説明

遊技機

【課題】遊技機への電力供給が遮断された状態において開閉体が開放された場合であっても、その開放があったことを発見することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ機は主制御装置162を備えており、当該主制御装置162に搭載されたCPU311において各種処理が実行される。当該構成において、前扉枠の開閉操作を監視する第1監視装置251と、遊技機主部の開閉操作を監視する第2監視装置252とが設けられている。これら監視装置251,252は主制御装置162と電気的に接続されており、電力供給が遮断された時点における各監視装置251,252の検知状態は主制御装置162のRAM313に記憶される。そして、電力供給が開始された場合には、そのRAM313に記憶された検知状態を用いて、電力供給が遮断された状態で前扉枠や遊技機主部が開閉操作されたか否かが判定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機は、外枠に対して開閉可能に取り付けられた本体枠と、本体枠に対して開閉可能に取り付けられた前面扉とを備えている。また、パチンコ機には、制御装置が設けられているとともに、外枠に対する本体枠の開放や本体枠に対する前面扉の開放を検知する開放スイッチが設けられている。そして、前面扉や本体枠が開放された場合には、それらの開放が開放スイッチにより検知され、その検知結果が制御装置に入力される。制御装置では、開放スイッチからの検知結果に基づいて前面扉や本体枠が開放されたと判断した場合、スピーカ部やランプ部を用いてその旨の報知などを実行する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、パチンコ機においては、前面扉を開放し、本体枠の前面側に設けられた遊技領域に対して不正を行う行為が想定される。また、本体枠を開放し、本体枠の背面側に搭載された制御装置に対して不正を行う行為が想定される。これに対して、パチンコ機の電源が投入されている状況では、上記のとおり、前面扉や本体枠の開放が制御装置において把握され、それに対して報知処理などが実行されるため、遊技ホールの管理者等は上記不正行為に対処することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−320744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、電源遮断中における不正行為に対処可能な構成を提供する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
なお、上記問題は、パチンコ機に限って発生するものではなく、前面扉や本体枠などの開閉体を有する他の遊技機にも同様に発生するものである。
【0007】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、電源遮断中における不正行為に対処可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、支持対象に対して開閉可能に支持された開閉体と、当該開閉体の背面側又は後方に設けられ外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器と、を備えている遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されており、前記外部電源からの電力供給の少なくとも遮断中において、前記開閉体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶する記憶手段と、
前記監視手段の待機状態を把握する把握手段と、
前記外部電源からの電力供給が開始された場合に前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較する比較手段と、
を備え、
前記監視手段は、
前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合に押圧力が付与されて第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合に前記押圧力の付与が解除されて前記第1位置から第2位置に移動する移動体と、
予め設定された複数の待機位置に段階的に移動可能に設けられ、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したこと及び前記第2位置から前記第1位置に移動したことの少なくとも一方に機械的に連動して待機位置が変更される連動体と、
前記複数段階の待機状態として複数段階の検知状態が予め設定されており、前記連動体の待機位置に応じて前記検知状態が変更される検知手段と、
を備え、
当該検知手段の検知状態は、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したことに基づいて変更され、前記移動体が前記第2位置から前記第1位置に移動したとしても変更されないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源遮断中における不正行為に対処可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図4】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図5】前扉枠の構成を示す背面図である。
【図6】本体枠の構成を示す正面図である。
【図7】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図8】本体枠の構成を示す背面図である。
【図9】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図10】遊技盤から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
【図11】主制御装置ユニットの構成を示す斜視図である。
【図12】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図13】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図14】第1監視装置を説明するための説明図である。
【図15】第2監視装置を説明するための説明図である。
【図16】監視装置の構成を示す斜視図である。
【図17】監視装置の構成を示す分解斜視図である。
【図18】監視装置の構成を示す断面図である。
【図19】(a)蓋用ケース体の構成を示す側面図、(b)プッシャの構成を示す側面図、(c)回転子の構成を示す側面図、(d)円盤の構成を示す側面図、(e)回転軸体の構成を示す側面図である。
【図20】プッシャの移動に連動した円盤の回転動作を説明するための説明図である。
【図21】蓋用ケース体の筒状領域、プッシャの開放部側及び回転子の大径部を展開して示す説明図である。
【図22】検知装置の構成を示す平面図である。
【図23】(a)円盤の構成を示す平面図、(b)(a)のA―A線断面図である。
【図24】円盤によって電気的に導通される金属端子の組合せと当該円盤の待機位置との関係について説明するための説明図である。
【図25】円盤によって電気的に導通される金属端子の組合せと当該円盤の待機位置との関係について説明するための説明図である。
【図26】検知装置からの検知信号パターンの切り替わりタイミングを説明するための説明図である。
【図27】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図28】主制御回路のCPUによるNMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図29】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図30】メイン処理を示すフローチャートである。
【図31】通常処理を示すフローチャートである。
【図32】電源遮断中における前扉枠及び遊技機主部の不正開放の監視に関する電気的構成を示すブロック図である。
【図33】通常時更新処理を示すフローチャートである。
【図34】第1更新処理を示すフローチャートである。
【図35】電断時更新処理を示すフローチャートである。
【図36】第2の実施形態における監視装置を説明するための説明図である。
【図37】第3の実施形態におけるスロットマシンを説明するための斜視図である。
【図38】別の監視装置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0012】
手段1.支持対象に対して開閉可能に支持された開閉体(遊技機主部12、前扉枠14等)と、当該開閉体の背面側又は後方に設けられ外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)と、を備えている遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給の少なくとも遮断中において、前記開閉体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶する記憶手段(RAM313の第1検知状態格納エリア313a,第2検知状態格納エリア313b)と、
前記監視手段の待機状態を把握する把握手段(CPU311における検知状態把握処理を行う機能)と、
前記外部電源からの電力供給が開始された場合に前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較する比較手段(CPU311におけるステップS308の比較処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0013】
手段1の遊技機では、外部電源から供給された電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
【0014】
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中に開閉体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。そして、電力供給が遮断された状態から電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが比較される。これにより、例えば、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開閉操作されていた場合には両待機状態が一致しない旨の比較結果となることで、遊技機において当該不正行為が行われたことを把握することが可能となり、当該不正行為に対処することが可能となる。
【0015】
なお、「前記開閉体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される」には、「閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作されたこと又は開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作されたことの少なくとも一方に基づいて前記待機状態が変更されるとともに、閉鎖操作後には前記待機状態が開閉操作前の状態から変更される」構成も含まれる。これは、以下の独立手段においても同様である。
【0016】
手段2.支持対象に対して開閉可能に支持された開閉体(遊技機主部12、前扉枠14等)と、当該開閉体の背面側又は後方に設けられ外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)と、を備えている遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給が行われている状況及び電力供給が遮断されている状況のいずれにおいても、前記開閉体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶するとともに、自身に電力が供給されている間は記憶した情報の保持を可能とする記憶手段(RAM313の第1検知状態格納エリア313a,第2検知状態格納エリア313b)と、
前記外部電源からの電力供給が停止されている状況において前記記憶手段に電力を供給する電断時用電源手段(データ記憶保持用コンデンサ321c)と、
前記監視手段の待機状態を把握する把握手段(CPU311における検知状態把握処理を行う機能)と、
前記外部電源からの電力供給が開始された場合に、前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較する比較手段(CPU311におけるステップS308の比較処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0017】
手段2の遊技機では、外部電源から供給された電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
【0018】
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中であっても開閉体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。また、外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態を記憶する記憶手段が設けられているとともに、外部電源からの電力供給が遮断された状況において記憶手段に電力を供給する電断時用電源手段が設けられている。そして、電力供給が遮断された状態から電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが比較される。これにより、例えば、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開閉操作されていた場合には両待機状態が一致しない旨の比較結果となることで、遊技機において当該不正行為が行われたことを把握することが可能となり、当該不正行為に対処することが可能となる。
【0019】
また、本構成においては、記憶手段では外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態が記憶されるとともに、電力供給が遮断された状況においては電断時用電源手段から供給される電力により記憶手段にて待機状態が記憶保持される。遊技機において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、監視手段がいずれの待機状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態の一定化を図ろうとすると、例えば、監視手段の待機状態に初期待機状態を設定しておくとともに、外部電源からの電力供給が遮断された場合に監視手段の待機状態を初期待機状態に変更させる必要が生じる。そうすると、監視手段の構成が複雑化してしまう。これに対して、本手段における構成によれば、上記のような監視手段の構成の複雑化を招くことなく、上記優れた効果を得ることができる。
【0020】
手段3.手段2において、前記外部電源からの電力供給が遮断される場合に、その場合の前記監視手段の待機状態を前記記憶手段に記憶させる電断時用記憶実行手段(CPU311における電断時更新処理を行う機能)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0021】
手段3によれば、外部電源からの電力供給が遮断される場合には、その場合の待機状態を記憶手段に記憶させる処理が実行される。これにより、電力供給が遮断された場合における待機状態を記憶手段に確実に記憶させることができる。
【0022】
手段4.手段2又は3において、前記外部電源からの電力供給が行われている状況で、少なくとも前記監視手段の待機状態が変更された場合に、その変更された待機状態に前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段(CPU311における通常時更新処理を行う機能)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0023】
手段4によれば、監視手段の待機状態が変更されると、記憶手段の記憶内容がその変更された待機状態に更新される。遊技機において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、監視手段がいずれの待機状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、上記のように待機状態が変更された場合には記憶手段の記憶内容をその変更された待機状態に更新することで、外部電源からの電力供給がいずれのタイミングで遮断されたとしても、その遮断された場合における待機状態を記憶手段に記憶させておくことができる。
【0024】
手段5.手段4において、前記監視手段から前記待機状態の情報を入力する入力手段(CPU311の入力ポート)と、
当該入力手段にて入力した待機状態の情報を定期的に確認する定期確認手段(CPU311における信号読み込み処理を行う機能)と、
をさらに備えており、
前記更新手段は、少なくとも前記定期確認手段により確認された待機状態が前記記憶手段に記憶されている待機状態と異なっている場合に、当該記憶手段の記憶内容を前記定期確認手段により確認された待機状態の情報に更新するものであることを特徴とする遊技機。
【0025】
手段5によれば、監視手段の待機状態が定期的に確認され、少なくとも確認された待機状態が記憶手段に記憶されている待機状態と異なっている場合には、記憶手段の記憶内容がその確認された待機状態に更新される。これにより、上記手段4の作用効果を得ることができる。
【0026】
手段6.手段1乃至5のいずれかにおいて、前記比較手段による比較結果が、前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とが一致しない比較結果であった場合に、特定出力処理を実行する特定出力処理手段(CPU311における報知処理を行う機能)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0027】
手段6によれば、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが一致しなかった場合には、特定出力処理が実行される。この特定出力処理として、例えば、遊技機に設置されたランプ、スピーカ又は表示画面を有する表示装置の少なくとも1つを駆動制御して報知を行わせるようにすることで、電力供給が遮断されている状況で開閉体が不正に開放操作されていたことを遊技機自身において報知することが可能となる。また、特定出力処理として、例えば、遊技ホールの管理装置(例えば、ホールコンピュータ)に異常信号を出力することで、上記不正行為が行われていたことを、管理装置を通じて遊技ホールの管理者等に報知することが可能となる。そして、これらの場合、遊技ホールの管理者等に対して、上記不正行為に対処するよう促すことが可能となる。
【0028】
手段7.手段1乃至6のいずれかにおいて、前記外部電源からの電力供給が開始された場合に予め定められた開始時用処理を実行する開始時用処理手段(CPU311におけるメイン処理を行う機能)をさらに備えており、
前記開始時用処理において、前記把握手段による前記待機状態の把握、及び前記比較手段による各待機状態の比較が行われることを特徴とする遊技機。
【0029】
手段7によれば、外部電源からの電力供給が開始される場合には、その開始に際して、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態との比較が行われる。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開放操作されていた場合には、電力供給の開始後に迅速に対処することが可能となる。
【0030】
手段8.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記監視手段は、閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作されたことに基づいて前記待機状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作されたとしても前記待機状態が変更されないものであることを特徴とする遊技機。
【0031】
手段8によれば、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても待機状態が変更されないため、遊技機のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により監視手段の待機状態が記憶手段に記憶された待機状態と異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視手段により監視するようにした構成において、遊技機のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて待機状態が操作前の状態から変更されるため、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開閉操作を監視することは可能である。
【0032】
手段9.手段1乃至8のいずれかにおいて、前記監視手段は、
前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合に押圧力が付与されて第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合に前記押圧力の付与が解除されて前記第1位置から第2位置に移動する移動体(プッシャ266等)と、
予め設定された複数の待機位置に段階的に移動可能に設けられ、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したこと又は前記第2位置から前記第1位置に移動したことの少なくとも一方に機械的に連動して、一の待機位置から次の待機位置に移動する連動体(円盤262等)と、
前記複数段階の待機状態として複数段階の検知状態が予め設定されており、前記連動体の待機位置に応じて前記検知状態が変更される検知手段(検知装置258)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0033】
手段9によれば、監視手段が、開閉体の開閉動作に連動して第1位置と第2位置との間を移動する移動体と、当該移動体に連動して一の待機位置から次の待機位置に移動する連動体と、当該連動体の待機位置に応じて検知状態が変更される検知手段と、を備えていることにより、監視手段において外部電源からの電力供給が遮断された状況での開閉体の開閉操作の監視が可能となる。また、監視手段において遊技機の電源機能に対して独立した電源機能が必要なくなるため、遊技ホール等におけるランニングコストの増大化を抑制しつつ、上記手段1等の作用効果において説明した優れた効果を得ることができる。
【0034】
なお、「機械的に連動」とは、電動アクチュエータが介在することなく連動することをいう。
【0035】
手段10.手段9において、前記連動体は、所定の回転軸を中心として回転可能であって前記複数の待機位置として複数の回転待機位置が設定された回転体であり、
当該回転体は、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したこと又は前記第2位置から前記第1位置に移動したことの少なくとも一方に連動して、一の回転待機位置から次の回転待機位置に回転するものであり、
前記検知手段は、前記連動体の回転待機位置に応じて前記検知状態が変更されることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段10によれば、連動体が回転体として設けられていることにより、連動体を非回転体として設ける構成に比して、移動体に連動した待機位置の変更が良好に行われる。
【0037】
手段11.手段10において、前記移動体は前記回転軸の軸線上を移動するものであり、
当該移動体と前記回転体との間には、それら移動体及び回転体のそれぞれと当接することで、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動すること又は前記第2位置から前記第1位置に移動することの少なくとも一方に基づいて、前記回転体を一の前記回転待機位置から次の回転待機位置に回転させる介在体(回転子264等)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0038】
手段11によれば、移動体と回転体との間に介在体が設けられていることにより、移動体の直線的な動作を回転体の回転動作に変換する場合に、その変換を良好に行うことができる。
【0039】
手段12.手段11において、前記介在体は、前記移動体が前記第2位置から前記第1位置に移動する場合よりも当該第1位置から前記第2位置に移動する場合の方が前記回転体の回転量が大きくなるように形成されており、
当該回転量の設定により、前記移動体が前記第2位置から前記第1位置に移動した場合には前記検知状態に変更はなく、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動した場合に前記検知状態が変更されることを特徴とする遊技機。
【0040】
手段12によれば、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても待機状態が変更されない。したがって、遊技機のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により監視手段の待機状態が記憶手段に記憶された待機状態と異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視手段により監視するようにした構成において、遊技機のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて待機状態が操作前の状態から変更される。したがって、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開放操作を監視することは可能である。
【0041】
手段13.手段11又は12において、前記監視手段はケース体(ハウジング256)をさらに備えており、当該ケース体に前記移動体、前記介在体及び前記回転体が設置されており、
前記ケース体は前記回転軸と同一直線上に軸線を有する筒状領域(筒状領域271)を備えており、
当該筒状領域の内周面には前記軸線方向に延びる溝部(ケース側カム溝278)が当該軸線を中心として等間隔で複数形成されており、
前記移動体及び前記介在体は移動体側突起(突起266c)及び介在体側突起(回転子側リブ285)が前記溝部にガイドされて前記軸線方向に移動可能であるとともに、それら前記移動体及び前記介在体は付勢手段(第1バネ263)により前記第2位置に向けて付勢されており、
前記移動体における前記介在体側の端部には移動体側噛合せ部(プッシャ側カム部290)が形成されているとともに、前記介在体における前記移動体側の端部には前記移動体側噛合せ部と噛み合い可能な介在体側噛合せ部(回転子側カム部289)が形成されており、
前記移動体が前記第2位置にある場合、前記移動体側噛合せ部と前記介在体側噛合せ部とは非噛み合い状態にあり、
前記移動体が前記第1位置に移動する場合、前記介在体は、前記介在体側突起が前記溝部から外れ、前記移動体側噛合せ部と前記介在体側噛合せ部とが噛み合い状態となる位置に前記軸線方向を中心として特定方向に回転し、
その噛み合い状態で前記移動体が前記第2位置に復帰する場合、前記介在体は、前記介在体側突起が前記筒状領域の内周面における前記溝部間のリブ(ケース側リブ277)によりガイドされて、当該介在体側突起が前記溝部にガイドされる位置であって前記移動体側噛合せ部と前記介在体側噛合せ部とが非噛み合い状態となる位置に前記軸線方向を中心として前記特定方向に回転し、
前記回転体は、前記介在体の回転動作に連動して、一の前記回転待機位置から次の回転待機位置に回転することを特徴とする遊技機。
【0042】
手段13によれば、移動体の移動に連動した回転体の回転待機位置の変更が良好に行われる。
【0043】
手段14.手段9乃至13のいずれかにおいて、前記連動体は、前記各待機位置に対応させて複数の被検知部(被検知部298a)を備えており、
前記検知手段は、前記被検知部を検知する検知部(金属端子294)を複数備えているとともに、前記被検知部を検知している検知部の組合せにより前記検知状態が変更されるものであることを特徴とする遊技機。
【0044】
手段14によれば、検知手段では、連動体の被検知部を検知している検知部の組合せにより検知状態が変更される構成であるため、検知部の数を待機位置の数よりも少なくすることが可能となる。これにより、検知手段の小型化を図ることができ、それに伴って監視手段の小型化を図ることができる。
【0045】
手段15.手段9乃至14のいずれかにおいて、前記検知手段は、複数の金属端子を備えており、
それら金属端子は、前記連動体に形成された被検知部と接触することで、それら被検知部と接触している金属端子同士が前記連動体を介して電気的に導通されるものであり、
前記連動体を介して電気的に導通される前記金属端子の組合せが前記各検知状態と1対1で対応して異なるように、前記金属端子及び前記被検知部が設置されていることを特徴とする遊技機。
【0046】
手段15によれば、検知手段では、電気的に導通する金属端子の組合せにより検知状態が変更される構成であるため、フォトセンサなどを設ける構成に比して、構成の簡素化を図ることができる。
【0047】
手段16.手段9乃至15のいずれかにおいて、前記監視手段は、前記支持対象に設置されており、
前記移動体は、前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合には、前記開閉体により押圧されて又は前記開閉体と前記移動体との間に設置された押圧手段により押圧されて前記第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合には、前記押圧が解除されて前記第1位置から前記第2位置に移動するものであることを特徴とする遊技機。
【0048】
手段16によれば、移動体は開閉体の開閉動作に連動して、第1位置と第2位置との間を移動する。
【0049】
手段17.手段9乃至15のいずれかにおいて、前記監視手段は、前記開閉体に設置されており、
前記移動体は、前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合には、前記支持対象により押圧されて又は前記支持対象と前記移動体との間に設置された押圧手段(押圧片300)により押圧されて前記第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合には、前記押圧が解除されて前記第1位置から前記第2位置に移動するものであることを特徴とする遊技機。
【0050】
手段17によれば、移動体は開閉体の開閉動作に連動して、第1位置と第2位置との間を移動する。
【0051】
手段18.手段1乃至17のいずれかにおいて、前記監視手段がいずれの待機状態にあるかが、前記監視手段の外観上、識別不可となっていることを特徴とする遊技機。
【0052】
手段18によれば、監視手段がいずれの待機状態にあるかが、監視手段の外観上、識別不可となっているため、不正行為者などに監視手段の待機状態がいずれであるかが知られてしまうことが防止できる。
【0053】
手段19.手段1乃至18のいずれかにおいて、前記監視手段はさらに、前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記開閉体が前記支持対象に対して開放されていることを検知するものであることを特徴とする遊技機。
【0054】
手段19によれば、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放された場合には、それが監視手段にて検知される。つまり、監視手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、開閉体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。
【0055】
手段20.外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)が搭載された遊技機本体(本体枠13)と、当該遊技機本体に対して開閉可能に支持され遊技機前面部を構成する遊技機前面体(前扉枠14)と、を備えた遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給の少なくとも遮断中において、前記遊技機前面体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶する記憶手段(RAM313の第1検知状態格納エリア313a,第2検知状態格納エリア313b)と、
前記監視手段の待機状態を把握する把握手段(CPU311における検知状態把握処理を行う機能)と、
前記外部電源からの電力供給が開始された場合に前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較する比較手段(CPU311におけるステップS308の比較処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0056】
手段20によれば、外部電源からの供給電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
【0057】
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中に遊技機前面体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。そして、電力供給が遮断された状態から電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが比較される。これにより、例えば、電力供給が遮断されている状況において遊技機前面体が不正に開閉操作されていた場合には両待機状態が一致しない旨の比較結果となることで、遊技機において当該不正行為が行われたことを把握することが可能となり、当該不正行為に対処することが可能となる。
【0058】
なお、上記手段20の構成を手段2に対応した構成に変更してもよく、さらには上記手段20に対して上記手段3乃至19のいずれかの構成を適用してもよい。この場合、上記手段20に関わる発明は、より効果的なものとなる。但し、手段2に対応した構成に変更する場合及び手段3乃至19のいずれかの構成を適用する場合、「支持対象」を「遊技機本体」に代えるとともに、「開閉体」を「遊技機前面体」に代えて適用する。
【0059】
手段21.支持対象(外枠11)に対して開閉可能に支持され、外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)が搭載された遊技機主体(遊技機主部12)を備えた遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給の少なくとも遮断中において、前記開閉体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶する記憶手段(RAM313の第1検知状態格納エリア313a,第2検知状態格納エリア313b)と、
前記監視手段の待機状態を把握する把握手段(CPU311における検知状態把握処理を行う機能)と、
前記外部電源からの電力供給が開始された場合に前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較する比較手段(CPU311におけるステップS308の比較処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0060】
手段21によれば、外部電源からの供給電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
【0061】
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中に遊技機主体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。そして、電力供給が遮断された状態から電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが比較される。これにより、例えば、電力供給が遮断されている状況において遊技機主体が不正に開閉操作されていた場合には両待機状態が一致しない旨の比較結果となることで、遊技機において当該不正行為が行われたことを把握することが可能となり、当該不正行為に対処することが可能となる。
【0062】
なお、上記手段21の構成を手段2に対応した構成に変更してもよく、さらには上記手段21に対して上記手段3乃至19のいずれかの構成を適用してもよい。この場合、上記手段21に関わる発明は、より効果的なものとなる。但し、手段2に対応した構成に変更する場合及び手段3乃至19のいずれかの構成を適用する場合、「開閉体」を「遊技機主体」に代えて適用する。
【0063】
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
【0064】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部101,102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部(各種スイッチ152〜155)に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0065】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【0066】
(第1の実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0067】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
【0068】
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
【0069】
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
【0070】
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
【0071】
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。なお、ガラス22に代えて、透明樹脂板を嵌め込むようにしてもよい。
【0072】
窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0073】
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0074】
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0075】
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により形成されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
【0076】
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
【0077】
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
【0078】
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
【0079】
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
【0080】
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
【0081】
樹脂ベース71の上部には、図2及び図6に示すように、前扉枠14が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する前扉枠開閉検知装置としての前扉枠開放センサ(前扉枠開放スイッチ)78が設けられている。前扉枠開放センサ78は、樹脂ベース71の前面から出没可能なピンを有しており、本体枠13に対して前扉枠14を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠14の閉鎖が検知され、本体枠13に対して前扉枠14を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠14の開放が検知されるようになっている。
【0082】
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0083】
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0084】
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0085】
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0086】
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
【0087】
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0088】
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
【0089】
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
【0090】
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
【0091】
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
【0092】
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
【0093】
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
【0094】
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
【0095】
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
【0096】
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
【0097】
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
【0098】
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【0099】
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
【0100】
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
【0101】
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口スイッチ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
【0102】
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
【0103】
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【0104】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
【0105】
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0106】
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
【0107】
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
【0108】
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
【0109】
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には、パチンコ機10に発生した各種のエラー情報を出力するための出力端子、本体枠13の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置(又はホールコンピュータ)に対して枠側の状態に関する信号が出力される。
【0110】
ベース部211には、外部端子板213よりも外側に、本体枠13が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する本体枠開閉検知装置としての本体枠開放センサ(本体枠開放スイッチ)230が設けられている。外枠11に対して本体枠13を閉じた状態では当該センサ230の金属接点が閉じて本体枠13の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠13を開いた状態では金属接点が開いて本体枠13の開放が検知されるようになっている。
【0111】
また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【0112】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
【0113】
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
【0114】
払出機構部202には、裏パック基板(電力受入部又は外部電力受入部)229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0115】
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0116】
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0117】
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0118】
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0119】
次に、パチンコ機10の電源が遮断されている状態で本体枠13や前扉枠14が開放された場合に、その事実を把握するための構成について説明する。
【0120】
図6及び図14に示すように、本体枠13の樹脂ベース71には、第1監視装置251が設けられている。また、図15に示すように、裏パックユニット15には、第2監視装置252が設けられている。第1監視装置251により、電源遮断状態での前扉枠14の開放が監視され、第2監視装置252により、電源遮断状態での遊技機主部12の開放が監視される。
【0121】
ここで、第1監視装置251及び第2監視装置252の具体的な構成について説明する。なお、第1監視装置251及び第2監視装置252は共に同一の構成を具備してなるため、これら両監視装置251,252の説明を監視装置250としてまとめて行う。図16は監視装置250の斜視図、図17は監視装置250の分解斜視図、図18は監視装置250の断面図である。
【0122】
監視装置250は、有色不透明の合成樹脂材料によりそれぞれ形成された土台用ケース体254と蓋用ケース体255とを備えており、これら両ケース体254,255がネジ固定されていることによりハウジング256が形成されている。なお、蓋用ケース体255及び土台用ケース体254のうちいずれか一方又は両方を、無色透明の合成樹脂材料により形成してもよく、また合成樹脂材料ではなく金属材料により形成してもよい。
【0123】
ハウジング256内には、本体枠13や前扉枠14といった監視対象物の移動に応じて機械的に動作し、その動作により待機位置が変更される機械的動作機構257と、当該機械的動作機構257の待機位置を検知するとともにその検知結果を主制御装置162に出力するための検知装置258とが設置されている。なお、両ケース体254,255のうち、蓋用ケース体255の側面には一対の固定用フランジ259が一体形成されており、これら固定用フランジ259を介して、監視装置250は設置対象にネジ固定(着脱自在に固定)されている。
【0124】
機械的動作機構257について詳細に説明する。なお、機械的動作機構257の説明では、図16〜図18に加え、図19を参照する。図19は、機械的動作機構257の主要構成部品の側面図である。
【0125】
機械的動作機構257は、回転軸体261と、連動体としての円盤262と、第1付勢手段としての第1バネ263と、リンク体としての回転子264と、第2付勢手段としての第2バネ265と、移動体としてのプッシャ(押下体又は押圧体)266と、を備えている。なお、図19においては、第1バネ263及び第2バネ265を省略して示す。
【0126】
回転軸体261は、土台用ケース体254上において円盤262を回転可能に保持するためのものである。具体的には、回転軸体261は、合成樹脂材料により形成されており、図19等に示すように、円柱状をなす基部261aと、当該基部261aの一端面から起立させて形成され角柱状をなす軸部261bとを備えている。軸部261bは基部261aよりもその周縁が一回り小さく形成されており、基部261aと軸部261bとの境界部分には段差面261cが存在している。なお、回転軸体261は、その内部が空洞となっており、基部261aの先端部にて開放されているが、非空洞形状としてもよい。
【0127】
回転軸体261に対して円盤262が組み付けられて両者が一体化されている。詳細には、円盤262の中央には、図17に示すように、角形(具体的には、四角形状)の貫通孔262aが形成されており、当該貫通孔262aに対して回転軸体261の軸部261bが嵌合されている。この場合、軸部261bの高さ寸法は円盤262の厚み寸法よりも大きくなっており、さらに円盤262の裏面は回転軸体261の上記段差面261cに当接している。したがって、図18に示すように、軸部261bは円盤262の表面よりも軸線方向の外方に突出している(以下、突出部261dともいう)。なお、回転軸体261と円盤262とは別体である必要はなく、両者が一体形成されていてもよい。
【0128】
円盤262が一体化された回転軸体261は、基部261aにおける段差面261cとは反対側の端部が土台用ケース体254の内側の板面上に載るようにして、土台用ケース体254上に載置されている。この場合、土台用ケース体254には内側の板面から起立させて円形囲い枠254aが一体形成されており、当該円形囲い枠254aにより区画された領域内に基部261aが載置されている。この円形囲い枠254aにより内側の板面上に沿った回転軸体261(及び円盤262)の移動が規制されている。
【0129】
円盤262が一体化された回転軸体261が土台用ケース体254上に載置された状態において、当該回転軸体261の軸部261bの突出部261dは、図18に示すように、蓋用ケース体255の筒状領域271内に入り込んでいる。
【0130】
詳細には、蓋用ケース体255には、円盤262の回転軸線と軸線が同一線上に位置するようにして筒状領域271が一体形成されている。筒状領域271は、蓋用ケース体255の表面から外方に起立させて形成された外側筒部272と、蓋用ケース体255の裏面から内方に起立させて形成された内側筒部273とを備えており、蓋用ケース体255を内外に貫通している。
【0131】
外側筒部272の先端開口部275には、図18に示すように、内側に突出した環状縮径部276が一体形成されており、筒状領域271の内径は外側筒部272の先端開口部275にて縮径されている。また、外側筒部272の内周面には、図19(a)に示すように、環状縮径部276を基端として軸線方向に延びる複数(具体的には、8個)のケース側リブ277が一体形成されている。これら複数のケース側リブ277は、上記軸線を中心として等間隔に形成されており、各ケース側リブ277間にはそれぞれケース側カム溝278が形成されている。任意の一のケース側リブ277は他の一のケース側リブ277と対向しており、任意の一のケース側カム溝278は他の一のケース側カム溝278と対向している。また、ケース側リブ277の数はケース側カム溝278の数と同一となっている。なお、対向するケース側カム溝278間の距離は、筒状領域271におけるケース側リブ277が形成された領域よりも内側筒部273側の領域の内径と同一となっている。
【0132】
上記構成の筒状領域271内に、図18に示すように、内側筒部273側から突出部261dが入り込んでいる。また、筒状領域271には、第1バネ263、回転子264、第2バネ265及びプッシャ266が設置されている。これら第1バネ263、回転子264、第2バネ265及びプッシャ266は、それらの各軸線が円盤262の回転軸線及び筒状領域271の軸線と同一線上に位置している。
【0133】
プッシャ266は合成樹脂材料により形成されており、図18に示すように、軸線方向の一端側が開放され他端側が閉塞された形状をなしている。なお、閉塞部266aの周面は外方に凸の曲面状となっている。
【0134】
プッシャ266の外周面におけるその開放部266b側には、外方に突出した複数の突起266cが一体形成されている。これら複数の突起266cは、上記軸線を中心として等間隔に形成されており、任意の一の突起266cは他の一の突起266cと対向している。突起266cの数は、ケース側リブ277やケース側カム溝278の数よりも少ないが、同数としてもよい。
【0135】
プッシャ266における、閉塞部266aの周面及び突起266cが形成された領域を除いた部位の外径は、対向するケース側リブ277間の距離と同一又はそれよりも若干小さくなっている。プッシャ266は、筒状領域271内にその内側筒部273側から挿通されており、閉塞部266a側が先端開口部275を通じて筒状領域271の外方に突出しており、開放部266b側が筒状領域271内にある。この場合、各突起266cは、ケース側カム溝278内に入り込んでいる。そして、プッシャ266は、筒状領域271内を軸線方向に移動可能となっている。
【0136】
筒状領域271内であってプッシャ266と円盤262との間に、回転子264が設けられている。回転子264は合成樹脂材料により形成されており、図19(c)に示すように、軸線方向の途中位置に形成された段差部281を介して、外径が相対的に大小となった小径部282と大径部283とを備えている。
【0137】
大径部283の外周面には、その先端部から当該大径部283の途中位置まで軸線方向に延びる複数(具体的には、8個)の回転子側カム溝284が形成されている。これら複数の回転子側カム溝284は、上記軸線を中心として等間隔に形成されており、各回転子側カム溝284間にはそれぞれ回転子側リブ285が形成されている。回転子側カム溝284の数は回転子側リブ285の数と同一となっており、さらには回転子側カム溝284及び回転子側リブ285の数はケース側カム溝278及びケース側リブ277の数と同一となっている。
【0138】
回転子264において回転子側リブ285が形成された部位が最大外径部位となっており、この最大外径部位の外径は筒状領域271におけるケース側リブ277が形成された領域よりも内側筒部273側の領域の内径と同一又はそれよりも若干小さくなっている。また、各回転子側リブ285は各ケース側カム溝278内に入り込み可能に形成されているとともに、各回転子側カム溝284は各ケース側リブ277が入り込み可能に形成されている。したがって、回転子264は筒状領域271内を軸線方向に移動可能となっている。
【0139】
回転子264は、図18に示すように、その内部が小径部282の先端にて開放された第1開放領域286と、その内部が大径部283の先端にて開放された第2開放領域287とを備えており、これら第1開放領域286と第2開放領域287とは軸線方向に直交する面を有する仕切板部288により区画されている。
【0140】
第1開放領域286及び第2開放領域287のうち、第1開放領域286は断面が角形状(具体的には、四角形状)をなしており、当該角形状は回転軸体261の軸部261bの角形状と同一の多角形状をなしている。この第1開放領域286に軸部261bが遊挿されている。但し、第1開放領域286の各内面は軸部261bの各外面と近い位置にあり、回転子264は回転軸体261及び円盤262と一体的に回転する。つまり、回転子264がその軸線を中心として回転する場合、それに連動して円盤262が軸線を中心として回転する。ちなみに、第1開放領域286の長さ寸法は、突出部261dの長さ寸法よりも小さくなっている。
【0141】
これら回転子264と円盤262との間に介在させて、図18に示すように、上記第1バネ263が設置されている。第1バネ263は、その内径が回転子264の小径部282の外径よりも大きくなっており、その一端が円盤262の表面に当接しており、他端が回転子264の段差部281に当接している。また、回転子264とプッシャ266との間に介在させて、上記第2バネ265が設置されている。第2バネ265は、その外径がプッシャ266の内径よりも小さくなっており、プッシャ266の内部空間に収容されている。そして、その一端がプッシャ266の閉塞部内面に当接しており、他端が回転子264の仕切板部288に当接している。第1バネ263及び第2バネ265は、圧縮状態で設置されている。なお、これら第1バネ263及び第2バネ265のうち、第1バネ263の付勢力の方が第2バネ265の付勢力よりも大きい。
【0142】
第1バネ263の付勢力は、円盤262に付与されるとともに、回転子264及びプッシャ266に付与される。この付勢力により、円盤262は土台用ケース体254に向けて付勢され、回転子264及びプッシャ266は外側筒部272の先端開口部275に向けて付勢されている。
【0143】
この先端開口部275に向けた回転子264及びプッシャ266の移動は、プッシャ266の各突起266cが外側筒部272の環状縮径部276に内側から当接した位置にて規制されている。つまり、プッシャ266の押圧が行われていない自然状態では、プッシャ266は筒状領域271から最も外方に突出した最大突出位置にある。
【0144】
回転子264は、上記自然状態において、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278に入り込み、さらに各回転子側カム溝284に各ケース側リブ277が入り込んだ状態となっている。つまり、回転子264は、自然状態において、軸線方向を中心とした回転が不可能となっている。なお、回転子264は、自然状態において、その第1開放領域286に突出部261dが遊挿されている。
【0145】
一方、第2バネ265の付勢力は、回転子264に付与されるとともに、プッシャ266に付与される。この第2バネ265は、プッシャ266における後述する自然状態への復帰動作を良好にするためのものである。なお、当該第2バネ265を不具備としても、プッシャ266の自然状態への復帰動作は可能である。
【0146】
以上説明した機械的動作機構257では、プッシャ266の自然状態からの移動及び当該自然状態への復帰に連動して円盤262が回転する。そこで、かかる円盤262の回転に関する構成について説明する。
【0147】
円盤262は上記のとおり回転軸体261と一体化されており、土台用ケース体254上に回転可能に載置されている。この場合に、円盤262は、回転子264の回転移動に連動して回転移動する。詳細には、回転子264の大径部283の先端には、図19(c)に示すように、連続山形状の回転子側カム部289が一体形成されている。この回転子側カム部289は、複数の山部289aから構成されている。具体的には、一対の回転子側リブ285と回転子側カム溝284に対して、一の山部289aが形成されている。この場合、回転子側リブ285の先端面は全て一方向への傾斜面となっており、各回転子側リブ285においてそれら傾斜面の傾斜方向及び傾斜角度は全て同一となっている。同様に、回転子側カム溝284の先端面は全て一方向への傾斜面となっており、各回転子側カム溝284においてそれら傾斜面の傾斜方向及び傾斜角度は全て同一となっている。
【0148】
上記回転子側カム部289に対応させて、プッシャ266の開放部266bの先端には、図19(b)に示すように、連続山形状のプッシャ側カム部290が一体形成されている。プッシャ側カム部290は、回転子側カム部289の山部289aと同数の山部290aから構成されている。そして、プッシャ側カム部290の山部290aは、回転子側カム部289の山部289aと同一のピッチ、大きさ、傾斜及び形状を有している。したがって、回転子264の大径部283の先端とプッシャ266の開放部266bの先端とをそれらの軸線方向に重ね合わせると、回転子側カム部289とプッシャ側カム部290とが完全に噛み合う。
【0149】
また、筒状領域271のケース側リブ277の先端面277aは、図19(a)に示すように、全て一方向への傾斜面となっており、各ケース側リブ277においてそれら傾斜面の傾斜方向及び傾斜角度は全て同一となっている。この各ケース側リブ277の先端面277aの傾斜方向は、各回転子側リブ285の先端面の傾斜方向に対して逆方向となっているが、両者の傾斜角度は同一となっている。
【0150】
上記のように回転子側カム部289、プッシャ側カム部290及びケース側リブ277が形成されていることにより、プッシャ266の自然状態からの移動及び当該自然状態への復帰に連動して円盤262が回転する。かかる円盤262の回転動作について、図20を参照して説明する。図20は、プッシャ266の移動に連動した円盤262の回転動作を説明するための説明図である。なお、図20(a)は自然状態を示し、図20(b)及び図20(c)はプッシャ266が押圧されている状態を示し、図20(d)は自然状態に復帰する過程を示す。また、図20(a)〜(d)において、ドット模様で示す部位は回転子側リブ285であり、格子状模様で示す部位はケース側リブ277であり、黒塗りで示す部位はプッシャ266の突起266cである。
【0151】
図20(a)に示すように、自然状態では、上述したように、第1バネ263に付勢されて、プッシャ266は最大突出位置にある。この場合、回転子264は、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278に入り込んでいるとともに、各回転子側カム溝284に各ケース側リブ277が入り込んでいる。これにより、回転子264の回転移動は阻止されている。なお、プッシャ266も、その突起266cがケース側カム溝278に入り込んでいるため、回転移動が阻止されている。また、回転子側カム部289は、その一部がプッシャ側カム部290に当接している。但し、これらカム部289,290は完全には噛み合っていない。
【0152】
その後、プッシャ266が第1バネ263の付勢力に抗する力で押圧されることにより、プッシャ266及び回転子264が円盤262側に向けて移動し、図20(b)に示すように、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278から外れるとともに、各回転子側カム溝284から各ケース側リブ277が外れる。これにより、回転子264の回転移動が許容される。一方、プッシャ266は、その突起266cがケース側カム溝278に入り込んでいるため、回転移動は依然として阻止されている。
【0153】
ここで、回転子264は上記のとおり第1バネ263の付勢力を受けているため、プッシャ266が押圧されている状況であってもプッシャ266側に向けた力が加わっている。また、回転子側カム部289は、その一部がプッシャ側カム部290に当接している。したがって、回転子264は、回転子側カム部289がプッシャ側カム部290と完全に噛み合う位置に向けて回転移動する。これにより、図20(c)に示すように、回転子264のそれ以上の内側への移動が阻止されたプッシャ266の最大押圧位置では、回転子側カム部289はプッシャ側カム部290と完全に噛み合っている。この場合に、上記のとおり、回転子264と円盤262とは回転軸体261の軸部261bを介して一体的に回転するようになっている。したがって、図20(b)から図20(c)への回転子264の回転移動に合わせて円盤262が回転移動する。この円盤262の回転量(回転角度)は、回転子264の回転量(回転角度)と同一となっている。これは、以下も同様である。
【0154】
その後、プッシャ266の押圧が解除されることにより、プッシャ266及び回転子264は、第1バネ263の付勢力(及び第2バネ265の付勢力)によって自然状態に向けて移動する。但し、プッシャ側カム部290の谷部分は、回転子264の回転方向で見て、ケース側リブ277の幅方向の中間位置となっている。したがって、図20(d)に示すように、プッシャ266はケース側リブ277と干渉することなく自然状態に向けて移動するが、回転子264は回転子側リブ285がケース側リブ277と干渉する。
【0155】
この場合に、上記のとおり、各ケース側リブ277の先端面277aの傾斜方向は、各回転子側リブ285の先端面の傾斜方向に対して逆方向となっており、さらに両者の傾斜角度は同一となっている。また、回転子264は上記のとおり第1バネ263の付勢力を受けている。したがって、回転子264は、ケース側リブ277の先端面277aに沿って回転移動する。また、この回転子264の回転移動に合わせて円盤262が回転移動する。これら回転子264及び円盤262の回転方向は、プッシャ266が押圧された際の回転子264及び円盤262の回転方向と同一となっている。そして、最終的に、図20(a)に示すように、プッシャ266及び回転子264が自然状態に復帰する。但し、上記一連の動作により回転子264は所定角度回転し、各回転子側リブ285は当初のケース側カム溝278内からその隣のケース側カム溝278内に移動している。そして、この回転子264の回転移動に合わせて円盤262も回転移動している。
【0156】
以上説明した本構成では、自然状態にあるプッシャ266が押圧され、その後に自然状態に復帰するという1サイクルの動作が行われた場合には、円盤262は常に同一の規定角度だけ回転移動する(規定回転量だけ回転移動する)。そして、円盤262が一周するためには、上記1サイクルの動作がケース側カム溝278の数分行われる必要がある。かかる構成では、円盤262は、自然状態における待機位置(回転待機位置)が複数段階設定されていると言うことができ、上記1サイクルの動作により1の待機位置から次の待機位置に移動すると言える。
【0157】
上記のように回転子264及び円盤262が回転する構成において、プッシャ266が最大突出位置(又は、自然状態)から最大押圧位置(又は、プッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが完全に噛み合う位置)に移動するまでの回転量(回転角度)は、プッシャ266が最大押圧位置から最大突出位置に移動するまでの回転量(回転角度)よりも小さくなっている。当該構成について図21を参照して説明する。図21は、蓋用ケース体255の筒状領域271、プッシャ266の開放部266b側及び回転子264の大径部283周辺を展開して示す説明図である。なお、図21における寸法や距離の記載は、単一の仮想円周を基準としたものである。
【0158】
既に説明したように、ケース側リブ277の幅寸法X1とケース側カム溝278の幅寸法X2とは同一(又は略同一)となっており(X1=X2)、図21(a)に示すように、一対のケース側リブ277とケース側カム溝278との各幅寸法X1,X2の和は、距離L1となっている(L1=X1+X2)。そして、上記のとおり、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置まで移動し、その後、自然状態に復帰した場合、各回転子側リブ285は当初のケース側カム溝278内からその隣りのケース側カム溝278内に移動する。したがって、プッシャ266が上記のように1サイクルの移動を行った場合、回転子264の回転量はL1となる。
【0159】
また、プッシャ側カム部290の山部(プッシャ側山部)290aの数と回転子側カム部289の山部(回転子側山部)289aの数とは同一となっており、さらにプッシャ側山部290aの幅寸法と回転子側山部289aの幅寸法とは同一となっている。プッシャ側山部290a及び回転子側山部289aは、共に同一形状及び同一の大きさの二等辺三角形となっており、幅寸法はL1となっている。ちなみに、各山部289a,290aの最大突出箇所から最大凹箇所までの幅寸法は(L1×1/2)となっている。また、各プッシャ側山部290aの最大突出箇所は、ケース側カム溝278の幅方向の中間位置にあり、各プッシャ側山部290aの最大凹箇所は、ケース側リブ277の幅方向の中間位置にある。
【0160】
図21(a)に示すように、自然状態では、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278内に入り込んでいる。この場合、プッシャ側山部290aと回転子側山部289aとは当接しているが、プッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが完全に噛み合った状態のときよりも幅方向に距離L2分ずれた位置にある。この距離L2は、距離L1の1/4となっている。
【0161】
その後、プッシャ266が押圧され各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278から外れることにより、回転子264が距離L2分、すなわち距離(L1×1/4)分だけ回転移動し、図21(b)に示すように、プッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが噛み合った状態となる。
【0162】
その後、プッシャ266の押圧が解除され自然状態に復帰することで、既に説明したように、回転子264が回転移動し、各回転子側リブ285が移動先の各ケース側カム溝278内に入り込んだ状態となる。この際の回転量は、距離(L1−L2)分、すなわち距離(L1×3/4)分である。つまり、本構成においては、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置まで移動する際に回転子264が回転移動する回転量(回転角度)は、自然状態に復帰する際に回転子264が回転移動する回転量(回転角度)の1/3となっている。そして、これに伴って、円盤262が回転移動する回転量(回転角度)は、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置まで移動する際に対して、自然状態に復帰する際の1/3となっている。
【0163】
なお、回転子264(及び円盤262)の回転量は上記のものに限定されることはない。すなわち、回転子側リブ285が一のケース側カム溝278からその隣りのケース側カム溝278に回転移動する場合、その回転移動の途中位置にてプッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが噛み合い、この噛み合いにより、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置に向けて移動する場合の回転子264の回転移動が規制されるものであり、この各カム部289,290が噛み合う位置までの回転子264の回転量(回転角度)が当該噛み合う位置から移動先のケース側カム溝278までの回転子264の回転量(回転角度)よりも小さくなっていればよい。
【0164】
次に、検知装置258による円盤262の待機位置の検知に関する構成を説明する。図22は検知装置258の平面図である。
【0165】
検知装置258は、円盤262の回転待機位置を検知し、その検知結果を主制御装置162に出力する機能を有する。具体的には、検知装置258は、合成樹脂材料により形成されたベース部291を備えている。ベース部291は、その中央部分に厚み方向に貫通した矩形の開口部291aを有する略矩形枠状をなしている。ベース部291には、その周縁部の一辺に外方に延出した延出板部291bが一体形成されており、当該延出板部291bの表面にはコネクタ(電気的接続部材)292が設置されている。コネクタ292は複数(具体的には、5個)の接続ピン292aを備えている。当該コネクタ292には、図16や図17に示すように、主制御装置162に向けた信号経路を形成するハーネス293のコネクタ(電気的接続部材)293aが接続される。なお、ハーネス293は、上記接続ピン292aの数と同数の電気配線293bを束ねてなり、各接続ピン292aに対応した信号経路は主制御装置162と検知装置258との間の全体に亘ってそれぞれ独立している。
【0166】
コネクタ292の接続ピン292aは、図22に示すように、開口部291aに設置された長尺状の金属端子294と電気的に接続されている。金属端子294について詳細には、金属端子294は複数設けられており、各金属端子294は全て同一の形状及び大きさを有している。金属端子294の数は、コネクタ292の接続ピン292aと同数となっている。各金属端子294は、その一端が開口部291aの周縁におけるコネクタ292側の一辺に固定されているとともに、他端が開口部291aの周縁におけるコネクタ292側の一辺に対して対向する一辺に固定されている。つまり、各金属端子294は、開口部291aの周縁におけるコネクタ292側の一辺とそれに対向する一辺とを橋渡すようにして設置されている。
【0167】
開口部291aにおいて各金属端子294は相互に離間させて設けられており、各金属端子294は相互に接触していない。また、複数の金属端子294は、開口部291aにおける非橋渡し方向の両端部にそれぞれ偏倚させて設置されている。これにより、開口部291aにおいて非橋渡し方向の中央部分は所定範囲に亘って金属端子294が位置していない。
【0168】
上記のように開口部291aにおける非橋渡し方向の両端部にそれぞれ偏倚させて複数の金属端子294を設置した構成において、非橋渡し方向の一端側に偏倚させて設置された金属端子294の数と他端側に偏倚させて設置された金属端子294の数とは異なっている。具体的には、図22の状態で見て、右端側に偏倚させて設置された金属端子294の数は3個となっており、左端側に偏倚させて設置された金属端子294の数は2個となっている。このうち、右端側の金属端子294は等間隔で離間させて設置されており、この離間させた間隔は金属端子294の幅寸法分となっている。また、左端側の金属端子294は、当該金属端子294の幅寸法分離間させて設置されている。
【0169】
なお、右端側の金属端子294の数を左端側の金属端子294の数よりも少なくしてもよく、右端側の金属端子294の数と左端側の金属端子294の数とを同数としてもよい。また、右端側又は左端側のいずれか一方にのみ金属端子294を設置するようにしてもよい。また、金属端子294間の距離は、金属端子294の幅寸法分よりも大きくてもよい。
【0170】
各金属端子294は、その長さ方向の中間部分が、ベース部291の裏面側から表面側に変形されている。つまり、各金属端子294は、その長さ方向の中間部分に隆起接点部295が形成されている。各金属端子294は、隆起接点部295のみが開口部291aの表面側の縁部よりも外方に突出しており、その他の部分は当該表面側の縁部よりも奥まった位置にある。これら隆起接点部295は、検知装置258の上方に位置する円盤262の裏面によって上方から若干押圧されている。金属端子294は、比較的弾性の大きい金属により長尺状に形成されており板バネとしての機能を有しているため、隆起接点部295は自己の付勢力により円盤262の裏面に接した状態が維持されている。
【0171】
各金属端子294は、ベース部291の裏面に設けられた中継電気線296を介してコネクタ292の接続ピン292aと電気的に接続されている。この中継電気線296は、金属端子294及び接続ピン292aの各組合せと1対1で対応させて設けられており、各中継電気線296は相互に離間されている。
【0172】
上記の検知装置258は、土台用ケース体254上に載置されているとともに、当該土台用ケース体254と蓋用ケース体255とにより挟持されている。そして、検知装置258は、延出板部291b及びコネクタ292を除いてハウジング256内に収容されている。つまり、延出板部291b及びコネクタ292はハウジング256外に突出している。
【0173】
検知装置258は、土台用ケース体254上において、円盤262の下方に位置している。この場合に、円盤262と一体化された回転軸体261は土台用ケース体254上に載置されているが、検知装置258のベース部291には開口部291aが形成されており、さらに開口部291aにおいて非橋渡し方向の中央部分は所定範囲に亘って金属端子294が位置していないため、検知装置258と回転軸体261との干渉が防止されている。
【0174】
円盤262は、検知装置258の上方において回転移動する。この円盤262の構成について図23を用いてより詳細に説明する。図23(a)は円盤262の平面図、図23(b)は図23(a)のA―A線断面図である。
【0175】
円盤262は、図23(b)に示すように、その厚み方向に複数層構造となっている。具体的には、表側の第1樹脂板層297と、中間の金属板層298と、裏側の第2樹脂板層299と、からなる3層構造となっている。この場合、回転軸体261の軸部261bが嵌合される貫通孔262aは、全ての板層297〜299を貫通するようにして形成されている。
【0176】
円盤262は、既に説明したように、自然状態における待機位置が複数段階設定されており、プッシャ266の上記1サイクルの動作により、一の待機位置から次の待機位置に回転移動する。ここで、図23(a)において、円盤262の表面に記した数字は待機位置を示しており、当該円盤262は第1待機位置〜第8待機位置を有している。この待機位置について詳細には、第1待機位置では、数字の「1」が記された部位が、検知装置258のコネクタ292と最も近い位置にある。また、円盤262は、図23(a)の状態で見て時計回りに回転移動するものであり、次の第2待機位置では、数字の「2」が記された部位が、検知装置258のコネクタ292と最も近い位置にある。なお、この数字を不具備としてもよい。
【0177】
円盤262は、各待機位置において、検知装置258の各金属端子294を、所定の組合せで電気的に導通させる。当該機能について詳細に説明する。円盤262の第1樹脂板層297と金属板層298とには、貫通孔262a以外の孔部は形成されていないが、第2樹脂板層299には貫通孔262a以外に複数の孔部299aが形成されている。この孔部299aが形成された位置では、金属板層298の板面が露出している。この露出した板面が、検知装置258による被検知部298aとなっている。
【0178】
被検知部298aは、図23(a)に示すように、円盤262の周縁寄りの位置に形成されている。これら被検知部298aは、各待機位置にそれぞれ対応させて形成されており、円盤262が対応する待機位置となった際にいずれかの金属端子294の隆起接点部295の上方に位置する。そして、被検知部298aが下方に位置する隆起接点部295と当接するように、第2樹脂板層299の厚み寸法、第2樹脂板層299の柔らかさ、及び隆起接点部295の隆起度合いが設定されている。この場合、一の待機位置に対応する各被検知部298aは、円盤262の中心を通る直線上に並んでいる。また、任意の待機位置から円盤262を180°回転移動させると、他の待機位置となる。したがって、一の待機位置に対応する各被検知部298aが並ぶ直線上には、円盤262を180°回転移動させた場合の待機位置に対応する各被検知部298aも並んでいる。但し、これら待機位置に対応した各被検知部298aは、重複していない。
【0179】
円盤262によって電気的に導通される金属端子294の組合せと当該円盤262の待機位置との関係について図24及び図25を参照して説明する。なお、以下の説明では、各金属端子294を図24の状態で見て左側から順に、第1金属端子294a、第2金属端子294b、第3金属端子294c、第4金属端子294d及びベース金属端子294eと称する。
【0180】
図24(a)及び図25に示すように、円盤262が第1待機位置にある場合、第1金属端子294aとベース金属端子294eとが電気的に導通される。また、図24(b)及び図25に示すように、円盤262が第1待機位置にある場合、第2金属端子294bとベース金属端子294eとが電気的に導通される。また、第3待機位置〜第8待機位置については、図25に示すとおりである。そして、図25に示すように、各待機位置において、電気的に導通される金属端子294の組合せは全て異なっている。なお、いずれの待機位置においても、ベース金属端子294eが他の金属端子294a〜294dと電気的に導通される。
【0181】
上記のとおり、一の待機位置に対応する各被検知部298aが並ぶ直線上には、円盤262を180°回転移動させた場合の待機位置に対応する各被検知部298aも並んでいる。この場合に、一方の待機位置において他の待機位置に対応した被検知部298aが隆起接点部295の上方に位置しないようになっている。
【0182】
詳細には、各金属端子294は、図24の状態で見て、第1金属端子294aと第2金属端子294bとが開口部291aの左端側にあり、第3金属端子294cと第4金属端子294dとベース金属端子294eとが開口部291aの右端側にある。この場合に、円盤262の回転中心に対する各金属端子294a〜294eの隆起接点部295の距離が異なるように、各金属端子294a〜294eが設置されている。そして、各金属端子294a〜294eの幅寸法は全て同一となっているとともに、円盤262の回転中心に対する各隆起接点部295の距離は当該幅寸法の自然数倍ずつ異なっている。さらに、隆起接点部295の大きさは、接触対象の被検知部のみが接触するように設定されている。したがって、円盤262が1周した場合、各検知部の移動経路上には接触対象の一の隆起接点部295のみが存在することとなり、上記のとおり一方の待機位置において他の待機位置に対応した被検知部298aが隆起接点部295の上方に位置しない。
【0183】
第1待機位置と第5待機位置について具体的には、図24(a)及び図24(c)に示すように、第1待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第5待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置しておらず、さらに第5待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第1待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置していない。
【0184】
また、第2待機位置と第6待機位置について具体的には、図24(b)及び図24(d)に示すように、第2待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第6待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置しておらず、さらに第6待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第2待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置していない。
【0185】
上記のように被検知部298aと隆起接点部295との位置関係が設定された構成において、隆起接点部295は、検知対象外の被検知部298aが接しない範囲内において、被検知部298aよりも大きめに形成されている。ここで、プッシャ266の上記1サイクルの動作において、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動するまでの円盤262の回転量は、自然状態に復帰する際の円盤262の回転量よりも小さくなっている。そして、隆起接点部295は、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動する場合、その移動開始前に接していた被検知部298aとの接触状態が維持される大きさに形成されている。
【0186】
以上の構成において、検知装置258には、コネクタ292に接続されるハーネス293を介して主制御装置162から電気信号が出力される。この電気信号は、コネクタ292の複数の接続ピン292aのうち、一の接続ピン292aに供給される。この主制御装置162からの電気信号が供給される接続ピン292aは、中継電気線296を介してベース金属端子294eと電気的に接続されている。つまり、主制御装置162からの電気信号は、ベース金属端子294eに供給される。
【0187】
各金属端子294a〜294eは、既に説明したように、円盤262の待機位置に応じて所定の組合せで電気的に導通される。また、いずれの待機位置においても、ベース金属端子294eが他の金属端子294a〜294dと電気的に導通される。ベース金属端子294eと電気的に導通される金属端子294a〜294dには、ベース金属端子294eから上記電気信号が供給される。そして、この電気信号は、その金属端子294a〜294dと対応する中継電気線296を介して電気的に接続された接続ピン292aに供給される。この接続ピン292aに供給された電気信号は、ハーネス293を介して主制御装置162に入力される。主制御装置162では、この入力した電気信号がいずれの接続ピン292aから供給されたものかを把握可能となっている。つまり、主制御装置162では、検知装置258に電気信号を出力し、その電気信号が返還された場合の出力元の接続ピン292aの種類により、円盤262がいずれの待機位置にあるかを把握する。言い換えると、主制御装置162では、検知装置258からの検知信号パターン(機械的コード)に基づいて、円盤262がいずれの待機位置にあるかを把握する。
【0188】
ちなみに、本監視装置250において「検知状態」とは、検知装置258において、円盤262により導通が確保されている金属端子294a〜294eの組合せのことであり、主制御装置162から監視装置250に電気信号が供給されている状況では検知状態が検知信号パターンとして主制御装置162に出力されるものである。また、本監視装置250において「待機状態」とは、上記検知状態の概念を含めた状態のことであり、外部電源からパチンコ機10への電力供給が少なくとも行われていない状況であっても維持可能な状態のことである。
【0189】
なお、待機位置の検知に関する構成は上記のものに限定されることはなく、待機位置の数が2個,3個,4個,5個,6個,7個又は9個以上であってもよい。この場合、ケース側カム溝278、回転子側リブ285及び各カム部289,290の山部289a,290aの数などを待機位置の数に合わせて変更する必要がある。また、検知装置258に関して、長尺状の金属端子294に代えて、突起状の金属端子を設けてもよい。また、金属端子294の数は、各待機位置を個別に検知することができるのであれば、5個未満又は6個以上としてもよい。さらには、第2樹脂板層299に孔部299aを形成することで被検知部298aを形成したが、金属板層298の裏面に突起を形成することで被検知部298aを形成してもよい。
【0190】
次に、プッシャ266が上記1サイクルの動作を行う場合における検知装置258からの検知信号パターンの切り替わりタイミングについて説明する。図26は上記切り替わりタイミングを説明するための説明図である。なお、図26(a)〜(e)は、プッシャ266の1サイクルの動作を示し、図26(a)及び図26(e)は自然状態、図26(c)は最大押圧状態、図26(b)及び図26(d)は自然状態と最大押圧状態との間の状態を示す。また、第1検知信号パターンはプッシャ266の押圧が行われる前の検知信号パターンであり、第2検知信号パターンはプッシャ266の押圧が行われた後に移行する検知信号パターンである。
【0191】
既に説明したように、プッシャ266の上記1サイクルの動作において、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動するまでの円盤262の回転量は、自然状態に復帰する際の円盤262の回転量よりも小さくなっている。また、隆起接点部295は、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動する場合、その移動開始前に接していた被検知部298aとの接触状態が維持される大きさに形成されている。したがって、図26(a)〜(c)に示す自然状態から最大押圧状態へ移行する場合には第1検知信号パターンは維持され、最大押圧状態から自然状態に復帰する途中の図26(d)に示すタイミングで第1検知信号パターンから第2検知信号パターンに切替えられる。
【0192】
なお、第1検知信号パターンから第2検知信号パターンへ切り替わる際に、所定期間に亘って第1検知信号パターンと第2検知信号パターンとが混在し、いずれの検知信号パターンであるかが認識不可となる構成としてもよい。当該構成であっても、かかる認識不可な期間は、検知信号パターンが切り替わる途中の期間であるため、各待機位置における検知信号パターンの認識は正確に行われる。
【0193】
以上説明した監視装置250は、上記のとおり第1監視装置251として本体枠13の樹脂ベース71に設置されている(図14(a)参照)。そして、図14(b)に示すように、前扉枠14が閉鎖された状態では当該前扉枠14によってプッシャ266が押圧され、当該プッシャ266は最大押圧位置にある。また、図14(c)に示すように、前扉枠14が開放された状態では当該前扉枠14による押圧が解除され、プッシャ266は自然状態に復帰する。図14(b)の状態から図14(c)の状態に移行するタイミングで、第1監視装置251の検知状態(すなわち、円盤262の待機位置)が切替えられ、それに伴って、第1監視装置251から出力される検知信号パターンが切替えられる。
【0194】
また、監視装置250は、上記のとおり第2監視装置252として裏パックユニット15に設置されている(図15(a)参照)。この場合、裏パックユニット15には押圧片300が設けられている。押圧片300は、板バネとしての機能を有しており、一端が裏パックユニット15の回動基端側の側面から外方に突出しており、他端が第2監視装置252のプッシャ266の先端と隣接した位置にて対峙している。当該構成においては、図15(b)に示すように、遊技機主部12が閉鎖された状態では外枠11によって押圧片300の外方に突出した端部が押圧される。そして、外枠11によって押圧片300が押圧されることで、押圧片300自体の板バネとしての機能によりプッシャ266が押圧される。したがって、遊技機主部12が閉鎖された状態ではプッシャ266は最大押圧位置にある。また、図15(a)に示すように、遊技機主部12が開放された状態では外枠11による押圧片300の押圧が解除され、それに伴って押圧片300によるプッシャ266の押圧が解除される。これにより、プッシャ266は自然状態に復帰する。図15(b)の状態から図15(a)の状態に移行するタイミングで、第2監視装置252の検知状態(すなわち、円盤262の待機位置)は切替えられ、それに伴って、第2監視装置252から出力される検知信号パターンが切替えられる。
【0195】
第1監視装置251及び第2監視装置252は、上記のとおり複数段階の検知状態を備えており、監視対象の開放操作が行われる度にその検知状態が順次切替えられる。この場合に、当該検知状態は機械的な検知状態であるため、検知状態の切替えに際しては電力を要しない。よって、パチンコ機10の電源遮断状態において、前扉枠14や遊技機主部12の開放操作が行われたとしても、各監視装置251,252の検知状態は切替えられる。そして、パチンコ機10の電源が投入された状態において、検知状態に対応した検知信号パターンが各監視装置251,252から主制御装置162に出力される。主制御装置162では、各監視装置251,252から入力した検知信号パターンに基づいて、電源遮断状態における前扉枠14や遊技機主部12の不正開放を監視する。この主制御装置162における監視処理については、後に説明する。
【0196】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図27のブロック図に基づいて説明する。図27では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0197】
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
【0198】
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313がそれぞれ個別に1チップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のCPUにおいても同様である。
【0199】
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0200】
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
【0201】
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
【0202】
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に対して停電信号を送信する。主制御回路302では、この停電信号の入力を確認することにより、その確認結果に基づいて後述する停電時処理(電断時処理)を実行する。
【0203】
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
【0204】
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0205】
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
【0206】
電源及び発射制御基板321は、電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
【0207】
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0208】
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源手段としてデータ記憶保持用コンデンサ321cが搭載されている。データ記憶保持用コンデンサ321cには、電源部321aが接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)には充電される。また、データ記憶保持用コンデンサ321cは主制御回路302におけるCPU311のVBB端子に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時等といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、データ記憶保持用コンデンサ321cから放電されRAM313に対してデータ記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、データ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶されたデータが消去されることなく保持される。
【0209】
ちなみに、データ記憶保持用コンデンサ321cに充電された電力は主制御回路302のRAM313やその他のRAMにおいてデータを記憶保持するために用いられ、電動アクチュエータなどの機器を動作させるためには用いられない。また、データ記憶保持用コンデンサ321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源手段は、データ記憶保持用コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
【0210】
また、電源及び発射制御基板321には、上記データ記憶保持用コンデンサ321cとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用コンデンサから放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0211】
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
【0212】
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
【0213】
次に、主制御装置162のCPU311により実行される各制御処理を図28〜図31のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
【0214】
図28は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
【0215】
次に、タイマ割込み処理について図29のフローチャートを用いて説明する。
【0216】
先ずステップS201では、各種スイッチや払出制御基板322などからの信号読み込み処理を実行する。その後、ステップS202では、開放検知処理を実行する。開放検知処理では、前扉枠開放センサ78及び本体枠開放センサ230から入力した信号に基づいて前扉枠14及び遊技機主部12が開放状態であるか否かを判定し、開放状態であると判定した場合には、音声ランプ制御装置143に対して報知コマンドを出力するとともに外部端子板213を介してホールコンピュータに報知信号を出力する報知処理を実行する。これにより、外部電源からの電力供給が行われている状況で前扉枠14又は遊技機主部12が開放状態となっている場合には、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、及び図柄表示装置91での報知表示が行われ、前扉枠14又は遊技機主部12が開放状態となっていることがパチンコ機10の周囲に対して報知される。また、ホールコンピュータにて、前扉枠14又は遊技機主部12が開放状態となっていることが把握される。つまり、本パチンコ機10は、開閉体が開放状態であることを把握する開放把握手段と、開放状態であると判定した場合に予め定められた開放報知を報知手段にて実行させる開放報知実行手段とを備えている。
【0217】
続くステップS203では、通常時更新処理を実行する。通常時更新処理では、第1監視装置251及び第2監視装置252からの入力信号に基づいて、それら監視装置251,252の検知状態を更新する。当該通常時更新処理については、後に説明する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
【0218】
始動入賞処理では、作動口スイッチ154から入力した信号に基づいて、遊技球が作動口84に入賞したか否かを判定する。そして、遊技球が作動口84に入賞している場合には、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数が上限値未満であることを条件として、その入賞に対して大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値のRAM313への格納処理を実行する。当該カウンタ値が大当たりの発生に対応した値である場合には、その入賞に対応した遊技回において大当たりが発生することとなる。つまり、始動入賞処理において、大当たりといった特別遊技状態への移行抽選機能(移行判定手段)が果たされる。
【0219】
始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。なお、タイマ割込み処理において、大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値を更新する処理なども実行するようにしてもよい。
【0220】
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図30のフローチャートを用いて説明する。
【0221】
先ずステップS301では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS302では、RAM313のアクセスを許可する。
【0222】
その後、ステップS303では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS304ではRAM313の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS305ではRAM判定値を算出し、続くステップS306では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
【0223】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS312〜S315の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS312〜S315の処理に移行する。
【0224】
ステップS312では、報知処理を実行する。当該報知処理では、音声ランプ制御基板324に報知用コマンドを出力する。これにより、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、及び図柄表示装置91での報知表示が行われる。また、報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して異常信号を出力する。この場合、ホールコンピュータにて、RAMデータの初期化やRAM判定値により記憶保持されたデータの異常等が把握される。なお、報知の態様を上記のものに限定されることはなく、例えば上記各態様のいずれか1つとしてもよく、上記各態様の所定の組合せとしてもよい。
【0225】
続くステップS313では、従側の制御基板となる払出制御基板322等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。続くステップS314ではRAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS315ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS316にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0226】
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS307の検知状態把握処理と、ステップS308及びステップS309の検知状態の比較判定処理と、を実行する。そして、比較判定処理における判定結果に応じて、ステップS310〜ステップS311の処理又はステップS312〜ステップS315の処理を実行し、ステップS316に進む。ステップS307〜ステップS309の処理については後に詳細に説明することとする。
【0227】
ステップS312〜ステップS315の処理は既に説明したとおりであるため、ステップS310〜ステップS311の処理を説明すると、ステップS310では停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアし、ステップS311にて従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS316にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
【0228】
次に、通常処理について、図31のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。
【0229】
通常処理において、ステップS401では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを払出制御基板322等に対して出力する。また、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御基板324に出力する。
【0230】
続くステップS402では、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。そして、第1特定ランプ制御処理では、始動入賞処理にて格納されたカウンタ値に基づいて大当たりを発生させると判定した場合、遊技状態を大当たり状態に移行させる。つまり、第1特定ランプ制御処理において、特別遊技状態への移行機能(移行手段)が果たされる。なお、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
【0231】
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS403にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、上述した大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。つまり、大入賞口開閉処理において、特別遊技状態の進行機能(進行手段)が果たされる。
【0232】
その後、ステップS404では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。そして、作動口84に付随する電動役物を所定時間開放する場合には、第2特定ランプ部94において所定の色の停止表示が行われる。
【0233】
ステップS404の後は、ステップS405にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。ちなみに、発射許可信号は、CPU311における入力ポート311以外の入力ポートに入力されており、当該遊技球発射制御処理にてその入力ポートに発射許可信号があるか否かを確認する。
【0234】
続くステップS406では、RAM313内に設けられた停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、ステップS406に戻り、所定時間が経過している場合には、ステップS401に戻る。
【0235】
一方、ステップ406にて、停電フラグが格納されている場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS408以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS408では、タイマ割込み処理の発生を禁止する。続くステップS409では、電断時更新処理を実行する。この電断時更新処理については、後に説明する。その後、ステップS410にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS411にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS412にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板321のデータ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
【0236】
次に、電源遮断中における前扉枠14及び遊技機主部12の不正開放の監視に関する電気的構成について、図32のブロック図に基づいて説明する。
【0237】
主制御装置162には、第1監視装置251及び第2監視装置252が電気的に接続されている。第1監視装置251及び第2監視装置252では、既に説明したように、パチンコ機10の電源投入中又は電源遮断中であるかに関係なく、前扉枠14又は遊技機主部12が開閉操作される毎に複数段階の検知状態が変更され、パチンコ機10の電源投入中においてその検知状態の情報が主制御装置162に入力される。
【0238】
主制御装置162のCPU311では、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号に基づいて、各監視装置251,252の検知状態を把握する。この場合、CPU311のRAM313には、第1検知状態格納エリア313a及び第2検知状態格納エリア313bが設けられている。そして、電源投入中において把握した第1監視装置251の検知状態は第1検知状態格納エリア313aに格納され、電源投入中において把握した第2監視装置252の検知状態は第2検知状態格納エリア313bに格納される。RAM313は、上記のとおりパチンコ機10の電源遮断中においてもデータ記憶保持用の電力が供給され、データの記憶保持が行われる構成であるため、電源遮断時に各検知状態格納エリア313a,313bに格納されていた検知状態は、データ記憶保持用の電力が供給されている範囲において記憶保持される。CPU311では、各監視装置251,252から入力する検知状態の情報に基づいて、電源遮断中における前扉枠14及び遊技機主部12の不正開放が行われたか否かを判定し、その判定結果に基づいて報知処理を実行する。
【0239】
次に、電源遮断中における前扉枠14及び遊技機主部12の不正開放に関して、主制御装置162のCPU311により実行される各制御処理を説明する。
【0240】
先ず、タイマ割込み処理(図29)にて実行される処理について説明する。
【0241】
タイマ割込み処理におけるステップS201の信号読み込み処理において、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号(電気信号パターン)の読み込みが行われる。この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。この場合、CPU311には第1レジスタと第2レジスタとが少なくとも設けられており、第1監視装置251の信号の情報は第1レジスタに記憶保持され、第2監視装置252の信号の情報は第2レジスタに記憶保持される。これは、CPU311のレジスタに関する以下の説明においても同様である。また、タイマ割込み処理におけるステップS203では、通常時更新処理を実行する。
【0242】
通常更新処理について、図33のフローチャートを用いて説明する。
【0243】
通常時更新処理では、先ずステップS501にて、第1更新処理を実行する。第1更新処理では、信号読み込み処理にて把握した第1監視装置251の検知状態の情報が、RAM313の第1検知状態格納エリア313aに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する処理である。
【0244】
当該第1更新処理について詳細には、図34のフローチャートに示すように、先ずステップS601にて比較処理を実行する。比較処理では、上記信号読み込み処理にてCPU311のレジスタに記憶した検知状態の情報と、RAM313の第1検知状態格納エリア313aに格納されている検知状態の情報とを比較する。続くステップS602では比較処理にて比較した各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、一致している場合には、そのまま本第1更新処理を終了する。一方、一致していない場合には、ステップS603にて、最新の検知状態の情報、すなわちCPU311のレジスタに記憶されている検知状態の情報を、第1検知状態格納エリア313aに格納した後に、本第1更新処理を終了する。
【0245】
通常更新処理の説明に戻り、ステップS501にて第1更新処理を実行した後は、ステップS502にて第2更新処理を実行する。第2更新処理では、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置252の検知状態の情報が、RAM313の第2検知状態格納エリア313bに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する処理である。この具体的な、処理内容については、第1更新処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。ステップS502にて第2更新処理を実行した後に、本通常時更新処理を終了する。
【0246】
次に、通常処理(図31)にて実行される処理について説明する。
【0247】
通常処理では、NMI割込み処理において停電フラグがセットされた場合、上記のとおりステップS408〜ステップS412の停電時処理を実行する。そして、停電時処理では第1監視装置251及び第2監視装置252に関して、ステップS409にて電断時更新処理を実行する。
【0248】
電断時更新処理では、図35のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて信号読み込み処理を実行する。この信号読み込み処理では、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号(電気信号パターン)の読み込みが行われる。そして、この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。続くステップS702では、第1更新処理を実行する。第1更新処理では既に説明したように、信号読み込み処理にて把握した第1監視装置251の検知状態の情報が、RAM313の第1検知状態格納エリア313aに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する。続くステップS703では、第2更新処理を実行する。第2更新処理では既に説明したように、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置252の検知状態の情報が、RAM313の第2検知状態格納エリア313bに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する。第2更新処理を実行した後に、本電断時更新処理を終了する。上記のように電断時更新処理が実行されることにより、パチンコ機10の電源が遮断される時点での各監視装置251,252における検知状態の情報のRAM313への記憶が確実に行われる。
【0249】
次に、メイン処理(図30)にて実行される処理について説明する。
【0250】
メイン処理では、各監視装置251,252に関して、ステップS307にて検知状態把握処理を実行するとともに、ステップS308及びステップS309にて比較判定処理を実行する。検知状態把握処理では、ステップS701等の信号読み込み処理と同様に、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号の読み込みが行われ、この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。
【0251】
続くステップS308では、比較処理を実行する。比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU311のレジスタに記憶した第1監視装置251の検知状態の情報と、RAM313の第1検知状態格納エリア313aに格納されている検知状態の情報とを比較する。また、比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU311のレジスタに記憶した第2監視装置252の検知状態の情報と、RAM313の第2検知状態格納エリア313bに格納されている検知状態の情報とを比較する。
【0252】
続くステップS309では、比較処理にて比較した第1監視装置251の各検知状態が一致しているか否かを判定するとともに、第2監視装置252の各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、両方がそれぞれ一致している場合には、ステップS310〜ステップS311の処理を実行する。また、いずれか一方でも一致していない場合には、ステップS312〜ステップS315の処理を実行する。この場合、特にステップS312の報知処理が実行されることにより、第1監視装置251又は第2監視装置252の少なくとも一方について、電断時と復電時とで検知状態が異なっていること、すなわち電源遮断中において前扉枠14又は遊技機主部12が不正開放されたことが報知される。
【0253】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0254】
複数段階の検知状態(待機状態)が予め設定されているとともに、前扉枠14が開閉操作されたことに機械的に連動して検知状態が当該開閉操作前の状態から変更される第1監視装置251を設けた。また、主制御装置162では、外部電源からの電力供給が遮断された時点における第1監視装置251の検知状態をRAM313にて記憶するとともに、電力供給が遮断された状況下においてその記憶内容を保持するようにした。そして、外部電源からの電力供給が開始された場合には、RAM313に記憶保持されている検知状態と、電力供給の開始後に把握した検知状態とを比較し、両者が一致しない場合にはその旨の報知を行うようにした。これにより、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において前扉枠14が不正に開閉操作されていた場合には、その旨を遊技ホールの管理者等に報知することができ、上記不正行為に対処するよう促すことができる。
【0255】
複数段階の検知状態(待機状態)が予め設定されているとともに、遊技機主部12が開閉操作されたことに機械的に連動して検知状態が当該開閉操作前の状態から変更される第2監視装置252を設けた。また、主制御装置162では、外部電源からの電力供給が遮断された時点における第2監視装置252の検知状態をRAM313にて記憶するとともに、電力供給が遮断された状況下においてその記憶内容を保持するようにした。そして、外部電源からの電力供給が開始された場合には、RAN313に記憶保持されている検知状態と、電力供給の開始後に把握した検知状態とを比較し、両者が一致しない場合にはその旨の報知を行うようにした。これにより、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において遊技機主部12が不正に開放操作されていた場合には、その旨を遊技ホールの管理者等に報知することができ、上記不正行為に対処するよう促すことができる。
【0256】
また、上記のように、外部電源から電力供給が遮断された時点における各監視装置251,252の検知状態をRAM313に記憶するとともに、電力供給が遮断された状況下においてその記憶内容を保持するようにした。パチンコ機10において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、各監視装置251,252がいずれの検知状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された時点の検知状態の一定化を図ろうとすると、例えば、各監視装置251,252の検知状態に初期検知状態を設定しておくとともに、外部電源からの電力供給が遮断された時点で各監視装置251,252の検知状態を初期検知状態に変更させる必要が生じる。そうすると、各監視装置251,252の構成が複雑化してしまう。これに対して、本実施形態における構成によれば、上記のような各監視装置251,252の構成の複雑化を招くことなく、上記優れた効果を得ることができる。
【0257】
外部電源からの電力供給が遮断される場合に実行される停電時処理において、その時点での各監視装置251,252の検知状態をRAM313に記憶させるようにした。これにより、外部電源からの電力供給が遮断された時点における検知状態をRAM313に確実に記憶させることができる。
【0258】
外部電源からの電力供給が行われている状況では、タイマ割込み処理(図29)において、各監視装置251,252の検知状態を定期的に確認するとともに、その確認した検知状態がRAM313に記憶されている検知状態と異なっている場合には検知状態を更新するようににした。パチンコ機10において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、各監視装置251,252がいずれの検知状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、上記のように検知状態が変更された場合にはRAM313の記憶内容をその変更された検知状態に更新することで、外部電源からの電力供給がいずれのタイミングで遮断されたとしても、その遮断時点における検知状態をRAM313に記憶させておくことができる。
【0259】
外部電源からの電力供給の開始時に実行されるメイン処理(図30)において、RAM313に記憶されている各検知状態と、電力供給の開始後に把握した各検知状態とを比較する比較処理を実行するとともに、前者と後者とが一致しない場合には報知処理を実行するようにした。これにより、電力供給が遮断されている状況において前扉枠14や遊技機主部12が不正に開放操作されていた場合には、電力供給の開始後に迅速に対処することが可能となる。
【0260】
各監視装置251,252において、閉鎖状態にある開閉体(すなわち、前扉枠14又は遊技機主部12)が開放操作されたことに基づいて検知状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても検知状態が変更されないようにした。開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても検知状態が変更されないようにすることで、パチンコ機10のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により各監視装置251,252の検知状態がRAM313に記憶された検知状態と異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視装置251,252により監視するようにした構成において、パチンコ機10のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて各監視装置251,252が操作前の状態から変更されるため、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開閉操作を監視することは可能である。
【0261】
各監視装置251,252がいずれの検知状態にあるかが、各監視装置251,252の外観上、識別不可とした。これにより、不正行為者などに各監視装置251,252の検知状態がいずれであるかが知られてしまうことが防止できる。
【0262】
(第2の実施形態)
本実施形態では、監視装置の構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、その相違点について図36を参照して説明する。図36(a)は自然状態における監視装置400の断面図、図36(b)は押圧状態における監視装置400の断面図である。なお、図36において上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともにその説明を省略する。
【0263】
図36(a)に示すように、本実施形態の監視装置400は、上記第1の実施形態と異なり、回転軸体261は無底の略筒状をなしている。この回転軸体261の貫通孔401に挿通させて開放センサ402が設けられている。開放センサ402は、土台用ケース体254上に固定されており、回転軸体261の軸部261bの先端から出没可能なピン403を有している。なお、開放センサ402は回転軸体261と干渉しないように設けられており、開放センサ402により回転軸体261の回転移動が阻害されることはない。
【0264】
上記構成では、図36(b)に示すように、プッシャ266が押圧され最大押圧位置にある場合、開放センサ402のピン403が押し込まれて開閉体の閉鎖が検知され、開閉体を開放した状態では、図36(a)に示すように、ピン403が突出位置に戻って開閉体の開放が検知されるようになっている。そして、開放センサ402は、主制御装置162と電気的に接続されており、検知結果は主制御装置162に対して出力される。なお、この検知結果の出力は、コネクタ292を通じて検知装置258における検知結果とまとめて行われる。
【0265】
上記監視装置400を前扉枠14の第1監視装置251として適用することにより、第1監視装置251では電源遮断中の前扉枠14の不正開放を監視する機能だけでなく、電源投入中において前扉枠14が開放状態か否かを検知する機能も果たされる。よって、第1監視装置251の構成が上記第1の実施形態に比べ複雑化するものの、前扉枠開放センサ78を第1監視装置251と別に設ける必要がないため、パチンコ機10の部品点数の削減が図られる。
【0266】
また、上記監視装置400を遊技機主部12(又は本体枠13)の第2監視装置252として適用することにより、第2監視装置252では電源遮断中の遊技機主部12の不正開放を監視する機能だけでなく、電源投入中において遊技機主部12が開放状態か否かを検知する機能も果たされる。よって、第2監視装置252の構成が上記第1の実施形態に比べ複雑化するものの、本体枠開放センサ230を第2監視装置252と別に設ける必要がないため、パチンコ機10の部品点数の削減が図られる。
【0267】
(第3の実施形態)
以下、スロットマシンに関する第3の実施形態を、図面に基づいて説明する。図37はスロットマシン410の前面扉412を開いた状態の斜視図である。
【0268】
図37に示すように、スロットマシン410は前方に開放した箱状の筐体411と、筐体411の前面側に開閉可能に取り付けられた前面扉412とを備えている。前面扉412には表示窓413が形成されており、当該表示窓413を通じて筐体411の内部に設けられた絵柄表示装置としてのリールユニット414による図柄の可変表示が視認可能となっている。当該リールユニット414における図柄の可変表示は、前面扉412の前面に設けられた図示しないスタートレバーが操作されたことに基づいて開始され、同じく前面扉412の前面に設けられた図示しないストップスイッチが操作されたことに基づいて停止される。また、前面扉412にはその裏面に表示制御装置415が設置されている。表示制御装置415は前面扉412に設けられたスピーカ、ランプ、補助表示部等の駆動制御を行う機能を有している。
【0269】
筐体411内においてリールユニット414の上方には、主制御装置416が設置されている。当該主制御装置416による制御に基づいてリールユニット414において図柄の可変表示が行われるとともに、表示制御装置415におけるスピーカ等の駆動制御が行われる。また、主制御装置416は、入賞役の抽選等といった当否判定機能を有しており、リールユニット414における遊技結果が当否判定結果と一致することで遊技者に特典が付与される。また、筐体411内には、主制御装置162などに電力を供給する電源装置417が設けられている。
【0270】
上記スロットマシン410においては、パチンコ機10と同様に、電源遮断中において前面扉412を不正に開放する行為が想定される。これに対して、筐体411には上記第1の実施形態と同様の監視装置250が設置されている。監視装置250は、前面扉412の開放状態では自然状態にあり、前面扉412の閉鎖状態では押圧状態にある。そして、電源遮断中及び電源投入中のいずれにおいても前面扉412の開閉操作が行われることで、監視装置250の検知状態が変更される。
【0271】
本構成によれば、電源遮断中において前面扉412が不正に開放されたとしても、監視装置250の検知状態が電源遮断時点から変更されることで、主制御装置416などにおいてそれを把握することができる。よって、上記不正行為に対処することができる。なお、スロットマシン410においては、電源遮断中において前面扉412を不正に開放し、主制御装置416を不正な制御装置に交換するといった主制御装置416に対する不正行為が想定される。当該不正行為に対しては、監視装置250を表示制御装置415や監視装置250専用の制御装置と電気的に接続し、その電気的に接続した制御装置において監視装置250の監視処理を行うことで、上記主制御装置416に対する不正行為に対処することができる。
【0272】
(他の実施形態)
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を相互に適用してもよい。
【0273】
(1)監視装置の変形例を、図38を参照して説明する。図38は別の監視装置420の内部構成を説明するための説明図であり、図38(a)は自然状態を示し、図38(b)は最大押圧状態を示し、図38(c)は最大押圧状態から自然状態に復帰する途中の状態を示す。
【0274】
図38(a)に示すように、監視装置420は、四角箱状のハウジング421を備えている。ハウジング421にはプッシャ422が設けられており、プッシャ422はその一端側がハウジング421外に突出している。プッシャ422はバネ423によりハウジング421の外方に向けて付勢されており、その付勢力に抗する力で押圧されることでハウジング421内に向けて移動する。
【0275】
ハウジング421には、連動ギア424が設けられている。連動ギア424は、その回転軸方向がプッシャ422の移動方向と交差している(具体的には、直交している)。連動ギア424は、第1ギア425と、当該第1ギア425よりも小型の第2ギア426とが一体形成されたものであり、これら第1ギア425及び第2ギア426は各回転軸が同一軸線上に位置するようにして当該軸線方向に並設されている。なお、これら第1ギア425と第2ギア426とが別体であり、両者を一体化して連動ギア424を構成してもよい。連動ギア424のうち第1ギア425は、その外周に、二等辺三角形の歯が連続して形成されたものであり、第2ギア426は、回転方向を一方に制限するためのラチェットとして形成されている。
【0276】
連動ギア424は、プッシャ422が最大押圧位置から自然状態に復帰する際に回転する。当該構成について詳細には、プッシャ422にはその側面から突出する爪部材427が取り付けられている。爪部材427はプッシャ422の内部に形成された穴部428に一端側が挿入されており、バネ429により外方に向けて付勢されている。そして、爪部材427に対してバネ429の付勢力に抗する力が加えられた場合、爪部材427は穴部428内方に向けて移動する。
【0277】
爪部材427は、自然状態において第2ギア426の周面と当接している。この場合、第2ギア426は、プッシャ422が最大押圧位置に向けて移動する場合には爪部材427が第2ギア426の歯を乗り越え、プッシャ422が最大押圧位置から自然状態に復帰する際に爪部材427が第2ギア426の歯に食い込むようになっている。
【0278】
連動ギア424は、ハウジング421に設置されたストッパ430により移動が規制されており、プッシャ422が最大押圧位置から自然状態に復帰するタイミング以外において回転しないようになっている。この場合、ストッパ430の先端は、第1ギア425の歯と噛み合う山形状となっている。また、ストッパ430は、金属(又は合成樹脂)により薄板状に形成されており、板バネとして機能する。そして、この板バネの付勢力は、プッシャ422を押圧するバネ423の付勢力よりも小さくなっている。
【0279】
上記構成においては、プッシャ422が自然状態から最大押圧位置に移動する場合、爪部材427は第2ギア426の歯を乗り越えるため、図38(b)に示すように、連動ギア424は回転しない。一方、プッシャ422が最大押圧位置から自然状態に復帰する場合、爪部材427は第2ギア426の歯に食い込む。そして、この食い込みにより、図38(c)に示すように、連動ギア424をストッパ430の付勢力に抗して回転させる。その後、図38(a)に示すように、プッシャ422が自然状態に復帰することで、連動ギア424は第1ギア425の歯とストッパ430の先端とが噛み合った状態となる。つまり、連動ギア424は、プッシャ422が最大押圧位置から自然状態に移動する場合に特定方向に回転し、その回転量は第1ギア425の1つの歯分となっている。さらに言うと、連動ギア424は、複数(具体的には、第1ギア425の歯の数分)の待機位置を有しており、プッシャ422が最大押圧位置から自然状態に移動する場合に一の待機位置から次の待機位置に回転する。
【0280】
上記連動ギア424を備えた構成において、監視装置420には上記第1の実施形態と同様の検知装置が内蔵されている。また、連動ギア424の第1ギア425における第2ギア426側とは反対側の面には被検知部が設けられている。そして、これら検知装置及び被検知部により、連動ギア424の待機位置が検知され、遊技機の電源投入中においてその検知結果が制御装置に出力される。
【0281】
以上説明した監視装置420によれば、プッシャ422の移動に連動した連動ギア424の回転が確実に行われるように、プッシャ422を押圧するバネ423の付勢力とストッパ430の付勢力とを正確に調整する必要がある点で上記第1の実施形態の管理装置250よりも設計が難化するものの、遊技機の電源遮断中における開閉体の不正開放が行われた場合には検知状態が変更されるため、当該不正開放に対処することができる。また、開閉体が閉鎖操作された場合には検知状態が変更することなく、開閉体が開放操作された場合に検知状態が変更するようにすることができる。
【0282】
(2)監視装置250の構成を、複数段階の検知状態の1つを初期検知状態として設定するとともに、監視装置250に電動アクチュエータを設け、外部電源からの電力供給が遮断される場合には、当該電動アクチュエータを駆動させることで監視装置250の検知状態を初期検知状態に変更させる構成としてもよい。当該構成においては、外部電源からの電力供給が遮断される場合には監視装置250の検知状態は必ず初期検知状態となる。したがって、電力供給が遮断される場合にRAM313に監視装置250の検知状態を記憶させる必要はない。また、ROM312に初期検知状態を記憶させておき、外部電源からの電力供給が開始された場合には、ROM312に記憶された初期検知状態と、電力供給の開始後に把握した監視装置250の検知状態とを比較することで、電力供給が遮断されている状況において開閉体の不正な開閉操作が行われたか否かを確認することができる。
【0283】
(3)監視装置250を、開閉体の開閉操作に連動して電気的に動作することで検知状態(待機状態)が変更される構成としてもよい。但し、本構成においては、監視装置250に対して、遊技機の電源機能とは独立した電源機能を設ける必要がある点で、上記各実施形態よりも遊技ホール等におけるランニングコストの増加を招くこととなるため、この点、上記各実施形態における構成が好ましい。
【0284】
(4)検知装置258において待機位置を検知するための構成を、上記各実施形態とは異なるものとしてもよい。例えば、上記第1の実施形態において、円盤262の裏面に発光素子を複数設けるとともに、それら発光素子を各待機位置に対応させて設置する。また、検知装置258には、上記発光素子から照射された光を受光する受光素子を設ける。そして、円盤262の待機位置に応じて、光を受光する受光素子の組合せを異ならせる。当該構成によれば、発光素子及び受光素子を設ける必要がある点で上記第1の実施形態よりも構成が複雑化するものの、検知装置258において円盤262の待機位置を検知することができる。
【0285】
(5)監視装置250は、監視対象の開閉体が開放状態から閉鎖操作されたとしても検知状態(待機状態)が変更されることはなく、開閉体が閉鎖状態から開放操作された場合に検知状態(待機状態)が変更される構成としたが、これを変更してもよい。
【0286】
(5−1)例えば、開閉体が閉鎖状態から開放操作された場合に、検知状態(待機状態)が変更される構成としてもよい。
【0287】
(5−2)また、開閉体が閉鎖状態から開放操作された場合及び開閉体が開放状態から閉鎖操作された場合の両方において、それぞれ検知状態(待機状態)が変更される構成としてもよい。具体的には、監視装置250においてケース側リブ277、ケース側カム溝278、回転子側カム溝284及び回転子側リブ285の数を上記第1の実施形態よりも半減させ、その分、これらの幅寸法を大きくする。これにより、プッシャ266が押圧された場合及び押圧位置から自然状態に復帰した場合のいずれにおいても円盤262の待機位置が変更されるようにすることができる。
【0288】
上記のように開閉体が閉鎖状態から開放操作された場合及び開閉体が開放状態から閉鎖操作された場合の両方において、それぞれ検知状態(待機状態)が変更される構成とした場合、当該監視装置を外部電源からの電力供給が行われている状況での開閉体の開放を監視する装置として兼用することが可能となる。具体的には、検知状態(待機状態)を3個以上の偶数個(4個,6個,8個又は2n)設定し、開閉体の開放状態における検知状態と開閉体の閉鎖状態における検知状態とを同数とする。また、主制御装置162のROM312には、開閉体の開放状態における検知状態の開放情報群と、開閉体の閉鎖状態における検知状態の閉鎖情報群とを予め記憶させておく。そして、外部電源からの電力供給が行われている状況においては、監視装置の検知状態を定期的に把握することで、検知状態が開放情報群に含まれる情報に該当する場合には開閉体が開放状態であることを特定することができ、検知状態が閉鎖情報群に含まれる情報に該当する場合には開閉体が閉鎖状態であることを特定することができる。よって、監視装置において、外部電源からの電力供給が行われている状況での開閉体の開放を監視することが可能となる。本構成の場合、上記第2の実施形態と同様に、前扉枠開放センサ78及び本体枠開放センサ230を不具備とすることが可能となり、上記第1の実施形態に比べ、部材点数の削減を図ることが可能となる。
【0289】
(6)上記第1の実施形態における監視装置250では、プッシャ266への押圧力が解除された場合における円盤262の移動量の設定と、金属端子294の隆起接点295に対する被検知部298の位置の設定と、により、少なくとも開閉体が閉鎖状態から開放操作された場合に検知状態(待機状態)が変更される。したがって、本監視装置250を用いて、外部電源からの電力供給が行われている状況で開閉体が開放されたことを検知することが可能であり、それに伴って外部電源からの電力供給が行われている状況での開閉体の不正開放を監視することが可能となる。具体的には、タイマ割込み処理などにおいて監視装置250の検知状態を定期的に把握し、その把握した検知状態が前回把握した検知状態と一致しているか否かを特定する。なお、前回把握した検知状態の特定は、検知状態の把握を行う度にその把握した検知状態をRAM313に記憶させるといった更新処理を実行することで可能である。
【0290】
把握した検知状態が前回把握した検知状態と一致していない場合には、それは開閉体が開放されたことを意味し、その事実を主制御装置162にて把握することが可能となる。そして、主制御装置162において開閉体が開放されたことを把握した場合には、特定出力処理として、表示画面を有する表示装置、スピーカ又はランプの少なくとも一つにおいて所定時間報知を行う構成とすることで、開閉体が開放されたことをパチンコ機10において報知することが可能となる。また、特定出力処理として、遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)に開放検知信号を出力することで、例えば、当該管理装置において開閉体が開放された履歴を記憶したり、遊技ホールの監視カメラを該当するパチンコ機10に向けたりすることが可能となる。本構成の場合、上記第2の実施形態と同様に、前扉枠開放センサ78及び本体枠開放センサ230を不具備とすることが可能となり、上記第1の実施形態に比べ、部材点数の削減を図ることが可能となる。
【0291】
(7)上記各実施形態では、連動体として、プッシャ266の移動に応じて回転する円盤262を設けたが、これを変更してもよい。例えば、連動体として、プッシャ266の移動に応じて直線的に移動する直線可動部材を設けてもよい。具体的には、プッシャ266の移動方向と同一方向に移動するように直線可動部材を設置する。直線可動部材にはその移動方向に複数の押圧受け部を並設し、プッシャ266が押圧位置に移動する度に移動方向奥側の所定位置にある押圧受け部が押されて直線可動部材が移動するようにすることで、プッシャ266が押圧される度に直線可動部材が奥側に段階的に移動するようにする。そして、直線可動部材の移動方向の位置を検知する検知装置を設ける。当該構成であっても、監視装置250において待機状態(又は検知状態)が変更されることとなり、開閉体の不正開放を監視することは可能である。但し、本構成では、直線可動部材を初期状態に復帰させる電動アクチュエータを設ける必要が生じる。
【0292】
(8)各監視装置251,252の検知状態の更新処理及び検知状態の比較処理に関する構成を上記各実施形態とは異なるものとしてもよい。
【0293】
例えば、タイマ割込み処理においても、検知状態の比較処理を実行し、その比較結果に基づいて報知処理といった特定出力処理を実行するようにしてもよい。つまり、定期的に検知状態の更新処理を実行するだけでなく、定期的に検知状態の比較処理を実行する構成としてもよい。
【0294】
また、タイマ割込み処理において、検知状態の更新処理、検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理を実行し(これら各処理を定期的に実行し)、外部電源からの電力供給開始時(メイン処理)や外部電源からの電力供給停止時(停電時処理)には、検知状態の更新処理、検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理をいずれも実行しないようにしてもよい。電力供給開始時や電力供給停止時には実行すべき処理数を極力少なくすることが好ましく、本構成によれば、電力供給開始時や電力供給停止時の処理数を増加させることなく、開閉体の不正開放を監視することが可能となる。なお、本構成において、外部電源からの電力供給が行われている状況でメンテナンスとして開閉体が開閉操作された場合にまで上記特定出力処理が実行されてしまうことは好ましくない。したがって、外部電源からの電力供給開始後、最初のタイマ割込み処理でのみ検知状態の比較処理を実行し、その後の電力供給が継続されている状況では、タイマ割込み処理にて検知状態の比較処理を実行しない又は検知状態が一致しない比較結果であったとしても特定出力処理を実行しない構成としてもよい。具体的には、RAM313に監視完了フラグ格納エリアを設け、電力供給開始時に当該監視完了フラグ格納エリアに監視完了フラグを格納する。そして、タイマ割込み処理では、監視完了フラグが格納されている場合にのみ検知状態の比較処理又は特定出力処理を実行し、これらの処理を実行した後は監視完了フラグを消去するようにする。
【0295】
また、タイマ割込み処理において、検知状態の更新処理、検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理のいずれも実行することなく、外部電源からの電力供給停止時に検知状態の更新処理を実行し、外部電源からの電力供給開始時に検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理を実行するようにしてもよい。
【0296】
また、外部電源からの電力供給停止時には、検知状態の更新処理、検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理のいずれも実行することなく、タイマ割込み処理において検知状態の更新処理を実行し、外部電源からの電力供給開始時に検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理を実行するようにしてもよい。
【0297】
また、外部電源からの電力供給開始時には、検知状態の更新処理、検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理のいずれも実行することなく、外部電源からの電力供給停止時に検知状態の更新処理を実行し、タイマ割込み処理において検知状態の比較処理及びその比較結果に基づいた特定出力処理を実行するようにしてもよい。
【0298】
ちなみに、上記各実施形態又は上記構成において検知状態の監視に関してタイマ割込み処理にて実行する処理を通常処理にて実行するようにしてもよい。
【0299】
(9)上記各実施形態では、通常時更新処理及び電断時更新処理において、新たに確認した監視装置251,252の検知状態がRAM313に記憶されている検知状態と異なっている場合に、RAM313における検知状態の情報の更新を行う構成としたが、これに代えて、前者の検知状態と後者の検知状態とが異なっているか否かに関係なく、RAM313における検知状態の情報の更新を行うようにしてもよい。当該構成であっても、検知状態が変更された場合にはその検知状態がRAM313に記憶されることとなる。
【0300】
(10)上記各実施形態において、メイン処理(図30)にて、RAM313に記憶されている検知状態と、電力供給が開始された後に把握した検知状態とが異なっていると判定した場合には、その異常専用の報知処理を実行するようにしてもよい。この場合、RAM判定値異常などといった他の異常と上記検知状態の不一致の異常とを区別した態様で報知を行うことが可能となり、上記検知状態の不一致が発生したことを遊技ホールの管理者等に明確に知らせることができる。なお、本構成においては、検知状態が異常であった場合には、RAM313の初期化処理を実行しないようにしてもよい。
【0301】
また、上記各実施形態又は上記専用の報知処理を実行する構成において、第1監視装置251の検知状態の異常と第2監視装置252の検知状態の異常とをそれぞれ区別するようにしてもよい。この場合、第1監視装置251の検知状態と第2監視装置252の検知状態とでいずれが異常であるかを、遊技ホールの管理者等に明確に知らせることができる。
【0302】
上記のように異常の対象を明確化することで、遊技ホールの管理者等にとっては、適切に対処することが可能となる。
【0303】
(11)上記各実施形態において、RAM313に記憶されている検知状態と、電力供給が開始された後に把握した検知状態とが異なっていると判定した場合には、報知処理に加えて又は代えて、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を実行するようにしてもよい。この場合、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開閉操作され、遊技機を構成する構成部品に不正が行われた場合に、その不正が行われた状態で遊技が開始されてしまうことを確実に阻止することができる。
【0304】
(12)上記第1の実施形態では、前扉枠14及び遊技機主部12の両方に対して監視装置250を設けたが、いずれか一方に対して監視装置250を設ける構成としてもよい。
【0305】
(13)上記第1の実施形態では、各監視装置251,252を主制御装置162と電気的に接続し、当該主制御装置162にて検知状態の記憶や検知状態の比較を行うようにしたが、これを変更してもよい。例えば、音声ランプ制御装置143、払出制御装置242、電源及び発射制御装置243又は表示制御装置324等にて検知状態の記憶や検知状態の比較を行うようにしてもよい。また、監視装置251,252専用の制御装置を設け、当該専用の制御装置にて検知状態の記憶や検知状態の比較を行うようにしてもよい。このように主制御装置162以外の制御装置において検知状態の記憶や検知状態の比較を行う構成においては、その制御装置の基板ボックスには主制御装置162と同様に、カシメや封印シールといった開放に際して痕跡を残す痕跡手段を設けることが好ましい。
【0306】
(14)上記第1の実施形態において、第1監視装置251と前扉枠14との間に押圧片を介在させ、前扉枠14を本体枠13に対して閉鎖した場合にはその押圧片により第1監視装置251のプッシャ266が押圧される構成としてもよい。また、第2監視装置252と外枠11との間に押圧片300を不具備とし、遊技機主部12を外枠12に対して閉鎖した場合には当該外枠12により第2監視装置252のプッシャ266が押圧される構成としてもよい。
【0307】
(15)上記第1の実施形態では、一般入賞口82、可変入賞装置83、及び作動口84などの入球部に遊技球が入った場合には、遊技球を払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、入球部に遊技球が入った場合に遊技球以外の賞品を払い出す構成であってもよい。
【0308】
(16)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0309】
また、例えば、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0310】
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、12…遊技機主体としての遊技機主部、13…本体枠、14…遊技機前面体としての前扉枠、83…可変入賞装置、162…主制御装置、224…払出装置、242…払出制御装置、250…監視装置、256…ケース体としてのハウジング、258…検知装置、262…連動体及び回転体としての円盤、263…第1バネ、264…介在体としての回転子、266…移動体としてのプッシャ、266c…移動体側突起としての突起、271…筒状領域、277…ケース側リブ、278…ケース側カム溝、285…介在体側突起としての回転子側リブ、289…介在体側カム部としての回転子側カム部、290…移動体側カム部としてのプッシャ側カム部、294…金属端子、298a…被検知部、300…押圧片、311…CPU、313…RAM、321c…電断時用電源手段としてのデータ記憶保持用コンデンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象に対して開閉可能に支持された開閉体と、当該開閉体の背面側又は後方に設けられ外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器と、を備えている遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されており、前記外部電源からの電力供給の少なくとも遮断中において、前記開閉体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶する記憶手段と、
前記監視手段の待機状態を把握する把握手段と、
前記外部電源からの電力供給が開始された場合に前記記憶手段に記憶された待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較する比較手段と、
を備え、
前記監視手段は、
前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合に押圧力が付与されて第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合に前記押圧力の付与が解除されて前記第1位置から第2位置に移動する移動体と、
予め設定された複数の待機位置に段階的に移動可能に設けられ、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したこと及び前記第2位置から前記第1位置に移動したことの少なくとも一方に機械的に連動して待機位置が変更される連動体と、
前記複数段階の待機状態として複数段階の検知状態が予め設定されており、前記連動体の待機位置に応じて前記検知状態が変更される検知手段と、
を備え、
当該検知手段の検知状態は、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したことに基づいて変更され、前記移動体が前記第2位置から前記第1位置に移動したとしても変更されないことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2013−48975(P2013−48975A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272486(P2012−272486)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2007−157640(P2007−157640)の分割
【原出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】