説明

部品劣化度算出装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】種別の異なる記録材を使用可能な画像形成装置について、記録材の搬送に係る部品の劣化度を精度良く算出する。
【解決手段】画像を形成する記録材の搬送により劣化する画像形成装置の部品について、パラメータ条件選択/変更部51により、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出し、予測式選択/変更部52により、記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式の中から使用する関係式を選択し、劣化度算出部53により、切り替え直前の種別が用いられた期間における部品の劣化度(増分)を算出し、その累計を求めて部品の劣化度を算出する。また、残ライフ日数算出部54により、部品の劣化度の推移を表す近似曲線を求め、部品の劣化度が限界値に到達する時期を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品劣化度算出装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙等の記録材に画像を形成して出力する画像形成装置の故障予測やその構成部品(例えば、搬送ロール)の寿命予測に関し、種々の発明が提案されている。
【0003】
例えば、シートを搬送する回転体と、前記回転体の消耗による搬送性能の低下を検出する消耗度検出手段と、前記回転体の稼働時間を計測する時間管理手段と、前記回転体が消耗により搬送不能となる直前の限界消耗度を予め記憶させておく限界消耗度記憶手段と、前記回転体が消耗により搬送不能となる時期を予測する寿命予測手段と、を有し、前記寿命予測手段は、前記消耗度検出手段により検出した前記回転体の消耗度と、前記時間管理手段により計測した前記回転体の稼動期間と、前記限界消耗度記憶手段が記憶している限界消耗度とを利用し、前記回転体が消耗により搬送不能となる寿命時期を、予測関数によって算出する発明が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
例えば、画像形成装置の状態と関連がある複数種類の情報を取得し、該複数種類の情報から指標値を算出し、該指標値の時間変化のデータに基づいて、その後の該画像形成装置の状態の変化を判定する発明が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−261237号公報
【特許文献2】特開2005−017874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、種別の異なる記録材を使用可能な画像形成装置について、記録材の搬送に係る部品の劣化度を精度良く算出することが可能な技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、画像を形成する記録材の搬送により劣化する画像形成装置の部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出する検出手段と、記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式を有し、前記検出手段による検出結果に応じて関係式を選択し、前記切り替え直前の種別が用いられた期間における前記部品の劣化度を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記部品の劣化度を累計する累計手段と、を備えたことを特徴とする部品劣化度算出装置である。
【0008】
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、前記累計手段により累計された前記部品の劣化度の推移を表す近似曲線を求め、当該近似曲線を用いて前記部品の劣化度が限界値に到達する時期を予測する予測手段を備えた、ことを特徴とする部品劣化度予測装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、請求項2に係る本発明において、前記近似曲線として、経過日数と前記累計手段により累計された前記部品の劣化度との関係を表すグラフにおいて直近の期間に係る前記部品の劣化度の点を通過する近似曲線を求める、ことを特徴とする部品劣化度予測装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成される記録材の搬送により劣化する部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出する検出手段と、記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式を有し、前記検出手段による検出結果に応じて関係式を選択し、前記切り替え直前の種別が用いられた期間における前記部品の劣化度を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記部品の劣化度を累計する累計手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
請求項5に係る本発明は、コンピュータに、画像を形成する記録材の搬送により劣化する画像形成装置の部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出する検出機能と、記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式を有し、前記検出機能による検出結果に応じて関係式を選択し、前記切り替え直前の種別が用いられた期間における前記部品の劣化度を算出する算出機能と、前記算出機能により算出された前記部品の劣化度を累計する累計機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、4、6に係る本発明によれば、画像形成装置における記録材の搬送に係る部品の劣化度を、記録材の種別の違いによる劣化の進行具合の差異を考慮して算出することができ、当該部品の劣化度の算出精度が高められる。
【0013】
請求項2に係る本発明によれば、記録材の搬送に係る部品の劣化度が限界値に到達する時期の予測精度を高めることができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によれば、記録材の搬送に係る部品の劣化度の推移をより的確に表した近似曲線を用いた予測を行うことができ、当該部品の劣化度が限界値に到達する時期の予測精度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能ブロックを例示する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で使用する予測式を例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で使用する予測式の作成方法を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による消耗品の劣化度の算出フローを例示する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による劣化度(増分)の加算に係る第1手法を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による劣化度(増分)の加算に係る第1手法の処理フローを例示する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置における消耗品の劣化度を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による劣化度(増分)の加算に係る第2手法を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による劣化度(増分)の加算に係る第2手法の処理フローを例示する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による劣化度(増分)の加算に係る第3手法を説明する図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による残ライフ日数の算出を説明する図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による残ライフ日数の算出を行う場合の消耗品の劣化度の算出フローを例示する図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による消耗品の残ライフ日数の算出フローを例示する図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る画像形成装置による曲線の当て嵌めの変形例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を例示する図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に係るコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、用紙等の記録材に画像を形成して出力する画像形成機能を備えた装置である。画像形成装置としては、プリンタ(印刷装置)、コピー機(複写装置)、ファクシミリ装置などの装置が挙げられるほか、印刷・複写・ファクシミリ等の機能を複合的に備えた複合機も含まれる。
【0017】
図16には、本例の画像形成装置における画像形成部の構造を例示してある。
本例の画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式であり、代表的な機能部として、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙P(記録材の一例)に一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器34と、を備えている。
また、本例の画像形成装置は、各部の動作を制御する制御部40、利用者への情報の提示や利用者からの指示を受け付けるためのユーザインタフェース(UI)41、を備えている。
【0018】
本例において、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11(11Y,11M,11C,11K)を有する。また、感光体ドラム11の各々の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に露光ビームBmを照射して静電潜像を書き込む露光器13、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17、といった各種の電子写真用デバイスが順次配設されている。
これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されており、中間転写ベルト15に対して接離可能に構成されている。
【0019】
また、本例の画像形成装置は、用紙搬送系として、用紙収容部から用紙Pを取り出して二次転写部20へと送り込む給紙動作を行う給紙機構部31と、二次転写部20を通過した用紙Pを定着器34側へと搬送する搬送ベルト32と、用紙Pを定着器34の入口へとガイドする定着入口ガイド33と、定着器34から排紙された用紙Pをガイドする排紙ガイド35と、排紙ガイド58によりガイドされた用紙Pを装置外部に排出する排紙ロール36と、を備えている。
【0020】
すなわち、給紙機構部31により用紙収容部から二次転写部20へと給紙された用紙Pは、二次転写部20にて中間転写ベルト15上のトナー像が静電転写された後、中間転写ベルト15から剥離された状態で搬送ベルト32へと搬送される。そして、搬送ベルト32により、定着器34の動作速度に合わせて、定着入口ガイド33を介して定着器34まで搬送される。定着器34に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器34によって熱及び圧力を加える定着処理を受けることで用紙P上に定着される。その後、定着画像が形成された用紙Pは、排紙ガイド35及び排紙ロール36を介して、装置外部に設けられた排紙収容部(図示せず)へと搬送される。
【0021】
図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能ブロックを例示してある。
本例の画像形成装置は、画像形成の対象となる用紙(記録材)の搬送により劣化する部品について、これまでの劣化度を算出する劣化度算出機能、及び、劣化度が限界値に到達する将来時期について予測する寿命予測機能を有しており、これらの機能に関わる処理部として、パラメータ条件選択/変更部51、予測式選択/変更部52、劣化度算出部53、残ライフ日数算出部54、コントローラ55、データ記憶部56、表示部57などを有している。
【0022】
劣化度算出及び寿命予測の対象の部品としては、用紙の搬送経路に設けられる種々の部品を対象とすることができ、例えば、用紙搬送系の各部に設けられたロール部材やベルト部材など、記録材の搬送に伴って劣化する部品(以下、消耗品という)が対象とされる。このような消耗品は、サイズ、紙質、坪量などの種別が同じ用紙を用いている(搬送している)間には劣化が連続的に進行するが、画像形成に用いられる(搬送される)用紙の種別が切り替わると、その切り替わり前後で劣化の進行が不連続に変化する。
【0023】
ここで、例えば、消耗品の劣化度を予測する予測式に用紙の種別をパラメータとして含めることを考えると、非線形の影響やパラメータ間の干渉などが顕著になり、精度の良い予測式を作成することが困難である。
そこで、本例の画像形成装置では、後述するように、用紙の種別を複数の用紙条件に分類して、用紙条件毎の予測式(記録材の搬送枚数と部品の劣化度との関係を定めた関係式)を用意しておき、画像形成に用いられる(搬送される)用紙の種別に応じた予測式を選択し、該当する種別の用紙が用いられた期間における消耗品の劣化度(増分)を算出し、当該算出した劣化度(増分)を累計して現状の消耗品の劣化度を算出することで、消耗品の劣化度の算出精度の向上を図っている。
【0024】
以下では、指定された画像を用紙に形成して出力するプリント(印刷)処理の実行を指示するプリント命令に基づいて、消耗品の劣化度算出及び寿命予測を行う場合について説明するが、これに限定するものではなく、例えば、原稿を画像読み取りして得られる原稿画像を用紙に形成して出力するコピー(複写)処理の実行を指示するコピー命令に基づいて、消耗品の劣化度算出及び寿命予測を行うこともできる。
なお、上記のプリント命令(或いはコピー命令など)には、画像の形成先となる用紙(記録材)の種別(サイズ、紙質、坪量など)を示す用紙条件を特定する情報が設定されているものとする。具体的には、例えば、複数の用紙収容部を備えた画像形成装置について、各用紙収容部に対応付けてその用紙収容部に収容される用紙の用紙条件を予め設定しておき、プリント命令(或いはコピー命令など)において、用紙条件を特定する情報として、用紙収容部を識別する情報を設定するようにする。
【0025】
コントローラ55(制御部40)は、外部の端末等からプリント命令を受信したことに応じて、当該プリント命令に基づくプリント処理を制御する。
また、コントローラ55は、プリント命令に基づくプリント処理の実行に際し、消耗品の劣化度に関する予測式(後述する)において説明変数として用いられるパラメータの値を取得する。例えば、用紙の搬送経路にある定着器34に設けられた定着ロール(消耗品の一例)に関する予測式のパラメータとして、装置内の温度及び湿度、プリント枚数、用紙条件、定着ロールを回転駆動するモータの稼働時間などが取得される。コントローラ55により取得された各パラメータの値は、データ記憶部56に記憶される。
本例では、プリント命令毎のパラメータ値をデータ記憶部56に履歴として記憶させているが、劣化度の算出に必要最低限のデータのみを記憶するようにしてもよい。また、本例では、プリント枚数として、対象の消耗品が画像形成装置に設けられてから(交換されてから)の用紙条件毎のプリント枚数を記憶し、モータの稼働時間として、対象の消耗品が画像形成装置に設けられてから(交換されてから)の累積稼働時間を記憶する。
【0026】
パラメータ条件選択/変更部51は、プリント命令の受信(プリント処理の実行)毎に、そのプリント命令で選択(指定)された用紙条件を特定する。また、当該特定結果に基づいて、用紙条件の変更(切り替わり)、当該切り替え直前の種別、当該直前の種別の記録材が用いられていた期間を検出する。すなわち、例えば、用紙条件Xに係るプリント命令を連続して受信している間は用紙条件の切り替わりは検出されず、用紙条件Xに係るプリント命令に続いて用紙条件Yに係るプリント命令を受信した場合に用紙条件の切り替わりが検出され、更に、当該切り替え直前の用紙条件X、当該直前の用紙条件Xの記録材が用いられていた期間が検出される。
【0027】
予測式選択/変更部52は、パラメータ条件選択/変更部51により特定された用紙条件に対応する予測式(記録材の搬送枚数と部品の劣化度との関係を定めた関係式)を、劣化度算出部53において使用する予測式として選択する。また、パラメータ条件選択/変更部51により用紙条件の切り替わりが検出された場合には、劣化度算出部53において使用する予測式を変更する。
【0028】
本例では、図2に例示するように、用紙条件(サイズ、紙質、坪量などの種別)毎に用意された複数の予測式の中から、劣化度算出部53において使用する予測式を選択する。
図2の例では、定着ロール(消耗品の一例)に関する予測式のパラメータについて、用紙条件を除くパラメータ(装置内の温度及び湿度、プリント枚数、モータの稼働時間)を共通パラメータとし、用紙条件を、サイズ(A3、A4の2種類)、紙質(普通紙、コート紙の2種類)、坪量(A、Bの2種類)についてグルーピングし、8種類のグループ(P1〜P8)に分けている。そして、共通パラメータと8種類の用紙条件(P1〜P8)に対応して、定着ロールの劣化度を算出する8種類の予測式(Pre1〜Pre8)が用意されている。共通パラメータに係る各係数(α、β、γ、ε)は、各予測式(Pre1〜Pre8)で同じ値であり、用紙条件(P1〜P8)に係る各係数(δ1〜δ8)は、各用紙条件に応じた値となる。
各予測式は、消耗品(本例では、定着ロール)の劣化メカニズムの考察から作成してもよいし、負荷試験等の結果に基づいて実験的に作成してもよい。
劣化度は、消耗品の劣化の程度を表す指標値であり、例えば、定着ロールの外径、表面状態(ひずみ量、変形量、粗さ等)などの値を用いることができる。
【0029】
予測式の具体例として、「予測式Pre1=α(温度)+β(湿度)+γ(累積稼働時間)+δ1(プリント枚数)+ε」を作成する場合について説明する。本例では、実験にてデータを収集し、重回帰分析にて係数を決定する。
まず、用紙条件P1(サイズ;A4、紙質;普通紙、坪量;A)の用紙を用いてプリント処理を繰り返し、データを収集していく。このとき、予め定められたプリント枚数毎に(例えば、1000枚から開始して2000枚毎に)、装置内の温度及び湿度、累積稼働時間のデータを採取する。また、その際の劣化度(Pre1)として、例えば磨耗比率(新品の定着ロールの外径と磨耗した定着ロールの外径との比)を測定する。
図3には、上記の作業により収集された劣化度、プリント枚数、温度、湿度、累積稼働時間のデータ(実測値)を例示してある。図3のデータ(実測値)に基づいて重回帰分析を行って予測式Pre1の係数を求めると、以下のようになる。なお、各係数値は、浮動小数点表記で示してある。
α=2.591E−06
β=0.001027
γ=−2.733E−05
δ1=−9.640E−06
ε=−0.04695
上記の係数を予測式Pre1に当て嵌め、各説明変数(該当用紙条件のプリント枚数、温度、湿度、累積稼働時間)を代入して目的変数(劣化度)を算出すると、図3のデータ(実測値)を精度よく算出できることが分かる。
【0030】
劣化度算出部53は、予測式選択/変更部52により選択された予測式を用いて、当該予測式に対応する用紙条件(切り替え直前の用紙条件)に合致する用紙を用いたプリント処理が行われていた期間における消耗品の劣化度(増分)を算出し、当該算出した劣化度(増分)を累計して、当該消耗品の劣化度を算出する。すなわち、選択された予測式に各パラメータ値(該当用紙条件のプリント枚数、温度、湿度、累積稼働時間)を代入して該当期間における消耗品の劣化度(増分)を算出し、その累計を求めることで当該消耗品の劣化度が算出される。
本例では、用紙条件の変更時点において、その変更前までの消耗品の劣化度を算出し、用紙条件の変更日時に対応付けてデータ記憶部56に記憶させる。すなわち、消耗品の劣化度の履歴をデータ記憶部56に蓄積している。また、本例では、劣化度の算出に用いた各パラメータ値(該当用紙条件のプリント枚数、温度、湿度、累積稼働時間)などについても、用紙条件の変更日時に対応付けて、データ記憶部56に履歴として蓄積している。
【0031】
残ライフ日数算出部54は、データ記憶部56に記憶された消耗品の劣化度の履歴(劣化度算出部53による算出結果)に基づいて、消耗品の劣化度の推移を表す近似曲線を求め、当該近似曲線を用いて消耗品の劣化度が限界値に到達する日時(将来時期)を予測し、当該予測した日時と現在日時との差分から残ライフ(寿命)を算出する。具体的には、例えば、定着ロールの劣化度の推移を表す近似曲線が、データ記憶部56に記憶されている限界値に到達するまでの経過日数(定着ロールの交換等からの経過日数)を算出し、現時点までの経過日数を差し引くことで、定着ロールの残ライフ日数を算出する。
【0032】
データ記憶部56には、消耗品の劣化度算出及び寿命予測に関わる種々のデータが記憶される。例えば、各パラメータ値(装置内の温度や湿度、プリント枚数、用紙条件、モータの累積稼働時間)の最新のデータが格納される。また、例えば、消耗品の劣化度に係る履歴データが格納される。より具体的には、用紙条件の変更日時の履歴データ、消耗品の劣化度の履歴データ、残ライフ日数の履歴データ、劣化度の限界値のデータ、劣化度算出時の各パラメータ値(装置内の温度や湿度、プリント枚数、用紙条件、モータの累積稼働時間)の履歴データ、などが格納される。
【0033】
表示部57(UI41)は、残ライフ日数算出部54による算出結果を表示装置により表示する。なお、消耗品の劣化度が限界値に到達する日時(将来時期)を表示してもよく、消耗品の残ライフを表示してもよい。また、劣化度算出部53により算出された現時点における消耗品の劣化度(最新の劣化度)を表示してもよく、消耗品の劣化度の推移をグラフ化して表示してもよい。
【0034】
すなわち、本例の画像形成装置は、用紙(記録材)の搬送により劣化する部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える用紙条件(記録材の種別)の切り替え、当該切り替え直前の用紙条件、当該直前の用紙条件の用紙が用いられた期間を検出する機能部と、用紙の搬送枚数と部品の劣化度との関係を定めた用紙条件毎の予測式(関係式)を有し、用紙条件に応じた予測式を選択して、切り替え直前の用紙条件が用いられた期間における部品の劣化度を算出する機能部と、当該算出された劣化度を累計する機能部と、を有する部品劣化度算出装置として動作する。
【0035】
なお、上述した画像形成装置の構成は例示に過ぎず、他の構成態様としてもよい。
すなわち、本例のように、画像形成装置自身が部品劣化度算出装置を備えた構成ではなく、例えば、画像形成装置とは別体の装置(例えば、画像形成装置と通信可能なサーバ装置)に部品劣化度算出装置を設け、複数の画像形成装置に係る部品の劣化度の算出等を共通の部品劣化度算出装置で行うようにしてもよい。
また、本例のように、用紙条件の変更(切り替わり)が検出される毎に、その前の期間(前回の変更時点と今回の変更時点との間の期間)における消耗品の劣化度(増分)を算出する構成ではなく、例えば、プリント命令の実行毎或いはN枚のプリント毎に、当該プリントによる消耗品の劣化度(増分)を算出するようにしてもよい。
【0036】
図4には、本例の画像形成装置による消耗品の劣化度の算出フローを例示してある。
対象となる消耗品の交換後、最初に劣化度の算出を開始するとき、コントローラ55により各パラメータ値(共通のパラメータデータと用紙条件(8種類のうちの1つ))が設定される(ステップS11、S12)。また、この時点での日時データがデータ記憶部56に格納される(ステップS13)。各パラメータ値は最新のデータがデータ記憶部56に格納されている。この最新のパラメータ値のうち用紙条件に基づいて、対応する予測式が8種類の予測式の中から選択される(ステップS14)。そして、選択された予測式に最新の共通パラメータを代入して算出される劣化度(増分)が、現状の消耗品の劣化度として算出され、データ記憶部56に、ステップS13で格納された日時データに対応付けて格納される(ステップS15)。また、算出された現状の消耗品の劣化度は、消耗品の管理者等が閲覧可能なように、表示部57に表示される(ステップS17)。
次に、異なる用紙条件を指定したプリント命令が生じた場合に、用紙条件の変更が検出され(ステップS16)、各パラメータ値の設定や変更時点の日時データの格納が行われる(ステップS12、S13)。そして、対応する予測式が選択され(ステップS14)、選択された予測式に最新の共通パラメータを代入して算出される劣化度(増分)を累計して現状の消耗品の劣化度が算出され、データ記憶部56に、ステップS13で格納した日時データに対応付けて格納される(ステップS15)。
【0037】
次に、異なる予測式を用いて算出した劣化度(増分)を累計して消耗品の劣化度を算出する処理について、図5を参照して説明する。図5において、横軸は基準日(例えば、消耗品の交換日)からの経過日数であり、縦軸は消耗品の劣化度である。
第1手法では、経過日数を基準にした観点から、各予測式で算出した劣化度(増分)の加算を行う。すなわち、例えば、図5(a)に例示するように、用紙条件2に対応する期間(30日〜40日)の開始時点(30日)の予測式Pre2の値(D2a)と当該期間の終了時点(40日)の予測式Pre2の値(D2b)を算出し、その差(D2b−D2a)を計算することで当該期間における劣化度の増分(D2)を算出し、当該算出した増分(D2)をこれまでの消耗品の劣化度(用紙条件1に対応する期間(0日〜30日)における劣化度の増分(D1))に加算して、消耗品の交換から40日を経過した時点(A点)における消耗品の劣化度を算出する。図5(b)には、上記の処理の結果として求められる消耗品の劣化度の推移を示してある。
【0038】
上記の処理の流れを、図6に例示する処理フローを参照して説明する。
日時データは、劣化度算出開始時点とその後の用紙条件の変更(すなわち、予測式の変更)時点ごとに格納されている。したがって、消耗品の交換から40日を経過した時点(A点)の直近日時データは、用紙条件2になったときの経過日数30日である。このときの直近日時データ及びパラメータ(温度、湿度、プリント枚数、モータの累積稼働時間)を読み出し(ステップS21)、当該パラメータと予測式Pre2を用いて30日時点の劣化度(D2a)を算出する(ステップS22)。次に、現在日時データ及びパラメータを読み出し(ステップS23)、当該パラメータと予測式Pre2を用いて40日時点の劣化度(D2b)を算出する(ステップS24)。そして、劣化度(D2b)から劣化度(D2a)を差し引いて劣化度増分(D2)を算出する(ステップS25)。その後、直近(図5中のR点)の劣化度データを読み出し、(ステップS26)、直近の劣化度データに劣化度増分(D2)を加算して現在の劣化度を算出し(ステップS27)、データ記憶部56に格納する(ステップS28)。
【0039】
ここで、消耗品の劣化度について説明しておく。
消耗品の一例である定着ロールの劣化度としては、定着ロールの外径、表面状態(ひずみ量、変形量、粗さ等)などが用いられる。例えば、定着ロールの外径の変形量(扁平度;定着ロールの径方向の断面において直交する2つの直径比)や、定着ロールの外径の減少量などを用いて劣化度を表現できる。すなわち、図7(a)に例示するように、変形量や減少量の値に対して劣化度を関係付けする。図7(a)の例では、直線的な対応関係を設定しているが、曲線的な対応関係としてもよく、実験的(或いは理論的)に求めて予め設定しておく。このような関係付けを行うことで、限界の変形量や減少量を100%(パーセント)として、現在の劣化度を0〜100%の間の値として示すことができ、現在の状態が凡そ限界までのどの程度の位置であるかを特定することができる。例えば、現在値が80%であれば、残ライフが20%であると言える。なお、図7(b)には、算出した劣化度を限界に対してパーセント表示した例を示してある。
【0040】
次に、異なる予測式を用いて算出した劣化度(増分)を累計して消耗品の劣化度を算出する第2手法について、図8を参照して説明する。図8において、横軸は基準日(例えば、消耗品の交換日)からの経過日数であり、縦軸は消耗品の劣化度である。
第2手法では、劣化度を基準にした観点から、各予測式で算出した劣化度(増分)の加算を行う。すなわち、例えば、図8(a)に例示するように、用紙条件1に対応する期間(0日〜30日)における劣化度の増分(D1)と同じ値(D2a)となる予測式Pre2上の経過日数を求め、当該経過日数に用紙条件2に対応する期間(30日〜45日)の長さ(15日)を加算した時点の値(D2b)を算出し、その差(D2b−D2a)を計算することで当該期間における劣化度の増分(D2)を算出し、当該算出した増分(D2)をこれまでの消耗品の劣化度(用紙条件1に対応する期間(0日〜30日)における劣化度の増分(D1))に加算して、消耗品の交換から40日を経過した時点(A点)における消耗品の劣化度を算出する。図8(b)には、上記の処理の結果として求められる消耗品の劣化度の推移を示してある。
【0041】
上記の処理の流れを、図9に例示する処理フローを参照して説明する。
日時データは、劣化度算出開始時点とその後の用紙条件の変更(すなわち、予測式の変更)時点ごとに格納されている。したがって、消耗品の交換から40日を経過した時点(A点)の直近日時データは、用紙条件2になったときの経過日数30日である。このときの直近日時データ及びパラメータ(温度、湿度、プリント枚数、モータの累積稼働時間)を読み出し(ステップS31)、当該パラメータと予測式Pre1を用いて30日時点の劣化度(D1)を算出する(ステップS32)。次に、これと同じ劣化度(D2a)となる予測式Pre2上の経過日数を求め(ステップS33)、当該経過日数に用紙条件2に対応する期間(30日〜45日)の長さ(15日)を加算した時点の劣化度(D2b)を算出する(ステップS34)。そして、劣化度(D2b)から劣化度(D2a)を差し引いて劣化度増分(D2)を算出する(ステップS35)。その後、直近(図8中のR点)の劣化度データを読み出し、(ステップS36)、直近の劣化度データに劣化度増分(D2)を加算して現在の劣化度を算出し(ステップS37)、データ記憶部56に格納する(ステップS38)。
【0042】
次に、異なる予測式を用いて算出した劣化度(増分)を累計して消耗品の劣化度を算出する第3手法について、図10を参照して説明する。図10において、横軸は基準日(例えば、消耗品の交換日)からの経過日数であり、縦軸は消耗品の劣化度である。
第3手法では、用紙条件の変更時に経過日数をゼロにリセットして、各予測式で算出した劣化度(増分)の加算を行う。すなわち、例えば、図10(a)に例示するように、予測式Pre2を用いて経過日数が0日時点の値(D2a)を算出し、当該経過日数に用紙条件2に対応する期間(30日〜45日)の長さ(15日)を加算した時点の値(D2b)を算出し、その差(D2b−D2a)を計算することで当該期間における劣化度の増分(D2)を算出し、当該算出した増分(D2)をこれまでの消耗品の劣化度(用紙条件1に対応する期間(0日〜30日)における劣化度の増分(D1))に加算して、消耗品の交換から40日を経過した時点(A点)における消耗品の劣化度を算出する。図10(b)には、上記の処理の結果として求められる消耗品の劣化度の推移を示してある。
すなわち、第2手法では、用紙条件の変更に伴い、変更前の予測式における経過日数を変更後の予測式における経過日数に変換していたのに対し、第3手法では、用紙条件の変更に伴って経過日数をゼロにリセットしている点で異なる。
【0043】
次に、消耗品の残ライフ日数の算出について、図11を参照して説明する。図11において、横軸は基準日(例えば、消耗品の交換日)からの経過日数であり、縦軸は消耗品の劣化度である。
まず、データ記憶部に格納されている劣化度と算出したときの経過日数データを読み出す。また、このときに、現在の経過日数と劣化度も算出しておく。そして、上述したような手法を用いて、用紙条件が変更された時点毎の消耗品の劣化度を累計する。図11(a−1)には、第1手法による累計事例の一例を示してあり、同図(a−2)には、第2手法による累計事例の一例を示してある。いずれの例においても、基準日以降に用紙条件の変更(すなわち、予測式の変更)が4回発生しており、各変更時点において消耗品の劣化の進行が不連続に変化していることが分かる。また、4回の予測式の変更があるので、データ点は、開始点と現在の点も含めて6点がある。図11(b)は、これらのデータ点を抜き出して、消耗品の劣化度(累計値)をグラフ上にプロットした図である。次に、これらのデータへ曲線の当て嵌めを行う。曲線の当て嵌めには、重回帰分析、基底関数(多項式、対数、指数等)を用いた回帰分析など、種々な方法を利用することができる。図11(c)には、同図(b)に曲線を当て嵌めた例を示してある。曲線の当て嵌めにより、曲線の式が求められると、その式に劣化度の限界値を代入することで、劣化度が限界値に到達する時期(ライフ日数)を求めることが出来る。そして、このライフ日数から現在の経過日数を差し引くことで、残ライフ日数を求めることができる。
【0044】
図12には、本例の画像形成装置による残ライフ日数の算出を行う場合の消耗品の劣化度の算出フローを例示してある。
対象となる消耗品の交換後、最初に劣化度の算出を開始するとき、コントローラ55により各パラメータ値(共通のパラメータデータと用紙条件(8種類のうちの1つ))が設定される(ステップS41、S42)。また、この時点での日時データがデータ記憶部56に格納される(ステップS43)。各パラメータ値は最新のデータがデータ記憶部56に格納されている。この最新のパラメータ値のうち用紙条件に基づいて、対応する予測式が8種類の予測式の中から選択される(ステップS44)。そして、選択された予測式に最新の共通パラメータを代入して算出される劣化度(増分)が、現状の消耗品の劣化度として算出され、データ記憶部56に、ステップS13で格納された日時データに対応付けて格納される(ステップS45)。
次に、異なる用紙条件を指定したプリント命令が生じた場合に、用紙条件の変更が検出され(ステップS47)、各パラメータ値の設定や変更時点の日時データの格納が行われる(ステップS42、S43)。そして、対応する予測式が選択され(ステップS44)、選択された予測式に最新の共通パラメータを代入して算出される劣化度(増分)を累計して現状の消耗品の劣化度が算出され、データ記憶部56に、ステップS13で格納した日時データに対応付けて格納される(ステップS45)。
また、残ライフ日数の算出を行う設定がなされている場合には、現状の消耗品の劣化度の算出及び格納(ステップS45)を行った後に、残ライフの算出を行う(ステップS46、S47)。なお、残ライフ日数の算出を行うか否かは、例えば、消耗品の管理者等による操作入力によって設定される。
【0045】
図13には、消耗品の残ライフ日数の算出フローを例示してある。
まず、過去の経過日数と消耗品の劣化度をデータ記憶部56から読み出し(ステップS51)、現在の経過日数に基づいて現時点の消耗品の劣化度を算出し、各経過日数時点の消耗品の劣化度を曲線に当て嵌め(ステップS52)、得られた曲線式と劣化度の限界値とに基づいて、劣化度が限界値に到達する将来時期(ライフ日数)を求め(ステップS53)、その日数から現在の経過日数を差し引いて残ライフ日数を算出し(ステップS54)、算出された残ライフ日数を表示装置により表示する(ステップS55)。
【0046】
図14には、曲線の当て嵌めの変形例を示してある。
曲線の当て嵌めは、過去及び現在の経過日数とその時点の劣化度を用いて行う。ここで、用紙条件が変更になる度に予測式が変更されて劣化度の算出が行われるため、滑らかな曲線に各劣化度がのりにくい傾向にある。一方、それぞれ用紙条件に対応した予測式を用いるので、劣化度の精度的には良い。そこで、図14に例示するように、経過日数と劣化度との関係を表すグラフにおいて、直近の期間(最後に用紙条件が変更されてから現時点までの期間)に係る劣化度の点(図中のA点)を通過するように曲線の当て嵌めを行うことで、残ライフ日数の予測精度の向上を図る。
例えば、3次多項式近似の場合には、以下の式を用いて演算される(ただし、yは劣化指標を示し、xは経過日数を示す)。
y=a0+a1*x+a2*x+a3*x
すなわち、上記の式で、A点(直近の期間に係る劣化度の点)を通過するようにa0〜a3の各係数の関係を求め、係数を1つ消去して、残りの係数を求める(例えば、通常の最小2乗法による最適化演算により算出可能)。
【0047】
図16には、本例の画像形成装置に係るコンピュータのハードウェア構成を例示してある。
本例では、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)81、CPU81の作業領域となるRAM(Random Access Memory)82や基本的な制御プログラムを記録したROM(Read Only Memory)83等の主記憶装置、本発明の一実施形態に係るプログラムや各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)84等の補助記憶装置、各種情報を表示出力するための表示装置及び操作者により入力操作に用いられる操作ボタンやタッチパネル等の入力機器とのインタフェースである入出力I/F85、他の装置との間で有線又は無線により通信を行うインタフェースである通信I/F86、等のハードウェア資源を有するコンピュータにより構成されている。
そして、本発明の一実施形態に係るプログラムを補助記憶装置84等から読み出してRAM82に展開し、これをCPU81により実行させることで、上述したキャリブレーションの制御に係る各機能部をコンピュータ上に実現している。
【0048】
なお、本発明の一実施形態に係るプログラムは、例えば、当該プログラムを記憶したCD−ROM等の外部記憶媒体から読み込む形式や、通信網等を介して受信する形式などにより、本例に係るコンピュータに設定される。
また、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、それぞれの機能部を専用のハードウェアモジュールで実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
51:パラメータ条件選択/変更部、 52:予測式選択/変更部、 53:劣化度算出部、 54:残ライフ日数算出部、 55:コントローラ、 56:データ記憶部、 57:表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する記録材の搬送により劣化する画像形成装置の部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出する検出手段と、
記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式を有し、前記検出手段による検出結果に応じて関係式を選択し、前記切り替え直前の種別が用いられた期間における前記部品の劣化度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記部品の劣化度を累計する累計手段と、
を備えたことを特徴とする部品劣化度算出装置。
【請求項2】
前記累計手段により累計された前記部品の劣化度の推移を表す近似曲線を求め、当該近似曲線を用いて前記部品の劣化度が限界値に到達する時期を予測する予測手段を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の部品劣化度予測装置。
【請求項3】
前記予測手段は、前記近似曲線として、経過日数と前記累計手段により累計された前記部品の劣化度との関係を表すグラフにおいて直近の期間に係る前記部品の劣化度の点を通過する近似曲線を求める、
ことを特徴とする請求項2に記載の部品劣化度予測装置。
【請求項4】
記録材に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成される記録材の搬送により劣化する部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出する検出手段と、
記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式を有し、前記検出手段による検出結果に応じて関係式を選択し、前記切り替え直前の種別が用いられた期間における前記部品の劣化度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記部品の劣化度を累計する累計手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
コンピュータに、
画像を形成する記録材の搬送により劣化する画像形成装置の部品について、当該部品の劣化の進行に不連続性を与える記録材の種別の切り替え、当該切り替え直前の種別、当該切り替え直前の種別の記録材が用いられた期間を検出する検出機能と、
記録材の搬送枚数と前記部品の劣化度との関係を定めた種別毎の関係式を有し、前記検出機能による検出結果に応じて関係式を選択し、前記切り替え直前の種別が用いられた期間における前記部品の劣化度を算出する算出機能と、
前記算出機能により算出された前記部品の劣化度を累計する累計機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−141484(P2012−141484A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−367(P2011−367)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】