説明

部分的に回転可能な電源コンセント

【課題】本発明は、回転可能なUSBコンセントの構造を設けることによりUSB差し込み口の使用範囲を広げることができる、部分的に回転可能な電源コンセントを提供する。
【解決手段】少なくとも一つの回転軸部材を具える本体と、該本体上に設けられる少なくとも一組の差し込み口と、該回転軸部材によって該本体と枢設され、該回転軸部材を軸心にして回転する回転体と、該回転体上に設けられ、該回転体に連動して回転する少なくとも一つのUSB差し込み口とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源コンセントに関し、特に部分的に回転可能な電源コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、最もよく見られる携帯式電子製品の電源供給方法はUSBコネクタを利用する方法であり、USBプラグを電子機器のUSBコンセントに差し込んで電源の供給を行う。
【0003】
しかしながら、上述のように携帯式電子製品をUSBで接続して充電する方法においては、携帯式電子製品は電源を供給する電子機器に接続する必要があり、その電源を供給する電子機器上にはUSBコンセントが必要になる。旧式の電子機器はUSBコンセントが具えられてないため、上述のような充電方法だと、メーカーがUSB接続に対応させるために新たに製品を設計しなおさなければならないという負担を生じさせる。
【0004】
従来のUSBコンセントの多くは電子製品の周縁上に固定して設けられているため、携帯式電子製品のUSBプラグをこの種の固定式USBコンセントに差し込むと、携帯式電子製品の移動範囲はUSBコネクタを接続した方向による制限を受けることになり、移動させる際の利便性が下がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、回転可能なUSBコンセントの構造を設けることによりUSB接続が可能な各種電子製品に直接電源供給を行うことができるとともに、従来の固定式USBコンセントがUSB接続の方向の制限を受けるという問題を解決し、しかも構造が簡易なため製作コストも下げることができる部分的に回転可能な電源コンセントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による部分的に回転可能な電源コンセントは、少なくとも一つの回転軸部材を具える本体と、該本体上に設けられる少なくとも一組の差し込み口と、該回転軸部材によって該本体と枢設され、該回転軸部材を軸心にして回転する回転体と、該回転体上に設けられ、該回転体に連動して回転する少なくとも一つのUSB差し込み口とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明による部分的に回転可能な電源コンセントは、簡易な構造のため製作コストが低く、間接的な電子製品を介在することなくUSBコネクタを通じて直接電子製品に電源を供給することができるため利便性と効率性が高い。しかも、本発明の電源コンセントの回転体により、使用環境に応じてUSB差し込み口の方向を変えることができるため使用範囲が広がる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例1の外観を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施例2の外観を示した斜視図である。
【図3】本発明の実施例3の外観を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施例4の外観を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施例5の外観を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施例5を使用した状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の実施例1の外観を示した斜視図である。図1に示すように、本発明の部分的に回転可能な電源コンセント1aは、本体10a、少なくとも一組の差し込み口18a、回転体12a、及び少なくとも一つのUSB差し込み口16aを備え、本体10aは、第一ケース101、第二ケース103、及び回転軸部材105aを含む。また、部分的に回転可能な電源コンセント1aは、収容部14a、電源スイッチ22a、及びインジケーターランプ24aを更に含む。
【0010】
本体10aは、第一ケース101と第二ケース103を組み合わせてなる中空状のコンセント本体である。少なくとも一組の差し込み口18aは本体10a上に設けられ、電子製品を差し込み口18aに電気的に接続することで交流電源を得ることができる。本実施例においては、本体10aの周縁に少なくとも一つの回転軸部材105aを設け、回転体12aは回転軸部材105aと組み合わせることで本体10aに枢設される。これにより、回転体12aは回転軸部材105aを軸心にして水平に回転することができる。その回転角度は、本体10aの構造によって決定される。本実施例では、本体10aの周縁に設けられた収容部14a内部に回転軸部材105aを取り付けることで、回転体12aは約180度回転させることができる。また、回転体12a上には少なくとも一つのUSB差し込み口16aが設けられ、回転体12aが回転することによりUSB差し込み口16aの向く方向も変化する。なお、差し込み口18aは、二つ穴コンセント、三つ穴コンセント、或いはそれらの組み合わせにすることができる。ここでは、220V規格の三つ穴コンセント(このコンセントが使用可能な地域は、香港、中国等である)を例にして説明しているが、差し込み口の規格の種類はこれに限定されない。
【0011】
その他、本実施例は電源スイッチ22aを設けることができ、使用者は電源スイッチ22aを押すことで電源の供給を制御することができる。また、インジケーターランプ24aによって、USB差し込み口16aの作動状態を使用者に知らせることができる。例えば、インジケーターランプ24aが点灯している時は、USB差し込み口16aが正常に作動していることを表し、USB差し込み口16aに電気的に接続されている携帯式電子製品に電源を供給する。反対に、インジケーターランプ24aが点灯していない時は、USB差し込み口16aの作動が停止しているか、異常作動が発生していることを表し、USB差し込み口16aに電気的に接続されている携帯式電子製品に電源の供給を行わない。
【実施例2】
【0012】
図2を参照する。図2は本発明の実施例2の外観を示した斜視図である。図2に示すように、本実施例の部分的に回転可能な電源コンセント1bにおける各部材の接続関係は図1と同様であり、唯一構造が異なる箇所は本体10b上における回転軸部材105b、回転体12b及び収容部14bの構造である。回転軸部材105bは本体10bの周縁に設けられ、収容部14bは、回転体12bの大きさ及び様式に応じてその大きさや様式が変化する。本実施例では、回転体12bは回転軸部材105bを軸心にして収容部14b内で縦方向に約90度回転させることができ、それに連動して回転体12b上に設けられたUSB差し込み口16bも同じ方向に約90度回転する。なお、本実施例で説明した回転軸部材105bの設置位置は一つの具体例にすぎず、これに限定されるものではない。また、USB差し込み口16bは、二つの回転軸点1050bにより接触導通し、電源と電気的に接続されて電源を供給することができる(図示せず)。差し込み口18bの規格は、ここでは二つ穴コンセントを例に挙げて説明しているが、これに限定されない。
【実施例3】
【0013】
図3を参照する。図3は本発明の実施例3の外観を示した斜視図である。本実施例の部分的に回転可能な電源コンセント1cにおける各部材の接続関係は図1と同様であり、唯一構造が異なる箇所は本体10c上における回転軸部材105c、及び回転体12cの構造である。本実施例では、回転軸部材105cは本体10cの前端に設けることができるがこれに限定されず、例えば後端や中間に設けることができる。図3に示すように、本体10cに回転軸部材105cを突設し、回転体12cを回転軸部材105cに接続することで、回転体12cは本体10cの外部で回転軸部材105cを軸心にして回転することができる。従って、本実施例の回転体12cは本体10c自体の構造による回転スペースの制限を受けない。言い換えると、回転体12cは回転軸部材105cを軸心として任意の角度(即ち360度)に回転させることができ、それに連動して回転体12c上に設けられたUSB差し込み口16cも同じ方向に任意の角度に回転する。また、USB差し込み口16cは、回転軸点1050cにより接触導通し、電源と電気的に接続されて電源を供給することができる。なお、回転軸部材105cの設置位置は本実施例で示したような本体10cの両端に突設する以外に、本体10cの中間位置に設けることもできる。図3で示したUSB差し込み口16cの数量は実施例でありこれに限定されず、USB差し込み口16cの配置方法は並列配列や直列配列にすることができる。差し込み口18cの規格は、ここでは三つ穴コンセントを例に挙げて説明しているが、これに限定されない。
【実施例4】
【0014】
図4を参照する。図4は本発明の実施例4の外観を示した斜視図である。図4に示すように、本実施例の部分的に回転可能な電源コンセント1dにおける各部材の接続関係は図1と同様であり、唯一構造が異なる箇所は本体10d上における回転軸部材105d、及び回転体12dの構造である。本実施例においては、部分的に回転可能な電源コンセント1dの本体10dの一面上に差し込み口18dを設ける。また、回転体12dを本体10dに接続することで、回転体12dに設けられたUSB差し込み口16dは、回転体12dと連動して本体10d外部で任意の角度に回転することができる。なお、様々な設計需要に応じて、回転体12dと本体10dは嵌合して一体化させることもできる。また、回転軸部材105dの一方をプラグ20dに導通接続し、その他方を本体10dの他面に枢設することで、プラグ20dは回転軸部材105dを利用して回転体12d内で、本体10dを軸心にして任意の角度(即ち360度)に、単独で回転することができる。このように、プラグ20dは単独で作動するため、回転体12d上に設けられたUSB差し込み口16dと本体10d上に設けられた差し込み口18dの回転動作に影響を受けない。本体10dの軸心の方向は回転軸部材105dの中心軸の方向と一致する。なお、本実施例の回転体12dは、本体10d自体の構造による回転スペースの制限を受けない。インジケーターランプは、発光ダイオードのインジケーターランプ241dであり、発光ダイオードのインジケーターランプの点灯は電源供給状態を示し、非点灯時は電源を供給していない状態を示す。
【実施例5】
【0015】
図5を参照する。図5は本発明の実施例5の外観を示した斜視図である。本実施例の部分的に回転可能な電源コンセント1eにおける各部材の接続関係は図1と同様であり、唯一構造が異なる箇所は本体10e上における回転体12eの構造である。本実施例においては、部分的に回転可能な電源コンセント1eの本体10eの一面上に差し込み口18eを設け、その他面にプラグ20eを設ける。プラグ20eは、二つの導電端子或いは三つの導電端子を具えている。回転軸部材(図示せず)は、本体10eと回転体12eの間に設けられ、回転体12eは、本体10e外部を囲繞するように、本体10eを軸心にして任意の角度(即ち360度)に回転させることができ、回転体12eに設けられたUSB差し込み口16eも回転体12eと連動して本体10e外部を任意の角度に回転する。本実施例の回転体12eは、本体10e自体の構造による回転スペースの制限を受けない。発光ダイオードのインジケーターランプ241eの点灯は電源供給状態を示し、非点灯時は電源を供給していない状態を示す。
【0016】
図5に併せて、図6を参照する。図6は、本発明の実施例5を使用した状態を示した説明図である。USB差し込み口16eにUSBプラグを差し込んだ後、回転体12eを回転させ、USB差し込み口16eの方向を変えることができる。
【0017】
上述したように、本発明による部分的に回転可能な電源コンセントは、様々な需要に応じてUSBコンセントの方向を変えることができるため、固定式USBコンセントのようにUSBの接続方向の制限を受けることがなく、利便性が高い。また、USBコンセントを設けた構造により、USB接続が可能な各種の電子製品に直接電源を供給することができ、しかも簡易な構造のため製作コストも低い。なお、部分的に回転可能な電源コンセントの回転軸部材は各種の形状、例えば、棒状、リング状、或いは円盤状等にすることができる。
【0018】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0019】
1a、1b、1c、1d、1e 部分的に回転可能な電源コンセント
10a、10b、10c、10d、10e 本体
101 第一ケース
103 第二ケース
105a、105b、105c、105d 回転軸部材
1050b、1050c 回転軸点
12a、12b、12c、12d、12e 回転体
14a、14b 収容部
16a、16b、16c、16d、16e USB差し込み口
18a、18b、18c、18d、18e 差し込み口
20d、20e プラグ
22a 電源スイッチ
24a インジケーターランプ
241d、241e 発光ダイオードのインジケーターランプ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの回転軸部材を具える本体と、
該本体上に設けられる少なくとも一組の差し込み口と、
該回転軸部材によって該本体と枢設され、該回転軸部材を軸心にして回転する回転体と、
該回転体上に設けられ、該回転体に連動して回転する少なくとも一つのUSB差し込み口とを備えていることを特徴とする、部分的に回転可能な電源コンセント。
【請求項2】
該本体は、
第一ケースと、
該第一ケースと組み合わされて該本体を形成する第二ケースと、
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の部分的に回転可能な電源コンセント。
【請求項3】
該本体は収容部を更に含み、
該本体の該収容部内部には該回転軸部材が架設され、該回転体は該収容部内で該回転軸部材を軸心にして回転し、該USB差し込み口は該回転軸部材の複数の回転軸点によって該差し込み口と電気的に接続され、該差し込み口は三つ穴コンセント或いは二つ穴コンセント、もしくはその組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の部分的に回転可能な電源コンセント。
【請求項4】
該本体上に設けられるとともに二つ或いは三つの導電端子を具えるプラグ、
該本体上に設けられるとともに電源の供給を制御する電源スイッチ、
該本体上に設けられるとともに電源の供給状態を示すインジケーターランプの内、少なくとも一種類を更に含み、該インジケーターランプは発光ダイオードのインジケーターランプにすることができることを特徴とする、請求項1に記載の部分的に回転可能な電源コンセント。
【請求項5】
該回転軸部材は該本体の外に突設され、該回転体は該回転軸部材を軸心にして回転し、該回転軸部材の形状は棒状、リング状或いは円盤状であることを特徴とする、請求項1に記載の部分的に回転可能な電源コンセント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−138738(P2011−138738A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26507(P2010−26507)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(505296876)勝徳國際研發股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】