説明

遊技機

【課題】退避領域が狭い構成であっても可動する複数の部材を使って演出を行うことができる遊技機を得る。
【解決手段】パチンコ機10は、演出位置と退避位置へ移動する主可動体102と、主可動体102を移動させる駆動部104と、主可動体102に展開又は格納可能に設けられた副可動体106と、副可動体106を展開させるトーションばね108と、副可動体106と接触して格納させる受部材112と、を有している。ここで、駆動部104が主可動体102を演出位置へ移動させたときに副可動体106が展開されるので、遊技者は突然出現した主可動体102及び副可動体106に驚き、演出効果を高められる。また、駆動部104が主可動体102を退避位置へ移動させたとき、副可動体106が受部材112と接触して格納されるので、退避領域が狭い構成でも演出を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動する部材を使って演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の遊技機は、装飾部本体と、装飾部本体に対して回動可能に連結された回動装飾部材とを備えた役物が設けられている。装飾部本体にはバネが取付けられており、このバネを通常時にギアで引き付けることにより、装飾部本体及び回動装飾部材を図柄表示部の下方に収納している。そして、演出時にギアを回転することでバネを自由状態とし、バネの復元力により装飾部本体及び回動装飾部材を図柄表示部の前方に出現させている。
【0003】
しかし、特許文献1の遊技機では、回動装飾部材が、装飾部本体の移動の慣性力により、装飾部本体のスリットに案内されて円弧状に移動する構成となっており、回動装飾部材を直接動作させる手段が設けられていなかった。このため、バネの復元力が弱まって慣性力が低下したとき、回動装飾部材の移動が不十分となって演出が不十分となる場合があった。また、回動装飾部材を直接動作させる手段としてモータ及びギヤを用いた場合、装飾部本体及び回動装飾部材を大型化しなくてはならず、使用可能領域が狭い図柄表示部の周囲(下方)に装飾部本体及び回動装飾部材を収納することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−200789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、退避領域が狭い構成であっても可動する複数の部材を使って演出を行うことができる遊技機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る遊技機は、演出位置と退避位置へ移動する主装飾体と、前記主装飾体を前記演出位置又は前記退避位置へ移動させる移動手段と、前記主装飾体に展開又は格納可能に設けられた副装飾体と、前記演出位置で前記副装飾体が展開する方向へ付勢する弾性部材と、前記退避位置に設けられ、前記主装飾体が前記退避位置へ退避したとき、前記副装飾体と接触して前記副装飾体を格納させる受部材と、を有する。
【0007】
上記構成によれば、遊技機の演出時において、移動手段が主装飾体を退避位置から演出位置へ移動させたとき、副装飾体が弾性部材の付勢力によって展開される。これにより、遊技者は、突然出現した主装飾体及び副装飾体に驚くので、演出効果が高められる。
【0008】
一方、遊技機の非演出時において、移動手段が主装飾体を演出位置から退避位置へ移動させたとき、受部材が、副装飾体と接触することで弾性部材の付勢力(復元力)に抵抗すると共に副装飾体を格納させる。このように、主装飾体の退避位置への退避に合わせて副装飾体が格納されるので、退避領域が狭い構成であっても可動する複数の部材(主装飾体及び副装飾体)を使って演出を行うことができる。
【0009】
また、受部材に副装飾体を接触させるだけで副装飾体を格納することができるので、副装飾体に展開又は格納を行うための駆動源を設けた構成に比べて、副装飾体を小型化することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る遊技機は、前記副装飾体の前記受部材と接触する接触部が曲面を有する。
【0011】
上記構成によれば、副装飾体の接触部が受部材と接触して格納されるとき、接触部が曲面となっているため、副装飾体が移動して配置角度が変化しても接触部と受部材との接触面積の変動が抑制される。これにより、接触部と受部材との接触による摩擦力の変動が抑制されるので、副装飾体の格納動作が途中で止まるのを防ぐことができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る遊技機は、前記副装飾体は、前記主装飾体に回転可能に連結され該主装飾体を中心に左右対称に展開動作又は格納動作を行う。
【0013】
上記構成によれば、主装飾体が演出位置に移動したとき、副装飾体が主装飾体を中心に左右対称に回転して展開動作を行う。また、主装飾体が退避位置に移動したとき、副装飾体が主装飾体を中心に左右対称に回転して格納動作を行う。これにより、主装飾体の一方側のみに副装飾体を移動可能に設けた構成に比べて、主装飾体及び副装飾体の全体の意匠性を向上させることができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る遊技機は、前記主装飾体は、一端が回転可能に支持され、他端に前記副装飾体が設けられ、前記移動手段は、前記主装飾体の一端側を回転駆動し、前記主装飾体及び前記副装飾体を前記演出位置又は前記退避位置へ移動させる。
【0015】
上記構成によれば、主装飾体が移動手段を中心として回転移動するので、移動手段の設置範囲は、主装飾体の回転移動範囲の中心部分のみで済む。これにより、狭いスペースであっても移動手段を設置することができる。
【0016】
本発明の請求項5に係る遊技機は、前記主装飾体は、一端が前記演出位置の周囲の隅部に回転可能に支持されている。
【0017】
上記構成によれば、主装飾体を回転移動させる移動手段も演出位置の周囲の隅部に配置されることになるので、演出位置の上下左右のスペースが狭い構成であっても、移動手段を設置することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記構成としたので、退避領域が狭い構成であっても可動する複数の部材を使って演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る遊技盤の正面図である。
【図3】本実施の実施形態に係る制御系のハード構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るパチンコ機の横断面(図2のA−A´断面)を下方側から見た状態の模式図である。
【図5】(A)本発明の実施形態に係る役物ユニットの格納状態を示す正面図である。(B)本発明の実施形態に係る役物ユニットの格納状態を示す背面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る役物ユニットの副可動体の展開構造を背面側から見た状態を示す構成図である。
【図7】(A)本発明の実施形態に係る役物ユニットの駆動部が露出した状態の斜視図である。(B)本発明の実施形態に係る役物ユニットの駆動部が露出した状態の正面図である。
【図8】(A)本発明の実施形態に係る役物ユニットの展開状態を示す斜視図である。(B)本発明の実施形態に係る役物ユニットの展開状態を示す正面図である。
【図9】(A)本発明の実施形態に係る主可動体及び副可動体が収納された状態におけるLCD表示部及びその周縁を示す部分構成図である。(B)本発明の実施形態に係る主可動体及び副可動体が展開された状態におけるLCD表示部及びその周縁を示す部分構成図である。
【図10】(A)、(B)本発明の実施形態に係る副可動体が受部材の壁部と接触して格納される状態を示す模式図である。
【図11】(A)本発明の実施形態に係る副可動体の展開状態を示す背面図である。(B)本発明の実施形態に係る副可動体の格納状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る遊技機の一例について説明する。
【0021】
(パチンコ機の構成)
図1には、本実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備(図示省略)に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には、合成樹脂で矩形額縁状に形成された内枠14が配置されており、内枠14の下側となる外枠12の前面下端部には、パチンコ機10の前面下端部を構成する合成樹脂製の下飾り16が取付けられている。
【0022】
下飾り16の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板18を装着したガラス枠20が配置されており、ガラス枠20は左側端部が軸支されて開閉可能に取付けられている。このガラス枠20の奥側には、着脱交換可能に遊技盤22がセットされており、遊技盤22は、ガラス枠20で閉塞された状態でガラス板18に対向するようになっている。
【0023】
ガラス枠20の下部には、一体皿24が配置されている。そして、パチンコ機10の正面視で一体皿24の右端部には鍵穴26が設けられている。ここで、鍵穴26にキーを差し込み、左右の内、一方に回すと、ガラス枠20が図示の手前側に開放可能となり、他方に回すと、一体皿24が図示の手前側に開放可能となる。
【0024】
一体皿24には、遊技球(図示省略)が払い出される上皿部28と、上皿部28で満杯となった遊技球が送り出される下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられており、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球を外部(例えば、いわゆる「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
【0025】
上皿部28の周縁壁部32における右端部には、球貸ボタン38と、返却ボタン42が設けられている。また、一体皿24の右側下部には、遊技球(打球)の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル44が取付けられており、左側下部には、灰皿46が収納されている。そして、一体皿24における下皿部30の右側には、スピーカ50が設けられている。
【0026】
さらに、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン52が設けられている。操作ボタン52は、遊技中の操作有効期間中に遊技者が操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
【0027】
一方、ガラス枠20におけるガラス板18の周囲には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出すアーチ状の上側照明部54が設けられている。そして、上側照明部54の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下側照明部56の上端部と連結されている。この結果、上側照明部54と下側照明部56とで、遊技盤22の周囲を取り囲むように、照明部58が形成されている。
【0028】
上側照明部54及び下側照明部56は、照明部材(LED等)が取付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように所定の意匠で形成されたレンズカバー62とを含んで構成されている。そして、レンズカバー62は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
【0029】
また、ガラス枠20の上方角部には、それぞれ三連表示灯64が設けられており、遊技状態の報知(エラー報知や後述する不正報知等を含む)に用いられるようになっている。さらに、上側照明部54における、ガラス枠20の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に音声を出力するようになっている。
【0030】
(遊技盤の構成)
図2に示すように、遊技盤22は、一例として、アクリル板で構成されており、このアクリル板の表面(遊技者側の面)である盤面22Aの外周端部付近に、円弧状の外レール72及び内レール74が取付けられている。これらの外レール72及び内レール74によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域Sとされている。
【0031】
遊技盤22の遊技領域Sには、釘75(1本のみ図示して残りは図示省略)及び風車76が点在して打ち込まれている。また、遊技領域Sにおけるほぼ中央には開口部83が形成されており、開口部83の周縁部を覆うようにしてセンター役物ユニット80が配置されている。そして、遊技盤22とセンター役物ユニット80との間には、詳細を後述する役物ユニット100が設けられている。
【0032】
センター役物ユニット80は、各種演出等の映像(図柄の変動やキャラクタの移動等)を表示して演出が行われるLCD表示部82と、LCD表示部82の周縁に設けられた装飾部84とを有している。LCD表示部82では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合、あるいは、3列の内、先に左右2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの中央の1列が変動中の場合を「リーチ」という。
【0033】
装飾部84は、LCD表示部82の中央上部に配置され、LCD表示部82に登場するキャラクタに関連した装飾が施された装飾部材86と、装飾部材86の左右に配置され遊技状態に合わせて発光するパトランプ88と、を含んで構成されている。
【0034】
一方、センター役物ユニット80の下辺部には、ステージ80Sが形成されている。ステージ80Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、あるいは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。また、ステージ80Sは、傾斜面や突起部等が形成されており、遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化して、最終的に下辺手前から遊技盤22へ戻されるようになっている。
【0035】
センター役物ユニット80の右側(図示の右側)には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート92と、通過ゲート92の下側に配置された電動チューリップ93と、電動チューリップ93の下側に配置されたアタッカー94とが設けられている。また、センター役物ユニット80の下部には、特別図柄始動入賞口96が設けられている。
【0036】
電動チューリップ93は、遊技盤22の裏面側に配設された電チューソレノイド(図示省略)の通電、非通電によって開閉する構成となっており、開放状態で遊技球PBの入賞が可能となる。また、特別図柄始動入賞口96は、常時、上部が開口しており、ステージ80Sから落下した遊技球PBや、複数の釘75で案内された遊技球PBが入賞可能となっている。
【0037】
アタッカー94は、遊技者が賞球を得るための入賞口であり、アタッカー94の前方には開閉扉95が開閉可能に設けられている。開閉扉95は、ソレノイド(図示省略)の通電により遊技者側(図示の手前側)に移動してアタッカー94を開放し、又はソレノイドへの非通電により直立してアタッカー94を閉塞するようになっている。すなわち、開閉扉95の開放時には、開閉扉95上に落下した遊技球PBが開閉扉95に案内されてアタッカー94へ入賞する。
【0038】
また、遊技領域Sの中央の最下位置には、入賞せずに流化した遊技球PB(外れ球)を遊技盤22の裏側へ排出するアウト口97が設けられている。さらに、遊技領域Sにおけるセンター役物ユニット80よりも下方左側には、サイド入賞口98が設けられている。
【0039】
ここで、特別図柄始動入賞口96に遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、アタッカー94の開閉扉95が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
【0040】
特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知され、この図柄変動パターン演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった視覚的な演出をすることがあり、その場合は、効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
【0041】
なお、通過ゲート92を遊技球PBが通過することで行われる普通図柄抽選に当選すると、所定の短時間で電動チューリップ93が開放するようになっている。また、特別図柄抽選に当選し、遊技状態がいわゆる確率変動状態となった場合は、普通図柄抽選の時間が短縮され、所定時間当たりの電動チューリップ93の開放回数が増加するようになっている。そして、電動チューリップ93に遊技球PBが入賞したとき、特別図柄始動入賞口96と同様に特別図柄抽選が行われるようになっている。
【0042】
一方、遊技盤22の裏面側(遊技者と対面する側を表面とする)におけるセンター役物ユニット80の下部には、複数の球通路が形成された球案内パネル(図示省略)が取付けられている。球案内パネルは、センター役物ユニット80の下部に集中している入賞口(特別図柄始動入賞口96やサイド入賞口98)に、複数の球通路がそれぞれ対応するように取付けられている。
【0043】
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
【0044】
図3に示すように、パチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。また、主制御部150からは、盤用外部端子170を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当り信号、図柄確定回数信号)が送信される。
【0045】
図2及び図3に示すように、主制御部150には、入力系として、通過ゲート92を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ182、特別図柄始動入賞口96への入賞球を検出する特図始動口センサ184、特別遊技状態の際に開放するアタッカー94への入賞球を検出するアタッカーセンサ186、サイド入賞口98への入賞球を検出する一般入賞センサ188が接続されている。
【0046】
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報を上側照明部54及び下側照明部56(図1参照)に設けたランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット172、電動チューリップ93を開閉する電チューソレノイド174、アタッカー94の開閉扉95を開閉するためのアタッカーソレノイド176が接続されている。
【0047】
演出制御部152には、入力系として、操作ボタン52が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子178、スピーカ50及びスピーカ60(60L、60C、60R)が接続されている。さらに、演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部82が接続されている。
【0048】
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置166が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者による発射ハンドル44(図1参照)の操作により発射装置166を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、発射ハンドル44の操作量に応じた発射力を制御する。さらに、払出制御部154では、枠用外部端子168を介して、払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
【0049】
演出制御部152には、出力系として、図柄制御部156を介して電飾制御部158が設けられている。電飾制御部158では、パトランプ88(図2参照)の発光制御が行われるようになっている。なお、パトランプ88の発光は、パチンコ機10の遊技仕様に基づいて設定される。
【0050】
ここで、ホールの島設備(図示省略)にパチンコ機10(図1参照)が取付けられた状態において、遊技盤22(図1参照)を正面視したときの右方向を矢印X方向、上方向を矢印Y方向、遊技者から遊技盤22に向かう方向(奥行き方向)を矢印Z方向とすると、図4に示すように、遊技盤22よりも矢印Z方向側(奥側)には、遊技盤22の裏面を覆うようにして本体カバー部材23が取付けられている。そして、本体カバー部材23には、センター役物ユニット80が取付けられている。
【0051】
本体カバー部材23は、X−Z断面が矢印Z方向に凸形状で且つ遊技盤22側が開放された形状となっており、内側中央に形成された凹部23AにはLCD表示部82が固定されている。また、本体カバー部材23は、矢印Z方向外側で且つLCD表示部82の裏側に制御ボックス25が取付けられている。そして、制御ボックス25内には、主制御部150を含む各制御部(図3参照)等の基板が設けられている。
【0052】
一方、本体カバー部材23におけるLCD表示部82よりも前側(矢印Z方向とは反対側)には、センター役物ユニットの一部を構成する装飾部材103、105が、矢印X方向で左右に分かれてネジ等の締結部材(図示省略)により取付けられている。そして、装飾部材103と本体カバー部材23との間の空間に、後述する役物ユニット100が配置されている。
【0053】
なお、遊技盤22を矢印Z方向に正面視したとき、装飾部材103の右側面M1(二点鎖線で図示)と、装飾部材105の左側面M2(二点鎖線で図示)との間隔である幅Wに相当する範囲が、遊技者が視認可能となるLCD表示部82の視認可能領域となる。
【0054】
(要部構成)
次に、パチンコ機10に設けられた役物ユニット100について説明する。
【0055】
図5(A)に示すように、役物ユニット100は、主装飾体の一例としての主可動体102と、主可動体102を移動させる移動手段の一例としての駆動部104と、主可動体102に設けられた副装飾体の一例としての副可動体106と、副可動体106が展開する方向へ該副可動体106を付勢する弾性部材の一例としてのトーションばね108(図6参照)と、副可動体106を格納させる受部材112と、を含んで構成されている。そして、主可動体102及び副可動体106は、装飾の一例として、椰子の木を再現している。
【0056】
また、役物ユニット100は、副可動体106の格納状態において、遊技盤22の裏側で且つ開口部83の縁部よりも左側に収納されている。このため、役物ユニット100は、副可動体106の右端部のみがLCD表示部82の前方へ僅かに露出しているだけで、遊技者からは、ほとんど視認されない配置となっている。
【0057】
図5(B)に示すように、主可動体102は、椰子の木の幹に相当する軸部102Aを有している。軸部102Aの軸方向中央には、外側へ板状に突出した突出部102Bが形成されており、突出部102Bには、豚の形をした装飾部品109が取付けられている。また、軸部102Aの上端には、軸方向と交差する方向(LCD表示部82(図5(A)参照)と平行となる方向)に拡幅された拡幅部102Cが形成されている。なお、装飾部品109は無くてもよい。
【0058】
拡幅部102Cの前側(遊技者側)には、拡幅部102Cと矢印Z方向に間隔をあけて装飾部品111が配置されている。装飾部品111は、複数の椰子の実を表現した形状となっており、拡幅部102Cと装飾部品111とで、副可動体106が移動可能に挟まれている。また、軸部102Aの下端には、円盤状の回転部102Dが一体で形成されている。
【0059】
回転部102Dは、円盤の中心となる位置に矢印Z方向を軸方向とするシャフト102Eが挿通されている。そして、回転部102Dは、シャフト102Eがブラケット107により支持されることで、シャフト102Eを中心として回転可能に支持されている。このようにして、主可動体102は、図5(A)に示すように、一端(下端)がLCD表示部82の周囲の隅部85に回転可能に連結され、後述する演出位置又は退避位置へ移動可能となっている。
【0060】
ここで、図5(B)に示すように、軸部102Aは、回転部102Dの半径方向(図示の矢印D方向)とは交差する方向に延びており、回転部102Dの回転中心位置Oは、軸部102Aの軸線上から矢印X方向へずれた位置となっている。また、回転部102Dの一方の面(円形の面)には、後述するガイド部材114(図7(A)参照)が固定されている。
【0061】
図6に示すように、副可動体106は、椰子の木の葉に相当する左可動体106A及び右可動体106Bを含んで構成されている。遊技者から見て、左可動体106Aは軸部102Aの上端で左側へ延出された葉状の部材であり、右可動体106Bは軸部102Aの上端で右側へ延出された葉状の部材である。なお、図6では、役物ユニット100を裏側から見ているため、左可動体106A及び右可動体106Bの位置は逆になっている。
【0062】
左可動体106Aは、外周に沿って補強用のリブ115が矢印Z方向側に立設されている。また、左可動体106Aの裏側で且つ長手方向の一端側(上端側)には、ネジ118を締結するための円筒状の締結用ボス116と、左ギア部材124を固定するための円筒状の固定用ボス122とが、矢印Z方向に立設されている。なお、軸部102Aに対して、締結用ボス116は固定用ボス122よりも遠い側に設けられている。
【0063】
左ギア部材124は、板状の部材であり、長手方向の一端が半円形状の取付部124Aとされ、他端が複数の歯からなる左ギア部124Bとされている。ここで、取付部124Aには、矢印Z方向に貫通した取付孔124Cが形成されており、取付孔124Cに固定用ボス122を圧入することで、左可動体106Aに左ギア部材124が固定されている。また、左ギア部124Bには、矢印Z方向に貫通した貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0064】
さらに、左可動体106Aの裏側で且つ長手方向の他端側(下端側)のリブ115には、受部材112(図5(B)参照)と接触する接触部115Aが形成されている。接触部115Aは、矢印Z方向に見て半円形状の曲面(側面)を有している。なお、接触部115Aは、球状となっていてもよい。
【0065】
右可動体106Bは、外周に沿って補強用のリブ117が矢印Z方向側に立設されている。また、右可動体106Bの裏側で且つ長手方向の一端側(上端側)には、右ギア部材126を固定するための円筒状の固定用ボス128が、矢印Z方向に立設されている。
【0066】
右ギア部材126は、板状の部材であり、長手方向の一端が半円形状の取付部126Aとされ、他端が複数の歯からなる右ギア部126Bとされている。なお、右ギア部126Bの歯と左ギア部124Bの歯は、ピッチが同じとされており、噛み合わせ可能となっている。そして、取付部126Aには、矢印Z方向に貫通した取付孔126Cが形成されており、取付孔126Cに固定用ボス128を圧入することで、右可動体106Bに右ギア部材126が固定されている。また、右ギア部126Bには、矢印Z方向に貫通した貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0067】
一方、主可動体102の拡幅部102Cは略五角形状に形成されており、拡幅部102Cの下部には、左右のネジ131A、131Bにより装飾部品111が取付けられている。また、左右のネジ131A、131Bよりも上側で且つ拡幅部102Cの中央部に近い位置には、ネジ132を締結するための円筒状の締結用ボス134が、矢印Z方向に立設されている。
【0068】
さらに、拡幅部102Cの上部には、左右に間隔をあけて、矢印Z方向を軸方向とする円筒状の左ボス136及び右ボス138が立設されている。左ボス136は、図示の右側に配置されており、矢印Z方向の手前側の端部は、矢印Z方向と直交する外側方向へ突出して突出部136Aが形成されている。また、左ボス136は、内側に円柱状のピン137が挿入されている。そして、右ボス138は、内側に円柱状のピン139が挿入されている。
【0069】
ここで、主可動体102への副可動体106の組み付け方法の一例として、まず、左可動体106Aに左ギア部材124を固定し、右可動体106Bに右ギア部材126を固定しておく。そして、拡幅部102Cのピン137を左ギア部材124の貫通孔(図示省略)に挿通させると共に、拡幅部102Cのピン139を右ギア部材126の貫通孔(図示省略)に挿通させる。このとき、左可動体106A及び右可動体106Bが、主可動体102を中心として左右対称な配置となるように、左ギア部124Bの歯と右ギア部126Bの歯を噛み合わせる。
【0070】
続いて、主可動体102と装飾部品111とで左可動体106A及び右可動体106Bを挟んだ状態で、ネジ131A、131Bを締結し、主可動体102に装飾部品111を固定する。これにより、副可動体106(左可動体106A及び右可動体106B)は、主可動体102に回転可能に連結され、主可動体102を中心に左右対称に展開動作又は格納動作が可能となる。
【0071】
続いて、トーションばね108を拡幅部102Cに取付ける。ここで、トーションばね108は、螺旋状に形成された中央部108Aと、中央部108Aから一方へ直線状に延出された一端部108Bと、中央部108Aから他方へ直線状に延出された他端部108Cとで構成されている。そして、拡幅部102Cの左ボス136に中央部108Aを外挿すると共に突出部136Aに引っ掛け、抜けないようにした状態で、一端部108Bの先端側をネジ118を用いて締結用ボス116に固定し、他端部108Cの先端側をネジ132を用いて締結用ボス134に固定する。
【0072】
これにより、左可動体106Aが格納方向(矢印−R方向であり左可動体106Aが主可動体102に近づく回転方向)に回転移動して格納状態となったとき、トーションばね108には、左可動体106Aを展開方向(矢印+R方向であり左可動体106Aが主可動体102から離れる回転方向)に付勢して回転移動(展開)させる付勢力(復元力)Fが作用するようになっている。
【0073】
図7(A)、(B)に示すように、駆動部104は、電飾制御部158(図3参照)からの通電により動作されるモータ142と、モータ142が動作されることで回転するモータギア144と、モータギア144と噛合可能に形成されたクランクギア146と、クランクギア146の回転力を主可動体102に伝達するためのガイド部材114とを含んで構成されている。
【0074】
クランクギア146は、図示しないブラケットにより矢印Z方向を軸方向として支持されたシャフト147によって回転可能に支持されており、外周の半分は円弧状とされ、外周の残りの半分はモータギア144と噛み合うギア部146Aとされている。また、クランクギア146のギア部146Aとは反対側の部位(シャフト147とは異なる部位)には、矢印Z方向を軸方向とする円柱状のガイドピン146Bが固定されている。なお、役物ユニット100を矢印X方向から見たとき、クランクギア146の矢印Z方向側にガイド部材114が配置され、クランクギア146のガイド部材114側とは反対側にモータ142が配置されている。
【0075】
ガイド部材114は、回転部102Dと同じ大きさの円盤状に形成された取付部114Aと、取付部114Aの外周の一部から半径方向外側へ扇形に突出したガイド部114Bと、ガイド部114Bにおいて取付部114Aの半径方向に沿って形成された長孔であるガイド孔114Cと、ガイド部114Bの下端で矢印Z方向とは反対方向に突出形成された板状の被検出部114Dと、で構成されている。
【0076】
取付部114Aは、回転部102Dにネジ149で固定されている。また、ガイド孔114Cは、短手方向の幅がガイドピン146Bの外径よりも僅かに大きい幅とされ、ガイドピン146Bが挿通されている。さらに、被検出部114Dが移動する移動経路(軌跡)上には、被検出部114Dの通過を検出する位置検出センサ145が設けられている。
【0077】
図7(A)に示すように、位置検出センサ145は、光を出射する出射部145Aと、出射部145Aから出射された光を受光する受光部145Bとが対向配置されており、受光部145Bで光を検出しているときはOFF信号を出力し、光が遮断されたときにON信号を出力する。そして、位置検出センサ145から出力されたOFF信号、ON信号は、電飾制御部158(図3参照)に入力され、電飾制御部158において、主可動体102の停止位置(演出位置)が検出されるようになっている。なお、主可動体102がもう一方の停止位置(退避位置)に位置しているかどうかについては、モータ142の初期位置からの駆動量に基づいて検出されるようになっている。
【0078】
ここで、駆動部104のモータ142が動作して、モータギア144が正回転又は逆回転すると、クランクギア146が正回転又は逆回転し、主可動体102の一端側(下端側)が回転駆動される。そして、ガイド部材114及び主可動体102(副可動体106を含む)がまとまって、演出位置又は退避位置に移動するようになっている。
【0079】
なお、演出位置とは、図9(B)に示すように、主可動体102及び副可動体106がLCD表示部82の前方に露出して、遊技者が主可動体102及び副可動体106を視認可能となる位置である。また、退避位置とは、図9(A)に示すように、主可動体102及び副可動体106が遊技盤22の裏側(LCD表示部82よりも左側)に収納され、遊技者が主可動体102及び副可動体106をほとんど視認できない(僅かに副可動体106の端部が見える程度の)状態となる位置である。
【0080】
一方、図7(B)に示すように、受部材112は、X−Y面に広がる板状部材であり、遊技盤22の裏側にネジ等の固定手段を用いて固定され、矢印Z方向における主可動体102及び副可動体106の手前側(遊技者側)に配置されている。即ち、受部材112は退避位置に設けられている。また、受部材112は、矢印Z方向奥側(裏側)の面から奥側へ向けて、壁部113が突出形成されている。
【0081】
図7(B)及び図10(A)に示すように、壁部113は、矢印Z方向に見て、矢印Y方向に真っ直ぐに延びる鉛直壁113Aと、鉛直壁113Aの上端で矢印X方向に拡幅されると共に一体形成された湾曲壁113Bとで構成されている。なお、図10(A)、(B)では、受部材112の裏側に配置される壁部113及び左可動体106Aの接触状態を明確にするために、壁部113及び左可動体106Aを実線表示している。
【0082】
湾曲壁113Bには、上方が矢印Y方向から矢印X方向へ湾曲した湾曲面113Cが形成されており、湾曲面113Cは、左可動体106Aの接触部115Aと対向配置されている。これにより、受部材112では、主可動体102(図7(B)参照)が退避位置へ退避したとき、左可動体106A(副可動体106)の接触部115Aと接触して、接触部115Aを下方側へ案内し、左可動体106Aを格納させるようになっている。
【0083】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0084】
図2に示すパチンコ機10では、大当り確率が低い通常遊技状態において、特別図柄始動入賞口96に遊技球PBが入賞することで特別図柄抽選を行う。そして、特別図柄抽選の当選/落選が、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知される。なお、遊技者が遊技を開始したときは、図9(A)及び図7(A)、(B)に示すように、主可動体102及び副可動体106が退避位置に収納され、副可動体106が格納状態となっている。
【0085】
続いて、LCD表示部82において、3つの図柄(図示省略)のうち2つが揃ったリーチ演出が行われるとき、図8(A)、(B)、及び図9(B)に示すように、駆動部104が動作される。そして、駆動部104は、モータ142の回転によってモータギア144及びクランクギア146が回転し、ガイドピン146Bが移動してガイド部材114を回転させることで、主可動体102を退避位置から演出位置(図8(A)の矢印A方向)へ移動させる。
【0086】
ここで、駆動部104が主可動体102を演出位置へ移動させたとき、図6及び図8(A)に示すように、左可動体106Aがトーションばね108の復元力Fによって矢印+R方向へ展開される。そして、左ギア部124Bと右ギア部126Bが噛み合っていることから、左可動体106Aの回転と同時に右可動体106Bも回転し、右可動体106Bが矢印−R方向に展開される。即ち、左可動体106Aと右可動体106Bが同時に展開される。これにより、遊技者は、突然出現した主可動体102及び副可動体106(左可動体106A及び右可動体106B)に驚くことになり、リーチ演出効果が高められる。
【0087】
一方、リーチ演出が終了したとき(非演出時)、駆動部104が動作され、主可動体102を演出位置から退避位置(図8(A)の矢印B方向)へ移動させる。このとき、図10(A)、(B)に示すように、左可動体106Aの接触部115Aが壁部113の湾曲面113Cと接触することで、左可動体106Aは、トーションばね108(図6参照)の復元力Fに抵抗すると共に接触部115Aが下方側へ移動(案内)される。
【0088】
これより、図11(A)に示すように展開されていた左可動体106A及び右可動体106Bは、図11(B)に示すように、退避位置で格納される。そして、図9(A)に示すように、役物ユニット100は、遊技者からほとんど視認されない退避位置に収容される。
【0089】
このように、本実施形態のパチンコ機10では、主可動体102の退避位置への退避に合わせて副可動体106が格納されるので、図4に示すように、退避領域が狭い構成であっても、可動する複数の部材(主可動体102及び副可動体106)を使って演出を行うことができる。そして、退避領域が狭い構成でも演出ができることから、主可動体102及び副可動体106を無理に小型化する必要がなくなり、演出効果が小さくなるのを抑制することができる。
【0090】
また、パチンコ機10では、受部材112に左可動体106Aを接触させるだけで副可動体106を格納できるので、副可動体106に展開又は格納を行うための駆動源(モータ等)を直接設ける構成に比べて、副可動体106を小型化することができる。
【0091】
さらに、パチンコ機10では、左可動体106Aの接触部115Aが受部材112と接触して格納されるとき、接触部115Aが曲面となっているため、左可動体106Aが移動して配置角度が変化しても、接触部115Aと受部材112との接触面積の変動が抑制されると共に引っ掛かりにくくなる。これにより、接触部115Aと受部材112との接触による摩擦力の変動が抑制されるので、副可動体106の格納動作が途中で止まるのを防ぐことができる。
【0092】
加えて、パチンコ機10では、主可動体102が演出位置に移動したとき、左可動体106A及び右可動体106Bが、主可動体102を中心に左右対称に回転して展開動作を行う。また、主可動体102が退避位置に移動したとき、左可動体106A及び右可動体106Bが、主可動体102を中心に左右対称に回転して格納動作を行う。このため、主可動体102を中心として一方側(例えば左側)のみに副可動体106を移動可能(展開及び格納可能)に設けた構成に比べて、主可動体102及び副可動体106の全体の意匠性を向上させることができる。
【0093】
また、パチンコ機10では、主可動体102が駆動部104を中心として回転移動するので、駆動部104の設置範囲は、主可動体102の回転移動範囲の中心部分のみで済む。これにより、LCD表示部82(図2参照)の周囲のスペースが狭くても駆動部104を設置することができる。
【0094】
さらに、パチンコ機10では、主可動体102を回転移動させる駆動部104も演出位置の周囲の隅部85(図5(A)参照)に配置されることになるので、演出位置の上下左右のスペースが狭い構成であっても、駆動部104を設置することができる。
【0095】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0096】
実施形態では、遊技機としてパチンコ機について説明していたが、他の例として、液晶部を演出部とするパチスロ機に役物ユニット100を設けて、液晶部でのリーチ演出に合わせて液晶部の手前側に主可動体102及び副可動体106を移動させるように構成してもよい。
【0097】
また、主装飾体は、回転によって演出位置へ移動するものに限らず、例えば、ステージ80Sの裏側(LCD表示部82よりも下側)の退避位置から上方の演出位置へ直線状に移動するものであってもよい。この場合、主装飾体の移動は、ピニオンとラックを用いて行えばよい。そして、副装飾体を主装飾体の上端に回転可能に連結すると共に弾性部材で展開可能としておき、退避位置には、下方側ほど主装飾体との距離が狭くなる傾斜壁を設けておく。これにより、主装飾体を退避位置に収納したとき、副装飾体が傾斜壁と接触して徐々に格納されるようになる。
【0098】
さらに、主装飾体は、例えば、ステージ80Sの裏側で且つLCD表示部82の右端部よりも右側又は左端部よりも左側の退避位置から、中央の演出位置へスライド移動するものであってもよい。この場合、主装飾体のスライド移動は、一例として、ボールネジで行えばよい。そして、副装飾体を主装飾体の上端に回転可能に連結すると共に弾性部材で展開可能としておき、退避位置には、副装飾体と接触する傾斜壁を設けておく。これにより、主装飾体を退避位置に収納したとき、副装飾体が傾斜壁と接触して徐々に格納されるようになる。
【0099】
加えて、副装飾体の展開は、トーションばね108だけに限らず、細いワイヤーを用いて主装飾体側へ引張ったり、あるいは、回転可能とされた副装飾体の一端の内部に錘部材を設けて、他端が自重で展開するように構成してもよい。また、副装飾体は、回転で展開するものに限らず、弾性部材を用いて左右方向(横方向)に直線状に展開するものであってもよい。さらに、主装飾体及び副装飾体は、LCD表示部82の左右両側、又は上下両側に設けてもよく、また、LCD表示部82の四隅のうちの2〜4箇所に設けてもよい。
【符号の説明】
【0100】
10 パチンコ機(遊技機の一例)
85 隅部
102 主可動体(主装飾体の一例)
104 駆動部(移動手段の一例)
106 副可動体(副装飾体の一例)
106A 左可動体(副装飾体の一例)
106B 右可動体(副装飾体の一例)
108 トーションばね(弾性部材の一例)
112 受部材
115A 接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出位置と退避位置へ移動する主装飾体と、
前記主装飾体を前記演出位置又は前記退避位置へ移動させる移動手段と、
前記主装飾体に展開又は格納可能に設けられた副装飾体と、
前記演出位置で前記副装飾体が展開する方向へ付勢する弾性部材と、
前記退避位置に設けられ、前記主装飾体が前記退避位置へ退避したとき、前記副装飾体と接触して前記副装飾体を格納させる受部材と、
を有する遊技機。
【請求項2】
前記副装飾体の前記受部材と接触する接触部が曲面を有する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記副装飾体は、前記主装飾体に回転可能に連結され該主装飾体を中心に左右対称に展開動作又は格納動作を行う請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記主装飾体は、一端が回転可能に支持され、他端に前記副装飾体が設けられ、
前記移動手段は、前記主装飾体の一端側を回転駆動し、前記主装飾体及び前記副装飾体を前記演出位置又は前記退避位置へ移動させる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記主装飾体は、一端が前記演出位置の周囲の隅部に回転可能に支持されている請求項4に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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