説明

遺失物通知システム及び遺失物通知方法

【課題】拾得者に遺失物の所有者の個人情報を知らせることなく、所有者が予め登録しておいた連絡先に対し、遺失物がどこに保管されているかを通知することを目的とする。
【解決手段】ユーザ端末200は、タグ150のタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを管理サーバ400へ送信する。管理サーバ400は、ユーザ端末200から受信したタグ番号と電子メールアドレスとを対応づけてデータベース450に記憶する。情報機器300は、遺失物に付されたタグ150から読み取ったタグ番号と遺失物の保管場所の住所とを管理サーバ400へ通知する。管理サーバ400は、情報機器300から受信したタグ番号と対応する電子メールアドレスをデータベース450から読み取り、読み取った電子メールアドレスに上記保管場所の住所を連絡する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺失物通知システム及び遺失物通知方法に関するものである。本発明は、特に、個人情報漏洩を防止する遺失物通知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、他人の遺失物を拾得した人(以下、「拾得者」という)は、その遺失物を最寄りの交番や駅に届けるか、あるいは、その遺失物に所有者の連絡先を記したラベルが付されていれば、それを基に電話や電子メールで所有者へ連絡する。拾得者が交番や駅に遺失物を届けた場合、その遺失物を管理する人(以下、「遺失物管理者」という)は、所有者がその遺失物を引き取りに来るのを待つか、あるいは、その遺失物に所有者の連絡先を記したラベルが付されていれば、拾得者の場合と同様に所有者へ連絡する。
【0003】
遺失物の所有者へ連絡するシステムとしては、販売情報端末から販売した物品に付されたタグに記録された物品ID及び最新の購入者のメールアドレスなどを遺失物管理サーバに記録し、その物品を遺失した場合、遺失物のタグの物品IDに基づき遺失物管理サーバにより検索し、遺失者のメールアドレスの遺失者情報端末に連絡するオンラインによる遺失物品検索及び連絡システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
時刻を認証する方法として、例えば、時刻を示す時刻情報と時刻情報の認証情報であり時刻の経過に伴って変化する経時変化情報(例えば、気象衛星から得られる雲画像などの気象データ)より合成情報を生成し、これを用いるものがある(例えば、特許文献2参照)。位置を認証する方法についても同様である。実際にこのような方法を用いるサービス(「位置時間証明情報提供サービス」という)として、例えば、COCO−DATES(登録商標)サービスがある(ウェブサイトURL<http://www.mitsubishielectric.co.jp/coco−dates/>)。
【特許文献1】特開2006−154977号公報
【特許文献2】特開2001−297062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、遺失物に連絡先を記したラベルが付されていなければ、所有者への連絡は不可能であるという課題があった。遺失物に連絡先を記したラベルなどが付されていた場合であっても、拾得者や遺失物管理者に所有者の個人情報が知られてしまうという弊害があった。また、拾得者や遺失物管理者は、所有者個々に電話や電子メールにより連絡する手間を強いられるという課題があった。拾得者や遺失物管理者は、遺失物を引き取りに来るかどうかを電話や電子メールにより所有者に確認する必要があった。そして、遺失物の所有者を名乗ってきた人間が本当の所有者であるかを確認するのに手間がかかるという課題があった。
【0006】
従来のシステムでは、ユーザは、物品IDが記録されたタグが付された物品を購入しなければならず、しかも、その物品の購入時にメールアドレスを登録しなければならないため、利便性、実用性、普及の容易性などが低いという課題があった。
【0007】
本発明は、例えば、拾得者に遺失物の所有者の個人情報を知らせることなく、所有者が予め登録しておいた連絡先に対し、遺失物がどこに保管されているかを通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様に係る遺失物通知システムは、
ユーザが利用するユーザ端末であって、前記ユーザの所有物に付されたタグに記憶され、前記タグを一意に識別する識別情報と前記ユーザ端末の宛先を示す端末情報とを管理サーバへネットワークを介して送信するユーザ端末と、
前記ユーザ端末から前記識別情報と前記端末情報とを受信し、受信した識別情報と端末情報とを対応づけて記憶装置に記憶する管理サーバと、
前記所有物が遺失物として拾得された場合、前記遺失物に付されたタグから前記識別情報を読み取り、読み取った識別情報と前記遺失物の保管場所を示す保管情報とを前記管理サーバへネットワークを介して送信する情報機器とを備える遺失物通知システムであって、
前記管理サーバは、前記情報機器から前記識別情報と前記保管情報とを受信し、受信した識別情報と対応する端末情報を記憶装置から読み取り、読み取った端末情報に基づき、受信した保管情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末は、前記管理サーバから前記保管情報を受信し、受信した保管情報を出力装置へ出力することで、前記ユーザに前記遺失物の保管場所を通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一の態様によれば、ユーザ端末が、タグを一意に識別する識別情報とユーザ端末の宛先を示す端末情報とを管理サーバへ送信し、管理サーバが、ユーザ端末から受信した識別情報と端末情報とを対応づけて記憶装置に記憶し、情報機器が、遺失物に付されたタグから読み取った識別情報と遺失物の保管場所を示す保管情報とを管理サーバへ送信し、管理サーバが、情報機器から受信した識別情報と対応する端末情報を記憶装置から読み取り、読み取った端末情報に基づき、受信した保管情報をユーザ端末へ送信し、ユーザ端末が、管理サーバから受信した保管情報を出力することにより、拾得者にユーザの個人情報を知らせることなく、ユーザが予め登録しておいた連絡先に対し、遺失物がどこに保管されているかを通知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る遺失物通知システム100の構成を示す概念図である。
【0012】
図1において、遺失物通知システム100は、遺失物の所有者であるユーザ101が利用するユーザ端末200、遺失物管理者102が利用する情報機器300、遺失物連絡センター103に設置され、ネットワーク104を介してユーザ端末200及び情報機器300と通信する管理サーバ400を備える。ユーザ端末200は、例えば携帯電話やPC(パーソナルコンピュータ)である。情報機器300は、例えばタグリーダである。管理サーバ400は、データベース450を有するサーバコンピュータである。
【0013】
まず、ユーザ101は、自分の財布、鍵、傘、カバン、眼鏡などの所有物にタグ150(「ICタグ」、「電子タグ」、「RF−ID」ともいう)を付するものとする。このとき、ユーザ101が、タグ150のタグ番号と自分の電子メールアドレスとを遺失物連絡センター103のデータベース450に登録するための遺失物通知システム100の手順(以下、「登録手順」という)について説明する。タグ番号は、タグ150を一意に識別する識別情報の一例であり、タグ150に予め記憶される。タグ150に代えて、例えば二次元バーコードを印刷したラベルを用いる場合でも、本実施の形態と同様の形態が実施可能である。ユーザ101の電子メールアドレスは、ユーザ端末200の宛先を示す端末情報の一例である。
【0014】
登録手順において、ユーザ端末200は、タグ150のタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する。管理サーバ400は、ユーザ端末200からタグ150のタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを受信する。そして、管理サーバ400は、ユーザ端末200から受信したタグ150のタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを対応づけてデータベース450に記憶する。
【0015】
次に、ユーザ101は、上記登録手順により登録済のタグ番号が記憶されたタグ150を付した所有物を遺失し、その所有物、即ち、遺失物が拾得されるものとする。そして、拾得者は、その遺失物を交番や駅などに届け、その遺失物が所定の保管場所に移されて遺失物管理者102の管理下に置かれるものとする。このとき、遺失物管理者102が、上記保管場所の住所をユーザ101に連絡するための遺失物通知システム100の手順(以下、「連絡手順」という)について説明する。上記保管場所の住所は、遺失物の保管場所を示す保管情報の一例である。拾得者が遺失物を交番や駅などに届けずに、その遺失物を自ら保管し、保管場所の住所をユーザ101に連絡する場合でも、本実施の形態と同様の形態が実施可能である。
【0016】
連絡手順において、情報機器300は、遺失物に付されたタグ150からタグ番号を読み取る。そして、情報機器300は、タグ150から読み取ったタグ番号と遺失物の保管場所の住所とを管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する。管理サーバ400は、情報機器300からタグ150のタグ番号と遺失物の保管場所の住所とを受信する。管理サーバ400は、情報機器300から受信したタグ150のタグ番号と対応するユーザ101の電子メールアドレスをデータベース450から読み取る。そして、管理サーバ400は、データベース450から読み取ったユーザ101の電子メールアドレスに基づき、情報機器300から受信した遺失物の保管場所の住所を含むユーザ101宛の電子メールを作成し、その電子メールをユーザ端末200へネットワーク104を介して送信する。ユーザ端末200は、管理サーバ400からユーザ101宛の電子メールを受信する。そして、ユーザ端末200は、管理サーバ400から受信した電子メールに含まれる遺失物の保管場所の住所を表示画面105へ出力する。
【0017】
ユーザ101は、上記連絡手順により、遺失物の保管場所を知ることができる。この後、ユーザ101が、その保管場所に遺失物を引き取りに行くこと、あるいは、遺失物が廃棄されてもよいことを回答のメッセージとして遺失物管理者102に通知するための遺失物通知システム100の手順(以下、「回答手順」という)について説明する。回答のメッセージは、ユーザ101が上記保管場所に遺失物を引き取りに行くかどうかを通知する通知情報の一例である。
【0018】
回答手順において、ユーザ端末200は、回答のメッセージをキーボード106やマウス107からユーザ101に入力させる。そして、ユーザ端末200は、上記連絡手順にて管理サーバ400から受信した電子メールに対する返信メールとして、ユーザ101に入力させた回答のメッセージを含む電子メールを作成し、その電子メールを管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する。管理サーバ400は、ユーザ端末200から返信メールを受信する。そして、管理サーバ400は、ユーザ端末200から受信した返信メールに含まれる回答のメッセージを情報機器300へネットワーク104を介して送信する。情報機器300は、管理サーバ400から回答のメッセージを受信する。そして、情報機器300は、管理サーバ400から受信した回答のメッセージに基づき、ユーザ101が自分の遺失物を引き取りに来ること、あるいは、遺失物を廃棄してもよいことを通知するメッセージを表示画面108へ出力する。
【0019】
遺失物管理者102は、上記回答手順により、ユーザ101が遺失物を引き取りに来るかどうか、遺失物を廃棄してもよいどうかを知ることができる。そのため、遺失物管理者102は、遺失物を廃棄して保管場所に必要なスペースや費用を削減することができる。
【0020】
本実施の形態では、遺失物通知システム100が、複数のユーザ端末200、複数の情報機器300を備えることが望ましい。さらに、それぞれのユーザ端末200を利用するユーザ101が、複数の所有物のそれぞれにタグ150を付することが望ましい。
【0021】
情報機器300は、上記連絡手順の後、タグ150からタグ番号を再度読み取った場合、管理サーバ400から受信した回答のメッセージに基づき(ここでは、メッセージにタグ番号が含まれており、タグ150から読み取ったタグ番号を含むメッセージを参照するものとする)、ユーザ101が自分の遺失物を引き取りに来ること、あるいは、遺失物を廃棄してもよいことを通知するメッセージを表示画面108へ出力してもよい。タグ150からタグ番号を再度読み取った時点で、まだ管理サーバ400から回答のメッセージ(上記のように、メッセージにタグ番号が含まれている場合は、タグ150から読み取ったタグ番号を含むメッセージ)を受信していなければ、情報機器300は、ユーザ101からの回答がないことを通知するメッセージを表示画面108へ出力してもよい。また、上記連絡手順において、タグ150からタグ番号を初めて読み取る際にも、まだユーザ101に連絡していないことや上記連絡手順を実行中であることなどを通知するメッセージを表示画面108へ出力してもよい。情報機器300は、それぞれのメッセージを表示画面108へ出力するのと同時に、あるいは、表示画面108へ出力する代わりに、例えばメッセージの種類ごとに色の異なるLED109(発光ダイオード)を点灯又は点滅させてもよい。これにより、1つの保管場所に多数の遺失物が保管されている場合、遺失物管理者102は、それぞれの遺失物に付されたタグ150から情報機器300でタグ番号を順次読み取ることで、それぞれの遺失物の所有者との連絡状況を容易に確認することができる。
【0022】
ユーザ端末200は、例えばタグライタの機能を備えた携帯電話やPCや専用端末であってもよい。この場合、タグ150には、初期状態で(例えば、ユーザ101がタグ150を取得したとき)はタグ番号が記憶されていない。ユーザ端末200は、上記登録手順において、タグ150のタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを管理サーバ400へ送信する前に、タグ150のタグ番号として、任意のタグ番号を生成するか、あるいは、キーボード106やマウス107からユーザ101に入力させる。そして、ユーザ端末200は、そのタグ番号をタグライタによりタグ150に書き込む。
【0023】
情報機器300は、任意のタグ番号を操作キー110から遺失物管理者102に入力させ、遺失物管理者102に入力させたタグ番号と同一のタグ番号をタグ150から読み取った場合、スピーカ111へ音声メッセージやビープ音などの所定の音を出力してもよい。これにより、1つの保管場所に多数の遺失物が保管されている場合、遺失物管理者102は、タグ番号がわかれば、そのタグ番号が記憶されたタグ150を簡単に見つけることができる。遺失物管理者102は、例えば、駅、警察、自治体施設などの遺失物が多く集まる場所においても、多数の遺失物の中から特定の遺失物を簡単に見つけることができる。
【0024】
情報機器300は、上記連絡手順において、タグ150から読み取ったタグ番号と遺失物の保管場所の住所とを管理サーバ400へ送信する際に、あわせて、パスワードや合言葉などの固有の情報を管理サーバ400へ送信してもよい。この場合、管理サーバ400は、情報機器300からタグ150のタグ番号と遺失物の保管場所の住所とともに、固有の情報を受信する。そして、管理サーバ400は、データベース450から読み取ったユーザ101の電子メールアドレスに基づき、情報機器300から受信した遺失物の保管場所の住所と固有の情報とを含むユーザ101宛の電子メールを作成し、その電子メールをユーザ端末200へ送信する。ユーザ端末200は、管理サーバ400から受信した電子メールに含まれる遺失物の保管場所の住所とともに、固有の情報を表示画面105へ出力する。これにより、遺失物管理者102は、ユーザ101が遺失物を引き取りに来た際に、ユーザ101が固有の情報を知っているかどうか確認することで、遺失物の所有者を名乗ってきた人間が本当の所有者であるかを容易に確認することができる。
【0025】
情報機器300は、上記連絡手順において、タグ150から読み取ったタグ番号と遺失物の保管場所の住所とを管理サーバ400へ送信する際に、あわせて、遺失物管理者102の電子メールアドレスや電話番号などの連絡先情報を管理サーバ400へ送信してもよい。この場合、管理サーバ400は、情報機器300からタグ150のタグ番号と遺失物の保管場所の住所とともに、遺失物管理者102の連絡先情報を受信する。そして、管理サーバ400は、データベース450から読み取ったユーザ101の電子メールアドレスに基づき、情報機器300から受信した遺失物の保管場所の住所と遺失物管理者102の連絡先情報とを含むユーザ101宛の電子メールを作成し、その電子メールをユーザ端末200へ送信する。ユーザ端末200は、管理サーバ400から受信した電子メールに含まれる遺失物の保管場所の住所とともに、遺失物管理者102の連絡先情報を表示画面105へ出力する。これにより、ユーザ101は、遺失物管理者102と直接連絡をとることができる。
【0026】
このように、本実施の形態では、遺失物自体に連絡先を記したラベルなどが付されていなくても、所有者であるユーザ101への連絡が可能である。拾得者や遺失物管理者102にはユーザ101の個人情報が知られないため、個人情報の悪用を防止できる。また、拾得者や遺失物管理者102は、ユーザ101個々に電話や電子メールにより連絡する必要がなく、情報機器300で複数のタグ150を順次又は同時に読み取るだけで保管場所の連絡先(住所、電話番号、組織名称など)を各タグ150が付された遺失物の所有者であるユーザ101に一斉に通知することができる。保管場所の連絡先を通知されたユーザ101は、自分が保有する携帯電話やPCから遺失物を引き取りに行くかどうかを回答することができる。そのため、拾得者や遺失物管理者102は、一斉に回答を得ることができる。
【0027】
図2は、ユーザ端末200の構成を示すブロック図である。
【0028】
図2において、ユーザ端末200は、端末登録送信部201、端末連絡受信部202、端末出力部203、端末入力部204、端末回答部205、端末回答送信部206を備える。ユーザ端末200の各部の動作については、後述する。
【0029】
また、ユーザ端末200は、記憶装置251、処理装置252、入力装置253、出力装置254などのハードウェア装置(ハードウェア資源)を備える(又はこれらのハードウェア装置がユーザ端末200に接続される)。ハードウェア装置はユーザ端末200の各部によって利用される。
【0030】
記憶装置251は、例えば、RAM(Random・Access・Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read・Only・Memory)、フラッシュメモリ、FDD(Flexible・Disk・Drive)、CDD(Compact・Disc・Drive)、光ディスク装置、メモリカードリーダライタ、磁気ディスク装置などの不揮発性メモリである。処理装置252は、例えば、プログラムを実行するCPU(Central・Processing・Unit)(「演算装置」、「マイクロプロセッサ」、「マイクロコンピュータ」、「プロセッサ」ともいう)である。入力装置253は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、あるいは、IP−VPN(Internet・Protocol・Virtual・Private・Network)、広域LAN、ATM(Asynchronous・Transfer・Mode)ネットワークなどのWAN(ワイドエリアネットワーク)、あるいは、インターネットといったネットワーク104に接続されている通信ボード、キーボード106、マウス107、タッチパネルなどである。出力装置254は、例えば、通信ボード、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶ディスプレイ)の表示画面105を有する表示装置、プリンタ装置、タグライタなどである。
【0031】
図3は、情報機器300の構成を示すブロック図である。
【0032】
図3において、情報機器300は、機器読取部301、機器連絡送信部302、機器回答受信部303、機器出力部304を備える。情報機器300の各部の動作については、後述する。
【0033】
また、情報機器300は、記憶装置351、処理装置352、入力装置353、出力装置354などのハードウェア装置(ハードウェア資源)を備える(又はこれらのハードウェア装置が情報機器300に接続される)。ハードウェア装置は情報機器300の各部によって利用される。
【0034】
記憶装置351は、例えば、RAMなどの揮発性メモリ、ROM、フラッシュメモリ、メモリカードリーダライタ、磁気ディスク装置などの不揮発性メモリである。処理装置352は、例えば、プログラムを実行するCPUである。入力装置353は、例えば、ネットワーク104に接続されている通信ボード、操作キー110、タグリーダ回路、タッチパネルなどである。出力装置354は、例えば、通信ボード、LCDの表示画面108を有する表示装置、LED109、スピーカ111などである。
【0035】
図4は、管理サーバ400の構成を示すブロック図である。
【0036】
図4において、管理サーバ400は、サーバ登録受信部401、サーバ登録部402、サーバ連絡受信部403、サーバ検索部404、サーバ連絡部405、サーバ連絡送信部406、サーバ回答転送部407を備える。管理サーバ400の各部の動作については、後述する。
【0037】
また、管理サーバ400は、記憶装置451、処理装置452、入力装置453、出力装置454などのハードウェア装置(ハードウェア資源)を備える(又はこれらのハードウェア装置が管理サーバ400に接続される)。ハードウェア装置は管理サーバ400の各部によって利用される。
【0038】
記憶装置451は、例えば、RAMなどの揮発性メモリ、ROM、フラッシュメモリ、FDD、CDD、光ディスク装置、メモリカードリーダライタ、磁気ディスク装置などの不揮発性メモリである。例えば、データベース450は不揮発性メモリにより実装される。処理装置452は、例えば、プログラムを実行するCPUである。入力装置453は、例えば、ネットワーク104に接続されている通信ボード、キーボード、マウス、タッチパネルなどである。出力装置454は、例えば、通信ボード、CRTやLCDの表示画面を有する表示装置、プリンタ装置などである。
【0039】
ユーザ端末200、情報機器300、管理サーバ400の各機器において、処理装置252,352,452は、バスなどを介して記憶装置251,351,451、入力装置253,353,453、出力装置254,354,454と接続され、これらのハードウェア装置を制御する。
【0040】
例えば、磁気ディスク装置やフラッシュメモリには、オペレーティングシステム(OS)、プログラム群、ファイル群が記憶されている。プログラム群のプログラムは、例えば、CPU、オペレーティングシステムにより実行される。プログラム群には、本実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPUにより読み出され実行される。また、ファイル群には、本実施の形態の説明において、「〜データ」、「〜情報」、「〜ID(識別子)」、「〜フラグ」、「〜結果」として説明するデータや情報や信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」は、ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶されたデータや情報や信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPUによりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPUの処理(動作)に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPUの処理中、データや情報や信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0041】
また、本実施の形態の説明において説明するブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号は、RAMなどのメモリ、FDDのフレキシブルディスク(FD)、CDDのコンパクトディスク(CD)、磁気ディスク装置の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク(MD)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記録媒体に記録される。また、データや信号は、バスや信号線やケーブルその他の伝送媒体により伝送される。
【0042】
また、本実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。即ち、「〜部」として説明するものは、ROMに記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどの記録媒体に記憶される。このプログラムはCPUにより読み出され、CPUにより実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0043】
以下では、説明をより具体的にするため、ユーザ端末200、情報機器300、管理サーバ400の各機器が、上記のように、コンピュータとハードウェア資源により実現されているものとする。
【0044】
図5、図6、図7は、本実施の形態に係る遺失物通知方法を示すフローチャートである。
【0045】
図5、図6、図7のフローチャートに示したフローは、ユーザ端末200、情報機器300、管理サーバ400の各機器を実現するコンピュータ上で実行されるプログラム(遺失物通知プログラム)の処理手順に相当する。この処理手順において、遺失物通知プログラムは、例えば、以下に示す各処理をコンピュータに実行させる。
【0046】
図5は、前述した登録手順を示す。
【0047】
ユーザ端末200の端末登録送信部201は、ユーザ101が自分の傘(所有物の一例)に付するタグ150に記憶されたタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを、管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する(ステップS101:端末登録送信処理)。管理サーバ400のサーバ登録受信部401は、ユーザ端末200の端末登録送信部201により送信されたタグ番号と電子メールアドレスとを受信する(ステップS102:サーバ登録受信処理)。管理サーバ400のサーバ登録部402は、任意のアドレスデータA(第1の情報の一例)をCPU(処理装置452の一例)で作成する。そして、サーバ登録部402は、サーバ登録受信部401により受信されたタグ番号とアドレスデータAとを対応づけて磁気ディスク装置(記憶装置451の一例)内のデータベースA(論理的には一の記憶装置の一例)に記憶する。また、サーバ登録部402は、所定のハッシュ関数(変換アルゴリズムの一例)によりアドレスデータAをアドレスデータB(第2の情報の一例)にCPUで変換する。そして、サーバ登録部402は、アドレスデータAから求めたアドレスデータBとサーバ登録受信部401により受信された電子メールアドレスとを対応づけて磁気ディスク装置内のデータベースB(論理的には他の記憶装置の一例)に記憶する(ステップS103:サーバ登録処理)。
【0048】
ここで、データベースAとデータベースBとは別々に認証やアクセス制御を行うものとする。例えば、データベースAにアクセスするための認証に成功し、必要な権限を獲得すれば、データベースAに記憶されたタグ番号やアドレスデータAを参照することはできるが、データベースBにはアクセスできない。データベースBに記憶されたアドレスデータBや電子メールアドレスを参照するためには、データベースBにアクセスするための認証に成功し、必要な権限を獲得しなければならない。管理サーバ400には、いずれの権限も正当に与えられるものとする。このように、タグ150のタグ番号とユーザ101の電子メールアドレスとを別々の認証やアクセス制御を行うデータベースに記憶することで、セキュリティが向上する。
【0049】
図6は、前述した連絡手順を示す。
【0050】
情報機器300の機器読取部301は、電車内で拾得されて駅に届けられた傘(遺失物の一例)に付されたタグ150からタグ番号を読み取る(ステップS104:機器読取処理)。情報機器300の機器連絡送信部302は、機器読取部301により読み取られたタグ番号と予めフラッシュメモリ(記憶装置351の一例)に記憶されている駅の忘れ物取扱所(遺失物の保管場所の一例)の住所とを、管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する(ステップS105:機器連絡送信処理)。管理サーバ400のサーバ連絡受信部403は、情報機器300の機器連絡送信部302により送信されたタグ番号と住所とを受信する(ステップS106:サーバ連絡受信処理)。管理サーバ400のサーバ検索部404は、サーバ連絡受信部403により受信されたタグ番号をキーとしてデータベースAを検索し、タグ番号と対応するアドレスデータAをデータベースAから抽出する。そして、サーバ検索部404は、データベースAから抽出したアドレスデータAを、上記ハッシュ関数によりアドレスデータBにCPUで変換する。さらに、サーバ検索部404は、そのアドレスデータBをキーとしてデータベースBを検索し、アドレスデータBと対応するユーザ101の電子メールアドレスをデータベースBから抽出する(ステップS107:サーバ検索処理)。管理サーバ400のサーバ連絡部405は、サーバ検索部404により抽出された電子メールアドレスを宛先とし、サーバ連絡受信部403により受信されたタグ番号や住所などを本文に含む電子メールをCPUで作成する(ステップS108:サーバ連絡処理)。管理サーバ400のサーバ連絡送信部406は、サーバ連絡部405により作成された電子メールを、ユーザ端末200へネットワーク104を介して送信する(ステップS109:サーバ連絡送信処理)。ユーザ端末200の端末連絡受信部202は、サーバ連絡送信部406により送信された電子メールを受信する(ステップS110:端末連絡受信処理)。ユーザ端末200の端末出力部203は、端末連絡受信部202により受信された電子メールの本文を表示装置(出力装置254の一例)の表示画面105へ出力する(ステップS111:端末出力処理)。
【0051】
図7は、前述した回答手順を示す。
【0052】
ユーザ端末200の端末入力部204は、ユーザ101が駅の忘れ物取扱所に自分の傘を引き取りに行くという回答のメッセージの入力をキーボード106やマウス107から受け付ける(ステップS112:端末入力処理)。ユーザ端末200の端末回答部205は、端末連絡受信部202により受信された電子メールの返信先となる電子メールアドレスを宛先とし、端末入力部204により入力された回答のメッセージなどを本文に含む電子メールをCPU(処理装置252の一例)で作成する(ステップS113:端末回答処理)。ユーザ端末200の端末回答送信部206は、端末回答部205により作成された電子メールを、管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する(ステップS114:端末回答送信処理)。管理サーバ400のサーバ回答転送部407は、ユーザ端末200の端末回答送信部206により送信された電子メールを受信し、受信した電子メール又はその電子メールに含まれる本文のみを含む新規の電子メールを、情報機器300へネットワーク104を介して送信する(ステップS115:サーバ回答転送処理)。情報機器300の機器回答受信部303は、管理サーバ400のサーバ回答転送部407により送信された電子メールを受信する(ステップS116:機器回答受信処理)。情報機器300の機器出力部304は、機器回答受信部303により受信された電子メールの本文を表示装置(出力装置354の一例)の表示画面108へ出力する(ステップS117:機器出力処理)。
【0053】
以上のように、本実施の形態では、タグ150や二次元バーコードを活用し、拾得者や遺失物管理者102に遺失物の所有者であるユーザ101の個人情報を知らせることなく、ユーザ101に遺失物がどこに保管されているかを通知することが可能となる。ユーザ101は、例えば、駅、警察、自治体施設などの遺失物が多く集まる場所に自分の遺失物が保管されている場合でも、遺失物自体には連絡先を記したラベルなどが付されていないため、他の遺失物を引き取りに来た者に個人情報を知られる危険性がない。
【0054】
本実施の形態では、ユーザ101が、自分のどのような所有物にでもタグ150を付することができ、しかも、タグ150を付するときに自ら遺失物連絡センター103に自分の連絡先を登録できるため、システムの利便性、実用性、普及の容易性などが高い。特に、ビジネスへの活用ポイントとして、例えば、タグ150をユーザ101に安価に、あるいは、無料で配布できるしくみを作り、専用の情報機器300の販売及び遺失物連絡センター103の利用料にて利益を得る、といったビジネスモデルが期待できる。
【0055】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0056】
本実施の形態に係る遺失物通知システム100の構成は、実施の形態1で図1に示したものと同様である。
【0057】
本実施の形態では、ユーザ端末200は、例えばタグライタの機能を備えた携帯電話やPCや専用端末である。タグ150には、初期状態で(例えば、ユーザ101がタグ150を取得したとき)はタグ番号が記憶されていない。
【0058】
登録手順において、ユーザ端末200は、ユーザ101の電子メールアドレスを管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する。管理サーバ400は、ユーザ端末200からユーザ101の電子メールアドレスを受信する。このとき、管理サーバ400は、タグ150のタグ番号を生成する。そして、管理サーバ400は、生成したタグ150のタグ番号とユーザ端末200から受信したユーザ101の電子メールアドレスとを対応づけてデータベース450に記憶する。さらに、管理サーバ400は、ユーザ端末200から受信したユーザ101の電子メールアドレスに基づき、生成したタグ150のタグ番号を含むユーザ101宛の電子メールを作成し、その電子メールをユーザ端末200へネットワーク104を介して送信する。ユーザ端末200は、管理サーバ400からユーザ101宛の電子メールを受信する。そして、ユーザ端末200は、管理サーバ400から受信した電子メールに含まれるタグ150のタグ番号をタグライタによりタグ150に書き込む。
【0059】
連絡手順、回答手順については、実施の形態1と同様である。
【0060】
図8は、ユーザ端末200の構成を示すブロック図である。
【0061】
図8において、ユーザ端末200は、実施の形態1で図2に示したもののほか、端末登録受信部207、端末書込部208を備える。ユーザ端末200の各部の動作については、後述する。
【0062】
情報機器300の構成は、実施の形態1で図3に示したものと同様である。
【0063】
図9は、管理サーバ400の構成を示すブロック図である。
【0064】
図9において、管理サーバ400は、実施の形態1で図4に示したもののほか、サーバ登録送信部408を備える。管理サーバ400の各部の動作については、後述する。
【0065】
図10は、本実施の形態に係る遺失物通知方法を示すフローチャートである。
【0066】
図10は、前述した登録手順を示す。
【0067】
ユーザ端末200の端末登録送信部201は、ユーザ101の電子メールアドレスを、管理サーバ400へネットワーク104を介して送信する(ステップS201:端末登録送信処理)。管理サーバ400のサーバ登録受信部401は、ユーザ端末200の端末登録送信部201により送信された電子メールアドレスを受信する(ステップS202:サーバ登録受信処理)。管理サーバ400のサーバ登録部402は、タグ150のタグ番号として、任意の番号をCPU(処理装置452の一例)で生成する。また、サーバ登録部402は、任意のアドレスデータA(第1の情報の一例)をCPUで作成する。そして、サーバ登録部402は、タグ番号とアドレスデータAとを対応づけて磁気ディスク装置(記憶装置451の一例)内のデータベースA(論理的には一の記憶装置の一例)に記憶する。また、サーバ登録部402は、所定のハッシュ関数(変換アルゴリズムの一例)によりアドレスデータAをアドレスデータB(第2の情報の一例)にCPUで変換する。そして、サーバ登録部402は、アドレスデータAから求めたアドレスデータBとサーバ登録受信部401により受信された電子メールアドレスとを対応づけて磁気ディスク装置内のデータベースB(論理的には他の記憶装置の一例)に記憶する。さらに、サーバ登録部402は、サーバ登録受信部401により受信された電子メールアドレスを宛先とし、タグ番号を本文に含む電子メールをCPUで作成する(ステップS203:サーバ登録処理)。管理サーバ400のサーバ登録送信部408は、サーバ登録部402により作成された電子メールを、ユーザ端末200へネットワーク104を介して送信する(ステップS204:サーバ登録送信処理)。ユーザ端末200の端末登録受信部207は、サーバ登録送信部408により送信された電子メールを受信する(ステップS205:端末登録受信処理)。ユーザ端末200の端末書込部208は、端末登録受信部207により受信された電子メールの本文に含まれるタグ番号をタグライタ(出力装置254の一例)によりタグ150に書き込む(ステップS206:端末書込処理)。
【0068】
ステップS206の後の各処理は、実施の形態1で図6、図7を用いて説明したステップS104〜S117の各処理と同様である。
【0069】
以上のように、本実施の形態では、ユーザ101が自分の所有物にタグ150を付するときに遺失物連絡センター103からタグ番号を割り当てるため、タグ150の再利用やタグ番号の有効利用が可能となる。したがって、システムの利便性、柔軟性などが向上する。
【0070】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0071】
図11は、本実施の形態に係る遺失物通知システム100の構成を示す概念図である。
【0072】
図11において、遺失物通知システム100は、実施の形態1で図1に示したもののほか、ユーザ101が保持するカード500、遺失物管理者102が利用する本人確認端末600を備える。カード500は、例えばICカードである。ユーザ端末200が、例えば携帯電話であり、カード500が、例えば携帯電話に内蔵される非接触型ICカードなどである場合には、ユーザ端末200とカード500とを一体化できる。本人確認端末600は、例えばPCである。
【0073】
本実施の形態では、ユーザ101は、実施の形態1と同様に、自分の財布、鍵、傘、カバン、眼鏡などの所有物にタグ150を付するとともに、タグ150とペアになるカード500を保持する。このカード500には、タグ150と同じタグ番号が予め記憶される。
【0074】
登録手順、連絡手順、回答手順については、実施の形態1と同様である。
【0075】
ユーザ101は、上記回答手順により、遺失物を引き取りに行くと回答した場合、遺失物の保管場所にカード500を持参するものとする。このとき、遺失物管理者102が、ユーザ101が本当に遺失物の所有者であるかどうかを確認するための遺失物通知システム100の手順(以下、「確認手順」という)について説明する。
【0076】
確認手順において、本人確認端末600は、ユーザ101が持参したカード500からカードリーダ112によりタグ番号を読み取る。また、本人確認端末600は、情報機器300と通信して情報機器300がタグ150から読み取ったタグ番号を取得する。本人確認端末600は、カード500から読み取ったタグ番号と情報機器がタグ150から読み取ったタグ番号とを比較する。そして、本人確認端末600は、2つのタグ番号が一致するかどうかを通知するメッセージを表示画面113へ出力する。本人確認端末600は、2つのタグ番号が一致する場合、ユーザ101が本当に遺失物の所有者であることを通知するメッセージを表示画面113へ出力してもよい。
【0077】
遺失物管理者102は、上記確認手順により、ユーザ101の本人確認を行うことができる。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、ユーザ101が遺失物を引き取りに来た際に、タグ150とペアになるカード500で本人確認を行うため、遺失物管理者102が、遺失物の所有者を名乗ってきた人間が本当の所有者であるかを容易に確認することができる。したがって、システムの利便性などが向上する。
【0079】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0080】
本実施の形態に係る遺失物通知システム100の構成は、実施の形態1で図1に示したものと同様である。
【0081】
本実施の形態では、情報機器300は、位置及び時刻の少なくともいずれかを認証する認証情報(例えば、特許文献2に記載の合成情報)を発行する発行サーバから認証情報を取得する。例えば、情報機器300は、遺失物に付されたタグ150からタグ番号を読み取る際に、現在時刻と現在地とを認証する認証情報を発行サーバから取得する。この場合、認証情報は、情報機器300が遺失物に付されたタグ150からタグ番号を読み取った時刻と遺失物の保管場所の位置とを認証することになる。
【0082】
情報機器300は、上記連絡手順において、タグ150から読み取ったタグ番号と遺失物の保管場所の住所とを管理サーバ400へ送信する際に、あわせて、発行サーバから取得した認証情報を管理サーバ400へ送信する。管理サーバ400は、情報機器300からタグ150のタグ番号と遺失物の保管場所の住所とともに、認証情報を受信する。そして、管理サーバ400は、データベース450から読み取ったユーザ101の電子メールアドレスに基づき、情報機器300から受信した遺失物の保管場所の住所と認証情報とを含むユーザ101宛の電子メールを作成し、その電子メールをユーザ端末200へ送信する。ユーザ端末200は、管理サーバ400から受信した電子メールに含まれる遺失物の保管場所の住所とともに、認証情報を表示画面105へ出力する。このとき、ユーザ端末200は、認証情報とともに、その認証情報が認証する時刻と位置(例えば、緯度、経度、地図)を表示画面105へ出力してもよい。
【0083】
以上のように、本実施の形態では、遺失物の保管場所の住所などについてユーザ101に連絡が来た場合、ユーザ101が、その住所などについての情報の信憑性を確認できるため、システムの信頼性などが向上する。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態1に係る遺失物通知システムの構成を示す概念図である。
【図2】実施の形態1に係るユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る情報機器の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る遺失物通知方法を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る遺失物通知方法を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係る遺失物通知方法を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2に係るユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る遺失物通知方法を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る遺失物通知システムの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0086】
100 遺失物通知システム、101 ユーザ、102 遺失物管理者、103 遺失物連絡センター、104 ネットワーク、105 表示画面、106 キーボード、107 マウス、108 表示画面、109 LED、110 操作キー、111 スピーカ、112 カードリーダ、113 表示画面、200 ユーザ端末、201 端末登録送信部、202 端末連絡受信部、203 端末出力部、204 端末入力部、205 端末回答部、206 端末回答送信部、207 端末登録受信部、208 端末書込部、251 記憶装置、252 処理装置、253 入力装置、254 出力装置、300 情報機器、301 機器読取部、302 機器連絡送信部、303 機器回答受信部、304 機器出力部、351 記憶装置、352 処理装置、353 入力装置、354 出力装置、400 管理サーバ、401 サーバ登録受信部、402 サーバ登録部、403 サーバ連絡受信部、404 サーバ検索部、405 サーバ連絡部、406 サーバ連絡送信部、407 サーバ回答転送部、408 サーバ登録送信部、450 データベース、451 記憶装置、452 処理装置、453 入力装置、454 出力装置、500 カード、600 本人確認端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用するユーザ端末であって、前記ユーザの所有物に付されたタグに記憶され、前記タグを一意に識別する識別情報と前記ユーザ端末の宛先を示す端末情報とを管理サーバへネットワークを介して送信するユーザ端末と、
前記ユーザ端末から前記識別情報と前記端末情報とを受信し、受信した識別情報と端末情報とを対応づけて記憶装置に記憶する管理サーバと、
前記所有物が遺失物として拾得された場合、前記遺失物に付されたタグから前記識別情報を読み取り、読み取った識別情報と前記遺失物の保管場所を示す保管情報とを前記管理サーバへネットワークを介して送信する情報機器とを備える遺失物通知システムであって、
前記管理サーバは、前記情報機器から前記識別情報と前記保管情報とを受信し、受信した識別情報と対応する端末情報を記憶装置から読み取り、読み取った端末情報に基づき、受信した保管情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末は、前記管理サーバから前記保管情報を受信し、受信した保管情報を出力装置へ出力することで、前記ユーザに前記遺失物の保管場所を通知することを特徴とする遺失物通知システム。
【請求項2】
ユーザが利用するユーザ端末であって、前記ユーザ端末の宛先を示す端末情報を管理サーバへネットワークを介して送信するユーザ端末と、
前記ユーザ端末から前記端末情報を受信し、前記ユーザの所有物に付されるタグを一意に識別する識別情報を処理装置で生成し、生成した識別情報と受信した端末情報とを対応づけて記憶装置に記憶するとともに、受信した端末情報に基づき、生成した識別情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信する管理サーバとを備える遺失物通知システムであって、
前記ユーザ端末は、前記管理サーバから前記識別情報を受信し、受信した識別情報を前記所有物に付されるタグに書き込み、
前記遺失物通知システムは、さらに、
前記所有物が遺失物として拾得された場合、前記遺失物に付されたタグから前記識別情報を読み取り、読み取った識別情報と前記遺失物の保管場所を示す保管情報とを前記管理サーバへネットワークを介して送信する情報機器を備え、
前記管理サーバは、前記情報機器から前記識別情報と前記保管情報とを受信し、受信した識別情報と対応する端末情報を記憶装置から読み取り、読み取った端末情報に基づき、受信した保管情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末は、前記管理サーバから前記保管情報を受信し、受信した保管情報を出力装置へ出力することで、前記ユーザに前記遺失物の保管場所を通知することを特徴とする遺失物通知システム。
【請求項3】
前記遺失物通知システムは、さらに、
前記ユーザが保持するカードであって、前記識別情報を記憶するカードと、
前記ユーザが前記遺失物の保管場所に前記カードを持参した場合、前記カードから前記識別情報を読み取り、読み取った識別情報と前記情報機器により前記タグから読み取られた識別情報とを処理装置で比較することで、前記ユーザの本人確認を行う本人確認端末とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遺失物通知システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、任意の第1の情報と前記第1の情報から所定の変換アルゴリズムにより求められる第2の情報とを処理装置で作成し、前記識別情報と作成した第1の情報とを対応づけて一の記憶装置に記憶するとともに、作成した第2の情報と前記ユーザ端末から受信した端末情報とを対応づけて他の記憶装置に記憶し、
前記管理サーバは、前記情報機器から受信した識別情報と対応する第1の情報を一の記憶装置から読み取り、読み取った第1の情報から前記変換アルゴリズムにより前記第2の情報を処理装置で求め、求めた第2の情報と対応する端末情報を他の記憶装置から読み取り、読み取った端末情報に基づき、前記情報機器から受信した保管情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の遺失物通知システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、前記管理サーバから受信した保管情報を出力装置へ出力した後、前記ユーザが前記遺失物の保管場所に前記遺失物を引き取りに行くかどうかを通知する通知情報を入力装置から前記ユーザに入力させ、入力させた通知情報を前記管理サーバへネットワークを介して送信し、
前記管理サーバは、前記ユーザ端末から前記通知情報を受信し、受信した通知情報を前記情報機器へネットワークを介して送信し、
前記情報機器は、前記管理サーバから前記通知情報を受信し、前記タグから前記識別情報を再度読み取った場合、受信した通知情報に基づき、前記ユーザが前記遺失物を引き取りに来るかどうかを示す通知情報を出力装置へ出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の遺失物通知システム。
【請求項6】
前記情報機器は、前記識別情報を入力装置から入力し、入力した識別情報と同一の識別情報を前記タグから読み取った場合、出力装置へ所定の音を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の遺失物通知システム。
【請求項7】
前記情報機器は、前記所有物が遺失物として拾得された場合、位置及び時刻の少なくともいずれかを認証する認証情報を発行する発行サーバから前記認証情報を取得し、前記識別情報と前記保管情報とともに取得した認証情報を前記管理サーバへネットワークを介して送信し、
前記管理サーバは、前記情報機器から前記識別情報と前記保管情報とともに前記認証情報を受信し、記憶装置から読み取った端末情報に基づき、受信した保管情報と認証情報とを前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末は、前記管理サーバから前記保管情報と前記認証情報とを受信し、受信した保管情報と認証情報とを出力装置へ出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の遺失物通知システム。
【請求項8】
ユーザが利用するユーザ端末が、前記ユーザの所有物に付されたタグに記憶され、前記タグを一意に識別する識別情報と前記ユーザ端末の宛先を示す端末情報とを管理サーバへネットワークを介して送信し、
前記管理サーバが、前記ユーザ端末から前記識別情報と前記端末情報とを受信し、
前記管理サーバが、前記ユーザ端末から受信した識別情報と端末情報とを対応づけて記憶装置に記憶し、
情報機器が、前記所有物が遺失物として拾得された場合、前記遺失物に付されたタグから前記識別情報を読み取り、
前記情報機器が、前記タグから読み取った識別情報と前記遺失物の保管場所を示す保管情報とを前記管理サーバへネットワークを介して送信し、
前記管理サーバが、前記情報機器から前記識別情報と前記保管情報とを受信し、
前記管理サーバが、前記情報機器から受信した識別情報と対応する端末情報を記憶装置から読み取り、
前記管理サーバが、記憶装置から読み取った端末情報に基づき、前記情報機器から受信した保管情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末が、前記管理サーバから前記保管情報を受信し、
前記ユーザ端末が、前記管理サーバから受信した保管情報を出力装置へ出力することで、前記ユーザに前記遺失物の保管場所を通知することを特徴とする遺失物通知方法。
【請求項9】
ユーザが利用するユーザ端末が、前記ユーザ端末の宛先を示す端末情報を管理サーバへネットワークを介して送信し、
前記管理サーバが、前記ユーザ端末から前記端末情報を受信し、
前記管理サーバが、前記ユーザの所有物に付されるタグを一意に識別する識別情報を処理装置で生成し、
前記管理サーバが、処理装置で生成した識別情報と前記ユーザ端末から受信した端末情報とを対応づけて記憶装置に記憶し、
前記管理サーバが、前記ユーザ端末から受信した端末情報に基づき、処理装置で生成した識別情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末が、前記管理サーバから前記識別情報を受信し、
前記ユーザ端末が、前記管理サーバから受信した識別情報を前記所有物に付されるタグに書き込み、
情報機器が、前記所有物が遺失物として拾得された場合、前記遺失物に付されたタグから前記識別情報を読み取り、
前記情報機器が、前記タグから読み取った識別情報と前記遺失物の保管場所を示す保管情報とを前記管理サーバへネットワークを介して送信し、
前記管理サーバが、前記情報機器から前記識別情報と前記保管情報とを受信し、
前記管理サーバが、前記情報機器から受信した識別情報と対応する端末情報を記憶装置から読み取り、
前記管理サーバが、記憶装置から読み取った端末情報に基づき、前記情報機器から受信した保管情報を前記ユーザ端末へネットワークを介して送信し、
前記ユーザ端末が、前記管理サーバから前記保管情報を受信し、
前記ユーザ端末が、前記管理サーバから受信した保管情報を出力装置へ出力することで、前記ユーザに前記遺失物の保管場所を通知することを特徴とする遺失物通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−210197(P2008−210197A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46850(P2007−46850)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】