説明

部品交換管理システムおよび管理プログラム

【課題】複数の画像形成装置における各部品の稼働実績を集約して管理し、各画像形成装置での部品交換時期が重なるか否かを判定可能にする。
【解決手段】複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値のデータを取得するデータ取得部と、前記データを集約して前記各部品の交換時期を予測し、各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行う制御部とを備える。複数の画像形成装置で管理されている前記データを取得して集約するステップと、前記データから各部品の交換時期を予測するステップと、前記予測結果に基づいて各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行うステップとを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の画像形成装置における各部品の交換時期を予測して管理を行う部品交換管理システムおよび管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、原稿を露光ランプで露光させて反射光を読み取って画像データを生成し、該画像データに基づいて感光体ドラムなどにレーザ光などを用いた書き込みユニットによって静電潜像を形成する。この静電潜像をトナーボトルに収容されているトナーを用いて現像し、これを給紙ローラで給紙される用紙に直接または転写ベルトなどを介して転写する。その後、定着器において加圧および加熱を行い、用紙上のトナーを定着させている。
【0003】
上記露光ランプなどは使用時間で寿命が定まる部品であり、感光体ドラムや給紙ローラ、書き込みユニット、トナーボトル、定着器などは、その寿命が使用回数でほぼ定まる部品である。これら部品を交換可能にして、適正な時期に交換作業を行うことで画像品質を良好に維持できる。この交換を適切な時期に実行可能とするために、画像形成装置の画像形成制御部では、各部品の稼働実績を管理して、交換用の稼働値に達すると交換要求信号を送信してユーザに交換を促すなどの対策が採られている(例えば特許文献1参照)。
また、上記特許文献1で開示された装置では、さらに同一の画像形成装置内で複数の部品の寿命を考慮して発注タイミングを決定することで、2以上の部品の交換を同時に行うことを可能にしている。
【特許文献1】特開2007−155752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、軽印刷の分野などでは、ダウンタイムの軽減が重要な課題になっており、複数台の装置を所有し、1台の装置がダウンしても他の装置を使用することでダウンタイムの低減を図る場合がある。ただし、複数台の装置を所有していても、マシントラブルによるダウンタイムには効果があるが、部品交換によるダウンタイムについては、複数の装置の部品交換のタイミングが重なる場合があり、この場合は複数台所有のメリットが生かせない。上記特許文献1で示される装置は、一台の装置における複数部品の交換時期については考慮されているが、複数台の装置での交換時期などは考慮されておらず、上記課題に対応することができない。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、複数台の画像形成装置における各部品の交換時期を管理してダウンタイムの低減を図ることができる部品交換管理システムおよび管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明の部品交換管理システムのうち、第1の本発明は、複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値のデータを取得するデータ取得部と、前記データを集約して前記各部品の交換時期を予測し、各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行う制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明によれば、各画像形成装置の稼働カウンタ値が集約されて管理され、さらに該データに基づいて予測される交換時期が複数の画像形成装置間で重なるか否かが判定されるので、ユーザによってダウンタイムが生じないように部品交換に対する適切な対応を迅速かつ容易に行うことが可能になる。
【0008】
第2の本発明の部品交換管理システムは、前記第1の本発明において、前記制御部は、記憶部に記憶されている各部品の交換用カウンタ値を取得して、前記データと交換用カウンタ値とから前記交換時期の予測を行うことを特徴とする。
【0009】
第2の本発明によれば、交換用カウンタ値に至るまでのカウンタ値等を容易に把握することができる。
【0010】
第3の本発明の部品交換管理システムは、前記第1または第2の本発明において、前記データとしてさらに稼働状況を含むことを特徴とする。
【0011】
第3の本発明によれば、稼働カウンタ値に加えて稼働状況を考慮することで、交換時期の予測をより精度良く行うことが可能になる。
【0012】
第4の本発明の部品交換管理システムは、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、情報を表示する表示部を備え、前記制御部は、前記表示部に前記判定結果を表示することを特徴とする。
【0013】
第4の本発明によれば、ユーザは判定結果を表示部によって容易に視認することができ、どの画像形成装置で交換時期が重なるかなどを容易に確認し、適切な対応を採ることが可能になる。
【0014】
第5の本発明の部品交換管理システムは、前記第4の本発明において、前記制御部は、前記表示部に前記判定結果とともに、前記交換時期に至るまでの稼働カウンタ値または/および予測時間を表示することを特徴とする。
【0015】
第5の本発明によれば、複数の画像形成装置で部品の交換時期が重なる判定がなされた際に、表示部において何時頃交換時期が重なるかなどを容易に確認することができ、交換作業の時期を容易かつ適切に決定することができる。
【0016】
第6の本発明の部品交換管理システムは、前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、所定の時間範囲内または所定の画像形成回数以内に複数の前記交換時期が到来するか否かによって交換時期が重なるか否かの前記判定を行うことを特徴とする。
【0017】
第6の本発明によれば、予め定めた時間範囲内または所定の画像形成回数以内で交換時期が重なるか否かにより判定することができ、一定した判定基準により判定を行うことができる。
【0018】
第7の本発明の部品交換管理システムは、前記前記第1の本発明において、前記部品の稼働カウンタ値が、当該部品における稼働時画像形成回数または稼働時間であることを特徴とする。
【0019】
第7の本発明によれば、部品によって寿命の判定を行うのに適した値を稼働カウンタ値として用いることができる。
【0020】
第8の本発明の部品交換管理システムは、前記前記第2の本発明において、前記稼働状況が、経過時間と関連付けた稼働時画像形成回数または稼働時間であることを特徴とする。
【0021】
第8の本発明によれば、過去の稼働状況によって、将来の交換時期を精度良く予測することができる。
【0022】
第9の本発明の部品交換管理システムは、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記データ取得部および前記制御部は、各画像形成装置と通信可能に接続された管理装置に備えられており、前記データ取得部は、各画像形成装置との通信によって前記データを取得するものであることを特徴とする。
【0023】
第9の本発明によれば、複数の画像形成装置に接続された管理装置によって各画像形成装置の部品交換管理を行うことができる。各画像形成装置では、稼働カウンタ値または、稼働カウンタ値および稼働状況を画像形成装置に備える画像形成制御部で管理し、その結果を管理装置の制御部に送信する。
【0024】
第10の本発明の部品交換管理システムは、前記前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記複数の画像形成装置のうち少なくとも一つは、装置本体の交換可能な部品の管理を行う画像形成制御部と、他の画像形成装置と通信可能に接続され前記他の画像形成装置から前記データを取得するデータ取得部を有しており、前記画像形成制御部は前記制御部として、前記データの集約、前記各部品の交換時期の予測および前記交換時期が重なるか否かの判定を行うことを特徴とする。
【0025】
第10の本発明によれば、複数の画像形成装置を互いに接続することで、少なくとも一つの画像形成装置で他の画像形成装置も含めて部品の管理を行うことができる。各画像形成装置では、稼働カウンタ値または/稼働カウンタ値および稼働状況を画像形成装置に備える画像形成制御部で管理し、その結果を部品管理を行う画像形成装置に画像形成制御部に送信する。
【0026】
第11の本発明の部品交換管理システムは、前記前記第10の本発明において、前記データの集約、前記各部品の交換時期の予測および前記交換時期が重なるか否かの判定を行う前記画像形成装置は、複数の画像形成装置のうちで他の画像形成装置への制御指令が可能なマスター機であることを特徴とする。
【0027】
第11の本発明によれば、他の画像形成装置を制御するマスター機の画像形成装置によって部品の管理を行うことができ、管理を集中して行うことができる。
【0028】
第12の本発明の部品交換管理プログラムは、複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値のデータを集約して部品交換の管理を行う制御部に用いられるプログラムであって、複数の画像形成装置で管理されている交換可能な部品の前記データを取得して集約するステップと、前記データから各部品の交換時期を予測するステップと、前記予測結果に基づいて各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行うステップとを、前記制御部に実行させることを特徴とする。
【0029】
第12の本発明によれば、複数の画像形成装置の部品交換管理を制御部において実行させることができる。
【0030】
第13の本発明の部品交換管理プログラムは、前記第11の本発明において、さらに、前記判定結果を表示するステップを前記制御部に実行させることを特徴とする。
【0031】
第13の本発明によれば、前記判定結果を制御部によって表示制御するように実行させることができる。
【0032】
第14の本発明の部品交換管理プログラムは、前記第12または第13の本発明において、前記交換時期を予測するステップが、各部品の交換用カウンタ値を取得するステップと、前記データと前記交換用カウンタ値とから前記交換時期の予測を行うステップとからなることを特徴とする。
【0033】
第14の本発明によれば、制御部によって交換時期の予測をより精度良く実行することを可能にする。
【0034】
第15の本発明の部品交換管理プログラムは、前記第12〜第14の本発明のいずれかにおいて、前記データに稼働状況を含むことを特徴とする。
【0035】
第15の本発明によれば、稼働カウンタ値に加えて稼働状況を考慮することで部品の交換時期の予測をより精度良く行うことが可能になる。
【0036】
第16の本発明の部品交換管理プログラムは、前記第11〜第13の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、各画像形成装置と通信可能に接続された管理装置に備えられているものであることを特徴とする。
【0037】
第16の本発明によれば、各画像形成装置に接続された管理装置の制御部によって各画像形成装置の部品交換管理を集中して行うことを可能にする。
【0038】
第17の本発明の部品交換管理プログラムは、前記第12〜第16の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記複数の画像形成装置の少なくとも一つで画像形成制御を行う画像形成制御部で構成されていることを特徴とする。
【0039】
第17の本発明によれば、互いに接続された複数の画像形成装置の少なくとも一つで、他の画像形成装置も含めて部品交換の管理を集中して行うことを可能にする。
【発明の効果】
【0040】
以上説明したように、本発明の部品交換管理システムによれば、複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値および稼働状況のデータを取得するデータ取得部と、前記データを集約して前記各部品の交換時期を予測し、各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行う制御部とを備えるので、該制御部によって各画像形成装置の部品交換の管理を行って、交換時期が重なるか否かを判定することができる。
【0041】
また、本発明の部品交換管理プログラムによれば、複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値および稼働状況のデータを集約してパーツ管理を行う制御部に用いられるプログラムであって、複数の画像形成装置で管理されている交換可能な部品の稼働カウンタ値および稼働状況のデータを取得して集約するステップと、前記稼働カウンタ値および稼働状況のデータから各部品の交換時期を予測するステップと、前記予測結果に基づいて各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行うステップとを、前記制御部に実行させるので、該制御部による各画像形成装置の部品交換管理および交換時期が重なるか否かの判定処理が実現する。
【0042】
さらに、本発明によれば、ユーザが一括管理された交換情報を確認できるため、複数の画像形成装置の交換タイミングや交換タイミングが重なるか否かの情報を基に、各画像形成装置の交換タイミングをずらして、複数台装置の同時ダウンを回避したり、ワークの割り振りを決定するなど、効率よく画像形成装置を使用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下に、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態のシステムを示す概念図であり、画像形成装置1、2と管理装置3とがネットワーク4によって接続されている。
図2は、ネットワークで接続された各装置の制御ブロック図を示すものであり、以下に説明する。
【0044】
画像形成装置1、2は、各装置全体を制御する画像形成制御部10、20を備えている。該画像形成制御部10、20は、CPUとこれを動作させるプログラムとを主として構成されており、コンピュータに相当する。画像形成制御部10、20には、記憶部11、21が制御可能に接続されており、該記憶部11、21は、画像形成制御部10、20を動作させるプログラムや画像形成装置を動作させる際の設定パラメータなどが読み出し可能に記憶されている。また、記憶部11、21は、上記プログラムが動作する際のワークエリアや各部品の稼働カウンタ値や稼働状況のデータおよび各部品のメンテナンス(交換)時期を示す交換用カウンタ値(PM値)が記憶可能になっており、画像形成制御部10、20ではこれらデータに基づいて各部品の管理を行う。また、画像形成制御部10、20では、各部品の稼働実績に基づいて上記稼働カウンタ値や稼働状況を更新する。
【0045】
また、該画像形成制御部10、20には、画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部12、22が制御可能に接続されている。該画像形成部12、22は、画像データに基づいて潜像をLDなどによって回転ドラム上に生成し、該潜像をトナーによって現像し、これを直接または間接的に転写紙に転写して画像を形成する。転写紙上に転写した画像は、定着部において加熱定着されて画像形成出力(プリント)がなされる。これら構成により画像形成部11、21が構成される。
【0046】
また、画像形成制御部11、21には、原稿から画像データを取得するための画像読取部13、23が接続されている。該画像読取部6は、原稿に対し光をあてる露光ランプと、原稿から反射された光を偏向等する光学系と反射光を受けて画像情報を生成するCCD等を備えており、また、原稿を自動的に送って読み込み可能とする原稿自動送り装置を備えるものであっても良い。
【0047】
画像形成制御部11、21には、操作表示部14、24が制御可能に接続されている。操作表示部14、24は、画像形成制御部11、21によって制御され、ユーザが画像形成装置1、2に対し、所定の操作を行ったり、情報の表示などがなされる。該操作表示部14、24では、表示と操作とは独立してなされるものであってもよく、また、LCDタッチパネルのように表示画面上で操作を行えるようにしたものであっても良い。
【0048】
画像形成制御部11、21には、さらに通信部15、25が制御可能に接続されている。通信部15、25は、ネットワーク4を介して他の装置とデータの送受信を行うインターフェースにより構成されている。
【0049】
次に、管理装置3は、管理装置全体を制御する制御部30を備えており、CPUとこれを動作させるプログラムとを主として構成されており、コンピュータに相当する。制御部30には、記憶部31が制御可能に接続されており、該記憶部31は、制御部30を動作させるプログラムなどが読み出し可能に記憶されている。また、記憶部3は、各画像形成装置から取得した稼働カウンタ値や稼働状況のデータを集約して記憶することが可能になっており、制御部30では、これらデータを適宜読み出して利用することができる。
なお、各部品の交換用カウンタ値は、各画像形成装置の記憶部に記憶しているものとして説明をしたが、管理装置3の記憶部31に、各交換用カウンタ値を記憶すようにしてもよい。
【0050】
また、制御部30には、表示部32が制御可能に接続されている。表示部32は、制御部30によって制御され、情報の表示がされる。また、管理装置に対し、ユーザが所定の操作を行えるように表示と操作とを兼用したものとしてもよい。
【0051】
制御部30には、さらに通信部33が制御可能に接続されている。通信部33は、ネットワーク4を介して画像形成装置とデータの送受信を行うインターフェースにより構成されており、各画像形成装置1、2から送信される稼働カウンタ値、稼働状況のデータを受信する。したがって、通信部33は、本発明のデータ取得部として機能する。
【0052】
(実施形態2)
上記実施形態1では、画像形成装置1、2が接続された管理装置3によって各画像形成装置の部品の交換管理を行うものとして説明したが、本願発明としては、画像形成装置間で、各画像形成装置の部品の交換管理を行うものであってもよい。
該構成を図3、4に基づいて説明する。なお、上記実施形態1と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施形態では、画像形成装置1をマスター機とし、該画像形成装置1で画像形成装置1と画像形成装置2の部品交換管理を行うものとして説明する。
【0053】
画像形成装置1、2では、上記したように装置全体を制御する画像形成制御部10、20を備えており、該画像形成制御部10、20に制御可能に接続された通信部15、25同士がネットワーク4によって互いに接続されている。
画像形成装置1、2では、上記実施形態と同様に、画像形成制御部10、20によって、記憶部11、21に記憶された各部品の稼働カウンタ値や稼働状況のデータおよび各部品のメンテナンス(交換)時期を示す交換用カウンタ値(PM値)に基づいて各部品の管理を行っている。
【0054】
また、画像形成制御部10は、画像形成装置2に対し、画像形成装置2における各部品の稼働カウンタ値や稼働状況のデータおよび各部品のメンテナンス(交換)時期を示す交換用カウンタ値(PM値)の送信を要求する。画像形成装置2では、この送信要求を受けると、画像形成制御部20は、記憶部21に記憶された前記データを読み出して、通信部25、ネットワーク4を介して画像形成装置1に送信する。画像形成装置1では、通信部15を介して該データを受信する。画像形成制御部10では、自機における各部品の稼働カウンタ値や稼働状況のデータおよび各部品のメンテナンス(交換)時期を示す交換用カウンタ値(PM値)とともに、画像形成装置2のデータを集約して記憶部11に記憶して管理する。
したがって、この実施形態2では、画像形成制御部10が本発明の制御部として機能し、通信部15が本発明のデータ取得部として機能する。
【0055】
次に、上記実施形態1、2で、上記制御部30また画像形成制御部10(以下、これらを総称して制御部という)で用いられるプログラムによって実行される手順を図5、6のフローチャートを用いて説明する。
制御部では、動作開始に伴って、定期的な実行などによって部品交換管理処理を行う。各画像形成装置1、2(図ではマシン1、2と表示する)のパーツ交換情報をチェックする(ステップs1、2)。
各ステップs1、2では、図6に示すサブルーチンが実行される。
【0056】
すなわち、稼働カウンタ値、動作状況のデータを各画像形成装置から取得(チェック)し、これを集約して管理装置3の記憶部30または画像形成装置1の記憶部11に記憶する(ステップss1)。
この動作では、実施形態1では、制御部30が、通信部33、ネットワーク4を介して画像形成装置1、2にこれらデータの送信要求を行う。実施形態2では、画像形成制御部10が通信部15、ネットワーク4を介して画像形成装置2にこれらデータの送信要求を行う。
【0057】
該要求は、実施形態1では、各画像形成装置1、2の画像形成制御部10、20に送信される。画像形成制御部10、20では、稼働に伴って部品毎に稼働カウンタ値(画像形成回数または稼働時間)と稼働状況(所定の経過時間に対する画像形成回数または稼働時間稼働カウンタ)を管理して記憶部11、21に記憶しており、これを通信部15、25を通して管理装置3に送信する。この際に、記憶部11、21で交換用カウンタ値を管理していれば、これを合わせて送信する。または、管理装置3と各画像形成装置1、2とが部品管理を行う目的で接続された際に、各部品の交換用カウンタ値が各画像形成装置1、2から管理装置3に送信するものであってもよく、さらには予め管理装置3で記憶・管理されているものであってもよい。
【0058】
実施形態2では、該要求は、画像形成装置2の画像形成制御部20に送信される。画像形成制御部20では、稼働に伴って部品毎に稼働カウンタ値(画像形成回数または稼働時間)と稼働状況(所定の経過時間に対する画像形成回数または稼働時間稼働カウンタ)を管理して記憶部21に記憶しており、これを通信部25を通して画像形成装置1に送信する。この際に、記憶部21で交換用カウンタ値を管理していれば、これを合わせて送信する。または、画像形成装置1と画像形成装置2とが部品管理を行う目的で接続された際に、画像形成装置2における各部品の交換用カウンタ値が画像形成装置2から画像形成装置1に送信されるものであってもよい。さらには予め画像形成装置1で記憶・管理されているものであってもよい。
【0059】
上記データを取得した制御部では、プログラムの指示にしたがって、交換時期を予測する手順を実行する。先ず、交換用カウンタ値(PM値)から実績である稼働カウンタ値を減算して、交換までの残りカウンタ値X(>0)を算出する(ステップss2)。これによりカウンタ値による交換時期の予測をすることができる。
次いで、残りカウンタ値Xと予め設定したしきい値Aとを比較する(ステップss3)。しきい値は、しきい値Aと、後述するしきい値Bとが用意され(A<B)、残りカウンタ値Xが減少して該しきい値A、Bに達することで、交換時期または交換時期に近いことが判別される。すなわち、残りカウンタ値Xがしきい値Bに達すると交換時期に近いことが判別され、しきい値Aに達すると交換時期であることが判別される。しきい値の設定方法は特に限定されるものではなく、交換時期をユーザが意識するのに適した数値などを設定することができる。例えば、しきい値Bとして、装置を24時間フル稼働させた際のカウンタ値に設定することで、交換までは少なくとも24時間の稼働が確保される。
【0060】
上記ステップss3で、残りカウンタ値Xがしきい値A以下であると(ステップss3、YES)、交換時期に至っているため要交換フラグをセットし(ステップss4)、サブルーチンを終了する。また、残りカウンタ値Xがしきい値Aに達していない場合(ステップss3、NO)、残りカウンタ値Xがしきい値Bに達しているか否かを判定する(ステップss5)。残りカウンタ値Xがしきい値B以下になると交換時期が近いため、交換準備フラグをセットし(ステップss6)、サブルーチンを終了する。また、残りカウンタ値がしきい値Bを越えている場合、交換時期は近くないため、そのままサブルーチンを終了する。
【0061】
上記では、便宜上一つのサブルーチンで説明を行ったが、画像形成装置1、2で異なるしきい値を定めて上記判定を行っても良く、また、部品毎にしきい値を定めてそれぞれ上記判定を行うものであってもよい。
【0062】
上記サブルーチンを実行するステップs1、s2の実行後、画像形成装置1、2に対する要交換フラグがあるか否かの判定がなされる(ステップs3)。ここで、要交換フラグがあれば(ステップs3、YES)、制御部は、プログラムの指示にしたがって、実施形態1では表示部33を制御し、実施形態2では操作表示部14を制御して交換時期を示すメッセージを表示し(ステップs4)、その後、処理を終了する。
【0063】
一方、要交換フラグがない場合(ステップs3、NO)、画像形成装置1で交換準備フラグがあるか否かの判定を行う(ステップs5)。ここで交換準備フラグがあれば(ステップs5、YES)、画像形成装置2で交換準備フラグがあるか否かの判定を行う(ステップs6)。画像形成装置2でも交換準備フラグがあれば(ステップs6、YES)、制御部は、プログラムの指示にしたがって、画像形成装置1、2の交換時期が近く、交換時期が重なるものと判定し、実施形態1では表示部33を制御し、実施形態2では操作表示部14を制御して、画像形成装置1、2の部品の交換時期が近く、交換時期が重なることを示すメッセージと、交換までのカウント数を表示し(ステップs7)、その後、処理を終了する。
【0064】
また、ステップs5で、画像形成装置1で交換準備フラグがない場合(ステップs5、NO)、画像形成装置2で交換準備フラグがあるか否かを判定し(ステップs8)、交換準備フラグがある場合(ステップs8、YES)、制御部は、プログラムの指示にしたがって、実施形態1では表示部33を制御し、実施形態2では操作表示部14を制御して、画像形成装置2の交換時期が近いことを示すメッセージと、交換までのカウント数を表示し(ステップs9)、処理を終了する。
画像形成装置2で交換準備フラグがない場合(ステップs8、NO)、画像形成装置1、2ともに交換準備フラグがないため処理を終了する。
【0065】
また、画像形成装置1で交換準備フラグがあり(ステップs5、YES)、画像形成装置2で交換準備フラグがない場合(ステップs6、NO)、制御部は、プログラムの指示にしたがって、実施形態1では表示部33を制御し、実施形態2では操作表示部14を制御して、画像形成装置1の交換時期が近いことを示すメッセージと、交換までのカウント数を表示し(ステップs10)、処理を終了する。
上記処理を終了後、所定の時間経過後などに、さらに同様の手順を繰り返すことで、実績の変化する各画像形成装置の部品交換管理を行うことができる。
【0066】
なお、上記手順では、稼働カウンタ値のみを用いて交換時期の予測を行ったが、これに加えて稼働状況を考慮して交換時期の予測を行うことも可能である。例えば、残りカウンタ値を算出した後、1週間の稼働状況データから一日当たりの平均稼働カウンタ値を算出し、該平均稼働値で前記残りカウンタ値を除算することで、おおよその交換時期(○日後)を判定することができる。この交換時期が同日になるか否かなどによって交換時期が重なるか否かを判定することができる。例えば、稼働状況が異なる画像形成装置では、残りカウンタ値が同程度であっても、交換に至る時期が大幅に異なることもあるが、稼働状況を考慮することで、稼働状況が異なる画像形成装置間で、交換時期をより精度良く予測することが可能になる。
【0067】
なお、上記各実施形態では、2台の画像形成装置における部品交換管理を行う例を説明したが、本願発明としては管理対象となる画像形成装置の数が限定されるものではなく、3台以上の画像形成装置を対象として管理を行うものであってもよい。
また、上記実施形態2では、1台の画像形成装置で他の画像形成装置も含めて部品管理を行うものとして説明をしたが、複数の画像形成装置(例えば2台であれば互いの画像形成装置)でそれぞれ他の画像形成装置も含めて部品交換の管理を行うようにしても良い。
【0068】
以上、上記実施形態に基づいて本願発明の説明を行ったが、本願発明が上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本願発明を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態のシステムを示す概念図である。
【図2】同じく制御ブロックを示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態のシステムを示す概念図である。
【図4】同じく制御ブロックを示す図である。
【図5】本発明のプログラムによる部品交換管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】同じく、一部のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 画像形成装置
3 管理装置
4 ネットワーク
10 画像形成制御部
11 記憶部
12 画像形成部
13 画像読取部
14 操作表示部
15 通信部
20 画像形成制御部
21 記憶部
22 画像形成部
23 画像読取部
24 操作表示部
25 通信部
30 制御部
31 記憶部
32 表示部
33 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値のデータを取得するデータ取得部と、前記データを集約して前記各部品の交換時期を予測し、各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行う制御部とを備えることを特徴とする部品交換管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、記憶部に記憶されている各部品の交換用カウンタ値を取得して、前記データと交換用カウンタ値とから前記交換時期の予測を行うことを特徴とする請求項1記載の部品交換管理システム。
【請求項3】
前記データとしてさらに稼働状況を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の部品交換管理システム。
【請求項4】
情報を表示する表示部を備え、前記制御部は、前記表示部に前記判定結果を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の部品交換管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に前記判定結果とともに、前記交換時期に至るまでの稼働カウンタ値または/および予測時間を表示することを特徴とする請求項4記載の部品交換管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、所定の時間範囲内または所定の画像形成回数以内に複数の前記交換時期が到来するか否かによって交換時期が重なるか否かの前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の部品交換管理システム。
【請求項7】
前記部品の稼働カウンタ値が、当該部品における稼働時画像形成回数または稼働時間であることを特徴とする請求項1記載の部品交換管理システム。
【請求項8】
前記稼働状況が、経過時間と関連付けた稼働時画像形成回数または稼働時間であることを特徴とする請求項2記載の部品交換管理システム。
【請求項9】
前記データ取得部および前記制御部は、各画像形成装置と通信可能に接続された管理装置に備えられており、前記データ取得部は、各画像形成装置との通信によって前記データを取得するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の部品交換管理システム。
【請求項10】
前記複数の画像形成装置のうち少なくとも一つは、装置本体の交換可能な部品の管理を行う画像形成制御部と、他の画像形成装置と通信可能に接続され前記他の画像形成装置から前記データを取得するデータ取得部を有しており、前記画像形成制御部は前記制御部として、前記データの集約、前記各部品の交換時期の予測および前記交換時期が重なるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の部品交換管理システム。
【請求項11】
前記データの集約、前記各部品の交換時期の予測および前記交換時期が重なるか否かの判定を行う前記画像形成装置は、複数の画像形成装置のうちで他の画像形成装置への制御指令が可能なマスター機であることを特徴とする請求項10記載の部品交換管理システム。
【請求項12】
複数の画像形成装置における交換可能な部品の稼働カウンタ値のデータを集約して部品交換の管理を行う制御部に用いられるプログラムであって、
複数の画像形成装置で管理されている交換可能な部品の前記データを取得して集約するステップと、前記データから各部品の交換時期を予測するステップと、前記予測結果に基づいて各画像形成装置での前記交換時期が重なるか否かの判定を行うステップとを、前記制御部に実行させることを特徴とする部品交換管理プログラム。
【請求項13】
さらに、前記判定結果を表示するステップを前記制御部に実行させることを特徴とする請求項12記載の部品交換管理プログラム。
【請求項14】
前記交換時期を予測するステップが、各部品の交換用カウンタ値を取得するステップと、前記データと前記交換用カウンタ値とから前記交換時期の予測を行うステップとからなることを特徴とする請求項12または13に記載の部品交換管理プログラム。
【請求項15】
前記データに稼働状況を含むことを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の部品管理プログラム。
【請求項16】
前記制御部は、各画像形成装置と通信可能に接続された管理装置に備えられているものであることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の部品交換管理プログラム。
【請求項17】
前記制御部は、前記複数の画像形成装置の少なくとも一つで画像形成制御を行う画像形成制御部で構成されていることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の部品交換管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−139768(P2010−139768A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316055(P2008−316055)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】