説明

遠心分離機のローターユニット

流れている流体を浄化するための遠心分離機用のローターユニットであるローターユニット(12)は、互いに同軸に重ねられ、少なくとも一つの中央に配された流体流入穴を備えた複数のディスク要素(14)を備える。ここで、ディスク要素(14)は、ディスク要素(14)が、円周方向及び半径方向にディスク要素をガイドするために円周方向に分布され、かつ原則的に軸の方向に延びているいくつかのガイド要素(16)の上へ押されることによって、導入開口を持つ。ディスク要素(14)はともに、第1及び第2の端部要素(18,20)によって、ディスク要素の積み重ねの両端で保持される。ガイド要素(16)の少なくともいくつかの中央部は、ローターユニット(12)が回転している間の遠心力によるロッドのたわみを防止するために、交差支持構造によって相互連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流れている流体を浄化するための遠心分離機用のローターユニットに関する。ローターユニットは、互いに同軸に重ねられ、少なくとも一つの中央に配された流体流入穴を備えた複数のディスク要素を含む。ここで、ディスク要素は、そのディスク要素が、円周方向及び半径方向にディスク要素をガイドするために円周方向に分布され、かつ原則的に軸の方向に延びている、ガイド要素の上へ押されることによって、導入開口を持つ。また、ここで、ディスク要素はともに、第1及び第2の端部要素によって、ディスク要素の積み重ねの両端で保持される。少なくともいくつかのガイド要素は、ディスク要素がともに押圧されている一方で端部要素が互いのほうへ動かされ得るような方法で、端部要素と相互作用するように配置された結合ロッドを備える。加えて、ディスク要素を、そのディスク要素の間に小さいギャップ形成空間をもち、ともに押圧された状態で維持するために、結合ロッドとロックする方法で係合する手段が配置されている。ローターユニットは、モーターによって、周囲ハウジングの中で回転させられるように配置される。
【背景技術】
【0002】
軸方向に長いローターユニットを持つ上述した種類の遠心分離機において、ガイド及び結合ロッドの中央部のたわみの問題が、動作中にそれらの上に働く遠心力の結果として起き得る。たわみは、ロッドの長さの4乗に比例し、半径の2乗に反比例する。それゆえ、ロッドの長さを2倍にするには、4倍以上の直径を必要とし、これはロッドを単位長さあたり16倍の重さにする。その上、ローターユニットを通る流量容積を向上させるために、ディスク要素の流体流入穴の直径を増加させるのが普通である。この効力によって、ロッドは、外側へ動かされなければならず、これはロッド上の遠心力が、そしてその結果たわみの問題が、増加することを意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一つの目的は、公知の遠心分離機の上述した問題を除去するという解答を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のため、本発明は、ローターユニットの回転中、遠心力によるガイド要素のたわみを防止するために、導入部において述べたローターユニットのガイド要素の少なくともいくつかの中央部が交差支持構造の手段で相互に連結されることを提案する。これは、ロッドのたわみをごくわずかなレベルに減少させ、ローターユニット全体のかなりの強化と安定化の結果をもたらす。
【0005】
本発明によるローターユニットの適切な実施例は、付随する独立特許請求の範囲に定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、添付の図面を参照して、以下に、より詳細に述べられる。
【0007】
図1において、参照番号10は、ガス媒体中に浮遊する固体及び/又は液体の粒子を分離するための、例えば、油霧又は他の非常に細かい粒子を含む空気を浄化するための、本発明のローターユニット12を持つ遠心分離機を概して示す。ローターユニット12は、中心穴を持つ挿入板14の形で複数の堆積手段を備え、望ましくは、垂直方向の回転軸を持つ。その上にガス中に浮遊する固体及び/又は液体粒子が堆積によって堆積させられるべき挿入板14は、図1に図式的に示される形で、すなわち、軸方向の小さい空間によって分離され、互いに積み重ねられた円錐のディスク要素の形で、存在しえる。ディスク要素14は、導入貫通開口(図示せず)を持ち、それによってディスク要素14は、四つの、望ましくは円周方向に均等に分布する、基本的に軸方向の細長いガイド要素16(図2及び3)上に、ディスク要素を円周方向及び半径方向にガイドするために押しつけられる。ガイド要素16の数は、もちろん、より多くてよいが、少なくとも3つなければならない。ディスク要素14は、ディスク要素の積み重ねのそれぞれの端部で、上及び下の端部要素18,20によって一緒に保持される。ガイド要素16は、端部要素18,20が互いのほうへ移動させられるような方法で、端部要素18,20と相互作用するように配置されている結合ロッドのようにまたはそれを含むように設計され得、一方、中間のディスク要素14は、一緒に押圧され、ネジ/ナットのような適切な固定手段21の方法で固定され得る。静止した、円錐状のハウジング22は、ローターユニット12を取り囲み、浄化されるべきガス用の取り入れ口24を持つ。取り入れ口24は、ローターユニット12の中央入口軸26の前に位置する。ハウジング22は、浄化されたガスのため上端に配された出口28を持ち、また、初めディスク要素14の上に置かれ、それから遠心力によりハウジング22の内側に移される固体及び/又は液体の粒子のため、下端に配された出口30を持つ。
【0008】
ローターユニット12は、モーター32により、駆動軸34を介して駆動される。モーター32は、より詳細には示されていない方法で、円錐状のディスク14の穴によって形成される中央軸26の上部の内側でしっかりと浮かせられ得、周囲カバー27の手段によって、流体が流れる中央軸26の一部から分離される。駆動軸34の回転は、このカバー27と上端要素18とを介してローターユニット12へ伝えられ得る。
【0009】
本発明によれば、ガイド要素16の中央部を相互連結する交差支持構造36は、ローターユニット12の内側に配置されている。図1によれば、カバー27の中央軸方向拡大部29は、カバーをローターユニット12内の中心に置くために、交差支持構造36の中央部内に伸びることができる。このおかげで、ガイド要素のたわみが遠心分離機の動作中最小化されるように、ガイド要素16の中央部の位置固定が引き起こされる。これに関して、“中央部”は、単に端部要素18,20の間の、理想的な正確な中央位置を意味していないだけでなく、交差支持構造36とガイド要素16との間の相互接続が、ガイド要素のたわみを減少させるために、概ねその要素の中間部の上で起こり得、関連する用途において、それは無視してよいぐらい小さくなる。
【0010】
図2により詳細に示されるように、交差支持構造36は、もう一つの方法として、円周方向に分配された、少なくとも2つ、適切には4つ(又はそれ以上)の半径アーム40から突き出すハブ部分38を介して駆動軸34に接続され得る。半径アームの外側の端部は、ガイド要素16の中央部に適切な方法で接続されており、それゆえローターユニット12の回転は、交差支え構造36を介して引き起こされる。
【0011】
図3に示されるように、ガイド要素16は、それぞれ上部及び下部管状間隔要素16a,16bを備える。上部間隔要素16aは、その一端で上部端要素18の内側を支持し、他端でそれぞれのアーム40の半径方向外側端の上部を支持する。一方、下部間隔要素16bは、その一端で第2の端部要素20の内側を支持し、他端でそれぞれのアーム40の外側端の下側を支持する。結合ロッド42は、端部要素18,20、管状間隔要素16a,16b及びそれぞれのアーム40の外側端の穴を通して伸びる。上部及び下部端部要素18,20の外側上のナット(図示せず)及びスペーサスリーブ44の手段によって、端部要素18,20の間に配置された円錐状の堆積ディスク14の積み重ねは、結合ロッド42によってしっかりと固定される。アーム40と端部要素18,20との間に間隔要素を形成することに加えて、管状要素16a,16bはまた、円錐状のディスク14のためのガイド要素を形成する。多数のガイド要素16が使用されるとき、要素16のすべてが、それぞれ結合ロッド42を含まなければならないわけではなく、少なくとも3つのガイド要素16が結合ロッドを備えれば問題ない。
【0012】
本実施例におけるモーター32からローターユニット12への駆動伝達が、モーター駆動軸34からガイド要素16の中央部に直接起こるので、ガイド要素14の望ましくないたわみが抑制されるだけでなく、駆動軸とローターユニットとの間の駆動伝達を可能にするようにコストのかかる方法で予め設計された一つの端部要素が、今度は、例えば、他の端部要素のようにな単純な円錐状のディスクとして設計され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるローターユニットを有する遠心分離機の側面図である。
【図2】本発明によるローターユニットの斜視図であって、ローターのガイド要素の中央部間の交差支持構造を明確に示すために円錐挿入要素は除去されている。
【図3】本発明によるローターユニットの、挿入要素と駆動配置のないフレームの側面図であって、挿入要素のためのガイド要素は、交差支持構造のアームの半径方向外側の端部の軸ピンに取り付けられるツーピースの管状要素として設計されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動流体を浄化するための遠心分離機用のローターユニットであって、
ローターユニット(12)は、同軸に互いに積み重ねられ、中心に配置された流体流入穴を少なくとも一つ備えた複数のディスク要素(14)を備え、
前記ディスク要素(14)は、円周方向及び半径方向に当該ディスク要素(14)をガイドするために、前記ディスク要素(14)が円周方向に分布させたいくつかの基本的に軸方向に伸びたガイド要素(16)の上に押し付けられるという方法で、導入貫通開口を有し、
また、前記ディスク要素(14)はともに、第1及び第2の端部要素(18,20)によって、当該ディスク要素の積み重ね端部で、保持され、
前記ガイド要素(16)の少なくともいくつかは、前記ディスク要素(14)が互いに押圧されるとともに端部要素が互いの方へ移動させ得る方法で、端部要素(18,20)と相互接続するように配置された結合ロッド(42)備え、
加えて、手段(21)は、ディスク要素間に小さいギャップ形成空間を持ち、ともに押圧された状態に前記ディスク要素(14)を保つために、結合ロッド(42)と固定される方法で係合するように配置され、
前記ローターユニット(12)は、モーター(32)によって周囲ハウジング(22)内で回転させられるように配置され、
前記ローターユニット(12)の回転の間の遠心力によるガイド要素のたわみを抑えるために、ガイド要素(16)の少なくともいくつかの中央部が、交差支持構造(36)の手段で相互接続されている
ことによって特徴付けられるローターユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のローターユニットにおいて、
前記交差支持構造(36)が、前記ローターユニットを通る半径方向面内に位置し、円周方向に分布させた、アーム(40)の形で存在し、その半径方向内側端が、共通の中央ハブ(38)に接続され、かつその半径方向外側端が、前記端部要素(18,20)間で前記ガイド要素(16)の少なくとも3つの中央部に連結されている
ことによって特徴付けられるローターユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたローターユニットにおいて、
前記ローターユニット(12)は、駆動可能に駆動軸(34)に接続され、前記ローターユニット内に同軸上に配置されてモーター(32)に、前記交差支持構造(36)を介して接続されていることによって特徴付けられるローターユニット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載されたローターユニットにおいて、
前記ガイド要素(16)の少なくともいくつかはツーピース型であり、前記ガイド要素の第1のロッド部分(16a)は、その一端で第1の端部要素(18)に接続され、その他端で前記交差支持構造(36)のそれぞれのアーム(40)の半径方向外側端に接続され、一方、第2のロッド部分(16b)は、その一端で第2の端部要素(20)に接続され、その他端で前記それぞれのアーム(40)の外側端に接続され、前記ロッド部分(16a,16b)は、前記アーム(40)とそれぞれの端部要素(18,20)との間の間隔要素を構成する
ことによって特徴づけられるローターユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つのローターユニットにおいて、
ガイド要素(16;16A,16B)は管状要素として設計されている
ことによって特徴付けられるローターユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のローターユニットにおいて、
前記端部要素(18,20)、管状ロッド部分(16a,16b)及び結合されたアーム(40)外側端部を通って伸びるそれぞれの結合ロッド(42)が、少なくとも3つのガイド要素で統合される
ことによって特徴付けられるローターユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかひとつのローターユニットにおいて、
前記交差支持構造(36)はクモ(40)の形で存在する
ことによって特徴づけられるローターユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のローターユニットにおいて、
前記モーター(32)と前記駆動軸(34)とは基本的に前記ディスク要素(14)の中央流体流入穴によって区切られた、ローターユニットの中央軸(26)内に配置される
ことによって特徴付けられるローターユニット。
【請求項9】
請求項7に記載のローターユニットにおいて、
前記モーター(32)は、流体が流れる中央軸(26)の一部から、周囲カバー(27)の手段によって分離される
ことによって特徴付けられるローターユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−502473(P2008−502473A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516426(P2007−516426)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000848
【国際公開番号】WO2005/123220
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(506417083)3ニーネ アクチボラゲット (1)
【Fターム(参考)】