説明

配管・機器監視装置及び方法

【課題】プラントの運転中に、このプラントを構成する配管または機器に生じた減肉やき裂等の欠陥を直接的に且つ早期に検出して、配管または機器の健全性を監視できること。
【解決手段】配管1に永久磁石17で装着され、超音波を送受信する電磁超音波探触子11と、電磁超音波探触子11で計測された計測データを送信する無線送信機12と、電磁超音波探触子11及び無線送信機12に給電するハーベスタ電源13と、無線送信機12からの計測データを受信して欠陥を求める信号処理部10Bとを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物である配管または機器に生じた減肉やき裂等の欠陥を、電磁超音波探触子を用いて検出する配管・機器監視装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力または火力発電プラントの配管または機器の運転中に生ずる冷却材による腐食やエロージョンによる減肉は、定期点検時に超音波を用いて一定周期で点検されている。
【0003】
近年、地球温暖化の問題に対処するために低CO発電である原子力発電の稼働率の向上が望まれており、定期点検周期の現状13ヶ月からの延長が必要となる。
【0004】
また、従来のプラントでは、更に設備利用率の向上を図るために、今後5%以上のプラント増出力が実施される見込みである。
【0005】
今後、13ケ月以上の長期サイクル運転や5%以上のプラント増出力が実施された場合には、点検周期内で万一の異常に進展する減肉を検出することは困難である。長期化した点検周期と、プラント増出力による冷却材(水)の流量増加は、腐食環境の変化とエロージョンの進展増の可能性を払拭できない。
【0006】
プラント運転中に配管または機器に想定外の急激な減肉が発生し、この減肉箇所から冷却材の漏洩が万一発生した場合、プラントの計画外の停止と漏洩場所の復旧のために、プラントの再起動までに多くの時間と費用が必要になる。このため、プラント設備の利用率向上とプラントの信頼性確保の観点から、プラント運転中の状態監視の適用が進められており、冷却材漏洩のリスクを早期に発見し防止するために、配管または機器の減肉監視が不可欠になる。
【0007】
また、センサを常設する方法ではケーブル、電源等の問題等があり、配管または機器の設備状況をプラント全体に渡って監視することは困難であった。
【0008】
そこで、外部電源や伝送ケーブルが不要で、プラント運転中に配管または機器の減肉を監視する技術として、減肉しそうな部位に周方向に帯状にICタグを複数設置して、管内流体による歪みを減肉しそうな部位の前後で周方向に比較監視する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−283776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、特許文献1に記載の配管の状態監視技術では、配管に取り付けられたICタグにより配管の歪みを検出することで、配管の状態(き裂や減肉など)を間接的に監視するものであり、この配管の状態を直接的に監視するものではないので、正確に検出しているとは必ずしもいえない。
【0011】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、プラントの運転中に、このプラントを構成する配管または機器に生じた減肉やき裂等の欠陥を直接的に且つ早期に検出して、配管または機器の健全性を監視できる配管・機器監視装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る配管・機器監視装置は、配管または機器に永久磁石で装着され、超音波を送受信する電磁超音波探触子と、前記電磁超音波探触子で計測された計測データを送信する無線送信手段と、前記電磁超音波探触子及び前記無線送信手段に給電する自己給電手段と、前記計測データを受信して欠陥を求める信号処理手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る配管・機器監視方法は、配管または機器に永久磁石で装着された電磁超音波探触子で超音波を送受信し、前記電磁超音波探触子で計測された計測データを無線送信手段で送信し、前記電磁超音波探触子及び前記無線送信手段に自己給電手段で給電し、前記計測データを受信して欠陥を求めることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る配管・機器監視装置及び方法によれば、配管または機器に常時装着された電磁超音波探触子からの超音波を用いて、プラントの運転中に配管または機器に生じた減肉やき裂等の欠陥を直接的に且つ早期に検出して、配管または機器の健全性を監視できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る配管・機器監視装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】図1の電磁超音波探触子を示す構成図。
【図3】図1のハーベスタ電源の一例を示す構成図。
【図4】本発明に係る配管・機器監視装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】図4のV矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
[A]第1の実施の形態(図1〜図3)
図1に示す配管・機器監視装置10は、原子力発電プラントまたは火力発電プラントなどのプラントを構成する、検査対象物としての配管1に装着された電磁超音波探触子11(EMAT:Electromagnetic Acoustic Transducer)から送信され、且つこの電磁超音波探触子11にて受信される超音波を用いて、配管1に生じた欠陥、特に減肉を検出するものである。
【0018】
ここで、配管1は、内部に高温の流体(例えば高温蒸気、高温加圧水など)が流れることで、200℃から600℃の高温状態にある。例えば、配管1は、原子力発電プラントでは約300℃程度である。
【0019】
また、この配管1は、内部を流れる上記流体により内表面が腐食やエロージョンによって削られ、減肉現象が生じる。配管・機器監視装置10は、この配管1の板厚を定量的に計測することで、配管1に生じた減肉を直接検出する。
【0020】
配管・機器監視装置10は、検査対象物である配管1に常時装着されるセンサ部10Aと、このセンサ部10Aから離れて設置された信号処理手段としての信号処理部10Bと有してなり、センサ部10Aは、電磁超音波探触子11、無線送信手段としての無線送信機12、自己給電手段としてのハーベスタ電源13、及びキャパシタ14を有して構成される。電磁超音波探触子11、無線送信機12及びキャパシタ14がセンサケーシング15に内蔵され、ハーベスタ電源13が例えばセンサケーシング15の外面に取り付けられている。また、信号処理部10Bは、後述の中継器21及び演算器22を有して構成される。
【0021】
電磁超音波探触子11は、図1及び図2に示すように、永久磁石17、励磁・受信コイル18及び電位差計16を有して構成され、後述の如く、縦波の超音波P1を励起して送信し、縦波の超音波パルスエコーP2を受信する。この縦波の超音波P1、超音波パルスエコーP2は、配管1の板厚の計測に適したものであり、これにより、配管1に生じた減肉が検出される。尚、減肉箇所を図1及び図2において符号4で示す。
【0022】
永久磁石17は、配管1の温度が数100℃の高温になっていることから、キュロー点が500℃以上であり、200℃〜600℃の高温でも磁力の低下が少ない高温用磁石が用いられる。例えば、この永久磁石17はサマリウム・コバルト磁石、またはアルミニウム・ニッケル・コバルト磁石などが用いられる。この永久磁石17が配管1の外表面2に垂直に設置されることにより、配管1の外表面2に、配管1の軸方向Mに平行な磁場19が形成される。
【0023】
また、一般に、超音波探触子は水やグリースなどのカプラントによって検査対象物に接着されるが、検査対象物である配管1が数100℃の高温状態にあっては、カプラントは揮発したり流出してしまう。本実施の形態では、永久磁石17の磁力の作用によって、電磁超音波探触子17を内蔵するセンサ部10Aが配管1の外表面に常時装着される。
【0024】
励磁・受信コイル18は、その軸心Oが、配管1の軸方向Mと平行に配置される。そして、ハーベスタ電源13からキャパシタ14に蓄電された電力によって励磁・受信コイル18に高周波のパルス電流が流されると、配管1の外表面2にパルス状の渦電流20(図2)が励起される。この渦電流20と配管1の外表面2に生じた磁場19とによってローレンツ力が発生し、このローレンツ力が配管1の外表面2に垂直な方向のパルス状の衝撃力となって、配管1の外表面2から垂直方向にパルス状の縦波の超音波P1が発生する。
【0025】
この縦波の超音波P1は、配管1の内表面3(減肉箇所4の内表面を含む)で反射し、超音波パルスエコーP2として配管1の外表面2に到達し、この外表面2の振動が磁場19を振動させる。すると、この磁場19の振動により、ファラデーの法則によって励磁・受信コイル18にパルス状の電位差が励起される。励磁・受信コイル18に最初に超音波パルス電流が通電されてから、励磁・受信コイル18に上述の電位差が励起されるまでの時間差が、超音波P1及び超音波パルスエコーP2の伝播時間の総和となる。
【0026】
配管1の断面を伝播する縦波の超音波P1及び超音波パルスエコーP2の音速は共に等しく、材料物性値によって決まっており、鋼の場合には一般に約5000m/sとなる。従って、この音速と前述の超音波P1及び超音波パルスエコーP2の伝播時間の総和とから、配管1の板厚を、これらの配管1に非接触状態で直接計測することが可能になり、配管1の減肉状況を検出できる。
【0027】
尚、励磁・受信コイル18に供給される超音波パルス電流の周波数またはパルス幅を調整することで、励磁・受信コイル18に励起される超音波P1の周波数が設定される。従って、この超音波P1の周波数を数100kHz〜数MHzの範囲で設定することにより、配管1の板厚(つまり減肉)の計測精度を1mm以内に制御することが可能になる。
【0028】
実際には、超音波パルスエコーP2に基づく磁場19の振動によって励磁・受信コイル18に励起されるパルス状の電位差は、この励起・受信コイル18に接続された電位差計16にて計測される。この計測データは、電位差計16に接続された無線送信機12を用いて、信号処理部10Bを構成する中継器21を経て、同じく信号処理部10Bを構成する演算器22へ送信される。そして、この演算器22が、励磁・受信コイル18に最初に高周波パルス電流が通電されてから上述の電位差が励起されるまでの時間差を演算し、この時間差に基づき配管1の板厚を計測し、その減肉状況を求める。すなわち、信号処理部10Bの演算器22が電磁超音波探触子11による計測データから減肉状況を求める。
【0029】
上述のようにして、配管1にセンサ部10Aが常時装着、特に電磁超音波探触子11が常時装着されることで、原子力または火力発電プラントの運転中における配管1の減肉状況が状態監視されて、この減肉が、配管1内を流れる高温流体(例えば冷却材)の漏洩に至る前の初期段階で検出される。
【0030】
ところで、センサ部10Aにおけるハーベスタ電源13は、例えば配管1の温度に基づきペルチェ素子を用いて発電したり、配管1の振動に基づきピエゾ素子を用いて発電する自己発電機能を有する。ハーベスタ電源13にて発電された電力はキャパシタ14を経て、つまりキャパシタ14に蓄電された後、電磁超音波探触子11及び無線送信機12へ給電される。ペルチェ素子23を用いたハーベスタ電源13の一例を図3に示す。
【0031】
つまり、数100℃に保たれた高温の配管1の外表面2は保温材24により覆われて、数10℃の外気に対し保温されている。そして、この高温の配管1の外表面2にヒートパイプ25の基端が固着され、このヒートパイプ25の先端にペルチェ素子23の裏面23Bが接着される。これにより、ペルチェ素子23の裏面23Bに高温の配管1の熱が効率的に伝熱される。また、ペルチェ素子23の表面23Aにはヒートシンク26が接着されている。これにより、ペルチェ素子23の表面23Aが外気により効率的に冷却される。
【0032】
従って、数100℃の高温の配管1の熱が伝熱されるペルチェ素子23の裏面23Bと、数10℃の外気により冷却されるペルチェ素子23の表面23Aとの間には、10〜100℃以上の温度差が生じ、これにより、数cmの矩形のペルチェ素子23であっても、数10mW以上の電力を得ことが可能になる。
【0033】
プラント運転中にあっては、配管1の外表面2の温度が数100℃以上に保たれ、且つ外気温が数10℃であることから、ペルチェ素子23が発生する電力は、電磁超音波探触子11及び無線送信機12を駆動する電力を定常的に得ことが可能になる。より大きな電力が必要な場合には、ペルチェ素子23、ヒートパイプ25及びヒートシンク26の容量を増大させることで対処することが可能になる。
【0034】
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(4)を奏する。
【0035】
(1)配管1に常時装着されたセンサ部10Aの電磁超音波探触子11が送受信する縦波の超音波P1及び超音波パルスエコーP2を用いて、プラント運転中に配管1に生じた減肉を直接検出し、この配管1を状態監視して減肉を初期段階で検出している。このため、運転中のプラントを構成する配管1に生じた減肉を正確に且つ早期に検出して、配管1の健全性を監視できる。この結果、例えば、原子力発電プラントの配管1の減肉により配管1から冷却材が漏洩する事象を未然に防止でき、プラントの計画外の停止を回避できる。
【0036】
(2)配管・機器監視装置10のセンサ部10Aには電磁超音波探触子11が具備されることから、カプラントを不要にでき、しかも配管1の減肉を含む欠陥を非接触状態で検出できる。また、電磁超音波探触子11を構成する永久磁石17が、200℃〜600℃の高温に対しても磁力の低下が少ない高温用磁石が用いられたことから、電磁超音波探触子11を具備するセンサ部10Aは、原子力発電プラントや火力発電プラントの高温の配管1に対しても、その減肉を含む欠陥を好適に検出することができる。
【0037】
(3)電磁超音波探触子11の電位差計16にて計測された電位差データ(計測データ)が無線送信機12を用いて中継器21へ無線送信され、演算器22で演算処理されて配管1の減肉が検出されることから、計装ケーブルを不要にできる。この結果、配管1と保温材24との間にセンサ部10Aを設置することが可能になり、その場合に計装ケーブルが存在しないことから、センサ部10Aの設置の作業性が良好になる。更に、現地の建屋内における計装ケーブルの増加を回避できる。
【0038】
(4)自己発電機能を有するハーベスタ電源13にて発電された電力が、電磁超音波探触子11及び無線送信機12へ給電されることから、電磁超音波探触子11及び無線送信機12へ給電するための電源ケーブルや、電磁超音波探触子11及び無線送信機12への給電用電池を不要にできる。この結果、電源ケーブルの敷設作業や定期的な電池交換作業を削除することができる。
【0039】
[B]第2の実施の形態(図4、図5)
図4は、本発明に係る配管・機器監視装置の第2の実施の形態を示す構成図である。この第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0040】
本実施の形態の配管・機器監視装置30が第1の実施の形態の配管・機器監視装置10と異なる点は、センサ部30Aに内蔵された電磁超音波探触子31が励起し送信する超音波S1と、受信する超音波パルスエコーS2が共に横波であり、これらの超音波S1及び超音波パルスエコーS2を用いて、配管1に生じた欠陥、特に表面亀裂5を検出する点である。
【0041】
尚,表面亀裂5は、SSC(Stress−Corrosion Cracking)や疲労欠陥、溶接肉盛部の表面欠陥などである。また、配管・機器監視装置30の信号処理部(不図示)は、第1の実施の形態と同様に中継器21及び演算器22を有して構成される。
【0042】
電磁超音波探触子31は、永久磁石32、励磁・受信コイル33及び電位差計16を有して構成される。永久磁石32は、第1の実施の形態の永久磁石17と同様に高温用磁石であるが、配管1の外表面2に設置されることで、配管1の軸方向Mに垂直な磁場34が、配管1の外表面2に形成される。また、この永久磁石32の磁力によって、電磁超音波探触子31を内蔵するセンサ部30Aが配管1に常時装着される。
【0043】
励磁・受信コイル33は、図4の手前から奥側へ向かって永久磁石32を内包するように巻き回されてなり、図5に示すように、その軸心Qが配管1の軸方向Mに対し水平面内で直交して配置される。
【0044】
そして、ハーベスタ電源13からキャパシタ14に蓄電された電力によって、励磁・受信コイル33に高周波のパルス電流が流されると、配管1の外表面2にパルス状の渦電流35が励起される。この渦電流35と配管1の外表面2に生じた前記磁場34とによってローレンツ力が発生し、このローレンツ力により、配管1の外表面2に平行な方向で、配管1の軸方向Mに沿って伝播するパルス状の横波の超音波S1が発生する。
【0045】
この横波の超音波S1は、配管1に生じた表面亀裂5で反射して超音波パルスエコーS2となり、配管1の外表面2の磁場34を振動させる。すると、この磁場34の振動により、ファラデーの法則によって励磁・受信コイル33にパルス状の電位差が励起される。励磁・受信コイル33に最初に超音波パルス電流が通電されてから、この励磁・受信コイル33に上述の電位差が励起されるまでの時間差が、超音波S1及び超音波パルスエコーS2の伝播時間の総和となる。
【0046】
配管1の外表面2を伝播する横波の超音波S1及び超音波パルスエコーS2の音速は共に等しく、材料物性値によって決まっており、鋼の場合には一般に約3000m/sになる。従って、この音速と前述の超音波S1及び超音波パルスエコーS2の伝播時間の総和とから、配管1に生じた表面亀裂5の発生箇所と大きさが検出される。
【0047】
本実施の形態においても、実際には、超音波パルスエコーS2に基づく磁場34の振動によって励磁・受信コイル33に励起されるパルス状の電位差は、この励起・受信コイル33に接続された電位差計16にて計測される。この計測データは、電位差計16に接続された無線送信機12を用い、中継器21を経て演算器22へ送信される。そして、この演算器22が、励磁・受信コイル33に最初に高周波パルス電流が通電されてから上述の電位差が励起されるまでの時間差を演算し、この時間差に基づき配管1に生じた表面亀裂5を検出する。
【0048】
この配管・機器監視装置30のセンサ部30Aにおいても、配管1に電磁超音波探触子31が常時装着されて、プラント運転中における配管1の表面亀裂5が状態監視され、表面亀裂5が初期段階で検出される。
【0049】
以上のように構成されたことから、本実施の形態においても第1の実施の形態の効果(2)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
【0050】
(5)配管1に常時装着されたセンサ部30Aの電磁超音波探触子31が送受信する横波の超音波S1及び超音波パルスエコーS2を用いて、プラント運転中に配管1に生じた表面亀裂5を直接検出し、この配管1を状態監視して表面亀裂5を初期段階で検出する。このため、運転中のプラントを構成する配管1に生じた表面亀裂5を正確且つ早期に検出して、配管1の健全性を監視できる。
【0051】
尚、第1及び第2の両実施形態では、配管・機器監視装置10、30が超音波を用いて欠陥を検出する検査対象が配管1の場合を述べたが、配管1以外の機器であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 配管
4 減肉箇所(欠陥)
5 表面亀裂(欠陥)
10 配管・機器監視装置
11 電磁超音波探触子
12 無線送信機
13 ハーベスタ電源
17 永久磁石
18 励起・受信コイル
30 配管・機器監視装置
31 電磁超音波探触子
32 永久磁石
33 励起・受信コイル
P1 超音波
P2 超音波パルスエコー
S1 超音波
S2 超音波パルスエコー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管または機器に永久磁石で装着され、超音波を送受信する電磁超音波探触子と、
前記電磁超音波探触子で計測された計測データを送信する無線送信手段と、
前記電磁超音波探触子及び前記無線送信手段に給電する自己給電手段と、
前記計測データを受信して欠陥を求める信号処理手段と、を備えたことを特徴とする配管・機器監視装置。
【請求項2】
前記永久磁石が、サマリウム・コバルト磁石またはアルミニウム・ニッケル・コバルト磁石であることを特徴とする請求項1に記載の配管・機器監視装置。
【請求項3】
前記電磁超音波探触子が励起し送受信する超音波は縦波であり、この超音波により配管または機器に生じた減肉を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の配管・機器監視装置。
【請求項4】
前記電磁超音波探触子が励起し送受信する超音波は横波であり、この超音波により配管または機器に生じたき裂を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の配管・機器監視装置。
【請求項5】
配管または機器に永久磁石で装着された電磁超音波探触子で超音波を送受信し、
前記電磁超音波探触子で計測された計測データを無線送信手段で送信し、
前記電磁超音波探触子及び前記無線送信手段に自己給電手段で給電し、
前記計測データを受信して欠陥を求めることを特徴とする配管・機器監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−145219(P2011−145219A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7356(P2010−7356)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】