説明

運動情報を用いた医用画像解析のためのコンピュータ可読媒体、システム、および方法

1つまたは複数の医用ボリューム・データを比較することで生成された運動情報を、様々な用途に利用することができる。本明細書で説明する用途の例には、1)受信した2つの事例のボリューム・データ間のどこかの時点において、補間済みボリューム・データを生成することと、2)運動情報に基づいてある事例のボリューム・データから別の事例のボリューム・データにジオメトリ情報を伝搬することと、3)一連のレンダリング処理した事例のボリューム・データ内の同じ位置に1つまたは複数の特徴部を固定するようにボリューム・データを調節することが含まれる。これらの作用の組み合わせを実装することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医用画像視覚化法に関し、より詳細には、ボリューム・データを視覚化する際の運動解析の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)スキャナおよび磁気共鳴映像法(MRI)スキャナを含む医用装置を使用して、臨床画像を生成することができる。これらのスキャナにより、人体構造の画像を生成することができる。対象者の姿勢の変化、対象者の状態の変化、画像化した人体構造の本来の機能、または他の理由により、繰り返しのスキャンは一様でなくなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
2つの画像の特徴部を関連付ける運動解析法が存在する。運動解析法により、画像間の空間変容を識別することができ、画像の各画素それぞれに変位ベクトルを生成することができる。
【0004】
一部のビデオ・システムでは、滑らかに再生できるように運動解析情報が活用される。ビデオ・シーケンスが、通常、固定した時間間隔でサンプリングした1組の画像を収めている。空間変容を利用して、規則的に間隔をあけた2つのビデオ・フレーム間に画像を挿入することができ、これにより再生の滑らかさを改善することができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
規則的にサンプリングしたビデオ・フレーム間を補間するために運動解析法が利用されているが、運動解析法は臨床環境で幅広く活用されてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態によるシステムの概略図である。
【図2】運動情報を得るために処理されたボリューム・データを表す2つの心臓画像の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による、補間済みボリューム・データを生成するための実行可能命令を含むシステムの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って補間済みボリューム・データを生成する方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による、図2の画像の時点の間のある時点で生成された、補間済みボリューム・データの概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による、補間済みボリューム・データに基づいて、画像を含むボリューム・データを表す一連の画像の概略図である。
【図7】本発明の一実施形態による、ジオメトリ伝搬ための実行可能命令を含むシステムの概略図である。
【図8】本発明の一実施形態による、運動情報を利用したジオメトリ情報の伝搬を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による、ジオメトリを伝搬する運動情報の利用例の概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による、ジオメトリ伝搬のための実行可能命令を含むシステムの概略図である。
【図11】本発明の一実施形態による、運動情報に基づいた1つまたは複数の3次元画像のレンダリング処理例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態による、目標位置が固定されたボリューム・データに基づいた画像の概略図である。
【図13】本発明の一実施形態による、レンダリング処理したボリューム・データの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施形態による医療シナリオ100の概略図である。コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ105が示されており、このスキャナ105は、対象者110からデータを収集することができる。処理のためにそのデータを画像化システム115に伝送することができる。画像化システム115は、プロセッサ120、入力装置125、出力装置130、メモリ135、またはそれらの組み合わせを含むことができる。以下でさらに説明するように、メモリ135は、運動解析を行うための実行可能命令140を格納することができる。運動解析を用いてボリューム・データを処理した後に、運動情報145をメモリ135に格納することができる。以下でさらに説明するように、様々な手法で運動情報145を利用して、ボリューム・データを生成または変更することができる。そのボリューム・データを、1つもしくは複数の出力装置130に視覚化するか、またはクライアント・コンピューティング・システム150による表示のために伝送することができる。クライアント・コンピューティング・システム150は、有線または無線の任意の機構を通して画像化システム115と連絡することができる。
【0008】
本発明の実施形態は、概して、ボリューム・データの処理を対象としている。本明細書で用いるボリューム・データは、概して、CTスキャナ、MRIスキャナ、または超音波などの医用スキャナから獲得する3次元画像を指す。異なる時刻に生じてよい複数スキャンからのデータを、異なる事例のボリューム・データと称することができる。他のスキャナを使用してもよい。ボリューム・データを用いて、3次元画像または他の視覚化映像をレンダリング処理または別法で生成することができる。視覚化により、スキャンした領域の全てまたは一部分からの3次元情報を表すことができる。
【0009】
任意の様々な入力装置125および出力装置130を使用することができる。それらの装置には、これらに限定されないが、ディスプレイ、キーボード、マウス、ネットワーク相互接続、有線または無線のインターフェース、プリンタ、ビデオ端末、および格納装置が含まれる。
【0010】
同じメモリ135に符号化されているように示しているが、運動情報145および運動解析のための実行可能命令140は、別々のメモリ装置に設けることができ、それらの別々のメモリ装置は、同じ場所に配置されていてもよく、そうでなくてもよい。任意のタイプのメモリを使用してよい。
【0011】
CTスキャナ105が示されているが、MRIスキャナまたは超音波スキャナを含む、ボリューム・データを生成するのに適した任意のタイプの医用装置を用いて、本発明の実施形態によるデータを対象者から獲得することができる。
【0012】
コンピューティング構成要素の構成およびこれらの構成要素の位置は非常に融通が利くことを理解されたい。一例では、画像化システム115は、画像化システム115に送信するデータを取得する医用スキャナと同じ設備に配置することができ、医師などのユーザは、臨床画像を処理および表示するために画像化システム115と直接対話することができる。別の例では、画像化システム115は医用スキャナから離れていてよく、スキャナで取得したデータを、処理のために画像化システム115に送信することができる。最初はローカルに、例えばクライアント・コンピューティング・システム150に、データを格納することができる。ユーザは、クライアント・コンピューティング・システム150を用いて画像化システム115とインターフェースでつながって、データを伝送し、運動解析のための入力パラメータを提供し、画像解析を要求するか、または処理済みのデータを受信するかもしくは見ることができる。このような例では、クライアント・コンピューティング・システム150は、以下で説明する運動解析動作を実施するのに十分な処理能力を有する必要がない。クライアント・コンピューティング・システムは、解析を完了するのに十分な処理能力を有する遠隔の画像化システム115にデータを送信することができる。次いで、クライアント・コンピューティング・システム150は、運動情報など、画像化システム115によって行われた解析結果を受信またはそれにアクセスすることができる。任意の構成の画像化システム115は、複数のスキャナからのデータを受信することができる。
【0013】
人体構造のボリューム・データを含む任意の様々なボリューム・データを、本発明の実施形態に従って操作することができる。そのボリューム・データには、これらに限定されないが、臓器、血管、またはそれらの組み合わせのボリューム・データが含まれる。
【0014】
本発明の実施形態によるシステムの基本的な構成を説明してきたが、次に運動解析法を説明する。1つまたは複数の運動解析法を利用して運動情報を生成することができ、結果として生じる運動情報を利用して医用画像を様々な方式で生成または変更することができる。
【0015】
ボリューム・データのために利用される運動解析法は、概して、2つ以上の事例のボリューム・データに現れる特徴部間の空間関係を判定する。特徴部は、これらに限定されないが、臓器、筋肉、もしくは骨が含まれる、任意の解剖学的特徴部もしくは構造、またはこうした任意の解剖学的特徴部もしくは構造の一部分でよく、あるいは、特徴部は、患者のボリューム・データ内に作られるかもしくは識別される点、グリッド、または他の任意の形状構造でよい。本発明の実施形態では、スキャナを用いて対象者から得た複数の3次元医用事例ボリューム・データに運動解析を行うことができる。その事例のボリューム・データは、特定の期間だけ差をあけてとったスキャンを表すことができる。その特定の期間は、例えば、心臓の左心室の運動を取り込むために使用されるようなCTスキャンの場合には数ミリ秒だけ差をあけた期間であり、または例えば病変もしくは手術部位の時間的変化を観察するためにスキャンする場合には数日もしくは数か月だけ差をあけた期間である。図1の画像処理システム115は、運動解析を行って、複数事例のボリューム・データ間の空間変容を判定することができる。具体的には、運動解析のための実行可能命令140が、プロセッサ120に命令して、異なる事例のボリューム・データの対応する特徴部を識別することができる。こうした特徴部の相関性を利用して、その事例のボリューム・データ内の任意の数の特徴部または全ての特徴部に関する変位ベクトルを導き出すことができる。変位ベクトルは、ある事例のボリューム・データから次の事例のボリューム・データへの、ボクセルに示す特徴部の動きを表すことができる。結果として生じる運動解析情報は、2つの事例のボリューム・データの対応する特徴部間またはボクセル間の変位ベクトルまたは別の関連の表現を含むことができ、図1のメモリ135などのメモリまたは他の格納装置に格納することができる。
【0016】
ある画像内の点を別の画像内の対応点にマップする、1つまたは複数の空間変容を識別する運動解析法が、当技術分野で知られている。空間変容は、概して、連続する3D変容を表すものとして見ることができる。典型的な技法を、3つのカテゴリに、つまり目標物ベース法、分割ベース法、および強度ベース法に分類することができる。目標物ベース法では、全てのボリューム・データ事例において1組の目標物の点を指定することができる。例えば、目標物を、全てのボリューム・データ事例において目に見える解剖学的に特定可能な位置の点に手作業で指定することができる。所与の目標物によって空間変容を推測することができる。分割ベース法では、目標対象物を分割し、その後で運動解析処理を行うことができる。典型的には、抽出した対象物の表面を、その表面同士を位置合わせする空間変容を推定するように変形させることができる。強度ベース法では、2つの画像間を非対称にする費用関数を利用することができる。その費用関数は、ボクセル強度に基づいていてよく、運動解析処理は、戻り値を最大限または最小限にするように、想定される空間変容の最良パラメータを見つけるための問題と考えることができる。費用関数およびオプティマイザの選択に応じて、多種多様の方法を用いることができる。これらの技法のうちのいずれかにより、最終的に、2つ以上の事例のボリューム・データ間の1つまたは複数の空間変容を識別し、例えばボクセルに関する変位ベクトルを計算することによって、空間変容から運動情報を導き出すことができる。いくつかの例では、システムは、複数の技法を用いて運動解析を行うことができ、ユーザは、使用する技法を指定することができる。いくつかの例では、システムは、複数の技法を用いて運動解析を行うことができ、ユーザは、所望の結果を生み出す技法を選択することができる。
【0017】
運動情報を利用して、CTスキャンにおける臓器の変形(距離)または超音波スキャンにおける速度変化などの定量的情報を提示することもできる。
【0018】
図2は、心臓の第1事例のボリューム・データを表す第1の画像205と、第2事例のボリューム・データを表す第2の画像210の概略図である。上記で説明した運動解析法を適用すると、図1のプロセッサ120は、第1事例のボリューム・データの点215と、第2事例のボリューム・データの点220との間の空間変容を判定することができる。すなわち、運動解析は、第1事例のボリューム・データ内の特定の特徴部に示す点がそれに向かって動いた、第2事例のボリューム・データにおける位置を識別する。したがって、例えば、特徴部が、最初に第1事例のボリューム・データの点Aに、次いで第2事例のボリューム・データの点Bに示される場合は、運動情報は、特徴部AとBとが互いに対応する特徴部であることを示し、特徴部AとBとの間の距離を表す変位ベクトルを格納することができる。この相関性を利用して運動情報145を生成することができる。したがって、これらの点215と220との関連を格納することができるか、または点220の位置への点215の運動を表すベクトルを格納することができるか、またはその両方が可能である。いくつかの例では、運動情報をすぐに格納することはできないが、運動情報を別の処理装置、計算処理、またはクライアント・システムに連絡することができる。
【0019】
1つまたは複数の医用事例ボリューム・データを比較することによって生成する運動情報を、次にさらに説明する様々な適用例で利用することができる。概して、適用例には、1)受信した2つの事例のボリューム・データ間のどこかの時点において、1つまたは複数の事例の補間済みボリューム・データを生成することと、2)運動情報に基づいてある事例のボリューム・データから別の事例のボリューム・データにジオメトリ情報を伝搬することと、3)ボリューム・データに基づいて一連の視覚化映像内の同じ位置に1つまたは複数の特徴部を固定するようにボリューム・データを調節することが含まれる。これらの作用の組み合わせおよび他の作用を実装することができる。
【0020】
本発明のシステムおよび方法の実施形態は、受信した2つの事例のボリューム・データ間の各時点で補間済みボリューム・データを生成することができる。図3は、画像化システム115を含む医療シナリオ300の概略図であり、この画像化システム115は、補間済みボリューム・データを生成するための実行可能命令305を含む。メモリ135に符号化されているように示しているが、実行可能命令305は、例えば、外部の格納装置またはメモリ装置など、プロセッサ120にアクセス可能な任意のコンピュータ可読媒体に常駐することができる。他の実施形態では、実行可能命令305は、クライアント・コンピューティング・システム150にアクセス可能な任意のコンピュータ可読媒体に常駐することができ、クライアント・コンピューティング・システム150によって実行することができる。
【0021】
本発明のシステムおよび方法の一実施形態に従って補間済みボリューム・データを生成する方法に関する概略的なフローチャートが図4に示されている。ブロック405では、各時点に対応する少なくとも2つの事例のボリューム・データを受信することができる。例えば、その事例のボリューム・データは、互いにミリ秒以内の心臓スキャンから、または数週間、数ヶ月間、もしくは数年間の差をあけた臓器スキャンから獲得することができる。受信した事例のボリューム・データは、概して、同じ医用目標物を含むことができる。ブロック410では、図2の点215と220との相関性など、上記で説明してきたような、ある事例のボリューム・データ間の1つまたは複数の空間変容に基づいて、運動情報が生成される。受信した事例のボリューム・データの時点間にある少なくとも1つの入力時点を、ブロック415で受信することができる。ユーザが、所望の中間の時点を入力してもよく、他の例では、その入力時点を前もって格納しプロセッサにアクセス可能であってよい。ブロック420では、運動情報を利用して、入力時点の補間済みボリューム・データを生成する。無数の事例の補間済みボリューム・データを任意の時点で生成することができる。補間済みボリューム・データを生成する時点を、入力した事例のボリューム・データ間の時間または時間割合で指定することができるか、または状況が合う時点によって指定することができる。例えば、目標対象物の物理的な体積が最大もしくは最小になるか、または運動速度が最大また最小であるときに、補間済みボリューム・データを生成することができる。
【0022】
一例では、複数のスキャンにおいて動いている臓器を取り込むことができ、各スキャンのその動いている臓器の体積を測定することができる。体積曲線を生成することができ、動いている臓器の物理的体積が最大になる時点を識別することができる。その時点は実際のスキャン間にあってよい。臓器の物理的体積が最大になる時点で補間済みボリューム・データを生成することができる。ボリューム・データは臓器を最大の物理的体積の位置に含むことが知られているので、補間済みボリューム・データを参照しその後のスキャンと比較することができる。これは、異常な状態の臓器をフォローアップする場合に特に有用なことがある。
【0023】
したがって、運動情報に基づいて、図3に示すプロセッサ120は、ある事例のボリューム・データ内の特定の対象物がある時点で最大または最小の速度、加速、または変位に達成することを判定することができる。次いで、その時点で、補間済みボリューム・データを生成することができる。様々な補間法のうちいずれかを用いて、補間済みボリューム・データを生成することができ、その補間法には、これらに限定されないが、空間補間法(一次補間法、三次補間法、スプライン補間法を含む)およびボクセル強度補間法(一次補間法、三次補間法、スプライン補間法を含む)が含まれる。いくつかの例では、利用する補間法をユーザが指定することができる。
【0024】
4Dボリューム・データ・フィルタは、ボリューム・データに適用し、補間済みボリューム・データを生成するかまたはそれに影響を与えるように利用してもよく、平滑化、エッジ強調、最小値投影もしくは最大値投影、強度差、強度累積、ヒストグラム・マッチング、またはそれらの組み合わせを含む作用を有することができる。
【0025】
図5は、例えば、第1事例のボリューム・データ205の時点と、第2事例のボリューム・データ210の時点との間のある時点における、運動情報145を利用して、図4の方法に従って生成された補間済みボリューム・データ505の概略図である。補間済みボリューム・データ505は、2つの事例のボリューム・データ205と210との間のどの時点でも生成でき、それらの事例のボリューム・データ間の途中でなくてもよく、その代わりにユーザが指定した時点でもよいことを理解されたい。図5では、ボリューム・データ205は0秒に相当し、ボリューム・データ210は1.5秒に相当する。補間済みボリューム・データ505は、1秒の時点での臓器を表すように生成される。したがって、例えば、図4に戻ってそれを参照すると、ブロック405では、その事例のボリューム・データ205および210を受信することができ、ブロック410では、運動情報を生成することができる。次いで、ブロック415で1秒の時点を受信することができる。次いで、ブロック420で運動情報を利用して、補間済みボリューム・データ505を生成することができる。
【0026】
本明細書で説明するボリューム・データ補間法を用いて、均一に差をあけた1組の事例のボリューム・データを生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、医用スキャナで生成したボリューム・データを不均一な間隔で獲得することがある。したがって、そのボリューム・データに基づいて連続の視覚化映像の見た目は、滑らかでなく、目に見える振動またはジャンプのあることがある。本発明の実施形態は、補間済みボリューム・データを含む一連の視覚化映像を見るときに連続映像が滑らかになるように、スキャナによってとられた事例のボリューム・データ間の補間済みボリューム・データを生成することができる。
【0027】
一例では、医師が、造影剤を投与した後で2秒間隔で10回のスキャン、次いで5秒間隔で10回のスキャンを依頼する。全部で20回のスキャンが利用可能であるが、そのスキャンの間隔は同じではない。本発明の例に従って、間隔が等しい任意の数の事例のボリューム・データを獲得することができる。これは、実際に必要なスキャンの総数を減らす場合に有用なことがあり、それにより、例えば、必要なときにのみより短い間隔でスキャンをとり、固定間隔で補間済みボリューム・データを生成することによって、CTスキャンに必要な放射線量を低減することができる。フォローアップ・スキャンでは、例えば、実際のスキャンは、概して、固定時間間隔で行われていない。本発明の例を適用することによって、固定間隔の一連のボリューム・データ事例を生成することができる。診断目的の場合は、固定間隔のボリューム・データを視覚化すると、病変または腫瘍の成長または収縮がどの程度速いかまたはどの程度遅いかを容易によく理解させることができる。心臓スキャンでは、心拍の期間がわずかに異なることがある。一連のスキャンを心臓の拍動中に心基部で行い、続いて一連のスキャンを心尖部で行うと仮定する。両方の位置で同じ数のスキャンが利用可能であっても、心拍の期間は異なることがあるので、スキャンの間隔は同じでなくてもよい。本発明の例を適用することによって、同じ時点の補間済みボリューム・データを獲得することができる。したがって、図3の画像化システム115は、例えば図4のプロセスに従って、受信した不均一に差をあけた事例のボリューム・データに基づいて均一に差をあけた事例のボリューム・データを生成することができる。
【0028】
例えば、図6に、スキャナ105などの医用スキャナの場合にそれぞれ0秒、0.17秒、および0.3秒の時点でとった、第1事例のボリューム・データ205、第2事例のボリューム・データ601、および第3事例のボリューム・データ615を示す。元の事例のボリューム・データの間隔が不均一であると、再生が不均一になるかまたは振動することがある。本発明の画像化システムおよび方法は、それらの事例のボリューム・データ205、601、615を解析し、運動情報を生成し、その運動情報に基づいて、それぞれ0.1秒および0.2秒の時点に対応する、補間済みの第4のボリューム・データ620および第5のボリューム・データ625を生成することができる。このようにして、滑らかな再生に利用できる均一に差をあけた事例のボリューム・データ・シーケンスを生成している。1秒未満の比較的短い時間枠を示しているが、同じ技法を利用して、遭遇する医療環境に適切であるような数時間、数日、数ヶ月、または数年程度の時点の補間済みボリューム・データを生成することができる。
【0029】
したがって、補間済みボリューム・データを利用して、図3の画像化システム115もしくはクライアント・コンピューティング・システム150、またはその両方は、4D動画を正確なフレーム率で再生することができる。メモリをセーブするために、補間済みボリューム・データ620および625を、ユーザが動画を見ることを要求するときなど進行中に生成することができる。さらにまたは代わりに、補間済みボリューム・データ620および625を、レンダリング処理のためのディスプレイに提供されるかまたは別法で再生のために利用された後で、捨てることができる。このようにして、動画を生成するメモリ要件を低減させることができる。また、均一に差をあけたデータ・セットは、異なる対象者のボリューム・データ事例またはスキャン間の異なる時間周期でとった同じ対象者のボリューム・データ事例など、異なるボリューム・データ事例間の比較を可能にすることができる。例えば、1度に1回の心拍内で10回の心臓スキャンが患者に対して行われ、1年後にその対象者の心拍内で20回のフォローアップ・スキャンが行われる場合は、各スキャンが異なる時点で行われているので、元の10回のスキャンを1年後にとった20回のスキャンと直接比較することは難しくなる恐れがある。補間法を利用して、均一に差をあけたボリューム・データ事例および時間間隔当たり同じ数のボリューム・データ事例を生成することができ、それにより、ボリューム・データ事例を直接比較することが可能になる。
【0030】
図6の第4および第5のボリューム・データ事例620および625など、補間済みボリューム・データを、定量的解析に対する入力として使用して特徴部の形状または運動を識別することもでき、その多くは様々な医療用途に関して当技術分野で知られている。元のボリューム・データにのみ定量的解析を行い、中間時点に到達するようにその結果を補間する代わりに、その時点の補間済みボリューム・データに直接定量的解析を行うことができる。補間済みボリューム・データが運動情報に基づいて生成されるので、結果として生じる定量的解析は、補間結果に対して好ましいものにすることができる。
【0031】
運動情報に基づいた補間済みボリューム・データの生成例を上記で説明してきた。上記の方法の全てまたは一部を行う命令で符号化されたコンピュータ可読媒体を含むコンピュータ・ソフトウェアを、概して説明してきたようにその方法を実行するように構成されたコンピューティング・システムになるように設けることもできると理解されたい。それらのシステムを、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせに実装することができる。
【0032】
運動情報を利用して、次に説明するように医用ボリューム・データ内のジオメトリ情報を伝搬することもできる。ジオメトリ情報は、あるボリューム内の対象物に関連している。例えば、対象物の輪郭、血管の中心線、臓器の表面。対象物のジオメトリ情報を、手作業でもしくは自動的にまたはその両方で、あるボリューム内に画定することができる。図7は、画像化システム115を含む医療シナリオ700の概略図であり、画像化システム115は、ジオメトリ伝搬のための実行可能命令705を含む。メモリ135に符号化されているように示しているが、実行可能命令705は、プロセッサ120にアクセス可能な任意のコンピュータ可読媒体に常駐することができる。
【0033】
図8は、本発明の方法に従って運動情報を利用したジオメトリ情報の伝搬の概略を提示するフローチャートである。図8のブロック805を参照すると、ある事例のボリューム・データに対応するジオメトリ情報が受信される。ジオメトリ情報は、線または形状を含むことができる。例えば、ジオメトリ情報は、ボリューム・データ内の1つもしくは複数の臓器、またはそれらの臓器の一部分を画定できる領域を含むことができる。ジオメトリ情報は、血管の中心線を画定する線を含むこともできる。図7に戻ってそれを参照すると、ユーザは、ある事例のボリューム・データ内の線または形状など、ジオメトリの特徴部を指定することができる。ユーザは、クライアント・コンピューティング・システム150もしくは画像化システム115と連絡した何らかの他のシステムを利用することもでき、この点で画像化システム115を直接利用することもできる。例えば、クライアント・コンピューティング・システム150は、入力装置を含むことができ、それにより、ユーザがジオメトリ特徴部を入力することが可能になる。あるいはまたはさらに、画像化システム115の入力装置125の1つを使用して、ジオメトリ特徴部を入力することができる。次いで、メモリ135または他の位置にあるクライアント・コンピューティング・システム150、画像化システム115でジオメトリ情報を格納することができる。いくつかの例では、ジオメトリ情報を、それが対応するボリューム・データと一緒に格納することができる。元々指定されていたシステム以外のシステムを含む任意のシステムによって、ジオメトリ情報を検索および利用することができる。運動情報を生成する運動解析を、ジオメトリ情報を受信する前または後に行うことができる。
【0034】
ジオメトリ伝搬を行うための実行可能命令705が図7の画像化システム115の一部分として示されているが、他の例では、それらの命令を、クライアント・コンピューティング・システム150によって格納および実行することができる。すなわち、運動情報を生成するよりもジオメトリ情報伝搬する方が必要な処理能力を小さくすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、画像化システム115は遠隔システムでよく、その遠隔システムは、運動情報を生成し、運動情報が利用可能なときに1つまたは複数のクライアント・システム150に報告するように構成される。クライアント・システムは、ジオメトリ情報を受信および格納することができ、画像化システム115から獲得した運動情報に基づいて、そのジオメトリ情報を伝搬することができる。他のコンピュータ構成を利用することもできる。
【0035】
図8のブロック710では、運動情報を利用して、ジオメトリ情報を第2事例のボリューム・データに伝搬する。このようにして、そのジオメトリ情報を、任意の数のボリューム・データ事例に伝搬することができる。第1のボリューム・データ事例から第2のボリューム・データ事例にジオメトリを伝搬させるためには、そのジオメトリに対応する点に関連する運動情報にアクセスする。運動情報が2つのボリューム・データ事例間の空間変容を表すことを思い出したい。したがって、運動情報によって要求された点の位置に、第2のボリューム・データ事例にジオメトリ情報を生成することができる。
【0036】
一例では、臓器を含む10のボリューム・データ事例が存在しており、臓器の輪郭を画定するジオメトリ情報は、各事例のボリューム・データ内で望まれることがある。ユーザは、ボリューム・データの単一の事例にしか輪郭を描く必要がなく、画像化システムは、運動情報に基づいて輪郭を他の9の事例のボリューム・データに伝搬することができる。これにより、複数事例のボリューム・データに輪郭を生成するのに必要な手作業の対話を低減することができる。
【0037】
図9は、図7のシステムおよび図8の方法によるジオメトリを伝搬する運動情報の利用例の概略図である。ユーザがある事例のボリューム・データ910内に左心室の輪郭905を画定することができる。運動情報915を利用して、別の事例のボリューム・データ925内の対応する輪郭920を生成する。伝搬されたジオメトリを、対応するボリューム・データと共にまたはそれとは別に、格納するか、表示するか、またはそれらの組み合わせを行うことができる。
【0038】
上記で説明したボリューム・データの補間と組み合わせてジオメトリの伝搬を利用することもできる。すなわち、補間済みボリューム・データと共に、ジオメトリを伝搬および表示するか、または格納することができる。単一の組の運動情報にアクセスして、補間済みボリューム・データと、それらの補間済みボリューム・データに関連する伝搬したジオメトリを生成することができる。
【0039】
例えば同じ視点、方向、およびズームを有する複数の視覚化映像を生成できるように、運動情報を利用して、ボリューム・データの目標部分を固定することができる。図10に概略的に示すこうした一実施形態では、ジオメトリ伝搬のための実行可能命令1005を有する画像化システム115を含む医療シナリオ1000が提供される。メモリ135に符号化されているように示しているが、実行可能命令1005は、プロセッサ120にアクセス可能な任意のコンピュータ可読媒体に常駐することができる。レンダリング処理のための実行可能命令1005は、これらに限定されないが、ボリューム・レンダリング処理(VR)、最大値投影(MIP)、多断面再構成(MPR)、曲面任意多断面再構成(CPR)、および仮想内視鏡(VE)を含む、様々な既知の方法のうちのいずれかによるレンダリング処理のための命令を含むことができる。複数のレンダリング処理法のための命令が含まれてよく、ユーザは、特定のタイプのレンダリング処理法を指定することができ、その選択は、対象の臓器または他の特徴部に基づいていてよい。本発明の実施形態は、運動情報を利用して、複数事例のボリューム・データに対する目標位置を固定することができる。すなわち、レンダリング処理のための実行可能命令1005は、運動情報を利用して、画像パラメータを調節することができる。その画像パラメータには、これらに限定されないが、運動情報に基づいた視点、向き、回転角度、およびズームが含まれる。
【0040】
例えば図10の画像化システム115に関して、運動情報に基づいた1つまたは複数事例のボリューム・データのレンダリング処理を例示するフローチャートが図11に示されている。ブロック1105では、複数事例のボリューム・データをシステム115によって受信することができる。上記で説明した運動解析に続いて、ボリューム・データに関連する運動情報は、ブロック1110でアクセスされ、ブロック1115では、そのボリューム・データは、運動情報に基づいて調節した1つまたは複数のパラメータでレンダリング処理される。
【0041】
例えば、1つまたは複数事例のボリューム・データ内に特定の特徴部を固定するようにパラメータを調節することができる。すなわち、ユーザは、ある事例のボリューム・データの目標領域を識別することができ、目標領域がそのシーケンスを通して固定した位置に留まるように、ボリューム・データ事例のシーケンスをレンダリング処理することができる。図12は、目標位置が固定されたボリューム・データ事例の概略図である。ユーザは、第1事例のボリューム・データ1210内の位置1205などの目標を指定することができる。図11に戻ってそれを参照すると、画像化システム115は、ブロック1115で、入力目標に従って調節した1つまたは複数のパラメータで、ある事例のボリューム・データをレンダリング処理することができる。例えば、図12に戻ってそれを参照すると、連続するある事例のボリューム・データ1215を、対応する目標位置1220が視覚化映像内の同じ位置に現れるようにレンダリング処理することができる。画像化システム115に対する使用として説明してきたが、いくつかの例では、レンダリング処理のための実行可能命令を、図11のクライアント・コンピューティング・システム150によって実行することができる。
【0042】
図10のシステム115の利用および図11の方法の別の例では、複数事例のボリューム・データ全体にわたって同じ視点が存在するようにパラメータを調節することができる。これは、後続のスキャンを異なる角度またはズームレベルで取ることがある、長期間にわたってスキャンをとる際に、特に有利なことがある。その運動情報を利用して、複数事例のボリューム・データの視覚化映像を、それらが同じ視点を表すように調節することができる。これにより、ボリューム・データを視覚的に比較する機能を改善することができる。
【0043】
一例では、その成長をフォローアップするために数ヶ月間隔でスキャンした腫瘍を、同じビューイング・パラメータで視覚化することができ、それにより、放射線技師が腫瘍のサイズをより簡単に比較することが可能になる。医療環境では、臓器の境界線が必ずしも良好に画定されるとは限らない。したがって、ビューイング・パラメータのわずかな差により診断が異なることがある。
【0044】
図13は、VEレンダリング処理の事例のボリューム・データの概略図である。その2つの事例のボリューム・データ1305および1310は、異なる視点を用いて行われているが、運動情報に基づいてボリューム・データ1305と同じ視点Aを用いてレンダリング処理されるように、ボリューム・データ1310を調節することができる。
【0045】
運動情報を利用して、ボリューム・データを補間し、ジオメトリ情報を伝搬し、ボリューム・データのレンダリング処理を調節し、またはそれらの技法の組み合わせを行うことができる画像化システムのいくつかの例を上記で説明してきた。これらの技法を様々な医療用途に供することができると理解されよう。そのうちのいくつかの例を次に説明する。
【0046】
運動解析に基づいて獲得および格納された運動情報を、定量的解析のために利用することができる。その運動情報は、変位、回転、変形、歪み、またはそれらの組み合わせに対応することができる。このようにして、運動情報を利用して、これらの量を見分けることができる。図1および図2を参照しながら概して上記で論じたように、運動情報を利用して、最大または最小の変位、速度、または加速の時点を推定することができる。これらの定量的な結果を、表示または格納することができ、後からボリューム・データ解析のために利用することができる。一例では、1組の胸部ボリューム・データを心拍中にスキャンすることができる。左心室および周りの心筋層はその事例のボリューム・データ内の運動の主な原因なので、運動情報内で最高の運動を示す領域をこれらの解剖学的特徴部に対応するように識別することができる。このようにして、臓器または特徴部の境界を、運動情報に基づいて画定することができる。
【0047】
上記で説明した補間法を利用して、例えば図3の画像化システム115で、図4の方法に従って、当初スキャンした2事例のボリューム・データ間の任意の数の事例のボリューム・データを補間することができる。これにより、ボリューム・データのより滑らかな再生を可能にすることができ、他の事例のボリューム・データとの比較を改善することができる。これにより、ある期間にわたって、可能性のある臓器機能不全を観察する放射線技師の能力を改善することができる。
【0048】
本発明の例に従って自動的に歪み解析を実施することができる。例えば、歪み解析は、例えば、図7のシステムで、図8の方法に従って、心筋層の運動の評価を可能にすることができる。ある事例のボリューム・データにグリッドを画定することができ、そのグリッドを、運動情報を利用して後続の事例のボリューム・データに伝搬することができる。グリッドの変形を測定し、人体構造の歪みに関連付けて、定量的歪み解析を得ることができる。
【0049】
灌流の研究では、運動情報を都合よく利用することもできる。灌流の研究では、通常、造影剤が注入され、結果として生じるボリューム・データ内でボクセル強度が観察される。しかし、心臓は、スキャン中に絶えず動いており、そのボリューム・データ内のある点に関する時間−強度曲線を見るときはこの運動を補償しなければならない。その運動は、典型的には、ゲーティングを伴うCTスキャンの使用を補償するが、ゲーティングにより患者の放射線曝露が増大する。本発明の実施形態、例えば、図11の方法による図10のシステムは、運動情報を利用したスキャンの後に心臓の運動を補償することができる。このようにして、運動情報内では反映に応じたその点の相関性によって、動いていても同じ点を追跡することができる。これにより、ゲーティングなしの灌流の研究が可能になり、したがって、対象者が経験する放射線量は低くなる。
【0050】
本発明の実施形態を、粘着性の研究に都合よく利用することもできる。臓器または他の特徴部を画定する領域が、ある事例のボリューム・データ内に画定され、上記で論じたジオメトリ伝搬法を用いて他の事例のボリューム・データに伝搬されてよい。複数の領域が画定され、それらが1つの領域として動くことを示すようにして、他の事例のボリューム・データに伝搬する場合は、領域間に粘着性が存在すると推測することができる。
【0051】
本発明の実施形態を十分に理解させるために特定の詳細を上記に記載している。しかし、これらの特定の詳細のうちの1つまたは複数がなくても本発明の実施形態を実施できることが当業者には明らかである。場合によっては、説明した本発明の実施形態を無用に隠すのを避けるために、周知の回路、制御信号、時間プロトコル、およびソフトウェアの動作を、詳細には示していない。
【0052】
上記の内容から、本発明の特定の実施形態を例示の目的で本明細書で説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な改変を行うことができることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体構造の第1事例および第2事例のボリューム・データから導き出され前記第1事例および前記第2事例のボリューム・データに含まれる特徴部の空間変容の表現を含む、運動情報を利用するコンピュータ可読媒体であって、実行時に、プロセッサが、第1の時刻に関連する前記人体構造の前記第1事例のボリューム・データおよび第2の時刻に関連する前記人体構造の前記第2事例のボリューム・データを受信し、前記運動情報を利用して、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の第3の時刻の前記人体構造の補間済みボリューム・データを生み出す命令で符号化された、コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記命令によりさらに、前記プロセッサが前記運動情報を生成する、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記受信命令がさらに、磁気共鳴映像法およびコンピュータ断層撮影法からなる群から選択された手順によって生成された前記第1事例および前記第2事例のボリューム・データを受信する命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記運動情報が前記特徴部の変位ベクトルを含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記命令がさらに、前記第3の時刻をユーザからの入力として受信するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記命令によりさらに、前記プロセッサが、前記運動情報を利用して、前記特徴部の最大変位または最小変位のうちの一方の時刻に対応する前記第3の時刻を識別する、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記命令よりさらに、前記プロセッサが、不均一に差をあけた追加の時点に関連する前記人体構造の追加の事例のボリューム・データを受信し、前記人体構造のボリューム・データ事例・シーケンスを均一に差をあけた間隔で生成するように追加の補間済みボリューム・データを作り出す、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記命令によりさらに、前記プロセッサが前記補間済みボリューム・データを表示装置に視覚化する、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記命令によりさらに、前記プロセッサが、部分的に前記運動情報に基づいて、前記補間済みボリューム・データ内の少なくとも1つのボクセルの強度を調節する、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記命令によりさらに、前記プロセッサが、前記補間済みボリューム・データを利用して、定量的解析を行って、前記特徴部の形状を獲得するかまたは前記特徴部の運動を定量化する、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
第1の時点の人体構造の第1事例のボリューム・データおよび第2の時点の前記人体構造の第2事例のボリューム・データから部分的に導き出された運動情報を利用するコンピュータ可読媒体であって、実行時に、プロセッサが、前記第1事例のボリューム・データ内の目標対象物に関連するジオメトリ情報を受信し、前記運動情報にアクセスし、前記運動情報を利用して、前記ジオメトリ情報を前記第2事例のボリューム・データに伝搬する命令で符号化された、コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記ジオメトリ情報が、前記第1事例のボリューム・データ内の前記目標対象物を画定する領域を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記ジオメトリ情報が、前記第1事例のボリューム・データ内の血管の中心線を画定する線を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記ジオメトリ情報が、前記第1事例のボリューム・データ内の心臓壁を画定する面を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記命令によりさらに、前記プロセッサが、表示装置の画像内に第2事例のボリューム・データおよび前記伝搬したジオメトリ情報を視覚化する、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記第1事例のボリューム・データが視点を有し、前記命令によりさらに、前記プロセッサが、前記運動情報にアクセスし、前記運動情報を利用して、前記視点を前記第2事例のボリューム・データに伝搬し、前記視点で前記第1事例のボリューム・データを視覚化し、前記伝搬した視点で前記第2事例のボリューム・データを視覚化する、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
人体構造のボリューム・データを操作する方法であって、
第1の時刻に関連する前記人体構造の第1事例のボリューム・データおよび第2の時刻に関連する前記人体構造の第2事例のボリューム・データを受信するステップと、
運動解析を用いて、前記第1事例および前記第2事例のボリューム・データに含まれる特徴部の空間変容を識別するステップと、
前記第1および前記第2の事例のボリューム・データに関する運動情報を生成し、前記運動情報を利用して、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の第3の時刻の前記人体構造の補間済みボリューム・データを作り出すステップと。
を含む、方法。
【請求項18】
前記受信するステップが、磁気共鳴映像法およびコンピュータ断層撮影法からなる群から選択された手順によって生成された前記第1および前記第2の事例のボリューム・データを受信するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記運動情報が前記特徴部の変位ベクトルを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第3の時刻がユーザに指定された時刻である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記方法がさらに、前記運動情報を利用して、前記特徴部の最大変位または最小変位の一方の時刻に対応する前記第3の時刻を識別するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
不均一に差をあけた追加の時点に関連する前記人体構造の追加の事例のボリューム・データ受信するステップと、前記人体構造の事例のボリューム・データ・シーケンスを均一に差をあけた間隔で生成するように追加の補間済みボリューム・データを作り出すステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記補間済みボリューム・データを表示装置に表示するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記運動情報を利用した補間済みボリューム・データを作り出すステップが、部分的に前記運動情報に基づいて前記補間済みボリューム・データ内の少なくとも1つのボクセルの強度を調節するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記方法がさらに、前記補間済みボリューム・データを利用して定量的解析を行って前記特徴部の形状を獲得するかまたはその運動を定量化するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
人体構造のボリューム・データを操作する方法であって、
第1の時点に関連する前記人体構造の第1事例のボリューム・データおよび第2の時点に関連する前記人体構造の第2事例のボリューム・データとを受信するステップと、
運動解析を用いて、前記第1および前記第2の事例のボリューム・データ内に含まれる特徴部の空間変容を識別し、前記第1および第2の事例のボリューム・データに関する運動情報を生成するステップと、
前記第1事例のボリューム・データに関連するジオメトリ情報を受信するステップと、
前記運動情報を利用して、前記ジオメトリ情報を前記第2事例のボリューム・データに伝搬するステップと
を含む、方法。
【請求項27】
前記ジオメトリ情報が、前記第1事例のボリューム・データ内の特徴部を画定する領域を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ジオメトリ情報が、前記第1事例のボリューム・データ内の血管の中心線を画定する線を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ジオメトリ情報が、前記第1事例のボリューム・データ内の心臓壁を画定する面を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
表示装置の画像内に前記第2事例のボリューム・データおよび前記伝搬したジオメトリ情報を視覚化するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記第1事例のボリューム・データが視点を有し、前記方法がさらに、部分的に前記運動情報に基づいて前記視点を前記第2事例のボリューム・データに伝搬するステップと、前記第1事例のボリューム・データを前記視点で視覚化するステップと、前記第2事例のボリューム・データを前記伝搬した視点で視覚化するステップとを含む、請求項26に記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2013−505778(P2013−505778A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530953(P2012−530953)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/049452
【国際公開番号】WO2011/037853
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512074397)ジオソフト,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】