説明

遠心圧縮機

【課題】ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】コンプレッサ11は、ディフューザ流路を形成するディフューザプレート52およびシュラウド側壁部17と、ディフューザプレート52に設けられ、シュラウド側壁部17側に向かってディフューザ流路に突出したベーン51と、ベーン51と対向する部分のシュラウド側壁部17に設けられ、ベーン51の軸方向に移動することでディフューザ流路に出没する壁部プレート61と、導入される流体によって壁部プレート61の移動を制御する移動制御室62と、移動制御室62と連結し、インペラ13から吐出される流体よりも低温の流体を移動制御室62に導入する導入通路64と、を備え、ベーン51が作動していない間は壁部プレート61を突出させ、ベーン51が作動中は壁部プレート61を退避させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠心圧縮機に関し、特にディフューザ流路に案内羽根を有する遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インペラとスクロールとの間に設けられ、インペラで増速された流体を減速加圧するディフューザ翼(ベーン)をディフューザ流路に設けた遠心圧縮機が知られている。ディフューザ流路にベーンを設けることで遠心圧縮機の圧縮効率を高めることができるが、適用可能な流量範囲が狭くなる。そのため、流量域に応じてディフューザ流路にベーンを出没させる構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような構成により、低流量域ではベーンをディフューザ流路に突出させて圧縮効率を高めることができ、高流量域ではベーンをディフューザ流路から退避させて圧縮効率の低下を抑制することができる。すなわち、広い流量範囲で高い圧縮効率を得ることができる。
【0003】
また、流量域に応じてディフューザ流路のベーン角度を変更する構成が提案されており(例えば特許文献2参照)、このような構成によっても広い流量範囲で高い圧縮効率を達成することができる。
【0004】
このような出没式(または角度変更式)ベーンを有する遠心圧縮機では、ベーン端面と反対側のディフューザ流路壁との間に僅かなクリアランスが生じる。このクリアランスを通じて流体がベーンを迂回するために流体エネルギが損失されて遠心圧縮機の効率が低下してしまう。そこで、特許文献1に開示された技術では、出没式ベーンの突出時にベーン端面を反対側のディフューザ流路壁に密着させることで翼端隙間損失の低減を図っている。また、特許文献2に開示された技術では、角度変更式ベーンの反対側のディフューザ流路壁をバネ力によってベーン側に押し付けることで翼端隙間損失の低減を図っている。
【0005】
更に、ベーンの配置個所に対向する側板を移動自在に構成し、ベーン下流側に設けた連通孔から流入した流体の圧力によって側板をベーン側に移動させて押し付けることで翼端隙間損失を低減する技術が特許文献3に開示されている。
【0006】
また、出没式ベーンの端面にクラウンプレートを設け、ベーンの突出時にクラウンプレートを反対側のディフューザ流路壁に咬合させることで翼端隙間損失を低減する技術が特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−329996号公報
【特許文献2】特開昭62−060998号公報
【特許文献3】特開平05−071498号公報
【特許文献4】特開2004−197612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、内燃機関の過給機として使用される遠心圧縮機は、インペラ上流にオイルミストを含んだブローバイガスを導入する構成が広く採用されている。そのため、回転力のエネルギ源として用いる排ガスからの受熱および圧縮による空気温度上昇によって遠心圧縮機が高温となると、導入されたオイルミストがデポジットとなってディフューザ流路に堆積してゆく。このようなデポジットの堆積が進行すると、出没式ベーンを反対側のディフューザ流路壁に密着させる際にクリアランスが生じて翼端隙間損失が増大してしまう。そのため、ディフューザ流路における圧縮効率が低下してしまうおそれがある。
【0009】
また、ベーン下流側に設けた連通孔から流入した流体の圧力によってベーンの配置個所に対向する側板をベーン側に移動させる場合、ベーンを通過して下流側の連通孔より流入した流体が側板を移動させるためのクリアランスからベーン上流側に漏れ出てしまう。そのため、ディフューザ流路における圧縮効率が低下してしまうおそれがある。
【0010】
そして、角度変更式ベーンの反対側のディフューザ流路壁をベーン側に押し付ける場合、ベーン角度の変更動作を繰り返すことでベーンとディフューザ流路壁の接触部分が磨耗してクリアランスが生じてしまう。また、ベーンとディフューザ流路壁の接触部分の摩擦力によってベーン角度変更の応答性が低下し、ベーン角度変更の指令から実際に変更されるまでのタイムラグが大きくなる。そのため、圧縮効率の指令値に対してディフューザ流路における実圧縮効率がずれてしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の遠心圧縮機は、コンプレッサのハウジング内で回転するインペラから吐出される流体の運動エネルギを圧力に変換するディフューザ流路を有する遠心圧縮機であって、前記ディフューザ流路を形成する第1壁部と、前記第1壁部と対向し、前記第1壁部とともに前記ディフューザ流路を形成する第2壁部と、前記第1壁部に設けられ、前記第2壁部側に向かって前記ディフューザ流路に突出した案内羽根と、前記案内羽根と対向する部分の前記第2壁部に設けられ、前記案内羽根の軸方向に移動することで前記ディフューザ流路に出没する出没部と、導入される流体により前記出没部の移動を制御する移動制御部と、前記移動制御部と連結し、前記インペラから吐出される流体よりも低温の流体を前記移動制御部に導入する導入部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
上記の構成により、低流量域では第2壁部に設けられた出没部を案内羽根側に移動させることで案内羽根と第2壁部との間の翼端隙間損失を低減することができる。また、案内羽根を作動させる間は出没部を案内羽根と反対側に移動させることで案内羽根の動作の応答性を高めることができる。更に、インペラから吐出される流体よりも低温の流体を出没部の移動制御に用いることで出没部の高温化を抑制し、出没部へのデポジットの堆積を低減することができることから、デポジット堆積に基づく翼端隙間損失を低減することができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0014】
特に、本発明の遠心圧縮機は、前記導入部が、前記コンプレッサで加圧された後に外部において冷却された流体を前記移動制御部へ導入する構成である。
【0015】
上記の構成により、出没部の移動制御部に充分な圧力の流体を導入しつつ、出没部の高温化を適切に抑制することができる。
【0016】
また、本発明の遠心圧縮機は、前記移動制御部が、前記導入部を通じて導入される流体の導入量を調節する調節部と、前記出没部を前記案内羽根と反対側の方向へ付勢する付勢部と、を備え、前記出没部が、前記調節部によって調節された流体の導入量と前記付勢部の付勢力との差分に基づいて前記案内羽根の軸方向に移動する構成であってもよい。
【0017】
上記の構成により、出没部の移動制御部に導入する流体の導入量を調節することで、ディフューザ流路への出没部の突出量を任意に制御することができる。例えば、移動制御部に導入される流体の圧力が付勢部材の付勢力を上回る圧力になるよう流体の導入量を調節することで、出没部をディフューザ流路に突出させることができる。また、移動制御部に導入される流体の圧力が付勢部材の付勢力未満の圧力になるよう流体の導入量を調節することで、出没部をディフューザ流路から退避させることができる。
【0018】
そして、本発明の遠心圧縮機は、前記案内羽根が、前記インペラに対する羽根の角度を変更可能な構成であって、前記移動制御部が、前記案内羽根が前記インペラに対する羽根の角度を変更する間、前記出没部を前記案内羽根と反対側に移動させる構成であってもよい。
【0019】
上記の構成により、案内羽根の角度を変更する際の動作の応答性を高めることができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0020】
更に、本発明の遠心圧縮機は、前記案内羽根が、前記ディフューザ流路に出没可能な構成であって、前記ディフューザ流路への前記案内羽根の突出量を規制する規制部を備え、前記移動制御部が、前記規制部が前記ディフューザ流路への前記案内羽根の突出量を規制した後に前記出没部を前記案内羽根側に移動させる構成であってもよい。
【0021】
上記の構成により、案内羽根と出没部とが接する際の衝撃を和らげることができることから、接触時の衝撃による案内羽根の変形や接触面の磨耗を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例のコンプレッサの概略図である。
【図2】ディフューザ部の要部断面図である。
【図3】可変ベーン機構の分解構成図である。
【図4】可変ベーン機構および壁部プレートの動作例を示している。
【図5】ディフューザ部の要部断面図である。
【図6】可変ベーン機構の分解構成図である。
【図7】可変ベーン機構および壁部プレートの動作例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は実施例1のコンプレッサ(遠心式圧縮機)11の概略図である。コンプレッサハウジング12はコンプレッサ11の筐体をなしている。コンプレッサハウジング12はインペラ収容部12aを備えている。インペラ収容部12aにはインペラ13が収容されている。インペラ13はシャフト14により回転駆動される。シャフト14は例えばタービンと連結できる。すなわち、コンプレッサ11は例えばターボ過給機に用いることができる。
【0026】
コンプレッサハウジング12内には、吸入口12bから流体が吸入される。吸入された流体はインペラ13に向かって流通し、インペラ13の回転により外側に向けて送り出される。インペラ13の外側にはスクロール部15が設けられている。インペラ13により外側に向けて送り出された流体は、スクロール部15を介して例えばエンジンの吸気マニホルド等に供給される。インペラ13とスクロール部15との間には、ディフューザ流路を有するディフューザ部16が設けられている。ディフューザ部16はインペラ13の周囲に隣接して設けられている。ディフューザ部16は、インペラ13が送り出す流体の運動エネルギを圧力に変換する。
【0027】
ディフューザ部16の詳細については、図2を用いて説明する。図2は、ディフューザ部16の要部断面図である。図2では、ベーン51の幅方向に沿った断面を示している。本実施例のコンプレッサ11は、ディフューザ流路を形成するシュラウド側壁部17およびディフューザプレート52を有している。また、コンプレッサ11は、ディフューザプレート52に設けられたベーン51の羽根部分の角度を変更可能な可変ベーン機構50をハブ側に有している。そして、コンプレッサ11は、ベーン51に対向するシュラウド側の部分に壁部プレート61を有している。
なお、シュラウド側壁部17は、本発明の第2壁部の一構成例である。
【0028】
図2に示すように、コンプレッサ11は可動式のベーン51を備えている。ベーン51はハブ側のディフューザプレート52に設けられた案内羽根であって、ディフューザ流路に対して環状の列をなすようにして複数設けられている。ベーン51は、その羽根部分の長手方向がインペラ13の方向に対してなす角度を変更可能に構成される。ベーン51は、その羽根部分の端面が対向するシュラウド側の壁部プレート61と僅かなクリアランスを有する位置までディフューザ部16に突出している。ベーン51の端面は平坦な形状であって、同じく平坦な形状である壁部プレート61の突出部61aと隙間なく当接する。
なお、ベーン51は、本発明の案内羽根の一構成例である。
【0029】
ベーン51は、可変ベーン機構50に組み込まれている。可変ベーン機構50は、インペラ13の背後側からコンプレッサハウジング12に組み付けられている。可変ベーン機構50はベーン51を可動にする。可変ベーン機構50について、図3を用いて説明する。
【0030】
図3は、可変ベーン機構50の分解構成図である。可変ベーン機構50は、図3に図示された側を表面側として、表面側をコンプレッサ11側に合わせた向きでコンプレッサハウジング12に組み付けられる。可変ベーン機構50はベーン51のほか、ディフューザプレート52と、第1リング53と、第2リング54と、駆動アーム55と、シールプレート56と、駆動リンク57と、駆動ロッド58とを備えている。
【0031】
ディフューザプレート52は、インペラ13の軸周りに設けられた環状の部材であり、コンプレッサハウジング12のシュラウド側壁部17とともにディフューザ流路を形成する流路壁部である。ディフューザプレート52は貫通孔52aを有している。貫通孔52aは、ベーン51のシャフト51aと相似形状に貫通した孔であって、ベーン51を回転可能に保持する。貫通孔52aはベーン51毎に複数設けられており、ベーン51が羽根部分の角度を変更することを可能にする。
なお、ディフューザプレート52は、本発明の第1壁部の一構成例である。
【0032】
ディフューザプレート52の背後には、第1リング53が設けられている。第1リング53は円筒状の部材であり、インペラ13の軸周りに回転可能に設けられる。第1リング53は凹状の溝部53aを複数備えている。これら溝部53aは、第1リング53の外周面側に設けられている。また、第1リング53は係合部53bを備えており、係合部53bは駆動アーム55と係合している。
【0033】
溝部53aは第1リング53の周方向に沿って複数設けられており、各溝部53aはそれぞれ第2リング54の内周面側に設けられた突起部54aと係合する。第2リング54は円筒状の部材であり、第1リング53の回転と同期してインペラ13の軸周りに回転可能に設けられる。第2リング54はアーム54bを有している。アーム54bはベーン51毎に設けられており、それぞれ各ベーン51のシャフト51aと接合されている。アーム54bはシャフト51aとの接合部分を軸として回転可能にシールプレート56に取り付けられている。これら第1リング53、第2リング54およびシールプレート56はピボット機構を構成している。
【0034】
上記のピボット機構は第1リング53の回転に応じて次のように作動する。例えば第1リング53が右方向に回転した場合、第1リング53の回転に同期して第2リング54が右方向に回転する。第2リング54が右方向に回転するとアーム54bの端部側(突起部54a側)が右方向に移動するために、アーム54bが他端部側(シャフト51aと接合部分)を軸として右方向に回転する。このアーム54bの回転に伴って、アーム54bに接合されたシャフト51a、すなわちベーン51が右方向に回転する。同様に、第1リング53が左方向に回転した場合にはベーン51が左方向に回転する。ピボット機構はこのようにしてベーン51の羽根部分の角度を変更する。
【0035】
第1リング53と係合した駆動アーム55は、駆動リンク57を介して駆動ロッド58に連結している。駆動ロッド58は図示しないアクチュエータと接続されており、外部からの第1リング53の駆動を可能にする。したがって、第1リング53は、駆動ロッド58を介した駆動入力によって回転駆動する。
【0036】
上記の可変ベーン機構50によって、ベーン51は、コンプレッサ11が低負荷領域(低流量域)にあるときはインペラ13から吐出される流体との接触面積が増大するように羽根部分の角度を変更される。これによってコンプレッサ11の圧縮効率を高めることができる。
また、上記の可変ベーン機構50によって、ベーン51は、コンプレッサ11が高負荷領域(高流量域)にあるときはインペラ13から吐出される流体との接触面積が減少するように羽根部分の角度を変更される。これによって、ベーン51と流体との衝突損失を低減することができる。
【0037】
図2に戻り、壁部プレート61は、インペラ13の軸周りに設けられた環状の部材であり、シュラウド側壁部17およびディフューザプレート52とともにディフューザ流路を形成する流路壁部である。壁部プレート61は、ベーン51に対向する部分のシュラウド側壁部17に設けられた移動制御室62に収納されている。
【0038】
壁部プレート61はベーン51の回転軸方向(またはインペラ13の回転軸方向)に沿って移動可能に設けられている。壁部プレート61は、ベーン51側に凸状に突出した突出部61a、および突出部61aの周囲に形成された鍔部61bによって構成される。突出部61aは、流体の流れ方向に対する大きさが対向するベーン51の長手方向よりも大きい構成となっており、ベーン51がいずれの角度をとってもその端面の全部と接触できる。また、突出部61aの端面は平坦な形状であって、同じく平坦な形状であるベーン51の端面と隙間なく当接することができる。
【0039】
シュラウド側壁部17は、ベーン51と対向する部分に窓部61cを有している。窓部61cは、壁部プレート61の突出部61aと相似形状にディフューザ流路側に貫通しており、突出部61aがディフューザ流路へ突出することを可能にする。また、シュラウド側壁部17の背面側には移動制御室62が設けられている。移動制御室62はコンプレッサハウジング12およびシュラウド側壁部17によって形成される中空の部屋である。移動制御室62は、壁部プレート61全体を収容可能な程度の充分な空間を有しており、壁部プレート61(突出部61a)がディフューザ流路から退避することを可能にする。この構成によって壁部プレート61がディフューザ流路へ出没することを可能にする。
【0040】
壁部プレート61は、ベーン51側の方向へ移動するときにベーン51の端面と接触(当接)することでディフューザ流路への突出量が規制される。また、壁部プレート61は、ベーン51と反対側の方向へ移動するときに突出部61aの端面がシュラウド側壁部17と同一面上になる(すなわち、対向するベーン51の端面と所定のクリアランスを有する)ように移動制御室62に収容される。
なお、壁部プレート61は、本発明の出没部の一構成例である。また、移動制御室62は、本発明の移動制御部の一構成例である。
【0041】
移動制御室62のベーン51側には弾性部材63が設けられている。弾性部材63はゴムやシリコン等の弾性体で構成されており、壁部プレート61の鍔部61bとシュラウド側壁部17の窓部61cとの間をシールし、ディフューザ流路と移動制御室62との間の流体移動を抑制する。また、弾性部材63は、その弾性力によって壁部プレート61をベーン51と反対側の方向(突出部61aがディフューザ流路から退避する方向)へ付勢する。
なお、弾性部材63は、本発明の付勢部(移動制御部)の一構成例である。
【0042】
移動制御室62には導入通路64が連結している。導入通路64の他端部はコンプレッサ11を搭載する内燃機関のインタークーラ出口通路と連結しており、コンプレッサ11で加圧された後にインタークーラで冷却された流体を移動制御室62に導入する。導入通路64には調節弁65が設けられている。調節弁65はシャッタ式の開閉弁であって、弁開度を調節することでインタークーラ出口通路から移動制御室62に導入される流体の単位時間あたりの導入量を調節可能な構成である。この場合、調節弁65は開閉式に限られずバタフライ式等の流体圧力を調節可能な他の構成を採用してもよい。
【0043】
すなわち、調節弁65が開いて導入通路64が開放されると、導入通路64を通じて流体が移動制御室62に導入される。すると、移動制御室62に導入された流体の圧力が弾性部材63の付勢力を上回ることで、壁部プレート61がベーン51側の方向に移動する(ディフューザ流路に突出する)。
また、調節弁65が閉じて導入通路64が閉鎖されると、移動制御室62への流体の導入が停止する。すると、弾性部材63の付勢力によって壁部プレート61がベーン51の反対側の方向に移動する(ディフューザ流路から退避する)。
【0044】
そして、調節弁65の弁開度を調節する、すなわち移動制御室62に導入される流体の導入量を調節して移動制御室62内の圧力を調節することで、ディフューザ流路への壁部プレート61の突出量を任意に調節することができる。
なお、導入通路64は、本発明の導入部の一構成例である。また、調節弁65は、本発明の調節部(移動制御部)の一構成例である。
【0045】
つづいて、実施例の可変ベーン機構50および壁部プレート61の作動制御について説明する。可変ベーン機構50および壁部プレート61の作動制御は、例えば外部に設けられたECU(Electronic Control Unit)によってアクチュエータを制御することで実行する。
【0046】
図4は、可変ベーン機構50および壁部プレート61の動作例を示している。コンプレッサ11の運転領域が比較的低負荷にある、すなわちコンプレッサ11内を流れる空気量が所定値未満の場合、アクチュエータによって第1リング53を回転させて、インペラ13から吐出される流体との接触面積が増大するようにベーン51の羽根部分の角度を変更する。これによってコンプレッサ11の低負荷領域(低流量域)における圧縮効率を向上させる。そして、ベーン51が角度を変更される間(作動中)に、調節弁65を閉鎖して移動制御室62への流体の導入を停止する。これによって壁部プレート61をベーン51の反対側の方向に移動させてディフューザ流路から退避させ、ベーン51と壁部プレート61とが接触しないようにする(図4(a)参照)。ベーン51の角度の変更が完了すると、調節弁65を開放して移動制御室62へインタークーラで冷却された流体を導入する。これによって壁部プレート61を流体の圧力によってベーン51側の方向に移動させてディフューザ流路に突出させ、ベーン51と壁部プレート61とを隙間なく接触(当接)させる(図4(b)参照)。
【0047】
このように、ベーン51を回転方向に作動させる間はベーン51と壁部プレート61とを非接触とすることで、ベーン51の回転動作の応答性を高めることができる。また、ベーン51の回転動作が停止している間はベーン51と壁部プレート61とを当接させることで、ベーン51と壁部プレート61との間の翼端隙間損失を低減することができる。更に、インタークーラで冷却された流体(すなわちインペラ13から吐出される流体よりも低温の流体)を移動制御室62へ導入することで、壁部プレート61の高温化を抑制し、壁部プレート61へのデポジットの堆積を低減することができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0048】
一方、コンプレッサ11の運転領域が比較的高負荷にある、すなわちコンプレッサ11内を流れる空気量が所定値以上の場合は、アクチュエータによって第1リング53を回転させて、インペラ13から吐出される流体との接触面積が減少するようにベーン51の羽根部分の角度を変更する。これによってコンプレッサ11の高負荷領域(高流量域)における流体とベーン51との衝突損失を低減させる。そして、コンプレッサ11の運転領域が高負荷領域(高流量域)にある間は、調節弁65を閉鎖して移動制御室62への流体の導入を停止する。これによって壁部プレート61をベーン51の反対側の方向に移動させてディフューザ流路から退避させ、ベーン51と壁部プレート61とが接触しないようにする(図4(a)参照)。すなわち、壁部プレート61の突出部61aの端面をシュラウド側壁部17と同一面上にすることでディフューザ流路における流体抵抗を低下させる。
【0049】
このように、コンプレッサ11の運転領域が高負荷領域(高流量域)にある間はベーン51と壁部プレート61とを非接触とすることで、ディフューザ流路における流体抵抗を低下させることができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。この場合、壁部プレート61の高温化を抑制するために、ベーン51の回転動作が停止している間に調節弁65を開放し、移動制御室62へインタークーラで冷却された流体を導入してもよい。
【0050】
以上のように、本実施例のコンプレッサは、ディフューザ流路を形成するディフューザプレートおよびシュラウド側壁部と、ディフューザプレートに設けられ、シュラウド側壁部側に向かってディフューザ流路に突出したベーンと、ベーンと対向する部分のシュラウド側壁部に設けられ、ベーンの軸方向に移動することでディフューザ流路に出没する壁部プレートと、導入される流体を用いて壁部プレートの移動を制御する移動制御室と、移動制御室と連結し、インペラから吐出される流体よりも低温の流体を移動制御室に導入する導入通路と、を備え、低流量域では壁部プレートをベーン側に移動させて当接させることでベーンと壁部プレートとの間の翼端隙間損失を低減することができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0051】
また、本実施例のコンプレッサは、コンプレッサで加圧された後に外部において冷却された流体を移動制御室へ導入することで、壁部プレートの高温化を抑制し、壁部プレートへのデポジットの堆積を低減することができる。よって、デポジットの堆積に基づく翼端隙間損失を低減することができることから、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0052】
そして、本実施例のコンプレッサは、ベーンがインペラに対する羽根の角度を変更している間は調節弁を閉鎖し、弾性部材の付勢力によって壁部プレートをベーンと反対側に移動させることで、ベーンの動作の応答性を高めることができる。
【実施例2】
【0053】
つづいて、本発明の実施例2について説明する。実施例2のコンプレッサ111は、複数のベーン151がコンプレッサ111の軸方向に沿って移動可能な構成であるスライド式の可変ベーン機構150をハブ側に有する点で実施例1と相違する。
【0054】
ディフューザ部116の詳細については、図5を用いて説明する。図5は、ディフューザ部116の要部断面図である。なお、実施例1と同様の構成については、図面中同じ番号を付している。図5では、ベーン151の幅方向に沿った断面を示している。本実施例のコンプレッサ111は、ディフューザ流路を形成するシュラウド側壁部17およびハブ側壁部プレート152を有している。また、コンプレッサ111は、ハブ側壁部プレート152に設けられたスリット152aを通じてベーン151をディフューザ流路に出没可能なスライド式の可変ベーン機構150をハブ側に有している。
【0055】
ベーン151はハブ側壁部プレート152側に設けられた案内羽根であって、それぞれ壁部プレート61と対向する位置にディフューザ流路に対して環状の列をなすようにして複数設けられている。ベーン151は、その羽根部分の長手方向をインペラ13のシャフト14の方向に対して所定の角度をつけて配置される。ベーン151は、ハブ側壁部プレート152のスリット152aを通じてディフューザ流路に出没可能な構成である。
なお、ベーン151は、本発明の案内羽根の一構成例である。
【0056】
ベーン151は、可変ベーン機構150に組み込まれている。可変ベーン機構150は、インペラ13の背後側からコンプレッサハウジング12に組み付けられている。可変ベーン機構150はベーン151を可動にする。可変ベーン機構150について、図6を用いて説明する。
【0057】
図6は、可変ベーン機構150の分解構成図である。可変ベーン機構150は、図6に図示された側を表面側として、表面側をコンプレッサ111側に合わせた向きでコンプレッサハウジング12に組み付けられる。可変ベーン機構150はベーン151のほか、ハブ側壁部プレート152と、ディフューザプレート153と、カムリング154と、駆動ロッド155と、スプリング156と、収容部157とを備えている。
【0058】
ハブ側壁部プレート152は、コンプレッサハウジング12のシュラウド側壁部17とともにディフューザ流路を形成する流路壁部である。ハブ側壁部プレート152はスリット152aを有している。スリット152aは、ベーン151と相似形状に貫通した孔である。スリット152aは、壁部プレート61と対向する位置にベーン151毎に複数設けられており、ベーン151がディフューザ流路へ出没することを可能にする。
なお、ハブ側壁部プレート152は、本発明の第1壁部の一構成例である。
【0059】
ハブ側壁部プレート152の背後には、ディフューザプレート153が設けられている。ディフューザプレート153は環状の部材であり、ディフューザプレート153にはベーン151が設けられている。ベーン151は、ディフューザプレート153の表面側に環状の列をなすようにして複数設けられている。本実施例では、これら複数のベーン151がディフューザプレート153に一体形成されている構成である。ディフューザプレート153はコンプレッサ11の軸方向に沿って移動可能に設けられている。ディフューザプレート153はコンプレッサ11の軸方向に沿って移動することで、ベーン151をディフューザ流路に出没させる。
【0060】
また、ディフューザプレート153は、ベーン151がディフューザ流路に一定量突出するとハブ側壁部プレート152の一部と干渉(接触)してベーン151の突出を停止させる。すなわち、ディフューザプレート153は、ベーン151の突出量を規制することで、ベーン151が突出する際に対向する壁部プレート61と干渉することを抑制する。
なお、ディフューザプレート153は、本発明の規制部の一構成例である。
【0061】
ディフューザプレート153の背後には、カムリング154が設けられている。カムリング154は円筒状の部材であり、コンプレッサ111(インペラ13)の軸周りに回転可能に設けられる。カムリング154は突き出し部154aと、引き込み部154bと、接続部154cとを備えている。これら突き出し部154a、引き込み部154bおよび接続部154cは、カムリング154の表面側に設けられている。これら突き出し部154a、引き込み部154bおよび接続部154cは、カムCMを構成している。カムCMは、ディフューザプレート153にカムCM毎に設けられたカム係合部153aと係合する。
【0062】
上記のカム機構はカムリング154の回転に応じて次のように作動する。例えばカムリング154が矢印Cc方向に回転した場合、カム機構はベーン151をディフューザ流路に突出させるように作動する。また矢印Ocの方向に回転した場合、カム機構はベーン151をスリット152aに埋没させる(退避させる)ように作動する。カム機構はこのようにしてベーン151をディフューザ流路に出没させる。
【0063】
カムリング154と連結した駆動ロッド155は図示しないアクチュエータと接続されており、外部からのカムリング154の駆動を可能にする。したがって、カムリング154は、駆動ロッド155を介した駆動入力によって回転駆動する。
【0064】
上記の可変ベーン機構150によって、ベーン151は、コンプレッサ111が低負荷領域(低流量域)にあるときはインペラ13から吐出される流体と接触するようにディフューザ流路に突出される。これによってコンプレッサ111の圧縮効率を高めることができる。
また、上記の可変ベーン機構150によって、ベーン151は、コンプレッサ111が高負荷領域(高流量域)にあるときはインペラ13から吐出される流体と接触しないようにディフューザ流路から退避される。これによって、ベーン151と流体との衝突損失を低減することができる。
【0065】
スプリング156は金属製の弾性部材であって、ハブ側壁部プレート152とディフューザプレート153との間に設けられている。スプリング156はディフューザプレート153をカムリング154側に付勢する。そしてこれにより、ディフューザプレート153の不要な動きを規制する。スプリング156は次のようにして設けることができる。すなわち、ディフューザプレート153の表面側にスプリング156を収納可能な収納部156bを周方向に沿って均等に複数(例えば3つ)設ける。そして、各収納部156bにスプリング156を設ける。収納部156bは有底円筒状の形状に形成することができる。この場合、スプリング156は金属製の弾性部材に限られずに、ディフューザプレート153をカムリング154側に付勢可能な他の構成であってもよい。
【0066】
収容部157はコンプレッサハウジング12およびハブ側壁部プレート152によって形成される中空の部屋である。収容部157は、ベーン151全体を収容可能な程度の充分な空間を有しており、カム機構の作動に応じてスリット152aに埋没される(退避される)ベーン151を収容する。
【0067】
上記の可変ベーン機構150によって、ベーン151はその端面が対向する壁部プレート61の端面と接触しない位置まで突出される。すなわち、ベーン151は対向する壁部プレート61の端面と所定のクリアランスを有する位置まで突出される。
【0068】
つづいて、実施例の可変ベーン機構150および壁部プレート61の作動制御について説明する。可変ベーン機構150および壁部プレート61の作動制御は、実施例1と同様に例えば外部に設けられたECUによってアクチュエータを制御することで実行する。
【0069】
図7は、可変ベーン機構150および壁部プレート61の動作例を示している。コンプレッサ111の運転領域が比較的低負荷にある、すなわちコンプレッサ111内を流れる空気量が所定値未満の場合、アクチュエータによってカムリング154を回転させて、インペラ13から吐出される流体と接触するようにベーン151をディフューザ流路に突出させる。これによってコンプレッサ111の低負荷領域(低流量域)における圧縮効率を向上させる。そして、ベーン151がディフューザ流路に突出する間(作動中)に、調節弁65を閉鎖して移動制御室62への流体の導入を停止する。これによって壁部プレート61をベーン151の反対側の方向に移動させてディフューザ流路から退避させ、ベーン151と壁部プレート61とが接触しないようにする(図7(a)参照)。ベーン151のディフューザ流路への突出が完了すると、調節弁65を開放して移動制御室62へインタークーラで冷却された流体を導入する。これによって壁部プレート61を流体の圧力によってベーン151側の方向に移動させてディフューザ流路に突出させ、ベーン151と壁部プレート61とを隙間なく接触(当接)させる(図7(b)参照)。
【0070】
このように、ベーン151をディフューザ流路に突出させる動作の間はベーン151と壁部プレート61とを非接触とし、ベーン151の突出動作が完了した後にベーン151と壁部プレート61とを当接させることで、ベーン151と壁部プレート61とが接する際の衝撃を和らげることができる。よって、接触時の衝撃によるベーン151の変形や接触面の磨耗を抑制することができる。また、ベーン51がディフューザ流路へ突出した状態で動作が停止している間はベーン151と壁部プレート61との間の翼端隙間損失を低減することができる。更に、インタークーラで冷却された流体(すなわちインペラ13から吐出される流体よりも低温の流体)を移動制御室62へ導入することで、壁部プレート61の高温化を抑制し、壁部プレート61へのデポジットの堆積を低減することができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0071】
一方、コンプレッサ111の運転領域が比較的高負荷にある、すなわちコンプレッサ111内を流れる空気量が所定値以上の場合は、アクチュエータによってカムリング154を回転させて、インペラ13から吐出される流体と接触しないようにベーン151をディフューザ流路から退避させる。これによってコンプレッサ111の高負荷領域(高流量域)における流体とベーン51との衝突損失を低減させる。そして、コンプレッサ111の運転領域が高負荷領域(高流量域)にある間は、調節弁65を閉鎖して移動制御室62への流体の導入を停止する。これによって壁部プレート61をベーン151の反対側の方向に移動させてディフューザ流路から退避させる(図7(a)参照)。すなわち、壁部プレート61の突出部61aの端面をシュラウド側壁部17と同一面上にすることでディフューザ流路における流体抵抗を低下させる。
【0072】
このように、コンプレッサ11の運転領域が高負荷領域(高流量域)にある間は壁部プレート61をディフューザ流路から退避させることで、ディフューザ流路における流体抵抗を低下させることができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。この場合、壁部プレート61の高温化を抑制するために、ベーン151のディフューザ流路への突出動作が停止している間に調節弁65を開放し、移動制御室62へインタークーラで冷却された流体を導入してもよい。
【0073】
以上のように、本実施例のコンプレッサは、ベーン51がディフューザ流路へ突出した状態で動作が停止している間は調節弁を開放し、冷却された流体の圧力によって壁部プレートをベーン側に移動させることで、ベーン151と壁部プレート61との間の翼端隙間損失を低減することができる。よって、ディフューザ流路における圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0074】
また、ベーンがディフューザ流路に突出する動作の間は調節弁を閉鎖し、弾性部材の付勢力によって壁部プレートをベーンと反対側に移動させることで、ベーン151と壁部プレート61とが接する際の衝撃を和らげることができる。よって、接触時の衝撃によるベーン151の変形や接触面の磨耗を抑制することができる。
【0075】
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0076】
例えば、壁部プレート61の移動制御は、インタークーラ出口通路から流体を導入する構成に限られず、ガスボンベ等によって外部から低温の流体を導入する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
11,111 コンプレッサ(遠心圧縮機)
16 ディフューザ部
17 シュラウド側壁部(第2壁部)
50,150 可変ベーン機構
51,151 ベーン(案内羽根)
52 ディフューザプレート(第1壁部)
61 壁部プレート(出没部)
61c 窓部
62 移動制御室(移動制御部)
63 弾性部材(付勢部)
64 導入通路(導入部)
65 調節弁(調節部)
152 ハブ側壁部プレート(第1壁部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサのハウジング内で回転するインペラから吐出される流体の運動エネルギを圧力に変換するディフューザ流路を有する遠心圧縮機であって、
前記ディフューザ流路を形成する第1壁部と、
前記第1壁部と対向し、前記第1壁部とともに前記ディフューザ流路を形成する第2壁部と、
前記第1壁部に設けられ、前記第2壁部側に向かって前記ディフューザ流路に突出した案内羽根と、
前記案内羽根と対向する部分の前記第2壁部に設けられ、前記案内羽根の軸方向に移動することで前記ディフューザ流路に出没する出没部と、
導入される流体により前記出没部の移動を制御する移動制御部と、
前記移動制御部と連結し、前記インペラから吐出される流体よりも低温の流体を前記移動制御部に導入する導入部と、
を備えることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記導入部は、前記コンプレッサで加圧された後に外部において冷却された流体を前記移動制御部へ導入することを特徴とする請求項1記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記移動制御部は、前記導入部を通じて導入される流体の導入量を調節する調節部と、前記出没部を前記案内羽根と反対側の方向へ付勢する付勢部と、を備え、
前記出没部は、前記調節部によって調節された流体の導入量と前記付勢部の付勢力との差分に基づいて前記案内羽根の軸方向に移動することを特徴とする請求項1または2記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記案内羽根は、前記インペラに対する羽根の角度を変更可能な構成であって、
前記移動制御部は、前記案内羽根が前記インペラに対する羽根の角度を変更する間、前記出没部を前記案内羽根と反対側に移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記案内羽根は、前記ディフューザ流路に出没可能な構成であって、
前記ディフューザ流路への前記案内羽根の突出量を規制する規制部を備え、
前記移動制御部は、前記規制部が前記ディフューザ流路への前記案内羽根の突出量を規制した後に前記出没部を前記案内羽根側に移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の遠心圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−202324(P2012−202324A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68510(P2011−68510)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】