説明

遠心分離式の洗浄式空気清浄機

本発明は、空気中の埃、汚染物質を微細水分を利用して湿式で捕集した後、汚染物質を捕集して汚染物質を含んだ洗浄水を遠心ファンの回転力を直接利用して、遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の洗浄式空気清浄機である。特に空気流と共に飛散する洗浄水により低下する空気浄化効率を改善するように与圧室を追加設置した。この遠心分離式の洗浄式空気清浄機は、洗浄水を噴射する加湿装置と、汚染空気を捕集する捕集室と、湿った空気を誘引して羽根の回転速度に応じて湿った空気に高速遠心力が発生するように設置した遠心ファンと、遠心ファンの渦流から軸方向に湿った空気流を流しながら遠心力を維持するように設置した渦流室と、排出される空気流と共に汚染水が飛散するのを防止するように与圧室が設置されている。本発明によると、与圧室により湿った空気の遠心分離速度が上がり、水が空気流と共に飛散することを防止し空気浄化効率がさらに改善されて排出湿度を適切に調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1次的に空気中の微細粒子状の埃、有害ガス、におい粒子、病原菌、及びバクテリアを洗浄水を利用して湿式で捕集して、2次的に気体と液体の比重差(1:1000)を利用して空気中の汚染物質を捕集した洗浄水を遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の空気清浄機に関する。高速回転する遠心インペラを利用して強力な三次元旋回流の遠心力を持つ渦流が発生するという構造に基づき、空気または気体を浄化するようにしている。
【0002】
ここで大気中の空気には細菌、病原菌、砂、有害ガス、煙、埃、油、水分、タイヤ粉塵、花粉、0.1μmより小さい微細な埃、あるいはにおい粒子を含んだ汚染物質が混ざり合っている。
【0003】
本発明は1次的に空気中の微細粒子状の埃、有害ガス、におい粒子、病原菌及びバクテリアを洗浄水を利用して湿式で捕集し、2次的に気体と液体の比重差(1:1000)を利用して汚染洗浄水を遠心分離して空気を浄化する。遠心インペラの回転に基づいた遠心分離効果を利用して、湿った空気に遠心力を持つ渦流を発生させて、空気を高い効率で浄化することができる。
【0004】
従来の空気浄化技術は一般的に固体形態の機械式フィルター方式を利用しているが、微細粒子状の埃を完全に捕集し浄化できず、粉塵が含まれた空気が誘引されると濾過布表面に蓄積し、フィルター詰まりにより集塵効率が急激に低下し病原菌または細菌の温床地になる。したがって定期的な交換を伴うメンテナンスの問題があり、廃棄されたフィルターの不織布によって2次環境汚染物質が生成され、これが地球環境汚染の主要原因になっている。
【0005】
又、光触媒、電気集塵、プラズマ方式の空気浄化装置は非伝導性であり、1μm以下の微細粒子状の埃に対する空気浄化効率が低くなる。さらに電気集塵方式、陰イオン発生空気浄化装置は人の健康衛生上有害なオゾン(O3)が発生する副作用があることが知られている。
【0006】
従来の乾式遠心分離式の空気浄化機は空気浄化効率水準が理論上85%であり、5μm以下の微細粒子状の埃、花粉、煙草の煙、有害ガスを捕集し浄化することが不可能であり、従って単純に空気中の埃を制限的に遠心分離除去するのに99.9%水準の浄化効率が要求される産業用クリーンルームには不向きである。
【0007】
一方、従来の湿式空気浄化機には空気流を誘引する2次元的な水膜の表面接触により水の粘性凝着力で空気を浄化する方式を用いたものがある。この方式では、水膜の表面積に接触する空気中の汚染物質だけが水の粘性凝着力で浄化され、水膜の表面積に接触しない大部分の汚染物質は浄化されず、空気浄化効率水準が85%と低く、過剰な水分を含んだ空気が排出され精密機器を腐食させるという問題があった。さらに、従来の湿式空気浄化機は0.1μmの微細な埃の浄化はできるが、病原菌、微生物の自己殺菌能力がなく病原菌の温床になると共に非衛生的であり、洗浄水を薬品処理殺菌しなくてはならないという問題があるので、99.9%水準の空気浄化効率が要求される産業用クリーンルームや病院用設備には不向きである。
【0008】
従来の加湿兼用空気清浄機または水を利用した陰イオン生成空気清浄機は湿気で空気中の汚染物質を捕集しており水分子衝突方式により陰イオン発生効果があるが、汚染物質を含んだ湿気も排出空気と共に抜け出すので実質的な空気清浄効果が非常に低く、さらに湿気が汚染物質を伴って排出されるので人体の健康または保健衛生上さらに有害であることが知られている。
【0009】
一方、従来の間接旋回流方式の洗浄式サイクロンを有する遠心分離空調機には外部に設置した送風機から供給する気流によって間接的に遠心分離する方式がある。この方式では、外部から空気を供給するので遠心分離速度が低いと共に効率が悪く空気浄化効率は10乃至20%水準で大部分の水分が排出され湿度が過剰になるという問題があった。
【背景技術】
【0010】
本発明は同一出願人及び同一発明者による、PCT/KR2005/000324(出願日:2005年2月3日)“AIR PURIFICATION APPARATUS UTILIZING A CENTRIFUGAL IMPELLER”、及び PCT/KR2006/000251(出願日:2006年1月23日)、“CENTRIFUGAL WET TYPE AIR CLEANER UTILIZING A SPIN VAPORIZER AND A SPIRAL ON THE BASIS OF A LABYRINTH EFFECT”、国際出願に基づいた発明に関連しており、この出願は空気に含まれた細菌、埃、微細粒子及びその他汚染物質を洗浄水を利用して捕集した後、電動機によって回転する遠心インペラの回転に基づいて渦流状態の空気流を発生し、遠心分離力を発生する空気力学に基づいており、気体と液体の比重差(1:1000)により、捕集室で空気中の汚染物質を捕集して、この液体状態の汚染水から空気を遠心分離するようにし、高い空気浄化効率を長時間維持するように改善したものである。
【0011】
しかし、本体内部と外部の圧力差により汚染物質を含んだ洗浄水が外部に飛散するキャリーオーバー(CARRY OVER)現象が発生する問題があった。すなわち空気の流れに沿って遠心分離された水が飛散するキャリーオーバー現象が発見された。これは、汚染物質が含まれた水が外部に排出されると空気浄化効率が低下するという問題となる。その上、水フィルターがないため、水を再循環することができず水が過剰になる問題があった。
【0012】
したがって上述の問題点を改善するために本発明は同一出願人で同一発明者による先願発明の構造を基礎にして、与圧室機能を持つ円錐形で環状の排水板及び水フィルターを追加し、洗浄水が空気の流れに沿って外部に飛散するキャリーオーバー(CARRY OVER)現象が発生するという問題を解決した。すなわち遠心インペラにより発生した空気流の慣性力と遠心分離力を利用して、汚染物質を捕集した洗浄水を効率的に排水することができるようにした。さらに本体の渦流室で空気の旋回流速度が高くなり遠心分離力が強化されて空気浄化を改善するといった効果がある。
【0013】
また、水フィルターを設置して水を再循環させ、自然蒸発以外に水を消耗しないように改善した。したがって電気代、水道代を大きく低減できるので、環境保全型エネルギ効率製品になり得るという効果がある。
【発明の概要】
【0014】
[技術的問題点]
本発明は、上述した従来の問題点を改善するために、空気中の細菌及び埃を含んだ汚染物質を気体との比重差を利用して遠心分離により浄化する電動機を利用した遠心分離式の空気浄化装置に関する。本発明では、空気中に含まれた細菌、埃、微細粒子及びその他汚染物質を、電動機により高速回転する遠心インペラを利用して遠心分離力を発生する流体の流れの原理に基いて空気を高性能に清浄するように構成したものである。
【0015】
このような目的を達成するために本発明は、空気中の汚染物質を水で捕集して湿った空気を比重差により空気と水に遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、空気を吸引するように本体(907)に配置した気体吸入孔(905)と、気体吸入孔(905)から入って来た空気に洗浄水を噴射するように本体(907)に設置した加湿装置(903)と、噴射された水として汚染空気を3次元立体捕集する捕集室(902)と、ファンの回転を直接利用して湿った空気を誘引して湿った空気に遠心力が発生するように本体(907)に設置した遠心インペラ(908)と、遠心インペラ(908)の下流で湿った空気の遠心力を維持するように設置した渦流室(904)と、遠心分離された洗浄水を集めて排水処理するように本体(907)内に設置した環状の排水板(922)と、排水板(922)内に形成され差圧によって水の飛散(CARRY OVER)現象を防止するように設置した与圧室(DEPRESSURIZED ROOM,22C)と、排水板(922)から遠心分離された洗浄水をためておく洗浄水筒(901)と、水を浄化し再循環するように洗浄水筒(901)内に設置したウォーターフィルター(WATER FILTER,14)と、を具えることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機を構成した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような目的を達成するために本発明は、空気中の汚染物質を水で捕集して湿った空気を比重差により空気と水に遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、空気を吸引するように本体(907)に配置した気体吸入孔(905)と、気体吸入孔(905)から入って来た空気に洗浄水を噴射するように本体(907)に設置した加湿装置(903)と、噴射された水として汚染空気を3次元立体捕集する捕集室(902)と、ファンの回転を直接利用して湿った空気を誘引して湿った空気に遠心力が発生するように本体(907)に設置した遠心インペラ(908)と、遠心インペラ(908)の下流で湿った空気の遠心力を維持するように設置した渦流室(904)と、遠心分離された洗浄水を集めて排水処理するように本体(907)内に設置した環状の排水板(922)と、排水板(922)内に形成され差圧によって水の飛散(CARRY OVER)現象を防止するように設置した与圧室(DEPRESSURIZED ROOM,22C)と、排水板(922)から遠心分離された洗浄水をためておく洗浄水筒(901)と、水を浄化し再循環するように洗浄水筒(901)内に設置したウォーターフィルター(WATER FILTER,14)と、を具えることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機を構成した。
【発明の効果】
【0017】
従来の機械式フィルターの限界である0.1μmより小さい微細埃、におい粒子を含んだ汚染物質を99.9%浄化する効果がある。さらに円錐形で環状の排水板と水フィルターを追加して洗浄水が空気流に沿って外部に飛散するキャリーオーバー(CARRY OVER)現象が発生する問題を解決した。すなわち遠心インペラにより発生した空気流の慣性力と遠心分離力を利用して汚染物質を捕集した洗浄水を効率的に排水することができる。さらに本体の渦流室では、空気の旋回流速度が高くなり遠心分離力が強化されて空気浄化を大きく改善するといった効果がある。
【0018】
従来の機械式フィルターによる空気抵抗がないのでエネルギ効率が高く、特にフィルターの製造及び廃棄過程で発生する環境汚染がないので環境に優しい。また、水フィルターを設置し水を再循環させ、自然蒸発以外に水を消耗しないように改善した。したがって電気代、水道代を大きく低減できるので、環境保全型エネルギ効率製品になり得るという効果がある。水フィルターは掃除が容易なように脱着可能である。
【0019】
水による天然陰イオンが放出され、滝の効果がある。すなわち電気集塵方式のような有害ガスであるオゾン(O3)発生の副作用がない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明による遠心分離式の洗浄式空気清浄機の構成図である。
【図2】図2は、図1のH−H線に沿った断面図であり、渦流シリンダー支持台を示す。
【図3】図3は、図2の側面図であり、空気の流れを示す。
【図4】図4は、図1のG−G断面図であり、環状の排水板を示す。
【図5】図5は、図1のG−G断面図であり、与圧室構造を持つ円錐形排水板の機能を説明する図である。
【図6】図6は、図5の与圧室構造を持つ円錐形排水板の正面図である。
【図7】図7は、図1の洗浄水筒(901)に設置した部品構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明による遠心分離式の洗浄式空気清浄機の構成図であり、空気中の汚染物質を水で捕集して湿った空気を比重差により空気と水に遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、空気を吸引するように本体(907)に配置した気体吸入孔(905)と、気体吸入孔(905)から入って来た空気に洗浄水を噴射するように本体(907)に設置した加湿装置(903)と、噴射された水として汚染空気を3次元立体捕集する捕集室(902)と、ファンの回転を直接利用して湿った空気を誘引して湿った空気に遠心力が発生するように本体(907)に設置した遠心インペラ(908)と、遠心インペラ(908)の下流で湿った空気の遠心力を維持するように設置した渦流室(904)と、遠心分離された洗浄水を集めて排水処理するように本体(907)内に設置した環状の排水板(922)と、排水板(922)内に形成され差圧によって水の飛散(CARRY OVER)現象を防止するように設置した与圧室(DEPRESSURIZED ROOM,22C)と、排水板(922)から遠心分離された洗浄水をためておく洗浄水筒(901)と、水を浄化し再循環するように洗浄水筒(901)内に設置したウォーターフィルター(WATER FILTER,14)と、を具える遠心分離式の洗浄式空気清浄機である。図5は、図1のG−G断面図であり、与圧室構造を示す。図に示すように、本体(907)に円錐形排水板(22)を設置した遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよく、本体(907)を、空調機、気体除湿機、加湿器、陰イオン発生器、掃除機及び車両用エアコンに利用できることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよい。又、加湿装置(903)に洗浄水を供給する水管を具える遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよく、加湿装置(903)にポンプ、回転霧化装置、ノズル、超音波装置を具える遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよい。図7は、図1の洗浄水筒(901)に設置した部品構成を示す。洗浄水筒(901)内に水中洗浄水冷却機(16A)を設置した遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよく、洗浄水筒(901)に水管で連結した油水分離器(OIL WATER SEPERATOR,901B)を設置した遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよく、ウォーターフィルター(WATER FILTER,14)は、有機溶剤浄化の目的でカーボンフィルター(CARBON FILTER,14A)を利用した遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよく、洗浄水筒(901)内に紫外線殺菌ランプ(UV STELIRITER,14B)を設置した遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよく、本体(907)を垂直に設置した遠心分離式の洗浄式空気清浄機でもよい。
【0022】
図1に図示した通り、空気中の汚染物質を水で捕集して湿った空気を比重差により空気と水に遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、空気を吸引するように本体(907)に配置した気体吸入孔(905)と、気体吸入孔(905)から入って来た空気に洗浄水を噴射するように本体(907)に設置した加湿装置(903)と、噴射された水として汚染空気を3次元立体捕集する捕集室(902)と、ファンの回転を直接利用して湿った空気を誘引して湿った空気に遠心力が発生するように本体(907)に設置した遠心インペラ(908)と、遠心インペラ(908)の下流で湿った空気の遠心力を維持するように設置した渦流室(904)と、遠心分離された洗浄水を集めて排水処理するように本体(907)内に設置した環状の排水板(922)と、排水板(922)内に形成され差圧によって水の飛散(CARRY OVER)現象を防止するように設置した与圧室(DEPRESSURIZED ROOM,22C)と、排水板(922)から遠心分離された洗浄水をためておく洗浄水筒(901)と、水を浄化し再循環するように洗浄水筒(901)内に設置したウォーターフィルター(WATER FILTER,14)と、を具えることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機を構成した。
【0023】
図1に図示した通り、本体(907)を、空調機、気体除湿機、加湿器、陰イオン発生器、掃除機及び車両用エアコンに利用できることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機が構成されている。
【0024】
図1に図示した通り、本体(907)内でハウジング(909)と排気筒(913)の間に環状の渦流室(904)を具える遠心分離式の洗浄式空気清浄機を構成できる。
【0025】
図1に図示した通り、本体(907)内に配置した渦流室(904)を水平にした遠心分離式の洗浄式空気清浄機を構成できる。
【0026】
図2は、図1のH−H断面図であり、渦流シリンダー支持台を示す。図3は、図2の側面図であり、空気の流れを示す。これらの図に示すようにハウジング(909)内で渦流室(904)を形成して渦流シリンダー(913)を固定する渦流シリンダー支持台(916A)を具える遠心分離式の湿式空気浄化機が構成されている。
【0027】
図4は、図1のG−G断面図であり、図示した通り環状の排水板で遠心分離された洗浄水を排水処理するように、本体(907)内でハウジング(909)に設置した排水板(922)を具える遠心分離式の湿式空気浄化機が構成されている。ここで、空気から比重差により遠心分離された洗浄水を捕集し排水するように、排水板(922)には環状の排水口(922A)が形成されている。
【0028】
上述の通り、本発明の構成による作用を添付図面と共にさらに詳細に説明すると次の通りである。
【0029】
図1に図示した通り、電動機(933)により遠心インペラ(908)が回転すると外部の汚染空気を吸引する。次いで、加湿装置(903)により洗浄水を霧化し、霧化室(900)を通過して捕集室(902)及び2次捕集室(902A)で空気中の汚染物質を洗浄水微粒子で3次元立体捕集するようにしたものである。したがって遠心インペラ(908)を通過した空気はハウジング(909)の内面と渦流シリンダー(913)の間で形成した渦流室(904)で、 矢印で示すように、渦流室(904)で螺旋形の渦流状態を維持しながら、遠心分離力で比重差による気液分離作用をしながら、空気中の汚染物質を浄化する。ここでは、加湿装置(903)に洗浄水を供給する水管(図示せず)を利用して霧化することができる。
【0030】
図2は、図1のH−H断面図であり、渦流シリンダー支持台を示す。図2に示すように、渦流シリンダー(913)は、渦流シリンダー支持台(916A)によりハウジング(909)に固定されており、ハウジング(909)の内面と渦流シリンダー(913)の間で形成した渦流室(904)を通り渦流状態の空気が流れるように構成されている。ここで特殊な有毒ガスを含む空気を浄化する目的で渦流室(904)に渦流を誘導するボルテックスまたはスパイラル翼(図示せず)を追加で設置することができる。
【0031】
図3は、図2の側面図であり、空気の流れを示す。図3に示すように、空気は渦流シリンダー支持台(916A)の間を通過する間に、渦流シリンダー(913)の円柱方向に渦流状態を維持している。ここで渦流シリンダー(913)は、渦流シリンダー支持台(916A)を伴うハウジング(909)に、2ヶ所以上を両端支持体で固定されていることが望ましい。
【0032】
図4は、図1のG−G断面図であり、環状の排水板を示す。空気より比重が1000倍重い洗浄水は、遠心力によりハウジング(909)の内側の円柱面に設置した環状の排水板(922)に形成した排水口(922A)に流入され、排水管(911)を通り排水される。ここで清浄された軽い空気はハウジング(909)の内面と渦流シリンダー(913)の間に形成した渦流室(904)で、矢印で図示した通り、回転しながら排気口に移送される。上述の通り、洗浄水が空気の流れに沿って外部に飛散するキャリーオーバー(CARRY OVER)現象が発生する問題を解決した。すなわち遠心インペラにより発生した空気の流れの慣性力と遠心分離力を利用して、汚染物質を捕集した洗浄水を効率的に排水することができる。さらに本体の渦流室で空気の旋回流速度が高くなり遠心分離力が強化されて空気浄化を改善するといった効果がある。
【0033】
図1に図示した通り、排水管(911)を通り出てきた洗浄水は、1次洗浄水筒(901A)で回収されウォーターフィルター(WATER FILTER,14)を通り浄化された後、洗浄水筒(901)にポンプ(16)により移送される。ここで加湿装置(903)に洗浄水を供給し霧化するために霧化用途のポンプを利用することができる。
【0034】
したがって気体と液体の1:1000の比重差で空気流から空気中の汚染物質を捕集した水は遠心分離除去され、清浄された乾燥空気が排出される。一方、遠心分離された汚染水は空気中の汚染物質を捕集した状態から、水の粘性凝着力と排出空気の流れによって再度希釈されて、キャリーオーバー(CARRY OVER)現象が発生せず、ハウジング(909)の内面に沿って遠心力により回収される。
【0035】
図1に図示した通り、洗浄水筒(901)の洗浄水はポンプ(16)により給水管(16A)を通り、加湿装置(903)に移送され霧化するように構成されている。ここで、加湿装置(903)に洗浄水を供給し霧化するのに霧化用途のポンプを利用することができる。
【0036】
図1に図示した通り、熱交換装置(90)による熱交換で低温または高温状態の空気を調和する。これは、本体(907)の排気口(932)に熱交換装置(90)を設置し、室内から排出される空気の温度を調節する空調機として利用できる。上述の通り、建物の屋上や地下室に大容量の大型熱交換装置(90)及び洗浄水システムを構成し、各室内に配置した複数の本体(907)を運転することができる中央空調システムとして利用することができ、従来のような圧縮機、凝縮器、過多消費動力、及び環境汚染物質であるフロン冷媒を使用しない環境に優しい純粋な水を利用した陰イオン清浄空気中央空調システムとして利用できるといった効果がある。
【0037】
図5は、図1のG−G断面図であり、与圧室構造を持つ円錐形排水板の動作説明図である。図に示すように、遠心分離された洗浄水を集め排水処理するように、本体(907)内に設置した環状の排水板(922)は円錐形排水板(22)で構成することができる。したがって洗浄水が空気の流れに沿って外部に飛散するキャリーオーバー(CARRY OVER)現象が発生する問題を解決した。遠心インペラにより発生した空気の流れの慣性力と遠心分離力を利用して汚染物質を捕集した洗浄水をさらに効率的に排水することができる。すなわち空気より重い洗浄水は慣性力及び遠心力によりハウジング(909)と円錐形排水板(22)の隅に集まり排水口(22A)に沿って下部に集められる。一方、排水板(22)内には排水板連結口(22B)の直径をハウジング(909)より小さくし、与圧室(22C)を形成することができる。このようにして、形成された与圧室(22C)により、本体(907)の内部圧力と外部圧力の差により空気の流れに伴い洗浄水が外部に飛散するキャリーオーバー現象を防止することができるので、空気浄化効果を大きく改善することができる。さらに与圧室(22C)設置効果により、本体の渦流室(904)で遠心インペラ(908)の回転速度に応じて空気の旋回流速度が高くなって空気が誘導されるように遠心分離力が非常に高くなり空気浄化を改善する効果がある。ここで与圧室(22C)は、排水板連結口(22B)後端にフィルター(22D)または空気移送通路ダクト(DUCT,22E)を後端に設置すると自然に与圧状態を形成することができる。すなわち水が空気の流れに伴って排出されるキャリーオーバー現象が発生しない差圧条件である本体の渦流室と外部の急激な圧力差の変化を小さくすることができる。
【0038】
図6は、図5に示す与圧室構造を持つ円錐形排水板の正面図である。空気より比重が1000倍重い洗浄水は、矢印で表示した通り、遠心力によりハウジング(909)の内側の円柱面に設置した円錐形排水板(22)上に形成した排水口(22A)に集まり排水管(911)を通って1次洗浄水筒(901A)に排水される。
【0039】
図7は、図1の洗浄水筒(901)に設置した部品構成を示す図である。洗浄水筒(901)内に洗浄水冷却器(16A)を設置して、洗浄水筒(901)に水管として連結し油水分離器(901B)を設置することができる。上述の通り、熱により液体状態から気体状態のソルベント、トルエン、ベンゼンのような有機溶剤(VOC)を、霧化された冷却水の微細粒子で直接冷却し液状に変換した後、軽い空気との比重差で遠心分離方式で浄化し油水分離器(14C)に送り、水と有機溶剤を分離する。水管(911A)を通り有機溶剤保管所(901B)に送られた洗浄水を1次洗浄水筒(901A)に送り再循環するようにしたものである。
【0040】
一方、大気環境汚染物質である有機溶剤(VOC)を浄化するために、洗浄水筒(901)に設置したウォーターフィルター(WATER FILTER,14)にはカーボンフィルター(14A)を設置することができる。さらに、水より比重が軽い有機溶剤の物理的特性を利用し、カーボンフィルター(14A)の下部にはウォーターフィルター(WATER FILTER,14)を使用してポンプ(16)により浄化された洗浄水を再循環させるようにした。
【0041】
さらに、洗浄水筒(901)内に紫外線殺菌ランプ(14B)を設置して不活発な状態の細菌に紫外線を長時間照射して無菌清浄空気を供給することができる。現在流通している従来の空気殺菌機は、空気の流れに沿って飛んでいく細菌に紫外線殺菌ランプを瞬間照射するものであり、殺菌効果がほとんどないことがわかっている。
【0042】
ここで、加湿装置(903)とは水を噴射する装置として、ポンプ、回転霧化装置、ノズル、超音波装置を具える霧化装置を利用することを意味する。
【0043】
本発明では使用目的により、PREフィルター、HEPAフィルター及びカーボンフィルターなどの機械式フィルターを利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の遠心分離式の洗浄式空気清浄機は、0.1μmより小さい微細な埃を除去し、99.9%の高い空気浄化性能を持つ構造に基づきエネルギ損失並びに騒音が非常に低く従来の空気清浄機より風量が多いという特徴があり、家庭用、病院、無菌試験室、地下室、工場、自動車、事務室及び空調機、自動車排出ガス調和装置、軍事用化学生物放射能保護装置及び、エアコン、空調冷凍システム、内燃機関の排出ガス、内燃機関の吸入空気浄化装置、産業用半導体クリーンルーム装備、空気または圧縮空気の除湿器、恒温恒湿装置及び空気調和システムに利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の汚染物質を水で捕集して湿った空気を比重差により空気と水に遠心分離して空気を浄化する遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、空気を吸引するように本体(907)に配置した気体吸入孔(905)と、当該気体吸入孔(905)から入って来た空気に洗浄水を噴射するように本体(907)に設置した加湿装置(903)と、噴射された水として汚染空気を3次元立体捕集する捕集室(902)と、ファンの回転を直接利用して湿った空気を誘引して湿った空気に遠心力が発生するように本体(907)に設置した遠心インペラ(908)と、当該遠心インペラ(908)の下流で湿った空気の遠心力を維持するように設置した渦流室(904)と、遠心分離された洗浄水を集めて排水処理するように本体(907)内に設置した環状の排水板(922)と、当該排水板(922)内に形成され差圧によって水の飛散(CARRY OVER)現象を防止するように設置した与圧室(DEPRESSURIZED ROOM,22C)と、前記排水板(922)から遠心分離された洗浄水をためておく洗浄水筒(901)と、水を浄化し再循環するように当該洗浄水筒(901)内に設置したウォーターフィルター(WATER FILTER,14)と、を具えることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項2】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記本体(907)に円錐形排水板(22)を設置したことを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項3】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記本体(907)を、空調機、気体除湿機、加湿器、陰イオン発生器、掃除機及び車両用エアコンに利用できることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項4】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記加湿装置(903)に洗浄水を供給する水管を具えることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項5】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記加湿装置(903)が、ポンプ、回転霧化装置、ノズル、超音波装置を具えることを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項6】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記洗浄水筒(901)内に水中洗浄水冷却機(16A)を設置したことを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項7】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記洗浄水筒(901)に水管で連結した油水分離器(OIL WATER SEPERATOR,901B)を設置したことを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項8】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記ウォーターフィルター(WATER FILTER,14)が有機溶剤浄化の目的でカーボンフィルター(CARBON FILTER,14A)を利用したことを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項9】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記洗浄水筒(901)内に紫外線殺菌ランプ(UV STELIRITER,14B)を設置したことを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。
【請求項10】
請求項1に記載の遠心分離式の洗浄式空気清浄機において、前記本体(907)を垂直に設置したことを特徴とする遠心分離式の洗浄式空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−501614(P2013−501614A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524636(P2012−524636)
【出願日】平成22年8月8日(2010.8.8)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005190
【国際公開番号】WO2011/019170
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(512033501)
【氏名又は名称原語表記】YUN,Jang−shik
【Fターム(参考)】