説明

過給機の消音器

【課題】簡単な構成で、部品点数も少なく、而も消音性能を損うことがない過給機の消音器を提供する。
【解決手段】排気タービン過給機の空気吸入口に設けられる消音器であって、中央に前記空気吸入口と同心の吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第1仕切円板と、中央に前記空気吸入口と同心の前記吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第2仕切円板35とを具備し、前記第1仕切円板と前記第2仕切円板とが対とされ、前記スペーサ部により前記第1仕切円板と前記第2仕切円板との間に間隙が形成され、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板によって仕切られる閉鎖空間と、内周が前記吸気孔に連通する開放空間とが交互に形成され、前記閉鎖空間は吸音材を充填した吸音層とし、前記開放空間は外部と前記吸気孔とを連通する吸入流路とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関、例えば大型ディーゼル機関等が具備する排気タービン過給機の空気吸入口等に設けられる過給機の消音器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、例えば大型ディーゼル機関等には、燃焼効率の向上の為、排気タービン過給機が搭載される。又、コンプレッサ翼車の回転音等の騒音を消音する為、空気吸気口に消音器が設けられる。
【0003】
図4は、消音器が設けられた排気タービン過給機を示している。
【0004】
図4中、1は排気タービン過給機、2は消音器を示している。
【0005】
前記排気タービン過給機1は、軸受部3の一側に設けられた排気タービン4、他側に設けられたコンプレッサ5を具備している。
【0006】
前記軸受部3に回転自在に支持された回転軸6の一端部にタービン翼車7が取付けられ、他端にはコンプレッサ翼車8が取付けられ、前記タービン翼車7はタービンハウジング9に収納され、前記コンプレッサ翼車8はコンプレッサハウジング10に収納される。前記回転軸6、前記タービン翼車7、前記タービンハウジング9は前記排気タービン4を構成し、前記回転軸6、前記コンプレッサ翼車8、前記コンプレッサハウジング10は前記コンプレッサ5を構成する。
【0007】
前記タービンハウジング9に排ガス流入口12から排気ガスが流入し、排気エネルギによって前記タービン翼車7を回転し、膨張した排気ガスは排出口13から排気される。又、前記コンプレッサ翼車8は前記回転軸6を介して前記タービン翼車7により回転される。前記コンプレッサ翼車8の回転により、空気が吸入口14から吸入され、前記コンプレッサハウジング10を流通する過程で圧縮され、圧縮された空気は吐出孔(図示せず)よりディーゼル機関の燃焼室に吐出される。
【0008】
前記コンプレッサ翼車8は高速で回転されるので、前記排気タービン過給機1の駆動時には前記コンプレッサ翼車8の回転音、或は、吸気音が騒音として発せられる。前記消音器2は、前記コンプレッサハウジング10の前記吸入口14に設けられ、この騒音を吸収し、外部に放出される騒音を抑制している。
【0009】
図5に於いて、従来の消音器2について説明する。
【0010】
該消音器2は、前記コンプレッサハウジング10に取付けられるアルミ鋳造製の内側円板16及び該内側円板16と対を成すアルミ鋳造製の外側円板17によって所要枚数の吸音円板18を該吸音円板18,18間で吸入路19が形成される様所定の間隔で挾持し、更に前記外側円板17の周囲を囲む様に防塵用のフィルタ21が設けられた構成を具備している。
【0011】
前記吸音円板18は、中央に吸気孔22が穿設された2枚宛のパンチングメタル23で繊維質の防音材24を封入したものであり、封入した該防音材24が前記パンチングメタル23に対して移動しない様に所要の間隔、分布でリベット25が打込まれている。又前記吸音円板18と前記内側円板16、前記外側円板17との固定は、前記内側円板16、前記外側円板17、前記吸音円板18を貫通するシャフト26によって行われる。該シャフト26は円周方向に所要間隔、例えば円周6等分した位置に設けられ、該シャフト26には、前記吸音円板18,18間の前記吸入路19を形成する様に、前記吸音円板18の間毎にカラー27が嵌設されている。
【0012】
前記排気タービン過給機1が駆動され、前記コンプレッサ5が前記排ガス流入口12より吸気を行うと、前記フィルタ21の周囲から空気が吸込まれ、前記吸入路19を通り、前記吸気孔22を通過して前記吸入口14より吸入される。
【0013】
前記コンプレッサ5から発せられる騒音は、前記吸入路19を通過する過程で、前記パンチングメタル23の孔を通して前記防音材24に吸収され、外部に放出される騒音が抑制される。
【0014】
上記した従来の消音器2では、鋳造品である内側円板16、外側円板17、所要数の吸音円板18、該吸音円板18を固定する為のシャフト26、前記吸音円板18,18間の吸入路19を保持する為のカラー27、防音材24を固定する為のリベット等から構成されており、構造が複雑となっていると共に、部品点数が多く、コスト高となっていた。
【0015】
【特許文献1】特開2005−214048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は斯かる実情に鑑み、簡単な構成で、部品点数も少なく、コストが低く、而も消音性能を損うことがない過給機の消音器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、排気タービン過給機の空気吸入口に設けられる過給機の消音器であって、中央に前記空気吸入口と同心の吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第1仕切円板と、中央に前記空気吸入口と同心の前記吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第2仕切円板とを具備し、空気吸入口側に位置する前記第1仕切円板と、反空気吸入口側に位置する前記第2仕切円板とが対とされ、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板は所要対重合され、前記スペーサ部により前記第1仕切円板と前記第2仕切円板との間に間隙が形成され、対となる前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の内周縁が接合し、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板によって仕切られる閉鎖空間と、内周が前記吸気孔に連通する開放空間とが交互に形成され、前記閉鎖空間は吸音材を充填した吸音層とし、前記開放空間は外部と前記吸気孔とを連通する吸入流路とした過給機の消音器に係るものである。
【0018】
又本発明は、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の少なくとも前記吸気孔の周辺部は、それぞれ前記空気吸入口に向う湾曲した曲面であり、前記第1仕切円板の曲面の曲率半径は該第1仕切円板、前記第2仕切円板の内周縁が接合する様、該第2仕切円板の曲面の曲率半径より大きくなっている過給機の消音器に係り、又前記吸音層の断面は、前記吸気孔周辺部が前記空気吸入口に向う様湾曲した翼断面形状であり、前記吸入流路の断面は、略等間隔を維持し、前記吸気孔周辺部が前記空気吸入口に向う様湾曲した形状である過給機の消音器に係り、更に又コンプレッサ側端に前記吸入孔に連通する孔を有する内側仕切板が配設され、反コンプレッサ側端に前記吸気孔を閉塞する外蓋が配設され、該外蓋、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板、前記内側仕切板は、貫通する締結ボルトによって一体化された過給機の消音器に係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、排気タービン過給機の空気吸入口に設けられる過給機の消音器であって、中央に前記空気吸入口と同心の吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第1仕切円板と、中央に前記空気吸入口と同心の前記吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第2仕切円板とを具備し、空気吸入口側に位置する前記第1仕切円板と、反空気吸入口側に位置する前記第2仕切円板とが対とされ、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板は所要対重合され、前記スペーサ部により前記第1仕切円板と前記第2仕切円板との間に間隙が形成され、対となる前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の内周縁が接合し、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板によって仕切られる閉鎖空間と、内周が前記吸気孔に連通する開放空間とが交互に形成され、前記閉鎖空間は吸音材を充填した吸音層とし、前記開放空間は外部と前記吸気孔とを連通する吸入流路としたので、消音器の吸音層、吸入流路がパンチングメタルの成型品のみで構成できるので、部品点数が減少し、部品自体の製作コストが低減でき、又組立ても簡単に行える。
【0020】
又本発明によれば、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の少なくとも前記吸気孔の周辺部は、それぞれ前記空気吸入口に向う湾曲した曲面であり、前記第1仕切円板の曲面の曲率半径は該第1仕切円板、前記第2仕切円板の内周縁が接合する様、該第2仕切円板の曲面の曲率半径より大きくなっているので、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の複雑な加工を行うことなく、吸音層、吸入流路を形成することができる。
【0021】
又本発明によれば、前記吸音層の断面は、前記吸気孔周辺部が前記空気吸入口に向う様湾曲した翼断面形状であり、前記吸入流路の断面は、略等間隔を維持し、前記吸気孔周辺部が前記空気吸入口に向う様湾曲した形状であるので、騒音は湾曲した流路を経て外部に放出されるので、吸音効率が向上し、又吸入流路を通過する際の圧力損失が少なくなる。
【0022】
更に又本発明によれば、コンプレッサ側端に前記吸入孔に連通する孔を有する内側仕切板が配設され、反コンプレッサ側端に前記吸気孔を閉塞する外蓋が配設され、該外蓋、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板、前記内側仕切板は、貫通する締結ボルトによって一体化されたので、一体化が簡単であると共に前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の増減が簡単に行えるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
【0024】
図1中、図5中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0025】
コンプレッサハウジング10の吸入口14に消音器30が取付けられる。
【0026】
該消音器30について説明する。尚、図1中、左側を内側、右側を外側とする。
【0027】
該消音器30は、連結フランジ31と外蓋32間に、内側仕切円板33、及びパンチングメタルで成形した所要数の第1仕切円板34、該第1仕切円板34と対を成す第2仕切円板35及び内蓋36を挾持している。前記連結フランジ31、前記外蓋32、前記内側仕切円板33、前記第1仕切円板34、前記第2仕切円板35、前記内蓋36に使用される材料としては、表面処理が不要で、又耐食性のあるステンレス鋼板が好ましい。
【0028】
前記連結フランジ31は概略環形状であり、中央部がくびれ、内側端に内側フランジ31aが形成され、外側端に外側フランジ31bが形成されている。
【0029】
前記第1仕切円板34は中央部に前記吸入口14と同心の吸気孔22が穿設され、又該吸気孔22の周囲は該吸気孔22がコンプレッサ5側に突出する様になだらかに湾曲し、前記第1仕切円板34の外周辺部34aは反コンプレッサ5側に曲起こされ、更に最周縁部は前記第1仕切円板34の周辺部と所定の間隔を形成する様に、平行に折返されている。
【0030】
前記第2仕切円板35は、前記第1仕切円板34と略類似した形状であり、中央部に前記吸気孔22が穿設され、又該吸気孔22の周囲は該吸気孔22が前記コンプレッサ5側に突出する様になだらかに湾曲している。又、前記第2仕切円板35の外周辺部35aは反コンプレッサ5側に曲起こされ、更に最周縁部は前記第2仕切円板35の周辺部と所定の間隔を形成する様に、平行に折返されている。尚、図示では前記外周辺部34aと前記外周辺部35aとは同一の高さに形成されている。
【0031】
前記外周辺部34a、前記外周辺部35aは、それぞれ前記第1仕切円板34と前記第2仕切円板35間に間隙を形成するスペーサ部として機能する。尚、前記外周辺部34a、前記外周辺部35aの高さは、消音性能、吸気効率等、過給機の消音器に要求される性能に合せて決定され、必ずしも同一である必要はない。
【0032】
前記第2仕切円板35の前記吸気孔22の周辺部の曲率半径は前記第1仕切円板34の前記吸気孔22周辺部の湾曲曲率半径に比べ小さくなっている。
【0033】
前記内側仕切円板33の基本的な形状は、前記第1仕切円板34と同等であるが、前記吸気孔22の周辺部に環状の隆起部33bが形成され、該隆起部33bによって前記コンプレッサハウジング10の端面との間に間隙37が形成される様になっている。
【0034】
前記内蓋36は中央部に前記コンプレッサ5側に突出する略球面状又は略円錐台状の隆起部36bが形成され、前記内蓋36の周辺部から前記隆起部36bに至る湾曲部は、前記第1仕切円板34の湾曲部と略同形状となっている。又、前記内蓋36には前記外周辺部34aと同様な外周辺部36aが形成されている。
【0035】
前記外蓋32はパンチング孔が穿設されていない板材で形成され、周辺部を除き断面形状は、前記内蓋36と略相似形となっている。
【0036】
前記外側フランジ31b、前記内側仕切円板33、前記第2仕切円板35、前記第1仕切円板34と前記第2仕切円板35とを対にして所要組み、更に前記内蓋36、前記外蓋32を順次重合せ、締結ボルト38を前記外蓋32から前記外側フランジ31bに貫通させて固着する。
【0037】
前記内側仕切円板33と前記第2仕切円板35とが重合密着した状態では、前記外周辺部35aによって所定の間隔が保たれると共にそれぞれ内周縁が接合し、翼形状の閉断面を有する吸音材保持空間39が形成される。又、前記第1仕切円板34と前記第2仕切円板35とが密着した状態では、前記外周辺部34aによって所定の間隙が保たれると共に前記第1仕切円板34と前記第2仕切円板35間に翼形状の閉断面を有する吸音材保持空間40が仕切られ、更に前記内蓋36と前記外蓋32とが密着した状態では、前記外周辺部36aによって所定の間隙が保たれると共に前記内蓋36と前記外蓋32との間には中央部が左方(コンプレッサ方向)に球面状に隆起した閉断面を有する吸音材保持空間41が形成される。
【0038】
又、内側の第2仕切円板35と外側の第1仕切円板34間には吸入流路42が形成される。該吸入流路42は、前記吸気孔22に連通し、該吸気孔22の周辺部が内側に向って突出し、前記吸入流路42全面に亘って略同間隔となっている。又、前記吸入流路42は前記外周辺部35aに穿設されたパンチング孔を介して外部と連通している。
【0039】
尚、前記内側仕切円板33と前記第2仕切円板35との間の前記吸音材保持空間39、及び対を成す前記第1仕切円板34と前記第2仕切円板35との間の前記吸音材保持空間40、又前記内蓋36と前記外蓋32との間の前記吸音材保持空間41にはそれぞれウール状の吸音材、不織布の吸音材等の吸音材が充填され、前記間隙37には、ウール材の不織布等が挾設される。又、前記内側仕切円板33、前記第1仕切円板34、前記第2仕切円板35、前記内蓋36の周囲には防塵フィルタ43が設けられる。
【0040】
上記した様に、前記外側フランジ31bと前記外蓋32との間に、前記内側仕切円板33、前記第2仕切円板35、前記第1仕切円板34、前記第2仕切円板35、前記内蓋36を挾持し、前記締結ボルト38で固着することで、一体化された消音器30が構成される。
【0041】
該消音器30は、前記内側フランジ31aをボルト44により前記コンプレッサハウジング10に固着することで、前記コンプレッサ5に装着される。
【0042】
次に、上記消音器30の作用について説明する。
【0043】
前記コンプレッサ5が駆動されると、コンプレッサ翼車8が回転して前記吸入口14、前記吸気孔22、前記吸入流路42を介して前記消音器30の周囲より空気が吸入され、前記防塵フィルタ43を通過する過程で除塵される。
【0044】
吸入される空気は、前記消音器30の軸心に対して直交する方向から吸引され、前記吸気孔22に流入後、前記消音器30の軸心方向に流動する。前記吸入流路42は、軸心に向ってなだらかに左方(コンプレッサ方向)に湾曲した断面を有しているので、吸引された空気は流動方向が変更されるに伴う圧力損失が少なくて済む。又、前記内蓋36の中央部には前記隆起部36bが形成されているので、前記内蓋36に沿って吸引された空気は、滑らかに軸方向に流れが向けられる。
【0045】
前記コンプレッサ翼車8の回転によって発せられる騒音は、前記吸入流路42を通って外部に放出されるが、該吸入流路42を通過する過程で、パンチングメタルの孔を通して吸音材に吸収される。又、前記吸入流路42は湾曲しているので、騒音は前記吸入流路42を直進できず、該吸入流路42に臨接する壁面にぶつかりながら進行するので、吸音効率が向上する。
【0046】
尚、軸心方向に抜ける騒音、即ち前記内蓋36、前記外蓋32を貫通して放出される騒音を、更に低減する為、前記内蓋36を2枚重ね、2層の吸音材保持空間41を形成し、各吸音材保持空間41に吸音材を充填し、2層の吸音層を形成してもよい。
【0047】
又、前記外周辺部34a、前記外周辺部35a等は、上記実施の形態では、外側に曲起したが、内側に曲起してもよい。
【0048】
本発明に係る過給機の消音器では、略全ての部品が板材を成形加工したものであり、鋳造品、機械加工品がないので、部品コストが低減でき、又リベット、カラーを用いないので、部品点数が大幅に減少し、又組立てが簡単であり、製作コストを低減できる。
【0049】
又、空気吸引の圧力損失が少なく、吸気効率が向上し、過給機の効率を向上させることができる。
【0050】
図2は図5で示した従来の消音器に於ける圧力損失と、図1で示した本発明の消音器の圧力損失を示す線図である。図2中、実線が本発明に係る消音器の圧力損失、破線が従来の消音器の圧力損失を示し、本発明に係る消音器では圧力損失が低減している。
【0051】
尚、上記した前記第1仕切円板34、前記第2仕切円板35の形状は、上記した形状に限らず、前記吸音材保持空間40と前記吸入流路42とが交互に形成される様になっていればよい。例えば、図3に示される様に、第1仕切円板34が平円板形状に、外周辺部34aが形成されたものであり、第2仕切円板35が平円板形状に、外周辺部35aが形成され、更に前記第1仕切円板34の内周縁と合致する様に内周部35bを前記第1仕切円板34側に折曲げ形成したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る過給機の消音器を示す断面図である。
【図2】該過給機の消音器の圧力損失を示す線図である。
【図3】本発明に係る消音器の第1仕切円板、第2仕切円板の他の例を示す部分断面図である。
【図4】従来の消音器を具備する過給機の断面図である。
【図5】従来の過給機の消音器の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
5 コンプレッサ
8 コンプレッサ翼車
14 吸入口
22 吸気孔
30 消音器
31 連結フランジ
32 外蓋
33 内側仕切円板
34 第1仕切円板
34a 外周辺部
35 第2仕切円板
35a 外周辺部
36 内蓋
39 吸音材保持空間
40 吸音材保持空間
41 吸音材保持空間
42 吸入流路
43 防塵フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気タービン過給機の空気吸入口に設けられる過給機の消音器であって、中央に前記空気吸入口と同心の吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第1仕切円板と、中央に前記空気吸入口と同心の前記吸気孔が形成され、外周部を曲起してスペーサ部が形成されたパンチングメタル製の第2仕切円板とを具備し、空気吸入口側に位置する前記第1仕切円板と、反空気吸入口側に位置する前記第2仕切円板とが対とされ、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板は所要対重合され、前記スペーサ部により前記第1仕切円板と前記第2仕切円板との間に間隙が形成され、対となる前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の内周縁が接合し、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板によって仕切られる閉鎖空間と、内周が前記吸気孔に連通する開放空間とが交互に形成され、前記閉鎖空間は吸音材を充填した吸音層とし、前記開放空間は外部と前記吸気孔とを連通する吸入流路としたことを特徴とする過給機の消音器。
【請求項2】
前記第1仕切円板、前記第2仕切円板の少なくとも前記吸気孔の周辺部は、それぞれ前記空気吸入口に向う湾曲した曲面であり、前記第1仕切円板の曲面の曲率半径は該第1仕切円板、前記第2仕切円板の内周縁が接合する様、該第2仕切円板の曲面の曲率半径より大きくなっている請求項1の過給機の消音器。
【請求項3】
前記吸音層の断面は、前記吸気孔周辺部が前記空気吸入口に向う様湾曲した翼断面形状であり、前記吸入流路の断面は、略等間隔を維持し、前記吸気孔周辺部が前記空気吸入口に向う様湾曲した形状である請求項1の過給機の消音器。
【請求項4】
コンプレッサ側端に前記吸入孔に連通する孔を有する内側仕切板が配設され、反コンプレッサ側端に前記吸気孔を閉塞する外蓋が配設され、該外蓋、前記第1仕切円板、前記第2仕切円板、前記内側仕切板は、貫通する締結ボルトによって一体化された請求項1の過給機の消音器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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