説明

還元金属の製造方法

【課題】移動型炉床炉を用いて還元金属を製造する際に、低い炉内温度の下で、高品質の還元鉄を効率よく生産する還元金属の製造方法を提供する。
【解決手段】移動型炉床炉1の移動床11上に、炭材が用いられる床敷材3を積載し、その上に金属含有物、固体還元剤および造滓材を含む混合原料2を装入し、移動床が炉内を移動する間に加熱し、還元して還元生成物を生成させたのち、溶融させてスラグ分を分離することにより還元金属を得る方法において、移動型炉床炉から排出される排ガスの酸素濃度を0.5vol%以上とし、かつ、移動床上に積載する床敷材である炭材として、その一部もしくは全部を灰分7mass%以下の石炭を用いて還元金属を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有原料を移動型炉床炉内に装入したのち移動させながら加熱、還元し、少なくとも一度は溶融させて金属含有物、例えば還元鉄を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粗鋼を製造する方法の1つとして電気炉によって行う方法がある。この方法は、原料を電気エネルギーによって加熱し、溶解して、場合によってはさらに精錬して、所望の鋼とする技術である。また、この方法は、原料として主にスクラップを使用している。しかし、近年、そのスクラップの需給が逼迫していることから、スクラップに換えて還元鉄を使用する提案がある。
【0003】
その還元鉄は、例えば、特許文献1に開示されるような方法によって製造することができる。この方法は、移動型炉床炉内を水平方向に移動する炉床(移動床)上に、主として鉄鉱石と固体還元剤とを積載し、上方からの輻射伝熱によってこの鉄鉱石等の原料を加熱し、還元し、さらには該移動床上に生成する還元生成物を溶融することにより、還元鉄を製造する方法であり、移動炉床炉法とも呼ばれている。
【0004】
この方法に用いられる移動炉床炉とは、移動型炉床炉内に配設される炉床(移動床)が水平方向に移動する過程で、原料を加熱して還元する炉であり、環状の移動床が、図1に示すように回転する形式をとるのが普通であり、それ故に回転炉床炉とも呼ばれている。
【0005】
例えば、代表的な移動炉床炉は、図1に示すように、予熱帯10a、還元帯10b、溶融帯10cおよび冷却帯10dに区画された環状型加熱炉の加熱炉炉体10内に、回転しながら連続的に移動する移動床11を配設してなるものである。そして、この炉は、前記移動床11上に、例えば、鉄鉱石(炭材内装ペレットが用いられることもある)と固体還元剤からなる混合原料12を積載して加熱し、還元し、その後、少なくとも一度は溶融させるようになっている。かかる移動床11は、通常、耐火物でライニングされた炉体10によって囲われているが、特許文献1に開示されているように、炉床耐火物保護のために、混合原料層とは別に、床敷材となる炭材の層が設けられる場合がある。また、この炉体10の上部にはバーナー13が配設され、このバーナー13を熱源として、移動床11上の鉄鉱石等が還元される。なお、図1において、14は原料を移動床11上に装入する装入装置、15は還元物を排出する排出装置である。また、炉体10内の雰囲気温度は還元帯では通常、1300℃程度に調節されているが、溶融帯では1500℃前後の高温に制御される。
【0006】
鉄含有物、例えば鉄鉱石は、その産地によって差はあるものの、多くの脈石成分を含むのが普通である。また、固体還元剤の代表例である石炭、石炭チャー、コークスにもまた灰分等が含まれている。そのために、還元操作のみを行う移動炉床炉法では、製品である脈石分や該還元剤中の灰分が還元鉄中に不可避に混入するという問題がある。しかし、特許文献1に開示されているように、移動型炉床炉法の場合、還元後の原料を溶融させることができるから、メタルから脈石分であるスラグを分離することができる。ただし、単にそれだけで、鉄鉱石中の脈石成分の除去が完全にできるわけではなく、高品質の還元鉄を製造できることにはならない。
【0007】
また、この移動型炉床炉法において、還元生成物からスラグを分離し、還元金属(メタル)を得るには、従来、原料の加熱−還元の温度をできるだけ高くすることが有利だと考えられてきた。即ち、炉内温度を高温にすることで、還元反応の速度および溶融速度を大きくすることができ、ひいては還元生成物からのメタルとスラグの分離、とくに脈石分の分離が容易になると考えられるからである。
【特許文献1】特開平11−172312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、反応温度を高くするということは、移動型炉床炉の炉内温度を高くするということであり、これは、この移動型炉床炉の耐火物への熱負荷を大きくすることにつながる。一方で、その弊害を避けるために、炉体の冷却等を強化すれば、結果として熱損失が大きくなり、プロセス全体の消費熱量を増やすことになる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、移動型炉床炉を用いて還元金属を製造する際に、炉内温度をできるだけ低くして、高品質の還元鉄を効率よく生産するための還元金属の製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来技術が抱えている上述した課題を解決するために、発明者らは、還元生成物がメタルとスラグとに分離する条件についての研究の中で、還元金属の品質ならびに生産性の向上を図るには、これらの分離をいかに円滑に行わせるかが重要であるとの知見を下に、メタルとスラグの円滑な分離を実現する手段を開発した。
【0011】
即ち、本発明は、移動型炉床炉の移動床上に、まず、炭材が用いられる床敷材を積載し、その上に金属含有物、固体還元剤および造滓材を含む混合原料を装入し、移動床が炉内を移動する間に加熱し、還元して還元生成物を生成させたのち、溶融させてスラグ分を分離することにより還元金属を得る方法において、移動型炉床炉から排出される排ガスの酸素濃度を0.5vol%以上とし、かつ、移動床上に積載する床敷材である炭材として、その一部もしくは全部を灰分7mass%以下の石炭を用いることを特徴とする還元金属の製造方法を提案する。
【0012】
本発明において、前記金属含有物としては、鉱石とくに鉄鉱石、金属含有ダストとくに製鉄ダストおよび金属含有スラッジとくに製鉄スラッジのうちのいずれか一種あるいは2種以上の混合物が用いられる。
本発明において、前記固体還元剤としては、石炭、石炭チャー、ピッチおよびコークスのうちのいずれか一種あるいは2種以上の混合物の粉が用いられる。
本発明において、前記造滓材としては、CaO、MgOおよびNaOのうちのいずれか一種あるいは2種以上を含む鉱物性物質、例えば、石灰石、脱硫スラグ、転炉スラグ、ドロマイト、蛇紋岩あるいは蛍石などのうちの一種あるいは2種以上の混合物が用いられる。
本発明において、移動型炉床炉は、炉内雰囲気を1450℃以下の温度にして操業する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、還元金属の生産性を向上させることができると共に、還元率の高い品質の良好な還元鉄を製造することができる。また、本発明によれば、炉内温度を低くして移動型炉床炉への熱負荷を抑えると共に、熱エネルギーの低減によって、低コストで還元鉄を製造することができる。また、本発明によれば、低温で操業することにより、耐火物や機械設備の寿命を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に述べる例は、還元金属として還元鉄を製造する例を述べるものである。ただし、本発明は、還元鉄だけでなくその他の金属材料の製造技術としてももちろん有効である。
発明者らはまず、鉄鉱石、コークスおよび石灰石からなる混合原料を、移動型炉床炉に代えて竪型炉の炉内に設置した黒鉛製るつぼ内に装入し、移動型炉床炉の炉内温度パターンを模擬した熱を供給しながら、このるつぼ内の混合原料の様子を観察した。そして、昇温を途中で中止してその時点での生成物の組成分析等も行った。
【0015】
その結果、混合原料中の鉄鉱石はまず、この原料中に混合されているコークス(炭素)と反応し、少なくとも一部はFeOやFeにまで還元され、その後、溶融してFeO系のスラグを生成する。このとき、炉内ではコークス(固体還元剤)による直接還元に加え、このときに発生するCOガスとも還元反応が生じる。これらの反応により、前記混合原料からは還元生成物が得られると共に、この還元生成物からは溶融メタルと溶融スラグが分離生成する。
【0016】
一般に、溶融スラグと溶融メタルが分離する時の該溶融スラグ中のFeO濃度は、30mass%と高い状態になる。そのため、溶融スラグと溶融メタルとは互いに濡れやすく、このときの溶融スラグは、溶融メタル(液滴)の表面全体を完全に覆う“完全濡れ”の状態になっている。そのため、このまま凝固するとメタルとスラグは強く密着したままとなり、容易には剥がれにくくなる。
【0017】
その後、溶融スラグ中のFeOの還元がさらに進んで、溶融スラグ中のFeO濃度が10mass%程度以下にまでなると、溶融メタルと溶融スラグとの間の濡れ性は悪くなり、接触角が大きくなって、メタル表面からすべり落ちる。また、両相の密着力が低下して、冷却後に容易に剥がすことができるようになる。
【0018】
なお、溶融スラグからの溶融メタルの分離を速くするには、FeO還元を促進することによって、溶融スラグ中のFeO濃度をできるだけ速く10mass%程度以下にして、メタル粒とスラグ粒が剥がれやすくすることが重要である。
【0019】
このことを確かめるために、発明者らは、溶融スラグ中のFeOの還元挙動について検討した。一般に、溶融スラグ中のFeOの還元は、スラグとメタルとの界面において、溶融スラグ中のFeOが溶融メタル中に溶解している炭素によって還元されるか、還元反応によって生成するCOガスによって還元されることによって進むことが知られている。したがって、溶融スラグ中のFeOの還元を、反応温度を上げることなく促進させるためには、溶融スラグ中のFeOと接触する還元剤(炭素あるいはCOガス)の供給速度を上げることなどの対策が有効と考えられる。
【0020】
この点に関し、本発明では、移動床11上に、まず、コークスや石炭あるいはチャーの如き炭材粒子からなる床敷材を敷き詰め、その上に前記混合原料を積載する方法を採用する。このことにより、前記溶融メタル中への十分な炭材の供給を行うことができる。即ち、上述したように、溶融した還元生成物はまず、比重差によって溶融メタルの粒子が下方(溶融スラグ下)に移動して、その下層にある上記床敷材である炭材粒子に直接接して、浸炭反応と呼ばれる、溶融メタル中への炭素原子の溶解反応が起こって、還元剤の供給を受けることになる。
【0021】
このような浸炭反応によって溶融メタル中へ供給された炭素は、スラグ中のFeO濃度を低下させ、濡れ性の低下を招いて溶融メタルと溶融スラグの分離を誘発する。つまり、溶融メタル中への浸炭を迅速に行い、FeOの還元反応を促進することが生産性の向上という本発明の目的に適うこととなるのである。
【0022】
還元剤中の炭素のメタル中への浸炭速度(K)については、文献(C.WUandV.SahajwaHa,MetaHurgicaI and Material Trans.B,2000,VOI31B,PP243)に、図2に示すような石炭や黒鉛中の灰分との関係として報告されている。すなわち、浸炭速度Kは、石炭中の灰分が少ないほど増大することが記載されている。このことは石炭中の灰分が多いと、それだけ石炭中の炭素分と溶鉄(メタル)との接触機会が少なくなり、溶融メタルへの浸炭反応が阻害されることを意味している。
従って、本発明において、溶融メタルへの浸炭反応の促進を通じて、該メタルの融点を下げることによって、スラグとメタルとの円滑な分離を促進して生産性の向上を図るには、床敷材として用いる炭材、即ち、石炭の灰分が少ない方がよいことがわかる。
【0023】
なお、上記の報告はまた、窒素雰囲気中での測定結果を示しているが、移動型炉床炉での炉内雰囲気は、炉体に取付けた昇温用バーナー13による燃焼ガス雰囲気である。特に、移動型炉床炉では、燃料の発熱を最大限に利用するために、燃料を完全燃焼させてしかも燃焼ガス中の酸素ガスができるだけ少なくなるように制御することが望ましい。ただし、炉内ではガスの偏流等が起こるため、燃料の完全燃焼を実現するためには、燃焼ガスが炉内から排出される位置において、酸素が若干残留するように制御することが有効である。つまり、移動型炉床炉では、炉内は、少し酸化性ガス雰囲気になるように保持されていることが望ましいと言える。
【0024】
そこで、発明者らは、このような酸化性ガス雰囲気中における酸素濃度が、炭材(石炭)から溶融メタルへの浸炭速度Kに与える影響について、灰分10mass%、7mass%の場合についてそれぞれ試験を試みた。
【0025】
この試験は、所定の炭材100gを入れたアルミナるつぼを電気炉に入れ、1500℃で加熱しながら、10リットル/分で上部から試料ガスを吹き込み、その後、浸炭実験に供して浸炭速度を測定したものである。炭材と試料ガスとの接触時間は、移動型床炉床の加熱時間である15分と5分とにした。また、試料ガスは、CO濃度を20mass%とし、所定量の酸素と残部を窒素とする混合ガスを使用した。
【0026】
図3は、雰囲気中の酸素濃度と浸炭速度Kとの関係を示すもので、15分間加熱したときの浸炭速度Kの変化である。また、図4は、5分間加熱したときの浸炭速度Kの変化である。これらの図から明らかなとおり、雰囲気中の酸素濃度を増加させると、灰分が7%、10%の場合とも、浸炭速度Kが減少する。とくに、酸素濃度が容積比で0.5vol%まで増加すると、浸炭速度Kは急激に減少している。これは、雰囲気中の酸素濃度が0.5vol%まで増加すると、この時点で石炭の表面が灰分で急速に被覆され、浸炭反応を阻害することが原因だと考えられる。しかし、一旦0.5vol%を超えると、既に石炭表面への灰分の被覆が完了し、それ以降は浸炭速度減少のペースは小さくなることがわかった。
【0027】
また、それぞれの図に、灰分10mass%と7mass%における炭材の浸炭速度の比K/Kを示した。この図に明らかなとおり、灰分が10mass%と多い炭材については、雰囲気ガス中の酸素濃度の増加による浸炭速度の低下が、灰分7mass%の石炭よりも多いことがわかる。また、15分よりも5分の方がこの比率の増加傾向が大きく、炭材中灰分による浸炭速度の差がより大きくなることがわかった。
【0028】
以上の実験結果をまとめると、床敷材として使う炭材中の灰分が7mass%よりも少なければ、たとえ酸素濃度が0.5vol%以上であっても、灰分10mass%程度の一般石炭を使用した操業と比較して、浸炭速度Kは3倍以上になり、浸炭速度の促進とFeOスラグの還元により、スラグとメタルが良好に分離して、移動型炉床炉の生産性を高めることができるようになる。
【0029】
本発明法において、上記炭材は、床敷層の少なくとも表面に存在すればよく、全ての床敷炭材を低灰分の炭材とする必要はない。このようなケースでの石炭の量は、飽和炭材量以下であっても、メタル量の2mass%程度以上に相当する量であればよい。この2mass%という数値は、鉄炭素系状態図によれば液相生成炭素濃度である。メタル中に液相が生成すれば、メタル相内での炭素原子の拡散が飛躍的に増加する量である。たとえば、操業中の鉱石積載量10kg/mであれば生成メタル量は6kg/mであり、黒鉛投入量は120g/m以上を床敷炭材層の最表層に装入すれば十分である。
【0030】
なお、この移動型炉床炉の操業において、炉温については、炉体にかかる熱負荷を軽減する意味で1450℃以下とする。この温度では、通常、浸炭速度Kが遅いので、その浸炭速度がFeO還元反応をも律速してしまう可能性があるが、本発明では、床敷材として、黒鉛を用いているので、浸炭速度が速くなり、浸炭反応の促進が図られるため、たとえ、1450℃以下であっても生産性を上げることが可能になる。
【実施例】
【0031】
発明者らは実際のプラントにおいて、上記事実を確認すべく実験操業を行った。即ち、移動型炉床炉として図1に示す回転炉床炉1を用い、表1に示す成分組成の鉄鉱石、表2に示す化学成分の石炭および造滓剤を表3に示す割合で混合し、この混合原料2を移動床11上に積載した床敷層3の上に積み、最高温度を1500℃に設定した炉内で、この移動床を移動させることにより、還元鉄とスラグを製造した。使用した上記移動型炉床炉は、表4に示す仕様の設備であって、炉中心径7m、炉床の幅は1mである。
【0032】
この実施例では、鉄鉱石、炭材、その配合比率などは全て同一とし、
a.比較例1では、排ガス酸素濃度を0.2vol%とし、炉内最高温度を1500℃に設定し、灰分10mass%の石炭を使用した例、
b.比較例2では、排ガス酸素濃度を0.2vol%とし、炉内最高温度を1440℃に設定し、灰分10mass%の石炭を使用した例、
c.実施例1では、排ガス酸素濃度を0.5vol%とし、炉内最高温度を1500℃に設定し、灰分7mass%の石炭を使用した例、
d.実施例2では、排ガス酸素濃度を0.5vol%とし、炉内最高温度を1440℃に設定し、灰分7mass%の石炭を使用した例、
e.実施例3では、排ガス酸素濃度を0.5vol%とし、炉内最高温度を1500℃に設定し、灰分7mass%の石炭を表層5mmにのみ積載した例、
であり、その操業結果を図5に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
図5に示す生産性は、回転炉床炉1の単位炉床面積で一日に生産される粒鉄量で表わした。また、表5には、本発明法1、2、3と比較例1、2について生産された粒鉄中のC濃度とスラグ中のFeO濃度を示す。これらの図、表から明らかように、灰分7mass%以下の炭材(黒鉛)を使用することにより、生産性が向上する。また、本発明適合例のほうが、同一のFeO濃度であるのに対して、粒鉄中の炭素濃度が高くなることもわかる。
なお、粒鉄中の炭素は、溶解時酸素を吹き込むことで燃料として利用できるため、電気炉で溶解を行う場合に電力原単位を下げる効果がある。このことにより、粒鉄の市場価値をあげることができ、本プロセスの経済性を向上させる効果が期待できる。
【0038】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、移動型炉床炉によって還元金属、とくに還元鉄を効率よく製造する際の技術を提案するものであるが、その他、鉄以外の還元金属を製造技術としても適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】移動型炉床炉の概念図(a)および原料装入層の断面図(b)である。
【図2】石炭中灰分量の浸炭速度に与える影響を示すグラフである。
【図3】酸化処理後の浸炭速度の変化(酸化時間15分)を示すグラフである。
【図4】酸化処理後の浸炭速度の変化(酸化時間5分)を示すグラフである。
【図5】実施例における生産性の比較グラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 回転炉床炉
2 混合原料
3 床敷層
10 炉体
10a 予熱帯
10b 還元帯
10c 溶融帯
10d 冷却帯
11 移動床
12 混合原料
13 バーナー
14 装入装置
15 排出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動型炉床炉の移動床上に、まず、炭材が用いられる床敷材を積載し、その上に金属含有物、固体還元剤および造滓材を含む混合原料を装入し、移動床が炉内を移動する間に加熱し、還元して還元生成物を生成させたのち、溶融させてスラグ分を分離することにより還元金属を得る方法において、移動型炉床炉から排出される排ガスの酸素濃度を0.5vol%以上とし、かつ、移動床上に積載する床敷材である炭材として、その一部もしくは全部を灰分7mass%以下の石炭を用いることを特徴とする還元金属の製造方法。
【請求項2】
前記金属含有物は、鉱石、製錬ダストおよび製錬スラッジのうちのいずれか一種あるいは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
【請求項3】
前記固体還元剤は、石炭、石炭チャー、ピッチおよびコークスのうちのいずれか一種あるいは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の還元金属の製造方法。
【請求項4】
前記造滓材は、CaO、MgOおよびNaOのうちのいずれか一種あるいは2種以上を含む鉱物性物質のうちの一種あるいは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の還元金属の製造方法。
【請求項5】
炉内温度を、1450℃以下で操業することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の還元金属の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−246958(P2007−246958A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69398(P2006−69398)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成13年新エネルギー・産業技術総合開発機構基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】