説明

選択摺動式リバースシフト装置及び選択摺動式リバースシフト装置の組み付け方法

【課題】 低コストで軽量な選択摺動式リバースシフト装置及びその装置の組み付け方法を提供する。
【解決手段】 本発明の選択摺動式リバースシフト装置10は、リバースシフト操作に応じて、リバースシフトアーム4を揺動させてアイドラギヤ3を軸方向へ摺動させ、入力軸上に支承されるリバースドライブギヤ及び出力軸上に支承されるリバースドリブンギヤに噛合させる選択摺動式リバースシフト装置10において、ケース6は、保持部材5を介してリバースシフトアーム4を揺動可能に保持し、リバースシフトアーム4の揺動方向に平行に形成される組み付け部61を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択摺動式リバースシフト装置及びその装置の組み付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車の変速機のうち後進段のためのギヤが選択摺動式のタイプは、前進用の複数の歯車は同期装置を介して円滑に切り替えられるように構成されている。後進用の歯車は、通常、停車状態で切り替えられるため、特許文献1や特許文献2に示されるように、同期装置を介さずにアイドラギヤの摺動により選択的に切り替えられる構成である。
【0003】
ところで、図7に示される選択摺動式リバースシフト装置9は、リバースシフト操作に応じて揺動するリバースシフトアーム91と、リバースシフトアーム91が係合し、リバースシフトアーム91の揺動により、アイドラ軸92を軸方向に摺動するリバースアイドラギヤ93と、を有する。リバースシフトアーム91は、一端911がリバースアイドラギヤ93と係合し、他端が揺動軸となる支持ピン94によってブラケット95に支承されている。そして、中程の開口した孔96にフォークシャフトのピンが係合しており、穴の近くにトーションスプリング97の一端が係止されている。トーションスプリング97の他端はブラケット95に係止している。リバースシフトアーム91が支承されるブラケット95は、変速機のケース90に対して平行な面がネジ止めされ、ケース90に対して垂直に曲げられた部分に支持ピン94が挿入される。リバースアイドラギヤ93は、入力軸及び出力軸上のギヤと噛合していない待機位置(実線)と、噛合するリバース位置(2点鎖線)とを有する。トーションスプリング97は、リバースシフトアーム91を介して、リバースアイドラギヤ53を待機位置(実線)及びリバース位置(2点鎖線)に付勢する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−42810号公報
【特許文献2】特開2005−233361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
選択摺動式リバースシフト装置は、前進段のストロークより大きなストロークをリバースシフトアームが確保する必要があり、レバー比の取れる構造が必要である。また、前進段のギヤと異なり、リバースアイドラギヤを待機位置及びリバース位置に保持する必要がある。しかし、そのために、ケースが大型化したり、部品点数が増加したりと、変速機の重量増やコストアップの原因となっている。更に、限られたスペースで、上記の機能を持たせることで、部品の大型化あるいは部品の形状が複雑化する場合もあり、変速機の重量増の原因、部品の製造工程の複雑化や組み立て工程の複雑化によるコストアップの原因である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、低コストで軽量な選択摺動式リバースシフト装置及びその装置の組み付け方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の構成上の特徴は、変速機のケース内に軸支されており入力軸及び出力軸に並列するリバースアイドラギヤ軸と、同リバースアイドラギヤ軸上に軸方向へ摺動可能に支承されるリバースアイドラギヤと、前記リバースアイドラギヤに係合するギヤ係合部をもつリバースシフトアームと、を有し、リバースシフト操作に応じて、前記リバースシフトアームを揺動させて前記アイドラギヤを軸方向へ摺動させ、前記入力軸上に支承されるリバースドライブギヤ及び前記出力軸上に支承されるリバースドリブンギヤに噛合させる選択摺動式リバースシフト装置において、
前記ケースは、保持部材を介して前記リバースシフトアームを揺動可能に保持し、前記リバースシフトアームの揺動方向に平行に形成される組み付け部を有することである。
【0008】
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記保持部材及び前記組み付け部の間の前記リバースシフトアームの揺動軸となり、前記保持部材及び前記組み付け部で前記リバースシフトアームを挟んで締結する揺動軸締結部材を有し、
前記保持部材は、前記リバースシフトアームを前記組み付け部に保持するための回り止めとなることである。
【0009】
また上記課題を解決するための請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載の選択摺動式リバースシフト装置おいて、前記リバースシフトアーム及び前記保持部材をトーションスプリングで保持する保持工程と、
前記リバースシフトアームのギヤ係合部を前記リバースアイドラギヤに係合し、前記トーションスプリングで保持された前記保持部材及び前記リバースシフトアームを前記ケースの前記組み付け部に前記揺動軸締結部材で設置するケース設置工程と、
を有することである。
【0010】
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、前記揺動軸締結部材はネジ部材で、
前記ケース設置工程は前記保持部材を前記組み付け部に前記ネジ部材によって締め付けて固定する工程であることである。
【0011】
また請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項3又は4において、前記ケース設置工程は、前記保持部材のストッパ部が前記ケースに当接して、前記揺動軸締結部材による締め付けの回り止めになることである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明においては、ケースがリバースシフトアームを揺動可能に保持するための組み付け部を有し、その組み付け部がリバースシフトアームの揺動方向に平行に形成されている。ケースにブラケットなどの別部材を取り付けることなく、リバースシフトアームをケースに保持することができるため、ブラケットなどを取り付けていた部材が減少し、部品点数の減少による低コスト化や軽量が可能になる。
【0013】
請求項2に係る発明においては、リバースシフトアームが揺動軸締結部材によって保持部材及び組み付け部の間に保持され、揺動軸締結部材が揺動軸になる。そして、保持部材はリバースシフトアームを組み付け部に保持するための回り止めになるため、リバースシフトアームは組み付け部にしっかりと保持される。リバースシフトアームは、揺動軸締結部材の締結により揺動可能にケースに保持されるため、組み付けも簡単である。
【0014】
請求項3に係る発明においては、リバースシフトアームがまず、トーションスプリングによって保持部材と共に保持され、その状態で揺動軸締結部材によってケースに設置される。つまり、保持部材を先にケースに取り付けずに、リバースシフトアームと一緒にケースに取り付ける。リバースシフトアーム及び保持部材は、ばらばらにならないようにトーションスプリングによって保持される。このトーションスプリングは、リバースシフトアームを待機位置及びリバース位置に保持する機能を有する部材であり、あとから取り除く必要はない。請求項3に係る発明によれば、組み付けの工程が少なく、かつ簡単であるため、軽量な選択摺動式リバースシフト装置を低コストで組み付けることができる。
【0015】
請求項4に係る発明においては、リバースシフトアームを揺動可能にケースに保持するための揺動軸締結部材がネジ部材であり、締め付けることで固定されるため、リバースシフトアームを簡単にケースに組み付けることができる。
【0016】
請求項5に係る発明においては、リバースシフトアームをケースに揺動可能に設置するための保持部材がケースに当接するストッパ部を有し、揺動軸締結部材によって締め付けられる際の回り止めとなるため、保持部材を締め付けし過ぎることなく、確実にリバースシフトアームをケースに組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のリバース装置10の構成を示す説明図である。
【図2】図1をA−Aから見た図である。
【図3】本実施形態のリバース装置10の主要部の説明図である。
【図4】本実施形態のリバース装置10に用いられる支持プレート5の構成を示す説明図である。
【図5】本実施形態のリバース装置10に用いられるリバースシフトアーム4、支持プレート4、及びトーションスプリング8を下方から見た図である。
【図6】本実施形態のリバース装置10の組み付け方法を説明するための説明図である。
【図7】従来のリバース装置の構成を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の代表的な実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態に係る選択摺動式リバースシフト装置は、車両に搭載される変速機に設置される。
【0019】
(実施形態)
本実施形態の選択摺動式リバースシフト装置(以下、単に「リバース装置」と称する。)10は、図1及び2に示されるように、リバースアイドラギヤ軸21と、リバースアイドラギヤ3と、リバースシフトアーム4と、支持プレート(保持部材)5と、組み付け部61と、揺動軸(揺動軸締結部)7と、トーションスプリング8とを有する。
【0020】
リバースアイドラギヤ軸21は、入力軸(図示略)及び出力軸(図示略)に並列に、変速機(図示略)のケース6内に軸支される。
【0021】
リバースアイドラギヤ3は、リバースアイドラギヤ軸21に回転自在且つ軸方向に摺動可能に支承される。リバースアイドラギヤ3は、軸方向において、一方にギヤ本体31と他方に後述するリバースシフトアーム4のギヤ係合部41が係合する被係合部32とを有する。ギヤ本体31は外周歯311を有し、入力軸上に支承されるリバースドライブギヤ(図示略)及び出力軸上に支承されるリバースドリブンギヤ(図示略)に噛合可能である。リバースアイドラギヤ3は、ギヤ本体31がリバースドライブギヤ及びリバースドリブンギヤに噛合しない待機位置と、ギヤ本体31がリバースドライブギヤ及びリバースドリブンギヤに噛合するリバース位置との間を摺動する。
【0022】
リバースシフトアーム4は、一端にリバースアイドラギヤ3の被係合部32に係合するギヤ係合部41を有し、他端側に後述する揺動軸7が挿入される揺動中心孔42が形成されている。リバースシフトアーム4は、図3に示されるように、揺動軸7を揺動中心として、待機位置(実線)とリバース位置(2点鎖線)とに揺動する。リバースシフトアーム4の待機位置及びリバース位置はリバースアイドラギヤ3の待機位置及びリバース位置に対応する。
【0023】
また、リバースシフトアーム4は、中央部分にフォークシャフト22のピン23が係合するフォーク係合孔43と、フォーク係合孔43の近くに後述するトーションスプリング8の一端が係合するスプリング係合孔44が形成されている。なお、フォークシャフト22は、リバースアイドラギヤ軸21と略並列に軸方向可動可能にケース6内に軸支されている。
【0024】
支持プレート5は、図2に示されるように、後述する組み付け部61とでリバースシフトアーム4を挟み込み、リバースシフトアーム4をケース6に取り付ける部材である。支持プレート5は、図1及び図4に示されるように、ストッパ部51を有し、リバースシフトアーム4の揺動中心孔42に挿入される揺動中心部52と、トーションスプリング8の他端が係合するスプリング係合孔53とが形成されている。ストッパ部51は、支持プレート5の外周の一部が若干突出して形成されている(図2参照)。揺動中心部52は、揺動軸7が螺合する開口521が開口している。揺動中心部52の外径は、リバースシフトアーム4の揺動中心孔42に挿入された状態で、リバースシフトアーム4の揺動が自在に行える大きさが好ましい。よって、揺動中心孔42に揺動中心部52が嵌挿される状態であっても、リバースシフトアーム4が揺動出来れば良い。スプリング係合孔53は、ストッパ部51から離れた位置に形成されている。
【0025】
組み付け部61は、ケース6の一部であり、図2に示されるように、支持プレート5とでリバースシフトアーム4を挟み込む部材であり、揺動軸7が挿入される開口611が形成されている。
【0026】
揺動軸7は、雌ねじであり、図1及び図2に示されるように、ナット24を組み付け部61との間に挟み、組み付け部61の開口611及び支持プレート5の開口521に挿入される。そして、支持プレート5の開口521に螺合して、支持プレート5と組み付け部61とをネジ止めする。リバースシフトアーム4の揺動中心孔42には、支持プレート5の揺動中心部52を介して挿入され、リバースシフトアーム4の揺動中心となる。
【0027】
トーションスプリング8は、図5に示されるように、2つの直線部81,82と曲線部83とを有する。2つの直線部81、82は、その端部が他方の直線部側に曲げられておいる。第1の直線部81はリバースシフトアーム4のスプリング係合孔44に挿入されて係合し、第2の直線部82は支持プレート5のスプリング係合孔53に挿入されて係合している。トーションスプリング8は、リバースシフトアーム4を待機位置及びリバース位置のそれぞれで保持されるように付勢する。
【0028】
次に、本実施形態のリバース装置10の組み付け方法について説明する。まず、リバースシフトアーム4の揺動中心孔42に支持プレート5の揺動中心部52を挿入する。そして、図5に示されるように、トーションスプリング8の第1の直線部81をリバースシフトアーム4のスプリング係合孔44に、第2の直線部82を支持プレート5のスプリング係合孔53に、挿入する。次に、トーションスプリング8によって一体的に保持されるリバースシフトアーム4及び支持プレート5のリバースシフトアーム4のギヤ係合部41をリバースアイドラギヤ3の被係合部32に係合し、リバースシフトアーム4のフォーク係合孔43にフォークシャフト22のピン23を係合する。そして、リバースシフトアーム4の揺動中心孔42及び支持プレート5の揺動中心部52の開口521をケース6の組み付け部61の開口611に合わせ、揺動軸7を組み付け部61の側から挿入する。挿入した揺動軸7を支持プレート5の揺動中心部52の開口521に螺合する。螺合する際、例えば、図6の2点鎖線で示される位置に支持プレート5が位置して居た場合、支持プレート5は揺動軸7の回転方向Xに回動し、支持プレート5のストッパ部51がケース6の内面62に当接し、組み付け部61と支持プレート5がしっかりと締め付けられる。結果、リバースシフトアーム4が揺動自在に組み付け部61(ケース6)に保持される。ストッパ部51が当接するケース6は組み付け部61とは別の場所であり、組み付け部61に対して略直角に形成されている。なお、ストッパ部51が当接するのはケース6に限らず、ケース6に固定されている部材でも良い。
【0029】
上記のようにケース6に組み付けられたリバース装置10は、リバースシフト操作に応じてフォークシャフト22が軸方向に移動し、リバースシフトアーム4が揺動軸7を揺動中心として揺動する。そして、リバースシフトアーム4に係合しているリバースアイドラギヤ3が待機位置からリバース位置へと摺動し、入力軸上に支承されるリバースドライブギヤ及び出力軸上に支承されるリバースドリブンギヤに噛合する。
【0030】
(効果)
本実施形態のリバース装置10は、リバースシフトアーム4の揺動方向と平行に形成された組み付け部61がケース6に形成されている。ケース6にブラケットなどの別部材にリバースシフトアーム4を揺動可能に保持する構成の場合、ブラケットなどをケース6に設置するためのネジ部材が必要である。リバースシフトアーム4を揺動可能に保持するにあたり、ブラケットなどを用いている場合、ブラケットがケースとでリバースシフトアーム4を挟み込み、ブラケットが揺動軸7の締め付けの際の回り止めであり、ブラケットがトーションスプリング8の他端が係合する部材でもある。しかし、本実施形態のリバース装置10によれば、ケース6にネジ止めなどしていない支持プレート5がリバースシフトアーム4をケース6(組み付け部61)とで挟み込み、揺動軸7の締め付けの際の回り止めになり、トーションスプリング8の他端が係合する。つまり、ケース6にリバースシフトアーム4を保持するための組み付け部61を形成する構成であるため、部品点数が減少し、低コストと軽量が可能となる。
【0031】
また、ブラケットなどを用いてケース6にリバースシフトアーム4を組み付ける場合に比べて、本実施形態のリバース装置10の組み付けが簡単にできる。まず、ブラケットなどを用いる場合、ブラケット自体の構成が複雑であり、ブラケットを製造するコストがかかる。特に、従来のリバース装置の1つである図7の場合は、ブラケットを略直角に曲げる工程が必要である。そして、ブラケットをケース6にネジ止めによって組み付ける。本実施形態のリバース装置10は、支持プレート5とリバースシフトアーム4とがトーションスプリング8によって保持された状態で、ケース6に揺動軸7でネジ止めされて設置が完了する。ネジ(揺動軸7)によって締め付けられる工程が1つである。そして、支持プレート5とリバースシフトアーム4とは、組み付け部61にネジ止めされるまでトーションスプリング8によって保持されているため、ばらばらになりにくい。トーションスプリング8も組み付けのためだけに用いられる部品ではなく、リバースシフトアーム4を待機位置及びリバース位置にそれぞれ保持するために付勢する部材であり、組み付け後に取り外すことなく、組み付け後も無駄がない。
【0032】
よって、本実施形態のリバース装置10を組み付ける組み付け方法は、リバース装置10をケースに簡単に設置することができ、コストを抑制できる。
【0033】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、支持プレート5の外形形状は、図4に示される形状に限られない。本実施形態のリバース装置10では、支持プレート5を最低限の機能を有する形状とすることで、軽量化を図るために小さい形状を採用している。
【符号の説明】
【0034】
10:リバース装置(選択摺動式リバースシフト装置)、
21:リバースアイドラギヤ軸、22:フォークシャフト、23:ピン、24:ナット、
3:リバースアイドラギヤ、31:ギヤ本体、311:外周歯、32:被係合部、
4:リバースシフトアーム、41:ギヤ係合部、42:揺動中心孔、
43:フォーク係合孔、44,53:スプリング係合孔、
5:支持プレート(保持部材)、51:ストッパ部、52:揺動中心部、
521,611:開口、
6:ケース、61:組み付け部、62:内面、
7:揺動軸(揺動軸締結部材)、
8:トーションスプリング、81:第1の直線部、82:第2の直線部、83:曲線部、
9:従来のリバース装置、90:ケース、91:リバースシフトアーム、911:係合部、
92:リバースアイドラギヤ軸、93:リバースアイドラギヤ、94:支持ピン、
95:ブラケット、96:孔、97:トーションスプリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機のケース内に軸支されており入力軸及び出力軸に並列するリバースアイドラギヤ軸と、同リバースアイドラギヤ軸上に軸方向へ摺動可能に支承されるリバースアイドラギヤと、前記リバースアイドラギヤに係合するギヤ係合部をもつリバースシフトアームと、を有し、リバースシフト操作に応じて、前記リバースシフトアームを揺動させて前記アイドラギヤを軸方向へ摺動させ、前記入力軸上に支承されるリバースドライブギヤ及び前記出力軸上に支承されるリバースドリブンギヤに噛合させる選択摺動式リバースシフト装置において、
前記ケースは、保持部材を介して前記リバースシフトアームを揺動可能に保持し、前記リバースシフトアームの揺動方向に平行に形成される組み付け部を有することを特徴とする選択摺動式リバースシフト装置。
【請求項2】
前記保持部材及び前記組み付け部の間の前記リバースシフトアームの揺動軸となり、前記保持部材及び前記組み付け部で前記リバースシフトアームを挟んで締結する揺動軸締結部材を有し、
前記保持部材は、前記リバースシフトアームを前記組み付け部に保持するための回り止めとなる請求項1に記載の選択摺動式リバースシフト装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の選択摺動式リバースシフト装置において、
前記リバースシフトアーム及び前記保持部材をトーションスプリングで保持する保持工程と、
前記リバースシフトアームのギヤ係合部を前記リバースアイドラギヤに係合し、前記トーションスプリングで保持された前記保持部材及び前記リバースシフトアームを前記ケースの前記組み付け部に前記揺動軸締結部材で設置するケース設置工程と、
を有することを特徴とする選択摺動式リバースシフト装置の組み付け方法。
【請求項4】
前記揺動軸締結部材はネジ部材で、
前記ケース設置工程は前記保持部材を前記組み付け部に前記ネジ部材によって締め付けて固定する工程である請求項3に記載の選択摺動式リバースシフト装置の組み付け方法。
【請求項5】
前記ケース設置工程は、前記保持部材のストッパ部が前記ケースに当接して、前記揺動軸締結部材による締め付けの回り止めになる請求項4に記載の選択摺動式リバースシフト装置の組み付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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