選果システム
【課題】各青果物の品質に応じて当該青果物を適切に吸着して移送することができる選果システムを提供する。
【解決手段】青果物6を吸着部140によって吸着し、当該青果物6を一の場所から他の場所へと移送する移送装置60を具備する選果システム1であって、青果物6の品質を計測する品質計測部40と、吸着部140に負圧を発生させる複数のエジェクタ(第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130)と、品質計測部40により計測される青果物6の品質に応じて、前記複数のエジェクタのうち作動するエジェクタの個数を切り換える制御装置70と、を具備した。
【解決手段】青果物6を吸着部140によって吸着し、当該青果物6を一の場所から他の場所へと移送する移送装置60を具備する選果システム1であって、青果物6の品質を計測する品質計測部40と、吸着部140に負圧を発生させる複数のエジェクタ(第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130)と、品質計測部40により計測される青果物6の品質に応じて、前記複数のエジェクタのうち作動するエジェクタの個数を切り換える制御装置70と、を具備した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、載置台に載置された青果物を搬送装置により搬送し、当該搬送経路中途部において搬送される青果物の品質を測定する選果システムの技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、品質測定後の青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を載置台から他の場所(例えば、青果物を収容するトレイ等)へと移送する移送装置を具備する選果システムも公知となっている。
【0004】
このような選果システムにおいては、品質測定後の青果物を移送装置を用いて所定のトレイ等に並べて配置し、パック詰めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−327906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような選果システムにおいては、青果物の品質(大きさや重量)には個体差があるため、一定の吸着力で青果物を吸着すると、吸着力が不足して青果物を吸着することができない場合や、吸着力が過大となって青果物を傷めてしまう場合がある点で不利であった。
【0007】
本発明は以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、各青果物の品質に応じて当該青果物を適切に吸着して移送することができる選果システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、前記青果物の品質を計測する品質計測部と、前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置と、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換える制御装置と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記吸着部を複数具備し、前記制御装置は、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換えるものである。
【0011】
請求項3においては、青果物を複数の吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、前記青果物の品質を計測する品質計測部と、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換える制御装置と、を具備するものである。
【0012】
請求項4においては、前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置を具備し、前記制御装置は、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、青果物の品質に応じて吸着部の吸着力を適切に調節することができ、当該青果物を傷めることなく適切に吸着して移送することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る選果システムの全体的な構成を示した平面図。
【図2】載置台搬送装置及びトレイ搬送装置を示した平面図。
【図3】(a)は載置台を示した平面図、(b)は載置台を示した側面図。
【図4】第一実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図5】第一実施形態に係る移送装置の変形例を示した模式図。
【図6】第二実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図7】第二実施形態に係る吸着部の配置を示した側面図。
【図8】(a)は1つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図、(b)は2つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図。
【図9】第三実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図10】第三実施形態に係る吸着部の配置を示した側面図。
【図11】(a)は1つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図、(b)は2つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図。
【図12】第四実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図13】第四実施形態に係る移送装置の変形例を示した模式図。
【図14】第五実施形態に係る吸着部の構成を示した斜視図。
【図15】(a)は大吸着口で青果物を吸着する場合を示した側面図、(b)は小吸着口で青果物を吸着する場合を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る選果システム1について、図1から図3を用いて説明する。なお、図中で示す白色矢印は載置台5の搬送方向を示すものとして説明する。
【0016】
選果システム1は、載置台5に載置される青果物6を搬送するとともに、当該載置台5に載置される青果物6を等級や階級毎にトレイ8に詰めるシステムである。
【0017】
ここで、本実施形態では、青果物6は可食部6aとがく片(通称:へた)部6bとからなるイチゴであるものとして説明するが、青果物6はその他の青果物(例えば、ミニトマト、ミズナス、リンゴ、ナシ等)であっても良い。
【0018】
またここで、青果物6が詰められるトレイ8は、プラスチック等の合成樹脂素材からなる平面視長方形の部材であり、載置台5から移送された青果物6が収納される収納部8aを縦横に複数個有して構成される。トレイ8では、24個(長手方向に6個、短手方向に4個)の収納部8a・8a・・・が配置される(図2参照)。
トレイ8の収納部8aは、略横に寝かせた青果物6が収まるような形状に合わせて凹状にトレイ8の上面が形成されて構成される。トレイ8の収納部8aが形成される部分の下面は、収納部8aが形成されることによって凸状に形成される。
トレイ8の収納部8aは、平面視で所定角度傾斜するように配置される。本実施形態では、トレイ8の収納部8aは、その長手方向に対して平面視で左方(反時計周り)に略45度傾くように配置され、収納効率を高めている。
【0019】
また、選果システム1は、図1に示すように、作業者によって載置台5に青果物6が載置される青果物載置部30と、青果物載置部30において載置台5に載置された青果物6の品質を計測する品質計測部40と、品質計測部40における計測結果に基づいて青果物6をその等級や階級毎に載置台5からトレイ8に移送する移送部50と、を備える。選果システム1では、主搬送装置11に沿って上流側から順に、青果物載置部30、品質計測部40、移送部50、が配置される。
【0020】
選果システム1は、主搬送装置11の下流側端に廃棄ライン14を備える。選果システム1では、青果物6は、規格外に変形しているもの、規格外に大きすぎるもの又は小さすぎるもの、規格外に変質しているもの、傷が付いているもの、がく片部6bがないもの、残留農薬が規定値以上のもの等の場合には、廃棄ライン14に搬送される。
【0021】
選果システム1は、青果物載置部30において青果物6が載置台5に正確に載置されていなかった場合に、品質計測部40の下流側から、主搬送装置11の上流側に当該載置台5を戻す、リターンライン12を備える。
【0022】
選果システム1は、移送部50において青果物6がトレイ8へ移送されて青果物6が載置されていない(空の状態)載置台5を、移送部50の終端から主搬送装置11の上流側に戻す、載置台戻りライン13を備える。
【0023】
選果システム1は、制御装置70(図4等参照)を備える。選果システム1の制御装置70は、種々の情報を記憶する記憶手段を有し、また、種々の機構や装置等に接続されてこれを制御するものである。
【0024】
載置台5は、青果物6が載置されるものであり、図3に示すように、略円筒状に形成される。載置台5は、その上面に青果物6が載置される載置部5aと、その平面視中央部に上下方向に貫通する貫通孔5bと、を有して構成される。
載置台5の載置部5aは、貫通孔5bに向かって低くなる略円錐形の凹状に形成され、略横に寝かせた青果物6が収まるように構成される。載置台5の貫通孔5bは、後述する、品質計測部40の投光手段から照射される光が上方(又は下方)から下方(又は上方)に貫通孔5b内を通って、受光手段がこれを受光可能なように構成される。
【0025】
また、載置台5の側面(若しくは底面)には、ID認識手段が貼設される。具体的には、載置台5のID認識手段は、バーコードや二次元コードや磁気テープやICチップ等で構成される。載置台5のID認識手段には、認識番号が記される(IDが書込まれる)。載置台5のID認識手段における認識番号は、品質計測部40や移送部50において、それぞれ図示しない読取手段によって読取られる。
【0026】
選果システム1の主搬送装置11は、ベルトコンベアにより構成される。主搬送装置11の搬送ベルトの搬送面上には、青果物6が載置されていない載置台5、又は、青果物載置部30において青果物6が載置された載置台5が載せられて搬送される。
【0027】
選果システム1の青果物載置部30では、主搬送装置11の上流側の両側又は一側に、複数の作業者が位置して、当該作業者によって主搬送装置11により搬送される載置台5に青果物6が載置される。
詳述すると、青果物載置部30では、複数の作業者が、主搬送装置11の上流側の左右両側、又は、左右一側に、搬送方向に沿って並んで位置する。
そして、青果物載置部30では、主搬送装置11の搬送面に載せられて搬送されてきた載置台5の載置部5aに、略横に寝かせるようにして青果物6を載置する。このとき、青果物6は、載置台5の貫通孔5bの上方に位置するようにして、載置部5a上に載置される。
【0028】
選果システム1の品質計測部40は、載置台5に載置されて主搬送装置11により搬送されてくる青果物6の質量を計測する質量計、青果物6を撮影するCCDカメラ等の撮影手段、撮影手段で撮影された画像に関する情報の画像処理を行う画像処理手段、青果物6の内部の品質を計測する投光手段及び受光手段、等が配置されて構成される。
そして、品質計測部40では、青果物6の質量、青果物6の大きさ、青果物6の変質度合い、青果物6の傷の有無、青果物6のがく片部6bの有無、載置台5に載置される青果物6の向き(がく片部6bの向き、及び、主軸Xの傾斜する方向)、青果物6の糖度や酸度、青果物6の残留農薬濃度、等に関する情報、及び、品質計測部40に配置される読取手段によって読取られた載置台5の認識番号に関する情報は、制御装置70に送信されて、その記憶手段に記憶される。
【0029】
選果システム1の移送部50は、図1に示すように、主搬送装置11の左右両側に複数配置される。
移送部50では、主搬送装置11によって搬送されてくる載置台5を主搬送装置11から各移送部50に搬送して、当該載置台5に載置される青果物6をトレイ8の収納部8aに移送する。各移送部50・50・・・に分岐させる載置台5は、これに載置される青果物6の階級や等級等によって異なる。当該青果物6の階級や等級等は、移送部50毎に予め設定されている。本実施形態では、主搬送装置11の搬送方向に対して左右それぞれに3つずつ移送部50が配置される。
【0030】
移送部50は、主搬送装置11の左側又は右側に搬送路が分岐するように配置される載置台搬送装置51と、主搬送装置11と載置台搬送装置51との分岐部分(載置台搬送装置51の始端側)に配置される分岐装置52と、載置台5に載置される青果物6の向きを修正する方向修正装置(不図示)と、トレイ8を搬送するトレイ搬送装置53と、載置台5に載置された青果物6をトレイ8に移送する移送装置60と、を有して構成される。
【0031】
移送部50の分岐装置52は、主搬送装置11と載置台搬送装置51との分岐部分において、青果物6が載置された載置台5を主搬送装置11から移送部50に分岐させ、載置台搬送装置51へ移送させるものである。
【0032】
ここで、青果物6が載置された載置台5が主搬送装置11によって搬送されてくると、移送部50に配置された読取手段によって、当該載置台5の認識番号が読取られて、当該認識番号に関する情報が制御装置70に送信される。
そして、制御装置70は、前記送信された認識番号に関する情報に関連付けられた、青果物6の等級や階級等に関する情報が、移送部50に設定された青果物6の等級や階級と一致するかについて判断する。
制御装置70によって前記青果物6の等級や階級等が前記移送部50の等級や階級等と一致すると判断された場合には、青果物6が載置される載置台5は、移送部50の分岐装置52により載置台搬送装置51へ移送される。
制御装置70によって前記青果物6の等級や階級が、前記移送部50の等級や階級等と一致しないと判断された場合には、そのまま主搬送装置11により下流へ搬送されて、下流側の移送部50で同様の判断がされる。
【0033】
なお、制御装置70は、前記送信された認識番号に関する情報に関連付けられた、青果物6の変質度合い、青果物6の傷の有無、青果物6のがく片部6bの有無、青果物6の残留農薬濃度、等に関する情報、に基づいて、当該青果物6が規格外のものかについて判断する。
制御装置70によって前記青果物6が、規格外に変形している、規格外に大きすぎる又は小さすぎる、規格外に変質している、傷が付いている、がく片部6bがない、残留農薬濃度が規定値以上、等と判断された場合には、当該青果物6が載置された載置台5は、廃棄ライン14に搬送される。
【0034】
移送部50の載置台搬送装置51は、主搬送装置11から分岐装置52によって移送された青果物6が載置された載置台5を搬送するものである。移送部50の載置台搬送装置51は、その搬送方向が主搬送装置11の搬送方向に対して直交するように配置される。
【0035】
移送部50の方向修正装置は、載置台搬送装置51によって搬送される載置台5の向きを修正して、後述する移送装置60の吸着部140によって青果物6のがく片部6bを吸着可能なように、当該載置台5に載置される青果物6の向き(青果物6のがく片部6bの向き)を修正する。
移送部50の方向修正装置は、青果物6が載置された載置台5を平面視で時計回り又は反時計周りに回転させて、青果物6のがく片部6bが載置台搬送装置51の搬送方向に対して右方に135度の方向を向くように(後述する移送装置60の吸着部140によって青果物6のがく片部6bを吸着可能なように)、青果物6の向きを修正する。
ここで、移送部50の方向修正装置における青果物6の向きを修正する動作は、移送部50の読取手段によって読取られた載置台5の認識番号に関する情報に関連付けられた青果物6の向き(がく片部6bの向き)に関する情報に基づいて、制御装置70によって制御される。
【0036】
移送部50のトレイ搬送装置53は、図2に示すように、ベルトコンベアによって構成され、その搬送方向が載置台搬送装置51の搬送方向と同一方向となるように、載置台搬送装置51に平行して並べて配置される。移送部50のトレイ搬送装置53は、載置台搬送装置51の搬送方向に対して右方に配置される。
【0037】
移送部50のトレイ搬送装置53では、トレイ8は、収納部8aのがく片部収納位置8bがトレイ搬送装置53の搬送方向に対して右方に135度の方向を向くようにしてトレイ搬送装置53の搬送面上に載せられて搬送される。つまり、移送部50のトレイ搬送装置53では、トレイ8は、その収納軸Zがトレイ搬送装置53の搬送方向に対して右方に略135度(左方に45度)傾くようにしてトレイ搬送装置53の搬送面上に載せられて搬送される。
ここで、トレイ8のがく片部収納位置8bとは、トレイ8の収納部8aに青果物6が収納されたときに青果物6のがく片部6bが位置する部分を示す。
【0038】
移送部50の移送装置60は、載置台5に載置された状態で載置台搬送装置51によって搬送される青果物6を、トレイ搬送装置53によって搬送されるトレイ8へ移送するものである。
【0039】
以下では、図4を用いて、第一実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。
第一実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ100、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120、第三エジェクタ130、吸着部140及びサイレンサ150等を具備する。
【0040】
コンプレッサ100は、空気を所定圧力以上となるように圧縮するものである。
【0041】
負圧発生装置としての第一エジェクタ110は、吸着部140に負圧を発生させるものである。第一エジェクタ110の一次側はコンプレッサ100と、第一エジェクタ110の二次側は吸着部140と、第一エジェクタ110の排気側はサイレンサ150と、それぞれ接続される。第一エジェクタ110の一次側から空気が圧送されると、当該第一エジェクタ110の二次側に負圧を発生させることができる。
【0042】
第一エジェクタ110の一次側(コンプレッサ100と第一エジェクタ110との間)には、第一電磁弁111が設けられる。第一電磁弁111は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ100から第一エジェクタ110への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第一電磁弁111は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第一電磁弁111の動作が切り換えられる。
【0043】
負圧発生装置としての第二エジェクタ120は、吸着部140に負圧を発生させるものである。第二エジェクタ120の一次側はコンプレッサ100と、第二エジェクタ120の二次側は吸着部140と、第二エジェクタ120の排気側はサイレンサ150と、それぞれ接続される。このようにして、第二エジェクタ120は、第一エジェクタ110と並列に配置される。第二エジェクタ120の一次側から空気が圧送されると、当該第二エジェクタ120の二次側に負圧を発生させることができる。
【0044】
第二エジェクタ120の一次側(コンプレッサ100と第二エジェクタ120との間)には、第二電磁弁121が設けられる。第二電磁弁121は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ100から第二エジェクタ120への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第二電磁弁121は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第二電磁弁121の動作が切り換えられる。
【0045】
負圧発生装置としての第三エジェクタ130は、吸着部140に負圧を発生させるものである。第三エジェクタ130の一次側はコンプレッサ100と、第三エジェクタ130の二次側は吸着部140と、第三エジェクタ130の排気側はサイレンサ150と、それぞれ接続される。このようにして、第三エジェクタ130は、第一エジェクタ110及び第二エジェクタ120と並列に配置される。第三エジェクタ130の一次側から空気が圧送されると、当該第三エジェクタ130の二次側に負圧を発生させることができる。
【0046】
第三エジェクタ130の一次側(コンプレッサ100と第三エジェクタ130との間)には、第三電磁弁131が設けられる。第三電磁弁131は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ100から第三エジェクタ130への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第三電磁弁131は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第三電磁弁131の動作が切り換えられる。
【0047】
吸着部140は、青果物6を吸着するものである。吸着部140の端部は開口され、当該開口から空気を吸引することで、当該開口に青果物6を吸着することができる。吸着部140は、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。当該機構の動作は、制御装置70によって制御することができる。
【0048】
サイレンサ150は、排出される空気により発生される音を減らすものである。サイレンサ150は、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130から排出される空気を消音したのち、外部へと排出する。
【0049】
次に、図2及び図4を用いて、第一実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0050】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0051】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁111、第二電磁弁121及び第三電磁弁131の動作を制御する。
【0052】
具体的には、青果物6の大きさが小さい場合(例えば、SサイズやMサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁111のみ作動させ、第一エジェクタ110(1つのエジェクタ)だけで吸着部140に負圧を発生させる。
【0053】
青果物6の大きさが中程度である場合(例えば、Lサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁111及び第二電磁弁121を作動させ、第一エジェクタ110及び第二エジェクタ120(合計2つのエジェクタ)で吸着部140に負圧を発生させる。
【0054】
青果物6の大きさが大きい場合(例えば、2Lサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁111、第二電磁弁121及び第三電磁弁131を作動させ、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130(合計3つのエジェクタ)で吸着部140に負圧を発生させる。
【0055】
次に、制御装置70は、吸着部140(より詳細には、吸着部140の開口部分)を青果物6に近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0056】
次に、青果物6を吸着した吸着部140をトレイ8に形成された収納部8aの上部まで移動させる。
【0057】
最後に、制御装置70は、第一電磁弁111、第二電磁弁121及び第三電磁弁131の作動を停止し、すなわち第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130による負圧の発生を停止し、青果物6の吸着を終了させる。これによって、青果物6は吸着部140から離れて、トレイ8の収納部8aに収納される。
【0058】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。特に、イチゴと比較して大きくて重い青果物(リンゴやナシ等)を移送する場合であっても、エジェクタの個数を切り換えることで適切に吸着することができる。
また、青果物6の大きさに適した空気の吸引量(消費量)で当該青果物6を吸着することができるため、圧縮した空気の無駄な消費を減少させることができ、経済性及び環境性を向上させることができる。
【0059】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動するエジェクタの個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0060】
また、上述の例においては、3つのエジェクタの作動を切り換えるものとしたが、エジェクタの個数は2つでも4つ以上であっても良い。
また、上述の例においては、負圧発生装置としてエジェクタを用いるものとしたが、本発明はこれに限らず、空気を吸引する等して負圧を発生させることが可能な装置を用いることが可能である。
【0061】
また、上述の例においては、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130は並列に配置されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、図5に示すように直列に配置することも可能である。
【0062】
具体的には、第二エジェクタ120の一次側を第一エジェクタ110の排気側と接続し、第三エジェクタ130の一次側を第二エジェクタ120の排気側と接続する。
この場合、第二電磁弁121は3ポートの電磁弁で構成し、第一エジェクタ110から第二エジェクタ120へ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ150を介して外部へと排出するように構成する。同様に、第三電磁弁131も3ポートの電磁弁で構成し、第二エジェクタ120から第三エジェクタ130へ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ150を介して外部へと排出するように構成する。
【0063】
以下では、図6及び図7を用いて、第二実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。第二実施形態に係る移送装置60は、青果物6を吸着するための吸着部を2つ(吸着部240A・240B)具備する点で、第一実施形態に係る移送装置60(図4参照)と異なる。以下では、第一実施形態に係る移送装置60(図4参照)と異なる点を中心に説明する。
【0064】
第二実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ200、第一エジェクタ210A・210B、第二エジェクタ220A・220B、第三エジェクタ230A・230B、吸着部240A・240B及びサイレンサ250等を具備する。
【0065】
負圧発生装置としての第一エジェクタ210A、第二エジェクタ220A及び第三エジェクタ230A等の構成は、第一実施形態に係る第一エジェクタ110、第二エジェクタ120、第三エジェクタ130等の構成と略同一である。
【0066】
すなわち、第一エジェクタ210A、第二エジェクタ220A及び第三エジェクタ230Aは並列に配置される。各エジェクタの一次側は各電磁弁(第一電磁弁211A、第二電磁弁221A及び第三電磁弁231A)を介してコンプレッサ200と、各エジェクタの二次側は吸着部240Aと、各エジェクタの排気側はサイレンサ250と、それぞれ接続される。
【0067】
同様に、第一エジェクタ210B、第二エジェクタ220B及び第三エジェクタ230B等の構成は、第一実施形態に係る第一エジェクタ110、第二エジェクタ120、第三エジェクタ130等の構成と略同一である。
【0068】
すなわち、第一エジェクタ210B、第二エジェクタ220B及び第三エジェクタ230Bは並列に配置される。各エジェクタの一次側は各電磁弁(第一電磁弁211B、第二電磁弁221B及び第三電磁弁231B)を介してコンプレッサ200と、各エジェクタの二次側は吸着部240Bと、各エジェクタの排気側はサイレンサ250と、それぞれ接続される。
【0069】
第一電磁弁211A・211B、第二電磁弁221A・221B及び第三電磁弁231A・231Bはそれぞれ制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により各電磁弁の動作が切り換えられる。
【0070】
吸着部240A・240Bは、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。
【0071】
より詳細には、吸着部240Aは、青果物6のがく片部6bに近接又は離間するように配置される。また、吸着部240Bは、青果物6の可食部6aに近接又は離間するように配置される。
【0072】
次に、図6及び図8を用いて、第二実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0073】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0074】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁211A・211B、第二電磁弁221A・221B及び第三電磁弁231A・231Bの動作を制御する。
【0075】
具体的には、青果物6の大きさが小さく、1つの吸着部240Aだけで吸着することが可能である場合、制御装置70は、第一電磁弁211A、第二電磁弁221A及び第三電磁弁231Aのみ作動させ、第一電磁弁211B、第二電磁弁221B及び第三電磁弁231Bを作動させない。これによって、吸着部240Aのみに負圧を発生させる。
また、この場合、第一実施形態と同様に作動させるエジェクタの個数を選択することで、吸着部240Aの吸着力を適宜調節することができる。
【0076】
図8(a)に示すように、吸着部240Aに負圧を発生させた状態で、当該吸着部240Aを青果物6のがく片部6bに近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0077】
一方、青果物6の大きさが大きく、1つの吸着部240Aだけで吸着することが困難である場合、制御装置70は、第一電磁弁211A・211B、第二電磁弁221A・221B及び第三電磁弁231A・231Bを作動させる。これによって、2つの吸着部240A・240Bに負圧を発生させる。
また、この場合、第一実施形態と同様に作動させるエジェクタの個数を選択することで、吸着部240A・240Bの吸着力を適宜調節することができる。
【0078】
図8(b)に示すように、吸着部240A・240Bに負圧を発生させた状態で、当該吸着部240Aを青果物6のがく片部6bに、当該吸着部240Bを青果物6の可食部6aに、それぞれ近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0079】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動する吸着部の個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
【0080】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動する吸着部の個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動する吸着部の個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0081】
また、上述の例においては、2つの吸着部によってがく片部6bと可食部6aをそれぞれ吸着するものとしたが、吸着する位置はこれに限定するものではない。
【0082】
また、上述の例においては、2つの吸着部の作動を切り換えるものとしたが、吸着部の個数は3つ以上であっても良い。
【0083】
以下では、図9及び図10を用いて、第三実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。
第三実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ300、第一エジェクタ310、第一吸着部320、サイレンサ330、第二エジェクタ340及び第二吸着部350等を具備する。
【0084】
コンプレッサ300は、空気を所定圧力以上となるように圧縮するものである。
【0085】
負圧発生装置としての第一エジェクタ310は、第一吸着部320に負圧を発生させるものである。第一エジェクタ310の一次側はコンプレッサ300と、第一エジェクタ310の二次側は第一吸着部320と、第一エジェクタ310の排気側はサイレンサ330と、それぞれ接続される。第一エジェクタ310の一次側から空気が圧送されると、当該第一エジェクタ310の二次側に負圧を発生させることができる。
【0086】
第一エジェクタ310の一次側(コンプレッサ300と第一エジェクタ310との間)には、第一電磁弁311が設けられる。第一電磁弁311は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ300から第一エジェクタ310への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第一電磁弁311は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第一電磁弁311の動作が切り換えられる。
【0087】
負圧発生装置としての第二エジェクタ340は、第二吸着部350に負圧を発生させるものである。第二エジェクタ340の一次側はコンプレッサ300と、第二エジェクタ340の二次側は第二吸着部350と、第二エジェクタ340の排気側はサイレンサ330と、それぞれ接続される。このようにして、第二エジェクタ340は、第一エジェクタ310と並列に配置される。第二エジェクタ340の一次側から空気が圧送されると、当該第二エジェクタ340の二次側に負圧を発生させることができる。
【0088】
第二エジェクタ340の一次側(コンプレッサ300と第二エジェクタ340との間)には、第二電磁弁341が設けられる。第二電磁弁341は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ300から第二エジェクタ340への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第二電磁弁341は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第二電磁弁341の動作が切り換えられる。
【0089】
第一吸着部320は、青果物6を吸着するものである。第一吸着部320の端部は開口され、当該開口から空気を吸引することで、当該開口に青果物6を吸着することができる。第一吸着部320は、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。より詳細には、第一吸着部320は、青果物6のがく片部6bに近接又は離間するように配置される。当該機構の動作は、制御装置70によって制御することができる。
【0090】
第二吸着部350は、青果物6を吸着するものである。第二吸着部350の端部は開口され、当該開口から空気を吸引することで、当該開口に青果物6を吸着することができる。第二吸着部350は、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。より詳細には、第二吸着部350は、青果物6の可食部6aに近接又は離間するように配置される。当該機構の動作は、制御装置70によって制御することができる。
【0091】
サイレンサ330は、排出される空気により発生される音を減らすものである。サイレンサ330は、第一エジェクタ310及び第二エジェクタ340から排出される空気を消音したのち、外部へと排出する。
【0092】
次に、図9及び図11を用いて、第三実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0093】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0094】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁311及び第二電磁弁341の動作を制御する。
【0095】
具体的には、青果物6の大きさが小さい場合(例えば、SサイズやMサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁311のみ作動させ、第一エジェクタ310で第一吸着部320のみに負圧を発生させる。
【0096】
青果物6の大きさが大きい場合(例えば、Lサイズや2Lサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁311及び第二電磁弁341を作動させ、第一エジェクタ310及び第二エジェクタ340で第一吸着部320及び第二吸着部350に負圧を発生させる。
【0097】
次に、制御装置70は、第一吸着部320及び第二吸着部350を適宜青果物6に近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0098】
具体的には、青果物6の大きさが小さい場合、図11(a)に示すように、第一吸着部320のみを青果物6(より詳細には、青果物6のがく片部6b)に近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0099】
青果物6の大きさが大きい場合、図11(b)に示すように、第一吸着部320を青果物6のがく片部6bに、第二吸着部350を青果物6の可食部6aに、それぞれ近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0100】
次に、青果物6を吸着した第一吸着部320及び第二吸着部350をトレイ8に形成された収納部8aの上部まで移動させる。
【0101】
最後に、制御装置70は、第一電磁弁311及び第二電磁弁341の作動を停止し、すなわち第一エジェクタ310及び第二エジェクタ340による負圧の発生を停止し、青果物6の吸着を終了させる。これによって、青果物6は第一吸着部320及び第二吸着部350から離れて、トレイ8の収納部8aに収納される。
【0102】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動する(青果物6を吸着する)吸着部の個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
【0103】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動する吸着部の個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動する吸着部の個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0104】
また、上述の例においては、2つの吸着部によってがく片部6bと可食部6aをそれぞれ吸着するものとしたが、吸着する位置はこれに限定するものではない。
【0105】
また、上述の例においては、2つの吸着部の作動を切り換えるものとしたが、吸着部の個数は3つ以上であっても良い。
【0106】
また、上述の例においては、負圧発生装置としてエジェクタを用いるものとしたが、本発明はこれに限らず、空気を吸引する等して負圧を発生させることが可能な装置を用いることが可能である。
【0107】
以下では、図12を用いて、第四実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。第四実施形態に係る移送装置60は、2つの吸着部(第一吸着部440A及び第二吸着部440B)に負圧を発生させるためのエジェクタを、それぞれ3つずつ具備する点で、第三実施形態に係る移送装置60(図9参照)と異なる。以下では、第三実施形態に係る移送装置60(図9参照)と異なる点を中心に説明する。
【0108】
第四実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ400、第一エジェクタ410A・410B、第二エジェクタ420A・420B、第三エジェクタ430A・430B、第一吸着部440A、第二吸着部440B及びサイレンサ450等を具備する。
【0109】
負圧発生装置としての第一エジェクタ410Aは、第一吸着部440Aに負圧を発生させるものである。第一エジェクタ410Aの一次側はコンプレッサ400と、第一エジェクタ410Aの二次側は第一吸着部440Aと、第一エジェクタ410Aの排気側はサイレンサ450と、それぞれ接続される。第一エジェクタ410Aの一次側から空気が圧送されると、当該第一エジェクタ410Aの二次側に負圧を発生させることができる。
【0110】
第一エジェクタ410Aの一次側(コンプレッサ400と第一エジェクタ410Aとの間)には、第一電磁弁411Aが設けられる。第一電磁弁411Aは2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ400から第一エジェクタ410Aへの空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第一電磁弁411Aは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第一電磁弁411Aの動作が切り換えられる。
【0111】
負圧発生装置としての第二エジェクタ420Aは、第一吸着部440Aに負圧を発生させるものである。第二エジェクタ420Aの一次側はコンプレッサ400と、第二エジェクタ420Aの二次側は第一吸着部440Aと、第二エジェクタ420Aの排気側はサイレンサ450と、それぞれ接続される。このようにして、第二エジェクタ420Aは、第一エジェクタ410Aと並列に配置される。第二エジェクタ420Aの一次側から空気が圧送されると、当該第二エジェクタ420Aの二次側に負圧を発生させることができる。
【0112】
第二エジェクタ420Aの一次側(コンプレッサ400と第二エジェクタ420Aとの間)には、第二電磁弁421Aが設けられる。第二電磁弁421Aは2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ400から第二エジェクタ420Aへの空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第二電磁弁421Aは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第二電磁弁421Aの動作が切り換えられる。
【0113】
負圧発生装置としての第三エジェクタ430Aは、第一吸着部440Aに負圧を発生させるものである。第三エジェクタ430Aの一次側はコンプレッサ400と、第三エジェクタ430Aの二次側は第一吸着部440Aと、第三エジェクタ430Aの排気側はサイレンサ450と、それぞれ接続される。このようにして、第三エジェクタ430Aは、第一エジェクタ410A及び第二エジェクタ420Aと並列に配置される。第三エジェクタ430Aの一次側から空気が圧送されると、当該第三エジェクタ430Aの二次側に負圧を発生させることができる。
【0114】
第三エジェクタ430Aの一次側(コンプレッサ400と第三エジェクタ430Aとの間)には、第三電磁弁431Aが設けられる。第三電磁弁431Aは2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ400から第三エジェクタ430Aへの空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第三電磁弁431Aは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第三電磁弁431Aの動作が切り換えられる。
【0115】
負圧発生装置としての第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bは、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430Aと同様に互いに並列に配置される。具体的には、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430Aの一次側はコンプレッサ400に接続される。また、第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bの二次側は第二吸着部440Bと接続される。
【0116】
第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bの一次側には、空気の流路の連通又は閉塞を切り換える第一電磁弁411B、第二電磁弁421B及び第三電磁弁431Bがそれぞれ設けられる。第一電磁弁411B、第二電磁弁421B及び第三電磁弁431Bは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該各電磁弁の動作が切り換えられる。
【0117】
第一吸着部440A及び第二吸着部440Bは、第三実施形態に係る第一吸着部320及び第二吸着部350(図10参照)と同様に、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。
【0118】
より詳細には、第一吸着部440Aは、青果物6のがく片部6bに近接又は離間するように配置される。また、第二吸着部440Bは、青果物6の可食部6aに近接又は離間するように配置される。
【0119】
次に、図12を用いて、第四実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0120】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0121】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁411A・411B、第二電磁弁421A・421B及び第三電磁弁431A・431Bの動作を制御する。
【0122】
具体的には、青果物6の大きさが小さく、1つの吸着部(第一吸着部440A)だけで吸着することが可能である場合、制御装置70は、第一電磁弁411A、第二電磁弁421A及び第三電磁弁431Aのみ作動させ、第一電磁弁411B、第二電磁弁421B及び第三電磁弁431Bを作動させない。これによって、第一吸着部440Aのみに負圧を発生させる。
【0123】
また、この場合、作動させるエジェクタの個数を選択することで、第一吸着部440Aの吸着力を適宜調節することができる。
【0124】
すなわち、制御装置70は、第一電磁弁411Aのみ作動させた場合、第一エジェクタ410Aのみで第一吸着部440Aに負圧を発生させるため、当該第一吸着部440Aの吸着力を弱く設定することができる。
また、制御装置70は、第一電磁弁411A及び第二電磁弁421Aを作動させた場合、第一エジェクタ410A及び第二エジェクタ420Aで第一吸着部440Aに負圧を発生させるため、当該第一吸着部440Aの吸着力を中程度に設定することができる。
また、制御装置70は、第一電磁弁411A、第二電磁弁421A及び第三電磁弁431Aを作動させた場合、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430Aで第一吸着部440Aに負圧を発生させるため、当該第一吸着部440Aの吸着力を強く設定することができる。
【0125】
上述の如く第一吸着部440Aに負圧を発生させた状態で、当該第一吸着部440Aを青果物6のがく片部6bに近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0126】
一方、青果物6の大きさが大きく、1つの吸着部(第一吸着部440A)だけで吸着することが困難である場合、制御装置70は、第一電磁弁411A・411B、第二電磁弁421A・421B及び第三電磁弁431A・431Bを作動させる。これによって、2つの吸着部(第一吸着部440A及び第二吸着部440B)に負圧を発生させる。
また、この場合、上述と同様に作動させるエジェクタ(第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430A並びに第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430B)の個数を選択することで、第一吸着部440A及び第二吸着部440Bの吸着力を適宜調節することができる。
【0127】
上述の如く第一吸着部440A及び第二吸着部440Bに負圧を発生させた状態で、当該吸着部440Aを青果物6のがく片部6bに、当該吸着部440Bを青果物6の可食部6aに、それぞれ近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0128】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
また、青果物6の大きさに適した空気の吸引量(消費量)で当該青果物6を吸着することができるため、圧縮した空気の無駄な消費を減少させることができ、経済性及び環境性を向上させることができる。
【0129】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動するエジェクタの個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0130】
また、上述の例においては、1つの吸着部に対してそれぞれ3つのエジェクタの作動を切り換えるものとしたが、エジェクタの個数は2つでも4つ以上であっても良い。
【0131】
また、上述の例においては、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430A並びに第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bはそれぞれ並列に配置されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、図13に示すように直列に配置することも可能である。
【0132】
具体的には、第二エジェクタ420Aの一次側を第一エジェクタ410Aの排気側と接続し、第三エジェクタ430Aの一次側を第二エジェクタ420Aの排気側と接続する。
この場合、第二電磁弁421Aは3ポートの電磁弁で構成し、第一エジェクタ410Aから第二エジェクタ420Aへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。同様に、第三電磁弁431Aも3ポートの電磁弁で構成し、第二エジェクタ420Aから第三エジェクタ430Aへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。
【0133】
また、第二エジェクタ420Bの一次側を第一エジェクタ410Bの排気側と接続し、第三エジェクタ430Bの一次側を第二エジェクタ420Bの排気側と接続する。
この場合、第二電磁弁421Bは3ポートの電磁弁で構成し、第一エジェクタ410Bから第二エジェクタ420Bへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。同様に、第三電磁弁431Bも3ポートの電磁弁で構成し、第二エジェクタ420Bから第三エジェクタ430Bへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。
【0134】
以下では、図14及び図15を用いて、第五実施形態に係る吸着部540の構成について説明する。吸着部540は、青果物6を吸着するための開口(大吸着口542及び小吸着口543)を2つ具備する点で、第一実施形態から第四実施形態に係る吸着部(吸着部140等)と異なる。
【0135】
吸着部540は、略直方体状の本体部541を具備する。本体部541は、その長手方向と平行な軸線を中心として回転可能に構成される。
【0136】
本体部541の相反する面には、それぞれ大吸着口542及び小吸着口543が突設される。大吸着口542及び小吸着口543は略円筒形状に形成され、当該大吸着口542及び小吸着口543の突出端部が青果物6を吸着する開口部となる。大吸着口542は小吸着口543に比べて大きい開口部を有する。
【0137】
本体部541の内部には適宜空気が流通するための流路が形成され、当該流路は大吸着口542及び小吸着口543にそれぞれ連通される。また、本体部541の内部には、図示しないシャッター機構が設けられ、本体部541内の流路から大吸着口542及び小吸着口543への空気の流通を遮断することが可能となるように構成される。
【0138】
また、本体部541は図示せぬ駆動機構に接続され、当該駆動機構により移動及び回転される。当該本体部541の移動及び回転は、制御装置70によって制御される。
【0139】
以下では、第五実施形態に係る吸着部540の動作態様について説明する。
【0140】
まず、制御装置70は、前述の他の実施形態と同様に、青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0141】
制御装置70は、青果物6の大きさが大きい場合、大吸着口542の開口部を青果物6側に向けて、当該大吸着口542を青果物6に近接させて吸着する。この際、小吸着口543側のシャッター機構により、小吸着口543は閉塞される。
【0142】
一方、制御装置70は、青果物6の大きさが小さい場合、小吸着口543の開口部を青果物6側に向けて、当該小吸着口543を青果物6に近接させて吸着する。この際、大吸着口542側のシャッター機構により、大吸着口542は閉塞される。
【0143】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて吸着する開口部(大吸着口542又は小吸着口543)を切り換えることによって、当該青果物6に適した開口部の大きさで当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
【0144】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて吸着する開口部を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて吸着する開口部を切り換える構成とすることも可能である。
【0145】
また、上述の例においては、2つの開口部(大吸着口542及び小吸着口543)を切り換えるものとしたが、当該開口部の個数は3つ以上であっても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 選果システム
6 青果物
40 品質計測部
70 制御装置
110 第一エジェクタ
120 第二エジェクタ
130 第三エジェクタ
140 吸着部
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、載置台に載置された青果物を搬送装置により搬送し、当該搬送経路中途部において搬送される青果物の品質を測定する選果システムの技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、品質測定後の青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を載置台から他の場所(例えば、青果物を収容するトレイ等)へと移送する移送装置を具備する選果システムも公知となっている。
【0004】
このような選果システムにおいては、品質測定後の青果物を移送装置を用いて所定のトレイ等に並べて配置し、パック詰めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−327906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような選果システムにおいては、青果物の品質(大きさや重量)には個体差があるため、一定の吸着力で青果物を吸着すると、吸着力が不足して青果物を吸着することができない場合や、吸着力が過大となって青果物を傷めてしまう場合がある点で不利であった。
【0007】
本発明は以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、各青果物の品質に応じて当該青果物を適切に吸着して移送することができる選果システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、前記青果物の品質を計測する品質計測部と、前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置と、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換える制御装置と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記吸着部を複数具備し、前記制御装置は、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換えるものである。
【0011】
請求項3においては、青果物を複数の吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、前記青果物の品質を計測する品質計測部と、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換える制御装置と、を具備するものである。
【0012】
請求項4においては、前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置を具備し、前記制御装置は、前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、青果物の品質に応じて吸着部の吸着力を適切に調節することができ、当該青果物を傷めることなく適切に吸着して移送することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る選果システムの全体的な構成を示した平面図。
【図2】載置台搬送装置及びトレイ搬送装置を示した平面図。
【図3】(a)は載置台を示した平面図、(b)は載置台を示した側面図。
【図4】第一実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図5】第一実施形態に係る移送装置の変形例を示した模式図。
【図6】第二実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図7】第二実施形態に係る吸着部の配置を示した側面図。
【図8】(a)は1つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図、(b)は2つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図。
【図9】第三実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図10】第三実施形態に係る吸着部の配置を示した側面図。
【図11】(a)は1つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図、(b)は2つの吸着部で青果物を吸着する様子を示した側面図。
【図12】第四実施形態に係る移送装置を示した模式図。
【図13】第四実施形態に係る移送装置の変形例を示した模式図。
【図14】第五実施形態に係る吸着部の構成を示した斜視図。
【図15】(a)は大吸着口で青果物を吸着する場合を示した側面図、(b)は小吸着口で青果物を吸着する場合を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る選果システム1について、図1から図3を用いて説明する。なお、図中で示す白色矢印は載置台5の搬送方向を示すものとして説明する。
【0016】
選果システム1は、載置台5に載置される青果物6を搬送するとともに、当該載置台5に載置される青果物6を等級や階級毎にトレイ8に詰めるシステムである。
【0017】
ここで、本実施形態では、青果物6は可食部6aとがく片(通称:へた)部6bとからなるイチゴであるものとして説明するが、青果物6はその他の青果物(例えば、ミニトマト、ミズナス、リンゴ、ナシ等)であっても良い。
【0018】
またここで、青果物6が詰められるトレイ8は、プラスチック等の合成樹脂素材からなる平面視長方形の部材であり、載置台5から移送された青果物6が収納される収納部8aを縦横に複数個有して構成される。トレイ8では、24個(長手方向に6個、短手方向に4個)の収納部8a・8a・・・が配置される(図2参照)。
トレイ8の収納部8aは、略横に寝かせた青果物6が収まるような形状に合わせて凹状にトレイ8の上面が形成されて構成される。トレイ8の収納部8aが形成される部分の下面は、収納部8aが形成されることによって凸状に形成される。
トレイ8の収納部8aは、平面視で所定角度傾斜するように配置される。本実施形態では、トレイ8の収納部8aは、その長手方向に対して平面視で左方(反時計周り)に略45度傾くように配置され、収納効率を高めている。
【0019】
また、選果システム1は、図1に示すように、作業者によって載置台5に青果物6が載置される青果物載置部30と、青果物載置部30において載置台5に載置された青果物6の品質を計測する品質計測部40と、品質計測部40における計測結果に基づいて青果物6をその等級や階級毎に載置台5からトレイ8に移送する移送部50と、を備える。選果システム1では、主搬送装置11に沿って上流側から順に、青果物載置部30、品質計測部40、移送部50、が配置される。
【0020】
選果システム1は、主搬送装置11の下流側端に廃棄ライン14を備える。選果システム1では、青果物6は、規格外に変形しているもの、規格外に大きすぎるもの又は小さすぎるもの、規格外に変質しているもの、傷が付いているもの、がく片部6bがないもの、残留農薬が規定値以上のもの等の場合には、廃棄ライン14に搬送される。
【0021】
選果システム1は、青果物載置部30において青果物6が載置台5に正確に載置されていなかった場合に、品質計測部40の下流側から、主搬送装置11の上流側に当該載置台5を戻す、リターンライン12を備える。
【0022】
選果システム1は、移送部50において青果物6がトレイ8へ移送されて青果物6が載置されていない(空の状態)載置台5を、移送部50の終端から主搬送装置11の上流側に戻す、載置台戻りライン13を備える。
【0023】
選果システム1は、制御装置70(図4等参照)を備える。選果システム1の制御装置70は、種々の情報を記憶する記憶手段を有し、また、種々の機構や装置等に接続されてこれを制御するものである。
【0024】
載置台5は、青果物6が載置されるものであり、図3に示すように、略円筒状に形成される。載置台5は、その上面に青果物6が載置される載置部5aと、その平面視中央部に上下方向に貫通する貫通孔5bと、を有して構成される。
載置台5の載置部5aは、貫通孔5bに向かって低くなる略円錐形の凹状に形成され、略横に寝かせた青果物6が収まるように構成される。載置台5の貫通孔5bは、後述する、品質計測部40の投光手段から照射される光が上方(又は下方)から下方(又は上方)に貫通孔5b内を通って、受光手段がこれを受光可能なように構成される。
【0025】
また、載置台5の側面(若しくは底面)には、ID認識手段が貼設される。具体的には、載置台5のID認識手段は、バーコードや二次元コードや磁気テープやICチップ等で構成される。載置台5のID認識手段には、認識番号が記される(IDが書込まれる)。載置台5のID認識手段における認識番号は、品質計測部40や移送部50において、それぞれ図示しない読取手段によって読取られる。
【0026】
選果システム1の主搬送装置11は、ベルトコンベアにより構成される。主搬送装置11の搬送ベルトの搬送面上には、青果物6が載置されていない載置台5、又は、青果物載置部30において青果物6が載置された載置台5が載せられて搬送される。
【0027】
選果システム1の青果物載置部30では、主搬送装置11の上流側の両側又は一側に、複数の作業者が位置して、当該作業者によって主搬送装置11により搬送される載置台5に青果物6が載置される。
詳述すると、青果物載置部30では、複数の作業者が、主搬送装置11の上流側の左右両側、又は、左右一側に、搬送方向に沿って並んで位置する。
そして、青果物載置部30では、主搬送装置11の搬送面に載せられて搬送されてきた載置台5の載置部5aに、略横に寝かせるようにして青果物6を載置する。このとき、青果物6は、載置台5の貫通孔5bの上方に位置するようにして、載置部5a上に載置される。
【0028】
選果システム1の品質計測部40は、載置台5に載置されて主搬送装置11により搬送されてくる青果物6の質量を計測する質量計、青果物6を撮影するCCDカメラ等の撮影手段、撮影手段で撮影された画像に関する情報の画像処理を行う画像処理手段、青果物6の内部の品質を計測する投光手段及び受光手段、等が配置されて構成される。
そして、品質計測部40では、青果物6の質量、青果物6の大きさ、青果物6の変質度合い、青果物6の傷の有無、青果物6のがく片部6bの有無、載置台5に載置される青果物6の向き(がく片部6bの向き、及び、主軸Xの傾斜する方向)、青果物6の糖度や酸度、青果物6の残留農薬濃度、等に関する情報、及び、品質計測部40に配置される読取手段によって読取られた載置台5の認識番号に関する情報は、制御装置70に送信されて、その記憶手段に記憶される。
【0029】
選果システム1の移送部50は、図1に示すように、主搬送装置11の左右両側に複数配置される。
移送部50では、主搬送装置11によって搬送されてくる載置台5を主搬送装置11から各移送部50に搬送して、当該載置台5に載置される青果物6をトレイ8の収納部8aに移送する。各移送部50・50・・・に分岐させる載置台5は、これに載置される青果物6の階級や等級等によって異なる。当該青果物6の階級や等級等は、移送部50毎に予め設定されている。本実施形態では、主搬送装置11の搬送方向に対して左右それぞれに3つずつ移送部50が配置される。
【0030】
移送部50は、主搬送装置11の左側又は右側に搬送路が分岐するように配置される載置台搬送装置51と、主搬送装置11と載置台搬送装置51との分岐部分(載置台搬送装置51の始端側)に配置される分岐装置52と、載置台5に載置される青果物6の向きを修正する方向修正装置(不図示)と、トレイ8を搬送するトレイ搬送装置53と、載置台5に載置された青果物6をトレイ8に移送する移送装置60と、を有して構成される。
【0031】
移送部50の分岐装置52は、主搬送装置11と載置台搬送装置51との分岐部分において、青果物6が載置された載置台5を主搬送装置11から移送部50に分岐させ、載置台搬送装置51へ移送させるものである。
【0032】
ここで、青果物6が載置された載置台5が主搬送装置11によって搬送されてくると、移送部50に配置された読取手段によって、当該載置台5の認識番号が読取られて、当該認識番号に関する情報が制御装置70に送信される。
そして、制御装置70は、前記送信された認識番号に関する情報に関連付けられた、青果物6の等級や階級等に関する情報が、移送部50に設定された青果物6の等級や階級と一致するかについて判断する。
制御装置70によって前記青果物6の等級や階級等が前記移送部50の等級や階級等と一致すると判断された場合には、青果物6が載置される載置台5は、移送部50の分岐装置52により載置台搬送装置51へ移送される。
制御装置70によって前記青果物6の等級や階級が、前記移送部50の等級や階級等と一致しないと判断された場合には、そのまま主搬送装置11により下流へ搬送されて、下流側の移送部50で同様の判断がされる。
【0033】
なお、制御装置70は、前記送信された認識番号に関する情報に関連付けられた、青果物6の変質度合い、青果物6の傷の有無、青果物6のがく片部6bの有無、青果物6の残留農薬濃度、等に関する情報、に基づいて、当該青果物6が規格外のものかについて判断する。
制御装置70によって前記青果物6が、規格外に変形している、規格外に大きすぎる又は小さすぎる、規格外に変質している、傷が付いている、がく片部6bがない、残留農薬濃度が規定値以上、等と判断された場合には、当該青果物6が載置された載置台5は、廃棄ライン14に搬送される。
【0034】
移送部50の載置台搬送装置51は、主搬送装置11から分岐装置52によって移送された青果物6が載置された載置台5を搬送するものである。移送部50の載置台搬送装置51は、その搬送方向が主搬送装置11の搬送方向に対して直交するように配置される。
【0035】
移送部50の方向修正装置は、載置台搬送装置51によって搬送される載置台5の向きを修正して、後述する移送装置60の吸着部140によって青果物6のがく片部6bを吸着可能なように、当該載置台5に載置される青果物6の向き(青果物6のがく片部6bの向き)を修正する。
移送部50の方向修正装置は、青果物6が載置された載置台5を平面視で時計回り又は反時計周りに回転させて、青果物6のがく片部6bが載置台搬送装置51の搬送方向に対して右方に135度の方向を向くように(後述する移送装置60の吸着部140によって青果物6のがく片部6bを吸着可能なように)、青果物6の向きを修正する。
ここで、移送部50の方向修正装置における青果物6の向きを修正する動作は、移送部50の読取手段によって読取られた載置台5の認識番号に関する情報に関連付けられた青果物6の向き(がく片部6bの向き)に関する情報に基づいて、制御装置70によって制御される。
【0036】
移送部50のトレイ搬送装置53は、図2に示すように、ベルトコンベアによって構成され、その搬送方向が載置台搬送装置51の搬送方向と同一方向となるように、載置台搬送装置51に平行して並べて配置される。移送部50のトレイ搬送装置53は、載置台搬送装置51の搬送方向に対して右方に配置される。
【0037】
移送部50のトレイ搬送装置53では、トレイ8は、収納部8aのがく片部収納位置8bがトレイ搬送装置53の搬送方向に対して右方に135度の方向を向くようにしてトレイ搬送装置53の搬送面上に載せられて搬送される。つまり、移送部50のトレイ搬送装置53では、トレイ8は、その収納軸Zがトレイ搬送装置53の搬送方向に対して右方に略135度(左方に45度)傾くようにしてトレイ搬送装置53の搬送面上に載せられて搬送される。
ここで、トレイ8のがく片部収納位置8bとは、トレイ8の収納部8aに青果物6が収納されたときに青果物6のがく片部6bが位置する部分を示す。
【0038】
移送部50の移送装置60は、載置台5に載置された状態で載置台搬送装置51によって搬送される青果物6を、トレイ搬送装置53によって搬送されるトレイ8へ移送するものである。
【0039】
以下では、図4を用いて、第一実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。
第一実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ100、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120、第三エジェクタ130、吸着部140及びサイレンサ150等を具備する。
【0040】
コンプレッサ100は、空気を所定圧力以上となるように圧縮するものである。
【0041】
負圧発生装置としての第一エジェクタ110は、吸着部140に負圧を発生させるものである。第一エジェクタ110の一次側はコンプレッサ100と、第一エジェクタ110の二次側は吸着部140と、第一エジェクタ110の排気側はサイレンサ150と、それぞれ接続される。第一エジェクタ110の一次側から空気が圧送されると、当該第一エジェクタ110の二次側に負圧を発生させることができる。
【0042】
第一エジェクタ110の一次側(コンプレッサ100と第一エジェクタ110との間)には、第一電磁弁111が設けられる。第一電磁弁111は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ100から第一エジェクタ110への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第一電磁弁111は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第一電磁弁111の動作が切り換えられる。
【0043】
負圧発生装置としての第二エジェクタ120は、吸着部140に負圧を発生させるものである。第二エジェクタ120の一次側はコンプレッサ100と、第二エジェクタ120の二次側は吸着部140と、第二エジェクタ120の排気側はサイレンサ150と、それぞれ接続される。このようにして、第二エジェクタ120は、第一エジェクタ110と並列に配置される。第二エジェクタ120の一次側から空気が圧送されると、当該第二エジェクタ120の二次側に負圧を発生させることができる。
【0044】
第二エジェクタ120の一次側(コンプレッサ100と第二エジェクタ120との間)には、第二電磁弁121が設けられる。第二電磁弁121は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ100から第二エジェクタ120への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第二電磁弁121は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第二電磁弁121の動作が切り換えられる。
【0045】
負圧発生装置としての第三エジェクタ130は、吸着部140に負圧を発生させるものである。第三エジェクタ130の一次側はコンプレッサ100と、第三エジェクタ130の二次側は吸着部140と、第三エジェクタ130の排気側はサイレンサ150と、それぞれ接続される。このようにして、第三エジェクタ130は、第一エジェクタ110及び第二エジェクタ120と並列に配置される。第三エジェクタ130の一次側から空気が圧送されると、当該第三エジェクタ130の二次側に負圧を発生させることができる。
【0046】
第三エジェクタ130の一次側(コンプレッサ100と第三エジェクタ130との間)には、第三電磁弁131が設けられる。第三電磁弁131は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ100から第三エジェクタ130への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第三電磁弁131は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第三電磁弁131の動作が切り換えられる。
【0047】
吸着部140は、青果物6を吸着するものである。吸着部140の端部は開口され、当該開口から空気を吸引することで、当該開口に青果物6を吸着することができる。吸着部140は、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。当該機構の動作は、制御装置70によって制御することができる。
【0048】
サイレンサ150は、排出される空気により発生される音を減らすものである。サイレンサ150は、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130から排出される空気を消音したのち、外部へと排出する。
【0049】
次に、図2及び図4を用いて、第一実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0050】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0051】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁111、第二電磁弁121及び第三電磁弁131の動作を制御する。
【0052】
具体的には、青果物6の大きさが小さい場合(例えば、SサイズやMサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁111のみ作動させ、第一エジェクタ110(1つのエジェクタ)だけで吸着部140に負圧を発生させる。
【0053】
青果物6の大きさが中程度である場合(例えば、Lサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁111及び第二電磁弁121を作動させ、第一エジェクタ110及び第二エジェクタ120(合計2つのエジェクタ)で吸着部140に負圧を発生させる。
【0054】
青果物6の大きさが大きい場合(例えば、2Lサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁111、第二電磁弁121及び第三電磁弁131を作動させ、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130(合計3つのエジェクタ)で吸着部140に負圧を発生させる。
【0055】
次に、制御装置70は、吸着部140(より詳細には、吸着部140の開口部分)を青果物6に近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0056】
次に、青果物6を吸着した吸着部140をトレイ8に形成された収納部8aの上部まで移動させる。
【0057】
最後に、制御装置70は、第一電磁弁111、第二電磁弁121及び第三電磁弁131の作動を停止し、すなわち第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130による負圧の発生を停止し、青果物6の吸着を終了させる。これによって、青果物6は吸着部140から離れて、トレイ8の収納部8aに収納される。
【0058】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。特に、イチゴと比較して大きくて重い青果物(リンゴやナシ等)を移送する場合であっても、エジェクタの個数を切り換えることで適切に吸着することができる。
また、青果物6の大きさに適した空気の吸引量(消費量)で当該青果物6を吸着することができるため、圧縮した空気の無駄な消費を減少させることができ、経済性及び環境性を向上させることができる。
【0059】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動するエジェクタの個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0060】
また、上述の例においては、3つのエジェクタの作動を切り換えるものとしたが、エジェクタの個数は2つでも4つ以上であっても良い。
また、上述の例においては、負圧発生装置としてエジェクタを用いるものとしたが、本発明はこれに限らず、空気を吸引する等して負圧を発生させることが可能な装置を用いることが可能である。
【0061】
また、上述の例においては、第一エジェクタ110、第二エジェクタ120及び第三エジェクタ130は並列に配置されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、図5に示すように直列に配置することも可能である。
【0062】
具体的には、第二エジェクタ120の一次側を第一エジェクタ110の排気側と接続し、第三エジェクタ130の一次側を第二エジェクタ120の排気側と接続する。
この場合、第二電磁弁121は3ポートの電磁弁で構成し、第一エジェクタ110から第二エジェクタ120へ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ150を介して外部へと排出するように構成する。同様に、第三電磁弁131も3ポートの電磁弁で構成し、第二エジェクタ120から第三エジェクタ130へ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ150を介して外部へと排出するように構成する。
【0063】
以下では、図6及び図7を用いて、第二実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。第二実施形態に係る移送装置60は、青果物6を吸着するための吸着部を2つ(吸着部240A・240B)具備する点で、第一実施形態に係る移送装置60(図4参照)と異なる。以下では、第一実施形態に係る移送装置60(図4参照)と異なる点を中心に説明する。
【0064】
第二実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ200、第一エジェクタ210A・210B、第二エジェクタ220A・220B、第三エジェクタ230A・230B、吸着部240A・240B及びサイレンサ250等を具備する。
【0065】
負圧発生装置としての第一エジェクタ210A、第二エジェクタ220A及び第三エジェクタ230A等の構成は、第一実施形態に係る第一エジェクタ110、第二エジェクタ120、第三エジェクタ130等の構成と略同一である。
【0066】
すなわち、第一エジェクタ210A、第二エジェクタ220A及び第三エジェクタ230Aは並列に配置される。各エジェクタの一次側は各電磁弁(第一電磁弁211A、第二電磁弁221A及び第三電磁弁231A)を介してコンプレッサ200と、各エジェクタの二次側は吸着部240Aと、各エジェクタの排気側はサイレンサ250と、それぞれ接続される。
【0067】
同様に、第一エジェクタ210B、第二エジェクタ220B及び第三エジェクタ230B等の構成は、第一実施形態に係る第一エジェクタ110、第二エジェクタ120、第三エジェクタ130等の構成と略同一である。
【0068】
すなわち、第一エジェクタ210B、第二エジェクタ220B及び第三エジェクタ230Bは並列に配置される。各エジェクタの一次側は各電磁弁(第一電磁弁211B、第二電磁弁221B及び第三電磁弁231B)を介してコンプレッサ200と、各エジェクタの二次側は吸着部240Bと、各エジェクタの排気側はサイレンサ250と、それぞれ接続される。
【0069】
第一電磁弁211A・211B、第二電磁弁221A・221B及び第三電磁弁231A・231Bはそれぞれ制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により各電磁弁の動作が切り換えられる。
【0070】
吸着部240A・240Bは、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。
【0071】
より詳細には、吸着部240Aは、青果物6のがく片部6bに近接又は離間するように配置される。また、吸着部240Bは、青果物6の可食部6aに近接又は離間するように配置される。
【0072】
次に、図6及び図8を用いて、第二実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0073】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0074】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁211A・211B、第二電磁弁221A・221B及び第三電磁弁231A・231Bの動作を制御する。
【0075】
具体的には、青果物6の大きさが小さく、1つの吸着部240Aだけで吸着することが可能である場合、制御装置70は、第一電磁弁211A、第二電磁弁221A及び第三電磁弁231Aのみ作動させ、第一電磁弁211B、第二電磁弁221B及び第三電磁弁231Bを作動させない。これによって、吸着部240Aのみに負圧を発生させる。
また、この場合、第一実施形態と同様に作動させるエジェクタの個数を選択することで、吸着部240Aの吸着力を適宜調節することができる。
【0076】
図8(a)に示すように、吸着部240Aに負圧を発生させた状態で、当該吸着部240Aを青果物6のがく片部6bに近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0077】
一方、青果物6の大きさが大きく、1つの吸着部240Aだけで吸着することが困難である場合、制御装置70は、第一電磁弁211A・211B、第二電磁弁221A・221B及び第三電磁弁231A・231Bを作動させる。これによって、2つの吸着部240A・240Bに負圧を発生させる。
また、この場合、第一実施形態と同様に作動させるエジェクタの個数を選択することで、吸着部240A・240Bの吸着力を適宜調節することができる。
【0078】
図8(b)に示すように、吸着部240A・240Bに負圧を発生させた状態で、当該吸着部240Aを青果物6のがく片部6bに、当該吸着部240Bを青果物6の可食部6aに、それぞれ近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0079】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動する吸着部の個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
【0080】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動する吸着部の個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動する吸着部の個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0081】
また、上述の例においては、2つの吸着部によってがく片部6bと可食部6aをそれぞれ吸着するものとしたが、吸着する位置はこれに限定するものではない。
【0082】
また、上述の例においては、2つの吸着部の作動を切り換えるものとしたが、吸着部の個数は3つ以上であっても良い。
【0083】
以下では、図9及び図10を用いて、第三実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。
第三実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ300、第一エジェクタ310、第一吸着部320、サイレンサ330、第二エジェクタ340及び第二吸着部350等を具備する。
【0084】
コンプレッサ300は、空気を所定圧力以上となるように圧縮するものである。
【0085】
負圧発生装置としての第一エジェクタ310は、第一吸着部320に負圧を発生させるものである。第一エジェクタ310の一次側はコンプレッサ300と、第一エジェクタ310の二次側は第一吸着部320と、第一エジェクタ310の排気側はサイレンサ330と、それぞれ接続される。第一エジェクタ310の一次側から空気が圧送されると、当該第一エジェクタ310の二次側に負圧を発生させることができる。
【0086】
第一エジェクタ310の一次側(コンプレッサ300と第一エジェクタ310との間)には、第一電磁弁311が設けられる。第一電磁弁311は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ300から第一エジェクタ310への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第一電磁弁311は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第一電磁弁311の動作が切り換えられる。
【0087】
負圧発生装置としての第二エジェクタ340は、第二吸着部350に負圧を発生させるものである。第二エジェクタ340の一次側はコンプレッサ300と、第二エジェクタ340の二次側は第二吸着部350と、第二エジェクタ340の排気側はサイレンサ330と、それぞれ接続される。このようにして、第二エジェクタ340は、第一エジェクタ310と並列に配置される。第二エジェクタ340の一次側から空気が圧送されると、当該第二エジェクタ340の二次側に負圧を発生させることができる。
【0088】
第二エジェクタ340の一次側(コンプレッサ300と第二エジェクタ340との間)には、第二電磁弁341が設けられる。第二電磁弁341は2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ300から第二エジェクタ340への空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第二電磁弁341は制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第二電磁弁341の動作が切り換えられる。
【0089】
第一吸着部320は、青果物6を吸着するものである。第一吸着部320の端部は開口され、当該開口から空気を吸引することで、当該開口に青果物6を吸着することができる。第一吸着部320は、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。より詳細には、第一吸着部320は、青果物6のがく片部6bに近接又は離間するように配置される。当該機構の動作は、制御装置70によって制御することができる。
【0090】
第二吸着部350は、青果物6を吸着するものである。第二吸着部350の端部は開口され、当該開口から空気を吸引することで、当該開口に青果物6を吸着することができる。第二吸着部350は、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。より詳細には、第二吸着部350は、青果物6の可食部6aに近接又は離間するように配置される。当該機構の動作は、制御装置70によって制御することができる。
【0091】
サイレンサ330は、排出される空気により発生される音を減らすものである。サイレンサ330は、第一エジェクタ310及び第二エジェクタ340から排出される空気を消音したのち、外部へと排出する。
【0092】
次に、図9及び図11を用いて、第三実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0093】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0094】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁311及び第二電磁弁341の動作を制御する。
【0095】
具体的には、青果物6の大きさが小さい場合(例えば、SサイズやMサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁311のみ作動させ、第一エジェクタ310で第一吸着部320のみに負圧を発生させる。
【0096】
青果物6の大きさが大きい場合(例えば、Lサイズや2Lサイズである場合)、制御装置70は第一電磁弁311及び第二電磁弁341を作動させ、第一エジェクタ310及び第二エジェクタ340で第一吸着部320及び第二吸着部350に負圧を発生させる。
【0097】
次に、制御装置70は、第一吸着部320及び第二吸着部350を適宜青果物6に近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0098】
具体的には、青果物6の大きさが小さい場合、図11(a)に示すように、第一吸着部320のみを青果物6(より詳細には、青果物6のがく片部6b)に近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0099】
青果物6の大きさが大きい場合、図11(b)に示すように、第一吸着部320を青果物6のがく片部6bに、第二吸着部350を青果物6の可食部6aに、それぞれ近接させ、当該青果物6を吸着する。
【0100】
次に、青果物6を吸着した第一吸着部320及び第二吸着部350をトレイ8に形成された収納部8aの上部まで移動させる。
【0101】
最後に、制御装置70は、第一電磁弁311及び第二電磁弁341の作動を停止し、すなわち第一エジェクタ310及び第二エジェクタ340による負圧の発生を停止し、青果物6の吸着を終了させる。これによって、青果物6は第一吸着部320及び第二吸着部350から離れて、トレイ8の収納部8aに収納される。
【0102】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動する(青果物6を吸着する)吸着部の個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
【0103】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動する吸着部の個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動する吸着部の個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0104】
また、上述の例においては、2つの吸着部によってがく片部6bと可食部6aをそれぞれ吸着するものとしたが、吸着する位置はこれに限定するものではない。
【0105】
また、上述の例においては、2つの吸着部の作動を切り換えるものとしたが、吸着部の個数は3つ以上であっても良い。
【0106】
また、上述の例においては、負圧発生装置としてエジェクタを用いるものとしたが、本発明はこれに限らず、空気を吸引する等して負圧を発生させることが可能な装置を用いることが可能である。
【0107】
以下では、図12を用いて、第四実施形態に係る移送装置60の構成について説明する。第四実施形態に係る移送装置60は、2つの吸着部(第一吸着部440A及び第二吸着部440B)に負圧を発生させるためのエジェクタを、それぞれ3つずつ具備する点で、第三実施形態に係る移送装置60(図9参照)と異なる。以下では、第三実施形態に係る移送装置60(図9参照)と異なる点を中心に説明する。
【0108】
第四実施形態に係る移送装置60は、主としてコンプレッサ400、第一エジェクタ410A・410B、第二エジェクタ420A・420B、第三エジェクタ430A・430B、第一吸着部440A、第二吸着部440B及びサイレンサ450等を具備する。
【0109】
負圧発生装置としての第一エジェクタ410Aは、第一吸着部440Aに負圧を発生させるものである。第一エジェクタ410Aの一次側はコンプレッサ400と、第一エジェクタ410Aの二次側は第一吸着部440Aと、第一エジェクタ410Aの排気側はサイレンサ450と、それぞれ接続される。第一エジェクタ410Aの一次側から空気が圧送されると、当該第一エジェクタ410Aの二次側に負圧を発生させることができる。
【0110】
第一エジェクタ410Aの一次側(コンプレッサ400と第一エジェクタ410Aとの間)には、第一電磁弁411Aが設けられる。第一電磁弁411Aは2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ400から第一エジェクタ410Aへの空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第一電磁弁411Aは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第一電磁弁411Aの動作が切り換えられる。
【0111】
負圧発生装置としての第二エジェクタ420Aは、第一吸着部440Aに負圧を発生させるものである。第二エジェクタ420Aの一次側はコンプレッサ400と、第二エジェクタ420Aの二次側は第一吸着部440Aと、第二エジェクタ420Aの排気側はサイレンサ450と、それぞれ接続される。このようにして、第二エジェクタ420Aは、第一エジェクタ410Aと並列に配置される。第二エジェクタ420Aの一次側から空気が圧送されると、当該第二エジェクタ420Aの二次側に負圧を発生させることができる。
【0112】
第二エジェクタ420Aの一次側(コンプレッサ400と第二エジェクタ420Aとの間)には、第二電磁弁421Aが設けられる。第二電磁弁421Aは2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ400から第二エジェクタ420Aへの空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第二電磁弁421Aは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第二電磁弁421Aの動作が切り換えられる。
【0113】
負圧発生装置としての第三エジェクタ430Aは、第一吸着部440Aに負圧を発生させるものである。第三エジェクタ430Aの一次側はコンプレッサ400と、第三エジェクタ430Aの二次側は第一吸着部440Aと、第三エジェクタ430Aの排気側はサイレンサ450と、それぞれ接続される。このようにして、第三エジェクタ430Aは、第一エジェクタ410A及び第二エジェクタ420Aと並列に配置される。第三エジェクタ430Aの一次側から空気が圧送されると、当該第三エジェクタ430Aの二次側に負圧を発生させることができる。
【0114】
第三エジェクタ430Aの一次側(コンプレッサ400と第三エジェクタ430Aとの間)には、第三電磁弁431Aが設けられる。第三電磁弁431Aは2ポートの電磁弁であり、コンプレッサ400から第三エジェクタ430Aへの空気の流路の連通又は閉塞を切り換えることができる。第三電磁弁431Aは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該第三電磁弁431Aの動作が切り換えられる。
【0115】
負圧発生装置としての第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bは、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430Aと同様に互いに並列に配置される。具体的には、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430Aの一次側はコンプレッサ400に接続される。また、第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bの二次側は第二吸着部440Bと接続される。
【0116】
第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bの一次側には、空気の流路の連通又は閉塞を切り換える第一電磁弁411B、第二電磁弁421B及び第三電磁弁431Bがそれぞれ設けられる。第一電磁弁411B、第二電磁弁421B及び第三電磁弁431Bは制御装置70に接続され、当該制御装置70からの制御信号により当該各電磁弁の動作が切り換えられる。
【0117】
第一吸着部440A及び第二吸着部440Bは、第三実施形態に係る第一吸着部320及び第二吸着部350(図10参照)と同様に、図示せぬ機構によって、青果物6に近接又は離間するように移動することが可能である。
【0118】
より詳細には、第一吸着部440Aは、青果物6のがく片部6bに近接又は離間するように配置される。また、第二吸着部440Bは、青果物6の可食部6aに近接又は離間するように配置される。
【0119】
次に、図12を用いて、第四実施形態に係る移送装置60の動作態様について説明する。
【0120】
まず、制御装置70は、品質計測部40における計測結果に基づいて、これから載置台5からトレイ8に移送しようとしている青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0121】
次に、制御装置70は、当該青果物6の品質に基づいて、第一電磁弁411A・411B、第二電磁弁421A・421B及び第三電磁弁431A・431Bの動作を制御する。
【0122】
具体的には、青果物6の大きさが小さく、1つの吸着部(第一吸着部440A)だけで吸着することが可能である場合、制御装置70は、第一電磁弁411A、第二電磁弁421A及び第三電磁弁431Aのみ作動させ、第一電磁弁411B、第二電磁弁421B及び第三電磁弁431Bを作動させない。これによって、第一吸着部440Aのみに負圧を発生させる。
【0123】
また、この場合、作動させるエジェクタの個数を選択することで、第一吸着部440Aの吸着力を適宜調節することができる。
【0124】
すなわち、制御装置70は、第一電磁弁411Aのみ作動させた場合、第一エジェクタ410Aのみで第一吸着部440Aに負圧を発生させるため、当該第一吸着部440Aの吸着力を弱く設定することができる。
また、制御装置70は、第一電磁弁411A及び第二電磁弁421Aを作動させた場合、第一エジェクタ410A及び第二エジェクタ420Aで第一吸着部440Aに負圧を発生させるため、当該第一吸着部440Aの吸着力を中程度に設定することができる。
また、制御装置70は、第一電磁弁411A、第二電磁弁421A及び第三電磁弁431Aを作動させた場合、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430Aで第一吸着部440Aに負圧を発生させるため、当該第一吸着部440Aの吸着力を強く設定することができる。
【0125】
上述の如く第一吸着部440Aに負圧を発生させた状態で、当該第一吸着部440Aを青果物6のがく片部6bに近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0126】
一方、青果物6の大きさが大きく、1つの吸着部(第一吸着部440A)だけで吸着することが困難である場合、制御装置70は、第一電磁弁411A・411B、第二電磁弁421A・421B及び第三電磁弁431A・431Bを作動させる。これによって、2つの吸着部(第一吸着部440A及び第二吸着部440B)に負圧を発生させる。
また、この場合、上述と同様に作動させるエジェクタ(第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430A並びに第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430B)の個数を選択することで、第一吸着部440A及び第二吸着部440Bの吸着力を適宜調節することができる。
【0127】
上述の如く第一吸着部440A及び第二吸着部440Bに負圧を発生させた状態で、当該吸着部440Aを青果物6のがく片部6bに、当該吸着部440Bを青果物6の可食部6aに、それぞれ近接させることで、当該青果物6を吸着することができる。
【0128】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えることによって、当該青果物6に適した吸着力で当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
また、青果物6の大きさに適した空気の吸引量(消費量)で当該青果物6を吸着することができるため、圧縮した空気の無駄な消費を減少させることができ、経済性及び環境性を向上させることができる。
【0129】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて作動するエジェクタの個数を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて作動するエジェクタの個数を切り換える構成とすることも可能である。
【0130】
また、上述の例においては、1つの吸着部に対してそれぞれ3つのエジェクタの作動を切り換えるものとしたが、エジェクタの個数は2つでも4つ以上であっても良い。
【0131】
また、上述の例においては、第一エジェクタ410A、第二エジェクタ420A及び第三エジェクタ430A並びに第一エジェクタ410B、第二エジェクタ420B及び第三エジェクタ430Bはそれぞれ並列に配置されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、図13に示すように直列に配置することも可能である。
【0132】
具体的には、第二エジェクタ420Aの一次側を第一エジェクタ410Aの排気側と接続し、第三エジェクタ430Aの一次側を第二エジェクタ420Aの排気側と接続する。
この場合、第二電磁弁421Aは3ポートの電磁弁で構成し、第一エジェクタ410Aから第二エジェクタ420Aへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。同様に、第三電磁弁431Aも3ポートの電磁弁で構成し、第二エジェクタ420Aから第三エジェクタ430Aへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。
【0133】
また、第二エジェクタ420Bの一次側を第一エジェクタ410Bの排気側と接続し、第三エジェクタ430Bの一次側を第二エジェクタ420Bの排気側と接続する。
この場合、第二電磁弁421Bは3ポートの電磁弁で構成し、第一エジェクタ410Bから第二エジェクタ420Bへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。同様に、第三電磁弁431Bも3ポートの電磁弁で構成し、第二エジェクタ420Bから第三エジェクタ430Bへ空気を流通させない場合、当該空気はサイレンサ450を介して外部へと排出するように構成する。
【0134】
以下では、図14及び図15を用いて、第五実施形態に係る吸着部540の構成について説明する。吸着部540は、青果物6を吸着するための開口(大吸着口542及び小吸着口543)を2つ具備する点で、第一実施形態から第四実施形態に係る吸着部(吸着部140等)と異なる。
【0135】
吸着部540は、略直方体状の本体部541を具備する。本体部541は、その長手方向と平行な軸線を中心として回転可能に構成される。
【0136】
本体部541の相反する面には、それぞれ大吸着口542及び小吸着口543が突設される。大吸着口542及び小吸着口543は略円筒形状に形成され、当該大吸着口542及び小吸着口543の突出端部が青果物6を吸着する開口部となる。大吸着口542は小吸着口543に比べて大きい開口部を有する。
【0137】
本体部541の内部には適宜空気が流通するための流路が形成され、当該流路は大吸着口542及び小吸着口543にそれぞれ連通される。また、本体部541の内部には、図示しないシャッター機構が設けられ、本体部541内の流路から大吸着口542及び小吸着口543への空気の流通を遮断することが可能となるように構成される。
【0138】
また、本体部541は図示せぬ駆動機構に接続され、当該駆動機構により移動及び回転される。当該本体部541の移動及び回転は、制御装置70によって制御される。
【0139】
以下では、第五実施形態に係る吸着部540の動作態様について説明する。
【0140】
まず、制御装置70は、前述の他の実施形態と同様に、青果物6の品質(具体的には、青果物6の大きさ)を判定する。
【0141】
制御装置70は、青果物6の大きさが大きい場合、大吸着口542の開口部を青果物6側に向けて、当該大吸着口542を青果物6に近接させて吸着する。この際、小吸着口543側のシャッター機構により、小吸着口543は閉塞される。
【0142】
一方、制御装置70は、青果物6の大きさが小さい場合、小吸着口543の開口部を青果物6側に向けて、当該小吸着口543を青果物6に近接させて吸着する。この際、大吸着口542側のシャッター機構により、大吸着口542は閉塞される。
【0143】
上述の如く、青果物6の大きさに基づいて吸着する開口部(大吸着口542又は小吸着口543)を切り換えることによって、当該青果物6に適した開口部の大きさで当該青果物6を吸着することができる。これによって、青果物6を傷めることなく適切に吸着することができる。
【0144】
なお、上述の例においては青果物6の大きさに基づいて吸着する開口部を切り換えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、青果物6の重量、変質度合い、柔らかさ等の種々の品質に基づいて吸着する開口部を切り換える構成とすることも可能である。
【0145】
また、上述の例においては、2つの開口部(大吸着口542及び小吸着口543)を切り換えるものとしたが、当該開口部の個数は3つ以上であっても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 選果システム
6 青果物
40 品質計測部
70 制御装置
110 第一エジェクタ
120 第二エジェクタ
130 第三エジェクタ
140 吸着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、
前記青果物の品質を計測する品質計測部と、
前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置と、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換える制御装置と、
を具備する選果システム。
【請求項2】
前記吸着部を複数具備し、
前記制御装置は、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換える、
請求項1に記載の選果システム。
【請求項3】
青果物を複数の吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、
前記青果物の品質を計測する品質計測部と、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換える制御装置と、
を具備する選果システム。
【請求項4】
前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置を具備し、
前記制御装置は、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換える、
請求項3に記載の選果システム。
【請求項1】
青果物を吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、
前記青果物の品質を計測する品質計測部と、
前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置と、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換える制御装置と、
を具備する選果システム。
【請求項2】
前記吸着部を複数具備し、
前記制御装置は、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換える、
請求項1に記載の選果システム。
【請求項3】
青果物を複数の吸着部によって吸着し、当該青果物を一の場所から他の場所へと移送する移送装置を具備する選果システムであって、
前記青果物の品質を計測する品質計測部と、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の吸着部のうち前記青果物を吸着する吸着部の個数を切り換える制御装置と、
を具備する選果システム。
【請求項4】
前記吸着部に負圧を発生させる複数の負圧発生装置を具備し、
前記制御装置は、
前記品質計測部により計測される前記青果物の品質に応じて、前記複数の負圧発生装置のうち作動する負圧発生装置の個数を切り換える、
請求項3に記載の選果システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−228663(P2012−228663A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98814(P2011−98814)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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