説明

遊技用携帯端末、及び遊技用プログラム

【課題】従来にないような演出手法による新たな遊技性により遊技の興趣を高めることが可能な遊技用携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯端末1は、遊技機の演出動作を撮像する撮像手段と、撮像された演出画像に含まれる特定画像を認識する特定画像認識手段213と、特定画像及び所定の表示条件が対応付けられた読出画像を予め記憶する記憶手段231と、特定画像が認識されたときに所定の表示条件の成立状態を判定する表示条件判定手段216と、成立している表示条件及び認識された特定画像に対応する読出画像を読み出して表示する情報表示手段218と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技に活用される遊技用携帯端末、及び遊技用携帯端末を動作させるための遊技用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機では、大当たりの抽選結果に応じた様々な演出を液晶表示部で表示することが一般的になっている。遊技機は、このような演出を実行することで遊技の興趣が向上しようとしている。近年では、演出動作を変更させるために遊技者が操作可能な演出ボタンを供えた遊技機も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そして、この遊技機のように遊技者側の働きかけに応じて変化が生じるという演出手法が一般に受け入れられている。
【0003】
しかしながら、遊技者が何度も何度も同様の演出を経験することで目新しさが損なわれてしまうのは致し方なく、遊技者側からは、さらに新たな演出手法による遊技性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−86706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、従来にないような演出手法による新たな遊技性により遊技の興趣を高めることが可能な遊技用携帯端末を提供しようとする発明である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、大当たりの抽選結果に応じて大当たり状態を発生する遊技機が前記抽選結果を示唆するために実行する演出動作を撮像可能な撮像手段と、
この撮像手段が撮像した演出動作の画像である演出画像を表示する表示手段と、
前記演出画像に含まれる特定画像を認識する特定画像認識手段と、
所定の表示条件及び前記特定画像と対応付けて所定の読出画像を予め記憶する記憶手段と、
前記特定画像認識手段が特定画像を認識したときに、前記所定の表示条件の成立状態を判定する表示条件判定手段と、
前記表示条件判定手段により何れかの表示条件が成立していると判定された場合、前記記憶手段が記憶している読出画像の中から成立していると判定された表示条件及び認識された特定画像に対応する読出画像を読み出して前記表示手段に表示させる情報表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技用携帯端末として把握できる。
【0007】
本発明の一態様は、大当たりの抽選結果に応じて大当たり状態を発生する遊技機が前記抽選結果を示唆するために実行する演出動作を撮像可能な撮像手段と、
この撮像手段が撮像した演出動作の画像である演出画像を表示する表示手段と、
所定の表示条件及び前記演出画像に含まれる可能性がある特定画像と対応付けて所定の読出画像を記憶する記憶手段と、を備えた遊技用携帯端末で実行される遊技用プログラムであって、
前記演出画像に含まれる特定画像を認識する特定画像認識ステップと、
前記特定画像認識手段が特定画像を認識したときに、前記所定の表示条件の成立状態を判定する表示条件判定ステップと、
前記表示条件判定ステップにより何れかの表示条件が成立していると判定された場合、前記記憶手段が記憶している読出画像の中から成立していると判定された表示条件及び認識された特定画像に対応する読出画像を読み出して前記表示手段に表示させる情報表示ステップと、を含むことを特徴とする遊技用プログラムとして把握できる。
【0008】
本発明に係る遊技用携帯端末は、遊技機が実行する演出動作を撮像した演出画像の中から前記特定画像を認識できたとき、前記所定の表示条件の成立状態を判定する。そして、成立していると判定された表示条件、及び認識された特定画像に対応する読出画像を表示する。
【0009】
前記遊技用携帯端末を活用した遊技では、前記演出動作を撮像して前記読出画像を表示させるという遊技上の新たな楽しみがある。さらに、この遊技用携帯端末による演出では、認識された前記特定画像が同じであっても、何れの表示条件が成立しているかに応じて表示される前記読出画像が相違する場合があるため、非常に多彩な演出が可能になっている。
【0010】
以上の通り、本発明に係る遊技用携帯端末を活用して遊技すれば、従来にない演出手法による新たな遊技性が実現され、遊技の興趣が高められる。
【0011】
本発明に係る遊技用携帯端末を利用する遊技機としては、スロットマシンやパチンコ遊技機等がある。スロットマシンとしては、メダルやコイン等の遊技媒体を遊技価値として使用するスロットマシンでも良いが、遊技媒体を使用しない、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、スロットマシンの場合であれば、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。パチンコ遊技機としては、遊技媒体であるパチンコ玉の払出を伴うパチンコ遊技機であっても良いが、パチンコ玉の払い出しを伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。
【0012】
本発明の好適な一態様の遊技用携帯端末は、前記所定の表示条件及び前記特定画像と対応付けられた所定の読出画像を取り込む読出画像取込手段を備え、
前記遊技用プログラムは、前記読出画像取込手段を介して取り込まれた所定の読出画像を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップを含むことが好ましい。
この場合には、前記記憶ステップを実行させることにより、前記遊技用携帯端末によって表示される読出画像の変更等が可能になり、一層多彩な演出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例における、遊技用携帯端末を含む遊技システムを示すシステム図。
【図2】実施例における、パチンコ遊技機を示す正面図。
【図3】実施例における、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】実施例における、パチンコ遊技機が記憶する演出テーブルを示す説明図。
【図5】実施例における、パチンコ遊技機による演出画面を示す正面図。
【図6】実施例における、遊技用携帯端末を示す正面図。
【図7】実施例における、遊技用携帯端末を示す背面図。
【図8】実施例における、遊技用携帯端末の電気的構成を示すブロック図。
【図9】実施例における、遊技用携帯端末が記憶する読出画像テーブルを示す説明図。
【図10】実施例における、遊技用携帯端末が実行する表示処理の流れを示すフロー図。
【図11】実施例における、遊技用携帯端末による演出画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、パチンコ遊技機(遊技機)4を遊技する際に有用となる携帯端末(遊技用携帯端末)1に関する例である。この内容について、図1〜図11を用いて説明する。
【0015】
本例の携帯端末1は、図1のごとく、パチンコ遊技機4、及びインターネット回線を介して通信可能に接続されたサーバ装置3との組み合わせにより遊技システム100を形成している。携帯端末1を用いてパチンコ遊技機4の演出動作を撮像すれば、サーバ装置3からダウンロードした様々な読出画像のうち、撮像された演出動作等に対応する読出画像を携帯端末1に表示させることが可能である。
【0016】
このように本例の携帯端末1を活用すれば、パチンコ遊技機4の遊技に関連する演出を多彩にでき、その演出効果により遊技者を一層楽しませ興趣を高めることができる。以下の説明では、まず、本例の携帯端末1を利用可能なパチンコ遊技機4について説明し、続いて本例の携帯端末1について説明する。
【0017】
本例のパチンコ遊技機4は、図2に示すような外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機4は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉43と、開閉扉43の内側の遊技盤面に形成された略円形状の遊技領域430と、遊技領域430の下部両側に配置された一対のスピーカ431と、遊技領域430の下側に設けられた上皿435及び下皿437と、上皿435の右下に配置された操作ハンドル45と、を備えている。
【0018】
開閉扉43は、パチンコ遊技機4に対面して左側のヒンジ433を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉43には、遊技領域430に対応する略円形状の透明窓439と、透明窓439の上部両側に配置された装飾ランプ類436と、が設けられている。
【0019】
上皿435は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿435は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿435の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置641に供給されるようになっている。
下皿437は、上皿435の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿435の玉を回収するための受け皿である。
【0020】
遊技領域430は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域430には、液晶表示部490を含む表示装置49を中心として、始動口41、42、通過ゲート441、大入賞装置46等が配置されている。遊技領域430の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔438が開口している。遊技領域430の右縁部分には、LEDよりなる特図表示部481が配置され、左縁部分には、LEDよりなる普図表示部482及び普図保留表示部484が配置されている。
【0021】
通過ゲート441は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート441には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート441が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0022】
始動口41、42は、大当たりの当否判定(特別図柄の当否判定。以下、大当たり判定という。)の契機となる入賞口である。始動口41、42に玉が入賞すると、大当たり判定用の抽選用乱数が抽出される。始動口41が固定の入賞ポケットである一方、始動口42は、一対の可動羽根421を開口部420に設けた電チュー(電動チューリップ)となっている。
【0023】
通常時の一対の可動羽根421は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図2中、実線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間が始動口41により閉塞されるため、玉が入賞不可能である。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根421(図2中、点線で示す状態。)は、開口部420への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、始動口42への入賞が容易に発生する。
【0024】
特図表示部481は、大当たり判定の当否を表示する手段である。特図表示部481は、いわゆる7セグメントと呼ばれる数字の表示器を含み、この表示器に表示された内部制御コードによって大当たり判定の当否を表示する。特図表示部481に表示される内部制御コードは、後述する表示装置49による演出表示とは異なり、一般の遊技者にとっては理解が難しいデータとなっている。
普図表示部482は、普図判定の当否の表示部である。普図表示部482は、LEDを点灯させることにより当選を表示し、消灯に応じてハズレを表示する。
【0025】
大入賞装置46は、大入賞口460を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。この大入賞装置46は、始動口42の下側に配置されている。大入賞装置46は、横長略矩形状を呈する大入賞口460と、該大入賞口460の下辺を中心として手前に回動する蓋部材461と、を有している。大入賞装置46では、遊技領域430をなす盤面と略面一をなすように蓋部材461が位置したときに大入賞口460が閉鎖状態となる。一方、蓋部材461が手前に回動したときに大入賞口460が開放状態となる。
【0026】
表示装置49は、図2に示すごとく、略中央に液晶表示部490が配置された表示装置である。この液晶表示部490は、大当たり判定の当否を遊技者に分かり易く演出を加えて報知する演出手段としての機能を備えている。液晶表示部490は、横方向に延設された変動領域493において3つの数字を変動表示させる演出動作を実行した後、3桁のアラビア数字を確定的に表示することで大当たり判定の当否を報知する。
【0027】
液晶表示部490の表示画面491の下段には、図2のごとく、特図保留表示部495が配置されている。特図保留表示部495は、略等間隔で水平方向に配置された4箇所の表示エリア495Sにより構成されている。特図保留表示部495では、大当たり判定用の抽選用乱数の保留数(上限保留数4個)に当たる数の表示エリア495Sに○印が表示される。図2は、保留数が4個のときの特図保留表示部495を例示している。
【0028】
次に、パチンコ遊技機4の電気的な構成について、図3を用いて説明する。パチンコ遊技機4は、主回路50を中心として構成されている。主回路50に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路63、玉の打込を制御する発射制御回路64、遊技演出を制御する副制御回路65、液晶表示部490を制御する表示制御回路66、入賞玉あるいは通過玉の検出器612〜614、始動口(電チュー)42を開放する電チューソレノイド622、大入賞装置46を開放させる大入賞ソレノイド624、特図表示部481や普図表示部482等を構成する各種のLED626、及び電力供給のための電源回路628等が電気的に接続されている。また、副制御回路65には、駆動アンプを含むスピーカ装置431、装飾ランプなどの装飾ランプ類436、及び液晶表示部490の表示等を制御する表示制御回路66が電気的に接続されている。
【0029】
入賞玉あるいは通過玉の検出器としては、図2及び図3に示すごとく、通過ゲート441の通過玉を検出するゲート通過検出器612、始動口41、42への入賞玉を検出する始動入賞検出器613、及び大入賞装置46への入賞玉を検出する大入賞検出器614がある。
【0030】
払出制御回路63は、主回路50からの指示を受けて払出装置631を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御回路64は、操作ハンドル45の操作量に応じて発射装置641を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0031】
主回路50は、図3に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)51、記憶素子であるROM(Read Only Memory)52・RAM(Random Access Memory)54、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部57、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部56、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)部55等を備えている。
【0032】
ROM52は、CPU51に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブル、演出動作を決定するための演出テーブル(図4)を記憶している。
【0033】
大当たり判定用の抽選テーブルでは、通常状態における大当たりの当選乱数(当選確率1/400)、及び確変状態における大当たりの当選乱数(当選確率1/50)が規定されている。本例では、大当たりの当選乱数のうちの約2/5が確変大当たりに対応する確変当選乱数となっており、大当たりのうちの確変大当たりの割合が約40%となっている。
一方、普図判定用の抽選テーブルについては、通常状態用と、確変状態用と、の2種類が用意されている。通常状態用の抽選テーブルでは1/100の当選乱数が設定され、確変状態用の抽選テーブルでは、99/100の当選乱数が設定されている。
【0034】
演出テーブルは、図4のごとく、実行する演出動作の種類を決定するためのテーブルである。同図(a)は、大当たりに当選したときに参照されるテーブルであり、同図(b)は、大当たり判定がハズレのときに参照されるテーブルである。これらの演出テーブルでは、当たり演出A・B・・・、あるいはハズレ演出A・B・・・等の演出に対して、それぞれ、乱数値が規定されている。0〜65535の乱数範囲の中から取得される乱数値を利用して演出テーブルを参照することで、実行する演出動作の種類を決定できるようになっている。なお、演出テーブルを利用して決定され得る演出のうち、当選のときの当たり演出A・B、及びハズレのときのハズレ演出A・B等については、その実行中にARマーカ497(特定画像。図5参照。)が表示される演出となっている。例えば、当たり演出Aには、ARマーカ1の表示が含まれている。
【0035】
RAM54は、図3のごとく、CPU51のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM54の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア541・普図保留エリア542、及び各1データ分の特図読出エリア545・普図読出エリア546が割り当てられている。
【0036】
特図保留エリア541は、大当たり判定の当否を表す保留乱数の記憶領域である。普図保留エリア542は、普図判定の保留乱数の記憶領域である。特図読出エリア545は、特図保留エリア541から読み出された保留乱数の格納領域である。普図読出エリア546は、普図保留エリア542から読み出された保留乱数の格納領域である。
【0037】
本例の主回路50は、ROM52から読み出したプログラムをCPU51に実行させることにより、乱数抽出部56が抽出する抽選用乱数を取得することで抽選を実行する抽選手段511、大当たり判定用及び普図判定用の抽選用乱数を保留する保留手段512、大当たり判定用の抽選用乱数を読み出す読出手段513、実行する演出を決定する演出決定手段514、特別状態を発生させる特別状態発生手段515、確変大当たりの当選に応じて確変状態を発生させる確変状態発生手段516としての各機能を実現する。
【0038】
以上のように構成された本例のパチンコ遊技機4は、操作ハンドル45が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート441などが配置された遊技領域430を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域430の最下部に設けられたアウト孔438から回収される。
【0039】
玉が流下する間に通過ゲート441を通過した場合には、乱数発生部57が発生する乱数の中から普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選が実行される。抽選用乱数は、普図判定用の抽選テーブルと照合され、普図判定の当否が決定される。普図判定に当選した場合には、普図表示部482を構成するLEDが点滅する期間の後、点灯状態になる。ハズレの場合には、同様の期間の後、消灯状態になる。普図判定に当選した場合には、電チューである始動口42の可動羽根421が開放される。
【0040】
なお、普図の変動時間は、通常状態で30秒、確変状態及び時短状態において1秒となっている。また、普図判定の当選に応じた可動羽根421の開放時間は、通常状態において0.2秒、確変状態及び時短状態では1.5秒×3回となっている。
【0041】
始動口42への入賞が発生した場合には、大当たり判定(特図判定)用の抽選用乱数を抽出することで大当たり抽選が実行される。この大当たり判定用の抽選乱数は、特図保留エリア541に随時、格納(保留)される。ただし、特図保留エリア541の保留数が4個である場合には、特図保留エリア541に格納されることなく消去される。特図保留エリア541の保留乱数(特図保留)は、図柄変動が停止中であって、かつ、大当たり状態の発生中ではないとき、記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出され、特図読出エリア545に格納される。読み出された大当たり判定用の抽選用乱数については、大当たり判定用の抽選テーブルとの照合により大当たり判定の当否を判定可能である。
【0042】
大当たり判定の当否は、特図表示部481に表示されるほか、表示装置49に停止表示された図柄の組合せに応じて報知される。表示装置49は、図5に示すごとく、表示画面491上の変動領域493内で、演出用図柄である3桁のアラビア数字を変動表示させる演出動作を実行し、各数字を停止させて確定表示することで大当たり判定の当否を遊技者に判り易く報知する。
【0043】
大当たりの場合には、ゾロ目の3桁のアラビア数字が表示画面491に表示される。大当たりとしては、確変状態が後続する確変大当たり状態の契機となる確変大当たりと、終了に応じて直ちに通常状態に復帰する通常大当たり状態の契機となる通常大当たりと、がある。通常大当たりに当選したときには表示装置49に偶数のゾロ目が表示され、確変状態を伴う確変大当たりに当選したときには奇数のゾロ目が停止表示される。
【0044】
確変大当たりが当選した場合には、大当たりの当選確率が高く遊技者側に有利な状態である確変状態が大当たり状態の終了に応じて発生する。この確変状態は、特図表示部481及び普図表示部482による図柄変動時間が短縮されると共に始動口42の入賞率が高まる時短状態を伴って発生する。確変状態は、大当たり状態終了後の演出動作(図柄変動)の実行回数が100回に達するか、あるいは通常大当たりの当選に応じて終了する。
【0045】
本例のパチンコ遊技機では、上記のような演出動作を開始するに当たって、実行する演出を決定するための抽選が実行される。この抽選では、0〜65535の範囲の乱数が抽出され、この乱数に基づいて図4の演出テーブルが参照されて上記の演出動作で実行される演出が決定される。例えば、大当たり抽選に当選しているときに乱数「123」が抽出された場合では、図4(a)の当選時の演出テーブルが参照されて、ARマーカ1を含む当たり演出Aが決定される。
【0046】
このように当たり演出Aが決定された場合には、3桁のアラビア数字を変動表示させる演出動作の実行中において、特図保留表示部495の表示エリア495Sのうち大当たりの保留乱数に対応する表示エリア495Sに、○印に代えてARマーカ497(同図は、ARマーカ1の表示例。)が表示される(図5参照。)。このARマーカ497は、目視では意味内容を判読不可能である一方、次に説明する携帯端末1を利用すればその意味内容を判読可能である。
【0047】
携帯端末1は、図6及び図7のごとく、厚さ1cm程度の平板状の端末である。その正面(図6参照。)側には、液晶表示部151の表示画面150が配置され、その左右両側には、ボタン群12が配置された操作面120とスピーカ131とが配置されている。携帯端末1の背面(図7参照。)側には、撮像手段を構成するカメラ基板11(図8参照。)に固定されたレンズの開口部111が設けられている。
【0048】
液晶表示部151は、パチンコ遊技機4の演出動作を撮像した演出画像等を表示する表示手段としての機能を備えている。また、この液晶表示部151の表示画面150には、シート状のタッチパネル153(図8参照。)が積層されている。
操作面120には、電源ボタン121、カメラのズームボタン123・124、撮像を開始する撮像開始ボタン125等のボタン群12が配置されている。
【0049】
携帯端末1の内部には、図8のごとく、制御部20をなす電気回路が形成された制御基板が収容されている。この制御基板に対しては、CCD素子やレンズ等が実装されたカメラ基板11、オーディオ用ICが実装されたアンプ基板133のほか、操作面120に配置されたボタン群12、タッチパネル153、液晶表示部151等が電気的に接続されている。
【0050】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)23、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)部24等を備えている。I/O部24は、無線LAN機能を備えている。
【0051】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラム(遊技用プログラム)を記憶している。
RAM23は、CPU21のワークエリアや一時書き込みにも利用される読み書き可能な記憶素子である。本例のRAM23は、パチンコ遊技機4で表示される可能性がある複数種類のARマーカについて、それぞれ、3種類の表示条件(本例では、時刻に関する表示条件が設定されている。)に対応する読出画像が規定された図9の読出画像テーブルを記憶する記憶手段231としての機能を備えている。
【0052】
図9(a)〜(d)は、それぞれ、ARマーカ1〜4に対応している。例えば、ARマーカ1に対しては、時刻12:00〜17:59という表示条件に対して、読出画像Bが対応付けされている。ARマーカの種類及び時刻に基づいて記憶手段231が記憶する読出画像テーブル(図9)を参照すれば、携帯端末1に表示させる読出画像を決定可能である。なお、本例では、特定のARマーカに対応する3種類の読出画像としては、その表示態様が異なるものの意味内容が同じ読出画像が設定されている。例えば、ARマーカ1に対しては、いずれも大当たりの「当確」を表す3種類の読出画像が対応付けされている。
【0053】
制御部20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、液晶表示部151の表示を制御する表示制御手段211、演出画像中のARマーカ497(図5参照。)を認識する特定画像認識手段213、サーバ装置3から読出画像をダウンロードして記憶手段231に記憶させる読出画像取込手段215、成立中の表示条件を判定する表示条件判定手段216、認識されたARマーカ497の種類に対応する読出画像を読み出す読出画像参照手段217、読出画像を表示させる情報表示手段218としての機能を実現する。
【0054】
以上の通り構成された本例の携帯端末1は、図10に示す表示処理の実行によりARマーカ497に対応する読出画像の表示を実現している。この表示処理ステップの実行には、まず、図9の読出画像テーブルをサーバ装置3からダウンロードして記憶する記憶ステップS101が実行される。
【0055】
パチンコ遊技機4による演出動作の実行中に、図5に例示されるようなARマーカ497が表示された場合には、パチンコ遊技機4の正面側で携帯端末1を構えて撮像開始ボタン125を操作し、表示画面491に表示された演出動作を撮像する。このとき、液晶表示部490の表示画面491の全体が含まれるように、パチンコ遊技機4と携帯端末1との距離を調整するか、あるいはズームボタン123・124を適宜調整する。
【0056】
演出動作を撮像して取得された演出画像は、携帯端末1の表示画面150に表示される。そうすると、携帯端末1の内部処理により特定画像認識ステップS102が実行され、取得された演出画像について画像認識処理が施される。この特定画像認識ステップS102では、まず、演出画像に映り込んだ表示画面491の大きさに基づいて演出画像のサイズが正規化されると共に、撮像時の傾きがソフト的に修正される。これにより、ARマーカ497が表示される可能性がある4箇所の表示エリア495Sが特定され、表示エリア495Sに表示されたARマーカ497が認識される。
【0057】
ARマーカ497が認識されてその種類が特定されると、図9の読出画像テーブルのごとく記憶手段231がそのARマーカに対応して記憶する読出画像のうち、現在時刻(ARマーカ497の認識時刻)が属する時間帯に対応する読出画像を選択するための表示条件判定ステップS103が実行される。続いて、情報表示ステップS104が実行され、上記のように表示条件判定ステップS103で選択された読出画像が、図11のごとく演出画像中のARマーカ497に対応する表示エリア495Sに上書きされる。
【0058】
図11は、15時10分にARマーカ1(図5参照。)が認識されたときに表示される画面の例である。この場合については、図9(a)のARマーカ1に対応する読出画像テーブルが参照され、時刻が15時10分であることからその中段の表示条件が成立して読出画像Bが読み出される。図11の演出画面では、元の演出画像中のARマーカ497に対して、大当たりの当確を表す読出画像B(図11中の符合197)が上書き表示される。
【0059】
このように、本例の携帯端末1を活用すれば、パチンコ遊技機4の演出動作を拡張でき、その演出の意味内容を携帯端末1の表示画面150に表示させることができる。携帯端末1を活用すれば、新たな演出手法により遊技を楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。
【0060】
本例では、特定画像としてARマーカ497を採用しているが、特定画像は、携帯端末1側で区別できる画像であれば良く、どのような画像パターンを採用しても良い。
【0061】
本例では、読出画像の表示条件として時刻を設定している。これに代えて、例えば、日付、場所、気温、湿度などを表示条件として設定することも良い。この場合、携帯端末1にGPSや温度計や湿度計を設けておく必要がある。さらに、遊技者が表示条件を設定するための設定操作手段を設けることにより、遊技者の操作に応じて表示条件を設定可能にしても良い。
なお、携帯端末としては、本例において説明したような機能を実現した専用機であっても良いが、ゲーム機やスマートフォン等、所定のソフトウェアをインストールすることで上記の機能を実現できる汎用機であっても良い。
【0062】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0063】
1…遊技用携帯端末(携帯端末)、100…遊技システム、11…カメラ基板(撮像手段)、150…表示画面、151…液晶表示部(表示手段)、20…制御部、21…CPU、211…表示制御手段、213…特定画像認識手段、215…読出画像取込手段、216…表示条件判定手段、217…読出画像参照手段、218…情報表示手段、22…ROM、23…RAM、231…記憶手段、24…I/O部、3…サーバ装置、4…パチンコ遊技機、41、42…始動口、430…遊技領域、45…操作ハンドル、46…大入賞装置、481…特図表示部、49…表示装置(演出手段)、490…液晶表示部、491…表示画面、493…変動領域、495…特図保留表示部、495S…表示エリア、497…ARマーカ(特定画像)、50…主回路、51…CPU、511…抽選手段、515…特別状態発生手段、516…確変状態発生手段、613…始動入賞検出器、63…払出制御回路、641…発射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当たりの抽選結果に応じて大当たり状態を発生する遊技機が前記抽選結果を示唆するために実行する演出動作を撮像可能な撮像手段と、
この撮像手段が撮像した演出動作の画像である演出画像を表示する表示手段と、
前記演出画像に含まれる特定画像を認識する特定画像認識手段と、
所定の表示条件及び前記特定画像と対応付けて所定の読出画像を予め記憶する記憶手段と、
前記特定画像認識手段が特定画像を認識したときに、前記所定の表示条件の成立状態を判定する表示条件判定手段と、
前記表示条件判定手段により何れかの表示条件が成立していると判定された場合、前記記憶手段が記憶している読出画像の中から成立していると判定された表示条件及び認識された特定画像に対応する読出画像を読み出して前記表示手段に表示させる情報表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技用携帯端末。
【請求項2】
大当たりの抽選結果に応じて大当たり状態を発生する遊技機が前記抽選結果を示唆するために実行する演出動作を撮像可能な撮像手段と、
この撮像手段が撮像した演出動作の画像である演出画像を表示する表示手段と、
所定の表示条件及び前記演出画像に含まれる可能性がある特定画像と対応付けて所定の読出画像を記憶する記憶手段と、を備えた遊技用携帯端末で実行される遊技用プログラムであって、
前記演出画像に含まれる特定画像を認識する特定画像認識ステップと、
前記特定画像認識手段が特定画像を認識したときに、前記所定の表示条件の成立状態を判定する表示条件判定ステップと、
前記表示条件判定ステップにより何れかの表示条件が成立していると判定された場合、前記記憶手段が記憶している読出画像の中から成立していると判定された表示条件及び認識された特定画像に対応する読出画像を読み出して前記表示手段に表示させる情報表示ステップと、を含むことを特徴とする遊技用プログラム。
【請求項3】
前記遊技用携帯端末は、前記所定の表示条件及び前記特定画像と対応付けられた所定の読出画像を取り込む読出画像取込手段を備え、
前記読出画像取込手段を介して取り込まれた所定の読出画像を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の遊技用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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