説明

遺伝子スイッチによって制御されるウイルスベクター

本発明は、小分子調節因子の存在もしくは非存在下における一過性の熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化可能である遺伝子スイッチを含有する条件的複製性ウイルスあるいはウイルスの対に関する。遺伝子スイッチは、効率的なウイルスの複製に必要なタンパク質の遺伝子の発現を制御し、そして、パッセンジャー遺伝子の活性をも制御し得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、複製、および場合によりパッセンジャー遺伝子の発現が、熱および小分子調節因子によって二重に制御される遺伝子スイッチによって調節される、ウイルスベクターに関する。
【0002】
(背景技術)
実験動物、および終局的にはヒトの生物学的研究、エクスビボでの細胞療法および遺伝子療法には多くの状況が存在し、ここで、導入された遺伝子または複製するウイルスの分布および発現の注意深い制御は極めて重要である。ウイルスおよび非ウイルスベクターは、遺伝子を細胞、組織および器官に送達する手段を提供する。しかし、この送達は、典型的に、特定の細胞タイプ、組織または組織局在には特異的ではない。これまで、いわゆる組織特異的プロモーターは、ウイルス複製またはベクターによって特定のタイプの細胞に送達された遺伝子の発現を制限するために使用された。このアプローチの欠点は、「組織特異的」プロモーターが実際に存在するかどうか不明確であることである。プロモーターは、他の細胞タイプ以外の特定の細胞タイプにおいて極めて強力な活性を有し得るが、それは他のいくつかの細胞においても少なくともいくつかの活性を示すようである。さらに、選択された「組織特異的」プロモーターによって支持される転写の速度は、該速度がプロモーターの固有の特性であるが、その有用性を制限し得る。治療遺伝子の発現を制御するための他のアプローチは、小分子調節因子によって活性化されるかまたは不活化される2成分遺伝子スイッチの使用が含まれた。周知のスイッチは、テトラサイクリン、エクジステロン、ミフェプリストンまたはラパマイシンによって制御される。これらのスイッチは、遺伝子活性のストリンジェントなオン−オフ調節を可能にし得る一方、基礎的な遺伝子活性を制御することができず、典型的に、中間レベルの遺伝子活性を達成することが困難である。さらに、遺伝子発現は、組織を介して容易に拡散する小分子調節因子によって局所的に制限することはできない。活性化熱処置は標的組織に対して指向され得るため、熱ショック遺伝子プロモーターは、ウイルスまたは他のベクターによって標的組織に送達される遺伝子の発現を制限するための有効な手段を提供すべきである。これらのプロモーターはまた、ウイルスの複製を制御するのに有用であることが示唆されている(米国特許出願第09/850270号明細書)。これらのプロモーターのいくつか、特に本発明者が単離し、特徴付けたヒトhsp70B遺伝子プロモーターは、最小の基礎活性および基礎活性より1000倍高くあり得る熱誘導性活性を有する。そのようなプロモーターは、局在化された遺伝子発現またはウイルス複製の厳密な調節を達成するのに特に有用であるべきである。しかし、一過性の熱および他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化されるプロモーターを使用するのに不都合が存在する。実験動物またはヒトへの導入後、これらのプロモーターの不慮の活性化が、発熱もしくは虚血/再潅流、酸化剤もしくは他のタンパク質毒性(proteotoxic)剤への暴露、またはおそらくホルモンストレス中に生じ得る。ウイルス複製または遺伝子発現のそのような不都合な、非指向性活性化の交絡している影響は、多くのアプリケーションにおいて許容され得ない。熱(または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレス)および小分子調節因子の組み合わせのみによって活性化される遺伝子スイッチについては、先に記載されており、治療遺伝子発現の空間的ならびに時間的制御を達成するのに有用であることが示唆された(米国特許第6,342,596号明細書;米国特許出願第10/046420号明細書)。
【0003】
(発明の概要)
本発明は、改変された条件的複製−コンピテントウイルスであって、そのゲノムが、細胞の熱および小分子調節因子への暴露によって、感染細胞において活性化可能な遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチは、改変ウイルスの効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、改変された条件的複製−コンピテントウイルスに関する。本発明は、同様に、改変された条件的複製−コンピテントウイルスであって、そのゲノムが、細胞の熱への暴露によって感染細胞において活性化され、細胞の小分子調節因子への暴露によって抑制される遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチは、改変ウイルスの効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、改変された条件的複製−コンピテントウイルスに関する。本発明の改変された条件的複製−コンピテントウイルスは、パッセンジャー遺伝子をさらに含み得る。パッセンジャー遺伝子の発現はまた、ウイルスの複製を制御する遺伝子スイッチによっても調節することができる。好ましくは、改変された条件的複製−コンピテントウイルスは、アデノウイルス(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス(Herpesviridae)、およびレトロウイルス(Retroviridae)科のメンバーから誘導される。最も好ましくは、改変された条件的複製−コンピテントウイルスは、アデノウイルス(Adenoviridae)科のメンバーから誘導される。改変された条件的複製−コンピテントウイルスがアデノウイルスである場合、遺伝子スイッチによって制御することができる遺伝子は、E1A、E1BおよびE4遺伝子を含む。1つもしくはそれ以上のウイルス遺伝子の発現を制御する遺伝子スイッチであって、その産物がウイルスの複製に必要であるかまたはウイルスの複製を容易にする上記遺伝子スイッチは、2つの成分を含んでなる。第1の成分は、小分子調節因子によって活性化されるかまたは阻害されるトランス活性化因子の遺伝子である。好適な実施態様では、トランス活性化因子遺伝子の発現は、一過性の熱または内因性熱ショック因子1(HSF1)を仲介する一過性のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化され得る熱ショックプロモーターにより、あるいは内因性HSF1を仲介する一過性の熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化され得るタンデムもしくはハイブリッドプロモーターにより、および活性なトランス活性化因子により制御される。スイッチの第2の成分は、トランス活性化因子の活性型によって活性化されるプロモーターであって、該プロモーターは、調節しようとするウイルスまたはパッセンジャー遺伝子に機能的に連結される。代替的実施態様では、第1の成分は、宿主細胞において継続的(構成的に)発現されるトランス活性化因子遺伝子である。第2の成分は、一過性の熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化され、トランス活性化因子によって抑制される改変された熱ショックプロモーター(適切なRNAリーダー領域を含む)であり得る。小分子調節因子のトランス活性化因子への結合は、それぞれ、その抑制機能を阻害するかまたは可能にすることができる。従って、得られる遺伝子スイッチは、それぞれ小分子調節因子の存在または非存在下で熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスに暴露された細胞において活性である。第2の成分はまた、トランス活性化因子および内因性HSF1による同時活性化を必要とする改変された(または部分的)熱ショックプロモーターであり得る。この場合、トランス活性化因子は、結合型小分子調節因子によって活性化される。
【0004】
本発明はまた、改変ウイルス対であって、その複合ゲノムは、ウイルス対の条件的複製に必要なすべての遺伝情報を含有し;細胞の熱および小分子調節因子への暴露によって、感染細胞において活性化可能な遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチは、改変ウイルスの効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、改変ウイルス対に関する。さらに本発明は、改変ウイルス対であって、その複合ゲノムは、ウイルス対の条件的複製に必要なすべての遺伝情報を含有し;細胞の熱への暴露によって感染細胞において活性化され、細胞の小分子調節因子への暴露によって抑制される遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチは、ウイルス対の効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、改変ウイルス対に関する。本発明の改変ウイルス対は、対のうちの一方または他方のウイルスのゲノムに挿入されたパッセンジャー遺伝子をさらに含み得る。パッセンジャー遺伝子はまた、ウイルスの複製を制御する遺伝子スイッチによっても制御することができる。好ましくは、対の改変ウイルスは、アデノウイルス(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス(Herpesviridae)、およびレトロウイルス科(Retroviridae)科の改変されたメンバーである。最も好ましくは、対の各ウイルスは、アデノウイルス(Adenoviridae)科のメンバーから誘導される。本発明の対の両方のウイルスが改変されたアデノウイルスである場合、遺伝子スイッチによって制御することができる遺伝子は、E1A、E1BおよびE4遺伝子を含む。1つもしくはそれ以上のウイルス遺伝子の発現を制御する遺伝子スイッチであって、その産物がウイルスの複製に必要であるかまたはウイルスの複製を容易にする上記遺伝子スイッチは、2つの成分を含んでなる。第1の成分は、小分子調節因子によって活性化されるかまたは阻害されるトランス活性化因子の遺伝子である。好適な実施態様では、トランス活性化因子遺伝子の発現は、一過性の熱または内因性熱ショック因子1(HSF1)を仲介する一過性のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化され得る熱ショックプロモーターにより、あるいは内因性HSF1を仲介する一過性の熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化され得るタンデムもしくはハイブリッドプロモーターにより、および活性なトランス活性化因子により制御される。スイッチの第2の成分は、トランス活性化因子の活性型によって活性化されるプロモーターであって、該プロモーターは、調節しようとするウイルスまたはパッセンジャー遺伝子に機能的に連結される。代替的実施態様では、第1の成分は、宿主細胞において継続的(構成的に)発現されるトランス活性化因子遺伝子である。第2の成分は、一過性の熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化され、トランス活性化因子によって抑制される改変された熱ショックプロモーター(適切なRNAリーダー領域を含む)であり得る。小分子調節因子のトランス活性化因子への結合は、それぞれ、その抑制機能を阻害するかまたは可能にすることができる。従って、得られる遺伝子スイッチは、それぞれ小分子調節因子の存在または非存在下で熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスに暴露された細胞において活性である。第2の成分はまた、トランス活性化因子および内因性HSF1による同時活性化を必要とする改変された(または部分的)熱ショックプロモーターであり得る。この場合、トランス活性化因子は、結合型小分子調節因子によって活性化される。
【0005】
(配列表の簡単な説明)
配列番号1はpShuttleのヌクレオチド配列を提供する。
【0006】
配列番号2はpGene/V5−Hisのヌクレオチド配列を提供する。
【0007】
配列番号3はpXC1のヌクレオチド配列を提供する。
【0008】
配列番号4はpSwitchのヌクレオチド配列を提供する。
【0009】
(詳細な説明)
他で規定しない限り、すべての用語は、関連分野におけるそれらの通常の意味を有するべきである。以下の用語は、次のように規定される。
【0010】
「ウイルスの複製」または「ウイルス/ウイルスの複製」は、ウイルス粒子の増殖を意味すると理解される。
【0011】
「タンパク質毒性(proteotoxic)ストレス」は、タンパク質のアンフォールディングの増加をもたらすか、新たに合成されるポリペプチドの成熟を減少させるかもしくは適切に折りたたむことができないタンパク質の合成を生じる物理的または化学的傷害である。
【0012】
「小分子調節因子」は、本発明と組み合わせて使用されるトランス活性化因子の低分子量のリガンドであると理解される。接続されたトランス活性化因子に依存して、小分子調節因子は、トランス活性化因子を阻害または活性化することができる。小分子調節因子は、典型的に1000ダルトン(1kDa)未満であるが、必ずしもそうである必要はない。
【0013】
本明細書に記載の遺伝子スイッチにおいて使用されるすべての調節タンパク質に対する単一の用語を使用することが可能であるためには、「トランス活性化因子」は、以後、特異的DNA配列への結合が付近の遺伝子の転写に正または負に影響を及ぼすことができるDNA結合性タンパク質として理解されるべきである。この定義は、従来のトランス活性化因子ならびに転写を妨害するタンパク質を含む。
【0014】
トランス活性化された遺伝子と組み合わせて使用される場合の「活性化された」は、遺伝子の発現の速度が活性化前よりも活性化後の方が少なくとも1桁大きいことを意味する。トランス活性化因子と組み合わせて使用される場合、「活性な」または「活性化された」は、正に作用するトランス活性化因子の場合にはトランス活性化因子のDNA結合およびトランス活性化−コンピテント形態を指し、負に作用するトランス活性化因子の場合にはトランス活性化因子のDNA結合形態を指す。
【0015】
「熱ショック遺伝子のプロモーター」、「熱ショック遺伝子プロモーター」および「熱ショックプロモーター」は、同じ意味で使用される。
【0016】
ここで、ゲノムが非ウイルス性の遺伝子を含むウイルスは、「ウイルス」または「ウイルスベクター」と称される。
【0017】
「組換え体」は、実験者によって生じる改変の存在を指す。
【0018】
本発明の好適なウイルスは、それらを含有する細胞が小分子調節因子の存在下で熱または別のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスに暴露される場合にのみ、それらが複製するように操作された特性を有する。他の好適なウイルスの複製は、複製を抑制する小分子調節因子の非存在下で熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって、誘発させることができる。ウイルスは、同じ条件下で活性化され得るまたは活性化され得ないパッセンジャー遺伝子をさらに含有することができる。熱を指向させることができるため、全身に存在する本発明のウイルスを、局所的、即ち、空間的に制限された様式で活性化することができる。本発明のウイルスは、研究目的のために使用してもよい。それらは、動物の生殖細胞系に導入してもよく、または成体の段階を含む発達の任意の段階で全身または局所に導入してもよい。小分子調節因子の投与後または中止後のそれぞれに、実験動物を1回もしくはそれ以上局所的に熱に供し、特定の組織または細胞のグループにおいてウイルスを活性化してもよく、標的化された細胞および周囲組織の細胞の切除ならびに/または活性化されたパッセンジャー遺伝子およびその結果、パッセンジャー遺伝子の産物の活性化および局所的伝播を生じる。そのような実験は、成体における特定の組織または細胞のグループの機能を規定することまたは動物を発達させることまたはパッセンジャー遺伝子の局所発現の生物学的もしくは治療結果を解明することを支援することができる。本発明のウイルスはまた、細胞に基づく治療にも有用である。異種起源の細胞は、免疫抑制療法にもかかわらず移植片対宿主応答を引き起こし得る。これらの細胞に存在する条件的複製性ウイルスは、拒絶が観察される組織において特異的に活性化され、不具合な細胞の局所的死滅を達成し得る一方、拒絶が観察されない組織の治療の有益性は維持される。他のアプリケーションでは、本発明の条件的複製性ウイルスを含有する免疫細胞は、腫瘍療法として投与してもよい。腫瘍に到達する免疫細胞は、小分子調節因子の全身での存在(または非存在)下で熱により局所的に活性化され、腫瘍組織におけるウイルス複製および細胞溶解を誘発し得る。局所の細胞溶解は、特異的免疫の発達を増強すべき局所炎症応答を引き起こす。あるいは、細胞を、治療遺伝子をも含む本発明のウイルスに感染させてもよい。細胞の局所または全身投与後、ウイルス複製を、所望される組織局所において活性化させ、ウイルス複製および治療遺伝子の局所的播種を誘発し、例えば、治療用タンパク質の全身発現に関与する毒性を回避してもよい。本発明のウイルスはまた、モデル動物、および終局的にヒトを使用する実験的遺伝子治療において使用してもよい。例えば、本発明のウイルスを、腫瘍に導入してもよい。小分子調節因子の全身での存在/非存在下における熱処置は、ウイルス複製および腫瘍細胞の死滅を開始する。本発明のウイルスの治療効果は、治療遺伝子、例えば、細胞障害性タンパク質をコードするパッセンジャー遺伝子の存在によって増強され得る。そのようなウイルスは、腫瘍組織において複製するように誘導されるだけではなく、毒性タンパク質を発現して、抗腫瘍活性の増加を生じる。あるいは、本発明のウイルスは、それ自体では細胞を死滅させ得ないが、治療遺伝子、例えば、細胞障害性タンパク質をコードするパッセンジャー遺伝子を含み得る。腫瘍におけるウイルスの局在化された複製は、腫瘍全体にわたるウイルスおよび治療遺伝子の播種を生じる。腫瘍細胞は、治療用タンパク質の作用によって死滅される。
【0019】
本発明のウイルスの複製は、熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスおよび小分子調節因子の特定の非存在または存在によって活性化される遺伝子スイッチによって制御される。本発明において用いられる遺伝子スイッチは、2つの成分を含有する。本発明の条件的複製性ウイルスと組み合わせて使用される好適な遺伝子スイッチは、熱ショック遺伝子由来のプロモーター、およびトランス活性化因子に応答性であるプロモーターに機能的に連結された小分子活性型または小分子阻害型トランス活性化因子の遺伝子を含んでなる。スイッチによって調節しようとする遺伝子は、トランス活性化因子に応答性である後者のプロモーターに機能的に連結される。アデノウイルスの場合、後者の標的遺伝子はE1遺伝子であってもよい。そのような遺伝子スイッチの操作を図1に概略する。
【0020】
熱ショック遺伝子は、遺伝子を含有する細胞がその正常な増殖温度を超える温度に暴露される場合、活性が実質的に増強される任意の真核生物体由来の任意の遺伝子として本明細書において規定される。典型的に、遺伝子は、周囲温度が3〜10℃上昇する場合、活性化される。熱ショック遺伝子は、「古典的な」熱ショックタンパク質、即ち、Hsp110、Hsp90、Hsp70、Hsp60、Hsp40、およびHsp20−30の遺伝子を含んでなる。それらはまた、MDR1、ユビキチン、FKBP52、ヘモキシダーゼおよび他のタンパク質などの他の熱誘導性遺伝子を含む。これらの遺伝子「熱ショックプロモーター」のプロモーターは、NGAANもしくはAGAAN型の完全または不完全配列モジュールよりなる熱ショックエレメント(HSE)と称される特徴的配列エレメントを含有し、該モジュールは、交互の配向で配列される(シァオ,H(Xiao,H)、およびリス,J.T.(Lis,J.T.)1988年.Science239,1139−1142;アミン,J.(Amin,J.)、アナンタン,J.(Ananthan,J.)、およびボエルミー,R.(Voellmy,R.)1988年.Mol.Cell.Biol8,3761−3769;フェルナンデス,M.(Fernandes,M.)、シァオ,H(Xiao,H.)、およびリス,J.T.(Lis,J.T.)1994年.Nucleic Acids Res.22,167−173)。これらのエレメントは、例えば、ショウジョウバエ由来の熱ショックプロモーターがカエル細胞において機能的であり熱調節されるように、すべての真核細胞において高度に保存される(ボエルミー,R.(Voellmy,R.)、およびルンガー,D.(Rungger,D.)1982年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA79,1776−1780)。HSE配列は、熱ショック転写因子に対する結合部位である(HSF;フー,C.(Wu,C.)1995年.Annu.Rev.Cell Dev.Biol.11,441−469において再検討されている)。熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスに暴露された脊椎動物細胞における熱ショック遺伝子の活性化を担う因子はHSF1である(ベイラ,R.(Baler,R.)、ダール,G.(Dahl,G.)、およびボエルミー,R.(Voellmy,R.)1993年.Mol.Cell.Biol.13,2486−2496;マクミラン,D.R.(McMillan,D.R.)、シァオ,X.(Xiao,X.)、シャオ,L.(Shao,L.)、グレイブス,K.(Graves,K.)、およびベンジャミン,I.J.(Benjamin,I.J.)1998年.J.Biol.Chem.273,7523−7528)。好適なプロモーターは、誘導性hsp70遺伝子由来のプロモーターである。本発明のウイルスにおいて使用される特に好適な熱ショックプロモーターは、ヒトhsp70B遺伝子のプロモーターである(ボエルミー,R.(Voellmy,R.)、アーメッド,A(Ahmed,A.)、シラー,P.(Schiller,P.)、ブロムレイ,P.(Bromley,P.)、およびルンガー,D.(Rungger,D.)1985年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA82,4949−4953)。
【0021】
本発明のウイルスにおいて使用される遺伝子スイッチに組み入れることができる小分子により調節されるトランス活性化因子の例として、テトラサイクリン/ドキソサイクリンにより調節されるtet−onおよびtet−off抑制因子(ゴッセン,M.(Gossen,M.)およびビュヤード,H(Bujard,H.)1992年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA89,5547−5551;ゴッセン,M.(Gossen,M.)、フロインドリープ,S.(Freundlieb,S.)、ベンダー,G.(Bender,G.)、ミュラー,G.(Muller,G.)、ヒーレン,W.(Hillen,W.)およびビュヤード,H(Bujard,H.)1996年.Science268,1766−1769)、エクジステロン/ポナステロンにより調節される昆虫ステロイド受容体に基づく転写因子EcR/RXR(ノウ,D.(No,D.)、ヤオ,T.P.(Yao,T.P.)、およびエバンス,R.M.(Evans,R.M.)1996年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA93,3346−3351)、GLVPなどのミフェプリストンにより調節されるGAL4−ステロイド受容体−活性化ドメインキメラ(ワング,Y.(Wang,Y.)、デマヨ,F.J.(DeMayo,F.J.)、サイ,S.Y.(Tsai,S.Y.)、およびオマレー,B.W.(O’Malley,B.W.)1997年.Nat.Biotechnol.15,239−243;ワング,Y.(Wang,Y.)、クー,J.(Xu,J.)、ピアソン,T.(Pierson,T.)、オマレー,B.W.(O’Malley,B.W.)、およびサイ,S.Y.(Tsai,S.Y.)1997年.Gene Ther.4,432−441)、現在「GeneSwitch」(Invitrogen Corporation、Carlsbad、カリフォルニア州)の名称で市販されているトランス活性化因子のバージョン、ならびにラパマイシンにより調節されるキメラ因子NFκB−FRB/FKBP−ZFHD1(リベラ,V.M.(Rivera,V.M.)、クラックソン,T.(Clackson,T.)、ネイテサン,S.(Natesan,S.)、ポロック,R.(Pollock,R.)、アマラ,J.F.(Amara,J.F.)、キーナン,T.(Keenan,T.)、マガリ,S.R.(Magari,S.R.)、フィリップス,T.(Philips,T.)、カーリジ,N.L.(Courage,N.L.)、セラソリ,F.Jr.(Cerasoli,F.Jr.)、ホールト,D.A.(Holt,D.A.)、およびギルマン,M.(Gilman,M.)1996年.Nat.Med.2,1028−1032;マガリ,S.R.(Magari,S.R.)、リベラ,V.M.(Rivera,V.M.)、イウリウッチJ.D.(Iuliucci,J.D.)、ギルマン,M.(Gilman,M.)、およびセラソリ,F.Jr.(Cerasoli,F.,jr.)1997年.J.Clin.Invest.100,2865−2872)が挙げられる。他の小分子によって調節可能なトランス活性化因子を使用してもよいが、但し、それらを用いて、宿主細胞の遺伝子の広範な脱調節を生じることなく標的遺伝子の活性を制御することができ、かつさらに会合した小分子調節因子は、それらの有効濃度で宿主細胞に対し十分に低い毒性を有する。
【0022】
図2における例では、ミフェプリストン活性化可能なキメラトランス活性化因子GLVPの遺伝子が、厳密に熱により調節されるヒトhsp70B熱ショックプロモーターに機能的に連結される。標的遺伝子は、この例におけるアデノウイルスのE1A遺伝子などのウイルスの複製に必要な遺伝子である。標的遺伝子は、トランス活性化因子に応答性であるプロモーターに機能的に連結される。本例において、適切なプロモーターは、GAL4に対する結合部位を補充された最小のプロモーターである。図1において概要された種類の遺伝子スイッチは、図3Aに示されるウイルスベクターに組み入れられ得る。この例では、トランス活性化因子応答性プロモーターは、アデノウイルスのE1Aプロモーターを置き換え、トランス活性化因子遺伝子カセットは、ウイルスの非必須遺伝子セグメント、例えば、アデノウイルスにおけるE3領域を置き換える。あるいは、欠失されたウイルスゲノムにおいて選択されたトランス活性化因子遺伝子の封入に十分な余地な存在しない場合、遺伝子スイッチは、2つのウイルスベクター間に配分してもよい。図3Bの例では、トランス活性化因子応答性プロモーターは、それ以外の野生型アデノウイルスゲノムのE1Aプロモーターを置き換え、hsp70B指向性トランス活性化因子遺伝子は、E1およびおそらくE3配列を欠く典型的な複製欠損アデノウイルスのゲノムに挿入される。本発明の条件的複製性ウイルスの対の特定の例を図3Cに示す。第1のアデノウイルスは、トランス活性化因子応答性プロモーターによって置き換えられるE1AおよびE4プロモーター領域を除いて野生型である。第2のウイルスは、E1AおよびE4機能を最小限に欠く複製欠損ウイルスである。hsp70Bプロモーター−glvp遺伝子カセットは、後者のウイルスのゲノムに挿入される。
【0023】
ウイルスの複製が生じるためには、細胞は、組換え体ウイルス対に同時感染させる必要がある。遺伝子スイッチ指向性ウイルス複製は、以下のようにして生じる:細胞を図3Cの組換え体ウイルス組み合わせに感染させた後、細胞を適切な濃度の小分子調節因子、ミフェプリストンに暴露し、一過性の熱処置に供して、hsp70Bプロモーターを活性化する。GLVPが発現され、ミフェプリストンによって活性化される。次いで、活性なGLVPは、第1のウイルスゲノムからE1AおよびE4遺伝子発現をトランス活性化し、ウイルス対の複製を生じる。アデノウイルスの複製が生じた細胞は溶解し、ウイルス粒子が解放され、隣接細胞に感染する。さらなる一過性の熱処置の投与時に、2次感染細胞において複製が誘発されるなどである。
【0024】
本発明のウイルスまたはウイルス対はまた、パッセンジャー遺伝子を含んでもよい。パッセンジャー遺伝子またはなおトランス活性化因子遺伝子を、すべての遺伝子および複製に必要な他の配列を含有するウイルスゲノム組み入れることができるかどうかは、ウイルスのタイプ、パッキングのための最大ゲノムサイズ、欠失することができる非必須ウイルス遺伝子に関する知識、ならびに挿入しようとするトランス活性化因子およびパッセンジャー遺伝子のサイズに依存する。アデノウイルスの場合、パッセンジャー遺伝子およびおそらくはなおトランス活性化因子遺伝子を、部分欠失または完全抜去したウイルスゲノムに挿入する必要があり得る。図5Cのケースの例によって例示されるように、「本発明のウイルス」は、ウイルスの対であり、そのうちの第1のものは、GLVPトランス活性化因子に応答性であるGAL4結合部位含有glvp−rプロモーターによるE1AおよびE4プロモーターの置換を除いて完全なゲノムを含有する。第2のウイルスは、複製欠損である。ウイルス遺伝子の相当の大きさの欠失によって提供される空間、典型的に、E1およびE3遺伝子領域(およびこの特定の場合においてはE4配列もまた)は、パッセンジャー遺伝子およびトランス活性化因子遺伝子によって占められる。トランス活性化因子遺伝子は、機能的に連結された熱ショックプロモーター、または図に実際に示された(そして下記において考察する)ハイブリッドもしくはタンデムhsp70B−glvp−rプロモーターの制御下にある。パッセンジャー遺伝子は、glvp−rプロモーターまたはアプリケーションが必要とし得るような別のプロモーターに連結してもよい。
【0025】
ウイルスの対を使用する場合、ウイルスは典型的に同じ種であることが留意される。根本的な理由は、典型的に、ウイルス対の少なくとも1つウイルスが、複製について、他のウイルスに担持される遺伝子から発現される種特異的ウイルスタンパク質に依存していることである。2つのウイルスのうちの一方が複製に必要なすべての遺伝子を含有する必要はないことがさらに留意される。これらの遺伝子は、両ウイルスにわたって分配され得る。2つのウイルスゲノムが共に合わせて、必要とされるすべてのウイルス機能をコードすることが重要である。
【0026】
最も好ましくは、本発明のウイルスおよび所望であれば、パッセンジャー遺伝子の複製は、米国特許第6,342,596号明細書および米国特許出願第10/046420号明細書に記載の、より複雑なスイッチによって制御される。上記のスイッチとは異なり、これらのスイッチは、それらが活性化熱処置または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスへの暴露後に長期間活性を保持することを可能にする自己活性化エレメントを含有する。そのようなスイッチの成分および操作に関する包括的概要を図4Aに示す。この種のスイッチもまた、2つの成分を含んでなる。第1の成分は、小分子により調節されるトランス活性化因子の遺伝子であり、該遺伝子は、熱ショックプロモーターならびにトランス活性化因子応答性プロモーターとして作用するDNA配列に機能的に連結される。このDNA配列は、HSF1およびトランス活性化因子の両方に対する結合部位を含んでなるハイブリッドプロモーターを含有し得る。あるいは、それは、2つの個別のプロモーターを含有してもよく、それらのうちの一方は、熱ショックプロモーターであり、他方はトランス活性化因子応答性プロモーターであるが、但し、プロモーターのそれぞれは、連結されたトランス活性化因子遺伝子から発現を指令することができる。第2の成分は、トランス活性化因子応答性プロモーターに機能的に連結された標的遺伝子である。そのようなスイッチの成分を含有する細胞が一過性の熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスに暴露される場合、HSF1は活性化され、トランス活性化因子遺伝子から転写を誘導する。使用する特定のトランス活性化因子が小分子調節因子によって活性化されるかまたは阻害されるかに依存して、その小分子調節因子の存在または非存在下で、新たに作製されたトランス活性化因子は、標的遺伝子の発現を活性化し、さらなるトランス活性化因子タンパク質の発現を促進する。その結果、トランス活性化因子レベルは、一過性ストレス後にHSF1が不活化された後にも維持され、標的遺伝子発現が継続する。小分子調節因子の中止または追加は、それぞれ、スイッチの不活化を生じる。図4Bは、この種のスイッチの例を示し、図中、トランス活性化因子は、ミフェプリストン活性化トランス活性化因子GLVPであり、標的遺伝子は、アデノウイルスのE1A遺伝子である。図5では、本発明のアデノウイルスにおけるスイッチの後者の例の組み入れを例示する。図5Aは、この領域からの配列の欠失後に、glvp遺伝子および連結されたハイブリッドまたはタンデムプロモーターがE3領域に導入される様子を例示する。E1Aプロモーターは、GLVPに応答性であるGAL4結合部位含有プロモーターglvp−rによって置き換えられる。そのような組換え体を実際に作製することができるかどうかは、それぞれ、ウイルスのパッケージングの限界および欠失および挿入された配列の長さに依存する。図5Bにおける例では、スイッチは、ウイルスの対にわたって分配される。これらのウイルスのうちの一方は、glvp−rプロモーターによるE1AおよびE4プロモーターの置き換えを除いて、完全なウイルスゲノムを含有し得る。他方のウイルスは、E1、E3およびE4配列を欠き得るが、glvp遺伝子、および熱と活性なGLVPによって活性化される連結されたハイブリッド、またはタンデムプロモーターを含有する複製欠損ウイルスである。図5Cの図式に示されるように、パッセンジャー遺伝子はまた、後者のウイルスの欠損型ゲノムに含まれ得る。パッセンジャー遺伝子は、トランス活性化因子応答性プロモーターまたは別のプロモーターによって制御され得る。
【0027】
あるいは、本発明のウイルスまたはウイルス対の複製および所望であれば、パッセンジャー遺伝子の発現は、トランス活性化因子(トランス活性化−コンピテントではない)の構成的に発現された遺伝子を含んでなるタイプの遺伝子スイッチ(図6A)によって制御され得、該トランス活性化因子のDNA結合活性は、小分子調節因子の結合、およびトランス活性化因子に対する1つもしくはそれ以上の結合部位を含有する5’非翻訳配列を含む改変された熱ショックプロモーターによって調節される。後者のプロモーターは、調節しようとするウイルスまたはパッセンジャー遺伝子に機能的に連結される。トランス活性化因子結合部位は、トランス活性化因子の結合が連結された遺伝子の熱活性化転写を防止するように、熱ショックプロモーター(および/またはRNAリーダー領域)に配置される。トランス活性化因子のHSF1結合部位付近に挿入された部位への結合は、HSF1がプロモーターに結合することを防止し得;トランス活性化因子の5’非翻訳配列に挿入された部位への結合は、転写伸長を阻害し得る。得られる遺伝子スイッチは、小分子調節因子の存在または非存在下における一過性の熱によって活性化される。本発明のウイルスの複製および所望であれば、パッセンジャー遺伝子の発現を制御するために使用することができるさらなるタイプの遺伝子スイッチ(図6B)は、構成的に発現されるトランス活性化因子の遺伝子を含んでなり、該トランス活性化因子のDNA結合活性は、小分子調節因子の結合、およびトランス活性化因子に対する結合部位を含む改変された熱ショックプロモーターによって活性化または阻害される。トランス活性化因子に対して低い親和性の結合部位であり得るこれらの結合部位、またはおそらく、半分の部位は、トランス活性化因子単独によるプロモーターの活性を可能にするのに不十分である。プロモーターは、一過性の熱または他のタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスにより誘導されるHSF1および活性なトランス活性化因子によって効率的に同時活性化される。同時活性化に必要な改変された熱ショックプロモーターは、熱ショックプロモーターにおける1つを除いてすべての熱ショックエレメントの欠失によって得ることができ、その活性化は、複数の熱ショックエレメントの存在および1つもしくはそれ以上のトランス活性化因子結合部位の付加に依存する。
【0028】
本発明における使用に特に適切なウイルスは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、およびフォーミーウイルスを含むレトロウイルスなどの複製性または腫瘍溶解性ウイルスベクターとして先に使用されたウイルスである。
【0029】
アデノウイルスの生物学および遺伝子学については良好に理解されている(ラッセル,W.C.(Russell,W.C.)2000年.J.Gen.Virol.81,2573−2604;ヒットM.M.(Hitt,M.M.)、アディソン,C.L.(Addison,C.L.)、およびグラハム,F.L.(Graham,F.L.)1997年.Advances in Pharmacology40,137−206)。当業者であれば、複製−コンピテントまたは複製欠損アデノウイルスベクターを調製および投与する方法を知っている。アデノウイルスの複製を制御するために使用されるストラテジーについては、最近、再検討された(ポスト,D.E.(Post,D.E.)、クリ,F.R.(Khuri,F.R.)、シモンズ,J.W.(Simons,J.W.)およびバン・メリ,E.G.(Van Meir,E.G.)2003年.Hum.Gene Ther.14,933−946)。典型的に、アデノウイルスの条件的複製は、E1A、E1BまたはE4ウイルスプロモーターを選択された調節されたまたは組織選択的プロモーターで置き換えることによって達成された。いくつかの場合では、後者のウイルスプロモーターのうちの2つが置き換えられた。例えば、エルナンデス−アルコセバ(Hernandez−Alcoceba)ら(Hum.Gene Ther.11,2009−2024(2000年))は、E1AおよびE4プロモーターのエストロゲン受容体に対する結合部位を含有する短縮型pS2プロモーターによる置き換えによって、条件的複製性5型アデノウイルスを調製した。組換え体ウイルスは複製し、エストロゲン受容体ポジティブであるがエストロゲン受容体ネガティブではない細胞を効率的に溶解した。ユー(Yu)ら(Cancer Res.59,1498−1504(1999年))は、E1AおよびE1Bプロモーターを、それぞれPSE(前立腺特異的エンハンサー)プロモーターおよびカリクレイン2遺伝子由来のプロモーターフラグメントで置換することによって、条件的複製性アデノウイルス764を構築した。ウイルス764は、前立腺腫瘍細胞系統由来の細胞において効率的に複製し、該細胞を死滅させたが、いくらかの他の細胞系統由来の細胞ではそうではなかった。
【0030】
ヘルペスウイルスは、大きなゲノムを伴う、エンベロープに入った、二本鎖DNAウイルス(HSV−1について152kbp)である。この大きなゲノムサイズのため、過去において遺伝子解析および実験が妨げられた。この問題は、全ヘルペスウイルスゲノムの組み込みを可能にする細菌人工染色体(BAC)の使用によって解決されており、ウイルスゲノムを操作するための効率的な変異および組換えプロトコルの使用が可能にされている(ワグナー,M.(Wagner,M.)、ルジックス,Z.(Ruzsics,Z.)、およびコスジノスキー,U.H.(Koszinowski,U.H.)2002年.Trends in Microbiol.10,318−324)。少なくとも2つのヘルペスウイルスの前初期遺伝子、ICP4およびICP27の産物は、ウイルスの複製に必須である(バートン,E.A.(Burton,E.A.)、バイ,Q.(Bai,Q.)、ゴインス,W.F.(Goins,W.F.)、およびグロリオス,J.(Glorioso,J.)2002年.Curr.Opin.Biotechnol.13,424−428、ならびに本明細書において引用した参考文献)。これらの遺伝子のうちの1つを調節されたまたは組織選択的プロモーターの制御下に配置する操作は、条件的複製性ヘルペスウイルスを生成する。例えば、ミヤタケ(Miyatake)ら(J.Virol.71,5124−5132(1997年))は、a4遺伝子(ICP4をコードする遺伝子)の両方のコピーを欠くHSV−1変異d120を利用して、この変異に、アルブミンエンハンサーおよびプロモーターエレメントを含有するプロモーターに機能的に連結されたa4遺伝子コピーを挿入した。得られる組換え体ヘルペスウイルスは、他の細胞よりもアルブミン発現細胞では3の対数尺度だけ良好に複製した。さらに、ウイルスは、アルブミン発現腫瘍異種移植片の増殖を効率的に阻害した。ヘルペスウイルスは、チミジンキナーゼの遺伝子ICP6またはICP34.5の欠失により、有糸分裂的に活性な細胞において好適に複製するように作製することができる(ハリントン,K.J.(Harrington,K.J.)、ベータマン,A.R.(Bateman,A.R.)、メルヒャー,A.A.(Melcher,A.A.)、アーメッド,A(Ahmed,A.)、およびビレ,R.G.(Vile,R.G.)2002年.Clinical Oncology14,3−16、および本明細書において引用した参考文献)。
【0031】
レトロウイルスは、集中的に研究され、治療遺伝子を転移するための複製欠損型ベクターとして使用されている一本鎖、二倍体RNAウイルスである(ビレ,R.G.(Vile,R.G.)およびラッセル,S.J.(Russell,S.J.)1995年.Br.Med.Bull.51,12−30)。当業者であれば、レトロウイルスのゲノムを操作する方法およびレトロウイルスベクターを製造する方法について知っている。レトロウイルスベクターの調製およびそれらの使用については、欧州特許出願第0178220号明細書;米国特許第4,405,712号明細書;ギルボア(Gilboa)1986年.Biotechniques4,504−512;マン(Mann)ら1983年.Cell33,153−159;コーン(Cone)およびムリガン(Mulligan)1984年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA81,6349−6353;エグリティス,M.A.(Eglitis,M.A.)ら1988年.Biotechniques6,608−614;ミラー,A.D.(Miller,A.D.)ら1989年.Biotechniques7,981−990;ミラー,A.D.(Miller,A.D.)1992年.Curr.Top.Microbiol.Immunol.158,1−24;国際公開第92/07943号パンフレット、表題「Retroviral Vectors Useful in Gene Therapy」;フー,W.S.(Hu,W.S.)、およびパサク,V.K.(Pathak,V.K.)2000年.Pharmacol.Rev.52,493−511を含む多くの刊行物において記載されている。ウイルス遺伝子の発現を駆動するプロモーターは、プロウイルスのU5およびU3領域に存在する。実際のウイルスゲノムはU5領域を欠く。従って、それは、U3領域のプロモーターのみを含有する。最近、ログ(Logg)ら(J.Virol.76,12783−12791(2002年))前立腺において活性であるアンドロゲンにより調節されるプロバシン遺伝子のプロモーター由来、またはプロバシンプロモーターから誘導される変異体プロモーター由来の配列による、マウス白血病ウイルスにおけるU3領域内の多塩基置換型(promiscuous)転写制御エレメントの置き換えは、前立腺由来細胞において好適に複製する組換え体ウイルスを生じることを実証した。ネスラー(Nestler)ら(Gene Ther.4,1270−1277(1997年)は、U3領域の大きなセグメントおよびbet遺伝子のほとんどを欠く複製−コンピテントフォーミーウイルスの構築について報告した。プロドラック活性化酵素、即ち、ヘルペスチミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼおよびポリヌクレオシドホスホリラーゼをコードする遺伝子を短縮型bet遺伝子に融合した。後者の「自殺」タンパク質を融合タンパク質として発現させ、融合点における自己切断配列の存在により処理し、非融合タンパク質を産出させた。
【0032】
より一般的には、本発明の使用に適切なウイルスは、レトロウイルス、ならびに宿主の転写機構を利用し、その複製は感染後に発現されるタンパク質に依存する一本鎖および二本鎖DNAウイルスを含む。後者のDNAウイルスは、ヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)、パルボウイルス(Parvoviridae)、パポーバウイルス(Papovaviridae)、サーコウイルス(Circoviridae)、アデノウイルス(Adenoviridae)およびヘルペスウイルス(Herpesviridae)科を含む。
【0033】
パポーバウイルス科(Papovaviridae)は、少なくとも9種のヒトパピローマウイルスならびにポリオーマウイルスBKおよびJCを含む。
【0034】
レトロウイルス科(Retroviridae)は、HTLV−I、HTLV−II、HIV−I、HIV−II、ウシ白血病ウイルス、ネコ肉腫および白血病ウイルス、トリ細網内皮症ウイルス、マウス乳腺腫瘍ウイルス、ビスナウイルス、馬伝染性貧血ウイルス、FIV、ウシレンチウイルス、SUV、およびフォーミーウイルスなどのレンチウイルス(Lentivirus)、スポルナウイルス(Spornavirus)ならびにその他の属のウイルスを含む。
【0035】
ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)は、B型肝炎様ウイルス、例えば、B型肝炎および関連ウイルスを含む。
【0036】
パルボウイルス(Parvoviridae)は、ヒトおよび動物パルボウイルスなどのパルボウイルス、デペンドウイルスおよびデンソウイルス属のウイルスを含む。
【0037】
アデノウイルス科(Adenoviridae)は、ヒトおよび動物マスタデノウイルス株などのマスタデノウイルス(Mastadenovirus)およびアビアデノウイルス(Aviadenovirus)属のウイルスを含む。
【0038】
ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)は、シンプレックスウイルス(Simplexvirus)、バリセラウイルス(Varicellavirus)、ベータヘルペスウイルス(Betaherpesvirinae)、サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)、リンホクリプトウイルス(lymphocryptovirus)、マレック病様ウイルス(Marek’s disease−like viruses)およびラジノウイルス(Rhadinovirus)属のウイルスを含む。例には、単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、マレック病ウイルス、EBウイルスおよびその他がある。
【0039】
サーコウイルス科(Circoviridae)は、サーコウイルス(Circovirus)属を含む。サーコウイルスの例には、ニワトリ貧血ウイルス、オウム嘴羽病ウイルス、およびブタサーコウイルスがある。
【0040】
上記のウイルスの科およびそれらのメンバーの生物学、生化学および遺伝学に関する広範な説明については、「Virology」(B.N.フィールズ(B.N.Fields)、D.M.ナイペ(D.M.Knipe)、およびP.M.ホウリー(P.M.Howley)編)、第1および第2巻、Lippincott−Raven Publishers、Philadelphia、ペンシルバニア州(1996年)に見出される。
【0041】
パッセンジャー遺伝子は、アポトーシス誘導因子をコードする遺伝子、細胞死、加齢、分裂およびDNA合成に影響を及ぼす遺伝子、ミトコンドリア遺伝子、ペルオキシソーム遺伝子、免疫応答関連遺伝子、ATP結合タンパク質、細胞骨格遺伝子、すべてのレスキュー遺伝子、細胞損傷および修復に関与する遺伝子などの細胞に影響を及ぼす遺伝子を含み得る。本発明のウイルスベクターに含まれ得る潜在的な酵母および哺乳動物遺伝子の列挙を以下に提供する。
【0042】
酵母遺伝子:
細胞レスキュー、防御、細胞死および加齢 PRE3、PRE1、PUP2、RPN12、RPT1、MAG1、OGG1、SED1、ATH1、SPE2、GRE3、TPS2、TPS1、ATR1、ATX1、SK13、SK12、SK18、APN1、HPR5、ERG5、CCZ1、SRA1、SNF1、YCK1、YCK2、HRR25、CTA1、CTT1、WSC4、PAM1、TIR2、TIR1、HDF2、TFB4、RAD1、HAM1、LYS7、SOD1、KIN28、DIT2、ERG11、CYC7、CCP1、PHR1、DAK2、DAK1、ALR1、ALR2、HOR2、RAD17、DDC1、DDR2、ALK1、HEL1、SSL2、RAD5、SGS1、PIF1、RAD3、CDC9、REV7、NTG1、RAD18、RAD57、RAD55、XRS2、RAD30、MMS21、RAD51、RAD10、PS02、REV1、DIN7、RAD54、CDC2、PES4、POL2、REV3、RPB7、RPB4、SGE1、UBA1、UBC4、UBC5、RAD6、QR18、RNC1、NTG2、ERC1、RAD4、ETH1、FKB2、YHB1、FLR1、MEC3、ZWF1、GSH1、GRX1、TTR1、HYR1、GLR1、YCF1、FPS1、GPD1、RAS2、RAS1、CUPS、HSP26、HSP30、HSP12、HSP104、DDR48、HSC82、HSP82、MDJ1、MDJ2、HSP60、HSP78、ECM10、SSE1、SSA1、SSA3、SSA4、SSA2、SSE2、HSF1、HIG1、HDF1、HMS2、GRE1、DD11、RTA1、SIMI、LAG2、ZDS1、MET18、SNG1、NCA3、KTI12、UTH1、SUN4、SSU81、SSD1、TH14、KAR3、LIF1、SFA1、LAG1、LTV1、MDR1、SSK22、SSK2、HOL1、CIS3、HSP150、PIR3、MAC1、CUP1A、CUP1B、YDJ1、SSQ1、SSC1、IMP2、MPT5、ATX2、SN02、MLP1、NHX1、NCP1、NSR1、SNF4、RAD16、RAD7、RAD14、RAD23、ROD1、MGT1、OSM1、SIP18、SAT2、MNR2、MMS2、PNT1、CYP2、PAD1、PDR5、PDR3、PDR6、RTS1、PA13、HOR7、DUN1、IRE1、MKK2、MET22、PPZ2、PTC1、PTP2、MMS4、RAD52、PDR13 SLG1、GRR1 HIT1、RDH54 BR01、PIR1 MSRA、RNR4 RNR3、HAL1、YGP1、CDC55、PPZ1、PKC1、HAL5、MKK1、HOG1、SLT2、BCKi、RAD53、SIR4、SIR3、SIR2、MGA1、FUN30、YR02、DNL4、RRD1、SAT4、RAD27、MSN2、ST11、PAU3、PAU2、PAU5、PAU1、PAU4、PAU6、(MLP1)、RAD2、FZ_F1、SSU1、SOD2、CRS5、BCK2、ASM4、TIP1、TFB1、CCL1、SSL1、TFB3、TFB2、TSAI、TRX1、TRX2、ROX3、PDR1、GTS1、MCM1、SKN7、CAD1、MSN4、YAP1、SLN1、SSK1、PBS2、UB14、RSP5、SVS1、ZRC1
【0043】
細胞増殖、細胞分裂およびDNA合成 GSC2、PLC1、PRE3、PRE2、PRE1、PUP2、RPN12、RPT6、RPT1、DIS3、RP SOA、AGA1、AGA2、ASG7、ACH1、ACT1、SAC6、ARP100、ABP1、PAN1、ARP 2、AREIARE2、SPE2、CYR1、SRV2、ADK2、GCS1、SOH1、TUB1、TUB3 SAG1、AKR1、YAR1、SK18、
【0044】
ARG82、ABF1、STE6、BAR1、8011、TUB2、RBI−2、BIG1、BI M1、BAT1、BEM1、BEM4、SBE2、BN14、BUD6、8012、BUD9、BUD4、BUD8、RC K2、CMK1、CNA1、CMP2、CNB1、CCH1、CMD1、SRA1、YCK1、YCK2、HRR2 5、CKA2、CKA1、YCK3、EST2、TFS1、SCM4、GIC2、GIC1、CAK1、BUB2、B UB3、ESR1、RAD24、DBF20、PDS1、HPC2、NUD1、CDC47、CDC10、CDC13、C DC37、CDC1、CDC40、CDC4、CDC20、CDC6、CDC46、CDC3、KAR1、BB P1、CDC50、FUS1、KRE9、EGT2、ARP1、CHS1、CHS2、CHS3、CHS5、MS11、CAC2、R LF2、CHL4、SMC1、SMC2、CIN1、SNF7、CLC1、COF1、PAM1、LAS17、HDF2、SEC3、SNF2、SWI1、SNF5、SNF1 1、DOC1、APC2、APC5、TAP42、CDC53、KAR 9、CCE1、CLB6、CLB5、CLN3、PCL2、CLN1、PCL1、CLN2、CI−133、CI−131、CLB4、CI−132、FAR1、CKS1、CDC28、PH085、KIN28、SSN3、CLG1、DIT2、SLA1、SLA2、SP020、DPP1、RAD17、DDC1、HEL1、DNA2、RAD5、SGS1、HCS1、PIF1、CDC9、MSH3、MSH6、MLH1、PMS1、MSH2、MSH1、POL4、REV7、MRE11、RAD26、RAD9、RAD18、RAD57、RAD55、XRS2、MMS21、RAD51、RADIO、RAD50、RFA3、RFA2、RFA1、RFC4、RFC5、RFC3、RFC2、RFC1、FOB1、TOP1、TO P2、TOP3、RAP1、RAD54、PR12、PR11、POL1、POI−12、CTF4、HUS2、CDC2、P ES4、POL2、DPB2、DPB3、MIP1、REV3、SSN8、GAL11、RGR1、SRB6、RP041、SEC59、DIP2、CDC14、MSG5、DYN1、UBC4、UBC9、CDC34、UBC5、UBC1、UBC6、RAD6、QR18、ELC1、RNC1、CTS1、KEX2、APG1、SSP1、SUP35、EXM2、S PR1、EXG1、EXG2、DHS1、CAP1、CAP2、BRN1、GPR1、GIF1、MEC3、TU B4、CIS2、LTE1、SDC25、SRM1、CDC25、ROM2、BUDS、ROM1、SPT16、CDC43、G IP1、SIN4、SNF6、KRE6、GFA1、NGR1、WH12、RSR1、CIN4、RAS2、RAS1、GP A1、STE4、STE18、CDC42、MDG1、SEC4、TEM1、RH03、RH04、RI−102、RHO1、CDC24、BEM2、BUD2、BEM3、LRG1、GPA2、SIS1、HSP82、HSF1、ABF2、HDF1、HDR1、RPD3、HSL7、HO、SBA1、HPR1、IDS2、NFI1、CSE2、MDM1、MI−1 131、MIDI、SIMI、HIR3、SIS2、MAKI 1、LAS1、SPA2、WH14、ECM33、SET1、CTF19、CIN2、MCM16、SLK19、CYK2、CNM67、SST2、DPB11、DOS2、D FG16、AFR1、ZDS1、SR07、PEA2、FAR3、SMP2、WH13、CDC5、MET30、SAS2、SCC2、CIS1、STN1、UTH1、PAC2、SSD1、SRP1、KRE5、KIP1、CIN8、SMY1、KIP2、KAR3、KIP3、CBF1、CBF2、SKP1、CEP3、CTF13、DBR1、LAG1、MIH1、BFR1、DIG2、DIG1、MFA1、MFA2、MFΑIpha1、MFAIpha2、MID2、SSF1、MATΑLPHA2、MATΑLPHA1、ΑLPHAI、ΑLPHA2、A2、A1、SAN1、PGD1、SPO11、MSH5、DMC1、ISC10、MSH4、SP013、NDT80、REC104、HOPI、RED1、SP07、MUM2,ME15、S AE2、NAM8、REC107、REC102、REC114、MER1、RIM01、NDJ1、CDC54、CP R7、SYG1,MCM2、CIS3、HSP150、ACE2、CDC48、ASE1、YTM1、HSM3、YD J1、ERV1、FUS3、JNM1、MCD1、MMC1、MSB1、MSB2、MPT5、ZDS2、MSN5、KEM1、MLC1、MY02、MY04、MY05、MY03、MY01、DEC1、PMD1、M DS3、ASH1、UME1、UME6、NHP6A、RFT1、TRF5、NNF1、NDC1、BIK1、KAR2、KAR5、NUM1、CDC39、MAK16、NAP1、RAD16、RAD23、NBP35、ORC1、ORC6、ORC5、ORC4、ORC3、RRR1、SIC1、BUD3、PWP2、STE3、STE2、OPY2、STE50、STE5、PEL1、TOR1、TOR2、PIK1、STT4、MSS4、SP014、POL32、IME4、SHP1、PDS5、FEN1、CSE1、FL08、PFY1、PHB2、PHB1、POI−30、AXL1、STE23、RAD28、CDC7、SMP3、MKK2、CDC15、ARD1、CHU、PPH3、PPH21、PPH22、PTC1、SE C9、PPS1、PTP3、YVH1、PTP2、PUS4、PCH2、PCH1、CBF5、SEF1、MMS4、SHR5、RAD59、RAD52、RHC18、RGP1、RVS167、RIM9、BNR11、BN11、SPT3、SOK2、KAR4、DBF4、SDS22、MCM3、CTF18、SR04、SPH1、FUS2、MOB1、FL08、FIG1、FIG2、END3、DFG5、CTR9、TOM1、POP2、GRR1、SCP160、SUR1、MUM3、ZIP2 CDC45、RDH54、SHE3、SHE2、SHE4、GPI1、MIF2、ESP1、HOP2、DNA43、SMC3、PAC11、PAC10、RD11、RGA1、RNR1、RNR2、RNR4、RNR3、PRPS1、RPL10、RPS1A、MTF1、SN12、CDC12、CDC11、SPR28、CDC55、GLC7、PKC1、GI N4、SPS1、RCK1、BUB1、IME2、YAK1、YPK2、RIM11、CLA4、MKK1、MEK1、I PL1、SGV1、SLT2、KSS1、BCK1、STE11、STE20、DBF2、HSL1、NRK1、SIT4、T PD3、ELM1、MCK1、RAD53、STE7、SWE1、MPS1、SAS3、HST1、SIR4、SIR3、SIR1、SIR2、CTH1、DOM34、HST4、RVS161、DNL4、IQG1、FUN16、HYM1、RT S2、MNN10、PRK1、MCM6、SAP155、SAP4、SAP190、SAP185、MUD13、M AD1、CIK1、NUF1、SPC97、SPC42、SPC98、CDC31、NUF2、MAD3、MAD2、DI T1、YSW1、SP012、SP016、MCD4、BDF1、SGA1、GSG1、SHC1、CDA1、CD A2、SMK1、SPS2、SPR6、SLZ1、SPS4、SPR3、SPS100、SPS18、RAD27、SNZ 1、SUR4、ST11、SBE22、CSE4、BMH1、SVL3、SCH9、(MLP1)、SSF2、RAD2、CDH1、CDC27、CDC26、CDC23、CDC16、APC1、APC11、APC4、APC9、SAP30、RSC6、RSC8、STH1、SFH1、SAS5、JSN1、BMH2、SMT4、BCK2、HOC1、ZIP1、UFE1、EST1、TEL1、ANC1、CCL1、DST1、TRX1、TRX2、TRF4、PAT1、SPT4、SP T6、CDC36、SWI5、SWI4、PHD1、SWI6、GTS1、MCM1、IME1、SKN7、MBP1、SW13、SIN3、STE12、CIN5、SDS3、SP01、MOT2、RPG1、PRT1、CDC33、TPM1、TPM2、TWF1、TEC1、TTP1、STE13、PRP8、UB14、DSK2、RSP5、D OA4、UNG1、VPS45、VAN1、VRP1、DFG10、YHM2、GL’Q3、SFP1、STE24、RME1、SAE3、ME14、NHP6B、MOB2、EST3、RIM1
【0045】
熱ショックタンパク質 CAT5、CPH1、CTT1、CYP2、DDR2、FPR2、HSC82、HSP104、HSP12、HSP150、HSP26、HSP30、HSP42、HSP60、HSP78、HSP82、KAR2、MDJ1、SIS1、S OD2、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSB1、SSB2、SSC1、SSE1、SSE2、ST11、TIP1、TPS2、UB14、YDJ1
【0046】
ミトコンドリア AAC1、AAC3、AAT1、ABC1、ABF2、AC01、ACR1、ADH3、ADK2、AEP2、AFG3、ALD1、ALD2、ARG11、ARG2、ARG5,6、ARG7、ARG8、ARH1、AT M 1、ATP1、ATP10、ATP11、ATP12、ATP14、ATP15、ATP16、ATP2、ATP3、ATP4、A TP5、ATP6、ATP7、ATP8、ATP9、BAT1、BCS1、CBP1、CBP2、CBP3、CBP4、CB P6、CBR1、CBS1、CBS2、CCA1、CCE1、CCP1、CEM1、CIT1、CIT3、COB、CO Q1、COQ2、COQ3、COQ6、COR1、COT1、COX1、COX10、COX11、COX12、C 0X3、COX14、COX15、COX17、COX2、COX3、COX4、COX5A、COX5B、COX6、COX7、COX8、COX9、CPR3、CTP1、CYB2、CYC1、CYC2、CYC3、CYC7、CYT1、CYT2、DB156、DLD1、DTP、ENS2、ERV1、FLX1、FUM1、GCV1、GCV3、GI−04、GPD2、GSD2、GUT2、HEM1、HEM15、HSP10、HSP60、HSP78、HTS1、IDH1、ID H2、IDP1、IFM1、ILV1、ILV2、ILV3、ILV5、ILV6、IMP1、IMP2、INH1、ISM1、KG D1、KGD2、LAT1、LEU4、LIP5、LPD1、LYS12、LYS4、MAE1、MAM33、MAS1、MAS2、MBA1、MCR1、MDH1、MDJ1、MDJ2、MDM10、MDM12、MEF1、MEF2、MET13、MGE1、MGM101、MIP1、MIR1、MIS1、MMM1、MMTi、M MT2、MOD5、MOL1、MRF1、MRP1、MRP13、MRP17、MRP2、MRP20、MRP21、MRP4、MRP49、MRP51、MRP8、MRPL10、MRPL11、MRPL13、MRPL15、MRPL16、MRPL17、MRPL19、MRPL2、MRPL20、MRPL23、MRPL24、MRPL25、MRPL27、MRPL28、MRP L3、MRPL31、MRPL32、MRPL33、MRPL35、MRPL36、MRPL37、MRPL38、MR PI−39、MRPL4、MRPL40、MRPL44、MRPL49、MRPL6、MRPL7、MRPL8、M RPL9、MRPS28、MRPS5、MRPS9、MRS1、MRS11、MRS2、MRS3、MRS4、MRS5、MSD1、MSE1、MSF1、MSH1、MSK1、MSM1、MSP1、MSR1、MS S1、MSS116、MSS18、MSS51、MST1、MSU1、MSW1、MSY1、MTF1、M T01、NAM1、NAM2、NAM9、ND11、NHX1、NUC1、OM45、ORFA04514、OSM1、OXA1、PDA1、PDB1、PDX1、PEL1、PET111、PET112、PET117、PET122、PET123、PET127、PET130、PET191、PET309、PET494、PET54、PET56、PET9、PETCR46、PI−1131、PHB2、PIF1、PIM1、POR1、POR2、PPA2、PSD1、PUT1、PUT2、QCR10、QCR2、QCR6、QCR7、QCR8、QCR9、RCAi、RF2、RIM1、RIM2、RIP1、RML2、RNA12、RPM2、RP 041、SC01、SCO2、SDI−11、SDH2、SDI−13、SDI−14、SECY、SHM1、SHY1、SLS1、SMF2、SOD2、SOM1、SSC1、SS.COPYRGT.1、STF1、STF2、SUN4、SUV3、TIM17、TIM22、TIM23 TIM44、TIM54、TOM20、TOM22、TOM37、TOM40、TOM6、TOM7、TOM70、TOM72、TRM1、TUF1、UNG1、VAR1、YAH1、YAL011W、YAT1、YBL013 W、YCR024C、YDR041W、YDR115W、YDR116C、YER073W、YFH1、YGLO68W、YGR257C、YHM1、YHR075C、YHR148W、YJL200C、YJR113C、YKLO55C、YKL120W、YKL134C、YKL192C、YLR168C、YMC1、YMC2、YML025C、YMR188C、YMR31、YNL081 C、YNL306W、YNR036C、YNR037C、YOR221 C、YPL013C、ETF−ΒETA
【0047】
ペルオキシソーム CAT2、CIT2、CTA1、DAL7、EHD1、EHD2、FAA2、FAT2、FOX2、ICU、IDP3、MDH3、MLS1、PEX11、PEX12、PEX13、PEX14、PEX17、PEX2、PEX3、PE X4、PEX6、PEX7、PEXB、POT1、POX1、PXA1、PXA2、SPS19、YBR204C、YDR 449C、YHR180W DNA−ASSOCIATED ALPHA1、ALPHA2、ABF1、ABF2、ADA2、ADE12、ADR1、Α1、Α2、ANC1、APN1、ARGR1、ARGR2、ARGR3、ARR1、ASH1、AZF1、BAS1、BDF1、BR F1、BUR6、CAC2、CAD1、CAF17、CATB、CBF1、CBF2、CCE1、CCR4、CDC13、CDC36、CDC39、CDC46、CDC47、CDC54、CDC6、CDC7、CDC73、CDC9、CEF1、CEP3、CHA4、CHD1、CHU、CHL4、CRZ1、CSE1、CSE2、CSE4、CTF13、CUP2、CUP9、DAL80、DAL81、DAL82、DAT1、DBF4、DMC1、DNA2、DNA43、DNL4、D OS2、DOT6、DP131 1、DPB2、DPB3、DST1、ECM22、ENS2、EST1、EZL1、FCP1、FHL1、FKH1、FKH2、FL08、FZF1、GAL11、GAL4、GAT1、GBP2、GCN4、GCNS、GCR1、GCR2、GLN3、GL03、GTS1、GZF3、HAC1、HAP1、HAP2、HAP3、HAP4、HCM1、HDA1、HDF1、HFM1、HHF1、HHF2、HH01、HHT1、HHT2、HM01、HMS1、HMS2、H0、HOP1、HPR1、HPRS、HSF1、HTA1、HTA2、HTA3、HTB1、HT62、IFH1、IME1、IME4、IN02、IN04、IXR1、KAR4、LEU3、LYS14、LYS20、LYS21、M AC1、MAGI、MAL13、MAL23、MAL33、MATΑLPHA1、MATΑLPHA2、MBP1、MCD1、MCM1、MCM2、MCM3、MCM6、MED6、MER2、MET18、MET28、MET30、MET31、MET32、MET4、MGA2、MGT1、MIF2、MIG1、MIG2、MIP1、MLH1、MOL1、MOT1、MPT4、MRE11、MSH1、MSH2、MSH3、MSH4、MSHS、MS11、MSN1、MSN2、MSN4、MTF1、NBN1、NC132、NDJ1、NGG1、NHP2、NHP6 A、NHP6B、NOT3、NUC2、OAF1、OP11、ORC1、ORC2、ORC3、ORC4、ORCS、ORC6、PAF1、PCH1、PCH2、PDR1、PDR3、PGD1、PHD1、PH02、PH04、PHR1、PIF1、PIP2、PMS1、POB1、POL1、POL12、POL2、POL3、POL30、PO L4、POP2、PPR1、PRI1、PR12、PS02、PUT3、RAD1、RAD10、RAD14、RAD16、RAD18、RAD2、RAD23、RAD26、RAD27、RAD3、RAD4、RADS、RAD50、RAD51、RAD52、RAD54 RAD55、RAD57、RAD6、RAD7、RAP1、RAT−1、RCS1、REB1、REC102、RE C104、REC114、RED1、REG1、RET1、REV3、RFA1、RFA2、RFA3、RFC1、RFC2、RFC3、RFC4、RFCS、RGM1、RGT1、RIF1、RIF2、RIM1、RIM101、RLF2、RLM1、R ME1、RMS1、ROX1、ROX3、RPA12、RPA135、RPA14、RPA190、RPA34、RPA43、RPA49、RP131 0、RPB11、RPB2、RP133、RP134、RPBS、RPB6、RPB7、RPBB、RPB9、RPC10、RPC19、RPC25、RPC31、RPC34、RPC40、RPC53、RPC82、RPD3、RP021、RP031、RP041、RRN10、RRN11、RRN3、RRNS、RRN6、RRN7、RRN9、RSC4、RSC6、RSC8、RTG1、RTG3、SASS、SEF1、SET1、SFH1、SFL1、SGS1、SIG1、SIN3、SIN4、SIP2、SIP4、SIR1、SIR2、SIR3、SIR4、SKN7、SK01、SMC1、SMC2、SMP1、SNF2、SNFS、SNF6、SOK2、SPKi、SPOL、SPS18、SPT10、SPT15、SPT16、SPT2、SPT21、SPT23、SPT3、SPT4、SPT5、SPT6、SPTB、SRI32、SRB4、SRBS、S RB6、SRB7、SR138、SR139、SSL2、SSN3、SSN6、SSNB、SSU72、STB4、STBS、S TE12、STH1、SUA7、SWI1、SW13、SW14、SW16、SWP73、TAF19、TAF25、TBF1、TEA1、TEC1、TFAI、TFA2、TF131、TF132、TF133、TFB4、TFC1、TFC2、TF C3、TFC4、TFCS、TFG1、TFG2、TH12、TOA1、TOA2、TOP1、TOP2、TOP3、TRF4、TS P1、TUP1、TYE7、UGA3、UME6、UNGI、USV1、XRS2、YAL019W、YAP1、YA P3、YAPS、YBL054W、YBR026C、YBR150C、YBR239C、YCR106W、YDR026 C、YDR060W、YDR213W、YER045C、YER184C、YFL052W、YIL036W、YIL 130W、YJL103C、YJL206C、YKL005C、YKL222C、YKR064W、YLL054C、YLRO87C、YLR266C、YNL206C、YOL089C、YOR172W、YOR380W、YOX1、YPL133C、YPR008W、YPR196W、YRR1、ZAP1、ZIP1、ZU01
【0048】
免疫抑制 FEN1、SSH4、SHR3 CYCLINS CCU、CLB1、CLB2、CLB3、CL134、CLBS、CLB6、CLG1、CLN1、CLN2、CLN3、CTK2、PCL1、PCL10、PCL2、PCLS、PCL6、PCL7、PCLB、PCL9、PH080、S SNB、YBR095C
【0049】
ATP結合カセットタンパク質 ADP1、ATM1、CAF16、GCN20、MDL1、MDL2、PDR10、PDR11、PDR12、PDR15、PDRS、PXA1、PXA2、SNQ2、STE6、YBT1、YCF1、YDL223C、YD R091C、YEF3B、YER036C、YHL035C、YKR103W、YKR104W、YLL015W、YNR070W、YOR011W、YOR1、YPL226W
【0050】
細胞骨格 ABP1、ACF2、ACT1、AFR1、AIP1、AIP2、ARP3、AUT2、AUT7、BEM1、BI M1、BN11、BN14、BUD3、BUD6、CAP1、CAP2、CDC10、CDC11、CDC12、CDC3、CIN1、CIN2、CIN4、CMD1、COF1、CRN1、END3、GIC1、GIC2、GIN4、J NM1、KAR9、KIP2、KIP3、LAS17、MDM1、MHP1、MY01、MY02、MY03、MY04、MY05、PFY1、RVS161、RVS167、SAC6、SAC7、SEC1、SHE3、SHM2、SLA1、SL A2、SMY1、SMY2、SPA2、SPH1、SPR28、SPR3、SRV2、TCP1、TPM1、TPM2、TUB1、TUB2、TUB3、VPS16、VRP1 APOPTOSIS ATP1、ATP14、ATP15、ATP16、ATP2、ATP3、ATP4、ATPS、ATP6、ATP7、ATP8、ATP9、CYC1、SH01、SSK2、SSK22、SW13、SXM1
【0051】
細胞レスキュー ACC1、ALD6、BCK1、BEM1、BEM2、BIM1、BMH1、BMH2、CAN1、CBF1、CDC1、CDC14、CDC15、CDC20、CDC25、CDC28、CDC33、CDC37、CDC42、CDC43、CDC53、CDC6、CHC1、CIN8、CKA1、CKA2、CLA4、CLB1、CLB2、CLB3、CLB4、CLB5、CLN1、CLN2、CLN3、CMP2、CNA1、COF1、CTT1、DBF2、DBF20、DPM1、ERG25、GIC1、GIC2、GPA1、GRR1、HCA4、HIS4、HOC1、HSF1、KAR1、KES1、KRE6、KSS1、MBP1、NMT1、ORC2、ORC5、PDE2、PEP12、PEP7、PKC1、P LC1、PMR1、POL30、PRP18、RAM1、RAS1、RAS2、RBL2、RED1、RFC1、RH01、RH03、RH04、SAC1、SEC13、SEC14、SEC22、SEC4、SET1、SIS2、SKP1、SPC98、SRA1、SR04、SRP1、SSA1、SSA2、SSA4、SSN8、STE20、STN1、STT4、SUJ3、SWE1、SW14、SW16、TEL1、TOR1、TUB1、TUB4、VMA1、YCK1、YCK2、YPT1
【0052】
細胞損傷 APN1、BUB1、CDC28、CDC45、CDC46、CDC47、CDC54、CDC7、CLB1、CLB2、CLB3、CLB5、DDC1、DDR2、DDR48、DIN7、DUN1、ECM32、HSM3、IMP2、MEC1、MEC3、MGT1、MOL1、MRE11、MUS81、NTG1、PDS1、PGD1、P HR1、POL2、POL3、POL30、POL4、PR11、PS02、RAD14、RAD16、RAD17、RAD18、RA D24、RAD30、RAD51、RAD52、RAD54、RAD55、RAD57、RAD7、RAD9、RDH54、REV3、RFA1、RFC5、RNR1、RNR2、RNR3、RNR4、RPH1、SIC1、SML1、SP K1、STN1、STS1、TEL1、TFA1、TFA2、TUP1、UBC7、UB14、XBP1、YBR098W、YFH1
【0053】
他の関連変異および遺伝子 Y−1、9520b、C658−K7、JPD 4、JPM9、Cy32、E354、JC488、PSY142、01−2、Y217、JC787−9A、ML1−21、Y500,86−9C、GL1、GT5−1A、HD565A、PZ1、127−4D、Y229、JC302−26B、JC482、LB2211−2B、MH41−7B/P21、erg81、SEY6211、GL4、K335、MK20、MK34、DE4−3A、DE4−3B、DE4−3C、MMY011、UH 1−GRGZ、2150−2−3a、Y211、DP1/517,943,1117、C658、1252、H79.20.3、LB1−3B、C658−K42、R29B、LB54−3A、XW520−9A、ade7、D225−5A、309、SDH1、SDH2、SDH3、SDH4、TCM62、PDE1、PDE2
【0054】
哺乳動物遺伝子:
11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼII型、12−リポオキシゲナーゼ、17−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、60Sリボソームタンパク質L6,6−Oメチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ、活性化転写因子2、活性化転写因子3、活性化転写因子4、アクチビンβE、アクチビン受容体11型、アシル−CoAデヒドロゲナーゼ、アシルCoAキャリアタンパク質、アデニンヌクレオチド翻訳因子1、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ1、アルコールデヒドロゲナーゼ2、アルコールデヒドロゲナーゼ3、アルコールデヒドロゲナーゼ4、アルコールデヒドロゲナーゼ5、アルデヒドデヒドロゲナーゼ1、アルデヒドデヒドロゲナーゼ2、アルデヒドデヒドロゲナーゼ3、α1−アンチトリプシン、α−1酸糖タンパク質、α−1アンチキモトリプシン、α−カテニン、αチューブリン、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質A11、アポリポタンパク質Clil、アポリポタンパク質E、アリール炭化水素受容体、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ミトコンドリア、小脳性運動失調(Ataxia telangeictasia)、ATP依存性ヘリカーゼ11(70kDa)、ATP依存性ヘリカーゼ11(Ku80)、BAG−1、BAK、Bax(α)、Bcl−2、Bcl−xL、β−アクチン、ビリルビンUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼアイソザイム1、ビリルビンUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼアイソザイム2、ビリベルジンリダクターゼ、分岐鎖アシルCoAオキシダーゼ、BRCA1、BR−カドヘリン、C4b結合タンパク質、c−abl、カルシニューリンB、カルネキシン、カルプロテクチン、カルレティキュリン、小管多特異性有機アニオントランスポーター、カルボニックアンヒドラーゼ111、カルニチンパルミトイル−CoAトランスフェラーゼ、カスパーゼ1、カスパーゼ2(Nedd2)、カスパーゼ3(CPP32β)、カスパーゼ5(ICE relIII)、カスパーゼ6(Mch2−α)、カスパーゼ7(Mch3α)、カスパーゼ8(FLICE)、カタラーゼ、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ、CCAAT/エンハンサー結合タンパク質α、CCAAT/エンハンサー結合タンパク質ε、細胞分裂周期タンパク質2、細胞分裂周期タンパク質20、細胞分裂周期タンパク質25、細胞内レチノイン酸結合タンパク質1、細胞内レチノイン酸結合タンパク質2、cerb;c−fos、チェックポイントキナーゼ−1、コレステロールエステラーゼ、c−H−ras、cjun、クラステリン、c−myc、補体成分C3、コネキシン30、コネキシン32、コネキシン−40、副腎皮質ステロイド結合グロブリン、コルチコトロピン放出因子、C−反応性タンパク質、クレアチンキナーゼb、サイクリンD1、サイクリン依存性キナーゼ1、サイクリン依存性キナーゼ4、サイクリン依存性キナーゼインヒビター1A、サイクリンE、サイクリンG、サイクリン依存性キナーゼ4インヒビター(P116)、サイクリン依存性キナーゼ4インヒビターB(P16)、サイクリン依存性キナーゼインヒビターP27Kip1、シクロオキシゲナーゼ2、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子、シトクロムP450 11A1、シトクロムP450 17A、シトクロムP450 1A1、シトクロムP450 1A2、シトクロムP450 1B1、シトクロムP450 2A1、シトクロムP450 2A3、シトクロムP450 2A6、シトクロムP450 2131、シトクロムP450 21310、シトクロムP450 2132、シトクロムP450 2C11、シトクロムP450 2C12、シトクロムP450 2C19、シトクロムP450 2C9、シトクロムP450 2D6、シトクロムP450 2E1、シトクロムP450 2F2、シトクロムP450 3A1、シトクロムP450 3A4、シトクロムP450 4A、シトクロムP450 4A1、損傷特異的DNA結合タンパク質p48サブユニット、細胞死に対する防御因子(Defender against cell death)−1、大腸癌において欠失されている大腸癌の腫瘍抑制遺伝子の候補物質(Deleted in colorectal cancer)、δ様タンパク質、ジヒドロ葉酸リダクターゼ、ジスルフィドイソメラーゼ関連タンパク質(ERp72)、DNA結合タンパク質インヒビターID2、DNA依存性ヘリカーゼ、DNA依存性タンパク質キナーゼ、DNAリガーゼ1、DNAリガーゼIV、DNAミスマッチ修復タンパク質(MLH1)、DNAミスマッチ修復タンパク質(PMS2)、DNAミスマッチ修復/結合タンパク質(MSH3)、DNAポリメラーゼα、DNAポリメラーゼβ、DNAポリメラーゼβ、DNA修復および組換えホモログ(RAD52)、DNA修復ヘリカーゼII ERCC−3、DNA修復タンパク質(RAD50)、DNA修復タンパク質(XRCC1)、DNA修復タンパク質XP−D、DNA複製因子C(36kDa)、DNAトポイソメラーゼ1、DNAトポイソメラーゼ11、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ、DRA、ダイニンの軽鎖1、E2F、早期増殖関連タンパク質1、E−カドヘリン、ECE−1(エンドセリン変換酵素)、エンドセリン−1、エノラーゼα、エノイル−CoAヒドラターゼ、エオタキシン、上皮増殖因子、エポキシドヒドロラーゼ、ERA−B、ERCC1(除去修復タンパク質)、ERCC3(DNA修復ヘリカーゼ11)、ERCC5(除去修復タンパク質)、ERCC6(除去修復タンパク質)、ERK1、エリスロポエチン、エリスロポエチン受容体、Eセレクチン、エストロゲン受容体、ファルネソール受容体、Fas抗原、Fas結合デスドメイン(FADD)、Fasリガンド、Fas/Apo1受容体、脂肪酸シンターゼ、脂肪酸アシル−CoAオキシダーゼ、脂肪酸アシル−CoAシンターゼ、FEN−1(エンドヌクレアーゼ)、フィブリノーゲンγ鎖、フィブロネクチン受容体、FIC1、フィラグリン、フラビン含有モノオキシゲナーゼ1、フラビン含有モノオキシゲナーゼ3、FosB、Fra−1、フコシルトランスフェラーゼ(α−1,2フコシルトランスフェラーゼ)、Gadd153、Gadd45、γ−グルタミルヒドラーゼ前駆体、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、GCLR、GCLS、グルココルチコイド受容体、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコース調節タンパク質170、グルコース調節タンパク質58、グルコース調節タンパク質78、グルコース調節タンパク質94、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(Glutaminc−pyruvic transaminase)、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオンリダクターゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼαサブユニット、グルタチオンS−トランスフェラーゼ4a、グルタチオンシンテターゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、GOS24(ジンクフィンガー転写調節因子)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、増殖停止特異的タンパク質1、増殖停止特異的タンパク質3、GTミスマッチ結合タンパク質、H−カドヘリン、熱ショックタンパク質12、熱ショックタンパク質47、熱ショックタンパク質70、熱ショックタンパク質70.1、熱ショックタンパク質90、ヘリカーゼ様転写因子、ヘム結合タンパク質23、ヘムオキシゲナーゼ−1、肝性リパーゼ、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子活性化因子、肝細胞増殖因子受容体、肝細胞核因子4、ヒストン2A、ヒストン28、HMG−CoAリダクターゼ、ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼ、ヒドロキシステロイドスルホトランスフェラーゼa、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、ICE−rel11(カスパーゼ4)、ICH−2システインプロテアーゼ=カスパーゼ4、IkB−a、インスリン様増殖因子結合タンパク質1、インスリン様増殖因子結合タンパク質2、インスリン様増殖因子結合タンパク質3、インスリン様増殖因子I、インスリン様増殖因子11、インテグリンα、インテグリンαL、インテグリンβs、インテグリンβ2、細胞接着分子−1、細胞接着分子−2、細胞接着分子−3、インターフェロンγ、インターフェロン誘導性タンパク質10、インターフェロン誘導性タンパク質15、インターロイキン−1α、インターロイキン−12、インターロイキン−2、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、インボルクリン、JNK1ストレス活性化タンパク質キナーゼ、K−カドヘリン、Ki67、乳酸デヒドロゲナーゼ8、ラクトフェリン、リポ多糖結合タンパク質、リポタンパク質リパーゼ前駆体、肝臓脂肪酸結合タンパク質、L−myc、低密度リポタンパク質受容体、黄体形成ホルモン、リシルオキシダーゼ、マクロファージ炎症性タンパク質−1α、マクロファージ炎症性タンパク質−1β、マクロファージ炎症性タンパク質−2α、マクロファージ炎症性タンパク質−2β、マクロファージ炎症性タンパク質−3α、マクロファージ炎症性タンパク質−3β、リンゴ酸酵素、MAPキナーゼキナーゼ、マトリックスメタロプロテイナーゼ1、マトリックスメタロプロテイナーゼ−2、MDM−2、MET癌原遺伝子、メタロチオネイン1、メタロチオネイン2、メタロチオネイン3、メタロチオネインIA、メタロチオネインIG、金属調節転写因子−1、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(P38)、マイトジェン誘導性遺伝子(mig−2)、MOAT−B(MRP/有機アニオントランスポーター)、モノアミンオキシダーゼA、モノアミンオキシダーゼB、多剤耐性関連タンパク質、多剤耐性タンパク質−1、多剤耐性タンパク質−2、多剤耐性タンパク質−3=cMOAT2、MUTLホモログ(MLH1)、MutSホモログ(MSH2)、骨髄細胞分化タンパク質−1、Na/タウロコール酸同時輸送ポリペプチド、NADPHシトクロムP450−オキシドレダクターゼ、NADPHシトクロムP450レダクターゼ、NADPHキノンオキシドレダクターゼ−1(DTジアフォラーゼ)、ナチュラルキラー細胞増強因子B、N−カドヘリン、NF−κB(p65)、酸化窒素シンターゼ−1、誘導性、ヌクレオシド二リン酸キナーゼβアイソフォーム、0−6−アルキルグアニン−DNAアルキルトランスフェラーゼ、OBカドヘリン1、OB−カドヘリン2、オクタマー結合タンパク質1、オクタマー結合タンパク質2、オクタマー結合タンパク質3、オンコスタチンM、有機アニオントランスポーター1、有機アニオントランスポーター3、有機アニオントランスポーターK1、有機アニオン輸送ポリペプチド1、有機カチオントランスポーター1、有機カチオントランスポーター2、有機カチオントランスポーター3、有機カチオントランスポーターN1、有機カチオントランスポーターN2、オルニチンデカルボキシラーゼ、オステオポンティン、酸素調節タンパク質150、p53、PAPSシンテターゼ、P−カドヘリン、PEGS(増悪遺伝子(progression elevated gene 3)、ペルオキシソーム3−ケトアシル−CoAチオラーゼ1、ペルオキシソーム3−ケトアシルCoAチオラーゼ2、ペルオキシソームアシル−CoAオキシダーゼ、ペルオキシソーム脂肪酸アシル−CoAオキシダーゼ、ペルオキシソーム形成因子1、ペルオキシソーム形成因子2、ペルオキシソーム形成異常タンパク質−1、ペルオキシソーム形成異常タンパク質−11、ペルオキシソーム形成異常タンパク質−4、ペルオキシソームヒドラターゼ、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ、フェノールスルホトランスフェラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、ホスホグリセリドキナーゼ、ホスホリパーゼA2、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、血小板由来増殖因子B、血小板/内皮細胞接着分子−1、ポリ(ADPリボー
ス)ポリメラーゼ、増殖細胞核抗原遺伝子、プロスタグランジンHシンターゼ、タンパク質キナーゼCβl、タンパク質−チロシンホスファターゼ、推定タンパク質チロシンホスファターゼ、RAID、RAID51ホモログ、RANTES、Ref1、複製因子C、40−kDaサブユニット(Al)、複製タンパク質A(70kDaサブユニット)、網膜芽細胞腫、網膜芽細胞腫関連タンパク質(P107)、レチノイドX受容体α、レチノイドX受容体β、レチノイドX受容体γ、リボヌクレオチドリダクターゼM1サブユニット、リボソームタンパク質L13A、リボソームタンパク質S9、RNA依存性ヘリカーゼ、ROAT1(腎有機アニオントランスポーター)、血清アミロイドA1、血清アミロイドA2α、胆汁排出ポンプの胆汁酸トランスポーター(Sister of p−glycoprotein)、ナトリウム/胆汁酸共輸送体、ソニックヘッジホッグ遺伝子、SQM1、スーパーオキシドジスムターゼCu/Zn、スーパーオキシドジスムターゼMn、T細胞シクロフィリン、テネイシン、チオプリンメチルトランスフェラーゼ、チオレドキシン、トロンボスポンジン2、チミジンキナーゼ、チミジル酸シンターゼ、チモシンβ−10、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター−1、組織トランスグルタミナーゼ、転写因子IID、トランスフェリン、トランスフォーミング増殖因子−β3、腫瘍壊死因子結合因子2(TRAF2)、腫瘍壊死因子受容体1、腫瘍壊死因子受容体2、腫瘍壊死因子受容体−1結合タンパク質(TRADD)、腫瘍壊死因子−α、腫瘍壊死因子β、1型間質コラゲナーゼ、チロシンアミノトランスフェラーゼ、チロシンタンパク質キナーゼ受容体(UFO)、ユビキチン、ユビキチン結合酵素(Rad6ホモログ)、ユビキチンホモログドメインタンパク質PIC1、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ1、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ1A6、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ2、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ28、脱共役タンパク質1、脱共役タンパク質2、脱共役タンパク質3、尿酸オキシダーゼ、UV除去修復タンパク質RAD23(XP−C)、血管細胞接着分子1(VCAM−1)、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子D、極長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ、ビメンチン、ビテロジェニン、Waf1、XRCC1(DNA修復タンパク質)。
【0055】
パッセンジャー遺伝子はまた、ウイルスチミジンキナーゼ、ウイルスチミジンホスホリラーゼ、シトシンデアミナーゼ、細菌カルボキシペプチダーゼG2、シトクロムP450タンパク質、カルボキシルエステラーゼ、デオキシシチジンキナーゼ、ニトロレダクターゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、およびキサンチン(xantine)グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼなどのプロドラック活性化酵素をコードする遺伝子を含む。また、ジフテリア毒素および細胞致死性膨張性毒素などの「タンパク質毒素(proteotoxin)」も含まれる。
【0056】
本発明について上記のように包括的に説明してきたが、例示的方法により提供され、本発明を制限することを意図しない以下の実施例を参考にすることによって、本発明はさらに容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0057】
小分子調節因子ミフェプリストンおよび一過性の熱に暴露された感染細胞において条件的に複製するアデノウイルス対の構築
アデノウイルス5型を、以降、Adと省略する。一般に公知の分子生物学および生化学方法を使用する。分子生物学的方法については、例えば、「Current protocols in molecular biology」、アウスベル,F.M.(Ausubel,F.M.)ら編、第1〜4巻、John Wiley and Sons,Inc.ISBN0−471−50338−Xに記載されている。
【0058】
組換え体アデノウイルス1(rAd1)
組換え体アデノウイルス1はE3を包含するヌクレオチド28、130−30、820を欠く。アデノウイルス5型のゲノムに関するヌクレオチド番号については、GI:33694637.デビッドソン,A.J.(Davison,A.J.)、ベンコ,M.(Benko,M.)、およびハラチ,B.(Harrach,B.)2003.J.Gen.Virol.84,2895−2908において規定されている。さらに、E1AプロモーターおよびE4プロモーター配列は、GAL4部位を含有する最小プロモーターで置き換えられる。
【0059】
ヒー(He)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA95,2509−2514(1998))により開発された組換え体アデノウイルスを作製するための単純化されたシステムを用いる。このシステムのバージョンは、La Jolla、カリフォルニア州のStratagene Corp.より市販されている。表題「AdEasyTMAdenoviral Vector System」のマニュアル(改訂番号060002)は、業者から顧客に配布されており、業者のウェブサイトwww.stratagene.comからも利用可能である。
【0060】
変異は、Statagene Corporationより配布されているトランスファーベクターpShuttle(ヒー(He)ら1998.Proc.Natl.Acad.Sci.USA95,2509−2514)において行われる。このプラスミドの完全なヌクレオチド配列は配列番号4において同定される。表題「AdEasyTMAdenoviral Vector System」のStratageneのマニュアル(改訂番号060002)に従えば、pShuttleは、次のアデノウイルス配列エレメントを含有する:左側の末端逆向き反復、キャプシド形成シグナル(Ad1−331)、「右アームの相同領域」(3,534−5790)、「左アームの相同領域」(34,931−35,935)および右側の末端逆向き反復。部位特異的変異、いわゆるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用するStratagene Corp.のQuikChange(登録商標)手順を用いて、pShuttle(Ad35,586−35,808)の左アームの相同領域に存在するE4プロモーター配列を欠失し、それらをNheI制限部位で置き換える。QuikChangeプロトコルについては、例えば、それらのウェブサイトwww.stratagene.comでStratagene Corp.により公開され、メールで顧客に配布されている指示マニュアル「QuikChange XL site−directed mutagenesis kit」(改訂番号063003)に記載されている。関連する手順は、ゲトウチェ,T.(2002年)博士論文、University of Miami、Miami、フロリダ州により簡単に説明されている。得られる構築物は「pShuttle−Nhe」と標記される。
【0061】
GAL4結合部位含有最小プロモーターはpShuttle−NheのNheI部位に挿入される。これを達成するために、プラスミドpGene/V5−His(カリフォルニア州、CarlsbadのInvitrogen Corporation)のヌクレオチド7677〜323を包含するDNAフラグメントは、NheI制限部位も含有する適切なプライマーを使用してPCR増幅される。NheIによるPCRフラグメントの消化後、それは、NheI消化pShuttle−NheDNAに連結される。組換え体は、制限消化およびヌクレオチド配列決定によって同定される。ヌクレオチド配列決定は、pShuttle−Nheの左アーム相同領域のE4配列に対して挿入されたプロモーター配列が正確に配向されるクローンの選択を可能にする。このプラスミドを、pShuttle−Nhe−GALと命名する。pGene/V5−Hisのヌクレオチド配列は配列番号2において提供される。プラスミドについてはまた、業者から顧客に配布され、www.invitrogen.comからも利用可能であるInvitrogen Corp.の指示マニュアル「GeneSwitch TM System、バージョンB、000829/25−0313」にも記載されている。
【0062】
次に、pShuttle−Nhe−GALの右アーム相同領域を、相同領域に加えてE1領域の発端部をも含有するAd配列と置き換える。pShuttle−Nhe−GALをBglIIおよびPmeIで消化し、DNAポリメラーゼクレノウ(Klenow)フラグメントで埋め、再連結してpShuttle−Nhe−GAL−delE1を生成する。後者のプラスミドは右アーム相同領域を欠く。Ad496−5780を含有するフラグメントは、プラスミドpXC1(Microbix Corporation、Toronto、オンタリオ州)からのPCR増幅によって得られる。このプラスミドのヌクレオチド配列を配列番号3において提示する。AscIIおよびNotI制限部位を含有する順方向プライマー(E1遺伝子に読み込まれる)ならびにNotI制限部位を含有する逆方向プライマーを使用して、後者のPCR増幅を行う。NotIによる消化後、PCRフラグメントをNotI消化pShuttle−Nhe−GAL−delE1DNAに連結し、プラスミドpShuttle−Nhe−GAL−E1を生成する。挿入されたE1配列の配向が、欠失された右アームの相同性において、短縮型E1配列の配向と同じであるクローンを選択する。以後のサブクローニング工程では、AscII制限部位をも含有する適切なプライマーを使用して、プラスミドpGene/V5−Hisのヌクレオチド7677〜323を包含するDNAフラグメントをPCR増幅する。AscIIによるPCRフラグメントの消化後、それは、AscII消化pShuttle−Nhe−GAL−E1DNAに連結される。組換え体は、制限消化およびヌクレオチド配列決定によって同定される。ヌクレオチド配列決定は、挿入されたpGene/V5−Hisプロモーター配列がE1配列に対して正確に配向されたクローンの選択を可能にする。このクローンをpShuttle−Nhe−GAL−E1−GALと命名する。最後に、挿入されたGAL4部位を含有するプロモーター(挿入されたpGene/V5−Hisプロモーター配列)に隣接するNotI部位を、QuikChange変異によって欠失する。その結果、得られる構築物pShuttle−Nhe−GAL−E1−GAL−delNotは、E1配列のすぐ下流に設置された独特なNotI部位を含有する。組換え体Adを調製するために、NotI消化によってpShuttle−Nhe−GAL−E1−GAL−delNotDNAを線状化し、pAdEasy−1DNA(ヒー(He)ら1998年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA95,2509−2514)と共に大腸菌(E.coli)BJ5183細胞に同時エレクトロポレートする。BJ5183細胞(Stratageneカタログ番号200154)は、導入されたウイルス配列間の相同組換えを行うのに必要な細胞成分を有する。組換え体Adプラスミドの作製および組換え体Adウイルスの以後の産生のための詳細な方法については、ヒー(He)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA95,2509−2514(1998))ならびにStratageneマニュアル「AdEasyTMAdenoviral Vector System」(改訂060002)において考察されている。簡単に説明すると、組換え体Adプラスミドは、制限消化によって特徴付けられる。正確な組換え体の十分量のDNAの調製後、DNAをPacIで消化して、プラスミド配列と、Ad配列を含んでなる挿入配列とを分離する。組換え体Adを生成するために、消化したDNAを293E4pIX細胞にトランスフェクトする。293E4pIX細胞は、MMTVプロモーターを駆動するE4転写単位を含有する293細胞である。デキサメタゾンの存在下、これらの細胞は、条件的に活性なE1AおよびE4遺伝子を有する所望される組換え体ウイルスを増幅するのに必要とされるE1およびE4の両方の機能を提供する。標準的な技術(ヒー(He)らにおいて簡単に説明されている;また、グラハム,F.L.(Graham,F.L.)、およびプレベック,L.(Prevec,L.)1991.Manipulation of adenovirus vectors.:Methods in Molecular Biology,Gene Transfer and Expression Protocols、第7巻、E.J.マリー(E.J.Murray)編、The Humana Press Inc.、Clifton、ニュージャージー州、109−127頁を参照のこと)を使用して、ウイルスプラークを単離し、ウイルスストックを調製する。ウイルスストックは、CsCl勾配遠心分離によって調製することができる。pAdEasy−1はヌクレオチド1〜3,533および28,130〜30,820を除くすべてのAd配列を含有することに留意すること。従って、ここに記載の組換え体ウイルスは、非必須E3領域の欠失を含有する。すべてのE3配列を含有するAdプラスミドを使用することによって、完全なE3領域を有する組換え体ウイルスを入手し得る。
【0063】
組換え体アデノウイルス2(rAd2)
組換え体アデノウイルス2は、先に記載のトランス活性化因子GLVPに関連するトランス活性化因子を含有するE1/E3/E4欠失Ad(Ad1〜3,533、28,130〜30,820および35,586〜35,808を欠く)である。本実施例において用いられるトランス活性化因子は、プラスミドpSwitch(Invitrogen Corp.)から回収することができるGAL4DNA結合ドメイン改変ヒトプロゲステロン受容体リガンド結合ドメインヒトp65活性化ドメインキメラ(GLP65)である。pSwitchの完全な配列を配列番号4に示す。トランス活性化因子は、エストロゲンのアンタゴニストであるミフェプリストンによって活性化される。rAd2では、トランス活性化因子遺伝子がhsp70B−GAL4タンデムプロモーターに機能的に連結される。場合により、rAd2はまた、hsp70B−GAL4タンデムプロモーターまたは別のプロモーターによって調節されるパッセンジャー遺伝子を含有してもよい。
【0064】
hsp70B−GAL4タンデムプロモーターは、必須プロモーター配列(約350bp)を含んでなるヒトhsp70B遺伝子の約460bp長のBamHI−HindIIIフラグメントを含んでなり、3つの機能的に重要な熱ショックエレメント配列、および約110bp長の転写された配列(RNAリーダー領域)を含む。フェルミーR.(Voellmy,R.)ら、1985年.Proc.Natl.Acad.Sci.USA82,4949−4953。シラー,P.(Schiller,P.)ら、1988年.J.Mol.Biol.203,97−105。QuikChange手順を使用して、独特な制限部位を、転写された配列の終端部の付近に導入した。同じ制限部位を含有するプライマーを使用して、プラスミドphRL−CMV(Promega Corp.、Madison、ウィスコンシン州)に存在する短い介在配列(約220bp長)をPCR増幅した。消化後、PCRフラグメントを、hsp70B RNAリーダー領域の追加された独特な制限部位に挿入した。次いで、QuikChange手順によって、AscII部位をイントロン配列に導入した。AscII制限部位をも含有する適切なプライマーを使用して、プラスミドpGene/V5−Hisのヌクレオチド7677〜323を包含するDNAフラグメントをPCR増幅した。AscIIによるPCRフラグメントの消化後、それをイントロンAscII部位に挿入した。得られる構築物は、2つのプロモーター、hsp70Bプロモーター、およびhsp70RNAリーダー領域に挿入されたイントロンに存在するGAL4部位含有プロモーターを含有した。このhsp70B−GAL4タンデムプロモーターの下流に配置される遺伝子は、一過性の熱によって活性化されるhsp70Bプロモーターならびにミフェプリストンの存在下でトランス活性化因子GLP65によって活性化されるGAL4プロモーターから転写され得る。熱およびGAL4結合ドメイン含有トランス活性化因子に応答するプロモーターは、タンデムプロモーターである必要はないことに留意すること。ハイブリッドプロモーターはまた、例えば、GAL4結合部位のhsp70Bプロモーターへの挿入によって構築することができる。タンデムまたはハイブリッドプロモーターは、一過性の熱活性化後に連結された遺伝子の転写活性が維持されるような所望される調節の特徴を提供するが、所定のアプリケーションでは、そのようなプロモーターの使用を必ずしも必要としないことにさらに留意すること。そのようなアプリケーションでは、トランス活性化因子発現は、例えば、上記の460−bpのhsp70Bプロモーターフラグメントによって制御され得る。
【0065】
プラスミドShuttle−Nhe−hsp70B−GAL4−GLP65を構築するために、pSwitchのヌクレオチド500〜2939を包含するglp65含有フラグメントをPCR増幅し、Hsp70B−GAL4タンデムプロモーターを含有するフラグメントと共にpShuttle−Nheのマルチクローニング部位に挿入する。制限解析およびヌクレオチド配列決定を使用して、タンデムプロモーターおよびglp65配列が適切な相対的配向で接続され、glp65の転写が時計回り、即ち、右アームの相同領域の方へ進行するクローンを同定する。pShuttle−Nhe−hsp70B−GAL4−GLP65に含有されるpSwitchフラグメントは、GLP65コーディング配列、およびウシ成長ホルモン遺伝子由来の3’非翻訳領域を含む。
【0066】
rAD2構築物はまた、パッセンジャー遺伝子を含むことができる。本実施例では、IL12コーディング配列および3’翻訳配列が適切な構築物からPCR増幅される。このPCRフラグメントおよびHsp70B−GAL4タンデムプロモーターを含有するフラグメントが、トランス活性化因子カセットに隣接するマルチクローニング部位に挿入される。ヌクレオチド配列解析を使用し、Hsp70−GAL4プロモーターが適切に設置され、il12遺伝子からの転写を制御することを確認する。単一のタンデムプロモーターを使用して、glp65およびil12遺伝子活性を制御し得ることが留意される。この場合、pShuttle−Nheに挿入されるエレメントの配列は以下の通りである:Hsp70B/GAL4タンデムプロモーター−il12遺伝子−内部リボゾーム結合部位−glp65遺伝子−3’非翻訳配列。構成的に活性なプロモーターによって調節されるパッセンジャー遺伝子の位置決定に注意を払うべきである。そのような場合、パッセンジャー遺伝子カセットは、glp65遺伝子の下流かまたはglp65遺伝子の転写方向に対向する転写方向を生じる配向で挿入されるべきである。任意のパッセンジャー遺伝子およびrAd2に組み入れようとする関連する3’非翻訳配列は、PmeIおよびPacI部位の存在について配列決定する必要があることがさらに留意される。そのような部位が存在する場合、それらを欠失する必要がある。欠失は、典型的に、QuikChange変異手順を使用することによって、従来通りに達成することができる。
【0067】
rAD2(ウイルス)を調製するために、上記のサブクローニング工程から得られるrAD2プラスミド(pShuttle−Nhe−hsp70B−GAL4−GLP65または誘導体プラスミド)をPmeIで線状化し、AdEasy−1配列と共に適切な大腸菌(E.coli)株に同時導入し、先に記載のように、ウイルス配列の相同組換え、正確な組換え体プラスミドの単離、十分量のプラスミドの調製、PacIによる消化、E4を発現する293細胞へのトランスフェクション、およびrAd2ウイルスの単離を達成する。
【0068】
適切な濃度のミフェプリストンの存在下で一過性の、指向された熱に暴露されたrAd1およびrAd2の混合物に感染させた細胞培養物の細胞または組織の細胞は、ウイルス対の1ラウンドの複製(ならびに存在するならば、細胞が溶解するまでパッセンジャー遺伝子の発現)を可能にする。最初に感染した細胞から放出されるウイルスは周囲の細胞に感染する。第2ラウンドのウイルスの複製は、第2の一過性の指向された熱投与などによって誘発させることができる。
【0069】
必然的に、rAd1および2に同時感染した細胞では、GLP65トランス活性化因子の低レベルの発現が存在する。この活性は、例えば、ミフェプリストンの存在下(熱処置を伴わない)でパッセンジャー遺伝子の発現の感受性アッセイによって、検出することができる。以下の任意の測定はGLP65の基底レベルの発現を減少する。これらの測定のいくらかは、最大の効果のために組み合わせることができる。第1に、トリプシンの上流のプロモーターからのリードスルー転写活性は、タンデムプロモーター−glp65遺伝子カセットを、対向配向、即ち、タンデムプロモーターがpShuttle−Nheの右アーム相同領域に面する配向で挿入することによって、排除することができる。第2に、glp65遺伝子に隣接の3’非翻訳配列の排除もまた、基底の発現を減少する。これは、pShuttle−Nheのマルチクローニング部位に、Hsp70−GAL4タンデムプロモーターおよびpSwitchのヌクレオチド500〜2494を含有する短縮されたPCRフラグメントを同時に導入することによって、達成することができる。第3に、GLP65の翻訳が開始するAUG周辺の配列(pSwitchの519〜521位)は、翻訳効率を減少するために修飾することができる。−3位のA(AUG開始コドンのAに関連する)をTに、+4位のGをTに変更することによって、減少が達成される。
【0070】
刊行物、特許および特許出願を含む本出願において引用されるすべての参考文献は、それらの全体が引用されているものとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】小分子調節因子の非存在もしくは存在下において一過性の熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化することができる一般的な遺伝子スイッチを示す。
【図2】スイッチの一般的なトランス活性化因子がミフェプリストン活性型活性化因子GLVPで置き換えられている、図1のスイッチの例を提供する。
【図3】図1および2のスイッチが、それぞれ単一のアデノウイルスのゲノムまたは一対のアデノウイルスのゲノムに組み入れられ得る様子を概略する。
【図4】A部は、小分子調節因子の非存在もしくは存在下において一過性の熱またはタンパク質毒性(proteotoxic)ストレスによって活性化することができる一般的な遺伝子スイッチを示す。スイッチは、一過性活性化の後にトランス活性化因子発現を維持させる自己活性化ループを含有する。B部は例示的スイッチを示し、図中、一般的なトランス活性化因子がミフェプリストン活性化活性因子GLVPに置き換えられている。
【図5】図4の例示的スイッチが、それぞれ単一のアデノウイルスのゲノムまたは一対のアデノウイルスのゲノムに組み入れられ得る様子を概略する。C部はまた、パッセンジャー遺伝子が導入され得る様子を例示する。
【図6】本発明のウイルスの複製を調節するために使用することができるかまたは可能性がある2つのタイプの代替的遺伝子スイッチならびにパッセンジャー遺伝子の発現を包括的に概略する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改変された条件的複製−コンピテントウイルスであって、そのゲノムが、細胞の熱および小分子調節因子への暴露によって、感染細胞において活性化可能な遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチが、改変ウイルスの効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、ウイルス。
【請求項2】
ウイルスゲノムがパッセンジャー遺伝子をさらに含む、請求項1に記載の改変ウイルス。
【請求項3】
ウイルスが、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、およびレトロウイルス科(Retroviridae)からなる群から選択される科のメンバーである、請求項1に記載の改変ウイルス。
【請求項4】
ウイルスがアデノウイルスである、請求項1に記載の改変ウイルス。
【請求項5】
遺伝子スイッチが、E1A、E1BおよびE4からなる群から選択される少なくとも1つのウイルスタンパク質の発現を制御する、請求項4に記載の改変ウイルス。
【請求項6】
改変された条件的複製−コンピテントウイルスであって、そのゲノムが、細胞の熱への暴露によって感染細胞において活性化され、細胞の小分子調節因子への暴露によって抑制される遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチが、改変ウイルスの効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、ウイルス。
【請求項7】
ウイルスゲノムがパッセンジャー遺伝子をさらに含む、請求項6に記載の改変ウイルス。
【請求項8】
ウイルスが、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、およびレトロウイルス科(Retroviridae)からなる群から選択される科のメンバーである、請求項6に記載の改変ウイルス。
【請求項9】
ウイルスがアデノウイルスである、請求項6に記載の改変ウイルス。
【請求項10】
遺伝子スイッチが、E1A、E1BおよびE4からなる群から選択される少なくとも1つのウイルスタンパク質の発現を制御する、請求項9に記載の改変ウイルス。
【請求項11】
改変ウイルス対であって、その複合ゲノムが、ウイルス対の条件的複製に必要なすべての遺伝情報を含有し;細胞の熱および小分子調節因子への暴露によって、感染細胞において活性化可能な遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチが、ウイルス対の効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、改変ウイルス対。
【請求項12】
ウイルスのうち少なくとも一方のゲノムがパッセンジャー遺伝子をさらに含む、請求項11に記載の改変ウイルス対。
【請求項13】
ウイルスが、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、およびレトロウイルス科(Retroviridae)からなる群から選択される科のメンバーである、請求項11に記載の改変ウイルス対。
【請求項14】
両ウイルスがアデノウイルスである、請求項11に記載の改変ウイルス対。
【請求項15】
遺伝子スイッチが、E1A、E1BおよびE4からなる群から選択される少なくとも1つのウイルスタンパク質の発現を制御する、請求項14に記載の改変ウイルス対。
【請求項16】
改変ウイルス対であって、その複合ゲノムが、ウイルス対の条件的複製に必要なすべての遺伝情報を含有し;細胞の熱への暴露によって感染細胞において活性化され、細胞の小分子調節因子への暴露によって抑制される遺伝子スイッチを含み、遺伝子スイッチが、ウイルス対の効率的な複製に必要なウイルスタンパク質の遺伝子の発現を制御する、改変ウイルス対。
【請求項17】
ウイルスのうち少なくとも一方のゲノムがパッセンジャー遺伝子をさらに含む、請求項16に記載の改変ウイルス対。
【請求項18】
ウイルスが、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、およびレトロウイルス科(Retroviridae)からなる群から選択される科のメンバーである、請求項16に記載の改変ウイルス対。
【請求項19】
両ウイルスがアデノウイルスである、請求項16に記載の改変ウイルス対。
【請求項20】
遺伝子スイッチが、E1A、E1BおよびE4からなる群から選択される少なくとも1つのウイルスタンパク質の発現を制御する、請求項19に記載の改変ウイルス対。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−513624(P2007−513624A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543653(P2006−543653)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004067
【国際公開番号】WO2005/056806
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(500500217)アシュエスエフ・ファーマシューティカルズ・ソシエテ・アノニム (1)
【氏名又は名称原語表記】HSF PHARMACEUTICALS SA
【Fターム(参考)】