説明

遠心力ベース微細流動装置及びこれを有する生化学処理システム、並びに該微細流動装置の製造方法

【課題】微細流動装置をターンテーブルに固定させるために必要な領域を減らしながらも、ターンテーブルに安定的に固定可能な遠心力ベースの微細流動装置、それを備えた生化学処理システムを提供する。
【解決手段】磁力発生部117を備えたターンテーブル112がはめ込まれ、プラットホーム内に形成される装着通孔を備えた回転プラットホーム12と、前記装着通孔の前記ターンテーブル挿入側の反対側を閉じながら前記回転プラットホーム12に結合され、前記磁力発生部117の磁力により引き付けられる強磁性物質からなる部分を含むキャップ21と、を含む構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学処理を行う遠心力ベース微細流動装置の一実施例または複数の実施例に係り、特に、遠心力ベースの微細流動装置を含むシステム、及び該微細流動装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微細流動装置とは、内部に微細チャンネル(micro channel)、チャンバ(chamber)、反応領域(reaction region)などを備え、少量の生体試料を装置内に注入して、試料の培養(culture)、混合(mixing)、分離(separation)、濃縮(enrichment)などの生化学的処理が行えるように考案された装置である。なかでも、試料またはその他の流体を移送するための駆動圧力として遠心力を用いる装置を遠心力ベースの微細流動装置という。遠心力ベースの微細流動装置は典型的にディスク状に形成される。また、生化学的処理(主に実験室(laboratory)で行われる)を容易に行うことができ、遠心力ベースの微細流動装置は、Lab-on-a-diskまたはLab-on-a-CDとも呼ばれる。
【0003】
遠心力ベースの微細流動装置の内部で、生体試料は遠心力により微細流動装置の回転中心から遠ざかる方向に移動し、これにより、生体試料を内部に注入するためのインレットホール(inlet hole)は回転中心から相対的に近い位置に設けられる。
【0004】
通常の遠心力ベースの微細流動装置を用いた生化学処理装置は、微細流動装置を高速で安定して回転させるために、微細流動装置の回転中心に形成された通孔にはめ込まれるターンテーブル(turntable)と、該ターンテーブルがはめ込まれた微細流動装置の通孔周辺を加圧するクランプ(clamp)と、を備える。ところが、微細流動装置を安定的にクランピング(clamping)するためには、クランプの直径を大きくしなければならないが、こうすると、生体試料が注入されるインレットホールとクランプが過度に近づいたり、重なり合ったりするため、クランプが生体試料により汚染される可能性が高い。このような汚染は、生化学検査結果の信頼性を劣化させる。一方、インレットホールがクランプから十分に離れるようにインレットホールの位置を設定すると、直径の小さいディスク状の微細流動装置を設計することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
追加の様態及び/または利点は、以下に説明されたり、部分的には以下の説明から明らかになったり、本発明の実行から学習することができる。
【0006】
本発明の目的は、微細流動装置をターンテーブルに固定させるために必要な領域を減らしながらも、ターンテーブルに安定的に固定可能な遠心力ベースの微細流動装置と、該微細流動装置を備えた生化学処理システムと、該微細流動装置の製造方法を提供する。
【0007】
また、本発明の他の目的は、微細流動装置をターンテーブルに固定させるために微細流動装置をターンテーブルに加圧するクランプ(clamp)を省いた遠心力ベースの微細流動装置と、該微細流動装置を備えた生化学処理システムと、該微細流動装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための本発明の一実施例による遠心力ベース微細流動装置は、ターンテーブルに装着可能な遠心力ベース微細流動装置であって、試料の生化学的処理を行うための手段を含み、磁力発生部を備えたターンテーブルがはめ込まれる装着通孔を有する回転プラットホームと;前記装着通孔の前記ターンテーブル挿入側の反対側を閉じながら前記回転プラットホームに結合され、前記磁力発生部の磁力により引き付けられるように強磁性物質からなる部分を含むキャップと;を含むことができる。
【0009】
前記試料の生化学的処理を行うための手段は、試料が前記回転プラットホームの内部に注入されるインレットホールを含み、前記インレットホールと前記キャップの間の最短距離は少なくとも3mmにすることができる。
【0010】
前記キャップは、前記装着通孔の周辺部に付着されるフランジ部と;前記装着通孔にはめ込まれたターンテーブルに接触しないように前記フランジ部と段差をもって形成された段差面部と;を含むことができる。前記キャップは、中央部に形成される結合ガイドホールをさらに含むことができ、該結合ガイドホールの内径は略2mmとすることができる。前記フランジ部は、両面接着テープまたは接着剤を用いて前記周辺部に付着されることができる。
【0011】
前記回転プラットホームは、前記装着通孔の周辺部に前記フランジ部を収容できるように凹入されたキャップ収容溝をさらに含むことができる。
【0012】
また、本発明の他の実施例は、遠心力ベース微細流動装置を含む生化学処理システムを提供する。この遠心力ベース微細流動装置は、回転プラットホームと;遠心力ベース微細流動装置を回転させる生化学的処理装置の他に、強磁性物質から形成された部分を有する前記回転プラットフォームにも結合されるキャップと;を含むことができる。前記生化学的処理装置は、前記遠心力ベース微細流動装置のキャップに対応して磁力発生部を有するターンテーブルを含むことができる。前記遠心力ベース微細流動装置は、試料の生化学的処理を行うための手段をさらに含み、この手段は、流体を収容するように構成されるインレットホールを有し、このインレットホールを通じて生化学的試料が前記プラットホームに注入されることができる。
【0013】
なお、本発明の他の実施例による生化学処理システムは、遠心力ベース微細流動装置と;装着位置と分離位置との間で移動し、磁力発生部を有するターンテーブルと;を含む。前記ターンテーブルが装着位置にある時、前記キャップが、前記磁力発生部からの磁力により引き付けられ、前記遠心力ベース微細流動装置を前記ターンテーブルに固定させることができる。前記ターンテーブルは、前記回転プラットホームを支持する支持面と、該支持面から突出する装着突起と、をさらに含むことができる。この装着突起は、前記ターンテーブルが装着位置にあるときに装着通孔に挿入され、前記ターンテーブルが分離位置にあるときに装着通孔から外れることができる。
【0014】
前記磁力発生部は、永久磁石を含むことができる。
【0015】
上記生化学処理システムは、前記ターンテーブルが前記分離位置にある時、前記遠心力ベース微細流動装置を支持するトレイをさらに含むことができる。
本発明のさらに他の実施例による遠心力ベース微細流動装置の製造方法は、ターンテーブルがはめ込まれる装着通孔を有する回転プラットホーム、及び前記装着通孔を覆うような直径を有し、中央部に結合ガイドホールを有するキャップを用意する段階と;前記装着通孔の内径よりも大きい直径を有する支持面と、前記装着通孔の内径に対応する直径を有し、前記支持面から突設される回転プラットホーム整列突起と、前記結合ガイドホールの内径に対応する直径を有し、前記回転プラットホーム整列突起から突設されるキャップ整列突起と、を含むジグを用意する段階と;前記装着通孔に前記回転プラットホーム整列突起が挿入され、前記支持面が前記回転プラットホームを支持するように、前記ジグを前記回転プラットホームにはめ込む段階と;前記結合ガイドホールに前記キャップ整列突起が挿入されるように前記ジグを前記キャップにはめ込む段階と;前記ジグが前記回転プラットホーム及びキャップにはめ込まれた状態で前記キャップの周辺部を前記回転プラットホームに結合する段階と;を含むことができる。
【0016】
前記キャップの周辺部を前記回転プラットホームに結合する段階は、両面接着テープまたは接着剤により前記キャップを前記回転プラットホームに付着する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
遠心力ベース微細流動装置の一実施例によれば、ターンテーブルに微細流動装置を固定させるのに必要な領域を減らすことによって、インレットホール位置の制限による微細流動装置の設計上の困難を克服することができる。
【0018】
また、本発明の実施例によれば、微細流動装置と分離されたクランプが省かれるので、クランプ汚染による生化学検査の信頼性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例による遠心力ベース微細流動装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による遠心力ベース微細流動装置を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例による、図1及び図2の微細流動装置がターンテーブルから分離された状態を示す生化学処理システムの断面図である。
【図4】本発明の一実施例による、図1及び図2の微細流動装置がターンテーブルに固定された状態を示す生化学処理システムの断面図である。
【図5】本発明の一実施例による、図1の微細流動装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例による遠心力ベース微細流動装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について説明する。図面中、同一の構成要素には同一の参照符号を付する。
【0021】
図1及び図2はそれぞれ、本発明の一実施例による遠心力ベース微細流動装置を示す分解斜視図及び断面図である。
【0022】
図1及び図2を参照すると、本実施例による遠心力ベース微細流動装置10は、回転プラットホーム(rotational platform)12と、回転プラットホーム12に結合されるキャップ(cap)21と、を含む。回転プラットホーム12は、回転手段であるターンテーブル(turntable)(図3の112)に搭載され、ターンテーブル112の回転に従動して回転する。回転プラットホーム12の直径は、例えば、8cm、12cmなどを含む様々なサイズとすることができる。回転プラットホーム12は、前記ターンテーブル112がはめ込まれる装着通孔13を備える。装着通孔13の内径(ID1)は略15mmとすることができる。
【0023】
回転プラットホーム12は、生化学的処理を行うための手段を備える。試料の生化学的処理は、試料の培養(culture)、混合(mixing)、分離(separation)、濃縮(enrichment)などを含む。試料の生化学的処理を行うための手段は、例えば、生化学試料などの生化学的処理に必要な液体を注入するためのインレットホール(inlet hole)17、液体を移送するためのチャンネル(channel)18、液体を閉じ込めるためのチャンバ(chamber)19、試料の生化学反応がおきる反応領域(reaction region)(図示せず)、及び液体の流れを制御するバルブ(valve)(図示せず)などを含むことができる。
【0024】
ターンテーブル112は、回転プラットホーム12の下側から装着通孔13に挿入される。キャップ21は、ターンテーブル112の挿入側である下側の反対側である装着通孔13の上側を閉じる。キャップ21は、回転プラットホーム12の上側面における装着通孔13の周辺部14に付着される、リング(ring)状のフランジ部(flange portion)24と、リング状のフランジ部24の内側にフランジ部24と段差をもって形成された段差面部22を備える。
【0025】
キャップ21は、例えば、ステンレススチール(stainless steel)のような強磁性体にすることもでき、少なくとも一部分を強磁性体にすることもできる。キャップ21のフランジ部24は、回転プラットホーム12の周辺部14に両面接着テープ(図5の27)により付着することができる。この両面接着テープ(図5の27)に限定されず、本発明は、キャップ21のフランジ部24を回転プラットホーム12の周辺部14に付着する時にいずれの接着剤を使用しても良い。回転プラットホーム12に付着されたキャップ21とインレットホール17との最短間隔は、少なくとも3mmとする。キャップ21は中央部に結合ガイドホール26を有する。結合ガイドホール26の内径は、略2mmとするが、これに限定されず、様々な直径にしても良い。
【0026】
図3及び図4は、本発明の一実施例による生化学処理システムを示す断面図であり、図3は、微細流動装置がターンテーブルから分離された状態を示し、図4は、微細流動装置がターンテーブルに固定された状態を示す。
【0027】
図3及び図4を参照すると、本実施例による生化学処理システム100は、図1及び図2に示す微細流動装置10と、微細流動装置10を特定プログラムによって回転させて、生体試料の生化学的処理を誘導する生化学処理装置105と、を備える。生化学処理装置105はターンテーブル112を含む。
【0028】
ターンテーブル112は、スピンドルモーター110の回転軸(図示せず)に固定されて回転する。ターンテーブル112は、回転プラットホーム12を支持する支持面113と、支持面113に突設され、微細流動装置10の装着通孔13に挿入される装着突起115と、装着突起115に設けられた磁力発生部117と、を含む。磁力発生部117は、永久磁石を含むことができる。ターンテーブル112は、装着突起115が装着通孔13に挿入される装着位置(図4参照)と、装着突起115が装着通孔13から外れる分離位置(図3参照)との間で昇降可能である。
【0029】
生化学処理装置105は、ターンテーブル112が分離位置にある時に微細流動装置10を支持するトレイ(tray)120をさらに備える。トレイ120は、生化学処理装置105の外側に露出されるアンローディング(unloading)位置(図3の二点鎖線を参照)と、生化学処理装置105の内部に挿入されるローディング(loading)位置(図3の実線参照)との間で移動可能である。トレイ120は、微細流動装置10を支持する着座面122と、トレイ120がローディング位置にある時、ターンテーブル112が装着位置と分離位置との間で昇降可能なように開放されたトレイ開口124と、を含む。
【0030】
この生化学処理システム100を用いて生化学的処理を行う過程は、次の通りである。インレットホール(17、図1参照)から生体試料を注入した微細流動装置10を、アンローディング位置にあるトレイ120の着座面122に載置した後、このトレイ120をローディング位置に移動させる(図3参照)。次に、ターンテーブル112を装着位置に上昇させて、装着突起115を微細流動装置10の装着通孔13にはめ込む(図4参照)。ターンテーブル112の支持面113により微細流動装置10は上昇し、着座面122と離隔される。また、装着突起115の先端部は、キャップ21にわずかな間隔で接近できるが、キャップ21に触れることはない。たとえ、装着突起115とキャップ21が接触してはいないが、互いに近接しているため、磁力発生部117の強い磁力によりキャップ21が下方に引き付けられ、これにより、微細流動装置10はターンテーブル112に対して固定される。ターンテーブル112を回転させると、微細流動装置10はターンテーブル112に従動して安定的に回転することができる。
【0031】
一方、生化学処理装置105は、微細流動装置10内で生化学的に処理された生体試料中の一成分の有無、またはこの成分の濃度を蛍光検出するための手段をさらに備えることができる。例えば、この手段は、生化学的に処理された試料に光を照射するための光源、生化学的に処理された試料の光透過量、蛍光発現量などを把握するためのフォトセンサー(photo sensor)などを含むことができる。
【0032】
微細流動装置10を用いて生化学的処理を行った後に、ターンテーブル112を下降させると、ターンテーブル112は再び図3に示す分離位置に移動し、トレイ120をアンローディング位置に移動させ、微細流動装置10を生化学処理装置105から取り出すことができる。
【0033】
図5は、図1に示す微細流動装置10の製造方法を示す分解断面図である。
【0034】
図5を参照すると、微細流動装置10の製造方法は、上記の回転プラットホーム12及びキャップ21を用意する段階と、回転プラットホーム12とキャップ21を整列するジグ(jig)40を用意する段階と、ジグ40を回転プラットホーム12にはめ込む段階と、ジグ40をキャップ21にはめ込む段階と、回転プラットホーム12とキャップ21を結合する段階と、を含む。
【0035】
ジグ40は、回転プラットホーム12の装着通孔13の内径ID1よりも大きい直径を有する支持面41と、装着通孔13の内径ID1に対応する直径OD1を有し、支持面41から突出した回転プラットホーム整列突起43と、結合ガイドホール26の内径ID2に対応する直径OD2を有し、回転プラットホーム整列突起43から突出したキャップ整列突起45と、を含む。このジグ40を回転プラットホーム12にはめ込む際には、装着通孔13に回転プラットホーム整列突起43が挿入され、支持面41が回転プラットホーム12を支持するようにジグ40を回転プラットホーム12にはめ込む。ジグ40をキャップ21にはめ込む際には、結合ガイドホール26にキャップ整列突起45が挿入されるようにジグ40をキャップ21にはめ込む。
【0036】
回転プラットホーム12とキャップ21を結合する際には、ジグ40が回転プラットホーム12及びキャップ21にはめ込まれた状態でキャップ21の外周部に設けられたフランジ部24を回転プラットホーム12に結合する。フランジ部24に両面または二重接着テープ27を付着させ、続いて、フランジ部24を、回転フラットホーム12の一側面上の通孔13を封止しながら回転プラットホーム12に付着させることができる。キャップ21のフランジ部24を回転プラットホームに付着するときにいずれの接着剤を使用しても良い。
【0037】
図6は、本発明の他の実施例による遠心力ベース微細流動装置を示す分解斜視図である。図6の遠心力ベース微細流動装置50は、図1及び図2に示す遠心力ベース微細流動装置10と略同様の構成を有し、よって、以下では遠心力ベース微細流動装置10と異なる構成について説明する。
【0038】
図6を参照すると、遠心力ベース微細流動装置50も同様、回転プラットホーム52と、回転プラットホーム52に結合されるキャップ61を備える。回転プラットホーム52は、ターンテーブル112(図3参照)がはめ込まれる装着通孔53を有する。回転プラットホーム52は、生体試料の生化学的処理を行うための手段を備える。生化学的処理を行うための手段は、インレットホール57を含む。
【0039】
キャップ61は、ターンテーブル112が挿入される下側と反対側である装着通孔53の上側を閉じる。キャップ61は、リング(ring)状のフランジ部(flange portion)64と、リング状のフランジ部64の内側にフランジ部64と段差をもって形成された段差面部62と、を含む。回転プラットホーム52の装着通孔53の周辺部にはフランジ部64を収容するように凹入されたキャップ収容溝54が形成されている。キャップ収容溝54を介して回転プラットホーム52にキャップ61を容易に整列することができる。したがって、ジグ(40、図5参照)を省いても回転プラットホーム52にキャップ61を容易に結合することができる。フランジ部64は、両面接着テープ(27、図5参照)または接着剤(図示せず)により、プラットホーム52の一側面の装着通孔53を封止しながら回転プラットホーム52に付着させることができる。
【0040】
以上では具体的な実施例を挙げて本発明を説明してきたが、本発明の原理及び精神を逸脱しない限度内で様々な変形実施が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとっては明らかであり、本発明の思想は、特許請求の範囲とその均等物により定められるべきである。
【符号の説明】
【0041】
10,50 遠心力ベース微細流動装置
12,52 回転プラットホーム
13,53 装着通孔
17,57 インレットホール
21,61 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターンテーブルに装着可能な遠心力ベース微細流動装置であって、
試料の生化学的処理を行うための手段を備え、磁力発生部を備えたターンテーブルがはめ込まれ、プラットホーム内に形成される装着通孔を備えた回転プラットホームと、
前記装着通孔の前記ターンテーブル挿入側の反対側を閉じながら前記回転プラットホームに結合され、前記磁力発生部の磁力により引き付けられるように強磁性物質からなる部分を含むキャップと、
を含む遠心力ベース微細流動装置。
【請求項2】
前記試料の生化学的処理を行うための手段は、流体を収容するように構成されて、前記試料を前記回転プラットホームの内部に注入させるインレットホールを含むことを特徴とする、請求項1に記載の遠心力ベース微細流動装置。
【請求項3】
前記インレットホールと前記キャップの間の最短距離が、少なくとも3mmであることを特徴とする、請求項2に記載の遠心力ベース微細流動装置。
【請求項4】
前記キャップは、
前記装着通孔の周辺部に付着されるフランジ部と、
前記装着通孔にターンテーブルがはめ込まれるとき、該ターンテーブルから分離されるように、段差をもって前記フランジ部の内部に形成された段差面部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遠心力ベース微細流動装置。
【請求項5】
前記キャップは、中央部に形成される結合ガイドホールをさらに含み、該結合ガイドホールの内径は略2mmであることを特徴とする、請求項4に記載の遠心力ベース微細流動装置。
【請求項6】
前記フランジ部は、両面接着テープ及び接着剤のうち一つを用いて前記周辺部に付着されることを特徴とする、請求項4に記載の遠心力ベース微細流動装置。
【請求項7】
前記回転プラットホームは、前記装着通孔の周辺部に前記フランジ部を収容できるように凹入されたキャップ収容溝をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の遠心力ベース微細流動装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載による遠心力ベース微細流動装置と、
装着位置と分離位置との間で移動し、磁力発生部を有するターンテーブルと、
を含み、
前記装着位置の時に、前記キャップが前記磁力発生部の磁力により引き付けられ、前記遠心力ベース微細流動装置を前記ターンテーブルに固定することを特徴とする、生化学処理システム。
【請求項9】
前記磁力発生部は、永久磁石を含むことを特徴とする、請求項8に記載の生化学処理システム。
【請求項10】
前記ターンテーブルが前記分離位置にある時、前記遠心力ベース微細流動装置を支持するトレイをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の生化学処理システム。
【請求項11】
ターンテーブルがはめ込まれる装着通孔を有する回転プラットホーム、及び前記装着通孔を覆うような直径を有し、中央部に結合ガイドホールを有するキャップを用意する段階と、
前記装着通孔の内径よりも大きい直径を有する支持面と、前記装着通孔の内径に対応する直径を有し、前記支持面から突設される回転プラットホーム整列突起と、前記結合ガイドホールの内径に対応する直径を有し、前記回転プラットホーム整列突起から突設されるキャップ整列突起と、を含むジグを用意する段階と、
前記装着通孔に前記回転プラットホーム整列突起が挿入され、前記支持面が前記回転プラットホームを支持するように、前記ジグを前記回転プラットホームにはめ込む段階と、
前記結合ガイドホールに前記キャップ整列突起が挿入されるように前記ジグを前記キャップにはめ込む段階と、
前記ジグが前記回転プラットホーム及びキャップにはめ込まれた状態で前記キャップの周辺部を前記回転プラットホームに結合する段階と、
を含む遠心力ベース微細流動装置の製造方法。
【請求項12】
前記キャップの周辺部を前記回転プラットホームに結合する段階は、両面接着テープにより前記キャップを前記回転プラットホームに付着する段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の遠心力ベース微細流動装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−210626(P2010−210626A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51553(P2010−51553)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】