説明

遊技者管理装置

【課題】グループで来場する遊技者のグループ登録を好適に行うことができる遊技者管理装置を提供する。
【解決手段】複数の遊技者の行動パターンがグループ行動パターンに該当した場合、それら複数の遊技者がグループで来場した可能性が高いことから、管理装置は、同時期来場頻度、同時期来場頻度、同時期遊技開始頻度に基づいてそれらの複数の遊技者を自動的にグループ登録する。従って、グループ登録を行うための特別な操作を遊技者が行わなくとも、グループに属する遊技者の数を増やすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場にグループで来場した遊技者を管理する遊技者管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機が設置された遊技場には、複数の遊技者がグループで連れ立って来場することがある。そして、グループで来場した複数の遊技者がグループ登録を行う技術が提案されている。例えば、特許文献1には、会員カードを所持した遊技者が、会員カードを用いて遊技場内に設置された端末装置にてグループ登録を行うことが記載されている。グループ登録を行った遊技者は、グループ登録を行った遊技者間にてメッセージの送受信が可能となる。このように、グループ登録を行った遊技者に特典を付与することで、グループで遊技場に来場するように遊技者に促すことが可能となる。さらに、遊技場側にしてみれば、遊技者をグループ管理することによりグループでの来店数に適した店舗設計を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−154591
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、グループ登録を行うためには遊技者が登録操作を行う必要があり、全ての遊技者がグループ登録を行うわけではない。このため、グループ登録した遊技者の人数をうまく確保できず、遊技者をグループ管理する効果を十分に発揮できない虞がある。従って、遊技者のグループ登録を実施する上で未だ改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、グループで来場する遊技者のグループ登録を好適に行うことができる遊技者管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場に来場した遊技者を管理する遊技者管理装置であって、
遊技者を識別可能な識別情報を特定する識別情報特定手段と、複数の遊技者の行動パターンが予め定められたグループ行動パターンに該当した場合に、当該複数の遊技者を同一のグループに属するグループ登録対象遊技者として特定する行動特定手段と、前記グループ登録対象遊技者として特定された複数の遊技者の前記識別情報をグループ化して管理するグループ管理手段と、を備えたものである(請求項1)。
請求項1記載の遊技者管理装置において、
前記行動特定手段は、複数の遊技者の行動パターンが前記グループ行動パターンに所定頻度以上該当した場合に、前記グループ登録対象遊技者として特定するようにしてもよい(請求項2)。
【0006】
請求項1又は2記載の遊技者管理装置において、
遊技者を撮像する撮像手段を備え、前記識別情報特定手段は、前記撮像手段の撮像結果から前記識別情報を抽出するものであり、前記行動特定手段は、複数の遊技者が同じ時間帯に来場又は退場した場合に、当該複数の遊技者を前記グループ登録対象遊技者として特定するようにしてもよい(請求項3)。
請求項1ないし3の何れかに記載の遊技者管理装置において、
前記行動特定手段は、複数の遊技者が同じ時間帯に所定範囲内に設置された遊技機にて遊技を開始した場合に、当該複数の遊技者を前記グループ登録対象遊技者として特定するようにしてもよい(請求項4)。
請求項1ないし4の何れかに記載の遊技者管理装置において、
グループ内の遊技者が隣接した遊技機にて遊技を開始した頻度を特定する隣接頻度特定手段を備えるようにしてもよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、複数の遊技者の行動パターンがグループ行動パターンに該当した場合、それら複数の遊技者が知り合いである可能性が高いことから、それらの複数の遊技者を自動的にグループ登録することが可能となる。つまり、グループ登録を行うための特別な操作を遊技者が行わなくとも、グループに属する遊技者を特定してその数を増やすことができる。
グループ行動パターンに該当した場合、即座にグループ登録すると、知り合いではない遊技者をグループ登録する不具合が発生し得る。この点、請求項2の発明によれば、グループ行動パターンが所定頻度以上該当した場合にグループ登録を行うので、上記不具合が発生する虞を低減できる。
請求項3の発明によれば、撮像手段の撮像結果により遊技者を特定するので、遊技者に対してグループ登録されたことを意識させることなくグループ管理することができる。
請求項4の発明によれば、グループで来場して遊技開始した遊技者を適切に特定することが可能となる。
請求項5の発明によれば、隣接して遊技を開始することによりグループ行動と判定した頻度を特定できる。これにより、隣接して遊技を開始する頻度が高ければ、同じ種類の遊技機は少なくとも2機設置する等、隣接して遊技を開始する遊技者に配慮した遊技機の配置にすることが可能となる。つまり、知り合い同士にて隣接して遊技を開始する遊技者の割合に応じて適切な店舗設計を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】登録データの集計の変化を示す図
【図3】グループ登録された遊技者報知の一例を示す図
【図4】管理装置によるグループ行動特定処理を示すフローチャート
【図5】管理装置による登録済遊技者対応処理を示すフローチャート
【図6】管理装置によるグループ遊技者報知処理を示すフローチャート
【図7】管理装置によるグループデータ非表示処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は遊技場用システム(遊技者管理装置)の全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出装置2が設置され、管理室には管理装置3(識別情報特定手段,行動特定手段,グループ管理手段、隣接頻度特定手段に相当)が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を中継装置4を介して受信することにより遊技機1毎の遊技情を管理する。
【0010】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射した玉(遊技媒体)が始動口8に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部9において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態(特別遊技状態)となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口10を開放する。入賞により遊技機1から払出された玉は上部受皿11にて受けられ、この上部受皿11が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿12で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0011】
遊技機側からは、次の遊技信号が出力される。
・アウト信号=使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト、使用遊技媒体)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
・セーフ信号=遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、付与遊技媒体)を特定可能な信号。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
・スタート信号=遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口8への入賞により変動(作動)する表示部9における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
・大当たり信号=遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
・売上信号=貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定する。
・再プレイ信号=貸出装置2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0012】
貸出装置2は、貨幣投入口13から貨幣が投入されるとノズル14から対価分の玉を払出す。また、顔認証用カメラ15(撮像手段に相当)を内蔵しており、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮影して顔データを管理装置3に出力する。さらに、情報表示装置16を備えており、その情報表示装置16にて対応する遊技機1の遊技情報、或いは指定した遊技機1の遊技情報を表示可能となっている。
【0013】
管理装置3は、遊技機側からの各種遊技信号に基づいて遊技情報を作成する。この遊技情報は、顔認証用カメラ15から出力された顔データに基づいて一人の遊技者が遊技を開始してから継続して遊技したと判断できる範囲における台データ、及び売上データを累積したものである。このような顔認証による識別は顔(目、鼻、口等)の特徴を抽出して数値化し、その数値化データを比較することで行われるもので、現在では一般的な技術であることからその詳細については省略する。
一方、遊技場の全ての出入口には来退場監視用カメラ17(撮像手段に相当)が設置されている。この来退場監視用カメラ17は、遊技場に来場したり、遊技場から退場したりする遊技者を撮像して特定するためのものである。この来退場監視用カメラ17は顔認証の機能を備えており、来場・退場に加えて遊技者個人を識別可能となっている。
【0014】
さて、複数の遊技者がグループ登録することで遊技場から所定の特典が与えられるものの、手動でグループ登録する手続き、つまり遊技場内に設けられた端末にグループ登録を望む遊技者のそれぞれが会員カードを読取らせることでグループ登録し、その後、貸出装置2に会員カードを挿入することでグループ内の遊技者かを特定するという動作は面倒であると考える遊技者が多いことから、グループ登録が有効に行われていないのが実情である。
このような事情から、管理装置3は、遊技者の行動を監視してグループ登録を自動的に行う機能を有しており、そのための処理としてグループ行動特定処理を実行する。このグループ行動特定処理とは、遊技者の行動を監視することによりグループ行動したと思われる遊技者を特定するものである。
【0015】
図4は管理装置3によるグループ行動特定処理を示すフローチャートである。管理装置3は、遊技者の同時期来場を特定したか(A1)、遊技者の同時期退場を特定したか(A2)、遊技者の同時期遊技開始を特定したか(A3)を判定している。つまり、複数の遊技者がグループ行動したと判定する動作として、同時に来場したこと、同時に退場したこと、同時に遊技を開始したことが考えられることから、このような行動を行った複数の遊技者を特定した場合に、それらの遊技者をグループ行動した遊技者として特定するのである。
【0016】
同時期来場及び同時期退場は来退場監視用カメラ17による撮像結果で特定する。同時期来場(退場)として特定する条件は、複数の遊技者が所定時間(例えば2秒)以内にまとまって来場(退場)した場合、又は並んで来場(退場)した場合(遊技者の距離が例えば2m以内)である。この場合、同時期来場(退場)を特定すると同時に顔認識により遊技者個人を識別する。同時期遊技開始は、貸出装置2に設けられた顔認証用カメラ15による撮像結果で遊技者個人を識別することにより特定する。同時期遊技開始として特定する条件は、遊技者が並んで遊技を開始した場合、及び、5分以内(同時期)に遊技を開始した場合の両方が発生した場合である。
【0017】
管理装置3は、遊技者の同時期来場、遊技者の同時期退場、遊技者の同時期遊技開始の何れかを特定した場合は(A1〜A3:YES)、特定した遊技者は登録済遊技者かを判定する(A4)。この登録遊技者とは、後述する仮登録済遊技者及び本登録済遊技者の両方を含む意味である。特定した遊技者が登録済遊技者でない場合は(A4:NO)、特定した複数の遊技者を仮登録済遊技者として仮データを登録(仮登録)する(A6)。
【0018】
図2は遊技者A及び遊技者B(グループ登録対象遊技者に相当)を仮登録してから本登録し、最終的に削除するまでの登録データの集計の変化を示している。
登録データの集計方法は、次の通りである。
・同時期来場頻度:分母が「Aの個別来場+Bの個別来場+ABの同時来場」、分子が「ABの同時来場」。
・同時期退場頻度:分母が「Aの個別退場+Bの個別退場+ABの同時退場」、分子が「ABの同時退場」。
・同時期遊技開始頻度:分母が「Aの個別遊技開始+Bの個別遊技開始+ABの同時遊技開始」、分子が「ABの同時遊技開始」。
【0019】
登録データの集計は、グループ登録を仮登録開始したタイミングから開始する。このため、仮登録開始時点では、同時期来場頻度、同時期退場頻度、同時期遊技開始頻度のいずれかの頻度が必ず100%となる。
図2(a)に示す例では、遊技者Aと遊技者Bとが同時期来場の特定により仮登録された場合の登録データを示しており、同時期来場頻度が100%(1回)となっている。この仮登録データの集計は、データの信頼性が低いことから、データの信頼性を保証できる条件が成立するまで行われる。つまり、例えば遊技者A,Bの同時期来場を特定するにしても、それはたまたま遊技者Aと遊技者Bとが同時に来場した可能性があることから、グループとして正式に特定できないからである。
【0020】
管理装置3は、上述のように同時期来場、同時期退場、同時期遊技開始の何れかにより登録データを仮登録した以降に、同時期来場、同時期退場、同時期遊技開始の何れかを特定した場合は(A1〜A3)、特定した遊技者は登録済遊技者であることから(A4:YES)、登録遊技者対応処理を実行する(A5)。
図5は管理装置3による登録済遊技者対応処理を示すフローチャートである。管理装置3は、特定した遊技者は仮登録済遊技者かを判定する(B1)。つまり、仮登録済遊技者及び本登録済遊技者のいずれに該当するか判定する。特定した遊技者が仮登録済遊技者の場合は(B1:YES)、仮登録データの発生回数を更新する(B2)。具体的には、仮登録データにおける特定した事象(同時期来場、同時期退場、同時期遊技開始の何れか)の発生回数に1を加算する。
【0021】
次に、同時期来場頻度、同時期退場頻度、及び同時期遊技開始頻度の累計回数が5回になったかを判定し(B3)、5回になった場合は(B3:YES)、更新結果はグループ登録対応頻度に該当するかを判定する(B4)。このグループ登録対応頻度とは、累計回数が5回となったタイミングにて、来場頻度及び退場頻度のいずれかが20%(所定頻度に相当)以上か、或いは同時期遊技開始頻度が10%(所定頻度に相当)以上かのどちらかに該当する場合で、仮登録データの信頼性を保証できると考えられる頻度に対応する。そして、グループ登録対応頻度に該当する場合は(B4:YES)、仮データをグループデータとして正式に登録する(B5)。一方、特定した遊技者が本登録済遊技者の場合は(B1:NO)、登録データの発生回数を更新する(B6)。つまり、登録データにおける特定した事象(同時期来場、同時期退場、同時期遊技開始の何れか)の発生回数に1を加算する。
【0022】
図2(b)に示す例は、累計回数が5回(同時期来場頻度が3回)となった時点で同時期来場頻度が20%となったことから、本登録され、それ以後において、同時期退場頻度及び同時期遊技開始頻度の何れかが1回特定されて累計回数が6回となった状態を示している。
この本登録の登録データからは、遊技者Aと遊技者Bとは一緒に来場及び退場している頻度は高いが、場内では隣接(所定範囲内に相当)して遊技を行うことはほとんどないことが分かる。
尚、累計回数が5回となった時点でグループ登録対応頻度に該当しない場合は(B4:NO)、仮データの登録が間違いであったものとして仮登録データを削除する(B8)。
【0023】
一方、管理装置3は、上述のように登録データの発生回数を更新した場合は(B6)、更新結果は削除対応頻度に該当するかを判定する(B7)。削除対応頻度とは、同時期来場頻度、同時期退場頻度、及び同時期遊技開始頻度の全てが予め定められた閾値以下となった場合である。全ての頻度が削除対応頻度となった場合は(B7:YES)、本登録データを削除する(B8)。つまり、各頻度の全てが閾値以下に下がったので、もともとグループ登録が誤りであった、又はグループ行動しなくなったと判断してグループデータを削除するのである。尚、各閾値は、同時期来場頻度が5%、同時期退場頻度が5%、同時期遊技開始頻度が2.5%に設定されている。
図2(c)に示す例では、登録データを更新した結果、同時期来場頻度が4.9%、同時期退場頻度が4.9%、同時期遊技開始頻度が0.18%となり、全ての頻度が閾値以下となったことから、登録データの信頼性が保証されなくなったとして削除対象となった状態を示している。
【0024】
さて、管理装置3は、上述のようにして本登録により複数の遊技者をグループ登録した場合は、グループ登録された遊技者に対してグループ遊技者報知処理を実行する。このグループ遊技者報知処理は、グループ登録された遊技者の所在を情報表示装置16により報知するサービスである。
図6は、管理装置3によるグループ遊技者報知処理を示すフローチャートである。管理装置3は、貸出装置2に設けられた顔認証用カメラ15の撮像結果に基づいてグループ登録済の遊技者を検出した場合は(C1:YES)、グループ登録していることに対する特典としてグループ内の遊技者の台番を情報表示装置16にて報知する(C2)。尚、表示するのはグループデータが登録済の遊技者のみであり、仮データ状態の遊技者を表示することはない。
【0025】
図3(a)は情報表示装置16によるグループ登録された遊技者報知の一例を示している。遊技者に対するグループデータとして、遊技者Aとのグループデータ、遊技者Bとのグループデータ、遊技者Cとのグループデータがそれぞれ本登録されている場合を示しており、遊技者A〜Cを撮像した顔データ18〜20を表示すると共に、顔データ18〜20に対応して遊技者が遊技する台番を示すメッセージ21を表示する。画面の下部には、「知り合いじゃない遊技者が出てたらここにドラッグ!!」というメッセージ22を表示する。
【0026】
ところで、管理装置3は、上述したように顔認識によりグループ登録を自動で行うため、誤った遊技者をグループ登録することがある。このため、遊技者により表示している遊技者のうち、グループでない遊技者を選択して非表示できるグループ非表示処理を実行可能となっている。この場合、イタズラの場合もあるため、グループデータそのものは削除せず、非表示処理するだけである。
【0027】
図7は、管理装置3によるグループデータ非表示処理を示すフローチャートである。管理装置3は、台番を報知中の場合は(D1:YES)、遊技者による非表示操作が有ったかを判定し(D2)、非表示操作が有った場合は(D2:YES)、選択した遊技者を非表示に変更する(D3)。
図3(b)に示す例は、ドラッグ操作により5番台で遊技中の遊技者Aのデータを非表示処理した場合を示している。
【0028】
さて、管理装置3によりグループ登録を自動的に管理できることから、遊技場の管理者は、グループ登録された遊技者が同時に遊技場内に滞在している頻度が高いかを判断可能である。高いと判断した場合は、グループ登録された遊技者のうち先に遊技を終了した遊技者が他の遊技者が遊技終了を待つ休憩スペースを拡大したり、飲食コーナーのテーブル数を増やしたりすることで、遊技者に好適なサービスを提供することができる。つまり、グループで来場した頻度に応じて遊技場にて的確な対策をとることができる。
【0029】
また、同じ機種の遊技機1を1台ずつ設置したバラエティコーナーを設置した遊技場においては、上述したような2人の遊技者が同時に並んで遊技を開始したことを特定した同時期遊技開始頻度に基づいて1台ずつのままでよいのか、或いは同じ機種の遊技機1を2台ずつ設置するのが適当かを分析することができる。つまり、同時期遊技開始頻度が高いと判断できる場合は、同じ機種の遊技機1を2台ずつ設置するように変更することができる。
【0030】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
複数の遊技者の行動パターンがグループ行動パターンに該当した場合、それら複数の遊技者が知り合いである可能性が高いことから、管理装置3は、同時期来場頻度、同時期来場頻度、同時期遊技開始頻度に基づいてそれらの複数の遊技者を自動的にグループ登録する。従って、グループ登録を行うための特別な操作を遊技者が行わなくとも、グループに属する遊技者の数を増やすことができる。
グループ登録された遊技者の顔データが表示された場合に、知り合いでない遊技者を非表示可能としたので、間違ってグループ登録された場合であってもグループに属する遊技者を適切に管理することができる。
【0031】
各カメラ15,16の撮像結果により遊技者を特定するので、遊技者に対してグループ登録されたことを意識させることなく管理することができる。
遊技者の同時期遊技開始を特定することにより隣接して遊技するグループを特定するようにしたので、2人で来場した例えば夫婦、或いはアベックを適切に特定することが可能となる。これにより、隣接して遊技を開始する頻度が高ければ、同じ種類の遊技機1は少なくとも2機設置する等、隣接して遊技を開始する遊技者に配慮した遊技機1の配置にすることが可能となる。つまり、知り合い同士にて隣接して遊技を開始する遊技者の割合に応じて適切な店舗設計を行うことが可能となる。
【0032】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
グループ登録を実行するための行動パターンを変更してもよいし、同時期来場、同時期退場、及び、同時期遊技開始のうち、一又は二をグループデータとして登録するための条件としてもよい。また、駐車場に監視カメラを設け、車に同乗して来場した遊技者をグループデータとして登録するようにしてもよい。つまり、同じグループであると判定できれば、グループ登録するための行動パターンは限定されるものではない。
グループデータとして登録した後、収集するデータをいずれのデータのものとしてもよい。例えば、遊技場内に同時に滞在している時間割合を集計するようにしてもよい。
遊技者を特定する方法は、顔データに限られるものではない。例えば、遊技者の全体像から遊技者を特定するようにしてもよい。また、撮像した画像から遊技者を特定するのではなく、遊技者を特定可能な会員カードの受付に基づいて遊技者を特定するようにしてもよい。例えば、会員カードにて遊技者を特定する場合、来場時や退場時、遊技中に会員カードの情報を読み取る構成が考えられる。つまり、遊技者を識別するための識別情報を会員カードに記憶しておき、会員カードの読取結果から遊技者を識別するようにしてもよい。
【0033】
仮データの登録自体を実行しないようにしてもよい。つまり、グループ行動パターンに一度でも該当すればグループ登録を直ちに行うようにしてもよい。
仮登録を本登録するための条件(数値)としては上記実施形態で説明した条件に限定されるものではなく、任意に設定すればよい。
同時期来場、同時期退場と特定するための条件としては、上記実施形態で説明した時間及び距離に限定されることなく、任意に設定すればよい。
同時期遊技開始と特定するための条件としては、隣以外、例えば1つ空いた遊技機、或いは既に遊技している遊技者の両側の遊技機としてもよい。また、開場時の混雑時には同時期遊技開始と特定する時間を短く、昼間の非混雑時には時間を長くするようにしてもよい。
【0034】
グループデータ、仮データを削除する数値としては上記実施形態の数値に限定されることなく任意に設定すればよい。また、削除するか否かは遊技場の管理者が決定するようにしてもよい。本構成においては、各頻度が低下したグループデータを削除候補として遊技場の管理者に報知するようにすればよい。
遊技者がグループデータの非表示操作をできないようにしてもよい。
グループデータの削除を遊技者が実行できるようにしてもよい。
グループ登録した場合に遊技者に提供するサービスを変更してもよい。例えば、持玉の情報や、会員の情報を記憶したカードの発行をロック可能な構成においては、グループ内のいずれの遊技者でもロックを解除可能としてもよい。
グループデータを登録した後、そのグループデータを遊技者管理及び遊技者へのサービス提供の両方に用いる必要はなく、一方のみとしてもよい。
グループ登録を遊技者が手動にて行うことができなくてもよい。
【符号の説明】
【0035】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置、3は管理装置(識別情報特定手段,行動特定手段,グループ管理手段、隣接頻度特定手段)、15は顔認証用カメラ(撮像手段)、17は来退場監視用カメラ(撮像手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場に来場した遊技者を管理する遊技者管理装置であって、
遊技者を識別可能な識別情報を特定する識別情報特定手段と、
複数の遊技者の行動パターンが予め定められたグループ行動パターンに該当した場合に、当該複数の遊技者を同一のグループに属するグループ登録対象遊技者として特定する行動特定手段と、
前記グループ登録対象遊技者として特定された複数の遊技者の前記識別情報をグループ化して管理するグループ管理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技者管理装置。
【請求項2】
前記行動特定手段は、複数の遊技者の行動パターンが前記グループ行動パターンに所定頻度以上該当した場合に、前記グループ登録対象遊技者として特定することを特徴とする請求項1記載の遊技者管理装置。
【請求項3】
遊技者を撮像する撮像手段を備え、
前記識別情報特定手段は、前記撮像手段の撮像結果から前記識別情報を抽出するものであり、
前記行動特定手段は、複数の遊技者が同じ時間帯に来場又は退場した場合に、当該複数の遊技者を前記グループ登録対象遊技者として特定することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技者管理装置。
【請求項4】
前記行動特定手段は、複数の遊技者が同じ時間帯に所定範囲内に設置された遊技機にて遊技を開始した場合に、当該複数の遊技者を前記グループ登録対象遊技者として特定することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技者管理装置。
【請求項5】
グループ内の遊技者が隣接した遊技機にて遊技を開始した頻度を特定する隣接頻度特定手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の遊技者管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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