説明

遊技用制御装置

【課題】遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる遊技用制御装置を提供する。
【解決手段】カードユニットは、併設された遊技機において、所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、遊技者に有利な特定遊技状態になったことを検出する。カードユニットは、記録媒体から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う。カードユニットは、所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態となったと検出されることなく、所定の遊技が規定回数実行されたときに、残高情報に所定量の残高情報を加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用制御装置に関するものであり、特に、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う遊技用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機等の遊技機において、発射された遊技球(遊技媒体)が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行され、多くの遊技媒体が払い出されるものが提供されている。
【0003】
このような遊技機の近傍には、遊技球等の貸出を行うための遊技用制御装置が併設されており、一般的にカードユニットと称されている。このようなカードユニットでは、例えば、特許文献1に示すように、遊技者に対して発行されたカードを受け付け、そのカードに記録された情報に基づく遊技用価値の大きさである残高情報が記憶される。そして、その遊技用価値の大きさの範囲内において遊技者の操作に応じて遊技球等の貸出を行うことが可能であり、貸し出した遊技球等に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、残高情報が減算されることとなる。
【特許文献1】特開2006−198126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような遊技機においては、大当り遊技状態となるまでに貸し出された遊技球の数量に拘わらず、大当り遊技状態においては、ほぼ一定量の遊技球が払い出されるように図られているが、多くの遊技球の貸出を行った結果、大当り遊技状態となったとしても、貸し出された遊技球に見合う払出が行われないことがあり、この場合においては、遊技者にとっては極めて不利益となる。
【0005】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる遊技用制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) 併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段と、前記遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段と、前記遊技状態情報受取手段によって受信された遊技状態情報に基づいて、前記遊技機において特定遊技状態になったことを検出する遊技状態検出手段と、前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段と、遊技に使用される遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段と、所定の計数開始条件が成立してから、前記遊技状態検出手段によって特定遊技状態となったと検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段と、を備えたことを特徴とする遊技用制御装置。
【0008】
(2) (1)に記載の遊技用制御装置において、前記所定の計数開始条件が成立してからの前記貸出制御手段によって遊技媒体を貸し出すために使用された遊技用価値の大きさを特定する使用遊技用価値特定手段と、前記使用遊技用価値特定手段によって特定された遊技用価値の大きさに対応して、前記対応情報記憶手段によって記憶された残高情報に加算させる加算残高情報を決定する加算残高情報決定手段と、を備え、前記残高情報加算手段は、前記加算残高情報決定手段によって決定された加算残高情報を、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に加算する機能を有することを特徴とする遊技用制御装置。
【0009】
(3) (2)に記載の遊技用制御装置において、前記貸出制御手段は、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技媒体の貸出単価を第1の大きさとして遊技媒体を貸し出すための制御を行う機能を有し、前記加算残高情報決定手段は、前記使用遊技用価値特定手段によって特定された遊技用価値の大きさに基づいて、所定の計数開始条件が成立してから実際に貸し出された貸出遊技媒体の数量を特定し、前記遊技媒体の貸出単価が前記第1の大きさよりも小さい第2の大きさで前記特定された貸出遊技媒体の数量分の遊技媒体が貸し出されたものとした場合において使用される遊技用価値の大きさを特定するとともに、当該特定された遊技用価値の大きさと、前記使用遊技用価値特定手段によって特定された遊技用価値の大きさとの差を特定し、当該特定された差に相当する残高情報を、前記加算残高情報として決定する機能を有することを特徴とする遊技用制御装置。
【0010】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の遊技用制御装置において、前記遊技実行回数検出手段は、前記受付手段によって記録媒体が受け付けられたことを前記計数開始条件に含み、前記遊技状態検出手段によって特定遊技状態となったと検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する機能を有することを特徴とする遊技用制御装置。
【0011】
(1)に記載の発明によれば、受信された遊技状態情報に基づいて、遊技機において特定遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する。また、遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体を受け付け、その記録媒体に記録された情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う。また、所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態となったと検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、残高情報に所定量の残高情報を加算する。従って、特定遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、多くの遊技媒体を消費することとなり、この場合において、所定量の残高情報が加算されるため、その遊技媒体の消費における損失を補填することができ、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0012】
(2)に記載の発明によれば、所定の計数開始条件が成立してから遊技媒体を貸し出すために使用された遊技用価値の大きさを特定し、特定された遊技用価値の大きさに対応して、加算させる加算残高情報を決定し、決定された加算残高情報を残高情報に加算する。従って、所定の計数開始条件が成立してから特定された遊技用価値の大きさに対応して加算される加算残高情報が決定されることとなり、その遊技媒体の消費における損失の大きさに応じて補填することができ、より一層、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0013】
(3)に記載の発明によれば、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技媒体の貸出単価を第1の大きさとして遊技媒体を貸し出すための制御を行う。また、特定された遊技用価値の大きさに基づいて、所定の計数開始条件が成立してから実際に貸し出された貸出遊技媒体の数量を特定し、遊技媒体の貸出単価が、第1の大きさよりも小さい第2の大きさで特定された貸出遊技媒体の数量分の遊技媒体が貸し出されたものとした場合において使用される遊技用価値の大きさを特定するとともに、その特定された遊技用価値の大きさと、遊技媒体の貸出単価が第1の大きさで特定された遊技用価値の大きさとの差を特定し、特定された差に相当する残高情報を加算残高情報として決定する。従って、遊技媒体の貸出単価が、第1の大きさであったところを、その第1の大きさよりも小さい第2の大きさであったものとして、その差に相当する加算残高情報を残高情報に加算することとなるため、その遊技媒体の消費における損失に比例して補填することができ、公平に損失の補填を行うことができる。
【0014】
(4)に記載の発明によれば、記録媒体が受け付けられたことを計数開始条件に含み、特定遊技状態となったと検出されることなく、所定の遊技を実行した遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する。従って、記録媒体が受け付けられたことを条件としているため、遊技機において遊技者が入れ替わる毎に遊技実行回数を計数することとなるため、以前に遊技を実行した遊技者に対する損失の補填を正当でない遊技者が受けてしまうことを防止することができ、後から遊技が実行された遊技者に対する過剰の利益付与という不都合を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
[遊技システムの構成]
本実施形態における遊技システムを示すブロック図を図1に示す。
【0018】
遊技システム1は、図1に示すように、カードユニット300A、300B、300C、・・・、カード発行機400、ユニットコントローラ700、売上管理コンピュータ800などから構成される。また、遊技場1000には、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・、が設置されている。尚、本実施形態における図1においては、理解を容易とするために、パチンコ遊技機10A、10B、10Cなどを除く遊技機(パチンコ遊技機以外も含む)や、カードユニット300A、300B、300C以外のカードユニットなどについては省略して表す。
【0019】
また、遊技システム1は、遊技場1000の範囲内、範囲外を跨いで設けられている。具体的には、遊技場1000の範囲内には、複数のカードユニット300A、300B、300C、・・・、カード発行機400、ユニットコントローラ700などが設置されており、遊技場1000の範囲外には、売上管理コンピュータ800などが設置されている。もちろん、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・は、遊技場1000の範囲内に設置されている。尚、本実施形態においては、遊技システム1を、遊技場1000の範囲内、範囲外を跨いで設置するように構成したが、これに限らず、例えば、遊技システム1を遊技場1000の範囲内だけに設置するように構成してもよい。
【0020】
パチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・は、詳しく後述するが、パチンコ遊技に関する制御を行うものである。パチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・は、それぞれに対応して、カードユニット300A、300B、300C、・・・が接続されている。つまり、パチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・、に、カードユニット300A、300B、300C、・・・、が併設されている。
【0021】
また、パチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・は、カードユニット300A、300B、300C、・・・との間で各種の情報の送受信を行う機能を有する。また、パチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・は、カードユニット300A、300B、300C、・・・や、図示しない通信システムを介して管理コンピュータ(図示せず)などに対して、遊技に関する遊技情報を送信する。尚、この遊技情報とは、大当りとなった旨の情報、大当りとなる確率が向上された旨の情報、識別情報の可変表示の回数を示す情報、払い出された遊技球の数を示す情報、貸し出した遊技球の数を示す情報など、遊技(特に、遊技の結果及び経過)に関するものであればよい。
【0022】
カードユニット300A、300B、300C、・・・は、主に、遊技球の貸し出しなどを管理するための遊技用制御装置である。このカードユニット300A、300B、300C、・・・は、詳しく後述するが、遊技場1000におけるパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・のそれぞれに対応して電気的に接続されている。つまり、カードユニット300A、300B、300C、・・・は、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・毎に対応して設けられている。
【0023】
また、これらカードユニット300A、300B、300C、・・・には、プリペイドカードを読み書き可能とするカードR/W313(図4参照)が設けられている。
【0024】
プリペイドカードとは、カード発行機400において、遊技球(遊技媒体)を借りるために代金を前払いすることによって発行されるカードである。また、本実施形態においては、プリペイドカードには、プリペイドカードのカードIDのみが記憶されており、ユニットコントローラ700においてカードIDに対応する残高度数が記憶されており、プリペイドカードに記憶されているカードIDに対応する残高度数をユニットコントローラ700から受信することによって、カードユニット300Aは、残高度数を認識可能となるが、これに限らず、例えば、プリペイドカードにおいて、カードID以外にも残高情報自体が記憶されていてもよい。つまり、このプリペイドカードは、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録された記録媒体である。
【0025】
また、これらカードユニット300A、300B、300C、・・・は、遊技場1000におけるLAN1にそれぞれ接続されている。このため、カードユニット300A、300B、300C、・・・は、ユニットコントローラ700やホールコンピュータなどと通信可能である。
【0026】
具体的な例について以下に説明する。
【0027】
上述したカードユニット300A、300B、300C、・・・は、それぞれに予め設定され、それぞれ対応して接続されたパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・(遊技機)が特定可能な遊技機特定情報(装置識別情報、例えば、カードユニットIDなど)を、LAN1を介して、ユニットコントローラ700などに対して供給する。
【0028】
また、カードユニット300A、300B、300C、・・・は、上述したようなプリペイドカードに記憶されているカードIDをカードR/W313により読み取る。カードユニット300A、300B、300C、・・・は、読み取られたカードIDをユニットコントローラ700に対して供給され、そのカードIDに対応する残金があるか否かに応じて、所定数の遊技球が貸し出されることとなる。
【0029】
更には、これらカードユニット300A、300B、300C、・・・は、遊技に関する遊技情報を、LAN1を介して、ユニットコントローラ700や管理コンピュータ(図示せず)などに対して供給する。この遊技情報とは、プリペイドカードを受け付けた旨の情報や、大当りとなった旨の情報、大当りとなる確率が向上された旨の情報、識別情報の可変表示の回数を示す情報、払い出された遊技球の数を示す情報、貸し出した遊技球の数を示す情報など、遊技(特に、遊技の結果及び経過)に関するものであればよい。
【0030】
尚、本実施形態においては、カードユニット300A、300B、300C、・・・のそれぞれを、LAN1を介して、ユニットコントローラ700や管理コンピュータ(図示せず)などに通信可能に直接接続したが、これに限らず、例えば、カードユニット300A、300B、300C、・・・のそれぞれを、所定数毎に(例えば、島毎に)中継コンピュータ(図示せず)と接続し、それら中継コンピュータと、ユニットコントローラ700などとを通信可能に接続するように構成してもよい。
【0031】
また、ユニットコントローラ700は、プリペイドカードに関する情報を一括管理するためのコンピュータである。ユニットコントローラ700は、LAN1に接続されている。ユニットコントローラ700は、カードユニット300A、300B、300C、・・・や、カード発行機400から供給されるプリペイドカードのカードIDなどを受け取り、プリペイドカードのカードID毎に、残度数などのプリペイドカードに関する各種の情報の管理を行う。これによって、プリペイドカード自体には残度数に関する情報が記憶されずに、カードIDのみが記憶されており、ユニットコントローラ700によって、そのカードIDに基づいて残度数の管理が行われる。また、プリペイドカードにおいては、随時入金することによって、その残度数を増加させることが可能である。
【0032】
カード発行機400は、プリペイドカードを発行するための端末である。カード発行機400は、LAN1に接続されている。カード発行機400は、遊技者などの操作に応じて、ユニットコントローラ700に対して、プリペイドカードを発行する旨の情報を供給する。
【0033】
売上管理コンピュータ800は、各遊技場における売上を一括管理するためのコンピュータであり、第三者機関(主に、プリペイドカード発行会社)に設置されている。売上管理コンピュータ800は、ユニットコントローラ700とネットワークNT1を介して接続されている。売上管理コンピュータ800は、ユニットコントローラ700から供給されるプリペイドカードに関する売上情報を受け取り、各遊技場における売上情報を管理する。
【0034】
尚、本実施形態におけるネットワークNT1などは、インターネット、専用回線、プロバイダ、音声通信局、及び、携帯電話機用基地局、衛星通信局などから構成されるが、これに限らず、ユニットコントローラ700と売上管理コンピュータ800とが通信可能に接続される構成であればよい。もちろん、LAN1についても、各装置間で通信可能であれば通信方式を問わない。
【0035】
[パチンコ遊技機の構成]
上述したパチンコ遊技機を示す斜視図を図2に示す。尚、以下において、パチンコ遊技機10Aを代表として説明し、それ以外の説明を省略する。
【0036】
パチンコ遊技機10Aの外枠11には本体枠13が取り付けられている。本体枠13には遊技盤15が組み込まれている。この遊技盤15の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれており、遊技盤15を覆うようにガラス扉(図示せず)が備えられている。本体枠13の前面には上皿20及び下皿30が設けられている。
【0037】
尚、遊技盤15の前面の略中央には、液晶表示装置(図示せず、)が設けられている。この液晶表示装置は、表示領域(図示せず)を有するものであり、表示領域には、所定の識別情報が可変表示される。この識別情報は、数字、記号、図柄などからなる。
【0038】
下皿30の右側に備えられた発射ハンドル35は本体枠13に対して回動自在に設けられている。遊技者によって発射ハンドル35が操作されることによりパチンコ遊技が行われる。また、発射ハンドル35の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
【0039】
更に、発射ハンドル35の縁周部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル35が握持されたと検知される。発射ハンドル35が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤15に順次発射される。
【0040】
尚、発射ハンドル35の縁周部に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル35を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0041】
発射された遊技球は、遊技盤15上に設けられたガイドレール(図示せず)に案内されて遊技盤15の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤15の下方に向かって落下する。
【0042】
外枠11の左側面には、カードユニット300Aが取り付けられる。カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aは電気的に接続され、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aとの間で、遊技球の貸出に必要な所定の制御信号等が送受信される。
【0043】
上皿20の前面には、貸出操作パネル18が備えられている。この貸出操作パネル18の制御はカードユニット300Aにより行われる。貸出操作パネル18は、残度数表示LED22、貸出可表示LED24、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28を含んで構成される。貸出操作パネル18とそれに含まれる残度数表示LED22、貸出可表示LED24、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28の制御は、全てカードユニット300Aにより、所定の通信信号の送受信によって行われる。
【0044】
残度数表示LED22は、数桁の7セグメントLEDからなる。この残度数表示LED22には、カードユニット300Aに挿入されたプリペイドカードに対応する金額の残高が、100円を1度数として数字で表示される。残度数表示LED22に“5.00”と表示されるときには、500円分の遊技球が貸出可能である。尚、本実施形態における残度数表示LED22は、後述する表示切替スイッチ322の操作により、小数点未満の数字へ切替表示可能であるが、これに限らず、例えば、小数点以上の数字だけを表示するようにしてもよい。また、小数点未満の数字を示す表示LEDを備え、残度数表示LED22は、整数の数字を表示するようにしてもよい。また、残度数表示LED22は、LEDに限らず、数値を表示可能な表示装置であれば、何れの表示装置でもよい。また、“5.00”といったように、小数点以上と小数点未満とを同時に表示可能としてもよい。
【0045】
貸出可表示LED24には、遊技球の貸出が可能か否かの情報が表示される。即ち、貸出可表示LED24が点灯状態であれば、遊技者は球貸操作スイッチ26を押下して遊技球の貸出を受けることができる。
【0046】
球貸操作スイッチ26が遊技者に押下されることによって、遊技球の貸出が行われる。球貸操作スイッチ26が押下されると、後述する、カードユニット300Aからパチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126(図4参照)に出力される信号に応じて、パチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126が遊技球の貸出処理を実行する。
【0047】
返却スイッチ28が遊技者に押下されることによって、プリペイドカードの返却処理が行われる。
【0048】
[カードユニットの構成]
上述したカードユニットを示す斜視図を図3に示す。尚、以下において、カードユニット300Aを代表として説明し、それ以外のカードユニットの説明を省略する。
【0049】
カードユニット300Aの筐体の前面最上部には、状態表示ランプ301が備えられている。この状態表示ランプ301は、カードユニット300Aと、遊技場1000に設置されるユニットコントローラ700等との接続状況および通信状態を所定の態様で表示する。尚、カードユニット300Aとユニットコントローラ700との接続状況や通信状態に何らかの異常があるためオフラインとなっているときには、カードユニット300Aで計上されたプリペイドカードの売上情報は、一時的にカードユニット300AのRAM312(図4参照)に記憶され、ユニットコントローラ700等との接続状況や通信状態が復旧(オンライン)となったときに、その情報が一括してユニットコントローラ700等へ送信される。
【0050】
状態表示ランプ301の上方には、カード挿入中ランプ302が備えられている。このカード挿入中ランプ302は、プリペイドカードがカードユニット300Aに挿入されているか否かを所定の表示態様で報知する。
【0051】
状態表示ランプ301の側方には、各種の画像を表示可能な表示装置321が備えられている。この表示装置321には、例えば、パチンコ遊技機10における図柄の変動回数や、大当りとなった回数などの遊技情報が表示可能である。また、この表示装置321には、タッチパネルが設けられており、詳しく後述するが、その操作に応じてレスキューペイモードに設定可能である。
【0052】
状態表示ランプ301の下方には、硬貨投入口303と硬貨返却スイッチ304と硬貨返却口305が備えられている。硬貨投入口303は、硬貨が投入可能である。このように、カードユニット300Aは、所定の貨幣を受け付け可能な貨幣受付手段を備えている。カードユニット300Aにおける硬貨投入口303の内方には、後述する硬貨投入検知センサ315(図4参照)が備えられている。この硬貨投入検知センサ315は、投入された所定の硬貨を検知し、その種類を識別する。このように、カードユニット300Aは、受け付けられた貨幣の種類を特定する貨幣特定手段を備えている。硬貨投入口303に硬貨が投入された場合には、ユニットコントローラ700との間で通信が行われ、投入された硬貨に応じて入金が行われる。また、硬貨返却スイッチ304が操作されることにより、投入された硬貨が硬貨返却口305より返却される。
【0053】
硬貨返却口305の下方には、紙幣挿入口307が備えられている。紙幣挿入口307には、紙幣が挿入可能である。このように、カードユニット300Aは、所定の貨幣を受け付け可能な貨幣受付手段を備えている。また、カードユニット300Aにおける紙幣挿入口307の内方には、後述する紙幣識別装置314(図4参照)が備えられている。この紙幣識別装置314は、紙幣挿入口307に挿入された紙幣を検知し、その種類を識別する。このように、カードユニット300Aは、受け付けられた貨幣の種類を特定する貨幣特定手段を備えている。紙幣挿入口307に紙幣が挿入された場合には、上述した硬貨投入口303と同様に、ユニットコントローラ700との間で通信が行われ、その挿入された紙幣に応じた入金が行われる。
【0054】
紙幣挿入口307の下方には、カード挿入口308が備えられている。カード挿入口308には、プリペイドカードが挿入可能である。カードユニット300Aにおけるカード挿入口308の内方には、後述するカードR/W313(図4参照)が備えられている。このカードR/W313は、カード挿入口308に挿入されたプリペイドカードに記録された磁気情報を読み取り、また情報の書込みも可能である。カード挿入口308にプリペイドカードが挿入された場合には、カードユニット300Aは、プリペイドカードに記録されたカードIDなどの情報を読み出す。このように、カードユニット300Aは、パチンコ遊技機10に併設され、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録されたプリペイドカード(記録媒体)を受け付ける受付手段を備えている。尚、本実施形態においては、プリペイドカードに記憶されている情報を磁気情報としたが、これに限らず、例えば、ICカードなどであってもよい。
【0055】
カード挿入口308の下方には、鍵穴309が備えられている。この鍵穴309に鍵を挿入して操作することにより、カードユニット300Aをパチンコ台島から取り外すことができる。このパチンコ台島とは、複数のパチンコ遊技機と、それらに対応するカードユニットとが取り付けられる設備である。
【0056】
また、紙幣挿入口307の上方には、残高度数の表示を、小数点以上と小数点未満とを選択的に切り替えるための表示切替スイッチ322が設けられている。
【0057】
[遊技機及びカードユニットの電気的構成]
上述したパチンコ遊技機10A、カードユニット300Aの電気的構成について図4を用いて説明する。
【0058】
パチンコ遊技機10Aは、図4に示すように、主制御回路60、副制御回路200、払出・発射制御回路126、貸出操作パネル18、外部出力端子板139などを含んで構成される。尚、本実施形態において、各種の信号の出力は、主制御回路60から副制御回路200、主制御回路60から払出・発射制御回路126への方向のみ送信されるが、これに限らず、例えば、逆方向の通信、双方向の通信を行うように構成してもよい。貸出操作パネル18は、制御的にはパチンコ遊技機10Aにおける各種の回路から独立している。
【0059】
主制御回路60は、CPU(図示せず)、RAM(図示せず)、ROM(図示せず)などから構成され、遊技の進行(遊技の結果及び経過)を決定する機能を有する。また、副制御回路200は、CPU(図示せず)、RAM(図示せず)、ROM(図示せず)などから構成され、主制御回路60によって決定された遊技の進行に応じて、液晶表示装置(図示せず)において各種の画像を表示させ、スピーカ(図示せず)から各種の音声を発生させ、ランプ(図示せず)を発光させるなど、各種の演出を実行する機能を有する。外部出力端子板139は、遊技に関する各種の遊技情報をカードユニット300Aに供給する。特に、外部出力端子板139は、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報、遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)であることを特定可能な遊技状態情報などをカードユニット300Aに供給することとなる。
【0060】
払出・発射制御回路126は、CPU133、RAM(図示せず)、ROM(図示せず)、カードユニット接続用I/O137などを含んで構成される。
【0061】
ROMには、払出・発射制御、カードユニット300Aとの通信の制御を行う各種のプログラムが格納されている。このプログラムは、CPU133によって、ROMから読み出され、実行される。CPU133は、ROMに記憶されている各種のプログラムに従って、払出・発射制御回路126の制御、カードユニット300Aとの通信などを行う。RAMは、CPU133の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0062】
カードユニット接続用I/O137は、カードユニット300Aなどと所定の通信信号を入出力するためのインターフェースである。このカードユニット接続用I/O137は、後述するカードユニット300A側の遊技機接続用I/O318と電気的に接続されている。
【0063】
また、払出・発射制御回路126には、払出装置(図示せず)及び発射装置(図示せず)が接続されており、払出装置(図示せず)、発射装置(図示せず)の制御を行う。
【0064】
貸出操作パネル18は、各種のLED(図示せず)、各種の操作スイッチなどを含んで構成される。各種の操作スイッチには、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28が含まれている。貸出操作パネル18は、カードユニット300A側の遊技機接続用I/O318と電気的に接続されており、カードユニット300Aとの通信に応じて、遊技球の貸出要求などを行うことができる。
【0065】
カードユニット300Aは、CPU310、ROM311、RAM312、カードR/W313、紙幣識別装置314、硬貨投入検知センサ315、状態表示ランプ301、カード挿入中ランプ302、遊技機接続用I/O318、表示装置321、表示切替スイッチ322、入力装置323などを含んで構成される。
【0066】
ROM311には、カードユニット300Aを制御するためのプログラム、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aとの通信を制御するプログラムなど、各種のプログラムが格納されている。このような各種のプログラムは、CPU310によって、そのプログラムはROM311から読み出され、実行される。CPU310は、上述したプログラムに従って、カードユニット300Aの制御、パチンコ遊技機10Aとの間における通信の制御を行う。RAM312は、CPU310の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0067】
カードR/W313は、CPU310の制御に応じて、カード挿入口308から挿入されたプリペイドカードに記録されている各種の情報の読出や、プリペイドカードへの情報の書込みなどを行うための装置である。尚、本実施形態において、このカードR/W313は、受け付けられたプリペイドカード(記録媒体)からデータを読み取る読取手段の一例に相当する。
【0068】
紙幣識別装置314は、CPU310の制御により挿入された紙幣の識別を行い、紙幣の識別情報をCPU310へ出力する。硬貨投入検知センサ315は、CPU310の制御により、硬貨投入口303に硬貨が投入されたことを検知し、その検知情報をCPU310へ出力する。尚、本実施形態において、これら紙幣識別装置314、硬貨投入検知センサ315は、受け付けられた貨幣の種類を特定する貨幣特定手段の一例に相当する。
【0069】
状態表示ランプ301は、カードユニット300Aにおける各種の異常状態(例えば、紙幣詰まりなど)など、各種の情報を所定の態様で表示する。また、カードユニット300Aと遊技場1000に設置されるユニットコントローラ700との接続状況および通信状態を、所定の態様で報知する。
【0070】
カード挿入中ランプ302は、プリペイドカードがカードユニット300Aに挿入されているか否かを所定の態様で報知する。
【0071】
遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aのカードユニット接続用I/O137、パチンコ遊技機10Aの貸出操作パネル18、ユニットコントローラ700などと所定の通信信号を入出力するためのインターフェースである。この遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aのカードユニット接続用I/O137、貸出操作パネル18、ユニットコントローラ700と電気的に接続されている。特に、遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aから、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報、遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)であることを特定可能な遊技状態情報を受信することとなる。尚、本実施形態において、このようなCPU310、遊技機接続用I/O318は、遊技実行情報受信手段、遊技状態情報受信手段の一例に相当する。
【0072】
表示装置321は、CPU310に接続されている。この表示装置321は、画像制御回路(図示せず)と、表示部(図示せず)とから構成されており、CPU310からの画像表示信号に基づく画像を表示する。
【0073】
表示切替スイッチ322は、残度数表示LED22の残高度数の表示を切り替えるためのスイッチであり、主に、残高度数に端数があるときに、その端数を表示するために用いられる。
【0074】
入力装置323は、CPU310に接続されている。この入力装置323は、タッチパネルを含む構成であり、その操作状態を検知し、検知結果に基づく操作信号をCPU310へ出力する。
【0075】
[カード発行機の電気的構成]
本実施形態におけるカード発行機400の電気的構成について図5を用いて説明する。
【0076】
カード発行機400においては、図5に示すように、制御部402であるCPU404及びメモリ406、データバス408、記憶部410、表示部412、操作部414、通信制御部416、カード発行部418、紙幣識別装置420、硬貨投入検知センサ422などを含むように構成されている。また、データバス408には、制御部402であるCPU404、メモリ406、記憶部410、表示部412、操作部414、通信制御部416、カード発行部418、紙幣識別装置420、硬貨投入検知センサ422等が接続されている。
【0077】
CPU404は、記憶部410に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。また、CPU404は、プログラムに従って、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0078】
また、記憶部410には、CPU404によりカード発行機400の動作を制御するためのプログラム、各種のテーブルが記憶されている。
【0079】
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体として記憶部410を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ROM、CD−ROM及びDVD等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にメモリ406等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0080】
メモリ406は、CPU404の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0081】
表示部412は、液晶表示パネルやCRTなどで構成されるものであり、CPU404の制御によって画像が表示される。
【0082】
操作部414は、操作者にとって操作可能な操作手段であり、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチなどを含んで構成されるものである。尚、本実施形態においては、スイッチ、タッチパネルなどから操作部414を構成したが、これに限らず、操作者など(ユーザ)によって操作可能(入力可能)なものであればよく、例えば、マイクなどであってもよい。
【0083】
通信制御部416は、ユニットコントローラ700など、各種の装置と通信するためのものである。
【0084】
カード発行部418は、CPU404からの発行信号に基づいて、プリペイドカードを発行する機能を有する。
【0085】
紙幣識別装置420は、CPU404の制御により挿入された紙幣の識別を行い、紙幣の識別情報をCPU404へ出力する。硬貨投入検知センサ422は、CPU404の制御により、硬貨投入口に硬貨が投入されたことを検知し、その検知情報をCPU404へ出力する。
【0086】
上述したような電気的に構成したカード発行機400などにおいて、記憶部に記憶された各種のテーブルについて詳しく後述する。
【0087】
[ユニットコントローラの電気的構成]
本実施形態におけるユニットコントローラ700、売上管理コンピュータ800などの電気的構成について図6を用いて説明する。尚、本実施形態においては、各装置ともに同じような電気的構成であるため、ユニットコントローラ700を代表して説明し、それ以外の装置に関しては説明を省略する。また、図6において、括弧で囲んだ符号は、売上管理コンピュータ800における符号である。
【0088】
ユニットコントローラ700においては、図6に示すように、制御部702であるCPU704及びメモリ706、データバス708、記憶部710、表示部712、操作部714、通信制御部716などを含むように構成されている。また、データバス708には、制御部702であるCPU704、メモリ706、記憶部710、表示部712、操作部714、通信制御部716等が接続されている。尚、本実施形態においては、ユニットコントローラ700などにおいて、表示部712、操作部714などを備えるように構成したが、これに限らず、例えば、表示部712、操作部714などを備えないように構成してもよい。
【0089】
CPU704は、記憶部710に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。また、CPU704は、プログラムに従って、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0090】
また、記憶部710には、CPU704によりホールコンピュータ700の動作を制御するためのプログラム、各種のテーブルが記憶されている。
【0091】
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体として記憶部710を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ROM、CD−ROM及びDVD等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にメモリ706等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0092】
メモリ706は、CPU704の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0093】
表示部712は、液晶表示パネルやCRTなどで構成されるものであり、CPU704の制御によって画像が表示される。
【0094】
操作部714は、操作者にとって操作可能な操作手段であり、マウス、キーボード、タッチパネルなどを含んで構成されるものである。尚、本実施形態においては、マウス、タッチパネルなどから操作部714を構成したが、これに限らず、操作者など(ユーザ)によって操作可能(入力可能)なものであればよく、例えば、マイクなどであってもよい。
【0095】
通信制御部716は、カードユニット300A、売上管理コンピュータ800など、各種の装置と通信するためのものである。
【0096】
上述したような電気的に構成したユニットコントローラ700などにおいて、記憶部に記憶された各種のテーブルについて詳しく説明する。
【0097】
[プリペイドカードデータテーブル]
上述した電気的な構成において、ユニットコントローラ700の記憶部710に記憶されているプリペイドカードデータテーブルについて図7を用いて説明する。尚、以下に説明するプリペイドカードデータテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0098】
記憶部710には、図7に示すように、プリペイドカードに対応する各種のデータを管理し、遊技場1000における売上を管理するためのプリペイドカードデータテーブルが記憶されている。このプリペイドカードデータテーブルには、カードIDと、ユニットIDと、残度数データと、が対応付けられて記録されている。
【0099】
カードIDは、プリペイドカードを識別するための情報であり、プリペイドカード毎に異なるIDが割り振られている。ユニットIDは、プリペイドカードが挿入されたカードユニット等を識別するための情報である。残度数データは、プリペイドカードに残っている度数(遊技球を貸し出すための度数)を示すデータである。
【0100】
また、本実施形態においては、このようなプリペイドカードデータテーブルでは、プリペイドカードの発行に応じて、対応するレコードが生成される。
【0101】
このようなプリペイドカードデータテーブルが記録されることによって、発行されたプリペイドカードの残度数など、プリペイドカードに関する情報が管理可能であり、その情報が売上管理コンピュータ800に供給されることによって、売上管理コンピュータ800により遊技場1000などにおける売上が管理可能となる。
【0102】
[レスキューモード]
上述した電気的な構成において、遊技媒体の消費における損失を補填するとともに、その遊技媒体の消費における損失を減少させることができるレスキューモードについて図8を用いて以下に説明する。
【0103】
レスキューモードとは、遊技者の操作に応じて設定可能なモードである。
【0104】
例えば、図8(A)に示すように、遊技者の操作が行われずに、レスキューモードに設定されていない場合には、遊技を開始してから、遊技媒体の消費における損失を補填するための処理がなく、遊技を開始してから一律“4円/1球”で遊技球の貸出が行われる。
【0105】
また、図8(B)に示すように、遊技者の操作が行われた場合には、その後の遊技からレスキューモードに設定され、保険料が徴収される。そして、レスキューモードに設定されてから特別図柄の可変表示回数の計数が開始される。尚、レスキューモード設定中は、一律“4円/1球”で遊技球の貸出が行われる。そして、レスキューモードに設定されてから特別図柄の可変表示の回数が600回となる以前に、大当りとなった場合には、遊技媒体の消費における損失を補填するための処理が行われることなく、レスキューモードの設定が解除されてレスキューモード非設定状態となり、その後、遊技者の操作が行われない場合には、レスキューモードに設定されず、図8(C)に示すように、遊技者の操作が行われた場合には、その操作後において開始される遊技からレスキューモードが再度設定される。これによって、保険料が徴収され、レスキューモードに設定されてから特別図柄の可変表示回数の計数が再度開始されることとなる。
【0106】
また、図8(D)に示すように、遊技者の操作に応じてレスキューモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が600回となった場合には、所定の残高度数が加算され、遊技媒体の消費における損失を補填するための処理が行われる。詳しくは後述するが、この加算される残高度数は、レスキューモードに設定されてから行われた600回の特別図柄の可変表示が行われる間において遊技球の貸し出しに使用された残高度数に対応する度数であり、その貸し出された残高度数の“1/4”だけ遊技者に返却されることとなる。また、遊技者の操作に応じてレスキューモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が600回となった場合には、それ以降、“2円/1球”で遊技球の貸出が行われ、遊技者の操作に応じてレスキューモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が900回となった場合には、それ以降、“1円/1球”で遊技球の貸出が行われる。尚、遊技球の貸出が安価になってから大当りとなった場合には、それ以降、最初の“4円/1球”で遊技球の貸出が行われることとなる。
【0107】
[表示画面の説明]
また、上述した構成においてカードユニット300Aにおける表示装置321に表示される表示画面について図9を用いて説明する。
【0108】
表示装置321においては、レスキューモードに設定されていない場合には、図9(A)に示すように、レスキューペイの特典に関する画像が表示されている。具体的には、600ゲームハマリとなった(大当りとならなかった)場合には、その間に使用したプリペイドカード残高が割引され、割引分がカードにチャージされる旨が表示されている。また、600ゲームハマリとなった場合には、その後の球貸し単価を2円とする旨の画像や、900ゲームハマリとなった場合には、その後の球貸し単価を1円とする旨の画像が表示されている。
【0109】
また、表示装置321における左下には、レスキューボタン画像が表示されており、そのボタンが遊技者によってタッチされるとレスキューペイが開始される。また、10度数の保険料を払えば、大ハマリ(例えば、600ゲームハマリなど)した場合でも保険金が支払われるレスキューペイが開始される旨の画像が表示されている。また、図9(B)に示すように、レスキューペイモード中においてプリペイドカードを抜くと、レスキューペイモードがリセットされる旨の画像も表示される。また、図9(C)に示すように、上記条件を満たすと、レスキューペイによって特典が受けられる旨の画像も表示される。
【0110】
そして、図9(D)に示すように、遊技者によってレスキューボタンがタッチされた場合には、レスキューペイモードを実行することとなる。そして、図9(E)に示すように、ゲームが行われると計数されるゲーム回数と、プリペイドカードにおける残高度数が減算されると計数されるカード使用残高度数とが表示される。そして、例えば、図9(F)に示すように、ゲーム回数が600回となった場合に、カード使用残高度数が230度数であったときには、レスキューペイが実行され、カード使用残高度数としての230度数が、実際には“4円/1球”で貸し出されたところを、“3円/1球”で貸し出されたこととして割引が行われ、その割引分であるカード使用残高度数の1/4である57.5度数がボーナスとしてチャージされる。また、これ以降においては、“2円/1球”で貸し出される旨の画像が表示される。また、ゲーム回数が900回となった場合には、以降“1円/1球”で貸し出される旨の画像が表示されることとなる。
【0111】
このように、レスキューモードの設定に応じて、遊技媒体の消費における損失を補填するとともに、その遊技媒体の消費における損失を減少させることができる。
【0112】
[遊技システムの動作]
遊技システム1で実行される処理について図10から図15を用いて以下に説明する。尚、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・、複数のカードユニット300A、300B、300C、・・・を代表して、パチンコ遊技機10A、カードユニット300Aにて遊技を行うものとして説明する。
【0113】
最初に、図10に示すように、カード発行機400において遊技者によって入金処理が行われた場合には(ステップS401)、カード発行処理を行う(ステップS402)。この処理においては、CPU404は、遊技者によって入金された貨幣に基づいて、発行するプリペイドカードに対する残高度数を決定する。そして、CPU404は、カード発行機毎に付されている発行機IDと、発行するプリペイドカードに付されているカードIDと、発行度数を示す発行金額情報と、をユニットコントローラ700に送信する(ステップS403)。
【0114】
そして、ユニットコントローラ700において、CPU704は、カードIDと、発行金額情報と、をカード発行機400から受信し(ステップS701)、プリペイドカードに関するカードデータを作成し、プリペイドカードデータテーブル(図7参照)において、それらカードIDと、発行金額情報と、を新規に追加登録する(ステップS702)。そして、CPU704は、プリペイドカードを発行させる旨のカード発行指令情報をカード発行機400に送信する(ステップS703)。
【0115】
そして、カード発行機400において、CPU404は、カード発行指令情報をユニットコントローラ700から受信し(ステップS404)、カードを発行する(ステップ405)。
【0116】
このように、カード発行機400、ユニットコントローラ700が制御されることによって、カードの発行が行われる。
【0117】
また、カードユニット300Aにおいて、プリペイドカードが挿入された場合には、図11に示すように、そのプリペイドカードを受け付ける(ステップS301)。そして、CPU310は、プリペイドカードが挿入されたと検知された場合には、カードR/W313にプリペイドカードからカードIDを読み取らせる。つまり、カードユニット300A(CPU310)は、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録されたプリペイドカード(記録媒体)を受け付け、受け付けられたプリペイドカードからカードID等のデータを読み取る。尚、本実施形態において、このような処理を実行するカードユニット300A(CPU310)は、受付手段、読取手段の一例に相当する。そして、ステップS302において、CPU310は、カードユニット固有のユニットIDと、読み取ったカードIDと、をユニットコントローラ700に送信する。
【0118】
そして、ユニットコントローラ700では、CPU704は、ユニットIDとカードIDとをカードユニット300Aから受信し(ステップS711)、プリペイドカードデータテーブル(図7参照)を参照し、カードIDの照合を行い(ステップS712)、カードIDに対応する残高度数を読み出し、残高情報として、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに送信するとともに(ステップS713)、プリペイドカードデータテーブルにユニットIDの登録を行う。
【0119】
そして、カードユニット300Aにおいて、CPU310は、残高情報を受信した場合には(ステップS303)、その残高情報をRAM312の所定領域に記憶する(ステップS304)。つまり、カードユニット300A(CPU310)は、プリペイドカードから読み取られたデータから特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するカードユニット300A(CPU310)は、残高情報記憶手段の一例に相当する。
【0120】
そして、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS305)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に残高表示を行わせる(ステップS101)。
【0121】
また、パチンコ遊技機10において、球貸操作スイッチ26の貸出操作があった場合には(ステップS102)、貸出操作信号がカードユニット300Aに出力され(ステップS103)、カードユニット300Aにおいて、貸出操作信号を受信した場合には(ステップS311)、パチンコ遊技機10、カードユニット300Aにおいて、貸出処理を行う(ステップS312)。この処理において、パチンコ遊技機10の払出・発射制御回路126におけるCPU133や、カードユニット300AにおけるCPU310は、貸出可能な状態である場合か否かを判定し、貸出可能である場合には、遊技球の貸出の制御を行うこととなる。具体的な処理について以下に説明する。
【0122】
最初に、パチンコ遊技機10とカードユニット300Aとが通信可能に接続された場合には、パチンコ遊技機10からカードユニット300Aへ所定の信号が出力されている。このため、カードユニット300Aにおいて、通信可能な状態であることが認識可能である。そして、CPU133は、プリペイドカードが挿入されており、ステップS102に示すように球貸操作スイッチ26(図4参照)が遊技者により押圧操作された場合には、ステップS103に示すようにカードユニット300Aへ貸出操作信号を出力する。
【0123】
そして、その貸出操作信号を受け取ったカードユニット300Aにおいて、CPU310は、RAM312に記憶されている残高情報を参照し、残高度数が所定の大きさ(例えば、遊技球25球を貸し出すために必要な残高度数)未満であるか否かを判定する。また、CPU310は、残高度数以外にも、各種の通信状態、装置の状態等も参照し、遊技球の払出が可能な状態であるか否かを判定する。そして、CPU310は、残高情報が所定の大きさ未満ではない等、遊技球の払出が可能な状態であると判定された場合には、遊技球の貸出を許可することとなり、払出動作を要求する払出要求信号をパチンコ遊技機10における払出・発射制御回路126に出力する。そして、CPU133は、払出装置(図示せず)に所定数(例えば、25球など)の遊技球を払い出させるための指示を行い、所定数の遊技球の払出が終了した場合に、その払出が終了した旨の信号をカードユニット300Aに出力する。これによって、所定数の遊技球の貸出が終了することとなる。
【0124】
このように、カードユニット300A(CPU310)は、遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技者による操作に応じて遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行うこととなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するカードユニット300A(CPU310)は、貸出制御手段の一例に相当する。
【0125】
そして、CPU310は、遊技球の貸出に対応して、売上情報を算出し、その売上情報を、カードユニット300AのユニットIDと、そのカードユニット300Aに受け付けられているプリペイドカードIDとともに、ユニットコントローラ700に送信する(ステップS313)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを読み出し、貸出操作に応じて、貸出モードに基づく売上情報として算出することとなる。具体的には、CPU310は、貸出モードが貸出モードAである場合には、1球の遊技球を4円で貸し出すため、25球を貸し出すために1度数だけ減算させ、貸出モードが貸出モードBである場合には、1球の遊技球を2円で貸し出すため、25球を貸し出すために0.5度数だけ減算させ、貸出モードが貸出モードCである場合には、1球の遊技球を1円で貸し出すため、25球を貸し出すために0.25度数だけ減算させることとなる。
【0126】
そして、CPU310は、残高度数を減算させるように更新を行う(ステップS314)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた残高情報を読み出し、残高度数を所定数だけ減算し、その減算した残高度数を残高情報としてRAM312の所定領域に記憶する。つまり、カードユニット300A(CPU310)は、貸し出された遊技媒体に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、記憶されている残高情報を減算することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するカードユニット300A(CPU310)は、残高情報減算手段の一例に相当する。
【0127】
また、言い換えると、CPU310は、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、選択された遊技媒体の貸出単価の大きさ(例えば、“4円/1球”、“2円/1球”、“1円/1球”)、即ち、使用する遊技用価値の大きさ(例えば、1度数、0.5度数、0.25度数など)に従って、所定数量(例えば、25球など)の遊技媒体を貸し出すための制御を行うこととなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するカードユニット300A(CPU310)は、貸出制御手段の一例に相当する。
【0128】
そして、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS315)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に、残高度数が減算された残高表示を行わせる(ステップS104)。
【0129】
一方、ユニットコントローラ700においては、CPU704は、売上情報を受信した場合には(ステップS716)、カードユニット300AのユニットIDと、そのカードユニット300Aに受け付けられているプリペイドカードIDに対応する残高度数を、受信した売上情報に対応する度数だけ減算させるように更新を行う(ステップS717)。
【0130】
尚、本実施形態において、上述した貸出処理を複数回実行するときは、貸出処理から再度実行することとなる。
【0131】
また、図12に示すように、カードユニット300Aにおいて、遊技者によって貨幣が投入された場合には(ステップS321)、CPU310は、貨幣を特定する(ステップS322)。つまり、カードユニット300A(CPU310)は、所定の貨幣を受け付け可能であり、受け付けられた貨幣の種類を特定することとなる。尚、本実施形態において、このようなカードユニット300A(CPU310)は、貨幣受付手段、貨幣特定手段の一例に相当する。
【0132】
そして、CPU310は、カード情報を更新する要求をユニットコントローラ700に対して行う(ステップS323)。この処理において、CPU310は、ユニットIDと、カードIDと、特定された貨幣に対応する情報とともに、カード情報の更新をユニットコントローラ700に要求する。
【0133】
一方、ユニットコントローラ700において、CPU704は、カード情報の更新要求を受信し(ステップS721)、その更新要求に基づいて、カードユニット300Aに受け付けられているプリペイドカードIDに対応する残高度数を、特定された貨幣に対応する度数だけ加算させるように更新を行う(ステップS722)。そして、CPU704は、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに更新完了通知を行う(ステップS723)。
【0134】
そして、CPU310は、更新完了通知を受信した場合には(ステップS324)、特定された貨幣に対応して、残高度数を加算させる更新を行う(ステップS325)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた残高情報を読み出し、投入された貨幣に対応する数だけ残高度数を加算し、その加算した残高度数を残高情報としてRAM312の所定領域に記憶する。具体的な一例として、残高度数が“0”である場合において、5千円が投入されたときには、CPU310は、5千円に対応する“50”を、既存の残高度数“0”に加算し、加算結果の“50”を記憶することとなる。つまり、カードユニット300A(CPU310)は、投入され、特定された貨幣の種類に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、記憶されている残高情報を加算することとなる。
【0135】
そして、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS326)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に、残高度数が加算された残高表示を行わせる(ステップS105)。
【0136】
また、パチンコ遊技機10において、返却スイッチ28の返却操作があった場合には(ステップS106)、返却操作信号がカードユニット300Aに出力され(ステップS107)、カードユニット300Aにおいて、返却操作信号を受信した場合には(ステップS331)、カード情報更新要求をユニットコントローラ700に対して行う(ステップS332)。この処理において、CPU310は、カードユニット300Aを示すユニットID、受け付けられているプリペイドカードを示すカードID、その残高度数を含めたカード情報更新要求をユニットコントローラ700に対して行うこととなる。
【0137】
一方、ユニットコントローラ700において、CPU704は、カード情報の更新要求を受信し(ステップS726)、その更新要求に基づいて、カードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残高度数を、排出されるプリペイドカードにおける残高度数となるように更新を行う(ステップS727)。そして、CPU704は、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに更新完了通知を行う(ステップS728)。また、このとき、CPU704は、プリペイドカードデータテーブル(図7参照)に記憶されているユニットIDを抹消して、プリペイドカードがいずれのカードユニットにも受け付けられていないものとして処理することとなる。
【0138】
そして、CPU310は、更新完了通知を受信した場合には(ステップS333)、プリペイドカードを排出させる(ステップS334)。また、CPU310は、詳しく後述するが、プリペイドカードが排出され、受付中ではないと判別される場合には、各種のカウンタや、貸出モードを初期化することとなる。
【0139】
[保険実行処理]
また、カードユニット300Aにおいて、所定の周期で実行される保険実行処理について図13及び図14を用いて以下に説明する。
【0140】
最初に、カードユニット300Aにおいて、図13に示すように、カード受付中であるか否かを判断する(ステップS201)。この処理において、CPU310は、カードR/W313からの信号に基づいてカード受付中であるか否かを判断することとなる。CPU310は、カード受付中であると判別した場合には、ステップS202に処理を移す。一方、CPU310は、カード受付中ではないと判別した場合には、ステップS207に処理を移す。
【0141】
ステップS202において、CPU310は、レスキューモードフラグがオンであるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられたレスキューモードフラグから値を読み出し、レスキューモードフラグがオンであるか否かを判断することとなる。CPU310は、レスキューモードフラグがオンであると判別した場合には、図14のステップS211に処理を移す。一方、CPU310は、レスキューモードフラグがオンではないと判別した場合には、ステップS203に処理を移す。
【0142】
ステップS203において、CPU310は、CPU310は、レスキューボタンがオンであるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、入力装置323からの信号に基づいて、レスキューボタンが操作され、レスキューボタンがオンであるか否かを判断することとなる。CPU310は、レスキューボタンがオンであると判別した場合には、ステップS204に処理を移す。一方、CPU310は、レスキューボタンがオフであると判別した場合には、ステップS207に処理を移す。
【0143】
ステップS204において、CPU310は、カード残高度数が手数料以上であるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられたプリペイドカードの残高度数を示すデータを読み出し、カード残高度数が手数料(例えば、10度数など)以上であるか否かを判断することとなる。CPU310は、カード残高度数が手数料以上であると判別した場合には、手数料徴収処理を行い(ステップS205)、RAM311の所定領域に位置付けられたプリペイドカードの残高度数を示すデータから手数料分の度数を減算して更新する。この場合において、CPU310は、ユニットコントローラ700に対して、減算された残高度数を示す情報を送信するとともに、パチンコ遊技機10に対して、その残高度数に対応する表示を行わせる旨の情報を送信する。そして、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられたレスキューモードフラグをオンとし、RAM311の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタ、使用度数カウンタをクリアし、RAM311の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットする(ステップS206)。この処理が終了した場合には、図14のステップS211に処理を移す。一方、CPU310は、カード残高度数が手数料未満であると判別した場合には、ステップS207に処理を移す。
【0144】
ステップS207において、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられたレスキューモードフラグをオフとし、RAM311の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタ、使用度数カウンタをクリアし、RAM311の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0145】
これによって、プリペイドカードが受け付けられていない場合や、プリペイドカードが受け付けられ、レスキューペイモードに設定されていないが、レスキューボタンがオンとされたときにプリペイドカードの残高度数が手数料分の度数未満である場合においては、RAM311の所定領域に位置付けられたレスキューモードをオフとして、貸出モードを貸出モードAにセットすることとなる。
【0146】
図14のステップS211において、CPU310は、遊技実行回数カウンタが600以上であるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタから値を読み出し、遊技実行回数カウンタが600以上であるか否かを判断することとなる。尚、この遊技実行回数カウンタは、詳しくは後述するように、レスキューペイモードが開始されたとき、大当り遊技状態となったとき、プリペイドカードが受け付けられていないときにおいてリセットされ、図柄確定信号がオンとなったとき、即ち、図柄の変動表示が終了した場合にカウントされるため、この処理において、CPU310は、600回の図柄の変動表示が終了したか否かを判断することにもなる。つまり、このような処理を実行するCPU310は、記録媒体が受け付けられ、レスキューペイモードが設定されていることなどを含む所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態(大当り遊技状態)となったと検出されることなく、計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数(例えば、600回など)実行されたことを検出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、遊技実行回数検出手段の一例に相当する。CPU310は、遊技実行回数カウンタが600以上であると判別した場合には、ステップS212に処理を移す。一方、CPU310は、遊技実行回数カウンタが600未満であると判別した場合には、ステップS216に処理を移す。
【0147】
ステップS212において、CPU310は、残高加算処理済みであるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、レスキューペイモードとなってから、後述するステップS214における残高加算処理が実行されたか否かによって、残高加算処理済みであるか否かを判断することとなる。CPU310は、残高加算処理済みであると判別した場合には、ステップS213からステップS215の処理を実行することなく、ステップS216に処理を移す。一方、CPU310は、残高加算処理済みではないと判別した場合には、加算する残高度数を算出する加算残高算出処理を実行し(ステップS213)、その算出された残高度数を加算させる残高加算処理を実行する(ステップS214)。この処理において、CPU310は、詳しく後述するが、RAM311の所定領域に位置付けられた使用度数カウンタから値を読み出し、その値に基づいて、レスキューペイモードに設定されてから使用した残高度数(例えば、200度数)の“1/4”を算出し、その算出した残高度数(例えば、50度数)だけ、プリペイドカードにおける残高度数に加算させることとなる。ここでは、CPU310は、実際に“4円/1球”で球貸しをしていたが、“3円/1球”で球貸しをしていたことと仮定した場合における残高度数の差分を算出することとなる。具体的には、CPU310は、レスキューペイモードに設定されてから使用した残高度数(例えば、200度数)を読み出し、その使用した残高度数に“3/4”を掛けることによって、“3円/1球”で球貸しをしていたことと仮定した場合における残高度数(例えば、150度数)を算出する。そして、CPU310は、実際に使用した残高度数から、割引したものと仮定した場合における残高度数を引き、その結果が加算残高度数(例えば、50度数)となる。
【0148】
つまり、CPU310は、所定の遊技が規定回数(例えば、600回など)実行されたと検出されたときに、特定された遊技用価値の大きさ(残高度数)に基づいて、所定の計数開始条件が成立してから(レスキューペイモードに設定されてから)実際に貸し出された貸出遊技媒体の数量(使用した残高度数に対応する遊技球数)を特定し、遊技媒体の貸出単価が第1の大きさ(例えば、“4円/1球”など)よりも小さい第2の大きさ(例えば、“3円/1球”)で特定された貸出遊技媒体の数量分の遊技媒体が貸し出されたものとした場合において使用される遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残高度数の“3/4”など)を特定する。そして、CPU310は、実際の特定された遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残高度数など)と、上述したように割引されたと仮定した場合に特定された遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残高度数の“3/4”など)との差を特定し、その特定された差に相当する残高情報(例えば、実際に使用した残高度数の“1/4”など)を、加算する加算残高情報(所定量の残高情報)として決定し、実際の残高情報に加算することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、加算残高情報決定手段、残高情報加算手段の一例に相当する。
【0149】
このように、特定遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、多くの遊技媒体を消費することとなり、この場合において、所定量の残高情報が加算されるため、その遊技媒体の消費における損失を補填することができ、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0150】
また、所定の計数開始条件が成立してから特定された遊技用価値の大きさに対応して加算される加算残高情報が決定されることとなり、その遊技媒体の消費における損失の大きさに応じて補填することができ、より一層、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0151】
また、遊技媒体の貸出単価が、第1の大きさであったところを、その第1の大きさよりも小さい第2の大きさであったものとして、その差に相当する加算残高情報を残高情報に加算することとなるため、その遊技媒体の消費における損失に比例して補填することができ、公平に損失の補填を行うことができる。
【0152】
また、記録媒体が受け付けられたことを条件としているため、遊技機において遊技者が入れ替わる毎に遊技実行回数を計数することとなるため、以前に遊技を実行した遊技者に対する損失の補填を正当でない遊技者が受けてしまうことを防止することができ、後から遊技が実行された遊技者に対する過剰の利益付与という不都合を防止することができる。
【0153】
そして、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードBとしてセットし(ステップS215)、本サブルーチンを終了する。これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードBとして設定することとなり、貸出処理において、2円/1球で遊技球の貸出を行わせる制御を行うこととなる。
【0154】
つまり、CPU310は、所定の遊技が規定回数(例えば、600回など)実行されたと検出される以前においては、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技媒体の貸出単価として第1の大きさ(例えば、“4円/1球”など)を選択し、所定の遊技が規定回数実行されたと検出された後には、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技媒体の貸出単価として、第1の大きさよりも小さい第2の大きさ(例えば、“2円/1球”)を選択する。言い換えると、CPU310は、所定の遊技が規定回数実行されたと検出された後には、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、所定数量の遊技媒体を貸し出すために使用する遊技用価値として、第1の大きさよりも小さい第2の大きさを選択することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、貸出単価選択手段の一例に相当する。
【0155】
ステップS216において、CPU310は、遊技実行回数カウンタが900以上であるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、RAM311の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタから値を読み出し、遊技実行回数カウンタが900以上であるか否かを判断することとなる。尚、この遊技実行回数カウンタは、詳しくは後述するように、レスキューペイモードが開始されたとき、大当り遊技状態となったとき、プリペイドカードが受け付けられていないときにおいてリセットされ、図柄確定信号がオンとなったとき、即ち、図柄の変動表示が終了した場合にカウントされるため、この処理において、CPU310は、900回の図柄の変動表示が終了したか否かを判断することにもなる。つまり、このような処理を実行するCPU310は、記録媒体が受け付けられ、レスキューペイモードが設定されていることなどを含む所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態(大当り遊技状態)となったと検出されることなく、計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数(例えば、900回など)実行されたことを検出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、遊技実行回数検出手段の一例に相当する。CPU310は、遊技実行回数カウンタが900以上であると判別した場合には、RAM311の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードCとしてセットし(ステップS217)、本サブルーチンを終了する。これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードCとして設定することとなり、貸出処理において、1円/1球で遊技球の貸出を行わせる制御を行うこととなる。一方、CPU310は、遊技実行回数カウンタが900未満であると判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0156】
つまり、CPU310は、所定の遊技が規定回数(例えば、600回など)実行されたと検出された後における遊技媒体の貸出単価を、所定の計数開始条件が成立してから計数された遊技実行回数(例えば、600回、900回など)に対応して、複数種類の遊技媒体の第2の貸出単価の大きさのうち(例えば、“2円/1球”、“1円/1球”など)のいずれかを選択することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、貸出単価選択手段の一例に相当する。
【0157】
このように、特定遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、多くの遊技媒体を消費することとなり、この場合において、それ以前における第1の大きさよりも小さい第2の大きさを遊技媒体の貸出単価として遊技媒体を貸し出すこととなるため、それ以降の遊技媒体の貸出単価を小さくすることで、その遊技媒体の消費における損失を減少させることができ、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0158】
また、遊技機において、貸し出す遊技媒体の数量を変更させるなどの設計変更を必要とせず、単に、遊技用制御装置において1度の貸出操作にて使用する遊技用価値の大きさを条件により変更することによって遊技媒体の貸出単価を変化させることが実現可能であり、既存の遊技機においても容易に適用させることができる。
【0159】
また、遊技実行回数に対応して遊技媒体の貸出単価が決定されることとなるため、特定遊技状態に移行することなく実行された所定の遊技の実行回数(所謂、「ハマリの深さ」)によって、遊技媒体の貸出単価が変化することとなり、より一層、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0160】
また、記録媒体が受け付けられたことを条件としているため、遊技機において遊技者が入れ替わる毎に遊技実行回数の計数が起点より開始されることとなるため、以前に遊技を実行した遊技者に対する損失の恩恵が正当でない遊技者に対して付与されてしまうことを防止することができ、後から遊技が実行された遊技者に対する過剰の利益付与という不都合を防止することができる。
【0161】
[信号入力処理]
また、カードユニット300Aにおいて、所定の周期で実行される信号入力処理について図15を用いて以下に説明する。
【0162】
最初に、カードユニット300Aにおいて、図15に示すように、CPU310は、図柄確定信号がオンであるか否かを判断する(ステップS221)。この処理において、CPU310は、併設されたパチンコ遊技機10からの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号がオンであるか否かを判断することとなる。この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングでオンとなるため、CPU310は、図柄の可変表示が終了したか否かを判定することとなる。CPU310は、図柄確定信号がオンであると判別した場合には、RAM311の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタを“1”増加させ(ステップS222)、ステップS223に処理を移す。つまり、このような処理を実行するCPU310は、遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信し、その受信された遊技実行情報に基づいて、遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、遊技実行情報受信手段、遊技実行回数計数手段の一例に相当する。一方、CPU310は、図柄確定信号がオンではないと判別した場合には、ステップS222を実行することなく、ステップS223に処理を移す。
【0163】
ステップS223において、CPU310は、球貸処理を実行したか否かを判断する。この処理において、CPU310は、パチンコ遊技機10からの信号に基づいて、球貸処理を実行したか否かを判断することとなる。CPU310は、球貸処理を実行したと判別した場合には、RAM311の所定領域に位置付けられた貸出モードを読み出し、貸出モードが貸出モードAであるか否かを判断する(ステップS224)。CPU310は、貸出モードAであると判別した場合には、RAM311の所定領域に位置付けられた使用度数カウンタを、上述した球貸し処理にて使用した残高度数に相当する分だけ加算し(ステップS225)、ステップS226に処理を移す。つまり、このような処理を実行するCPU310は、所定の計数開始条件が成立してからの遊技媒体を貸し出すために使用された遊技用価値の大きさを特定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、使用遊技用価値特定手段の一例に相当する。一方、CPU310は、貸出モードAではないと判別した場合には、ステップS225を実行することなく、ステップS226に処理を移す。一方、CPU310は、球貸処理を実行していないと判別した場合には、ステップS224やステップS225を実行することなく、ステップS226に処理を移す。
【0164】
ステップS226において、CPU310は、大当り信号がオンであるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、併設されたパチンコ遊技機10からの大当り信号に基づいて、大当り信号がオンであるか否かを判断することとなる。この大当り信号は、パチンコ遊技機10において、大当り遊技状態が開始したタイミングでオンとなるため、CPU310は、大当り遊技状態となったか否かを判定することとなる。CPU310は、大当り信号がオンであると判別した場合には、RAM311の所定領域に位置付けられたレスキューモードフラグ、レスキューボタンをオフとするとともに、RAM311の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットし(ステップS227)、本サブルーチンを終了する。これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードAとして設定することとなり、貸出処理において、“4円/1球”で遊技球の貸出を行わせる制御を行うこととなる。つまり、このような処理を実行するCPU310は、遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信し、受信された遊技状態情報に基づいて、遊技機において特定遊技状態になったことを検出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するCPU310は、遊技状態情報受信手段、遊技状態検出手段の一例に相当する。一方、CPU310は、大当り信号がオンではないと判別した場合には、ステップS227を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
【0165】
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、25球の遊技球の貸出毎に、貸出モードに対応する残高度数を減算させたが、これに限らず、例えば、残高度数自体を変更することなく、貸出する遊技球の数を変化させるようにしてもよい。具体的な一例としては、遊技球の貸出操作が行われる毎に、1度数だけ減算するとともに、“4円/1球”の場合には25球の遊技球を貸し出し、“2円/1球”の場合には50球の遊技球を貸し出し、“1円/1球”の場合には100球の遊技球を貸し出すようにしてもよい。
【0166】
また、本実施形態においては、遊技球の貸出単価を、“4円/1球”、“2円/1球”、“1円/1球”の3段階で変化させたが、これに限らず、例えば、2段階、4段階以上であってもよい。また、大当りとなることなく、600回、900回を規定回数として所定の遊技が実行された場合に、遊技球の貸出単価を変化させたが、これに限らず、例えば、1つの規定回数だけであってもよく、更には、3つ以上の規定回数だけであってもよい。
【0167】
更には、本実施形態においては、プリペイドカードを抜き取った場合に、レスキューペイモードを非設定としたが、これに限らず、例えば、ユニットコントローラ700などにおいて、遊技者を特定するとともに、その遊技者毎のハマリ回数(大当りとならずに行われた所定の遊技の回数)を管理してもよい。これによって、別の遊技機でのハマリ回数を継続することができる。例えば、同じ遊技者によって、遊技機Aにおいて大当りとなることなく400回の遊技が行われ、その後、遊技機Bにおいて大当りとなることなく200回の遊技が行われることによって、ハマリ回数が600回となり、規定回数となったと検出されることとなる。また、例えば、プリペイドカードではなく、会員カードの使用を条件として、レスキューペイモードを実行するようにしてもよく、顧客獲得にもつながり、遊技場の売上にも寄与できる。
【0168】
更には、本実施形態においては、レスキューペイモードを開始する場合に、保険料を徴収したが、これに限らず、例えば、保険料を徴収しないようにしてもよい。また、レスキューボタンの操作に応じて、レスキューペイモードを開始するようにしたが、これに限らず、例えば、レスキューボタンの操作に拘わらず、各種のカードなどで遊技者を特定した場合に、レスキューペイモードを開始するようにしてもよい。また、この場合においては、保険料を徴収してもしなくてもよい。
【0169】
更には、本実施形態においては、レスキューペイモードが開始されてから規定回数の遊技が実行された場合に、レスキューペイモードが開始されてからそれまでに貸し出された遊技球に対応する残高度数を計数し、その残高度数に基づいて算出された加算残高度数を決定するようにしたが、これに限らず、例えば、貸し出された遊技球に対応する残高度数の範囲で加算残高度数を決定するようにしてもよい。具体的な一例としては、200〜250度数を消費した場合には50度数を、250〜300度数を消費した場合には62.5度数を、それぞれ加算残高度数として決定してもよい。また、例えば、貸し出された遊技球に対応する残高度数を計数せず、一定の加算残高度数を加算するようにしてもよい。また、加算残高度数の目安について具体的な一例を挙げると、10度数あたり所定の遊技が30回行われるとすると、所定の遊技が600回実行には、200度数が消費されることとなる。そして、実際には“4円/1球”であり、1000円で250球の遊技球が貸し出されたが、“3円/1球”に割引すると750円で250球の遊技球が貸し出されることとなる。そして、上述したように、200度数を消費した場合には、“3円/1球”に割引すると150度数となり、その差分である50度数がチャージバックされることとなる。このように、実際に消費された残高度数に基づくことなく、一定の加算残高度数を決定してもよい。
【0170】
更には、本実施形態においては、所定の遊技が規定回数(例えば、600回)に到達する直前(例えば、598回など)に大当りとなった場合には、遊技者に特別有利な制御を行わないが、これに限らず、例えば、遊技者に有利な制御を行ってもよい。具体的な一例としては、595〜599回に到達している場合に、所定数量の残高度数をチャージバックしてもよい。
【0171】
更には、本実施形態においては、プリペイドカードに対応する残高度数に、加算残高度数を加算することによって、大ハマリに対する補填を行ったが、これに限らず、例えば、現金を返却したり、遊技球の払出を行ったり、他の方法で大ハマリに対する補填を行ってもよい。
【0172】
更には、本実施形態においては、レスキューペイモードを開始してから、大当りとなることなく所定の遊技を規定回数行った場合に、それ以降、遊技媒体の貸出単価を小さく変更したが、これに限らず、例えば、遊技媒体の貸出単価を変更しなくてもよい。
【0173】
更には、残高度数が変化した場合に、その都度、カードユニット300Aからユニットコントローラ700に、カードIDや変化された残高度数を送信するように構成したが、これに限らず、例えば、プリペイドカードを抜く場合に、まとめて、カードユニット300Aからユニットコントローラ700に、カードIDや変化された残高度数を送信するように構成してもよい。
【0174】
更には、本実施形態においては、カード発行機400、ユニットコントローラ700、売上管理コンピュータ800などを備えるシステム構成であったが、これに限らず、カード発行機400、ユニットコントローラ700、売上管理コンピュータ800の機能を一体としても、分散しても問題ない。また、例えば、遊技情報を閲覧する機能や、遊技者を特定する機能、会員情報に関する制御を行う機能を備えてもよい。また、例えば、カード発行機400、ユニットコントローラ700、売上管理コンピュータ800などの少なくともいずれかを備えないシステム構成であってもよい。
【0175】
更には、本実施形態においては、受け付けられた貨幣の種類に対応する遊技用価値の大きさ分だけ残高情報を加算したが、これに限らず、例えば、貨幣を受付不可能としてもよい。この場合においては、遊技者の入れ替えと同一遊技者による離席とをそれぞれ特定可能に検知できる構成とすることが好ましく、同一遊技者である場合には、カウンタ等を継続させ、異なる遊技者である場合には、カウンタ等の初期化を行うこととなる。
【0176】
尚、本実施形態においては、遊技場に設置する遊技機としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、これに限らず、例えば、スロット遊技機(パチスロ遊技機を含む)など、少なくとも遊技の結果を決定する機能を有する遊技機であればよい。上述したようなパチンコ遊技機において大当り遊技状態に移行することが特定遊技状態となることであったが、スロット遊技機においては、変動表示された図柄が所定のボーナス図柄として停止表示され、その後に、メダル(遊技媒体)の払出が行われる所定の図柄が停止表示され易いBB(ビッグボーナス)やRB(レギラーボーナス)となる。このBBやRBが特定遊技状態の一例に相当する。また、図柄が変動表示されてから停止表示されるまでが所定の遊技の一例に相当する。
【0177】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段と、前記遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段と、前記遊技状態情報受取手段によって受信された遊技状態情報に基づいて、前記遊技機において特定遊技状態になったことを検出する遊技状態検出手段と、前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段と、遊技に使用される遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段と、所定の計数開始条件が成立してから、前記遊技状態検出手段によって特定遊技状態となったと検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段と、を備えたことを特徴とするものであるが、遊技実行情報受信手段、遊技状態情報受信手段、遊技状態検出手段、遊技実行回数計数手段、受付手段、読取手段、残高情報記憶手段、貸出制御手段、遊技実行回数検出手段、残高情報加算手段、使用遊技用価値特定手段、加算残高情報決定手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0178】
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の一実施形態の遊技システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のカードユニットにおける概観を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機及びカードユニットを示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態のカード発行機を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態のユニットコントローラを示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態のユニットコントローラにおけるプリペイドカードデータテーブルを示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態のカードユニットにおける制御内容を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態のカードユニットにおける表示画面を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態の遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態の遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態の遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態のカードユニットにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態のカードユニットにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のカードユニットにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0180】
1 遊技システム
10 パチンコ遊技機
300 カードユニット
400 カード発行機
700 ユニットコントローラ
1000 遊技場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段と、
前記遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段と、
前記遊技状態情報受取手段によって受信された遊技状態情報に基づいて、前記遊技機において特定遊技状態になったことを検出する遊技状態検出手段と、
前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段と、
遊技に使用される遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段と、
前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段と、
所定の計数開始条件が成立してから、前記遊技状態検出手段によって特定遊技状態となったと検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、
前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段と、を備えたことを特徴とする遊技用制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技用制御装置において、
前記所定の計数開始条件が成立してからの前記貸出制御手段によって遊技媒体を貸し出すために使用された遊技用価値の大きさを特定する使用遊技用価値特定手段と、
前記使用遊技用価値特定手段によって特定された遊技用価値の大きさに対応して、前記対応情報記憶手段によって記憶された残高情報に加算させる加算残高情報を決定する加算残高情報決定手段と、を備え、
前記残高情報加算手段は、前記加算残高情報決定手段によって決定された加算残高情報を、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に加算する機能を有することを特徴とする遊技用制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技用制御装置において、
前記貸出制御手段は、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技媒体の貸出単価を第1の大きさとして遊技媒体を貸し出すための制御を行う機能を有し、
前記加算残高情報決定手段は、前記使用遊技用価値特定手段によって特定された遊技用価値の大きさに基づいて、所定の計数開始条件が成立してから実際に貸し出された貸出遊技媒体の数量を特定し、前記遊技媒体の貸出単価が前記第1の大きさよりも小さい第2の大きさで前記特定された貸出遊技媒体の数量分の遊技媒体が貸し出されたものとした場合において使用される遊技用価値の大きさを特定するとともに、当該特定された遊技用価値の大きさと、前記使用遊技用価値特定手段によって特定された遊技用価値の大きさとの差を特定し、当該特定された差に相当する残高情報を、前記加算残高情報として決定する機能を有することを特徴とする遊技用制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の遊技用制御装置において、
前記遊技実行回数検出手段は、前記受付手段によって記録媒体が受け付けられたことを前記計数開始条件に含み、前記遊技状態検出手段によって特定遊技状態となったと検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する機能を有することを特徴とする遊技用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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