説明

部品一体成形合成樹脂製品の製造方法及び当該方法用金型

【課題】部品一体成形合成樹脂製品を製造する場合に、単純な構成の金型で、型締め前に固定型である下型に設置した部品の位置ずれを防止すると共に、型締め後に左右の位置をずらすことなく、部品を傷つけることなく上型に密着させて、部品を上型の所定の位置に位置決めすることを目的とする。
【解決手段】下型2に部品7を設置した後、下型2の吸引管25に接続された吸引ポンプ52を作動させて部品7を吸引して下型2に固定、位置決めし、型締め後、下型2の吸引管25に接続された吸引ポンプ52の作動を停止して、部品7の下型2への吸引を停止すると共に、上型3の吸引管35に接続された吸引ポンプ53を作動させて部品7を吸引して上型3に固定、位置決めした後に、キャビティ部41に溶融樹脂6を充填することを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品10の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め部品を設置した金型内に合成樹脂を充填して、部品と合成樹脂を一体的に形成する部品一体成形合成樹脂製品の製造方法及び当該方法に用いる金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂以外、例えば金属、セラミックス、ガラス等で成形された部品と合成樹脂を一体的に形成した部品一体成形合成樹脂製品が様々な分野で用いられている。
【0003】
そして、このような合成樹脂製品の製造方法としては、型締め後に、金型のキャビティ部内で、部品を両面から同一流体圧源により同時作動される1対のクランプシリンダで挟み、部品の位置決めを行い、部品の外周囲に合成樹脂を充填する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
又、横型成形機を用いて、雄型金型に組み込まれたスプリング抑えにより支持された、ガラスへの押圧緩衝用のスプリングで位置決めブロックを支持し、位置決めブロックに吸引用パイプを螺合させて、真空ポンプから吸引用パイプを介しての吸引力により部品をキャビティ部内で位置決めして、雄型金型と雌型金型を型締めして、樹脂を充填する方法が提案されている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−225091号公報
【特許文献2】特開平5−208420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のような方法の場合、型締め後にシリンダを作動させて初めて部品が固定されるので、部品の金型内への設置時には部品は固定されていないため、型締め時に部品が所定位置からずれることを防止できず、又、型締め後にシリンダを作動させて部品を持ち上げて挟むまでに部品がずれてしまうことを防止することが出来なかった。又、部品の両側、即ち上下方向から等しい力で支持するので、1対のシリンダの上下方向の真中に部品は位置し、部品の成形誤差のため、必ずしも上型(可動型)に部品を当接させることが出来なかった。従って、部品を上型に対し所望の位置に位置決めすることが出来ないという問題点があった。
【0007】
又、特許文献2に記載のような方法の場合、ガラスの縦横のサイズの誤差に対応するために、ガラスより広い面積の位置決めブロックを用いる必要があった。即ち、位置決めブロックの周端部はガラスと対向、接触しない部分が必要であった。すると、樹脂の充填圧力で位置決めブロックが金型外方向へ押され、ガラスと雌型金型の間に隙間が生じ、その隙間に溶融樹脂が流れ込んでしまう。更に、その流れ込んだ樹脂の圧力により、ガラスそして位置決めブロックは更に雄型方向に押されて、より一層ガラスと雌型金型の間に隙間が生じ、その隙間に溶融樹脂が流れ込む。従って、ガラスと雌型金型を密着させることが出来ないし、雌型金型への位置決めも出来なかった。
【0008】
又、ガラスへの押圧緩衝するためのスプリングであるので、ガラスを雌型に押し付ける作用を有しないので、ガラスが所定厚さより薄い場合には、雌型と離間し、その隙間に溶融樹脂が流れ込んでしまう。更に、その流れ込んだ樹脂の圧力により、ガラスそして位置決めブロックは更に雄型方向に押されて、より一層ガラスと雌型金型の間に隙間が生じ、その隙間に溶融樹脂が流れ込む。従って、ガラスと雌型金型を密着させることが出来ないし、雌型金型への位置決めも出来なかった。
【0009】
特に縦型成形機として使用する場合には、型締め前に、可動型となる上型に部品を設置することは、重力に逆らって設置するので困難であり、作業上も容易には行えないので、雄型が下方の固定型となる。すると、ガラスと雌型である上型を密着させることが出来ないし、雌型金型(可動型)への位置決めも出来なかった。
【0010】
又、たとえガラスを雌型に押し付ける作用を有するスプリングであったとしても、この場合には、ガラスを雌型で押圧するので、型とガラスが擦れやすく、ガラス表面に傷がついてしまう虞があった。更に、金型の部品点数が多く、構造が複雑で、製造が容易ではなく、高価となるという問題点があった。
【0011】
更に、特許文献1及び2に記載のような方法の場合、部品の上面と部品外周の合成樹脂を面一に形成したい場合であっても、型締め時に部品と上型とが離間してしまうので、上型側の部品の面と合成樹脂部分に、段差が生じ、面一にすることは出来なかった。
【0012】
尚、下型ではなくて上型に対して部品の位置決めを行いたい理由は以下の理由による。即ち、縦型成形機においては、成形品の突き出しピンは固定型の下型に設けられているのが通常であり、成形品に合成樹脂で形成される凹凸部がある場合には、型開けの際に凹凸部が金型にくっつくので、凹凸部を上側に突出させて形成すると、型を開ける際に成形品が上型にくっつき、突き出しピンにより離型することが出来ない。そこで、凹凸部を下側に突出させて形成することにより、型を開ける際に成形品が下型にくっつき、突き出しピンにより離型することが出来ることから、成形品の凹凸部が形成される側と反対側に合わせて部品を挿入したい場合には、部品を上型に位置決めする必要があるのである。
【0013】
そこで、本発明は、縦型成形機を用いて部品一体成形合成樹脂製品を製造する場合に、単純な構成の金型で、型締め前に固定型である下型に設置した部品の位置ずれを防止すると共に、型締め後に左右の位置をずらすことなく、部品を傷つけることなく上型に密着させて、部品を上型の所定の位置に位置決めすることを目的とする。又、上型に対向した側の部品の面と合成樹脂部分が、段差がなく、面一になるように形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上のような課題を解決するための手段としての本発明は、固定された下型と、上下に移動可能な上型を備え、前記下型及び前記上型には、夫々前記下型又は前記上型を貫通する吸引管が設けられ、前記吸引管は、夫々一端をキャビティ部に開口すると共に、他端を吸引ポンプに接続され、型締め時に、キャビティ部の部品が設置される部品設置部の厚みは、設置する部品の厚みより厚く形成された金型を備える縦型成形機を用い、前記下型に部品を設置した後、前記下型の吸引管に接続された吸引ポンプを作動させて前記下型の吸引管を介して前記部品を吸引して前記下型に固定、位置決めし、型締め後、前記下型の吸引管に接続された吸引ポンプの作動を停止して、前記部品の前記下型への吸引を停止すると共に、前記上型の吸引管に接続された吸引ポンプを作動させて前記上型の吸引管を介して前記部品を吸引して上型に固定、位置決めした後に、キャビティ部に溶融樹脂を充填することを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品の製造方法である。
【0015】
又、上記方法において、前記部品の前記下型への吸引を停止すると同時に、前記部品を上型に吸引することを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品の製造方法である。
【0016】
又、上記方法において、前記部品の前記上型への吸引を開始した後に、前記部品の前記下型への吸引を停止することを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品の製造方法である。
【0017】
又、上記方法において、前記上型の前記部品設置部に対応する箇所の形状を、前記部品の上面と同一形状とすると共に、前記上型の前記部品設置部に対応する箇所と溶融樹脂が充填される空間部に対応する箇所の移行部は、段差を設けずに面一に形成されていることを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品の製造方法である。
【0018】
更に、固定された下型と、上下に移動可能な上型を備え、前記下型及び前記上型には、夫々前記下型又は前記上型を貫通する吸引管が設けられ、前記吸引管は、夫々一端をキャビティ部に開口すると共に、他端を吸引ポンプに接続され、型締め時に、キャビティ部の部品が設置される部品設置部の厚みは、設置する部品の厚みより厚く形成されたことを特徴とする部品一体成形用金型である。
【0019】
更に、上記の部品一体成形用金型を備えた部品一体成形合成樹脂製品の製造用の縦型成形機である。
【発明の効果】
【0020】
以上のような本発明によれば、縦型成形機を用いて部品一体成形合成樹脂製品を製造する場合に、単純な構成の金型で、型締め前に固定型である下型に設置した部品の位置ずれを防止すると共に、型締め後に左右の位置をずらすことなく、部品を傷つけることなく上型に密着させて、部品を上型の所定の位置に位置決めすることが可能となった。又、上型に対向した側の部品の面と合成樹脂部分を、段差がなく、面一になるように形成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明一実施例部品設置状態断面図
【図2】本発明一実施例断面図
【図3】本発明複数種類実施例を示す断面図
【図4】本発明一実施例製造工程図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下本発明の実施の形態を図を参照して説明する。本発明は、「固定された下型と、上下に移動可能な上型を備え、前記下型及び前記上型には、夫々前記下型又は前記上型を貫通する吸引管が設けられ、前記吸引管は、夫々一端をキャビティ部に開口すると共に、他端を吸引ポンプに接続され、型締め時に、キャビティ部の部品が設置される部品設置部の厚みは、設置する部品の厚みより厚く形成された金型を備える縦型成形機を用い、前記下型に部品を設置した後、前記下型の吸引管に接続された吸引ポンプを作動させて前記下型の吸引管を介して前記部品を吸引して前記下型に固定、位置決めし、型締め後、前記下型の吸引管に接続された吸引ポンプの作動を停止して、前記部品の前記下型への吸引を停止すると共に、前記上型の吸引管に接続された吸引ポンプを作動させて前記上型の吸引管を介して前記部品を吸引して上型に固定、位置決めした後に、キャビティ部に溶融樹脂を充填することを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品の製造方法」である。
【0023】
本発明に使用する成形機は縦型の射出成形機であり、金型1は、図1に示すように、固定型である下型2と移動型である上型3を備えて構成されている。
【0024】
下型2には、型締め時にキャビティ部41を形成する凹部21が形成されると共に、凹部21に開口する吸引管25が設けられている。又、下型2には、成形品の離型用突き出しピン孔26が凹部21に開口するように穿孔され、ピン孔26内に突き出しピン27が設置されている。又、上型3には、型締め時にキャビティ部41を形成する凹部31が形成されると共に、凹部31に開口する吸引管35が設けられている。
【0025】
凹部21と凹部31とは、型締め時にキャビティ部41を形成する。型締め時には、キャビティ部41の中央部分に部品7が設置される部品設置部44が形成され、部品設置部44の外周部分、即ちキャビティ部41の外周部分に溶融樹脂が充填される空間部42が形成される。空間部42は設置される部品7の全周に亘って形成して、部品7の全周に合成樹脂が形成されるが、空間部42は設置される部品7の全周のうち一部に形成して、部品7の全周の一部に合成樹脂が形成されるようにすることも可能である。
【0026】
尚、図3(b)に示すように、成形品の合成樹脂の凹凸部を下側に突出させて形成する場合には、上型3には凹部31を設けずに平面状に形成することとしてもよい。この場合には、上型3の平面部分と下型2の凹部21によりキャビティ部41、部品設置部44、空間部42を形成する。又、図3(d)に示すように、凹部31を設けるが、この凹部31には部品7のみが挿入され、合成樹脂が充填されないよう、部品7の上方の形状と同一形状とすることとしてもよい。
【0027】
下型2及び上型3の部品設置部44に対応する箇所の形状は、夫々部品7の形状に対応させて当該部分の部品と同形状とし、吸引管25,35の開口部82,83を含む、下型2及び上型3の部品設置部44に部品7を密着可能とし、部品の位置決めを確実とし、位置ずれを防止することが好ましい。
【0028】
又、部品設置部44の厚みは、部品7の厚みより厚く形成されている。即ち、部品設置部44は、型締め時に、下型2に設置された部品7が上型3とは離間する厚みをもって形成されている。この離間の距離は、部品の製品誤差に対応し、型締め時に部品7を損傷しないための空間であり、溶融樹脂が浸入しない厚みであれば特に限定されないが、通常0.01〜0.03mm程度とすればよい。
【0029】
部品7の上面72と部品7の外周に形成させる合成樹脂を面一に形成したい場合、図3(a)〜(c)に示すように、凹部31を設けても、設けなくても、上型3の部品設置部44に対応する箇所の形状は、部品7の上面72と同一形状とすると共に、上型3の部品設置部44に対応する箇所と空間部42に対応する箇所の移行部には段差を設けずに面一に形成する。
【0030】
下型2に設ける吸引管25は、下型2を貫通し、一端を凹部21、即ちキャビティ部41の部品設置部44に開口し、他端を下型2の外側面、即ち底面又は側面に開口し、下型2の外部に設置した吸引ポンプ52に接続管57及びバルブ58を介して接続されている。上型3に設ける吸引管35は上型3を貫通し、一端を凹部31、即ちキャビティ部41の部品設置部44に開口し、他端を上型3の外側面、即ち上面又は側面に開口し、上型3の外部に設置した吸引ポンプ53に接続管57及びバルブ59を介して接続されている。
【0031】
尚、吸引管25,35は夫々下型2又は上型3内部で分岐させて、夫々キャビティ部41の部品設置部44への開口部を複数設けることとしてもよい。このような構成とすることで、設置する部品7が比較的大きく、重い場合であっても、部品7を確実に吸引することが出来る。
【0032】
尚、吸引管25,35は夫々別個の吸引ポンプ52,53に接続してもよいが、吸引ポンプを共有させ、切換バルブを介して吸引管25,35に接続する構成としてもよい。又、吸引管25,35は、下型2、上型3の夫々に設けた貫通孔で構成してもよく、貫通孔に管状部材を挿入して構成してもよい。
【0033】
次に、上記金型1を用いた部品一体成形合成樹脂製品10の製造方法について図4を参照して説明する。尚、本発明に用いる合成樹脂の種類は特に限定されない。又、部品の材質も特に限定されず、部品一体成形合成樹脂製品に通常用いられる公知の材質、例えば金属、セラミックス、ガラス等を用いることが出来る。
【0034】
先ず、図4(a)に示すように、下型2の凹部21内の所定位置、即ち部品設置部44に部品7を設置する。この際に設置ジグを用いて部品7を設置することにより正確な位置決めが出来るので好ましい。部品7を下型2に設置した後、吸引ポンプ52を作動させて吸引管25を介して部品7を吸引して下型2に固定し、位置決めする。そして、ジグを用いている場合には、ジグを取外す。
【0035】
尚、部品7の合成樹脂との接合面には、合成樹脂の種類と部品の材質の各種組み合わせに従って、適当な公知の表面処理を行っておくことが好ましい。
【0036】
次に、上型3を下降させて金型1を閉じる。この際、図4(b)に示すように、部品7の上面72は、上型3とは離間している。型締め後、吸引ポンプ52の作動を停止させて、部品7の吸引を停止する。この状態で吸引を停止しても、部品7は左右、上下に移動することはない。そして、図4(c)に示すように、吸引ポンプ53を作動させて吸引管35を介して部品7を吸引して、上型3方向に移動させ、部品7の上面72を上型3に密着させて、部品7を上型3に固定し、位置決めする。この際、部品7の下面73と下型3は離間している。
【0037】
尚、吸引ポンプ52の作動停止と同時に吸引ポンプ53を作動させることが好ましい。又、吸引ポンプ52は、吸引ポンプ53を作動させて部品7の吸引を開始した後に、停止すること、即ち、上型3への吸引を開始した後に、下型2への吸引を停止することとしてもよい。又、吸引ポンプを作動させる又は停止させるとは、吸引ポンプ自体を作動させる又は停止させることの他、作動している吸引ポンプをバルブの開閉により吸引作用を作動させる又は停止させることも含まれる。
【0038】
次に、図4(d)に示すように、キャビティ部41の空間部42に溶融樹脂6を充填する。この間にも吸引ポンプ53は作動し部品7を吸引し続けて、上型3に固定し、位置決めし続けている。そして、溶融樹脂の充填が終わり、溶融樹脂が硬化して部品と固着して一体となった後に、吸引ポンプ53の作動を停止し、図4(e)に示すように、上型3を上方に移動させて型を開き、下型2の突き出しピン27を上方に移動させて成形品を突いて離型させ、部品7の外周部に固化した合成樹脂部分12が形成された部品一体成形合成樹脂製品10を取り出す。
【0039】
このように形成された部品一体成形合成樹脂製品10は、部品7が所定の位置に固定されたものとなり、又、図3(a)〜(c)に示すような、部品設置部44に対応する箇所と空間部42に対応する箇所の移行部には段差を設けずに面一に形成した金型1を用いた場合には、部品7と部品7の外周部に形成された合成樹脂部分12に全く段差が生じず、面一に形成され、部品7と合成樹脂部分12間に隙間が生じず、部品7上にバリが生じることもなく形成される。
【符号の説明】
【0040】
1 金型
10 部品一体成形合成樹脂製品
12 合成樹脂部分
2 下型
25 吸引管
3 上型
35 吸引管
41 キャビティ部
42 空間部
44 部品設置部
52 吸引ポンプ
53 吸引ポンプ
57 接続管
58 バルブ
59 バルブ
6 溶融樹脂
7 部品
82 開口部
83 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定された下型と、上下に移動可能な上型を備え、前記下型及び前記上型には、夫々前記下型又は前記上型を貫通する吸引管が設けられ、前記吸引管は、夫々一端をキャビティ部に開口すると共に、他端を吸引ポンプに接続され、型締め時に、キャビティ部の部品が設置される部品設置部の厚みは、設置する部品の厚みより厚く形成された金型を備える縦型成形機を用い、前記下型に部品を設置した後、前記下型の吸引管に接続された吸引ポンプを作動させて前記下型の吸引管を介して前記部品を吸引して前記下型に固定、位置決めし、型締め後、前記下型の吸引管に接続された吸引ポンプの作動を停止して、前記部品の前記下型への吸引を停止すると共に、前記上型の吸引管に接続された吸引ポンプを作動させて前記上型の吸引管を介して前記部品を吸引して上型に固定、位置決めした後に、キャビティ部に溶融樹脂を充填することを特徴とする部品一体成形合成樹脂製品の製造方法。
【請求項2】
前記部品の前記下型への吸引を停止すると同時に、前記部品を上型に吸引することを特徴とする請求項1に記載の部品一体成形合成樹脂製品の製造方法。
【請求項3】
前記部品の前記上型への吸引を開始した後に、前記部品の前記下型への吸引を停止することを特徴とする請求項1に記載の部品一体成形合成樹脂製品の製造方法。
【請求項4】
前記上型の前記部品設置部に対応する箇所の形状を、前記部品の上面と同一形状とすると共に、前記上型の前記部品設置部に対応する箇所と溶融樹脂が充填される空間部に対応する箇所の移行部は、段差を設けずに面一に形成されていることを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載の部品一体成形合成樹脂製品の製造方法。
【請求項5】
固定された下型と、上下に移動可能な上型を備え、前記下型及び前記上型には、夫々前記下型又は前記上型を貫通する吸引管が設けられ、前記吸引管は、夫々一端をキャビティ部に開口すると共に、他端を吸引ポンプに接続され、型締め時に、キャビティ部の部品が設置される部品設置部の厚みは、設置する部品の厚みより厚く形成されたことを特徴とする部品一体成形用金型。
【請求項6】
前記請求項5に記載の部品一体成形用金型を備えた部品一体成形合成樹脂製品の製造用の縦型成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−86445(P2012−86445A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234649(P2010−234649)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000222749)東洋樹脂株式会社 (6)
【Fターム(参考)】