説明

遮音シートおよびその製造方法

【課題】従来の樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を有するものであり、人体の健康への影響が無い材料からなり、160℃程度までの耐熱性を有する遮音シートを提供することにある。
【解決手段】無機繊維クロスからなる基材11と、前記基材11の両面11a,11b上に、接着層を介して設けられた砂鉄からなる砂鉄層12,13と、砂鉄層12,13上に、接着層を介して設けられた金属箔14,15とを有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遮音シートの材料として、樹脂系材料が広く使用されている。例えば、下記特許文献1には、ゴムと樹脂と無機充填材とからなるゴム組成物をシート状に押出成形して作製されたシート状制振遮音材が開示されている。
【0003】
ところで、発電所や石油プラント等において、機器や配管等の設備からも騒音が発生している。このような設備においては、熱を発生する場合が多く、前記設備を断熱材で被覆している状態にあっても、断熱材の外周面の温度が100℃〜160℃になる場合がある。そのため、このような設備で利用する遮音シートにあっては、耐熱性にも優れていることが要求される。ところが、上述した樹脂系材料からなる遮音シートは耐熱性に劣っており、これを上述した設備で利用することができなかった。そのため、遮音シートの材料として耐熱性に優れた鉛が利用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−303691号公報(例えば、段落[0026],[0035]など参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した鉛製の遮音シートは樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を有すると共に、耐熱性に優れるものの、鉛自体が人体への影響が指摘される物質であるため、遮音シートにもできるだけ使用しないことが望ましく、鉛に代わる代替材料が求められている。
【0006】
以上のことから、本発明は上述のような課題を解決するために為されたものであって、従来の樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を有するものであり、人体への影響が無い材料からなり、160℃程度までの耐熱性を有する遮音シートおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する第1の発明に係る遮音シートは、
無機繊維クロスからなる基材と、
前記基材の片面または両面上に、接着層を介して設けられた砂鉄からなる砂鉄層と、
前記砂鉄層上に、接着層を介して設けられた金属箔とを有する
ことを特徴とする。
【0008】
上述した課題を解決する第2の発明に係る遮音シートは、
第1の発明に係る遮音シートであって、
前記無機繊維クロスは、ガラスクロスである
ことを特徴とする。
【0009】
上述した課題を解決する第3の発明に係る遮音シートは、
第2の発明に係る遮音シートであって、
前記無機繊維クロスの厚さが0.45mm以上3mm以下である
ことを特徴とする。
【0010】
上述した課題を解決する第4の発明に係る遮音シートは、
第2または第3の発明に係る遮音シートであって、
前記無機繊維クロスの単位面積当たりの質量が、300g/m2以上1000g/m2以下である
ことを特徴とする。
【0011】
上述した課題を解決する第5の発明に係る遮音シートは、
第1乃至第4の発明の何れか一つに係る遮音シートであって、
前記砂鉄の平均粒径は、150μm以上450μm以下である
ことを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決する第6の発明に係る遮音シートは、
第1乃至第5の発明の何れか一つに係る遮音シートであって、
前記金属箔は、アルミニウム箔または銅箔からなる
ことを特徴とする。
【0013】
上述した課題を解決する第7の発明に係る遮音シートは、
第6の発明に係る遮音シートであって、
前記金属箔の厚さが、25μm以上100μm以下である
ことを特徴とする。
【0014】
上述した課題を解決する第8の発明に係る遮音シートは、
第1乃至第7の発明の何れか一つに係る遮音シートであって、
前記基材と前記砂鉄層との間の接着層は、接着用シートと接着剤とで構成される
ことを特徴とする。
【0015】
上述した課題を解決する第9の発明に係る遮音シートは、
第1乃至第8の発明の何れか一つに係る遮音シートであって、
前記砂鉄層と前記金属箔との間の接着層は、接着シートで構成される
ことを特徴とする。
【0016】
上述した課題を解決する第10の発明に係る遮音シートは、
第8または第9の発明に係る遮音シートであって、
前記接着シートは、オレフィン系樹脂シートである
ことを特徴とする。
【0017】
上述した課題を解決する第11の発明に係る遮音シートは、
第10の発明に係る遮音シートであって、
前記接着シートの厚さは、30μm以上150μm以下である
ことを特徴とする。
【0018】
上述した課題を解決する第12の発明に係る遮音シートは、
第8の発明に係る遮音シートであって、
前記接着剤は、クロロブチレン変性樹脂系接着剤である
ことを特徴とする。
【0019】
上述した課題を解決する第13の発明に係る遮音シートは、
第12の発明に係る遮音シートであって、
前記クロロブチレン変性樹脂系接着剤は、30〜35質量部のクロロブチレン変性樹脂と、16〜18質量部のノルマルへキサンおよび60〜65質量部トルエンの溶剤とからなる
ことを特徴とする。
【0020】
上述した課題を解決する第14の発明に係る遮音シートは、
第13の発明に係る遮音シートであって、
前記接着剤の塗布量は、120g/m2以上150g/m2以下である
ことを特徴とする。
【0021】
上述した課題を解決する第15の発明に係る遮音シートの製造方法は、
第1乃至第14の何れか一つの発明に係る遮音シートを製造する方法であって、
前記基材の片面または両面上に、接着用シートを積層し、熱プレスにより基材上に接着用シートを融着し、
仮融着した接着用シート上に、接着剤を塗布した後、砂鉄を散布し、
余分な砂鉄を除去した後、砂鉄上に、金属箔に接着用シートを積層したシート状物を積層し、熱プレスして得た
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る遮音シートによれば、従来の樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を有するものであり、健康への影響が無い材料からなり、160℃程度までの耐熱性を有するものとなる。
【0023】
本発明に係る遮音シートの製造方法によれば、健康への影響が無い材料からなり、160℃程度までの耐熱性を有する遮音シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る遮音シートの一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明に係る遮音シートの他実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る遮音シートおよびその製造方法の実施形態について、図1および図2を参照して詳細に説明する。
【0026】
本実施形態に係る遮音シート10は、図1に示すように、無機繊維クロスからなるシート状の基材11と、基材11の表面11aおよび裏面11bの両面上に、接着層(図示せず)を介して設けられた砂鉄からなる砂鉄層12、13と、砂鉄層12,13上のそれぞれに、接着層(図示せず)を介して設けられた金属箔14,15とを具備する。
【0027】
無機繊維クロスとしては、ガラスクロスが挙げられ、これを単独で利用することができる。無機繊維クロスは、その厚さが0.45mm以上3mm以下であると好ましい。上記クロスの厚さが0.45mm未満であると、遮音性能が不十分となってしまう一方、上記クロスの厚さが3mmを上回ると、遮音シートとして巻き取ることができなくなり、取り扱い性を低下させてしまうからである。なお、ガラスクロスの最適厚さは0.8mmであった。
【0028】
ガラスクロスの単位面積当たりの質量は、300g/m2以上1000g/m2以下であることが望ましい。上記クロスの単位面積当たりの質量が300g/m2未満であると遮音性能が不十分となってしまう一方、上記クロスの単位面積当たりの質量が1000g/m2を上回ると、遮音シートとして巻き取ることができなくなってしまうからである。
【0029】
上述した基材11と砂鉄層12,13との間の接着層としては、接着用シートと接着剤とを併用して利用することができる。上述した砂鉄層12,13と金属箔14,15との間の接着層として、接着シートを利用することができる。
【0030】
接着シートとしては、オレフィン系樹脂シートが挙げられ、これを単独で利用することができる。接着シートは、その厚さが30μm以上150μm以下であり、40μm以上60μm以下であると好ましい。なお、オレフィン系樹脂とは、エチレンやプロピレン等のような分子中に二重結合を有するオレフィンを原料として重合させて得られる鎖状炭化水素からなるものである。この系の樹脂としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などがある。
【0031】
接着剤として、クロロブチレン変性樹脂系接着剤を利用することが好ましい。この接着剤は、160℃程度であっても熱による変性及び化学変化をしない優れた耐熱性と、長期耐久性とをあわせ持つからである。クロロブチレン変性樹脂系接着剤の組成は、クロロブチレン変性樹脂が30〜35重量部であり、n−へキサン(ノルマルへキサン:溶剤)が16〜18質量部であり、トルエン(溶剤)60〜65質量部である。接着剤の塗布量は、120g/m2以上150g/m2以下であると好ましい。
【0032】
砂鉄層12,13は、基材11上に塗布された接着剤上に、一粒ずつ隙間無く散布された状態になるように形成される。砂鉄層12,13に使用する砂鉄の平均粒径は150μm以上450μm以下であることが好ましい。砂鉄の平均粒径が150μm未満であると、砂鉄層の厚さが薄くなり、遮音性能が不十分となってしまう一方、砂鉄の平均粒径が450μmを上回ると、砂鉄層12,13内における砂鉄粒子同士の非接触容積が大きくなり、遮音性能が不十分となってしまうからである。
【0033】
金属箔14,15の材質としては、アルミニウム箔や銅箔など(製造コスト面から好ましくはアルミニウム箔)が挙げられ、これらを単独又は併用して利用することができる。金属箔14,15を設けたことにより、砂鉄層12,13の露出を防ぎ、砂鉄層12,13を保護することができる。金属箔14,15は、その厚さが25μm以上100μm以下であり、40μm以上60μm以下であると好ましい。
【0034】
ここで、上述した構成の遮音シートを製造する方法について説明する。
まず、基材11である無機繊維クロス(ガラスクロス)の一方の面上に、接着用シートを積層し、約200℃で熱プレスすることにより、基材11上に接着用シートを仮融着する(接着用シート仮融着工程)。
【0035】
続いて、仮融着した接着用シート上に、接着剤を120g/m2以上150g/m2以下となるように塗布する(接着剤塗布工程)。
【0036】
続いて、接着剤が塗布されたシート状物の上方から砂鉄を散布する(砂鉄散布工程)。
【0037】
接着剤と接触しなかった砂鉄(余分な砂鉄)を除去し砂鉄層12,13を形成する(余分砂鉄除去工程)。余分な砂鉄の除去方法としては、シート状物における、砂鉄が散布された面を下側に向ける方法などが挙げられる。
【0038】
続いて、基材の他方の面側にも、接着シート仮融着工程、接着剤塗布工程、砂鉄散布工程、余分砂鉄除去工程が順番に行われる。これにより、基材の他方の面側にも砂鉄層が形成される。
【0039】
続いて、金属箔に接着用シートを積層し、約200℃で熱プレスすることにより、接着用シートを仮融融した金属箔を、前記接着用シートと砂鉄層12,13とが当接するように積層する。これにより、砂鉄層12の表面に金属箔14が積層され、砂鉄層13の表面に金属箔15が積層される。
【0040】
続いて、積層した状態で、約200℃で熱プレスすることにより、基材11、砂鉄層12,13および金属箔14,15を一体化する。
以上により、製造された遮音シート10を所定の寸法に切断し、巻き取って、施工現場へ輸送する。
【0041】
このようにして製造された遮音シートによれば、従来の樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を有するものであり、材料に鉛を含有しないことから人体の健康への影響が無く、また、160℃程度までの耐熱性を有するものであるから、配管などを被覆することができる。
【0042】
なお、上記では、基材11の両面に砂鉄層12,13をそれぞれ設け、砂鉄層12,13の表面に金属箔14,15を設けた遮音シート10を用いて説明したが、図2に示すように、基材11の片面に砂鉄層12を設け、砂鉄層12の表面に金属箔14を設けた遮音シート20とすることも可能である。このような遮音シート20であっても、上述した遮音シート10と同様な作用効果を奏する。また、基材11を構成するガラスクロスの最適厚さは1.6mmであった。
【実施例】
【0043】
本発明に係る遮音シート及びその製造方法の効果を確認するため、以下のような確認試験を行った。
【0044】
[確認試験A]
<試験体の作製>
ガラスクロスに接着フィルムを仮融着しその上に接着剤を塗布し平均粒径230μmの砂鉄を散布し接着し、余分な砂鉄を除去し、接着フィルムを用いて厚さ50μmのアルミニウム箔を融着して、試験体A1〜A3を作製した。ここで、試験体A1は、ガラスクロスの厚さを1.6mmとし、ガラスクロスの両面に砂鉄層を設けたものであり、その単位面積当たりの質量を2.63kg/m2としたものである。試験体A2は、ガラスクロスの厚さを0.8mmとし、ガラスクロスの両面に砂鉄層を設けたものであり、その単位面積当たりの質量を2.17kg/m2としたものである。試験体A3は、ガラスクロスの厚さを1.6mmとし、ガラスクロスの片面に砂鉄層を設けたものであり、その単位面積当たりの質量を1.81kg/m2としたものである。なお、比較のため、比較体B1,B2も併せて作製した。比較体B1は、厚さ1.55mmの塩化ビニルで作製したものであり、その単位面積当たりの質量を2.55kg/m2としたものである。比較体B2は、厚さ0.3mmの鉛で作製したものであり、その単位面積当たりの質量を3.40kg/m2としたものである。
【0045】
<試験内容及び結果>
作製した前記試験体A1〜A3及び前記比較体B1,B2に対して、簡易的な測定装置にてそれぞれの空気音遮断性能を測定した。
【0046】
具体的には、550mm角の音源室(容積;0.166m3)と550mm角の受音室(容積;0.166m3)とを繋ぐ開口部に試験体A1〜A3および比較体B1,B2をそれぞれ挟んで空気音遮断性能を測定した。その測定結果を下記の表1に示す。音源室として、厚さ3.2mmの鉄板と、厚さ50mmのロックウールと、厚さ3.2mmの鉄板とからなる箱を用いた。受音室として、厚さ3.2mmの鉄板と厚さ50mmのウレタンとからなる箱を用いた。音源室には、雑音発生器に接続したスピーカを配置した。受音室には、精密騒音計のマイクロホンを配置した。
【0047】
【表1】

【0048】
上記表1からわかるように、試験体A1は、比較体B1に対して、オクターブバンド中心周波数125Hz,250Hz,500Hz,1000Hz,2000Hz,4000Hzの周波数帯域における音響透過損失(dB)を同程度にすることができ、試験体A2は、試験体A1に対して、オクターブバンド中心周波数125Hz,250Hz,500Hz,1000Hzの周波数帯域における音響透過損失(dB)を同程度にすることができると共に、オクターブバンド中心周波数2000Hz,4000Hzの周波数帯域にて2dB〜3dB音響透過損失が低下し、試験体A3は、試験体A1に対して、オクターブバンド中心周波数125Hz〜4000Hzの周波数帯域にて2dB〜3dB音響透過損失が低下した。つまり、試験体A2,A3は、試験体A1と比べて周波数帯域によっては音響透過損失が低下するものであるが、遮音シートとして十分に有効に機能する範囲での遮音性能の低下であり、従来の遮音シートと同程度の遮音性能を発現するものであることを確認した。
【0049】
よって、本発明に係る遮音シートによれば、材料に鉛を含有しないことから人体の健康への影響が無いものであり、従来の樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を発現することができる。
【0050】
[確認試験B]
<試験内容及び結果>
前記確認試験Aで作製した試験体A1,A2,A3をそれぞれ80mm×80mmの試験片とし、電気炉に入れ炉内温度を200℃,190℃,180℃,170℃,160℃,150℃に維持しつつ各試験片の状態を15分毎に観察したところ、各試験片の状態は以下に示すようになった。
【0051】
炉内温度を200℃にした場合、試験体A1,A2,A3何れも、15分後に僅かに臭気があり、30分後に層間の色が変化し始め、90分後に臭気が強く感じられ、2時間後に試験片の角に層間の開きが見られた。
【0052】
炉内温度を190℃にした場合、試験体A1,A2,A3何れも、15分後に僅かに臭気があり、30分後に試験片の角に層間の開きが見られ、45分後に層間の色が変化し始め、60分後に臭気が少し強く感じられ、2時間後まで経過時間に伴って臭気が強まった。
【0053】
炉内温度を180℃にした場合、試験体A1,A2,A3何れも、15分後に僅かに臭気があり、30分後に試験片の角に層間の開きが見られ、45分後に層間の色が変化し始め、60分後に臭気が少し強く感じられ、105分後には臭気が弱まった。
【0054】
炉内温度を170℃にした場合、試験体A1,A2,A3何れも、30分後に僅かに臭気があり、75分後に臭気が弱まった。
【0055】
炉内温度を160℃にした場合、試験体A1,A2,A3何れも、15分後に試験片の角に層間の開きが見られ、2時間後まで変化が無かった。
【0056】
炉内温度を150℃にした場合、試験体A1,A2,A3何れも、15分後に試験片の角に層間の開きが見られ、2時間後まで変化が無かった。
【0057】
上述した加熱試験では、180℃以上で層間の色が灰色から褐色系の色へ変化し、170℃以上でバインダの反応に伴うと思われる臭気が感じられた。
層間の剥離については加熱の初期に層間の開きが見られたものの、剥離の進行はなく、又、層間の開きについても角にのみ僅かなものであった。
【0058】
よって、本発明に係る遮音シートによれば、160℃以下の温度であればシートの原型を保持できるものであり、発電所や石油プラント等において、機器や配管等の設備などを被覆するシートとして利用できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係る遮音シートおよびその製造方法によれば、従来の樹脂系材料からなる遮音シートと同程度の遮音性能を有するものであり、人体の健康への影響が無い材料からなり、160℃程度までの耐熱性を有するため、発電所や石油プラントなどの設備において、配管などの設備から発生する騒音を遮音する機器として利用することができる。
【符号の説明】
【0060】
10,20 遮音シート
11 無機繊維クロス
12,13 砂鉄層
14,15 金属箔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機繊維クロスからなる基材と、
前記基材の片面または両面上に、接着層を介して設けられた砂鉄からなる砂鉄層と、
前記砂鉄層上に、接着層を介して設けられた金属箔とを有する
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項2】
請求項1に記載の遮音シートであって、
前記無機繊維クロスは、ガラスクロスである
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項3】
請求項2に記載の遮音シートであって、
前記無機繊維クロスの厚さが0.45mm以上3mm以下である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の遮音シートであって、
前記無機繊維クロスの単位面積当たりの質量が、300g/m2以上1000g/m2以下である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の遮音シートであって、
前記砂鉄の平均粒径は、150μm以上450μm以下である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の遮音シートであって、
前記金属箔は、アルミニウム箔または銅箔からなる
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項7】
請求項6に記載の遮音シートであって、
前記金属箔の厚さが、25μm以上100μm以下である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の遮音シートであって、
前記基材と前記砂鉄層との間の接着層は、接着用シートと接着剤とで構成される
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の遮音シートであって、
前記砂鉄層と前記金属箔との間の接着層は、接着シートで構成される
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の遮音シートであって、
前記接着シートは、オレフィン系樹脂シートである
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項11】
請求項10に記載の遮音シートであって、
前記接着シートの厚さは、30μm以上150μm以下である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項12】
請求項8に記載の遮音シートであって、
前記接着剤は、クロロブチレン変性樹脂系接着剤である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項13】
請求項12に記載の遮音シートであって、
前記クロロブチレン変性樹脂系接着剤は、30〜35質量部のクロロブチレン変性樹脂と、16〜18質量部のノルマルへキサンおよび60〜65質量部のトルエンの溶剤とからなる
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項14】
請求項13に記載の遮音シートであって、
前記接着剤の塗布量は、120g/m2以上150g/m2以下である
ことを特徴とする遮音シート。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の遮音シートの製造方法であって、
前記基材の片面または両面上に、接着用シートを積層し、熱プレスにより基材上に接着用シートを融着し、
仮融着した接着用シート上に、接着剤を塗布した後、砂鉄を散布し、
余分な砂鉄を除去した後、砂鉄上に、金属箔に接着用シートを積層したシート状物を積層し、熱プレスして得た
ことを特徴とする遮音シートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−94306(P2011−94306A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246281(P2009−246281)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】