説明

還元食品および還元茸食品とその製造方法

【課題】食品原料の加熱加工に際して、食材に含まれる空気で機能性成分が加熱により酸化され、変性減耗し、機能低下することを防止し、併せて加熱による香気の芋臭発生を防止し、食品自体が抗酸化機能を有する機能性食品を生産する技術と、食品の還元保蔵により、酸化防止剤や脱酸素剤等の食品添加物を使用しなくても、機能性が高く、品質の長期保蔵性を担保する製品とその開発技術を提供する。
【解決手段】茸を還元溶液の中で脱気し、茸組織内部まで還元処理を行い、加熱殺菌に際し、高温による酸化劣化を抑え、さらに磁化処理によりDPPH試薬によるフリーラジカル消去能が測定される長期保蔵性の茸食品の製品を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品原料の加熱加工に際して、食材に含まれる空気で機能性成分が加熱により酸化され、変性減耗し、機能低下することを防止し、併せて加熱による香気の芋臭発生を防止し、食品自体が抗酸化機能を有する機能性食品を生産する技術と、食品の還元保蔵により、酸化防止剤や脱酸素剤等の食品添加物を使用しなくても、機能性が高く、品質の長期保蔵性を担保する製品とその開発技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品の保蔵は、缶詰、瓶詰め、レトルト食品など食品を密閉容器に入れ、加熱殺菌による無菌密閉条件の設定が行われてきた。
しかしながら、何れの加工技術においても、加熱殺菌の際、ビタミン、色素、その他抗酸化性の機能性物質の酸化による破壊を防止することは困難であった。
特に近年は、保存食品の主流にレトルト加工が浮上し、酸化防止技術を加え新しい技術が加わり、平成5年以後の特許出願だけでも20件以上出願されている。
【0003】
これらレトルト加工食品に関する特許出願内容を検討すれば、
特許文献1は、耐熱性カルシウム強化わかめのレトルト食品で、アルギン酸を食添用カルシウムで固定する技術ある。
特許文献2は、冷凍とレトルト加工を組み合わせた豆腐とその製造方法で、主な目的は豆乳と増粘多糖類混合物を高速攪拌後膨化温潤させ、脱気処理後再度加熱凝固させ、冷凍する技術ある。
特許文献3は、レトルト加工に際し食品素材の煮崩れ防止処理方法で、野菜、魚介類等の食品素材にキトサン溶液を塗布あるいは浸漬し、煮くずれを防止する技術である。
特許文献4は、食品粉末及びペーストを混入させたレトルト豆腐とその製造方法で、要点は、豆乳に食品粉末及び/または食品ペーストを高速攪拌で均一混合し、脱気処理後凝固剤を加えて、容器へ充填、加熱処理、冷却を施す技術である。
特許文献5は、肉じゃがのレトルト加工方法で、保存方法は窒素ガス置換を行う技術である。
特許文献6は、レトルト豆腐の製造方法で、豆乳にカードラン、タピオカ澱粉及び凝固剤を添加し、気泡を含んだ状態のまま加熱処理して豆腐を製造する技術である。
特許文献7は、常温流通可能なレトルト炊き込み御飯とその製造方法で、長期保蔵性を高めるため窒素ガスと炭酸ガスの混合ガスを封入する技術である。
特許文献8は野菜類をレトルトパックして常温で長期保存する方法で、澱粉類の変質を防ぐトレハロースと、ポリフェノール類の酸化反応を抑える働きをするpH調整材と、殺菌の働きのある塩化ナトリウムを含有する溶液に30分間浸漬し、低温でレトルト加工する技術である。
特許文献9は、レトルト可能な食品のためのゲル及びその調整方法で、保蔵性をアスコルビン酸で高めている技術である。
【0004】
次にレトルト加工中の酸化防止を狙った含気レトルト加工技術について見れば、
特許文献12は、含気調理殺菌機で、含気レトルト加工技術の品質を安定させるために、加熱殺菌の適切な温度時間推移曲線に適合するように制御する装置である。
特許文献13は、含気食品の缶内ガス置換装置で、コンベアー上にこれを覆う箱形のガス置換装置を設け、食品を充填し、封入する直前に自動的に缶内のガスを不活性ガスと置換する装置である。
特許文献14は、含気食品の缶内調理殺菌システムで、含気レトルト加工技術の品質を安定させるために、加熱殺菌の適切な温度時間推移曲線に適合するように制御する装置である。
特許文献15は、含気調理殺菌工程で、加熱殺菌の適切な温度時間推移曲線に適合する条件、急速冷却等の温度管理に関する技術である。
特許文献16は、含気食品の缶内調理殺菌システムで、袋内で食品を不活性ガスと共に封入し、加熱殺菌を行うシステムである。
特許文献17は、含気食品殺菌システム及び不活性ガス充填装置で、レトルトパウチ等バリヤー性のある包材の把持及び袋口開閉手段と、回転ドラムに保持された放射状のアーム上で食品充填と費活性ガス置換を行って、封入し、加熱殺菌するシステム。
特許文献18は、含気ガス発生機で、含気食品の包装において、袋内の空気を置換し、封入する窒素ガスを作業場所で生成するとともに、エタノール蒸気を混合した窒素ガスを供給することのできるガス交換機である。
特許文献19は、レトルト食品の変色防止の技術で、食品および脱酸素剤を包装容器の中に入れ、外包装容器中の空気を脱気し、加熱殺菌を行う含気レトルト加工技術である。
以上、レトルト食品の製造に関する最近の出願であるが、多くは製品製造過程の改良であり、含気食品以外の脱気処理については、製品組織の気泡を除去する目的も製品斑を除去するものが主体で、酸化防止等の機能については特に触れていない。
しかし、含気食品においては、容器内の空気と不活性ガスとの置換を目的としている。
製品の酸化防止については、トレハロース、ポリフェノール、アスコルビン酸、脱酸素剤等の添加物による酸化防止、窒素ガス、炭酸ガス封入による酸化防止が行われているが、本出願の主眼である酸化ガス除去後の食材組織内の還元処理は行われていない。
【0005】
茸の加工品では、干し椎茸のような乾物とナメコの佃煮、昆布と椎茸の佃煮等が瓶詰、缶詰として販売されている。
平成5年以後2007年までの最近の茸の加工に関する技術開発は、「きのこ加工」に関する特許文献が81件、「茸加工」に関する特許文献が112件、「キノコ加工」に関する特許文献が3件認められている。
出願の多くは茸を用いた乾燥の技術、菌糸体を食用に加工する技術、茸乾物を粉末にして新しい食材を開発する等の技術である。
この中で、生の茸の風味を維持し、保蔵性を高める本発明と関連のある、加熱殺菌、レトルト殺菌を併用した特許文献は数点認められた。
【0006】
生の茸は腐敗しやすく保蔵性が低い。また、松茸に至っては輸送中に香気を失い、遠隔地においては品質が大きく低下する。
干し椎茸を除けば、茸は生の風味を備えた商品が要求される。松茸のような味と共に香気が重要な茸では、商品に生の食感と香気を蓄えた加工品が必要であり、まいたけ等のように不快臭のある茸は不快臭を除いて生の食感を備えた加工品が必要である。
茸のレトルト食品の開発は、特許文献20に示すとおり当発明者が平成4年に生椎茸を用いて提案した「茸食品の製造方法」が最初である。この方法では、生椎茸の硬度、破断強度、脆度、柔らかさ、歯切れの良さ等を調べ、食感の良さを確認したが、還元処理を行っていないので加熱による酸化劣化が認められた。
【0007】
本件と目標が近い技術としては、特許文献20及び特許文献21の「きのこ類の加工方法」があるが、還元条件等酸化防止技術ではなく、通常のレトルト殺菌の域を出ていない。
特許文献22には、マッシュルームを用い、低いpHに調整して茸の形状が崩れないようにした加工法とレトルト殺菌を組み合わせたキノコ加工について開発されている。
いずれの技術でも酸化防止剤にアスコルビン酸を使用しており、味の低下する技術であr、還元処理を加えた食品の技術ではない。
【0008】
香気を重視する松茸の加工では、特許文献23に示す通り、塩類、糖類、多糖類、増粘多糖類、有機酸、アミノ酸、核酸から選ばれる成分の少なくとも一つを含む溶液に浸し、ブランチング又は蒸気処理によって加熱処理し、香気が損なわれない短時間の内に急冷後、空中に露出部分がないように調味液に浸し、完全凍結しない温度で低温保蔵する技術を開発している。
これらの方法では酸化防止剤の使用や本件における還元処理は検討がなされていない。
【0009】
特許文献24では、キノコの加熱殺菌を行い、加工段階から保管、流通の段階まで低酸素濃度条件を維持して酸化劣化を防止する技術として、加熱水蒸気により加熱後密封容器内で脱酸素剤を用いて酸素を除去し、酸素濃度を0.1%以下にして、15〜−2℃で保存する技術が、開発されている。
この方法では脱酸素剤は使用しているが還元処理は行っていない。
このようにきのこの食品加工技術においても、茸の組織内部の還元処理は行われていない。
【0010】
還元処理に関する技術では、特許文献25に見られるように、バッチ内で水へ水素を吹き込み加圧溶解して還元性水素水を生産する方法を本発明者が熊本県で開発した。
この方法は、食品の高品質化するに必要な加工工程、調理段階における具体的な記述がなく、食品素材の内部への還元力の浸透や抗酸化機能性を強化する技術でもない。
【0011】
還元処理は特許文献26に見られるように、本発明者は有限会社情報科学研究所で、流動する溶液へ水素を連続的に溶解して還元水を生産する方法に改良した。
【0012】
また、特許文献27に見られるように、本発明者は有限会社情報科学研究所で、水素を微細な泡として均質化させる水素コロイドの生産方法による還元処理を確立した。
【0013】
さらに、本発明者は特許文献28に示したように有限会社情報科学研究所で還元処理を、水素コロイドをさらに磁化して、生産するフリーラジカル消去性水素溶液とその生産方法を開発し、出願した。
、特許文献26と特許文献27は溶液に効率よく強い還元性を与える技術であり、特許文献28は、溶液に抗酸化機能を与えることが目的であるが、高品質還元加熱殺菌を行う技術ではない。
【0014】
【特許文献1】特開平05−292923号公開
【特許文献2】特開平06−153840号公開
【特許文献3】特開平07−099914号公開
【特許文献4】特開平07−194331号公開
【特許文献5】特開平08−056625号公開
【特許文献6】特開平08−242825号公開
【特許文献7】特開2001−275185号公開
【特許文献8】特開2001−267020号公開
【特許文献9】特開2006−061145号公開
【特許文献10】特開2007−110975号公開
【特許文献11】特開2007−125016号公開
【特許文献12】特開平07−231770号公開
【特許文献13】特開平07−313121号公開
【特許文献14】特開平07−313122号公開
【特許文献15】特開平07−313125号公開
【特許文献16】WO95/23526号公開
【特許文献17】特開平07−313128号公開
【特許文献18】特開平08−323185号公開
【特許文献19】特開2000−116366号公開
【特許文献20】特開平06−022722号公開
【特許文献21】特開平07−111877号公開
【特許文献22】特開2001−186857号公開
【特許文献23】特開2004−105168号公開
【特許文献24】特開2006−345838号公開
【特許文献25】特開平08−056632号公開、(特許第2890342号)
【特許文献26】特許第3829170号
【特許文献27】特許第3843361号
【特許文献28】特願2006−126732号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、食品加工の加熱殺菌時において、食材の組織内に含まれる空気や酸素を除去し、代わりに組織内を還元水で満たし、食材の内部まで還元性を浸透させる事を目的とし、渋味や酸味など製品の味を低下する酸化防止剤や脱酸素剤等の不要な添加物を使用しなくても酸化防止を可能とする技術である。さらに、還元磁化処理を加えて抗酸化機能を有する保蔵性の茸食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記、課題を解決するための手段として本発明は、図1に示すとおり
加工用液及び食材の予備還元処理又は還元磁化処理をする1次脱気還元処理タンク又は1次脱気還元磁化処理タンクと、
調味液を作り、さらに予備還元処理をした食材の脱気及び還元処理又は還元磁化処理をする2次脱気還元処理タンク又は2次脱気還元磁化処理タンクと、
1次脱気還元処理タンクまたは1次脱気還元磁化処理タンクと2次脱気還元処理タンク又は2次脱気還元磁化処理タンクとの間を連結通導する開閉バルブを有する連絡パイプと、
加工用液及び食材の予備還元処理又は予備還元磁化処理をする1次還元処理装置又は1次還元磁化処理装置と、
1次真空ポンプと、
2次真空ポンプと、
調味液を作り予備還元処理をした食材の脱気及び還元処理又は還元磁化処理をする2次還元還元処理装置又は2次還元磁化処理装置と、
加工用液及び食材の予備還元処理をするための循1次循環ポンプと、
調味液を作り予備還元処理をした食材の還元処理をするための2次循環ポンプと、
食材を完全に加工用水、調味液中に沈める機能の網目バケットと、
からなる食品の還元又は還元磁化処理システムを開発した。
そして、既に本発明者が提案した特許第3843361号、特願2006−126732号と本出願の装置とを組み合わせて、新しい食品加工工程を提案し、製品の高品質化と生産の効率化を図る。
【0017】
食品の還元又は還元磁化処理システムには、還元処理を行う部分に特許第3843361号の技術を組み入れ、還元磁化処理を行う部分に特願2006−126732号の技術を組み入れた。
開発の主眼は、食品の還元処理加工工程で、従来は食材の均質運搬、脱気槽の準備、食品の脱気、還元処理、還元置換、調味、等の行程に適当に連絡する機械装置がなく、真空包装機やバッチタンクを用いて個々バラバラに手作業を行ってきたが、作業が複雑で重労働であるので、食品の還元処理を簡便に行うシステムを開発した。
システムの操作については作業工程の請求項に沿って説明する。
【0018】
請求項2に対応した基本的な技術として、特許第3843361号の還元処理技術を組み入れ、本出願で提案している脱気・還元処理タンクと組み合わせて図2に示すとおり食品加工工程を提案した。
1 加工用水Bを1次脱気・還元処理タンクCへ入れ、1次真空ポンプDで脱気2する。
2 脱気水2は調味作業3を行い、1次脱気・還元処理タンクC内で1次還元処理装置Eを用いて1次水素供給装置Hから水素ガスを送り、調味液を還元処理1する。
3 食材Aを網目バケットhに固定して、還元処理の終了した1次脱気・還元処理タンクCへ入れる。
4 食材Aを入れた1次脱気・還元処理タンクCを密に蓋をして脱気を行う。
5 脱気した食材Aは1次還元処理装置Eと循環ポンプGを介して接続し、1次脱気・還元処理タンクC内でa→b→c→d→e→fの循環還元処理1を行う。
6 還元処理した食材はレトルト袋7に入れる。
7 食材の入ったレトルト袋7を真空包装機Iで真空包装8する。
8 真空包装した食材は加熱殺菌槽Jで加熱殺菌9を行う。
9 加熱殺菌が終了した食品は急速冷却槽Lで急冷して冷蔵保管11する。
の工程を有する。
【0019】
請求項3に対応した基本的技術として、特許第3843361号の還元処理技術を組み入れ、本出願で提案している脱気・還元処理タンクと組み合わせて図3に示すとおり食品加工工程を提案した。
1 加工用水Bを1次脱気・還元処理タンクCへ供給し、1次真空ポンプDで脱気2する。
2 加工用水Bを2次脱気・還元処理タンクCへ供給し、2次真空ポンプDで脱気2する。
3 脱気水2は、1次脱気・還元処理タンクC内で1次還元処理装置Eを用いて1次水素供給装置Hから水素ガスを送り、溶液を還元処理1する。
4 脱気水2は調味作業3を行い、2次脱気・還元処理タンクC内で2次還元処理装置Eを用いて2次水素供給装置Hから水素ガスを送り、調味液を還元処理5する。
5 食材Aを網目バケットhに固定して、還元処理の終了した1次脱気還元処理タンクCへ入れる。
6 食材Aを入れた1次脱気・還元処理タンクCは密に蓋をして脱気を行う。
7 脱気した食材Aは1次還元処理装置Eと循環ポンプGと連結通導パイプkを介して接続し、1次脱気・還元処理タンクC内でa→b→c→d→e→fの循環還元処理1を行う。
8 還元処理した食材は2次脱気・還元処理タンクCに入れ、脱気4する。
9 脱気した食材Aは2次還元処理装置Eと2次循環ポンプGと連結通導パイプkを介して接続し、2次脱気・還元処理タンクC内でa→b→c→d→e→fの循環還元処理5を行う。
10 還元処理した食材はレトルト袋7に入れる。
11 食材の入ったレトルト袋7を真空包装機Iで真空包装8する。
12 真空包装8した食材は加熱殺菌槽Jで加熱殺菌9を行う。
13 加熱殺菌が終了した食品は急速冷却槽Lで急冷して冷蔵保管11する。
の工程を有する。
【0020】
請求項6に対応した基本的な技術としては、特願2006−126732号の還元磁化処理技術を組み入れ、本出願で提案している脱気・還元処理タンクと組み合わせて図4に示すとおり食品加工工程を提案した。
1 加工用水Bを1次脱気・還元処理タンクCへ入れ、1次真空ポンプDで脱気2する。
2 加工用水Bを2次脱気・還元処理タンクCへ入れ、2次真空ポンプDで脱気2する。
3 脱気水2は、1次脱気・還元処理タンクC内で1次還元磁化処理装置Fを用いて、1次水素供給装置Hから水素ガスを送り、溶液を還元磁化処理1する。
処理は1次還元磁化処理装置Fと循環ポンプGと連結通導パイプkを介して接続し、1次脱気・還元処理タンクC内でa→b→c→d→e→fの循環還元処理1を行う。
4 脱気水2は調味作業3を行い、2次脱気・還元処理タンクC内で2次還元磁化処理装置Fを用いて2次水素供給装置Hから水素ガスを送り、調味液を還元磁化処理6する。
5 食材Aを網目バケットhに固定して、還元処理の終了した1次脱気・還元処理タンクCへ入れる。
6 食材Aを入れた1次脱気・還元処理タンクCは密に蓋をして脱気を行う。
7 脱気した食材Aは1次還元処理装置Fと循環ポンプGと連結通導パイプkを介して接続し、1次脱気・還元処理タンクC内でa→b→c→d→e→fの循環還元処理1を行う。
8 還元処理した食材は2次脱気・還元処理タンクCに入れ、再度脱気4する。
9 脱気した食材Aは2次脱気・還元処理タンクCと2次循環ポンプGと連結通導パイプkを介して接続し、2次脱気・還元処理タンクC内でa→b→c→d→e→fの循環還元処理6を行う。
10 還元処理した食材はレトルト袋7に入れる。
11 食材の入ったレトルト袋7を真空包装機Iで真空包装8する。
12 真空包装8した食材はレトルト殺菌槽Kでレトルト殺菌10を行う。
13 レトルト殺菌が終了した食品は急速冷却槽Lで急冷して常温保管12する。
の工程を有する。
通常の殺菌温度は、レトルト10の場合が120℃で30分〜1時間、加熱殺菌槽11の場合が温度が100℃で30分〜1時間行い、翌日もう一度殺菌を繰り返し殺菌を完了させる。
高温で軟化し易い食材や煮崩れする性質の食材は軽度殺菌を行う。この場合は低温保蔵が必要である。酸化防止には、急冷して冷蔵する方法が望ましいが常温保蔵も可能である。
【0021】
請求項7の記載によれば、芳香性の松茸、松露、つる茸、網茸、その他の芳香性茸を用いる場合、還元磁化の重要性は、プラスに荷電している香気成分を還元調味液のマイナスチャージで捕捉し、茸組織内に閉じ込める事である。
原理は茸内部がら真空処理時に排出される香気を還元磁化処理水に溶解させ、真空包装時に水に溶けた香気が水と共に再度茸組織内へ逆に浸入させる方法である。
香気を茸内により多く閉じ込めるその他の要点は、香気の損失を防ぐため組織内部まで還元磁化処理した茸をそのままで、予め用意しておいたガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に早急に充填することである。
アルミ被服加工を施したレトルト袋の封入は、香気も水素も通過できないので、香気の保存と還元性の保存さらには抗酸化機能の維持に適している。
さらに、香気をより多く茸内に留めるためには、レトルト袋充填の際、還元磁化処理した調味液を、茸を浸す程度に少量添加し、真空包装後に殺菌する。
製品は無菌且つ保蔵性が高く、その使用面は香りが高く、焼いて良し、煮て良し、多様性のある食材として、またそのままで刺身として業務用に提供できる。
【0022】
請求項8の記載によれば、椎茸、なめ茸、ゆきたけ、エンリギ、その他の茸を石付の部分を除いて生のまま用い、密閉耐圧容器内で還元磁化処理した調味液に浸漬する。
還元磁化調味液に浸漬した茸は、耐圧容器を密閉して素材中に含まれる気体を真空脱気し、脱気後常圧に戻し、茸の組織内へ磁化還元調味液を浸透させる。
さらに、常圧に戻すと同時に茸の入った耐圧容器と還元磁化装置とをパイプで連結して循環させ、再度還元磁化調味液を循環還元磁化処理して抗酸化機能を与える。
抗酸化機能を有する磁化調味料が、十分茸の組織に満たされるまで処理を継続し、再循環還元磁化処理が終了した時点で、茸を取り出して、ガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に充填する。
茸を充填したレトルト封入用袋は真空包装後に加熱殺菌槽またはレトルト殺菌機で加熱殺菌する。製品は無菌且つ保蔵性が高く、その使用面は香りが良く多様性のある食材としても使用できるが、そのままで刺身として最適なファストフードとなる。
【0023】
請求項9の記載によれば、その工程はしめじ、きくらげ、ひら茸、マッシュルーム、エノキ茸、舞茸、網茸、その他の茸臭の強い茸を用いて、石付きの先端部分を除いて、還元磁化水にソフトに浸漬水洗を繰り返して、プラスに荷電している不快成分を還元水、還元コロイド、還元磁化コロイド溶液のマイナスのチャージで溶解し、洗浄除去する過程が重要である。洗浄処理の終わった茸と還元調味液または還元磁化調味液とを密閉耐圧容器に充填し、耐圧容器を密閉して素材中に含まれる気体を真空脱気する。
全行程を示すと、
1 水Bを1次脱気・還元処理タンクCへ入れ、1次真空ポンプDで脱気2する。
2 脱気水を1次脱気・還元処理タンクCのf位置とパイプでポンプ装置Hの吸入口aと連結し、さらにポンプ装置Hの吐出口bと還元処理装置Fの吸入口cとをパイプで連結し、還元処理装置Fの吐出口dと密閉耐圧容器eをパイプで連結する。
還元処理装置Fの吐出口dと密閉耐圧容器Cのe位置をパイプで連結する。
3 パイプの連結が終了したら、ポンプ装置Gと還元処理装置Fを作動させて、水素供給装置Hから供給される水素を添加し、還元処理装置Fで、循環還元処理し、更に水を1次脱気・還元処理タンクCで加圧還元処理1する。
4 茸Aを水に還元処理1を加えた1次脱気・還元処理タンクCへ入れ、密封して真空ポンプDで脱気して茸内部の空気を除き,水素供給装置H、還元処理装置Fを作動させて1次脱気・還元処理タンクCと循環させ、水素Hを添加し、茸の還元1を行う。
5 次に予め水Bを1次脱気・還元処理タンクC内で真空ポンプDを用い脱気2して調味3し、ポンプ装置G、還元処理装置Fを作動させて1次脱気・還元処理タンクCと循環させ、水素Hを添加し、還元処理を行い、調味液還元溶液6を準備する。
6 予備還元1の終了した茸を調味液の1次脱気・還元処理タンクC処理液6溶液へ入れて、1次脱気・還元処理タンクCからガスを吸引排出する真空ポンプDで、再度真空脱気4する
7 脱気後、1次脱気・還元処理タンクDの蓋を開いて、還元処理した茸を入れて、ポンプ装置Gと還元磁化処理装置Fおよび1次脱気・還元処理タンクDをパイプで連結し、還元磁化処理をセットする。
8 Dのパイプのセットが終了したら、ポンプ装置Gと還元磁化処理装置Fを作動させて、密閉耐圧容器D内の還元処理調味溶液6を循環させ、調味溶液をさらに強く還元磁化処理6する。
9 還元磁化処理6が終了した茸7を取り出しアルミ被覆材のレトルト用袋7に入れ、真空包装機Iで真空パック8する。
10 真空包装Iが終了したら、真空包装パック8をレトルト殺菌装置Kへ入れて茸毎に最適な食感を維持できる範囲の温度、時間を選定して加熱殺菌する。
100℃の加熱殺菌槽Kにより完全殺菌を行う場合は常温で一昼夜おいて翌日再度加熱殺菌を行う。殺菌後は急冷Lして冷蔵保蔵11する。
原理は茸内部がら真空処理時に排出される香気を還元磁化処理水に溶解させ、真空包装時に水に溶けた香気が水と共に再度茸組織内へ逆に浸入させる方法である。
香気を茸内により多く閉じ込めるその他の要点は、香気の損失を防ぐため組織内部まで還元磁化処理した茸をそのままで、予め用意しておいたガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に早急に充填することである。
アルミ被服加工を施したレトルト袋の封入は、香気も水素も通過できないので、香気の保存と還元性の保存さらには抗酸化機能の維持に適している。
さらに、香気をより多く茸内に留めるためには、レトルト袋充填の際、還元磁化処理した調味液を、茸を浸す程度に少量添加し、真空包装後に殺菌する。
製品は無菌且つ保蔵性が高く、その使用面は香りが高く、焼いて良し、煮て良し、多様性のある食材として、そのままで刺身として最適なファストフードとなる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するものであり、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
大豆の組織内の還元置換と豆乳の性質変化について。
(pH及び酸化還元電位の測定法)
加工茸のpHの測定は、先端の尖った貫入電極により茸組織内部のpHを測定した。
酸化還元電位の測定は先端の尖った貫入pH電極痕の茸組織孔に白金電極を差し込んでEhの測定を行った。
[測定機器]:メトラー ポータブルpHメーター MP120BE
【0026】
対照区の豆乳加工方法
1 大豆を通常の水に1夜浸漬し、翌朝水切りした。
2 浸漬した大豆に6倍の水を加えて摺り潰し、鍋で加熱した。
3 加熱は沸騰5分後まで継続し、綿布袋に入れて、加圧・搾汁する。
4 搾汁した豆乳はアルミ箔膜レトルトパックに詰め、封入し加熱殺菌した。
5 加熱殺菌した豆乳溶液の酸化還元電位を測定した。
【0027】
脱気還元処理区の豆乳加工方法
1 大豆を還元処理水に浸し、真空脱気後、還元水を入れ替え1夜浸漬し、翌朝水切りした。
2 浸漬した大豆に6倍の還元水を加えて摺り潰し、鍋で加熱した。
3 加熱は沸騰5分後まで継続し、綿布袋に入れて、加圧・搾汁する。
4 搾汁した豆乳はアルミ箔膜レトルトパックに詰め、封入し加熱殺菌した。
5 加熱殺菌した豆乳溶液の酸化還元電位を測定した。
【0028】
実験の結果

【0029】
結果の概要
対照区の加工用水は+230mVで、市の水道水よりやや低く、井戸水程度の酸化還元電位であった。これを還元処理すれば−600mVと強還元になる。
これらの水を用いて、対照区は大豆を洗ってそのまま浸漬したのに対し、脱気還元処理区は大豆を洗って還元水に浸漬後真空脱気を行って循環式還元処理装置で酸化還元電位が−600mVに成るように処理した。
浸水1夜対照区の酸化還元電位は殆ど変化がないのに対し、脱気還元処理区の水の酸化還元電位は空気中の酸素によりやや上昇した。これを加熱処理し、豆乳精製時の酸化還元電位は、対照区がポリフェノール等の抗酸化物質の影響で、電位が200mV程度低下したが、脱気還元処理区では、組織内の酸化物質の影響で約300mV上昇した。以後、レトルト封入時、保蔵1週間後にどちらの区も大きな変化は認められなかった。しかし、脱気還元処理区の電位が対照区より100mV以上低下していることは、還元処理によって、大豆の抗酸化性分が多く残っていること示し、成分的に高品質であることを示している。
【実施例2】
【0030】
野菜及び肉の還元加工について
【0031】
対照区の野菜食品の加工方法
加工品の酸化還元性を調査するため、煩雑な条件を省き、条件を揃えるため、直径3センチ程度の太めの人参を長さ4センチに切断し、通常の水に1夜浸漬後、レトルト袋に入れ、真空パックし、通常のレトルト加熱殺菌を行った。
【0032】
脱気還元処理区の野菜食品の加工方法
対照区と同様直径3センチ程度の太めの人参を長さ4センチに切断し、還元水中で浸漬脱気して、本出願の循環還元システムで再度循環還元処理を行い、還元水に1夜浸漬後、レトルト袋に入れ、真空パックし、通常のレトルト加熱殺菌を行った。
【0033】
対照区の肉食品の加工方法
加工品の酸化還元性を調査するため、煩雑な条件を省き、条件を揃えるため、熊本産豚肉を4センチ角に切断し、そのまま通常の水に2時間浸漬後、レトルト袋に入れ、真空パックし、通常のレトルト加熱殺菌を行った。
【0034】
脱気還元処理区の肉食品の加工方法
対照区と同様熊本産豚肉を4センチ角に切断し、そのまま、還元水中で浸漬脱気して、本出願の循環還元システムで再度循環還元処理を行い、還元水に2時間浸漬後、レトルト袋に入れ、真空パックし、通常のレトルト加熱殺菌を行った。
【0035】
実験の結果

【0036】
結果の概要
使用した水の酸化還元電位は+300mVであったが、これを還元処理した水の酸化還元電位は−600mVであった。これらの水を用いて脱気浸漬処理を行い試験したが、
野菜の加工では、生人参の組織にはデヒドロゲナーゼ活性が強いので呼吸により酸化還元電位が+45mVと水より低い値を示していた。これを加熱した場合もカロチンの抗酸化作用があるので、+48mVを示していた。還元処理区では水は−600mVであるが、1夜後は空中の酸素と組織中の酸化要因で−550mVに上昇した。更に加熱加工した場合は、組織中の酸化要因が強く働いて−430mVへ上昇した。これら対照区と還元処理区の相違は、加熱加工中に多くの抗酸化成分が分解され、還元処理により多くの機能性成分が保護されて残っていることを示している。
肉の加工では、生肉は既に死んでいるので、の組織のデヒドロゲナーゼ活性がないので酸化還元電位は+230mVであまり低下しなかった。これを加熱した場合は、+81mVに低下した。このことは組織内に抗酸化成分が残っていることを示している。
還元処理区では生は温度が低いので抗酸化成分の作用が弱く−580mVまで低下したが、加熱加工した場合は、組織中の酸化要因が働いて−530mVに上昇した。
しかし、これらの相違は、加熱加工中に多くの抗酸化成分が分解されるが、還元処理により多くの抗酸化成分が残存し、機能性が高いことを示している。
【実施例3】
【0037】
抗酸化還元レトルト茸食品の製造について
(抗酸化食品機能の測定法)
【0038】
b)コントロールサンプル
分析希釈液10mLを50mL三角フラスコに採取し、さらにエタノール10mLを加えて混合し、DPPH試薬5mLを加えて30秒間攪拌し、2分後に分光光度計で520nmの吸光度を測定する。
【0039】
c)測定機器:分光光度計 日立製作所 UV1800
【0040】
3.計算
コントロールサンプルとサンプル各6検体の吸光度を交互に測定して平均値を求め、フリーラジカル消去率(%)を(式1)によって算出する。
【0030】
[式1]
フリーラジカル消去率[%]=[Ac−As/Ac]×100 (式1)
但し Ac:コントロールサンプルの吸光度
As:サンプルの吸光度
フリーラジカル消去能値[μM/L]=Cc−Sc
但し Cc:コントロールサンプルのフリーラジカル値[μM/L]
Sc:サンプルフリーラジカル値[μM/L]
【0041】
(フリーラジカル消去能の測定法)
1.試薬
a)[0.2molDPPHエタノール溶液]:1,1−Diphenyl−2−picrylhydrazil3.5mgを99%エタノール50mlに溶解し30分間攪拌する。DPPHエタノール溶液溶液は、冷却し容器をアルミフォイルで包む。DPPHエタノール溶液溶液の調整後2時間以内に測定を終了する。
【0042】
b)[0.2molMES緩衝溶液(pH7.0)]:2Morphlinoethanesulphonic acid 3.5gを蒸留水に溶解し、希水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整した後、蒸留水を加えて200mLとする。
【0043】
c)[DPPH試薬]:0.2molDPPH試薬2容と、0.2molMES緩衝液(pH7.0)1容と、蒸留水1容を混合する。
【0041】
2.操作
a)サンプル
試料50gを搾汁し、搾汁液20mLにエタノール20mLを加えて、乾燥濾紙で濾過した後、濾液20mLを50mL三角フラスコに採取して、DPPH試薬5mLを加え、30秒間攪拌し、2分後に分光光度計で520nmの吸光度を測定する。
【0044】
(物性テストの方法)
各種の茸を生のまま、還元加熱処理し、レオメーターを用いて物性の調査を行った。
【0045】
a)生のままの対照:ゆきたけ、椎茸、エンリギを生のまま調味液に浸潰した。
b)還元加熱処理:ゆきたけ、椎茸、エンリギをを生のまま調味液に浸漬し、還元処理を行って真空包装後、加熱殺菌し冷却して用いた。
c)測定機器:レオメーター フドウ レオメーターNRM−2010J−CW
【0046】
茸の対照区の加工方法
1 石突きを除いた茸を還元処置しない調味液に漬けた。
2 アルミ被覆材のレトルト用袋に入れ、真空包装機で真空パックした。
3 真空包装が終了後、真空包装パックを120℃のレトルト殺菌槽へ入れて30分間加熱殺菌した。殺菌終了後ら直ちに冷却装置で冷却し、冷蔵保存した。
【0047】
茸の還元磁化処理区の加工方法
1 水を密閉耐圧容器へ入れて、調味後、密閉耐圧容器とパイプでポンプ装置の吸入口と連結し、さらにポンプ装置の吐出口と還元処理装置の吸入口とをパイプで連結し、還元処理装置の吐出口と密閉耐圧容器をパイプで連結した。
2 パイプの連結が終了したら、ポンプ装置と還元処理装置を作動させて、水素供給装置から供給される水素を添加し、還元処理装置で、調味溶液を密閉耐圧容器内で還元磁化処理した。
3 密閉耐圧容器へ茸を入れ、調味液をポンプ装置、還元処理装置、密閉圧容器と循環させて水素を添加し、還元磁化処理をさらに継続した。
4 還元処理が終了し、茸の酸化還元電位が十分低下してから、茸を取り出しアルミ被覆材のレトルト用袋に入れ、真空包装機で真空パックした。
5 真空包装が終了してから、真空包装パックを120℃のレトルト殺菌槽へ入れて30分間加熱殺菌した。殺菌終了後ら直ちに冷却装置で冷却し、冷蔵保存した。
【0048】
試験の結果

【0049】
結果の概要
加工した食品の物性は、加熱時の温度、時間によって左右されるので、本実験では加熱温度120℃、加熱温度30分で実施した。
ゆきたけは椎茸より柔らかい傾向にあり、その他の性質も若干違いが認められた。
対照区と還元磁化処理による物性の違いは、処理により圧縮距離、破断応力、破断強度、やわらかさ、硬度いずれの数値もやや高い傾向を示し、食感がよくなる傾向を示していると考えられる。最も重要な酸化防止機能は、酸化還元電位が還元磁化処理によって大幅に低下し、フリーラジカル消去能も微弱ながら発生している。
【産業上の利用可能性】
【0050】
食品は、加熱加工中に機能成分が、食材に含まれる気泡中の酸素によって酸化されるので品質低下が起こる。
そのため多くの技術では、化学的還元剤の使用、アスコルビン酸等抗酸化剤の使用が行われている。これらは渋味、苦み等それぞれに味に係わる変化を有しているので添加物によっても製品の品質低下を起こす原因となっている。
本発明は食品加工プロセスの中で、水素の添加による還元処理で加熱酸化による劣化を防止し、さらに還元磁化処理によって食材に含まれる水分に抗酸化機能を与える作用で製品の高品質化を可能とした。
抗酸化機能を有する水は通常アントシアニン、その他の抗酸化性ポリフェノール食品と違い吸収力が極めて優れているので、含まれる抗酸化物質と合わせて抗酸化食品として、機能性を一段と高めるだけでなく、添加物を加えることなく自然の味のまま長期品質保持の可能な食品を広く提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】は1次及び2次の脱気・還元処理タンクシステムである。
【図2】は還元食品の簡易低コスト生産工程システムである。
【図3】は還元食品の生産工程システムである。
【図4】は還元磁化食品の生産工程システムである。
【符号の説明】
材料及び装置符号
A 原料(食材)
B 加工用水
C1 1次脱気・還元処理タンク(加工用液・食材予備脱気用開閉型密閉耐圧容器)
C2 2次脱気・還元処理タンク(調味液・食材脱気用開閉型密閉耐圧容器)
D1 1次真空ポンプ
D2 2次真空ポンプ
E1 1次還元処理装置(加工用液・食材予備還元処理装置)
E2 2次還元処理装置(調味液・食材還元処理装置)
F1 1次還元磁化処理装置(加工用液・食材予備還元磁化処理装置)
F2 2次還元磁化処理装置(調味液・食材還元磁化処理装置)
G1 1次循環ポンプ(加工用液・食材予備還元循環ポンプ)
G2 2次循環ポンプ(調味液・食材還元循環ポンプ)
H1 1次水素供給装置(用液・食材予備還元用水素供給装置)
H2 2次水素供給装置(調味液・食材還元用水素供給装置)
I 真空包装機
J 加熱殺菌槽
K レトルト殺菌機
L 急速冷却槽
部位符号
a 1次及び2次の還元処理装置又は還元磁化処理装置の吐出口
b 1次及び2次の脱気還元処理タンク入り口
c 1次及び2次の脱気還元処理タンク吐出口
d 循環ポンプ吸引口
e 循環ポンプ吐出口
f 1次及び2次の還元処理装置又は還元磁化処理装置の授入口
g 真空ポンプのパイプ
h 網目バケット(1次及び2次脱気還元処理タンク内の食材浸漬装置)
i 1次及び2次脱気還元処理タンクの蓋
j 1次脱気還元処理タンクと2次脱気還元処理タンクとを連結する通導パイプ及び開閉バルブ
k 1次及び2次脱気還元処理タンクと1次及び2次還元処理装置又は還元磁化処理装置と1次及び2次循環ポンプとを連結する通導パイプ及び開閉バルブ
l 1次及び2次水素供給パイプ
作業符号
1 還元水へ食材浸漬及び還元処理
2 水、調味液食材予備脱気操作
3 調味作業
4 調味液・食材脱気
5 還元処理
6 還元磁化処理
7 アルミ(レトルト加工)容器へ還元処理食材及び還元磁化処理食材の袋詰め
8 真空包装
9 加熱槽殺菌
10 レトルト殺菌
11 冷蔵保蔵
12 常温保蔵

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工用液及び食材の予備還元処理又は還元磁化処理をする1次脱気還元処理タンク又は1次脱気還元磁化処理タンクと、
1次真空ポンプと、
加工用液及び食材の予備還元処理又は予備還元磁化処理をする1次還元処理装置又は1次還元磁化処理装置と、
1次水素供給装置と、
加工用液及び食材の予備還元処理又は還元磁化処理をするため1次還元処理装置又は1次還元磁化処理装置と連動する1次循環ポンプと、
調味液を作り、さらに予備還元処理をした食材の脱気及び還元処理又は還元磁化処理をする2次脱気還元処理タンク又は2次脱気還元磁化処理タンクと、
2次真空ポンプと、
調味液を作り予備還元処理をした食材の脱気及び還元処理又は還元磁化処理をする2次還元還元処理装置又は2次還元磁化処理装置と、
2次水素供給装置と、
調味液を作り予備還元処理をした食材の還元処理又は還元磁化処理をするため2次還元処理装置又は2次還元磁化処理装置と連動する2次循環ポンプと、
1次脱気還元処理タンクまたは1次脱気還元磁化処理タンクと2次脱気還元処理タンク又は2次脱気還元磁化処理タンクとの間を連結通導する開閉バルブを有する連絡パイプと、
1次、2次還元処理タンク内で食材を完全に加工用水、調味液中に沈める機能の網目バケットとからなり、食材を網目バケットに入れて1次及び2次還元処理タンク内の溶液中で、食材が外気に触れることなく脱気、還元置換、連続循環還元処理及び連続循環還元磁化処理等の還元処理を行うことを特徴とする食品の還元処理及び還元磁化処理システム。
【請求項2】
請求項1で脱気還元磁化処理タンクを1つだけで処理を行うため、脱気還元処理タンクと、
食材を還元処理する容器へ水を送るポンプ装置と
真空ポンプと、
水素を供給する装置と、
脱気還元処理タンクで食材を浸漬して水素を添加し、還元処理装置と、
常圧加熱殺菌装置とを用い、
食材を脱気還元処理タンクへ入れて還元処理水により予備還元処理を施し、
脱気還元処理タンク内で還元処理した調味液に浸漬し、
脱気還元処理タンク内で再度脱気して組織内の気泡を除き還元調味液と置換し、
食材の組織内に還元水が浸透するまで水素ガスを溶解させて還元処理し、
還元調味料が、十分食材の組織に満たされた時点で、食材を取り出し、
食材と調味液をガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に充填し、
真空包装機で真空包装密閉後、煮沸湯煎で100℃、10〜60分煮沸殺菌を行い、
さらに1昼夜常温に放置後、湯煎装置で100℃、10〜60分煮沸殺菌を行い、
出来上がった製品が袋から取り出した段階で、強い還元性を示すことを特徴とする還元食品の簡易低コスト生産方法。
【請求項3】
加工用液及び食材の予備還元処理又は還元磁化処理をする1次脱気還元処理タンク又は1次脱気還元磁化処理タンクと、
1次真空ポンプと、
加工用液及び食材の予備還元処理又は予備還元磁化処理をする1次還元処理装置又は1次還元磁化処理装置と、
1次水素供給装置と、
加工用液及び食材の予備還元処理をするため1次還元処理装置又は1次還元磁化処理装置と連動する1次循環ポンプと、
調味液を作り、さらに予備還元処理をした食材の脱気及び還元処理又は還元磁化処理をする2次脱気還元処理タンク又は2次脱気還元磁化処理タンクと、
2次真空ポンプと、
調味液を作り予備還元処理をした食材の脱気及び還元処理又は還元磁化処理をする2次還元還元処理装置又は2次還元磁化処理装置と、
2次水素供給装置と、
調味液を作り予備還元処理をした食材の還元処理をするため2次還元還元処理装置又は2次還元磁化処理装置と連動する2次循環ポンプと、
1次脱気還元処理タンクまたは1次脱気還元磁化処理タンクと2次脱気還元処理タンク又は2次脱気還元磁化処理タンクとの間を連結通導する開閉バルブを有する連絡パイプと、
1次、2次還元処理タンク内で食材を完全に加工用水、調味液中に沈める機能の網目バケットを用い、
食材を1次脱気還元磁化処理タンク内で脱気後予備還元磁化処理を施し、
食材を2次脱気還元磁化処理タンク内に移した後、同容器内で還元磁化処理した調味液に浸漬し、
容器を密閉して素材中に含まれる気体を真空脱気し、
脱気後常圧に戻し、食材の組織内へ磁化還元水を浸透させ、
更に、常圧に戻すと同時に食材の入った調味液を再度還元磁化処理を加えて抗酸化機能を与え、
抗酸化機能を有する還元磁化調味料が、十分食材の組織に浸透し満たされるまで処理を継続し、
還元磁化処理が終了した時点で、食材を取り出して、
ガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に充填し、
真空包装機で真空包密閉装し、
レトルト装置で120℃、10〜60分加熱加圧処理殺菌を行って仕上げ、
仕上がった製品が袋から取り出した段階で、還元力を有するレトルト食品となることを特徴とする還元レトルト食品及び還元磁化レトルト食品の生産方法。
【請求項4】
請求項1及び請求項2において用いる食材が肉及び魚肉であることを特徴とする還元食品及び還元磁化レトルト食品。
【請求項5】
請求項1及び請求項2において用いる食材が野菜及び穀類であることを特徴とする還元食品及び還元磁化レトルト食品。
【請求項6】
食材と還元磁化処理調味溶液を入れて真空脱気し、還元処理する脱気還元処理タンクと、
密閉耐圧容器からガスを吸引排出する真空ポンプと、
還元磁化処理装置と、
ガス供給装置と、
送水循環ポンプ装置と、
真空包装機と、
常圧加熱殺菌装置を用い、
茸を網目バケットへ入れて還元処理する脱気還元処理タンクへ入れ、
脱気還元処理タンクと送水循環ポンプ装置と還元処理装置と水素を供給するガス供給装置とを接続して還元処理を行い、
還元処理後脱気還元処理タンクを密閉して真空ポンプで脱気し、
還元処理には0.1〜10テスラの磁石を内臓して磁化する還元磁化処理装置を用い、
食材を生のまま用いて還元処理水により予備還元処理を施し、
密閉耐圧容器内に移した後、還元磁化処理した調味液に浸漬し、
耐圧容器を密閉して素材中に含まれる気体を真空脱気し、
脱気後常圧に戻し、食材の組織内へ還元水を浸透させ、
更に、常圧に戻すと同時に食材の入った調味液を再度還元処理を加えて、
還元性を有する調味料が、十分食材の組織に満たされるまで処理を継続し、
還元処理が終了した時点で、食材を取り出して、
ガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に食材を充填し、
真空包装機で真空包装密閉後、煮沸湯煎で100℃、10〜60分煮沸殺菌を行い、
さらに1昼夜常温に放置後、湯煎装置で100℃、10〜60分煮沸殺菌を行い、
出来上がった製品が袋から取り出した段階で、強い還元性を示し、抗酸化性を有する食品になることを特徴とする還元食品の生産方法。
【請求項7】
請求項6において、材料として茸の石付きの先端部分を除去した芳香性の松茸、松露、つる茸、網茸、その他の芳香性茸を用い、原理は茸内部がら真空処理時に排出される香気を還元磁化処理水に溶解させ、真空包装時に水に溶けた香気が水と共に茸組織内へ逆に浸入させ、香気を茸内により多く閉じ込める目的で、香気の損失を防ぐため組織内まで還元処理した茸をそのままで、予め用意しておいた、ガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に充填し、香気を還元磁化調味液のマイナスチャージで捕捉して茸内に留めるため、還元磁化処理した調味液を、茸を浸す程度に少量添加し、真空包装後に殺菌する請求項2または請求項3または請求項6によって製造を可とする、香気性が強く、保蔵性の高い芳香性茸を生産することを特徴とする芳香性還元茸食品。
【請求項8】
請求項6において、材料として、椎茸、しめじ、ゆきたけ、エンリギ、その他の茸を生のまま石付き先端部分を除去して用い、密閉耐圧容器内に還元磁化処理して用意した調味液に浸漬し、耐圧容器を密閉して素材中に含まれる気体を真空脱気し、脱気後常圧に戻し、茸の組織内へ磁化還元水を浸透させ、
更に、常圧に戻すと同時に茸の入った還元磁化調味液を還元磁化装置と連結し、
再度還元磁化処理して抗酸化機能を与え、
抗酸化機能を有する磁化調味料が、十分茸の組織に満たされるまで処理を継続し、
さらに密閉容器内で密封し、5分以上水素ガスを添加して2〜10kg/cmに加圧し、
加圧水素飽和処理が終了した時点で、密閉耐圧容器から茸を取り出して、
ガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に充填し、
100℃で30分〜1時間加熱殺菌し、翌日同様に加熱殺菌するか120℃で30分〜1時間のレトルト殺菌を行う。請求項2または請求項3または請求項6によって製品化することが可能で、生産物は無菌且つ保蔵性が高く、その使用面は香りが良く多様性のある食材としても使用できるが、そのままで刺身として最適なファストフードとなることを特徴とする還元茸食品。
【請求項9】
材料として、きくらげ、なめ茸、ひら茸、マッシュルーム、エノキ茸、舞茸、網茸、その他の茸臭の強い茸を用いて、
石付き先端部分を除去して用い、還元磁化水にソフトに浸漬水洗を繰り返して、プラスに荷電している不快成分を還元磁化水のマイナスのチャージで溶解除去し、
洗浄処理の終わった茸と還元磁化調味液とを密閉耐圧容器に充填し、耐圧容器を密閉して素材中に含まれる気体を真空脱気し、
脱気後常圧に戻し、茸の組織内へ磁化還元水を浸透させ、
更に、常圧に戻すと同時に茸の入った調味液を再度還元磁化処理を加えて抗酸化機能を与え、
抗酸化機能を有する磁化調味料が、十分茸の組織に満たされるまで処理を継続し、
還元磁化処理が終了した時点で、茸を取り出して、
ガスの通過できない素材のアルミ被服加工を施したレトルト封入用袋に充填し、
100℃で30分〜1時間加熱殺菌し、翌日同様に加熱殺菌する方法を用いるか、120℃で30分〜1時間のレトルト殺菌を行う。請求項2または請求項3または請求項6によって製品化する事が可能で、
生産物は無菌且つ保蔵性が高く、その使用面は不快物質が除かれ、多様性のある食材としても使用できるが、そのままで刺身として最適なファストフードとなり、常温で保蔵することことが可能であることを特徴とする除臭処理還元レトルト茸食品。
【請求項10】
請求項7、請求項8、請求項9において、歯ごたえを重視する食感の茸食品について、加熱温度を100〜120℃、加熱殺菌時間を10〜30分の浅めの殺菌とし、硬度を保ち、急速冷却後氷温で保存することを特徴とする還元さしみきのこ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−307051(P2008−307051A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151068(P2008−151068)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(398053550)有限会社情報科学研究所 (16)
【Fターム(参考)】