説明

遮断桿支持装置

【課題】道路や駐車場の料金所に設けられた遮断桿が正常に作動せず、車両が衝突すると重大事故につながりかねない。衝突を感知して強制的に退避位置へ揺動し、戻し作業を人手によらない遮断装置が望まれている。
【解決手段】本発明にかかる遮断竿支持装置は主装置(1)と、支持体(2)と、遮断桿(3)を有する。該主装置は揺動機構(4)を備える。該支持体は該揺動機構と連繋され、該揺動機構の揺動で遊端に支持した該遮断桿が走行路(R)との直交面上で水平の遮断位置(C)と垂直の開放位置(O)間を揺動自在で、かつ退避兼起立機構(5)を備える。該退避兼起立機構は、該遮断桿を、該遮断桿に対する車両の接触を検知するセンサ(6)の指令で起動して該遮断位置から同一水平面上の退避位置(E)へ揺動するように、支持し、かつ該退避位置で該揺動機構により伏転させられた該遮断桿を該開放位置に起立させるように支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遮断桿支持装置に関し、車両に対する走行や駐車等の料金を収受するゲートに設置される遮断桿を、遮断→強制退避→伏転→起立→遮断の一連の動作可能に支持するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
ETCゲートシステムで、車両走行方向上でゲートの手前に設置された車両検知センサが車両を検知してもゲートバーが開となっていないときにゲートバーを強制的に開放する火薬爆破装置を備えたものが特開2010−126933号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
また、通常は走行路面と直交する面上で垂直方向に揺動して車両通行路の開閉をする遮断竿が車両の衝突で強制的な水平方向の開動作をうけたとき、この動作でコイルばねに畜勢し、その解除力で遮断竿を遮断位置に復帰させるようにした通行遮断竿の駆動装置が特開2009−174143号公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
更に、通常は走行路面と直交する面上で垂直方向に揺動して車両の通過の可否を司る遮断バーに車両が衝突したときに、このバーを車両進行方向に折れ曲がり自在に支持する支持機構は特開2000−43729号公報(特許文献3)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−126933号公報
【特許文献2】特開2009−174143号公報
【特許文献3】特開2000−43729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は進入車両の検知ができているにも関わらずゲートバー1094が開放しないときにこれを開放して車両との衝突を避けようとするもので、開放後のゲートバーの処理については言及がない。しかも、ゲートバー1094の強制開放には特別の手段が必要で、この先行技術にあっては、開示されている火薬の爆破力の利用は不可欠と考える。このような火薬を用いるやり方は、危険を伴うため取り扱いが厄介で、一般的な使用には向かない。
【0007】
特許文献2は、車両の接触により強制的に水平方向に開かされた通行遮断竿10をコイルばねP3の解除力で自動的に復帰させるようにしたもので、後続車両に対する安全性については考慮されていない。
【0008】
特許文献3のバー13は車両の衝突によるエネルギーで車両進行方向前方へ水平に揺動させるため、車両は相当の衝撃を受けることになり、運転者に対する心理的影響や、車両の損傷等の点で、好ましくない。
【0009】
本発明は、センサが遮断桿に車両が接触したことを検知した場合に電動機を起動して遮断桿を強制的に水平面上の退避位置に揺動して車両を通過させ、この退避位置で遮断桿を伏転(遮断桿をその横断面上で約90度回転させる動作を言う。)させ、この遮断桿を伏転状態で起立させ、この起立位置から遮断桿を遮断位置に戻したときに原状と同位相にする遮断桿支持装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、上記の動作の内、水平面上の退避位置での遮断桿の伏転を既設構造物等の支障物があるために行えない場合、支障物を迂回する経路上で遮断桿を伏転させながら起立させる遮断桿支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(請求項1)本発明に係る第1の遮断桿支持装置は、主装置と、支持体と、遮断桿を有する。該主装置は揺動機構を備えている。該支持体は該揺動機構と連繋され、該揺動機構の揺動で遊端に支持した該遮断桿が走行路との直交面上で水平の遮断位置と垂直の開放位置間を揺動自在で、かつ退避兼起立機構を備えている。そして、該退避兼起立機構は、該遮断桿を、該遮断桿に対する車両の接触を検知するセンサの指令で起動して該遮断位置から同一水平面上の退避位置へ揺動するように、支持し、かつ該退避位置で該揺動機構により伏転させられた該遮断桿を該開放位置に起立させるように支持する。
【0012】
主装置は、有料の道路や駐車場の料金所に設置されている従来品をそのまま使用できる。勿論、新規に製作してもよい。支持体はこの発明のために開発されたもので、遮断桿は従来品でも、新規製作品でもよい。この遮断桿は、通常のように、支持体の遊端に着脱自在となっている。着脱の仕方は自由で、ハンドルによる圧着や、ねじ取付け等が採用される。
【0013】
主装置は通常のように揺動機構を備えており、この揺動機構に支持体が連繋される。この連繋は揺動機構の動力が支持体に伝動すればよいので、歯車機構、ベルト伝動装置等、任意のものが採用できる。この揺動機構がゲートからの信号を受けて作動すると、支持体、即ち遮断桿が水平の遮断位置と垂直の開放位置間を揺動する。
【0014】
主装置の揺動機構がゲートからの信号を受けても作動せず、遮断位置にある遮断桿に車両が接触するとセンサがこれを感知し、退避兼起立機構に起動指令を出して遮断桿を遮断位置から退避位置へ強制的に退避させ、車両の取敢えずの移動を許容する。遮断桿の退避速度は車速より早いほうが望ましい。通過した車両に対する料金収受に関しては、従来行われている種々の対応が採用される。
【0015】
該退避兼起立機構は管理事務所からの指示を受けると再び起動する。そして、今度は遮断桿を退避位置で伏転させ、垂直位置に起立させる。この起立状態からの遮断桿の作動は主装置の揺動機構に委ねられ、揺動降下して車両走行路を遮断する原位置に復帰させる。
【0016】
遮断桿は、遮断→強制退避→伏転→起立→遮断の一連の動作をする。退避位置には十分なスペースがない場合が多く、戻し作業は走行車両に接触したりして甚だ危険を伴うが、本発明によれば、遮断桿の戻し作業を管理事務所からの遠隔操作で行うことにより、職員が車道に出る必要をなくせ、極めて安全である。
【0017】
(請求項2)本発明に係る第2の遮断桿支持装置は主装置と、支持体と、遮断桿を有している。該主装置は揺動機構を備えている。該支持体は該揺動機構と連繋され、該揺動機構の揺動で遊端に支持した該遮断桿が走行路との直交面上で水平の遮断位置と垂直の開放位置間を揺動自在で、かつ退避兼起立機構を備えている。そして、該退避兼起立機構は、該遮断桿を、該遮断桿に対する車両の接触を検知するセンサの指令で起動して該遮断位置から同一水平面上の退避位置へ揺動するように、支持し、かつ該遮断桿を、該退避位置から該開放位置に、障害物の迂回路を通り、かつ該揺動機構により伏転させて、起立させるように支持する。
【0018】
第2の発明と第1の発明の違いは、遮断桿の強制的な退避位置での伏転と、退避位置から垂直開放位置への移動の経路である。第2の発明は退避位置での伏転動作に支障のある障害物が存在する場合を想定しており、遮断桿をこの障害物の迂回路を経て垂直の開放位置へ揺動させる際に伏転を行わせるものである。料金所には種々の建造物が存在する場合があり、遮断桿も一定の長さがあるため、退避位置には遮断桿を自由に揺動させるスペースが無いことが多い。このような場合に、退避兼起立機構は、遮断桿を退避位置から垂直位置に直接的に揺動させず、障害物を避けるように揺動してその間に伏転させるので、遮断桿は円滑に垂直の開放位置に揺動し、続く遮断位置への揺動に備えられる。
【0019】
(請求項3)該支持体は本体と支持部を包含しており、該本体は該揺動機構の駆動軸に取付けられ、該支持部は枢軸により該本体に所定の角度範囲内で揺動自在に枢支され、該本体と該支持部はそれぞれに設けられて協働する係留機構により通常時は一体化が可能で、該センサの指令で該係留機構は係留を解かれて該支持部が該本体に対し揺動可能となっていてもよい。
こうすると、該本体は該揺動機構を利用することができ、車両が接近しても遮断桿が開かず遮断桿に車両が接触した場合は、センサでこの接触を検知して該支持部と該本体との係留を解き、該支持部即ち遮断桿が自由となって退避兼起立機構により強制的に開放位置へ揺動するので、車両の損傷を防げ、安全性も保てる。
【0020】
(請求項4)該本体は箱枠状で、内部に正逆回転型の電動機、及び該電動機と該枢軸を連繋する伝動機構を備え、該電動機は正転で該遮断桿を該遮断位置から該退避位置へ揺動し、逆転で該遮断桿を該退避位置から伏転状態で該開放位置に起立させるようになっていてもよい。
こうすると、電動機が起動すると直ちに伝動機構を介して遮断桿を強制的に退避位置に揺動し、車両との衝突事故を防止でき、該遮断桿は伏転させて開放位置へ揺動させると、そのままの状態で遮断位置に戻しても原状と同じ位相を保てるので、該遮断桿が平板の場合などに好都合となる。
【0021】
(請求項5)該係留機構は該本体に設けられた雄部材と該支持部に設けられた雌部材で、該雄部材は該本体の側壁から垂直に突出し同一の直線上の上下両面に係止溝を備え、該雌部材は該支持部の側壁に取付けられたブロックに該直線上で相対して突出し、対向する先端部に該係止溝と係合する頭部を備え、バネにより該雄部材の移動通路上への臨出傾向を与えられると共に電磁石により該バネに逆らって退出可能となっていてもよい。
こうすると、該係留機構の係止は確実で、該遮断桿を該支持体と一体に揺動でき、該センサが車両の遮断桿に対する接触を感知して指令を発した場合は電磁石により速やかに該係留機構の係留を解くので、遮断桿の揺動に遅れを生ぜず、速やかに走行路を開放できる。
【0022】
(請求項6)該退避位置から該開放位置への動作は遠隔指令によってなされてもよい。
こうすると、収受員等の作業者が料金所外へ出る必要が無いので、走行する車両と接触することがなく、極めて安全である。
【発明の効果】
【0023】
(請求項1)本発明にかかる遮断桿支持装置によれば、主装置は通常使用されているものを利用するので余計なコストがかからず、主装置の揺動機構がゲートからの信号を受けても作動せず遮断桿に車両が接触するとセンサがこれを感知し、退避兼起立機構に起動指令を出して遮断桿を遮断位置から退避位置へ強制的に退避させるので、重大な事故の発生を防げ、遮断桿は退避位置で伏転して垂直位置に起立するので、職員が車道に出る必要はなく、極めて安全で、以後は主装置の揺動機構により揺動降下して車両走行路を遮断する原位置に復帰できる。
【0024】
請求項2の第2の発明にかかる遮断桿支持装置によれば、強制的退避位置での伏転動作に支障のある障害物が存在しても、遮断桿をこの障害物の迂回路を経て垂直の開放位置へ揺動させて伏転させるので、遮断桿を円滑に垂直の開放位置に揺動させ、続く遮断位置への揺動に備えさせることができる。
【0025】
請求項3によれば、該本体は該揺動機構を利用することができ、車両が接近しても遮断桿が開かず遮断桿に車両が接触した場合は、センサでこの接触を検知して該支持部と該本体との係留を解き、該支持部即ち遮断桿が自由となって退避兼起立機構により強制的に退避位置へ揺動するので、車両の損傷を防げ、安全性も保てる。
【0026】
請求項4によれば、電動機が起動すると直ちに伝動機構を介して遮断桿を強制的に退避位置に揺動し、車両との衝突事故を防止でき、該遮断桿は、伏転させて開放位置へ揺動させると、そのままの状態で遮断位置に戻しても原状と同じ位相を保てるので、該遮断桿が平板の場合などに好都合となる。
る。
【0027】
請求項5によれば、該係留機構の係止は確実で、該遮断桿を該支持体と一体に揺動でき、該センサが車両の遮断桿に対する接触を感知して指令を発した場合は電磁石により速やかに該係留機構が係留を解くので、遮断桿の揺動に遅れを生ぜず、速やかに走行路を開放できる。
【0028】
請求項6によれば、収受員等の作業者が料金所外へ出る必要が無いので、走行する車両と接触することがなく、極めて安全である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る遮断桿支持装置の具体例を示す斜面図である。
【図2】同遮断桿が退避位置に強制退避させられた状態の斜面図である。
【図3】支持体の平面図である。
【図4】支持体の斜面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】遮断桿の退避位置にある状態での支持体の斜面図である。
【図8】遮断桿の開放位置にある状態での支持体の斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る遮断桿支持装置の具体例を、図面を参照して、説明する。
【0031】
(請求項1)本発明に係る遮断桿支持装置は、主装置1と、支持体2と、遮断桿3を有する。主装置1は揺動機構4を備えている。支持体2は揺動機構4に連繋され、この揺動機構4の揺動で遊端に支持した遮断桿3が走行路Rとの直交面上で水平の遮断位置Cと垂直の開放位置O間を揺動自在で、かつ退避兼起立機構5を備えている。
【0032】
退避兼起立機構5は、遮断桿3を、この遮断桿3に対する車両の接触を検知するセンサ6の指令で起動して遮断位置Cから同一水平面上の退避位置Eへ揺動するように、支持する。そして、この退避兼起立機構5はまた、この退避位置Eで揺動機構4により伏転させられた遮断桿3を開放位置Oに起立させるように支持する。
【0033】
主装置1は従来品でも、新規に製作してもよい。支持体2はこの発明の主要部で、遮断桿3は、通常のように、この支持体2の遊端にハンドルHにより圧着される。
【0034】
支持体2は主装置1の揺動機構4に連繋される。この連繋は揺動機構4の動力が支持体2に伝動すればよく、通常のように歯車機構が採用できる。この揺動機構4により遮断桿3が水平の遮断位置と垂直の開放位置間を揺動する。
【0035】
主装置1の揺動機構4がゲートからの信号を受けても作動せずに遮断桿3に車両が接触すると、センサ6がこれを感知し、退避兼起立機構5に起動指令を出して遮断桿3を遮断位置Cから退避位置Eへ強制的に退避させる。これにより、車両は通過が可能となる。通過した車両に対する料金収受に関しては、従来行われている種々の対応が採用される。
【0036】
退避兼起立機構5は管理事務所からの指示を受けると再び起動する。そして、今度は遮断桿3を退避位置Eで伏転させ、垂直位置に起立させる。この起立状態で遮断桿3は開放位置Oにある状態と位相を同じくし、以後の遮断桿3の作動は主装置1の揺動機構4に委ねられ、揺動降下して車両の走行路Rを遮断する原位置に復帰させる。
【0037】
この場合、遮断桿3は、遮断→強制退避→伏転→起立→遮断の一連の動作をするが、退避位置Eからの戻しは退避兼起立機構5が行うので、手作業の場合のように作業者が料金所から出て退避位置Eに行く必要が無い。そのため、作業者が走行車両に接触したりすることもなく、極めて安全である。
【0038】
(請求項2)本発明に係る第2の遮断桿支持装置は第1の発明に係る遮断桿支持装置と共通する構成を有しているので、相違点についてだけ説明する。該退避兼起立機構5’は、遮断桿3を、車両の接触を検知するセンサ6の指令で起動して遮断桿3が遮断位置Cから同一水平面上の退避位置Eへ強制的に揺動するように、支持し、かつ遮断桿3を、退避位置Eから開放位置Oに、障害物の迂回路を通ると共に揺動機構4により伏転させて、起立させるように支持する。
【0039】
この第2の発明では、伏転動作に支障のある障害物が存在する場合を想定している。障害物を迂回するように遮断桿3を開放位置Oへ揺動させる。伏転はこの揺動中に行ってもよく、開放位置Oへ揺動し終わった時点で行ってもよい。料金所を取り巻く環境は狭く、遮断桿3も一定の長さがあるため、退避位置Eでは遮断桿3を自由に伏転させるスペースが無いことが多い。
この場合、退避兼起立機構5’は、遮断桿3を退避位置Eから垂直位置に直接的に揺動させず、障害物を避けるように揺動して伏転させるので、遮断桿3は円滑に垂直の開放位置Oに揺動する。伏転動作は揺動中でも、揺動終了後でもよい。この状態は主装置1の揺動機構4により開放位置Oにある状態と同位相となり、遮断位置Cへはそのまま揺動するだけでよい。
【0040】
(請求項3)支持体2は本体7と支持部8を包含している。本体7は揺動機構4の駆動軸9に取付けられ、支持部8は枢軸10により本体7に所定の角度範囲内で揺動自在に枢支される。そして、本体7と支持部8はそれぞれに設けられて協働する係留機構11及び12により通常時は一体化が可能で、センサ6の指令で係留機構11及び12は係留を解かれて支持部8が本体7に対し移動可能となっている。
この場合、本体7は揺動機構4を利用することができ、車両が接近しても遮断桿3が開かずに車両が接触した場合は、センサ6でこの接触を検知して支持部8と本体7との係留を解き、支持部8、即ち遮断桿3が自由となって退避兼起立機構5’により強制的に退避位置Eへ揺動するので、車両の損傷を防げ、安全性も保てる。
【0041】
(請求項4)本体7は箱枠状で、内部に正逆回転型の電動機31、及びこの電動機31と枢軸24を連繋する伝動機構32を備え、電動機31は正転で遮断桿3を遮断位置Cから退避位置Eへ揺動し、逆転で遮断桿3を退避位置Eから開放位置Oに起立させるようになっている。
この場合、電動機31が起動すると直ちに伝動機構32を介して遮断桿3を強制的に退避位置Eに揺動し、車両との衝突を防止でき、該遮断桿は伏転させて開放位置へ揺動させると、そのままの状態で遮断位置に戻しても原状と同じ位相を保てるので、該遮断桿が平板の場合などに好都合となる。
【0042】
(請求項5)係留機構25は本体21に設けられた雄部材41と支持部22に設けられた雌部材42で、雄部材41は本体21の側壁43から垂直に突出し同一の直線L上の上下両面に係止溝44を備え、雌部材42は支持部22の側壁45に取付けられたブロック46に直線L上で相対して突出し、対向する先端部に係止溝44と係合する頭部47を備え、バネ48により雄部材41の移動通路上への臨出傾向を与えられると共に電磁石49によりバネ48に逆らって退出可能となっている。
この場合、係留機構25の係止は確実で、遮断桿3を支持体2と一体に揺動でき、センサ6が車両の遮断桿3に対する接触を感知して指令を発した場合は電磁石49により速やかに係留機構25の係留を解くので、遮断桿3の揺動に遅れを生ぜず、速やかに走行路Rを開放できる。
【0043】
(請求項6)退避位置Eから開放位置Oへの動作は遠隔指令によってなされる。図示は省略したが、料金所又は管理事務所などに指令の発信機構を設け、この発信機構からの指令を退避兼起立機構5又は5’が受信して起動するようにすればよい。
この場合、収受員等の作業者が料金所外へ出る必要が無いので、走行する車両と接触することがなく、極めて安全である。
【符号の説明】
【0044】
1 主装置
2 支持体
21 本体
22 支持部
23 駆動軸
24 枢軸
25 係留機構
3 遮断桿
31 電動機
32 伝動機構
4 揺動機構
41 雄部材
42 雌部材
43 側壁
L 直線
44 係止溝
45 側壁
46 ブロック
47 頭部
48 バネ
49 電磁石
5、5’ 退避兼起立機構
6 センサ
R 走行路
C 遮断位置
O 開放位置
E 退避位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置(1)と、支持体(2)と、遮断桿(3)を有し、
該主装置(1)は揺動機構(4)を備え、
該支持体(2)は該揺動機構(4)と連繋され、該揺動機構(4)の揺動で遊端に支持した該遮断桿(3)が走行路(R)との直交面上で水平の遮断位置(C)と垂直の開放位置(O)間を揺動自在で、かつ退避兼起立機構(5)を備え、
該退避兼起立機構(5)は、該遮断桿(3)を、該遮断桿(3)に対する車両の接触を検知するセンサ(6)の指令で起動して該遮断位置(C)から同一水平面上の退避位置(E)へ揺動するように、支持し、かつ該退避位置(E)で該揺動機構(4)により伏転させられた該遮断桿(3)を該開放位置(O)に起立させるように支持する
ことを特徴とする遮断桿支持装置。

【請求項2】
主装置(1)と、支持体(2)と、遮断桿(3)を有し、
該主装置(1)は揺動機構(4)を備え、
該支持体(2)は該揺動機構(4)と連繋され、該揺動機構(4)の揺動で遊端に支持した該遮断桿(3)が走行路(R)との直交面上で水平の遮断位置(C)と垂直の開放位置(O)間を揺動自在で、かつ退避兼起立機構(5’) を備え、
該退避兼起立機構(5’)は、該遮断桿(3)を、該遮断桿(3)に対する車両の接触を検知するセンサ(6)の指令で起動して該遮断桿(3)が該遮断位置(C)から同一水平面上の退避位置(E)へ揺動するように、支持し、かつ該遮断桿(3)を、該退避位置(E)から該開放位置(O)に、障害物の迂回路を通り、該揺動機構(4)により伏転させて、起立させるように支持する
ことを特徴とする遮断桿支持装置。

【請求項3】
該支持体(2)は本体(21)と支持部(22)を包含しており、該本体(21)は該揺動機構(4)の駆動軸(23)に取付けられ、該支持部(22)は枢軸(24)により該本体(21)に所定の角度範囲内で揺動自在に枢支され、該本体(21)と該支持部(22)はそれぞれに設けられて協働する係留機構(25)により一体化が可能で、該センサ(6)の指令で該係留機構(25)は係留を解かれて該支持部(22)が該本体(21)に対し移動可能となる請求項1又は2に記載の遮断桿支持装置。

【請求項4】
該本体(21)は箱枠状で、内部に正逆回転型の電動機(31)、及び該電動機(31)と該枢軸(24)を連繋する伝動機構(32)を備え、該電動機(31)は正転で該遮断桿(3)を該遮断位置(C)から該退避位置(E)へ揺動し、逆転で該遮断桿(3)を該退避位置(E)から該開放位置(O)に起立させるようになっている請求項2に記載の遮断桿支持装置。

【請求項5】
該係留機構(25)は該本体(21)に設けられた雄部材(41)と該支持部(22)に設けられた雌部材(42)で、該雄部材(41)は該本体(21)の側壁(43)から垂直に突出し同一の直線(L)上の上下両面に係止溝(44)を備え、該雌部材(42)は該支持部(22)の上壁(45)と下壁(46)から該直線(L)上で相対して突出し、対向する先端部に該係止溝(44)と係合する頭部(47)を備え、バネ(48)により該雄部材(41)の移動通路上への臨出傾向を与えられると共に電磁石(49)により該バネ(48)に逆らって退出可能となっている請求項3に記載の遮断桿支持装置。

【請求項6】
該退避位置(E)から該開放位置(O)への動作は遠隔指令によってなされる請求項1から5の一つの項に記載の遮断桿支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−214991(P2012−214991A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79604(P2011−79604)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(394001814)ハイウェイ・トール・システム株式会社 (8)
【Fターム(参考)】