説明

部品実装回路基板

【課題】 位置合わせマークを機能を維持しつつ、更なる小型化が可能な部品実装回路基板を提供する。
【解決手段】 ランド部16,16の中に、基準位置マーク17,17が形成される。基準位置マーク17,17は、金属薄膜であるランド部16,16の中に、金属薄膜が除かれた穴であればよい。こうした基準位置マーク17,17の形成は、ランド部16,16を含む導電パターン12の形成時に、レジストパターンでこの基準位置マーク17,17に相当する部分に導電パターン12が形成されないようにしておけばよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル回路基板に電子部品を実装した部品実装回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話などの小型電子機器の画像表示などに利用される液晶表示装置は、液晶表示パネルと、この液晶表示パネルを制御するドライバーチップなどの電子部品およびフレキシブル回路基板からなる部品実装回路基板とを備えている。
【0003】
こうした電子部品をフレキシブル回路基板に実装するにあたっては、従来、フレキシブル回路基板上の所定位置に電子部品をズレなく組み付けていくために、フレキシブル回路基板に位置合わせマークを形成している。そして、この位置合わせマークを基準にして正確な位置に電子部品を実装することが行われている。
【特許文献1】特開平9−76454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、液晶表示装置を搭載する携帯電子機器の小型化が更に進み、液晶表示装置を構成する部品実装回路基板の更なる小型化も要求されている。このような環境で、電子部品を実装することができず、かつ電子部品の実装時には必要なフレキシブル回路基板の位置合わせマーク部分は、部品実装回路基板を小型化する際の障害となっていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、位置合わせマークを機能を維持しつつ、更なる小型化が可能な部品実装回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明によれば、表面に導電膜からなる導電パターンが形成された、屈曲可能なフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に実装された電子部品とを有する部品実装回路基板であって、前記導電膜の一部には、前記電子部品に覆われずに露出した幅広いランド部が形成されると共に、前記ランド部の中に前記フレキシブル基板に前記電子部品を組み付ける際の基準位置マークを形成したことを特徴とする部品実装回路基板が提供される。
【0007】
前記ランド部は、前記部品実装回路基板の動作確認時の測定用接点を成していればよい。また、前記基準位置マークは、前記ランド部に形成された孔であればよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の部品実装回路基板によれば、 基準位置マークを、ランド部の中に形成することによって、従来はそれぞれが干渉しない別な位置に形成していた場合と比較して、基準位置マークを独立して形成する分のスペースを省略することが可能になる。これにより、従来は独立して設けていた基準位置マークの分だけ部品実装基板のサイズを小さくすることができ、こうした部品実装基板を組み込む携帯電子機器などの小型化に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の部品実装回路基板について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の部品実装回路基板を示す上面平面図である。本実施形態に係る部品実装基板10は、柔軟な樹脂で形成されたフレキシブル基板11と、このフレキシブル基板11の表面に形成される導電パターン12と、フレキシブル基板11に実装され、端子が導電パターン12に接続される複数の電子部品13,13‥からなる。こうした部品実装基板10は、例えば液晶表示パネル15と接続され、液晶表示パネル15を制御するための制御回路を構成する。
【0010】
導電パターン12は、導電性の金属薄膜、例えば銅薄膜をレジストなどによって所定のパターンになるように形成すれば良い。電子部品13,13‥は、例えば液晶表示パネル15を制御するドライバーチップ、メモリチップ、コンデンサまたは抵抗などであればよい。
【0011】
導電パターン12の一部には、幅の広い露出領域であるランド部16,16が形成される。こうしたランド部16,16は、例えば矩形や円形に形成され、このランド部16,16には電子部品13,13‥が実装されず、導電体である金属薄膜が露出した状態にされる。
【0012】
このランド部16,16は、部品実装基板10の動作確認工程での測定端子の役割を果たす。即ち、抵抗値などを測定する際に、このランド部16,16に測定装置の探針を押しあて、導電パターン12に連なるランド部16,16から電気信号を入出力することにより、部品実装基板10の電気的な動作確認を行う。
【0013】
そして、このランド部16,16の中に、基準位置マーク17,17が形成される。図2に示すように、基準位置マーク17,17は、金属薄膜であるランド部16,16の中に、金属薄膜が除かれた孔であればよい。こうした基準位置マーク17,17の形成は、ランド部16,16を含む導電パターン12の形成時に、レジストパターンでこの基準位置マーク17,17に相当する部分に導電パターン12が形成されないようにしておけばよい。また、ランド部16,16として全面に渡って金属薄膜を形成後に、このランド部16,16の金属薄膜の一部を取り除いて(穴を開ける等)、基準位置マーク17,17を形成してもよい。
【0014】
このような基準位置マーク17,17は、フレキシブル基板11に電子部品13,13‥を実装する際に、電子部品13,13‥のフレキシブル基板11上での組み付け位置を規定する基準位置として利用される。即ち、電子部品13,13‥の実装時には、この基準位置マーク17,17を検出して、基準位置マーク17,17に対してそれぞれの電子部品13,13‥をどれくらい離れた位置に取り付けるかの位置データを参照しつつ電子部品13,13‥を組み付けていく。これにより、フレキシブル基板11の外形サイズに誤差があっても、導電パターン12に対しては常に正確な位置に電子部品13,13‥を実装することが可能になる。
【0015】
そして、こうした基準位置マーク17,17を、ランド部16,16の中に形成することによって、従来はそれぞれが干渉しない別な位置に形成していた場合と比較して、基準位置マーク17,17を独立して形成する分のスペースを省略することが可能になる。これにより、従来は独立して設けていた基準位置マークの分だけ部品実装基板10のサイズを小さくすることができ、こうした部品実装基板10を組み込む携帯電子機器などの小型化に寄与する。
【0016】
なお、上述した実施形態では、ランド部16,16を部品実装回路基板10の動作確認時の測定用接点としているが、もちろん、ランド部16,16の作用はこれに限定されるものではなく、例えば電力供給用の接点など、導電パターン12に対して電気的にアクセスする端子であればよい。また、ランド部16,16は、電子部品13,13‥が実装される前には露出されている必要があるが、電子部品13,13‥が所定位置に実装された後は、例えばバックライトの電源配線と接続されて露出されなくてもよい。また、上述した実施形態では、基準位置マーク17,17は、ランド部16,16に形成された孔としているが、もちろん基準位置マーク17,17の形状はこれに限定されるものではなく、ランド部16,16に対して画像認識などで検出可能な形態に形成されていればよい。例えば、ランド部16,16の上に黒色等の印刷物を形成し、この印刷物を基準位置マーク17,17としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の部品実装回路基板の一例を示す平面図である。
【図2】ランド部周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0018】
10…部品実装回路基板、11…フレキシブル基板、12…導電パターン、13,13…電子部品、16…ランド部、17…基準位置マーク。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に導電膜からなる導電パターンが形成された、屈曲可能なフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に実装された電子部品とを有する部品実装回路基板であって、
前記導電膜の一部には、前記電子部品に覆われずに露出した幅広いランド部が形成されると共に、前記ランド部の中に前記フレキシブル基板に前記電子部品を組み付ける際の基準位置マークを形成したことを特徴とする部品実装回路基板。
【請求項2】
前記ランド部は、前記部品実装回路基板の動作確認時の測定用接点を成すことを特徴とする請求項1に記載の部品実装回路基板。
【請求項3】
前記基準位置マークは、前記ランド部に形成された孔であることを特徴とする請求項1または2に記載の部品実装回路基板。



【図1】
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【図2】
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