説明

部材の表面上で進行する物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査する方法

【課題】部材の表面上で進行する物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査する方法を提供する。
【解決手段】物理および/または化学プロセス中に表面の一部から放射される表面放射線の強度の時間的な変移を特にセンサ等の測定装置を使用して測定する。温度放射平衡の状態にある燃焼窯内においても焼結プロセスが監視可能になるようこの種の方法を実行するために、物理および/または化学プロセス(12)中に表面放射線(13)とは異なった放射スペクトルを有する放射線(14)を放射源(15)から表面(10)上に放射させ測定装置(16)によって測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面の一部から放射される表面放射線を特にセンサ等の測定装置によって測定する、請求項1前段に記載の部材の表面上で進行する物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査する方法、ならびに請求項12記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前述した種類の方法は当業者において既に周知であり、普及している。
【0003】
熱活性化されるプロセスは、その経過中に通常継続的な温度の監視と適宜な窯出力の調節によって制御される。その種のプロセスの典型的な例として、セラミック材料を可能な限り完全に燃焼させる必要がある、燃焼窯、特に歯科用燃焼窯内における焼結が挙げられる。これは通常多数の実験によって求められた時間−温度曲線を使用して実施され、それは最適な燃焼結果が時間および温度パラメータの多様な組み合わせからなる特定の範囲内で達成可能なためである。その際温度の測定が重要な意味を有しており、それは焼結の進行の直接的な検査が行われない場合極めて厳密な温度−時間曲線の順守によって最適な結果の達成が可能となるためである。
【0004】
焼結結果の検査は大抵燃焼プロセスの終了後、すなわち修正が既に不可能であり従ってその方式で製造された加工品が最終的に欠陥商品となってしまう時点になって初めて行われる。
【0005】
そのため焼結プロセスの進行を直接的に測定することが常に試みられている。久しい以前から知られているその種の処置はセーゲル錐であり、それは定義された方式で温度と時間の組み合わせ作用をその形状の変化によって示すものである。この種の方法は、その労力を除いても、実質的な燃焼材料の状態の評価に際して被検体上に観察される変化を分析するために高度な熟練を要する。
【0006】
近年においては種々の>>光学膨張計測<<が採用されており、それにおいては理想化された試料の長さ変化が画像検出システムによって燃焼経過の間に継続的に監視される。しかしながらこの方法は通常研究設備内のみでセラミック開発のために使用され、可能性としては産業上の利用にも適しているが、この場合も理想化された試料に関するものであり、その検査結果は直接産業上の燃焼材料に該当し得ないという問題点がある。
【0007】
独国特許第4132203号明細書(特許文献1)には溶融あるいは鋳造工程を制御するための光学的な方法が記載されている。しかしながらこの方法は、溶融および硬化に該当する強度な熱交換を伴った変換の測定にのみ適したものである。原則的にこの方法は相変化の超過に際して生じる温度保持点の光学的検出に基づいたものであり、一般的な光学的温度測定方法とは異なってこの方法は前記温度保持点が正確な温度を検出する必要なく放射強度の変移の不安定性から判定され得るため正確な較正は必要としない。ここでは>>放射強度<<と言う用語が使用されているが、この方法は広範囲の光学的温度測定方法のグループに属するものであり、広い意味での表面変化の検出のために適したものではなく、また特に熱交換が存在しない場合に適している。
【0008】
同様に、欧州特許出願公開第191300号A2明細書(特許文献2)には真空溶融炉内における溶融プロセスの検出が記載されているが、この特許文献においては温度保持点と同時に生じる溶融物上の酸化膜の破裂による表面の放射率の変化が放射強度の変移の評価による溶融点の適正な検出を難しくする妨害作用として記述されており、この妨害作用を光学的温度測定から除外する処置が提案されている。しかしながら、この妨害作用、すなわち化学および/または物理プロセスにおける温度の影響を受けない放射強度の変化こそが本発明の対象および中核であり、それは光学的温度測定の問題とは無関係である。
【0009】
同様に、殆どの光学式高温計の使用説明書には、物理あるいは化学変換または焼結プロセスにおいて温度を正確に測定する必要がある場合に対しての警告的な記載がされている。その種のプロセスの経過に際して放射具合が変化し得るため、測定された温度が不正確となり得るので光学式高温計の設定を継続的に変更することが推奨される。この測定誤差は無変化の放射率に従って設定され後調整されていない光学式高温計において発生するものであり、すなわち温度変化に従ったものではなく本発明の原理において物理および/または化学プロセスの判定に使用される測定表面の光学的特性変化および/または微細構成変化に従った誤差である。従って、熱交換が発生する反応のみを検出することができる前述した全ての光学式方法とは異なって、本発明に係る方法は周囲環境との間で全く熱交換が生じないプロセスも検出することができる測定技術である。
【0010】
本発明に係る方法について詳細に説明する前に、その方法において重要な幾つかの概念に関して詳細に説明する。放射率は、黒色の部材に比べた表面の放射特性を示すものである。その種の黒色の部材は仮想的に理想化された表面を有しており、その上に入射した電磁線を周波数とは無関係に完全に吸収する。キルヒホフの放射法則によればある部材の吸収および放射能力は常に比例し、また黒色の部材は各波長に対して100%である最大の吸収能力を有するためいずれの温度においても最大の熱放射出力を発生する。その放射は方向性に依存せず、従って拡散特性を有していてプランクの放射則で示される。
【0011】
それに対して灰色の部材の表面は入射した放射線を部分的にしか吸収せず、すなわち黒色と比べて少ない放射線が放出され、放射量の比率は放射率eによって示され、それは0ないし1の間の数値となり得る。その際数値0は仮想的な白色部材に相当し、それは放射線を全く吸収せず完全に反射し、数値1は黒色部材に相当し、それは放射線を全て吸収し全く反射性を有していない。現実的には殆どの部材が灰色放射のグループに属し従って一定の吸収性と同時に反射性を備え、またガラス等の透明な材料の場合はさらに透過性も有していて、それらの3つの特性の合計が常に100%となる。反射性のため灰色部材の放射特性は黒色部材と異なって方向性に依存する。従って検出器によってある表面から受容した放射線量は一方で放射容量に依存するとともに方向依存性の影響を受け、さらにその表面の微細構成に依存する。
【0012】
黒色部材の状態は、実用上において空洞放射体の概念によって近似的に達成することができる。これは全方面が閉鎖されていて均等な温度を有するものであり、その中には全く外部放射線が侵入せず、すなわち吸収された放射線と放射された放射線の間の平衡を保持するものである。その状態は例えば略良好に断熱された燃焼窯を成すものであり、その内部においては温度が遅速に変化し、すなわち窯内部、発熱体、ならびに窯壁材が殆ど均等な温度を有し、そのような状態において放射率は実質的に1となる。このことは正確な光学式温度測定に対して理想的であり、それはその種の空間内に存在する平面の光学特性および/または微細構成の変化がその放射特性に影響を与えないためである。
【0013】
【特許文献1】独国特許第4132203号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第191300号A2明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述した問題点のため、ならびに冒頭に述べた種類の方法の現行技術の評価の結果本発明の目的は、その際に発生する保持点によって溶融あるいは硬化プロセスを検知する熱交換が全く生じないようなプロセスでも光学的に検知することができ、加えて空洞放射の条件下においてもプロセスを検知することができ、すなわち例えば装入物が実質的に窯との間で温度平衡を有している焼結プロセスも検知することができるように、請求項1前段に記載の方法ならびに請求項17前段に記載の装置を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の課題は本発明に従って請求項1によって解決される。従属請求項には好適な追加構成が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明によれば、外部放射線(14)が表面(10)上に入射し、化学および/または物理プロセスの結果生じる放射率および/または微細構成の変化が反射される外部放射線の比率の変化、従って検出器(16)に到達する放射線(13)の強度の変化として感知される。
【0017】
本発明の提案の第1の実施形態において、外部放射線(14)は部材(11)の周囲環境内において表面から生じるものとすることができ、それがその部材の表面に入射し、その際放射線は温度の変動の結果表面(10)の固有温度の結果として放射されるスペクトルから逸脱し、従って検出器(16)によって検出される放射線(13)の放射強度が外部放射線(14)の反射成分も含むものとなる。この反射された外部放射線の比率がどれくらい大きいかは表面(10)の放射率および/または微細構成に依存し、物理および/または化学反応の結果としてそれらの条件のうちのいずれかの変化が生じると、検出器によって検知される放射強度の曲線の時間変移の不安定性として感知可能となる。すなわちこの方法実施形態は、表面(10)と少なくともその一部の周囲環境との間の自然な放射非平衡を前提としている。
【0018】
この方法実施形態の例として、小さな窯内で極短時間(数分)実施される歯科補綴材の燃焼工程を挙げることができる。高い加熱速度を達成するために、加熱コイルが歯科用燃焼材料に比べて大幅に高い温度を有し、従って加熱コイルによって放射され燃焼材料に入射する外部放射線(14)がより高くかつ集中的な短波長の放射線を有し、その放射線の一部が反射されて放射線(13)の一部として検出器(16)に到達する。勿論この作業方式において反応の検知は、窯内の温度が一定であるかあるいは定率で変化する場合にのみ可能であり、それは時間−温度曲線の急激な変化も必ず検出器(16)の放射強度の不安定性をもたらし、同時に発生している表面(10)上の反応がそれによって隠蔽されてしまうためである。反応の検知の感度は勿論、表面(10)と周囲環境との間の放射平衡が成される程度に低下する。このことは歯科用燃焼窯において燃焼材料が加熱コイルと窯壁部の温度に大幅に接近する後期の燃焼プロセスの局面に該当する。
【0019】
この第一の方法実施形態を実行するために、例えば二色高温計(quotient pyrometer)を有効に使用することができる。この種の高温計は放射強度を同時に2つの異なった波長で測定し、各波長の強度が温度の変化に際してプランクスペクトルに従って特徴的な方式で変化するため強度の比が特定の温度を特徴付けるものとなる。>>灰色部材<<が略それに該当するが、両方の波長の強度が同様な方式で放射率の影響を受けることを前提とすると、放射率は温度測定において意味を成さない。従っていずれの2チャネル高温計でも本発明に係る温度測定の目的以外にそのチャネルによって反応の検知を行うよう使用することができるが、監視される表面(10)の温度が一定であるかあるいは定率で変化することとその表面が周囲環境との間で放射平衡状態にないことが前提となる。この種の改変された二色高温計を使用すれば、両チャネルの比測定値が温度数値をもたらし一方のチャネルの測定値が反応特性値をもたらすことによって、反応の温度依存性を適宜に時間あるいは温度に従ったグラフに表示することができる。一定の速度で加熱される窯内で実施される焼結プロセスの例に関しては、その窯の加熱出力は検出器(16)の強度曲線の不安定性の発生後に低減することができるが、焼結のその後の焼結の経移は窯出力の低減に起因する発熱体の放射の変化によって生じた不安定性の上に積み重なり、従ってもはや正確に実施することができない。
【0020】
従って、本発明に係る方法の第2の好適な実施形態によれば、放射源(15)からの外部放射線(141)が部材(11)の表面(10)上に投射され、その反射成分が前述と同様な方式で放射線(13)の一部として検出器(16)に到達する。この外部放射線(141)の波長は表面(10)の自然な自己放射線中には極僅かな量であるいは全く存在しない領域で選択し、検出器(16)の最大感度も前記外部放射線(141)の波長領域に選択し、従って実質的に表面(10)によって反射された外部放射線(141)の成分の強度変化のみが検出器(16)によって検知されることが好適である。熱活性されたプロセスに対してこのことは、放射源(15)の波長が表面(10)およびその周囲環境に相当する温度よりも顕著に高い温度領域に選択されるべきであって、すなわち例えば青色光の領域または近紫外線領域に選択されるべきである。そのようなケースにおいてスペクトルのうちの赤色あるいは近赤外線成分も検出する広帯域検出器を選択した場合、放射線(13)は長波長の放射線を減衰させるフィルタを通過させることが好適であり、従って反応を条件にした表面(10)の放射率および/または微細構成の変化に起因する放射線強度の変化のみが検出器(16)によって検出される。
【0021】
従って前記の両方の方法実施形態は本発明の原理の中核に位置し、放射非平衡の利用に基づいていて、すなわち表面(10)から放射された放射線(13)のうちのその表面によって反射された外部放射線の成分を検出器(16)によって測定するものである。第1の実施形態において前記表面(10)の周囲に存在する天然の表面を外部放射線の放射源として使用し、第2の実施形態においては意図的に選択した放射源(15)が同様な役割を果たすものである。この2番目の方法実施形態の利点は、温度測定と化学および/または物理反応の経移の検知を計測技術的に完全に分離し得るのみでなく、空洞放射の場合、すなわち例えばその内部で完全に均一な温度関係が確立されている窯内において、その放射平衡を放射源(15)の外部放射線(141)によって表面(10)に対して無効化することである。
【0022】
別の好適な実施形態において、放射線(13)がピクセルマトリクスの形式で配置された複数のセンサによって測定され、その際それらのセンサのそれぞれが表面(10)から放出された放射線(13)の一部を強度曲線の形式で描写し、その曲線の不安定性から前述したような方式でこの表面(10)の一部の放射率および/または微細構成の変化によってその原因である物理および/または化学プロセスの経緯に関する情報を示し、その際隣接するピクセルの異なった曲線変移の組み合わせによって主に面(10)の微細構成の変化に関する状況を示す追加的な情報が得られる。
【0023】
本発明の好適な実施形態において、定義された形状を有する試験体が使用される。その種の試験体は例えば円錐とすることができ、その先端が液化および表面張力の影響によって徐々に丸くなるものとする。また、セラミック燃焼技術において規準試料として知られているセーゲル錐を使用することもできる。本発明によれば、粉末状の試料あるいは基材の粒子が第1の相において表面拡散の影響下で隣接粒子との接触点上でどのように焼結ネック(sinter neck)を形成するかを観察することができる。前記の第1の相は殆ど検出不可能な試料体の体積変化あるいは長さ変化を伴ったものであるため、例えば膨張計測等の焼結制御の一般的な方法はそれを殆ど検知することができないが、本発明に係る方法はこの第1の相においても既に顕著な表面の光学的性質の変化を示す。顕著な体積変化を伴った第2の相においては、体積拡散を通じて漸増する粒子の凝集が生じ、その際同時に細孔容積も減少する。光学膨張計はこの相においてプロセスそれに伴った長さ変化を介して監視することができるが、そのために定義された大きさおよび外形を有する理想化された試料を必要とし、一方本発明に係る方法は実質的な燃焼物の任意の表面に対して適用することができる。
【0024】
原子および分子の漸増する運動性によって、ミクロ領域において最初も元の粒子によって決定される粗い表面微細構成が表面積の最小化の傾向に際しても表面張力の影響によって平滑化し、それによってその鏡面特性が高まる。しかしながらその表面張力はより長い時間においてはさらに巨視的領域でも有効であり、すなわち所与の鋭角の形状を有する試料体においてはその漸増的に平滑化し従って反射性が高まる先端部が時間の経過によって丸い形状に鈍化しすなわち個別の表面要素の反射性の変化の一次的な影響と並んで、巨視的な微細構成変化のためその放射線の放射角度も同時に変化し、これは検出器マトリクスの隣接するピクセルの強度曲線の相対変化によって燃焼経移の特徴付けに使用することができ、同様に、例えばセーゲル錐の沈降またはセラミック技術において一般的な半球点の判定に使用することができる。
【0025】
本発明の別の好適な実施形態によれば、その他の任意の定義によって形成された部材が本発明に使用される。例えば、多様な側部傾斜あるいは開口角を有する複数の先端部を備えた部材も可能であり、また表面張力の影響を半定量的に判定することも可能である。
【0026】
この方法実施形態においてピクセルマトリクスとしては、例えば表面(10)の監視に適した対物レンズと画像分析ソフトウェアを備えた可視領域あるいは近紫外線領域のビデオカメラを使用することができ、それによって各ピクセルに対応する放射線強度ならびに場合によって放射線の色数値をデジタル変換の後に1つあるいは同時に複数の波長領域における強度変位を評価することが可能になる。
【0027】
個別検出器のケースと同様に、そのようにして得られた情報を例えば物理および/または化学プロセスが実施される装置のパラメータの変更のための制御数値として使用することができ、それによってプロセスの経移に対する影響を実現し、それは窯の場合例えば加熱出力となる。しかしながら、ピクセルマトリクスの場合多数の検出器が使用され、従って情報を例えば画像としてモニタ上に表示することができ、そのために例えばプロセスが特定の段階に到達した表面(10)の領域を別色あるいは陰影線で示し、それによって観察者が監視された表面内の反応の経過を直接的に確認し得るようにすることができる。紫外線カメラの場合、勿論モニタ上への表示のためにピクセルマトリクスの検出器の信号を全体的に可視領域に変換する必要があり、その際特定の反応段階を同様に別色あるいは陰影線によって追加的に標記することができる。
【0028】
別の好適な実施形態によれば、物理および/または化学プロセスが相転移の枠組みで実施される。
【0029】
別の好適な実施形態によれば、物理および/または化学プロセスが熱処理および/または熱化学プロセスの枠組みで実施される。
【0030】
別の好適な実施形態によれば、表面領域の温度の測定が実施され、その際その測定は圧力あるいは電流発生式の方法、特に熱電対あるいは温度依存型の抵抗によって実施される。
【0031】
別の好適な実施形態によれば、表面領域の温度の測定が光学方式、特に二色高温計を使用して実施され、その際二色高温計の少なくとも1つの波長の強度変移がプロセスの放射強度の測定のために使用され、二色高温計の両方の波長の測定値の強度の組み合わせが通常通り温度の判定のために使用される。
【0032】
別の好適な実施形態によれば、プロセスが歯科用燃焼窯内に実施される燃焼プロセスである焼結プロセスの枠内で実施される。
【0033】
別の好適な実施形態によれば、測定装置、特にセンサが表面の領域から離間して配置される。
【0034】
別の好適な実施形態によれば、測定装置に対して追加的に特にそれから離間して配置される放射源が表面領域から離間して配置され、特にその光軸が前記表面に指向する。
【0035】
別の好適な実施形態によれば、測定装置が光学センサあるいは光学センサのマトリクスからなる。
【0036】
別の好適な実施形態によれば、測定装置が焦点化光学機構を備えている。
【0037】
別の好適な実施形態によれば、放射源が多少幅広い波長領域を有する例えばランプ等の光源からなり、特にLED、ハロゲンランプ、またはレーザとすることが好適である。
【0038】
別の好適な実施形態によれば、測定装置と放射源が光軸を有し、放射線の反射分が最大限に測定装置によって検出されるようにそれらが配置される。
【0039】
別の好適な実施形態によれば、放射源からの光を試料表面に入射する前に極性フィルタを通過させることによって極性化された放射線が使用され、試料表面によって反射された光を回転可能な極性フィルタによって検光子として検出器に到達させ、そこで極性化された光を既知の方式で光学能動物質の識別に使用し得る。
【0040】
別の好適な実施形態によれば、測定装置と放射源が共通の支持装置上に配置され、その際測定装置と放射源のいずれもが少なくとも一方向内において、特に両方の光軸によって決定される一平面内で可動である。
【0041】
別の好適な実施形態によれば、測定装置の放射線路内に半透性の鏡が設置され、それによって放射線を測定装置の光軸内へフェードインすることができる。
【0042】
別の好適な実施形態によれば、測定装置および/または放射線が窯の構成部品であり、放射線および表面放射線の測定が窯の開口部を介して実施され、その開口部が前記放射線および表面放射線に対して透過性の窓を備えることが好適である。
【0043】
別の好適な実施形態によれば、支持装置が少なくとも1つの空間方向に可動である。
【0044】
本発明のその他の詳細、特徴、ならびに種々の利点は添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされる。
【実施例】
【0045】
図1には、部材11の表面10上で実施される物理および/または化学プロセスの経移を光学的に監視するための方法が示されており、それにおいては表面10上に入射した外部放射線14の一部が反射され温度に従った表面10の固有放射線と共に放射線13として焦点レンズシステムを介して光軸19に沿ってセンサの形式の測定装置16に到達する。
【0046】
一般的に、表面10の周囲環境の1つあるいは複数の部材から外部放射線14が生じることが可能であり、ここで重要なことはその外部放射線が温度に従った表面10の固有放射線とは異なった特徴を備えていて、従って表面によって反射された放射線14の成分の変化が統合放射線13の変化として検知され得ることのみである。
【0047】
例として、表面10を窯内で焼結される部材のものとし、測定装置16は例えば1つの波長領域において放射強度を測定することによって温度測定に使用されるIR(赤外線)センサとする。
【0048】
この例に対しては窯が一定の速度で加熱されることが前提となる。充分な加熱速度を達成させるために、窯の発熱体が常に特定分だけ高い温度を有している必要があり、それから放出される外部放射線14がより短い波長にシフトした放射線スペクトルを有する。通常のセラミックあるいは金属基礎部材は、緩く結合された粒子を有する黒泥からなり、多様な空間方向に傾斜した微細表面を備えていて、それが低い放射率をもたらし、すなわち燃焼されていないセラミックにおいて一般的なように入射した外部放射線14が拡散し、その放射率は0.6ないし0.8のレベルとなる。図1のより高温の外部放射線の入射角度は検出器を迂回するような出射角に通じるにもかかわらず、未焼結の表面10の高い拡散効果によってより高い割合で拡散して反射された放射線が測定装置16に到達し、その結果それによって検出される放射強度が表面10の固有温度に相当するものよりも高くなる。これは通常の光学式温度測定においては失敗するケースであるが、本発明に係る方法においてはその効果はむしろ重要かつ好適なものである。
【0049】
加熱の最初の部分の間、測定装置16によって検出される放射強度が加熱コイルおよび表面10の継続的な温度上昇によって増加し、焼結ネックの形成が発生する瞬間、すなわち隣接する粒子が表面拡散の影響によって互いに溶着し始め鋭敏な角部が表面張力の影響で平滑化する瞬間、拡散効果および放射率の減少が生じる。それによって漸増する割合で外部放射線が測定装置16を迂回して反射され、それによって急激に発生する強度13の低下が観察され、それを不安定性として検出することができる。
【0050】
図2aには、前記の条件下で測定された放射強度の時間変移が概略的に示されている。ここで参照符号22は時間軸を示し22は測定装置によって判定された表面10の放射線の強度の軸を示し、その表面はこの場合温度曲線23に従って一定率で加熱される。曲線24は黒色の部材の仮想的な強度の変移を示しており、その変移は温度によってのみ影響され従ってその変移も温度曲線23と同様に定率なものとなる。
【0051】
曲線25は、図1に示されているような全般的により高温の環境内に存在している灰色部材の放射強度の変移を示すものであり、その際この部材が未焼結のセラミック材料であることが前提とされる。その種の材料は例えば0.8の領域の高い放射率を有しており、すなわち黒色の部材の性質に近く従って極僅かにしか反射しない。しかしながら、この小さな反射性は顕著に高い周囲環境の温度においては表面10の拡散効果によって大幅な追加的放射線量が測定装置16に対して反射されることにつながり、そのことは曲線25が点251までは黒色の部材の曲線24に対して略平行にその上方に延在していることによって示されている。
【0052】
点251から曲線25が曲線25′から徐々に逸脱し、それは点251の手前では回帰的な性質に基づいて形成されているが、曲線25′は接線とすることもでき、すなわち点251における曲線25の一次導関数として見ることができる。この点に関して、点251は回帰曲線関数の一次および/または二次導関数を使用することによって一般的な方式で判定することもできる。時点211における点251の後の曲線の負の逸脱は放射率が低い数値にシフトすることを示しており、これは漸増的に焼結する表面10の増大する反射性と相関するものである。
【0053】
それによって時点211上における焼結プロセスの開始あるいは温度231を判定することができる。
【0054】
時間の経過および温度の上昇に伴って焼結プロセスが進行すると、放射率がさらに低下し、その結果曲線25の放射強度がさらに低下する。点252において曲線25が再び上昇軌道に移行し、それは殆ど温度の影響のみを受けるものとなる。この点252は、点212の後に形成された曲線25″の形式の曲線部分を逆方向に外挿するかあるいは点252において関数の接線を接合させることによって点251と同様に求めることができる。すなわちこの点252は殆ど一定の放射特性への回帰を示し、従って燃焼プロセスが均一な製品をもたらす時点212あるいは温度232が判定される。
【0055】
より長時間の時点212の上方あるいは温度232の上方において、曲線25が漸増的に黒色部材の仮想曲線26に接近する。このことは表面10の放射特性の変化とは無関係で、より長時間および高温になるに従って試料と窯壁部の冷たいおよび熱い領域の間の温度平衡が漸増的に達成され、それによって理想的な黒色部材の特性に相当する空洞放射の状態に近付く。
【0056】
曲線26は表面10が冷たい周囲環境のみによって包囲されている窯内の状態に相当し、従って外部放射線14はそのスペクトルにおいてより長い波長およびより低い強度の方向にシフトした放射線を含んでおり、従って曲線26の経移は周囲環境の影響を受けない黒色部材の特性を示すものである曲線24の下方に存在する。点261において焼結プロセスが開始するが、前述の例とは異なって漸増的な割合でエネルギーの高い放射線13が検出器に到達し、それが曲線26の上昇につながることが考えられる。
【0057】
同じ焼結プロセスが遅速に加熱される窯内で実施され、窯と装入物、すなわち窯壁部と部材11の温度が加熱プロセスの間殆ど同等である場合、最初から略完全な放射平衡が存在し、それによって灰色部材25および26の曲線が黒色部材の曲線24近くの上下に延在する。そのような場合、化学および/または物理プロセスによって生じた表面10の放射率の変化が極僅かあるいは全く曲線25および26内に示されない。
【0058】
図2bには図2aの曲線25および26の一次導関数25aおよび26aが示されており、それによれば、変動する温度状態の影響が優勢でなくなるため、反応に従った不安定性251aおよび261aで焼結プロセスの開始、252aおよび262aの終了がより良好に示されている。
【0059】
図2cには図2aの曲線25および26の二次導関数25bおよび26bが示されており、ここでは温度の影響が完全に排除され、点251bと261bの時点211で開始し終了点252bと262bの時点212で終了するピークによって反応が明確に標記される。これらのピークの先端は表面10の光学的変化速度の最大値に相当する。
【0060】
上述したプロセスおよびそれによって生じる曲線に関して、上記においては例示的に漸増的に平滑化する表面のため自然に放射率の低下につながる焼結プロセスに関するものであると仮定していた。しかしながら、例えば熱化学メッキの分野における金属表面の硝化等の表面の変化が全く逆になるプロセスも考えられる。ここでは、当初光沢のある表面が例えば0.05ないし0.15のレベルの低い放射率を有し、それが第1の硝化層の形成後により高い数値にシフトする。
【0061】
図3aには本発明に係る方法の第2の実施形態が示されており、それによれば殆ど温度平衡の状態にある窯内でこの方法を適用することが可能になる。その際例えば測定装置16の側方の窯壁部の外側あるいは周囲上に固定されたランプ等の放射源15が部材11の表面10上に放射束14の形式の外部放射線を投射し、その表面はこの段階において複雑な微細構成を有している。ここで放射線14の波長あるいは波長領域は、表面10の自然温度放射のスペクトル内における低い強度の領域に相当するように選択される。具体的な例において、例えば焼結プロセスは700ないし1000℃の温度領域で監視する必要がある。その種の測定に対して光源の波長領域は青色光の領域、例えば400nm近辺に選択することが好適であり、それは5000K超の範囲の温度に相当する。
【0062】
温度平衡が存在する窯内において優勢であるように、その方式によって表面10に対して光源15が殆ど顕著に高い温度を有する窯壁部の役割を果たす状態が確立する。測定装置16によって検知される強度変移は図2の曲線25の変移と同様になる。
【0063】
図3aの実施形態において放射源15の放射線14は特定の入射角をもって表面10上に投射され、そこから焦点化光学機構18を介して表面10上の表面放射線13と共にセンサの形式の測定装置16に伝送される。放射源15および測定装置16が装置100を構成している。放射源15の波長は、測定装置16の最大感度領域に精密に設定される。この方法によればさらに、測定温度において表面放射線13の放射線スペクトル内に極低い強度で存在するかあるいは全く存在しない波長が選択される。部材11が空洞放射の状態にある、すなわち放射平衡が存在している場合においても、放射線14および/または表面放射線13の放射係数の変化は放射線14によって優勢である放射平衡のため装置100によって検出することができる。
【0064】
その際表面10の微細構成の効果が示され、それは放射率に相関した拡散作用とは混同し得ないものである。放射線141の一部が入射に際しての表面の局部的な傾斜に従って例えば放射線131および132の形式で測定装置を迂回するよう反射され、局部的に水平な表面傾斜によって光軸19に略平行に反射される放射線13のみが検出器に到達する。
【0065】
図3bには図3aと同様な構成が示されているが、ここでは表面10が反応影響によって水平に平滑化され、それによって矢印132に従った放射線の極一部のみが測定装置を迂回し、放射線13の残りの部分が検出器に到達し放射線強度の上昇として検出される。
【0066】
図3cには図3bと同様な状態が示されているが、ここでは分散性の放射線141を指向性の放射線142に集束させるためにコリメータ151が放射源15の前に設置される。従ってこの例においても放射線142の大きな割合が測定装置に対して反射される。この種のコリメータとして光学分野で使用される全てのシステムを使用することができ、例えば有孔プレートおよび/または適宜なレンズシステムを使用することができる。
【0067】
本発明に係る方法の別の実施形態が図4aに示されている。光源の形式で設置された放射源15の放射線141は半透性の鏡17を介して赤外線センサとして形成された測定装置16の測定軸19に到達し表面10上に投射され、その際反射放射線が部材11の自然表面放射線13の一部と共に測定装置16に到達する。
【0068】
入射および反射する放射線は表面10に対して同じ方向性を持ち、また光学機構18によって焦点化される。特に好適なことは、光源15および測定装置16が窯壁部の外部あるいは周囲上で少なくとも一方向において回転可能に取り付けられている共通かつ小型の装置100内に統合されることでもあり、従って放射線路13が表面10上の測定のために最適な領域に移動することができ、その結果例えば窯内で進行する反応の監視が唯1つの窓によって可能になる。図中にはさらに表面10の局部的なバラつきの効果が示されており、すなわちそこに入射する放射線142がクレータ101の傾斜した側面上で放射線131の形式で検出器を迂回するよう反射される。それに対して、放射線132は極めて強度に分散する放射源15の放射線141aからなるため、微細構成の局部的なバラつきによって迂回するように反射されることはない。
【0069】
図4bには図4aと同様な実施形態が示されているが、放射源15の放射線を集束させるコリメータが使用される。そのため、放射線131のように表面10の局部的なバラつき101のみによって影響を受ける放射線が検出器を迂回するように反射される。
【0070】
図5には本発明に係る方法の第1の実施例の変更性に相当する装置が示されており、それは図示されていないフランジによって窯基底部材42に対して封着された鐘形状の窯の蓋部材41上に取り付けられている。部材11の表面10は、窯の中央軸に対して幾らかずれて窯の下部領域のセラミック支持部材44上に配置され、外被状に壁部に固定された発熱体43によって加熱される。これは歯科用セラミックの燃焼のために通常使用されるような構成であり、部材11は以下において歯科用燃焼物の型入れされた部分表面として理解することができる。その種の窯の温度は通常熱電対45によって制御され、これは通常構造上の理由によって部材11から大きく離間して例えば上部の窯壁部の近くに配置される。
【0071】
窯の外被面の一部上にシリンダ状に延伸している発熱体43による加熱が極めて短時間に実施されるため、熱電対45によって検出される温度は実質的に部材11上にその時点に存在する温度に対して間接的な相関性のみを有しており、燃焼結果を確立するための正確な時間−温度曲線は熱電対の表示と部材11の有効温度との間の経験的に求められた相関関数の補助によってのみ得ることができる。しかしながら本発明に係る方法においてこの温度不均衡はむしろ利点であり、その理由は、図2に概略的に示されているように、表面10を包囲している発熱体43によるその表面への強力な放射によって放射強度曲線の不安定性の判定に際しての良好な識別性が可能となり、従って対象物の自然の放射のみで充分であって外部の放射源15を必要としない方法実施形態を選択することができるためである。
【0072】
歯科用対象物は元々低い膨張性を有しており、燃焼プロセスの制御がその表面の任意の位置で実施されることが重要である。従って検出器16およびレンズシステム18は、その測定間隔によって例えば1ないし2mmの極小さな表面10の面積領域の検査を可能にするように選択する必要がある。特定の領域の正確な測定を可能にするために、この実施例において装置100が真空密封されたケース部材31からなり、その中にレンズシステム18が存在し、また前方領域内に真空密封性の窓34が設けられている。
【0073】
ケース部材31は球形部材の内部に設置され、それが図示されていないパッキングを介してケース部材33内で全方向に可動式に配設されている。ケース部材31は一方で窯蓋部材41と気密に結合されている。この種の構成は、追加的な放射源15を使用する本発明の実施形態にも適しており、これは特に検出器16および放射源15が半透明の鏡17を備えていて共通の光軸19を有している、図4aおよび図4bに示された小型の装置に該当する。
【0074】
光学システムを正確に位置決めするために、赤外線計測において一般的な2つの方法が使用可能である。1つの可能性は、その輝点によって正確な位置決めを可能にするレーザ光源の使用である。既にその種のレーザ位置決めランプを備えている既知のIR検出器がそのために適している。他方、操作者は側方に接続された接眼レンズによってセンサ16の視界を観察することができる。接眼レンズをビデオカメラによって代替した実施形態も可能であり、それによって視界をモニタ上で快適に観察することができる。
【0075】
図示された実施例において、部材11は幾らか左側にずらして窯空間内の下部に設置され、従ってセンサ16の光軸19が垂直に対して幾らか傾斜している。ここで図示されている構造とは異なって、実質的な検出器を窯壁部以外の場所に固定的に取り付けることも勿論可能であり、それが、図5の構成と同様にその前方部分が真空気密に球体32内に取り付けられているグラスファイバ束を介して情報を得ることができる。勿論前記の全ての構成において放射束13が通過する全ての光学要素、すなわちレンズシステム18、窓34、および場合によってはグラスファイバ線が選択された波長に対して透過性である材料から形成されることが必要である。
【0076】
図示された実施例において、装置100は球体32の作用によって全ての空間方向に可動である。測定問題に対応して、勿論その他の可動性を選択することもでき、場合によっては1つの軸内のみで可動な装置でも充分となる。
【0077】
しかしながら測定輝点の正確な位置決めの目的は、図1に従った検出器16と検出器16および放射源15からなる組み合わせを窯壁部上あるいはその外側の周囲部に固定的に取り付け、選択的に気密な窓を備えている開口部を通じて窯空間を目視することによって単純な方式で達成することができ、この際部材11は少なくとも1つの空間方向に移動可能あるいは回転可能な支持部材内に配置される。この方式により、表面10の所要の領域が適宜な摺動あるいは回転動作によって1つあるいは複数の軸内で移動することができる。
【0078】
上述した部材11の衝動可能性は表面10内における測定対象の正確な位置決めのために機能し得るばかりでなく、表面のうちの大きな領域を同時に監視することを可能にする。この目的のため部材の動作は周期的な方式で行われ、この動作の間光学的測定がクロック制御方式で実施され、その際いずれも同じ位置で測定された数値が表面10のその領域の強度関数を形成し、図2に示されているようなスキームにおいて個別に評価される。従って適宜なソフトウェアによって、例えば表面10上のどの位置において化学および/または物理プロセスが開始するか、あるいはどの位置で最終的に終了するかを判定することができる。
【0079】
図5の実施例には例えば歯科用燃焼プロセスの監視等の特定の目的のための窯内への固定的な設置が示されているが、本発明に係る方法は、一般的に温度測定の目的で使用されるように、二色高温計を使用して任意のプロセスの監視に適用することができる。冒頭に述べたようにその種の高温計は2つの波長で測定する。そのことは、2つの検出器を同時に使用するか、またはそれぞれ1つの特定の波長のみを通過させる2つの適宜な光学フィルタを備えている1つの検出器によって実施することができる。通常その種の高温計は両方の波長のうちの1つの放射密度を“黒色温度”に換算するチャネルを有しており、場合によって放射率の入力によって修正する必要がある1つの数値を有する。第2のチャネルが通常両方の波長の強度の比から計算した温度を出力し、それが通常測定対象物の有効温度に近いものとなる。
【0080】
この種の測定装置は、1つの波長の強度曲線または温度数値(これは実質的に強度と平行して推移する)の時間的な変移から図2に示された作業方式で不安定性を判断することによって、請求項17に記載の本発明に係る方法に従って物理および/または化学プロセスの監視に適用することができる。しかしながら、指数チャネルの温度数値から1つの波長の温度数値を減算すれば極めて合理的な方法が達成され、その際関数に代えてその一次導関数を使用することもできる。差数値をその後選択的に再び積算することができる。この方法によって、温度変化ではなく放射特性の変化に起因する極めて小さな不安定性も確認可能にすることができる。この種の二色高温計は、放射特性の特定の変化の発生に際して切換動作を行ってアラームを起動するかまたは窯を制御するためのリレーを選択的に備えることもできる。放射平衡が存在する場合、測定対象物ならびに、請求項2および図3の概念においては、勿論放射源15の光線を測定対象物上に投射することができ、ここでその放射源を高温計の一部としすなわちその光を半透性の鏡を介して高温計は光軸内に誘導するようにするか、あるいは独立して窯空間の内部あるいは外部に取り付けることができる。
【0081】
図6は図2aと同様に測定装置16に到達する放射線13を示したグラフであり、これは放射源15から放出される外部放射線141の影響を受けるものである。その放射線141が全く異なったスペクトルの波長領域、例えば青色光の領域にありまた測定装置16の検出器がその波長領域で動作し、場合によっては前置されたフィルタによって長波の窯の熱線に対して保護されるため、曲線25および26は反応の開始前は全く水平に変移し、また表面10から検出器に反射される放射線141の成分に相当するものとなる。
【0082】
ここでも再び焼結プロセスであると仮定され、すなわち最初は未焼結の表面10が高い拡散性を有し、従って検出器は拡散された中程度の放射線内に存在する。焼結プロセスの開始に伴って表面10が漸増的に平滑化し始め、それによって拡散が低下し、すなわち表面10の局部的な傾斜に対して漸増的な依存性が生じる。曲線25において、拡散の低下によって漸増的に強くなる曲線13が常に増加しながら検出器に到達し、その際点251から焼結プロセスが終了し完全に平滑かつ鏡面状の表面が形成される点252まで上昇が見られる。
【0083】
逆に曲線26においては、放射源15から放出された外部放射線141の入射角度に対しての検出器16の相対位置のため、放射線13が漸増的に検出器を迂回する状況が生じ、従って点261における焼結プロセスの開始から点262におけるその終了まで漸進的に放射強度の低下が生じる。
【0084】
曲線23は温度の経移を示し、また参照符号231および232は焼結プロセスの開始と終了に際しての温度を示すが、ここでそれらの温度は全く独立した温度測定方法によって判定することができる。
【0085】
図6に図示された曲線は、表面10の温度とは異なった放射線スペクトルを有する独立した放射源15の使用による本発明に係る方法の第2の実施形態の利点を明確に示すものである。実質的な測定結果、すなわち物理および/または化学プロセスに起因する不安定性が大幅に顕著に示され、その理由は水平に延在する曲線から生じることと、多少なりとも微弱な結果として特に温度変化によって形成された曲線が重ね合わされないためである。この理由から反応の開始と終了が多くの場合、図2bおよび図2cに従った一次および二次導関数の使用によってではなく、直接測定曲線自体から判定される。
【0086】
曲線25および25に示されるように、単一の焼結プロセスが検出器に対しての監視される表面の角度位置の関数において極めて異なって表示される。反射された放射線の大部分が検出器に到達するように表面の位置を設定すると大きな振幅を有する上昇曲線25が得られ、他方放射線の大部分が検出器を回避するように反射される場合は小さな振幅を有する下降曲線が得られる。検出器が再現可能な形状、例えば平坦な表面を有していて常に同じ位置の試料を測定すればこの測定状況の多様性は重要ではなく、例えば焼結工程等の物理および/または化学プロセスの経移の関数において同一の材料に対しては常に同じ曲線が得られ、すなわち固定的な校正係数によって処理することができる。しかしながら、焼結工程が歯科用燃焼物のように任意に成形された部材上で実施され、ピクセルマトリクス内に配置された多数の検出器または例えばビデオカメラを使用して監視する必要がある場合は、大幅に複雑なものとなる。ピクセルのそれぞれが独自の局部傾斜を有する異なった領域を示し、すなわちこのためピクセルのそれぞれがその曲線に対して固有の校正係数を有し、そのことは曲線25および26の異なった振幅によって示されている。
【0087】
しかしながら、複雑な表面微細構成を有する表面全体にわたって一律に焼結の進行を判定する場合は、その多数の曲線を統合する必要がある。多数の焼結実験に基づいて、前記の統合を可能にする以下のような評価方法を開発することができた:曲線25および曲線26のいずれもが点253または263上で変曲点を有し、それらは一次導関数によって焼結関数の極大あるいは極小として示され単純なアルゴリズムによって求めることができ、同様なことが点251または261上の焼結プロセスの開始にも該当し、それらは一次導関数のゼロ点によって定義される。物理的には焼結曲線の開始は試料部材の表面の最初の変化を意味し、例えば隣接する粒子間のエネルギー的に極めて好適な接触位置上における活性容易性の低い表面拡散の影響を受けながらの最初の焼結ネックの形成を意味する。
【0088】
曲線の変曲点も物理的な意味を有しており、特定の材料に対してそれらが焼結開始の瞬間から焼結の終了までの間の再現性のある中間状態を示し、多数の実験によって変曲点が、焼結ネックが消滅して個々の粒子が開孔性を喪失しながら大きな結合体に凝集する状態に略相当することが示され、表面から体積拡散への移行と称することもできる瞬間である。
【0089】
従って焼結プロセスの開始から変曲点までの検出器信号の変化は、特定の材料に対して焼結曲線全体を判定するための参照軌道として使用することができる。焼結曲線の定義された評価はその変曲点の発生前には不可能であるという事実はここでは重要でなく、その理由はその焼結曲線の最初の部分が燃焼プロセスの最終品質に対して全く意味を持たないためであり、その品質はその後の焼結曲線の第2の部分の終了点の直近、例えば曲線25および26に関しては点252または262、において初めて決定される。これらの曲線はその領域において既に極めて平坦に延在し、最適な焼結の点は経験的に求められた曲線の臨界的な上昇によって定義することができる。ここで勿論、曲線26の同様な終了点262の近傍の逆符号の傾斜の場合よりも大きな点252付近の傾斜によって同様な臨界的焼結状態が示される。統合された傾斜anormを得るために以下の式を使用した:
【0090】
【数1】

【0091】
従って曲線25および26の変曲点253または263の後の全ての傾斜は曲線の開始と変曲点の間の測定値の変化による除算によって正規化することができ、これは符号に対しても該当し、その理由は数値a26および差分(P263−P261)のいずれもが図6の例において負であり従って指数の形式の正規化された傾斜が極点25の対応する指数と同様に正の符号を有するためである。
【0092】
この方法によって、正確な燃焼温度を使用することなく歯科用燃焼窯を制御することが可能になり、その際多数の異なった歯科用燃焼材料を異なった温度および時間で使用することが可能になった。窯は第1の相において曲線の一次導関数が0数値から明確に逸脱することによって焼結工程の開始が示されるまで固定的な加熱速度をもって温度を上昇させた。全てのピクセルの数値がその時点で記憶され、その後各ピクセルの曲線内の極小または極大の発生によって変曲点が確認されるまで待機し、その時点から前記の数式が適用され、全てのピクセルの曲線が重ね合わさることが示された。その時点はまた窯出力の削減にも適用された。
【0093】
この種の理想的な推移は勿論焼結プロセスが観察される平面内で同時に進行する場合にのみ達成される。しかしながらそのことが実用上において達成されることは決してなく、まず小さな歯科用窯内において温度フィールドは均一ではなく、また焼結プロセスは鋭敏な角部上で表面張力の影響によって局部的に高速になるものであり、その理由から上述した評価方法がさらに大きな意味を有し、それはそれによって局部的な焼結の進行がいずれの位置においても一律に評価され得るためである。最適な燃焼結果のために、例えば最低数の変化するピクセルが所与の正規化された最終傾斜に到達するようなアルゴリズムを選択することができ、それによって燃焼物の難しい位置でも最適な点で焼結されることが確立される。このことは単に特に歯科用燃焼プロセスの制御に適した制御プロセスの一例であり、例えば温度および/または酸素部分圧の変化に際しての金属表面の表面酸化の化学量論比の変化の監視等のその他のプロセスに対しては他の多数のアルゴリズムも考えられ、それも通常は特に極大、極小、および0値の使用による、それらのプロセス独自の検出器曲線の一次導関数への個別の適応に相当するものである。
【0094】
図7aには図4bに示されたものと同様な構成が示されており、これは平坦な表面を有するセラミックあるいは金属製の基礎部材の焼結の監視のために特に適したものである。球状集積体として概略的に図示されている未焼結の表面10を有する部材11が、水平に対して所定の角度で傾斜した表面441を有する試料支持体44上において光学システム100の光軸19内に配置されている。表面の高い拡散効果が指向性を有する放射線142によって示されており、その反射線131は検出器16を迂回して反射され、一方放射線142の別の成分は表面の一部に入射しその反射線13aは半透性の鏡17およびレンズシステム18によって僅かに減衰して放射線13bとして直接検出器に到達する。検出器16が放射源15の波長領域内のみで感応性を有するため、表面102の自然の温度放射線ならびに加熱コイル43の反射放射線成分のいずれも検知されない。半透性の鏡17は入力された放射線ならびに反射された放射線の両方を真空のフランジ311内に取り付けられた特に石英ガラスからなる窓31を介して通過させることを可能にし、それによって窯空間の開口部を可能な限り小さく保持することができる。
【0095】
図7bには、傾斜した表面441を有する試料台44を使用した前記の実施形態の利点が示されている。その傾斜の角度は、部材11が水平の台上に設置されている場合に考えられるように、焼結プロセスによって平滑化した表面103が検出器16に対して鏡面反射を投射しないように選定される。鏡面状の表面によって反射された放射線は極めて狭い拡散角度を有するため、水平からの僅かな逸脱によっても表面103の部分領域が完全に暗色に作用するかあるいは極度の鏡面作用を示すことにつながり、それに従って図6は純粋に無作為に曲線25または曲線26の特性が生じる。しかしながら、傾斜によってその変移が常に明確に図6の曲線26に従ったものとなり、すなわち未燃焼の状態において中程度の放射強度が得られ、それが光軸19から大幅に逸脱して反射される両方の放射線131が示すように焼結工程中に0付近まで低下可能である。
【0096】
図8aには放射源15を使用した本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例が示されているが、それにおいては個別の検出器に代えて請求項8の原理に従ったセンサのマトリクスが使用されており、それはマトリクスを有する装置161の一部を形成するセンサ1611、1612、および1613によって極概略的に示されている。その種の装置として例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、および紫外線カメラ等に使用されるセンサマトリクスが考えられ、紫外線カメラの場合は放射源15も同様にその領域で作動する必要があるが、測定対象物が例えば放射源15によって青色光領域で照射される一般的なビデオカメラを使用することもでき、その際そのビデオカメラはその短波長の領域のみを測定のために使用する。このことは例えば入射する放射線13がセンサマトリクス161までの路程上で長波長の領域を消去する光学フィルタを通過することによって達成することができるが、評価の段階でビデオ信号の長波長の成分のみを分析することによって達成することもできる。
【0097】
可能な限り高い光効率を得るためにこの方法実施形態は半透性の鏡を使用せずに実施され、すなわちコリメータ151およびカメラ161ならびにそのレンズシステム18を有している放射源15が互いに傾斜し合っている固有の光軸を備え、それらが部材11の表面104上で交わっている。この実施例において、ミクロ領域において表面104の粗目深度1041によりその局部的な方向性に関係なく発生する拡散の影響が、巨視的な領域における部分平面の方向性の作用とは明確に異なる必要がある。このことは例えばセラミック製の基礎部材の表面に該当し、その表面は例えば典型的に歯科用燃焼物に該当するように互いに大きく傾斜した部分表面を有する。
【0098】
概略的な図において放射源15から3本の放射線1421,1422,および1423が放射され、それらは表面104の互いに異なった傾斜を有するがいずれも等しい粗目性ならびに等しい拡散効果を有している領域に入射する。その大きな拡散効果の結果として半球形状の拡散球面134a′,135a′,および136a′が形成され、それらは全ての部分平面が(その局部的傾斜に関係なく)略同じ方式かつ均等に全方向に対して空間中への放射を行うことを象徴するものである。従って検出器マトリクス161のピクセル1611,1612および1613のそれぞれが小さな放射線成分を反射された放射線134a,135aおよび136aの形式で受容し、それによって検出器マトリクスが極めて均等かつ大きなコントラストを伴わずに照射されることが示される。
【0099】
図8bには既に実施されている反応の変遷が示されており、それにおいて表面104bの巨視的起伏は依然として図8aに示された表面104の状態に相当するが、その粗目深度は数値1041bに減少している。その理由のため拡散球面134b′,135b′および136b′の幅が縮小し、従ってそれは、放射線1421,1422および1423の入射方向によりそれぞれ衝突する部分平面上の垂直二等分線に従って逆方向に反射されるものに相当する方向において狭くなっている。この狭い拡散球面によって高い拡散密度がもたらされるが、放射線1421が衝突する部分平面のみが反射された放射線134bを直接検出器マトリクス161のピクセル1611に誘導するような傾斜角度を有しており、放射線135bおよび136bは検出器を回避して反射される。その結果としてこの反応の相において検出器ピクセル1611上の放射強度の上昇が生じ、他方ピクセル1612および1613は放射強度の低下を示す。
【0100】
図8cには図8bにその変遷を示した反応の最終状態が示されている。例えば燃焼プロセスの最終段階において燃焼物の高い運動性のため顕著に表れる表面張力の影響によって、まず多様に傾斜した部分平面からなる表面が丸く隆起した平面104cに変化し、それが高い反射性を有している。ここで表面の大部分が近似する傾斜を有し、従って方向性を有した放射線1421および1422から生成された反射放射線成分134cおよび135cが検出器マトリクス161のピクセル1611および1612に到達し、他方放射線136cだけは表面104cの小さな局部傾斜のため検出器を迂回する。拡散球面134c′,135c′および136c′が図8bに比べてさらに少し細くなるため、検出器ピクセルに到達する放射線密度ならびに検出器ピクセルを迂回する放射線密度のいずれもがさらに高くなる。
【0101】
図8dには3つのピクセル1611,1612および1613の放射線強度関数がまとめて示されており、これは図8aないし図8cにおいて例えば焼結プロセスにおける異なった反応段階について時点211,212および213として概略的に示されているものである。反応開始前に3つ全てのピクセルによって検出された放射強度は高い拡散効果のため極めて近いものとなり、従って反応の開始点2611a,2621aおよび2631aは近い位置にあるが、その後多様な部分平面の方向性に従って表面104の初期状態から表面8cの最終状態まで各ピクセルがそれぞれ異なった変移を示す。
【0102】
ピクセル1611においては、減少する拡散効果および検出器を回避する方向を指向する表面傾斜のため放射強度が点2611aから反応の中間状態に向かって数値2611bまで低下するが、反応の最終段階において表面が平滑化し、従ってピクセル1611の測定値が最終値2611cまで上昇する。
【0103】
ピクセル1621は反応の全ての相を通じて常に的確にそのピクセルの方向を向いている表面部分を示したものであり、そこにおいては、粗目深度の漸進的な縮小によって放射強度の漸進的な増加がもたらされ、それが数値2621aから数値2121bを介して最終値2121cに相当するものとなる。
【0104】
ピクセル1631は安定的な軌道を示しており、これによって示されている部分平面は常に放射線が迂回方向に反射されるように傾斜し、その作用は減少する拡散効果の影響によって常により顕著に示され、従って放射強度は初期値2631aから始まって中間状態2631bを介して最終状態2631cまで常に低下する。
【0105】
図8aないし図8dに示されている方法実施例は本発明に係る方法の第2の実施形態に従って動作し、すなわち特に表面10およびその周囲の自然の温度放射線のスペクトル外の波長領域で動作する放射源15を使用したものである。しかしながら、請求項8の概念は勿論、周囲環境の外部放射線を使用するものである、本発明に係る方法の第1の実施形態との組み合わせによって適用することもできる。そのような場合センサマトリクスとして例えばサーモグラフィにおいて使用される素子または例えば可視領域で動作するビデオカメラを使用することができ、その波長領域は多くの場合赤外線の領域にも広がっている。それら全ての場合において、図2のセンサについて記述したものと同様な処理方式で評価を適正に行わなければならず、すなわち物理および/または化学プロセスに関する情報がマトリクスの各ピクセルの信号曲線の変移から不安定性を検知される必要がある。勿論その種の処理方式は、第1の方法実施形態に該当する条件、すなわちプロセスに起因する不安定性を明確に検知可能にするために測定作業中に表面10およびその周囲の温度が一定に保持されるかあるいは定率で変化するものでなければならないという原則的な制限に拘束される。
【0106】
この第1の実施形態の変更例の範囲内の例外は、紫外線によって励起された重合が本発明によって監視される場合である。その際紫外線ランプの形式の照明システムは外部放射線14を放射する周囲環境の一部として見ることができ、それはそのランプが第1に重合の目的で機能し従って表面10の周囲のシステム内部要素であるためである。個別検出器16または検出器マトリクス161に向かって反射される紫外線の成分を本発明に従って重合の変移を監視し照射時間を最短化するために使用することができるが、勿論重合が測定装置16によって検知可能な光学的な変化を伴うであることが常に前提となる。
【0107】
図9には、それぞれ異なった波長を有する例えば紫外線LED等の2つの放射源15′および15″を使用した本発明に係る方法の第2の実施形態の別の変更例が示されており、そのうち1つが400nmの波長領域で動作し他方は300nmの波長領域で動作する。両方の放射源の放射線はコリメータ内で集束され、その後集束された放射線1421,1422および1423として部材11の表面104上に投射され、そこで図8aと同様に粗目深度1041と局部的な表面起伏によって拡散円を形成し、そのうち反射された部分放射線134a,135aおよび136aがセンサマトリクス161のセンサ1611,1612および1613に到達する。それらのセンサの信号の分析は図6に示されたものと同様に実施されるが、波長領域400nmならびに300nmのいずれにおいても放射強度の変移を監視することによって二重方式で実施される。
【0108】
この分析は2つの方式で2つの方式で実施される。1つのケースにおいて放射源15′および15″が交互にスイッチオンおよびオフされ、従って両方の波長のうちの片方のみ光がその強度を測定するセンサマトリクスに短時間到達するが、両方の放射源15′および15″を同時に動作させることも可能で、その際マトリクスのセンサの信号が特別に両方の波長の領域内で分析される。
【0109】
しかしながら、両方の波長における放射強度の測定に代えて、その放射強度(例えば信号の輝度成分)に加えて色値(例えば信号のクロミナンス)を測定することもでき、それはその波長の強度の変化が必ず色値の変化によって感知可能となるためである。
【0110】
図10にはガラス上での反応の監視のための特別な措置が示されている。この図には、波長の軸27とガラスの透過性の軸28を有するグラフが示されている。既知のようにガラスはいわゆる>>UVエッジ<<を有しており、これは短い波長へのシフトに際してその光透過性が突然0付近まで低下する波長領域である。図中において曲線291は純粋な石英ガラスの300nmの波長における透過性を示しており、それは点線272および点2911によって曲線291上に標記され、透過性は高い位置に保たれている。
【0111】
曲線292には不純物を含んだ石英ガラスの透過性の変移が示されており、曲線272と同じ波長において点2921で既に透過性が降下している。曲線293および294には、外部酸化物の割合が漸増している珪酸ナトリウムガラスが示されており、該当する点2931および2941によって透過性の大幅な低下が示されている。この紫外線スペクトルの領域における放射線吸収は主に珪酸塩グリッド内の酸素原子の振動の励起に起因し、酸素原子がより自由に振動可能である程前記の励起がより短い波長にシフトされる。既知のように酸化ナトリウム等の基礎的な酸化物がいわゆるネットブレーカーとなり、すなわちそれはSiO結合の三次元のネットを部分的に破壊し、それによって最終的な酸素イオンを生成する。
【0112】
図10中の点線271で示されている400nmの波長において、全ての曲線が点2942で透過性の高レベル位置になっている。従って曲線分析は図6に示された方法と同様に両方の波長について実施され、従って強度の関係から帰納推理によって透過性の低下度合いならびに従ってガラス表面の化学的な構造変化を認識することができ、それは透過性が表面の放射特性の重要な成分であるためである。珪酸塩ガラスのグリッド振動はその結晶性の関数としても変化するため、所与の組成における紫外線ランプ(UV−Ramp)のシフトは結晶性の測定にも使用することができ、これは例えば美観的に好適な効果(乳光)を形成するために特定の結晶性を有するガラスセラミックが使用される、歯科用分野における適用等の後続する熱処理を伴ったガラスの燃焼プロセスにおいて重要である。
【0113】
同時に2つ超の波長で測定するかあるいは強度に加えて各ピクセルの色数値を測定する方法実施形態は、場合によって試料微細構成の変化および表面の材料構造の変化を特殊な評価アルゴリズムの使用によって分離することが可能になるため、極めて好適である。微細構成の変化はあるピクセルにおける全ての波長において同様に作用し、すなわち化学変化が存在しない場合異なった波長において検知された強度曲線が同様な変移を有し、それに対してその種の反応の進行中に強度比は変化し、例えば2つの波長の強度の指数を時間についての曲線として形成することによって示すことができる。
【0114】
2つの波長の入射が同じ光軸に沿って実施される場合にのみ微細構成の局部的な差異にかかわらず2つの波長における放射強度の正確な比率が判定され得るため、図9において両方の放射源15′および15″の放射線を集束するためのコリメータの使用が重要である。
【0115】
図11には図9に示された方法実施形態の変更例が示されており、これも同様に2つの波長領域で動作するが、ここではUVエッジの少なくとも一部の波長領域を含でいる広帯域の紫外線ランプが使用される。同様に広帯域のセンサマトリクス161が使用されると、両方の波長の強度の判定は、光学フィルタ191および192を周期的に放射線路内に挿入しそれによってそれぞれ特定の紫外線放射線の領域を吸収することによって実施することができる。しかしながら、広帯域の放射源15の使用に際しても勿論光学フィルタ191および192を使用せずにそれに代えて評価に際して識別のために必要なビデオ信号の波長領域のみを使用することも可能であるが、前述したように強度変化(例えば輝度)に加えて色数値(例えばクロミナンス)のシフトを使用することもできる。
【0116】
図12には、本発明に係る方法の第2の実施形態の別の変更例が示されており、これは図4bに示されている装置と同様に半透性の鏡17を使用し、それによってこの実施例において反射器152および前置されたコリメータ151を有する青色LEDからなる放射源15aの放射線を測定装置16によっても使用される同じ光軸上に投射する。半透性の鏡17に接続してレンズシステム18′および接続部材321を介して光導管32内に光を誘導し、これは本実施例において石英ガラス棒からなり、それがフランジ322によって真空気密性に窯内に挿入されている。
【0117】
勿論光導管として一般的に使用されるファイバ束を適用することもできるが、この実施例においては単に放射線をコンパクトかつ耐熱性のある方式で窯内に誘導するか、またはスペースを必要としまた熱に対して敏感な光学システム100の要素を好適に窯の外側に配置する可能性に関するものであるため、耐熱性の石英棒の形式の硬質の光導管の使用が極めて有効である。可動式のファイバ束の使用は図5と同様に構成された装置において極めて好適であり、そこで測定装置に代えて光導管が球関節32内に取り付けられ、従って光学システム100のその他の要素は前記球関節の動作に左右されず固定的な位置に取り付けることができる。
【0118】
図13には本発明に係る装置の別の変更例が示されており、それにおいては図12の装置と異なって半透性の鏡が省略され、それに代えて放射源15aによって放射された放射線および表面10から測定装置16に反射された放射線を好適には石英棒の形式の光導管32および32′を介して誘導し、その際両方の光導管は連結部材321および321′を介して光学システムのその他の部分と結合される。この装置は半透性の鏡の省略によってより高い放射効率を可能にするが、放射源15aと測定装置16の光軸は正確に部材11の表面10上で当接する。
【0119】
光導管の使用は勿論個別の検出器に限定されるものではなく、図12および図13に示されているように、それらの個別の検出器に代えてビデオカメラ等のセンサマトリクスを有効に使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】窯壁部と装入物との間に全く温度平衡が存在していない窯に特に適した本発明に係る方法の第1の実施形態を示した概略説明図である。
【図2a】特定時点で化学および/または物理変換が発生する図1の窯内における加熱の進行中の表面の放射強度の時間変移を示した概略説明図である。
【図2b】図2に示された放射線強度曲線の一次導関数の変移を示した概略説明図である。
【図2c】図2に示された放射線強度曲線の二次導関数の変移を示した概略説明図である。
【図3a】粗目の微細構成を有する表面上に放射を行う放射源(15)を備えた本発明に係る方法の第2の実施形態を示した概略説明図である。
【図3b】平滑な表面上に放射を行う放射源(15)を備えた本発明に係る方法の第2の実施形態を示した概略説明図である。
【図3c】放射源(15)とコリメータ(151)を備えた本発明に係る方法の第2の実施形態を示した概略説明図である。
【図4a】本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示したものであり、半透性の鏡(17)を使用した放射源(15)の表面(10)上への直接的な放射を示した概略説明図である。
【図4b】コリメータ(151)を使用した本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図5】可動式の検出器ユニットを備えた本発明に係る方法の第3の実施形態を示した概略説明図である。
【図6】特定時点で化学および/または物理変換が発生する図3aないし図3cの窯内における加熱の進行中の表面の放射強度の時間変移を示した概略説明図である。
【図7a】焼結プロセスの開始に際しての本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図7b】焼結プロセスの終端に際しての本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図8a】ピクセルマトリクスとして配置された複数の検出器を備えたものであって、最初大きな粗目の深さを有している表面に対しての本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図8b】表面の粗目の深さを低減した場合の図8aの実施形態を示した概略説明図である。
【図8c】平滑であって表面張力の影響を漸増的に平準化する面に対しての図8aの実施形態を示した概略説明図である。
【図8d】図8aないし図8cの表面の変化に際してのピクセルマトリクスの検出器の強度曲線を示した概略説明図である。
【図9】異なった波長を有する2つの放射源を使用した際の本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図10】紫外線領域における石英ガラスと珪酸塩の透過率を波長の関数で示した説明図である。
【図11】光学フィルタを使用した際の本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図12】光学導波管を使用した際の本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【図13】2本の光学導波管を使用した際の本発明に係る方法の第2の実施形態の変更例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0121】
100 装置
10 表面(一般)
101 表面の起伏
102 未焼結の粒子を有する表面
103 焼結された平滑な表面
104 大きな粗目深度1041aを有する不規則な表面
1041a 粗目深度
104b 小さな粗目深度1041bを有する不規則な表面
1041b 粗目深度
104c 鏡面状に平滑で部分的に隆起した表面
11 部材
(12) (プロセス)
13 表面から検出器への反射放射線
131 微細構成のため検出を迂回する反射放射線
132 光源の拡散効果によって検出器を回避する反射放射線
13a 半透性の鏡の手前の反射放射線
13b 半透性の鏡の後の反射放射線
134a 検出器マトリクスのチップのピクセル1611への弱い反射放射線
134a′ 拡散球面
134b 細い拡散球面134b′からのピクセル1611へのより強力な反射放射線
134b′ 細い拡散球面
134c さらに細い拡散球面134c′からのピクセル1611へのより強力な反射放射線
134c′ さらに細い拡散球面
135a 検出器マトリクスのチップのピクセル1612への反射黒色放射線
135a′ 放射線135の拡散球面
135b 検出器を回避する、細い拡散球面135b′からのより強力な反射放射線
135b′ 細い拡散球面
135c 検出器マトリクスのチップのピクセル1612へのより強力な反射放射線
135c′ さらに細い拡散球面
136a 検出器マトリクスのチップのピクセル1613への反射黒色放射線
136a′ 放射線136の拡散球面
136b 検出器を回避する、細い拡散球面136b′からのより強力な反射放射線
136b′ 細い拡散球面
136c 検出器を回避する、細い拡散球面136c′からのより強力な反射放射線
136c′ さらに細い拡散球面
14 外部放射線(一般)
141 放射線15からの外部放射線
1411′ コリメータの手前の短い波長を有する無方向性の部分放射線
1412′ コリメータの手前の短い波長を有する無方向性の部分放射線
1413′ コリメータの手前の短い波長を有する無方向性の部分放射線
1411″ コリメータの手前の長い波長を有する無方向性の部分放射線
1412″ コリメータの手前の長い波長を有する無方向性の部分放射線
1413″ コリメータの手前の長い波長を有する無方向性の部分放射線
141a 放射源15からの使用不可能な無方向性の放射線
141b 放射源15からの使用可能な無方向性の放射線
142 コリメータの後の方向性を有する外部放射線
1421 コリメータの後の方向性を有する部分放射線
1422 コリメータの後の方向性を有する部分放射線
1423 コリメータの後の方向性を有する部分放射線
15 放射源
15′ より短い波長を有する放射源
15″ より長い波長を有する放射源
15a LED
151 コリメータ
152 反射器
16 検出器
161 カメラあるいはビデオカメラ等のピクセルマトリクスを有する測定装置
1611 ピクセルマトリクスのピクセル
1612 ピクセルマトリクスのピクセル
1613 ピクセルマトリクスのピクセル
17 半透性の鏡
18 焦点化光学手段
19 表面−検出器の光軸
19′ 放射源−表面の光軸
20 窯
21 時間軸
211 反応の開始時点
212 反応の終了時点
213 反応中の時点
22 放射強度軸
22a 放射強度の時間による一次導関数の軸の正部分
22a′ 放射強度の時間による一次導関数の軸の負部分
22b 放射強度の二次導関数の軸の正部分
22b′ 放射強度の二次導関数の軸の負部分
23 温度曲線
231 反応開始時の温度
232 反応終了時の温度
24 反応の影響を伴わない放射強度の仮想的経移
25 放射強度曲線(放射率の低下および/または検出器を迂回するよう反射される放射線成分の増加)
25′ 点251上の反応開始前の曲線25の接線あるいは外挿
25″ 点252上の反応開始後の曲線25の接線あるいは外挿
251 曲線25上の反応開始点
252 曲線25上の反応終了点
25a 曲線25の時間による一次導関数
251a 一次導関数25aの曲線上の反応開始
252a 一次導関数25aの曲線上の反応終了
25b 曲線25の時間による二次導関数
251b 二次導関数25bの曲線上の反応開始
252b 二次導関数25bの曲線上の反応終了
26 放射強度曲線(放射率の上昇および/または検出器を迂回するよう反射される放射線の減少)
26′ 点261上の反応開始前の曲線26の接線あるいは外挿
26″ 点262上の反応開始後の曲線26の接線あるいは外挿
261 曲線26上の反応開始点
262 曲線26上の反応終了点
26a 曲線26の時間による一次導関数
261a 一次導関数26aの曲線上の反応開始
262a 一次導関数26aの曲線上の反応終了
26b 曲線26の時間による二次導関数
261b 二次導関数26bの曲線上の反応開始
262b 二次導関数26bの曲線上の反応終了
2611 ピクセル1611の時間的な強度変移
2611a 時点211におけるピクセル1611の強度(図8a)
2611b 時点213におけるピクセル1612の強度(図8b)
2611c 時点212におけるピクセル1612の強度(図8c)
2612 ピクセル1612の時間的な強度変移
2612a 時点211におけるピクセル1612の強度(図8a)
2612b 時点213におけるピクセル1612の強度(図8b)
2612c 時点212におけるピクセル1612の強度(図8c)
2613 ピクセル1613の時間的な強度変移
2613a 時点211におけるピクセル1613の強度(図8a)
2613b 時点213におけるピクセル1613の強度(図8b)
2613c 時点212におけるピクセル1613の強度(図8c)
31 ケース部材
32 球関節
41 窯蓋部材
42 窯基底部材
43 発熱体
44 試料支持部材
441 試料支持部材の傾斜した表面
45 熱電対

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材(11)の表面(10)上で進行する特に歯科補綴材の燃焼プロセス等の熱活性化されるプロセスである物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査するものであって、表面(10)の一部から放射される表面放射線(13)の強度の時間的な変移を特にセンサ等の測定装置(16)を使用して測定する方法であり、外部放射源から発生した放射線(14)の反射成分の変化を表面放射線(13)の強度の変化を介して測定することを特徴とする方法。
【請求項2】
外部放射源が表面(10)の自然周囲環境の1つあるいは複数の部材、例えば高温の窯加熱コイルまたは低温の窯壁部であり、それが表面(10)と放射平衡の状態にないことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
外部放射源が表面(10)の放射線(13)の固有スペクトルとは異なったスペクトルを有する特に窯(20)の外側に存在する放射源(15)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
プロセスの開始はそのプロセスの開始前は一定的に変移している選択的に時間および温度に対して記録された表面放射線(13)の強度曲線の不安定性の判定によって検知し、プロセスの終了はそのプロセス終了後は一定的に変移する前記の強度曲線の不安定性の判定によって検知し、その際プロセスの開始および終了ならびにその間の曲線変移の特徴を求めるために特に前記強度曲線の一次および/または二次導関数の0点、極大ならびに極小を使用し、その曲線の変移を例えば窯の加熱出力等のそれによって影響を受ける少なくとも1つのパラメータを介してプロセスの制御のために使用することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
表面放射線の強度の時間変移は同時に少なくとも2つの波長において測定し、それらの強度の関係の変化または表面放射線(13)の色数値の変化を表面(10)の材料構造および/または化学組成の変化の指標として使用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
表面放射線(13)をピクセルマトリクスの形式で配置された複数のセンサによって測定し、それらの検出器のそれぞれに対して強度変移ならびに場合によって色数値の変移を測定して曲線の形式で評価し、画像評価の枠内における全ての曲線の共通の評価によって反応進行中の表面(10)の微細構成の変化に関する追加的な情報を提供することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
物理および/または化学プロセスはセラミック、ガラス、金属、金属セラミック、または重合性材料の相転化、熱処理、熱化学プロセス、焼結プロセス等の熱によって活性化されるプロセス、温度または放射線の影響下で進行する重合化プロセス、またはそれらのプロセスの組み合わせであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
表面放射線(13)の強度の判定と同時に表面(10)の近傍あるいは表面上の温度を特に熱電対あるいは温度依存性抵抗器等の電圧あるいは電流発生式の方法を使用して、または赤外線領域で実施される光学式測定によって測定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
表面放射線(13)の強度を判定するために二色高温計の一方のチャネルを使用し、その際両方のチャネルの測定値の組み合わせを一般的な方法で温度の判定のために使用することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか、特に請求項8記載の方法。
【請求項10】
焼結プロセスは歯科用燃焼窯内で実施される燃焼プロセスであることを特徴とする請求項1ないし9、特に請求項7記載の方法。
【請求項11】
重合化プロセスが紫外線照射によって励起される反応であり、放射源(15)として重合化プロセスのために必要とされる照明を選択し、検出器に対しては前記放射源(15)の範囲にある波長領域を選択することを特徴とする請求項1ないし10、特に請求項7記載の方法。
【請求項12】
部材(11)の表面(10)上で進行する物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査する装置であり、前記装置が前記表面(10)から離間して配置されていて特にセンサからなる測定装置(16)を備え、それによって前記表面(10)から放射される表面放射線(13)の強度および場合によって色数値を測定可能である装置。
【請求項13】
測定装置(16)に加えて表面(10)に対して離間している放射源(15)が前記表面(10)上に放射線(14)を放射することを特徴とする請求項1および請求項3記載の装置。
【請求項14】
放射源(15)から放射された放射線(142)がコリメータを通過した後に方向性を有する放射線(141)として表面(10)上に到達することを特徴とする請求項12または13記載の装置。
【請求項15】
測定装置(16)が焦点化光学機構を有することを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1つまたは複数に記載の装置。
【請求項16】
放射源(15)から表面(10)への放射線(141)ならびに場合によって表面(10)から測定装置(16)への放射線(13)が光導管を介して誘導されることを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1つまたは複数に記載の装置。
【請求項17】
光源(15)は多少広い波長領域を有するランプ、特にLED、ハロゲンランプ、またはレーザであることを特徴とする請求項12ないし16のいずれか1つまたは複数に記載の装置。
【請求項18】
測定装置(16)は光検出素子を有する電子画像撮影ユニット、特にカメラまたはビデオカメラであることを特徴とする請求項8ならびに請求項12ないし17のいずれか1つまたは複数に記載の装置。
【請求項19】
放射源(15)および測定装置(16)が互いに傾斜していて表面(10)上で当接する光軸を有し、それによって光源(15)から放射された放射線の再現性のある成分が測定装置(16)によって捕捉可能であることを特徴とする請求項12ないし18のいずれか1つまたは複数に記載の装置。
【請求項20】
放射源(15)および測定装置(16)の光軸が半透性の鏡(17)内で当接し、そこから表面(10)までは同じ光軸を有することを特徴とする請求項12ないし19のいずれか1つまたは複数に記載の装置。
【請求項21】
放射源(15)および測定装置(16)が窯の外面上に設置され、それらの光軸が場合によって真空気密性の窓によって外部に対して密封された1つあるいは場合によって2つの開口部を介して表面(10)に向かって延在することを特徴とする請求項19または20記載の装置。
【請求項22】
放射源(15)および測定装置(16)が共通の支持部材上に配置され、その支持部材ならびに光軸(19)および(19′)が少なくとも1つの関節装置を介して少なくとも一方向に回転可能であることを特徴とする請求項21記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−31294(P2009−31294A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197102(P2008−197102)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)
【Fターム(参考)】