
【0070】
各カウンタC1〜C3,CN1,CN2,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。このうち大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、RWM64に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア64aに格納される。
【0071】
保留球格納エリア64aは、第1取得情報記憶手段として設けられた第1特図用保留エリアRaと、第2取得情報記憶手段として設けられた第2特図用保留エリアRbと、実行エリアAEとを備えている。
【0072】
第1特図用保留エリアRaは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3及び第4エリアRa4を備えており、上作動口23への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra4に格納される。この場合、第1エリアRa1〜第4エリアRa4には、上作動口23への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアRa1〜Ra4が設けられていることにより、上作動口23への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0073】
第2特図用保留エリアRbは、第1エリアRb1、第2エリアRb2、第3エリアRb3及び第4エリアRb4を備えており、下作動口24への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかのエリアRb1〜Rb4に格納される。この場合、第1エリアRb1〜第4エリアRb4には、下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアRb1〜Rb4が設けられていることにより、下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0074】
実行エリアAEは、第1特図表示部41の変動表示を開始する際、又は第2特図表示部42の変動表示を開始する際に、第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各数値情報を移動させるためのエリアである。1遊技回の開始に際しては、実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【0075】
上記各カウンタについて詳細に説明する。先ず、電動役物開放カウンタC4について説明する。
【0076】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRWM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【0077】
ここで、本パチンコ機10では、電動役物24aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の電動役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0078】
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選において電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示装置34における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
【0079】
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0080】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき普図表示装置34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0081】
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。
【0082】
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値カウンタCN1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、第1初期値カウンタCN1は、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRWM64の保留球格納エリア64aに格納される。
【0083】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブルとして記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図7を用いて説明する。図7に示すように、当否テーブルとしては、図7(a)の低確率モード用の当否テーブルと、図7(b)の高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
【0084】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図7(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図7(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
【0085】
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
【0086】
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果(小当たり結果)と、通常外れ結果との2種類が設定されている。特別外れ結果及び通常外れ結果はいずれも当否抽選モードやサポートモードの移行契機とはならないが、特別外れ結果が開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、通常外れ結果は開閉実行モードへの移行契機とはならない。
【0087】
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜1023の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。また、大当たり種別カウンタC2が1周した場合、その時点の第2初期値カウンタCN2の値が当該大当たり種別カウンタC2の初期値として読み込まれる。なお、第2初期値カウンタCN2は、大当たり種別カウンタC2と同様のループカウンタである(0〜1023)。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRWM64の保留球格納エリア64aに格納される。
【0088】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM63における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図8を用いて説明する。
【0089】
各大当たり結果は、(1)開閉実行モードに係る内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードに係る内容、及び(3)開閉実行モード修了後のサポートモードに係る内容という3つの内容のうち少なくとも1の内容を相違させて、複数種類設定されている。
【0090】
上記(1)の開閉実行モードに係る内容について詳細には、本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードと、ラウンド遊技が設定されておらず、可変入賞装置22の開閉回数が上限回数となることに基づき終了される開閉数規定モードと、が設定されている。ラウンド数規定モードにはいずれかの大当たり結果となったことに基づき移行し、開閉数規定モードには特別外れ結果となったことに基づき移行する。ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置22に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。
【0091】
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置22の1回の開放態様が、可変入賞装置22が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が最長時間である30secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記最長時間よりも短い中間時間である20secに設定された中時間態様と、開放継続時間が上記中間時間よりも短い最短時間である0.17secに設定された短時間態様と、が設定されている。
【0092】
ここで、本パチンコ機10では、発射ハンドル51が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。また、ラウンド遊技は、終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様及び中時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様又は中時間態様で可変入賞装置22の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置22に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置22の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置22への入賞が発生しない又は発生するとしても1個若しくは2個程度となることが期待される。
【0093】
大当たり結果として、通常大当たり結果A(又は突然通常大当たり結果A)、通常大当たり結果B(又は突然通常大当たり結果B)、非明示確変大当たり結果A(又は潜伏確変大当たり結果A)、非明示確変大当たり結果B(又は潜伏確変大当たり結果B)、明示確変大当たり結果A(又は突然確変大当たり結果A)、明示確変大当たり結果B(又は突然確変大当たり結果B)、明示確変大当たり結果C(又は突然確変大当たり結果C)、及び最有利大当たり結果が設定されている。これら大当たり結果の内容について、図9及び図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、各種大当たり結果の内容に加えて特別外れ結果の内容についても説明する。図9及び図10は各種遊技結果の内容を説明するための説明図である。また、図10ではラウンド数規定モードの各ラウンド遊技において可変入賞装置22への上限個数の遊技球の入賞が発生しない場合を示している。
【0094】
図9及び図10(a)に示すように、通常大当たり結果A及び非明示確変大当たり結果Aでは、9回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。これらラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、短時間態様での開放継続時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。また、連続するラウンド遊技間の時間は、固定待機時間として1secに設定されている。当該開閉実行モードでは、短時間態様でのみ可変入賞装置22の開閉が行われ、その回数は9回であり、可変入賞装置22の開閉の総回数は9回である。
【0095】
図9及び図10(b)に示すように、特別外れ結果では、ラウンド数規定モードではなく開閉数規定モードに移行し、短時間態様による9回の可変入賞装置22の開閉が行われる。また、可変入賞装置22が開放状態から閉鎖状態となり、再度開放状態となるまでの時間は、上記固定待機時間と同一となっている。当該開閉実行モードでは、短時間態様でのみ可変入賞装置22の開閉が行われ、その回数は9回であり、可変入賞装置22の開閉の総回数は9回である。
【0096】
ここで、図10(a)及び図10(b)に示すように、通常大当たり結果A及び非明示確変大当たり結果Aにおける見た目上の開閉態様は、特別外れ結果を契機とした場合と同様である。また、通常大当たり結果A及び非明示確変大当たり結果Aはラウンド数規定モードであるのに対して、特別外れ結果は開閉数規定モードであるが、本パチンコ機10では、ラウンド数規定モードであることを示す専用の表示部や、ラウンド遊技が行われる回数を示す専用の表示部は設けられていない。
【0097】
また、図9に示すように、通常大当たり結果A、非明示確変大当たり結果A及び特別外れ結果となる遊技回において図柄表示装置31には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開閉実行モード中の演出も共通している。さらにまた、通常大当たり結果A、非明示確変大当たり結果A及び特別外れ結果のいずれかが発生した場合にはそれまでのサポートモードが継続される。つまり、通常大当たり結果A、非明示確変大当たり結果A及び特別外れ結果のいずれかが発生した場合には、可変入賞装置22、電動役物24a及び図柄表示装置31の態様からはいずれの遊技結果であるかを特定することができない。よって、図10(a)又は図10(b)に示す態様で開閉実行モードが行われた場合には、遊技者は当否抽選モードが低確率モード若しくは高確率モードに設定されるのか、又は当否抽選モードの移行が発生しないのかを予測しながら遊技を行うことができる。なお、以下の説明では、図10(a)及び図10(b)に示す態様の開閉実行モードをパターンAの開閉実行モードともいう。
【0098】
図9及び図10(c)に示すように、通常大当たり結果B及び非明示確変大当たり結果Bでは、9回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、開始タイミングから連続する1R目及び2R目のそれぞれのラウンド遊技において、短時間態様による5回の可変入賞装置22の開閉が行われる。つまり、1回のラウンド遊技において可変入賞装置22の開閉が複数回行われる。換言すれば、1回のラウンド遊技において、可変入賞装置22が開放状態から閉鎖状態となり、それに続けて再度開放状態となるという現象が少なくとも1回発生する。この場合、1回のラウンド遊技の範囲内において可変入賞装置22が開放状態から閉鎖状態となり、再度開放状態となるまでの時間は、上記固定待機時間と同一となっている。したがって、1R目及び2R目における各ラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、各短時間態様での開放継続時間と、各固定待機時間との和の時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。
【0099】
また、3R目〜9R目の各ラウンド遊技においては、長時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。これらラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、長時間態様での開放継続時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。また、1R目と2R目との間の時間を含めて、連続するラウンド遊技間の時間も、上記固定待機時間と同一となっている。
【0100】
当該開閉実行モードでは、最初に短時間態様での可変入賞装置22の開閉が10回行われ、その後に長時間態様での可変入賞装置22の開閉が7回行われるため、可変入賞装置22の開閉の総回数は17回である。
【0101】
図9に示すように、明示確変大当たり結果Bでは、通常大当たり結果B及び非明示確変大当たり結果Bの場合と、開閉実行モードの見た目上の態様が概ね一致している。但し、通常大当たり結果B及び非明示確変大当たり結果Bの場合では1R目及び2R目のそれぞれにおいて短時間態様での開閉が5回行われるが、当該明示確変大当たり結果Bの場合では1R目において短時間態様での開閉が9回行われ、2R目において短時間態様での開閉が1回行われる。すなわち、開始タイミングから連続する短時間態様での開閉回数は同一であるが、1R目のラウンド遊技に対して割り当てられている短時間態様での開閉回数は明示確変大当たり結果Bの場合の方が多くなっている。
【0102】
ここで、通常大当たり結果B及び非明示確変大当たり結果Bにおける開閉態様は、明示確変大当たり結果Bを契機とした場合と基本的に同様である。また、通常大当たり結果B及び非明示確変大当たり結果Bでは、1R目及び2R目のそれぞれにおいて、短時間態様での可変入賞装置22の開閉が5回行われるのに対して、明示確変大当たり結果Bでは1R目に短時間態様での可変入賞装置22の開閉が9回行われるとともに2R目に短時間態様での可変入賞装置22の開閉が1回行われるが、少なくとも1R目及び2R目については現状のラウンド遊技が何ラウンド目であるかが報知されない。
【0103】
また、図9に示すように、通常大当たり結果B、非明示確変大当たり結果B及び明示確変大当たり結果Bとなる遊技回において図柄表示装置31には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開閉実行モード中の演出も共通している。よって、図10(c)に示す態様で開閉実行モードが行われた場合には、遊技者は当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれに設定されるのかを予測しながら遊技を行うことができる。なお、以下の説明では、図10(c)に示す態様の開閉実行モードをパターンBの開閉実行モードともいう。
【0104】
図9及び図10(d)に示すように、明示確変大当たり結果Aでは、9回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、開始タイミングから連続する1R目〜5R目のそれぞれのラウンド遊技において、短時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。これらラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、短時間態様での開放継続時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。また、6R目〜9R目の各ラウンド遊技においては、長時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。これら各ラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、長時間態様での開放継続時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。また、連続するラウンド遊技間の時間も、上記固定待機時間と同一となっている。
【0105】
当該開閉実行モードでは、最初に短時間態様での可変入賞装置22の開閉が5回行われ、その後に長時間態様での可変入賞装置22の開閉が4回行われるため、可変入賞装置22の開閉の総回数は9回である。なお、以下の説明では、図10(d)に示す態様の開閉実行モードをパターンCの開閉実行モードともいう。
【0106】
図9及び図10(e)に示すように、明示確変大当たり結果Cでは、1R目のラウンド遊技において、短時間態様による18回の可変入賞装置22の開閉が行われた後に、中時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。つまり、1回のラウンド遊技において可変入賞装置22の開閉が複数回行われるだけでなく、1回のラウンド遊技中に異なる種類の開放態様で可変入賞装置22の開閉が行われる。この場合、1回のラウンド遊技の範囲内において可変入賞装置22が開放状態から閉鎖状態となり、再度開放状態となるまでの時間は、上記固定待機時間と同一となっている。したがって、当該ラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、各短時間態様での開放継続時間と、中時間態様での開放継続時間と、各固定待機時間と、の和の時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。ちなみに中時間態様による可変入賞装置22の開放継続時間は20secであるため、当該1R中にラウンド遊技の一終了条件である上限個数の遊技球の入賞が発生する可能性は高い。
【0107】
また、2R目〜9R目の各ラウンド遊技においては、長時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。これら各ラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、長時間態様での開放継続時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。また、連続するラウンド遊技間の時間も、上記固定待機時間と同一となっている。
【0108】
当該開閉実行モードでは、最初に短時間態様での可変入賞装置22の開閉が18回行われ、それに続けて中時間態様での可変入賞装置22の開閉が1回行われ、さらにその後に長時間態様での可変入賞装置22の開閉が8回行われるため、可変入賞装置22の開閉の総回数は27回である。なお、以下の説明では、図10(e)に示す態様の開閉実行モードをパターンDの開閉実行モードともいう。
【0109】
図9に示すように、最有利大当たり結果では、9回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の可変入賞装置22の開閉が行われる。これらラウンド遊技の一終了条件である上限継続時間は、長時間態様での開放継続時間と同一又はそれよりも若干長い程度となる。また、連続するラウンド遊技間の時間は、上記固定待機時間と同一となっている。当該開閉実行モードでは、長時間態様でのみ可変入賞装置22の開閉が行われ、その回数は9回であり、可変入賞装置22の開閉の総回数は9回である。
【0110】
ここで、パターンAの開閉実行モードが実行された場合及びパターンBの開閉実行モードが実行された場合のいずれにおいても、当否抽選モードとして高確率モードが設定されることがあるとともに、低確率モードが設定されることがある。但し、パターンAの開閉実行モードの契機となる各種遊技結果のうち非明示確変大当たり結果Aが選択される確率よりも、パターンBの開閉実行モードの契機となる各種大当たり結果のうち非明示確変大当たり結果B及び明示確変大当たり結果Bのいずれかが選択される確率が高く設定されている。したがって、パターンBの開閉実行モードが実行された場合には、パターンAの開閉実行モードが実行された場合よりも、当否抽選モードが高確率モードとなることを期待しながら遊技を行うことができる。
【0111】
特に、図10(a)〜図10(c)に示すように、パターンAの場合及びパターンBの場合のいずれであっても、開始タイミングから短時間態様での可変入賞装置22の開閉が9回連続して行われ、パターンBの開閉実行モードではその後に1回の短時間態様での開閉と7回の長時間態様での開閉とが行われる。さらにまた、パターンA又はパターンBに対応した遊技結果となる遊技回において図柄表示装置31には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開始タイミングから短時間態様での可変入賞装置22の開閉が少なくとも9回行われるまでは開閉実行モード中の演出はパターンAの場合及びパターンBの場合で共通している。これにより、短時間態様での可変入賞装置22の開閉が開始された場合には、開始タイミングから少なくとも途中のタイミングまでは、開閉実行モードがパターンA又はパターンBのいずれであるかを予測しながら遊技を行うことができる。
【0112】
ちなみに、パターンBの開閉実行モードにおいて1回のラウンド遊技中に可変入賞装置22の開閉が複数回行われるようにしたことにより、ラウンド遊技の上限回数が同一である構成において、開始タイミングから連続する可変入賞装置22の開放態様をパターンAの場合とパターンBの場合と共通のものとしながら、当該共通の開放態様の後にパターンBでは長時間態様による可変入賞装置22の開閉を行うことができる。
【0113】
また、パターンCの開閉実行モードが実行された場合及びパターンDの開閉実行モードが実行された場合には、当否抽選モードとして高確率モードが設定される。この場合に、図10(a)〜図10(e)に示すように、パターンA〜パターンDの場合のいずれであっても、開始タイミングから短時間態様での可変入賞装置22の開閉が複数回連続して行われ、パターンCの開閉実行モードではその連続回数が5回であり、パターンDの開閉実行モードではその連続回数が18回である。これにより、高確率モードに設定されることを期待している遊技者は、短時間態様での可変入賞装置22の開閉が開始された場合には、その連続回数が5回で終了すること、又は9回を超えて連続することを期待しながら遊技を行うことができる。
【0114】
特に、パターンDの開閉実行モードでは、1R目に中時間態様での可変入賞装置22の開閉が行われるとともに、2R目以降は長時間態様での可変入賞装置22の開閉が行われるため、パターンA〜パターンCに比べて開閉実行モードにおいて獲得可能な遊技球の数が多い。したがって、高確率モードに設定されることだけでなく、より多くの遊技球の獲得を期待する遊技者は、短時間態様での可変入賞装置22の開閉が開始された場合には、その連続回数がより長くなることを期待しながら遊技を行うことができる。
【0115】
さらにまた、パターンA〜パターンDのいずれかに対応した遊技結果となる遊技回において図柄表示装置31には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開始タイミングから短時間態様での可変入賞装置22の開閉が共通している間は、開閉実行モード中の演出はパターンA〜パターンDの場合で共通している。これにより、短時間態様での可変入賞装置22の開閉が開始された場合には、開始タイミングから少なくとも途中のタイミングまでは、開閉実行モードがパターンA〜パターンDのいずれであるかを予測しながら遊技を行うことができる。
【0116】
ちなみに、パターンDの開閉実行モードにおいて1回のラウンド遊技中に可変入賞装置22の開閉が複数回行われるとともに、短時間態様での開閉が完了した後に中時間態様での開閉に切り換えられるようにしたことにより、ラウンド遊技の上限回数が同一である構成において、開始タイミングから連続する可変入賞装置22の開放態様をパターンA〜パターンCの場合と共通のものとしながら、当該共通の開放態様の後に同一のラウンド遊技中に上限個数の遊技球の入賞が可能なものとすることができる。
【0117】
図8の説明に戻り、図8(a)に示すように、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる場合の当否抽選処理にて大当たり当選となる場合に参照される第1振分テーブルでは、「0〜1023」の大当たり種別カウンタC2の数値情報のうち、「0〜199」が通常大当たり結果Aに対応しており、「200〜340」が通常大当たり結果Bに対応しており、「341〜453」が非明示確変大当たり結果Aに対応しており、「454〜566」が非明示確変大当たり結果Bに対応しており、「567〜679」が明示確変大当たり結果Aに対応しており、「680〜792」が明示確変大当たり結果Bに対応しており、「793〜905」が明示確変大当たり結果Cに対応しており、「906〜1023」が最有利大当たり結果に対応している。
【0118】
一方、図8(b)に示すように、第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる場合の当否抽選処理にて大当たり当選となる場合に参照される第2振分テーブルでは、「0〜1023」の大当たり種別カウンタC2の数値情報のうち、「0〜199」が通常大当たり結果Aに対応しており、「200〜340」が通常大当たり結果Bに対応しており、「341〜679」が明示確変大当たり結果Aに対応しており、「680〜1023」が最有利大当たり結果に対応している。
【0119】
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口23への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口24への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
【0120】
ここで、第1振分テーブル及び第2振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。但し、最有利大当たり結果となる確率は、上作動口23への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも下作動口24への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が高い。また、非明示確変大当たり結果は、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持されるため、最有利大当たり結果及び明示確変大当り結果に比べて、電動役物24aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減る。この場合に、第1振分テーブルには非明示確変大当たり結果が設定されているのに対して、第2振分テーブルには設定されていない。
【0121】
以上のとおり、上作動口23と下作動口24とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口23及び下作動口24のうち、下作動口24への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口24への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【0122】
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。
【0123】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組み合わせが停止表示される。
【0124】
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0125】
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示面Pに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Pの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0126】
予告表示には、図柄表示装置31の表示面Pにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【0127】
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組み合わせが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組み合わせが停止表示されない大当たり結果や特別外れ結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、通常外れ結果に対応した遊技回では、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
【0128】
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、音声発光制御装置90において行われる。この場合、音声発光制御装置90では、いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果に対応した遊技回の方が、通常外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置31にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
【0129】
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示装置33における表示継続時間と、図柄表示装置31における図柄の表示継続時間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示装置33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0130】
<MPU62にて実行される各種処理について>
次に、MPU62にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的(例えば4msec周期)に起動されるタイマ割込み処理とがある。
【0131】
<メイン処理>
先ず、図11のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
【0132】
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM64のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU62の内部機能レジスタの設定を行う。
【0133】
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置80に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM64の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
【0134】
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM64の初期化として当該RWM64をクリアする。その後、ステップS109に進む。
【0135】
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM64の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、払出制御装置70のRWMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置70に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
【0136】
その後、ステップS110〜ステップS114の残余処理に進む。つまり、MPU62はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS114の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS110〜ステップS114の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【0137】
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。その後、ステップS111にて、第1初期値カウンタCN1の更新を行う第1初期値更新処理を実行し、ステップS112にて、第2初期値カウンタCN2の更新を行う第2初期値更新処理を実行し、ステップS113にて、変動種別カウンタCSの更新処理を実行する。
【0138】
これらの更新処理では、RWM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
【0139】
その後、ステップS114にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS114の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS114の処理を繰り返す。
【0140】
<タイマ割込み処理>
次に、図12のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
【0141】
先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、MPU62に設けられた入出力ポートを通じて停電監視基板65から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
【0142】
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。
【0143】
この場合、数値情報が最大値に達したカウンタについては、数値情報を最小値である「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2については、数値情報の更新が1周した際には、対応する初期値カウンタCN1,CN2から初期値の情報を読み出し、その読み出した初期値の情報を新たな周回の初期値として上書きする。
【0144】
ここで、図13のフローチャートを参照しながら大当たり種別更新処理について説明する。
【0145】
先ずステップS301では、大当たり種別カウンタC2に保持されている数値情報をMPU62のレジスタに読み出し、ステップS302にて、その読み出した数値情報を次の数値情報となるように更新すべく1加算する。その後、ステップS303にて、ステップS302にて更新した結果の数値情報が、大当たり種別カウンタC2の最大値(具体的には「1023」)を超えているか否かを判定する(具体的には「1024」以上となっているか否かを判定する)。
【0146】
最大値を超えていない場合(ステップS303:NO)には、そのままステップS305に進む。一方、最大値を超えている場合(ステップS303:YES)には、ステップS304にて、上記ステップS302において更新した数値情報を最小値の数値情報、具体的には「0」に設定した後に、ステップS305に進む。
【0147】
ステップS305では、MPU62にて読み出されている上記数値情報が、大当たり種別カウンタC2の今回の更新周回において初期値となった数値情報と同一であるか否かを判定する。具体的には、RWM64に記憶されている今回の更新周回における初期値の情報を読み出し、ステップS302の処理後の数値情報又はステップS304の処理後の数値情報がその初期値の情報と同一であるか否かを判定する。
【0148】
ステップS305にて否定判定をした場合には、ステップS306にて、ステップS302の処理後の数値情報又はステップS304の処理後の数値情報を大当たり種別カウンタC2に上書きすることで設定する。その後、本大当たり種別更新処理を終了する。
【0149】
一方、ステップS305にて肯定判定をした場合には、ステップS307にて、第2初期値カウンタCN2に保持されている現状の数値情報を読み出し、ステップS308にて、その数値情報を、ステップS302の処理後の数値情報又はステップS304の処理後の数値情報に対して上書きするとともに、RWM64における更新周回の初期値を記憶するためのエリアに上書きする。その後、ステップS306にて、ステップS308の処理後の数値情報を大当たり種別カウンタC2に上書きすることで設定した後に、本大当たり種別更新処理を終了する。
【0150】
タイマ割込み処理(図12)の説明に戻り、ステップS202にて抽選用乱数更新処理を実行した後は、ステップS203にて各種初期値更新処理を実行する。各種初期値更新処理では、上記ステップS111及びステップS112と同様の処理を実行する。また、ステップS204では、上記ステップS113と同様に、変動種別カウンタCSの更新処理を実行する。
【0151】
続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。その後、ステップS206にて遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
【0152】
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部22b,24bに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置22を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部22bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口24の電動役物24aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部24bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
【0153】
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【0154】
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ67a〜67eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25への入賞の有無を特定する処理を実行する。
【0155】
続くステップS210では、RWM64に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【0156】
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していること(例えば図示しない振動検知センサが振動を検知していることや、図示しない電波検知センサが電波を検知していること)を確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
【0157】
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射ハンドル51に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
【0158】
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ67a〜67eの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
【0159】
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の内容は後に説明する。
【0160】
続くステップS215にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート25への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口24の電動役物24aを開閉させる処理を実行する。
【0161】
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部41に係る保留情報の増減個数及び第2特図表示部42に係る保留情報の増減個数を第1保留ランプ部35及び第2保留ランプ部36に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示装置34に係る保留情報の増減個数を第3保留ランプ部37に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部41又は第2特図表示部42の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示装置34の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
【0162】
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置31の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置70から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
【0163】
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
【0164】
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。MPU62では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。MPU62では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
【0165】
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図12)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0166】
特図特電制御処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
【0167】
具体的には、先ずステップS401にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口23への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の数を読み出し、当該保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満であるか否かを判定する。当該保留情報の数が上限値未満である場合には、保留情報の数を1加算するとともに、前回のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第1特図用保留エリアRaの空きエリアRa1〜Ra4のうち最初のエリアに格納する。
【0168】
また、保留情報の取得処理では、下作動口24への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の数を読み出し、当該保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満であるか否かを判定する。当該保留情報の数が上限値未満である場合には、保留情報の数を1加算するとともに、前回のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第2特図用保留エリアRbの空きエリアRb1〜Rb4のうち最初のエリアに格納する。
【0169】
ステップS401にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS402に進む。ステップS402では、RWM64に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS403では、ROM63から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS404にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
【0170】
ここで、ステップS402〜ステップS404の処理内容について説明する。
【0171】
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS406)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS407)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS408)と、が設定されている。
【0172】
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS409)と、可変入賞装置22の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS410)と、可変入賞装置22の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS411)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS412)と、が設定されている。
【0173】
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU62にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
【0174】
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS406)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS407)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS408)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS409)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS410)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS411)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS412)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
【0175】
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
【0176】
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもMPU62にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、遊技回用の演出に係る処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
【0177】
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し且つ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、開閉実行モードに係る処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うとともに、可変入賞装置22が開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
【0178】
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
【0179】
ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405にて、ステップS404にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS406の特図変動開始処理にジャンプする。
【0180】
特図変動開始処理では、第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。
【0181】
また、これら当否判定処理や振分判定処理の結果を教示するための遊技回中における特図表示装置33及び図柄表示装置31での動作態様を決定し、当該遊技回中の動作を開始するための処理を実行する。遊技回を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。特図変動開始処理の詳細については、後に説明する。
【0182】
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS407の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば、特図表示装置33において今回の遊技回の実行対象となっている特図表示部41,42における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
【0183】
また、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
【0184】
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS408の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置31にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、確定コマンド(最終停止コマンド)を音声発光制御装置90に送信するとともに、特図表示装置33において今回の遊技回の実行対象となっている特図表示部41,42における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
【0185】
また、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
【0186】
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS409の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
【0187】
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS410の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
【0188】
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS411の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
【0189】
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
【0190】
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS412の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
【0191】
次に、特図特電制御処理(図14)の特図変動開始処理(ステップS406)について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0192】
先ずステップS501では、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbのいずれかに保留情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも保留情報が記憶されていない場合には、そのまま本特図変動開始処理を終了する。いずれかに保留情報が記憶されている場合には、ステップS502にてデータ設定処理を実行する。
【0193】
データ設定処理では、先ず第2特図用保留エリアRbに保留情報が記憶されているか否かを判定する。第2特図用保留エリアRbに保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbを対象としてデータ設定処理を実行する。具体的には、第2特図用保留エリアRbの第1エリアRb1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアAEに移動する。その後、第2エリアRb2〜第4エリアRb4に格納されているデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2エリアRb2〜第4エリアRb4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第2エリアRb2→第1エリアRb1、第3エリアRb3→第2エリアRb2、第4エリアRb4→第3エリアRb3といった具合に各エリア内のデータがシフトされるとともに、第4エリアRb4のデータがクリアされる。
【0194】
一方、第2特図用保留エリアRbに保留情報が記憶されておらず且つ第1特図用保留エリアRaに保留情報が記憶されている場合には、第1特図用保留エリアRaを対象としてデータ設定処理を実行する。具体的には、第1特図用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアAEに移動する。その後、第2エリアRa2〜第4エリアRa4に格納されているデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2エリアRa2〜第4エリアRa4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3といった具合に各エリア内のデータがシフトされるとともに、第4エリアRa4のデータがクリアされる。
【0195】
また、ステップS502のデータ設定処理では、第2特図用保留エリアRbに記憶されていた保留情報を実行エリアAEに移動させた場合に、それに対応するフラグに「1」をセットする。これにより、現状の遊技回が第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbのいずれに記憶されていた保留情報を契機として実行しているものであるかを、MPU62にて把握することが可能となる。なお、当該フラグは、遊技回が終了する場合に「0」クリアされる。
【0196】
続くステップS503では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合にはROM63に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合にはROM63に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
【0197】
続くステップS504では、ステップS503における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS505にて振分判定処理を実行する。
【0198】
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、ROM63に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。この場合、今回の遊技回の開始対象となっている保留情報が第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbのうちいずれに記憶されていたものであるかを特定し、前者であれば第1振分テーブル(図8(a)参照)を参照する一方、後者であれば第2振分テーブル(図8(b)参照)を参照する。
【0199】
続くステップS506では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。当該大当たり結果用の停止結果設定処理では、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示装置33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を特定して、RWM64に記憶させるための処理を実行する。当該処理の内容は、後に詳細に説明する。
【0200】
続くステップS507では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RWM64には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS507では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS505の振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
【0201】
一方、ステップS504にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS508にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示装置33に最終的に停止表示させる絵柄の態様に対応した停止結果データを、ROM63から読み出し、その読み出した停止結果データをRWM64に記憶する。この場合に読み出される停止結果データは、大当たり結果の場合に選択される停止結果データとは異なっている。また、既に説明したとおり、第1特図表示部41には第1表示領域(すなわち、セグメント表示器43)及び第2表示領域(すなわち、セグメント表示器44)が設定されているとともに、第2特図表示部42にも第1表示領域(すなわち、セグメント表示器45)及び第2表示領域(すなわち、セグメント表示器46)が設定されているため、第1表示用の停止結果データとして上記外れ用の停止結果データを記憶するとともに、第2表示用の停止結果データとして上記外れ用の停止結果データを記憶する。
【0202】
ステップS507及びステップS508のいずれかの処理を実行した後は、ステップS509にて、表示継続時間(表示継続期間)の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置31にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
【0203】
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM63に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
【0204】
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
【0205】
続くステップS510では、ステップS509にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図12)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、特図表示装置33における絵柄の変動表示と図柄表示装置31における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置31では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップS509にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と換言することもできる。
【0206】
続くステップS511では、変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象に設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
【0207】
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。ステップS511にて出力対象として設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90に送信される。
【0208】
音声発光制御装置90では、演出系のコマンドとして変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定し、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、今回の遊技回に対応した演出が表示ランプ部54及びスピーカ部55を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置90のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を表示ランプ部54及びスピーカ部55にて行わせる。かかるデータテーブルは、今回の遊技回の表示継続時間に対応している。
【0209】
その後、今回の変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置31を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置100のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を図柄表示装置31にて行わせる。
【0210】
特図変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS511の処理を実行した後は、ステップS512にて特図表示装置33における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS513では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS513の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
【0211】
ここで、大当たり結果用の停止結果設定処理(ステップS506)について説明する。当該停止結果設定処理では、既に説明したとおり、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示装置33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を特定するための処理を実行する。この場合に、当該特定に際しては、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に係る数値情報が利用される。
【0212】
上記停止結果設定処理の説明に先立ち、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を利用して上記特定を行うための記憶エリア及びデータ上の構成について説明する。
【0213】
図16は、当該記憶エリア及びデータ上の構成を説明するための説明図である。詳細には、図16(a)は実行エリアAEにおいて大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を格納しておくための格納エリアAE1を説明するための説明図であり、図16(b)は上記特定に際して、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を読み出すための第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2を説明するための説明図であり、図16(c)は上記特定に際して、参照される停止結果テーブルRTを説明するための説明図であり、図16(d)は上記特定が行われた結果として最終的に特図表示装置33にて表示される態様を説明するための説明図である。
【0214】
図16(a)に示すように、実行エリアAEにおいて大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を格納しておくための格納エリアAE1は、複数であって予め定められた所定数のビット(具体的には8ビット)を含む単位を1バイトとして、2バイトで構成されている。但し、大当たり種別カウンタC2は、既に説明したとおり、その数値範囲が0〜1023であり、このように10進数で表される数値範囲が2進数で表されることから、2バイトによって生じる16ビットのうち一部である10ビットのみが使用され、残りの6ビットは使用されないブランクとなっている。この場合、各1バイトの第1格納エリアAE11及び第2格納エリアAE12のうち、第1格納エリアAE11の8ビットは全て使用される一方、第2格納エリアAE12の8ビットは2ビットのみが使用されて残りの6ビットは使用されない。
【0215】
なお、以下の説明では、第1格納エリアAE11における0番目のビットを最下位ビットと言い、第2格納エリアAE12における1番目のビットを最上位ビットと言う。また、以下の説明において、ビットの順番とは、最下位ビットから最上位ビットに向けたビットの配列順序のことを意味する。
【0216】
図16(b−1)及び図16(b−2)に示すように、第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2はそれぞれ1バイトで構成されており、いずれもMPU62のレジスタに設けられている。但し、これに限定されることはなく、RWM64に設けられていてもよい。第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2には、上記格納エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を複数のビット群に分割させた結果の各ビット群がそれぞれ格納される。
【0217】
つまり、第1抽出エリアGA1には、上記格納エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち最下位ビットから所定順番目のビットまでに格納されている数値情報が格納される。また、第2抽出エリアGA2には、上記格納エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち、所定順番目のビットに対して次のビットから最上位ビットまでに格納されている数値情報が格納される。
【0218】
具体的には、格納エリアAE1において大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を格納するために利用されるビット数は偶数となっており、第1抽出エリアGA1に格納される数値情報のビット数と、第2抽出エリアGA2に格納される数値情報のビット数とは同一となっている。したがって、第1抽出エリアGA1には、第1格納エリアAE11における0番目のビットから4番目のビットに格納されている各数値情報が格納され、第2抽出エリアGA2には、第1格納エリアAE11における5番目のビットから第2格納エリアAE12における1番目のビットに格納されている各数値情報が格納される。また、当該格納は、第1抽出エリアGA1に格納されるビット群、及び第2抽出エリアGA2に格納されるビット群のそれぞれにおいて、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報における数値情報の配列をそのまま残した状態で行われる。
【0219】
第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2のそれぞれにおいて、上記のように抽出されるビット群に含まれるビット数は、1バイト分未満である。したがって、第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2は、一部のビット(具体的には5ビット分)のみが使用され、残りのビットは使用されない。
【0220】
停止結果テーブルRTは、ROM63に予め記憶されている。当該停止結果テーブルRTは、図16(c)に示すように、第1抽出エリアGA1に抽出された数値情報から、特図表示装置33に含まれる複数のセグメント表示器43〜46のうち一のセグメント表示器に最終的に表示させる態様を決定する場合に参照される。また、停止結果テーブルRTは、第2抽出エリアGA2に抽出された数値情報から、特図表示装置33に含まれる複数のセグメント表示器43〜46のうち上記第1抽出エリアGA1に対応した一のセグメント表示器とは異なる一のセグメント表示器に最終的に表示させる態様を決定する場合に参照される。つまり、停止結果テーブルRTは、特図表示装置33に表示させる停止結果の態様を、第1抽出エリアGA1に抽出された数値情報から決定する場合、及び第2抽出エリアGA2に抽出された数値情報から決定する場合のそれぞれにおいて共通して使用される。
【0221】
ここで、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、上作動口23への入賞に基づき開始される遊技回では第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われ、下作動口24への入賞に基づき開始される遊技回では第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる。この場合に、第1特図表示部41には2個のセグメント表示器43,44が設けられており、第2特図表示部42にも2個のセグメント表示器45,46が設けられている。
【0222】
当該構成において、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる場合には、当該第1特図表示部41に含まれる2個のセグメント表示器43,44のうち、一方のセグメント表示器43に表示させる停止結果の態様が第1抽出エリアGA1に抽出されている数値情報に基づいて決定され、他方のセグメント表示器44に表示させる停止結果の態様が第2抽出エリアGA2に抽出されている数値情報に基づいて決定される。したがって、上作動口23への入賞に基づき開始される遊技回であって大当たり当選となる遊技回では、当該遊技回の開始契機となった保留情報に含まれる大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち第1ビット群に対応した絵柄の表示態様と、第2ビット群に対応した絵柄の表示態様とが、第1特図表示部41に最終的に停止表示される。
【0223】
また、第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる場合には、当該第2特図表示部42に含まれる2個のセグメント表示器45,46のうち、一方のセグメント表示器45に表示させる停止結果の態様が第1抽出エリアGA1に抽出されている数値情報に基づいて決定され、他方のセグメント表示器46に表示させる停止結果の態様が第2抽出エリアGA2に抽出されている数値情報に基づいて決定される。したがって、下作動口24への入賞に基づき開始される遊技回であって大当たり当選となる遊技回では、当該遊技回の開始契機となった保留情報に含まれる大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち第1ビット群に対応した絵柄の表示態様と、第2ビット群に対応した絵柄の表示態様とが、第2特図表示部42に最終的に停止表示される。
【0224】
停止結果テーブルRTのデータ構成についてより詳細に説明する。停止結果テーブルRTには、第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2に抽出され得る数値情報に対応した数値情報データと、当該数値情報に1対1で対応した停止結果データとが設定されている。これら各停止結果データは相互に異なっており、それに伴って、各停止結果データが参照された場合の絵柄の表示態様は相互に異なっている。なお、図16(c)では、説明の便宜上、各停止結果データに対応した絵柄の表示態様も一緒に示している。
【0225】
各データについて詳細には、第1抽出エリアGA1に抽出され得る数値情報及び第2抽出エリアGA2に抽出され得る数値情報は、いずれも5ビットであり、その数値範囲は0〜31であることに対応させて、数値情報データは0〜31が設定されている。また、停止結果データも各数値情報データに1対1で対応させて設定されており、データ0〜データ31の32種類が設定されている。そして、例えばデータ0が選択されてそれに基づき一のセグメント表示器が表示制御された場合には「0」が表示され、例えばデータ31が選択されてそれに基づき一のセグメント表示器が表示制御された場合には「7.」が表示される。
【0226】
図16(d−1)及び図16(d−2)に示すように、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる遊技回では、その終了に際して、第1抽出エリアGA1に抽出された数値情報を参照して停止結果テーブルRTから読み出された絵柄の表示態様が一方のセグメント表示器43(すなわち、第1特図側の第1表示領域)に停止表示される。また、第2抽出エリアGA2に抽出された数値情報を参照して停止結果テーブルRTから読み出された絵柄の表示態様が他方のセグメント表示器44(すなわち、第1特図側の第2表示領域)に停止表示される。
【0227】
この場合に、第1抽出エリアGA1の数値情報から絵柄の表示態様を決定する場合、及び第2抽出エリアGA2の数値情報から絵柄の表示態様を決定する場合のいずれにおいても、共通の停止結果テーブルRTが参照されるため、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報が所定の数値情報の場合において第1特図側の第1表示領域(すなわち、セグメント表示器43)に停止表示された絵柄の表示態様(図16(d−1)参照)が、当該所定の数値情報とは異なる数値情報の場合において第1特図側の第2表示領域(すなわち、セグメント表示器44)に停止表示された絵柄の表示態様(図16(d−2)参照)と同一となることがある。同様に、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報が所定の数値情報の場合において第1特図側の第2表示領域(すなわち、セグメント表示器44)に停止表示された絵柄の表示態様(図16(d−1)参照)が、当該所定の数値情報とは異なる数値情報の場合において第1特図側の第1表示領域(すなわち、セグメント表示器43)に停止表示された絵柄の表示態様(図16(d−2)参照)と同一となることがある。
【0228】
但し、図16(d−1)の場合と図16(d−2)の場合とで、第1抽出エリアGA1に抽出される数値情報は相互に異なっているとともに、第2抽出エリアGA2に抽出される数値情報も相互に異なっており、さらに停止結果テーブルRTは第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2に抽出され得る数値情報と1対1で対応させて停止結果データが設定されている。したがって、第1特図表示部41の全体の表示としては、図16(d−1)の場合と図16(d−2)の場合とで異なっている。
【0229】
また、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる場合、及び第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる場合のいずれにおいても、第1抽出エリアGA1及び第2抽出エリアGA2への数値情報の抽出が同様の態様で行われるとともに、共通の停止結果テーブルRTが参照される。したがって、図16(d−1)及び図16(d−3)に示すように、第1特図表示部41に最終的に停止表示される絵柄の表示態様と、第2特図表示部42に最終的に停止表示される絵柄の表示態様とが同一となることがあり得る。
【0230】
ここで、既に説明したとおり、第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われた場合の方が遊技者にとって有利となるように、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる場合と、第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる場合とで、設定されている大当たり結果の種類が異なっている。したがって、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報が同一である場合であっても、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる場合と第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる場合とで、選択される大当たり結果の種類が相違することがあり得る。その一方で、第1特図表示部41及び第2特図表示部42に停止表示される絵柄の表示態様が上記のように決定されるため、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報が同一である場合、大当たり結果の種類が異なる場合であっても同一の停止結果となる。これに対して、第1特図表示部41と第2特図表示部42とは明確に区別されているため、遊技ホールの管理者は第1特図表示部41及び第2特図表示部42のそれぞれについて、停止結果の種類と大当たり結果の種類との対応関係を把握可能とすることで、特図表示装置33に停止表示された結果を目視することに基づいて遊技の進行に対して不正が施されていないか否かを確認することが可能となる。
【0231】
なお、第1特図表示部41に最終的に停止表示された絵柄は、当該停止表示後に開閉実行モードに移行するか否かに関係なく、第1特図表示部41にて新たに絵柄の変動表示が開始されるまで継続される。また、第2特図表示部42に最終的に停止表示された絵柄は、当該停止表示後に開閉実行モードに移行するか否かに関係なく、第2特図表示部42にて新たに絵柄の変動表示が開始されるまで継続される。したがって、図16(d−1)及び図16(d−2)に示すように、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる遊技回では、第2特図表示部42では前回の外れ結果の表示に対応した「――」の表示が継続され、図16(d−3)に示すように、第2特図表示部42にて絵柄の変動表示が行われる遊技回では、第1特図表示部41では前回の外れ結果の表示に対応した「――」の表示が継続される。
【0232】
次に、図17のフローチャートを参照しながら、大当たり結果用の停止結果設定処理の具体的な処理構成を説明する。
【0233】
先ず、ステップS601では、実行エリアAEに格納されている保留情報のうち、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報をMPU62のレジスタに読み出す処理を実行する。続くステップS602では、その読み出した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報から、第1ビット群の数値情報を抽出して第1抽出エリアGA1に格納する処理を実行し、ステップS603では、上記読み出した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報から、第2ビット群の数値情報を抽出して第2抽出エリアGA2に格納する処理を実行する。そして、ステップS604にて、ROM63から停止結果テーブルRTを読み出す処理を実行する。
【0234】
その後、ステップS605にて、第1抽出エリアGA1に格納されている第1ビット群の数値情報に対応した停止結果データを上記停止結果テーブルRTから読み出し、その読み出した停止結果データをステップS606にてRWM64に記憶させる。また、ステップS607にて、第2抽出エリアGA2に格納されている第2ビット群の数値情報に対応した停止結果データを上記停止結果テーブルRTから読み出し、その読み出した停止結果データをステップS608にてRWM64に記憶させる。その後、本停止結果設定処理を終了する。
【0235】
ステップS606及びステップS608にてRWM64に記憶された停止結果データは、特図特電制御処理(図14)の特図変動中処理(ステップS407)にて読み出される。以下に、図18のフローチャートを参照しながら、当該特図変動中処理について説明する。
【0236】
ステップS701では、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」となっているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出に係る表示継続時間が経過したか否かを判定する。表示継続時間が経過していない場合には、ステップS702にて、今回の絵柄の変動表示対象となっている特図表示部41,42の表示態様を更新させるタイミングであるか否かを判定する。
【0237】
ここで、特図表示部41,42における絵柄の変動表示に際しては、表示継続時間が経過するまで、一定の発光パターンが一定の周期で繰り返される。例えば、第1特図表示部41にて絵柄の変動表示が行われる場合には、第1特図側の第1表示領域(すなわち、セグメント表示器43)にて、第1表示用セグメント47a→第2表示用セグメント47b→第3表示用セグメント47c→・・・→第8表示用セグメント47h→第1表示用セグメント47a→第2表示用セグメント47b→・・・といったように、予め定められた順序で発光対象となるセグメントが切り換えられるとともに、その切り換え間隔は一定となっている。また、第1特図側の第2表示領域(すなわち、セグメント表示器44)においても、第1表示用セグメント47a→第2表示用セグメント47b→第3表示用セグメント47c→・・・→第8表示用セグメント47h→第1表示用セグメント47a→第2表示用セグメント47b→・・・といったように、予め定められた順序で発光対象となるセグメントが切り換えられるとともに、その切り換え間隔は一定となっている。
【0238】
そして、第1特図側の第1表示領域及び第1特図側の第2表示領域における絵柄の変動表示は、同期している。つまり、第1特図側の第1表示領域において発光対象が第1表示用セグメント47aとなっている場合は、第1特図側の第2表示領域においても発光対象は第1表示用セグメント47aとなり、第1特図側の第1表示領域において発光対象が第8表示用セグメント47hとなっている場合は、第1特図側の第2表示領域においても発光対象は第8表示用セグメント47hとなっている。
【0239】
上記のような絵柄の変動表示中の表示制御は、ROM63に予め記憶されている発光制御用テーブルが参照されることで実現される。また、この発光制御用テーブルの参照に際しては、ステップS702の処理が実行される度にテーブル用ポインタが更新されて、その更新先のデータに基づいて発光制御の内容が決定されるが、当該更新先のデータが第1特図側の第1表示領域及び第1特図側の第2表示領域の両方に対して適用される。したがって、上記のようにこれら第1表示領域及び第2表示領域にて絵柄の変動表示が同期して実行されることとなる。かかる構成とすることにより、第1特図表示部41が第1表示領域と、それと同一の態様の第2表示領域とから構成されている場合に、絵柄の変動表示を行うためのデータ量の削減を図ることが可能となる。
【0240】
なお、上記のように第1表示領域及び第2表示領域にて絵柄の変動表示が行われる点、及び上記発光制御用のテーブルが参照される点は、第2特図表示部42においても同様である。
【0241】
特図変動中処理(図18)の説明に戻り、ステップS702にて否定判定をした場合にはそのまま本特図変動中処理を終了し、ステップS702にて肯定判定をした場合には、ステップS703及びステップS704の処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。ステップS703では、上記発光制御用テーブルから、更新内容の読み出し処理を実行し、ステップS704では、その読み出した更新内容を、複数の特図表示部41,42のうち今回の変動表示の対象となっている側に反映させる処理を実行する。
【0242】
一方、ステップS701にて、表示継続時間が経過したと判定した場合には、ステップS705〜ステップS712の処理を実行する。
【0243】
ステップS705では、確定コマンドを出力対象に設定する。ここで設定された確定コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、演出系のコマンドとして確定コマンドを受信したか否かを判定し、確定コマンドを受信している場合には、当該確定コマンドに対応した音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、確定表示に対応した演出が表示ランプ部54及びスピーカ部55を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置90のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って確定表示用の演出を表示ランプ部54及びスピーカ部55にて行わせる。かかるデータテーブルは、確定表示の時間に対応しており、大当たり抽選や振分抽選の結果や、絵柄の変動表示の対象となる特図表示部41,42の種類に関係なく、同一のデータテーブルが参照される。
【0244】
その後、確定コマンドに対応したコマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、そのコマンドから確定表示を実行すべきことを把握し、それに対応した表示演出が図柄表示装置31を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置100のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って確定表示用の演出(例えば、有効ライン上に既に停止表示されている図柄を揺動表示させている状態から停止表示状態に切り換える)を図柄表示装置31にて行わせる。
【0245】
ステップS706では、複数の特図表示部41,42のうち、今回の絵柄の変動表示対象となっている側を把握する。そして、ステップS707にて、今回の遊技回の開始に際してRWM64に記憶させた第1表示用の停止結果データを読み出し、ステップS708にて、その読み出した停止結果データを今回の変動表示対象となっている特図表示部41,42における第1表示領域に反映させるための処理を実行する。
【0246】
ちなみに、ステップS707にて読み出される停止結果データは、今回の遊技回が外れ結果である場合には、特図変動開始処理(図15)におけるステップS508にてRWM64に記憶されたデータであり、今回の遊技回が大当たり結果である場合には、大当たり結果用の停止結果設定処理(図17)におけるステップS606にてRWM64に記憶されたデータである。
【0247】
続くステップS709では、今回の遊技回の開始に際してRWM64に記憶させた第2表示用の停止結果データを読み出し、ステップS710にて、その読み出した停止結果データを今回の変動表示対象となっている特図表示部41,42における第2表示領域に反映させるための処理を実行する。
【0248】
ちなみに、ステップS709にて読み出された停止結果データは、今回の遊技回が外れ結果である場合には、特図変動開始処理(図15)におけるステップS508にてRWM64に記憶されたデータであり、今回の遊技回が大当たり結果である場合には、大当たり結果用の停止結果設定処理(図17)におけるステップS608にてRWM64に記憶されたデータである。
【0249】
その後、ステップS711にて、ROM63に予め記憶されている確定時間(例えば0.5sec)の情報を読み出し、その確定時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS712では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、ステップS712の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。その後、本特図変動中処理を終了する。
【0250】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0251】
大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を利用して、各特図表示部41,42において第1表示領域の表示態様を決定することが可能であるとともに、第2表示領域の表示態様を決定することが可能となる。この場合に、第1表示領域の表示態様の決定に際しては、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の一部のビットにより表される数値情報が利用されるとともに、第2表示領域の表示態様の決定に際しては、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の他のビットにより表される数値情報が利用される。これにより、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報に対応した表示を各特図表示部41,42に行わせることを可能としながら、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の全てのビットを利用して第1表示領域及び第2表示領域の表示態様を決定する構成に比べて、これらの決定に際して参照され得るデータの容量の削減を図ることが可能となる。
【0252】
例えば、大当たり種別カウンタC2に係る10ビット分の数値情報に1対1で対応させて、第1表示領域の表示態様及び第2表示領域の表示態様の両方を定めたテーブルを用意する構成も考えられる。しかしながら、本構成においては、例えば第1表示領域の表示態様が「1」で共通しながら、第2表示領域の表示態様が変化するデータや、第2表示領域の表示態様が「1」で共通しながら、第2表示領域の表示態様が変化するデータが存在し得る。そうすると、その重複分だけデータの容量が増大することとなる。これに対して、上記のように、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち、第1表示領域の決定に際して一部のビットを参照するとともに、第2表示領域の決定に際して他のビットを参照することにより、既に説明したとおり、第1表示領域及び第2表示領域の表示態様の決定に際して参照され得るデータの容量の削減を図ることが可能となる。
【0253】
また、第1表示領域の決定に際しては大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の一部のビットを使用し、第2表示領域の決定に際しては大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の残りのビットを使用する構成である。これにより、既に説明したような優れた効果を奏するようにしながら、各特図表示部41,42において、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報に1対1で対応した表示を行うことが可能となる。
【0254】
第1表示領域の表示態様として、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の一部のビットに対応した表示態様を選択する場合に、停止結果テーブルRTを利用するとともに、第2表示領域の表示態様として大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の他のビットに対応した表示態様を選択する場合にも上記停止結果テーブルRTを利用する構成である。これにより、停止結果テーブルRTを共通して使用することが可能となり、データ容量の削減を図ることが可能となる。
【0255】
また、このように停止結果テーブルRTが共通して利用される構成であったとしても、第1表示領域の表示態様を決定する場合に利用されるビットと、第2表示領域の表示態様を決定する場合に利用されるビットとは異なっているため、各特図表示部41,42における表示態様のバリエーションを増加させることが可能となる。
【0256】
各特図表示部41,42において、第1表示領域と第2表示領域とは同一の構成の表示器を利用している。これにより、共通の停止結果テーブルRTを参照したとしても、複雑な処理を間に介在させることなく、第1表示領域の表示及び第2表示領域の表示を行わせることが可能となる。
【0257】
大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち、第1表示領域における表示態様の決定に際して利用されるビット数と、第2表示領域における表示態様の決定に際して利用されるビット数とは同一となっている。これにより、第1表示領域における表示態様の決定と第2表示領域における表示態様の決定とを同等に扱うことが可能となる。
【0258】
<第2の実施形態>
本実施形態では、特図表示装置33に停止結果を表示させる場合における発光制御の仕方が上記第1の実施形態と異なっている。図19は、本実施形態における特図変動中処理を示すフローチャートである。
【0259】
本実施形態における特図変動中処理では、ステップS801〜ステップS804にて、上記第1の実施形態における特図変動中処理(図18)のステップS701〜ステップS704と同一の処理を実行する。
【0260】
本実施形態における特図変動中処理では、ステップS801にて肯定判定をすることで、ステップS805〜ステップS813の処理を実行する。ステップS805では、確定コマンドを出力対象に設定し、ステップS806では、複数の特図表示部41,42のうち、今回の絵柄の変動表示対象となっている側を把握する。そして、ステップS807にて、上記ステップS707と同様に、今回の遊技回の開始に際してRWM64に記憶させた第1表示用の停止結果データを読み出し、ステップS808にて、その読み出した停止結果データを今回の変動表示対象となっている特図表示部41,42における第1表示領域に反映させるための処理を実行する。
【0261】
続くステップS809では、上記ステップS709と同様に、今回の遊技回の開始に際してRWM64に記憶させた第2表示用の停止結果データを読み出す。その後、ステップS810では、今回の遊技回が大当たり結果に対応した遊技回であるか否かを判定する。大当たり結果に対応した遊技回である場合には、ステップS811にて、停止結果データの加工処理を実行する。
【0262】
当該加工処理では、一定のロジックで第2表示用の停止結果データを加工して、停止結果テーブルRT(図16(c)参照)から読み出した停止結果データとは異なる停止結果データとすることで、第2表示領域に停止表示させる絵柄の表示態様を、停止結果テーブルRTから読み出した停止結果データに対応したものとは異なるものとするための処理である。但し、当該加工に際しては、当該加工前において相互に異なっている停止結果データが、加工後において同一の停止結果データとなることがないように、加工前の停止結果データと加工後の停止結果データとが1対1で対応している必要がある。
【0263】
加工処理について具体的に説明する。停止結果データは、第2表示領域(第1特図表示部41の場合はセグメント表示器44、第2特図表示部42の場合はセグメント表示器46)の第1〜第8表示用セグメント47a〜47hのうちいずれのセグメントをON状態として、いずれのセグメントをOFF状態とするかを定めるデータである。例えば、図16(c)のデータ0に対応した停止結果データである場合、第1表示用セグメント47a、第2表示用セグメント47b、第3表示用セグメント47c、第5表示用セグメント47e、第6表示用セグメント47f及び第7表示用セグメント47gがON状態となり、第4表示用セグメント47d及び第8表示用セグメント47hがOFF状態となるように定められている。
【0264】
加工処理では、ON状態となるセグメント及びOFF状態となるセグメントが、同一の方向に同一の数分ずれた状態となるように、停止結果データの加工を行う。例えば、上記データ0に対応した停止結果データである場合には、第2表示用セグメント47b、第3表示用セグメント47c、第4表示用セグメント47d、第6表示用セグメント47f、第7表示用セグメント47g及び第8表示用セグメント47hがON状態となり、第5表示用セグメント47e及び第1表示用セグメント47aがOFF状態となるように定められる停止結果データに加工される。
【0265】
既に説明したとおり、各表示領域(すなわち、各セグメント表示器43〜46)は、8個の表示用セグメント47a〜47hを有しているのに対して、第1抽出エリアGA1や第2抽出エリアGA2に格納される各ビット群は表示用セグメント47a〜47hの数よりも少ない5ビットとなっている。つまり、各表示領域においては、2の8乗(すなわち、256種類)分の表示態様を設定可能であるのに対して、停止結果テーブルRTから導出され得る表示態様の数は、2の5乗(すなわち、32種類)である。したがって、各表示領域に設定可能な表示態様の種類数には、停止結果テーブルRTから導出され得る表示態様の種類数よりも多くの表示態様を設定可能な余裕があり、その余裕分は、停止結果テーブルRTから導出され得る表示態様の種類数よりも多く存在している。
【0266】
この場合に、上記のように加工処理を実行することで、加工後に生じる各停止結果データの少なくとも一部は、停止結果テーブルRTに設定されている各停止結果データに含まれないものとなる。このようにすることで、第1表示領域と第2表示領域とで停止結果データの決定に際して共通の停止結果テーブルRTを参照する構成において、第1表示領域に停止表示されない表示態様を第2表示領域に停止表示させることが可能となり、各特図表示部41,42における表示態様の多様化が図られる。
【0267】
また、このように各特図表示部41,42における表示態様の多様化を図った構成において、既に説明したとおり、上記加工処理は、加工前の表示態様と加工後の表示態様とが1対1で対応するように一定の処理を施すものである。したがって、第2ビット群に対応した表示態様による表示を可能としながら、上記のような表示態様の多様化を図ることが可能となる。
【0268】
なお、当該表示態様をより多様化させる上では、加工後に生じる各停止結果データと一切重複しないように、停止結果テーブルRTの各停止結果データが設定されていることが好ましい。
【0269】
ステップS811にて加工処理を実行した後は、ステップS812にて、上記加工処理後の停止結果データを、今回の変動表示対象となっている特図表示部41,42における第2表示領域に反映させるための処理を実行する。また、ステップS810にて否定判定をした場合には、ステップS812において、ステップS809で読み出した第2表示用の停止結果データを、今回の変動表示対象となっている特図表示部41,42における第2表示領域に反映させるための処理を実行する。
【0270】
ステップS812の実行後は、ステップS813及びステップS814の処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。ステップS813及びステップS814の各処理は、上記第1の実施形態における特図変動中処理(図18)のステップS711及びステップS712の各処理と同一である。
【0271】
なお、一方の停止結果データを加工するための具体的な方法は、上記方法に限定されることはなく任意である。例えば、第2表示領域を構成する複数の表示用セグメントが、所定のセグメントを中心として対象形をなしている場合には、その所定のセグメントを中心として停止結果データの反転処理を実行するようにしてもよい。具体的には、第2表示領域を構成する表示用セグメントとして、第8表示用セグメント47hが不具備であり、第1表示用セグメント47a〜第7表示用セグメント47gからなる場合には、第4表示用セグメント47dを中心として停止結果データの反転処理を実行する。この場合であっても、第1表示領域と第2表示領域とで共通の停止結果テーブルRTを参照する構成において、各特図表示部41,42の表示態様を多様化させることが可能となるとともに、かかる多様化を、加工前において相互に異なる停止結果データが加工後において同一となることを回避しながら実現することが可能となる。
【0272】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態では、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を複数に分割することに基づき複数の制御を行う場合において、その複数の制御対象が一の特図表示部41,42を構成する複数の表示領域である構成としたが、本実施形態では当該複数の制御対象が複数の表示領域以外のものとなっている。当該相違する構成を、図20を参照しながら以下に説明する。
【0273】
図20(a)は本実施形態における大当たり結果用の停止結果設定処理を示すフローチャートであり、図20(b)は当該停止結果設定処理にて参照される第1テーブルT1を説明するための説明図であり、図20(c)は当該停止結果設定処理にて参照される第2テーブルT2を説明するための説明図である。
【0274】
図20(a)に示すように、本大当たり結果用の停止結果設定処理では、先ずステップS901にて、実行エリアAEに格納されている保留情報のうち、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報をMPU62のレジスタに読み出す処理を実行する。続くステップS902では、今回の遊技回において特図表示装置33に最終的に停止表示させる絵柄の表示態様を選択するための処理を実行する。この場合、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態と異なり、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の分割を行うことなく、ROM63に予め記憶されている停止結果テーブルを参照して、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報に対応した停止結果データを選択する。
【0275】
なお、本実施形態においても第1特図表示部41及び第2特図表示部42のそれぞれに第1表示領域及び第2表示領域が設定されている構成であるが、各特図表示部41,42に一の表示領域のみが設定されている構成としてもよい。また、上記停止結果の表示態様は、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報に1対1で対応させて設定されている構成に限定されることはなく、大当たり結果の種類に対応させて設定されている構成としてもよい。この場合、大当たり結果の種類に1対1で対応させて上記停止結果の表示態様が設定されていてもよく、少なくとも一部の大当たり結果の種類に対しては上記停止結果の表示態様が複数種類設定されていてもよい。
【0276】
続くステップS903では、上記第1の実施形態における大当たり結果用の停止結果設定処理(図17)のステップS602と同様に、第1ビット群の抽出処理を実行し、さらにステップS904では、ステップS603と同様に、第2ビット群の抽出処理を実行する。これにより、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち一部のビットからなる第1ビット群(具体的には5ビット)の数値情報が第1抽出エリアGA1(図16(b−1)参照)に格納され、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報のうち他のビットからなる第2ビット群(具体的には5ビット)の数値情報が第2抽出エリアGA2(図16(b−2)参照)に格納される。
【0277】
続くステップS905では、第1テーブルT1をROM63から読み出す処理を実行する。第1テーブルT1は、上記第1ビット群の数値情報に基づいて、遊技回用のプレミアム演出を選択するためのテーブルである。この場合に、遊技回用のプレミアム演出とは、図柄表示装置31にて図柄の変動表示を含む遊技回用の演出が行われる場合において、大当たり当選となった遊技回、すなわち開閉実行モードへの契機となる遊技回でのみ発生する演出である。特に、本実施形態では、開閉実行モード後において当否抽選モードが高確率モードとなる遊技回でのみ、上記遊技回用のプレミアム演出が行われる。
【0278】
第1テーブルT1は、図20(b)に示すように、第1抽出エリアGA1に抽出された数値情報から、遊技回用のプレミアム演出の実行有無、及び実行する場合にはその演出の種類を決定する場合に参照される。第1テーブルT1のデータ構成について詳細には、当該第1テーブルT1には、第1抽出エリアGA1に抽出され得る数値情報に対応した数値情報データと、当該数値情報に1対1で対応した演出参考データとが設定されている。
【0279】
例えば、第1ビット群の数値情報が「0」である場合や「1」である場合には、遊技回用のプレミアム演出は実行されないものとして設定されており、第1ビット群の数値情報が「2」である場合には特別演出A1が設定されており、第1ビット群の数値情報が「31」である場合には特別演出A2が設定されている。この場合、特別演出A1と特別演出A2とでは演出内容が異なっており、例えば図柄表示装置31に演出として出現するキャラクタの種類や、図柄表示装置31にて所定の動画による演出を行う場合にはその動画の種類が相違している。
【0280】
ステップS905にて第1テーブルT1を読み出した後は、ステップS906にて、上記第1ビット群の数値情報と、第1テーブルT1とを照合することにより、遊技回用のプレミアム演出の選択処理を実行する。そして、ステップS907にて、その選択結果に対応したデータをRWM64に記憶する。
【0281】
続くステップS908では、第2テーブルT2をROM63から読み出す処理を実行する。第2テーブルT2は、上記第2ビット群の数値情報に基づいて、開閉実行モード用のプレミアム演出を選択するためのテーブルである。この場合に、開閉実行モード用のプレミアム演出とは、開閉実行モードの移行の契機となった遊技回用の演出では開閉実行モード後の当否抽選モードが不明又は低確率モードであるかのような報知を行い、図柄表示装置31にて開閉実行モード用の演出が行われる場合において当該開閉実行モード後に当否抽選モードが高確率モードとなることの報知を行うための演出である。
【0282】
第2テーブルT2は、図20(c)に示すように、第2抽出エリアGA2に抽出された数値情報から、開閉実行モード用のプレミアム演出の実行有無、及び実行する場合にはその演出の種類を決定する場合に参照される。第2テーブルT2のデータ構成について詳細には、当該第2テーブルT2には、第2抽出エリアGA2に抽出され得る数値情報に対応した数値情報データと、当該数値情報に1対1で対応した演出参考データとが設定されている。
【0283】
例えば、第2ビット群の数値情報が「1」である場合や「2」である場合には、開閉実行モード用のプレミアム演出は実行されないものとして設定されており、第2ビット群の数値情報が「0」である場合には特別演出B1が設定されており、第2ビット群の数値情報が「30」である場合には特別演出B2が設定されている。この場合、特別演出B1と特別演出B2とでは演出内容が異なっており、例えば図柄表示装置31に演出として出現するキャラクタの種類や、図柄表示装置31にて所定の動画による演出を行う場合にはその動画の種類が相違している。
【0284】
ちなみに、遊技回用のプレミアム演出が実行される場合には、開閉実行モード用のプレミアム演出が実行されないように第1テーブルT1及び第2テーブルT2が設定されているが、両者が重複して実行され得るように第1テーブルT1及び第2テーブルT2が設定されていてもよい。
【0285】
ステップS908にて第2テーブルT2を読み出した後は、ステップS909にて、上記第2ビット群の数値情報と、第2テーブルT2とを照合することにより、開閉実行モード用のプレミアム演出の選択処理を実行する。そして、ステップS910にてその選択結果に対応したデータをRWM64に記憶する。その後、本停止結果設定処理を終了する。
【0286】
上記停止結果設定処理にて、遊技回用のプレミアム演出を実行する旨が選択された場合には、その後の特図変動開始処理(図15)におけるステップS509にて、遊技回用のプレミアム演出に対応した表示継続時間が選択されるとともに、それに対応した変動用コマンドがサブ側の制御装置に出力されることとなる。これにより、図柄表示装置31では、遊技回用の演出として、遊技回用のプレミアム演出が実行される。但し、特図表示装置33においては遊技回用のプレミアム演出であるか否かに関係なく、一定の態様で絵柄の変動表示が行われる。
【0287】
また、上記停止結果設定処理にて、開閉実行モード用のプレミアム演出を実行する旨が選択された場合には、開閉実行モードへの移行に際してサブ側の制御装置に出力されるオープニングコマンドなどに、上記開閉実行モード用のプレミアム演出に対応した情報が含まれることとなる。これにより、図柄表示装置31では、開閉実行モード用の演出として、開閉実行モード用のプレミアム演出が実行される。
【0288】
以上詳述した本実施形態によれば、大当たり結果の種類を決定するために利用される大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を利用して、遊技回用のプレミアム演出の実行有無及び実行する場合にはその演出の種類が選択されるとともに、開閉実行モード用のプレミアム演出の実行有無及び実行する場合にはその演出の種類が選択される。これにより、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を大当たり結果の種類を決定するためのものとは異なる数値情報として扱うことが可能となり、抽選に用いられるカウンタの数を抑えながら、抽選の種類を増やすことが可能となる。
【0289】
遊技回用のプレミアム演出や、開閉実行モード用のプレミアム演出の選択に際しては、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の一部のビットのみを用いる構成であるため、当該選択に際して大当たり種別カウンタC2に係る数値情報の全体を参照する必要が生じない。これにより、付属で行われる抽選の処理負荷の軽減や、その抽選に際して使用するデータの容量の削減が図られる。
【0290】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記実施形態の構成に適用してもよい。
【0291】
(1)上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態において、各特図表示部41,42には、同一の表示領域が2個設定されており、それら各表示領域のうち一方の表示領域についての停止結果の態様を第1ビット群の数値情報により決定するとともに、他方の表示領域についての停止結果の態様を第2ビット群の数値情報により決定する構成としたが、当該表示領域の構成を、図21(a)や図21(b)のように変更してもよい。
【0292】
図21(a)に示す構成では、各特図表示部41,42には第1表示用セグメント112a〜第8表示用セグメント112hからなる一の表示領域111のみが設定されている。この場合、第1ビット群の数値情報は、当該表示領域111のうち、第1表示用セグメント112a〜第4表示用セグメント112dについての表示態様を決定し、第2ビット群の数値情報は、第5表示用セグメント112e〜第8表示用セグメント112hについての表示態様を決定する。
【0293】
図21(b)に示す構成では、図21(a)の場合と同様に、各特図表示部41,42には第1表示用セグメント122a〜第8表示用セグメント122hからなる一の表示領域121のみが設定されている。この場合、第1ビット群の数値情報は、当該表示領域121のうち、縦方向の両端側に存在する第1表示用セグメント122a、第3表示用セグメント122c、第7表示用セグメント122g及び第8表示用セグメント122hについての表示態様を決定し、第2ビット群の数値情報は、それらの間に位置する第2表示用セグメント122b、第4表示用セグメント122d、第5表示用セグメント122e及び第6表示用セグメント122fについての表示態様を決定する。
【0294】
(2)特図表示部41,42の構成は、上記各実施形態のものに限定されない。例えば、各表示領域が8個の表示用セグメントを有する構成に代えて、2個の表示用セグメント、3個の表示用セグメント、4個の表示用セグメント、5個の表示用セグメント、6個の表示用セグメント、7個の表示用セグメントといったように8個未満の表示用セグメントを有する構成としてもよく、9個以上の表示用セグメントを有する構成としてもよい。
【0295】
また、光のオンオフのパターンで表示態様を決定するのではなく、発光色のパターンによって表示態様を決定する構成に対して、所定の数値情報における一部のビットを利用して表示態様を決定する構成や、共通の停止結果テーブルRTを利用する構成を適用してもよい。
【0296】
また、各表示領域をセグメント表示器により構成するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成してもよい。この場合であっても、、所定の数値情報における一部のビットを利用して表示態様を決定する構成や、共通の停止結果テーブルRTを利用する構成を適用することが可能である。
【0297】
(3)各特図表示部41,42において第1表示領域と第2表示領域とで、表示に係る構成が異なっていてもよい。例えば、第1表示領域は8個の表示用セグメントを有するセグメント表示器により構成する一方、第2表示領域は7個の表示用セグメントを有するセグメント表示器により構成してもよい。本構成であっても、表示用セグメントの数は相違するものの、第1ビット群による数値情報及び第2ビット群による数値情報により扱う対象は、いずれもセグメント表示器であるため、共通の停止結果テーブルRTを利用することが可能となる。但し、当該停止結果テーブルRTのデータ容量を削減する上では、当該停止結果テーブルRTに設定する停止結果データは、第1ビット群及び第2ビット群のうち一方のセグメント表示器に対応させ、他方のセグメント表示器に対して適用する際は、当該停止結果データのうち一のセグメントに対応するデータを無効化させる、又は一のセグメントについては固定データを適用するといった構成とする。
【0298】
(4)大当たり種別カウンタC2に係る数値情報においてビット群への抽出対象とならないビットが存在し得る構成としてもよい。また、第1ビット群と第2ビット群とで一部のビットが重複する構成としてもよい。但し、このように一部のビットが重複する構成においては、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報と、第1表示領域及び第2表示領域の表示態様とが1対1で対応しない可能性が生じ得るため、大当たり結果の種類と表示態様との対応関係の点で問題が生じないようにして上記ビットの重複を行うようにすることが好ましい。
【0299】
(5)一部のビット群を抽出することに基づく決定に係る構成や、第1ビット群及び第2ビット群といった複数種類のビット群を抽出することに基づく複数種類の決定に係る構成の適用対象を、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報に加えて又は代えて、大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報、リーチ乱数カウンタC3に係る数値情報、変動種別カウンタCSに係る数値情報、又は電動役物開放カウンタC4に係る数値情報としてもよい。
【0300】
例えば、変動種別カウンタCSに係る数値情報に適用する場合、当該数値情報により表示継続時間を決定するようにしながら、当該数値情報の一部のビットによる数値情報によってリーチの有無や実行リーチの種類を決定してもよい。また、当該数値情報の一部のビットによる数値情報によりリーチの有無を決定し、他のビットによる数値情報によりリーチの種類を決定するようにしてもよい。この場合、リーチ乱数カウンタC3を不具備としてもよい。
【0301】
(6)第1ビット群による決定対象の態様が複数種類設定されている構成において、各態様に対して第1ビット群による数値情報が複数種類対応していてもよい。例えば、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態においては、第1表示領域における一の表示態様に対して、第1ビット群による数値情報が複数種類設定されている構成としてもよい。これは第2ビット群についても同様である。
【0302】
(7)所定の数値情報における一部のビットを利用して、当該所定の数値情報の全体を利用した決定とは異なる決定を行う構成に着目した場合、第1ビット群による決定のみを行い、第2ビット群による決定は行わない構成としてもよい。本構成を、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態に適用する場合、第1ビット群による数値情報を利用して、第1表示領域の表示態様を決定するとともに、第2表示領域の表示態様を決定する構成としてもよい。
【0303】
(8)所定の数値情報における一部のビットを利用して、当該所定の数値情報の全体を利用した決定とは異なる決定を行う構成に着目した場合、第1ビット群による決定に際して利用されるテーブルと、第2ビット群による決定に際して利用されるテーブルとが異なっていてもよい。
【0304】
(9)第1ビット群及び第2ビット群の抽出対象となる数値情報である大当たり種別カウンタC2は、10ビットに限定されることはなく任意である。例えば、2ビット、3ビット、4ビット、5ビット、6ビット、7ビット、8ビット及び9ビットといったように、10ビット未満の複数ビットであってもよく、11ビット以上であってもよい。但し、第1ビット群及び第2ビット群のそれぞれに対応した決定を行うことの効果を好適に奏する上では、上記抽出対象となる数値情報は、3ビット以上であることが好ましい。
【0305】
(10)大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を、第1ビット群及び第2ビット群の2つに区分する構成に限定されることはなく、第1ビット群、第2ビット群及び第3ビット群の3つに区分する構成としてもよく、第1ビット群、第2ビット群、第3ビット群及び第4ビット群の4つに区分する構成としてもよい。この場合、例えば所定の複数のビット群により同一の装置について複数種類の決定を行うようにし、残りのビット群により当該同一の装置とは異なる装置についての決定を行うようにしてもよい。
【0306】
(11)第1ビット群の数値情報により決定する対象、及び第2ビット群の数値情報により決定する対象は、上記各実施形態のものに限定されない。例えば、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態のように同一の装置に関する複数種類の決定を第1ビット群の数値情報及び第2ビット群の数値情報を利用して行う構成を、特図表示装置33とは異なる装置について適用してもよい。
【0307】
(11−1)具体的には、当該適用対象の装置を可変入賞装置22としてもよい。この場合、開閉実行モードに移行すると可変入賞装置22にて複数回のラウンド遊技(所定の上限継続時間(開放時間)及び所定の上限個数の入賞のうち一方の条件が成立した場合に終了する遊技)が実行される構成において、1回のラウンド遊技における上限継続時間として相対的に時間の長短が生じるように複数種類の上限継続時間を用意しておく。そして、第1ビット群による数値情報を利用して、複数種類の上限継続時間のうち一の上限継続時間を選択して、第2ビット群による数値情報を利用して、当該選択された上限継続時間のラウンド遊技の回数を選択する。
【0308】
当該構成において、第2ビット群による数値情報を利用して選択されたラウンド遊技の回数が、対象となる開閉実行モードにて実行され得るラウンド遊技の回数としてもよい。また、当該構成に代えて、開閉実行モードにて実行され得るラウンド遊技の回数は予め定められており、それらラウンド遊技のうち、第1ビット群による数値情報を利用して決定された上限継続時間となるラウンド遊技の回数が第2ビット群による数値情報を利用して決定され、残りのラウンド遊技では予め定められた上限継続時間が設定される構成としてもよい。この場合、残りのラウンド遊技においては、第1ビット群による数値情報を利用して決定される上限継続時間よりも短い上限継続時間となる又はなり易い構成としてもよく、第1ビット群による数値情報を利用して決定される上限継続時間よりも長い上限継続時間となる又はなり易い構成としてもよい。
【0309】
(11−2)また、上記(11−1)において、第1ビット群による数値情報を利用して決定される対象が、上記ラウンド遊技の上限継続時間ではなく、上記ラウンド遊技の終了条件となる上限個数であってもよい。この場合、第2ビット群による数値情報を利用して、当該選択された上限個数のラウンド遊技の回数を選択する構成としてもよい。
【0310】
(11−3)また、上記(11−1)において、第2ビット群による数値情報を利用して決定される対象が、上記ラウンド遊技の回数ではなく、上記ラウンド遊技の終了条件となる上限個数であってもよい。この場合、第1ビット群による数値情報を利用して、上記ラウンド遊技の1の終了条件である上限継続時間が決定され、第2ビット群による数値情報を利用して、上記ラウンド遊技の他の終了条件である上限個数が設定される。本構成においては、開閉実行モードに移行した場合のラウンド遊技の実行回数は予め設定されており、その各回のラウンド遊技における上限継続時間及び上限個数として、上記第1ビット群による数値情報を利用した決定及び上記第2ビット群による数値情報を利用した決定が適用される構成とすればよい。
【0311】
(11−4)また、上記(11−3)において、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を2つに区分するのではなく、第1ビット群、第2ビット群及び第3ビット群が生じるように3つに区分し、上記第1ビット群及び上記第2ビット群の決定対象は上記(11−3)と同一としながら、第3ビット群による数値情報を利用して、ラウンド遊技の回数を決定する構成としてもよい。
【0312】
上記(11−1)〜(11−4)の構成であれば、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報に対する大当たり結果の種類の対応関係は、上記第1の実施形態の図8と同様に、各大当たり結果のそれぞれに対して複数種類の数値情報が対応付けられている構成としながら、さらにラウンド遊技における上限継続時間、ラウンド遊技における上限個数、ラウンド遊技の実行回数などを多様化させることができる。
【0313】
なお、上記(11−1)〜(11−4)において、第1ビット群による決定対象の態様が複数種類設定されている構成において、各態様に対して第1ビット群による数値情報が1対1で対応していてもよく、各態様に対して第1ビット群による数値情報が複数種類対応していてもよい。これは、上記第2ビット群及び上記第3ビット群についても同様である。
【0314】
(12)大当たり結果の各種類に対して、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報はそれぞれ連続する一の数値範囲として設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、少なくとも一部の大当たり結果については、当該大当たり結果に対応する複数の数値情報間に他の大当たり結果に対応した数値情報が存在している構成としてもよい。
【0315】
(13)上作動口23への入賞に係る保留情報と下作動口24への入賞に係る保留情報とが区別して扱われるとともに、それぞれの保留情報に対応させて第1特図表示部41及び第2特図表示部42が設けられている構成としたが、これに限定されることはなく、各保留情報が同等に扱われるとともに、いずれの保留情報であっても一の特図表示部にてその抽選結果が報知される構成としてもよい。
【0316】
また、上記各実施形態のように、上作動口23への入賞に係る保留情報と下作動口24への入賞に係る保留情報とが区別して扱われる構成において、下作動口24への入賞に係る保留情報が優先して消化されるのではなく、いずれの保留情報であっても入賞した順序によって消化される構成としてもよい。
【0317】
(14)主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置90により表示制御装置100が制御される構成に代えて、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置100が音声発光制御装置90を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置90と表示制御装置100とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置90に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置90から表示制御装置100に出力されるコマンドの構成も任意である。
【0318】
(15)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置31に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
【0319】
(16)上記実施形態では、主制御装置60において当否判定が行われたことに基づいて特図表示装置33における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置60において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置60では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続時間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。
【0320】
(17)表示面Pにおいて、遊技回用の演出を行うために変動表示される図柄(具体的には、図柄列Z1〜Z3上をスクロール表示される図柄)とは別に、遊技結果を明示するための図柄(絵柄)が表示される構成としてもよい。例えば、表示面Pにおいて、上記演出用の図柄が表示される領域に比べて狭い領域及び縁側の領域の少なくとも一方に該当する明示用領域を表示し、この明示用領域にて遊技回の終了に際して遊技結果に対応した表示がなされる構成としてもよい。この場合、当該表示が、一の区画部又は複数の区画部における点灯色のパターンによって行われる構成としてもよく、識別しづらい文字や模様のパターンによって行われる構成としてもよい。
【0321】
また、当該表示を、その表示内容が各遊技結果間で類似していることで、表示内容と遊技結果との対応関係を熟知している者以外は認識しづらいものとしてもよい。この場合、遊技者には当該表示を通じて遊技結果を把握しづらくさせながら、遊技ホールの管理者等は当該表示を通じて遊技結果を把握可能とすることができる。また、上記明示用領域では、遊技回の継続中は変動表示又は切り換え表示が行われる構成としてもよく、遊技回の途中では表示が行われないが、遊技回が終了する場合に停止結果が表示される構成としてもよい。
【0322】
(18)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0323】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0324】
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【0325】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0326】
<特徴A群>
特徴A1.数値情報(大当たり種別カウンタC2の数値情報)を更新する更新手段(MPU62における大当たり種別更新処理を実行する機能)と、
予め定められた条件が成立した場合に、前記更新手段により更新された数値情報を取得する取得手段(MPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該取得手段により取得された数値情報を利用して、第1の決定を行う第1決定手段(MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記数値情報は、複数のビットにより構成されており、
前記取得手段により取得された数値情報の一部のビット(第1ビット群)により表される数値情報を利用して、第2の決定を行う第2決定手段(第1の実施形態及び第2の実施形態では、MPU62におけるステップS605の処理を実行する機能、第3の実施形態では、MPU62におけるステップS906の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0327】
特徴A1によれば、第1の決定を行うための数値情報を利用して、当該第1の決定とは異なる第2の決定を行うことが可能となる。この場合に、当該第2の決定に際しては、複数のビットによる数値情報の一部のビットにより表される数値情報が利用されるため、数値情報の全てのビットを利用して第2の決定を行う構成に比べて、第2の決定に際して参照され得るデータの容量の削減を図ることが可能となる。
【0328】
特徴A2.前記第2決定手段は、前記第1決定手段の決定に際して利用された数値情報の一部のビットにより表される数値情報を利用して、前記第2の決定を行うものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0329】
特徴A2によれば、第2の決定に際して利用される数値情報は、第1の決定に際して利用される数値情報と関連している。したがって、第2の決定を、第1の決定に付随させることが可能となる。
【0330】
特徴A3.前記第1決定手段は、前記第1の決定として、遊技者の利益が変動し得る決定を行うものであり、
前記第1決定手段による決定結果を報知する結果報知手段(特図表示部41,42)を備え、
前記第2決定手段は、前記第2の決定として、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記結果報知手段における報知態様を決定するものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0331】
特徴A3によれば、遊技者の利益が変動し得る決定が行われるとともに、その決定結果の報知が行われる構成において、前者の決定に際して利用される数値情報を利用して、後者の決定を行うことが可能となる。
【0332】
特徴A4.前記取得手段により取得された数値情報であって前記一部のビットとは異なる所定のビットにより表される数値情報を利用して、第3の決定を行う第3決定手段(第1の実施形態では、MPU62におけるステップS607の処理を実行する機能、第2の実施形態では、MPU62におけるステップS607及びステップS811の処理を実行する機能、第3の実施形態では、MPU62におけるステップS609の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0333】
特徴A4によれば、第1の決定を行うための数値情報を利用して、第2の決定だけでなく第3の決定も行うことが可能となる。また、第1の決定に関連付けて第2の決定が行われるとともに、第1の決定に関連付けて第3の決定が行われる構成において、第2の決定に際して利用されるビットと、第3の決定に際して利用されるビットとは異なっているため、第2の決定の決定態様と第3の決定の決定態様との組み合わせのバリエーションを増加させることが可能となる。
【0334】
特徴A5.遊技の進行に伴い特定の動作を実行する特定動作実行手段(特図表示部41,42)を備え、
前記第2決定手段は、前記第2の決定として、前記特定動作実行手段が前記特定の動作を実行する場合における動作態様を決定付ける場合に利用される所定の決定を行うものであり、
前記第3決定手段は、前記第3の決定として、前記特定動作実行手段が前記特定の動作を実行する場合における動作態様を決定付ける場合に利用される、前記所定の決定とは異なる決定を行うものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
【0335】
特徴A5によれば、特定動作実行手段にて特定の動作が行われる場合の態様について複数種の決定をする場合において、それら複数種の決定に際して参照されるデータの容量を削減可能としながら、さらにそれら各決定の組み合わせのバリエーションを増やすことが可能となる。
【0336】
特徴A6.前記第1決定手段は、前記第1の決定として、遊技者の利益が変動し得る決定を行うものであり、
前記第1決定手段による決定結果を報知する結果報知手段(特図表示部41,42)を備え、
当該結果報知手段は、第1報知部(第1特図表示部41についてはセグメント表示器43、第2特図表示部42についてはセグメント表示器45)と、第2報知部(第1特図表示部41についてはセグメント表示器44、第2特図表示部42についてはセグメント表示器46)と、を備え、
前記第2決定手段は、前記第2の決定として、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第1報知部における報知態様を決定するものであり、
前記第3決定手段は、前記第3の決定として、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第2報知部における報知態様を決定するものであることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
【0337】
特徴A6によれば、遊技者の利益が変動し得る決定が行われるとともに、その決定結果の報知が行われる構成において、前者の決定に際して利用される数値情報を利用して、後者の決定を行うことが可能となる。
【0338】
また、遊技者の利益が変動し得る決定を行うための数値情報を利用して、第1報知部及び第2報知部のそれぞれの報知態様を決定することが可能となる。この場合に、遊技者の利益が変動し得る決定に関連付けて第1報知部の報知態様の決定が行われるとともに、遊技者の利益が変動し得る決定に関連付けて第2報知部の報知態様の決定が行われる構成において、第1報知部の報知態様の決定に際して利用されるビットと、第2報知部の報知態様の決定に際して利用されるビットとは異なっているため、第1報知部の報知態様と第2報知部の報知態様との組み合わせのバリエーションを増加させることが可能となる。
【0339】
特徴A7.前記第2決定手段は、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第1報知部における報知態様を決定する場合、決定用手段(停止結果テーブルRT)を利用して、前記一部のビットにより表される数値情報に対応した報知態様を決定するものであり、
前記第3決定手段は、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第2報知部における報知態様を決定する場合、前記決定用手段を利用して、前記所定のビットにより表される数値情報に対応した報知態様を決定するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
【0340】
特徴A7によれば、第1報知部における報知態様の決定に際して利用される決定用手段を利用して、第2報知部における報知態様の決定が行われるため、必要な記憶容量の削減が図られる。また、このように決定用手段が共通して利用される構成であったとしても、第1報知部における報知態様の決定及び第2報知部における報知態様の決定に際して利用されるビットは相互に異なっているため、結果報知手段における報知態様のバリエーションを増加させることが可能となる。
【0341】
特徴A8.前記一部のビットにより表される複数種類の数値情報には、前記所定のビットにより表される複数種類の数値情報の少なくとも一部が含まれる構成であり、
前記第3決定手段は、
前記決定用手段に基づいて、前記所定のビットにより表される数値情報に対応した報知態様を導出する導出手段(MPU62におけるステップS607の処理を実行する機能)と、
当該導出手段により導出された報知態様を加工する加工手段(MPU62におけるステップS811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
【0342】
特徴A8によれば、第2報知部の報知態様は、決定用手段を利用して導出された報知態様がそのまま採用されるのではなく、当該報知態様に対して加工手段による加工が行われた後の報知態様が採用される。これにより、上記特徴A7の構成を備え、共通の決定用手段を利用して第1報知部及び第2報知部の報知態様が決定される構成において、第1報知部において採用されない報知態様を第2報知部において採用することが可能となり、報知態様の多様化が図られる。
【0343】
特徴A9.前記加工手段は、加工前の報知態様と加工後の報知態様とが1対1で対応するように、一定の加工処理を施すものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
【0344】
特徴A9によれば、所定のビットにより表される数値情報に対応した報知を第2報知部にて行うことを可能としながら、上記特徴A8にて説明したような報知態様の多様化を図ることが可能となる。
【0345】
特徴A10.前記決定用手段は、当該決定用手段から導出され得る複数種類の報知態様に、前記加工手段による加工後の報知態様が含まれないように構成されていることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
【0346】
特徴A10によれば、第1報知部及び第2報知部に対して共通の決定用手段を利用する構成において、結果報知手段における報知態様の多様化を図ることが可能となる。
【0347】
特徴A11.前記第1報知部は、前記一部のビットにより表される数値情報に対応した報知態様による報知が可能であるとともに、前記所定のビットにより表される数値情報に対応した報知態様による報知が可能であるように構成されており、
前記第2報知部は、前記所定のビットにより表される数値情報に対応した報知態様による報知が可能であるとともに、前記一部のビットにより表される数値情報に対応した報知態様による報知が可能であるように構成されていることを特徴とする特徴A7乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
【0348】
特徴A11によれば、共通の決定用手段を利用して第1報知部及び第2報知部の報知態様を決定する上で、構成の好適化を図ることが可能となる。
【0349】
特徴A12.前記一部のビットのビット数と、前記所定のビットのビット数とが同一であることを特徴とする特徴A4乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
【0350】
特徴A12によれば、第2の決定と第3の決定とを同等に扱うことが可能となる。
【0351】
特徴A13.前記第1決定手段は、前記第1の決定として、前記取得手段により取得された数値情報を利用して、複数種類設定された特典(複数種類の大当たり結果)のうちいずれの特典を遊技者に付与するのかの決定を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
【0352】
複数種類の特典から遊技者に付与する特典を決定する場合に数値情報が利用される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0353】
上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
【0354】
遊技機の一種としてパチンコ遊技機等の遊技機が知られている。かかる遊技機は、CPUなどの制御手段にて、更新手段により更新された数値情報の取得を通じて抽選を行うとともにその抽選結果に応じた処理を実行することで、遊技を進行させる。
【0355】
例えば作動口への入球を条件に取得した数値情報を用いて当たり外れの抽選を行い、この抽選結果を表示装置などによって報知した上、当選の場合には大入賞口を開放するなどの特別遊技状態が繰り広げられる構成が知られている。また、特別遊技状態が終了した後の遊技状態の内容を、上記抽選とは別の抽選により決定する構成や、上記表示装置における演出の内容を、上記抽選とは別の抽選により決定する構成も知られている。
【0356】
上記のような数値情報の更新を行うための構成として、例えば数ms単位といった極微小な時間単位で+1ずつ更新され、最大値までくると最小値に戻される乱数カウンタを用いる構成が知られている。例えば、乱数カウンタが0〜599であったとすれば、数値情報が0から始まり、599にくると0に戻されるようになっている。そして、例えば上記のように当たり外れの抽選に乱数カウンタが利用される場合、作動口へ入球したタイミングによって乱数カウンタから取得した数値情報が、予め定めた当たり対応の数値情報である場合に当選として処理されるのである(例えば、特開2003−245455号公報参照)。
【0357】
ここで、上記遊技機においては、遊技の興趣向上を図るべく、例えば抽選の仕方や、抽選結果の報知態様などが複雑化する傾向にある。この場合に、情報を記憶するためのメモリの記憶容量が極端に増大化してしまうことや回路構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくなく、同様に、制御手段のソフト構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくない。
【0358】
<特徴B群>
特徴B1.第1表示領域(第1特図表示部41についてはセグメント表示器43、第2特図表示部42についてはセグメント表示器45)及び第2表示領域(第1特図表示部41についてはセグメント表示器44、第2特図表示部42についてはセグメント表示器46)を有する特定表示手段(特図表示部41,42)と、
取得タイミングに応じて数値が変化し得る第1数値情報を、予め定められた取得条件が成立した場合に取得する第1取得手段(MPU62におけるステップS602の処理を実行する機能)と、
前記第1表示領域の表示態様を、前記第1取得手段により取得された数値情報に対応した表示態様に決定する第1表示態様決定手段(MPU62におけるステップS605の処理を実行する機能)と、
取得タイミングに応じて数値が変化し得る第2数値情報を、予め定められた取得条件が成立した場合に取得する第2取得手段(MPU62におけるステップS603の処理を実行する機能)と、
前記第2表示領域の表示態様を、前記第2取得手段により取得された数値情報に対応した表示態様に決定する第2表示態様決定手段(第1の実施形態では、MPU62におけるステップS607及びステップS811の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1表示態様決定手段は、前記第1表示領域の表示態様を決定する場合、予め設定された決定用手段(停止結果テーブルRT)を利用することで、前記第1取得手段により取得された数値情報に対応した表示態様に決定し、
前記第2表示態様決定手段は、前記第2表示領域の表示態様を決定する場合、前記決定用手段を利用することで、前記第2取得手段により取得された数値情報に対応した表示態様に決定するものであることを特徴とする遊技機。
【0359】
特徴B1によれば、第1表示領域の表示態様の決定に際して参照される決定用手段が、第2表示領域の表示態様の決定に際して参照される決定用手段として兼用されるため、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
【0360】
特徴B2.遊技者の利益が変動し得る抽選を行う抽選手段(MPU62におけるステップS401及びステップS505の処理を実行する機能)を備え、
当該抽選手段の抽選結果が、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の両方の表示態様を利用して報知されることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0361】
特徴B2によれば、抽選結果を報知する場合における表示態様の多様化を図るべく第1表示領域及び第2表示領域を備えた構成において、上記特徴B1の構成を備えることにより、記憶容量の削減を図りながら、当該表示態様の多様化を図ることが可能となる。
【0362】
特徴B3.前記第2表示態様決定手段は、
前記決定用手段に基づいて、前記第2取得手段により取得された数値情報に対応した表示態様を導出する導出手段(MPU62におけるステップS607の処理を実行する機能)と、
当該導出手段により導出された表示態様を加工する加工手段(MPU62におけるステップS811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0363】
特徴B3によれば、第2表示領域の表示態様は、決定用手段を利用して導出された表示態様がそのまま採用されるのではなく、当該表示態様に対して加工手段による加工が行われた後の表示態様が採用される。これにより、共通の決定用手段を利用して第1表示領域及び第2表示領域の表示態様が決定される構成において、第1表示領域において採用されない表示態様を第2表示領域において採用することが可能となり、表示態様の多様化が図られる。
【0364】
特徴B4.前記加工手段は、加工前の表示態様と加工後の表示態様とが1対1で対応するように、一定の加工処理を施すものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
【0365】
特徴B4によれば、第2取得手段により取得された数値情報に対応した表示を第2表示領域にて行うことを可能としながら、上記特徴B3にて説明したような表示態様の多様化を図ることが可能となる。
【0366】
特徴B5.前記決定用手段は、当該決定用手段から導出され得る複数種類の表示態様に、前記加工手段による加工後の表示態様が含まれないように構成されていることを特徴とする特徴B3又はB4に記載の遊技機。
【0367】
特徴B5によれば、第1表示領域及び第2表示領域に対して共通の決定用手段を利用する構成において、特定表示手段における表示態様の多様化を図ることが可能となる。
【0368】
特徴B6.前記第1表示領域は、前記第1表示態様決定手段により決定された表示態様による表示を行うことが可能であるとともに、前記第2表示態様決定手段により決定された表示態様による表示を行うことが可能であるように構成されており、
前記第2表示領域は、前記第2表示態様決定手段により決定された表示態様による表示を行うことが可能であるとともに、前記第1表示態様決定手段により決定された表示態様による表示を行うことが可能であるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
【0369】
特徴B6によれば、共通の決定用手段を利用して第1表示領域及び第2表示領域の表示態様を決定する上で、構成の好適化を図ることが可能となる。
【0370】
上記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
【0371】
遊技機の一種としてパチンコ遊技機等の遊技機が知られている。かかる遊技機は、CPUなどの制御手段にて、更新手段により更新された数値情報の取得を通じて抽選を行うとともにその抽選結果に応じた処理を実行することで、遊技を進行させる。
【0372】
例えば作動口への入球を条件に取得した数値情報を用いて当たり外れの抽選を行い、この抽選結果を表示装置などによって報知した上、当選の場合には大入賞口を開放するなどの特別遊技状態が繰り広げられる構成が知られている。また、特別遊技状態が終了した後の遊技状態の内容を、上記抽選とは別の抽選により決定する構成や、上記表示装置における演出の内容を、上記抽選とは別の抽選により決定する構成も知られている。
【0373】
上記のような数値情報の更新を行うための構成として、例えば数ms単位といった極微小な時間単位で+1ずつ更新され、最大値までくると最小値に戻される乱数カウンタを用いる構成が知られている。例えば、乱数カウンタが0〜599であったとすれば、数値情報が0から始まり、599にくると0に戻されるようになっている。そして、例えば上記のように当たり外れの抽選に乱数カウンタが利用される場合、作動口へ入球したタイミングによって乱数カウンタから取得した数値情報が、予め定めた当たり対応の数値情報である場合に当選として処理されるのである(例えば、特開2003−245455号公報参照)。
【0374】
ここで、上記遊技機においては、遊技の興趣向上を図るべく、例えば抽選結果の報知態様などが複雑化する傾向にある。この場合に、情報を記憶するためのメモリの記憶容量が極端に増大化してしまうことは好ましくない。
【0375】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0376】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0377】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0378】
10…パチンコ機、33…特図表示装置、41…第1特図表示部、42…第2特図表示部、43〜46…セグメント表示器、60…主制御装置、62…MPU、RT…停止結果テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値情報を更新する更新手段と、
予め定められた条件が成立した場合に、前記更新手段により更新された数値情報を取得する取得手段と、
当該取得手段により取得された数値情報を利用して、第1の決定を行う第1決定手段と、
を備えた遊技機において、
前記数値情報は、複数のビットにより構成されており、
前記取得手段により取得された数値情報の一部のビットにより表される数値情報を利用して、第2の決定を行う第2決定手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1決定手段は、前記第1の決定として、遊技者の利益が変動し得る決定を行うものであり、
前記第1決定手段による決定結果を報知する結果報知手段を備え、
前記第2決定手段は、前記第2の決定として、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記結果報知手段における報知態様を決定するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記取得手段により取得された数値情報であって前記一部のビットとは異なる所定のビットにより表される数値情報を利用して、第3の決定を行う第3決定手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技の進行に伴い特定の動作を実行する特定動作実行手段を備え、
前記第2決定手段は、前記第2の決定として、前記特定動作実行手段が前記特定の動作を実行する場合における動作態様を決定付ける場合に利用される所定の決定を行うものであり、
前記第3決定手段は、前記第3の決定として、前記特定動作実行手段が前記特定の動作を実行する場合における動作態様を決定付ける場合に利用される、前記所定の決定とは異なる決定を行うものであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1決定手段は、前記第1の決定として、遊技者の利益が変動し得る決定を行うものであり、
前記第1決定手段による決定結果を報知する結果報知手段を備え、
当該結果報知手段は、第1報知部と、第2報知部と、を備え、
前記第2決定手段は、前記第2の決定として、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第1報知部における報知態様を決定するものであり、
前記第3決定手段は、前記第3の決定として、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第2報知部における報知態様を決定するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2決定手段は、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第1報知部における報知態様を決定する場合、決定用手段を利用して、前記一部のビットにより表される数値情報に対応した報知態様を決定するものであり、
前記第3決定手段は、前記第1の決定の結果を報知する場合の前記第2報知部における報知態様を決定する場合、前記決定用手段を利用して、前記所定のビットにより表される数値情報に対応した報知態様を決定するものであることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記一部のビットにより表される複数種類の数値情報には、前記所定のビットにより表される複数種類の数値情報の少なくとも一部が含まれる構成であり、
前記第3決定手段は、
前記決定用手段に基づいて、前記所定のビットにより表される数値情報に対応した報知態様を導出する導出手段と、
当該導出手段により導出された報知態様を加工する加工手段と、
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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