遊技機
【課題】ラウンド演出を行う遊技機において、遊技興趣を向上させる。
【解決手段】少なくとも１回のラウンド遊技の開始時に、大入賞口への所定数の遊技球を入球させるべき入球時期を決定し、当該ラウンド遊技において、大入賞口への遊技球の入球数を計数するとともに大入賞口の開放時間を計測し、大入賞口に入球した遊技球の計数値が所定数に到達した時点における大入賞口の開放時間が、先に決定した入球時期と適合するか否かを判定する。判定結果が肯定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の高い演出パターンによって大当り遊技演出を実行し、判定結果が否定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の低い演出パターンによって大当り遊技演出を実行する。
【解決手段】少なくとも１回のラウンド遊技の開始時に、大入賞口への所定数の遊技球を入球させるべき入球時期を決定し、当該ラウンド遊技において、大入賞口への遊技球の入球数を計数するとともに大入賞口の開放時間を計測し、大入賞口に入球した遊技球の計数値が所定数に到達した時点における大入賞口の開放時間が、先に決定した入球時期と適合するか否かを判定する。判定結果が肯定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の高い演出パターンによって大当り遊技演出を実行し、判定結果が否定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の低い演出パターンによって大当り遊技演出を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球することにより抽選図柄の変動表示を開始し、抽選図柄が大当り図柄で停止表示した場合に大当り遊技が開始して大入賞口の開閉動作が複数回行われるように構成されている。大入賞口の開放から閉鎖までを１回のラウンド遊技とした場合、大当り遊技は所定回数（例えば１５回）のラウンド遊技が行われることで終了する。そして、各ラウンド遊技では、遊技興趣を向上させるために、遊技の進行に応じてラウンド演出が行われるように構成されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−２７２９６０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、ラウンド演出の演出内容は、大当り遊技の開始時にラウンド数やラウンド遊技開始からの経過時間（大入賞口が開放してからの経過時間、すなわち、１ラウンドにおける大入賞口開放時間）に基づいて決定されるのが一般的である。このため、ラウンド演出は、予め決められた演出パターンにしたがって行われることとなるので、演出内容の変化が乏しくなって、画一的になりやすく、その結果、大当り遊技の遊技興趣が低下するおそれがある。
【０００５】
そこで、本発明は上記点に鑑み、ラウンド演出を変化に富んだものとすることにより、大当り遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能な大入賞口と、
図柄表示部で変動表示される抽選図柄が大当り図柄で停止表示されると、前記大入賞口の開放時間が規定開放時間に到達するか、あるいは前記大入賞口に規定数の遊技球が入球するまで前記大入賞口を前記開放状態とするラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
少なくとも１回の前記ラウンド遊技の開始時に、前記規定開放時間の範囲内で前記大入賞口への所定数の遊技球を入球させるべき入球時期を決定する入球時期決定手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口への遊技球の入球数を計数する計数手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口の開放開始からの経過時間を計測する計時手段と、
前記入球時期の決定を受けて行われる入球時期決定済ラウンド遊技での前記計数手段による計数値が前記所定数となった時点における前記計時手段による計測時間が、前記入球時期と適合するか否かを判定する入球時期判定手段と、
前記大当り遊技の進行に伴って実行される大当り遊技演出の演出パターンとして、遊技者が得られる利益度合の異なる複数の演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段と、
前記入球時期判定手段による判定結果が肯定的であった場合には、前記入球時期決定済ラウンド遊技が終了した後の次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の高い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行し、前記入球時期判定手段による判定結果が否定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の低い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出実行手段と、
を備えることを特徴としている。
【０００７】
このような本発明の遊技機によれば、少なくとも１回のラウンド遊技の開始時に、大入賞口への所定数の遊技球の入球を完了させるべき入球時期を決定するとともに、その入球時期の決定を受けて行われるラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）での大入賞口への遊技球の入球状況に基づいて、次のラウンド遊技で行われる大当り遊技演出（ラウンド演出）の演出パターンが設定される。これにより、大当り遊技演出（ラウンド演出）の演出パターンは、前回のラウンド遊技での大入賞口への遊技球の入球状況に従って、ラウンド遊技毎に変化することとなり、変化に富んだラウンド演出を実現することができる。
【０００８】
また、本発明の遊技機は、
前記入球時期が互いに異なるように設定された複数の入球時期設定演出パターンを記憶する入球時期設定演出パターン記憶手段を備え、
前記入球時期決定手段は、前記入球時期設定演出パターン記憶手段に記憶された複数の入球時期設定演出パターンから一の入球時期設定演出パターンを選択することによって前記入球時期を決定し、
前記大当り遊技演出実行手段は、前記入球時期決定済ラウンド遊技の実行中に、前記入球時期決定手段が選択した前記一の入球時期設定演出パターンに基づいて前記大当り遊技演出を実行することを特徴としている。
【０００９】
このような入球時期設定演出パターンを用いた大当り遊技演出（ラウンド演出）によって、入球時期決定済ラウンド遊技において、大入賞口への所定数の遊技球の入球を完了させるべき入球時期を遊技者に明示することができる。これにより、遊技者は大入賞口の開放開始からの経過時間と入球時期との関係を認識しながら大当り遊技（ラウンド遊技）を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
【００１０】
また、本発明の遊技機は、
前記大当り図柄には、遊技者が得られる利益度合の異なる複数種類の遊技状態の何れかの発生契機となる複数種類の大当り図柄が設定されており、
前記入球時期決定手段は、前記複数種類の大当り図柄のうち、遊技者が得られる利益度合の低い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合に比べ、遊技者が得られる利益度合の高い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合の方が、遊技者に有利な前記入球時期を決定することを特徴としている。
【００１１】
これにより、所定数の遊技球が実際に入球完了する実績時期を、入球時期決定手段によって予め決定された入球時期に適合させ易くなり、実際に発生する遊技状態と大当り遊技演出（ラウンド演出）の内容とを整合させることができる。実際に発生する遊技状態と大当り遊技演出（ラウンド演出）の内容とが整合しないことは、遊技に対する不信感を遊技者に与えることに繋がり、それにより興趣低下を招く虞があるが、本発明によれば、両者をしっかりと整合させることができるので、大当り遊技の興趣向上を図ることができる。
【００１２】
また、本発明の遊技機は、前記入球時期決定手段は、前記大当り図柄の停止表示に起因して発生する前記遊技状態によって遊技者が得られる利益度合と、既に実行された前記大当り遊技演出の内容とに基づいて、前記入球時期を決定することを特徴としている。
【００１３】
これにより、既に実行された大当り遊技演出の内容が実際に発生する遊技状態と整合していなかった場合であっても、その後に実行される大当り遊技演出の内容と実際に発生する遊技状態とを整合させることができるので、それらが整合しないまま大当り遊技が終了してしまうことがない。この結果、遊技に対する不信感を遊技者に与えることはなく、大当り遊技の興趣向上を図ることができる。
【発明の効果】
【００１４】
以上の本発明の構成によれば、変化に富んだ大当り遊技演出（ラウンド演出）を実現することができ、これにより、大当り遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明を適用した実施例に係る遊技機の正面図である。
【図２】遊技盤の正面図である。
【図３】入球時期設定ラウンド演出パターンを示す説明図である。
【図４】ラウンド演出パターンを示す説明図である。
【図５】電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図６】メインジョブの流れを示すフローチャートである。
【図７（ａ）】特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図７（ｂ）】特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図８】特別図柄変動表示関連処理を示すフローチャートである。
【図９】大当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図１０】大当り遊技演出処理を示すフローチャートである。
【図１１】特別ラウンド演出処理を示すフローチャートである。
【図１２】大入賞口閉鎖中処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ（いわゆるセブン機タイプ）のパチンコ遊技機（以下、単に遊技機という）に本発明を適用した実施例について説明する。
【００１７】
図１は、本実施例の遊技機１の正面図である。図１に示すように、遊技機１の前面部は、外枠２、中枠３、前面枠４、上皿部５、下皿部６、施錠装置９、遊技盤２０等を備えている。なお、図１では遊技盤２０の詳細な図示を省略している。また、中枠３は前面枠４等が前面側に配置されているため、図１においては明示されていない。
【００１８】
外枠２は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。中枠３はプラスチック製で遊技機１の本体枠を構成するもので、外枠２の内側にはめ込まれて設置されており、外枠２に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠３は、上側２／３程度を占める枠体部と下側１／３程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤２０と前面枠４とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部５と下皿部６が設けられている。なお、遊技盤２０は枠体部（中枠３）に対して着脱自在に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤２０に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット（図示略）、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置（図示略）が設けられている。
【００１９】
前面枠４は、中枠３の前面側に配置され、中枠３の左端で開閉可能に支持されている。前面枠４はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤２０の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部４ａが形成されている。前面枠４の裏面には、開口部４ａに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠（図示略）が装着されている。前面枠４における遊技盤２０の周囲には、ＬＥＤ等のランプ類（図示略）が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【００２０】
上皿部５は、前面枠４の下側に設けられ、中枠３の左端に開閉可能に支持されている。上皿部５は、皿外縁部５ａと、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口５ｂと、上皿部５の遊技球を下皿部６に排出する球抜きボタン５ｃとを備えている。皿外縁部５ａの上面には、演出ボタン５ｄや球貸ボタン５ｅ等が設けられている。
【００２１】
下皿部６は、上皿部５の下方に設けられている。下皿部６の略中央には、遊技機１の内部から下皿部６に遊技球を排出するための排出口６ａが設けられている。下皿部６の左端には灰皿７が設けられている。下皿部６の右端には、遊技者が発射装置ユニット（図示略）を操作するための発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者が触れていることを検出する接触検出手段としてのタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。
【００２２】
施錠装置９は、中枠３の右端中央に設けられており、前面枠４を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
【００２３】
また、遊技機１には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ１０ａ〜１０ｄが設けられている。スピーカ１０ａ〜１０ｄは、遊技機１の上部に設けられた上部スピーカ１０ａ、１０ｂと遊技機１の下部に設けられた下部スピーカ１０ｃ、１０ｄとからなる。さらに、遊技機１の左側には、プリペイドカードユニット１３（ＣＲユニット）が装着されている。
【００２４】
次に、本実施例の遊技盤２０の表面構造について説明する。図２は遊技盤２０の正面図である。遊技盤２０は、略長方形の木製の板状体であって中枠３に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤（図示略）によりその背面側が覆われている。
【００２５】
図２に示すように、遊技盤２０には、遊技盤２０の表面（盤面）に設けられた外レール２２と内レール２３とにより、略円形状の遊技領域２１が形成されている。遊技領域２１内には、中央装置２４、普通図柄作動ゲート２７、大入賞装置３３、始動口２８、左入賞口３４，３５、右入賞口３６，３７、第１装飾部材５０、第２装飾部材６０等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域２１には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【００２６】
中央装置（センター役物）２４は遊技領域２１の略中央部に配置され、その内側（内周側）に演出表示装置２５を備えている。演出表示装置２５は、遊技領域２１の略中央部位に配置されている。本実施例では、演出表示装置２５として液晶表示装置を用いており、演出表示装置２５の表示領域では各種演出表示が行われる。
【００２７】
大入賞装置３３は遊技領域２１における中央装置２４の下方に配置されており、第１装飾装置５０は遊技領域２１における大入賞装置３３の左側に配置され、第２装飾装置６０は遊技領域２１における大入賞装置３３の右側に配置されている。装飾装置５０，６０はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第１装飾装置５０には左入賞口３４，３５が一体化されており、第２装飾装置６０には右入賞口３６，３７が一体化されている。
【００２８】
普通図柄作動ゲート２７は、中央装置２４の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート２７の内部には、遊技盤上を流下する遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ２７ｓ（図５参照）が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート２７を通過することで、普通図柄が変動開始する。
【００２９】
始動口２８は、中央装置２４の中央位置の下方に設けられている。始動口２８は、遊技盤２０の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された２つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第１始動口２８ａと下側に設けられた第２始動口２８ｂとから構成されている。
【００３０】
第１始動口２８ａは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第２始動口２８ｂはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第２始動口２８ｂは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第２始動口２８ｂは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態（入球不能な閉鎖状態を含む）となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第２始動口２８ｂの遊技球受入口が拡大され、第２始動口２８ｂは普通電動役物として機能する。第２始動口２８ｂの開閉は、主制御部２００により制御される。
【００３１】
始動口２８の内部には、第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ２８ｓ（図５参照）と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド２８ｃ（図５参照）とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第２始動口２８ｂの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第２始動口２８ｂは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第２始動口２８ｂの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい（遊技球１個が通過可能な）通常の大きさとされ、第２始動口２８ｂは遊技球の入球可能性が小さくなる（または入球不能となる）通常状態（閉鎖状態）となる。遊技球が第１始動口２８ａ、第２始動口２８ｂのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。なお、以下の説明における「遊技球が始動口２８に入球する」旨の記載は、特段の理がない限り、遊技球が第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂに入球することを意味する。
【００３２】
大入賞装置３３は、始動口２８の下方に配設されている。ここで、大入賞装置３３は、帯状に開口された大入賞口３３ａと、この大入賞口３３ａを開放・閉鎖する開閉板３３ｂと、この開閉板３３ｂを作動させるための大入賞口ソレノイド３３ｃ（図５参照）と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ３３ｓ（図５参照）とから主に構成されている。
【００３３】
大入賞装置３３の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口３４，３５と右入賞口３６，３７が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ（図示せず）が設けられている。
【００３４】
第１装飾部材５０には、複数のＬＥＤが設けられており、これらのＬＥＤの組合せにより、普通図柄表示部５１、普図保留表示部５２、特別図柄保留表示部５３が構成されている。同様に第２装飾部材６０には、複数のＬＥＤが設けられており、これらのＬＥＤの組合せにより、特別図柄表示部６１が構成されている。
【００３５】
普通図柄表示部５１は、１個のＬＥＤから構成されており、このＬＥＤにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部５１では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部５１では、普通図柄作動ゲート２７を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第２始動口２８ｂが所定の開放パターンにしたがって開放される。第２始動口２８ｂの開放パターンは複数種類設定されている。第２始動口２８ｂの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時（通常時）には、第１開放時間（例えば０．２秒）が設定された短時間開放パターンがセットされ、開放時間延長機能の作動時には第１開放時間より長い第２開放時間（例えば５秒）が設定された長時間開放パターンがセットされる。
【００３６】
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート２７を通過した際に取得されるもので、第２始動口２８ｂを作動させるか否か（開放状態とするか否か）の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート２７を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部５１で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合（取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合）には、普通図柄表示部５１で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。
【００３７】
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部５２には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート２７を通過した遊技球の数を最大保留数（本実施例では４個）まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数（保留数）が消化され、普通図柄保留数が１個ずつ減少する。普図保留表示部５２は２つのＬＥＤからなり、２個のＬＥＤの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、４個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部２００のＲＡＭの所定領域に記憶される。
【００３８】
なお、普通図柄当否判定、普通図柄の停止図柄の決定、普通図柄の変動パターンの設定、普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部２００によって行われる。
【００３９】
次に、特別図柄について説明する。特別図柄表示部６１は７個のＬＥＤから構成されており、これらのＬＥＤにより特別図柄が表示される。この特別図柄表示部６１を構成する各ＬＥＤは、点灯および消灯が可能となっており、これら各ＬＥＤの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、７個のＬＥＤで表示される特別図柄の組合せのうち、特定の組合せが大当り図柄（大当り特別図柄）として設定されており、大当り図柄以外が外れ図柄（外れ特別図柄）として設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各ＬＥＤが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
【００４０】
次に、始動口２８（第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂ）に遊技球が入球することによって、特別図柄表示部６１で特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される図柄変動遊技が行われる。
【００４１】
本実施例では、遊技球が始動口２８に入球した際に取得され、当り遊技（特別遊技）を実行するか否かの特別図柄当否判定に用いられる特別図柄当否判定用乱数が設けられている。さらに、大当りの種別（出球あり通常大当り、出球なし通常大当り、出球あり確変大当り、出球なし確変大当り）を決定するための大当り種別決定乱数（大当り図柄決定乱数）が設けられている。始動口２８への遊技球の入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と大当り種別決定乱数が取得され、この取得された特別図柄当否判定用乱数と大当り種別決定乱数は、主制御部２００のＲＡＭの所定領域（保留記憶領域）に保留として記憶される。
【００４２】
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部５３は２つのＬＥＤからなり、２個のＬＥＤの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ４個を上限として保留数を表示することができる。
【００４３】
始動口２８に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数（本実施例では４個）に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口２８への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部２００のＲＡＭの所定領域（保留記憶領域）に記憶される特別図柄用乱数（特別図柄当否判定用乱数、特別図柄決定用乱数）の個数（記憶数）に相当する。本実施例では、始動口２８への遊技球の入球に伴い、特別図柄当否判定用乱数とともに大当り種別決定乱数も取得されるので、特別図柄保留数は、大当り種別決定乱数の記憶個数にも相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、１個ずつ減少する。特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部２００によって行われる。
【００４４】
特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が大当りの当り値（大当り当選値）と一致する場合に大当りと判定される。特別図柄当否判定は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
【００４５】
特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定され、特別図柄表示部６１で停止表示される特別図柄が大当り図柄に決定される。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない場合（大当り抽選に落選）には、特別図柄当否判定の結果は外れであり、特別図柄表示部６１で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。
【００４６】
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出や予告演出の有無（演出内容）を規定するもので、複数種類の変動パターンが変動パターン決定用の乱数値と対応付けて変動パターンテーブルに含まれている。特別図柄の変動パターンは、特別図柄当否判定が実行されて特別図柄の変動表示が開始される際に、変動パターンテーブルから抽選により選択される。特別図柄の変動パターンテーブルは、複数用意されており、それぞれ遊技状態に応じて選択されて用いられる。
【００４７】
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動表示および停止表示（図柄変動遊技）は、後述の主制御部２００によって行われるように構成されている。
【００４８】
次に、大当り遊技（特別遊技）について説明する。特別図柄表示部６１で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄であった場合（特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合）に、大当り遊技実行手段としての主制御部２００は遊技者に相対的に有利な大当り遊技（特別遊技）を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをＯＮに設定することで開始する。大当り遊技は、大入賞装置３３を作動させる、換言すると大入賞口３３ａを複数回開閉させることで、大入賞口３３ａへの遊技球の入球に関して遊技者に利益（賞球）を付与するものである。大当り遊技は、後述の大当り遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。
【００４９】
大当り遊技中（特別遊技中）は、大入賞装置３３が作動し、大入賞口３３ａへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球（例えば、１個の入球に対して１５個の賞球）が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置３３を連続して作動させ、大入賞口３３ａを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置３３の作動開始により、大入賞口３３ａが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口３３ａが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口３３ａの開放時間が規定開放時間（本実施例では３０秒）に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口３３ａに入球した遊技球数が規定数（本実施例では１０個）に達したときとすることができる。
【００５０】
この大入賞口３３ａの開放状態の開始から終了までを１回のラウンド遊技とした場合、大当り遊技は、所定数のラウンド遊技が行われることで終了する。大入賞装置３３では、大入賞口３３ａの開放が終了、すなわち大入賞口３３ａが閉鎖状態となってから所定のインターバル時間（本実施例では２秒）が経過した後に、大入賞口３３ａは再び開放状態となり、次のラウンド遊技が開始する。このような大入賞口３３ａの開放開始から終了までを１ラウンドとする大入賞口３３ａの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数（本実施例では１５ラウンド）が終了するまで繰り返し継続される。
【００５１】
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技（いわゆる時短遊技または確変遊技）が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをＯＮに設定することで作動する。なお、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、それぞれ同時に作動を開始するとともに同時に作動を終了する。以下、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動状態に関する説明について、何れか一方の機能だけを挙げて説明している場合には、もう一方の機能も対になっているものとする。例えば、以下の説明で「変動時間短縮機能が作動している」と記載する場合、この記載は「開放時間延長機能も作動している」と解することができ、逆に、「開放時間延長機能が作動している」と記載する場合、この記載は「変動時間短縮機能が作動している」と解することができる。
【００５２】
本実施例の遊技機１では、大当り抽選の結果が大当りであって、特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄の場合には、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第２始動口２８ｂの開放時間を通常時の設定時間（通常時間）よりも延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。時短遊技は、主制御部２００の制御により実現されるものである。開放時間延長機能の作動により、第２始動口２８ｂの開放時間が、第１開放時間（例えば０．２秒）であったのが第２開放時間（例えば５秒）に延長される。これにより、第２始動口２８ｂへの遊技球入球頻度が、通常時（開放時間延長機能非作動時）に比べて高くなる。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数（本例では１００回）に到達するまで作動する。
【００５３】
また、大当り抽選の結果が大当りであって、特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部２００の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、大当り抽選の結果が大当りとなる確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更（向上）させる確率変動機能が作動する。このように確率変動機能が作動している遊技状態を「高確率状態」もしくは「確変状態」という。本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで「高確率状態（確変状態）」となるように構成されている。なお、確率変動機能が作動しておらず、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動している遊技状態を「時短状態」といい、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能のすべてが作動していない遊技状態を「通常状態」という。また、「確変状態」のうち、確率変動機能が作動している旨を遊技者に報知した上で生ずる確変状態を「通常の確変状態」といい、確率変動機能が作動している旨を遊技者に報知しないまま生ずる確変状態を「潜伏確変状態」という。
【００５４】
確率変動機能作動中は、大当り抽選用の大当り当選値が増加することで、大当り抽選の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、大当り当選値が設定された抽選テーブルとして、低確率抽選テーブルと、低確率抽選テーブルより大当り当選値の数が多く設定されている高確率抽選テーブルとが用意されている。そして、確率変動機能非作動時には、低確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が低確率となり、確率変動機能作動時には、高確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が高確率となる。なお、本実施例では、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示される場合であっても、演出表示装置２５にて行われる後述の図柄変動演出の進行過程や、その図柄変動演出の終了に続いて行われる大当り遊技の開始段階では、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動する旨を報知しないように構成されている。そして、大当り遊技の終了までに確率変動機能が作動する旨を報知する場合（確変状態）と、大当り遊技の終了までに確率変動機能が作動する旨を報知せず、確率変動機能の作動状態を不明にする場合（潜伏確変状態）とがある。
【００５５】
なお、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能は、主制御部２００の制御により実現されるものであり、主制御部２００が確率変動手段を構成している。
【００５６】
本実施例の遊技機１では、特別図柄表示部６１を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に付随して、演出表示装置２５にて図柄変動演出が行われる。図柄変動演出としては、例えば特別図柄表示部６１での特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や、演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出などが挙げられる。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部２８０のＲＯＭに記憶されている。
【００５７】
ここで、後述のサブ制御部２６０および演出表示制御部２８０の制御下で実現される図柄変動演出について説明する。図２に示すように、演出表示装置２５の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部２５ａが設けられている。演出図柄表示部２５ａの演出図柄は、特別図柄表示部６１の特別図柄に連動して表示される。また、演出表示装置２５の表示画面のうち、演出図柄表示部２５ａを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。上述のように、演出表示装置２５は、遊技盤２０（遊技領域２１）の中央に配置されているので、遊技者は通常、演出表示装置２５の表示領域での表示内容（特に演出図柄）に注目して遊技を行うこととなる。
【００５８】
本実施例では、演出図柄として「１」〜「９」からなる３桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部２５ａは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる３つの図柄表示領域から構成される。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向（縦方向）に図柄変動方向が設定されている。
【００５９】
演出図柄は、特別図柄表示部６１における特別図柄の変動表示の開始により変動表示を開始し、特別図柄が大当り図柄および外れ図柄の何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。これにより、演出図柄によって、特別図柄当否判定の結果（「大当り」または「外れ」）が報知される。本実施例では、演出図柄の停止図柄のうち、３桁同一の図柄の組合せが特別図柄の「大当り図柄（通常大当り図柄または確変大当り図柄）」に対応し、それ以外の図柄の組合せが特別図柄の「外れ図柄」に対応している。つまり、本実施例では、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示される場合であっても、演出図柄を用いて行われる図柄変動演出では、確率変動機能が作動する旨を報知しないようになっている。
【００６０】
演出図柄の変動表示演出やリーチ演出等の図柄変動演出は、特別図柄の変動開始時に主制御部２００から送信される変動開始時コマンド（変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンド）に基づいて、サブ制御部２６０の制御によって行われるように構成されている。つまり、図柄変動演出で行われる演出内容の設定および図柄変動演出の実行はサブ制御部２６０によって行われる。また、図柄変動演出の演出内容（演出パターン）は、特別図柄の当否判定結果に基づいて図柄変動演出の開始時に設定される。
【００６１】
ここで、主制御部２００からサブ制御部２６０に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部２００は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに（乱数抽選により）決定する。そして、主制御部２００により決定された特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部２６０が、演出図柄表示部２５ａで表示される演出図柄の演出パターン（図柄変動演出の演出パターン）を決定する。また、主制御部２００からサブ制御部２６０に向けて送信される停止情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部２００は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに（乱数抽選により）決定する。そして、主制御部２００により決定された特別図柄の停止図柄を示す停止情報指定コマンドに基づき、サブ制御部２６０が、演出図柄表示部２５ａで停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。
【００６２】
本実施例では、大当り遊技開始時に大当り遊技開始演出（大当りファンファーレ演出）が実行され、大当り遊技のラウンド遊技中にラウンド演出（大当り遊技演出）が実行され、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでのインターバル期間中にインターバル演出（ラウンド間演出）が実行され、大当り遊技終了時に大当り遊技終了演出（エンディング演出）が実行される。これらの各演出は、後述のサブ制御部２６０の制御により実現される。このため、サブ制御部２６０が本発明の「大当り遊技演出実行手段」に相当している。
【００６３】
本実施例では、ラウンド演出として「通常ラウンド演出」と「特別ラウンド演出」とが設けられている。「通常ラウンド演出」は、ラウンド演出の演出パターンの決定に際してラウンド遊技の進行状況（遊技結果）が反映されることのないラウンド演出であり、予め定められた演出パターンに従って進行していくものである。一方、「特別ラウンド遊技」は、ラウンド演出の演出パターンの決定に際してラウンド遊技の進行状況（遊技結果）が反映されるラウンド演出であり、その進行状況（遊技結果）によって演出内容が変化するものである。「特別ラウンド演出」には、所定ラウンド遊技において、大入賞口３３ａへの所定数（例えば１０個）の遊技球の入球を完了させるべき最適時期が設定される「入球時期設定ラウンド演出」と、その入球時期設定ラウンド演出によって決定される最適時期および当該ラウンド遊技で大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球が実際に完了した実績時期の両者が適合するか否かの判定結果に基づいて、次回のラウンド遊技において、遊技者が得られる利益度合が異なる演出を実行する「判定結果対応ラウンド演出」とが含まれている。なお、判定結果対応ラウンド演出は本発明の「大当り遊技演出」の一態様に相当している。
【００６４】
「判定結果対応ラウンド演出」は、上述の最適時期と実績時期とが適合する場合には、遊技者にとって利益度合が大きい演出パターンを用いて実行され、最適時期と実績時期とが適合しない場合には、遊技者にとって利益度合が小さい演出パターンを用いて実行される。判定結果対応ラウンド演出パターンでは、所定の遊技状態（例えば大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態）に対する信頼度を異ならせることで、遊技者にとっての利益度合を異ならせることができる。具体的には、「遊技者にとって利益度合が大きい演出パターン」は、例えば大当り遊技終了後の確率変動機能の作動開始に対する信頼度が高い演出とすることができ、「遊技者にとって利益度合が小さい演出パターン」は、例えば大当り遊技終了後の確率変動機能の作動開始に対する信頼度が低い演出とすることができる。
【００６５】
所定ラウンド遊技において、大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させるべき最適時期は、ラウンド遊技における大入賞口３３ａの規定開放時間（本実施例では３０秒）の範囲内で決定される。所定のラウンド遊技では、入球時期設定ラウンド演出が実行されるとともに、当該ラウンド遊技で大入賞口３３ａへの所定数の遊技球入球が実際に完了した実績時期が計測される。本実施例では、異なる最適時期が設定された複数の入球時期設定ラウンド演出パターンが設けられている。
【００６６】
図３は、入球時期設定ラウンド演出パターンを示している。図３に示す例では、５種類の入球時期設定ラウンド演出パターンが設けられている。図３に示すパターン１〜５では、１回のラウンド遊技における大入賞口３３ａの規定開放時間（本実施例では３０秒）を、「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「最適時期Ｃ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」に区分している。各演出パターン１〜５では、各時期Ａ〜Ｅの割合がそれぞれ異なっている。これらの入球時期設定ラウンド演出パターンは、サブ制御部２６０のＲＯＭに記憶されている。このため、サブ制御部２６０が本発明の「入球時期設定演出パターン記憶手段」に相当している。
【００６７】
入球時期設定ラウンド演出パターン１では、大入賞口３３ａが開放してから０秒〜６秒が「かなり早い時期Ａ」、６秒〜１２秒が「早い時期Ｂ」、１２秒〜１８秒が「最適時期Ｃ」、１８秒〜２４秒が「遅い時期Ｄ」、２４秒〜３０秒が「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン２では、大入賞口３３ａが開放してから０秒〜２秒が「かなり早い時期Ａ」、２秒〜５秒が「早い時期Ｂ」、５秒〜８秒が「最適時期Ｃ」、８秒〜２０秒が「遅い時期Ｄ」、２０秒〜３０秒が「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン３では、大入賞口３３ａが開放してから０秒〜４秒が「かなり早い時期Ａ」、４秒〜８秒が「早い時期Ｂ」、８秒〜２０秒が「最適時期Ｃ」、２０秒〜２５秒が「遅い時期Ｄ」、２５秒〜３０秒が「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン４では、０〜３０秒のすべてが「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン５では、０〜３０秒のすべてが「最適時期Ｃ」となっている。
【００６８】
入球時期設定ラウンド演出パターン１は６秒間の「最適時期Ｃ」が設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが平易な標準的パターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン２は３秒間の「最適時期Ｃ」が設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが困難なパターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン３は１２秒間の「最適時期Ｃ」が設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが容易なパターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン４は「最適時期Ｃ」が設定されておらず、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが不可能なパターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン５は大入賞口３３ａの規定開放時間（本実施例では３０秒）のすべてが「最適時期Ｃ」として設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが確実にできるプレミアパターンとして構成されている。以上のことから、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５を遊技者にとって有利な順に並べると、パターン５（プレミアパターン）、パターン３（容易なパターン）、パターン１（標準的なパターン）、パターン２（困難なパターン）、パターン４（不可能なパターン）となる。
【００６９】
入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５は、所定の遊技状態（例えば大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態）に対する信頼度が異なっている。つまり、遊技者は、入球時期設定ラウンド演出で何れのパターンが出現するかに基づいて、大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態（確変発生）に対する信頼度を認識することができる。具体的には、パターン１（標準的なパターン）は確変発生に対する信頼度が中程度であり、パターン２（困難なパターン）は確変発生に対する信頼度が低く、パターン３（容易なパターン）は確変発生に対する信頼度が高く、パターン４（不可能なパターン）は確変発生に対する信頼度が低く、パターン５（プレミアパターン）は確変発生に対する信頼度が非常に高い（確変発生が確定）。
【００７０】
入球時期設定ラウンド演出が実行されたラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）では、当該ラウンド遊技で大入賞口３３ａへの所定数の遊技球入球が完了した時点で、大入賞口３３ａの開放開始からの経過時間（つまり、大入賞口３３ａの開放時間）である実績時期が、「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「最適時期Ｃ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」のいずれに適合するかが判定される。実績時期が「最適時期Ｃ」と適合する場合には、次回のラウンド遊技で確変発生に対する信頼度が高い判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「早い時期Ｂ」または「遅い時期Ｄ」と適合する場合には、次回のラウンド遊技で確変発生に対する信頼度が中程度の判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「かなり早い時期Ａ」または「かなり遅い時期Ｅ」と適合する場合には、次回のラウンド遊技で確変発生に対する信頼度が低い判定結果対応ラウンド演出が実行される。このように、判定結果対応ラウンド演出で用いられる演出パターンとして、所定の遊技状態に対する信頼度（本実施例では確変発生に対する信頼度）が異なる複数の演出パターンが設けられている。判定結果対応ラウンド演出の演出パターンは、サブ制御部２６０のＲＯＭに記憶されており、サブ制御部２６０が本発明の「演出パターン記憶手段」に相当している。
【００７１】
また、入球時期設定ラウンド演出では、所定ラウンド遊技において、大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させるべき最適時期を遊技者に報知する最適時期報知演出が併せて行われる。最適時期報知演出は、例えば演出表示装置２５の表示領域に３０個の目盛りが設けられるとともに、「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「最適時期Ｃ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」に区分されたレベルゲージを表示し、大入賞口３３ａの開放開始から１秒経過毎に１目盛りずつ増加させることで行うことができる。レベルゲージには、図３に示した入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５から選択された特定のパターンに従って各時期Ａ〜Ｅを表示すればよい。このような最適時期報知演出によって、遊技者は大入賞口３３ａの開放開始からの経過時間（開放時間）と各時期Ａ〜Ｅとの関係を認識しながら遊技を行うことができる。これにより、所定数の遊技球が大入賞口３３ａに入球完了する実績時期を最適時期Ｃに適合させることに対する遊技者の期待感（ドキドキ感）を向上させることができる。
【００７２】
上述のように、本実施例では、大当り図柄の種類に基づいて遊技者が得られる利益度合の異なる遊技状態（確率変動機能、開放時間延長機能、変動時間短縮機能の作動状態が異なる遊技状態）が発生する。そして、入球時期設定ラウンド演出が実行されるラウンド遊技の開始前のインターバル期間中に、何れかの遊技状態の発生契機となる大当り図柄の種類（確変大当り図柄、通常大当り図柄等）に基づいて入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５のいずれかから特定の入球時期設定ラウンド演出パターンが決定される。具体的には、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の大きい遊技状態（例えば確変動機能、開放時間延長機能、変動時間短縮機能がすべて作動する確変状態）の発生契機となるものである場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に有利なパターンが選択される。逆に、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の小さい遊技状態（例えば確率変動機能が作動せず、開放時間延長機能および変動時間短縮機能が作動する時短状態）の発生契機となるものである場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に不利なパターンが選択される。このように、大当り図柄の種類に基づいて入球時期設定ラウンド演出パターンを選択することで、停止表示される大当り図柄に起因して発生する遊技状態に応じた判定結果対応ラウンド演出を実行することができる。
【００７３】
さらに、入球時期設定ラウンド演出パターンの決定に際しては、大当り図柄の種類に加えて、既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容も考慮される。例えば、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の小さい遊技状態の発生契機となるものである場合（例えば通常大当り図柄）で、遊技者に不利な入球時期設定ラウンド演出パターン（例えば図３のパターン２）を用いて入球時期設定ラウンド演出が実行され、大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球が実際に完了した実績時期が最適時期Ｃであった場合には、信頼度が高い（遊技者に有利な）判定結果対応ラウンド演出が実行される。この場合、実際に発生する遊技状態（例えば時短状態）は、遊技者にとって利益度合いの高い特定の遊技状態（例えば確変状態）でないにも拘わらず、特定の遊技状態（例えば確変状態）への信頼度の高い判定結果対応ラウンド演出が実行されることとなり、実際に発生する遊技状態と判定結果対応ラウンド演出の内容が整合しなくなる。このため、次回のラウンド遊技で実行される入球時期設定ラウンド演出では、より困難な演出パターン（例えば図３のパターン４）を選択する。これにより、実際に発生する遊技状態と判定結果対応ラウンド演出とを確実に整合させることができる。
【００７４】
なお、大入賞口３３ａへの遊技球の計数、大入賞口３３ａが開放してからの経過時間（開放時間）の計測および実績時期が最適時期と適合するかの判定は、いずれもサブ制御部２６０の制御によって行われる。このため、サブ制御部２６０が本発明の「入球時期決定手段」、「計数手段」、「計時手段」、「入球時期判定手段」に相当している。
【００７５】
図４は、本実施例の大当り遊技の進行に伴って行われるラウンド演出パターン（大当り遊技演出パターン）を示している。図４に示すラウンド演出パターンは、大当り遊技の開始から終了までの各ラウンド遊技（１〜１５ラウンド）におけるラウンド演出の実行パターン（出現パターン）を規定するものである。本実施例では、大当り遊技演出（ラウンド演出）として「ゴルフ」を題材とした演出を行うものとしており、大当り遊技の１〜５ラウンドでは、通常ラウンド演出として、敵と味方のゴルフ対決（特別ラウンド演出）が開始されるまでの準備段階であることを示す「導入演出（導入ムービーの再生表示）」が実行され、６ラウンド〜１５ラウンドでは、特別ラウンド演出として「ゴルフ対決演出」が実行される。本実施例の「ゴルフ対決演出（特別ラウンド演出）」では、敵と味方がラウンド遊技毎に交互にゴルフクラブでゴルフボールを打つ場面が表示され、最終的に少ない打数で終了した方が勝利する内容となっている。例えば、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動する確変大当りの場合であって確率変動機能の作動状態を明確にする場合（通常の確変状態にする場合）には、味方を勝利させるようにし、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動しない通常大当りや、確変大当りであっても確率変動機能の作動状態を不明にする場合（潜伏確変状態にする場合）には、敵を勝利させるようにする。そして、プレー終了後（大当り遊技の終了時）には、敵または味方のいずれが勝利したかを示す「結果報知演出（結果ムービーの再生表示）」が実行される。
【００７６】
図４に示すように、本実施例では複数のラウンド演出パターン１〜５が設けられている。ラウンド演出パターン１〜５は、それぞれ終了に至る打球数が異なるように設定されている。具体的には、ラウンド演出パターン１は、敵と味方の打数が「５」であり、ラウンド演出パターン２は、敵と味方の打数が「１」であり、ラウンド演出パターン３は、敵と味方の打数が「２」であり、ラウンド演出パターン４は、敵と味方の打数が「３」であり、ラウンド演出パターン５は、敵と味方の打数が「４」となっている。大当り遊技の開始時に、ラウンド演出パターン１〜５の中から特定のラウンド演出パターンが決定される。これらのラウンド演出パターンは、サブ制御部２６０のＲＯＭに記憶されている。
【００７７】
図４に示すように、６ラウンド以降の特別ラウンド演出では、偶数ラウンド（６、８、１０、１２、１４ラウンド）において敵がプレーする画面が表示され、奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）において味方がプレーする画面が表示される。そして、特別ラウンド演出が行われる各ラウンドでは、特別ラウンド演出が開始される６ラウンド目を除いて、前回のラウンドで敵または味方の一方の打球の行方（プレーの結果）が表示された後で、敵または味方の他方がプレーする画面が表示される。
【００７８】
特別ラウンド演出のうち、奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）で、味方がプレーする場面が入球時期設定ラウンド演出として行われ、その次の偶数ラウンド（６、８、１０、１２、１４ラウンド）で、味方が打ったゴルフボールの行方を表示する場面が判定結果対応ラウンド演出として行われる。なお、１５ラウンド目のラウンド遊技で入球時期設定ラウンド演出が実行される場合には、次のラウンド遊技（１６ラウンド目のラウンド遊技）が存在しないことから、この場合には、「判定結果対応ラウンド演出」を行うことなく大当り遊技の終了時に「結果報知演出（結果ムービーの再生表示）」を行うか、もしくは、大当り遊技の終了時に「判定結果対応ラウンド演出」と「結果報知演出（結果ムービーの再生表示）」の双方を行うことができる。
【００７９】
判定結果対応ラウンド演出では、奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）における実績時期が「最適時期Ｃ」と適合する場合には、信頼度が高い演出パターン（打球がフェアウェイに飛ぶ場面あるいはプレミアショットとなる場面が表示される）を用いて判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「早い時期Ｂ」または「遅い時期Ｄ」と適合する場合には、信頼度が中程度の演出パターン（打球がラフに飛ぶ場面が表示される）を用いて判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「かなり早い時期Ａ」または「かなり遅い時期Ｅ」と適合する場合には、信頼度が低い演出パターン（打球がＯＢ、池ポチャあるいはバンカーに入る場面が表示される）を用いて判定結果対応ラウンド演出が実行される。
【００８０】
次に、本実施例の遊技機１の電子制御装置について、図５に基づいて説明する。図５は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【００８１】
図５に示すように、電子制御装置は、主制御部２００と、その主制御部２００に接続された副制御部２３０、２６０、２８０とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部（賞球制御部）２３０、サブ制御部２６０及び演出表示制御部２８０から構成される。主制御部２００は主制御基板２００ａを備え、副制御部２３０、２６０及び２８０は周辺制御基板として払出制御基板２３０ａ、サブ制御基板２６０ａ及び演出表示制御基板２８０ａをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板（電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など）は、遊技機１の裏面側に配置される。
【００８２】
各制御部２００、２３０、２６０、２８０には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部２００、２３０、２６０、２８０に送信される。なお、本実施例の遊技機１は、電源断時に主制御部２００及び払出制御部２３０に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部（図示略）を備えており、電源断時にも主制御部２００及び払出制御部２３０のＲＡＭデータが保持される。
【００８３】
主制御部２００は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部２３０、２６０に処理内容を指示する指令信号（コマンドデータ）を送信し、各副制御部２３０、２６０、２８０は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【００８４】
主制御部２００を構成する主制御基板２００ａのＣＰＵ２００ｂは、ＣＰＵコア、内蔵ＲＡＭ（以下、単にＲＡＭともいう）、内蔵ＲＯＭ（以下、単にＲＯＭともいう）等を備えており、ＲＯＭに格納された制御プログラムにより、ＲＡＭをワークエリアとして遊技機１全体の作動制御（遊技の基本進行制御）を司る。また、主制御部２００は、ＣＰＵ２００ｂが主体となって、ＲＯＭに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定実行手段を構成している。また、主制御部２００のＣＰＵ２００ｂは、特別図柄当否判定を実行する際に、ＲＯＭに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部２００のＣＰＵ２００ｂの制御周期は４ｍｓに設定されている。
【００８５】
主制御部２００には、盤面入力中継基板２０１と盤面出力中継基板２０２とが接続されている。盤面入力中継基板２０１には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ２７ｓ、始動口入賞検知スイッチ２８ｓ、大入賞口入球検知スイッチ３３ｓが接続されており、これらの信号が主制御部２００に入力するように構成されている。盤面出力中継基板２０２には、普通図柄表示部５１（１個のＬＥＤ）、特別図柄表示部６１（７個のＬＥＤ）、始動口ソレノイド２８ｃ、大入賞口ソレノイド３３ｃが接続されており、主制御部２００からの制御信号が出力される。
【００８６】
払出制御部２３０を構成する払出制御基板２３０ａは、主制御部２００のＣＰＵ２００ｂと同様の構成を有するＣＰＵ２３０ｂを備えている。払出制御部２３０には、発射制御部２５０、ＣＲユニット１３等が接続されている。主制御部２００から払出制御部２３０には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板２３０ａのＣＰＵ２３０ｂは、主制御部２００からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機１の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し（賞球払出）を行う。この遊技球の払い出し（賞球払出）は、遊技機１の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
【００８７】
発射制御部２５０には、タッチスイッチ８ａと発射停止スイッチ８ｂが接続されており、遊技者が発射ハンドル８に触れることでタッチスイッチ８ａからタッチ信号が入力し、遊技者が発射停止スイッチ８ｂを操作すること（押圧すること）で、発射停止スイッチ８ｂから発射停止信号が入力する。
【００８８】
サブ制御部２６０は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板２６０ａにはＣＰＵ２６０ｂや図示しないＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部２００に接続されている。サブ制御部２６０（ＣＰＵ２６０ｂ）は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ１０ａ〜１０ｄから出力される効果音、演出表示装置２５による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
【００８９】
主制御部２００からサブ制御部２６０には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド（変動パターン指定コマンド、停止情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど）、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部２００から演出表示制御部２８０には、サブ制御部２６０を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部２６０には演出表示制御部２８０が接続されており、サブ制御部２６０から演出表示制御部２８０には、主制御部２００からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示（図柄変動演出）を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
【００９０】
演出表示制御部２８０の演出表示制御基板２８０ａには、ＣＰＵ２８０ｂ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、入出力ポート、ＶＤＰ（ビデオディスプレイプロセッサ）等を有する演算回路構成要素（図示略）が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部２６０に接続されており、演出表示制御部２８０には演出表示装置２５が接続されている。また、演出表示制御基板２８０ａには、図示しない画像ＲＯＭが設けられており、その画像ＲＯＭには、演出表示装置２５で表示される演出用図柄の画像データ（前述した図柄変動演出に関する画像データなど）が複数格納されている。演出表示制御部２８０（ＣＰＵ２８０ｂ）は、演出表示装置２５の駆動制御（各種演出用の図柄データや画像データの表示出力処理）を行うように構成されている。
【００９１】
その他、サブ制御部２６０には、装飾駆動基板２６１を介して各種ＬＥＤ・ランプ２６２が接続されており、アンプ基板２６３には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ１０ａ〜１０ｄが接続されている。さらに、サブ制御部２６０には、演出ボタン基板２６４を介して演出ボタン５ｄが接続されている。サブ制御部２６０は、主制御部２００や演出ボタン５ｄからの各種指令（変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など）に基づいて、各種ＬＥＤ・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ１０ａ〜１０ｄから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置２５での演出表示パターン（図柄変動演出の演出パターン）の選択・実行処理等を行う。
【００９２】
次に、本実施例の遊技機１の作動をフローチャートに基づいて説明する。図６は、主制御部２００の制御下で行われるメインジョブの一例である。図６に示すメインジョブは、主制御基板２００ａに実装されたＣＰＵ２００ｂが、図示しないＲＯＭ（ＣＰＵ２００ｂの内蔵ＲＯＭまたは主制御基板２００ａに実装されるＲＯＭ）に格納されたプログラムに基づいて実行するもので、電源投入処理（Ｓ１００）の後、遊技開始処理（Ｓ２００）、普通図柄遊技処理（Ｓ３００）、普通電動役物遊技処理（Ｓ４００）、特別図柄遊技処理（Ｓ５００）、大当り遊技処理（Ｓ６００）の各処理が、タイマリセットされる毎（本実施例では４ｍｓ毎）に繰り返し実行される。電源断発生処理（Ｓ５０）は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理（Ｓ１００）に移るようになっている。
【００９３】
電源投入処理（Ｓ１００）は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはＲＡＭ初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われる。次に、遊技開始処理（Ｓ２００）では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる。
【００９４】
普通図柄遊技処理（Ｓ３００）では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部５１（図２参照）にて普通図柄を当り普通図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ普通図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。ここで、前述したように、本実施例における普通図柄の当否判定は、始動口２８ｂの開放時間を延長させる開放時間延長機能（および変動時間短縮機能）の作動状態に応じて、当りとなる確率が異なっており、開放時間延長機能（および変動時間短縮機能）の作動時の方が、開放時間延長機能（および変動時間短縮機能）の非作動時に比べ当りとなる確率が高くなっている。
【００９５】
次に、普通図柄の当否判定の結果が得られたら、普通図柄の変動表示時間を設定し、その変動表示時間に従って普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた表示態様で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる（第２始動口２８ｂを開放状態とする）。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、第２始動口２８ｂを作動させる処理を行う。第２始動口２８ｂが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第２始動口２８ｂが開放状態となる。
【００９６】
普通電動役物遊技処理（Ｓ４００）では、第２始動口２８ｂを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第２始動口２８ｂに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第２始動口２８ｂに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第２始動口２８ｂの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第２始動口２８ｂは通常状態（閉鎖状態）となる。
【００９７】
次に、特別図柄遊技処理（Ｓ５００）を図７、図８のフローチャートに基づいて説明する。まず、図７（ａ）に示すように、始動口２８（第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂ）に入賞（遊技球が入球）したか否かを判定し（Ｓ５０１）、始動口２８に入賞していないと判定された場合には（Ｓ５０１：ＮＯ）。Ｓ５０４の処理に移行する。一方、始動口２８に入賞したと判定された場合には（Ｓ５０１：ＹＥＳ）、特別図柄保留数が４未満であるか否かを判定する（Ｓ５０２）。この結果、特別図柄保留数が４未満でない（４以上である）と判定された場合には（Ｓ５０２：ＮＯ）、Ｓ５０４の処理に移行し、特別図柄保留数が４未満であると判定された場合には（Ｓ５０２：ＹＥＳ）、特別図柄用乱数を取得してＲＡＭの所定領域に記憶する（Ｓ５０３）。これにより、特別図柄保留数が１増加する。なお、特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄の当り図柄決定用乱数、リーチ乱数などからなる。
【００９８】
次に、大当り遊技中であるか否か（大当り遊技フラグがＯＮであるか否か）を判定する（Ｓ５０４）。この結果、当り遊技中である（大当り遊技フラグがＯＮである）と判定された場合には（Ｓ５０４：ＹＥＳ）、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない（大当り遊技フラグがＯＦＦである）と判定された場合には（Ｓ５０４：ＮＯ）、特別図柄が変動中であるか否かを判定する（Ｓ５０５）。
【００９９】
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には（Ｓ５０５：ＹＥＳ）、後述のＳ５０９の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には（Ｓ５０５：ＮＯ）、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する（Ｓ５０６）。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「１秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には（Ｓ５０６：ＹＥＳ）、後述のＳ５１３の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には（Ｓ５０６：ＮＯ）、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する（Ｓ５０７）。
【０１００】
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には（Ｓ５０７：ＹＥＳ）、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には（Ｓ５０７：ＮＯ）、特別図柄変動表示関連処理を行う（Ｓ５０８）。
【０１０１】
ここで、特別図柄変動表示関連処理（Ｓ５０８）を図８のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部２００のＲＡＭの所定領域（保留記憶領域）に記憶されている特別図柄当否判定用乱数（始動口２８への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数）を読み出し（Ｓ５０８ａ）、特別図柄当否判定を行う（Ｓ５０８ｂ）。
【０１０２】
次に、Ｓ５０８ｂで行った特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する（Ｓ５０８ｃ）。この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には（Ｓ５０８ｃ：ＹＥＳ）、大当り時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する（Ｓ５０８ｄ）。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない（外れである）と判定された場合には（Ｓ５０８ｃ：ＮＯ）、外れ時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する（Ｓ５０８ｇ）。
【０１０３】
次に、変動パターン決定乱数を取得するとともに、主制御部２００のＲＡＭの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数（第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂへの遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数）を読み出す（Ｓ５０８ｈ）。
【０１０４】
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する（Ｓ５０８ｉ）。特別図柄の変動パターンは、Ｓ５０８ｈで取得した特別図柄変動パターン決定用乱数を用いて、Ｓ５０８ｄ、Ｓ５０８ｇの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。また、特別図柄の停止図柄は、Ｓ５０８ｈで読み出した図柄決定用乱数を用いて、特別図柄の停止図柄の種類（特別図柄表示部６１におけるＬＥＤの表示パターン）を決定する。
【０１０５】
次に、Ｓ５０８ｉで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部６１で特別図柄の変動表示を開始し（Ｓ５０８ｊ）、これに付随して、図柄変動開始時コマンドとしての特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ５０８ｋ）。変動パターン指定コマンドは、Ｓ５０８ｉで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。この変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部２６０に送信すると、これらコマンド（図柄変動開始時コマンド）を受信したサブ制御部２６０および演出表示制御部２８０の制御下で図柄変動演出（演出図柄の変動表示）が開始される。そして、特別図柄保留数を１減算する（Ｓ５０８ｌ）。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
【０１０６】
次に、図７（ａ）に戻り、上記Ｓ５０５で特別図柄が変動中であると判定された場合には（Ｓ５０５：ＹＥＳ）、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する（Ｓ５０９）。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ５０９：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には（Ｓ５０９：ＹＥＳ）、特別図柄の変動表示を停止し（Ｓ５１０）、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部２６０に送信し（Ｓ５１１）、特別図柄の停止表示時間を設定する（Ｓ５１２）。
【０１０７】
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する（Ｓ５１３）。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ５１３：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には（Ｓ５１３：ＹＥＳ）、特別図柄表示部６１に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する（図７（ｂ）のＳ５１４）。
【０１０８】
この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には（Ｓ５１４：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａの開放パターンをセットして（Ｓ５１５）、大当り遊技フラグをＯＮにセットする（Ｓ５１６）。これにより、Ｓ５１５の処理でセットされた大入賞口開放パターンに従って大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技が開始されることを示す大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ５１７）。
【０１０９】
次に、確変フラグがＯＮであるか否かを判定し（Ｓ５１８）、確変フラグがＯＮであると判定された場合は（Ｓ５１８：ＹＥＳ）、確変フラグをＯＦＦにセットし（Ｓ５１９）、Ｓ５２０の処理に移行する。一方、確変フラグがＯＮでないと判定された場合には（Ｓ５１８：ＮＯ）、そのままＳ５２０の処理に移行する。
【０１１０】
Ｓ５２０の処理では、変動短縮フラグがＯＮであるか否かを判定し、変動短縮フラグがＯＮでないと判定された場合には（Ｓ５２０：ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがＯＮであると判定された場合には（Ｓ５２０：ＹＥＳ）、変動短縮フラグをＯＦＦにセットし（Ｓ５２１）、さらに開放延長フラグをＯＦＦにセットする（Ｓ５２２）。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【０１１１】
次に、上記Ｓ５１４の判定処理で、特別図柄表示部６１に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でない（換言すると、外れ図柄である）と判定された場合には（Ｓ５１４：ＮＯ）、変動短縮フラグがＯＮであるか否かを判定する（Ｓ５２３）。この結果、変動短縮フラグがＯＮでないと判定された場合は（Ｓ５２３：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがＯＮであると判定された場合は（Ｓ５２３：ＹＥＳ）、変動短縮カウンタを１減算し（Ｓ５２４）、変動短縮カウンタがゼロになったか否かを判定する（Ｓ５２５）。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、大当り遊技の終了後に大当りの種類に応じて後述のＳ６１７の処理（図９参照）でセットされる。
【０１１２】
そして、変動短縮カウンタがゼロではないと判定された場合には（Ｓ５２５：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタがゼロであると判定された場合には（Ｓ５２５：ＹＥＳ）、変動短縮フラグをＯＦＦにし（Ｓ５２６）、開放延長フラグをＯＦＦにする（Ｓ５２７）。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
【０１１３】
次に、大当り遊技処理（Ｓ６００）について図９のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否か（大当り遊技フラグがＯＮであるか否か）を判定する（Ｓ６０１）。この結果、大当り遊技中でない（大当り遊技フラグがＯＦＦである）と判定された場合には（Ｓ６０１：ＮＯ）、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である（大当り遊技フラグがＯＮである）と判定された場合には（Ｓ６０１：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａが開放中であるか否かを判定する（Ｓ６０２）。この結果、大入賞口３３ａが開放中であると判定された場合には（Ｓ６０２：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａの開放時間が経過したか否か、換言すると、開放時間が規定開放時間（本実施例では３０秒）に達したか否かを判定し（Ｓ６０３）、大入賞口３３ａの開放時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ６０３：ＮＯ）、大入賞口３３ａに規定入賞数の入賞があったか否か（規定数の遊技球が入球したか否か）を判定する（Ｓ６０４）。本実施例では、大入賞口３３ａに規定入賞数として１０個の遊技球が入球したか否かを判定する。なお、本実施例では、１回のラウンド遊技中に遊技球が大入賞口３３ａに入球する毎に、その入球が１回のラウンド遊技における何個目の入球であるかを示す大入賞口入球数指定コマンド（入球数１指定コマンド、入球数２指定コマンド・・・入球数１０指定コマンド）を、サブ制御部２６０に送信するものとしている。サブ制御部２６０は、その大入賞口入球数指定コマンドで指定される入球数、あるいは、大入賞口入球数指定コマンドの受信回数によって、１回のラウンド遊技における大入賞口３３ａへの遊技球の入球数を認識（計数）することができる。
【０１１４】
Ｓ６０４の処理の結果、大入賞口３３ａに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には（Ｓ６０４：ＮＯ）、大当り遊技処理を終了し、大入賞口３３ａに規定入賞数が入賞していると判定された場合（Ｓ６０４：ＹＥＳ）または大入賞口３３ａの開放時間が経過している（規定時間に達している）と判定された場合には（Ｓ６０３：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａを閉鎖し（Ｓ６０５）、大入賞口３３ａが閉鎖したことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ６０７）。
【０１１５】
また、上記Ｓ６０２で、大入賞口３３ａが開放中でないと判定された場合には（Ｓ６０２：ＮＯ）、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する（Ｓ６０８）。Ｓ６０８の判定処理は、大当り遊技のラウンド数が１５ラウンドに達したか否かを判定する。
【０１１６】
この結果、大当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には（Ｓ６０８：ＮＯ）、大入賞口３３ａの閉鎖時間（インターバル時間）が経過しているか否かを判定し（Ｓ６０９）、大入賞口３３ａの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ６０９：ＮＯ）、大当り遊技処理を終了し、大入賞口３３ａの閉鎖時間が経過していると判定された場合には（Ｓ６０９：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａを開放させ（Ｓ６１０）、大当り遊技中における大入賞口３３ａの開放回数を示すＮ回目開放指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ６１１）。「Ｎ回目開放指定コマンド」は、今回開始するラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを示している。
【０１１７】
上記Ｓ６０８で、大当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には（Ｓ６０８：ＹＥＳ）、大当り遊技フラグをＯＦＦにセットする（Ｓ６１２）。これにより、大当り遊技が終了する。
【０１１８】
次に、今回の大当りが確変大当りであるか否か（今回の大当り遊技の開始契機となった特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄であるか否か）を判定する（Ｓ６１３）。この結果、確変大当りであると判定された場合は（Ｓ６１３：ＹＥＳ）、確変フラグをＯＮにセットする（Ｓ６１４）。これにより、今回の確変大当りに係る大当り遊技の終了に伴い、確率変動機能が作動を開始する（確変状態となる）。
【０１１９】
次に、変動短縮フラグをＯＮにセットし（Ｓ６１５）、開放延長フラグをＯＮにセットし（Ｓ６１６）、変動短縮カウンタをセットする（Ｓ６１７）。Ｓ６１７の処理では、確変フラグがＯＮにセットされている場合（確変大当りである場合）には、変動短縮カウンタに「１０，０００」をセットし、確変フラグがＯＮにセットされていない場合（通常大当りである場合）には、変動短縮カウンタに「１００」をセットする。これにより、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を開始する（時短状態となる）。
【０１２０】
そして、大当り遊技が終了したことを示す大当り遊技終了指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ６１８）。
【０１２１】
次に、サブ制御部２６０が実行する大当り遊技演出処理を図１０に基づいて説明する。図１０は、サブ制御部２６０の制御下で行われる大当り遊技演出処理の一例であり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図１０に示す大当り遊技演出処理は、サブ制御基板２６０ａに実装されたＣＰＵ２６０ｂが、図示しないＲＯＭ（ＣＰＵ２６０ｂの内蔵ＲＯＭまたはサブ制御基板２６０ａに実装されるＲＯＭ）に格納されたプログラムに従って実行する。
【０１２２】
まず、上述したＳ５１７の処理（図７（ｂ））で主制御部２００から送信される大当り遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７００）。この結果、大当り遊技開始指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７００：ＮＯ）、Ｓ７０２の処理に移行し、大当り遊技開始指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７００：ＹＥＳ）、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始演出（大当りファンファーレ演出）を実行する（Ｓ７０１）。大当り遊技開始演出は、演出表示装置２５の表示領域に大当り開始画面を表示すること等によって行う。
【０１２３】
次に、上述したＳ６１１の処理（図９）で主制御部２００から送信されるＮ回目開放指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７０２）。この結果、Ｎ回目開放指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７０２：ＮＯ）、Ｓ７０６の処理に移行する。一方、Ｎ回目開放指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７０２：ＹＥＳ）、その受信したＮ回目開放指定コマンドで指定されるラウンド数に基づいて、今回のラウンド遊技が通常ラウンド遊技であるか否かを判定する（Ｓ７０３）。「通常ラウンド遊技」とは、通常ラウンド演出が実行されるラウンド遊技である。本実施例では、図４を用いて説明した通り、１〜５ラウンド目のラウンド遊技が「通常ラウンド遊技」となっている。また、６〜１５ラウンド目のラウンド遊技は、特別ラウンド演出が実行される「特別ラウンド遊技」となっている。
【０１２４】
Ｓ７０３の処理の結果、今回のラウンド遊技が通常ラウンド遊技（１〜５ラウンド目のラウンド遊技）であると判定された場合には（Ｓ７０３：ＹＥＳ）、通常ラウンド演出を実行する（Ｓ７０４）。本実施例の通常ラウンド演出は、上述した通り「導入ムービー」を再生表示することによって行われる。一方、今回のラウンド遊技が通常ラウンド遊技でないと判定された場合には（Ｓ７０３：ＮＯ）、今回のラウンド遊技は特別ラウンド遊技（６〜１５ラウンド目のラウンド遊技）ということになるので、特別ラウンド演出処理を実行する（Ｓ７０５）。ここで、特別ラウンド演出処理（Ｓ７０５）について図１１のフローチャートに基づいて説明する。
【０１２５】
特別ラウンド演出処理（Ｓ７０５）を開始すると、まず、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされているか否かを判定する（Ｓ７０５ａ）。「入球時期設定ラウンドフラグ」は、今回開始されるラウンド遊技、すなわち、Ｓ７０２の処理で受信した「Ｎ回目開放指定コマンド」により指定されるラウンド数のラウンド遊技が、「大入賞口３３ａへの所定数（例えば、規定入賞数）の遊技球の入球を完了させるべき時期（最適時期）の設定」および「設定した最適時期と実際の入球完了時期（実績時期）とが適合するか否かの判定」を行うラウンド遊技であることを示すフラグであり、後述のＳ７１０ｎの処理（図１２）でＯＮにセットされる。例えば、図４に示すラウンド演出パターン１では、６ラウンド以降における奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）が開始される際に入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされる。なお、入球時期設定ラウンドフラグをＯＮにセットする処理（図１２のＳ７１０ｎ）は、後述のＳ７１０ｉの処理（図１２）、すなわち「入球時期（最適時期）の決定」を経て行われることから、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされている状態で開始されるラウンド遊技が、本発明の「入球時期決定済ラウンド遊技」に相当している。
【０１２６】
Ｓ７０５の処理の結果、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていると判定された場合には（Ｓ７０５ａ：ＹＥＳ）、インターバル期間中に後述のＳ７１０ｍの処理（図１２）でセットされた入球時期設定ラウンド演出パターンを読み出し（Ｓ７０５ｂ）、その読み出した演出パターンに従って入球時期設定ラウンド演出を行う（Ｓ７０５ｃ）。そして、今回のラウンド遊技の開始に伴い開放状態となる大入賞口３３ａの開放時間の計測を開始する（Ｓ７０５ｄ）。
【０１２７】
なお、Ｓ７０５ｂの処理で読み出される入球時期設定ラウンド演出パターンは、図３に示した「入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５」のうちの何れか１つの演出パターンであり、Ｓ７０５ｃの処理で実行される入球時期設定ラウンド演出は、図３に示した「入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５」のうちの何れか１つの演出パターンに従って行われる演出である。
【０１２８】
一方、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていないと判定された場合には（Ｓ７０５ａ：ＮＯ）、入球時期判定済フラグがＯＮにセットされているか否かを判定する（Ｓ７０５ｅ）。「入球時期判定済フラグ」は、「設定した最適時期と実際の入球完了時期（実績時期）とが適合するか否かの判定」を行ったことを示すフラグであり、入球時期設定ラウンド演出が実行されたラウンド遊技（図４に示すラウンド演出パターン１では、７、９、１１、１３、１５ラウンド目のラウンド遊技）が終了した後のインターバル期間中に、後述のＳ７１０ｈの処理（図１２）でＯＮにセットされる。
【０１２９】
この結果、入球時期判定済フラグがＯＮにセットされていると判定された場合には（Ｓ７０５ｅ：ＹＥＳ）、図１２に示す後述のＳ７１０ｆまたはＳ７１０ｇの処理でセットされた入球時期判定結果に応じた判定結果対応ラウンド演出パターンを読み出し（Ｓ７０５ｆ）、その読み出した演出パターンに従って判定結果対応ラウンド演出を行う（Ｓ７０５ｇ）。そして、入球時期判定済フラグをＯＦＦにセットする（Ｓ７０５ｈ）。
【０１３０】
一方、入球時期判定済フラグがＯＮにセットされていないと判定された場合には（Ｓ７０５ｅ：ＮＯ）、現状に即した特別ラウンド演出を実行する（Ｓ７０５ｉ）。「現状に即した特別ラウンド演出」では、既に行われた判定結果対応ラウンド演出の内容を踏まえた演出を行う。例えば判定結果対応ラウンド演出として、確変変動機能が作動する可能性のあることを示す確変チャンス演出を経て、確変変動機能が作動することが確定したことを示す確変確定演出が行われた場合には、確変確定報知後の演出を行う。つまり、図４に示すラウンド演出パターンのうち「結果ムービー」となっている部分が、「現状に即した特別ラウンド演出」に対応している。具体的には、図４のラウンド演出パターン２では８ラウンド目以降、ラウンド演出パターン３では１０ラウンド目以降、ラウンド演出パターン４では１２ラウンド目以降、ラウンド演出パターン５では１４ラウンド目以降で、「現状に即した特別ラウンド演出」が行われる。
【０１３１】
次に、図１０に戻り、上述したＳ６０６の処理（図９）で主制御部２００から送信される大入賞口入球数指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７０６）。この結果、大入賞口入球数指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７０６：ＮＯ）、Ｓ７０８の処理に移行し、大入賞口入球数指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７０６：ＹＥＳ）、大入賞口入球数指定コマンドで指定される大入賞口３３ａへの遊技球の入球数をＲＡＭの所定領域に記憶する（Ｓ７０７）。このＳ７０７の記憶処理は、現在の記憶状態（すでに記憶している入球数）を、新たに受信した大入賞口入球数指定コマンドで指定される入球数（最新の入球数）に書き換える（上書きする）ことによって行われる。
【０１３２】
次に、上述したＳ６０７の処理（図９）で主制御部２００から送信される大入賞口閉鎖指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７０８）。この結果、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７０８：ＮＯ）、Ｓ７１１の処理に移行し、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７０８：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａが開放状態から閉鎖状態に変化した状態、すなわちインターバル期間中であるので、大入賞口閉鎖中演出（インターバル演出）を実行するとともに（Ｓ７０９）、大入賞口閉鎖中処理を実行する（Ｓ７１０）。ここで、大入賞口閉鎖中処理（Ｓ７１０）を図１２のフローチャートに基づいて説明する。
【０１３３】
大入賞口閉鎖中処理（Ｓ７１０）では、まず、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされているか否かを判定する（Ｓ７１０ａ）。この結果、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていると判定された場合には（Ｓ７１０ａ：ＹＥＳ）、上述のＳ７０５ｄの処理で開始した大入賞口３３ａの開放時間の計測を終了し（Ｓ７１０ｂ）、計測済みの開放時間、すなわち、今回のラウンド遊技で大入賞口３３ａが開放状態となっていた時間を取得する（Ｓ７１０ｃ）。このＳ７１０ｃの処理で取得した「計測済みの開放時間」が、今回のラウンド遊技中において大入賞口３３ａへの遊技球の入球が完了した実績時期となる。そして、上述のＳ７０７の処理によって記憶されている大入賞口３３ａへの遊技球の入球数、すなわち、今回のラウンド遊技で大入賞口３３ａに入球した遊技球の数を取得する（Ｓ７１０ｄ）。
【０１３４】
次に、実績時期と予め設定された最適時期（図３に示す「最適時期Ｃ」参照）が適合するか否かを判定する（Ｓ７１０ｅ）。ここで、Ｓ７１０ｄで取得した大入賞口３３ａへの遊技球の入球数（実績入球数）が、上述の「最適時期」としての「大入賞口３３ａへの所定数（例えば、規定入賞数）の遊技球の入球を完了させるべき時期」における「所定数」、すなわち、「最適時期において大入賞口３３ａに入球させるべき遊技球の数（基準入球数）」と一致していなければ、その時点で実績時期と最適時期は適合しないこととなる。例えば、「大入賞口３３ａへの規定入賞数（１０個）の遊技球の入球を完了させるべき時期」が「最適時期」として設定される場合、Ｓ７１０ｄで取得した入球数（実績入球数）が「規定入賞数（１０個）」と一致していなければ、実績時期と最適時期は適合しないこととなる。一方、Ｓ７１０ｄで取得した入球数（実績入球数）が「基準入球数」と一致していれば、実績時期と最適時期は適合する可能性が生ずることとなる。
【０１３５】
Ｓ７１０ｅの処理の結果、実績時期と最適時期が適合すると判定された場合には（Ｓ７１０ｅ：ＹＥＳ）、遊技者にとって利益度合が高い判定結果対応ラウンド演出パターンをセットする（Ｓ７１０ｆ）。本実施例では、「遊技者にとって利益度合が高い判定結果対応ラウンド演出パターン」として、上述した通り「確変発生に対する信頼度が高い判定結果対応ラウンド演出」を実行するための演出パターンが設けられている。
【０１３６】
一方、実績時期と最適時期が適合しないと判定された場合には（Ｓ７１０ｅ：ＮＯ）、今回の実績時期が、図３に示す「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」のうちの何れに適合するのかを判定（特定）し、その判定結果に応じて、遊技者にとって利益度合が低い判定結果対応ラウンド演出パターンをセットする（Ｓ７１０ｇ）。本実施例では、「遊技者にとって利益度合が低い判定結果対応ラウンド演出パターン」として、上述した通り「確変発生に対する信頼度が中程度の判定結果対応ラウンド演出」および「確変発生に対する信頼度が低い判定結果対応ラウンド演出」を実行するための演出パターンが設けられており、今回の実績時期が「早い時期Ｂ」または「遅い時期Ｄ」と適合する場合には、「確変発生に対する信頼度が中程度の判定結果対応ラウンド演出」に対応する演出パターンをセットし、今回の実績時期が「かなり早い時期Ａ」または「かなり遅い時期Ｅ」と適合する場合には、「確変発生に対する信頼度が低い判定結果対応ラウンド演出」に対応する演出パターンをセットする。
【０１３７】
次に、入球時期判定済フラグをＯＮにセットし（Ｓ７１０ｈ）、入球時期設定ラウンドフラグをＯＦＦにセットする（Ｓ７１０ｉ）。そして、計測済みの大入賞口３３ａの開放時間と記憶済みの大入賞口３３ａへの遊技球の入球数をそれぞれクリア（初期化）する（Ｓ７１０ｊ）。以上の「Ｓ７１０ａ：ＹＥＳ〜Ｓ７１０ｊ」の処理を経て行われる次回のラウンド遊技では、Ｓ７１０ｆまたはＳ７１０ｇの処理でセットされた演出パターンに従ってラウンド演出が実行される（図１１のＳ７０５ｅ：ＹＥＳ〜Ｓ７０５ｈ参照）。
【０１３８】
また、上記Ｓ７１０ａの判定処理で、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていないと判定された場合には（Ｓ７１０ａ：ＮＯ）、次回のラウンド遊技が大入賞口３３ａへの入球時期を設定するものであるか否か（入球時期設定ラウンド演出を実行するラウンド遊技であるか否か）を判定する（Ｓ７１０ｋ）。この結果、次回のラウンド遊技が入球時期を設定するものでない（図４に示すラウンド演出パターン１では、６、８、１０、１２、１４ラウンド目のラウンド遊技）と判定された場合には（Ｓ７１０ｋ：ＮＯ）、大入賞口閉鎖中処理を終了する。
【０１３９】
一方、次回のラウンド遊技が入球時期を設定するものである（図４に示すラウンド演出パターン１では、７、９、１１、１３、１５ラウンド目のラウンド遊技）と判定された場合には（Ｓ７１０ｋ：ＹＥＳ）、図３に示す「入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５」の中から特定の入球時期設定ラウンド演出パターンを選択することで、最適時期Ｃを含む入球時期Ａ〜Ｅを決定する（Ｓ７１０ｌ）。この入球時期の決定（入球時期設定ラウンド演出パターンの選択）は、上述した通り、今回の大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類（確変大当り図柄、通常大当り図柄等）と、今回の大当り遊技で既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容とに基づいて行われる。
【０１４０】
例えば、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」の場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に有利なパターンが選択され、大当り図柄の種類が「通常大当り図柄」場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に不利なパターンが選択される。また、大当り図柄の種類が「通常大当り図柄」であって、既に行われたラウンド遊技で「確変発生の信頼度の高い判定結果対応ラウンド演出」が実行されている場合には、次に実行する入球時期設定ラウンド演出の演出パターンとして、最適時期Ｃで所定数の遊技球の入球を完了させるのが困難な演出パターン（例えば図３のパターン２やパターン４）が選択される。さらに、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」であって、既に行われたラウンド遊技で「確変発生の信頼度の低い判定結果対応ラウンド演出」が実行されている場合には、次に実行する入球時期設定ラウンド演出の演出パターンとして、最適時期Ｃで所定数の遊技球の入球を完了させるのが容易な演出パターン（例えば図３のパターン３やパターン５）が選択される。
【０１４１】
そして、選択された入球時期設定ラウンド演出パターンをセットし（Ｓ７１０ｍ）、次回のラウンド遊技が大入賞口３３ａへの入球時期を設定する（入球時期設定ラウンド演出を実行する）ラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）であることを示す入球時期設定ラウンドフラグをＯＮにセットする（Ｓ７１０ｎ）。以上の「Ｓ７１０ａ：ＮＯ、Ｓ７１０ｋ：ＹＥＳ〜Ｓ７１０ｎ」の処理を経て行われる次回のラウンド遊技では、Ｓ７１０ｍの処理でセットされた演出パターンに従ってラウンド演出が実行される（図１１のＳ７０５ａ：ＹＥＳ〜Ｓ７０５ｄ参照）。
【０１４２】
次に、図１０に戻り、上述したＳ６１８の処理（図９）で主制御部２００から送信される大当り遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７１１）。この結果、大当り遊技終了指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７１１：ＮＯ）、大当り遊技演出処理を終了し、大当り遊技終了指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７１１：ＹＥＳ）、大当り遊技が終了するので、大当り遊技終了演出（エンディング演出）を実行する（Ｓ７１２）。この大当り遊技終了演出（エンディング演出）では、今回の大当り遊技中に「特別ラウンド演出」として行われた「ゴルフ対決演出」の結果（敵、味方の何れが勝利したか）を示す「結果報知演出」が行われる。この「結果報知演出」によって、今回の大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態が報知され、味方勝利の場合は確率変動機能の作動が確定し（確変状態）、敵勝利の場合は確率変動機能の作動が不確定（不明）となる（時短状態もしくは潜伏確変状態）。なお、本実施例では、１５ラウンド目のラウンド遊技で入球時期設定ラウンド演出が実行された場合には（図４に示すラウンド演出パターン１参照）、次のラウンド遊技が存在しないことから、実績時期と最適時期が適合するか否かの判定結果に基づく判定結果対応ラウンド演出を行うことなく、大当り遊技終了演出（エンディング演出）が行われる。但し、大当り遊技終了演出（エンディング演出）として、「１５ラウンド目のラウンド遊技での実績時期と最適時期が適合するか否かの判定結果」に基づく「判定結果対応ラウンド演出」と、「ゴルフ対決演出」の結果（敵、味方の何れが勝利したか）を示す「結果報知演出」とを順に行ってもよい。
【０１４３】
ここで、図６〜図１２のフローチャートに示した処理と本発明の各手段との対応について説明しておくと、「Ｓ６０１〜Ｓ６０９の処理（図９）」が大当り遊技実行手段に対応し、「Ｓ７１０ｌの処理（図１２）」が入球時期決定手段に対応し、「Ｓ７０７、Ｓ７１０ｄの処理（図１０、図１２）」が計数手段に対応し、「Ｓ７０５ｄ、Ｓ７１０ｃの処理（図１１、図１２）」が計時手段に対応し、「Ｓ７１０ｅの処理（図１２）」が入球時期判定手段に対応し、「Ｓ７０５ｆ、Ｓ７０５ｇ、Ｓ７１０ｆ、Ｓ７１０ｇの処理（図１１、図１２）」が大当り遊技演出実行手段に対応している。
【０１４４】
以上説明した本実施例では、所定のラウンド遊技（本実施例では７、９、１１、１３、１５ラウンド）で、大入賞口３３ａへの所定数（例えば規定入賞数である「１０個」）の遊技球の入球を完了させるべき最適時期を決定するとともに、当該ラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）での大入賞口３３ａへの遊技球の入球状況に基づいて、次のラウンド遊技（本実施例では８、１０、１２、１４ラウンド）で行われる判定結果対応ラウンド演出の演出パターンが設定される。これにより、判定結果対応ラウンド演出の演出パターンは、前回のラウンド遊技での大入賞口３３ａへの遊技球の入球状況に従って、ラウンド遊技毎に変化することとなり、変化に富んだラウンド演出を実現することができ、遊技興趣を向上させることができる。
【０１４５】
また、本実施例では、異なる最適時期Ｃが設定された複数の入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５を用意しておき、特定の入球時期設定ラウンド演出パターンを選択することで最適時期Ｃ（入球時期）を決定するように構成している。これにより、入球時期設定ラウンド演出によって、大入賞口３３ａへの所定数（例えば１０個）の遊技球の入球を完了させるべき最適時期をラウンド遊技中に遊技者に報知することができる。この結果、遊技者は大入賞口３３ａの開放開始からの経過時間と最適時期との関係を認識しながら遊技を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
【０１４６】
また、本実施例では、特別図柄の大当り図柄の種類に応じて特定の入球時期設定ラウンド演出パターンを選択するように構成している。具体的には、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の大きい遊技状態（例えば確変状態）の発生契機となるもの（例えば、確変大当り図柄）である場合には、遊技者に有利なパターンが選択され、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の小さい遊技状態（例えば時短状態）の発生契機となるもの（例えば、通常大当り図柄）である場合には、遊技者に不利なパターンが選択される。これにより、所定数の遊技球の入球が完了する実績時期を、入球時期設定ラウンド演出パターンの選択結果、すなわち、入球時期決定済ラウンド遊技に対して設定される入球時期に適合させ易くなり、実際に発生する遊技状態と判定結果対応ラウンド演出の内容とを整合させることができる。
【０１４７】
また、本実施例では、入球時期設定ラウンド演出パターンを決定する際に、大当り図柄の種類に加えて、既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容も考慮するように構成している。これにより、既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容が実際に発生する遊技状態と整合していないとしても、その後に実行される判定結果対応ラウンド演出の内容と実際に発生する遊技状態とを整合させることができる。
【０１４８】
（他の実施形態）
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【０１４９】
例えば、上記実施例では、演出図柄の停止図柄のうち「３桁同一の図柄組合せ」が特別図柄の「大当り図柄（通常大当り図柄または確変大当り図柄）」に対応するものとして、演出図柄を用いて行われる図柄変動演出では確率変動機能が作動するか否かを判別不能とし、その上で、上記実施例の「大当り遊技演出処理」を行って大当り遊技中に確率変動機能が作動するか否かを報知するものとして説明した。しかしながら、演出図柄の停止図柄において、３桁同一の図柄組合せのうち「偶数図柄の組合せ」が特別図柄の「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」に対応し、「奇数図柄の組合せ」が特別図柄の「確変大当り図柄」に対応することとしてもよい。この場合、演出図柄が３桁同一の偶数図柄の組合せで停止表示されると、それに係る大当りは「通常大当り」および「確変大当り」の何れかということになるが、遊技者にとっては、停止表示された演出図柄の組合せに基づいて大当りの種類（通常大当り、確変大当り）を判別することができず、演出図柄の停止図柄（図柄変動演出）によって確率変動機能が作動する旨は報知されないこととなる。よって、演出図柄が３桁同一の偶数図柄の組合せで停止表示された場合、それに続いて行われる大当り遊技において、上記実施例の「大当り遊技演出処理」を行うことで、上記実施例と同様の遊技性を得ることができる。
【０１５０】
また、上記実施例では、「遊技者が得られる利益度合の異なる遊技状態」として確率変動機能の作動状態が異なる遊技状態（確変状態と時短状態）を例に挙げて説明したが、これに限らず、大当り遊技の最高継続ラウンド数（例えば１５ラウンドと２ラウンド）が異なる場合や、大当り遊技終了後の時短遊技の継続回数（例えば特別図柄の変動回数１００回と５０回）が異なる場合としてもよい。
【０１５１】
また、上記実施例では、大当り遊技演出（ラウンド演出）として、「ゴルフ」を題材とし、敵と味方が１ラウンド毎に交互にプレーするようにし、１ラウンド遊技毎に入球時期設定ラウンド演出と判定結果対応ラウンド演出を実行するように構成したが、これに限らず、各ラウンド遊技で味方のみがプレーするようにし、１ラウンド遊技中に入球時期設定ラウンド演出と判定結果対応ラウンド演出を実行するように構成してもよい。
【０１５２】
また、上記実施例では、図４で示したように複数のラウンド演出パターンから特定のラウンド演出パターンを選択してラウンド演出（通常ラウンド演出、特別ラウンド演出）を実行するように構成したが、これに限らず、ラウンド演出パターンは少なくとも１つ設けられていればよい。
【符号の説明】
【０１５３】
１…遊技機、２０…遊技盤、３３ａ…大入賞口、６１…特別図柄表示部（図柄表示部）、２００…主制御部（大当り遊技実行手段）、２６０…サブ制御部（入球時期決定手段、計数手段、計時手段、入球時期判定手段、演出パターン記憶手段、大当り遊技演出実行手段、入球時期決定用演出パターン記憶手段）、２８０…演出表示制御部。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球することにより抽選図柄の変動表示を開始し、抽選図柄が大当り図柄で停止表示した場合に大当り遊技が開始して大入賞口の開閉動作が複数回行われるように構成されている。大入賞口の開放から閉鎖までを１回のラウンド遊技とした場合、大当り遊技は所定回数（例えば１５回）のラウンド遊技が行われることで終了する。そして、各ラウンド遊技では、遊技興趣を向上させるために、遊技の進行に応じてラウンド演出が行われるように構成されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−２７２９６０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、ラウンド演出の演出内容は、大当り遊技の開始時にラウンド数やラウンド遊技開始からの経過時間（大入賞口が開放してからの経過時間、すなわち、１ラウンドにおける大入賞口開放時間）に基づいて決定されるのが一般的である。このため、ラウンド演出は、予め決められた演出パターンにしたがって行われることとなるので、演出内容の変化が乏しくなって、画一的になりやすく、その結果、大当り遊技の遊技興趣が低下するおそれがある。
【０００５】
そこで、本発明は上記点に鑑み、ラウンド演出を変化に富んだものとすることにより、大当り遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能な大入賞口と、
図柄表示部で変動表示される抽選図柄が大当り図柄で停止表示されると、前記大入賞口の開放時間が規定開放時間に到達するか、あるいは前記大入賞口に規定数の遊技球が入球するまで前記大入賞口を前記開放状態とするラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
少なくとも１回の前記ラウンド遊技の開始時に、前記規定開放時間の範囲内で前記大入賞口への所定数の遊技球を入球させるべき入球時期を決定する入球時期決定手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口への遊技球の入球数を計数する計数手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口の開放開始からの経過時間を計測する計時手段と、
前記入球時期の決定を受けて行われる入球時期決定済ラウンド遊技での前記計数手段による計数値が前記所定数となった時点における前記計時手段による計測時間が、前記入球時期と適合するか否かを判定する入球時期判定手段と、
前記大当り遊技の進行に伴って実行される大当り遊技演出の演出パターンとして、遊技者が得られる利益度合の異なる複数の演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段と、
前記入球時期判定手段による判定結果が肯定的であった場合には、前記入球時期決定済ラウンド遊技が終了した後の次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の高い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行し、前記入球時期判定手段による判定結果が否定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の低い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出実行手段と、
を備えることを特徴としている。
【０００７】
このような本発明の遊技機によれば、少なくとも１回のラウンド遊技の開始時に、大入賞口への所定数の遊技球の入球を完了させるべき入球時期を決定するとともに、その入球時期の決定を受けて行われるラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）での大入賞口への遊技球の入球状況に基づいて、次のラウンド遊技で行われる大当り遊技演出（ラウンド演出）の演出パターンが設定される。これにより、大当り遊技演出（ラウンド演出）の演出パターンは、前回のラウンド遊技での大入賞口への遊技球の入球状況に従って、ラウンド遊技毎に変化することとなり、変化に富んだラウンド演出を実現することができる。
【０００８】
また、本発明の遊技機は、
前記入球時期が互いに異なるように設定された複数の入球時期設定演出パターンを記憶する入球時期設定演出パターン記憶手段を備え、
前記入球時期決定手段は、前記入球時期設定演出パターン記憶手段に記憶された複数の入球時期設定演出パターンから一の入球時期設定演出パターンを選択することによって前記入球時期を決定し、
前記大当り遊技演出実行手段は、前記入球時期決定済ラウンド遊技の実行中に、前記入球時期決定手段が選択した前記一の入球時期設定演出パターンに基づいて前記大当り遊技演出を実行することを特徴としている。
【０００９】
このような入球時期設定演出パターンを用いた大当り遊技演出（ラウンド演出）によって、入球時期決定済ラウンド遊技において、大入賞口への所定数の遊技球の入球を完了させるべき入球時期を遊技者に明示することができる。これにより、遊技者は大入賞口の開放開始からの経過時間と入球時期との関係を認識しながら大当り遊技（ラウンド遊技）を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
【００１０】
また、本発明の遊技機は、
前記大当り図柄には、遊技者が得られる利益度合の異なる複数種類の遊技状態の何れかの発生契機となる複数種類の大当り図柄が設定されており、
前記入球時期決定手段は、前記複数種類の大当り図柄のうち、遊技者が得られる利益度合の低い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合に比べ、遊技者が得られる利益度合の高い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合の方が、遊技者に有利な前記入球時期を決定することを特徴としている。
【００１１】
これにより、所定数の遊技球が実際に入球完了する実績時期を、入球時期決定手段によって予め決定された入球時期に適合させ易くなり、実際に発生する遊技状態と大当り遊技演出（ラウンド演出）の内容とを整合させることができる。実際に発生する遊技状態と大当り遊技演出（ラウンド演出）の内容とが整合しないことは、遊技に対する不信感を遊技者に与えることに繋がり、それにより興趣低下を招く虞があるが、本発明によれば、両者をしっかりと整合させることができるので、大当り遊技の興趣向上を図ることができる。
【００１２】
また、本発明の遊技機は、前記入球時期決定手段は、前記大当り図柄の停止表示に起因して発生する前記遊技状態によって遊技者が得られる利益度合と、既に実行された前記大当り遊技演出の内容とに基づいて、前記入球時期を決定することを特徴としている。
【００１３】
これにより、既に実行された大当り遊技演出の内容が実際に発生する遊技状態と整合していなかった場合であっても、その後に実行される大当り遊技演出の内容と実際に発生する遊技状態とを整合させることができるので、それらが整合しないまま大当り遊技が終了してしまうことがない。この結果、遊技に対する不信感を遊技者に与えることはなく、大当り遊技の興趣向上を図ることができる。
【発明の効果】
【００１４】
以上の本発明の構成によれば、変化に富んだ大当り遊技演出（ラウンド演出）を実現することができ、これにより、大当り遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明を適用した実施例に係る遊技機の正面図である。
【図２】遊技盤の正面図である。
【図３】入球時期設定ラウンド演出パターンを示す説明図である。
【図４】ラウンド演出パターンを示す説明図である。
【図５】電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図６】メインジョブの流れを示すフローチャートである。
【図７（ａ）】特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図７（ｂ）】特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図８】特別図柄変動表示関連処理を示すフローチャートである。
【図９】大当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図１０】大当り遊技演出処理を示すフローチャートである。
【図１１】特別ラウンド演出処理を示すフローチャートである。
【図１２】大入賞口閉鎖中処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ（いわゆるセブン機タイプ）のパチンコ遊技機（以下、単に遊技機という）に本発明を適用した実施例について説明する。
【００１７】
図１は、本実施例の遊技機１の正面図である。図１に示すように、遊技機１の前面部は、外枠２、中枠３、前面枠４、上皿部５、下皿部６、施錠装置９、遊技盤２０等を備えている。なお、図１では遊技盤２０の詳細な図示を省略している。また、中枠３は前面枠４等が前面側に配置されているため、図１においては明示されていない。
【００１８】
外枠２は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。中枠３はプラスチック製で遊技機１の本体枠を構成するもので、外枠２の内側にはめ込まれて設置されており、外枠２に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠３は、上側２／３程度を占める枠体部と下側１／３程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤２０と前面枠４とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部５と下皿部６が設けられている。なお、遊技盤２０は枠体部（中枠３）に対して着脱自在に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤２０に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット（図示略）、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置（図示略）が設けられている。
【００１９】
前面枠４は、中枠３の前面側に配置され、中枠３の左端で開閉可能に支持されている。前面枠４はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤２０の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部４ａが形成されている。前面枠４の裏面には、開口部４ａに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠（図示略）が装着されている。前面枠４における遊技盤２０の周囲には、ＬＥＤ等のランプ類（図示略）が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【００２０】
上皿部５は、前面枠４の下側に設けられ、中枠３の左端に開閉可能に支持されている。上皿部５は、皿外縁部５ａと、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口５ｂと、上皿部５の遊技球を下皿部６に排出する球抜きボタン５ｃとを備えている。皿外縁部５ａの上面には、演出ボタン５ｄや球貸ボタン５ｅ等が設けられている。
【００２１】
下皿部６は、上皿部５の下方に設けられている。下皿部６の略中央には、遊技機１の内部から下皿部６に遊技球を排出するための排出口６ａが設けられている。下皿部６の左端には灰皿７が設けられている。下皿部６の右端には、遊技者が発射装置ユニット（図示略）を操作するための発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者が触れていることを検出する接触検出手段としてのタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。
【００２２】
施錠装置９は、中枠３の右端中央に設けられており、前面枠４を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
【００２３】
また、遊技機１には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ１０ａ〜１０ｄが設けられている。スピーカ１０ａ〜１０ｄは、遊技機１の上部に設けられた上部スピーカ１０ａ、１０ｂと遊技機１の下部に設けられた下部スピーカ１０ｃ、１０ｄとからなる。さらに、遊技機１の左側には、プリペイドカードユニット１３（ＣＲユニット）が装着されている。
【００２４】
次に、本実施例の遊技盤２０の表面構造について説明する。図２は遊技盤２０の正面図である。遊技盤２０は、略長方形の木製の板状体であって中枠３に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤（図示略）によりその背面側が覆われている。
【００２５】
図２に示すように、遊技盤２０には、遊技盤２０の表面（盤面）に設けられた外レール２２と内レール２３とにより、略円形状の遊技領域２１が形成されている。遊技領域２１内には、中央装置２４、普通図柄作動ゲート２７、大入賞装置３３、始動口２８、左入賞口３４，３５、右入賞口３６，３７、第１装飾部材５０、第２装飾部材６０等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域２１には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【００２６】
中央装置（センター役物）２４は遊技領域２１の略中央部に配置され、その内側（内周側）に演出表示装置２５を備えている。演出表示装置２５は、遊技領域２１の略中央部位に配置されている。本実施例では、演出表示装置２５として液晶表示装置を用いており、演出表示装置２５の表示領域では各種演出表示が行われる。
【００２７】
大入賞装置３３は遊技領域２１における中央装置２４の下方に配置されており、第１装飾装置５０は遊技領域２１における大入賞装置３３の左側に配置され、第２装飾装置６０は遊技領域２１における大入賞装置３３の右側に配置されている。装飾装置５０，６０はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第１装飾装置５０には左入賞口３４，３５が一体化されており、第２装飾装置６０には右入賞口３６，３７が一体化されている。
【００２８】
普通図柄作動ゲート２７は、中央装置２４の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート２７の内部には、遊技盤上を流下する遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ２７ｓ（図５参照）が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート２７を通過することで、普通図柄が変動開始する。
【００２９】
始動口２８は、中央装置２４の中央位置の下方に設けられている。始動口２８は、遊技盤２０の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された２つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第１始動口２８ａと下側に設けられた第２始動口２８ｂとから構成されている。
【００３０】
第１始動口２８ａは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第２始動口２８ｂはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第２始動口２８ｂは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第２始動口２８ｂは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態（入球不能な閉鎖状態を含む）となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第２始動口２８ｂの遊技球受入口が拡大され、第２始動口２８ｂは普通電動役物として機能する。第２始動口２８ｂの開閉は、主制御部２００により制御される。
【００３１】
始動口２８の内部には、第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ２８ｓ（図５参照）と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド２８ｃ（図５参照）とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第２始動口２８ｂの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第２始動口２８ｂは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第２始動口２８ｂの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい（遊技球１個が通過可能な）通常の大きさとされ、第２始動口２８ｂは遊技球の入球可能性が小さくなる（または入球不能となる）通常状態（閉鎖状態）となる。遊技球が第１始動口２８ａ、第２始動口２８ｂのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。なお、以下の説明における「遊技球が始動口２８に入球する」旨の記載は、特段の理がない限り、遊技球が第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂに入球することを意味する。
【００３２】
大入賞装置３３は、始動口２８の下方に配設されている。ここで、大入賞装置３３は、帯状に開口された大入賞口３３ａと、この大入賞口３３ａを開放・閉鎖する開閉板３３ｂと、この開閉板３３ｂを作動させるための大入賞口ソレノイド３３ｃ（図５参照）と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ３３ｓ（図５参照）とから主に構成されている。
【００３３】
大入賞装置３３の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口３４，３５と右入賞口３６，３７が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ（図示せず）が設けられている。
【００３４】
第１装飾部材５０には、複数のＬＥＤが設けられており、これらのＬＥＤの組合せにより、普通図柄表示部５１、普図保留表示部５２、特別図柄保留表示部５３が構成されている。同様に第２装飾部材６０には、複数のＬＥＤが設けられており、これらのＬＥＤの組合せにより、特別図柄表示部６１が構成されている。
【００３５】
普通図柄表示部５１は、１個のＬＥＤから構成されており、このＬＥＤにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部５１では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部５１では、普通図柄作動ゲート２７を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第２始動口２８ｂが所定の開放パターンにしたがって開放される。第２始動口２８ｂの開放パターンは複数種類設定されている。第２始動口２８ｂの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時（通常時）には、第１開放時間（例えば０．２秒）が設定された短時間開放パターンがセットされ、開放時間延長機能の作動時には第１開放時間より長い第２開放時間（例えば５秒）が設定された長時間開放パターンがセットされる。
【００３６】
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート２７を通過した際に取得されるもので、第２始動口２８ｂを作動させるか否か（開放状態とするか否か）の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート２７を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部５１で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合（取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合）には、普通図柄表示部５１で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。
【００３７】
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部５２には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート２７を通過した遊技球の数を最大保留数（本実施例では４個）まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数（保留数）が消化され、普通図柄保留数が１個ずつ減少する。普図保留表示部５２は２つのＬＥＤからなり、２個のＬＥＤの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、４個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部２００のＲＡＭの所定領域に記憶される。
【００３８】
なお、普通図柄当否判定、普通図柄の停止図柄の決定、普通図柄の変動パターンの設定、普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部２００によって行われる。
【００３９】
次に、特別図柄について説明する。特別図柄表示部６１は７個のＬＥＤから構成されており、これらのＬＥＤにより特別図柄が表示される。この特別図柄表示部６１を構成する各ＬＥＤは、点灯および消灯が可能となっており、これら各ＬＥＤの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、７個のＬＥＤで表示される特別図柄の組合せのうち、特定の組合せが大当り図柄（大当り特別図柄）として設定されており、大当り図柄以外が外れ図柄（外れ特別図柄）として設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各ＬＥＤが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
【００４０】
次に、始動口２８（第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂ）に遊技球が入球することによって、特別図柄表示部６１で特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される図柄変動遊技が行われる。
【００４１】
本実施例では、遊技球が始動口２８に入球した際に取得され、当り遊技（特別遊技）を実行するか否かの特別図柄当否判定に用いられる特別図柄当否判定用乱数が設けられている。さらに、大当りの種別（出球あり通常大当り、出球なし通常大当り、出球あり確変大当り、出球なし確変大当り）を決定するための大当り種別決定乱数（大当り図柄決定乱数）が設けられている。始動口２８への遊技球の入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と大当り種別決定乱数が取得され、この取得された特別図柄当否判定用乱数と大当り種別決定乱数は、主制御部２００のＲＡＭの所定領域（保留記憶領域）に保留として記憶される。
【００４２】
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部５３は２つのＬＥＤからなり、２個のＬＥＤの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ４個を上限として保留数を表示することができる。
【００４３】
始動口２８に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数（本実施例では４個）に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口２８への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部２００のＲＡＭの所定領域（保留記憶領域）に記憶される特別図柄用乱数（特別図柄当否判定用乱数、特別図柄決定用乱数）の個数（記憶数）に相当する。本実施例では、始動口２８への遊技球の入球に伴い、特別図柄当否判定用乱数とともに大当り種別決定乱数も取得されるので、特別図柄保留数は、大当り種別決定乱数の記憶個数にも相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、１個ずつ減少する。特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部２００によって行われる。
【００４４】
特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が大当りの当り値（大当り当選値）と一致する場合に大当りと判定される。特別図柄当否判定は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
【００４５】
特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定され、特別図柄表示部６１で停止表示される特別図柄が大当り図柄に決定される。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない場合（大当り抽選に落選）には、特別図柄当否判定の結果は外れであり、特別図柄表示部６１で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。
【００４６】
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出や予告演出の有無（演出内容）を規定するもので、複数種類の変動パターンが変動パターン決定用の乱数値と対応付けて変動パターンテーブルに含まれている。特別図柄の変動パターンは、特別図柄当否判定が実行されて特別図柄の変動表示が開始される際に、変動パターンテーブルから抽選により選択される。特別図柄の変動パターンテーブルは、複数用意されており、それぞれ遊技状態に応じて選択されて用いられる。
【００４７】
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動表示および停止表示（図柄変動遊技）は、後述の主制御部２００によって行われるように構成されている。
【００４８】
次に、大当り遊技（特別遊技）について説明する。特別図柄表示部６１で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄であった場合（特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合）に、大当り遊技実行手段としての主制御部２００は遊技者に相対的に有利な大当り遊技（特別遊技）を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをＯＮに設定することで開始する。大当り遊技は、大入賞装置３３を作動させる、換言すると大入賞口３３ａを複数回開閉させることで、大入賞口３３ａへの遊技球の入球に関して遊技者に利益（賞球）を付与するものである。大当り遊技は、後述の大当り遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。
【００４９】
大当り遊技中（特別遊技中）は、大入賞装置３３が作動し、大入賞口３３ａへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球（例えば、１個の入球に対して１５個の賞球）が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置３３を連続して作動させ、大入賞口３３ａを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置３３の作動開始により、大入賞口３３ａが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口３３ａが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口３３ａの開放時間が規定開放時間（本実施例では３０秒）に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口３３ａに入球した遊技球数が規定数（本実施例では１０個）に達したときとすることができる。
【００５０】
この大入賞口３３ａの開放状態の開始から終了までを１回のラウンド遊技とした場合、大当り遊技は、所定数のラウンド遊技が行われることで終了する。大入賞装置３３では、大入賞口３３ａの開放が終了、すなわち大入賞口３３ａが閉鎖状態となってから所定のインターバル時間（本実施例では２秒）が経過した後に、大入賞口３３ａは再び開放状態となり、次のラウンド遊技が開始する。このような大入賞口３３ａの開放開始から終了までを１ラウンドとする大入賞口３３ａの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数（本実施例では１５ラウンド）が終了するまで繰り返し継続される。
【００５１】
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技（いわゆる時短遊技または確変遊技）が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをＯＮに設定することで作動する。なお、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、それぞれ同時に作動を開始するとともに同時に作動を終了する。以下、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動状態に関する説明について、何れか一方の機能だけを挙げて説明している場合には、もう一方の機能も対になっているものとする。例えば、以下の説明で「変動時間短縮機能が作動している」と記載する場合、この記載は「開放時間延長機能も作動している」と解することができ、逆に、「開放時間延長機能が作動している」と記載する場合、この記載は「変動時間短縮機能が作動している」と解することができる。
【００５２】
本実施例の遊技機１では、大当り抽選の結果が大当りであって、特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄の場合には、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第２始動口２８ｂの開放時間を通常時の設定時間（通常時間）よりも延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。時短遊技は、主制御部２００の制御により実現されるものである。開放時間延長機能の作動により、第２始動口２８ｂの開放時間が、第１開放時間（例えば０．２秒）であったのが第２開放時間（例えば５秒）に延長される。これにより、第２始動口２８ｂへの遊技球入球頻度が、通常時（開放時間延長機能非作動時）に比べて高くなる。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数（本例では１００回）に到達するまで作動する。
【００５３】
また、大当り抽選の結果が大当りであって、特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部２００の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、大当り抽選の結果が大当りとなる確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更（向上）させる確率変動機能が作動する。このように確率変動機能が作動している遊技状態を「高確率状態」もしくは「確変状態」という。本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで「高確率状態（確変状態）」となるように構成されている。なお、確率変動機能が作動しておらず、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動している遊技状態を「時短状態」といい、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能のすべてが作動していない遊技状態を「通常状態」という。また、「確変状態」のうち、確率変動機能が作動している旨を遊技者に報知した上で生ずる確変状態を「通常の確変状態」といい、確率変動機能が作動している旨を遊技者に報知しないまま生ずる確変状態を「潜伏確変状態」という。
【００５４】
確率変動機能作動中は、大当り抽選用の大当り当選値が増加することで、大当り抽選の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、大当り当選値が設定された抽選テーブルとして、低確率抽選テーブルと、低確率抽選テーブルより大当り当選値の数が多く設定されている高確率抽選テーブルとが用意されている。そして、確率変動機能非作動時には、低確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が低確率となり、確率変動機能作動時には、高確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が高確率となる。なお、本実施例では、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示される場合であっても、演出表示装置２５にて行われる後述の図柄変動演出の進行過程や、その図柄変動演出の終了に続いて行われる大当り遊技の開始段階では、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動する旨を報知しないように構成されている。そして、大当り遊技の終了までに確率変動機能が作動する旨を報知する場合（確変状態）と、大当り遊技の終了までに確率変動機能が作動する旨を報知せず、確率変動機能の作動状態を不明にする場合（潜伏確変状態）とがある。
【００５５】
なお、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能は、主制御部２００の制御により実現されるものであり、主制御部２００が確率変動手段を構成している。
【００５６】
本実施例の遊技機１では、特別図柄表示部６１を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に付随して、演出表示装置２５にて図柄変動演出が行われる。図柄変動演出としては、例えば特別図柄表示部６１での特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や、演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出などが挙げられる。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部２８０のＲＯＭに記憶されている。
【００５７】
ここで、後述のサブ制御部２６０および演出表示制御部２８０の制御下で実現される図柄変動演出について説明する。図２に示すように、演出表示装置２５の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部２５ａが設けられている。演出図柄表示部２５ａの演出図柄は、特別図柄表示部６１の特別図柄に連動して表示される。また、演出表示装置２５の表示画面のうち、演出図柄表示部２５ａを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。上述のように、演出表示装置２５は、遊技盤２０（遊技領域２１）の中央に配置されているので、遊技者は通常、演出表示装置２５の表示領域での表示内容（特に演出図柄）に注目して遊技を行うこととなる。
【００５８】
本実施例では、演出図柄として「１」〜「９」からなる３桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部２５ａは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる３つの図柄表示領域から構成される。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向（縦方向）に図柄変動方向が設定されている。
【００５９】
演出図柄は、特別図柄表示部６１における特別図柄の変動表示の開始により変動表示を開始し、特別図柄が大当り図柄および外れ図柄の何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。これにより、演出図柄によって、特別図柄当否判定の結果（「大当り」または「外れ」）が報知される。本実施例では、演出図柄の停止図柄のうち、３桁同一の図柄の組合せが特別図柄の「大当り図柄（通常大当り図柄または確変大当り図柄）」に対応し、それ以外の図柄の組合せが特別図柄の「外れ図柄」に対応している。つまり、本実施例では、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示される場合であっても、演出図柄を用いて行われる図柄変動演出では、確率変動機能が作動する旨を報知しないようになっている。
【００６０】
演出図柄の変動表示演出やリーチ演出等の図柄変動演出は、特別図柄の変動開始時に主制御部２００から送信される変動開始時コマンド（変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンド）に基づいて、サブ制御部２６０の制御によって行われるように構成されている。つまり、図柄変動演出で行われる演出内容の設定および図柄変動演出の実行はサブ制御部２６０によって行われる。また、図柄変動演出の演出内容（演出パターン）は、特別図柄の当否判定結果に基づいて図柄変動演出の開始時に設定される。
【００６１】
ここで、主制御部２００からサブ制御部２６０に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部２００は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに（乱数抽選により）決定する。そして、主制御部２００により決定された特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部２６０が、演出図柄表示部２５ａで表示される演出図柄の演出パターン（図柄変動演出の演出パターン）を決定する。また、主制御部２００からサブ制御部２６０に向けて送信される停止情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部２００は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに（乱数抽選により）決定する。そして、主制御部２００により決定された特別図柄の停止図柄を示す停止情報指定コマンドに基づき、サブ制御部２６０が、演出図柄表示部２５ａで停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。
【００６２】
本実施例では、大当り遊技開始時に大当り遊技開始演出（大当りファンファーレ演出）が実行され、大当り遊技のラウンド遊技中にラウンド演出（大当り遊技演出）が実行され、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでのインターバル期間中にインターバル演出（ラウンド間演出）が実行され、大当り遊技終了時に大当り遊技終了演出（エンディング演出）が実行される。これらの各演出は、後述のサブ制御部２６０の制御により実現される。このため、サブ制御部２６０が本発明の「大当り遊技演出実行手段」に相当している。
【００６３】
本実施例では、ラウンド演出として「通常ラウンド演出」と「特別ラウンド演出」とが設けられている。「通常ラウンド演出」は、ラウンド演出の演出パターンの決定に際してラウンド遊技の進行状況（遊技結果）が反映されることのないラウンド演出であり、予め定められた演出パターンに従って進行していくものである。一方、「特別ラウンド遊技」は、ラウンド演出の演出パターンの決定に際してラウンド遊技の進行状況（遊技結果）が反映されるラウンド演出であり、その進行状況（遊技結果）によって演出内容が変化するものである。「特別ラウンド演出」には、所定ラウンド遊技において、大入賞口３３ａへの所定数（例えば１０個）の遊技球の入球を完了させるべき最適時期が設定される「入球時期設定ラウンド演出」と、その入球時期設定ラウンド演出によって決定される最適時期および当該ラウンド遊技で大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球が実際に完了した実績時期の両者が適合するか否かの判定結果に基づいて、次回のラウンド遊技において、遊技者が得られる利益度合が異なる演出を実行する「判定結果対応ラウンド演出」とが含まれている。なお、判定結果対応ラウンド演出は本発明の「大当り遊技演出」の一態様に相当している。
【００６４】
「判定結果対応ラウンド演出」は、上述の最適時期と実績時期とが適合する場合には、遊技者にとって利益度合が大きい演出パターンを用いて実行され、最適時期と実績時期とが適合しない場合には、遊技者にとって利益度合が小さい演出パターンを用いて実行される。判定結果対応ラウンド演出パターンでは、所定の遊技状態（例えば大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態）に対する信頼度を異ならせることで、遊技者にとっての利益度合を異ならせることができる。具体的には、「遊技者にとって利益度合が大きい演出パターン」は、例えば大当り遊技終了後の確率変動機能の作動開始に対する信頼度が高い演出とすることができ、「遊技者にとって利益度合が小さい演出パターン」は、例えば大当り遊技終了後の確率変動機能の作動開始に対する信頼度が低い演出とすることができる。
【００６５】
所定ラウンド遊技において、大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させるべき最適時期は、ラウンド遊技における大入賞口３３ａの規定開放時間（本実施例では３０秒）の範囲内で決定される。所定のラウンド遊技では、入球時期設定ラウンド演出が実行されるとともに、当該ラウンド遊技で大入賞口３３ａへの所定数の遊技球入球が実際に完了した実績時期が計測される。本実施例では、異なる最適時期が設定された複数の入球時期設定ラウンド演出パターンが設けられている。
【００６６】
図３は、入球時期設定ラウンド演出パターンを示している。図３に示す例では、５種類の入球時期設定ラウンド演出パターンが設けられている。図３に示すパターン１〜５では、１回のラウンド遊技における大入賞口３３ａの規定開放時間（本実施例では３０秒）を、「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「最適時期Ｃ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」に区分している。各演出パターン１〜５では、各時期Ａ〜Ｅの割合がそれぞれ異なっている。これらの入球時期設定ラウンド演出パターンは、サブ制御部２６０のＲＯＭに記憶されている。このため、サブ制御部２６０が本発明の「入球時期設定演出パターン記憶手段」に相当している。
【００６７】
入球時期設定ラウンド演出パターン１では、大入賞口３３ａが開放してから０秒〜６秒が「かなり早い時期Ａ」、６秒〜１２秒が「早い時期Ｂ」、１２秒〜１８秒が「最適時期Ｃ」、１８秒〜２４秒が「遅い時期Ｄ」、２４秒〜３０秒が「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン２では、大入賞口３３ａが開放してから０秒〜２秒が「かなり早い時期Ａ」、２秒〜５秒が「早い時期Ｂ」、５秒〜８秒が「最適時期Ｃ」、８秒〜２０秒が「遅い時期Ｄ」、２０秒〜３０秒が「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン３では、大入賞口３３ａが開放してから０秒〜４秒が「かなり早い時期Ａ」、４秒〜８秒が「早い時期Ｂ」、８秒〜２０秒が「最適時期Ｃ」、２０秒〜２５秒が「遅い時期Ｄ」、２５秒〜３０秒が「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン４では、０〜３０秒のすべてが「かなり遅い時期Ｅ」となっている。入球時期設定ラウンド演出パターン５では、０〜３０秒のすべてが「最適時期Ｃ」となっている。
【００６８】
入球時期設定ラウンド演出パターン１は６秒間の「最適時期Ｃ」が設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが平易な標準的パターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン２は３秒間の「最適時期Ｃ」が設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが困難なパターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン３は１２秒間の「最適時期Ｃ」が設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが容易なパターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン４は「最適時期Ｃ」が設定されておらず、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが不可能なパターンとして構成されている。入球時期設定ラウンド演出パターン５は大入賞口３３ａの規定開放時間（本実施例では３０秒）のすべてが「最適時期Ｃ」として設定され、「最適時期Ｃ」に大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させることが確実にできるプレミアパターンとして構成されている。以上のことから、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５を遊技者にとって有利な順に並べると、パターン５（プレミアパターン）、パターン３（容易なパターン）、パターン１（標準的なパターン）、パターン２（困難なパターン）、パターン４（不可能なパターン）となる。
【００６９】
入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５は、所定の遊技状態（例えば大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態）に対する信頼度が異なっている。つまり、遊技者は、入球時期設定ラウンド演出で何れのパターンが出現するかに基づいて、大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態（確変発生）に対する信頼度を認識することができる。具体的には、パターン１（標準的なパターン）は確変発生に対する信頼度が中程度であり、パターン２（困難なパターン）は確変発生に対する信頼度が低く、パターン３（容易なパターン）は確変発生に対する信頼度が高く、パターン４（不可能なパターン）は確変発生に対する信頼度が低く、パターン５（プレミアパターン）は確変発生に対する信頼度が非常に高い（確変発生が確定）。
【００７０】
入球時期設定ラウンド演出が実行されたラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）では、当該ラウンド遊技で大入賞口３３ａへの所定数の遊技球入球が完了した時点で、大入賞口３３ａの開放開始からの経過時間（つまり、大入賞口３３ａの開放時間）である実績時期が、「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「最適時期Ｃ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」のいずれに適合するかが判定される。実績時期が「最適時期Ｃ」と適合する場合には、次回のラウンド遊技で確変発生に対する信頼度が高い判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「早い時期Ｂ」または「遅い時期Ｄ」と適合する場合には、次回のラウンド遊技で確変発生に対する信頼度が中程度の判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「かなり早い時期Ａ」または「かなり遅い時期Ｅ」と適合する場合には、次回のラウンド遊技で確変発生に対する信頼度が低い判定結果対応ラウンド演出が実行される。このように、判定結果対応ラウンド演出で用いられる演出パターンとして、所定の遊技状態に対する信頼度（本実施例では確変発生に対する信頼度）が異なる複数の演出パターンが設けられている。判定結果対応ラウンド演出の演出パターンは、サブ制御部２６０のＲＯＭに記憶されており、サブ制御部２６０が本発明の「演出パターン記憶手段」に相当している。
【００７１】
また、入球時期設定ラウンド演出では、所定ラウンド遊技において、大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球を完了させるべき最適時期を遊技者に報知する最適時期報知演出が併せて行われる。最適時期報知演出は、例えば演出表示装置２５の表示領域に３０個の目盛りが設けられるとともに、「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「最適時期Ｃ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」に区分されたレベルゲージを表示し、大入賞口３３ａの開放開始から１秒経過毎に１目盛りずつ増加させることで行うことができる。レベルゲージには、図３に示した入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５から選択された特定のパターンに従って各時期Ａ〜Ｅを表示すればよい。このような最適時期報知演出によって、遊技者は大入賞口３３ａの開放開始からの経過時間（開放時間）と各時期Ａ〜Ｅとの関係を認識しながら遊技を行うことができる。これにより、所定数の遊技球が大入賞口３３ａに入球完了する実績時期を最適時期Ｃに適合させることに対する遊技者の期待感（ドキドキ感）を向上させることができる。
【００７２】
上述のように、本実施例では、大当り図柄の種類に基づいて遊技者が得られる利益度合の異なる遊技状態（確率変動機能、開放時間延長機能、変動時間短縮機能の作動状態が異なる遊技状態）が発生する。そして、入球時期設定ラウンド演出が実行されるラウンド遊技の開始前のインターバル期間中に、何れかの遊技状態の発生契機となる大当り図柄の種類（確変大当り図柄、通常大当り図柄等）に基づいて入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５のいずれかから特定の入球時期設定ラウンド演出パターンが決定される。具体的には、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の大きい遊技状態（例えば確変動機能、開放時間延長機能、変動時間短縮機能がすべて作動する確変状態）の発生契機となるものである場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に有利なパターンが選択される。逆に、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の小さい遊技状態（例えば確率変動機能が作動せず、開放時間延長機能および変動時間短縮機能が作動する時短状態）の発生契機となるものである場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に不利なパターンが選択される。このように、大当り図柄の種類に基づいて入球時期設定ラウンド演出パターンを選択することで、停止表示される大当り図柄に起因して発生する遊技状態に応じた判定結果対応ラウンド演出を実行することができる。
【００７３】
さらに、入球時期設定ラウンド演出パターンの決定に際しては、大当り図柄の種類に加えて、既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容も考慮される。例えば、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の小さい遊技状態の発生契機となるものである場合（例えば通常大当り図柄）で、遊技者に不利な入球時期設定ラウンド演出パターン（例えば図３のパターン２）を用いて入球時期設定ラウンド演出が実行され、大入賞口３３ａへの所定数の遊技球の入球が実際に完了した実績時期が最適時期Ｃであった場合には、信頼度が高い（遊技者に有利な）判定結果対応ラウンド演出が実行される。この場合、実際に発生する遊技状態（例えば時短状態）は、遊技者にとって利益度合いの高い特定の遊技状態（例えば確変状態）でないにも拘わらず、特定の遊技状態（例えば確変状態）への信頼度の高い判定結果対応ラウンド演出が実行されることとなり、実際に発生する遊技状態と判定結果対応ラウンド演出の内容が整合しなくなる。このため、次回のラウンド遊技で実行される入球時期設定ラウンド演出では、より困難な演出パターン（例えば図３のパターン４）を選択する。これにより、実際に発生する遊技状態と判定結果対応ラウンド演出とを確実に整合させることができる。
【００７４】
なお、大入賞口３３ａへの遊技球の計数、大入賞口３３ａが開放してからの経過時間（開放時間）の計測および実績時期が最適時期と適合するかの判定は、いずれもサブ制御部２６０の制御によって行われる。このため、サブ制御部２６０が本発明の「入球時期決定手段」、「計数手段」、「計時手段」、「入球時期判定手段」に相当している。
【００７５】
図４は、本実施例の大当り遊技の進行に伴って行われるラウンド演出パターン（大当り遊技演出パターン）を示している。図４に示すラウンド演出パターンは、大当り遊技の開始から終了までの各ラウンド遊技（１〜１５ラウンド）におけるラウンド演出の実行パターン（出現パターン）を規定するものである。本実施例では、大当り遊技演出（ラウンド演出）として「ゴルフ」を題材とした演出を行うものとしており、大当り遊技の１〜５ラウンドでは、通常ラウンド演出として、敵と味方のゴルフ対決（特別ラウンド演出）が開始されるまでの準備段階であることを示す「導入演出（導入ムービーの再生表示）」が実行され、６ラウンド〜１５ラウンドでは、特別ラウンド演出として「ゴルフ対決演出」が実行される。本実施例の「ゴルフ対決演出（特別ラウンド演出）」では、敵と味方がラウンド遊技毎に交互にゴルフクラブでゴルフボールを打つ場面が表示され、最終的に少ない打数で終了した方が勝利する内容となっている。例えば、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動する確変大当りの場合であって確率変動機能の作動状態を明確にする場合（通常の確変状態にする場合）には、味方を勝利させるようにし、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動しない通常大当りや、確変大当りであっても確率変動機能の作動状態を不明にする場合（潜伏確変状態にする場合）には、敵を勝利させるようにする。そして、プレー終了後（大当り遊技の終了時）には、敵または味方のいずれが勝利したかを示す「結果報知演出（結果ムービーの再生表示）」が実行される。
【００７６】
図４に示すように、本実施例では複数のラウンド演出パターン１〜５が設けられている。ラウンド演出パターン１〜５は、それぞれ終了に至る打球数が異なるように設定されている。具体的には、ラウンド演出パターン１は、敵と味方の打数が「５」であり、ラウンド演出パターン２は、敵と味方の打数が「１」であり、ラウンド演出パターン３は、敵と味方の打数が「２」であり、ラウンド演出パターン４は、敵と味方の打数が「３」であり、ラウンド演出パターン５は、敵と味方の打数が「４」となっている。大当り遊技の開始時に、ラウンド演出パターン１〜５の中から特定のラウンド演出パターンが決定される。これらのラウンド演出パターンは、サブ制御部２６０のＲＯＭに記憶されている。
【００７７】
図４に示すように、６ラウンド以降の特別ラウンド演出では、偶数ラウンド（６、８、１０、１２、１４ラウンド）において敵がプレーする画面が表示され、奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）において味方がプレーする画面が表示される。そして、特別ラウンド演出が行われる各ラウンドでは、特別ラウンド演出が開始される６ラウンド目を除いて、前回のラウンドで敵または味方の一方の打球の行方（プレーの結果）が表示された後で、敵または味方の他方がプレーする画面が表示される。
【００７８】
特別ラウンド演出のうち、奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）で、味方がプレーする場面が入球時期設定ラウンド演出として行われ、その次の偶数ラウンド（６、８、１０、１２、１４ラウンド）で、味方が打ったゴルフボールの行方を表示する場面が判定結果対応ラウンド演出として行われる。なお、１５ラウンド目のラウンド遊技で入球時期設定ラウンド演出が実行される場合には、次のラウンド遊技（１６ラウンド目のラウンド遊技）が存在しないことから、この場合には、「判定結果対応ラウンド演出」を行うことなく大当り遊技の終了時に「結果報知演出（結果ムービーの再生表示）」を行うか、もしくは、大当り遊技の終了時に「判定結果対応ラウンド演出」と「結果報知演出（結果ムービーの再生表示）」の双方を行うことができる。
【００７９】
判定結果対応ラウンド演出では、奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）における実績時期が「最適時期Ｃ」と適合する場合には、信頼度が高い演出パターン（打球がフェアウェイに飛ぶ場面あるいはプレミアショットとなる場面が表示される）を用いて判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「早い時期Ｂ」または「遅い時期Ｄ」と適合する場合には、信頼度が中程度の演出パターン（打球がラフに飛ぶ場面が表示される）を用いて判定結果対応ラウンド演出が実行される。また、実績時期が「かなり早い時期Ａ」または「かなり遅い時期Ｅ」と適合する場合には、信頼度が低い演出パターン（打球がＯＢ、池ポチャあるいはバンカーに入る場面が表示される）を用いて判定結果対応ラウンド演出が実行される。
【００８０】
次に、本実施例の遊技機１の電子制御装置について、図５に基づいて説明する。図５は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【００８１】
図５に示すように、電子制御装置は、主制御部２００と、その主制御部２００に接続された副制御部２３０、２６０、２８０とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部（賞球制御部）２３０、サブ制御部２６０及び演出表示制御部２８０から構成される。主制御部２００は主制御基板２００ａを備え、副制御部２３０、２６０及び２８０は周辺制御基板として払出制御基板２３０ａ、サブ制御基板２６０ａ及び演出表示制御基板２８０ａをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板（電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など）は、遊技機１の裏面側に配置される。
【００８２】
各制御部２００、２３０、２６０、２８０には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部２００、２３０、２６０、２８０に送信される。なお、本実施例の遊技機１は、電源断時に主制御部２００及び払出制御部２３０に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部（図示略）を備えており、電源断時にも主制御部２００及び払出制御部２３０のＲＡＭデータが保持される。
【００８３】
主制御部２００は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部２３０、２６０に処理内容を指示する指令信号（コマンドデータ）を送信し、各副制御部２３０、２６０、２８０は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【００８４】
主制御部２００を構成する主制御基板２００ａのＣＰＵ２００ｂは、ＣＰＵコア、内蔵ＲＡＭ（以下、単にＲＡＭともいう）、内蔵ＲＯＭ（以下、単にＲＯＭともいう）等を備えており、ＲＯＭに格納された制御プログラムにより、ＲＡＭをワークエリアとして遊技機１全体の作動制御（遊技の基本進行制御）を司る。また、主制御部２００は、ＣＰＵ２００ｂが主体となって、ＲＯＭに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定実行手段を構成している。また、主制御部２００のＣＰＵ２００ｂは、特別図柄当否判定を実行する際に、ＲＯＭに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部２００のＣＰＵ２００ｂの制御周期は４ｍｓに設定されている。
【００８５】
主制御部２００には、盤面入力中継基板２０１と盤面出力中継基板２０２とが接続されている。盤面入力中継基板２０１には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ２７ｓ、始動口入賞検知スイッチ２８ｓ、大入賞口入球検知スイッチ３３ｓが接続されており、これらの信号が主制御部２００に入力するように構成されている。盤面出力中継基板２０２には、普通図柄表示部５１（１個のＬＥＤ）、特別図柄表示部６１（７個のＬＥＤ）、始動口ソレノイド２８ｃ、大入賞口ソレノイド３３ｃが接続されており、主制御部２００からの制御信号が出力される。
【００８６】
払出制御部２３０を構成する払出制御基板２３０ａは、主制御部２００のＣＰＵ２００ｂと同様の構成を有するＣＰＵ２３０ｂを備えている。払出制御部２３０には、発射制御部２５０、ＣＲユニット１３等が接続されている。主制御部２００から払出制御部２３０には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板２３０ａのＣＰＵ２３０ｂは、主制御部２００からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機１の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し（賞球払出）を行う。この遊技球の払い出し（賞球払出）は、遊技機１の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
【００８７】
発射制御部２５０には、タッチスイッチ８ａと発射停止スイッチ８ｂが接続されており、遊技者が発射ハンドル８に触れることでタッチスイッチ８ａからタッチ信号が入力し、遊技者が発射停止スイッチ８ｂを操作すること（押圧すること）で、発射停止スイッチ８ｂから発射停止信号が入力する。
【００８８】
サブ制御部２６０は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板２６０ａにはＣＰＵ２６０ｂや図示しないＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部２００に接続されている。サブ制御部２６０（ＣＰＵ２６０ｂ）は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ１０ａ〜１０ｄから出力される効果音、演出表示装置２５による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
【００８９】
主制御部２００からサブ制御部２６０には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド（変動パターン指定コマンド、停止情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど）、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部２００から演出表示制御部２８０には、サブ制御部２６０を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部２６０には演出表示制御部２８０が接続されており、サブ制御部２６０から演出表示制御部２８０には、主制御部２００からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示（図柄変動演出）を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
【００９０】
演出表示制御部２８０の演出表示制御基板２８０ａには、ＣＰＵ２８０ｂ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、入出力ポート、ＶＤＰ（ビデオディスプレイプロセッサ）等を有する演算回路構成要素（図示略）が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部２６０に接続されており、演出表示制御部２８０には演出表示装置２５が接続されている。また、演出表示制御基板２８０ａには、図示しない画像ＲＯＭが設けられており、その画像ＲＯＭには、演出表示装置２５で表示される演出用図柄の画像データ（前述した図柄変動演出に関する画像データなど）が複数格納されている。演出表示制御部２８０（ＣＰＵ２８０ｂ）は、演出表示装置２５の駆動制御（各種演出用の図柄データや画像データの表示出力処理）を行うように構成されている。
【００９１】
その他、サブ制御部２６０には、装飾駆動基板２６１を介して各種ＬＥＤ・ランプ２６２が接続されており、アンプ基板２６３には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ１０ａ〜１０ｄが接続されている。さらに、サブ制御部２６０には、演出ボタン基板２６４を介して演出ボタン５ｄが接続されている。サブ制御部２６０は、主制御部２００や演出ボタン５ｄからの各種指令（変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など）に基づいて、各種ＬＥＤ・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ１０ａ〜１０ｄから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置２５での演出表示パターン（図柄変動演出の演出パターン）の選択・実行処理等を行う。
【００９２】
次に、本実施例の遊技機１の作動をフローチャートに基づいて説明する。図６は、主制御部２００の制御下で行われるメインジョブの一例である。図６に示すメインジョブは、主制御基板２００ａに実装されたＣＰＵ２００ｂが、図示しないＲＯＭ（ＣＰＵ２００ｂの内蔵ＲＯＭまたは主制御基板２００ａに実装されるＲＯＭ）に格納されたプログラムに基づいて実行するもので、電源投入処理（Ｓ１００）の後、遊技開始処理（Ｓ２００）、普通図柄遊技処理（Ｓ３００）、普通電動役物遊技処理（Ｓ４００）、特別図柄遊技処理（Ｓ５００）、大当り遊技処理（Ｓ６００）の各処理が、タイマリセットされる毎（本実施例では４ｍｓ毎）に繰り返し実行される。電源断発生処理（Ｓ５０）は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理（Ｓ１００）に移るようになっている。
【００９３】
電源投入処理（Ｓ１００）は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはＲＡＭ初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われる。次に、遊技開始処理（Ｓ２００）では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる。
【００９４】
普通図柄遊技処理（Ｓ３００）では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部５１（図２参照）にて普通図柄を当り普通図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ普通図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。ここで、前述したように、本実施例における普通図柄の当否判定は、始動口２８ｂの開放時間を延長させる開放時間延長機能（および変動時間短縮機能）の作動状態に応じて、当りとなる確率が異なっており、開放時間延長機能（および変動時間短縮機能）の作動時の方が、開放時間延長機能（および変動時間短縮機能）の非作動時に比べ当りとなる確率が高くなっている。
【００９５】
次に、普通図柄の当否判定の結果が得られたら、普通図柄の変動表示時間を設定し、その変動表示時間に従って普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた表示態様で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる（第２始動口２８ｂを開放状態とする）。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、第２始動口２８ｂを作動させる処理を行う。第２始動口２８ｂが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第２始動口２８ｂが開放状態となる。
【００９６】
普通電動役物遊技処理（Ｓ４００）では、第２始動口２８ｂを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第２始動口２８ｂに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第２始動口２８ｂに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第２始動口２８ｂの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第２始動口２８ｂは通常状態（閉鎖状態）となる。
【００９７】
次に、特別図柄遊技処理（Ｓ５００）を図７、図８のフローチャートに基づいて説明する。まず、図７（ａ）に示すように、始動口２８（第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂ）に入賞（遊技球が入球）したか否かを判定し（Ｓ５０１）、始動口２８に入賞していないと判定された場合には（Ｓ５０１：ＮＯ）。Ｓ５０４の処理に移行する。一方、始動口２８に入賞したと判定された場合には（Ｓ５０１：ＹＥＳ）、特別図柄保留数が４未満であるか否かを判定する（Ｓ５０２）。この結果、特別図柄保留数が４未満でない（４以上である）と判定された場合には（Ｓ５０２：ＮＯ）、Ｓ５０４の処理に移行し、特別図柄保留数が４未満であると判定された場合には（Ｓ５０２：ＹＥＳ）、特別図柄用乱数を取得してＲＡＭの所定領域に記憶する（Ｓ５０３）。これにより、特別図柄保留数が１増加する。なお、特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄の当り図柄決定用乱数、リーチ乱数などからなる。
【００９８】
次に、大当り遊技中であるか否か（大当り遊技フラグがＯＮであるか否か）を判定する（Ｓ５０４）。この結果、当り遊技中である（大当り遊技フラグがＯＮである）と判定された場合には（Ｓ５０４：ＹＥＳ）、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない（大当り遊技フラグがＯＦＦである）と判定された場合には（Ｓ５０４：ＮＯ）、特別図柄が変動中であるか否かを判定する（Ｓ５０５）。
【００９９】
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には（Ｓ５０５：ＹＥＳ）、後述のＳ５０９の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には（Ｓ５０５：ＮＯ）、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する（Ｓ５０６）。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「１秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には（Ｓ５０６：ＹＥＳ）、後述のＳ５１３の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には（Ｓ５０６：ＮＯ）、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する（Ｓ５０７）。
【０１００】
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には（Ｓ５０７：ＹＥＳ）、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には（Ｓ５０７：ＮＯ）、特別図柄変動表示関連処理を行う（Ｓ５０８）。
【０１０１】
ここで、特別図柄変動表示関連処理（Ｓ５０８）を図８のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部２００のＲＡＭの所定領域（保留記憶領域）に記憶されている特別図柄当否判定用乱数（始動口２８への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数）を読み出し（Ｓ５０８ａ）、特別図柄当否判定を行う（Ｓ５０８ｂ）。
【０１０２】
次に、Ｓ５０８ｂで行った特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する（Ｓ５０８ｃ）。この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には（Ｓ５０８ｃ：ＹＥＳ）、大当り時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する（Ｓ５０８ｄ）。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない（外れである）と判定された場合には（Ｓ５０８ｃ：ＮＯ）、外れ時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する（Ｓ５０８ｇ）。
【０１０３】
次に、変動パターン決定乱数を取得するとともに、主制御部２００のＲＡＭの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数（第１始動口２８ａまたは第２始動口２８ｂへの遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数）を読み出す（Ｓ５０８ｈ）。
【０１０４】
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する（Ｓ５０８ｉ）。特別図柄の変動パターンは、Ｓ５０８ｈで取得した特別図柄変動パターン決定用乱数を用いて、Ｓ５０８ｄ、Ｓ５０８ｇの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。また、特別図柄の停止図柄は、Ｓ５０８ｈで読み出した図柄決定用乱数を用いて、特別図柄の停止図柄の種類（特別図柄表示部６１におけるＬＥＤの表示パターン）を決定する。
【０１０５】
次に、Ｓ５０８ｉで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部６１で特別図柄の変動表示を開始し（Ｓ５０８ｊ）、これに付随して、図柄変動開始時コマンドとしての特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ５０８ｋ）。変動パターン指定コマンドは、Ｓ５０８ｉで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。この変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部２６０に送信すると、これらコマンド（図柄変動開始時コマンド）を受信したサブ制御部２６０および演出表示制御部２８０の制御下で図柄変動演出（演出図柄の変動表示）が開始される。そして、特別図柄保留数を１減算する（Ｓ５０８ｌ）。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
【０１０６】
次に、図７（ａ）に戻り、上記Ｓ５０５で特別図柄が変動中であると判定された場合には（Ｓ５０５：ＹＥＳ）、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する（Ｓ５０９）。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ５０９：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には（Ｓ５０９：ＹＥＳ）、特別図柄の変動表示を停止し（Ｓ５１０）、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部２６０に送信し（Ｓ５１１）、特別図柄の停止表示時間を設定する（Ｓ５１２）。
【０１０７】
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する（Ｓ５１３）。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ５１３：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には（Ｓ５１３：ＹＥＳ）、特別図柄表示部６１に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する（図７（ｂ）のＳ５１４）。
【０１０８】
この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には（Ｓ５１４：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａの開放パターンをセットして（Ｓ５１５）、大当り遊技フラグをＯＮにセットする（Ｓ５１６）。これにより、Ｓ５１５の処理でセットされた大入賞口開放パターンに従って大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技が開始されることを示す大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ５１７）。
【０１０９】
次に、確変フラグがＯＮであるか否かを判定し（Ｓ５１８）、確変フラグがＯＮであると判定された場合は（Ｓ５１８：ＹＥＳ）、確変フラグをＯＦＦにセットし（Ｓ５１９）、Ｓ５２０の処理に移行する。一方、確変フラグがＯＮでないと判定された場合には（Ｓ５１８：ＮＯ）、そのままＳ５２０の処理に移行する。
【０１１０】
Ｓ５２０の処理では、変動短縮フラグがＯＮであるか否かを判定し、変動短縮フラグがＯＮでないと判定された場合には（Ｓ５２０：ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがＯＮであると判定された場合には（Ｓ５２０：ＹＥＳ）、変動短縮フラグをＯＦＦにセットし（Ｓ５２１）、さらに開放延長フラグをＯＦＦにセットする（Ｓ５２２）。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【０１１１】
次に、上記Ｓ５１４の判定処理で、特別図柄表示部６１に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でない（換言すると、外れ図柄である）と判定された場合には（Ｓ５１４：ＮＯ）、変動短縮フラグがＯＮであるか否かを判定する（Ｓ５２３）。この結果、変動短縮フラグがＯＮでないと判定された場合は（Ｓ５２３：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがＯＮであると判定された場合は（Ｓ５２３：ＹＥＳ）、変動短縮カウンタを１減算し（Ｓ５２４）、変動短縮カウンタがゼロになったか否かを判定する（Ｓ５２５）。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、大当り遊技の終了後に大当りの種類に応じて後述のＳ６１７の処理（図９参照）でセットされる。
【０１１２】
そして、変動短縮カウンタがゼロではないと判定された場合には（Ｓ５２５：ＮＯ）、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタがゼロであると判定された場合には（Ｓ５２５：ＹＥＳ）、変動短縮フラグをＯＦＦにし（Ｓ５２６）、開放延長フラグをＯＦＦにする（Ｓ５２７）。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
【０１１３】
次に、大当り遊技処理（Ｓ６００）について図９のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否か（大当り遊技フラグがＯＮであるか否か）を判定する（Ｓ６０１）。この結果、大当り遊技中でない（大当り遊技フラグがＯＦＦである）と判定された場合には（Ｓ６０１：ＮＯ）、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である（大当り遊技フラグがＯＮである）と判定された場合には（Ｓ６０１：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａが開放中であるか否かを判定する（Ｓ６０２）。この結果、大入賞口３３ａが開放中であると判定された場合には（Ｓ６０２：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａの開放時間が経過したか否か、換言すると、開放時間が規定開放時間（本実施例では３０秒）に達したか否かを判定し（Ｓ６０３）、大入賞口３３ａの開放時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ６０３：ＮＯ）、大入賞口３３ａに規定入賞数の入賞があったか否か（規定数の遊技球が入球したか否か）を判定する（Ｓ６０４）。本実施例では、大入賞口３３ａに規定入賞数として１０個の遊技球が入球したか否かを判定する。なお、本実施例では、１回のラウンド遊技中に遊技球が大入賞口３３ａに入球する毎に、その入球が１回のラウンド遊技における何個目の入球であるかを示す大入賞口入球数指定コマンド（入球数１指定コマンド、入球数２指定コマンド・・・入球数１０指定コマンド）を、サブ制御部２６０に送信するものとしている。サブ制御部２６０は、その大入賞口入球数指定コマンドで指定される入球数、あるいは、大入賞口入球数指定コマンドの受信回数によって、１回のラウンド遊技における大入賞口３３ａへの遊技球の入球数を認識（計数）することができる。
【０１１４】
Ｓ６０４の処理の結果、大入賞口３３ａに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には（Ｓ６０４：ＮＯ）、大当り遊技処理を終了し、大入賞口３３ａに規定入賞数が入賞していると判定された場合（Ｓ６０４：ＹＥＳ）または大入賞口３３ａの開放時間が経過している（規定時間に達している）と判定された場合には（Ｓ６０３：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａを閉鎖し（Ｓ６０５）、大入賞口３３ａが閉鎖したことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ６０７）。
【０１１５】
また、上記Ｓ６０２で、大入賞口３３ａが開放中でないと判定された場合には（Ｓ６０２：ＮＯ）、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する（Ｓ６０８）。Ｓ６０８の判定処理は、大当り遊技のラウンド数が１５ラウンドに達したか否かを判定する。
【０１１６】
この結果、大当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には（Ｓ６０８：ＮＯ）、大入賞口３３ａの閉鎖時間（インターバル時間）が経過しているか否かを判定し（Ｓ６０９）、大入賞口３３ａの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ６０９：ＮＯ）、大当り遊技処理を終了し、大入賞口３３ａの閉鎖時間が経過していると判定された場合には（Ｓ６０９：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａを開放させ（Ｓ６１０）、大当り遊技中における大入賞口３３ａの開放回数を示すＮ回目開放指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ６１１）。「Ｎ回目開放指定コマンド」は、今回開始するラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを示している。
【０１１７】
上記Ｓ６０８で、大当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には（Ｓ６０８：ＹＥＳ）、大当り遊技フラグをＯＦＦにセットする（Ｓ６１２）。これにより、大当り遊技が終了する。
【０１１８】
次に、今回の大当りが確変大当りであるか否か（今回の大当り遊技の開始契機となった特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄であるか否か）を判定する（Ｓ６１３）。この結果、確変大当りであると判定された場合は（Ｓ６１３：ＹＥＳ）、確変フラグをＯＮにセットする（Ｓ６１４）。これにより、今回の確変大当りに係る大当り遊技の終了に伴い、確率変動機能が作動を開始する（確変状態となる）。
【０１１９】
次に、変動短縮フラグをＯＮにセットし（Ｓ６１５）、開放延長フラグをＯＮにセットし（Ｓ６１６）、変動短縮カウンタをセットする（Ｓ６１７）。Ｓ６１７の処理では、確変フラグがＯＮにセットされている場合（確変大当りである場合）には、変動短縮カウンタに「１０，０００」をセットし、確変フラグがＯＮにセットされていない場合（通常大当りである場合）には、変動短縮カウンタに「１００」をセットする。これにより、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を開始する（時短状態となる）。
【０１２０】
そして、大当り遊技が終了したことを示す大当り遊技終了指定コマンドをサブ制御部２６０に送信する（Ｓ６１８）。
【０１２１】
次に、サブ制御部２６０が実行する大当り遊技演出処理を図１０に基づいて説明する。図１０は、サブ制御部２６０の制御下で行われる大当り遊技演出処理の一例であり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図１０に示す大当り遊技演出処理は、サブ制御基板２６０ａに実装されたＣＰＵ２６０ｂが、図示しないＲＯＭ（ＣＰＵ２６０ｂの内蔵ＲＯＭまたはサブ制御基板２６０ａに実装されるＲＯＭ）に格納されたプログラムに従って実行する。
【０１２２】
まず、上述したＳ５１７の処理（図７（ｂ））で主制御部２００から送信される大当り遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７００）。この結果、大当り遊技開始指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７００：ＮＯ）、Ｓ７０２の処理に移行し、大当り遊技開始指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７００：ＹＥＳ）、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始演出（大当りファンファーレ演出）を実行する（Ｓ７０１）。大当り遊技開始演出は、演出表示装置２５の表示領域に大当り開始画面を表示すること等によって行う。
【０１２３】
次に、上述したＳ６１１の処理（図９）で主制御部２００から送信されるＮ回目開放指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７０２）。この結果、Ｎ回目開放指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７０２：ＮＯ）、Ｓ７０６の処理に移行する。一方、Ｎ回目開放指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７０２：ＹＥＳ）、その受信したＮ回目開放指定コマンドで指定されるラウンド数に基づいて、今回のラウンド遊技が通常ラウンド遊技であるか否かを判定する（Ｓ７０３）。「通常ラウンド遊技」とは、通常ラウンド演出が実行されるラウンド遊技である。本実施例では、図４を用いて説明した通り、１〜５ラウンド目のラウンド遊技が「通常ラウンド遊技」となっている。また、６〜１５ラウンド目のラウンド遊技は、特別ラウンド演出が実行される「特別ラウンド遊技」となっている。
【０１２４】
Ｓ７０３の処理の結果、今回のラウンド遊技が通常ラウンド遊技（１〜５ラウンド目のラウンド遊技）であると判定された場合には（Ｓ７０３：ＹＥＳ）、通常ラウンド演出を実行する（Ｓ７０４）。本実施例の通常ラウンド演出は、上述した通り「導入ムービー」を再生表示することによって行われる。一方、今回のラウンド遊技が通常ラウンド遊技でないと判定された場合には（Ｓ７０３：ＮＯ）、今回のラウンド遊技は特別ラウンド遊技（６〜１５ラウンド目のラウンド遊技）ということになるので、特別ラウンド演出処理を実行する（Ｓ７０５）。ここで、特別ラウンド演出処理（Ｓ７０５）について図１１のフローチャートに基づいて説明する。
【０１２５】
特別ラウンド演出処理（Ｓ７０５）を開始すると、まず、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされているか否かを判定する（Ｓ７０５ａ）。「入球時期設定ラウンドフラグ」は、今回開始されるラウンド遊技、すなわち、Ｓ７０２の処理で受信した「Ｎ回目開放指定コマンド」により指定されるラウンド数のラウンド遊技が、「大入賞口３３ａへの所定数（例えば、規定入賞数）の遊技球の入球を完了させるべき時期（最適時期）の設定」および「設定した最適時期と実際の入球完了時期（実績時期）とが適合するか否かの判定」を行うラウンド遊技であることを示すフラグであり、後述のＳ７１０ｎの処理（図１２）でＯＮにセットされる。例えば、図４に示すラウンド演出パターン１では、６ラウンド以降における奇数ラウンド（７、９、１１、１３、１５ラウンド）が開始される際に入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされる。なお、入球時期設定ラウンドフラグをＯＮにセットする処理（図１２のＳ７１０ｎ）は、後述のＳ７１０ｉの処理（図１２）、すなわち「入球時期（最適時期）の決定」を経て行われることから、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされている状態で開始されるラウンド遊技が、本発明の「入球時期決定済ラウンド遊技」に相当している。
【０１２６】
Ｓ７０５の処理の結果、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていると判定された場合には（Ｓ７０５ａ：ＹＥＳ）、インターバル期間中に後述のＳ７１０ｍの処理（図１２）でセットされた入球時期設定ラウンド演出パターンを読み出し（Ｓ７０５ｂ）、その読み出した演出パターンに従って入球時期設定ラウンド演出を行う（Ｓ７０５ｃ）。そして、今回のラウンド遊技の開始に伴い開放状態となる大入賞口３３ａの開放時間の計測を開始する（Ｓ７０５ｄ）。
【０１２７】
なお、Ｓ７０５ｂの処理で読み出される入球時期設定ラウンド演出パターンは、図３に示した「入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５」のうちの何れか１つの演出パターンであり、Ｓ７０５ｃの処理で実行される入球時期設定ラウンド演出は、図３に示した「入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５」のうちの何れか１つの演出パターンに従って行われる演出である。
【０１２８】
一方、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていないと判定された場合には（Ｓ７０５ａ：ＮＯ）、入球時期判定済フラグがＯＮにセットされているか否かを判定する（Ｓ７０５ｅ）。「入球時期判定済フラグ」は、「設定した最適時期と実際の入球完了時期（実績時期）とが適合するか否かの判定」を行ったことを示すフラグであり、入球時期設定ラウンド演出が実行されたラウンド遊技（図４に示すラウンド演出パターン１では、７、９、１１、１３、１５ラウンド目のラウンド遊技）が終了した後のインターバル期間中に、後述のＳ７１０ｈの処理（図１２）でＯＮにセットされる。
【０１２９】
この結果、入球時期判定済フラグがＯＮにセットされていると判定された場合には（Ｓ７０５ｅ：ＹＥＳ）、図１２に示す後述のＳ７１０ｆまたはＳ７１０ｇの処理でセットされた入球時期判定結果に応じた判定結果対応ラウンド演出パターンを読み出し（Ｓ７０５ｆ）、その読み出した演出パターンに従って判定結果対応ラウンド演出を行う（Ｓ７０５ｇ）。そして、入球時期判定済フラグをＯＦＦにセットする（Ｓ７０５ｈ）。
【０１３０】
一方、入球時期判定済フラグがＯＮにセットされていないと判定された場合には（Ｓ７０５ｅ：ＮＯ）、現状に即した特別ラウンド演出を実行する（Ｓ７０５ｉ）。「現状に即した特別ラウンド演出」では、既に行われた判定結果対応ラウンド演出の内容を踏まえた演出を行う。例えば判定結果対応ラウンド演出として、確変変動機能が作動する可能性のあることを示す確変チャンス演出を経て、確変変動機能が作動することが確定したことを示す確変確定演出が行われた場合には、確変確定報知後の演出を行う。つまり、図４に示すラウンド演出パターンのうち「結果ムービー」となっている部分が、「現状に即した特別ラウンド演出」に対応している。具体的には、図４のラウンド演出パターン２では８ラウンド目以降、ラウンド演出パターン３では１０ラウンド目以降、ラウンド演出パターン４では１２ラウンド目以降、ラウンド演出パターン５では１４ラウンド目以降で、「現状に即した特別ラウンド演出」が行われる。
【０１３１】
次に、図１０に戻り、上述したＳ６０６の処理（図９）で主制御部２００から送信される大入賞口入球数指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７０６）。この結果、大入賞口入球数指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７０６：ＮＯ）、Ｓ７０８の処理に移行し、大入賞口入球数指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７０６：ＹＥＳ）、大入賞口入球数指定コマンドで指定される大入賞口３３ａへの遊技球の入球数をＲＡＭの所定領域に記憶する（Ｓ７０７）。このＳ７０７の記憶処理は、現在の記憶状態（すでに記憶している入球数）を、新たに受信した大入賞口入球数指定コマンドで指定される入球数（最新の入球数）に書き換える（上書きする）ことによって行われる。
【０１３２】
次に、上述したＳ６０７の処理（図９）で主制御部２００から送信される大入賞口閉鎖指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７０８）。この結果、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７０８：ＮＯ）、Ｓ７１１の処理に移行し、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７０８：ＹＥＳ）、大入賞口３３ａが開放状態から閉鎖状態に変化した状態、すなわちインターバル期間中であるので、大入賞口閉鎖中演出（インターバル演出）を実行するとともに（Ｓ７０９）、大入賞口閉鎖中処理を実行する（Ｓ７１０）。ここで、大入賞口閉鎖中処理（Ｓ７１０）を図１２のフローチャートに基づいて説明する。
【０１３３】
大入賞口閉鎖中処理（Ｓ７１０）では、まず、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされているか否かを判定する（Ｓ７１０ａ）。この結果、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていると判定された場合には（Ｓ７１０ａ：ＹＥＳ）、上述のＳ７０５ｄの処理で開始した大入賞口３３ａの開放時間の計測を終了し（Ｓ７１０ｂ）、計測済みの開放時間、すなわち、今回のラウンド遊技で大入賞口３３ａが開放状態となっていた時間を取得する（Ｓ７１０ｃ）。このＳ７１０ｃの処理で取得した「計測済みの開放時間」が、今回のラウンド遊技中において大入賞口３３ａへの遊技球の入球が完了した実績時期となる。そして、上述のＳ７０７の処理によって記憶されている大入賞口３３ａへの遊技球の入球数、すなわち、今回のラウンド遊技で大入賞口３３ａに入球した遊技球の数を取得する（Ｓ７１０ｄ）。
【０１３４】
次に、実績時期と予め設定された最適時期（図３に示す「最適時期Ｃ」参照）が適合するか否かを判定する（Ｓ７１０ｅ）。ここで、Ｓ７１０ｄで取得した大入賞口３３ａへの遊技球の入球数（実績入球数）が、上述の「最適時期」としての「大入賞口３３ａへの所定数（例えば、規定入賞数）の遊技球の入球を完了させるべき時期」における「所定数」、すなわち、「最適時期において大入賞口３３ａに入球させるべき遊技球の数（基準入球数）」と一致していなければ、その時点で実績時期と最適時期は適合しないこととなる。例えば、「大入賞口３３ａへの規定入賞数（１０個）の遊技球の入球を完了させるべき時期」が「最適時期」として設定される場合、Ｓ７１０ｄで取得した入球数（実績入球数）が「規定入賞数（１０個）」と一致していなければ、実績時期と最適時期は適合しないこととなる。一方、Ｓ７１０ｄで取得した入球数（実績入球数）が「基準入球数」と一致していれば、実績時期と最適時期は適合する可能性が生ずることとなる。
【０１３５】
Ｓ７１０ｅの処理の結果、実績時期と最適時期が適合すると判定された場合には（Ｓ７１０ｅ：ＹＥＳ）、遊技者にとって利益度合が高い判定結果対応ラウンド演出パターンをセットする（Ｓ７１０ｆ）。本実施例では、「遊技者にとって利益度合が高い判定結果対応ラウンド演出パターン」として、上述した通り「確変発生に対する信頼度が高い判定結果対応ラウンド演出」を実行するための演出パターンが設けられている。
【０１３６】
一方、実績時期と最適時期が適合しないと判定された場合には（Ｓ７１０ｅ：ＮＯ）、今回の実績時期が、図３に示す「かなり早い時期Ａ」、「早い時期Ｂ」、「遅い時期Ｄ」、「かなり遅い時期Ｅ」のうちの何れに適合するのかを判定（特定）し、その判定結果に応じて、遊技者にとって利益度合が低い判定結果対応ラウンド演出パターンをセットする（Ｓ７１０ｇ）。本実施例では、「遊技者にとって利益度合が低い判定結果対応ラウンド演出パターン」として、上述した通り「確変発生に対する信頼度が中程度の判定結果対応ラウンド演出」および「確変発生に対する信頼度が低い判定結果対応ラウンド演出」を実行するための演出パターンが設けられており、今回の実績時期が「早い時期Ｂ」または「遅い時期Ｄ」と適合する場合には、「確変発生に対する信頼度が中程度の判定結果対応ラウンド演出」に対応する演出パターンをセットし、今回の実績時期が「かなり早い時期Ａ」または「かなり遅い時期Ｅ」と適合する場合には、「確変発生に対する信頼度が低い判定結果対応ラウンド演出」に対応する演出パターンをセットする。
【０１３７】
次に、入球時期判定済フラグをＯＮにセットし（Ｓ７１０ｈ）、入球時期設定ラウンドフラグをＯＦＦにセットする（Ｓ７１０ｉ）。そして、計測済みの大入賞口３３ａの開放時間と記憶済みの大入賞口３３ａへの遊技球の入球数をそれぞれクリア（初期化）する（Ｓ７１０ｊ）。以上の「Ｓ７１０ａ：ＹＥＳ〜Ｓ７１０ｊ」の処理を経て行われる次回のラウンド遊技では、Ｓ７１０ｆまたはＳ７１０ｇの処理でセットされた演出パターンに従ってラウンド演出が実行される（図１１のＳ７０５ｅ：ＹＥＳ〜Ｓ７０５ｈ参照）。
【０１３８】
また、上記Ｓ７１０ａの判定処理で、入球時期設定ラウンドフラグがＯＮにセットされていないと判定された場合には（Ｓ７１０ａ：ＮＯ）、次回のラウンド遊技が大入賞口３３ａへの入球時期を設定するものであるか否か（入球時期設定ラウンド演出を実行するラウンド遊技であるか否か）を判定する（Ｓ７１０ｋ）。この結果、次回のラウンド遊技が入球時期を設定するものでない（図４に示すラウンド演出パターン１では、６、８、１０、１２、１４ラウンド目のラウンド遊技）と判定された場合には（Ｓ７１０ｋ：ＮＯ）、大入賞口閉鎖中処理を終了する。
【０１３９】
一方、次回のラウンド遊技が入球時期を設定するものである（図４に示すラウンド演出パターン１では、７、９、１１、１３、１５ラウンド目のラウンド遊技）と判定された場合には（Ｓ７１０ｋ：ＹＥＳ）、図３に示す「入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５」の中から特定の入球時期設定ラウンド演出パターンを選択することで、最適時期Ｃを含む入球時期Ａ〜Ｅを決定する（Ｓ７１０ｌ）。この入球時期の決定（入球時期設定ラウンド演出パターンの選択）は、上述した通り、今回の大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類（確変大当り図柄、通常大当り図柄等）と、今回の大当り遊技で既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容とに基づいて行われる。
【０１４０】
例えば、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」の場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に有利なパターンが選択され、大当り図柄の種類が「通常大当り図柄」場合には、入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５の中から遊技者に不利なパターンが選択される。また、大当り図柄の種類が「通常大当り図柄」であって、既に行われたラウンド遊技で「確変発生の信頼度の高い判定結果対応ラウンド演出」が実行されている場合には、次に実行する入球時期設定ラウンド演出の演出パターンとして、最適時期Ｃで所定数の遊技球の入球を完了させるのが困難な演出パターン（例えば図３のパターン２やパターン４）が選択される。さらに、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」であって、既に行われたラウンド遊技で「確変発生の信頼度の低い判定結果対応ラウンド演出」が実行されている場合には、次に実行する入球時期設定ラウンド演出の演出パターンとして、最適時期Ｃで所定数の遊技球の入球を完了させるのが容易な演出パターン（例えば図３のパターン３やパターン５）が選択される。
【０１４１】
そして、選択された入球時期設定ラウンド演出パターンをセットし（Ｓ７１０ｍ）、次回のラウンド遊技が大入賞口３３ａへの入球時期を設定する（入球時期設定ラウンド演出を実行する）ラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）であることを示す入球時期設定ラウンドフラグをＯＮにセットする（Ｓ７１０ｎ）。以上の「Ｓ７１０ａ：ＮＯ、Ｓ７１０ｋ：ＹＥＳ〜Ｓ７１０ｎ」の処理を経て行われる次回のラウンド遊技では、Ｓ７１０ｍの処理でセットされた演出パターンに従ってラウンド演出が実行される（図１１のＳ７０５ａ：ＹＥＳ〜Ｓ７０５ｄ参照）。
【０１４２】
次に、図１０に戻り、上述したＳ６１８の処理（図９）で主制御部２００から送信される大当り遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７１１）。この結果、大当り遊技終了指定コマンドを受信していないと判定された場合には（Ｓ７１１：ＮＯ）、大当り遊技演出処理を終了し、大当り遊技終了指定コマンドを受信していると判定された場合には（Ｓ７１１：ＹＥＳ）、大当り遊技が終了するので、大当り遊技終了演出（エンディング演出）を実行する（Ｓ７１２）。この大当り遊技終了演出（エンディング演出）では、今回の大当り遊技中に「特別ラウンド演出」として行われた「ゴルフ対決演出」の結果（敵、味方の何れが勝利したか）を示す「結果報知演出」が行われる。この「結果報知演出」によって、今回の大当り遊技終了後における確率変動機能の作動状態が報知され、味方勝利の場合は確率変動機能の作動が確定し（確変状態）、敵勝利の場合は確率変動機能の作動が不確定（不明）となる（時短状態もしくは潜伏確変状態）。なお、本実施例では、１５ラウンド目のラウンド遊技で入球時期設定ラウンド演出が実行された場合には（図４に示すラウンド演出パターン１参照）、次のラウンド遊技が存在しないことから、実績時期と最適時期が適合するか否かの判定結果に基づく判定結果対応ラウンド演出を行うことなく、大当り遊技終了演出（エンディング演出）が行われる。但し、大当り遊技終了演出（エンディング演出）として、「１５ラウンド目のラウンド遊技での実績時期と最適時期が適合するか否かの判定結果」に基づく「判定結果対応ラウンド演出」と、「ゴルフ対決演出」の結果（敵、味方の何れが勝利したか）を示す「結果報知演出」とを順に行ってもよい。
【０１４３】
ここで、図６〜図１２のフローチャートに示した処理と本発明の各手段との対応について説明しておくと、「Ｓ６０１〜Ｓ６０９の処理（図９）」が大当り遊技実行手段に対応し、「Ｓ７１０ｌの処理（図１２）」が入球時期決定手段に対応し、「Ｓ７０７、Ｓ７１０ｄの処理（図１０、図１２）」が計数手段に対応し、「Ｓ７０５ｄ、Ｓ７１０ｃの処理（図１１、図１２）」が計時手段に対応し、「Ｓ７１０ｅの処理（図１２）」が入球時期判定手段に対応し、「Ｓ７０５ｆ、Ｓ７０５ｇ、Ｓ７１０ｆ、Ｓ７１０ｇの処理（図１１、図１２）」が大当り遊技演出実行手段に対応している。
【０１４４】
以上説明した本実施例では、所定のラウンド遊技（本実施例では７、９、１１、１３、１５ラウンド）で、大入賞口３３ａへの所定数（例えば規定入賞数である「１０個」）の遊技球の入球を完了させるべき最適時期を決定するとともに、当該ラウンド遊技（入球時期決定済ラウンド遊技）での大入賞口３３ａへの遊技球の入球状況に基づいて、次のラウンド遊技（本実施例では８、１０、１２、１４ラウンド）で行われる判定結果対応ラウンド演出の演出パターンが設定される。これにより、判定結果対応ラウンド演出の演出パターンは、前回のラウンド遊技での大入賞口３３ａへの遊技球の入球状況に従って、ラウンド遊技毎に変化することとなり、変化に富んだラウンド演出を実現することができ、遊技興趣を向上させることができる。
【０１４５】
また、本実施例では、異なる最適時期Ｃが設定された複数の入球時期設定ラウンド演出パターン１〜５を用意しておき、特定の入球時期設定ラウンド演出パターンを選択することで最適時期Ｃ（入球時期）を決定するように構成している。これにより、入球時期設定ラウンド演出によって、大入賞口３３ａへの所定数（例えば１０個）の遊技球の入球を完了させるべき最適時期をラウンド遊技中に遊技者に報知することができる。この結果、遊技者は大入賞口３３ａの開放開始からの経過時間と最適時期との関係を認識しながら遊技を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
【０１４６】
また、本実施例では、特別図柄の大当り図柄の種類に応じて特定の入球時期設定ラウンド演出パターンを選択するように構成している。具体的には、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の大きい遊技状態（例えば確変状態）の発生契機となるもの（例えば、確変大当り図柄）である場合には、遊技者に有利なパターンが選択され、大当り図柄の種類が、遊技者が得られる利益度合の小さい遊技状態（例えば時短状態）の発生契機となるもの（例えば、通常大当り図柄）である場合には、遊技者に不利なパターンが選択される。これにより、所定数の遊技球の入球が完了する実績時期を、入球時期設定ラウンド演出パターンの選択結果、すなわち、入球時期決定済ラウンド遊技に対して設定される入球時期に適合させ易くなり、実際に発生する遊技状態と判定結果対応ラウンド演出の内容とを整合させることができる。
【０１４７】
また、本実施例では、入球時期設定ラウンド演出パターンを決定する際に、大当り図柄の種類に加えて、既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容も考慮するように構成している。これにより、既に実行された判定結果対応ラウンド演出の内容が実際に発生する遊技状態と整合していないとしても、その後に実行される判定結果対応ラウンド演出の内容と実際に発生する遊技状態とを整合させることができる。
【０１４８】
（他の実施形態）
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【０１４９】
例えば、上記実施例では、演出図柄の停止図柄のうち「３桁同一の図柄組合せ」が特別図柄の「大当り図柄（通常大当り図柄または確変大当り図柄）」に対応するものとして、演出図柄を用いて行われる図柄変動演出では確率変動機能が作動するか否かを判別不能とし、その上で、上記実施例の「大当り遊技演出処理」を行って大当り遊技中に確率変動機能が作動するか否かを報知するものとして説明した。しかしながら、演出図柄の停止図柄において、３桁同一の図柄組合せのうち「偶数図柄の組合せ」が特別図柄の「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」に対応し、「奇数図柄の組合せ」が特別図柄の「確変大当り図柄」に対応することとしてもよい。この場合、演出図柄が３桁同一の偶数図柄の組合せで停止表示されると、それに係る大当りは「通常大当り」および「確変大当り」の何れかということになるが、遊技者にとっては、停止表示された演出図柄の組合せに基づいて大当りの種類（通常大当り、確変大当り）を判別することができず、演出図柄の停止図柄（図柄変動演出）によって確率変動機能が作動する旨は報知されないこととなる。よって、演出図柄が３桁同一の偶数図柄の組合せで停止表示された場合、それに続いて行われる大当り遊技において、上記実施例の「大当り遊技演出処理」を行うことで、上記実施例と同様の遊技性を得ることができる。
【０１５０】
また、上記実施例では、「遊技者が得られる利益度合の異なる遊技状態」として確率変動機能の作動状態が異なる遊技状態（確変状態と時短状態）を例に挙げて説明したが、これに限らず、大当り遊技の最高継続ラウンド数（例えば１５ラウンドと２ラウンド）が異なる場合や、大当り遊技終了後の時短遊技の継続回数（例えば特別図柄の変動回数１００回と５０回）が異なる場合としてもよい。
【０１５１】
また、上記実施例では、大当り遊技演出（ラウンド演出）として、「ゴルフ」を題材とし、敵と味方が１ラウンド毎に交互にプレーするようにし、１ラウンド遊技毎に入球時期設定ラウンド演出と判定結果対応ラウンド演出を実行するように構成したが、これに限らず、各ラウンド遊技で味方のみがプレーするようにし、１ラウンド遊技中に入球時期設定ラウンド演出と判定結果対応ラウンド演出を実行するように構成してもよい。
【０１５２】
また、上記実施例では、図４で示したように複数のラウンド演出パターンから特定のラウンド演出パターンを選択してラウンド演出（通常ラウンド演出、特別ラウンド演出）を実行するように構成したが、これに限らず、ラウンド演出パターンは少なくとも１つ設けられていればよい。
【符号の説明】
【０１５３】
１…遊技機、２０…遊技盤、３３ａ…大入賞口、６１…特別図柄表示部（図柄表示部）、２００…主制御部（大当り遊技実行手段）、２６０…サブ制御部（入球時期決定手段、計数手段、計時手段、入球時期判定手段、演出パターン記憶手段、大当り遊技演出実行手段、入球時期決定用演出パターン記憶手段）、２８０…演出表示制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能な大入賞口と、
図柄表示部で変動表示される抽選図柄が大当り図柄で停止表示されると、前記大入賞口の開放時間が規定開放時間に到達するか、あるいは前記大入賞口に規定数の遊技球が入球するまで前記大入賞口を前記開放状態とするラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
少なくとも１回の前記ラウンド遊技の開始時に、前記規定開放時間の範囲内で前記大入賞口への所定数の遊技球を入球させるべき入球時期を決定する入球時期決定手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口への遊技球の入球数を計数する計数手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口の開放開始からの経過時間を計測する計時手段と、
前記入球時期の決定を受けて行われる入球時期決定済ラウンド遊技での前記計数手段による計数値が前記所定数となった時点における前記計時手段による計測時間が、前記入球時期と適合するか否かを判定する入球時期判定手段と、
前記大当り遊技の進行に伴って実行される大当り遊技演出の演出パターンとして、遊技者が得られる利益度合の異なる複数の演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段と、
前記入球時期判定手段による判定結果が肯定的であった場合には、前記入球時期決定済ラウンド遊技が終了した後の次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の高い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行し、前記入球時期判定手段による判定結果が否定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の低い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記入球時期が互いに異なるように設定された複数の入球時期設定演出パターンを記憶する入球時期設定演出パターン記憶手段を備え、
前記入球時期決定手段は、前記入球時期設定演出パターン記憶手段に記憶された複数の入球時期設定演出パターンから一の入球時期設定演出パターンを選択することによって前記入球時期を決定し、
前記大当り遊技演出実行手段は、前記入球時期決定済ラウンド遊技の実行中に、前記入球時期決定手段が選択した前記一の入球時期設定演出パターンに基づいて前記大当り遊技演出を実行することを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記大当り図柄には、遊技者が得られる利益度合の異なる複数種類の遊技状態の何れかの発生契機となる複数種類の大当り図柄が設定されており、
前記入球時期決定手段は、前記複数種類の大当り図柄のうち、遊技者が得られる利益度合の低い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合に比べ、遊技者が得られる利益度合の高い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合の方が、遊技者に有利な前記入球時期を決定することを特徴とする請求項１または２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記入球時期決定手段は、前記大当り図柄の停止表示に起因して発生する前記遊技状態によって遊技者が得られる利益度合と、既に実行された前記大当り遊技演出の内容とに基づいて、前記入球時期を決定することを特徴とする請求項３に記載の遊技機。
【請求項１】
遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能な大入賞口と、
図柄表示部で変動表示される抽選図柄が大当り図柄で停止表示されると、前記大入賞口の開放時間が規定開放時間に到達するか、あるいは前記大入賞口に規定数の遊技球が入球するまで前記大入賞口を前記開放状態とするラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
少なくとも１回の前記ラウンド遊技の開始時に、前記規定開放時間の範囲内で前記大入賞口への所定数の遊技球を入球させるべき入球時期を決定する入球時期決定手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口への遊技球の入球数を計数する計数手段と、
１回の前記ラウンド遊技における前記大入賞口の開放開始からの経過時間を計測する計時手段と、
前記入球時期の決定を受けて行われる入球時期決定済ラウンド遊技での前記計数手段による計数値が前記所定数となった時点における前記計時手段による計測時間が、前記入球時期と適合するか否かを判定する入球時期判定手段と、
前記大当り遊技の進行に伴って実行される大当り遊技演出の演出パターンとして、遊技者が得られる利益度合の異なる複数の演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段と、
前記入球時期判定手段による判定結果が肯定的であった場合には、前記入球時期決定済ラウンド遊技が終了した後の次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の高い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行し、前記入球時期判定手段による判定結果が否定的であった場合には、次のラウンド遊技の実行に際して遊技者にとって利益度合の低い演出パターンを前記演出パターン記憶手段から読み出して前記大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記入球時期が互いに異なるように設定された複数の入球時期設定演出パターンを記憶する入球時期設定演出パターン記憶手段を備え、
前記入球時期決定手段は、前記入球時期設定演出パターン記憶手段に記憶された複数の入球時期設定演出パターンから一の入球時期設定演出パターンを選択することによって前記入球時期を決定し、
前記大当り遊技演出実行手段は、前記入球時期決定済ラウンド遊技の実行中に、前記入球時期決定手段が選択した前記一の入球時期設定演出パターンに基づいて前記大当り遊技演出を実行することを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記大当り図柄には、遊技者が得られる利益度合の異なる複数種類の遊技状態の何れかの発生契機となる複数種類の大当り図柄が設定されており、
前記入球時期決定手段は、前記複数種類の大当り図柄のうち、遊技者が得られる利益度合の低い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合に比べ、遊技者が得られる利益度合の高い遊技状態の発生契機となる大当り図柄が停止表示される場合の方が、遊技者に有利な前記入球時期を決定することを特徴とする請求項１または２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記入球時期決定手段は、前記大当り図柄の停止表示に起因して発生する前記遊技状態によって遊技者が得られる利益度合と、既に実行された前記大当り遊技演出の内容とに基づいて、前記入球時期を決定することを特徴とする請求項３に記載の遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７（ａ）】
【図７（ｂ）】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７（ａ）】
【図７（ｂ）】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２０１２−５５６１８（Ｐ２０１２−５５６１８Ａ）
【公開日】平成２４年３月２２日（２０１２．３．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２０４２１８（Ｐ２０１０−２０４２１８）
【出願日】平成２２年９月１３日（２０１０．９．１３）
【出願人】（０００２０４２６２）タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月２２日（２０１２．３．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月１３日（２０１０．９．１３）
【出願人】（０００２０４２６２）タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Ｆターム（参考）】
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