説明

部品の実装方法及びその実装装置

【課題】 部品の重量に拘わらず、簡単な構成で部品を効率良く且つ制御性良く実装基板上を通過させると共に、部品を制御性良く循環させることにより自己整合による部品の実装効率を向上させることができるようにする。
【解決手段】 実装装置は、それぞれの上面に少なくとも1つの凹部を有する複数の基板における各凹部に部品を流体中で実装し、複数の基板120を上面に保持する基板保持部としてのボウル330と、該ボウル330の底部331に振動を印加する振動発生部を有する支持台390とを備えている。支持台390は、ボウル330の底部331に上下方向の振動を印加する上下振動発生器381と、該底部331に水平方向の円振動を発生する円振動発生器380とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に設けられた凹部に部品を実装する部品の実装方法及びその実装装置に関し、特に、流体を利用して自己整合的に部品を実装する部品の実装方法及びその実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子部品の実装方法は、一般に、吸着機構を持った吸着ヘッドを用いて電子部品を1つ1つ基体又は基板に接合する方法が用いられている。具体的には、電子部品を吸着ヘッドにより吸着し、電子部品が実装される基体又は基板の所定の位置に電子部品をアライメントした後、半田等により接合させる。吸着ヘッドに電子部品を供給する方法には、例えば、抵抗器等の電子部品では、パーツフィーダ等を用いて電子部品を所定の位置に1つ1つ供給し、供給された所定の位置で電子部品を吸着ヘッドにより吸着する方法が用いられる。これに対し、半導体デバイス等の電子部品では、該電子部品を所定の接着シート上に配列して保持し、配列された電子部品の1つ1つを吸着ヘッドによって直接に吸着する方法が用いられる。
【0003】
しかしながら、電子部品の1つ1つを吸着ヘッド等により吸着してアライメントを行なって接合する実装方法は、多大な労力と時間とコストとを必要とし、さらにアライメントの精度を確保し維持するのに大きな負担が掛かるため、その簡略化、特に自己整合プロセス化が強く望まれている。
【0004】
電子部品を自己整合的に実装する方法としては、例えば特許文献1に挙げられるような実装方法が提案されている。
【0005】
以下、図13及び図14を用いて従来の部品の実装方法を説明する。
【0006】
図13に示すように、従来の電子部品の実装方法は、例えば半導体チップからなる複数の部品10が、主面に複数の凹部21を有する基板20の各凹部21に実装される。凹部21は部品10の外形状に合わせて形成されており、各部品10にはテーパ状の縁部が形成されている。この複数の部品10と流体とを混合した混合液を、部品10が基板20の各凹部21に嵌合する速度で基板20の主面上に循環させることにより、各部品10が基板20に実装される。
【0007】
図14に流体を用いた従来の実装装置を示す。従来例に係る実装装置1は、実装用の基板20と例えば水とからなり部品が混合された流体40とを収納する容器3と、該容器3と接続され該容器3に窒素(N2 )ガス等からなるバブリングガスを注入するポンプ5とにより構成されている。
【0008】
容器3は、受容槽7と該受容槽7の漏斗状の底部31と接続された導管9とからなり、導管9には、窒素ガスの流入部33と流体40を受容槽7に供給する流出部35と、一端が流入部33と連結され他端が流出部35と連結されたコラム部37とが接続されている。
【0009】
基板20は受容槽7の内部に設けられたホルダ39により、流出部35から供給される流体40が基板20の主面上を流れる位置に保持される。
【0010】
ポンプ5は、コラム部37の流入部33側の端部と接続されており、コラム部37に窒素ガスを供給する。この供給されるガス量を調整することにより、基板20上を流れる部品10の量が調整される。
【0011】
より詳細には、基板20の主面上に設けられた凹部(図示せず)に配置されなかった部品10は、受容槽7の底部31に到達し、さらに導管9を経由して流入部33に達する。流入部33にはポンプ5からの窒素ガスが注入されており、この注入されたガスがコラム部37の流体40中で気泡となり上昇することにより、部品10をコラム部37の上部に気泡の浮力によってその上部に搬送する。コラム部37の上部に搬送された部品10は、流出部35から部品10と流体40の混合液として基板20上に再度供給されることにより、部品10は実装装置内を循環する。
【特許文献1】特開平9−120943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来の部品の実装方法及び実装装置は、部品10の移動が該部品10の重力による力でのみ生じるため、部品の移動を制御することが極めて困難である。さらに、従来の実装方法及び実装装置は、実装装置1の構造が複雑であると共に、部品10が流体40と循環する経路の一部にしか基板20を配置できないため、実装効率が低下するという問題を有する。
【0013】
実装装置1の構成において実装効率を向上させるには、複数の基板20を受容槽7の内部に設けた斜台の上に配置する方法が考えられるが、このような場合には、受容槽7が極めて大きくなってしまう。また、部品10を循環させる際に、流体40に混入した部品10を気泡の浮力を用いて上昇させるため、部品10を循環させる速度の制御が難しいという問題をも有する。
【0014】
さらには、部品10の重量が大きくなった場合には、部品10の上昇が不可能となる。さらには、気泡を発生させるガスを流体40中に注入するためのポンプ5を用いているため、実装装置1の構成が複雑になるという問題がある。
【0015】
本発明は、前記従来の問題を解決し、部品の重量に拘わらず、簡単な構成で部品を効率良く且つ制御性良く実装基板上を通過させられると共に、部品を制御性良く循環させることにより、自己整合による実装効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するため、本発明は、部品を混合した流体を用いる部品の実装方法及び実装装置を、実装用の基板に対して該基板の上下方向及び水平方向の振動を合成した振動を印加する構成とする。
【0017】
具体的に、本発明に係る部品の実装方法は、流体中でそれぞれの上面に少なくとも1つの凹部を有する複数の基板における各凹部に部品を実装する実装方法を対象とし、各基板に対して上下方向の振動と水平方向の振動とを合成した合成振動を印加しながら、部品を各基板の凹部に実装することを特徴とする。
【0018】
本発明の部品の実装方法によると、実装用の複数の基板に対して上下方向の振動と水平方向の振動とを合成した合成振動を印加しながら部品を各基板の凹部に実装するため、合成振動の振幅及び周波数を調整することにより、複数の基板のそれぞれの上面に部品を制御性良く通過させることが可能となるので、自己整合による実装を効率良く行なうことができる。
【0019】
本発明の部品の実装方法において、複数の基板は同心円状に保持されており、水平方向の振動は、複数の基板が保持された基板保持面に沿った円振動であることが好ましい。このようにすると、複数の部品を複数の基板の各主面上に効率良く通過させることが可能となる。
【0020】
本発明の部品の実装方法において、上下方向の振動における振幅は、部品の凹部の深さ以下とすることが好ましい。このようにすると、基板の凹部に自己整合的に実装された部品が凹部から飛び出すことを防止できる。
【0021】
本発明の部品の実装方法において、基板に設けられる凹部の平面形状又は断面形状は、部品に対して回転対称性を持たない形状であることが好ましい。このようにすると、各部品が方向性を有していても、基板の凹部に自己整合的に嵌合させることができる。
【0022】
本発明の部品の実装方法において、複数の基板が同心円状に保持されている場合に、複数の基板は同心円状の帯状領域を有する保持部材の上に保持されており、部品は保持部材における帯状領域に囲まれた領域上に無作為に供給することが好ましい。このようにすると、複数の基板のそれぞれに複数の部品を全面的に通過させることができる。
【0023】
本発明の部品の実装方法において、複数の基板の上に部品と流体との混合液を配することが好ましい。このようにすると、部品を複数の基板上にむらなく通過させることができる。
【0024】
この場合に、流体は水、アセトン及びアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの不活性液体であることが好ましい。このような不活性液体を用いると、部品に対して悪影響、例えば部品の形状を変化させることがない。
【0025】
本発明に係る部品の実装装置は、流体中で、それぞれの上面に少なくとも1つの凹部を有する複数の基板における各凹部に部品を実装する実装装置を対象とし、複数の基板を上面に保持する基板保持部と、基板保持部に振動を印加する振動発生部とを備え、振動発生部は、基板保持部に対して上下方向の振動と水平方向の振動とが合成された合成振動を印加することを特徴とする。
【0026】
本発明の部品の実装装置によると、各基板に対して上下方向の振動と水平方向の振動とを合成した合成振動を印加しながら部品を各基板の凹部に実装するため、合成振動の振幅及び周波数を調整することにより、複数の基板のそれぞれの上面に部品を制御性良く通過させることが可能となるので、自己整合による実装を効率良く行なうことができる。その上、実装装置の構成が簡単化されると共に、基板自体に合成振動を印加するため、部品をその重量に拘わらず印加された合成振動により容易に移動させることができる。
【0027】
本発明の部品の実装装置において、複数の基板は基板保持部の上に同心円状に形成された帯状領域に保持されており、振動発生部が発生する水平方向の振動は、帯状領域に沿った円振動であることが好ましい。
【0028】
この場合に、部品は基板保持部における帯状領域に囲まれた領域上に無作為に供給されることが好ましい。
【0029】
また、この場合に、基板保持部は、帯状領域の内側において各基板を保持する第1のホルダと、帯状領域の外側において各基板を保持する第2のホルダとを有し、帯状領域は第1のホルダと第2のホルダとの間に設けられていることが好ましい。このようにすると、部品が第1のホルダと第2のホルダとの間に位置し、複数の基板が保持された帯状領域の上のみを移動するようになるため、部品が基板上を通過する確率が高くなる。
【0030】
この場合に、第1のホルダの断面形状は、中央部がその周縁部よりも高い錐形状を有していることが好ましい。
【0031】
本発明の部品の実装装置において、上下方向の振動における振幅は、部品の凹部の深さ以下とすることが好ましい。
【0032】
本発明の部品の実装装置において、基板保持部は上面に帯状領域が形成された底部と該底部を囲む側壁部とを含む鉢形状を有しており、側壁部の内側には、底部の周縁部から側壁部の上部に向かう渦巻き状のトラックが設けられ、トラックにおける側壁部の上部側の端部には、該端部から底部の中央部に向かってその上方を延び且つ部品を底部の中央部に搬送する搬送路が設けられていることが好ましい。このようにすると、部品を効率良く循環させることができるようになる。
【0033】
また、本発明の部品の実装装置において、帯状領域は複数の平面の集合体からなり、帯状領域における各平面は、帯状領域の内側がその外側よりも低くなるように設けられていることが好ましい。このようにすると、後述するように、部品を循環させる速度を制御することが可能となる。
【0034】
また、本発明の部品の実装装置において、基板保持部に保持された各基板の上に、部品と流体との混合液を配することが好ましい。
【0035】
この場合に、流体は水、アセトン及びアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの不活性液体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る部品の実装方法及び実装装置によると、該実装装置に印加する合成振動の振幅及び周波数を調整することにより、複数の基板のそれぞれの上面に部品を制御性良く通過させることが可能となるため、自己整合による部品実装を効率良く行なうことができる。その上、実装装置の構成が簡単化される上に、基板自体に合成振動を印加するため、部品はその重量に拘わらず印加された合成振動により容易に移動するので、合成振動の強度を調整することにより、部品の搬送速度を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図1及び図2を用いて説明する。
【0038】
図1は本発明の第1の実施形態に係る部品の実装装置の平面構成を示している。図1に示すように、第1の実施形態に係る実装装置は、鉢形状を有するボウル130の底部131の周縁部である帯状領域132の上に、それぞれ上面に複数の凹部121が設けられた実装用の例えばシリコンからなる8つの基板120を保持する。
【0039】
ボウル130には、例えば水、アセトン又はエチルアルコール等の不活性液体に半導体チップからなる複数の部品110を混合(分散)した流体140が注入される。ここで、複数の部品110はボウル130の底部131の中央部133の上に無作為(任意の位置)に配置される。
【0040】
さらに、図2に示すように、ボウル130の下側に設けられた図示しない振動発生部により水平方向の円振動152と上下振動151とが合成された合成振動が印加される。この合成振動により、底部131の中央部133の上に無作為に配置された複数の部品110は底部131の内周すなわちボウル130の壁面の接線方向150に押し出される。従って、合成振動を各部品110に継続的に印加することにより、各部品110は底部131の上を継続的に移動する。このとき、各部品110には、遠心力が働くため、ボウル130の外側の方向にも力が作用する。この遠心力によって、各部品110は底部131の中央部133付近から外側への渦巻き状の軌跡をたどり、8つの基板120の主面上をほぼ均等に移動する。各基板120の主面上を移動する際に、複数の部品110の一部は、基板120の主面に設けられた凹部121と形状的に合致することにより自己整合的に実装される。基板120の凹部121に実装されず底部131の内周部にまで到達した部品110は、図示しない取り出し部から取り出され、再度ボウル130の中央部133の上に無作為に配置される。これにより、部品110は無駄なく再利用される。
【0041】
以下、ボウル130に印加される振動について好ましい形態を説明する。図2に示すように、ボウル130に印加される水平方向の円振動152と上下振動151とが合成された合成振動は、部品110を斜め上方向に速度vで押し出す。斜め上方向に押し出された部品110は所定の距離を移動した後、基板120の主面上に落下し、再度斜め上方向に押し出され、この動作を繰り返すことにより、基板120の主面上を円振動の接線方向150に移動する。
【0042】
このとき、部品110は、速度vの上下方向の成分vy を用いて{(vy2)/2}/gだけ移動する。従って、上下方向の成分vy は凹部121の深さd1に対して、式(1)を満たすように設計する。
【0043】
d1≧{(vy2)/2}/g ………(1)
ここで、gは重力加速度である。
【0044】
これにより、凹部121に一旦実装された部品110が凹部121の上部にまで押し出されて該凹部121から外れることがないため、部品110の実装効率が低下することがない。ここで、部品110の速度の上下方向の成分vy を制御できない場合は、基板120に印加される上下振動151を振動数f及び振幅(Peak To Peak)Aを用いて、式(2)を満たすように設定することにより上記と同じ設定が可能となる。
【0045】
A・f≦{√(2・g・d1)}/π ………(2)
ここで、gは重力加速度であり、πは円周率である。
【0046】
一方、水平方向の振動152に対しては、基板120に形成された凹部121のピッチL1が、部品110が跳ねる距離よりも短い方が部品110と凹部121との形状が合致する確率が高くなるため、実装確率が高くなる。このような条件において実装を行なうには、基板120に印加される上下振動151を振動数f及び振幅(Peak To Peak)Aを用い、且つ水平方向の円振動152を振動数f及び振幅(Peak To Peak)Bを用いて、式(3)を満たすように設定することにより実現可能となる。
【0047】
L1≦2π2・A・B・f2/g ………(3)
ここで、gは重力加速度であり、πは円周率である。
【0048】
第1の実施形態においては、各部品110は各基板120の主面上をその位置を微小にずらしながら繰り返し移動する。従って、複数の部品110のそれぞれが各基板120の主面上に形成された複数の凹部121のいずれかの上を通過する確率が高くなる。すなわち、各部品110と各凹部121とが形状的に合致する確率が高くなるため、各部品110を基板120の各凹部121に自己整合的に且つ高効率に実装することができる。
【0049】
実際には、上記の構成において、例えば振動数fを100Hz〜400Hz程度とすると、各部品110はスムーズに流体140中を移動して基板120の凹部121に嵌合される。特に、流体140にエチルアルコールを用い、振動数fを300Hz程度とすると、流体140が合成振動と共振しないため、複数の部品110が流体140中をスムーズに移動する。
【0050】
(第1の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の一変形例について図3及び図4を用いて説明する。
【0051】
本変形例は、実装対象である部品210の形状と該部品210を実装する基板220に設けた部品210を嵌合する凹部221との形状を、第1の実施形態の部品110及び基板120と変えている。
【0052】
図3に示すように、本変形例に係る部品210は、部品本体211と該部品本体211の下側に設けられた凸部212とにより構成されている。凸部212は直方体の1つの角部を切り欠いて平面五角形状とすることにより、回転非対称の形状とされている。従って、基板220に設けられる複数の凹部221は、部品210の下部に設けられた凸部212とそれぞれ嵌合するように形成されている。
【0053】
このように、部品210はその回転非対称性を持つ凸部212のみが基板220の凹部221と嵌合するため、各部品210は基板220の一方向にしか実装されない。このため、部品210が前後方向に方向性を有するような場合であっても、一意に実装が可能となる。
【0054】
また、部品210の平面形状が正方形又は長方形等の回転対称性を持つ形状で、且つ部品210の性能に方向性を有し、実装する際にその方向を一意に決定する必要がある場合でも、部品210の下部に凸部212を形成することにより、本変形例に係る実装方法を用いることができる。
【0055】
本変形例に係る部品210に凸部212を形成する方法として、例えば部品210が半導体チップである場合には、該部品210を所定の大きさに切断する前に、フォトリソグラフィ法により、ウェハ状の複数の半導体チップの裏面における各凸部212の形成領域を開口するレジストパターンを形成し、その後、めっき法等によりレジストパターンの各開口部にそれぞれ凸部212を形成する方法や、エッチング等により半導体チップの裏面側の周辺部を削ることにより各凸部212を形成する方法がある。
【0056】
また、図4に示すように、基板220の主面に形成する各凹部221の形状及び寸法に関しては、深さd2及びピッチL2に対して、第1の実施形態と同様の設計がなされていることが好ましい。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図5〜図7を用いて説明する。
【0058】
図5は本発明の第2の実施形態に係る部品の実装装置の断面構成を示し、図6は図5のVI−VI線における断面構成を示し、図7は第2の実施形態に係る部品の実装装置の斜視図である。
【0059】
図5及び図7に示すように、第2の実施形態に係る実装装置300は、鉢形状を有するボウル330の底部331の周縁部である帯状領域332の上に、それぞれ上面に複数の凹部121が設けられた実装用の例えばシリコンからなる8つの基板120を保持する。
【0060】
ボウル330には、例えば水又はエチルアルコール等の不活性液体に半導体チップからなる複数の部品110を混合(分散)した流体340が注入される。
【0061】
ボウル330の底部331の上方には、部品110が混合された流体340を注入する注入部360が配されている。
【0062】
図5に示すように、ボウル330はその底部331の下側を支持台390によって支持されており、該支持台390は、ボウル330の底部331を支持する垂直支持部384と該垂直支持部384の下端部を支持する水平支持部387とを含んでいる。
【0063】
支持台390には、振動発生部としての、水平方向の円振動を発生する円振動発生器380と、上下振動を発生する上下振動発生器381とが設けられている。この振動発生器380と上下振動発生器381とによって、ボウル330の底部331に円振動と上下振動とを合成した合成振動が印加可能となる。
【0064】
具体的には、図6に示すように、垂直支持部384には、該垂直支持部384を挟んで2つの第1のヨーク383が設けられており、各第1のヨーク383は支持台390に固持されている2つの第1のコイル382に対して所定の隙間を保つように保持されている。ここで、各第1のコイル382は、垂直支持部384を中心として互いに回転対象となるように配置され、各第1のコイル382に同一の交流信号を印加することにより、垂直指示部384を介してボウル330の底部331に円振動を印加することができる。
【0065】
一方、図5に示すように、水平支持部387には、その中央部に第2のヨーク386が設けられており、第2のヨーク386は支持台390の底面上に配置された第2のコイル385に対して所定の間隔を保つように保持されている。第2のコイル385には、外部から交流信号が印加されることにより、水平支持部387及び垂直指示部384を介してボウル330の底部331に垂直振動を印加することができる。
【0066】
また、図7に示すように、ボウル330の内壁上には、渦巻き(スパイラル)状のトラック334が形成されており、該トラック334の上端部には、該上端部にまで搬送されてきた部品110を再度ボウル330の中央部333にまで搬送するための、トラック334の上端部から底部331の中央部333の上に向かってその上方を延びるガイド付きの搬送路395が形成されている。トラック334は、ボウル330の底部331と搬送路395とを平坦な傾斜面で結ぶ機能を有しており、底部331の内周部にまで到達した部品110を搬送路395にまで運ぶために設けられている。
【0067】
また、ボウル330の外壁には、基板120に実装されなかった部品110を一時的に保管する保管部375が開閉可能なゲート335を介在させて設けられている。
【0068】
以下、前記のように構成された部品の実装装置の動作について説明する。
【0069】
まず、注入部360から、複数の部品110が混合された流体340を注入することにより、複数の部品110をボウル330の底部331の中央部333に無作為に配置する。
【0070】
続いて、円振動発生器380及び上下振動発生器381から、ボウル330の底部331に円振動と上下振動との合成振動が印加される。これにより、底部331の上に無作為に供給された複数の部品110は、合成振動によりボウル330の中央部333に対して回転方向に力が印加されて回転すると共に、遠心力により外側の方向に力が印加されるため、各部品110は渦巻き状の運動をしながら、ボウル330の底部331の外側すなわち内周部に移動する。このとき、各部品110は、底部331の周縁部に位置する帯状領域332に固定された複数の基板120のいずれかの主面上を通過する。このとき、複数の部品110の一部は、各基板120の主面に設けられた実装位置である凹部121の上を通過する。通過した部品110の形状と凹部121の形状とが合致した場合に、部品110が凹部121に嵌合して実装される。
【0071】
さらに、このとき、各部品110は、基板120の主面上をその位置を微小にずらしながら通過するため、一の基板120上だけでなく他の基板120の主面上をも繰り返し通過するようになる。このため、各基板120の複数の凹部121のいずれかの上を通過する確率が格段に向上するので部品110が凹部121に実装される実装確率が著しく高くなる。
【0072】
以上の動作により、複数の部品110を複数の基板120のさらに複数の凹部121に効率良く実装させることが可能となる。
【0073】
これに対し、ボウル330の底部331の内周部にまで到達した各部品110は、ボウル330の側壁上に形成されたスパイラル状のトラック334の上を移動して側壁の上部にまで搬送され、さらにガイド付きの搬送路395を通って再度ボウル330の中央部333に搬送される。ここで、トラック334の傾斜は、部品110が振動により押し出される、図2に示した角度θよりも小さくなるように設定される。これにより、部品110がトラック334を移動することが可能となる。
【0074】
なお、搬送路395の上面は中央部333に向かって低くなるように傾斜させてあり、重力により中央部333に搬送されて、搬送路395の先端部から自由落下する。これにより、ボウル330の中央部333に配置された部品110は、再度ボウル330の底部331上を渦巻き状に移動する。
【0075】
以上のような動作により、複数の基板120の主面にそれぞれ設けられた複数の凹部121に部品110がそれぞれ実装される。
【0076】
各基板120の複数の凹部121に所定の割合以上に部品110が実装された場合の余剰の部品110又は凹部121に実装されなかった部品110は、ゲート335を開放することにより、排出部370を通って保管部375に保管することができる。続いて、部品110が実装された基板120を未実装状態の他の基板120に交換した後に、ボウル330の中央部333に無作為に配置されて、再度実装に供される。これにより、部品110は無駄なく利用される。
【0077】
このように、第2の実施形態によると、例えば半導体チップからなる複数の部品110は、複数の基板120の主面上をその位置を微小にずらしながら繰り返し移動する。これにより、複数の部品110のそれぞれが各基板120の主面上に形成された複数の凹部121のいずれかの上を通過する確率が高くなる。すなわち、各部品110と各凹部121とが形状的に合致する確率が高くなるため、各部品110を各凹部121に自己整合的に且つ高効率に実装することができる。
【0078】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図8及び図9を用いて説明する。
【0079】
図8は本発明の第3の実施形態に係る部品の実装装置の断面構成を示し、図9はその斜視図である。なお、図8において、図5に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0080】
第3の実施形態に係る実装装置400は、ボウル430の底部431上に形成された、複数の基板120を配置するための帯状領域432に、該帯状領域432の内側で各基板120の上端部を保持する第1のホルダ460と、帯状領域432の外側で各基板120の上端部を保持する第2のホルダ461とを有している。底部431の側壁には、実装されなかった余剰の部品110を一時的に保管する保管部375との間を開閉するゲート435が設けられている。
【0081】
ここで、第1のホルダ460の平面形状は例えば八角形であり、その断面形状は周縁部よりも中央部が高い多角錐形状、ここでは八角錐形状を有している。
【0082】
また、第2のホルダ461の上部には、ボウル430の底部431の内周部にまで達した部品120を底部431の中央部433の上、すなわち第1のホルダ460の上に再度供給する搬送路495が設けられている。また、第2のホルダ461の内壁面上には、ボウル430の底部341から搬送路495に至る渦巻き状のトラック434が形成されている。なお、第1のホルダ460及び第2のホルダ461の両方が基板120を保持する構成でなくてもよく、第1のホルダ460及び第2のホルダ461の少なくとも一方が各基板120の上端部を保持する構成であってもよい。
【0083】
以下、前記のように構成された部品の実装装置の動作について説明する。
【0084】
まず、注入部360から、複数の部品110が混合された流体440を注入することにより、複数の部品110をボウル430の第1のホルダ460の上に無作為に配置する。
【0085】
続いて、円振動発生器380及び上下振動発生器381から、ボウル430の底部431に円振動と上下振動との合成振動が印加される。これにより、第1のホルダ460の上に無作為に配置された複数の部品110は、合成振動により、まず第1のホルダ460の斜面に沿ってその周縁部に移動する。その後、各部品110は、複数の基板120が保持されている第1のホルダ460及び第2のホルダ461に挟まれた帯状領域432の上に移動する。帯状領域432の上に移動した各部品110は、上下方向の振動と円振動の接線方向の振動とが合成された合成振動により帯状領域432に保持された各基板120の主面上を渦巻き状に外側に向かって移動する。この渦巻き状の移動により、複数の部品110の一部は、基板120の主面に設けられた凹部121と形状が合致した場合に、該凹部120に嵌合して実装される。
【0086】
このとき、各部品110は、基板120の主面上をその位置を微小にずらしながら通過するため、一の基板120上だけでなく他の基板120の主面上をも繰り返し通過する。さらに、第3の実施形態においては、各部品110が移動する領域を複数の基板120が保持された帯状領域432の上に限定しているため、各部品110が基板120の主面に形成された複数の凹部121のいずれかの上を通過する確率をより一層高めることができるので、各部品110の基板120への実装効率を大きく向上することができる。
【0087】
一方、ボウル430の底部431の内周部にまで到達した各部品110は、第2のホルダ461に設けられたスパイラル状のトラック434の上を移動して第2のホルダ461の上部に搬送され、さらにガイド付きの搬送路495を通ってボウル430の中央部433に配置された第1のホルダ460の上に搬送される。第1のホルダ460の上に搬送された各部品110は、帯状領域432の上に搬送され、帯状領域432の上を再度渦巻き状に移動する。なお、基板120の凹部121に実装されなかった部品110は、第2のホルダに設けられたゲート435を開放することにより、ボウル430から排出部370を通って保管部375に一旦保管され、その後、再利用される。
【0088】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図10及び図11を用いて説明する。
【0089】
図10は本発明の第4の実施形態に係る部品の実装装置の断面構成を示し、図11はその斜視図である。なお、図10において、図5に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0090】
第4の実施形態に係る実装装置500は、ボウル530の底部531の形状が、中央部533をその周縁部(帯状領域532)よりも低くなるように形成されている。従って、第4の実施形態においては、8つの基板120は内側に傾斜した帯状領域532の上に保持される。
【0091】
ボウル530の側壁上にはスパイラル状のトラック534が形成されており、トラック534の上端部にはガイド付きの搬送路595が設けられている。底部531の側壁には、実装されなかった余剰の部品110を一時的に保管する保管部375との間を開閉するゲート535が設けられている。
【0092】
以下、前記のように構成された部品の実装装置の動作について説明する。
【0093】
まず、注入部360から、複数の部品110が混合された流体540を注入することにより、複数の部品110をボウル530の底部531の中央部533の上に無作為に配置する。
【0094】
続いて、円振動発生器380及び上下振動発生器381から、ボウル530の底部531に円振動と上下振動との合成振動が印加される。これにより、底部531の中央部533の上に無作為に配置された複数の部品110は、合成振動により、ボウル530の底部531及び該底部531の周縁部に位置する帯状領域532の上に保持された各基板120の主面上を渦巻き状に外側に向かって移動する。この渦巻き状の移動により、複数の部品110の一部は、基板120の主面に設けられた凹部121と形状が合致した場合に、該凹部120に嵌合して実装される。
【0095】
このとき、各部品110は、基板120の主面上をその位置を微小にずらしながら通過するため、一の基板120上だけでなく他の基板120の主面上をも繰り返し通過することができ、複数の部品110を複数の基板120のそれぞれの主面に設けられた複数の凹部121に自己整合的に且つ効率良く実装される。
【0096】
一方、ボウル530の底部531の内周部にまで到達した各部品110は、ボウル530の側壁上に設けられたスパイラル状のトラック534の上を移動して側壁の上部に搬送され、さらにガイド付きの搬送路595を通ってボウル530の中央部533の上に搬送される。中央部533の上に搬送された各部品110は、帯状領域532の上に搬送され、帯状領域532の上を再度渦巻き状に移動する。なお、基板120の凹部121に実装されなかった部品110は、側壁に設けられたゲート535を開放することにより、ボウル530から排出部370を通って保管部375に一旦保管され、その後、再利用される。
【0097】
ここで、第4の実施形態の特徴であるボウル530の底部531に設けた傾斜面の機能について詳細に説明する。
【0098】
各部品110をボウル530の底部531及び基板120の上を渦巻き状に移動させる際には、各部品110に印加される遠心力は部品110の速度により決定される。このため、各部品110に印加される周縁部方向への力を制御することは困難である。
【0099】
しかしながら、第4の実施形態においては、ボウル530の底部531を内側に傾斜させることにより、各部品110に印加される外側方向への力を容易に制御することができるようになる。
【0100】
具体的には、図12に示すように、ボウル530に形成された傾斜した底部531に基板120が角度αで固定されているとすると、部品110には重力Gの余弦F2が基板120の主面に対して垂直な方向に印加されると共に、重力Gの正弦の分力F1は傾斜の下側方向に印加される。従って、部品110には、進行方向(図の手前から奥に向かう方向)550の速度で決定される遠心力Fと分力F1との差分の力(F−F1)が傾斜の上側方向に印加される。これにより、傾斜角度αを調整することにより、部品110に印加される傾斜の上側方向、すなわち外側方向へ向かう力を調整することが可能となる。
【0101】
このように、第4の実施形態によると、各部品110は複数の基板120の主面上をその位置を微小にずらしながら繰り返し移動することができる。さらに、第4の実施形態においては、各部品110が基板120の主面上を移動する位置を、傾斜角度αと円振動による遠心力Fとにより詳細に制御することが可能となる。このため、各部品110が複数のの基板120のそれぞれの主面に形成された複数の凹部121のいずれかの上を通過する確率が高くなる。その結果、各部品110と基板120に設けた凹部121とが形状的に合致する確率が高くなるため、部品110を凹部121に自己整合的に且つ効率良く実装させることができるようになる。
【0102】
なお、第1〜第4の各実施形態においては、部品110として例えば半導体チップを例に挙げ、実装用の凹部121を有する基板120として、例えばエッチングにより複数の凹部121を形成したシリコンからなる基板120を用いたが、部品及び基板はこれに限られない。
【0103】
例えば部品110としては、半導体チップの他に、マイクロレンズ、光ファイバ又はチップ受動部品等の他の電子部品を用いることができる。また、凹部121を有する基板120についても、シリコン基板に代えて、金属基板、セラミック基板等、用途に応じて選定すればよい。
【0104】
また、各実施形態において、一度に実装装置に保持する基板120の枚数を8枚としたが、これは一例であって、少なくとも2枚以上であれば実装効率の効率化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明に係る部品の実装方法及びその実装装置は、該実装装置に印加する合成振動の振幅及び周波数を調整することにより、複数の基板のそれぞれの上面に部品を制御性良く通過させることが可能となり、且つ簡単な装置で自己整合による部品実装を効率良く行なうことができるという効果を有し、特に、流体を利用して基板に自己整合的に部品を実装する部品の実装方法及びその実装装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る部品の実装装置を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る部品の実装装置における実装用の基板に部品が実装される様子を説明する断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の一変形例に係る部品の実装装置における実装用の基板と部品とを示す部分的な斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の一変形例に係る部品の実装装置における実装用の基板に部品が実装される様子を説明する断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る部品の実装装置を示す断面図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る部品の実装装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る部品の実装装置を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る部品の実装装置を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る部品の実装装置を示す断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る部品の実装装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る部品の実装装置における部品に働く力を説明する部分的な断面図である。
【図13】従来の部品の実装装置における実装用の基板に部品が実装される様子を説明する断面図である。
【図14】従来の部品の実装装置を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0107】
110 部品
120 基板
130 ボウル(基板保持部)
131 底部
132 帯状領域
133 中央部
140 流体
150 進行方向
151 上下振動
152 水平方向の円振動
210 部品
211 部品本体
212 凸部
220 基板
221 凹部
300 実装装置
330 ボウル(基板保持部)
331 底部
332 帯状領域
333 中央部
334 トラック
335 ゲート
340 流体
360 注入部
370 排出部
375 保管部
380 円振動発生器
381 上下振動発生器
382 第1のコイル
383 第1のヨーク
384 垂直支持部
385 第2のコイル
386 第2のヨーク
387 水平持部
390 支持台
395 搬送路
400 実装装置
430 ボウル
431 底部
432 帯状領域
433 中央部
434 トラック
435 ゲート
440 流体
460 第1のホルダ
461 第2のホルダ
434 トラック
495 搬送路
500 実装装置
530 ボウル
531 底部
532 帯状領域
533 中央部
534 トラック
535 ゲート
540 流体
595 搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中で、それぞれの上面に少なくとも1つの凹部を有する複数の基板における前記各凹部に部品を実装する実装方法であって、
前記各基板に対して上下方向の振動と水平方向の振動とを合成した合成振動を印加しながら、前記部品を前記各基板の凹部に実装することを特徴とする部品の実装方法。
【請求項2】
前記複数の基板は同心円状に保持されており、
前記水平方向の振動は、前記複数の基板が保持された基板保持面に沿った円振動であることを特徴とする請求項1に記載の部品の実装方法。
【請求項3】
前記上下方向の振動における振幅は、前記部品の凹部の深さ以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品の実装方法。
【請求項4】
前記基板に設けられる前記凹部の平面形状又は断面形状は、前記部品に対して回転対称性を持たない形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の実装方法。
【請求項5】
前記複数の基板は同心円状の帯状領域を有する保持部材の上に保持されており、
前記部品は、前記保持部材における前記帯状領域に囲まれた領域上に無作為に供給することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の部品の実装方法。
【請求項6】
前記複数の基板の上に、前記部品と前記流体との混合液を配すること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の部品の実装方法。
【請求項7】
前記流体は、水、アセトン及びアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの不活性液体であることを特徴とする請求項6に記載の部品の実装方法。
【請求項8】
流体中で、それぞれの上面に少なくとも1つの凹部を有する複数の基板における前記各凹部に部品を実装する実装装置であって、
前記複数の基板を上面に保持する基板保持部と、
前記基板保持部に振動を印加する振動発生部とを備え、
前記振動発生部は、前記基板保持部に対して上下方向の振動と水平方向の振動とが合成された合成振動を印加することを特徴とする部品の実装装置。
【請求項9】
前記複数の基板は、前記基板保持部の上に同心円状に形成された帯状領域に保持されており、
前記振動発生部が発生する水平方向の振動は、前記帯状領域に沿った円振動であることを特徴とする請求項8に記載の部品の実装装置。
【請求項10】
前記部品は、前記基板保持部における前記帯状領域に囲まれた領域上に無作為に供給されることを特徴とする請求項9に記載の部品の実装装置。
【請求項11】
前記基板保持部は、前記帯状領域の内側において前記各基板を保持する第1のホルダと、前記帯状領域の外側において前記各基板を保持する第2のホルダとを有し、
前記帯状領域は、前記第1のホルダと前記第2のホルダとの間に設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の部品の実装装置。
【請求項12】
前記第1のホルダの断面形状は、中央部がその周縁部よりも高い錐形状を有していることを特徴とする請求項11に記載の部品の実装装置。
【請求項13】
前記上下方向の振動における振幅は、前記部品の凹部の深さ以下とすることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の部品の実装装置。
【請求項14】
前記基板保持部は、上面に前記帯状領域が形成された底部と該底部を囲む側壁部とを含む鉢形状を有しており、
前記側壁部の内側には、前記底部の周縁部から前記側壁部の上部に向かう渦巻き状のトラックが設けられ、
前記トラックにおける前記側壁部の上部側の端部には、該端部から前記底部の中央部に向かってその上方を延び且つ前記部品を前記底部の中央部に搬送する搬送路が設けられていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の部品の実装装置。
【請求項15】
前記帯状領域は複数の平面の集合体からなり、
前記帯状領域における前記各平面は、前記帯状領域の内側がその外側よりも低くなるように設けられていることを特徴とする請求項9〜11、13及び14のいずれか1項に記載の部品の実装装置。
【請求項16】
前記基板保持部に保持された前記各基板の上に、前記部品と前記流体との混合液を配すること特徴とする請求項8〜15のいずれか1項に記載の部品の実装装置。
【請求項17】
前記流体は、水、アセトン及びアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの不活性液体であることを特徴とする請求項16に記載の部品の実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−135265(P2006−135265A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325585(P2004−325585)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】