説明

選別装置

【課題】作物の品種やサイズに幅広く対応できるとともに、搬送速度を上げた場合にも所定の分級精度を確保することができる選別装置を提供する。
【解決手段】選別装置は、周回動作可能な無端ベルト(11)によって作物を搬送する搬送機構(2)に作物の質量を検出する重量検出機構(3)と検出質量に応じて作物を搬送機構の側方に跳ね出す跳出機構(4)と、この跳出機構(4)と対応して同側方に形成した開口に受けた作物を案内するシュート部(5)とから構成され、上記跳出機構(4)とシュート部(5)の少なくとも一方は、搬送機構(2)の搬送方向にスライド移動可能なスライドフレーム(13,14)によって支持したものであり、シュート部(5)の受け位置が相対的に変更可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫作物等を質量ランク別に選別する、選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
選別装置は、特許文献1等に記載のように、周回無端ベルトによって作物を搬送する搬送機構に、作物の質量を検出する重量検出機構と、設定の基準質量に応じて作物を搬送機構の側方に跳ね出す跳出機構とを設け、この跳出機構と対応してその側方に形成した開口に受けた作物を案内するシュータを備えた選別装置が知られている。
【0003】
この選別装置は、搬送機構によって作物を搬送する間に、搬送機構のベルトの下の重量検出機構が設定質量超過を検出すると、対応する跳出機構が動作することによって搬送機構の側方に作物を跳ね出し、それを同側方に開口するシュータに受けて作物を所定の箱詰め位置まで案内する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−198531号公報
【特許文献2】特開2008−183539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、分級対象である収穫作物の品種やサイズによっては、跳出板を適切に作物に接触させることができず、作物を対応するシュータの開口に跳ね出せなかったり、別のシュータに跳ね出してしまい、誤選別してしまうという問題がある。
【0006】
例えば、同じ種別の作物であっても、品種や生育条件の違いにより、基本的なサイズが異なる場合があり(例:品種AのLサイズ…60〜70mm、品種BのLサイズ:80〜90mm)、これらを跳ね出そうとすると、跳出板の動作するタイミングのズレによって跳出板が上手く作物に当たらず、別の排出シュータに跳ね出されたり、搬送装置上に残ったりすることとなり、このような問題は、特に搬送速度を上げた場合に顕著となることから、能率向上施策上のネックとなっていた。
【0007】
本発明の目的は、作物の品種やサイズに幅広く対応できるとともに、搬送速度を上げた場合にも所定の分級制度の確保が可能となる選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、機体フレーム(1a)に搬送無端帯(11)で作物を搬送する搬送機構(2)を設け、該搬送機構(2)で搬送される作物の重量を検出する重量検出機構(3)を搬送機構(2)の搬送方向に亘って複数設け、前記機体フレーム(1a)の左右一側に搬送方向に沿って移動自在な選別スライドフレーム(13)を設け、該選別スライドフレーム(13)に前記重量検出機構(3)で検出された作物の重量に応じて作物を搬送機構(2)から排出する跳出機構(4)を搬送機構(2)の搬送方向に亘って複数設け、前記搬送機構(2)の左右他側に該跳出機構(4)で跳ね出された作物を案内するシュート部(5)を開口し、該シュート部(5)の上部に搬送方向に沿って排出スライドフレーム(14)をスライド自在に設けたことを特徴とする選別装置とした。
【0009】
上記選別スライドフレーム(13)と排出スライドフレーム(14)とを設けたことにより、跳出機構(4)またはシュート部(5)の少なくとも一方を搬送方向に沿ってスライド移動できるので、作物の排出位置が適正な位置に変更される。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記跳出機構(4)を、移動によって搬送機構(2)上の作物を側方に跳ね出し可能に軸支した跳出板(12)と、該跳出板(12)の外縁部に作物をシュート部(5)に案内する外縁案内板(24)とから構成し、該外縁案内板(24)を角度調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の選別装置とした。
上記構成により、跳出板(12)の移動によって作物を搬送機構(2)の側方に跳ね出し、跳ね出された作物を跳出板(12)の外縁部に設けた外縁案内板(24)でシュート部(5)方向に案内することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記重量検出機構(3)の検知信号によって搬送機構(2)上の跳ね出し位置まで移動する跳出板(12)に、該跳出板(12)の移動に連動して外縁案内板(24)の角度を変更する連動部材(24a)を設けたことを特徴とする請求項2記載の選別装置とした。
上記構成により、重量検出機構(3)の検知信号に応じて跳出板(12)を跳ね出し位置まで移動させて作物を跳ね出し、跳出板(12)の動作に連動して連動部材(24a)が動作して外縁案内板(24)の角度調節を調節するので、跳出板(12)に跳ね出された作物がシュート部(5)とは異なる位置に移動しても、外縁案内板(24)が作物をシュート部(5)方向に案内するので、作物がシュート部(5)の外に跳ね出されることを防止できる。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記搬送機構(2)の搬送速度を測定する速度検出部材(21)を設け、該速度検出部材(21)の検出結果に応じて選別スライドフレーム(13)と排出スライドフレーム(14)とを搬送方向に沿って所定距離スライドさせるスライド板(22)と該スライド板(22)に接触して回転するスライド回転体(23)とを備えてスライド駆動装置(S)を構成したことを特徴とする請求項1記載の選別装置とした。
上記構成により、スライド板(22)とスライド回転体(23)とから選別スライドフレーム(13)と排出スライドフレーム(14)とをスライドさせるスライド駆動装置(S)を構成したことにより、搬送機構(2)を高速あるいは低速に変速させても、速度検出部材(21)が検出した搬送機構(2)の速度に応じて自動的に搬送機構(2)の搬送速度に応じた適切な位置に跳出機構(4)とシュート部(5)とを移動させることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明の効果は、跳出機構(4)とシュート部(5)の少なくとも一方、或いは両方を搬送方向に沿ってスライド移動自在としたことにより、搬送機構(2)の搬送速度や作物の生育状態に合わせて作物の排出位置やタイミングを変更することができるので、作物が別のサイズのシュータに跳ね出されたり、跳出板(12)が動作するタイミングが合わず作物を跳ね出し損なったりする等の選別ミスが減少し、作業者が手作業で作物の選別作業を必要がなく、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
また、作物をサイズ等の条件別に適切な跳出機構(4)でシュート部(5)に移動させることができるので、作物の選別精度が向上する。
特に搬送速度を高速にした場合、跳出装置(4)とシュート部(5)の位置を調節することによって作物の排出位置をいっそう適正にすることが可能となり、また、作物の形状や質量に応じて作物の排出位置を適切な位置に設定でき、様々な種類の作物の選別作業に対応することができる。
【0014】
請求項2記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加え、跳出板(12)の外縁部に角度調節自在な外縁案内板(24)を設けたことにより、跳出板(12)が作物に接触するタイミングが若干ずれても、作物は外縁案内板(24)の設定した角度方向に案内されてシュート部(5)へと移動するので、作物が搬送機構(2)に残留することが防止され、作業能率が向上する。
また、跳出板(12)が接触するタイミングがずれた作物が、実際のサイズと異なるシュート部(5)に落下することを防止でき、選別精度が向上する。
【0015】
請求項3記載の発明の効果は、請求項2記載の発明の効果に加え、跳出板(12)の作動に連動して外縁案内板(24)が連動部材(24a)の動作により随時角度調節されるため、重量検出機構(3)で検出した作物がシュート部(5)とは異なる位置に跳ね出されても角度調節された外縁案内板(24)が作物を受けてシュート部(5)に案内するので、作物をシュート部(5)に跳ね出すことができるので、選別精度を向上することができる。
また、所定の落下範囲の外に跳ね出された作物が落下の衝撃で傷付くことを防止でき、作物の商品価値が向上する。
【0016】
請求項4記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加え、搬送機構(2)の搬送速度に応じて選別スライドフレーム(13)と排出スライドフレーム(14)とがスライド駆動装置(S)によって移動するので、搬送機構(2)の搬送速度に応じて跳出機構(4)とシュート部(5)との間隔を相対的に調節できるので、搬送機構(2)の搬送速度を作物の量や種類に応じて変更しても跳出板(12)で跳ね出された作物を確実にシュート部(5)に移動させることができ、選別精度が向上するとともに作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】選別装置の要部平面図
【図2】図1の選別装置の側面図
【図3】ベルト部の要部平面図(a)とベルト構成図(b)
【図4】選別装置の外観側面図
【図5】ベルトの別構成例の要部平面図(a)とその側面図(b)
【図6】ベルトの別の構成例の要部三面図(a)とその動作平面図(b)
【図7】重量検出機構の検知部の側面図(a)とその斜視図(b)
【図8】重量検出機構の検知部の別の構成例の要部拡大平面図(a)および側面図(b)
【図9】重量検出機構の検知部の更に別の構成例の要部拡大平面図(a)および側面図(b)
【図10】スライド駆動装置の拡大図
【図11】跳出機構の拡大平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は多段階選別用の選別装置の要部平面図、図2はその側面図である。
選別装置1は、一方向に搬送動作する搬送機構2に沿って、その片側の重量検出機構3および跳出機構4と、他側のシュート部5とを1組とする選別部を多段階に配置して1列の分級仕分け機構を構成し、本例ではこれを2列平行して左右対称に配置するとともに、シュート部5を中央で集合支持するシュータ支持枠5a、その両側で重量検出機構3を列単位で一体構成した搬送機構2,2に、その外側で跳出機構4を列単位で支持する跳出支持枠4a、4aのブロックによって2列搬送形式に構成する。
【0019】
左右の搬送機構2,2は、作物を一方向に搬送する周回動作可能な無端ベルト11,11をそれぞれ無端状に巻回して構成し、該左右の搬送機構2,2の搬送速度を任意に変更可能な不図示の駆動部を備える。そして、重量検出機構3に検出板3aを無端ベルト11,11の搬送下面に接するように配置し、分級仕分けランクと対応して設定した基準質量を越える作物を検出する。分級仕分けランクを、例えば、3L、2L、L、M、Sの5ランクとした場合は、基準質量の大きい方から順に5台の重量検出機構3…を配列する。
【0020】
跳出機構4は、搬送機構2の移動によって搬送機構2上の搬送物をその側方に跳ね出し可能に跳出板12を軸支し、重量検出機構3の検出信号に応じて作物を側方のシュート部5に跳出動作可能に不図示の駆動部を備えて構成する。
【0021】
跳出支持枠4aは、シュート部5と対応するように跳出機構4を列状に配置して一体支持するとともに、排出スライドフレーム14によって搬送機構2の搬送方向に沿ってスライド移動可能に構成し、スライド操作のための長穴固定部14aにより、長穴の範囲内の所要位置でボルト等の固定部材で固定する。
【0022】
シュート部5は、両搬送機構2,2の間に開口して跳出機構4によって搬送機構2から押出された作物を受け、所定の貯留位置に案内する。シュータ支持枠5aは、全てのシュート部5の開口を一体に支持するとともに選別スライドフレーム13によって搬送機構2の搬送方向に沿ってスライド移動可能に構成し、スライド操作のための長穴固定部13aにより、長穴の範囲内の所要位置でボルト等の固定部材で固定する。
【0023】
上記構成の選別装置1の選別動作について説明する。
選別装置1は、各搬送機構2,2によって作物を搬送する間に、搬送機構2のベルト11の下の検出板3aによって設定質量超過を検出すると、対応する跳出機構4が移動することによって搬送機構2上の作物を側方に跳ね出し、それを跳出機構4の反対側に開口するシュート部5に受けて作物を所定の貯留位置まで案内する。
【0024】
この場合において、跳出支持枠4aおよびシュータ支持枠5aは、それぞれの選別スライドフレーム13及び排出スライドフレーム14のスライド動作によって跳ね出し位置や受ける位置を搬送方向に沿って変えることができるので、作物の形状や質量、搬送速度等に応じて双方またはその一方のスライド動作によって適切な関係位置に設定することにより、作物が別のサイズのシュータに跳ね出されたり、跳出板12が動作するタイミングが合わず作物を跳ね出し損なったりすることが防止され、作物の選別精度を向上することができる。従って、作物の形状や質量に応じて排出位置を適切な位置に設定することにより、様々な種類の作物の選別を行うことができる。
【0025】
次に、スライド駆動制御による選別装置について説明する。
スライド駆動制御による搬送機構2には、搬送速度を検出するロータリーエンコーダ等の速度検出部材21を設け、図10のスライド駆動装置Sの拡大図に示すように、跳出支持枠4aおよびシュータ支持枠5aのそれぞれの選別スライドフレーム13及び排出スライドフレーム14に搬送方向に沿って設けるラック22とスライドモータ23aによって回転するピニオンギア23とからなるスライド駆動部を設け、作物の種類や生育状況等の条件の違いや、前記速度検出部材21が検出した左右の搬送機構2,2の搬送速度に応じて跳出機構4とシュート部5のスライド位置を制御する制御システムを構成する。
【0026】
この選別装置は、選別スライドフレーム13及び排出スライドフレーム14の制御指令により設定された関係位置で随時再現することができ、搬送機構2の搬送速度が基準の速度(例えば、1.3m/s)以上の高速であることを条件として、何れか一方または双方のスライド制御によって対応する関係位置まで跳出機構4、シュート部5を個別にまたは連動して搬送下手側に移動制御する如く、作業者によるスライドフレーム13,14の細かい位置調節の労力を要することなく、各種の条件に応じて分級仕分け精度を確保することができる。
【0027】
選別スライドフレーム13及び排出スライドフレーム14のスライド動作に際しては、安全のためにランプLの点灯またはブザーBの吹鳴を行い、装置作動スイッチを「切」にしたときは、コンパクト化のために、スライド位置を戻すように制御する。
【0028】
跳出板12には、その拡大平面図を図11に示すように、その外縁部で作物を側方に案内する外縁案内板24を所定の方向角度に設定可能に軸支することにより、跳出板12が搬送物に接触するタイミングが若干ずれても、外縁案内板24の方向角度により確実に側方のシュータ開口に案内することができるので、選別区分精度を向上することができる。
【0029】
外縁案内板24は、ワイヤー、ロッド等の連動部材24aを設けることにより、跳出板12の移動と連動して所定の方向角度まで移動するように構成してもよく、そのほか、搬送機構2の搬送速度が基準の速度(例えば、1.3m/s)以上の高速であることを条件として、自動的に角度を変更して出てくるようにし、装置作動スイッチを「切」にしたときは閉じるように構成する。
【0030】
(無端ベルト)
次に、搬送機構2の無端ベルト11については、図3のベルト部の要部平面図(a)、ベルト構成図(b)とその側面図(c)に示すように、基本生地31の表面の片側(重量検出機構3の側)に寄せた位置に屈曲可能なプレート32…を複数貼り付けて構成し、その基本生地31の部分は、包帯状の伸縮可能な生地とすることにより、屈曲可能なプレート32上に乗った搬送物の質量をベルトの張りの影響を抑えて精度良く計量することができる。
【0031】
基本生地31の他側には、ベルトの蛇行を防止するために裏面にVガイド33を周回形成する。この部分は伸縮性がなく、かつ屈曲性のよい材質とし、Vガイド33の部分を張ることによりベルトの滑りをなくして搬送能力を高めることができる。
【0032】
相互隣接の重量検出機構3,3の間の隣接プレートには、包帯状のベルトの隙間に入った水を排水してベルトの貼り付きを防止するために、ジョウゴ形状の排水溝34を形成する。この排水溝34に入った水が重量検出機構3に影響しないように、排水溝34と連通してシュート部5の開口部に排水樋35を設ける。
【0033】
この排水樋35は、図4の選別装置の外観側面図に示すように、搬送下手側に集中する機器駆動部を避けて、水分環境下にある投入部である搬送機構2の搬送上手側に流れるように傾斜して集水口36に排水を戻してホース36aで排水路に排出することにより、作業後の水抜きメンテナンスを要することなく、搬送飛び散った水による制御異常を回避することができるとともに、機体下の床面Fの水濡れを防止して良好な作業環境を確保することができる。
【0034】
次に、ベルトの別構成例として、図5の要部平面図(a)とその側面図(b)に示すように、ベルト41は、ある程度引っ張られても張りを吸収して重量検出機構3への影響を抑えるように、Vガイド部を除き、ゴム生地でその縦断面が凹凸蛇腹形状として上下の屈曲性を確保し、かつ、張力を打ち消すように伸びやすく構成する。
【0035】
駆動ローラ42は、ベルト41の凹凸と噛み合う凹凸を形成して滑りに強く構成し、さらに、その噛み合いを確保する対向ローラを43を設ける。この対向ローラは、グリップを確保して滑りを抑えるために、ベルト41の凹凸と噛み合う凹凸を形成する。
また、Vガイド33にも凹凸を形成して伸縮可能とすることにより、重量検出機構3への影響を抑えることができる。
【0036】
また、ベルトの溶着部分は撓みにくく、重量検出機構3の誤検知の原因となることから、その問題解決のために、ベルト51の別の構成例として、図6の要部三面図(a)に示すように、表面層52と裏生地53の複数層で構成し、表面層52と裏生地53とを段違いにしてオーバーラップWを設ける。このオーバーラップWの裏生地53の飛び出し部分は、ベルトの作動時に引っ掛かって捲れないように、搬送方向の逆側に配置する。
【0037】
ベルト51の重量検出機構3の側は連結せず、蛇行防止のためにVガイド33の側のみを連結して構成することにより、ベルト51に引っ張り力が掛かった場合は、図6(b)の要部の動作平面図に示すように、側端側が開くことにより、ベルトの引っ張り力の影響を抑えることができる。また、隙間Gの開きを一定範囲に抑えるために、ゴムバンド54を裏側に接着する。
【0038】
上記重量検出機構3の検知板61は、図7(a)の側面図に示すように、搬送プレートが引っ掛からないように、搬送方向Fにおける前後の端部61a、61aを下方へ緩やかな傾斜をつけ、この検知板61が隣接のプレート62より一定(1〜3mm程度)H以上出ないように、かつ、前後方向の傾斜が発生しないように前後の端部61a、61aの先端を隣接配置の隣接プレート62に形成した穴63,63に挿入する。
【0039】
また、前後の高さ位置を個別に調節して水平と所定の高さを維持するために、図7(b)の斜視図に示すように、隣接のプレート62の前後の穴63,63を含む部分をそれぞれ別体の受部64,64として構成し、その取付け高さを調節可能に構成する。
【0040】
重量検出機構3の隣接プレート71の別の構成例については、図8の要部拡大平面図(a)および側面図(b)に示すように、両端部72,72を分割して上下可動式に構成し、検知板61の下方バー73を端部72に挿入可能に構成することで、検知板61の上下に連動して隣接プレート71の端部72,72が上下動作することから、ベルトの張りによる誤差を小さく抑えることができる。
【0041】
また、更に別の構成例として、図9の要部拡大平面図(a)および側面図(b)に示すように、上記隣接プレート71の代わりに、簡易な帯板部材81でベルト11を支持し、帯板部材81の両端に塩ビ管82,82を追加することにより、ベルトの追従性を確保することができる。
【符号の説明】
【0042】
1a 機体フレーム
2 搬送機構
3 重量検出機構
4 跳出機構
5 シュート部
11 無端ベルト
13 選別スライドフレーム
14 排出スライドフレーム
21 速度検出部材
22 ラック(スライド板)
23 ピニオンギア(スライド回転体)
24 外縁案内板
24a 連動部材
D スライド量
S スライド駆動装置
T 折り畳み台
W スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1a)に搬送無端帯(11)で作物を搬送する搬送機構(2)を設け、該搬送機構(2)で搬送される作物の重量を検出する重量検出機構(3)を搬送機構(2)の搬送方向に亘って複数設け、前記機体フレーム(1a)の左右一側に搬送方向に沿って移動自在な選別スライドフレーム(13)を設け、該選別スライドフレーム(13)に前記重量検出機構(3)で検出された作物の重量に応じて作物を搬送機構(2)から排出する跳出機構(4)を搬送機構(2)の搬送方向に亘って複数設け、前記搬送機構(2)の左右他側に該跳出機構(4)で跳ね出された作物を案内するシュート部(5)を開口し、該シュート部(5)の上部に搬送方向に沿って排出スライドフレーム(14)をスライド自在に設けたことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記跳出機構(4)を、移動によって搬送機構(2)上の作物を側方に跳ね出し可能に軸支した跳出板(12)と、該跳出板(12)の外縁部に作物をシュート部(5)に案内する外縁案内板(24)とから構成し、該外縁案内板(24)を角度調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の選別装置。
【請求項3】
前記重量検出機構(3)の検知信号によって搬送機構(2)上の跳ね出し位置まで移動する跳出板(12)に、該跳出板(12)の移動に連動して外縁案内板(24)の角度を変更する連動部材(24a)を設けたことを特徴とする請求項2記載の選別装置。
【請求項4】
前記搬送機構(2)の搬送速度を測定する速度検出部材(21)を設け、該速度検出部材(21)の検出結果に応じて選別スライドフレーム(13)と排出スライドフレーム(14)とを搬送方向に沿って所定距離スライドさせるスライド板(22)と該スライド板(22)に接触して回転するスライド回転体(23)とを備えてスライド駆動装置(S)を構成したことを特徴とする請求項1記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−274193(P2010−274193A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128890(P2009−128890)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】