説明

配列決定ポリマーを含む光沢液体組成物

本発明は、組成物が支持体上に塗付された際の付着組成物の平均光沢度が30から100以上であるような十分な量の非エラストマーの皮膜形成性(filmogenic)エチレン系線状配列決定ポリマーを含む液体化粧品組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の顔面および身体双方の頭皮を含む皮膚、ならびに人の唇または外皮、例えば、毛髪、まつ毛、まゆ毛または爪をメーキャップまたはケアするための特定のブロックポリマーを含有する化粧品として許容し得る媒体を含む液体化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン物質(皮膚、唇または外皮)に対する塗布後、付着した膜の光沢性が極めて重要となる多くの化粧品組成物がある。例として挙げることのできるものは、リップスティック、マニキュアまたはある種の毛髪用製品およびある種のマスカラがある。
【0003】
この光沢性は、使用される際に促進され、高粘度および高屈折率を特徴とし、また組成物中に存在する場合に良好な顔料または充填剤の分散性を有する油類から作製されることが、化粧製品製造者にとって知られている。
【0004】
この観点から、前記製造者は、数種の原料、例えば、Amoco社によって特にインドポール(Indopol) H100、H300およびH1500の商品名で販売されているポリブテン類などの油性ポリマー類を利用することができる。これらは、非常に高い粘性を有するが、しかしながら、非常にべとつくこと、及び、顔料の分散性が比較的乏しいという欠点があるので、それらの使用は限定される。
【特許文献1】EP-A-0 955 039
【特許文献2】米国特許第4 887 622号
【特許文献3】仏国特許第2 796 529号
【特許文献4】仏国特許第2 722 380号
【特許文献5】米国特許第5 492 426号
【特許文献6】仏国特許第2 761 959号
【特許文献7】WO 01/03538
【特許文献8】WO 03/018423
【特許文献9】仏国特許第2 791 042号
【特許文献10】仏国特許第2 792 618号
【非特許文献1】the Polymer Handbook、第3版、1989年、John Wiley
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、化粧製品、特に良好な光沢性を有するメーキャップ製品を製造する新規な経路を提案することである。
【0006】
特に、本発明の製品により、皮膚または唇上に連続した付着物を得ることが可能となり、消費者の要望に合致する非常に光沢のある外観を有する良好な適用範囲を示し、塗布時または経時的に、移動せず、移行せず、良好な滞留力を有し、油っぽくなく、塗付された皮膚、毛髪または唇を乾燥させない。また、前記製品は、良好な安定性を有し、したがって均一で美的な塗布を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一主題は、知られた光沢組成物の欠点を克服することを可能にさせる、ブロックポリマーを含有する、皮膚および/または唇および/または外皮をケア、またはメーキャップする光沢性液体組成物である。本発明者らは驚くべきことに、特定のブロックポリマーの十分な量の使用により、良好な滞留力をも有する光沢組成物を得ることが可能になることを見出した。
【0008】
本発明の組成物は、特にケア特性および/または治療特性を有する人体、唇または外皮のためのヘアケア製品またはメーキャップ製品を構成することができる。特に前記組成物は、リップスティック、リップグロス、アイシャドー、入れ墨製品、マスカラ、アイライナー、マニキュア、皮膚の人工日焼け用製品、場合によっては毛染めケアまたは保護クリーム、またはヘアカラー製品またはヘアケア製品を構成する。
【0009】
より具体的に本発明は、化粧品として許容し得る有機液体媒体および非エラストマー性皮膜形成線状エチレン系ブロックポリマーを含有する液体化粧品組成物に関するものであって、前記ポリマーが、前記組成物に十分な量で存在する場合、支持体上に塗布した際に、前記組成物の付着物の20°で測定された平均光沢度が、好ましくは100のうちの30以上になるようにする。
【0010】
本発明の一主題はまた、化粧品として許容し得る有機液体媒体およびスチレン単位を含まない皮膜形成線状エチレン系ブロックポリマーを含有する液体化粧品組成物であって、前記ポリマーが、前記組成物に十分な量で存在する場合、支持体上に塗布した際に、前記組成物の付着物の20°で測定された平均光沢度が、好ましくは100のうちの30以上になるようにする。
【0011】
用語の「液体組成物」とは、25℃および大気圧で、それが注がれる容器の形状をとる組成物を意味する。
【0012】
好ましくは、本発明による組成物は、リーブイン(leave-in)の組成物である。
【0013】
〈組成物の平均光沢度〉
用語の「平均光沢度」とは、以下の方法により光沢度計を用いて従来どおり測定できる光沢度を意味する。
【0014】
前記組成物の厚さが50μmと150μmとの間の塗膜は、自動スプレッダーを用いて、LenetaブランドのリファレンスコントラストカードForm 1A Penopac上に塗布される。前記塗膜は、少なくとも前記カードの白色バックグラウンドを覆う。付着物は、30℃の温度で24時間乾燥させるために放置し、次に、Byk Gardnerブランドのリファレンス光沢度計microTri-Glossを用いて白色バックグラウンドの20°での光沢度を測定する。
【0015】
この測定(0と100との間)を、少なくとも3回繰り返し、平均光沢度は、少なくとも3回測定された測定値の平均である。
【0016】
20°で測定された前記組成物の平均光沢度は、100のうちの30以上が好都合であり、なおより良好には35以上、さらになおより良好には40以上、さらになおより良好には45以上、さらになおより良好には50以上、さらになおより良好には100のうちの55以上、さらになおより良好には60以上、さらになおより良好には65以上、さらになおより良好には70以上、さらになおより良好には75以上である。マニキュアなどの本発明によるある一定の組成物に関して、20°で測定された光沢度は、100のうちの70以上、またはさらに80以上である。
【0017】
好ましくは、支持体上に塗布した際に、60°で測定された前記組成物の平均光沢度は、100のうちの50以上、なおより良好には60以上、なおより良好には65以上、なおより良好には70以上、なおより良好には75以上、なおより良好には80以上、なおより良好には85以上、またはさらになおより良好には90以上である。
【0018】
60°での平均光沢度は、以下のとおり測定する。前記光沢度は、以下の方法により従来の様式で光沢度計を用いて測定できる。
【0019】
前記組成物の厚さが50μmと150μmとの間の塗膜を、自動スプレッダーを用いてLeneta ブランドのリファレンスコントラストカードForm 1A Penopac上に塗布する。前記塗膜は、少なくとも前記カードの白色バックグランドを覆う。付着物は、30℃の温度で24時間乾燥させるために放置し、次に、Byk Gardnerブランドのリファレンス光沢度計microTri-Glossを用いて白色バックグラウンドの60°での光沢度を測定する。
【0020】
この測定(0と100との間)を、少なくとも3回繰り返し、平均光沢度は、少なくとも3回測定した測定値の平均である。
【0021】
一実施形態によれば、20°で測定された前記組成物の平均光沢度は、好ましくは100のうちの35以上、好ましくは40以上、45以上または50以上であり、および/または60°で測定された前記組成物の平均光沢度は、好ましくは100のうちの65以上、70以上または75以上である。この実施形態において、前記組成物は、液体リップスティックを構成することが有利である。
【0022】
一実施形態によれば、20°で測定された前記組成物の平均光沢度は、好ましくは100のうちの60以上、好ましくは65以上、70以上または75以上であり、および/または60°で測定された前記組成物の平均光沢度は、好ましくは100のうちの80以上、85以上または90以上である。この実施形態において、前記組成物は、マニキュアを構成することが有利である。
【0023】
本発明はまた、有機液体媒体および下記の少なくとも1種のブロックポリマーを含む化粧品組成物に関する。
【0024】
本発明はまた、皮膚および/または唇および/または外皮をメーキャップする方法に関するものであって、上記に定義された組成物を皮膚および/または唇および/または外皮に塗布することからなる。
【0025】
本発明による組成物は、顔面および頭皮の双方および身体の皮膚、粘膜、例えば、唇、下まぶたの内側、および外皮、例えば、爪、まつ毛、毛髪、まゆ毛、またはさらに体毛に塗付できる。
【0026】
本発明はまた、化粧品組成物中、十分な量のブロックポリマーの使用に関するものであって、前記組成物の付着物に光沢および/または滞留力を与える。
【0027】
本発明はまた、上記に定義された組成物の化粧品使用に関するものであって、皮膚および/または唇および/または外皮のメーキャップの光沢を改善する。
【0028】
前記組成物は、有利なことに、光沢を与えるために従来から使用される油類であって、一般にべとつくこれらの油類を少ない配合で含有する。
【0029】
本発明による組成物は、有利なことに、少なくとも1種の光沢油を30%未満、好ましくは25%未満、20%未満、なおより良好には15%未満含有する。
【0030】
用語の「油」とは、全ての割合において水と不混和性であって、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体である化合物を意味する。
【0031】
用語の「光沢油」とは、モル質量が、好ましくは650g/モルから10000g/モル、好ましくは750g/モルから7500g/モルの範囲である油を意味する。
【0032】
650g/モルから10000 g/モル範囲のモル質量を有する油は:
- 親油性ポリマー類:
- Amoco社により販売または製造されているIndopol H-100 (モル質量またはMM = 965 g/モル)、Indopol H-300 (MM = 1340g/モル)、およびIndopol H-1500 (MM = 2160g/モル)などのポリブテン類、
- Amoco社により販売または製造されているPanalane H-300 E (M = 1340g/モル)、Synteal社により販売または製造されているViseal 20000 (MM = 6000g/モル)およびWitco社により販売または製造されているRewopal PIB 1000 (MM = 1000g/モル)などの水素化ポリイソブテン類、
- Mobil Chemicals社により販売または製造されているPuresyn 10 (MM = 723g/モル)およびPuresyn 150 (MM = 9200g/モル)などのポリデセン類および水素化ポリデセン類、
- ISP社により販売または製造されているAntaron V-216 (MM = 7300g/モル)のビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマーなどのビニルピロリドンコポリマー類、など、
- エステル類:
- 全炭素数が35個から70個の範囲である線状脂肪酸エステル類、例えば、テトラペラルゴン酸ペンタエリトリチル (MM = 697.05g/モル)、
- トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 (MM = 965.58g/モル)などのヒドロキシル化エステル類、
- トリメリット酸トリデシル(MM = 757.19g/モル)などの芳香族エステル類、
- 特許出願EP-A-0 955 039に記載されているものなどの分枝状C24〜C28脂肪族アルコール類または脂肪酸類、特にクエン酸トリイソアラキジル(MM = 1033.76g/モル)、テトライソノナン酸ペンタエリトリチル(MM = 697.05g/モル)、トリイソステアリン酸グリセリル(MM = 891.51g/モル)、トリス(2-デシル)テトラデカン酸グリセリル(MM = 1143.98g/モル)、テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル(MM = 1202.02g/モル)、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2 (MM = 1232.04g/モル)またはテトラキス(2-デシル)テトラデカン酸ペンタエリトリチル(MM = 1538.66g/モル)、など、
- フェニルシリコーン類、例えば、Wacker社のBelsil PDM 1000 (MM = 9000g/モル)などのシリコーン油類、
- ゴマ油(820.6g/モル)などの植物起源油類、
- およびそれらの混合物、から選択できる。
【0033】
ブロックポリマー:
本発明による組成物は、少なくとも1種のブロックポリマーを含有する。用語の「ブロックポリマー」とは、少なくとも2種の異なるブロック、好ましくは少なくとも3種の異なるブロックを含むポリマーを意味する。
【0034】
一実施形態によれば、本発明による組成物のブロックポリマーは、エチレン系ポリマーである。用語の「エチレン系ポリマー」とは、エチレン系不飽和を含むモノマー類を重合化することにより得られるポリマーを意味する。
【0035】
一実施形態によれば、本発明による組成物のブロックポリマーは、線状ポリマーである。対照的に、非線状構造のポリマーは、例えば、分枝状、スターバースト、またはグラフト構造などのポリマーである。
【0036】
一実施形態によれば、本発明による組成物のブロックポリマーは、皮膜形成ポリマーである。用語の「皮膜形成ポリマー」とは、それ自体によりまたは補助的皮膜形成剤の存在下、支持体および特にケラチン物質に接着する連続皮膜を形成できるポリマーを意味する。
【0037】
一実施形態によれば、本発明による組成物のブロックポリマーは、非エラストマー性ポリマーである。
【0038】
用語の「非エラストマー性ポリマー」とは、それを引き伸ばすことが意図された束縛(例えば、その最初の長さに対して30%)に供された場合、束縛が終了すると、その最初の長さと実質的に同一の長さに戻らないポリマーを意味する。
【0039】
より具体的には、用語の「非エラストマー性ポリマー」とは、30%伸長に供された後、瞬間回復Ri < 50%および遅延回復R2h < 70%を有するポリマーを意味する。好ましくは、Riは< 30%であり、R2hは< 50%である。
【0040】
より具体的には、ポリマーの非エラストマー性性質は、以下のプロトコルに従って決定される。
【0041】
ポリマー皮膜は、テフロン(登録商標)コート鋳型にポリマー溶液を注ぎ、次いで23±5℃および50±10%の相対湿度の条件下の環境で7日間乾燥することにより調製される。
【0042】
このようにして得られた約100μmの厚さの皮膜から幅15mmおよび長さ80mmの長方形の試験片に切断する(例えば、パンチを用いて)。
【0043】
このサンプルを、乾燥の場合と温度および湿度条件下で、商品名Zwickで販売されている機器を用いて引張り応力に供する。
【0044】
前記試験片を、50mm/分のスピードで引張り、ジョー(jaw)間の距離は、試験片の最初の長さ(l0)に相当する50mmである。
【0045】
瞬間回復Riは、以下の様式で決定される:
- 前記試験片を、30% (εmax)まで、すなわち、その最初の長さ(l0)の0.3倍まで引張る
- この束縛を、引張りスピードと等しい戻しスピード、すなわち50mm/分を適用することにより開放し、束縛ゼロ(εi)に戻した後、試験片の残余伸長をパーセントとして測定する。
【0046】
瞬間回復(Ri)パーセントは、以下の式:
Ri = ((εmaxi) /εmax) x 100
により得られる。
【0047】
遅延回復を決定するために、前記試験片の残余伸長(ε2h)パーセントを、束縛ゼロに戻した2時間後に測定する。
【0048】
遅延回復(R2h)パーセントは、以下の式:
R2h = ((εmax2h) /εmax) x 100
により得られる。
【0049】
単に規準として、本発明の一実施形態によるポリマーは、10%の瞬間回復Riおよび30%の遅延回復R2hを有する。
【0050】
他の実施形態によれば、本発明による組成物のブロックポリマーは、スチレン単位を含まない。語句の「スチレン単位を含まないポリマー」とは、i)式-CH(C6H5)-CH2-のスチレン単位またはii)置換スチレン単位、例えばメチルスチレン、クロロスチレンまたはクロロメチルスチレンを、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、優先的には2重量%未満、さらに優先的には1重量%未満含むポリマーを意味する。
【0051】
一実施形態によれば、本発明による組成物のブロックポリマーは、脂肪族エチレン系モノマー類から誘導される。用語の「脂肪族モノマー」とは、芳香族基を含まないモノマーを意味する。
【0052】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、炭素-炭素二重結合および少なくとも1つのエステル基-COO-またはアミド基-CON-を含む脂肪族エチレン系モノマー類から誘導されたエチレン系ポリマーである。前記エステル基は、炭素原子または酸素原子を介して2つの不飽和炭素のうちの1つに結合できる。前記アミド基は、炭素原子または窒素原子を介して2つの不飽和炭素のうちの1つに結合できる。
【0053】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、少なくとも1種の第1のブロックおよび少なくとも1種の第2のブロックを含む。
【0054】
用語の「少なくとも1種のブロック」とは、1種または複数のブロックを意味する。
【0055】
本明細書の上記および下記において、用語の「第1」および「第2」のブロックは、ポリマー構造における前記ブロックの順序を決して制約していない。
【0056】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも1種の第1のブロックと少なくとも1種の第2のブロックを含む。
【0057】
この実施形態において、前記第1および第2のブロックのガラス転移温度間のガラス転移温度を有する中間セグメントを介して、前記第1および第2のブロックは共に結合できる。
【0058】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、前記第1のブロックの少なくとも1種の構成要素モノマーおよび前記第2のブロックの少なくとも1種の構成要素モノマーを含む中間セグメントを介して共に結合された少なくとも1種の第1のブロックおよび少なくとも1種の第2のブロックを含む。
【0059】
前記中間ブロックは、第1のブロックおよび第2のブロックの構成要素モノマー類から本質的に誘導されることが好ましい。
【0060】
用語の「本質的」とは、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、なおより良好には95%、なおさらにより良好には100%を意味する。
【0061】
前記ポリマーの第1のブロックの少なくとも1種の構成要素モノマーおよび第2のブロックの少なくとも1種の構成要素モノマーを含む中間セグメントは、ランダムポリマーである。
【0062】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、本発明の組成物の有機液体媒体に不相容性である少なくとも1種の第1のブロックおよび少なくとも1種の第2のブロックを含む。
【0063】
用語の「相互に不相容性ブロック」とは、第1のブロックに相当するポリマーおよび第2のブロックに相当するポリマーから形成された混合物が、前記混合物(ポリマー類および主要有機液体)の全重量に対して5重量%以上のポリマー含量では、室温(25℃)および大気圧(105Pa)において、組成物の有機液体媒体に含まれた主要重量である液体に易溶性でないことを意味し、
i) 前記ポリマー類は、それぞれの重量比が、10/90から90/10の範囲になるよう含量で混合物中に存在し、および
ii) 第1および第2のブロックに相当する各々のポリマーは、ブロックポリマー±15%に等しい平均(重量平均または数平均)分子質量を有する、ことが理解される。
【0064】
同一の質量比で存在する2種以上の液体の場合に、前記有機媒体が有機液体の混合物を含むと、前記ポリマー混合物は、それらのうちの少なくとも1種に不相容性である。
【0065】
前記有機液体媒体が1種だけの有機液体を含む場合、この液体は明らかに、主要重量である液体を構成する。
【0066】
用語の「有機液体媒体」とは、少なくとも1種の有機液体、すなわち、室温(25℃)および大気圧(105Pa)で液体である少なくとも1種の有機化合物を含有する媒体を意味する。一実施形態によれば、前記有機液体媒体の主要液体は、揮発性油または不揮発性油(脂肪族物質)である。前記有機液体は、化粧品として許容し得る(許容し得る忍容性、毒性学および触感)ことが好ましい。前記有機液体媒体、例えば、化粧品組成物に一般に使用される油類または有機溶媒は、ケラチン物質に適合性であるという意味で化粧品として許容できる。
【0067】
一実施形態によれば、前記有機液体媒体の主要液体は、下記の重合化溶媒またはブロックポリマーの重合化溶媒類のうちの1種である。
【0068】
用語の「重合化溶媒」とは、1種の溶媒または複数種溶媒の混液を意味する。前記重合化溶媒は、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノールおよびエタノールなどのアルコール類、イソドデカンなどの脂肪族アルカン類、およびそれらの混液から特に選択できる。前記重合化溶媒は、酢酸ブチルおよびイソプロパノール、またはイソドデカンの混液であることが好ましい。
【0069】
一般に、前記ブロックポリマーを、組成物の全重量に対して高固体含量、典型的には10重量%超、20重量%超、より好ましくは30重量%超、より優先的には45重量%超で組成物に取り込むことができ、同時に製造し易い。
【0070】
前記ブロックポリマーは、その骨格にケイ素原子を含まないことが好ましい。用語の「骨格」とは、ペンダント側鎖とは対照的に、ポリマーの主鎖を意味する。
【0071】
本発明によるポリマーは水溶性でないことが好ましい。すなわち、前記ポリマーは、pHの変更なしで、室温(25℃)で少なくとも1重量%の活性物質の含量において水、または水と、2個から5個の炭素原子を含有する線状もしくは分枝状低級モノアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノールまたはn-プロパノールとの混液に溶解しない。
【0072】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、2を超える多分散性指数Iを有する。
【0073】
本発明による組成物に用いられるブロックポリマーは、2を超える多分散性指数Iを有することが有利であり、例えば2から9の範囲、好ましくは2.5以上、例えば、2.5から8の範囲、なおより良好には2.8以上、特に2.8から6の範囲の多分散性指数Iを有する。
【0074】
前記ポリマーの多分散性指数Iは、数平均質量Mnに対する重量平均質量Mwの比に等しい。
【0075】
前記重量平均モル質量(Mw)および数平均モル質量(Mn)は、ゲル透過液体クロマトグラフィ(THF溶媒、検量線は線状ポリスチレン標品により作成、屈折検出器)により測定できる。
【0076】
前記ブロックポリマーの重量平均質量(Mw)は、好ましくは300000以下であり;例えば、35000から200000、なおより良好には45000から150000の範囲である。
【0077】
前記ブロックポリマーの数平均質量(Mn)は、好ましくは70000以下であり;例えば、10000から60000、なおより良好には12000から50000の範囲である。
【0078】
前記ブロックポリマーの各ブロックは、1種のモノマーまたは数種のモノマーから誘導される。
【0079】
このことは、各ブロックが、ホモポリマーまたはコポリマーからなり得ることを意味し;ブロックを構成するこのコポリマーは、順次ランダムであっても、または交互であってもよい。
【0080】
前記第1および第2のブロックによって示されるガラス転移温度は、各ブロックの構成要素モノマー類の理論的Tg値から決定された理論的Tg値であり得、これらは、Foxの法則として知られている以下の関係式:
【0081】
【数1】

【0082】
に従ったthe Polymer Handbook、第3版、1989年、John Wileyなどの参照マニュアルに見ることができ、ωiは、考慮中のブロックにおけるモノマーiの質量分率であり、Tgiは、モノマーiのホモポリマーのガラス転移温度である。
【0083】
他に指摘しない限り、本発明出願における前記第1および第2のブロックに関して示されるTg値は、理論上のTg値である。
【0084】
前記第1および第2のブロックのガラス転移温度の間の相違は、一般に10℃より大きく、好ましくは20℃より大きく、なおより良好には30℃より大きい。
【0085】
特に、前記ブロックポリマーは、少なくとも1種の第1のブロックおよび少なくとも1種の第2のブロックを含み、前記第1のブロックは、
- a) 40℃以上のTgを有するブロック、
- b) 20℃以下のTgを有するブロック、
- c) 20℃と40℃との間のTgを有するブロック、から選択でき、および
前記第2のブロックは、前記第1のブロックとは異なる区分a)、b)、またはc)から選択できるようにする。
【0086】
本発明において、語句:「...と...との間」は、述べられた限界値の除外される範囲を示すように意図されており、「...から...の」および「...から...の範囲」は、限界値が含まれる範囲を示すように意図されている。
【0087】
〈a) 40℃以上のTgを有するブロック〉
40℃以上のTgを有するブロックは、例えば、40℃から150℃の範囲のTg、好ましくは50℃以上、例えば、50℃から120℃の範囲、なおより良好には60℃以上、例えば、60℃から120℃の範囲を有する。
【0088】
40℃以上のTgを有するブロックは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。
【0089】
40℃以上のTgを有するブロックは、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有するようにする。
【0090】
このブロックがホモポリマーである場合、これらのモノマー類から調製されたホモポリマー類が、40℃以上のガラス転移温度を有するようなモノマー類から誘導される。この第1のブロックは、1種だけのモノマー(対応するホモポリマーのTgは、40℃以上である)からなるホモポリマーであり得る。
【0091】
前記第1のブロックがコポリマーである場合、それは1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導でき、その性質および濃度は、生じたコポリマーのTgが40℃以上であるように選択される。前記コポリマーは、例えば:
- これらのモノマー類から調製されたホモポリマー類が、40℃以上のガラス転移温度、例えば、40℃から150℃の範囲のTg、好ましくは50℃以上、例えば、50℃から120℃の範囲、なおより良好には60℃以上、例えば、60℃から120℃の範囲を有するようなモノマー類、および
- これらのモノマー類から調製されたホモポリマー類が、後記のとおり、20℃と40℃との間のTg値を有するモノマー類および/または20℃以下のTg、例えば、-100℃から20℃の範囲、好ましくは15℃未満、特に-80℃から15℃の範囲、なおより良好には10℃未満、例えば、-50℃から0℃の範囲のTgを有するモノマー類から選択されて、40℃未満のTg値を有するようなモノマー類、を含み得る。
【0092】
ホモポリマー類が、40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類は、主要モノマーとしても知られている以下のモノマー類:
- R1が、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソブチル基などの1個から4個の炭素原子を含有する線状または分枝状非置換アルキル基を表すか、またはR1は、C4からC12シクロアルキル基を表す式CH2=C(CH3)-COO R1のメタクリレート類、
- R2が、アクリル酸イソボルニルなどのC4からC12シクロアルキル基か、またはt-ブチル基を表す式CH2=CH-COO R2のアクリレート類、
- 同一であってもまたは異なっていてもよいR7およびR8の各々が、水素原子またはn-ブチル基、t-ブチル基、イソプロピル基、イソヘキシル基、イソオクチル基またはイソノニル基などの線状もしくは分枝状C1からC12アルキル基を表し;またはR7が、Hを表し、R8が、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R'は、Hまたはメチルを示す式:
【0093】
【化1】

【0094】
の(メタ)アクリルアミド類(記載され得るモノマー類の例としては、N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジブチルアクリルアミドが挙げられる)、
- およびそれらの混合物、から好ましくは選択される。
【0095】
特に好ましい主要なモノマー類は、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、およびそれらの混合物である。
【0096】
〈b) 20℃以下のTgを有するブロック〉
20℃以下のTgを有するブロックは、例えば、-100℃から20℃の範囲、好ましくは15℃以下、特に-80℃から15℃の範囲、なおより良好には10℃以下、例えば、-50℃から0℃の範囲のTgを有する。
【0097】
20℃以下のTgを有するブロックは、ホモポリマーであっても、またはコポリマーであってもよい。
【0098】
20℃以下のTgを有するブロックは、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導でき、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有するようにする。
【0099】
このブロックがホモポリマーである場合、これらのモノマー類から調製されたホモポリマー類が、20℃以下のガラス転移温度を有するようなモノマー類から誘導される。この第2のブロックは、1種だけのモノマー(対応するホモポリマーのTgは、20℃以下である)からなるホモポリマーであり得る。
【0100】
20℃以下のTgを有するブロックがコポリマーである場合、それは1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導でき、その性質および濃度は、生じたコポリマーのTgが20℃以下であるように選択される。
【0101】
前記コポリマーは、例えば:
- 対応するホモポリマー類が、20℃以下のTgを有する1種または複数のモノマー類、例えば、-100℃から20℃の範囲、好ましくは15℃未満、特に-80℃から15℃の範囲、なおより良好には10℃未満、例えば、-50℃から0℃の範囲のTgを有するモノマー類、および
- 対応するホモポリマー類が、20℃を超えるTgを有する1種または複数のモノマー類、例えば、40℃以上のTg、例えば上記のとおり、40℃から150℃の範囲のTg、好ましくは50℃以上、例えば、50℃から120℃の範囲、なおより良好には60℃以上、例えば、60℃から120℃の範囲のTgを有するモノマー類など、および/または20℃と40℃との間のTgを有するモノマー類、を含み得る。
【0102】
20℃以下のTgを有するブロックは、ホモポリマーであることが好ましい。
【0103】
ホモポリマーが20℃以下のTgを有するモノマー類は、以下のモノマー類、または主要モノマー:
- R3が、t-ブチル基以外の線状または分枝状のC1からC12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が場合によっては挿入される式CH2=CHCOO R3のアクリレート類;
- R4が、線状または分枝状のC6からC12の非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が場合によっては挿入される式CH2=C(CH3)-COO R4のメタクリレート類;
- R5が、線状または分枝状のC4からC12アルキル基を表す式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル類;
- C4からC12アルキルビニルエーテル類、
- N-オクチルアクリルアミドなどのN-(C4からC12)アルキルアクリルアミド類、
- およびそれらの混合物、から好ましくは選択される。
【0104】
20℃以下のTgを有するブロックに関して特に好ましい主要モノマー類は、アルキル鎖がt-ブチル基以外の1個から10個の炭素原子を含有する、アクリル酸メチル、アクリル酸イソブチルおよびアクリル酸2-エチルヘキシル、ならびにそれらの混合物などのアクリル酸アルキルである。
【0105】
〈c) 20℃と40℃との間のTgを有するブロック〉
20℃と40℃との間のTgを有するブロックは、ホモポリマーであってもまたはコポリマーであってもよい。
【0106】
20℃と40℃との間のTgを有するブロックは、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導でき、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃と40℃との間のガラス転移温度を有するようにする。
【0107】
20℃と40℃との間のTgを有するブロックは、対応するホモポリマーが、40℃以上のTgを有するようなモノマー類から、また対応するホモポリマーが、20℃以下のTgを有するようなモノマー類から全体的または部分的に誘導できる。
【0108】
このブロックがホモポリマーである場合、それはモノマー類(または主要モノマー)から誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマー類が、20℃と40℃との間のガラス転移温度を有するようにする。この第1のブロックは、1種だけのモノマー(対応するホモポリマーのTgは、20℃と40℃との間である)からなるホモポリマーであり得る。
【0109】
ホモポリマーが、20℃と40℃との間のガラス転移温度を有するモノマー類は、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸シクロデシル、アクリル酸ネオペンチルおよびイソデシルアクリルアミド、ならびにそれらの混合物から好ましくは選択される。
【0110】
20℃と40℃との間のTgを有するブロックがコポリマーである場合、それは1種または複数のモノマー類(または主要モノマー)から全体的または部分的に誘導され、その性質および濃度は、生じたコポリマーのTgが20℃と40℃との間にあるように選択される。
【0111】
20℃と40℃との間のTgを有するブロックは、
- 対応するホモポリマー類が、40℃以上のTgを有する1種または複数の主要モノマー類、例えば上記のとおり、40℃から150℃の範囲のTg、好ましくは50℃以上、例えば、50℃から120℃の範囲、なおより良好には60℃以上、例えば、60℃から120℃の範囲のTgを有する主要モノマー類、および/または
- 対応するホモポリマー類が、20℃以下のTgを有する主要モノマー類、例えば上記のとおり、-100℃から20℃の範囲、好ましくは15℃以下、特に-80℃から15℃の範囲、なおより良好には10℃以下、例えば、-50℃から0℃の範囲のTgを有する主要モノマー類、から全体的または部分的に誘導されるコポリマー類であることが有利であり、
前記モノマー類は、第1のブロックを形成するコポリマーのTgが、20℃と40℃との間であるように選択される。
【0112】
このような主要モノマー類は、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸およびメタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸2-エチルヘキシル、およびそれらの混合物から選択される。
【0113】
20℃以下のTgを有する第2のブロックの割合は、好ましくはポリマーの10重量%から85重量%、なおより良好には20重量%から70重量%、さらになおより良好には20重量%から50重量%の範囲である。
【0114】
第1および第2のブロックの各々は、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸およびメタクリル酸エステル類、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1種のモノマーを含むことが好ましい。
【0115】
第1のブロックおよび第2のブロックの各々は、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸およびメタクリル酸エステル類、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1種のモノマーから全体的に誘導されることが有利である。
【0116】
しかしながら、前記各ブロックは、他のブロックの少なくとも1種の構成要素モノマーを少量の割合で含有してもよい。
【0117】
したがって、第1のブロックは、第2のブロックの少なくとも1種の構成要素モノマーを含有することができ、またその逆でもよい。
【0118】
第1のブロックおよび/または第2のブロックの各々は、上記に示されたモノマー類に加えて、上記の主要モノマー類とは異なる追加モノマー類として知られている1種または複数の他のモノマー類を含んでもよい。
【0119】
このまたはこれら追加モノマー(類)の性質および量は、それらが存在するブロックが、所望のガラス転移温度を有するように選択される。
【0120】
この追加モノマーは、例えば:
a) 親水性モノマー類:
- 少なくとも1つのカルボン酸またはスルホン酸官能基を含むエチレン系不飽和モノマー類、例えば:
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、およびそれらの塩類、
- 少なくとも1つの第三級アミン官能基、例えば、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルならびにメタクリル酸ジメチルアミノプロピル、およびそれらの塩類を含むエチレン系不飽和モノマー類、
- R6が、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソブチル基などの1個から4個の炭素原子を含有する線状または分枝状のアルキル基を表し、前記アルキル基が、ヒドロキシル基(例えば、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピルおよびメタクリル酸2-ヒドロキシエチル)およびメタクリル酸トリフルオロエチルなどのハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換される、式CH2=C(CH3)-COO R6のメタクリレート類、
- R9が、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が、場合によっては挿入される線状または分枝状のC6からC12アルキル基を表し、前記アルキル基が、ヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている、式CH2=C(CH3)-COO R9のメタクリレート類;
- R10が、アクリル酸2-ヒドロキシプロピルおよびアクリル酸2-ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている線状または分枝状のC1からC12アルキル基を表すか、またはR10が、5回から10回の反復オキシエチレン単位を有するC1からC12アルキル-O-POE(ポリオキシエチレン)、例えば、メトキシ-POEを表すか、またはR10が、5から30のエチレンオキシド単位を表す式CH2=CHCOO R10のアクリレート類など、および
b) メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびメタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどの1個または複数のケイ素原子を含むエチレン系不飽和モノマー類、
- およびそれらの混合物、から選択される。
【0121】
特に好ましい追加モノマー類は、アクリル酸、メタクリル酸およびメタクリル酸トリフルオロエチル、ならびにそれらの混合物である。
【0122】
一実施形態によれば、前記ブロックポリマーの第1および第2のブロックの各々は、(メタ)アクリル酸エステル類から選択される少なくとも1種のモノマー、および場合によっては、(メタ)アクリル酸などの少なくとも1種の追加のモノマー、ならびにそれらの混合物を含む。
【0123】
他の実施形態によれば、前記ブロックポリマーの第1および第2のブロックの各々は、(メタ)アクリル酸エステル類から選択される少なくとも1種のモノマー、および場合によっては、(メタ)アクリル酸などの少なくとも1種の追加のモノマー、ならびにそれらの混合物から全体的に誘導される。
【0124】
1つの好ましい実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、非シリコーン系ポリマー、すなわち、ケイ素原子のないポリマーである。
【0125】
このまたはこれらの追加モノマー(類)は一般に、第1および/または第2のブロックの全重量に対して、30重量%以下、例えば、1重量%から30重量%、好ましくは5重量%から20重量%、より好ましくは7重量%から15重量%の量である。
【0126】
このブロックポリマーは、以下の調製法に従ってフリーラジカル溶液の重合化により得ることができる:
- 重合化溶媒の一部を、好適な反応器内に導入し、重合化にとって十分な温度(典型的には、60℃と120℃との間)に到達するまで加熱する。
- この温度に到達したら、第1のブロックの構成要素モノマー類を、いくらかの重合化開始剤の存在下で導入する。
- 最大90%の変換度に相当するT時間後、第2のブロックの構成要素モノマー類および前記開始剤の残りを導入する。
- この混合物を放置してT'時間(3時間から6時間の範囲)反応させ、その後前記混合物を室温まで冷却する。
- 重合化溶媒に溶解しているポリマーを得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0127】
〈第1の実施形態〉
第1の実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、上記a)の40℃以上のTgを有する第1のブロックおよび上記b)の20℃以下のTgを有する第2のブロックを含む。
【0128】
40℃以上のTgを有する第1のブロックは、上記のモノマー類など、モノマー類から調製されたホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有するようなモノマー類から誘導されたコポリマーであることが好ましい。
【0129】
20℃以下のTgを有する第2のブロックは、上記のモノマー類など、モノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有するようなモノマー類から誘導されたホモポリマーであることが有利である。
【0130】
40℃以上のTgを有するブロックの割合は、好ましくは、ポリマーの20重量%から90重量%、なおより良好には30重量%から80重量%、さらになおより良好には50重量%から70重量%の範囲である。20℃以下のTgを有するブロックの割合は、好ましくは、ポリマーの5重量%から75重量%、好ましくは15重量%から50重量%、なおより良好には25重量%から45重量%の範囲である。
【0131】
したがって、第1の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、70℃から110℃の範囲のTgを有するメタクリル酸メチル/アクリル酸コポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、0℃から20℃の範囲のTgを有するアクリル酸メチルホモポリマーである第2のブロック、および
- メタクリル酸メチル/アクリル酸/アクリル酸メチルコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0132】
第2の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、70℃から100℃の範囲のTgを有するメタクリル酸メチル/アクリル酸/メタクリル酸トリフルオロエチルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、0℃から20℃の範囲のTgを有するアクリル酸メチルホモポリマーである第2のブロック、および
- メタクリル酸メチル/アクリル酸/アクリル酸メチル/メタクリル酸トリフルオロエチルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0133】
第3の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、85℃から115℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-85℃から-55℃の範囲のTgを有するアクリル酸2-エチルヘキシルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0134】
第4の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、85℃から115℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸メチルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-85℃から-55℃の範囲のTgを有するアクリル酸2-エチルヘキシルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸メチル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0135】
第5の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、95℃から125℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-85℃から-55℃の範囲のTgを有するアクリル酸2-エチルヘキシルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0136】
第6の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、85℃から115℃の範囲のTgを有するメタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-35℃から-5℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソブチルホモポリマーである第2のブロック、および
- メタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0137】
第7の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、95℃から125℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-35℃から-5℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソブチルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル/アクリル酸イソブチルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0138】
第8の変法によれば、本発明によるポリマーは、
- 40℃以上のTg、例えば、60℃から90℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチルコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-35℃から-5℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソブチルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0139】
以下の実施例では、この最初の実施形態に対応するポリマー類を非限定に例示する。
【0140】
その量は、グラムで表示されている。
【実施例】
【0141】
(実施例1)
〈ポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸/アクリル酸メチル)ポリマーの調製〉
100gの酢酸ブチルを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間で室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に180gのメタクリル酸メチル、30gのアクリル酸、40gの酢酸ブチル、70gのイソプロパノールおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0142】
この混合物を90℃で1時間維持する。
【0143】
次いで90gのアクリル酸メチル、70gの酢酸ブチル、20gのイソプロパノールおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで1時間かけて上記の混合物中に導入する。
【0144】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで105gの酢酸ブチルおよび45gのイソプロパノールで希釈してから、混合物を冷却する。
【0145】
酢酸ブチル/イソプロパノール混液中、40%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0146】
100℃のTgを有するポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸)の第1ブロック、10℃のTgを有するポリアクリル酸メチルの第2ブロック、およびメタクリル酸メチル/アクリル酸/ポリアクリル酸メチルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0147】
このポリマーは、52000の重量平均質量および18000の数平均質量、すなわち、2.89の多分散性指数Iを有する。
【0148】
(実施例2)
〈ポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシル)ポリマーの調製〉
100gのイソドデカンを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間かけて室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に120gのアクリル酸イソボルニル、90gのメタクリル酸イソブチル、110gのイソドデカンおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0149】
この混合物を90℃で1時間30分間維持する。
【0150】
次いで90gのアクリル酸2-エチルヘキシル、90gのイソドデカンおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで30分かけて上記の混合物中に導入する。
【0151】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで冷却する。
【0152】
イソドデカン中、50%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0153】
80℃のTgを有するポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル)の第1ブロック、-70℃のTgを有するポリ-アクリル酸-2-エチルヘキシルの第2ブロック、およびアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0154】
このポリマーは、77000の重量平均質量および19000の数平均質量、すなわち、4.05の多分散性指数Iを有する。
【0155】
(実施例3)
<ポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル)ポリマーの調製>
100gのイソドデカンを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間かけて室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に105gのアクリル酸イソボルニル、105gのメタクリル酸イソボルニル、110gのイソドデカンおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0156】
この混合物を90℃で1時間30分間維持する。
【0157】
次いで90gのアクリル酸2-エチルヘキシル、90gのイソドデカンおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで30分かけて上記の混合物中に導入する。
【0158】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで冷却する。
【0159】
イソドデカン中、50%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0160】
110℃のTgを有するポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル)の第1ブロック、-70℃のTgを有するポリ-アクリル酸-2-エチルヘキシルの第2ブロック、およびアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0161】
このポリマーは、103900の重量平均質量および21300の数平均質量、すなわち、4.89の多分散性指数Iを有する。
【0162】
(実施例4)
<ポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチル)ポリマーの調製>
100gのイソドデカンを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間かけて室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に120gのアクリル酸イソボルニル、90gのメタクリル酸イソブチル、110gのイソドデカンおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0163】
この混合物を90℃で1時間30分間維持する。
【0164】
次いで90gのアクリル酸イソブチル、90gのイソドデカンおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで30分かけて上記の混合物中に導入する。
【0165】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで冷却する。
【0166】
イソドデカン中、50%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0167】
75℃のTgを有するポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル)の第1ブロック、-20℃のTgを有するポリアクリル酸イソブチルの第2ブロック、およびアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0168】
(実施例5)
<ポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル/アクリル酸)ポリマーの調製>
100gの酢酸ブチルを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間かけて室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に50.4gのメタクリル酸メチル、21gのアクリル酸、138.6gのアクリル酸メチル、40gの酢酸ブチル、70gのイソプロパノールおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0169】
この混合物を90℃で1時間維持する。
【0170】
次いで90gのメタクリル酸メチル、70gの酢酸ブチル、20gのイソプロパノールおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで1時間かけて上記の混合物中に導入する。
【0171】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで105gの酢酸ブチルおよび45gのイソプロパノールで希釈して冷却する。
【0172】
酢酸ブチル/イソプロパノール中、40%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0173】
得られたポリマーは、35℃のTgを有するポリ(アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸)の第1ブロック、100℃のTgを有するポリ(メタクリル酸メチル)の第2ブロック、およびメタクリル酸メチル/アクリル酸/ポリアクリル酸メチルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0174】
(実施例6)
<ポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル/アクリル酸イソブチル)ポリマーの調製>
100gのイソドデカンを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間かけて室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に105gのアクリル酸イソボルニル、105gのメタクリル酸イソボルニル、110gのイソドデカンおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0175】
この混合物を90℃で1時間30分間維持する。
【0176】
次いで90gのアクリル酸イソブチル、90gのイソドデカンおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで30分かけて上記の混合物中に導入する。
【0177】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで冷却する。
【0178】
イソドデカン中、50%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0179】
110℃のTgを有するポリ(アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル)の第1ブロック、-20℃のTgを有するポリアクリル酸イソブチルの第2ブロック、およびアクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソボルニル/アクリル酸イソブチルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0180】
このポリマーは、151000の重量平均質量および41200の数平均質量、すなわち、3.66の多分散性指数Iを有する。
【0181】
(実施例7)
<ポリ(メタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチル)ポリマーの調製>
100gのイソドデカンを1リットルの反応器に導入し、次いで温度を1時間かけて室温(25℃)から90℃にするために上昇させる。次に120gのメタクリル酸イソボルニル、90gのメタクリル酸イソブチル、110gのイソドデカンおよび1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox (登録商標) 141)を、90℃で1時間かけて加える。
【0182】
この混合物を90℃で1時間30分間維持する。
【0183】
次いで90gのアクリル酸イソブチル、90gのイソドデカンおよび1.2gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、90℃のままで30分かけて上記の混合物中に導入する。
【0184】
この混合物を90℃で3時間維持し、次いで冷却する。
【0185】
イソドデカン中の50%ポリマー活性物質を含有する溶液を得る。
【0186】
95℃のTgを有するポリ(メタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル)の第1ブロック、-20℃のTgを有するポリアクリル酸イソブチルの第2ブロック、およびメタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチルランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。
【0187】
このポリマーは、100700の重量平均質量および20800の数平均質量、すなわち、4.85の多分散性指数Iを有する。
【0188】
<第2の実施形態>
第2の実施形態によれば、前記ブロックポリマーは、c)に記載されたブロックによる20℃と40℃との間のガラス転移温度(Tg)を有する第1のブロック、および上記b)の20以下のガラス転移温度または上記a)の40℃以上のガラス転移温度を有する第2のブロックを含む。
【0189】
20℃と40℃との間のTgを有する第1のブロックの割合は、好ましくはポリマーのうち10重量%から85重量%、なおより良好には30重量%から80重量%、さらになおより良好には50重量%から70重量%の範囲である。
【0190】
前記第2のブロックが、40℃以上のTgを有するブロックである場合、それは、好ましくはポリマーのうち10重量%から85重量%、なおより良好には20重量%から70重量%、さらになおより良好には30重量%から70重量%の範囲の割合で存在する。
【0191】
前記第2のブロックが、20℃以下のTgを有するブロックである場合、それは、好ましくはポリマーのうち10重量%から85重量%、なおより良好には20重量%から70重量%、さらになおより良好には20重量%から50重量%の範囲の割合で存在する。
【0192】
好ましくは、20℃と40℃との間のTgを有する第1のブロックは、対応するホモポリマーが40℃以上のTgを有するようなモノマー類、および対応するホモポリマーが20℃以下のTgを有するモノマー類から誘導されたコポリマーである。
【0193】
20℃以下のTgを有するか、または40℃以上のTgを有する第2のブロックは、ホモポリマーであることが有利である。
【0194】
したがって、この第2の実施形態の第1の変法によれば、前記ブロックポリマーは:
- 20℃と40℃との間のTg、例えば、25℃から39℃のTgを有する少なくとも1種のアクリル酸メチルモノマー、少なくとも1種のメタクリル酸メチルモノマーおよび少なくとも1種のアクリル酸モノマーを含むコポリマーである第1のブロック、
- 40℃以上のTg、例えば、85℃から125℃の範囲のTgを有する、メタクリル酸メチルモノマー類からなるホモポリマーである第2のブロック、および
- 少なくとも1種のアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルモノマーを含む中間ブロック、および
- メタクリル酸メチル、少なくとも1種のアクリル酸モノマーおよび少なくとも1種のアクリル酸メチルモノマーを含む中間ブロック、を含むことができる。
【0195】
この第2の実施形態の第2の変法によれば、前記ブロックポリマーは:
- 20℃と40℃との間のTg、例えば、21℃から39℃のTgを有する、アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルを含むコポリマーである第1のブロック、
- 20℃以下のTg、例えば、-65℃から-35℃の範囲のTgを有する、メタクリル酸メチルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0196】
この第2の実施形態の第3の変法によれば、前記ブロックポリマーは:
- 20℃と40℃との間のTg、例えば、21℃から39℃のTgを有するアクリル酸イソボルニル/アクリル酸メチル/アクリル酸コポリマーである第1のブロック、
- 40℃以上のTg、例えば、85℃から115℃の範囲のTgを有するアクリル酸イソボルニルホモポリマーである第2のブロック、および
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸メチル/アクリル酸ランダムコポリマーである中間ブロック、を含むことができる。
【0197】
本発明の組成物は、ブロックポリマーのうち有利には、0.1重量%から60重量%、好ましくは0.5重量%から50重量%、より好ましくは1重量%から40重量%の活性物質(または固体)を含有する。
【0198】
本発明による組成物には、水または、水と親水性有機溶媒(類)、例えばアルコール類、特に2個から5個の炭素原子を含有する線状または分枝状モノアルコール類、例えば、エタノール、イソプロパノールまたはn-プロパノール、およびポリオール類、例えば、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコールおよびポリエチレングリコール類、あるいは親水性C2エーテル類およびC2〜C4アルデヒド類との混液を含む親水性媒体を含むことができる。
【0199】
水または、水と親水性有機溶媒類との混液は、組成物の全重量に対して0.1重量%から99重量%、好ましくは10重量%から80重量%の範囲の含量で、本発明による組成物に存在し得る。
【0200】
本発明による組成物は、化粧品として許容し得る有機液体媒体(許容し得る忍容性、毒性学および触感)を含む。
【0201】
1つの特に好ましい実施形態によれば、前記組成物の有機液体媒体は、少なくとも1種の有機溶媒を含有し、これは上記のブロックポリマーに関する前記重合化溶媒またはそれらのうちの1つである。前記有機溶媒は、化粧品組成物の有機液体媒体重量の主要量の液体であることが有利である。
【0202】
一実施形態によれば、前記有機液体媒体は、室温(通常25℃)で液体である少なくとも1種の脂肪物質を含む。この液体脂肪物質は、動物、植物、無機物または合成起源であり得る。
【0203】
室温で液体である脂肪物質として本発明に使用でき、よく知られている油類としては:ペルヒドロスクワレンなどの動物起源の炭化水素ベース油類;4個から10個の炭素原子を含有する脂肪酸類の液体トリグリセリド類、例えば、ヘプタン酸トリグリセリドまたはオクタン酸トリグリセリド、あるいは、ヒマワリ油トリグリセリド、トウモロコシ油トリグリセリド、ダイズ油トリグリセリド、グレープシード油トリグリセリド、ゴマ油トリグリセリド、アンズ油トリグリセリド、マカデミア油トリグリセリド、ヒマシ油トリグリセリド、アボカード油トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油またはシェーバターなどの炭化水素ベースの植物油類;液体パラフィン類およびそれらの誘導体、石油ゼリー、ポリデセン類、およびパーリーム(parleam)などの水素化ポリイソブテンなどの無機物起源または合成起源の線状または分枝状炭化水素類;特に脂肪酸類、例えば、パーセリン(purcellin)油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、2-オクチルドデシルエルケートまたはイソステアリン酸イソステアリルの合成エステル類およびエーテル類;ヒドロキシル化エステル類、例えば、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、およびヘプタン酸脂肪族アルキル類、オクタン酸脂肪族アルキル類またはデカン酸脂肪族アルキル類;ポリオールエステル類、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコールまたはジイソノナン酸ジエチレングリコール;およびペンタエリトリトールエステル;12個から26個の炭素原子を含有する脂肪族アルコール類、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノールまたはオレイルアルコール;部分的炭化水素ベースおよび/または部分的シリコーンベースのフルオロ油類;シリコーン油類、例えば、揮発性または不揮発性線状または環状ポリメチルシロキサン類(PDMS)、例えば、シクロメチコーン類、フェニル基を場合によっては含むジメチコーン類、例えば、フェニルトリメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、フェニルジメチコーン類およびポリメチルフェニルシロキサン類;それらの混合物、を挙げることができる。
【0204】
これらの油類は、組成物の全重量に対して0.01重量%から90重量%、なおより良好には0.1重量%から85重量%の範囲の含量で存在し得る。
【0205】
本発明による組成物の有機液体媒体はまた、1種または複数の化粧品として許容し得る有機溶媒(許容し得る忍容性、毒性学および触感)を含むことができる。
【0206】
これらの溶媒は、一般に組成物の全重量に対して0.1重量%から90重量%、好ましくは10重量%から90重量%、なおより良好には30重量%から90重量%の範囲の含量で存在し得る。
【0207】
本発明の組成物に使用され得る溶媒としては、上記の親水性有機溶媒の他に、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンおよびアセトンなどの室温で液体であるケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルなどの室温で液体であるプロピレングリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチルおよび酢酸イソペンチルなどの短鎖エステル類(全部で3個から8個の炭素原子を含有);ジエチルエーテル、ジメチルエーテルおよびジクロロジエチルエーテルなどの室温で液体であるエーテル類;デカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカンおよびシクロヘキサンなどの室温で液体であるアルカン類;トルエンおよびキシレンなどの室温で液体である環式芳香族化合物;ベンズアルデヒドおよびアセトアルデヒドなどの室温で液体であるアルデヒド類、およびそれらの混合物、を挙げることができる。
【0208】
前記組成物は、上記ブロックポリマーの他に、皮膜形成ポリマーなどの追加のポリマーを含むことができる。本発明によれば、用語の「皮膜形成ポリマー」とは、それ自体でまたは補助的な皮膜形成剤の存在下で、支持体、特にケラチン物質に接着する連続皮膜を形成できるポリマーを意味する。
【0209】
本発明の組成物に使用できる皮膜形成ポリマー類の中でも、フリーラジカルタイプまたは重縮合タイプの合成ポリマー類、天然起源のポリマー類、およびそれらの混合物を挙げることができる。特に記載できる皮膜形成ポリマー類としては、アクリルポリマー類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリ尿素類およびセルロースベースポリマー類、例えば、ニトロセルロースが挙げられる。
【0210】
前記ポリマーは、1種または複数の補助的皮膜形成剤と組み合わせることができる。このような皮膜形成剤は、所望の機能を満たすことができる当業者に知られた任意の化合物から選択でき、特に可塑剤類およびコアレッサー類から選択できる。
【0211】
本発明による組成物は、少なくとも1種のワックスを含むことができる。本発明の目的のために、用語の「ワックス」とは、室温(25℃)で固体で、可逆的な固体/液体状態の変化を受け、30℃以上(120℃までであり得る)の融点を有する親油性化合物を意味する。
【0212】
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えば、Mettler社により商品名DSC 30で販売されている熱量計を用いて測定できる。
【0213】
ワックス類は、炭化水素ベースワックス類、フルオロワックス類および/またはシリコーンワックス類であってもよいし、また植物、無機物、動物および/または合成起源であってもよい。特に前記ワックス類は、25℃を超える、なおより良好には45℃を超える融点を有する。
【0214】
本発明の組成物に使用できるワックス類としては、蜜蝋、カルナウバ蝋またはカンデリラ蝋、パラフィン、微結晶蝋、セレシン蝋またはオゾケライト;合成ワックス類、例えば、ポリエチレンワックス類またはFischer-Tropschワックス類、およびシリコーンワックス類、例えば、16個から45個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルコキシジメチコーン類を挙げることができる。
【0215】
固体脂肪物質の性質と量は、所望の機械的特性およびテクスチャーに依存する。1つの尺度として、前記組成物は、組成物の全重量に対して0重量%から50重量%、なおより良好には1重量%から30重量%のワックス類を含有することができる。
【0216】
本発明による組成物はまた、水溶性染料および粉末状色素、例えば、当業者によく知られている色素、真珠層およびフレーク類から選択される1種または複数の色素を含むことができる。前記色素は、組成物の全重量に対して0.01重量%から50重量%、好ましくは0.01重量%から30重量%の範囲の含量で組成物中に存在し得る。
【0217】
用語の「色素類」とは、生理的媒体に不溶性であり、組成物を着色させることを意図する白色または有色の無機物または任意の形状の有機粒子を意味するものとして理解すべきである。
【0218】
用語の「真珠層」とは、特にある一定の軟体動物により貝殻中に生成されたか、あるいは合成された任意の形状の真珠光沢粒子を意味するものとして理解すべきである。
【0219】
前記色素は、白色または有色、無機物および/または有機物であってもよい。無機物色素の中でも、場合によっては表面処理された二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、また酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色または赤色)または酸化クロム、紫色マンガン、群青、水酸化クロムおよび青色鉄、および金属粉、例えば、アルミニウム粉または銅粉を挙げることができる。
【0220】
前記有機色素の中でも、カーボンブラック、DおよびCタイプの色素、コチニールカルミンまたはバリウム、ストロンチウム、カルシウムまたはアルミニウムに基づく顔料を挙げることができる。
【0221】
また、天然基材または合成基材、有機基材または無機基材を含む粒子、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、テレフタル酸ポリエチレン、セラミック類またはアルミナ類などの有効な色素を挙げることができ、前記基材は、コーティングをしないか、または金属物質、例えば、アルミニウム、金、銀、白金、銅または青銅、または酸化金属、例えば、二酸化チタン、酸化鉄または酸化クロム、およびそれらの混合物でコーティングする。
【0222】
真珠光沢色素は、チタンまたはオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母などの白色真珠光沢色素、酸化鉄でコーティングされたチタン雲母などの有色真珠光沢色素、青色鉄または酸化クロムで特にコーティングされたチタン雲母、上記タイプの有機色素でコーティングされたチタン雲母、またオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢色素から選択できる。干渉色素、特に液体結晶色素または多層色素も使用できる。
【0223】
水溶性染料は、例えば、ビート根ジュースまたはメチレンブルーである。
【0224】
本発明による組成物は、組成物の全重量に対して特に0.01重量%から50重量%、好ましくは0.01重量%から30重量%の範囲の含量で1種または複数の充填剤を含み得る。用語の「充填剤」とは、組成物が製造される温度とは無関係に組成物の媒体に不溶性である、無色または白色、無機物または任意の形状の合成粒子を意味するものとして理解すべきである。これらの充填剤は、組成物のレオロジーまたはテクスチャーを変更する上で特に役立つ。
【0225】
前記充填剤は、結晶学的形状(例えば、小葉晶、立方晶、六方晶、斜方晶など)とは無関係に、小板状、球状または矩形の任意の形状の無機物または有機物であってもよい。タルク、雲母、シリカ、カオリン、ポリアミド(Nylon (登録商標))粉末(AtochemのOrgasol (登録商標))、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー類(Teflon (登録商標))の粉末、ラウロイルリジン粉末、澱粉粉末、窒化ホウ素粉末、塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロスフェア粉末、例えば、Exapancel (登録商標) (Nobel Industrie)またはアクリル酸コポリマー類(Dow Corning社のPolytrap (登録商標))およびシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、ToshibaのTospearls (登録商標))、エラストマー性ポリオルガノシロキサン粒子、沈殿炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア類(MaprecosのSilica Beads (登録商標))、ガラスまたはセラミックミクロカプセル類、および8個から22個の炭素原子、好ましくは12個から18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸から誘導された金属石鹸類、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛またはミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0226】
本発明による組成物は、特に懸濁液、分散液、溶液、ゲル、エマルジョン、特に水中油(O/W)エマルジョンもしくは油中水(W/O)エマルジョン、または多層エマルジョン(W/O/Wもしくはポリオール/O/WもしくはO/W/O)の形態、クリーム、ペースト、ムース、ベシクル分散液、特にイオン性または非イオン性脂質のベシクル分散液、二相または多相ローション、スプレー、粉末、ペースト、特にソフトペースト(特にコーン/プレート幾何学的配置で10分間測定後、25℃で200s-1の剪断速度で0.1Pa.sから40Pa.sを有するペースト)の形態であり得る。前記組成物は、無水であってもよく;例えば、ソフト無水ペーストであってもよい。
【0227】
当業者は、第1に使用される構成成分の性質、特に支持体中の溶解性、第2に組成物に関して意図される適用を考慮し、一般的な知識に基づいて適切なガレヌス形態およびそれを調製する方法を選択することができる。
【0228】
本発明による組成物は、メーキャップ組成物、例えば、顔貌(ファンデーション)に関する製品、メーキャップルージュ類、アイシャドー類、液体リップスティック、隠蔽製品、マスカラ類、アイライナー類、まゆ毛メーキャップ製品、マニキュアなどの爪用製品、身体メーキャップ製品または毛髪用メーキャップ製品(毛髪用マスカラまたは毛髪用ラッカー)であり得る。
【0229】
本発明による組成物はまた、身体皮膚および顔面皮膚のケア製品、特に日焼け止め製品または皮膚着色製品(自己色素沈着用製品など)であり得る。
【0230】
本発明の主題はまた、
i) 少なくとも1つのコンパートメントの範囲を画定する容器であって、閉鎖部材により閉められている前記容器;および
ii) 前記コンパートメント内に入れられた上記組成物、を含む化粧品用アセンブリである。
【0231】
前記容器は、任意の適切な形態であり得る。前記容器は、特にボトル、チューブ、ジャー、ケース、ボックス、サッシェまたはカートンの形態であり得る。
【0232】
前記閉鎖部材は、除去可能なストッパ、ふた、キャップ、切り取りストリップまたはカプセル、特に容器に付着した本体および本体に連結したカバーキャップを含むタイプの形態であり得る。前記閉鎖部材はまた、選択的に容器を閉鎖する部材、特にポンプ、バルブまたはフラップバルブの形態であり得る。
【0233】
前記容器は、アプリケータ、特に撚線により維持された剛毛の配列を含むブラシの形態と組み合わせることができる。このような撚線ブラシは、特に米国特許第4 887 622号に記載されている。このような撚線ブラシはまた、特に成形により得られた複数の適用部材を含む櫛の形態であってもよい。このような櫛は、例えば、仏国特許第2 796 529号に記載されている。このアプリケータは、例えば、仏国特許第2 722 380号に記載されている、精密ブラシの形態であってもよい。前記アプリケータは、フォームまたはエラストマーのブロックの形態、フェルトまたはへらの形態であってもよい。前記アプリケータは、例えば、米国特許第5 492 426号に記載されているように、固定されていなくともよいし(ふさまたはスポンジ)、または閉鎖部材により担持されているロッドにしっかり留められていてもよい。前記アプリケータは、例えば、仏国特許第2 761 959号に記載されているように、容器にしっかと留められていてもよい。
【0234】
前記製品を、前記容器に直接または間接的に収容することができる。例として、前記製品は、含浸された支持体、特にワイプまたはパッドの形態で配置されてもよく、ボックスまたはサッシェに(個々にまたは複数で)配置されてもよい。製品を取り込んでいるこのような支持体は、特許出願WO 01/03538に記載されている。
【0235】
前記閉鎖部材を、容器にねじ込むことにより結合できる。あるいは、閉鎖部材と容器との間の結合は、ねじ込みにより以外、特に差込機構を経て、クリック留め、握り、溶接、接着または磁気吸引力により行われる。用語の「クリック留め」とは、特に部分の弾性変形による材料、特に閉鎖部材のビードまたはコードの交差、次いでビードまたはコードの交差後、前記部分の弾性的非制約位置への戻りを含む任意のシステムを意味する。
【0236】
前記容器は、少なくとも部分的に熱可塑性材料から作製できる。熱可塑性材料の例としては、ポリプロピレンまたはポリエチレンを挙げることができる。
【0237】
あるいは、前記容器は、非熱可塑性材料、特にガラスまたは金属(または合金)から作製される。
【0238】
前記容器は、特にチューブまたはチューブ状ボトルの形態で剛性壁または変形可能な壁を有し得る。
【0239】
前記容器は、組成物を分布させるか、または分布を促進させる手段を含み得る。例として、前記容器は、容器内の陽圧に応答して組成物を流出させるように変形可能な壁を有することができ、この陽圧は、容器壁の弾性(または非弾性)絞りにより生じる。
【0240】
前記容器は、組成物を含有する少なくとも1つのハウジングを区切る基体、特に前記基体に連接され、前記基体を少なくとも部分的に覆うことができるふたを有するカートンからなり得る。このようなカートンは、例えば、特許出願WO 03/018423または仏国特許第2 791 042号に記載されている。
【0241】
前記容器には、容器の開口部領域に配置されたドレーナが具備され得る。このようなドレーナは、アプリケータおよび場合によってはアプリケータをしっかりと留めることができるロッドを拭き取ることを可能にする。このようなドレーナは、例えば、仏国特許第2 792 618号に記載されている。
【0242】
前記組成物は、容器内で大気圧(室温で)か、または特に噴射ガス(エアゾール)の手段により加圧され得る。後者の場合、前記容器は、バルブ(エアゾールに用いられるタイプ)が具備される。
【0243】
上記に記載された特許内容または特許出願は、本発明の出願に参照として組み込まれている。
【0244】
以下の実施例に、本発明による組成物を非限定的に例示する。
【0245】
(実施例8から12)
<リップスティック類>
【0246】
【表1】

【0247】
方法
1. 油相中、色素類の粉砕された色素混合物を、三本ロール練り機において3回混合物を処理することにより調製する。
2. 組成物および他の成分に必要な粉砕物質をビーカ中に計量する。
3. この混合物をRayneri混合機を用いて室温で45分間攪拌する。
4. 製剤を、イソドデカン漏れ防止クーリングボックス中で鋳造する。
【0248】
光沢測定
1.50μmおよび/または150μmの湿潤厚を有する皮膜を、機械のアプリケータを用いて調製する。この付着物は、LenetaブランドのリファレンスコントラストカードForm 1A Penopac上で作製する。
2. 皮膜は、30℃の制御温度で24時間乾燥のため放置する。
3. 光沢測定は、Byk Gardnerミクロ-トリ-グロス光沢度計を用いて、各シリーズの付着物を20°および60°の角度で測定して実施する。
【0249】
in vivoで得られた光沢結果を、下表に示す:
【0250】
【表2】

【0251】
【表3】

【0252】
得られた平均光沢は、20°の測定角で厚さが50μmまたは150μmに関しては、100のうちの40を超える。
【0253】
得られた平均光沢は、60°の測定角で厚さが50μmに関しては、100のうちの65を超える。得られた平均光沢は、60°の測定角で厚さが150μmに関しては、100のうちの70を超える。
【0254】
(実施例13)
<マニキュア>
【0255】
【表4】

【0256】
(実施例14)
<マニキュア>
【0257】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容し得る有機液体媒体および非エラストマー性皮膜形成線状ブロックエチレン系ポリマーを含有する液体化粧品組成物であって、前記ポリマーが、前記組成物中に十分な量で存在する場合、支持体上に塗布した際に、前記組成物の付着物の20°での平均光沢度が、100のうちの30以上である液体化粧品組成物。
【請求項2】
化粧品として許容し得る有機液体媒体およびスチレン単位を含まない皮膜形成線状ブロックエチレン系ポリマーを含有する液体化粧品組成物であって、前記ポリマーが、前記組成物に十分な量で存在する場合、支持体上に塗布した際に、前記組成物の付着物の20°での平均光沢度が、100のうちの30以上である液体化粧品組成物。
【請求項3】
前記ブロックポリマーが、炭素-炭素二重結合および少なくとも1つのエステル-COO-基またはアミド-CON-基を含む脂肪族エチレン系モノマー類から誘導されるエチレン系ポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記ポリマーが、水中、または水と2個から5個の炭素原子を含有する線状または分枝状低級モノアルコール類との混合物中、pHの変更なしに室温(25℃)で、少なくとも1重量%の活性物質含量で溶解しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記ブロックポリマーが、第1のブロックの少なくとも1種の構成成分モノマーおよび第2のブロックの少なくとも1種の構成成分モノマーを含む中間セグメントを介して共に結合している第1および第2のブロックを含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記ブロックポリマーが、異なるガラス転移温度(Tg)を有する第1および第2のブロックを含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記第1および第2のブロックが、前記第1および第2のブロックのガラス転移温度の間にあるガラス転移温度を有する中間セグメントを介して共に結合していることを特徴とする請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記ブロックポリマーが、前記有機液体媒体中に不相容性である第1および第2のブロックを含有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記ブロックポリマーが、2を超える多分散性指数Iを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記ポリマーの第1のブロックが、
a) 40℃以上のTgを有するブロック、
b) 20℃以下のTgを有するブロック、
c) 20℃と40℃との間のTgを有するブロックから選択され、
前記第2のブロックが、前記第1のブロックとは異なる区分a)、b)またはc)から選択されることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
40℃以上のTgを有する前記ブロックが、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
対応するホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類が、以下のモノマー類:
・式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート類(式中、R1が、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソブチル基などの1個から4個の炭素原子を含有する線状または分枝状非置換アルキル基を表すか、またはR1は、C4からC12シクロアルキル基を表す)、
・式CH2=CH-COOR2のアクリレート類(式中、R2が、アクリル酸イソボルニルなどのC4からC12シクロアルキル基か、またはt-ブチル基を表す)、
・以下の式:
【化1】

(式中、R7およびR8の各々は、同一であってもまたは異なっていてもよく、水素原子またはn-ブチル基、t-ブチル基、イソプロピル基、イソヘキシル基、イソオクチル基またはイソノニル基などの線状もしくは分枝状のC1からC12アルキル基を表し;またはR7が、Hを表し、R8が、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R'は、Hまたはメチルを示す)の(メタ)アクリルアミド類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
対応するホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類が、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
20℃以下のTgを有するブロックが、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
対応するホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー類が、以下のモノマー類:
・式CH2=CHCOOR3のアクリレート類(式中、R3が、t-ブチル基以外の線状または分枝状のC1からC12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が、場合によっては挿入される);
・式CH2=C(CH3)-COOR4のメタクリレート類(式中、R4が、線状または分枝状のC6からC12の非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が場合によっては挿入される);
・式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル類(式中、R5が、線状または分枝状のC4からC12アルキル基を表す);
・C4からC12アルキルビニルエーテル類、
・N-オクチルアクリルアミドなどのN-(C4からC12)アルキルアクリルアミド類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
対応するホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー類が、アルキル鎖がt-ブチル基以外の1個から10個の炭素原子を含有するアクリル酸アルキルから選択されることを特徴とする請求項14または15に記載の組成物。
【請求項17】
20℃と40℃との間のTgを有する前記ブロックが、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃と40℃との間のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項18】
20℃と40℃との間のTgを有する前記ブロックが、対応するホモポリマーが40℃以上のTgを有するモノマー類、および、対応するホモポリマーが20℃以下のTgを有するモノマー類から全体的または部分的に誘導されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項19】
20℃と40℃との間のTgを有する前記ブロックが、メタクリル酸メチル、アクリル酸イソボルニルおよびメタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸2-エチルヘキシル、およびそれらの混合物から選択されるモノマー類から全体的または部分的に誘導されることを特徴とする請求項17または18に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも1個の第1のブロックおよび少なくとも1個の第2のブロックを含むブロックポリマーを含み、前記第1のブロックが40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有し、前記第2のブロックが20℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項10から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記第1のブロックが、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記第1のブロックが、モノマー類から誘導されるコポリマーであり、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
対応するホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類が、以下のモノマー類:
・式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート類(式中、R1が、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソブチル基などの1個から4個の炭素原子を含有する線状または分枝状非置換アルキル基を表すか、またはR1は、C4からC12シクロアルキル基を表す)、
・式CH2=CH-COOR2のアクリレート類(式中、R2が、アクリル酸イソボルニルなどのC4からC12シクロアルキル基か、またはt-ブチル基を表す)、
・以下の式:
【化2】

(式中、R7およびR8の各々は、同一であってももしくは異なっていてもよく、水素原子またはn-ブチル基、t-ブチル基、イソプロピル基、イソヘキシル基、イソオクチル基またはイソノニル基などの線状もしくは分枝状のC1からC12アルキル基を表し;またはR7が、Hを表し、R8が、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R'が、Hまたはメチルを示す)の(メタ)アクリルアミド類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項21または22に記載の組成物。
【請求項24】
対応するホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類が、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項21から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記第1のブロックの割合が、前記ポリマーの20重量%から90重量%、なお良好には30重量%から80重量%、さらに良好には50重量%から70重量%の範囲であることを特徴とする請求項21から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記第2のブロックが、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項20から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記第2のブロックが、モノマー類から誘導されるホモポリマーであり、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項20から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
対応するホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー類が、以下のモノマー類:
・式CH2=CHCOOR3のアクリレート類(式中、R3が、t-ブチル基以外の線状または分枝状のC1からC12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が場合によっては挿入される);
・式CH2=C(CH3)-COOR4のメタクリレート類(式中、R4が、線状または分枝状のC6からC12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が場合によっては挿入される);
・式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル類(式中、R5が、線状または分枝状のC4からC12アルキル基を表す);
・C4からC12のアルキルビニルエーテル類、
・N-オクチルアクリルアミドなどのN-(C4からC12)アルキルアクリルアミド類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項26または27に記載の組成物。
【請求項29】
対応するホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー類が、アルキル鎖がt-ブチル基以外の1個から10個の炭素原子を含有するアクリル酸アルキルから選択されることを特徴とする請求項26から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
20℃以下のTgを有する前記第2のブロックの割合が、前記ポリマーの5重量%から75重量%、なお良好には15重量%から50重量%、さらに良好には25重量%から45重量%の範囲であることを特徴とする請求項20から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
少なくとも1個の第1のブロックおよび少なくとも1個の第2のブロックを含むブロックポリマーを含み、前記第1のブロックが20℃と40℃との間のガラス転移温度(Tg)を有し、前記第2のブロックが20℃以下のガラス転移温度を有するか、または40℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項10から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
20℃と40℃との間のTgを有する前記第1のブロックが、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製されたホモポリマーが、20℃と40℃との間のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
20℃と40℃との間のTgを有する前記第1のブロックが、対応するホモポリマーが40℃以上のTgを有するモノマー類、および対応するホモポリマーが20℃以下のTgを有するモノマー類から誘導されるコポリマーであることを特徴とする請求項31または32に記載の組成物。
【請求項34】
20℃と40℃との間のTgを有する前記第1のブロックが、メタクリル酸メチル、アクリル酸イソボルニルおよびメタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチルならびにアクリル酸2-エチルヘキシル、およびそれらの混合物から選択されるモノマー類から誘導されることを特徴とする請求項31から33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
20℃と40℃との間のTgを有する前記第1のブロックの割合が、前記ポリマーの10重量%から85重量%、なお良好には30重量%から80重量%、さらに良好には50重量%から70重量%の範囲であることを特徴とする請求項31から34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
前記第2のブロックが、40℃以上のTgを有し、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項31から34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記第2のブロックが、40℃以上のTgを有し、モノマー類から誘導されたホモポリマーであり、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項31から36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
対応するホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類が、以下のモノマー類:
・式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート類(式中、R1が、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソブチル基などの1個から4個の炭素原子を含有する線状または分枝状非置換アルキル基を表すか、またはR1は、C4からC12シクロアルキル基を表す)、
・式CH2=CH-COOR2のアクリレート類(式中、R2が、アクリル酸イソボルニルなどのC4からC12シクロアルキル基か、またはt-ブチル基を表す)、
・以下の式
【化3】

(式中、R7およびR8の各々が、同一であってももしくは異なっていてもよく、水素原子またはn-ブチル基、t-ブチル基、イソプロピル基、イソヘキシル基、イソオクチル基またはイソノニル基などの線状もしくは分枝状C1からC12アルキル基を表し;またはR7が、Hを表し、R8が、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R'は、Hまたはメチルを示す)の(メタ)アクリルアミド類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項36および37のいずれかに記載の組成物。
【請求項39】
対応するホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー類が、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項35から38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
40℃以上のTgを有する前記第2のブロックの割合が、ポリマーの10重量%から85重量%、好ましくは20重量%から70重量%、さらに良好には30重量%から70重量%の範囲であることを特徴とする請求項36から39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記第2のブロックが、20℃以下のTgを有し、1種または複数のモノマー類から全体的または部分的に誘導され、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項31から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記第2のブロックが、20℃以下のTgを有し、モノマー類から誘導されたホモポリマーであり、これらのモノマー類から調製された前記ホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項31から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
対応するホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー類が、以下のモノマー類:
・式CH2=CHCOOR3のアクリレート類(式中、R3が、t-ブチル基以外の線状または分枝状C1からC12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が、場合によっては挿入される);
・式CH2=C(CH3)-COOR4のメタクリレート類(式中、R4が、線状または分枝状のC6からC12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が、場合によっては挿入される);
・式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル類(式中、R5が、線状または分枝状のC4からC12アルキル基を表す);
・C4からC12のアルキルビニルエーテル類、
・N-オクチルアクリルアミドなどのN-(C4からC12)アルキルアクリルアミド類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項41または42に記載の組成物。
【請求項44】
ホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー類が、アルキル鎖がt-ブチル基以外の1個から10個の炭素原子を含有するアクリル酸アルキルから選択されることを特徴とする請求項41から43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
40℃以上のガラス転移温度を有する前記ブロックの割合が、前記ポリマーの20重量%から90重量%、なお良好には30重量%から80重量%、さらに良好には50重量%から70重量%の範囲であることを特徴とする請求項41から44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
第1のブロックおよび/または第2のブロックが、少なくとも1種の追加のモノマーを含むことを特徴とする請求項5から8のいずれか一項またはそれに従属する請求項9から45のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項47】
前記追加のモノマーが、1個または複数のケイ素原子を含むエチレン系不飽和モノマー類ならびに親水性モノマー類、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記追加のモノマーが、
a) 親水性モノマー類:
[・少なくとも1つのカルボン酸またはスルホン酸官能基を含むエチレン系不飽和モノマー類、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、およびそれらの塩類、
・少なくとも1つの第三級アミン官能基を含むエチレン系不飽和モノマー類、例えば、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルならびにメタクリル酸ジメチルアミノプロピル、およびそれらの塩類、
・式CH2=C(CH3)-COOR6のメタクリレート類(式中、R6が、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソブチル基などの1個から4個の炭素原子を含有する線状または分枝状アルキル基を表し、前記アルキル基が、ヒドロキシル基(例えば、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピルおよびメタクリル酸2-ヒドロキシエチル)およびメタクリル酸トリフルオロエチルなどのハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、
・式CH2=C(CH3)-COOR9のメタクリレート類(式中、R9が、O、NおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子が場合によっては挿入されている線状または分枝状のC6からC12アルキル基を表し、前記アルキル基が、ヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、
・式CH2=CHCOOR10のアクリレート類(式中、R10が、アクリル酸2-ヒドロキシプロピルおよびアクリル酸2-ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている線状または分枝状のC1からC12アルキル基を表すか、またはR10が、5から10の反復オキシエチレン単位を有するC1からC12アルキル-O-POE(ポリオキシエチレン)、例えば、メトキシ-POEを表すか、またはR10が、5から30のエチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレン化基を表す)など]、および
b) メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびメタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどの1個または複数のケイ素原子を含むエチレン系不飽和モノマー類、および
・それらの混合物、
から選択されることを特徴とする請求項46または47に記載の組成物。
【請求項49】
第1および第2のブロックの各々が、アクリル酸、(メタ)アクリル酸およびメタクリル酸トリフルオロエチル、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加のモノマーを含むことを特徴とする請求項46または47に記載の組成物。
【請求項50】
第1および第2のブロックの各々が、(メタ)アクリル酸エステル類ならびに場合によっては、(メタ)アクリル酸などの少なくとも1種の追加のモノマー、およびそれらの混合物を含むことを特徴とする請求項46および47のいずれかに記載の組成物。
【請求項51】
第1および第2のブロックの各々が、(メタ)アクリル酸エステル類ならびに場合によっては、(メタ)アクリル酸などの少なくとも1種の追加のモノマー、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種のモノマーから全体的に誘導されることを特徴とする請求項46および47のいずれかに記載の組成物。
【請求項52】
前記追加のモノマー(類)が、第1および/または第2のブロックの合計重量に対して1重量%から30重量%であることを特徴とする請求項46から51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
第1および/または第2のブロックのガラス転移温度(Tg)間の差が、10℃より大きく、なおより良好には20℃より大きく、好ましくは30℃より大きく、なおより良好には40℃より大きいことを特徴とする請求項6またはそれに従属する請求項7から52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記ブロックポリマーが、2.5以上、好ましくは2.8以上の多分散性指数を有することを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項55】
2.8と6との間の多分散性指数を有することを特徴とする請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記ブロックポリマーが、300000以下の重量平均質量(Mw)を有することを特徴とする請求項1から55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
重量平均質量(Mw)が、35000から200000、なおより良好には45000から150000の範囲であることを特徴とする請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
数平均質量(Mn)が、70000以下であることを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
数平均質量(Mn)が、10000から60000、なおより良好には12000から50000の範囲であることを特徴とする請求項56から58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
20°で測定された前記組成物の平均光沢度が、100のうちの30以上、さらにより良好には35以上、なおより良好には40以上、なおより良好には45以上、なおより良好には50以上、なおより良好には55以上、なおより良好には60以上、なおより良好には65以上、なおより良好には70以上、なおより良好には75以上であることを特徴とする請求項1から59のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
支持体上に塗布され60°で測定された際に前記組成物の平均光沢度が、100のうちの50以上、なおより良好には60以上、なおより良好には65以上、なおより良好には70以上、なおより良好には75以上、なおより良好には80以上、なおより良好には85以上、またはさらになおより良好には90以上であることを特徴とする請求項1から60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
20°で測定された前記組成物の平均光沢度が、100のうちの35以上、好ましくは40以上、45以上または50以上、および/または60°で測定された前記組成物の光沢度が、100のうちの65以上、70以上または75以上であることを特徴とする請求項1から61のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項63】
20°で測定された組成物の光沢度が、100のうちの60以上、好ましくは65以上、70以上または75以上、および/または60°で測定された前記組成物の光沢度が、100のうちの80以上、85以上または90以上であることを特徴とする請求項1から62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
0.1重量%から60重量%のポリマーの活性物質、好ましくは5重量%から50重量%、より好ましくは10重量%から40重量%の活性物質を含むことを特徴とする請求項1から63のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項65】
色素、真珠層およびフレークなどの水溶性染料および粉末状色素から選択される1種または複数の色素もまた含むことを特徴とする請求項1から64のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項66】
懸濁液、分散液、溶液、ゲル、エマルジョン、特に水中油(O/W)もしくは油中水(W/O)エマルジョン、または多層エマルジョン(W/O/Wもしくはポリオール/O/WもしくはO/W/O)の形態、またはクリーム、ムース、ベシクル分散液、特にイオン性または非イオン性脂質、二相または多相ローション、またはペースト、特にソフトペーストもしくは無水ペーストの形態であることを特徴とする請求項1から65のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項67】
無水形態であることを特徴とする請求項1から66のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項68】
ケラチン物質に対するメーキャップまたはケア組成物であることを特徴とする請求項1から67のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項69】
唇用メーキャップ製品であることを特徴とする請求項1から67のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項70】
眼用メーキャップ製品であることを特徴とする請求項1から67のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項71】
爪用メーキャップ製品であることを特徴とする請求項1から67のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項72】
a) 少なくとも1つのコンパートメントの範囲を画定する容器であって、閉鎖部材により閉められている容器;および
b) 前記コンパートメント内に入れられた組成物であって、前記組成物が、請求項1から71のいずれか一項に記載されている組成物、
を含む化粧品アセンブリ。
【請求項73】
前記容器が、少なくとも1種の熱可塑性材料から少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項72に記載の化粧品アセンブリ。
【請求項74】
前記容器が、少なくとも1種の非熱可塑性材料、特にガラスまたは金属から少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項72に記載の化粧品アセンブリ。
【請求項75】
前記容器の閉鎖位置に、前記閉鎖部材が前記容器上にねじ留めされていることを特徴とする請求項72から74のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項76】
前記容器の閉鎖位置に、前記閉鎖部材を、ねじ留めすること以外に、特にクリック締付け具、接着または溶接することにより前記容器に結合させることを特徴とする請求項72から74のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項77】
前記組成物が、実質的に大気圧で前記コンパートメント内にあることを特徴とする請求項72から76のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項78】
前記組成物が、前記容器内に加圧されていることを特徴とする請求項72から76のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項79】
請求項1から71に記載の化粧品組成物のケラチン物質への適用を含む、ケラチン物質をメーキャップするか、またはケアするための化粧方法。


【公表番号】特表2006−507364(P2006−507364A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501929(P2005−501929)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002842
【国際公開番号】WO2004/028488
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】