配管サポート施工図の編集方法、図面編集システムおよび編集支援装置
【課題】 配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集することを目的とする。
【解決手段】 サーバ10の処理部13は、埋込金物に取り付けられているICタグ80aからリーダライタ50によって読み取られた金物番号d2に対応する計画位置を金物一覧表122から読み出し、当該読み出した計画位置と、位置測定器60によって測定された埋込金物の打設後の位置とを比較する。また、処理部13は、双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出し、その位置ずれ量対策として用いる補強材を補強材選定条件125に基づいて選定する。そして、処理部13は、選定した補強材にて配管サポートを施工するために用いる配管サポート施工図f2に配管サポート施工図f1を編集するための編集条件を生成し、その編集条件をCAD装置30に送信して、CAD装置30に配管サポート施工図f2に編集させる。
【解決手段】 サーバ10の処理部13は、埋込金物に取り付けられているICタグ80aからリーダライタ50によって読み取られた金物番号d2に対応する計画位置を金物一覧表122から読み出し、当該読み出した計画位置と、位置測定器60によって測定された埋込金物の打設後の位置とを比較する。また、処理部13は、双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出し、その位置ずれ量対策として用いる補強材を補強材選定条件125に基づいて選定する。そして、処理部13は、選定した補強材にて配管サポートを施工するために用いる配管サポート施工図f2に配管サポート施工図f1を編集するための編集条件を生成し、その編集条件をCAD装置30に送信して、CAD装置30に配管サポート施工図f2に編集させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグ(Radio Frequency Identification、RFID)を用いて配管サポート施工図を編集する図面編集システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中埋設された供給管に取り付けたICタグから当該供給管に関する情報を読み出して供給管の管理を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−305744号公報(段落0006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ICタグを用いて供給管の管理を行うものの、配管サポートの施工図の編集を行うために用いられていなかった。配管サポートは、プラントなどの施工を行う際に取り付ける必要があるものであり、施工者は、配管サポートを取り付ける際、その施工図の内容を現場で確認しながら、埋込金物にて取り付けることとなる。施工図には、埋込金物のタイプや設置位置などが詳細に記載されている。
しかし、施工時には、建屋の構造や他の機器との位置調整などにより、例えば、埋込金物の打設位置が施工図の記載どおりにならない場合がある。
そこで、このような場合、配管サポートの施工を円滑に行うため、配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集しなければならなかった。
【0004】
本発明は、このような状況下においてなされたものであり、その目的は、配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図を編集する図面編集装置と、前記第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置とを備えるコンピュータシステムにおける配管サポート施工図の編集方法であって、前記編集支援装置が、前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信するステップと、前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較するステップと、前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出するステップと、前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定するステップと、前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成するステップと、前記生成した編集条件を前記図面編集装置に送信するステップと、を実行する。また、前記図面編集装置が、前記編集支援装置からの前記編集条件を受信するステップと、前記受信した編集条件に関する前記第1配管サポート施工図を記憶部から読み出し、当該編集条件に基づいて、当該第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集するステップと、前記編集した第2配管サポート施工図を外部出力するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の実施の形態に係る図面編集システムの全体構成を示すブロック図である。ここでは、発電所などの建屋工事の際に設置されるプラント用配管サポートの施工図(以下「配管サポート施工図」という)を編集する場合を例にして説明する。
図1において、図面編集システムは、サーバ(編集支援装置)10、CAD装置(図面編集装置)30、管理者用端末40、リーダライタ(読取器)50および位置測定器60を備えている。サーバ10は、LAN(Local Area Network)20を介して、CAD装置30および管理者用端末40に接続されている。これらサーバ10、CAD装置30および管理者用端末40はいずれも、例えば管理室に設置されている。
【0008】
これに対して、リーダライタ50および位置測定器60は、施工者が現場にて用いるものである。リーダライタ50は、ICタグ70a,80aに記録されている情報を非接触で読み取ったり、あるいはICタグ70a,80aに情報を非接触で書き込んだりするためのものである。ICタグ70a,80aは、アンテナが内蔵されている非接触型ICチップのことである。なお、リーダライタ50は、携帯式を準備することとする。
ICタグ70aは、後記する個々の配管サポート70にそれぞれ取り付けられ、また、ICタグ80aも、後記する個々の埋込金物80にそれぞれ取り付けられる。そして、ICタグ70aには、個々の配管サポート70を一意に特定するためのサポート番号(サポート用識別情報)d1が記録され、また、ICタグ80aにも、個々の埋込金物80を一意に特定するための金物番号(金物用識別情報)d2が記録されている。
【0009】
位置測定器60は、例えば、レーザやCCDカメラを利用した既知の非接触3次元測定器であり、得られた測定点群の各点をもとに、後記する埋込金物80の打設後の位置d26や、後記する配管サポート70の実寸法を測定するように構成されている。以下、サーバ10、CAD装置30および管理者用端末40について詳述する。
【0010】
まず、CAD装置30について詳述する。CAD装置30は、後記する配管サポート施工図f1,f2を編集するためのものであり、具体的には、入力部31、表示部32、通信部33、記憶部34およびこれらを制御する処理部35を具備している。入力部31は、キーボード、マウスなどの入力装置であり、表示部32は、コンピュータディスプレイなどの表示装置である。通信部33は、LANボードなどの通信インターフェースであり、記憶部34は、メモリ、ハードディスクなどの記憶装置である。処理部35は、CPUなどの処理装置である。
【0011】
記憶部34には、配管サポート施工図f1,f2が格納されている。配管サポート施工図(第1配管サポート施工図)f1は、後記する配管サポート70の施工を実現するために当初計画されたものであり、施工者は、まず、この配管サポート施工図f1をもとに施工を行うこととなる。
配管サポート施工図(第2配管サポート施工図)f2は、施工の進捗状況に応じ、配管サポート施工図f1が編集されたものである。
【0012】
ここで、まず、前記した配管サポート施工図f1の一例を図2に示す。図2によると、側面図および正面図の別に、埋込金物80にて壁面に固定された配管サポート70が記載されている。正面図は、側面図に記載のX1−X1矢視図、すなわち配管サポート70を壁正面から見た図を表している。
また、この配管サポート施工図f1には、サポート番号d1や配置番号、位置番号が記載され、さらに配管サポート70の設計寸法を示すサポート寸法d13が記載されている。サポート番号d1は、図1に示したICタグ70aに記録されるサポート番号d1と同じものである。これにより、配管サポート施工図f1に記載の配管サポート70と、ICタグ70aに取り付けられた配管サポート70との対応関係が、1対1の関係となり、双方の配管サポート70を対応付けることが可能となる。
サポート寸法d13として、側面図に記載の「A」、「B」、および正面図に記載の「C」の各寸法を記載することとしている。なお、このようなサポート寸法d13の内訳を変更するようにしてもよい。
【0013】
続いて、前記した配管サポート施工図f2の一例を図3に示す。図3によると、図2に示した埋込金物80のうち、中央に位置する埋込金物80の位置が下方にずれ、かつ、その下方にずれた埋込金物80と配管サポート70との間には、プレートたる補強材81が介装されている。
つまり、この配管サポート施工図f2の特徴は、実際に打設された埋込金物80の位置を反映して配管サポート施工図f1を編集した点にある。
例えば、現場では、施工者が、図2に示した配管サポート施工図f1をもとに埋込金物80をその記載どおりの位置に打設しようとするが、現場調整などにより埋込金物80の位置を変更して打設する場合がある。このような場合に、実際に打設された埋込金物80の位置に記載するように配管サポート施工図f1を作成しなおし、以降の配管サポート70の施工図として示したのが、この配管サポート施工図f2である。なお、図3のサポート寸法d13には、この編集内容に合致した値が記載されている。
【0014】
このように、施工者は、まず、配管サポート施工図f1をもとに埋込金物80を設置することになるが、その位置は、図4に示す配置図をもとに行うこととなる。図4に示す配置図には、ある工事工区における埋込金物80の打設位置を示したものである。
具体的には、「R5」−「R6」通りおよび「RC」−「RD」通りからなるスパンが記載され、このスパンには、埋込金物80の打設位置が四角印でプロットされている。そして、このプロットには、「1」などの金物番号d2も記載されている。金物番号d2は、図1に示したICタグ80aに記録された金物番号d2と同じものである。これにより、図2に示した配管サポート施工図f1に記載の埋込金物80と、図1に示したICタグ80aに取り付けられた埋込金物80との対応関係が、1対1の関係となり、双方の埋込金物80を対応付けることが可能となる。
【0015】
そして、この配置図には、金物番号d2ごとに、計画位置d25やタイプd21、要求元d3が記載されている。
計画位置d25には、「X」、「Y」および「Z」が含まれているが、これらは、通り芯を基準にしている。具体的には、「X」はR5−R6通り方向の位置を、「Y」はRC−RD通り方向の位置を、「Z」は高さ方向の位置をそれぞれあらわしている。例えば、「X」にはR5通りからの距離が記載され、「Y」にはRC通りからの距離が記載され、「Z」にはエレベーション(基準からの高さ)が記載される。
なお、タイプd21としては、例えば形状や大きさなどがあり、要求元d3としては、例えばプラントメーカなどがある。これにより、施工者は、個々の埋込金物80を計画位置d25に設置することが可能となる。
【0016】
図1に戻って、サーバ10について詳述する。サーバ10は、前記した配管サポート施工図f1,f2の編集を支援するためのものであり、具体的には、通信部11、記憶部12およびこれらを制御する処理部13を具備している。処理部13は、CPUなどの処理装置である。通信部11は、リーダライタ50、CAD装置30および管理者用端末40との間の通信を実現するためのものである。例えば、無線ボードやLANボードなどの通信インターフェースがこれに該当する。
【0017】
記憶部12は、メモリ、ハードディスクなどの記憶装置である。この記憶部12には、配管サポート別金物対応表121、配管サポート一覧表122、金物一覧表123、位置ずれ量一覧表124および補強材選定条件125が格納されている。以下、これらについて順を追って詳述する。
配管サポート別金物対応表121には、図5に示すように、前記したサポート番号d1(図1,図2,図3参照)と前記した金物番号d2(図1,図4参照)との対応関係が格納されている。これにより、配管サポート施工図f1,f2に記載された配管サポート70および埋込金物80の組み合わせパターンを管理することが可能となる。
【0018】
配管サポート一覧表122には、図6に示すように、前記したサポート番号d1(図1,図2,図3参照)、種別d11、拘束方向・荷重d12、サポート寸法d13(図2,図3参照)および計画位置d14が、相互に関連付けられている。種別d11は、形状や大きさなどを特定するためのものである。拘束方向・荷重d12には、垂直方向への荷重などの条件が含まれる。これにより、配管サポート施工図f1,f2(図2,図3参照)に記載された配管サポート70の一覧を管理することが可能となる。
【0019】
金物一覧表123には、図7に示すように、前記した金物番号d2(図1,図4参照)、タイプd21(図4参照)、許容荷重d22、形状・寸法d23、スタッドジベルd24および計画位置d25(図4参照)が、相互に関連付けられている。タイプd21としては、例えば、プレートの大きさやスタッドジベルの本数などがある。スタッドジベルd24は、プレートに溶接される棒状の脚を意味する。
【0020】
位置ずれ量一覧表124には、図8に示すように、前記した金物番号d2(図1,図4参照)、計画位置d25(図4参照)、打設後の位置d26および位置ずれ量d27が、相互に関連付けられている。ここにいう打設後の位置d26は、配管サポート施工図f1に記載の埋込金物80が実際に打設された位置を意味する。位置ずれ量d27は、この打設後の位置d26と、計画位置d25(図4参照)との位置ずれの程度を意味する。
【0021】
補強材選定条件125は、配管サポート施工図f2に記載の補強材81を選定するための条件である。すなわち、配管サポート施工図f1に記載の埋込金物80が打設された後、配管サポート70を補強するために用いるプレートなどの補強材81を選定するための条件である。具体的には、図8に示した位置ずれ量d27に適合する、配管サポート70および埋込金物80との組み合わせがこれに含まれている。ここにいう適合というのは、強度などの性能を総合的に評価して支障がないという意味である。
【0022】
図1に戻って、管理者用端末40は、例えばパーソナルコンピュータであり、マウスなどの入力装置、コンピュータディスプレイなどの表示装置、メモリなどの記憶装置およびCPUなどの処理装置を具備している。
【0023】
次に、施工者が、配管サポート施工図f1(図2参照)および配置図(図4参照)を参照しながら施工した結果を反映して配管サポート施工図f2(図3参照)に自動で編集する処理手順について説明する。
図9は、図面編集システムを用いて配管サポート施工図を編集する処理手順を示す図である。ここでは、まず、施工者が、現場調整などにより、埋込金物80を製作して所定の位置に打設した場合を前提に説明する。また、この打設の際、施工者が、リーダライタ50を用いて、その埋込金物80のICタグ80aに、該当する金物番号d2を書き込むことを前提に説明することとする。なお、ICタグ80aには、金物番号d2のほかにも、タイプd21などを書き込むようにしてもよい。
【0024】
この場合、まず、施工者による位置測定器60への操作により、位置測定器60が、施工者によって打設された埋込金物80の位置、すなわち埋込金物80の打設後の位置d26を測定してリーダライタ50に送信する(S1)。この送信は、例えば、施工者が、位置測定器60とリーダライタ50とを専用ケーブルで接続した後に行われる。
続いて、施工者が、リーダライタ50を用いて、埋込金物80に取り付けたICタグ80aに記録された金物番号d2を読み取る。そして、施工者によるリーダライタ50の操作により、リーダライタ50が、位置測定器60から送信された打設後の位置d26を、その金物番号d2ごとにサーバ10に送信する(S2)。このようにして、施工者が配管サポート施工図f1を参照しながら打設した埋込金物80の位置が、打設後の位置d26としてサーバ10に送信される。
なお、S2では、埋込金物80の金物番号d2を送信することとしたが、さらに、埋込金物80のタイプd21も送信するようにしてもよい。また、S2においては、リーダライタ50が、位置測定器60によって測定された打設後の位置d26をサーバ10に送信することとしたが、例えば、位置測定器60が、打設後の位置d26を金物番号d2と関連付けて、直接、サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0025】
次に、リーダライタ50からの送信を受けて、サーバ10の処理部13が、打設後の位置d26を金物番号d2ごとに受信する(S3)。続いて、処理部13が、受信した金物番号d2に対応する計画位置d25を記憶部12の金物一覧表123(図7参照)から読み出し、S3で受信した打設後の位置d26と、前記読み出した計画位置d25とを金物番号d2ごとに比較する(S4)。
そして、比較の結果、双方の位置が一致した場合(S5のYes)、処理部13は、その旨をリーダライタ50に送信する(S6)。これにより、例えば、前記一致の旨が、リーダライタ50上の表示パネルに表示され、施工者は、配管サポート施工図f1の計画位置d25どおりに埋込金物80が打設されたことを確認することが可能となる。この場合、施工者は、配管サポート施工図f1を用いて、引き続き施工を続けることとなる。
【0026】
これに対して、前記した比較の結果、双方の位置が不一致の場合(S5のNo)、処理部13は、双方の位置ずれの程度を示す位置ずれ量d27を算出する(S7)。位置ずれ量d27には、図4に示した計画位置d25と同様、「X」、「Y」および「Z」が含まれる。これにより、埋込金物80の位置ずれの程度を客観的に指標することが可能となる。なお、S7で算出された位置ずれ量d27は、図8の位置ずれ量一覧表124に金物番号d2ごとに登録される。
【0027】
なお、サーバ10の処理部13は、S4で比較をする場合、S3で受信した打設後の位置d26に対応する金物番号d2と、図7の金物一覧表123の中の金物番号d2とを照合し、照合の結果(不一致,一致)をリーダライタ50に送信して、そのリーダライタ50上に表示させるようにしてもよい。このようにすると、施工者は、埋込金物80の要否の確認作業を行うことが可能となる。
そして、施工者が、リーダライタ50を用いて、埋込金物80の要否の確認作業を終了する旨の情報をサーバ10に送信した場合においては、サーバ10の処理部13は、次のような処理を行うようにしてもよい。まず、処理部13は、チェック済みの埋込金物80の金物番号d2と、図7の金物一覧表123の中の金物番号d2とを比較して、埋込金物80のチェック漏れの有無を判断する。そして、処理部13は、その判断の結果(チェック漏れの有無)をリーダライタ50に送信する。このようにすると、施工者は、埋込金物80のチェック漏れの有無を確認することが可能となり、円滑な施工が促進されることとなる。
【0028】
次に、S8では、サーバ10の処理部13は、記憶部12の補強材選定条件125に基づいて、S7で算出した位置ずれ量d27に適合する補強材81を選定する。そして、処理部13は、その補強材81にて配管サポート70を施工するための配管サポート施工図f2に配管サポート施工図f1を編集するための編集条件を生成する。編集条件には、補強材81に関する情報(大きさ・寸法など)や、編集後の配管サポート70のサポート寸法d13、該当する配管サポート70のサポート番号d1などが含まれる。そして、処理部13は、その編集条件をLAN20を介してCAD装置30に送信する(S9)。
【0029】
このようにすると、たとえ埋込金物80が、配管サポート施工図f1どおりの計画位置d25に打設されなかったとしても、その状況に応じた補強材81を埋込金物80の位置ずれ対策として選択し、その補強材81にて配管サポート70を施工する具体的な方法を後記する配管サポート施工図f2として示すことが可能となる。
なお、処理部13は、S9の送信の際、編集条件に合致するように、図6の配管サポート一覧表122や、図7の金物一覧表123を更新する。
【0030】
次に、S10では、サーバ10からの送信を受けて、CAD装置30の処理部35は、前記した編集条件を受信し、その編集条件に関する配管サポート施工図f1を記憶部34から読み出し、その配管サポート施工図f1に当該編集条件を反映した配管サポート施工図f2を作成する。なお、配管サポート施工図f1の読み出しは、例えば、編集条件に含まれているサポート番号d1をキーとして行う。
【0031】
これにより、その後、管理者が、例えば、CAD装置30の入力部31を用いて操作することにより、S10で作成された配管サポート施工図f2が、CAD装置30の表示部32に外部出力されて表示されることとなる。また、その配管サポート施工図f2が、図示しないプリンタに外部出力されて印刷されることとなる。このようにすると、施工者は、図3の配管サポート施工図f2を参照しながら、配管サポート70の施工を続けることが可能となる。
【0032】
次に、施工者が配管サポート施工図f2を参照しながら施工した結果を反映して、配管サポート70の完成図f3を自動で作成する処理手順について説明する。
図10は、図面編集システムを用いて配管サポートの完成図を作成する処理手順を示す図である。
まず、施工者は、配管サポート施工図f2に記載された配管サポート70を製作して現場で組み立てる際、リーダライタ50を用いて、その配管サポート70に取り付けたICタグ70aのサポート番号d1を読み取る。そして、施工者は、リーダライタ50を用いて、そのサポート番号d1をサーバ10に無線で送信する。そうすると、この送信を受けて、サーバ10の処理部13が、サポート番号d1を受信する(S20)。
【0033】
また、施工者は、リーダライタ50を用いて、その配管サポート70に係合する埋込金物80に取り付けたICタグ80aの金物番号d2を読み取る。そして、施工者は、リーダライタ50を用いて、その金物番号d2をサーバ10に無線で送信する。そうすると、この送信を受けて、サーバ10の処理部13が、金物番号d2を受信する(S21)。
【0034】
次に、サーバ10の処理部13は、S20で受信したサポート番号d1、およびS21で受信した金物番号d2の対応関係を、図5の配管サポート別金物対応表121と照合し(S22)、照合の結果、不一致の場合(S23のNo)、その旨をリーダライタ50に送信する(S24)。これにより、例えば、リーダライタ50の表示パネル上には、前記不一致の旨が表示され、施工者は、配管サポート70と埋込金物80との組み合わせを見直すことが可能となる。なお、このような場合、リーダライタ50が、サーバ10からの送信を受けて、アラームなどの音声で報知するようにしてもよい。
【0035】
これに対して、前記した照合の結果、双方の対応関係が一致した場合(S23のYes)、サーバ10の処理部13は、その旨をリーダライタ50に送信する(S25)。これにより、例えば、リーダライタ50の表示パネル上には、前記一致の旨が表示され、施工者は、配管サポート70を予定通り施工してもよいことを確認することが可能となる。これにより、施工者は、安心して配管サポート70を埋込金物80に係合させることが可能となる。
【0036】
このようにして、施工者が配管サポート70を組み立てた場合、次に、施工者は、位置測定器60を用いて、施工後の配管サポート70の実寸法を測定する。ここにいう実寸法は、図3に示した配管サポート70の「A」、「B」および「C」の各寸法を意味する。
そして、施工者は、位置測定器60を用いて、測定した配管サポート70の実寸法をリーダライタ50に送信する。これにより、位置測定器60が、配管サポート70の実寸法をリーダライタ50に送信することとなる(S26)。
【0037】
続いて、施工者によるリーダライタ50の操作により、リーダライタ50が、S26で送信された配管サポート70の実寸法を、該当する配管サポート70のサポート番号d1ごとにサーバ10に送信する。サポート番号d1は、リーダライタ50が配管サポート70に取り付けられたICタグ70aから読み取る。
そうすると、この送信を受けて、サーバ10の処理部13は、配管サポート70の実寸法をサポート番号d1ごとに受信する(S27)。
【0038】
ここで、このようにして、施工者が組み立てた配管サポート70の完成例を図11に示す。図11(a)は配管サポート70を壁側面から見た図であり、図11(b)は配管サポート70を壁正面から見た図である。
図11(a)によると、各配管サポート70は、各埋込金物(実線部分)80および補強材81にて壁面で固定されている。そして、個々の配管サポート70には、施工者によって貼り付けられたICタグ70aが取り付けられている。なお、破線で示した埋込金物80は、当初の計画位置、すなわち配置図(図4参照)に記載された計画位置d25に相当するものである。
また、図11(b)によると、個々の埋込金物80には、施工者によって貼り付けられたICタグ80aが取り付けられている。このようにして、配管サポート70が、埋込金物80および補強材81にて壁面に組み立てられる。
【0039】
図11に戻って説明を続ける。次のS28では、サーバ10の処理部13が、まず、S27で受信したサポート番号d1に対応するサポート寸法d13を記憶部12の配管サポート一覧表122(図6参照)から読み出す。読み出されたサポート寸法d13は、配管サポート施工図f2に記載された配管サポート70の設計寸法である。
そして、処理部13は、S27で受信した配管サポート70の実寸法と、前記読み出したサポート寸法d13との寸法差を算出する(S28)。ここにいう寸法差は、図3に示した配管サポート70の「A」、「B」および「C」の各寸法差を意味する。これにより、施工者によって実際に組み立てられた配管サポート70が、配管サポート施工図f2に記載の配管サポート70に比べて、どの程度の寸法差が生じたかを客観的に指標することが可能となる。
そして、処理部13は、S28で算出後の寸法差を、該当する配管サポート70のサポート番号d1に関連付けて、LAN20を介してCAD装置30に送信する(S29)。
【0040】
そうすると、サーバ10からの送信を受けて、CAD装置30の処理部35は、S29で送信された寸法差を受信し、その寸法差に関する配管サポート施工図f2を記憶部34から読み出し、その配管サポート施工図f2に当該寸法差を反映して配管サポート70の完成図f3を作成する(S30)。なお、配管サポート施工図f1の読み出しは、例えば、サポート番号d1をキーとして行う。
そして、処理部35は、作成後の完成図f3をサーバ10に送信する(S31)。これにより、サーバ10の処理部13は、管理者用端末40からの要求に応じて、S31で送信された完成図f3を記憶部12から読み出し、管理者用端末40に外部出力(表示,プリント)することとなる。この完成図f3の出力例を図12に示す。
【0041】
図12によると、各配管サポート70は、各埋込金物80および補強材81にて壁面で固定され、このときのサポート寸法が記載されている。つまり、図11(a)(b)に示した配管サポート70の完成例に相当するものとして記載されている。これにより、管理者は、いつでも、配管サポート70の完成図f3を確認することができ、有用である。
【0042】
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されない。図面編集システムの構成、データ構造および処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、変更して構成するようにしてもよい。例えば、サーバ10およびCAD装置30の2台を用いて構成する場合について説明したが、1台や3台のコンピュータを用いて構成するようにしてもよい。例えば、CAD装置30にサーバ10の機能を兼ね備えるようにして構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る図面編集システムを示すブロック図である。
【図2】配管サポート施工図の一例を示す図である。
【図3】図2に示した配管サポート施工図の編集例を示す図である。
【図4】埋込金物の打設位置を示す配置図である。
【図5】図1に示した配管サポート別金物対応表の一例を示す説明図である。
【図6】図1に示した配管サポート一覧表の一例を示す説明図である。
【図7】図1に示した金物一覧表の一例を示す説明図である。
【図8】図1に示した位置ずれ量一覧表の一例を示す説明図である。
【図9】図面編集システムを用いて配管サポート施工図を編集する処理手順を示す図である。
【図10】図面編集システムを用いて配管サポートの完成図を作成する処理手順を示す図である。
【図11】配管サポートの完成例を示す図であり、同図(a)は配管サポートを壁側面から見た側面図、同図(b)は配管サポートを壁正面から見た正面図である。
【図12】配管サポートの完成図の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10 サーバ(編集支援装置)
12,34 記憶部
13,35 処理部
30 CAD装置(図面編集装置)
50 リーダライタ(読取器)
60 位置測定器
70a,80a ICタグ
d1 サポート番号(サポート用識別番号)
d2 金物番号(金物用識別番号)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグ(Radio Frequency Identification、RFID)を用いて配管サポート施工図を編集する図面編集システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中埋設された供給管に取り付けたICタグから当該供給管に関する情報を読み出して供給管の管理を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−305744号公報(段落0006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ICタグを用いて供給管の管理を行うものの、配管サポートの施工図の編集を行うために用いられていなかった。配管サポートは、プラントなどの施工を行う際に取り付ける必要があるものであり、施工者は、配管サポートを取り付ける際、その施工図の内容を現場で確認しながら、埋込金物にて取り付けることとなる。施工図には、埋込金物のタイプや設置位置などが詳細に記載されている。
しかし、施工時には、建屋の構造や他の機器との位置調整などにより、例えば、埋込金物の打設位置が施工図の記載どおりにならない場合がある。
そこで、このような場合、配管サポートの施工を円滑に行うため、配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集しなければならなかった。
【0004】
本発明は、このような状況下においてなされたものであり、その目的は、配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図を編集する図面編集装置と、前記第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置とを備えるコンピュータシステムにおける配管サポート施工図の編集方法であって、前記編集支援装置が、前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信するステップと、前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較するステップと、前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出するステップと、前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定するステップと、前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成するステップと、前記生成した編集条件を前記図面編集装置に送信するステップと、を実行する。また、前記図面編集装置が、前記編集支援装置からの前記編集条件を受信するステップと、前記受信した編集条件に関する前記第1配管サポート施工図を記憶部から読み出し、当該編集条件に基づいて、当該第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集するステップと、前記編集した第2配管サポート施工図を外部出力するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配管サポートの施工図を現場の実状況に応じてより正確に編集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の実施の形態に係る図面編集システムの全体構成を示すブロック図である。ここでは、発電所などの建屋工事の際に設置されるプラント用配管サポートの施工図(以下「配管サポート施工図」という)を編集する場合を例にして説明する。
図1において、図面編集システムは、サーバ(編集支援装置)10、CAD装置(図面編集装置)30、管理者用端末40、リーダライタ(読取器)50および位置測定器60を備えている。サーバ10は、LAN(Local Area Network)20を介して、CAD装置30および管理者用端末40に接続されている。これらサーバ10、CAD装置30および管理者用端末40はいずれも、例えば管理室に設置されている。
【0008】
これに対して、リーダライタ50および位置測定器60は、施工者が現場にて用いるものである。リーダライタ50は、ICタグ70a,80aに記録されている情報を非接触で読み取ったり、あるいはICタグ70a,80aに情報を非接触で書き込んだりするためのものである。ICタグ70a,80aは、アンテナが内蔵されている非接触型ICチップのことである。なお、リーダライタ50は、携帯式を準備することとする。
ICタグ70aは、後記する個々の配管サポート70にそれぞれ取り付けられ、また、ICタグ80aも、後記する個々の埋込金物80にそれぞれ取り付けられる。そして、ICタグ70aには、個々の配管サポート70を一意に特定するためのサポート番号(サポート用識別情報)d1が記録され、また、ICタグ80aにも、個々の埋込金物80を一意に特定するための金物番号(金物用識別情報)d2が記録されている。
【0009】
位置測定器60は、例えば、レーザやCCDカメラを利用した既知の非接触3次元測定器であり、得られた測定点群の各点をもとに、後記する埋込金物80の打設後の位置d26や、後記する配管サポート70の実寸法を測定するように構成されている。以下、サーバ10、CAD装置30および管理者用端末40について詳述する。
【0010】
まず、CAD装置30について詳述する。CAD装置30は、後記する配管サポート施工図f1,f2を編集するためのものであり、具体的には、入力部31、表示部32、通信部33、記憶部34およびこれらを制御する処理部35を具備している。入力部31は、キーボード、マウスなどの入力装置であり、表示部32は、コンピュータディスプレイなどの表示装置である。通信部33は、LANボードなどの通信インターフェースであり、記憶部34は、メモリ、ハードディスクなどの記憶装置である。処理部35は、CPUなどの処理装置である。
【0011】
記憶部34には、配管サポート施工図f1,f2が格納されている。配管サポート施工図(第1配管サポート施工図)f1は、後記する配管サポート70の施工を実現するために当初計画されたものであり、施工者は、まず、この配管サポート施工図f1をもとに施工を行うこととなる。
配管サポート施工図(第2配管サポート施工図)f2は、施工の進捗状況に応じ、配管サポート施工図f1が編集されたものである。
【0012】
ここで、まず、前記した配管サポート施工図f1の一例を図2に示す。図2によると、側面図および正面図の別に、埋込金物80にて壁面に固定された配管サポート70が記載されている。正面図は、側面図に記載のX1−X1矢視図、すなわち配管サポート70を壁正面から見た図を表している。
また、この配管サポート施工図f1には、サポート番号d1や配置番号、位置番号が記載され、さらに配管サポート70の設計寸法を示すサポート寸法d13が記載されている。サポート番号d1は、図1に示したICタグ70aに記録されるサポート番号d1と同じものである。これにより、配管サポート施工図f1に記載の配管サポート70と、ICタグ70aに取り付けられた配管サポート70との対応関係が、1対1の関係となり、双方の配管サポート70を対応付けることが可能となる。
サポート寸法d13として、側面図に記載の「A」、「B」、および正面図に記載の「C」の各寸法を記載することとしている。なお、このようなサポート寸法d13の内訳を変更するようにしてもよい。
【0013】
続いて、前記した配管サポート施工図f2の一例を図3に示す。図3によると、図2に示した埋込金物80のうち、中央に位置する埋込金物80の位置が下方にずれ、かつ、その下方にずれた埋込金物80と配管サポート70との間には、プレートたる補強材81が介装されている。
つまり、この配管サポート施工図f2の特徴は、実際に打設された埋込金物80の位置を反映して配管サポート施工図f1を編集した点にある。
例えば、現場では、施工者が、図2に示した配管サポート施工図f1をもとに埋込金物80をその記載どおりの位置に打設しようとするが、現場調整などにより埋込金物80の位置を変更して打設する場合がある。このような場合に、実際に打設された埋込金物80の位置に記載するように配管サポート施工図f1を作成しなおし、以降の配管サポート70の施工図として示したのが、この配管サポート施工図f2である。なお、図3のサポート寸法d13には、この編集内容に合致した値が記載されている。
【0014】
このように、施工者は、まず、配管サポート施工図f1をもとに埋込金物80を設置することになるが、その位置は、図4に示す配置図をもとに行うこととなる。図4に示す配置図には、ある工事工区における埋込金物80の打設位置を示したものである。
具体的には、「R5」−「R6」通りおよび「RC」−「RD」通りからなるスパンが記載され、このスパンには、埋込金物80の打設位置が四角印でプロットされている。そして、このプロットには、「1」などの金物番号d2も記載されている。金物番号d2は、図1に示したICタグ80aに記録された金物番号d2と同じものである。これにより、図2に示した配管サポート施工図f1に記載の埋込金物80と、図1に示したICタグ80aに取り付けられた埋込金物80との対応関係が、1対1の関係となり、双方の埋込金物80を対応付けることが可能となる。
【0015】
そして、この配置図には、金物番号d2ごとに、計画位置d25やタイプd21、要求元d3が記載されている。
計画位置d25には、「X」、「Y」および「Z」が含まれているが、これらは、通り芯を基準にしている。具体的には、「X」はR5−R6通り方向の位置を、「Y」はRC−RD通り方向の位置を、「Z」は高さ方向の位置をそれぞれあらわしている。例えば、「X」にはR5通りからの距離が記載され、「Y」にはRC通りからの距離が記載され、「Z」にはエレベーション(基準からの高さ)が記載される。
なお、タイプd21としては、例えば形状や大きさなどがあり、要求元d3としては、例えばプラントメーカなどがある。これにより、施工者は、個々の埋込金物80を計画位置d25に設置することが可能となる。
【0016】
図1に戻って、サーバ10について詳述する。サーバ10は、前記した配管サポート施工図f1,f2の編集を支援するためのものであり、具体的には、通信部11、記憶部12およびこれらを制御する処理部13を具備している。処理部13は、CPUなどの処理装置である。通信部11は、リーダライタ50、CAD装置30および管理者用端末40との間の通信を実現するためのものである。例えば、無線ボードやLANボードなどの通信インターフェースがこれに該当する。
【0017】
記憶部12は、メモリ、ハードディスクなどの記憶装置である。この記憶部12には、配管サポート別金物対応表121、配管サポート一覧表122、金物一覧表123、位置ずれ量一覧表124および補強材選定条件125が格納されている。以下、これらについて順を追って詳述する。
配管サポート別金物対応表121には、図5に示すように、前記したサポート番号d1(図1,図2,図3参照)と前記した金物番号d2(図1,図4参照)との対応関係が格納されている。これにより、配管サポート施工図f1,f2に記載された配管サポート70および埋込金物80の組み合わせパターンを管理することが可能となる。
【0018】
配管サポート一覧表122には、図6に示すように、前記したサポート番号d1(図1,図2,図3参照)、種別d11、拘束方向・荷重d12、サポート寸法d13(図2,図3参照)および計画位置d14が、相互に関連付けられている。種別d11は、形状や大きさなどを特定するためのものである。拘束方向・荷重d12には、垂直方向への荷重などの条件が含まれる。これにより、配管サポート施工図f1,f2(図2,図3参照)に記載された配管サポート70の一覧を管理することが可能となる。
【0019】
金物一覧表123には、図7に示すように、前記した金物番号d2(図1,図4参照)、タイプd21(図4参照)、許容荷重d22、形状・寸法d23、スタッドジベルd24および計画位置d25(図4参照)が、相互に関連付けられている。タイプd21としては、例えば、プレートの大きさやスタッドジベルの本数などがある。スタッドジベルd24は、プレートに溶接される棒状の脚を意味する。
【0020】
位置ずれ量一覧表124には、図8に示すように、前記した金物番号d2(図1,図4参照)、計画位置d25(図4参照)、打設後の位置d26および位置ずれ量d27が、相互に関連付けられている。ここにいう打設後の位置d26は、配管サポート施工図f1に記載の埋込金物80が実際に打設された位置を意味する。位置ずれ量d27は、この打設後の位置d26と、計画位置d25(図4参照)との位置ずれの程度を意味する。
【0021】
補強材選定条件125は、配管サポート施工図f2に記載の補強材81を選定するための条件である。すなわち、配管サポート施工図f1に記載の埋込金物80が打設された後、配管サポート70を補強するために用いるプレートなどの補強材81を選定するための条件である。具体的には、図8に示した位置ずれ量d27に適合する、配管サポート70および埋込金物80との組み合わせがこれに含まれている。ここにいう適合というのは、強度などの性能を総合的に評価して支障がないという意味である。
【0022】
図1に戻って、管理者用端末40は、例えばパーソナルコンピュータであり、マウスなどの入力装置、コンピュータディスプレイなどの表示装置、メモリなどの記憶装置およびCPUなどの処理装置を具備している。
【0023】
次に、施工者が、配管サポート施工図f1(図2参照)および配置図(図4参照)を参照しながら施工した結果を反映して配管サポート施工図f2(図3参照)に自動で編集する処理手順について説明する。
図9は、図面編集システムを用いて配管サポート施工図を編集する処理手順を示す図である。ここでは、まず、施工者が、現場調整などにより、埋込金物80を製作して所定の位置に打設した場合を前提に説明する。また、この打設の際、施工者が、リーダライタ50を用いて、その埋込金物80のICタグ80aに、該当する金物番号d2を書き込むことを前提に説明することとする。なお、ICタグ80aには、金物番号d2のほかにも、タイプd21などを書き込むようにしてもよい。
【0024】
この場合、まず、施工者による位置測定器60への操作により、位置測定器60が、施工者によって打設された埋込金物80の位置、すなわち埋込金物80の打設後の位置d26を測定してリーダライタ50に送信する(S1)。この送信は、例えば、施工者が、位置測定器60とリーダライタ50とを専用ケーブルで接続した後に行われる。
続いて、施工者が、リーダライタ50を用いて、埋込金物80に取り付けたICタグ80aに記録された金物番号d2を読み取る。そして、施工者によるリーダライタ50の操作により、リーダライタ50が、位置測定器60から送信された打設後の位置d26を、その金物番号d2ごとにサーバ10に送信する(S2)。このようにして、施工者が配管サポート施工図f1を参照しながら打設した埋込金物80の位置が、打設後の位置d26としてサーバ10に送信される。
なお、S2では、埋込金物80の金物番号d2を送信することとしたが、さらに、埋込金物80のタイプd21も送信するようにしてもよい。また、S2においては、リーダライタ50が、位置測定器60によって測定された打設後の位置d26をサーバ10に送信することとしたが、例えば、位置測定器60が、打設後の位置d26を金物番号d2と関連付けて、直接、サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0025】
次に、リーダライタ50からの送信を受けて、サーバ10の処理部13が、打設後の位置d26を金物番号d2ごとに受信する(S3)。続いて、処理部13が、受信した金物番号d2に対応する計画位置d25を記憶部12の金物一覧表123(図7参照)から読み出し、S3で受信した打設後の位置d26と、前記読み出した計画位置d25とを金物番号d2ごとに比較する(S4)。
そして、比較の結果、双方の位置が一致した場合(S5のYes)、処理部13は、その旨をリーダライタ50に送信する(S6)。これにより、例えば、前記一致の旨が、リーダライタ50上の表示パネルに表示され、施工者は、配管サポート施工図f1の計画位置d25どおりに埋込金物80が打設されたことを確認することが可能となる。この場合、施工者は、配管サポート施工図f1を用いて、引き続き施工を続けることとなる。
【0026】
これに対して、前記した比較の結果、双方の位置が不一致の場合(S5のNo)、処理部13は、双方の位置ずれの程度を示す位置ずれ量d27を算出する(S7)。位置ずれ量d27には、図4に示した計画位置d25と同様、「X」、「Y」および「Z」が含まれる。これにより、埋込金物80の位置ずれの程度を客観的に指標することが可能となる。なお、S7で算出された位置ずれ量d27は、図8の位置ずれ量一覧表124に金物番号d2ごとに登録される。
【0027】
なお、サーバ10の処理部13は、S4で比較をする場合、S3で受信した打設後の位置d26に対応する金物番号d2と、図7の金物一覧表123の中の金物番号d2とを照合し、照合の結果(不一致,一致)をリーダライタ50に送信して、そのリーダライタ50上に表示させるようにしてもよい。このようにすると、施工者は、埋込金物80の要否の確認作業を行うことが可能となる。
そして、施工者が、リーダライタ50を用いて、埋込金物80の要否の確認作業を終了する旨の情報をサーバ10に送信した場合においては、サーバ10の処理部13は、次のような処理を行うようにしてもよい。まず、処理部13は、チェック済みの埋込金物80の金物番号d2と、図7の金物一覧表123の中の金物番号d2とを比較して、埋込金物80のチェック漏れの有無を判断する。そして、処理部13は、その判断の結果(チェック漏れの有無)をリーダライタ50に送信する。このようにすると、施工者は、埋込金物80のチェック漏れの有無を確認することが可能となり、円滑な施工が促進されることとなる。
【0028】
次に、S8では、サーバ10の処理部13は、記憶部12の補強材選定条件125に基づいて、S7で算出した位置ずれ量d27に適合する補強材81を選定する。そして、処理部13は、その補強材81にて配管サポート70を施工するための配管サポート施工図f2に配管サポート施工図f1を編集するための編集条件を生成する。編集条件には、補強材81に関する情報(大きさ・寸法など)や、編集後の配管サポート70のサポート寸法d13、該当する配管サポート70のサポート番号d1などが含まれる。そして、処理部13は、その編集条件をLAN20を介してCAD装置30に送信する(S9)。
【0029】
このようにすると、たとえ埋込金物80が、配管サポート施工図f1どおりの計画位置d25に打設されなかったとしても、その状況に応じた補強材81を埋込金物80の位置ずれ対策として選択し、その補強材81にて配管サポート70を施工する具体的な方法を後記する配管サポート施工図f2として示すことが可能となる。
なお、処理部13は、S9の送信の際、編集条件に合致するように、図6の配管サポート一覧表122や、図7の金物一覧表123を更新する。
【0030】
次に、S10では、サーバ10からの送信を受けて、CAD装置30の処理部35は、前記した編集条件を受信し、その編集条件に関する配管サポート施工図f1を記憶部34から読み出し、その配管サポート施工図f1に当該編集条件を反映した配管サポート施工図f2を作成する。なお、配管サポート施工図f1の読み出しは、例えば、編集条件に含まれているサポート番号d1をキーとして行う。
【0031】
これにより、その後、管理者が、例えば、CAD装置30の入力部31を用いて操作することにより、S10で作成された配管サポート施工図f2が、CAD装置30の表示部32に外部出力されて表示されることとなる。また、その配管サポート施工図f2が、図示しないプリンタに外部出力されて印刷されることとなる。このようにすると、施工者は、図3の配管サポート施工図f2を参照しながら、配管サポート70の施工を続けることが可能となる。
【0032】
次に、施工者が配管サポート施工図f2を参照しながら施工した結果を反映して、配管サポート70の完成図f3を自動で作成する処理手順について説明する。
図10は、図面編集システムを用いて配管サポートの完成図を作成する処理手順を示す図である。
まず、施工者は、配管サポート施工図f2に記載された配管サポート70を製作して現場で組み立てる際、リーダライタ50を用いて、その配管サポート70に取り付けたICタグ70aのサポート番号d1を読み取る。そして、施工者は、リーダライタ50を用いて、そのサポート番号d1をサーバ10に無線で送信する。そうすると、この送信を受けて、サーバ10の処理部13が、サポート番号d1を受信する(S20)。
【0033】
また、施工者は、リーダライタ50を用いて、その配管サポート70に係合する埋込金物80に取り付けたICタグ80aの金物番号d2を読み取る。そして、施工者は、リーダライタ50を用いて、その金物番号d2をサーバ10に無線で送信する。そうすると、この送信を受けて、サーバ10の処理部13が、金物番号d2を受信する(S21)。
【0034】
次に、サーバ10の処理部13は、S20で受信したサポート番号d1、およびS21で受信した金物番号d2の対応関係を、図5の配管サポート別金物対応表121と照合し(S22)、照合の結果、不一致の場合(S23のNo)、その旨をリーダライタ50に送信する(S24)。これにより、例えば、リーダライタ50の表示パネル上には、前記不一致の旨が表示され、施工者は、配管サポート70と埋込金物80との組み合わせを見直すことが可能となる。なお、このような場合、リーダライタ50が、サーバ10からの送信を受けて、アラームなどの音声で報知するようにしてもよい。
【0035】
これに対して、前記した照合の結果、双方の対応関係が一致した場合(S23のYes)、サーバ10の処理部13は、その旨をリーダライタ50に送信する(S25)。これにより、例えば、リーダライタ50の表示パネル上には、前記一致の旨が表示され、施工者は、配管サポート70を予定通り施工してもよいことを確認することが可能となる。これにより、施工者は、安心して配管サポート70を埋込金物80に係合させることが可能となる。
【0036】
このようにして、施工者が配管サポート70を組み立てた場合、次に、施工者は、位置測定器60を用いて、施工後の配管サポート70の実寸法を測定する。ここにいう実寸法は、図3に示した配管サポート70の「A」、「B」および「C」の各寸法を意味する。
そして、施工者は、位置測定器60を用いて、測定した配管サポート70の実寸法をリーダライタ50に送信する。これにより、位置測定器60が、配管サポート70の実寸法をリーダライタ50に送信することとなる(S26)。
【0037】
続いて、施工者によるリーダライタ50の操作により、リーダライタ50が、S26で送信された配管サポート70の実寸法を、該当する配管サポート70のサポート番号d1ごとにサーバ10に送信する。サポート番号d1は、リーダライタ50が配管サポート70に取り付けられたICタグ70aから読み取る。
そうすると、この送信を受けて、サーバ10の処理部13は、配管サポート70の実寸法をサポート番号d1ごとに受信する(S27)。
【0038】
ここで、このようにして、施工者が組み立てた配管サポート70の完成例を図11に示す。図11(a)は配管サポート70を壁側面から見た図であり、図11(b)は配管サポート70を壁正面から見た図である。
図11(a)によると、各配管サポート70は、各埋込金物(実線部分)80および補強材81にて壁面で固定されている。そして、個々の配管サポート70には、施工者によって貼り付けられたICタグ70aが取り付けられている。なお、破線で示した埋込金物80は、当初の計画位置、すなわち配置図(図4参照)に記載された計画位置d25に相当するものである。
また、図11(b)によると、個々の埋込金物80には、施工者によって貼り付けられたICタグ80aが取り付けられている。このようにして、配管サポート70が、埋込金物80および補強材81にて壁面に組み立てられる。
【0039】
図11に戻って説明を続ける。次のS28では、サーバ10の処理部13が、まず、S27で受信したサポート番号d1に対応するサポート寸法d13を記憶部12の配管サポート一覧表122(図6参照)から読み出す。読み出されたサポート寸法d13は、配管サポート施工図f2に記載された配管サポート70の設計寸法である。
そして、処理部13は、S27で受信した配管サポート70の実寸法と、前記読み出したサポート寸法d13との寸法差を算出する(S28)。ここにいう寸法差は、図3に示した配管サポート70の「A」、「B」および「C」の各寸法差を意味する。これにより、施工者によって実際に組み立てられた配管サポート70が、配管サポート施工図f2に記載の配管サポート70に比べて、どの程度の寸法差が生じたかを客観的に指標することが可能となる。
そして、処理部13は、S28で算出後の寸法差を、該当する配管サポート70のサポート番号d1に関連付けて、LAN20を介してCAD装置30に送信する(S29)。
【0040】
そうすると、サーバ10からの送信を受けて、CAD装置30の処理部35は、S29で送信された寸法差を受信し、その寸法差に関する配管サポート施工図f2を記憶部34から読み出し、その配管サポート施工図f2に当該寸法差を反映して配管サポート70の完成図f3を作成する(S30)。なお、配管サポート施工図f1の読み出しは、例えば、サポート番号d1をキーとして行う。
そして、処理部35は、作成後の完成図f3をサーバ10に送信する(S31)。これにより、サーバ10の処理部13は、管理者用端末40からの要求に応じて、S31で送信された完成図f3を記憶部12から読み出し、管理者用端末40に外部出力(表示,プリント)することとなる。この完成図f3の出力例を図12に示す。
【0041】
図12によると、各配管サポート70は、各埋込金物80および補強材81にて壁面で固定され、このときのサポート寸法が記載されている。つまり、図11(a)(b)に示した配管サポート70の完成例に相当するものとして記載されている。これにより、管理者は、いつでも、配管サポート70の完成図f3を確認することができ、有用である。
【0042】
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されない。図面編集システムの構成、データ構造および処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、変更して構成するようにしてもよい。例えば、サーバ10およびCAD装置30の2台を用いて構成する場合について説明したが、1台や3台のコンピュータを用いて構成するようにしてもよい。例えば、CAD装置30にサーバ10の機能を兼ね備えるようにして構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る図面編集システムを示すブロック図である。
【図2】配管サポート施工図の一例を示す図である。
【図3】図2に示した配管サポート施工図の編集例を示す図である。
【図4】埋込金物の打設位置を示す配置図である。
【図5】図1に示した配管サポート別金物対応表の一例を示す説明図である。
【図6】図1に示した配管サポート一覧表の一例を示す説明図である。
【図7】図1に示した金物一覧表の一例を示す説明図である。
【図8】図1に示した位置ずれ量一覧表の一例を示す説明図である。
【図9】図面編集システムを用いて配管サポート施工図を編集する処理手順を示す図である。
【図10】図面編集システムを用いて配管サポートの完成図を作成する処理手順を示す図である。
【図11】配管サポートの完成例を示す図であり、同図(a)は配管サポートを壁側面から見た側面図、同図(b)は配管サポートを壁正面から見た正面図である。
【図12】配管サポートの完成図の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10 サーバ(編集支援装置)
12,34 記憶部
13,35 処理部
30 CAD装置(図面編集装置)
50 リーダライタ(読取器)
60 位置測定器
70a,80a ICタグ
d1 サポート番号(サポート用識別番号)
d2 金物番号(金物用識別番号)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図を編集する図面編集装置と、前記第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置とを備えるコンピュータシステムにおける配管サポート施工図の編集方法であって、
前記編集支援装置が、
前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信するステップと、
前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較するステップと、
前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出するステップと、
前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定するステップと、
前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成するステップと、
前記生成した編集条件を前記図面編集装置に送信するステップと、を実行し、
前記図面編集装置が、
前記編集支援装置からの前記編集条件を受信するステップと、
前記受信した編集条件に関する前記第1配管サポート施工図を記憶部から読み出し、当該編集条件に基づいて、当該第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集するステップと、
前記編集した第2配管サポート施工図を外部出力するステップと、
を実行することを特徴とする配管サポート施工図の編集方法。
【請求項2】
前記第2配管サポート施工図には、当該配管サポートの設計寸法が記載されており、
前記編集支援装置は、
前記第2配管サポート施工図に記載された配管サポートの施工後に前記位置測定器によって測定された当該配管サポートの実寸法と、当該配管サポートに取り付けられているICタグの前記読取器によって読み取られた当該配管サポートのサポート用識別情報とを関連付けて受信するステップと、
前記受信したサポート用識別情報に対応する前記配管サポートの設計寸法を前記記憶部から読み出し、当該設計寸法と前記受信した配管サポートの実寸法との寸法差を算出するステップと、
前記算出した寸法差を前記図面編集装置に送信するステップと、をさらに実行し、
前記図面編集装置は、
前記編集支援装置からの前記寸法差を受信するステップと、
前記受信した寸法差を前記第2配管サポート施工図に反映して、施工完了後の配管サポートの完成図を作成するステップと、
前記作成した完成図を外部出力するステップと、をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の配管サポート施工図の編集方法。
【請求項3】
配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図を編集する図面編集装置と、前記第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置とを備える図面編集システムであって、
前記編集支援装置が、
前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較する処理と、
前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出する処理と、
前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定する処理と、
前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成する処理と、
前記生成した編集条件を前記図面編集装置に送信する処理と、を実行し、
前記図面編集装置が、
前記編集支援装置からの前記編集条件を受信する処理と、
前記受信した編集条件に関する前記第1配管サポート施工図を記憶部から読み出し、当該編集条件に基づいて、当該第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集する処理と、
前記編集した第2配管サポート施工図を外部出力する処理と、
を実行することを特徴とする図面編集システム。
【請求項4】
前記第2配管サポート施工図には、当該配管サポートの設計寸法が記載されており、
前記編集支援装置は、
前記第2配管サポート施工図に記載された配管サポートの施工後に前記位置測定器によって測定された当該配管サポートの実寸法と、当該配管サポートに取り付けられているICタグの前記読取器によって読み取られた当該配管サポートのサポート用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信したサポート用識別情報に対応する前記配管サポートの設計寸法を前記記憶部から読み出し、当該設計寸法と前記受信した配管サポートの実寸法との寸法差を算出する処理と、
前記算出した寸法差を前記図面編集装置に送信する処理と、をさらに実行し、
前記図面編集装置は、
前記編集支援装置からの前記寸法差を受信する処理と、
前記受信した寸法差を前記第2配管サポート施工図に反映して、施工完了後の配管サポートの完成図を作成する処理と、
前記作成した完成図を外部出力する処理と、をさらに実行することを特徴とする請求項3に記載の図面編集システム。
【請求項5】
前記編集支援装置の前記記憶部には、前記第2配管サポート施工図に記載されている配管サポートおよび埋込金物の対応関係が、前記サポート用識別情報および前記金物用識別情報の対応関係を用いて格納されており、
前記編集支援装置は、前記配管サポートの設計寸法と前記配管サポートの実寸法との寸法差を算出する場合、
前記読取器によって読み取られた前記サポート用識別情報と、前記読取器によって読み取られた前記金物用識別情報とを対応付けて受信するとともに、
前記受信した金物用識別情報および当該サポート用識別情報の対応関係と、前記記憶部に格納されている前記対応関係とを照合し、
前記照合の結果、双方の対応関係が一致したことを条件に前記寸法差を算出することを特徴とする請求項4に記載の図面編集システム。
【請求項6】
前記編集支援装置は、
前記照合の結果、双方の対応関係が不一致の場合、その旨の情報を前記読取器に送信することを特徴とする請求項5に記載の図面編集システム。
【請求項7】
配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置であって、
情報の記憶部および処理部を備え、
前記処理部が、
前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較する処理と、
前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出する処理と、
前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定する処理と、
前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成する処理と、
前記生成した編集条件に基づいて前記第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集させるために、当該編集条件を図面編集装置に送信する処理と、
を実行することを特徴とする編集支援装置。
【請求項8】
前記第2配管サポート施工図には、当該配管サポートの設計寸法が記載されており、
前記処理部は、
前記第2配管サポート施工図に記載された配管サポートの施工後に前記位置測定器によって測定された当該配管サポートの実寸法と、当該配管サポートに取り付けられているICタグの前記読取器によって読み取られた当該配管サポートのサポート用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信したサポート用識別情報に対応する前記配管サポートの設計寸法を前記記憶部から読み出し、当該設計寸法と前記受信した配管サポートの実寸法との寸法差を算出する処理と、
前記算出した寸法差を前記第2配管サポート施工図に反映して、施工完了後の配管サポートの完成図を作成させるために、当該寸法差を前記図面編集装置に送信する処理と、
をさらに実行することを特徴とする請求項7に記載の編集支援装置。
【請求項9】
前記記憶部には、前記第2配管サポート施工図に記載されている配管サポートおよび埋込金物の対応関係が、前記サポート用識別情報および前記金物用識別情報の対応関係を用いて格納されており、
前記処理部は、前記配管サポートの設計寸法と前記配管サポートの実寸法との寸法差を算出する場合、
前記読取器によって読み取られた前記サポート用識別情報と、前記読取器によって読み取られた前記金物用識別情報とを対応付けて受信するとともに、
前記受信した金物用識別情報および当該サポート用識別情報の対応関係と、前記記憶部に格納されている前記対応関係とを照合し、
前記照合の結果、双方の対応関係が一致したことを条件に前記寸法差を算出することを特徴とする請求項8に記載の編集支援装置。
【請求項10】
前記処理部は、
前記照合の結果、双方の対応関係が不一致の場合、その旨の情報を前記読取器に送信することを特徴とする請求項9に記載の編集支援装置。
【請求項1】
配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図を編集する図面編集装置と、前記第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置とを備えるコンピュータシステムにおける配管サポート施工図の編集方法であって、
前記編集支援装置が、
前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信するステップと、
前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較するステップと、
前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出するステップと、
前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定するステップと、
前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成するステップと、
前記生成した編集条件を前記図面編集装置に送信するステップと、を実行し、
前記図面編集装置が、
前記編集支援装置からの前記編集条件を受信するステップと、
前記受信した編集条件に関する前記第1配管サポート施工図を記憶部から読み出し、当該編集条件に基づいて、当該第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集するステップと、
前記編集した第2配管サポート施工図を外部出力するステップと、
を実行することを特徴とする配管サポート施工図の編集方法。
【請求項2】
前記第2配管サポート施工図には、当該配管サポートの設計寸法が記載されており、
前記編集支援装置は、
前記第2配管サポート施工図に記載された配管サポートの施工後に前記位置測定器によって測定された当該配管サポートの実寸法と、当該配管サポートに取り付けられているICタグの前記読取器によって読み取られた当該配管サポートのサポート用識別情報とを関連付けて受信するステップと、
前記受信したサポート用識別情報に対応する前記配管サポートの設計寸法を前記記憶部から読み出し、当該設計寸法と前記受信した配管サポートの実寸法との寸法差を算出するステップと、
前記算出した寸法差を前記図面編集装置に送信するステップと、をさらに実行し、
前記図面編集装置は、
前記編集支援装置からの前記寸法差を受信するステップと、
前記受信した寸法差を前記第2配管サポート施工図に反映して、施工完了後の配管サポートの完成図を作成するステップと、
前記作成した完成図を外部出力するステップと、をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の配管サポート施工図の編集方法。
【請求項3】
配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図を編集する図面編集装置と、前記第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置とを備える図面編集システムであって、
前記編集支援装置が、
前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較する処理と、
前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出する処理と、
前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定する処理と、
前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成する処理と、
前記生成した編集条件を前記図面編集装置に送信する処理と、を実行し、
前記図面編集装置が、
前記編集支援装置からの前記編集条件を受信する処理と、
前記受信した編集条件に関する前記第1配管サポート施工図を記憶部から読み出し、当該編集条件に基づいて、当該第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集する処理と、
前記編集した第2配管サポート施工図を外部出力する処理と、
を実行することを特徴とする図面編集システム。
【請求項4】
前記第2配管サポート施工図には、当該配管サポートの設計寸法が記載されており、
前記編集支援装置は、
前記第2配管サポート施工図に記載された配管サポートの施工後に前記位置測定器によって測定された当該配管サポートの実寸法と、当該配管サポートに取り付けられているICタグの前記読取器によって読み取られた当該配管サポートのサポート用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信したサポート用識別情報に対応する前記配管サポートの設計寸法を前記記憶部から読み出し、当該設計寸法と前記受信した配管サポートの実寸法との寸法差を算出する処理と、
前記算出した寸法差を前記図面編集装置に送信する処理と、をさらに実行し、
前記図面編集装置は、
前記編集支援装置からの前記寸法差を受信する処理と、
前記受信した寸法差を前記第2配管サポート施工図に反映して、施工完了後の配管サポートの完成図を作成する処理と、
前記作成した完成図を外部出力する処理と、をさらに実行することを特徴とする請求項3に記載の図面編集システム。
【請求項5】
前記編集支援装置の前記記憶部には、前記第2配管サポート施工図に記載されている配管サポートおよび埋込金物の対応関係が、前記サポート用識別情報および前記金物用識別情報の対応関係を用いて格納されており、
前記編集支援装置は、前記配管サポートの設計寸法と前記配管サポートの実寸法との寸法差を算出する場合、
前記読取器によって読み取られた前記サポート用識別情報と、前記読取器によって読み取られた前記金物用識別情報とを対応付けて受信するとともに、
前記受信した金物用識別情報および当該サポート用識別情報の対応関係と、前記記憶部に格納されている前記対応関係とを照合し、
前記照合の結果、双方の対応関係が一致したことを条件に前記寸法差を算出することを特徴とする請求項4に記載の図面編集システム。
【請求項6】
前記編集支援装置は、
前記照合の結果、双方の対応関係が不一致の場合、その旨の情報を前記読取器に送信することを特徴とする請求項5に記載の図面編集システム。
【請求項7】
配管サポートを埋込金物にて計画位置に施工するために用いる第1配管サポート施工図の編集を支援する編集支援装置であって、
情報の記憶部および処理部を備え、
前記処理部が、
前記第1配管サポート施工図に記載された埋込金物の打設後、位置測定器によって測定された当該埋込金物の打設後の位置と、当該埋込金物に取り付けられているICタグの読取器によって読み取られた当該埋込金物の金物用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信した金物用識別情報に対応する前記埋込金物の計画位置を記憶部から読み出し、当該読み出した埋込金物の計画位置と前記受信した打設後の位置とを比較する処理と、
前記比較により双方の埋込金物間の位置ずれの程度を示す位置ずれ量を算出する処理と、
前記位置ずれの対策として用いる補強材を選定するための補強材選定条件を前記記憶部から読み出し、当該補強材選定条件に基づいて、前記算出した位置ずれ量に適合する補強材を選定する処理と、
前記打設後の埋込金物および前記選定した補強材にて前記配管サポートを施工するために用いる第2配管サポート施工図に前記第1配管サポート施工図を編集するための編集条件を生成する処理と、
前記生成した編集条件に基づいて前記第1配管サポート施工図を前記第2配管サポート施工図に編集させるために、当該編集条件を図面編集装置に送信する処理と、
を実行することを特徴とする編集支援装置。
【請求項8】
前記第2配管サポート施工図には、当該配管サポートの設計寸法が記載されており、
前記処理部は、
前記第2配管サポート施工図に記載された配管サポートの施工後に前記位置測定器によって測定された当該配管サポートの実寸法と、当該配管サポートに取り付けられているICタグの前記読取器によって読み取られた当該配管サポートのサポート用識別情報とを関連付けて受信する処理と、
前記受信したサポート用識別情報に対応する前記配管サポートの設計寸法を前記記憶部から読み出し、当該設計寸法と前記受信した配管サポートの実寸法との寸法差を算出する処理と、
前記算出した寸法差を前記第2配管サポート施工図に反映して、施工完了後の配管サポートの完成図を作成させるために、当該寸法差を前記図面編集装置に送信する処理と、
をさらに実行することを特徴とする請求項7に記載の編集支援装置。
【請求項9】
前記記憶部には、前記第2配管サポート施工図に記載されている配管サポートおよび埋込金物の対応関係が、前記サポート用識別情報および前記金物用識別情報の対応関係を用いて格納されており、
前記処理部は、前記配管サポートの設計寸法と前記配管サポートの実寸法との寸法差を算出する場合、
前記読取器によって読み取られた前記サポート用識別情報と、前記読取器によって読み取られた前記金物用識別情報とを対応付けて受信するとともに、
前記受信した金物用識別情報および当該サポート用識別情報の対応関係と、前記記憶部に格納されている前記対応関係とを照合し、
前記照合の結果、双方の対応関係が一致したことを条件に前記寸法差を算出することを特徴とする請求項8に記載の編集支援装置。
【請求項10】
前記処理部は、
前記照合の結果、双方の対応関係が不一致の場合、その旨の情報を前記読取器に送信することを特徴とする請求項9に記載の編集支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−214472(P2006−214472A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25860(P2005−25860)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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