説明

過電圧保護回路ならびにそれを用いた電源管理回路および電子機器

【課題】逆極性の電圧から回路を保護する。
【解決手段】メイントランジスタ10および逆流防止トランジスタ12は、入力端子102と出力端子104の間に直列に設けられる。入力ダイオード16は、逆流防止トランジスタ12とメイントランジスタ10の接続点N1と基準電圧端子106との間に、アノードが基準電圧端子106側となる向きで設けられる。制御部18は、直流電圧Vdcに応じてメイントランジスタ10のゲート電圧Vg1を制御する。逆流防止トランジスタ12は、そのボディダイオードD1のアノードが入力端子102側となる向きで配置される。入力端子102が高電位、基準電圧端子106が低電位となる正常状態において逆流防止トランジスタ12がオンするようにバイアスする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電圧から回路を保護する過電圧保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路に利用される回路素子は、耐圧を超える電圧が印加されると、正常な機能が実行できなくなる。外部電源を利用して動作する電子機器、特に乾電池を利用した緊急用の電源や、品質の悪いUSB(Universal Serial Bus)電源の利用が想定される機器においては、定格外の高電圧が印加される可能性があるため、過電圧から回路素子を保護するための過電圧保護回路が必要となる。
【0003】
【特許文献1】特開平9−219935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、入力段にツェナー電圧を利用した電圧保護機能を備える過電圧保護回路について検討を行った結果、以下の課題を認識するに至った。入力端子に外部からの電源電圧が印加され、基準電圧端子が接地される過電圧保護回路では、カソードが入力端子側、アノードが基準電圧端子側となるように、入力ダイオードが設けられる。入力端子に過電圧が印加されると、電源電圧はツェナー電圧でクランプされ、回路素子が保護される。
【0005】
ところが、外部電源を極性を反対にして接続した場合、入力ダイオードには順方向に大電圧が印加されてしまうため、入力ダイオードの信頼性が損なわれるおそれがある。たとえば、自作されたパーソナルコンピュータのUSB電源や、乾電池を用いた緊急用電源が使用される場合、ソケットの向きを誤ったり、乾電池の向きを誤ると、入力ダイオードには順方向に大電圧が印加される可能性があり、こうしたケースに対しても回路設計の配慮が必要である。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、逆極性の入力電圧に対する耐性を有する過電圧保護回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の過電圧保護回路は、外部からの電源電圧が入力される入力端子と、電源電圧を外部に出力する出力端子と、基準電圧が入力される基準電圧端子と、入力端子と出力端子の間に直列に設けられた逆流防止トランジスタおよびメイントランジスタと、逆流防止トランジスタとメイントランジスタの接続点と、基準電圧端子との間に、カソードがメイントランジスタ側となる向きで設けられた入力ダイオードと、電源電圧に応じてメイントランジスタの制御端子の電圧を制御する制御部と、を備える。逆流防止トランジスタを、そのボディダイオードのアノードが入力端子側となる向きで配置する。さらに逆流防止トランジスタを、入力端子が高電位、前記基準電圧端子が低電位となる正常状態においてオンし、入力端子が低電位、基準電圧端子が高電位となる逆極性状態においてオフするようにバイアスする。
【0008】
この態様によると、入力端子側が低電位、基準電圧端子側が高電位となる向きで外部電圧が逆極性で印加されると、逆流防止トランジスタがオフし、さらにボディダイオードによって、基準電圧端子から入力端子に向かう電流が遮断されるため、入力ダイオードに大電流が流れるのを抑制できる。
【0009】
逆流防止トランジスタは、その制御端子が基準電圧端子に、その一端が入力端子に、その他端がメイントランジスタの一端に、そのバックゲートが他端に接続されたPチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。
この場合、逆極性の、すなわち入力端子側が低電位、基準電圧端子側が高電位となる向きの外部電圧が印加された状態において、逆流防止トランジスタを自動的にオフでき、正しい極性で印加された場合には逆流防止トランジスタを自動的にオンできる。
【0010】
逆流防止トランジスタは、その一端が入力端子に、その他端がメイントランジスタの一端に、そのバックゲートが一端に接続されたNチャンネルMOSFETであってもよい。ゲートには、外部電源が逆極性で接続されたときに逆流防止トランジスタがオフし、正しい極性で接続されたときにオンするように、バイアス電圧を印加する。
【0011】
過電圧保護回路は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0012】
本発明の別の態様は、電源管理回路である。この電源管理回路は、上述の過電圧保護回路と、過電圧保護回路の出力端子から出力される電源電圧を利用して、2次電池を充電する充電回路を備える。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、2次電池と、外部電源からの電源電圧にもとづいて2次電池を充電する上述の電源管理回路と、を備える。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、逆極性の入力電圧に対する耐性を有する過電圧保護回路を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0017】
本明細書において、「部材Aが部材Bに接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0018】
図1は、実施の形態に係る過電圧保護回路100およびそれを用いた電子機器1000全体の構成を示す回路図である。
電子機器1000は、たとえば携帯電話端末や、PDA、ノート型PCなどの電池駆動型の情報端末機器である。電子機器1000は、過電圧保護回路100、充電回路112および電池114を備える。電子機器1000はその他に、図示しないCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、液晶パネルをはじめとするデジタル回路、アナログ回路を備える。
【0019】
電池114は、リチウムイオンやNiCd(ニッケルカドミウム)電池などの2次電池であり、その電池電圧Vbatが、電子機器1000のその他の回路ブロックへと供給される。
【0020】
外部電源110は、電子機器1000に接続され、商用交流電圧を直流電圧に変換するACアダプタや、車載バッテリ等の電圧を降圧するDC/DCコンバータ、USB電源や乾電池を利用した緊急用電源である。外部電源110は電池114に対して直流の電源電圧Vdcを供給する。
【0021】
過電圧保護回路100は、入力端子102、出力端子104、基準電圧端子106を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化されている。入力端子102および基準電圧端子106の間には、外部電源110から電源電圧として直流電圧Vdcが印加される。直流電圧Vdcは正常な状態において、入力端子102側が高電位、基準電圧端子106側が低電位となる向きで与えられる。過電圧保護回路100は、基準電圧端子106の電圧レベルを基準電圧(接地電圧)として動作する。
【0022】
過電圧保護回路100は、入力端子102に受けた直流電圧Vdcが、所定のしきい値電圧Vthよりも低いとき、その直流電圧Vdcを出力端子104から充電回路112に出力する。逆に直流電圧Vdcがしきい値電圧Vthよりも高い場合、つまり過電圧状態において、充電回路112への直流電圧Vdcの供給を停止し、あるいは直流電圧Vdcを降圧して出力する。本実施の形態の過電圧保護回路100は、Vdc>Vthのとき充電回路112への電圧供給を遮断する。
【0023】
充電回路112は、過電圧保護回路100から出力される直流電圧Vdcを受け、電池114を充電する。もっとも過電圧保護回路100の出力端子104に接続される回路は充電回路112に限定されず、外部からの直流電圧を利用して動作するさまざまな回路に適用可能である。
【0024】
以下、過電圧保護回路100の具体的な構成を説明する。過電圧保護回路100は、メイントランジスタ10、逆流防止トランジスタ12、チャージポンプ回路14、入力ダイオード16、制御部18を備える。
【0025】
逆流防止トランジスタ12およびメイントランジスタ10は、入力端子102と出力端子104の間に直列に設けられる。
【0026】
本実施の形態においてメイントランジスタ10はNチャンネルMOSFETである。メイントランジスタ10は、直流電圧Vdcの遮断、導通を切りかえるためのスイッチであり、Vdc<Vthのときオン、Vdc>Vthのときオフとなる。
【0027】
メイントランジスタ10のオン、オフを制御するためにチャージポンプ回路14、制御部18が設けられる。制御部18は、入力端子102と基準電圧端子106の間の電位差、つまり直流電圧Vdcを受け、これをしきい値電圧Vthと比較する。制御部18は比較結果に応じた制御信号Scntを、チャージポンプ回路14に出力する。制御信号Scntは、Vdc<Vthのときハイレベル、Vdc>Vthのときローレベルとなる。逆流防止トランジスタ12とメイントランジスタ10の接続点N1の電圧は、直流電圧Vdcと実質的に等しい。そこでたとえば制御部18は、しきい値電圧Vthを生成する基準電圧源18bと、接続点N1の電圧を分圧する抵抗R11、R12と、分圧された直流電圧Vdcをしきい値電圧Vthと比較するコンパレータ18aで構成できる。
【0028】
チャージポンプ回路14は、制御信号Scntのレベルに応じて、メイントランジスタ10のオンオフを切りかえる。具体的には、制御信号Scntがハイレベルのときメイントランジスタ10をオン、制御信号Scntがローレベルのときメイントランジスタ10をオフする。
【0029】
メイントランジスタ10はNチャンネルMOSFETであるため、オン状態で出力端子(ソース端子)104に直流電圧Vdcを出力するためには、メイントランジスタ10のゲート電圧Vg1をVdc+Vtより高く設定する必要がある。ここでVtはメイントランジスタ10のゲートソース間しきい値電圧である。
【0030】
過電圧保護回路100には電源として直流電圧Vdcのみ供給されるから、Vdc+Vt以上のゲート電圧Vg1を生成するために、チャージポンプ回路14は制御信号Scntを昇圧してレベルシフトする。
【0031】
入力ダイオード16は、逆流防止トランジスタ12とメイントランジスタ10の接続点N1と、基準電圧端子106との間に、アノードが基準電圧端子106側となる向きで設けられる。入力ダイオード16は、寄生ダイオードを利用して構成してもよいし、専用の素子として半導体基板上に形成してもよい。
【0032】
逆流防止トランジスタ12は、そのボディダイオードD1のアノードが入力端子102側となる向きで配置される。さらに、逆流防止トランジスタ12の制御端子(ゲート)は、入力端子102が高電位、基準電圧端子106が低電位となる正常な極性状態において逆流防止トランジスタがオンするようにバイアスされる。反対に、逆流防止トランジスタ12の制御端子(ゲート)は、入力端子102が低電位、基準電圧端子106が高電位となる逆極性状態において逆流防止トランジスタがオフするようにバイアスされる。
【0033】
好ましい態様において、逆流防止トランジスタ12は、メイントランジスタ10のドレインと入力端子102の間に設けられたPチャンネルMOSFETである。逆流防止トランジスタ12の制御端子(ゲート)は接地され、その一端(ドレイン)が入力端子102に、その他端(ソース)がメイントランジスタ10の一端(ドレイン)に、そのバックゲートが他端(ソース)に接続される。
【0034】
ここで逆流防止トランジスタ12のボディダイオードD1と入力ダイオード16に着目すると、2つのダイオードは、入力端子102と基準電圧端子106を結ぶ経路上に、互いのカソードが対向するように配置される。
【0035】
以上のように構成された過電圧保護回路100の動作を、外部電源110の印加状態ごとに説明する。
【0036】
(1) 直流電圧Vdcが正常な極性、正常な値で印加される場合
この場合、Vdc<Vthであるため制御信号Scntはハイレベルとなり、メイントランジスタ10はオンされる。また、直流電圧Vdcの極性は正常であるから、逆流防止トランジスタ12のゲートソース間電圧Vgsは直流電圧Vdcそのものとなり、逆流防止トランジスタ12はオンとなる。したがって、逆流防止トランジスタ12、メイントランジスタ10はともにオンとなるから、入力端子102に印加された直流電圧Vdcは出力端子104を介して充電回路112へと出力される。
【0037】
(2) 直流電圧Vdcが正常な極性、過電圧で印加される場合
この場合、Vdc>Vthであるため、制御信号Scntはローレベルとなり、メイントランジスタ10はオフされる。また、直流電圧Vdcの極性は正常であるから、逆流防止トランジスタ12のゲートソース間電圧Vgsは直流電圧Vdcそのものとなり、逆流防止トランジスタ12はオンとなる。メイントランジスタ10がオフであるため、入力端子102と出力端子104間の経路は遮断され、充電回路112には過電圧が供給されない。
【0038】
また、入力ダイオード16のツェナー電圧Vz(逆方向電圧)を超える直流電圧Vdcが入力されると、直流電圧Vdcがツェナー電圧Vzにクランプされ、回路が保護される。
【0039】
(3) 直流電圧Vdcが逆極性で印加される場合
(3−a)逆流防止トランジスタ12を設けない場合
本実施の形態に係る過電圧保護回路100の動作をより明確とするため、逆流防止トランジスタ12を設けない場合、つまり入力端子102と入力ダイオード16のカソードおよびメイントランジスタ10の一端が接続される回路の動作を説明する。
【0040】
この場合、逆極性の直流電圧Vdcが基準電圧端子106に印加される。そうすると、入力ダイオード16に対して、順方向に直流電圧Vdcが印加されることになり、入力ダイオード16に大電流が流れてしまう。入力ダイオード16に大電流が流れると入力ダイオード16そのものの信頼性に悪影響を及ぼすのみでなく、外部電源110の信頼性にも悪影響を及ぼしてしまう。
【0041】
(3−b)逆流防止トランジスタ12を設けた場合
次に、逆流防止トランジスタ12を設けた場合の動作を説明する。直流電圧Vdcが逆極性で印加されると、逆流防止トランジスタ12は、そのゲートソース間電圧Vgsがしきい値電圧Vtより低くなるためオフとなる。
【0042】
このとき、基準電圧端子106から入力端子102に至る経路には、入力ダイオード16が順方向に、ボディダイオードD1が逆方向に設けられている。したがって、入力ダイオード16には、直流電圧VdcからボディダイオードD1のツェナー電圧Vzを減じた電圧(Vdc−Vz)が印加される。
【0043】
このように、図1の過電圧保護回路100によれば、(3−a)で説明した逆流防止トランジスタ12を設けない場合に比べて、入力ダイオード16に印加される電圧を低減し、入力ダイオード16の信頼性を向上することができる。
【0044】
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0045】
実施の形態でMOSFETとバイポーラトランジスタは、必要に応じて適宜置き換えることが可能である。また、MOSFETのNチャンネルとPチャンネル、あるいはバイポーラトランジスタのNPN型とPNP型も、適宜置換してもよい。
【0046】
たとえば、逆流防止トランジスタ12をNチャンネルMOSFETで構成してもよい。図2は、図1の変形例に係る過電圧保護回路100の構成の一部を示す回路図である。図2は、逆流防止トランジスタ12およびその周辺回路のみを示しており、その他の構成は図1と同様である。
【0047】
図2の変形例において、逆流防止トランジスタ12の一端(ソース)は入力端子102に、その他端(ドレイン)がメイントランジスタの一端(ドレイン)に、そのバックゲートが一端(ドレイン)に接続される。正常な直流電圧Vdcが供給されるとき、逆流防止トランジスタ12の制御端子(ゲート)にはチャージポンプ回路20によって、Vg2>Vdc+Vtなるゲート電圧Vg2が印加される。また、直流電圧Vdcが逆極性のとき、チャージポンプ回路20は正常に動作せず、ゲート電圧Vg2は0Vとなって逆流防止トランジスタ12はオフとなる。図2の変形例によっても、直流電圧Vdcが逆極性で印加された場合に、入力ダイオード16と逆流防止トランジスタ12のボディダイオードD2のカソードが対向するため、入力ダイオード16を保護することができる。
【0048】
また、メイントランジスタ10をPチャンネルMOSFETで構成してもよいし、あるいはNPN型、PNP型のバイポーラトランジスタで構成してもよい。
【0049】
実施の形態では、過電圧状態においてメイントランジスタ10を完全にオフする場合を説明したが、オン抵抗を高く設定し、降圧した直流電圧Vdcを出力してもよい。
【0050】
実施の形態では、過電圧保護回路100と充電回路112を別々のICとして構成する場合を説明したが、これらを一体として、電源管理IC116として構成してもよい。あるいは反対に過電圧保護回路100をディスクリート素子を用いて構成してもよい。
【0051】
また、本実施の形態において、ハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【0052】
以上、実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施の形態に係る過電圧保護回路およびそれを用いた電子機器全体の構成を示す回路図である。
【図2】図1の変形例に係る過電圧保護回路の構成の一部を示す回路図である。
【符号の説明】
【0054】
100…過電圧保護回路、102…入力端子、104…出力端子、106…基準電圧端子、10…メイントランジスタ、12…逆流防止トランジスタ、D1…ボディダイオード、D2…ボディダイオード、14…チャージポンプ回路、16…入力ダイオード、18…制御部、20…チャージポンプ回路、110…外部電源、112…充電回路、114…電池、116…電源管理IC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの電源電圧が入力される入力端子と、
前記電源電圧を外部に出力する出力端子と、
基準電圧が入力される基準電圧端子と、
前記入力端子と前記出力端子の間に直列に設けられた逆流防止トランジスタおよびメイントランジスタと、
前記逆流防止トランジスタと前記メイントランジスタの接続点と、前記基準電圧端子との間に、アノードが前記基準電圧端子側となる向きで設けられた入力ダイオードと、
前記電源電圧に応じて前記メイントランジスタの制御端子の電圧を制御する制御部と、
を備え、
前記逆流防止トランジスタを、そのボディダイオードのアノードが前記入力端子側となる向きで配置するとともに、前記入力端子が高電位、前記基準電圧端子が低電位となる正常状態においてオンし、前記入力端子が低電位、前記基準電圧端子が高電位となる逆極性状態においてオフするようにバイアスしたことを特徴とする過電圧保護回路。
【請求項2】
前記逆流防止トランジスタは、その制御端子が前記基準電圧端子に、その一端が前記入力端子に、その他端がメイントランジスタの一端に、そのバックゲートが前記他端に接続されたPチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
【請求項3】
前記逆流防止トランジスタは、その一端が前記入力端子に、その他端がメイントランジスタの一端に、そのバックゲートが前記一端に接続されたNチャンネルMOSFETであることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
【請求項4】
ひとつの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の過電圧保護回路。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の過電圧保護回路と、
前記過電圧保護回路の前記出力端子から出力される電源電圧を利用して、2次電池を充電する充電回路と、
を備え、一体集積化されることを特徴とする電源管理回路。
【請求項6】
2次電池と、
外部電源からの電源電圧にもとづいて前記2次電池を充電する請求項5に記載の電源管理回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−100519(P2009−100519A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268282(P2007−268282)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】