説明

運航票の電子管理システム

【課題】従来、紙ベースの運航票の内容を管理する場合、増加する運航票を保管するための場所の確保が困難であり、再利用の際に該当する運航票の探索が困難である。電子運航票で管理する場合は、紙ベースの運航票を用いたシステムからの移行が困難である。
【解決手段】 運航票印刷部102は、運航票101のIDと、運航票101に印刷した運航票表示データ105とを運航票管理部104に送信する。管制官106は、筆跡検出手段1032を具備する筆記手段103を使用して、運航票101に管制情報の書き込みを手書きで行う。筆記手段103は、管制官106が運航票101に書き込んだ修正内容を示す筆跡情報と、ID検出手段1031で検出した運航票101のIDとを運航票管理部104に送信する。運航票管理部104は、運航票表示データ、筆跡情報及び時刻取得手段から取得した時刻を対応させ、記憶媒体1041に保存することで一元管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運航票の電子管理システムに係り、特に管制官が航空管制を行う際に用いる紙の運航票の内容を電子的に管理する運航票の電子管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空管制における管制官への飛行計画情報の提供は、各航空機の飛行計画毎にプリントアウトされた紙である運航票を使用しており、管制官は、この運航票の飛行計画及びレーダ表示による航空機位置等の監視により状況判断を行い、航空機あるいは関係諸機関と連絡をとりながら管制業務を行っている。
【0003】
この管制業務において、航空機及び関係諸機関との連絡により確認されている飛行計画に変更及び追加情報が発生した場合、管制官は運航票に直接手書きによる修正を加えることにより管制業務を継続している。また、この運航票は航空管制業務の記録となるため、使用後直ぐには破棄されず、一定期間保管され、運航票情報に関する管制業務の分析を行って、安全及び効率の改善等の検討を行うなどの目的で再利用される。
【0004】
一方、上記の紙ベースの運航票に替わって、CRT(陰極線管)などのディスプレイに模擬した運航票、すなわち電子運航票の内容を管理する電子管理システムも従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載の従来の運航票の電子管理システムでは、航空機情報と管制情報を基に電子運航票を作成して管理する情報管理装置と、情報管理装置にオンライン接続された複数の管制卓端末装置とからなり、各々の管制卓端末装置は、航空機の運行情報と管制情報の変更・追加を入力する電子ペン入力部と、情報管理装置からの情報と他の管制卓端末装置からの情報で自身の航空機の運行情報と管制情報を更新作成する端末データファイル作成手段と、この自身の更新された運行情報と管理情報を表示する電子運航票表示部とを備えた構成である。
【0005】
この従来の運航票の電子管理システムによれば、管理情報と相互転送情報とが即時誤り無く転送され、航空機毎の情報が分かり易く、操作の誤りを防ぐ効果があり、また、電子ペン入力で運行単位情報の表示順序の変更や転送指示をするので、操作がやり易いなどの効果がある。
【0006】
【特許文献1】特開平10−105899号公報(第1頁、第7−8頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、前記の紙ベースの運航票の内容を管理する従来の運航票の電子管理システムは、航空管制業務中に作成される運航票の量が増加すると保管するための場所の確保が困難となり、更に再利用の際に該当する運航票を探し出すことが非常に難しくなってしまうという問題がある。
【0008】
一方、現在の航空管制では、紙ベースの運航票の取り扱いが主流となっており、特許文献1に記載の電子運航票の電子管理システムに移行するためには、システムの導入と共に管制官の再教育等が必要となり、また、紙と電子的な表示とでは見え方が変わり、管制官が違和感を覚えるため、移行が困難である。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、紙ベースの運航票に記載された、手書きを含む情報を電子化することにより、管制情報の保管を容易にし得る運航票の電子管理システムを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、紙ベースの運航票に記録された、手書きを含む情報を電子化することにより、管制官の作業負担を軽減すると共に、管制官の事後の検索を容易にし、管制業務の分析等を効率的に行い得る運航票の電子管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、第1の発明は各々に固有のIDが設定された複数の運航票と、運航票に運航票表示データを印刷すると共に、印刷する運航票のIDを検出する第1のID検出手段を具備する運航票印刷部と、運航票に所望の情報を筆記するために用いられ、筆記する運航票のIDを検出する第2のID検出手段と、筆記された所望の情報の筆跡を検出する筆跡検出手段を具備する筆記手段と、運航票印刷部から供給された運航票のID及び運航票に印刷された運航票表示データと、筆記手段から供給された筆跡検出手段が検出した筆跡情報とを対応付けして管理する運航票管理部とを有することを特徴とする。この発明では、運航票に印刷された運航票表示データと、その運航票に対する筆記内容を示す筆跡情報とを対応付けして運航票管理部で一元管理することができる。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明は、第1の発明の運航票管理部が、時刻取得手段及び記憶媒体への書込み手段とを具備しており、運航票印刷部から供給された、運航票に印刷された運航票表示データと第1のID検出手段で検出された運航票の第1の検出IDを記憶しており、筆記手段から筆跡情報と共に供給される、第2のID検出手段で検出された運航票の第2のIDをキーとして、第2のIDと同一の第1のIDと、運航票表示データと、筆跡情報とを、時刻取得手段から取得した時刻に対応させて、書込み手段により記憶媒体に保存することを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明は、各々に固有のIDが設定された複数の運航票と、運航票に運航票表示データを印刷すると共に、印刷する運航票のIDを検出する第1のID検出手段を具備する運航票印刷部と、運航票に所望の情報を筆記するために用いられ、筆記する運航票のIDを検出する第2のID検出手段と、運航票に所望の情報を筆記する管制官を認証する個人認証手段とを具備し、筆記された所望の情報の筆跡を検出する筆跡検出手段を具備する筆記手段と、運航票印刷部から供給された運航票のID及び運航票に印刷された運航票表示データと、筆記手段から供給された筆跡情報及び個人認証情報とを対応付けして管理する運航票管理部とを有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、運航票に印刷された運航票表示データと、その運航票に対する筆記内容を示す筆跡情報と、その筆記を行った管制官の個人認証情報とを運航票管理部で一元管理することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明は、第3の発明の運航票管理部が、時刻取得手段及び記憶媒体への書込み手段とを具備しており、運航票印刷部から供給された、運航票に印刷された運航票表示データと第1のID検出手段で検出された運航票の第1の検出IDを記憶しており、筆記手段から筆跡情報及び認証情報と共に供給される、第2のID検出手段で検出された運航票の第2のIDをキーとして、第2のIDと同一の第1のIDと、運航票表示データと、筆跡情報と、認証情報とを、時刻取得手段から取得した時刻に対応させて、書込み手段により記憶媒体に保存することを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明は、運航票管理部にて管理されている運航票の情報を、条件や範囲を指定して検索し、その検索内容を表示する表示装置を具備した検索装置が更に設けられていることを特徴とする。この発明では、探索装置により、運航票管理部に管理されている運航票の情報を容易に探索することができる。
【0017】
ここで、上記の複数の運航票は航空管制対象の各航空機の飛行計画情報のうち、運航票に表示するデータが印刷される紙ベースの運航票であり、筆記手段は運航票に手書きで所望の情報を筆記する手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、少なくとも運航票に印刷された運航票表示データと、その運航票に対する筆記内容を示す筆跡情報とを対応付けして運航票管理部で一元管理するようにしたため、運航票表示データ及び手書きの筆跡内容の電子化による管制情報の保管が容易にでき、使用済みの運航票を保管する必要がなくなり、管制情報の管理が容易となり、また、運航票の検索性を向上でき、管制官の作業負担を軽減して管制業務の分析を効率的に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は本発明になる運航票の電子管理システムの第1の実施の形態のシステム構成図を示す。同図に示すように、本実施の形態は、複数の運航票101と、運航票印刷部102と、筆記手段103と、運航票管理部104とからなる。
【0021】
本発明の構成外となる飛行計画情報処理システムに入力された飛行計画情報のうち、運航票に表示するデータは、運航票表示データ105として運航票印刷部102に送られる。運航票印刷部102は運航票表示データ105を受信し、印刷する機能を持つ。
【0022】
複数の運航票101はそれぞれ紙ベースの運航票であり、各々固有のID1011が設定されており、このID1011は運航票印刷部102に具備されたID検出手段1021及び筆記手段103に具備されたID検出手段1031により検出される。運航票101にID1011を設定する方法には、ICタグの付加、バーコードの印刷、磁性体の付与による磁気記録などが適用できる。また、ID検出手段1021及び1031には、ICタグリーダの設置、画像認証処理装置の設置、磁気読取装置の設置などが適用できる。
【0023】
筆記手段103には筆跡検出手段1032が具備されている。筆跡検出手段1032は、管制官106が筆記手段103により運航票101に加えた修正内容107の筆跡を検出する。上記の筆跡検出手段1032には画像認証処理装置の設置、電磁誘導方式による座標検出装置、感圧方式による座標検出装置などが適用できる。
【0024】
また、筆跡検出手段1032による筆跡の検出方法は、公知の筆跡検出方法を用い得る(例えば、特開2003−263267号公報、特開2003−346078号公報参照)。特開2003−263267号公報には、所定の媒体にペンで筆記を行うと、自動的に筆記軌跡を読み取る座標入力装置と、読み取った画像を保存する記憶装置とを有し、座標入力装置の画像読み取り装置を用いて文書情報(運航票のIDに相当)を読み取り、その後筆記動作を行うことが開示されている。また、特開2003−346078号公報には、ペン型座標入力装置を用いて印刷文書上での移動軌跡を求めることが開示されている。
【0025】
運航票印刷部102は、運航票表示データ105を印刷した運航票101のID1011をID検出手段1021により検出し、運航票表示データ105とID1011を共に運航票管理部104に送る機能を持つ。
【0026】
筆記手段103は、修正内容107を筆跡検出手段1032により、また、修正が行われた運航票101のID1011をID検出手段1031によりそれぞれ検出し、修正内容107を示す筆跡情報と検出したID1011とを共に運航票管理部104に送る機能を持つ。
【0027】
運航票管理部104は、記憶媒体1041に対してデータを書込み、読み出す書き込み/読み出し手段を具備し、運航票印刷部102より送られてきた運航票表示データ105とID1011、及び筆記手段103から送られてきた筆跡情報とID1011とを対応付けて記憶媒体1041に保存し、管理する機能を持つ。
【0028】
次に、本実施の形態の動作について説明する。飛行計画情報処理システムから入力され、情報処理装置の飛行計画格納部に格納された飛行計画情報のうち、運航票に表示する運航票表示データ105が運航票表示データ生成部(図示せず)で選択・抽出されて作成され、運航票管理部104へ送られる。運航票管理部104は、運航票印刷部102に対して運航票表示データ105を送り、運航票印刷部102は運航票101に運航票表示データ105を印刷する。
【0029】
運航票印刷部102はID検出部1021を具備しており、ID検出部1021により検出した運航票101のID1011と、運航票101に印刷した運航票表示データ105とを運航票管理部104に送信する。運航票管理部104は運航票表示データ105と、その運航票表示データ105が印刷された運航票101のID1011とを対応させ、記憶媒体1041に保存する。また、運航票管理部104は図示しない受信手段及び時刻取得手段を具備している。
【0030】
一方、管制官106は、筆跡検出手段1032を具備する筆記手段103を使用して、運航票表示データ105が印刷され、かつ、固有のID1011が設定された運航票101に、管制情報の書き込みを手書きで行う。筆記手段103には運航票101のID1011を検出するID検出手段1031と、図示しない送信手段が接続されている。
【0031】
筆跡検出手段1032は、ID検出手段1031を通して書き込みが行われた運航票101のID1011を検出する。筆記手段103は、管制官106が運航票101に書き込んだ修正内容を示す筆跡情報と、ID検出手段1031で検出した運航票101のID1011とを、送信手段を介して運航票管理部104に送信する。
【0032】
運航票管理部104は、筆記手段103から送信された、筆跡情報及び運航票のIDを受信手段により受信し、運航票のIDをキーとして運航票表示データ、筆跡情報及び時刻取得手段から取得した時刻を対応させ、記憶媒体1041に保存する。
【0033】
これにより、本実施の形態によれば、運航票101に印刷された運航票表示データ105及び管制官106が加えた修正内容107は、運航票管理部104にて一元管理することが可能となり、また、全てのデータは記憶媒体1041に保存されるため、情報の保管を容易に行うことが可能となる。
【0034】
更に、本実施の形態によれば、紙ベースの運航票101に書き込まれた修正内容107をデジタル化し、記憶媒体1041に保存するようにしたため、使用済みの運航票を保管する必要がなくなり、管制情報の管理が容易となる。また、管制業務の分析を行って、安全及び効率の改善等の検討を行うために再利用する際には、運航票管理部104により運航票を検索することが容易となり、管制業務の分析が効率的に行える。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は本発明になる運航票の電子管理システムの第2の実施の形態のシステム構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図2に示す第2の実施の形態は、複数の運航票101と、運航票印刷部102と、筆記手段201と、運航票管理部104とからなる。この実施の形態は、筆記手段201が、ID検出手段1031及び筆跡検出手段1032に加えて管制官106を認証する個人認証手段2011を具備する点が第1の実施の形態と異なる。
【0036】
個人認証手段2011は、筆記手段201を操作する管制官106の個人認証を行い、認証情報を他の情報と共に運航票管理部104に送り、他のデータと対応付けられて記憶媒体1042に保存される。個人認証手段2011には、公知のICタグ認証技術、指紋認証技術などが適用できる。
【0037】
この実施の形態では、管制官106は上記の個人認証手段2011により認証を行った後、運航票101に管制情報を書き込む。筆記手段201は、管制官106が運航票101に書き込んだ修正内容107を示す筆跡情報と、管制官106の認証情報、及び運航票101のID1011とを、送信手段を介して運航票管理部104に送信する。
【0038】
運航票管理部104は、筆記手段201から送信された、筆跡情報、認証情報及び運航票のIDを受信手段により受信し、運航票のIDをキーとして運航票表示データ、筆跡情報、認証情報、及び時刻取得手段から取得した時刻を対応させ、記憶媒体1041に保存する。
【0039】
これにより、本実施の形態では、運航票に修正を加えた管制官の認証情報を同時に管理できるため、運航票に印刷された内容、修正内容に加えて誰が修正を行ったかを記録することが可能となり、管制業務の分析を行う際により詳細な情報を加えることが可能となる。
【0040】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は本発明になる運航票の電子管理システムの第3の実施の形態のシステム構成図を示す。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図3に示す第3の実施の形態は、複数の運航票101と、運航票印刷部102と、筆記手段201と、運航票管理部104と、検索装置301とからなる。この実施の形態は、第2の実施の形態の構成に加えて、運航票管理部104に検索装置301が接続されている点に特徴がある。なお、第1の実施の形態に適用することも可能である。
【0041】
検索装置301は、表示装置3011及び入力装置3011が接続されており、検索装置301は運航票管理部104にて管理されている運航票の情報を、条件や範囲を指定して検索する判断機能を持つ。
【0042】
これにより、本実施の形態では、運航票管理部104により管制業務の分析を行って、安全及び効率の改善等の検討を行うために再利用する際に、検索装置301を使用することで該当する運航票を検索することが容易となり、管制業務の分析が効率的に行える。
【0043】
なお、以上の実施の形態において、筆記手段103、201と運航票管理部104との間の通信手段には、有線通信、無線通信、筆記手段103、201に設けた記憶装置を使用した一括転送などの手法のいずれも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明システムの第1の実施の形態のシステム構成図である。
【図2】本発明システムの第2の実施の形態のシステム構成図である。
【図3】本発明システムの第3の実施の形態のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0045】
101 運航票
102 運航票印刷部
103、201 筆記手段
104 運航票管理部
105 運航票表示データ
106 管制官
107 修正内容
301 検索装置
1011 ID
1021、1031 ID検出手段
1032 筆跡検出手段
1041 記憶媒体
2011 個人認証手段
3011 表示装置
3012 入力装置




【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に固有のIDが設定された複数の運航票と、
前記運航票に運航票表示データを印刷すると共に、印刷する前記運航票のIDを検出する第1のID検出手段を具備する運航票印刷部と、
前記運航票に所望の情報を筆記するために用いられ、筆記する前記運航票のIDを検出する第2のID検出手段と、筆記された前記所望の情報の筆跡を検出する筆跡検出手段を具備する筆記手段と、
前記運航票印刷部から供給された前記運航票のID及び前記運航票に印刷された前記運航票表示データと、前記筆記手段から供給された前記筆跡検出手段が検出した筆跡情報とを対応付けして管理する運航票管理部と
を有することを特徴とする運航票の電子管理システム。
【請求項2】
前記運航票管理部は、時刻取得手段及び記憶媒体への書込み手段とを具備しており、前記運航票印刷部から供給された、前記運航票に印刷された前記運航票表示データと前記第1のID検出手段で検出された前記運航票の第1の検出IDを記憶しており、前記筆記手段から前記筆跡情報と共に供給される、前記第2のID検出手段で検出された前記運航票の第2のIDをキーとして、該第2のIDと同一の前記第1のIDと、前記運航票表示データと、前記筆跡情報とを、前記時刻取得手段から取得した時刻に対応させて、前記書込み手段により前記記憶媒体に保存することを特徴とする請求項1記載の運航票の電子管理システム。
【請求項3】
各々に固有のIDが設定された複数の運航票と、
前記運航票に運航票表示データを印刷すると共に、印刷する前記運航票のIDを検出する第1のID検出手段を具備する運航票印刷部と、
前記運航票に所望の情報を筆記するために用いられ、筆記する前記運航票のIDを検出する第2のID検出手段と、前記運航票に所望の情報を筆記する管制官を認証する個人認証手段とを具備し、筆記された前記所望の情報の筆跡を検出する筆跡検出手段を具備する筆記手段と、
前記運航票印刷部から供給された前記運航票のID及び前記運航票に印刷された前記運航票表示データと、前記筆記手段から供給された筆跡情報及び個人認証情報とを対応付けして管理する運航票管理部と
を有することを特徴とする運航票の電子管理システム。
【請求項4】
前記運航票管理部は、時刻取得手段及び記憶媒体への書込み手段とを具備しており、前記運航票印刷部から供給された、前記運航票に印刷された前記運航票表示データと前記第1のID検出手段で検出された前記運航票の第1の検出IDを記憶しており、前記筆記手段から前記筆跡情報及び前記認証情報と共に供給される、前記第2のID検出手段で検出された前記運航票の第2のIDをキーとして、該第2のIDと同一の前記第1のIDと、前記運航票表示データと、前記筆跡情報と、前記認証情報とを、前記時刻取得手段から取得した時刻に対応させて、前記書込み手段により前記記憶媒体に保存することを特徴とする請求項3記載の運航票の電子管理システム。
【請求項5】
前記運航票管理部にて管理されている前記運航票の情報を、条件や範囲を指定して検索し、その検索内容を表示する表示装置を具備した検索装置が更に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の運航票の電子管理システム。
【請求項6】
前記複数の運航票は航空管制対象の各航空機の飛行計画情報のうち、運航票に表示するデータが印刷される紙ベースの運航票であり、前記筆記手段は該運航票に手書きで前記所望の情報を筆記する手段であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の運航票の電子管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−268082(P2006−268082A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81164(P2005−81164)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】