説明

遊技機

【課題】コンパクトでありながらも開閉手段の不正開放を防止可能な遊技機を提供する。
【解決手段】開閉部材53に設けられ、閉鎖位置および開放位置に一体的に変位する連繋部84および規制部85と、開閉部材53の開放を規制するロック位置および該開閉部材53の開放位置に対応した作動位置に往復移動すると共に常にはロック位置へ付勢された作動部材86と、作動部材86の作動位置への変位に伴い開閉部材53を閉鎖位置から開放位置へ変位させる開閉作動孔89と、規制部85との係合作用下において開閉部材53の開放位置への変位を規制するロック部86aとを備え、作動部材86がロック位置にある状態では、規制部85とロック部86aとが係合して開閉部材53の開放が規制され、作動部材86がロック解除位置に変位することで規制部85とロック部86aとの係合が解除され、作動位置へ作動部材86が変位することで開閉部材53が開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が入賞可能な入賞口を開閉部材で開閉するよう構成された入賞装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の装飾部材(所謂センター役物)が配設されており、この装飾部材の開口部を介して複数の図柄を変動表示する液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における装飾部材の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での図柄変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置の入賞口に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当り遊技や小当り遊技等の当り遊技が生起されるよう構成されている。
【0003】
また、前記パチンコ機において、遊技領域に対してパチンコ球が打ち出される装飾部材の上部に、前記図柄表示装置での大当り時に開閉部材を作動して入賞口を開放する第2の特別入賞装置を配設し、遊技の興趣を向上するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1における第2の特別入賞装置では、開閉部材の一端を装飾部材に枢支して入賞口を開閉し得るよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−119671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、入賞口を開閉する入賞装置に対しては、パチンコ機の僅かな隙間から遊技領域内へ針金等の器具を侵入させて、入賞口を閉鎖している開閉部材を強制的に開放させる不正行為が行われる虞がある。このような不正行為が行われると、大当り等の入賞口が開放する機会が与えられていないにも拘わらず、入賞装置へのパチンコ球の入賞により不正な賞球が払い出されてしまい、正規な遊技が行われない問題がある。このため、パチンコ機には、大当り等の入賞口が開放する機会が与えられていない状態でのパチンコ球の入賞を検知して遊技店側に不正行為を報知する対策等が施されてはいるものの、不正行為を事後的に発見し得るに過ぎず、入賞口の不正開放行為自体を防止し得るものではない。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、コンパクトでありながらも開閉手段の不正開放を防止可能な入賞装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
駆動手段(52)の駆動に伴い遊技球が入賞可能な入賞口(51)を開閉手段(53)で開閉する入賞装置(50)を備えた遊技機において、
前記入賞装置(50)は、
前記開閉手段(53)に設けられ、前記入賞口(51)を開閉手段(53)が閉鎖する閉鎖位置および入賞口(51)を開閉手段(53)が開放する開放位置の間を開閉手段(53)と一体的に変位する連繋部(84)および規制部(85)と、
前記駆動手段(52)に配設され、該駆動手段(52)の駆動に伴い前記開閉手段(53)の開放を規制するロック位置および該開閉手段(53)の開放位置に対応した作動位置に往復移動するよう構成されると共に常にはロック位置へ向けて付勢された作動部材(86)と、
前記作動部材(86)に設けられて前記連繋部(84)と係脱可能に係合し、該作動部材(86)のロック位置から作動位置への変位に伴い前記開閉手段(53)を閉鎖位置から開放位置へ変位させる開閉作動部(89)と、
前記作動部材(86)に設けられて前記規制部(85)と係脱可能に係合し、該規制部(85)との係合作用下において前記開閉手段(53)の閉鎖位置から開放位置への変位を規制するロック部(86a)とを備え、
前記作動部材(86)が前記ロック位置にある状態では、前記開閉作動部(89)と連繋部(84)との係合が解除されると共に前記規制部(85)とロック部(86a)とが係合して前記開閉手段(53)の閉鎖位置から開放位置への変位を規制され、
前記作動部材(86)がロック位置から作動位置へ向けて変位する過程のロック解除位置で前記規制部(85)とロック部(86a)との係合が解除されると共に前記開閉作動部(89)と連繋部(84)とが係合し、ロック解除位置から作動位置へ作動部材(86)が変位することで、前記開閉手段(53)が閉鎖位置から開放位置へ変位されるよう構成されたことを要旨とする。
【0008】
このように、駆動手段の非駆動時には作動部材がロック位置に変位し、該作動部材に設けられたロック部が規制部に係合して開閉手段の閉鎖位置から開放位置への変位を規制するから、開閉手段を直接開放操作しても入賞口を開放することができず、該開閉手段の不正開放を阻止することができる。また、この状態では前記作動部材に設けた開閉作動部と連繋部との係合が解除されるから、開閉手段が不用意に開放位置へ変位するのを防止できる。一方で、駆動手段の駆動に伴って作動部材がロック位置からロック解除位置に変位することにより、前記規制部とロック部との係合が解除されると共に前記開閉作動部と連繋部とが係合するから、該ロック解除位置から作動位置へ向けて作動部材が更に変位することで開閉手段を開放することができる。すなわち、駆動手段の駆動に依らない不正な開閉手段の開放動作を防止できる。また、駆動手段に配設される作動部材に開閉作動部とロック部とを設け、該駆動手段の駆動に伴い開閉手段をロックする状態とロック解除する状態とに切り替わるよう構成したことで、入賞装置全体のコンパクト化が図られる。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記開閉手段(53)は、前後方向に延在する回転軸(54)から径方向へ延在する開閉部(53a)と、該回転軸(54)を挟んで開閉部(53a)の延在方向と反対方向へ延在する装飾部(53c)とを備え、前記閉鎖位置にある状態において前記装飾部(53c)が回転軸(54)を中心に垂下する姿勢に保持されると共に、前記開放位置にある状態において装飾部(53c)が回転軸(54)を中心に傾斜した姿勢に保持されよう構成されて、
前記開閉手段(53)が自重で閉鎖位置へ向けて付勢されるよう構成されたことを要旨とする。
このように、開閉手段が開放位置に回転変位した状態で閉鎖位置へ向けて回転力が開閉手段に作用するよう構成したことで、入賞口を閉鎖する閉鎖位置に開閉手段をより安定的に保持することができ、該開閉手段の不正な開放をより効果的に阻止できる。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記装飾部(53c)に錘部(53d)が設けられたことを要旨とする。
このように、開閉手段の装飾部に錘部を設けることで、開閉手段を閉鎖位置に安定的に保持でき、該開閉手段の不正な開放をより効果的に阻止できる。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記駆動手段(52)としてプランジャ(52a)を上下方向に移動させるソレノイドを備えて、該プランジャ(52a)に前記作動部材(86)が取り付けられ、当該駆動手段(52)の非駆動時にプランジャ(52a)が下方へ突出することで作動部材(86)がロック位置へ付勢されると共に、当該駆動手段(52)の駆動に伴いプランジャ(52a)が上方移動することで作動部材(86)が作動位置に移動するよう構成されたことを要旨とする。
このように、駆動手段としてのソレノイドのプランジャが非駆動時に下方へ突出するよう構成したことで、該プランジャの作用により作動部材がロック位置へ付勢されるから、開閉手段の不正な開放をより効果的に阻止し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機によれば、開閉手段の不正開放を防止しつつ入賞装置のコンパクト化を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤の正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤と設置部材とを分解した状態を示す斜視図であって、遊技盤を背面側から示すと共に設置部材を正面側から示す。
【図4】実施例に係る第2特別入賞装置が配設された枠状装飾体の正面図である。
【図5】実施例に係る遊技盤における第2特別入賞装置の配設位置の拡大図であって(a)は特別入賞口開閉部材が閉鎖位置にある状態を示し、(b)は特別入賞口開閉部材が開放位置にある状態を示す。
【図6】図4におけるA−A線断面図である
【図7】実施例に係る第2特別入賞装置を示す斜視図である。
【図8】実施例に係る枠状装飾体と第2特別入賞装置とを分解した状態を背面側から示す斜視図である。
【図9】実施例に係る第2特別入賞装置を正面側から示す分解斜視図である。
【図10】実施例に係る第2特別入賞装置を背面側から示す分解斜視図である。
【図11】実施例に係る第2特別入賞装置の特別入賞口開閉部材を2点鎖線で示した正面図であって、(a)は特別入賞口開閉部材が閉鎖位置にある状態を示し、(b)は特別入賞口開閉部材が開放位置にある状態を示す。
【図12】実施例に係る第2特別入賞装置の第1ケース部を示す背面図である。
【図13】(a)は第2特別入賞装置の第2ケース部を示す背面図であって、作動部材がロック位置にある状態を示し、(b)は作動部材がロック位置にある状態を示す要部拡大底面図である。
【図14】実施例に係る第2特別入賞装置の作動機構を示す分解斜視図であって、(a)は正面側から見た状態を示し、(b)は背面側から見た状態を示す。
【図15】実施例に係る第2特別入賞装置の第2ケース部を示す背面図であって、(a)は作動部材がロック解除位置にある状態を示し、(b)は作動部材が作動位置にある状態を示す。
【図16】実施例に係る枠状装飾体と設置部材との関係を示す説明図である。
【図17】図16のB−B線断面図である。
【図18】実施例に係る第1球通路部材を示す分解斜視図である。
【図19】(a)は第1球通路部材の前半体に形成されるセンサ設置部を背面側から示す斜視図であり、(b)は前半体の側面図であってセンサ設置部の保持片側から見た状態を示し、(c)は磁気センサの概略構成を示す。
【図20】実施例に係る第2球通路部材を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0015】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aの回動量を操作することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に調整し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置18やドットマトリックス式の図柄表示装置18等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。そして、実施例に係る図柄表示装置18には、前記飾図を変動表示可能な図柄表示部(図示せず)が横並び状に3列設けられており、図柄変動演出の開始に伴い各列の飾図が予め定められた変動方向(例えば縦スクロール、横スクロール等)へ変動表示し、所定のタイミングで各列の飾図が全て停止表示されることで、1回の図柄変動演出が終了するようになっている。
【0017】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図1、図2に示すように、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を表面に貼付けて装飾した略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に配設された設置部材95に、前記図柄表示装置18が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、ルーター加工等の孔空け加工により前後に貫通する複数(実施例では3つ)の装着口22a,22b,22cが開設されて(図3参照)、各装着口22a,22b,22cに対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体40、始動入賞装置30、第1特別入賞装置35、普通入賞口部材90等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。なお、前記装着口22a,22b,22cの形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0018】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図3に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央の大部分が開口する第1装着口22aに、前後に開口する表示窓口40aが形成された枠状装飾体40が取り付けられ、該枠状装飾体40の表示窓口40aを介して図柄表示装置18の表示面が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記枠状装飾体40には、前記表示窓口40aの開口内側(左側部)に、後述する第2特別入賞装置50が配設されており、該第2特別入賞装置50が前記第1装着口22aを介して遊技盤20の裏側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘24が設けられると共に、前記枠状装飾体40の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材25が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘24や回転案内部材25に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
【0019】
また、前記遊技盤20における枠状装飾体40(第1装着口22a)の下方位置には、図3に示すように、遊技領域20aの左右幅方向の略中央に第2装着口22bが開設されており、該第2装着口22bに、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31a,32bを有する始動入賞装置30および第1特別入賞装置35が取り付けられている。このように、実施例では、始動入賞装置30および第1特別入賞装置35は同じ第2装着口22bに取り付けられている。そして、前記遊技盤20における枠状装飾体40(第2装着口22b)の左側方に開設された第3装着口22cに、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口92aを有する普通入賞口部材90が取り付けられている。
【0020】
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置(始動入賞手段)30は、上下の位置関係で2つの前記始動入賞口31a,32bが設けられている。ここで、上側の始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側の始動入賞口(第2始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材33,33が設けられており、駆動手段としての図示しない始動入賞ソレノイドの駆動に伴って一対の羽根部材33,33が下側の始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に羽根部材33,33が揺動変位するよう構成されている。すなわち、前記上側の始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が一定の確率で入賞し得るよう構成されると共に、下側の始動入賞口31bは、パチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。なお、前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイドは、パチンコ機10の裏側に配設された制御装置(図示せず)に配線接続されており、所定の開閉条件に従って始動入賞ソレノイドが駆動制御されるようになっている。
【0021】
また、前記始動入賞装置30は、前記上下の始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する図示しない始動入賞球検出センサが設けられている。前記始動入賞球検出センサは、前記制御装置に配線接続されており、該始動入賞球検出センサの検出を契機として所定数の賞球が払い出されると共に大当り抽選が行われて、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18における各図柄表示部の飾図を変動表示して図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18の各図柄表示部に所定の組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で飾図が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って前記第1特別入賞装置35または第2特別入賞装置50を所定の開放条件で開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。また、前記始動入賞球検出センサは、始動入賞口31a,31b毎に設けて入賞球を個別に検出してもよいし、各始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を1つのセンサで検出するよう構成してもよい。すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、「大当り」の発生時に開放可能な2つの特別入賞装置が配設されており、「大当り」の発生条件に応じて、第1特別入賞装置35および第2特別入賞装置50の何れかの入賞口が開放される。
【0022】
(第1特別入賞装置35について)
前記第1特別入賞装置35は、図2、図3に示すように、遊技領域20aに開口する第1特別入賞口 (図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉38(開閉部材)を備えており、駆動手段としての図示しない第1特別入賞ソレノイドの駆動に伴って開閉扉38が揺動変位することで第1特別入賞口が開閉するようよう構成されている。なお図2では、前記開閉扉38により第1特別入賞口が閉鎖された状態を示している。また、前記第1特別入賞装置35には、前記第1特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する図示しない第1特別入賞球検出センサが設けられている。前記第1特別入賞球検出センサは、前記制御装置に配線接続されており、該第1特別入賞球検出センサから制御装置への入賞検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。
【0023】
(枠状装飾体40について)
前記枠状装飾体40は、図2〜図4に示すように、前記第1装着口22aに沿って延在する環状に形成され、内側に前後に開口する前記表示窓口40aを画成する環状の固定板41と、該固定板41の前面側に設けられて遊技盤20の前面より前方に突出する庇状部42とを備えており、前記遊技領域20aに発射されたパチンコ球を庇状部42に沿って枠状装飾体40の左右側部へ案内することで、該パチンコ球が表示窓口40aを横切って流下するのを規制している。また、前記枠状装飾体40の左側部には、前記庇状部42の左下端部の下方位置に設置部49が形成されており、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2特別入賞装置(入賞装置)50が該設置部49に後方から着脱可能に配設されている。なお、前記庇状部42は、前記第2特別入賞装置50の上部位置から固定板41の上縁部を介して右下端部に亘って延在するよう設けられている。また、前記枠状装飾体40(固定板41)の前面には、前記庇状部42の左下端部位置に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球を前記第2特別入賞装置50の第2特別入賞口51へ誘導する誘導片43(図4参照)が下方へ延在するよう設けられている。そして、前記固定板41の裏側には、前記第1装着口22aに内挿される内周壁部が形成されている。
【0024】
ここで、図4に示すように、前記枠状装飾体40を遊技盤20に取り付けた状態では、該枠状装飾体40の上部から右下部に亘って延在する庇状部42と、前記案内レール21とが一列でパチンコ球が通過可能な程度の隙間で離間すると共に、該庇状部42の右下端部が前記遊技領域20aの下端部近傍まで延在するよう構成されている。従って、前記遊技領域20aに発射されて枠状装飾体40の右側部を流下したパチンコ球は、前記始動入賞装置30、第1特別入賞装置35および第2特別入賞装置50の何れにも入賞する可能性が殆どない。すなわち、実施例のパチンコ機10では、パチンコ球が枠状装飾体40の左側部を流下するよう打球力を調整して遊技を行う所謂「左打ち」タイプの遊技機として構成されている。
【0025】
図4に示すように、前記枠状装飾体40における前記第2特別入賞装置50が設置される左側部には、該第2特別入賞装置50の下方位置に、前記遊技領域20a内に球導入口44aが開口する球導入部44が前記固定板41の前面側に設けられると共に、該球導入部44と対応する位置に、前後に開口する通孔41a(図6参照)が開設されている。また、前記枠状装飾体40には、前記球導入部44に連通する通孔の下方に、該枠状装飾体40(固定板41)の表示窓口40aの開口縁に沿って下方へ延在する球誘導通路45が設けられると共に、該枠状装飾体40(固定板41)の下部(開口下縁部)に、球誘導通路45の球通出口(図示せず)に連通するステージ46が設けられており、該球誘導通路45を通過したパチンコ球がステージ46上を左右に転動して最終的に遊技領域20aへ排出されるよう構成されている。すなわち、実施例では、前記球導入部44、球誘導通路45およびステージ46の夫々が、遊技領域20a内に開口した球導入口44aを介して一時的に受け入れたパチンコ球を遊技領域20aへ排出する球流路として機能している。なお、前記ステージ46には、ステージ46上を転動したパチンコ球が前記始動入賞装置30における上側の始動入賞口31aへ向けて排出される第1球排出部と、該上側の始動入賞口31aの側方へ向けて排出される第2球排出部が設けられている。なお、前記枠状装飾体40におけるステージ46の形成位置には、前記表示窓口40aの内側へのパチンコ球の移動を規制する規制壁40c(図2、図4参照)が設けられており、該ステージ46上を転動するパチンコ球が後方(遊技盤20の裏側)へ移動するのを防止している。
【0026】
ここで、前記球誘導通路45の上端部は、図6に示すように、前記球導入部44に対応した通孔41aの後方位置で後方に開口するよう構成されている。そして、前記球誘導通路45の後方開口が前記第2特別入賞装置50に形成された通路画成壁74(後述)で塞がれて、前記球導入部44を通過したパチンコ球を球誘導通路45へ案内するようになっている。
【0027】
(球通過ゲート47について)
図4、図5、図8に示すように、前記枠状装飾体40の左側部には、前記庇状部42の左下端部の側方位置に、左方向へ突出する延出片40bが形成されると共に、該延出片40bの前面に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。すなわち、前記球通過ゲート47は、前記庇状部42から左方向へ離間した位置に設けられている。この球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記制御装置に配線接続されており、該通過球検出センサ48から制御装置への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイドが駆動制御されて羽根部材33,33が開閉動作するようになっている。
【0028】
ここで、前記球通過ゲート47は、前記庇状部42(誘導片43)との間を1個のパチンコ球が通過可能な距離だけ離間する位置に形成され、該球通過ゲート47の形成位置(庇状部42の左下端部)より下方側に前記第2特別入賞装置50が近接位置するよう構成されている。そして、前記遊技盤20における前記枠状装飾体40の左側部には、前記球通過ゲート47の上流側に植設された遊技釘24により、球通過ゲート47および枠状装飾体40(庇状部42)の間を通過して前記第2特別入賞装置50へ向けてパチンコ球が流下する第1上流経路26aと、当該球通過ゲート47へ向けてパチンコ球が流下する第2上流経路26bと、球通過ゲート47および案内レール21の間をパチンコ球が流下する第3上流経路26cとが形成されて、遊技領域20a内を不規則に流下するパチンコ球の流下速度や流下方向等に応じて第1〜第3上流経路26a〜26cの何れかを通るよう構成されている。また、前記球通過ゲート47の下流側には、前記第2特別入賞装置50へ向けてパチンコ球が流下する第1下流経路27aと、該第2特別入賞装置50から離れる方向へパチンコ球が流下する第2下流経路27bとが設けられるよう遊技釘24が植設されており、該球通過ゲート47を通過したパチンコ球が第1下流経路27aまたは第2下流経路27bの何れかに自然に振り分けられるようになっている。すなわち、前記遊技盤20の遊技領域20aに発射されたパチンコ球は、前記球通過ゲート47を通過する前後において第2特別入賞装置50へ向けて流下する機会があり、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が第2特別入賞装置50へ案内される頻度が高くなるようになっている。
【0029】
(第2特別入賞装置50について)
次に、前記枠状装飾体40の設置部49に配設される前記第2特別入賞装置50について説明する。前記第2特別入賞装置50は、図7〜図10に示すように、前記枠状装飾体40の設置部49に着脱可能に取り付けられるケース体(基体部)57と、該ケース体57の前面側に設けられて遊技領域20a(第1上流経路26aおよび第1下流経路27a)を流下するパチンコ球が入賞可能な第2特別入賞口(入賞口)51と、当該ケース体57の前面側に設けられ、第2特別入賞ソレノイド(駆動手段)52の駆動により第2特別入賞口51を開閉する特別入賞口開閉部材(開閉部材)53と、第2特別入賞口51に連通してパチンコ球を排出案内する特別入賞球排出通路80と、当該第2特別入賞口51に入賞したパチンコ球を検出する第2特別入賞球検出センサ55(球検出センサ)とを備えたユニット部材として構成されている。すなわち、前記第2特別入賞口51は、前記枠状装飾体40において前記球導入口44a(球導入部44)が形成された側部側に、前記庇状部42の左下端部より下方に位置するよう設けられている。
【0030】
(特別入賞口開閉部材53について)
前記特別入賞口開閉部材53は、図9、図10に示すように、前記ケース体57(後述する第1ケース部58の軸孔59)に回転可能に支持される回転軸54の前端部に固定され、回転軸54から径方向外方へ延在する球受け片(開閉部)53aと、同様に当該回転軸54から径方向外方へ延在する装飾部53b,53cとを備えている。ここで、前記装飾部53b,53cは、前記回転軸54から前記受け片53aの延在方向に延在して前記受け片53aの前面側に位置する第1装飾部53bと、該回転軸54を挟んで受け片53a(第1装飾部53b)の延在方向と反対方向へ延在する第2装飾部53cとからなり、特別入賞口開閉部材53の前面意匠を形成している。すなわち、実施例の特別入賞口開閉部材53では、前記回転軸54を中心として径方向一方側に受け片53aおよび第1装飾部53bが延在し、回転軸54を中心として径方向他方側に第2装飾部53cが延在しており、前記第2特別入賞ソレノイド52の駆動に伴い回転軸54を中心として前記受け片53aが第2特別入賞口51を閉鎖する閉鎖位置および当該受け片53aが第2特別入賞口51を開放する開放位置に回転変位するようになっている。
【0031】
前記装飾部53b,53cは、適宜の意匠形態に形成された意匠部であって、実施例では前記ケース体57に設けられた意匠体66との組み合わせで1つの意匠(実施例では龍の頭部を模した意匠)を形成するようになっている。具体的には、前記特別入賞口開閉部材53の装飾部53b,53cが龍頭部の上顎意匠をなすと共に、意匠体66が龍頭部の下顎意匠をなしており、該特別入賞口開閉部材53の開閉動作により龍の口が開閉する様子を表現している。
【0032】
ここで、前記閉鎖位置では、前記回転軸54を中心として前記受け片53aが起立するよう上方へ延在すると共に第2装飾部53cが回転軸54を中心に垂下する姿勢に保持され(図5(a)、図11(a)参照)、前記開放位置では、回転軸54を中心として前記受け片53aが左方向へ傾斜する姿勢に保持される(図5(b)、図11(b)参照)。そして、実施例の特別入賞口開閉部材53は、前記開放位置に回転変位した状態で重心が回転軸54よりも右側に偏倚するようになっており、該特別入賞口開閉部材53の自重により閉鎖位置へ向けて回転させる回転力が作用するようになっている。また、前記特別入賞口開閉部材53における第2装飾部53cの裏側には、後方へ突出する突出部(錘部)53dが設けられており、特別入賞口開閉部材53が開放位置に変位した際に、閉鎖位置へ向けて回転させる回転力がより大きく作用するようになっている。また、前記突出部53dは、前記閉鎖位置において前記ケース体57に当接係合するよう構成されており、前記特別入賞口開閉部材53を閉鎖位置に停止保持するストッパとしての機能を有している。
【0033】
(ケース体57について)
前記第2特別入賞装置50のケース体57は、図8、図9に示すように、前記設置部49に取り付けられる第1ケース部58と、該第1ケース部58の裏側に取り付けられる第2ケース部68と、該第2ケース部68の裏側に取り付けられる第3ケース部76とから構成されて、該第1ケース部58においてケース体57の前面をなす前面板58aの前側に前記第2特別入賞口51が形成されている。ここで、前記第2特別入賞口51は、前記枠状装飾体40の設置部49に第2特別入賞装置50(ケース体57)を取り付けた状態で、該枠状装飾体40の左側部における上下の略中央に位置するよう構成されている。なお、実施例のケース体57を構成する第1〜第3ケース部58,68,76の夫々は、合成樹脂製の透明部材である。また、前記ケース体57は、前記設置部49に取り付けた状態で、第1ケース部58の前面板58a(ケース体57の前面)が前記枠状装飾体40(固定板41)の開口内側に臨むと共に、該第1ケース部58の前面板58a(ケース体57の前面)が枠状装飾体40の固定板41の前面と略同一面上に位置するよう構成されて、前記遊技領域20a(第1上流経路26aおよび第2下流経路27b)を流下するパチンコ球が第1ケース部58の前面に移動し得るようになっている。言い換えると、前記第1ケース部58の前面板58aが、前記第1上流経路26aおよび第2下流経路27bの背面を形成している(図5参照)。
【0034】
(第1ケース部58について)
前記第1ケース部58には、図9、図10に示すように、平板状の前面板58aの外周縁部から第1外周壁部58bが延出する後方へ開口した箱体状に形成されている。前記第1ケース部58には、前後に貫通する軸孔59が形成されており、該軸孔59に前記特別入賞口開閉部材53に固定された回転軸54が挿通されている。また、前記第1ケース部58の前面板58aには、前記軸孔59から離間する位置に、該軸孔59の上方および右方に亘って延在する円弧状の入賞口区画壁60が前方へ突出するよう設けられている。すなわち、前記特別入賞口開閉部材53に設けられた受け片53aと、前記入賞口区画壁60とにより前記第2特別入賞口51が画成され、前記回転軸54を中心とした特別入賞口開閉部材53の揺動に伴って該第2特別入賞口51が開閉されるようになっている(図11参照)。ここで、図11に示すように、前記入賞口区画壁60の上端部は、前記枠状装飾体40に設けられた誘導片43の下端部と略整合するよう構成されており、前記第1上流経路26aおよび第2下流経路27bを流下するパチンコ球が入賞口区画壁60と誘導片43との間を通過しないよう構成されている。また、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置に保持された状態では、前記受け片53aの自由端部が前記入賞口区画壁60の上端部に当接するようになっている。
【0035】
前記第1ケース部58における前記入賞口区画壁60の下端部側には、後方へ開口するセンサホルダ61が軸孔59(回転軸54)の右側方に隣接して設けられており、長手方向を前後(回転軸54の軸方向)に延在させた姿勢で前記第2特別入賞球検出センサ55をセンサホルダ61に差し込んで設置するよう構成されている。すなわち、前記特別入賞口開閉部材53に近接(隣接)して第2特別入賞球検出センサ55が配置されて、第2特別入賞口51に入賞したパチンコ球が第2特別入賞球検出センサ55で速やかに検出されるようになっている。なお、前記センサホルダ61の前端部には、前記第2特別入賞球検出センサ55の前方移動を規制する前規制部61aが設けられている。また、前記第2特別入賞球検出センサ55は、パチンコ球が通過する検出孔55aが前記第1ケース部58の前面板58aより前方に位置するよう設置される。なお、前記第2特別入賞球検出センサ55は前記制御装置に配線接続されており、該第2特別入賞球検出センサ55の検出に伴い所定数のパチンコ球が賞球として払い出されるようになっている。
【0036】
そして、図9,図10、図12に示すように、前記センサホルダ61の下方位置に、前記特別入賞球排出通路80を構成する後方案内樋63が第1ケース部58の前面板58aを挟んで前後に延在するよう形成されている。前記後方案内樋63は、前記前面板58aの前側で上方(センサホルダ61側)に開口しており、前記特別入賞球検出センサで検出されたパチンコ球を第2特別入賞装置50(枠状装飾体40)の裏側へ排出案内するようになっている。また、前記後方案内樋63は、前記前面板58aの後側において後方および左側方へ開口するよう構成されており、該後方案内樋63の側方開口に、前面板58aの裏側に形成された第1側方案内樋64が連通している。この第1側方案内樋64は、後方案内樋63との連通位置から左方向へ向けて下方傾斜するよう形成されており、前記前面板58aの後側に形成された縦樋65が該第1側方案内樋64の下流端部に連通するよう構成されている。
【0037】
また、図10、図12に示すように、前記第1側方案内樋64および縦樋65の夫々は、全体が後方へ開口する断面コ字状に形成されており、前記第1ケース部58と第2ケース部68とを組み付けることで、各樋の後方開口が塞がれて第1側方案内樋64に対応する第1側方案内通路64aおよび縦樋65に対応する縦通路65aが夫々画成されるようになっている。なお、前記第1側方案内通路64aおよび縦通路65aの夫々は、前記前面板58aの後方に位置するよう構成されると共に、該前面板58aにおける該通路64a,65aの前面側に、着色等の目隠しが施されており、当該通路64a,65aを前側から直接視認し得ないようになっている。
【0038】
更に、図5、図8に示すように、前記第1ケース部58の前面板58aには、前記軸孔59の下方位置に、意匠体66が前記後方案内樋63の左側方に位置するよう取り付けられている。ここで、実施例の意匠体66は、前記特別入賞口開閉部材53と合わせて1つの意匠(実施例では龍の頭部を模した意匠)を構成している。
【0039】
また、図11に示すように、前記特別入賞口開閉部材53は、前記閉鎖位置にある状態および開放位置にある状態の何れの状態にあっても、前記センサホルダ61に設置された前記第2特別入賞球検出センサ55の前側が特別入賞口開閉部材53(第2装飾部53c)で覆われる形態で形成されている。すなわち、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置および開放位置に回転変位する間、前記第2特別入賞球検出センサ55が特別入賞口開閉部材53(第2装飾部53c)の後方に位置して、遊技盤20の前側から直接目視されないよう構成されている。また、前記特別入賞球排出通路80の後方案内樋63は、前記閉鎖位置にある状態において前記特別入賞口開閉部材53(第2装飾部53c)の後方に位置して前側から視認不能に遮蔽されるようになっている。一方、前記特別入賞口開閉部材53が開放位置に回転変位した際には、前記後方案内樋63(後方案内通路63a)よりも上方まで特別入賞口開閉部材53(第2装飾部53c)が移動するよう構成されて、該後方案内樋63(後方案内通路63a)の前端部が前側に露出して当該後方案内通路63aを通過するパチンコ球を視認し得るようになっている。
【0040】
また、図11に示すように、前記ケース体57(第1ケース部58)には、前記軸孔59の左側方位置に、左方向へ向かうにつれて下方傾斜する球案内壁62が前方へ突出するよう設けられている。前記球案内壁62の傾斜下端部は、前記枠状装飾体40に設けられた前記球導入部44の上端部と略整合するよう構成されて、前記第2特別入賞口51に入賞することなく前記第1上流経路26aおよび第2下流経路27bを流下したパチンコ球を、前記球導入口44aの開設位置へ案内するよう構成されている。
【0041】
(第2ケース部68について)
前記第2ケース部68は、図9、図10、図13に示すように、前記第1ケース部58の前面板58aと略整合する平板状に形成された設置板68aを備え、第1ケース部58の第1外周壁部58bの後端部に設置板68aを当接させた状態で、第1ケース部58および第2ケース部68が固定される。すなわち、前記第1ケース部58の後方開口が第2ケース部68の設置板68aで塞がれるようになっている。なお、前記第2ケース部68における設置板68aの右側外周縁部(表示窓口40aの開口内側に位置する縁部)には、後方へ延出する第2外周壁部68bが形成されており、該第2外周壁部68bが第2ケース部68の剛性を高める補強部材として機能すると共に前記第2特別入賞ソレノイド52や作動機構82,86の目隠しとして機能している。
【0042】
前記第2ケース部68の設置板68aには、図9、図10に示すように、前記第1ケース部58の軸孔59と整列する位置に、前後に貫通する軸挿通孔69が形成されており、該軸孔59に挿通された回転軸54が軸挿通孔69を介して第2ケース部68の後方まで突出するようになっている。なお、図中の符号54aは、前記回転軸54の軸受け部材である。また、前記第2ケース部68の設置板68aには、前記センサホルダ61と整列する位置に、第2特別入賞球検出センサ55を挿通可能なセンサ挿通孔70が開設されている。すなわち、前記第1ケース部58と第2ケース部68とを組み付けた状態で、前記センサ挿通孔70を介して第2ケース部68の後方から第2特別入賞球検出センサ55を差し込むことで、第2特別入賞球検出センサ55をセンサホルダ61に設置し得るようになっている。なお、実施例では、前記軸挿通孔69とセンサ挿通孔70とが連続的に形成されて、回転軸54と特別入賞球検出センサとが近接位置するよう構成されている。また、前記設置板68aにおいて前記第1ケース部58の縦樋65の下端部に整列する位置に、前後に開口する球通過孔71が形成されている。
【0043】
そして、図10に示すように、前記第2ケース部68の設置板68aにおける後面側には、前記軸挿通孔69(回転軸54)の上方位置に、前記第2特別入賞ソレノイド52が取り付けられている。前記第2特別入賞ソレノイド52は、プランジャ52aを下方側に位置させた姿勢で前記ケース体57(第2ケース部68)に設置されており、該第2特別入賞ソレノイド52への通電に伴いプランジャ52aが上方移動し、通電停止に伴いプランジャ52aが下方移動するよう構成されている。なお、図9、図10における符号52bは、前記第2特別入賞ソレノイド52を固定する金属製のソレノイド固定部材である。そして、前記プランジャ52aおよび可動軸の後端部に設けられた作動機構82,86(後述)を介して前記第2特別入賞ソレノイド52と前記特別入賞口開閉部材53とが連繋接続するよう構成されて、前記制御装置が第2特別入賞ソレノイド52の通電制御することで特別入賞口開閉部材53が第2特別入賞口51を開閉するようになっている。
【0044】
また、図9、図10に示すように、前記第2ケース部68における設置板68aの前面には、前記軸挿通孔69の左上部位置に、前方へ光を照射するLED72a(発光体)を実装したLED基板72が取り付けられている。また、前記LED基板72の前側には、前記LED基板72のLED72aの光を拡散する光拡散加工が施された光拡散部材73が設置されて、前記第1ケース部58と第2ケース部68とを組み付けた際に、両ケース部58,65の間に画成される空間内にLED基板72および光拡散部材73が収容されるようになっている(図10、図17参照)。
【0045】
ここで、前記LED基板72(光拡散部材73)は、前記第1ケース部58の前面板58aにおいて前記第1上流経路26aおよび第1下流経路27aの背面をなす部位に対向するよう構成され、該LED基板72のLED72aの発光により第1上流経路26aおよび第1下流経路27aを発光装飾するようになっている。実施例では、前記第2特別入賞装置50を開放する大当りの発生時に、前記LED基板72のLED72aを発光させるよう前記制御装置が発光制御するよう構成されており、パチンコ球の発射位置を遊技者が容易に理解し得るようになっている。
【0046】
また、図9、図10に示すように、前記第2ケース部68の左下端部には、前記球導入部44の後方開口と前後に整列する位置に、左方向へ延出する通路画成壁74が形成されている。前記通路画成壁74は、前記第2特別入賞装置50を枠状装飾体40の設置部49に取り付けた際に、前記球誘導通路45の上端部に形成された後方開口端部に当接して、該球誘導通路45を塞ぐよう構成されており、該通路画成壁74が球誘導通路45の一部を画成している(図6参照)。また、前記通路画成壁74は、前記特別入賞球排出通路80における第2側方案内通路78a(後述)の前面を画成しており、該通路画成壁74が球誘導通路45を画成する壁部と第2側方案内通路78aを画成する壁部とを兼用している。更に、前記通路画成壁74の前面には、前記球導入部44の後方開口と前後に整列する位置に、後方へ向かうにつれて下方傾斜する傾斜案内部74aが設けられており、該球誘導通路45を通過したパチンコ球を下方(球誘導通路45の延在方向)へ誘導するよう構成されている。
【0047】
(第3ケース部76について)
前記第3ケース部76は、図9、図10に示すように、前記第2ケース部68の設置板68aとの間に前記作動機構82,86を収容する機構収容部77と、前記特別入賞球排出通路80を構成する第2側方案内通路78aを画成する第2側方案内樋78とを備えている。前記機構収容部77は、前記作動機構82,86の後方および左右側方を囲繞する枠形状に形成され、前面に前側(作動機構82,86側)へ延出する支持片77aが設けられている。前記支持片77aは、前記作動機構82,86を構成する作動部材86がロック位置(後述)に移動した際に、該作動部材86が当接するようになっており、該作動部材86をロック位置で停止保持させるストッパとして機能するものである。また、前記第2側方案内樋78は、前方へ開口する樋状に形成されて、前記第2ケース部68に形成された前記球通過孔71と前後に整列する位置から左方へ延在するよう構成されている。そして、前記第2ケース部68と第3ケース部76とを組み付けることで、前記第2側方案内樋78の前方開口が前記通路画成壁74により閉塞されて、前記第2側方案内通路78aが画成されるようになっている。
【0048】
ここで、前記第2側方案内樋78(第2側方案内通路78a)は、図3、図17に示すように、前記枠状装飾体40の左側端部位置で左方向に開口するよう構成されて、該第2側方案内樋78の左開口を排出口79としてパチンコ球が第2特別入賞装置50から排出されるようになっている。そして、前記特別入賞球排出通路80(第2側方案内通路78a)の排出口79が前記設置部材95に設けられた球排出案内通路102,113(後述)の球入口104aに連通するよう構成されて、第2特別入賞口51に入賞したパチンコ球が特別入賞球排出通路80および球排出案内通路102,113を介して遊技盤20の下方へ排出されるようになっている。また、実施例における第2側方案内樋78(第2側方案内通路78a)の前側に、前記第2特別入賞装置50の第1ケース部58および第2ケース部68が位置すると共に、前記枠状装飾体40が位置して、第2側方案内樋78を前側から視認し得ないよう構成されている。
【0049】
(特別入賞口開閉部材53の作動機構82,86について)
次に、前記特別入賞口開閉部材53を開閉する作動機構82,86について説明する。前記作動機構82,86は、図9、図10、図13〜図15に示すように、前記特別入賞口開閉部材53の回転軸54に取り付けられ、該特別入賞口開閉部材53と一体的に閉鎖位置および開放位置に回転変位する連繋部材82と、前記第2特別入賞ソレノイド52のプランジャ52aに取り付けられ、該連繋部材82に連繋接続する作動部材86とから構成される。すなわち、前記第2特別入賞ソレノイド52の作動に伴い前記作動部材86が上下移動することで、前記連繋部材82が回転変位し、該連繋部材82の回転変位伴い前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置および開放位置に変位するようになっている。
【0050】
(連繋部材82について)
図13に示すように、前記連繋部材82は、前記回転軸54に固定される固定軸部83から径方向へアーム部83aが延出するよう形成されると共に、該アーム部83aの延出端部に、後方へ突出する連繋軸部84(連繋部)が形成されている。ここで、前記アーム部83aは、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置にある状態で、前記回転軸54から側方(図13、図15(a)では左側方)へ延在するよう形成されており、該特別入賞口開閉部材53が開放位置へ回転変位するのに伴い回転軸54を中心として上方傾斜(図15(b)では左上方傾斜)するようになっている。また、前記連繋部材82には、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置にある状態において、前記回転軸54の下方位置に、後方へ突出する規制突部(規制部)85が後方へ突出するよう形成されている。なお、前記規制突部85は、前記回転軸54の近傍に設けられており、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置および開放位置に変位する際に規制突部85が回転変位する変位量が小さくなるよう構成されている。
【0051】
(作動部材86について)
また、前記作動部材86は、図13〜図15に示すように、前記プランジャ52aが連結される連結部87と、該連結部87から下方へ延在する支持板88とを備えており、前記第2特別入賞ソレノイド52の駆動に伴い前記特別入賞口開閉部材53の開放を規制するロック位置と、該特別入賞口開閉部材53の開放位置に対応した作動位置の間を直線的に往復移動するよう構成されている。ここで、前記第2特別入賞ソレノイド52の通電を停止してプランジャ52aが下方移動することで、前記作動部材86がロック位置(図13参照)に変位する。そして、第2特別入賞ソレノイド52に通電してプランジャ52aが上方移動することで、前記作動部材86が作動位置(図15(b参照)に変位するようになっている。すなわち、前記作動部材86は、該作動部材86およびプランジャ52aの自重により常にはロック位置へ付勢されており、前記第2特別入賞ソレノイド52の通電停止時にプランジャ52aが下方へ突出するよう移動することで、自然にロック位置に保持されるよう構成されている。
【0052】
また、図13〜図15に示すように、前記作動部材86(支持板88)には、前記連繋部材82における連繋軸部84の形成位置に、前後に開口する開閉作動孔89(開閉作動部)が開設されている。そして、開閉作動孔89に連繋軸部84が前側から遊嵌されて、作動部材86の上下移動に伴って開閉作動孔89と連繋軸部84とが係脱可能に係合するようになっている。ここで、前記作動部材86がロック位置にある状態では、前記開閉作動孔89の開口下縁部よりも前記連繋軸部84が上方離間して係合解除され、該作動部材86がロック位置および作動位置の間の後述するロック解除位置(図15(a)参照)へ移動した際に、開閉作動孔89の開口下縁部に連繋軸部84が当接係合するよう構成されている。すなわち、前記作動部材86がロック位置およびロック解除位置の間を移動する間は、前記連繋軸部84が回転することなく保持され、作動部材86がロック解除位置および作動位置の間を移動することで、前記開閉作動孔89の開口縁との当接係合下で連繋軸部84が回転変位されて、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置および開放位置に変位するようになっている。
【0053】
また、前記作動部材86が前記ロック位置にある状態では、図13に示すように、前記連繋部材82の後方略全体が前記支持板88で覆われるよう構成されている。そして、ロック位置にある状態において、前記支持板88の前面側に前方へ突出するよう形成されたロック部86aが、前記閉鎖位置から開放位置へ移動する前記連繋部材82における規制突部85の回転方向前端部に当接するようになっている。また、前記作動部材86がロック位置および作動位置の間のロック解除位置へ移動した状態では、前記連繋部材82の規制突部85が作動部材86の下方に露出して、前記ロック部86aと規制突部85との係合が解除されるように構成される。すなわち、前記作動部材86がロック位置にある状態では、前記ロック部86aと規制突部85の当接係合下において前記特別入賞口開閉部材53の閉鎖位置から開放位置への変位が規制され、作動部材86がロック解除位置に移動してロック部86aと規制突部85の当接係合状態が解除されることで、特別入賞口開閉部材53の閉鎖位置から開放位置への変位が許容されるようになっている。
【0054】
すなわち、第2特別入賞装置50の作動機構82,86では、前記第2特別入賞ソレノイド52の通電が停止されて前記作動部材86がロック位置にある状態では、前記開閉作動孔89と連繋軸部84との係合が解除されると共に前記規制突部85とロック部86aとが係合して前記特別入賞口開閉部材53の閉鎖位置から開放位置への変位を規制している。一方で、前記第2特別入賞ソレノイド52に通電されて前記作動部材86がロック位置から作動位置へ向けて変位する過程のロック解除位置に移動した状態で、前記規制突部85とロック部86aとの係合が解除されると共に前記開閉作動孔89と連繋軸部84とが係合し、該ロック解除位置および作動位置の間での作動部材86の変位に伴って、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置から開放位置へ変位されるよう構成されている。
【0055】
(普通入賞口部材90について)
前記遊技盤20の第3装着口22cに配設される前記普通入賞口部材90は、図2、図3に示すように、前記遊技盤20の前面に取着されて前記第3装着口22cを覆う薄板状の取着部材91と、該取着部材91に設けられて第3装着口22cを介して遊技盤20後方へ延在する複数(実施例では3つ)の球受け通路92とを備えている。すなわち、前記普通入賞口部材90は、遊技盤20において、前記枠状装飾体40に対する前記第2特別入賞装置50の配設側(左側)に偏った位置に設けられている。前記各球受け通路92は、前記取着部材91の前後に貫通するよう延在して、該取着部材91の前側において上方に開口すると共に取着部材91の後側で後方へ開口する樋形状に形成されている。すなわち、各球受け通路92において取着部材91(遊技盤20の前面)から前方へ突出した突出部53d分の上方開口部が、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口(第2の入賞口)92aとして機能する。また、前記各球受け通路92の後端部は、前記設置部材95に設けられた第2球通路部材111の普通入賞球排出通路112(後述)に連通接続するよう構成されており、各普通入賞口92aに入賞したパチンコ球を対応の球受け通路92を介して普通入賞球排出通路112に誘導して遊技盤20の外部に排出するよう構成されている。
【0056】
(設置部材95について)
次に、前記設置部材95に関して説明する。前記設置部材95は、前記遊技盤20に対向する略矩形状の対向面部96(図3、図17参照)と、該対向面部96の外周縁部から前方に突出する上下左右の画壁部97a,97b,97cとから前方に開口する箱状に形成されて、該画壁部97a,97b,97cの開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、設置部材95が遊技盤20にネジ固定される。なお、下面をなす画壁部については図示省略してある。そして、前記設置部材95において前記遊技盤20との間に画成される空間に、各演出装置や発光装置等の遊技部品が設置されて、設置部材95を基材とする単一のユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材95の対向面部96には、前記枠状装飾体40の表示窓口40aと前後に整列する位置に、略矩形状の表示開口部95aが前後に開口するよう開設されると共に、該対向面部96の裏側に前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、該表示開口部95aおよび表示窓口40aを介して図柄表示装置18の表示部が遊技盤20の前側に臨むようになっている。なお、前記設置部材95には、前記表示開口部95aの上方位置および左右側方位置に前記遊技部品としての演出装置100が夫々配設されている(図2、図3参照)。
【0057】
また、前記設置部材95には、図3に示すように、前記左側演出装置100の前方に、前記第2特別入賞装置50に設けた特別入賞球排出通路80に連通する第1球排出案内通路(第2球排出通路)102が形成された第1球通路部材101が配設されている。また、前記設置部材95における前記普通入賞口部材90の後方位置には、前記普通入賞口92aに連通する普通入賞球排出通路(下部球排出通路)112および前記第1球排出案内通路102に連通する第2球排出案内通路(第2球排出通路)113が形成された第2球通路部材111が配設されている。そして、前記設置部材95の下面をなす画壁部の前端部側には、上下に開口する第1球排出口98および第2球排出口99が開設されており、普通入賞球排出通路112および第2球排出案内通路113の球出口が第1球排出口98および第2球排出口99に整合するよう構成されている。すなわち、前記第2特別入賞装置50に入賞して特別入賞球排出通路80を通過したパチンコ球は、前記第1球通路部材101の第1球排出案内通路102および第2球通路部材111の第2球排出案内通路113を介して遊技盤20の下方へ排出されるようになっている。
【0058】
(第1球通路部材101について)
前記第1球通路部材101は、図17、図18に示すように、前記設置部材95に固定され、前方へ開口する樋状の球通路が画成される後半体101aと、該後半体101aの前側に配設されて球通路の前方開口を塞ぐ前半体101bとから構成され、前後の半体101a,101bを組み付けることで、前記第1球排出案内通路102が画成されている。ここで、前記第1球通路部材101に形成される第1球排出案内通路102としては、前記特別入賞球排出通路80の排出口79に連通し、左方向へ向けて下方傾斜して前記設置部材95の左側面をなす画壁部97bまで延在する上側傾斜通路(誘導通路)104と、該上側傾斜通路104の傾斜下端部に連通して左側面をなす画壁部97bに沿って下方へ延在する側部通路(外周通路)105と、該側部通路105の下端部に連通して右方へ向けて下方傾斜する下側傾斜通路(外周通路)106とから構成されている。なお、前記側部通路105の内部に突条部105aが突出するよう形成されており、該側部通路105を通過するパチンコ球が左右方向に僅かに蛇行するよう構成されている。そして、前記遊技盤20と設置部材95とを組み付けた際に、前記第1球排出案内通路102(上側傾斜通路104)の上流端部の開口が球入口104aとして機能して、前記球誘導通路45の球通出口に連通接続し、前記第2特別入賞装置50に入賞したパチンコ球が第1球排出案内通路102へ移動し得るようになっている。
【0059】
ところで、球通過ゲート47を通過するパチンコ球を検出する通過球検出センサ48からの検出信号は、前記始動入賞装置30の羽根部材33,33を開放するか否かの普図当り抽選の契機となるので、パチンコ機10において球通過ゲート47に対する不正行為を検出する重要性が高い。また、前記枠状装飾体40のステージ46から排出されるパチンコ球は、該ステージ46を通らずに遊技領域20aを流下するパチンコ球に比べて前記始動入賞口31a,31bへの入賞確率が高くなることから、遊技領域20aを流下するパチンコ球を取り込むための前記球導入口44aに対する不正行為を検出する重要性も高い。更に、実施例では、前記枠状装飾体40に第2特別入賞装置50が配設されていることから、該第2特別入賞装置50に対する不正行為を検出する重要性も高い。
【0060】
そこで、実施例に係るパチンコ機10においては、前記第1球通路部材101に磁気センサ(不正検出センサ)108を配設して、前記球通過ゲート47、球導入口44aおよび第2特別入賞装置50に対する磁石による不正行為を共通して検出し得るよう構成されている。前記磁気センサ108は、図19(c)に示す如く、略長方形状のケーシング109の内部に、その長手方向に沿う方向に延在する一対のリード片108a,108aの一部を接離可能に対向配置して構成されたリードスイッチであって、ケーシング109の長手方向の一端からリード線が延出するよう構成される。
【0061】
(センサ設置部107について)
前記第1球通路部材101(前半体101b)には、図18、図19に示すように、前記上側傾斜通路104の上方側に、前記磁気センサ108を着脱可能に設置するセンサ設置部107が設けられている。前記センサ設置部107は、前記第1球通路部材101における前半体101bの上端部から上方へ延出するよう形成されると共に、前記上側傾斜通路104の傾斜下端部側に磁気センサ108の差込口107bが側方へ開設された収容部107aを備えている。また、前記センサ設置部107における差込口107b側端部には、弾性変形可能なフック状の保持片107cが形成されており、該差込口107bに差し込んだ磁気センサ108のケーシング109に保持片107cが弾性的に係脱自在に係合することでセンサ設置部107の収容部107aに磁気センサ108が保持される。ここで、前記センサ設置部107には、リード片108a,108aが前記上側傾斜通路104の延在方向に沿う傾斜姿勢で磁気センサ108が保持されるようになっている。また前記磁気センサ108は、リード片108a,108aの延在方向が前記遊技盤20の裏面と平行となる姿勢で前記センサ設置部107に保持されている。
【0062】
また、前記センサ設置部107に保持された磁気センサ108は、図17に示すように、前記遊技盤20の裏側において、前記球導入口44aの上方でかつ前記第2特別入賞装置50の左側方に位置すると共に、前記球通過ゲート47の下方に位置するよう構成されている。ここで、前記センサ設置部107に取り付けた磁気センサ108の一部が、前記遊技盤20の裏側において前記球導入口44aと、球通過ゲート47と、第2特別入賞口51とを結んだ領域(検出領域RAという)の内側に位置するよう構成されて、該磁気センサ108の磁気検出範囲が検出領域RAをカバーするようになっている(図16参照)。
【0063】
(第2球通路部材111について)
前記第2球通路部材111は、図3、図20に示すように、前記設置部材95に固定され、前方へ開口する樋状の球通路が画成される後半体111aと、該後半体111aの前側に配設されて球通路の前方開口を塞ぐ前半体111bとから構成され、前後の半体111a,111bを組み付けることで、前記普通入賞球排出通路112および第2球排出案内通路113が画成されている。ここで、前記第2球通路部材111に形成される普通入賞球排出通路112は、第2球排出口99に連通する1つの球通路が前記普通入賞口92aへ向けて分岐するよう形成されると共に、該普通入賞球排出通路112の下流端部に普通入賞球検出センサが取り付けられて、各普通入賞口92aに入賞したパチンコ球を共通的に検出し得るよう構成されている。
【0064】
また、図20に示すように、前記第2球排出案内通路113は、前記第1球排出案内通路102の球出口と、前記設置部材95に形成された第1球排出口98とを連通接続するよう形成されると共に、前記普通入賞球排出通路112の上方に隣接する位置において階段状に下方傾斜するよう形成されている。すなわち、前記第2球排出案内通路113は、前記普通入賞球排出通路112の上方において前記枠状装飾体40から最も離間する経路を辿るよう形成されて、該第2球排出案内通路113(第2球通路部材111)と枠状装飾体40との間に各種遊技部品を配設し可能な空間を確保するようになっている。
【0065】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0066】
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル17を遊技者が回転操作すると、打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された遊技領域20a内に打ち出されて、遊技釘24等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置30の上下の始動入賞口31a,31bに入賞することで、前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせで飾図が表示されると大当りが発生し、大当りが発生する図柄の組み合わせに応じて、前記遊技盤20に設けられた第1特別入賞装置35または第2特別入賞装置50が開放されると共に、図柄表示装置18において大当り演出が行われる。
【0067】
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記遊技盤20と設置部材95とを組み付けた状態で、前記センサ設置部107に取り付けた磁気センサ108の一部が、該遊技盤20の裏側において球導入口44aと、球通過ゲート47と、第2特別入賞装置50の第2特別入賞口51とを結んだ検出領域RAの内側に位置し、球導入口44a、球通過ゲート47および第2特別入賞口51の夫々が磁気センサ108の磁気検出範囲に覆われるよう構成されている。すなわち、複数の磁気センサ108を用いることなく広範囲の不正行為を検出することが可能となり、パチンコ機10の製造コストを抑えることができる。また、磁気センサ108の一部が球導入口44aと、球通過ゲート47と、第2特別入賞口51とを結んだ検出領域RAの内側に位置することで、これら球導入口44a、球通過ゲート47および第2特別入賞口51に対する磁気を利用した不正行為の検出感度に偏りが生ずるのを抑制でき、各部の不正行為を効果的に検出可能になる。
【0068】
また、前記センサ設置部107は、前記設置部材95の開口前端部に、遊技盤20の裏面に近接した位置で対向するよう配設された第1球通路部材101に設けられているから、磁気センサ108と遊技盤20の前面との離間距離を短くできる。このため、磁気検出感度が比較的低い廉価な磁気センサ108を利用して磁気による不正行為を効果的に検出することができるから、感度の高い高価な磁気センサを採用する必要がなくコスト削減を図ることができる。また、前記センサ設置部107の差込口107bから磁気センサ108を差し込むだけで、該磁気センサ108を所定位置に簡単に位置決め保持することができ、パチンコ機10毎に検出感度のバラツキが生ずるのを防止して、一定の検出感度を維持することができる。また、磁気センサ108がセンサ設置部107に収容保持されるから、該磁気センサ108を保護することができる。
【0069】
また、前記磁気センサ108は、遊技盤20に設けられた普通入賞口部材90の上流側に配置されている。従って、普通入賞口92aの上流側でパチンコ球を意図的に集めて遊技釘24間に詰まらせる所謂「ぶどう」を形成し、パチンコ球を始動入賞口31a,31bや普通入賞口92aへ故意に流下させてパチンコ球を入賞し易くする不正行為が行われた場合でも、球導入口44a、球通過ゲート47および第2特別入賞口51に対する磁気を利用した不正行為を検出する前記磁気センサ108が併せて検出することができ、磁気センサ108の設置個数を低減することができ、一層のコスト削減を図ることができる。
【0070】
ここで、前記枠状装飾体40に配設される第2特別入賞装置50では、前記第2特別入賞口51に入賞したパチンコ球を、後方案内通路63aを介して枠状装飾体40の後方まで一旦誘導し、その後に第1側方案内通路64a、縦通路65aおよび第2側方案内通路78aを介して枠状装飾体40の左側方へ誘導する特別入賞球排出通路80が形成されている。これにより、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球を一時的に取り込む球導入部44(球導入口44a)や球誘導通路45、ステージ46を枠状装飾体40に設ける構成にあって、前記第2特別入賞装置50を枠状装飾体40の左側部の上下の略中央に配置して球導入部44の上側に近接するよう構成した場合であっても、特別入賞球排出通路80を介してパチンコ球を確実に排出案内することができる。これにより、枠状装飾体40に対する第2特別入賞装置50の設置位置の自由度を高めることができる。このとき、前記特別入賞球排出通路80における第1側方案内通路64a、縦通路65aおよび第2側方案内通路78aがケース体57または枠状装飾体40と前後に重なるから、これらの通路64a,65a,78aが遊技者側から見えることはなく、パチンコ機10の見栄えが損なわれることはない。また、前記特別入賞球排出通路80は、前記第2側方案内通路78aの排出口79が枠状装飾体40の側端部位置で開口するよう形成されているから、第2特別入賞装置50を設置したまま枠状装飾体40を遊技盤20の第1装着口22aに対して着脱することができる。また、特別入賞球排出通路80に連通する第1球排出案内通路102が設置部材95に設けられているから、枠状装飾体40に形成する特別入賞球排出通路80を最小限にすることができる。
【0071】
前記設置部材95に設けられた第1球排出案内通路102は、前記特別入賞球排出通路80から到来するパチンコ球を、上側傾斜通路104により設置部材95の左側面をなす画壁部97bまで誘導して、側部通路105および下側傾斜通路106を介して該画壁部97bに沿って流下させるよう構成されている。これにより、前記第1球排出案内通路102を枠状装飾体40から離間させることができ、該設置部材95に対する枠状装飾体40の左側周辺での各種遊技部品の設置スペースを確保することができる。また、前記第1球排出案内通路102に連通する第2球排出案内通路113を、普通入賞球排出通路112の上方を通過する位置において枠状装飾体40から離間した経路を辿るよう形成したことで、設置部材95に対する枠状装飾体40の下側周辺での各種遊技部品の設置スペースを確保することができる。しかも、前記第1球排出案内通路102および第2球排出案内通路113の夫々は、前記設置部材95の開口前端部側に位置しているから、該第1球排出案内通路102の後方に重なるよう遊技部品(左側演出装置100)を設置でき、枠状装飾体40に第2特別入賞装置50を配設した構成であっても遊技演出の多様化を図ることができる。
【0072】
また、前記枠状装飾体40における球通過ゲート47が形成される側部(左側部)に前記第2特別入賞装置50を近接して設置した(球通過ゲート47と庇状部42との間にパチンコ球1個分の第1上流経路26aを形成した)ことで、該枠状装飾体40の左右幅が不必要に大型化するのを防止できる。また、該球導入口44a、球通過ゲート47および第2特別入賞装置50の夫々を枠状装飾体40の左側部に纏めて配置してあるから、これらを分散して配置する構成に較べて枠状装飾体40の表示窓口40aの開口領域が圧迫されることはなく、大きな図柄表示装置18を採用することができ、多彩な遊技演出を行うことが可能である。また、前記遊技盤20の遊技領域20aには、前記球通過ゲート47の上流側に、該球通過ゲート47および枠状装飾体40の間を通過して第2特別入賞装置50へ向けてパチンコ球が流下する第1上流経路26aと、当該球通過ゲート47へ向けてパチンコ球が流下する第2上流経路26bと、球通過ゲート47および案内レール21の間をパチンコ球が通過する第3上流経路26cとを形成してあるから、枠状装飾体40の表示窓口40aを最大限まで大きくして大きな図柄表示装置18を採用することが可能となると共に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の動きが単調になることはない。
【0073】
また、球通過ゲート47の下流側には、前記第2特別入賞装置50へ向けてパチンコ球が移動する第1下流経路27aが形成されると共に、該第2特別入賞装置50へパチンコ球が向かわない第2下流経路27bが形成されているから、球通過ゲート47を通過したパチンコ球の動きに変化を与えることができる。また、球通過ゲート47の通過球検出センサ48で検出されたパチンコ球が第2特別入賞装置50へ向けて流下し得るから、球通過ゲート47の上流側において第1上流経路26aへパチンコ球が移動しない場合でも、該パチンコ球が第2特別入賞装置50に入賞する期待感を抱かせることができる。
【0074】
また、実施例に係る第2特別入賞装置50は、前記特別入賞口開閉部材53や第2特別入賞ソレノイド52、特別入賞球排出通路80、第2特別入賞球検出センサ55の夫々を1つのケース体57に組み込んでユニット部材としたことで、前記枠状装飾体40の設置部49への組み付け作業性が高い。しかも、遊技に供された際に損傷し易い駆動部(第2特別入賞ソレノイド52や作動機構82,86)を備えた第2特別入賞装置50をユニット化することで、仮に駆動部に不具合が生じた場合でも第2特別入賞装置50の全体を容易に交換することができ、メンテナンス性を高めて継続的に遊技に供することができる。
【0075】
そして、前記第2特別入賞装置50では、前記特別入賞口開閉部材53が開放した状態では、前記後方案内通路63aが特別入賞口開閉部材53の下方側に露出するようになっている。すなわち、第2特別入賞装置50を開放する大当りでは、龍の頭部を模した意匠とされた特別入賞口開閉部材53が開放することで龍が口を開ける動作を行うと共に、第2特別入賞口51に入賞したパチンコ球が特別入賞口開閉部材53とケース体57に固定的に設けられた意匠体66との間に位置する後方案内通路63aに移動することで、龍の口腔内に現れるように見せることができる。更に、前記後方案内通路63aから第1側方案内通路64aへパチンコ球が移動することで、龍の頭部を模した意匠の口腔内にパチンコ球が飲み込まれるよう錯覚させ得るから、第2特別入賞装置50に入賞したパチンコ球の動きによって遊技の興趣を与えることができる。また、前記特別入賞口開閉部材53の下方に表れる前記後方案内通路63aを見るだけで第2特別入賞口51へのパチンコ球の入賞状況を遊技者が確認することができる。一方で、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置にある状態では第2装飾部53cの後方に後方案内通路63aが位置し、該第2装飾部53cにより前側から視認不能に後方案内通路63aが覆われるから、装飾性を損なうことはない。
【0076】
一方、前記第2特別入賞装置50に配設された第2特別入賞球検出センサ55は、前記特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置および開放位置の間で回転変位する際に、該特別入賞口開閉部材53の第2装飾部53cの後方に隠れるよう構成されている。従って、前記特別入賞口開閉部材53が開閉動作した際に、前記第2特別入賞球検出センサ55が遊技者側から視認されるのを防止でき、装飾性を損なうことはない。また、前記第2特別入賞球検出センサ55を保持するセンサホルダ61が前記特別入賞口開閉部材53の回転軸54に隣接(近傍)して形成されており、前記第2特別入賞口51に入賞したパチンコ球を第2特別入賞球検出センサ55で速やかに検出することができるから、前記第2特別入賞口51への規定個数以上の入賞(オーバー入賞)の発生を効果的に防ぐことができる。このとき、前記第2特別入賞球検出センサ55は、前記特別入賞口開閉部材53の第2装飾部53cで覆われるから、該第2特別入賞球検出センサ55の前方に飾り部材等の目隠しを別途施す必要がなく、部品点数やコストを低減することができる。
【0077】
また、前記第2特別入賞球検出センサ55は、前記特別入賞口開閉部材53の回転軸54の軸方向に該センサ55の長手方向を沿わせた姿勢で、該回転軸54の側方に隣接して配設されているから、当該第2特別入賞球検出センサ55を被覆するために第2装飾部53cを過剰に大きくする必要がない。このため、第2装飾部53cの形態の自由度が高く、第2特別入賞装置50の意匠を適宜に決定することができる。
【0078】
また、前記第2特別入賞装置50では、前記第2特別入賞ソレノイド52の非駆動時には作動部材86がロック位置に変位し、該作動部材86に設けられたロック部86aが規制突部85に係合して特別入賞口開閉部材53の閉鎖位置から開放位置への変位を規制するようになっている。従って、第2特別入賞ソレノイド52の駆動によらず、不正器具等で特別入賞口開閉部材53を直接開放するよう操作したとても第2特別入賞口51を開放することができず、該特別入賞口開閉部材53の不正開放を阻止することができる。また、この状態では前記作動部材86に設けた開閉作動孔89と連繋軸部84との係合が解除されているから、特別入賞口開閉部材53が不用意に開放位置へ変位するのを防止できる。
【0079】
一方で、第2特別入賞ソレノイド52の駆動に伴って作動部材86がロック位置からロック解除位置に変位した場合には、前記規制突部85とロック部86aとの係合が解除されると共に前記開閉作動孔89と連繋軸部84とが係合する。従って、ロック解除位置から作動位置へ向けて作動部材86が更に変位することで特別入賞口開閉部材53を開放することができる。すなわち、実施例に係る第2特別入賞装置50では、前記第2特別入賞ソレノイド52の駆動に依らない不正な特別入賞口開閉部材53の開放動作を防止できる。また、特別入賞口開閉部材53の回転軸54に固定される連繋部材82に連繋軸部84および規制突部85を設けると共に、第2特別入賞ソレノイド52に配設される作動部材86に開閉作動孔89とロック部86aとを設けた簡易な構成で、該第2特別入賞ソレノイド52の駆動に伴い特別入賞口開閉部材53をロックする状態とロック解除する状態とに切り替わるよう構成したことで、第2特別入賞装置50全体のコンパクト化が図られる。
【0080】
また、特別入賞口開閉部材53が開放位置に回転変位した状態では、自重により閉鎖位置へ向けた回転力が特別入賞口開閉部材53に作用するよう構成してあるから、第2特別入賞口51を閉鎖する閉鎖位置に特別入賞口開閉部材53をより安定的に保持することができ、該特別入賞口開閉部材53の不正な開放をより効果的に阻止できる。しかも、前記特別入賞口開閉部材53の第2装飾部53cに突出部53dを設けたことで、第2特別入賞口51を閉鎖する閉鎖位置に特別入賞口開閉部材53をより確実に保持することができる。そして、特別入賞口開閉部材53が閉鎖位置に付勢されることで、第2特別入賞口51が振動等に起因して不用意に開放するのを効果的に防止でき、第2特別入賞口51への意図しない入賞を防ぐことができる。しかも、第2特別入賞ソレノイド52は、非駆動時にプランジャ52aが下方へ突出する姿勢で配設されているから、該プランジャ52aの作用により作動部材86がロック位置へ付勢されるから、特別入賞口開閉部材53の不正な開放をより効果的に阻止し得る。
【0081】
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。以下にその一例を示す。
【0082】
(1) 実施例では、図柄表示装置が可視部に臨む装飾部材(枠状装飾体)の左側部に、入賞装置としての第2特別入賞装置を配設するよう構成したが、該装飾部材の右側部に入賞装置を配設することもできる。すなわち、入賞装置の配置位置は、球通過ゲートや球導入口と配置位置との関係で決定される。
(2) 実施例では不正検出センサとして磁気センサを採用した例を示したが、これに限られるものではなく、不正電波を検出する電波センサであってもよく、その他不正行為を検出可能なセンサを採用できる。
(3) 実施例では、設置部材に設けられる球通路部材にセンサ設置部を形成したが、これに限られるものではなく、不正検出センサの検出範囲が球導入口、球通過ゲートおよび装飾部材に設けられた入賞口の夫々を覆う位置であれば設置部材の任意の位置に形成することができ、また遊技盤の裏側に形成することも可能である。
(4) 実施例では、大当りの発生時に開放する第2特別入賞装置を装飾部材に配設した構成を示したが、これに限らず、装飾部材に配設される入賞装置としては、始動入賞装置であってもよく、また普通入賞装置であってもよい。
(5) また、入賞装置に設けられる第1球排出通路(特別入賞球排出通路)の形状や構成は、実施例に示すものに限られず、装飾部材の後方へ遊技球を案内する後方案内通路と、該後方案内通路の後端部に連通すると共に装飾部材の側端部まで延在し、装飾部材の側方へ遊技球を案内する側方案内通路とを備えるよう構成すれば、任意に変更可能である。
(6) 実施例では、入賞装置の第1球排出通路(特別入賞球排出通路)に連通する第2球排出通路を第1および第2球排出案内通路から構成したが、1つまたは3つ以上の球通路で第2球排出通路を構成することもできる。
(7) 実施例の入賞装置(第2特別入賞装置)における作動機構としては、実施例に示したものに限られず、駆動手段の駆動時に開閉部材が開閉され、かつ駆動手段の非駆動時には開閉部材の強制的な開放が規制される構成であればよい。すなわち、開閉部材に設けられて入賞口を開閉部材が閉鎖する閉鎖位置および入賞口を開閉部材が開放する開放位置の間を開閉部材と一体的に変位する連繋部および規制部と、駆動手段の駆動に伴い開閉部材の開放を規制するロック位置および該開閉部材の開放位置に対応した作動位置に往復移動するよう構成される作動部材と、作動部材に設けられて連繋部と係脱可能に係合し、該作動部材のロック位置から作動位置への変位に伴い開閉部材を閉鎖位置から開放位置へ変位させる開閉作動部と、作動部材に設けられて規制部と係脱可能に係合し、該規制部との係合作用下において開閉部材の閉鎖位置から開放位置への変位を規制するロック部とを備えるよう構成すればよい。このとき、作動部材がロック位置にある状態では、開閉作動部と連繋部との係合が解除されると共に規制部とロック部とが係合して開閉部材の閉鎖位置から開放位置への変位を規制され、作動部材がロック位置から作動位置へ向けて変位する過程のロック解除位置で規制部とロック部との係合が解除されると共に開閉作動部と連繋部とが係合し、ロック解除位置から作動位置へ作動部材が変位することで、開閉部材が閉鎖位置から開放位置へ変位されるよう構成される。
(8) また、上記構成を備える入賞装置としては、実施例に示した開閉手段が側方へ揺動する片開き式の入賞口を備えるものに限らず、開閉手段が前後に進退移動することで入賞口を開閉するよう構成された入賞装置であってもよく、またその他開閉手段が入賞口を開閉する入賞装置でもよい。
(9) 実施例では、入賞装置をユニット化して装飾部材に取り付けるよう構成したが、該入賞装置を構成する各部品(開閉部材や球検出センサ等)を個別に装飾部材に取り付けることもできる。
(10) 実施例では、遊技盤を合板で形成したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から透明または不透明に形成するようにしてもよい。
(11) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
【符号の説明】
【0083】
50 第2特別入賞装置(入賞装置)
51 第2特別入賞口(入賞口)
52 第2特別入賞ソレノイド(駆動手段)
52a プランジャ
53 特別入賞口開閉部材(開閉手段)
53a 受け片(開閉部)
53c 第2装飾部(装飾部)
53d 錘部
54 回転軸
84 連繋軸部(連繋部)
85 規制突部(規制部)
86 作動部材
86a ロック部
89 開閉作動孔(開閉作動部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段の駆動に伴い遊技球が入賞可能な入賞口を開閉手段で開閉する入賞装置を備えた遊技機において、
前記入賞装置は、
前記開閉手段に設けられ、前記入賞口を開閉手段が閉鎖する閉鎖位置および入賞口を開閉手段が開放する開放位置の間を開閉手段と一体的に変位する連繋部および規制部と、
前記駆動手段に配設され、該駆動手段の駆動に伴い前記開閉手段の開放を規制するロック位置および該開閉手段の開放位置に対応した作動位置に往復移動するよう構成されると共に常にはロック位置へ向けて付勢された作動部材と、
前記作動部材に設けられて前記連繋部と係脱可能に係合し、該作動部材のロック位置から作動位置への変位に伴い前記開閉手段を閉鎖位置から開放位置へ変位させる開閉作動部と、
前記作動部材に設けられて前記規制部と係脱可能に係合し、該規制部との係合作用下において前記開閉手段の閉鎖位置から開放位置への変位を規制するロック部とを備え、
前記作動部材が前記ロック位置にある状態では、前記開閉作動部と連繋部との係合が解除されると共に前記規制部とロック部とが係合して前記開閉手段の閉鎖位置から開放位置への変位を規制され、
前記作動部材がロック位置から作動位置へ向けて変位する過程のロック解除位置で前記規制部とロック部との係合が解除されると共に前記開閉作動部と連繋部とが係合し、ロック解除位置から作動位置へ作動部材が変位することで、前記開閉手段が閉鎖位置から開放位置へ変位されるよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記開閉手段は、前後方向に延在する回転軸から径方向へ延在する開閉部と、該回転軸を挟んで開閉部の延在方向と反対方向へ延在する装飾部とを備え、前記閉鎖位置にある状態において前記装飾部が回転軸を中心に垂下する姿勢に保持されると共に、前記開放位置にある状態において装飾部が回転軸を中心に傾斜した姿勢に保持されよう構成されて、
前記開閉手段が自重で閉鎖位置へ向けて付勢されるよう構成された請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記装飾部に錘部が設けられた請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記駆動手段としてプランジャを上下方向に移動させるソレノイドを備えて、該プランジャに前記作動部材が取り付けられ、当該駆動手段の非駆動時にプランジャが下方へ突出することで作動部材がロック位置へ付勢されると共に、当該駆動手段の駆動に伴いプランジャが上方移動することで作動部材が作動位置に移動するよう構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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