説明

遊技機

【課題】遊技者が着席しておらず、遊技がなされていないパチンコ遊技機が占有されているか否かを適切に報知可能なパチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】稼働検知手段によって遊技機の稼働の有無を検知し、遊技球発射装置に遊技球を供給する内の物体の有無を物体検知手段により検知し、稼働検知手段による検知結果と、物体検知手段による検知結果と、に基づいて計時手段による計時を開始して、経過時間が所定時間となった時に、報知ランプによって報知するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店において、パチンコ遊技機の前に誰も座っていないのにも関わらず、遊技機に備えた遊技球の補給皿(受け皿)内に遊技球が残っていたり、たばこの箱等の異物が放置されていたりすることがある。
このような場合、遊技者が使い切らずに残った遊技球や異物を受け皿内に残したまま遊技を終了して離席することで、遊技機が空き台となっているのか、あるいは一時的に遊技者が席を外しているだけなのか、さらには、それらの物を受け皿内に放置することで台取り(占有)行為を行っているのか、店側にも判別が難しい。また来店客も、その台を使っても良いのか否か、判断に苦しむことになる。
そこで、パチンコ店側では、受け皿内に遊技球や異物が放置された無人の台が、どの程度の期間放置されている(稼動していない)のかを、店内を巡回する店員が観察し、ある一定の期間が経過したと判断される時に、店内放送で呼び出しをかけるなどしている。
しかしながら、無人の台に物が放置されてからの時間の判断の正確さは、店員個々の能力等に依存するという問題がある。
遊技機の放置時間を人手によらず判断しようとする技術として、例えば、以下の文献が開示されている。
すなわち、特許文献1には、遊技者の離席状態を検知する手段と、コインの投入の有無に基づいて、あるいはセンサやカメラなどを用いて離席状態の経過時間を算出する手段と、経過時間に基づく表示を行う表示器を有するパチンコ遊技機が記載されている。
また、特許文献2に開示の技術では、ゲームの終了後、非遊技状態(特別図柄が変動しない状態)が一定期間継続した時に、デモ画像、離席画像を遊技機の表示装置に表示するようにしている。
これらの文献に開示されるような離席状態の表示に基づいて、パチンコ店では、無人の台(稼動していない台)がどの程度の期間放置されているのかをホールコンピュータで管理することも出来る。また、ある一定の期間、放置されている遊技機については、なんらかの手段で店員に報知をし、店員は、空いている遊技機の有無を容易に判断することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−198852公報
【特許文献2】特開2007−75146公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献の開示では、遊技機が稼働中(遊技が行われている)であるか否か、稼動していない場合にその状態がどの程度の期間続いているのかを検知して表示、管理等をすることは可能である。
しかしながら、遊技機に備えた遊技球の受け皿等におかれた遊技球やメダル、タバコの箱等を直接に検知するわけではないので、遊技機が台取り(理由なく占有)されているのか、あるいは単に空き台なのか、あるいは遊技者が一時的に席を外しているだけなのか、といった条件をきめ細かく判断し、台取り状態の有無を判断して店員に報知をすることが出来ない。
本発明は、かかる問題点を鑑みて、パチンコ台の受け皿内の遊技球やタバコの箱などを、検知手段によって検知した結果に基づいて、遊技者が着席しておらず遊技がなされていないパチンコ遊技機が、空き台なのか、あるいは占有されているのか、を判断して適切に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、遊技盤と、該遊技盤の遊技領域に遊技球を発射する遊技球発射装置に遊技球を供給する供給皿と、遊技機の稼働の有無を検知する稼働検知手段と、前記供給皿内の物体の有無を検知する物体検知手段と、前記稼働検知手段による検知結果と、前記物体検知手段による検知結果と、に基づいて計時を開始する計時手段と、該計時手段により計時される経過時間が所定時間となった時に、報知を行う報知手段と、を備えた遊技機を特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記稼働検知手段による検知結果及び前記物体検知手段による検知結果に基づいて、前記遊技機が稼働しておらず、且つ前記供給皿に物体が存在する占有状態となっているか否かを判断する判断手段と、を備え、前記計時手段は、前記判断手段により前記占有状態となったと判断された時点からの経過時間を計時する請求項1に記載のパチンコ遊技機を特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記稼働検知手段は、前記遊技球発射装置による前記遊技球の発射を検知することにより遊技機の稼働を検知する請求項1又は2に記載の遊技機を特徴とする。
また、請求項4の発明は、図柄を変動表示可能な図柄表示手段を備え、前記計時手段は、前記判断手段により、当該遊技機が前記占有状態にあると判断された場合でも、前記図柄表示手段により前記図柄が変動表示されている場合は、前記経過時間の計時を行わない請求項2又は3に記載の遊技機を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成したので、本発明によれば、遊技者が着席しておらず、遊技がなされていない遊技機が、空き台なのか、あるいは占有されている状態なのかを判断して、店員等に報知することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技機の全体正面図。
【図2】操作用ハンドルを拡大して示す図。
【図3】本実施形態に係る遊技機における物体検知センサの設置例を示す図。
【図4】本実施形態の遊技機の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図。
【図5】本実施形態の遊技機において各種乱数が取得される乱数テーブルの説明図。
【図6】遊技制御基板のCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャート。
【図7】遊技制御基板のCPUが実行する始動口SW処理の一例を示したフローチャート。
【図8】遊技制御基板のCPUが実行するゲートSW処理の一例を示したフローチャート。
【図9】遊技制御基板のCPUが実行する特別図柄処理の一例を示したフローチャート。
【図10】遊技制御基板のCPUが実行する大当たり判定処理の一例を示したフローチャート。
【図11】遊技制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理の一例を示したフローチャート。
【図12】遊技制御基板のCPUが実行する停止中処理の一例を示したフローチャート。
【図13】遊技制御基板のCPUが実行する客待ち設定処理の一例を示したフローチャート。
【図14】遊技制御基板のCPUが実行する普通図柄処理の一例を示したフローチャート。
【図15】遊技制御基板のCPUが実行する大入賞口処理の一例を示したフローチャート。
【図16】ラウンド回数/作動パターンの設定例を示した図。
【図17】遊技制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理の一例を示したフローチャート。
【図18】遊技制御基板のCPUが実行する電チュー処理の一例を示したフローチャート。
【図19】演出制御基板のCPUが実行するタイマ割込み処理の一例を示したフローチャート。
【図20】コマンド受信処理の一例を示したフローチャート。
【図21】客待ちコマンド受信処理の一例を示したフローチャート。
【図22】演出制御基板のCPUが実行する演出選択処理の一例を示したフローチャート。
【図23】本実施形態にかかる遊技機における占有状態報知処理の第1の例を説明するフローチャート。
【図24】本実施形態にかかる遊技機における占有状態報知処理の第2の例を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下の説明では、パチンコ遊技機(以下、遊技機と記載する)において、遊技が行われていない(稼動していない)にも関わらず、受け皿内に遊技球やタバコの箱などの異物が放置されていることで、他の来店者がその遊技機を使用出来なくなっている状態を、便宜的に、「占有状態」と呼称する。
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の全体正面図である。
この図1に示す遊技機100は、矩形形状の枠101を有し、この枠101の窓孔に対して遊技盤10が着脱可能に取り付けられている。
遊技盤10の前面側には、図示しないガラス枠が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤10の下部には、遊技球を貯留する受け皿部102と、この受け皿部102の遊技球を発射する操作用ハンドル103等が設けられている。
受け皿部102の上面には、例えば遊技者自身に操作を行わせて遊技に対する参加感を演出する操作手段として演出ボタン104が設けられている。
また、図示しないが受け皿部102の上面には、遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン、受け皿部102内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタン等が設けられている。
また、図3において詳述するが、受け皿部102内の適所には、物体検知手段としての物体検知センサ30(31)が設けられている。
【0009】
遊技盤10の裏面には、液晶画面、主制御基板とサブ制御基板等、遊技の進行、演出に関わる裏部品を組み付けた合成樹脂製の機構板(何れも図示せず)が装着されている。遊技盤10における遊技領域10aの周囲には、外レールR1及び内レールR2が設けられている。これら外レールR1及び内レールR2は、操作用ハンドル103を操作したときに発射装置から発射された遊技球を遊技領域10aの上部に案内したり、アウト口18に案内したりする。
遊技盤10のほぼ中央には、画像表示装置11が配置されている。画像表示装置11は、例えば、液晶表示装置等の液晶表示パネルにより構成され、通常動作状態の時は、特別図柄に応じた装飾図柄、例えば数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄等の画像が表示される。また、所謂リーチ状態や特別遊技状態の時は、それぞれの遊技状態であることを示す演出画像等も表示される。
【0010】
画像表示装置11の下方には、変動入賞装置12が配置されている。変動入賞装置12は、上始動口13と、左右一対の開閉爪(可動片)を有する電動式チューリップ(以下、「電チュー」と称する)14とを備えて構成される。
上始動口13は、遊技球が入賞したときに第1特別図柄表示器21の第1特別図柄を変動表示させる権利を発生させる。また電チュー14は、遊技球が入賞したときに第2特別図柄表示器22の第2特別図柄を変動表示させる権利を発生させる。
このため、上始動口13の内部には、遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ(SW)13a(図4参照)が設けられている。また電チュー14の内部には、遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ(SW)14a(図4参照)が設けられている。
電チュー14は、普通図柄表示器23の普通図柄が所定態様で停止状態のときに所定時間、開成動作するように構成されている。
なお、本実施形態では、上始動口13及び電チュー14の内部にそれぞれ別々に始動口SWを設けるようにしているが、始動口SWは共有であってもよい。
【0011】
画像表示装置11の左側には、後述する普通図柄表示器23を作動させるためのゲート15が設けられている。ゲート15は、その内部にゲートスイッチ(SW)(図5参照)が設けられている。
また変動入賞装置12の下方には、特別遊技状態のときに開成状態になる大入賞装置の大入賞口16が配置されている。
さらに遊技盤10の遊技領域10aには、一般入賞口17が配置されていると共に、風車や図示しない多数の遊技釘が突設されている。遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。
【0012】
遊技盤10の右側下方の遊技領域外には、第1特別図柄の変動と表示を行う第1特別図柄表示器21、第2特別図柄の変動と表示を行う第2特別図柄表示器22、及び普通図柄の変動と表示を行う普通図柄表示器23が設けられている。
第1特別図柄表示器21及び第2特別図柄表示器22は、特別図柄を変動表示させ所定時間経過後に当該変動表示を停止させることにより特別図柄が当たりに当選したか否か表示する。
普通図柄表示器23は、遊技球がゲートSW15aを通過したときに、普通図柄を変動表示させ所定時間経過後に当該変動表示を停止させることにより普通図柄が当たりに当選したか否か表示する。
【0013】
第1特別図柄保留ランプ24は、第1特別図柄の変動表示を開始させる権利(保留球)の保留個数を表示する。第2特別図柄保留ランプ25は、第2特別図柄の変動表示を開始させる権利の保留個数を表示する。なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留球と、第2特別図柄の保留球が保留されている場合は、第2特別図柄の保留球を優先的に消化するものとして説明するが、第1特別図柄と第2特別図柄の保留球を入賞順に消化するように構成してもよい。
普通図柄保留ランプ26は、普通図柄が変動中に遊技球がゲート15を通過したときに、ゲート15の通過によって得られる普通図柄の変動表示を開始させる権利(最大4個)の保留個数を表示する。
なお、本実施形態では、第1、第2特別図柄表示器21、22、普通図柄表示器23、第1、第2特別図柄保留ランプ24、25、及び普通図柄保留ランプ26を、遊技盤10の遊技領域外に配置しているが、これはあくまでも一例であり、これらの表示器を遊技盤10の遊技領域10a内に配置することも勿論可能である。
また、本実施形態に係る遊技機は、下記に説明する処理によって占有状態が長時間続いていると判断された場合に点滅或いは点灯させることによって、その旨を報知する報知ランプ(報知手段)を枠101の適所(視認し易い位置)に設けている。
報知ランプとしては、枠上方に備えている枠ランプ145の一部又は全部を使用してもよく、本実施形態では、枠ランプ145を報知ランプとして使用する例を説明する。
もちろん、それとは別個にランプを用意して、それを報知ランプとして使用するようにしても構わない。
【0014】
次に、遊技者が操作する、上述の操作用ハンドル103の詳細について説明する。
図2は、図1の操作用ハンドル103を拡大して示す図であり、その内側に設けられる一部の部品を破線で示している。操作用ハンドル103は、ハンドルカバー41と、ハンドルレバー42等によって正面側が覆われた状態となっている。
ハンドルレバー42は、ハンドルカバー41に対して時計方向に回転操作することが可能である。また操作用ハンドル103の左側部には、遊技者がハンドルレバー42を回転操作している状態で遊技球の発射を停止させるために操作する発射停止ボタン51が設けられている。
ハンドルカバー41とハンドルレバー42との内側には、図2に示すように、発射停止ボタン51と連動して動作する発射停止スイッチ52と、遊技者がハンドルレバー42に触れていることを検知するタッチセンサ54と、ハンドルレバー42の回転角を検知する操作角度センサ53とが設けられている。
ハンドルレバー42は例えばその表裏全面にクロムメッキが施されており、導電性が確保されている。タッチセンサ54は例えば静電容量型のセンサであり、ハンドルレバー42の裏面側に導線を介して接続されている。遊技者がハンドルレバー42に触れると、遊技者自身がアースとなって作用し、静電容量が変化するので、タッチセンサ54がそれを検知する。
発射停止スイッチ52は、発射停止ボタン51の動作と連動してオンオフ切り替え動作を行うように構成されている。ハンドルレバー42が初期位置にある場合あるいは発射停止ボタン51がオンとなっている場合、発射停止スイッチ52はオン状態となり発射停止信号を出力し、ハンドルレバー42が初期位置にない場合あるいは発射停止ボタン51がオフとなっている場合にオフ状態となる。
また、本実施形態に係る遊技機は、受け皿部102内の遊技球や、タバコの箱などの異物を検出するための物体検知センサを備えている。
【0015】
図3は、本実施形態に係る遊技機における物体検知センサ(物体検知手段)の設置例を示す図であり、(a)は遊技機の受け皿部102近傍を上部から見た概念図、(b)は、(a)における球送り用の通路を拡大して示す図である。
図3(a)に示すように、受け皿部102は、実際に遊技球を貯留しておくための貯留部102aと、発射部(遊技球発射装置)185とを連絡し貯留部102aから発射部185に遊技球を供給する通路102bと、通路102b内から遊技球を抜くためのレバー102d等を備えている。
本実施形態では、通路102bにおいて、発射部185が有する図示しない球送り装置の近傍箇所102cに、光センサなどで構成されて遊技球を検知可能な物体検知センサ(遊技球検知センサ)30を配置し、貯留部102における対向する内側面の所定位置に、やはり光センサなどで構成される物体検知センサ31を配置している(図1参照)。
通常、通路102bには、発射部185に向けて傾斜が設けられているため、受け皿部102(貯留部102a)内の遊技球は、通路102b内を発射部185に向けて自然に流れていくようになっている。従って、受け皿部102内の遊技球が少なく、例え1個や2個であったとしても、この位置(符号102c)に物体検知センサ30を設けることで確実に受け皿部102内の遊技球を検知することができる。
また、物体検知センサ31によっては、受け皿部102(貯留部102a)内に遊技球が積み上がった状態で遊技球を検知することが出来るともに、受け皿部102内に遊技球がない、あるいは少ない状態でも、受け皿部102内に存在するタバコの空き箱などの異物の存在を検知することが可能となる。よって、物体検知センサ31は、異物検知センサと呼ぶことも出来る。
なお、物体検知センサ30、31は、占有状態の判断のために、何れか一方の検知結果を使用しても良いし、双方の検知結果を使用してもよい。
【0016】
図4は、本実施形態の遊技機の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
この図4に示す遊技制御装置には、遊技の進行を制御する主制御基板として遊技制御基板111が設けられている、また副制御基板として、演出制御基板121、画像制御基板131、ランプ制御基板141、払出制御基板151等が設けられている。
遊技制御基板111は、CPU112、ROM113、及びRAM114等を有し、当該遊技機の主たる制御を行う。
遊技制御基板111には、上始動口13内に設けられた第1始動口SW13a、電チュー14内に設けられた第2始動口SW14a、電チュー14を開閉動作させるための電チューソレノイド(SOL)14b、ゲート15内に設けられたゲートSW15a、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW16aが接続されている。また大入賞口16の開閉扉を開閉動作させるための大入賞口ソレノイド(SOL)16b、普通入賞口SW17a、第1特別図柄表示器21、第2特別図柄表示器22、普通図柄表示器23、第1特別図柄保留ランプ24、第2特別図柄保留ランプ25、普通図柄保留ランプ26等が接続されている。
また遊技制御基板111には、演出制御基板121、及び払出制御基板151が接続されている。
【0017】
演出制御基板121は、CPU122、ROM123、RAM124、RTC(リアルタイムクロック)125等を有し、遊技演出全体の制御を行う。
演出制御基板121には、画像及び音声の制御を行う画像制御基板131、各種ランプ及び可動役物の制御を行うランプ制御基板141、及び演出ボタン104が接続されている。
画像制御基板131は、CPU132、ROM133、RAM134等を有し、演出制御基板121の指示に基づいて、画像及び音声の制御を行う。画像制御基板131には、画像表示装置11及びスピーカ105が接続されている。
ランプ制御基板141は、CPU142、ROM143、RAM144等を有し、枠ランプ145や盤ランプ146、演出役物147の制御を行う。
特に、枠ランプ145を上述のように報知ランプとして使用する場合には、本発明の遊技機が占有状態(台取り状態)にあると判断される場合に、枠ランプ145の一部又は全部を点滅あるいは点灯させて、その旨を報知するように制御を行う。
払出制御基板151は、CPU152、ROM153、RAM154等を有し、遊技球払出装置の払出モータ155、払出球検出SW156、球有り検出SW157、満タン検出SW158等の制御を行う。
払出制御基板151には、発射制御基板180が接続されている。この発射制御基板180は、遊技盤10の遊技領域10aに対して遊技球を発射するためのモータやソレノイドなどで構成された発射部185を制御するものである。
発射制御基板180は、払出制御基板151から遊技球の発射に関する許可或いは不許可の信号を受信し、払出制御基板151から遊技球の発射が許可されている状態で、操作用ハンドル103に対する遊技者のハンドル操作に基づいて発射部185を駆動し、遊技領域10aに対して遊技球を所定の時間間隔で打ち出すように制御する。
また、発射制御基板180は、発射制御部181、発射検知部182を備えている。
操作用ハンドル103の上述したタッチセンサ54、操作角度センサ53および発射停止スイッチ52は、発射制御基板180の発射制御部181に接続されている。
タッチセンサ54は、遊技者の手などの人体がハンドルレバー42に触れている場合、それを示す信号(接触信号)を発射制御部181に出力する。操作角度センサ53は、ハンドルレバー42の操作角度を検知して、操作角度に応じた信号を発射制御部181に出力する。発射停止スイッチ52はオン状態となっている場合、発射制御部181に発射停止信号を出力する。
発射制御部181は、これらタッチセンサ54、操作角度センサ53および発射停止スイッチ52からの各出力信号に基づいて発射部185を制御する。すなわち、発射停止スイッチ52から発射停止信号を受信していないとき、タッチセンサ54によって遊技者がハンドルレバー42に触れていることが検知されており、かつ、操作角度センサ53によってハンドルレバー42が所定角度以上回転していることが検知されている発射操作状態である場合、発射部185をハンドルレバー42の操作角度に応じた駆動力で駆動することにより、遊技球を発射させる。
発射検知部182は、操作ハンドル103から送信される各信号に基づいて、遊技者によるハンドルレバー42への接触の有無及び、操作角度が所定の角度以上となっているか否か、を判断して遊技球の発射の有無を検知し、さらに遊技球が発射されていることを示す信号(発射信号)を、演出制御基板121に送信する。
本実施形態において、演出制御基板121は、発射検知部182から発射信号を受信するか否かによって遊技機の稼動の有無を判断する。従って、発射検知部182が、本願の稼動検知手段として機能し得る。
【0018】
図5は、本実施形態の遊技機において各種乱数が取得される乱数テーブルの説明図であり、(a)は大当たり乱数テーブル、(b)は大当たり図柄乱数テーブル、(c)はリーチ乱数テーブル、(d)は当たり乱数テーブルの一例をそれぞれ示した図である。
本実施形態における特別図柄乱数は、図5(a)に示す大当たり乱数と図5(b)に示す大当たり図柄乱数とにより構成される。また普通図柄の乱数は、図5(d)に示す当たり乱数により構成される。
図5(a)に示す大当たり乱数テーブルでは、始動口入賞時、例えば「0」〜「299」までの300個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。
図5(a)に示す大当たり乱数テーブルの場合、低確率遊技状態(通常遊技状態)では、大当たりの割合が、例えば1/300に設定され、取得した大当たり乱数値が「3」のときに大当たりと判定される。
一方、高確率遊技状態では、大当たりの割合が低確率遊技状態の10倍の10/300に設定され、取得した大当たり乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」のときに大当たりと判定される。また、図4(a)に示す大当たり乱数テーブルでは、ハズレの一種である小当たりの抽選も行っている。ここでは、小当たりの割合が3/300に設定され、取得した大当たり乱数値が「150」、「200」、「250」のときに小当たりと判定される。
【0019】
次に、図5(b)に示す大当たり図柄乱数テーブルでは、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして、取得した大当たり図柄乱数に基づいて、複数種類の大当たりの中から何れか1つの大当たりを決定する。
本実施形態では、複数種類の大当たりとして、通常時短付き長当たり、高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりの4つの大当たりが用意されている。
【0020】
通常時短付き長当たりは、大当たり遊技時における大入賞口16の開放時間が長く、よって大量の出球の払い出しが期待できると共に、大当たり遊技終了後、特別図柄が所定回数(例えば100回)変動するまでの期間、時短遊技を付与する大当たりであり、従来の「通常大当たり」に相当する。
【0021】
高確率時短付き長当たりは、大当たり遊技時における大入賞口16の開放時間が長く大量の出球の払い出しが期待できると共に、大当たり遊技終了後に高確率遊技と時短遊技の両方を付与する大当たりであり、従来の「確変大当たり」に相当する。
高確率時短付き短当たりは、大当たり遊技時における大入賞口16の開放時間が短く出球の払い出しは期待できないものの、大当たり遊技終了後に高確率遊技と時短遊技の両方を付与する大当たりであり、従来の「突確大当たり」に相当する。
高確率時短無し短当たりは、大当たり遊技時における大入賞口16の開放時間が短く出球の払い出しは期待できないものの、大当たり遊技終了後に高確率遊技を付与する大当たりであり、「潜伏確変大当たり」に相当する。
【0022】
また、本実施形態の遊技機では、上始動口13に遊技球が入球した場合と電チュー14に遊技球が入球した場合では、一部の種類の大当たりについては選択される割合が異なるように構成されている。
例えば、通常時短付き長当たりが選択される割合は、遊技球が上始動口13に入賞した場合と電チュー14に遊技球が入賞した場合のいずれも50/250で同一とされる。
具体的には、図5(b)に示すように、第1始動口又は電チュー入賞時に取得された大当たり図柄乱数が「0」〜「49」であれば、通常時短付き長当たりが選択される。
【0023】
一方、高確率時短付き長当たり及び高確率時短付き短当たりが選択される割合は、遊技球が上始動口13に入賞した場合と、電チュー14に入賞した場合で異なり、例えば高確率時短付き長当たりが選択される割合は、上始動口13に遊技球が入賞した場合は25/250、電チュー14に遊技球が入賞した場合は175/250とされる。
また、高確率時短付き短当たりが選択される割合は、上始動口13に遊技球が入賞した場合は75/250、電チュー14に遊技球が入賞した場合は25/250とされる。
また、高確率時短無し短当たりが選択される割合は、上始動口13に遊技球が入賞した場合のみ100/250とされる。
具体的には、遊技球が上始動口入賞時に取得された大当たり図柄乱数が「50」〜「74」であれば、高確率時短付き長当たりが選択され、「75」〜「149」であれば、高確率時短付き短当たりが選択され、「150」〜「249」であれば、高確率時短無し短当たりが選択される。
これに対して、遊技球が電チュー入賞時に取得された大当たり図柄乱数が「50」〜「224」であれば、高確率時短付き長当たりが選択され、「225」〜「249」であれば、高確率時短付き短当たりが選択される。
【0024】
ここで、上始動口入賞時と電チュー入賞時において選択される大当たり種類を比較すると、上始動口入賞時は、高確率時短付き長当たりの割合が25/250であるのに対して、電チュー入賞時は、高確率時短付き長当たりの割合が175/250であり、電チュー入賞時のほうが、高確率時短付き長当たりが選択される割合が高くなっている。このよう構成すると、第2始動口への遊技球の入賞率が高くなる遊技状態に移行したときは高確率時短付き長当たりに連続して当選する確率が高くなるため、多量の出球の獲得が期待できメリハリがある遊技を実現することができる。
【0025】
また上始動口入賞時は、高確率時短無し短当たりの割合が100/250であるのに対して、電チュー入賞時は、高確率時短無し短当たりが選択されないようになっている。これは、第2始動口に遊技球が入賞するのは、遊技状態が遊技者とって有利な遊技状態である。この遊技状態のときに高確率時短無し短当たりが選択された場合は、時短遊技が終了してしまうことから遊技者にとって不利な遊技状態に移行してしまうことになる。つまり、大当たりに当選したにも関わらず、遊技者にとって不利益となる遊技状態に移行してしまうことになる。このため、本実施形態では、電チュー入賞時は、高確率時短無し短当たりを選択しないように構成することで、遊技者に不利な遊技状態に移行するのを防止している。
【0026】
また図5(c)に示すリーチ乱数テーブルでは、始動入賞時、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値を取得し、取得したリーチ乱数値が「0」〜「21」のときにリーチ有り、取得したリーチ乱数値が「22」〜「249」のときにリーチ無し、と判定する。
【0027】
また図5(d)に示す普通図柄の当たり乱数を抽選する当たり乱数テーブルでは、ゲート通過時、「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。
そして、時短フラグと高確フラグが共にOFFとなる低確率遊技状態又は時短フラグがOFFで高確フラグがONとなる高確率時短無し遊技状態のときは取得した当たり乱数が「7」のときのみ当たりと判定する。
一方、時短フラグがON、高確フラグがOFFとなる低確率時短遊技状態、又は時短フラグと高確フラグが共にONとなる高確率時短遊技状態のときは、取得した当たり乱数が「0」〜「9」のときに当たりと判定する。
【0028】
このように構成される本実施形態の遊技機100においては、上始動口13又は電チュー14への遊技球が入賞を契機に、遊技制御基板111が大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数等の抽選を行い、当たりに当選したと判定した場合は、第1又は第2特別図柄表示器21、22の特別図柄を特定の大当たり図柄で停止することにより、長当たり遊技、短当たり遊技、或いは小当たり遊技の何れかの当り遊技を実行する。
【0029】
一方、演出制御基板121は、遊技制御基板111から送信されてくる演出実行コマンドに基づいて各種演出制御を実行する。また遊技者が所定のタイミングで演出ボタン104を操作した場合は、その操作に基づいた各種演出制御を実行するように構成されている。
【0030】
以下、本実施形態の遊技機100の特徴的な処理について詳細に説明するが、まず遊技制御基板111が実行する各種処理について説明する。なお、以下に説明する遊技制御基板111の処理は、CPU112がROM113に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
[タイマ割込処理]
図6は、遊技制御基板のCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、タイマ割込処理として、乱数更新処理(S10)、スイッチ処理(S20)、図柄処理(S30)、電動役物処理(S40)、賞球処理(S50)、出力処理(S60)等を実行する。
【0032】
次に、上記タイマ割込処理として実行される各種処理について説明する。
[始動口SW処理]
図7は、遊技制御基板のCPUが実行する始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。この場合、CPU112は、上始動口13の第1始動口SW13aがオンであるか否かの判別を行い(S201)、第1始動口SW13aがオンであると判別した場合は、第1始動口SW13aの保留個数U1が「4」より少ないか否かの判別を行う(S202)。
ここで、保留個数U1が「4」より少ないと判別した場合は、保留個数U1に「1」を加算する(S203)。この後、特別図柄用の大当たり乱数、大当たり図柄乱数、及びリーチ乱数等を取得してRAM114に格納する(S204)。次いで、第1特別図柄保留ランプ24の保留数を増加するために第1保留数増加コマンドをセットする(S205)。なお、ステップS202において、否定結果が得られた場合、つまり保留個数U1が最大保留可能個数である「4」と判別した場合は、ステップS203〜S205の処理をスキップしてステップS206に進む。
【0033】
次に、CPU112は、電チュー14の第2始動口SW14aがオンであるか否かの判別を行い(S206)、第2始動口SW14aがオンであると判別した場合は、第2始動口SW14aの保留個数U2が「4」より少ないか否かの判別を行う(S207)。ここで、保留個数U2が「4」より少ないと判別した場合は、保留個数U2に「1」を加算する(S208)。この後、特別図柄用の大当たり乱数、大当たり図柄乱数、及びリーチ乱数等を取得してRAM114に格納する(S209)。次いで、第2特別図柄保留ランプ25の保留数を増加するために第2保留数増加コマンドをセットして(S210)、始動口SW処理を終了する。
なお、ステップS207において、否定結果が得られた場合、つまり保留個数U2が最大保留可能個数である「4」と判別した場合は、始動口SW処理を終了する。
【0034】
[ゲートSW処理]
図8は、遊技制御基板のCPUが実行するゲートSW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、ゲート15のゲートSW15aがオンであるか否かの判別を行い(S221)、ゲートSW15aがオンであると判別した場合は、ゲートSW15aのゲート通過回数Gが「4」より少ないか否かの判別を行う(S222)。ゲート通過回数Gが「4」より少ないと判別した場合は、ゲート通過回数Gに「1」を加算し(S223)、普通図柄用の当たり乱数を取得してRAM114に格納して(S224)、ゲートSW処理を終了する。
なお、ステップS221において、ゲートSW15aがオンでないと判別した場合、或いはステップS222において、否定結果が得られた場合、つまりゲート通過回数Gが最大保留可能個数である「4」と判別した場合は、ゲートSW処理を終了する。
【0035】
[特別図柄処理]
図9は、遊技制御基板のCPUが実行する特別図柄処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、大当たり遊技フラグがONであるか否か、つまり大当たり遊技中であるか否かの判別を行い(S311)、大当たり遊技中でないと判別した場合は、第1特別図柄表示器21又は第2特別図柄表示器22の特別図柄が変動中であるか否かの判別を行う(S312)。特別図柄が変動中でないと判別した場合は、次に優先的に消化する第2始動口SW14aの保留個数U2が「1」より多いか否かの判別を行い(S313)、保留個数U2が「1」より多いと判別した場合は、保留個数U2を「1」減算する(S314)。
【0036】
一方、ステップS313において、保留個数U2が≧1でないと判別した場合、つまり保留個数U2が「0」である場合は、次に第1始動口SW13aの保留個数U1が「1」より多いか否かの判別を行い(S315)、保留個数U1が「1」より多いと判別した場合は、保留個数U1を「1」減算する(S316)。
【0037】
次に、CPU112は、客待ちフラグがONであればOFFにした後(S317)、後述する大当たり判定処理を実行する(S318)。大当たり判定処理実行後は、後述する変動パターン選択処理を実行する(S319)。変動パターン選択処理実行後は、対応する第1特別図柄表示器21、又は第2特別図柄表示器22の図柄変動を開始すると共に、演出制御基板121に送信する変動開始コマンドをセットする(S320、S321)。変動開始コマンドには、特別図柄が大当たりか否かの情報、リーチの有無の情報、変動時間の情報、及び遊技状態に関する情報等が含まれている。
次に、CPU112は、第1又は第2特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判別を行い(S322)、所定の変動時間を経過したと判別した場合は、第1特別図柄表示器21又は第2特別図柄表示器22の変動を停止して所定特別図柄を表示させる(S323)。この後、変動停止コマンドをセットし(S324)、後述する停止中処理(S325)を実行して特別図柄処理を終了する。
【0038】
なお、ステップS311において大当たり遊技フラグがONであると判別した場合、或いはステップS322において、特別図柄の変動時間が所定の変動時間に達していないと判別した場合は、特別図柄処理を終了する。
また、ステップS312において、特別図柄が変動中であると判別した場合は、ステップS322に進み、特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判別を行う。
また、ステップS316において、保留個数U1が≧1でないと判別した場合、つまり保留個数U1、U2の保留が無いと判別した場合は、後述する客待ち設定処理を実行して(S326)、特別図柄処理を終了する。
【0039】
[大当たり判定処理]
図10は、遊技制御基板のCPUが実行する大当たり判定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、RAM114に記憶された大当たり乱数の判定を行い(S331)、続くステップS332において大当たりであるか否かの判別を行う。ここで、大当たりと判別した場合は、RAM114に記憶された大当たり図柄乱数の判定を行い(S333)、その判定結果に基づいて、第1特別図柄表示器21又は第2特別図柄表示器22にセットする大当たり図柄を設定して(S334)、大当たり判定処理を終了する。
一方、ステップS332において、大当たりでないと判別した場合は、次に大当たり乱数に基づいて小当たりであるか否かの判別を行う(S335)。ここで、小当たりと判別した場合は、第1特別図柄表示器21又は第2特別図柄表示器22にセットする小当たり図柄を設定して(S336)、大当たり判定処理を終了する。また、ステップS335において、小当たりでない判別した場合は、第1特別図柄表示器21又は第2特別図柄表示器22にセットするハズレ図柄を設定して(S337)、大当たり判定処理を終了する。
【0040】
[変動パターン選択処理]
図11は、遊技制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、大当たり図柄に基づいて大当たりであるか否かの判別を行い(S341)、大当たりであると判別した場合は、大当たり用テーブルをRAM114にセットする(S342)。
一方、ステップS341において、大当たりでないと判別した場合は、次にリーチ乱数の判定を行い(S343)、リーチであるか否かの判別を行う(S344)。ここで、リーチと判別した場合は、リーチ用テーブルをRAM114にセットする(S345)。また、ステップS344において、リーチでないと判別した場合は、ハズレ用テーブルをRAM114にセットする(S346)。
次に、CPU112は、先に取得した変動パターン乱数の判定を行い(S347)、その変動パターン乱数に応じた変動パターンを設定して(S348)、変動パターン選択処理を終了する。
【0041】
[停止中処理]
図12は、遊技制御基板のCPUが実行する停止中処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、時短フラグがONであるか否かの判別を行い(S351)、時短フラグがONであると判別した場合は、RAM114に記憶されている時短ゲームの残ゲーム回数Jから「1」を減算する(S352)。
次に、CPU112は、残ゲーム回数Jが「0」であるか否かの判別を行い(S353)、残ゲーム回数Jが「0」であれば、時短ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われたことを意味するので時短フラグをOFFにする(S354)。なお、ステップS351において時短フラグがONでないと判別した場合、或いはステップS353において、残ゲーム回数Jが「0」でないと判別した場合は、ステップS355に移行する。
【0042】
次に、CPU112は、高確フラグがONであるか否かの判別を行い(S355)、高確フラグがONであると判別した場合は、RAM114に記憶されている高確率ゲームの残ゲーム回数Xから「1」を減算する(S356)。
次に、CPU112は、残ゲーム回数Xが「0」であるか否かの判別を行い(S357)、残ゲーム回数Xが「0」であれば、高確率ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば10000回)行われたことを意味するので高確フラグをOFFにする(S358)。なお、ステップS355において、高確フラグがONでないと判別した場合、或いはステップS357において、残ゲーム回数Xが「0」でないと判別した場合は、ステップS359に移行する。
【0043】
次に、CPU112は、第1特別図柄表示器21又は第2特別図柄表示器22にセットされた特別図柄により大当たりであるか否かの判別を行い(S359)、大当たりでないと判別した場合は、次にセットされている特別図柄が「小当たり」であるか否かの判別を行う(S360)、ここで、小当たりであると判別した場合は、小当たり遊技フラグをONにする(S361)。この後、大当たりのオープニングを開始すると共に、大当たりオープニングコマンドをセットして(S362、S363)、停止中処理を終了する。
一方、ステップS360において、小当たりでないと判別した場合は、小当たり遊技フラグをONにすることなく変動停止中処理を終了する。
また、ステップ359において、大当たりであると判別した場合は、次に大当たりが長当たりであるか否かの判別を行い(S364)、長当たりであると判別した場合は、長当たり遊技フラグをONにし(S365)、そうでなければ短当たりフラグをONにして(S366)する。この後、時短ゲームの残ゲーム回数J、及び高確率ゲームの残回数Xをそれぞれ「0」をセットして、残ゲーム回数J/Xをリセットした後(S367)、時短フラグと高確フラグをOFFにする(S368)。この後、ステップS362に進む。
【0044】
[客待ち設定処理]
図13は、遊技制御基板のCPUが実行する客待ち設定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、客待ちフラグがONであるか否かの判別を行い(S371)、待ちフラグがONであると判別した場合は、客待ち設定処理を終了する。
一方、ステップS371において、待ちフラグがONでないと判別した場合は、客待ちコマンドをセットすると共に、客待ちフラグをONにしてから(S372、S373)、客待ち設定処理を終了する。
【0045】
[普通図柄処理]
図14は、遊技制御基板のCPUが実行する普通図柄処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、補助遊技フラグがONであるか否の判別を行い(S381)、補助遊技フラグがONであると判別した場合は普通図柄処理を終了する。
一方、ステップS381において、補助遊技フラグがONでないと判別した場合は、普通図柄が変動中であるか否かの判別を行う(S382)。ここで、普通図柄が変動中でないと判別した場合は、ゲートSW15aのゲート通過回数Gが「1」より多いか否かの判別を行い(S383)、ゲート通過回数Gが「1」より多い場合は、ゲート通過回数Gを「1」減算し(S384)、ゲート通過回数Gが「1」より多くないと判別した場合、つまり「0」の場合は、普通図柄処理を終了する。
次に、CPU112は、普通図柄の当たり乱数の判定を行い(S385)、普通図柄表示器23に停止表示する停止図柄と変動時間を設定する(S386、S387)。ここで、変動時間は、例えば時短フラグがOFFであれば4.0秒、時短フラグがONであれば、1.5秒に設定することが考えられる。
この後、普通図柄の変動を開始すると共に、普図変動開始コマンドをセットする(S388、S389)。
【0046】
次に、CPU112は、普通図柄の変動時間が所定時間経過したか否かの判別を行い(S390)、所定の変動時間を経過したと判別した場合は変動を停止すると共に、普図変動停止コマンドをセットする(S391、S392)。なお、ステップS390において、普通図柄の変動時間が所定時間経過していないと判別した場合は、普通図柄処理を終了する。
次に、CPU112は、普通図柄が当たり図柄であるか否かの判別を行い(S393)、普通図柄が当たり図柄である場合は、補助遊技フラグをONにして(S394)、普通図柄処理を終了する。なお、ステップS393において、停止図柄が当たり図柄でない場合は、補助遊技フラグをONにすることなく、普通図柄処理を終了する。
また、ステップS382において、普通図柄が変動中であると判別した場合は、ステップS390に進み、普通図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判別を行う。
【0047】
[大入賞口処理]
図15は、遊技制御基板のCPUが実行する大入賞口処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、大当たり遊技フラグがONであるか否かの判別を行い(S411)、大当たり遊技フラグがONであると判別した場合は、オープニング中であるか否かの判別を行う(S412)。大当たりのオープニング中であると判別した場合は、次にオープニング時間を経過したか否かの判別を行う(S413)。オープニング時間を経過したと判別した場合は、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う(S414)。
【0048】
図16は、ラウンド回数/作動パターンの設定例を示した図であり、大当たりが長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を15R、1R中の作動パターンが29.5秒開放×1回に設定する。また大当たりが短当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を15R、1R中の作動パターンが0.1秒開放×1回に設定する、更に、小当たりであった場合は、上記短当たりと同様、ラウンド数(R数)を15R、1R中の作動パターンが0.1秒開放×1回に設定する。
【0049】
次に、CPU112は、大入賞口16への1ラウンドあたりの入賞個数を示す個数カウンタC1に「0」をセットすると共に、ラウンド回数Rの値に「1」を加算する(S415、S416)。この後、大入賞口16の作動を開始する。つまり、大入賞口16を閉状態から開状態にする(S417)。
次にCPU112は、大入賞口16の作動時間が所定の作動時間を経過したか否かの判別を行い(S418)、作動時間が所定時間を経過していないと判別した場合は、次に個数カウンタCの値が規定個数に達したか否かの判別を行う(S419)。
ここで、個数カウンタCの値が規定個数Cであると判別した場合は、大入賞口16の作動を終了する。つまり、大入賞口16を開状態から閉状態にする(S420)。
一方、個数カウンタCの値が規定個数に達していないと判別した場合は、大入賞口処理を終了する。
また、ステップS418において、大入賞口16の作動時間が所定の作動時間を経過していた場合は、ステップS419の処理をスキップして、個数カウンタCの個数をチェックすることなく大入賞口16の作動を終了する(S420)。
【0050】
次に、CPU112は、大当たりラウンド回数が最大ラウンド回数Rであるか否かの判別を行う。つまり、大当たりラウンドが最終ラウンドであるか否かの判別を行う(S421)。
ここで、大当たりラウンドが最終ラウンドであると判別した場合は、エンディングを開始すると共に、エンディングコマンドをセットする(S422、S423)。
次いで、CPU112は、ラウンド回数Rの値を「0」にセットする(S424)。この後、エンディング時間が経過したか否かの判別を行い(S425)、エンディング時間を経過したと判別した場合は、後述する遊技状態設定処理を実行し(S426)、大当たりフラグをOFFにして(S427)、大入賞口処理を終了する。
【0051】
また、ステップS412において、大当たりのオープニング中でないと判別した場合は、エンディング中であるか否かの判別を行い(S428)、エンディング中であると判別した場合は、ステップS425に進み、エンディング中でないと判別した場合は、大入賞口が作動中であるか否かの判別を行う(S429)。
ここで、大入賞口16が作動中であると判別した場合は、ステップS418に移行し、大入賞口16が作動中でないと判別した場合はステップS415に移行する。
また、ステップS413において、オープニング時間を経過していないと判別した場合、ステップS419において、個数カウンタC1の値が規定個数に達していないと判別した場合、ステップS421において、大当たりラウンドが最終ラウンドでないと判別した場合、或いはステップS425において、エンディング時間を経過していないと判別した場合は、大入賞口処理を終了する。
【0052】
[遊技状態設定処理]
図17は、遊技制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、先ず、小当たりであるか否かの判別を行い(S431)、小当たりであると判別した場合は遊技状態設定処理を終了する。
一方、小当たりでないと判別した場合は、次に通常長当たり(低確率時短付き長当たり)であるか否かの判別を行い(S432)、通常長当たりであると判別した場合は、時短フラグをONにすると共に、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「100」をセットして(S433、S434)、遊技状態設定処理を終了する。
一方、ステップS432において、通常長当たりでないと判別した場合は、高確率遊技を付与する大当たりであるので、高確フラグをONにすると共に、高確ゲームの残ゲーム回数Xに例えば「10000」をセットする(S435、S436)。
次に、当たりが時短付き当たりであるか否かの判別を行い(S437)、時短付き当たりであると判別した場合は、時短フラグをONにすると共に、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「10000」をセットして(S438、S439)、遊技状態設定処理を終了する。一方、ステップS437において、時短付き当たりでないと判別した場合、時短フラグをOFFにすると共に、時短ゲームの残ゲーム回数Jをリセットして(S440、S441)、遊技状態設定処理を終了する。
【0053】
[電チュー処理]
図18は、遊技制御基板のCPUが実行する電チュー処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、補助遊技フラグがONであるか否かの判別を行い(S511)、補助遊技フラグがONであると判別した場合は、次に電チュー14が作動中であるか否かの判定を行う(S512)。ここで、電チュー14が作動中でなければ、遊技状態に応じて、電チュー14の作動パターンを設定し(S513)、電チュー14の作動を開始する(S514)。
次に、CPU112は、電チュー14の作動時間が所定の作動時間を経過したか否かの判別を行い(S515)、電チュー14の作動時間が経過したと判別した場合は、補助遊技フラグをOFFにして(S516)、電チュー処理を終了する。
ここで、設定する電チュー14の作動時間は、例えば時短フラグがOFFであれば、0.15秒開放×1回、時短フラグがONであれば、1.80秒開放×3回に設定することが考えられる。
なお、ステップS512において、電チュー14が作動中であると判別した場合は、ステップS515に移行する。また、ステップS511において、補助遊技フラグがONでないと判別した場合、或いはステップS515において、電チュー14の作動時間が経過していないと判別した場合、電チュー処理を終了する。
【0054】
以下、本実施形態の遊技機の演出制御基板121が実行する特徴的な処理について説明する。
[タイマ割込処理]
図19は、演出制御基板のCPUが実行するタイマ割込み処理の一例を示したフローチャートである。なお、図19に示すタイマ割込み処理は、演出制御基板121のCPU122がROM123に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
この場合、演出制御基板121のCPU122は、タイマ割込処理として、コマンド受信処理(S610)、演出ボタン処理(S620)、占有状態報知処理(S630)、コマンド送信処理(S640)等を実行する。
【0055】
[コマンド受信処理]
図20は、コマンド受信処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、CPU122は、保留数増加コマンドを受信したか否かの判別を行い(S701)、保留数増加コマンドを受信したと判別した場合は、RAM124に記憶した保留球の保留数の加算を行う(S702)。そして保留数加算後、保留数コマンドをセットする(S703)。
次に、CPU122は、変動開始コマンドを受信したか否かの判別を行い(S704)、変動開始コマンドを受信したと判別した場合は、演出選択処理を実行する(S705)。
そして、演出選択処理終了後、次に変動停止コマンドを受信したか否かの判別を行う(S706)。なお、ステップS704において、変動開始コマンドを受信していないと判別した場合は、演出選択処理を実行することなくステップS706に進む。
【0056】
次に、CPU122は、ステップS706において、変動停止コマンドを受信したと判別した場合は、変動演出終了中処理を実行する(S707)。なお、変動演出終了中処理の詳細な説明は省略する。
そして、変動演出終了中処理終了後、次にオープニングコマンドを受信したか否かの判別を行う(S708)。なお、ステップS706において、変動停止コマンドを受信していないと判別した場合は、変動演出終了中処理を実行することなく、ステップS708に進む。
次に、ステップS708において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は、当たり演出選択処理を実行する(S709)。なお、当たり演出選択処理の詳細な説明は省略する。そして、当たり演出選択処理終了後、次にエンディングコマンドを受信したか否かの判別を行う(S710)。なお、ステップS708において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は、当たり演出選択処理を実行することなくステップS710に進む。
【0057】
次に、ステップS710において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は、エンディング演出選択処理を実行する(S711)。なお、エンディング演出選択処理の詳細な説明は省略する。
エンディング演出選択処理終了後は、客待ちコマンド受信処理を実行する(S712)。なお、ステップS710において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は、エンディング演出選択処理を実行することなく客待ちコマンド受信処理を実行する。
そして、客待ちコマンド受信処理終了後にコマンド受信処理を終了する。
【0058】
[客待ちコマンド受信処理]
図21は、客待ちコマンド受信処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、CPU122は、客待ちコマンドを受信したか否かの判別を行い(S731)、客待ちコマンドを受信したと判別した場合は、計測を開始すると共に計測フラグをONにして(S732、S733)、ステップS735に進む。
一方、ステップS731において、客待ちコマンドを受信していないと判別した場合は、計測フラグがONであるか否かの判別を行い(S734)、計測フラグがONであれば、ステップS735に進み、計測フラグがONでなければ、客待ちコマンド受信処理を終了する。
次に、CPU122は、ステップS735において、タイムアップか否かの判別を行い、タイムアップであれば、計測フラグをOFFにする(S736)。この後、客待ち演出コマンドをセットして(S737)、客待ちコマンド受信処理を終了する。なお、ステップS735において、タイムアップでないと判別した場合は、客待ちコマンド受信処理を終了する。
【0059】
図22は、演出制御基板のCPUが実行する演出選択処理の一例を示したフローチャートである。
CPU122は、まず、変動開始コマンドの解析を行う(S801)。
次いで、CPU122は、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報、大当たり図柄情報、リーチ情報等に基づいて変動演出パターン選択処理を行う(S802)。
次に、変動演出開始コマンドをセットする(S803)。さらに、RAM124に記憶されている保留数の保留数を減算する処理を行って(S804)、演出選択処理を終了する。
なお、演出制御基板121によって選択された変動演出パターンに従って、実際に画像を選択し、再生する制御を行うのは画像制御基板131(図4)である。
【0060】
[占有状態報知処理]
図23は、本実施形態に係る遊技機における占有状態報知処理の第1の例を説明するフローチャートである。
以下に示す処理は、演出制御基板121のCPU122がROM123に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
また、以下に示す例は、物体検知手段として、受け皿部102の通路102bに設けられた遊技球検知センサ30及び受け皿部102(貯蔵部102a)の上方に設けた物体検知センサ31を使用して、遊技機の占有状態を判断する。
なお、上述のように、物体検知センサ31は、受け皿部102上方の、物体検知センサ30よりも高い位置に設けたセンサであり、受け皿部102内に置かれたタバコの箱などの異物や、大量に貸球を行うなどして受け皿の高い位置にまで積み上がった遊技球を検知可能なセンサである。
【0061】
図23のフローチャートにおいて、CPU122は、発射検知部182が遊技球の発射を検知しない場合(S901でNo)、遊技機は稼働していない(遊技中ではない)ものと判断する。
その状態で、遊技球検知センサ30が通路102b内に遊技球を検知した場合(S902でYes)、CPU122は、受け皿に遊技球を残したまま遊技者が席を離れている占有状態(台取り)にあると判断する(S903)。
また、遊技球検知センサ30が遊技球を検知しない場合でも(S902でNo)、遊技球検知センサ30よりも高い位置にある物体検知センサ31が物体を検知した場合は(S906でYes)は、貯留部102aにタバコの空き箱等の異物を残したまま遊技者が席を離れている占有状態にあると判断する(S903)。
ただし、遊技者が一時的に離席しているだけで、間もなく席に戻ってくる可能性もあり、また遊技者が単に着席したまま遊技を休んでいる場合もあるため、すぐに報知を行うのではなく、計時手段によって占有状態の継続時間のカウントを開始する(S904)。
【0062】
計時手段としては、演出制御基板121が備えているRTC125を使用するのが最も好適であるが、それとは別にタイマ装置を設けて、計時を行うようにしても良い。
なお、ステップS901で遊技球の発射が検知される場合(S901でYes)、遊技機は稼働していると判断される(S905)ため、CPU122は、遊技機が占有状態にはないと判断し、何もせずにそのまま占有状態報知処理を終了する。
また、発射検知部182により遊技球の発射が検知されず、遊技機が稼働していないと判断される場合でも(S901でNo)、遊技球検知センサ30により受け皿部102の通路102b内に遊技球が検知されず(S902でNo)、且つ物体検知センサ31で受け皿部102内の物体が検知されない場合(S906でNo)は、遊技機が空き台であり占有状態にはないと判断し(S907)、やはり何もしないで占有状態報知処理を終了する。
【0063】
S904において占有状態の継続時間のカウントが開始された後、計時手段による計時に基づき所定時間が経過すると(S908でYes)、CPU122は、遊技機が長時間占有状態にあると判断し、報知ランプ(報知手段)としての枠ランプ145により報知をさせる(ステップS909)。
なお、S909で報知ランプによる報知が開始した後で、遊技球の発射が検知された場合(ステップS910)、CPU122は、遊技機が再び稼働して(遊技が再開されて)占有状態が解除されたと判断し(S911)、報知ランプによる報知を解除させて(S912)、占有状態報知処理を終了する。
【0064】
また、発射検知部182が遊技球の発射を検知せずとも、遊技球検知センサ30により受け皿部102の通路102b内の遊技球が検知されなくなり(S913でNo)、かつ物体検知センサ31により受け皿部102内の物体が検知されなくなった場合(S914)は、CPU122は、図3に示すレバー102が操作されて通路102bから遊技球が取り除かれ、且つタバコの箱当の異物が取り去られることで空き台となり、占有状態は解除されたと判断して(S915)報知ランプによる報知を解除し(S912)、占有状態報知処理を終了する。
【0065】
換言すれば、遊技球の発射がされていない状態で、遊技球検知センサ30と物体検知センサ31の何れか一つでも、遊技球又は異物を検知していれば、遊技機の占有は続いているとして報知ランプによる報知を続行するのであり、双方のセンサ30、31が検知をしなくなって初めて占有が終わったと判断する。
次に、S904において計時手段による計時を開始後、所定時間が経過する前に(S908でNo)、遊技球の発射を検知した場合(S916でYes)、CPU122は、当該遊技機が再び稼働して(遊技が再開されて)、占有状態が解除されたと判断し(S917)、計時手段によるカウントをリセットして(S918)、占有状態報知処理を終了する。
【0066】
また、発射検知部182により遊技球の発射が検知されずとも(S916でNo)、遊技球検知センサ30により遊技球が検知されず(S919でNo)、かつ、物体検知センサ31でも物体が検知されない場合は(S920でNo)、CPU122は、図3に示すレバー102dが操作されて通路102bから遊技球が取り除かれて遊技機が空き台となり、且つ受け皿部102から異物が取り除かれて、遊技機が空き台となったと判断し(S921)カウントをリセットして(S918)、占有状態報知処理を終了する。
【0067】
なお、上記では、CPU122が占有状態の有無を判断する際、遊技球が発射されているか否かの情報、受け皿部102内に遊技球又は異物が検知されるか否かの情報を使用する例を説明したが、これに限定されることはない。また、これらの情報だけでは必ずしも、遊技機の占有状態を正確に判断出来ない場合もある。
尺(時間)の長いリーチ演出中や、特別図柄の保留数が増えて、例えば4つになった場合などでは、操作用ハンドル103から手を離して遊技球の発射を停止する遊技者も往々にして存在するからである。
そして、そのような状態において、ほとんどの場合で受け皿部102内には遊技球が存在し、遊技球検知センサ30によって検知されている。
【0068】
従って、遊技機が占有中ではない(稼働中である)にもかかわらず、遊技機が占有状態であると判断してしまうことになる。
従って、発射検知部182により遊技球の発射が検知されず(S901でNo)、遊技球検知手段が受け皿内の遊技球を検知する場合でも(S902でYes)、特別図柄が変動中である場合は、遊技機における遊技が続行中であると判断し、S904において、計時手段によるカウントを開始しないようにする。
このように構成すれば、より正確に判断した遊技機の状態に基づいて、報知ランプによる報知を行うことが出来る。
【0069】
しかしながら、図23で説明した処理では、報知ランプによる報知がされている間、あるいは計時手段によるカウントが行われている間に、遊技球の発射が検知された場合は、遊技中であると判断して、無条件に、報知を解除し(S912)、あるいはカウントをリセットさせていた(S918)。
しかし、貯留部102bに物を置いて、占有行為を意図的に行っているような遊技者の場合、報知やカウントを止めるために、操作用ハンドル103を操作して、そのまま離席してしまうことも考えられる。
そこで、本例においては、発射検知部182により遊技球の発射が検知されても(S910、S916でYes)、遊技球検知センサ30が遊技球を検知せず、物体検知センサ31だけが物体を検知する場合には、遊技者が席に戻ったと見なさないようにしても良い。
【0070】
これは以下の理由による。
受け皿部102内に遊技球が存在する場合、通路102b内に遊技球が検出されないが、貯留部102a上方の高い位置に設けた物体検知センサ31に遊技球が検出されるということは有りえない。
従って、物体検知センサ31に検出されているのは、遊技球ではなく異物であり、受け皿部102内には遊技球は存在しないと考えられるため、遊技機は依然として占有状態にあると容易に判断し得るからである。
一方、発射検知部182により遊技球の発射が検知されており、遊技球検知センサ30により遊技球が検知される限りは、物体検知センサ31の検出結果如何によらず占有行為が行われていないとほぼ確実に判断し得る。
従って、より正確に遊技機の状態を判断し得る。
【0071】
図24は、本実施形態にかかる遊技機における占有状態報知処理の第2の例を説明するフローチャートである。
以下に示す処理は、演出制御基板121のCPU122がROM123に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
また、以下に示す例は、物体検知手段として、受け皿部102の通路102bに設けた遊技球検知センサ30のみ、又は受け皿部102上方の物体検知センサ30よりも高い位置に設けた物体検知センサ31のみを用いた態様である。
以下においては、遊技球検知センサ30の場合のみを説明するが、物体検知センサ31の場合も同じ処理が適用出来る。
本実施形態においては、搭載するセンサの数を減らし、第1の例よりも簡易的に占有状態を判断することで、処理の簡素化、コストダウンを図ることが出来る。
【0072】
CPU122は、発射検知部182により遊技球の発射が検知されない場合(S1001でNo)、遊技機は稼働していない(遊技中ではない)ものと判断する。
その状態で、遊技球検知センサ30が遊技球を検知した場合(S1002でYes)、CPU122は、受け皿に遊技を残したまま遊技者が席を離れている占有状態(台取り)にあると判断する(S1003)。
第1の例と同様に、遊技者が一時的に離席しているだけで、間もなく席に戻ってくる可能性もあり、また遊技者が単に着席したまま遊技を休んでいる場合もあるため、すぐに報知を行うのではなく、計時手段によって占有状態の継続時間のカウントを開始する(S1004)。
【0073】
計時手段としては、演出制御基板121が備えているRTC125を使用するのが最も好適であるが、それとは別にタイマ装置を設けて、計時を行うようにしても良い。これも第1の例の場合と同じである。
遊技球の発射が検知される場合(S1001でYes)は、遊技機は稼働している(少なくとも遊技者がパチンコ台から離席していない)と判断される(S1005)ため、CPU122は、遊技機が占有状態にはないと判断し、何もせずにそのまま占有状態報知処理を終了する。
また、発射検知部182により遊技球の発射が検知されず、遊技機が稼働していないと判断される場合でも(ステップS1001でNo)、遊技球検知センサにより受け皿部102内に遊技球が検知されない場合(S1002でNo)は、CPU122は、遊技機が空き台であり占有状態にはないと判断し(S1006)、やはり何もしないで占有状態報知処理を終了する。
【0074】
S1004において占有状態の継続時間のカウントが開始された後、計時手段による計時に基づき所定時間が経過すると(S1007でYes)、CPU122は、遊技機が長時間占有状態にあると判断し、報知ランプ(報知手段)としての枠ランプ145により報知をさせる(S1008)。
なお、S1008で報知ランプによる報知が開始した後で遊技球の発射が検知された場合(S1009でYes)、CPU122は、遊技機が再び稼働して(遊技が再開されて)占有状態が解除されたと判断し(S1010)、報知ランプによる報知を解除させて(S1011)、占有状態報知処理を終了する。
【0075】
また、発射検知部182により遊技球の発射が検知されずとも、遊技球検知センサ30により受け皿部102内の遊技球が検知されなくなった場合は(S1012でNo)、CPU122は、図3に示すレバー102が操作されて通路102bから遊技球が取り除かれてその遊技機が空き台となり、占有状態は解除されたと判断し(S1013)、報知ランプによる報知を解除して(S1011)、占有状態報知処理を終了する。
次に、S1004において計時手段による計時を開始後、所定時間が経過する前に(S1007でNo)、発射検知部182により遊技球の発射が検知された場合(S1014でYes)、CPU122は、当該遊技機が再び稼働して(遊技が再開されて)、占有状態が解除されたと判断し(S1015)、計時手段によるカウントをリセットして(S1016)、占有状態報知処理を終了する。
また、発射検知部182により遊技球の発射が検知されずとも、遊技球検知センサ30により受け皿部102内の遊技球が検知されなくなった場合は(S1017でNo)、CPU122は、図3に示すレバー102dが操作されて通路102bから遊技球が取り除かれて(物体検知センサ31を用いる場合は、異物が取り除かれて)遊技機が空き台となり、占有状態が解除されたと判断し(S1018)、計時手段によるカウントをリセットして(S1016)、報知ランプによる報知を行わず、占有状態報知処理を終了する。
【0076】
なお、上記では、CPU122が占有状態の有無を判断する際、遊技球が発射されたか否かの情報及び受け皿部102内に遊技球が検知されるか否かの情報を使用する例を説明したが、これに限定されることはない。また、これらの情報だけでは必ずしも、遊技機の占有状態を正確に判断出来ない場合もある。
尺(時間)の長いリーチ演出中や、特別図柄の保留数が増えて、例えば4つになった場合などでは、操作用ハンドル103から手を離す遊技者も往々にして存在するからである。
そして、そのような状態において、ほとんどの場合で受け皿部102内には遊技球が存在し、遊技球検知センサ30によって検知されている。
【0077】
従って、図のフローチャート遊技機が占有中ではない(稼働中である)にもかかわらず、遊技機が占有状態であると判断してしまうことになる。
従って、遊技球の発射が検知されず(S1001でNo)、遊技球検知センサ30が受け皿内の遊技球を検知する(物体検知センサ31が物体を検知する)場合(でも(S1002でYes)、特別図柄が変動中である場合は、遊技機における遊技が続行中であると判断し、S1004において、計時手段によるカウントを開始しないようにする。
このように構成すれば、より正確に判断した遊技機の状態に基づいて、報知ランプによる報知を行うことが出来る。
【0078】
なお、以上説明した実施形態において、計時手段による計時結果(占有状態と判断されてから何秒経過したか等)を画像表示装置11に表示しても良い。
また、計時手段による計時結果に従って報知ランプの発光色を変えるようにしてもよい。そのようにすることで、ホール内を巡回する従業員や他の客にとって、遊技機がどの程度の期間占有されているかが一目瞭然となる、という効果がある。
【符号の説明】
【0079】
10 遊技盤、11 画像表示装置、12 変動入賞装置、13 上始動口、13a 始動口SW、14 電チュー、14a 始動口SW、15 ゲート、15a ゲートSW、16 大入賞口、16a 大入賞口SW、17 一般入賞口、17a 普通入賞口SW、18 アウト口、21 特別図柄表示器、22 特別図柄表示器、23 普通図柄表示器、24 特別図柄保留ランプ、25 特別図柄保留ランプ、26 普通図柄保留ランプ、30 センサ、31 センサ、41 ハンドルカバー、49 ハンドルレバー、51 発射停止ボタン、52 発射停止スイッチ、53 操作角度センサ、54 タッチセンサ、71 解除スイッチ、71a 頭部、100 遊技機、101 枠、102 受け皿部102a 通路、102c 箇所、103 操作用ハンドル、104 演出ボタン、105 スピーカ、10a 遊技領域、111 遊技制御基板、112 CPU、113 ROM、114 RAM、121 演出制御基板、122 CPU、123 ROM、124 RAM、125 RTC、131 画像制御基板、132 CPU、133 ROM、134 RAM、141 ランプ制御基板、142 CPU、143 ROM、144 RAM、145 枠ランプ、146 盤ランプ、147 演出役物、151 払出制御基板、152 CPU、153 ROM、154 RAM、155 払出モータ、156 払出球検出SW、157 検出SW、158 満タン検出SW、180 発射制御基板、181 発射制御部、182 発射検出部、185 発射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤と、
該遊技盤の遊技領域に遊技球を発射する遊技球発射装置に遊技球を供給する供給皿と、
遊技機の稼働の有無を検知する稼働検知手段と、
前記供給皿内の物体の有無を検知する物体検知手段と、
前記稼働検知手段による検知結果と、前記物体検知手段による検知結果と、に基づいて計時を開始する計時手段と、
該計時手段により計時される経過時間が所定時間となった時に、報知を行う報知手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記稼働検知手段による検知結果及び前記物体検知手段による検知結果に基づいて、前記遊技機が稼働しておらず、且つ前記供給皿に物体が存在する占有状態となっているか否かを判断する判断手段と、を備え、
前記計時手段は、前記判断手段により前記占有状態となったと判断された時点からの経過時間を計時することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記稼働検知手段は、前記遊技球発射装置による前記遊技球の発射を検知することにより遊技機の稼働を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
図柄を変動表示可能な図柄表示手段を備え、
前記計時手段は、前記判断手段により、当該遊技機が前記占有状態にあると判断された場合でも、前記図柄表示手段により前記図柄が変動表示されている場合は、前記経過時間の計時を行わないことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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