配管固定台座
【課題】屋根上に少なくとも横方向や縦方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を瓦上の適宜の位置に固定できる配管固定台座を提供する。
【解決手段】建物の屋根上に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を、屋根の下地上に設置されたスレート瓦(瓦)上に固定するための台座であって、上方側に配管支持具又は配管3を固定可能な連結板11と、連結板11の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられた前脚板12及び後脚板13と、前脚板12の下端部に前方側へ延びるように設けられかつスレート瓦上に載置される介在板14と、介在板14の前端部近傍に下方側へ突出するように設けられかつスレート瓦の上端部に引っ掛けられる引掛部15と、後脚板13の下端部に後方側へ突出するように設けられかつスレート瓦上に載置される突出板16、を備えた。
【解決手段】建物の屋根上に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を、屋根の下地上に設置されたスレート瓦(瓦)上に固定するための台座であって、上方側に配管支持具又は配管3を固定可能な連結板11と、連結板11の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられた前脚板12及び後脚板13と、前脚板12の下端部に前方側へ延びるように設けられかつスレート瓦上に載置される介在板14と、介在板14の前端部近傍に下方側へ突出するように設けられかつスレート瓦の上端部に引っ掛けられる引掛部15と、後脚板13の下端部に後方側へ突出するように設けられかつスレート瓦上に載置される突出板16、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根上に設置される太陽電池パネルの配線配管、太陽熱温水器の熱媒体配管等の配管を支持可能な配管支持具又は配管を、屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、太陽光のエネルギーを有効に利用するために、太陽光発電用の太陽電池パネルや、太陽熱温水器等を建物の屋根上に設置すること(例えば、特許文献1参照。)が増えてきている。そして、屋根の下地上に設置された瓦上に太陽電池パネルや太陽熱温水器等を設置する場合、それらの配線配管や熱媒体配管等の配管は、太陽電池パネルや太陽熱温水器等を前記瓦上に固定するための固定金具に針金で係止することが多い。
【0003】
一方、屋根上に横方向に配置される配線を係止可能な配線係止部を設けた配線保持具(例えば、特許文献2参照。)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−81765号公報(図1、等)
【特許文献2】特開2005−264640号公報(請求項1、図1〜図4、等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような固定金具に配管を係止する場合には、配管の係止位置が太陽電池パネルや太陽熱温水器等の近傍に限定され、配管を前記瓦上の適宜の位置に係止できないという問題点がある。
【0006】
また、上記のような配線保持具においては、屋根上に横方向に配置される配線を係止できるものの、縦方向に配置される配線を係止できないという問題点がある。
【0007】
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、屋根上に少なくとも横方向や縦方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を前記瓦上の適宜の位置に固定できる配管固定台座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1の発明は、建物の屋根上に配置される配管を支持可能な配管支持具又は前記配管を、前記屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座であって、上方側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な連結板と、前記連結板の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられた前脚板及び後脚板と、前記前脚板の下端部に前方側へ延びるように設けられかつ前記瓦上に載置される介在板と、前記介在板の前端部近傍に下方側へ突出するように設けられかつ前記瓦の上端部に引っ掛けられる引掛部と、前記後脚板の下端部に後方側へ突出するように設けられかつ前記瓦上に載置される突出板、を備えたものである。
【0009】
第2の発明は、前記連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けたものである。
【0010】
第3の発明は、前記貫通孔の周囲に、下方側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けたものである。
【0011】
第4の発明においては、前記前脚板及び前記後脚板が、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能である。
【0012】
第5の発明は、前記前脚板及び前記後脚板を、前記瓦上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、前記連結板の面方向に対して後方側に傾斜させたものである。
【0013】
第6の発明は、前記前脚板と前記後脚板の少なくともいずれか一方に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けたものである。
【0014】
第7の発明は、前記連結板の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に、下方側へ突出しかつ前記前脚板の側端部と前記後脚板の側端部を連結するように、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な側部連結板を設けたものである。
【0015】
第8の発明は、前記側部連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けたものである。
【0016】
第9の発明は、前記貫通孔の周囲に、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けたものである。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、瓦上の適宜の位置に設置できるので、屋根上に横方向、縦方向、又は斜め方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を瓦上の適宜の位置に固定することができる。
【0018】
第2の発明によれば、連結板の貫通孔に配管支持具を装着できるので、配管支持具を連結板に簡単に固定することができる。
【0019】
第3及び第9の発明によれば、貫通孔の周囲の突出部により、配管支持具を貫通孔に装着した場合のガタつきを防止することができる。
【0020】
第4の発明によれば、屋根上に横方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又はその配管を、連結板の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定することができる。
【0021】
第5の発明によれば、瓦上に設置した際に配管をより安定した状態で固定することができる。
【0022】
第6及び第8の発明によれば、貫通孔に配管支持具を装着できるので、配管支持具を前脚板、後脚板、又は側部連結板に簡単に固定することができる。
【0023】
第7の発明によれば、側部連結板により強度を向上でき、屋根上に縦方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又はその配管を、側部連結板の外側でも固定できると共に、連結板の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る配管固定台座の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】配管固定台座の使用状態を示す概略断面図である。
【図4】屋根上に横方向に配置される配管を配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図5】図4の左斜め上方向から見た要部拡大平面図である。
【図6】屋根上に縦方向に配置される配管を配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図7】図6の左斜め上方向から見た要部拡大平面図である。
【図8】第2実施形態に係る配管固定台座の右側面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】屋根上に横方向に配置される配管を、連結板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図11】屋根上に縦方向に配置される配管を、連結板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図12】屋根上に縦方向に配置される配管を、側部連結板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図13】屋根上に横方向に配置される配管を、後脚板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る配管固定台座1は、図1〜図7に示すように、建物の屋根2上に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又は配管3を、屋根2の下地5上に設置されたスレート瓦(瓦)6上に固定するための台座であって、連結板11、前脚板12、後脚板13、介在板14、引掛部15、及び突出板16を備えている。
【0026】
前脚板12及び後脚板13は、連結板11の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられている。介在板14は、前脚板12の下端部に前方側へ延びるように設けられており、スレート瓦6上に載置される。突出板16は、後脚板13の下端部に後方側へ突出するように設けられており、スレート瓦6上に載置される。
【0027】
引掛部15は、介在板14の前端部近傍に、前方側から後方側に向かって下るように切り起こすことにより、下方側へ突出するように設けられており、スレート瓦6の上端部に引っ掛けられる。なお、引掛部15は、介在板14の前端部近傍に、介在板14の面方向に対して垂直下方にかつ前方側から後方側に向かって又は後方側から前方側に向かって切り起こすこと等により、下方側へ突出するように設けてもよい。
【0028】
連結板11には、配管支持具4を装着するための貫通孔21が設けられている。連結板11の貫通孔21の周囲には、バーリング加工等により、下方側へ突出して周方向に延びかつ内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22が設けられている。
【0029】
配管固定台座1の材質としては、ガルバリウム鋼板(例えば商品名「耐摩カラーGL」)、溶融亜鉛めっき鋼板(例えば商品名「耐摩カラー」)等の塗装鋼板等が挙げられる。配管固定台座1を構成する塗装鋼板等の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.8〜1mm程度に形成することができる。
【0030】
配管3としては、屋根2上に設置される太陽光発電用の太陽電池パネルの配線配管、屋根2上に設置される太陽熱温水器の熱媒体配管等が挙げられる。
【0031】
次に、配管固定台座1の使用方法について説明する。
配管固定台座1の使用に際しては、図3に示すように、屋根2の下地5上に設置された所定位置のスレート瓦6の上端部に引掛部15を引っ掛け、かつ、長さ方向が縦方向(屋根2の傾斜方向。以下同じ。)に沿うようにして、そのスレート瓦6上に配管固定台座1を設置する。上方側のスレート瓦6は、介在板14の上から屋根2の下地5上に設置すればよい。
【0032】
屋根2の下地5の構成は、特に限定されるものではないが、例えば、垂木(図示せず)上に張られた野地板23、及び野地板23上に敷設された防水シート24等で構成することができる。
【0033】
上記のようにして配管固定台座1をスレート瓦6上に設置した状態においては、図4及び図6に示すように、連結板11が前脚板12及び後脚板13により支持されている。そのため、図4〜図7に示すように、連結板11の上方側には、配管支持具4をその向きを適宜に変えて固定することができる。
【0034】
配管支持具4の構成や材質は、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種のものを採用できるが、例えば、図4〜図7のような台部31、支持部32、2つのリップ部33、4つの挿入部34、及び4つの係止部35を備えたプラスチック製のものを採用することができる。
【0035】
台部31は、円柱状に形成されている。支持部32は、弾性力に抗して内方に配管3を挿入できるように、上部が開口した円筒状でかつ正面視形状がC字状に形成されており、台部31の上部に設けられている。支持部32の2つの上端部には、配管3を支持部32の内方にスムーズに挿入するためのリップ部33がそれぞれ外側へ開くように設けられている。挿入部34は、断面形状が四半円状に形成されており、台部31の下部に周方向に互いに間隔を開けて突設されている。係止部35は、挿入部34の下端部に外側へ突出するように設けられている。係止部35の周面下縁部は、面取りされている。
【0036】
上記のように構成された配管支持具4を連結板11の上方側に固定するには、図4に示すように、台部31が連結板11に当接しかつ係止部35が連結板11の突出部22に係止されるように、4つの挿入部34をそれらの弾性力に抗して内方にたわませた状態で連結板11の貫通孔21に挿入することにより、配管支持具4を貫通孔21に装着すればよい。
【0037】
なお、連結板11に貫通孔21を設けない場合には、従来から公知の適宜の配管支持具4を連結板11の上方側にビス等により固定してもよい。
【0038】
ここで、図4及び図5に示すように、支持部32の幅方向が横方向(屋根2の傾斜方向と直交する方向。以下同じ。)に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0039】
一方、図6及び図7に示すように、支持部32の幅方向が縦方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に縦方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0040】
また、図示しないが、支持部32の幅方向が斜め方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に斜め方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0041】
一方、配管支持具4を使用しない場合には、屋根2上に縦方向、横方向、又は斜め方向に配置される配管3と連結板11を、針金や結束バンド等の結束部材で結束すること等により、連結板11の上方側に配管3を直に固定することもできる。
【0042】
以上のように構成された配管固定台座1によれば、スレート瓦6上の適宜の位置に設置できるので、屋根2上に横方向、縦方向、又は斜め方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又は配管3をスレート瓦6上の適宜の位置に固定できるという利点がある。
【0043】
更に、連結板11に貫通孔21を設けておけば、その貫通孔21に配管支持具4を装着できるので、配管支持具4を連結板11に簡単に固定できるという利点がある。加えて、貫通孔21の周囲に、内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22を設けておけば、配管支持具4を貫通孔21に装着した場合のガタつきを防止できるという利点がある。
【0044】
第2実施形態に係る配管固定台座41は、図8〜図13に示すように、第1実施形態と同様の配管支持具4を、屋根2の下地5上に設置された和瓦(瓦)46上に固定するための台座であって、第1実施形態において、前脚板12及び後脚板13が、外側に配管支持具4又は配管3を固定可能であり、前脚板12及び後脚板13を、和瓦46上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、連結板11の面方向に対して後方側に傾斜させると共に、連結板11の右側端部に、下方側へ突出しかつ前脚板12の側端部と後脚板13の側端部を連結するように、外側に配管支持具4又は配管3を固定可能な側部連結板51を設けたものである。
【0045】
介在板14の幅は、図9に示すように、連結板11、前脚板12の下部以外の部分、後脚板13、及び突出板16の幅より大きく形成されている。前脚板12の下部の幅は、図8及び図9に示すように、介在板14の幅と同じ寸法に形成されているが、連結板11、後脚板13、及び突出板16の幅と同じ寸法に形成してもよい。このように、介在板14の幅を連結板11、前脚板12、後脚板13、及び突出板16の少なくともいずれかの幅より大きく形成しておけば、和瓦46等の瓦の上に配管固定台座41をより安定した状態で設置することができる。
【0046】
連結板11と同様、後脚板13や側部連結板51には、配管支持具4を装着するための貫通孔21が設けられている。また、後脚板13の貫通孔21の周囲や側部連結板51の貫通孔21の周囲には、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22がそれぞれ設けられている。
【0047】
なお、側部連結板51は、連結板11の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に、下方側へ突出しかつ前脚板12の側端部と後脚板13の側端部を連結するように設けることができる。また、連結板11からの側部連結板51の突出寸法は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0048】
次に、配管固定台座41の使用方法について説明する。
配管固定台座41の使用に際しては、図10に示すように、屋根2の下地5上に設置された所定位置の和瓦46の谷部46aにおける上端部に引掛部15を引っ掛け、かつ、長さ方向が縦方向に沿うようにして、その和瓦46上に配管固定台座41を設置する。上方側の和瓦46は、介在板14の上から介在板14を押さえ付ける等して屋根2の下地5上に設置すればよい。
【0049】
なお、介在板14は、上方側の和瓦46を無理なく設置できるように、図10のような状態にあらかじめ折曲しておいてもよい。和瓦46の葺き方も、特に限定されるものではないが、例えば、屋根2の下地5上に横方向に固定された瓦桟52に和瓦46の上端部を引っ掛けるようにして設置することができる。配管固定台座41は、所定位置の和瓦46の山部46bにおける上端部に引掛部15を引っ掛けるようにして設置してもよい。瓦は、和瓦46に限定されるものではなく、平瓦、スレート瓦、洋瓦等であってもよい。
【0050】
ここで、図10に示すように、支持部32の幅方向が横方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0051】
一方、図11に示すように、支持部32の幅方向が縦方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に縦方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0052】
同様に、図12に示すように、支持部32の幅方向が縦方向に沿うようにして配管支持具4を側部連結板51の外側に固定すれば、屋根2上に縦方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0053】
また、図13に示すように、支持部32の幅方向が横方向に沿うようにして配管支持具4を後脚板13の外側に固定すれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0054】
なお、介在板14をより長く形成しておき、支持部32の幅方向が横方向に沿うようにして配管支持具4を前脚板12の外側に固定することにより、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持できるようにしてもよい。この場合、連結板11、後脚板13、側部連結板51と同様、前脚板12に貫通孔21や突出部22を設けておき、その貫通孔21に配管支持具4を装着できるようにしてもよい。後脚板13、側部連結板51、前脚板12への配管支持具4の固定位置や貫通孔21及び突出部22の形成位置は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0055】
このように、後脚板13、側部連結板51、前脚板12に貫通孔21を設けておけば、連結板11の場合と同様、その貫通孔21に配管支持具4を装着できるので、配管支持具4を後脚板13、側部連結板51、前脚板12に簡単に固定できるという利点がある。また、後脚板13の貫通孔21の周囲、側部連結板51の貫通孔21の周囲、前脚板12の貫通孔21の周囲に、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22をそれぞれ設けておけば、配管支持具4を貫通孔21に装着した場合のガタつきを防止できるという利点がある。
【0056】
また、図示しないが、第1実施形態と同様、支持部32の幅方向が斜め方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に斜め方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0057】
一方、配管支持具4を使用しない場合には、屋根2上に縦方向、横方向、又は斜め方向に配置される配管3と連結板11を、針金や結束バンド等の結束部材で結束すること等により、連結板11の上方側に配管3を直に固定することもできる。同様に、屋根2上に縦方向に配置される配管3と側部連結板51等を結束部材で結束すること等により、側部連結板51の外側に配管3を直に固定することもできる。また、屋根2上に横方向に配置される配管3と後脚板13又は前脚板12等を結束部材で結束すること等により、後脚板13の外側又は前脚板12の外側に配管3を直に固定することもできる。
【0058】
以上のように、配管固定台座41によれば、和瓦46上の適宜の位置に設置できるので、屋根2上に横方向、縦方向、又は斜め方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又は配管3を和瓦46上の適宜の位置に固定できるという利点がある。
【0059】
更に、前脚板12及び後脚板13が、外側に配管支持具4又は配管3を固定可能であれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又はその配管3を、連結板11の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定できるという利点がある。同様に、連結板11の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に既述の側部連結板51を設けておけば、強度を向上でき、屋根2上に縦方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又はその配管3を、側部連結板51の外側でも固定できると共に、連結板11の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定できるという利点がある。加えて、前脚板12及び後脚板13を、和瓦46上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、連結板11の面方向に対して後方側に傾斜させておけば、当該配管固定台座41を和瓦46上に設置した際に配管3をより安定した状態で固定できるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係る配管固定台座は、建物の屋根上に設置される太陽電池パネルの配線配管、太陽熱温水器の熱媒体配管等の配管を支持可能な配管支持具又は配管を、屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座として有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 配管固定台座
2 屋根
3 配管
4 配管支持具
5 下地
6 スレート瓦(瓦)
11 連結板
12 前脚板
13 後脚板
14 介在板
15 引掛部
16 突出板
21 貫通孔
22 突出部
41 配管固定台座
46 和瓦(瓦)
51 側部連結板
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根上に設置される太陽電池パネルの配線配管、太陽熱温水器の熱媒体配管等の配管を支持可能な配管支持具又は配管を、屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、太陽光のエネルギーを有効に利用するために、太陽光発電用の太陽電池パネルや、太陽熱温水器等を建物の屋根上に設置すること(例えば、特許文献1参照。)が増えてきている。そして、屋根の下地上に設置された瓦上に太陽電池パネルや太陽熱温水器等を設置する場合、それらの配線配管や熱媒体配管等の配管は、太陽電池パネルや太陽熱温水器等を前記瓦上に固定するための固定金具に針金で係止することが多い。
【0003】
一方、屋根上に横方向に配置される配線を係止可能な配線係止部を設けた配線保持具(例えば、特許文献2参照。)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−81765号公報(図1、等)
【特許文献2】特開2005−264640号公報(請求項1、図1〜図4、等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような固定金具に配管を係止する場合には、配管の係止位置が太陽電池パネルや太陽熱温水器等の近傍に限定され、配管を前記瓦上の適宜の位置に係止できないという問題点がある。
【0006】
また、上記のような配線保持具においては、屋根上に横方向に配置される配線を係止できるものの、縦方向に配置される配線を係止できないという問題点がある。
【0007】
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、屋根上に少なくとも横方向や縦方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を前記瓦上の適宜の位置に固定できる配管固定台座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1の発明は、建物の屋根上に配置される配管を支持可能な配管支持具又は前記配管を、前記屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座であって、上方側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な連結板と、前記連結板の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられた前脚板及び後脚板と、前記前脚板の下端部に前方側へ延びるように設けられかつ前記瓦上に載置される介在板と、前記介在板の前端部近傍に下方側へ突出するように設けられかつ前記瓦の上端部に引っ掛けられる引掛部と、前記後脚板の下端部に後方側へ突出するように設けられかつ前記瓦上に載置される突出板、を備えたものである。
【0009】
第2の発明は、前記連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けたものである。
【0010】
第3の発明は、前記貫通孔の周囲に、下方側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けたものである。
【0011】
第4の発明においては、前記前脚板及び前記後脚板が、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能である。
【0012】
第5の発明は、前記前脚板及び前記後脚板を、前記瓦上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、前記連結板の面方向に対して後方側に傾斜させたものである。
【0013】
第6の発明は、前記前脚板と前記後脚板の少なくともいずれか一方に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けたものである。
【0014】
第7の発明は、前記連結板の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に、下方側へ突出しかつ前記前脚板の側端部と前記後脚板の側端部を連結するように、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な側部連結板を設けたものである。
【0015】
第8の発明は、前記側部連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けたものである。
【0016】
第9の発明は、前記貫通孔の周囲に、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けたものである。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、瓦上の適宜の位置に設置できるので、屋根上に横方向、縦方向、又は斜め方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又は配管を瓦上の適宜の位置に固定することができる。
【0018】
第2の発明によれば、連結板の貫通孔に配管支持具を装着できるので、配管支持具を連結板に簡単に固定することができる。
【0019】
第3及び第9の発明によれば、貫通孔の周囲の突出部により、配管支持具を貫通孔に装着した場合のガタつきを防止することができる。
【0020】
第4の発明によれば、屋根上に横方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又はその配管を、連結板の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定することができる。
【0021】
第5の発明によれば、瓦上に設置した際に配管をより安定した状態で固定することができる。
【0022】
第6及び第8の発明によれば、貫通孔に配管支持具を装着できるので、配管支持具を前脚板、後脚板、又は側部連結板に簡単に固定することができる。
【0023】
第7の発明によれば、側部連結板により強度を向上でき、屋根上に縦方向に配置される配管を支持可能な配管支持具又はその配管を、側部連結板の外側でも固定できると共に、連結板の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る配管固定台座の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】配管固定台座の使用状態を示す概略断面図である。
【図4】屋根上に横方向に配置される配管を配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図5】図4の左斜め上方向から見た要部拡大平面図である。
【図6】屋根上に縦方向に配置される配管を配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図7】図6の左斜め上方向から見た要部拡大平面図である。
【図8】第2実施形態に係る配管固定台座の右側面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】屋根上に横方向に配置される配管を、連結板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図11】屋根上に縦方向に配置される配管を、連結板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図12】屋根上に縦方向に配置される配管を、側部連結板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【図13】屋根上に横方向に配置される配管を、後脚板に固定した配管支持具で支持する態様を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る配管固定台座1は、図1〜図7に示すように、建物の屋根2上に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又は配管3を、屋根2の下地5上に設置されたスレート瓦(瓦)6上に固定するための台座であって、連結板11、前脚板12、後脚板13、介在板14、引掛部15、及び突出板16を備えている。
【0026】
前脚板12及び後脚板13は、連結板11の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられている。介在板14は、前脚板12の下端部に前方側へ延びるように設けられており、スレート瓦6上に載置される。突出板16は、後脚板13の下端部に後方側へ突出するように設けられており、スレート瓦6上に載置される。
【0027】
引掛部15は、介在板14の前端部近傍に、前方側から後方側に向かって下るように切り起こすことにより、下方側へ突出するように設けられており、スレート瓦6の上端部に引っ掛けられる。なお、引掛部15は、介在板14の前端部近傍に、介在板14の面方向に対して垂直下方にかつ前方側から後方側に向かって又は後方側から前方側に向かって切り起こすこと等により、下方側へ突出するように設けてもよい。
【0028】
連結板11には、配管支持具4を装着するための貫通孔21が設けられている。連結板11の貫通孔21の周囲には、バーリング加工等により、下方側へ突出して周方向に延びかつ内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22が設けられている。
【0029】
配管固定台座1の材質としては、ガルバリウム鋼板(例えば商品名「耐摩カラーGL」)、溶融亜鉛めっき鋼板(例えば商品名「耐摩カラー」)等の塗装鋼板等が挙げられる。配管固定台座1を構成する塗装鋼板等の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.8〜1mm程度に形成することができる。
【0030】
配管3としては、屋根2上に設置される太陽光発電用の太陽電池パネルの配線配管、屋根2上に設置される太陽熱温水器の熱媒体配管等が挙げられる。
【0031】
次に、配管固定台座1の使用方法について説明する。
配管固定台座1の使用に際しては、図3に示すように、屋根2の下地5上に設置された所定位置のスレート瓦6の上端部に引掛部15を引っ掛け、かつ、長さ方向が縦方向(屋根2の傾斜方向。以下同じ。)に沿うようにして、そのスレート瓦6上に配管固定台座1を設置する。上方側のスレート瓦6は、介在板14の上から屋根2の下地5上に設置すればよい。
【0032】
屋根2の下地5の構成は、特に限定されるものではないが、例えば、垂木(図示せず)上に張られた野地板23、及び野地板23上に敷設された防水シート24等で構成することができる。
【0033】
上記のようにして配管固定台座1をスレート瓦6上に設置した状態においては、図4及び図6に示すように、連結板11が前脚板12及び後脚板13により支持されている。そのため、図4〜図7に示すように、連結板11の上方側には、配管支持具4をその向きを適宜に変えて固定することができる。
【0034】
配管支持具4の構成や材質は、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種のものを採用できるが、例えば、図4〜図7のような台部31、支持部32、2つのリップ部33、4つの挿入部34、及び4つの係止部35を備えたプラスチック製のものを採用することができる。
【0035】
台部31は、円柱状に形成されている。支持部32は、弾性力に抗して内方に配管3を挿入できるように、上部が開口した円筒状でかつ正面視形状がC字状に形成されており、台部31の上部に設けられている。支持部32の2つの上端部には、配管3を支持部32の内方にスムーズに挿入するためのリップ部33がそれぞれ外側へ開くように設けられている。挿入部34は、断面形状が四半円状に形成されており、台部31の下部に周方向に互いに間隔を開けて突設されている。係止部35は、挿入部34の下端部に外側へ突出するように設けられている。係止部35の周面下縁部は、面取りされている。
【0036】
上記のように構成された配管支持具4を連結板11の上方側に固定するには、図4に示すように、台部31が連結板11に当接しかつ係止部35が連結板11の突出部22に係止されるように、4つの挿入部34をそれらの弾性力に抗して内方にたわませた状態で連結板11の貫通孔21に挿入することにより、配管支持具4を貫通孔21に装着すればよい。
【0037】
なお、連結板11に貫通孔21を設けない場合には、従来から公知の適宜の配管支持具4を連結板11の上方側にビス等により固定してもよい。
【0038】
ここで、図4及び図5に示すように、支持部32の幅方向が横方向(屋根2の傾斜方向と直交する方向。以下同じ。)に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0039】
一方、図6及び図7に示すように、支持部32の幅方向が縦方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に縦方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0040】
また、図示しないが、支持部32の幅方向が斜め方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に斜め方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0041】
一方、配管支持具4を使用しない場合には、屋根2上に縦方向、横方向、又は斜め方向に配置される配管3と連結板11を、針金や結束バンド等の結束部材で結束すること等により、連結板11の上方側に配管3を直に固定することもできる。
【0042】
以上のように構成された配管固定台座1によれば、スレート瓦6上の適宜の位置に設置できるので、屋根2上に横方向、縦方向、又は斜め方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又は配管3をスレート瓦6上の適宜の位置に固定できるという利点がある。
【0043】
更に、連結板11に貫通孔21を設けておけば、その貫通孔21に配管支持具4を装着できるので、配管支持具4を連結板11に簡単に固定できるという利点がある。加えて、貫通孔21の周囲に、内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22を設けておけば、配管支持具4を貫通孔21に装着した場合のガタつきを防止できるという利点がある。
【0044】
第2実施形態に係る配管固定台座41は、図8〜図13に示すように、第1実施形態と同様の配管支持具4を、屋根2の下地5上に設置された和瓦(瓦)46上に固定するための台座であって、第1実施形態において、前脚板12及び後脚板13が、外側に配管支持具4又は配管3を固定可能であり、前脚板12及び後脚板13を、和瓦46上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、連結板11の面方向に対して後方側に傾斜させると共に、連結板11の右側端部に、下方側へ突出しかつ前脚板12の側端部と後脚板13の側端部を連結するように、外側に配管支持具4又は配管3を固定可能な側部連結板51を設けたものである。
【0045】
介在板14の幅は、図9に示すように、連結板11、前脚板12の下部以外の部分、後脚板13、及び突出板16の幅より大きく形成されている。前脚板12の下部の幅は、図8及び図9に示すように、介在板14の幅と同じ寸法に形成されているが、連結板11、後脚板13、及び突出板16の幅と同じ寸法に形成してもよい。このように、介在板14の幅を連結板11、前脚板12、後脚板13、及び突出板16の少なくともいずれかの幅より大きく形成しておけば、和瓦46等の瓦の上に配管固定台座41をより安定した状態で設置することができる。
【0046】
連結板11と同様、後脚板13や側部連結板51には、配管支持具4を装着するための貫通孔21が設けられている。また、後脚板13の貫通孔21の周囲や側部連結板51の貫通孔21の周囲には、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22がそれぞれ設けられている。
【0047】
なお、側部連結板51は、連結板11の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に、下方側へ突出しかつ前脚板12の側端部と後脚板13の側端部を連結するように設けることができる。また、連結板11からの側部連結板51の突出寸法は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0048】
次に、配管固定台座41の使用方法について説明する。
配管固定台座41の使用に際しては、図10に示すように、屋根2の下地5上に設置された所定位置の和瓦46の谷部46aにおける上端部に引掛部15を引っ掛け、かつ、長さ方向が縦方向に沿うようにして、その和瓦46上に配管固定台座41を設置する。上方側の和瓦46は、介在板14の上から介在板14を押さえ付ける等して屋根2の下地5上に設置すればよい。
【0049】
なお、介在板14は、上方側の和瓦46を無理なく設置できるように、図10のような状態にあらかじめ折曲しておいてもよい。和瓦46の葺き方も、特に限定されるものではないが、例えば、屋根2の下地5上に横方向に固定された瓦桟52に和瓦46の上端部を引っ掛けるようにして設置することができる。配管固定台座41は、所定位置の和瓦46の山部46bにおける上端部に引掛部15を引っ掛けるようにして設置してもよい。瓦は、和瓦46に限定されるものではなく、平瓦、スレート瓦、洋瓦等であってもよい。
【0050】
ここで、図10に示すように、支持部32の幅方向が横方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0051】
一方、図11に示すように、支持部32の幅方向が縦方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に縦方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0052】
同様に、図12に示すように、支持部32の幅方向が縦方向に沿うようにして配管支持具4を側部連結板51の外側に固定すれば、屋根2上に縦方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0053】
また、図13に示すように、支持部32の幅方向が横方向に沿うようにして配管支持具4を後脚板13の外側に固定すれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0054】
なお、介在板14をより長く形成しておき、支持部32の幅方向が横方向に沿うようにして配管支持具4を前脚板12の外側に固定することにより、屋根2上に横方向に配置される配管3を配管支持具4で支持できるようにしてもよい。この場合、連結板11、後脚板13、側部連結板51と同様、前脚板12に貫通孔21や突出部22を設けておき、その貫通孔21に配管支持具4を装着できるようにしてもよい。後脚板13、側部連結板51、前脚板12への配管支持具4の固定位置や貫通孔21及び突出部22の形成位置は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0055】
このように、後脚板13、側部連結板51、前脚板12に貫通孔21を設けておけば、連結板11の場合と同様、その貫通孔21に配管支持具4を装着できるので、配管支持具4を後脚板13、側部連結板51、前脚板12に簡単に固定できるという利点がある。また、後脚板13の貫通孔21の周囲、側部連結板51の貫通孔21の周囲、前脚板12の貫通孔21の周囲に、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に配管支持具4を嵌入可能な突出部22をそれぞれ設けておけば、配管支持具4を貫通孔21に装着した場合のガタつきを防止できるという利点がある。
【0056】
また、図示しないが、第1実施形態と同様、支持部32の幅方向が斜め方向に沿うようにして配管支持具4を連結板11の上方側に固定すれば、屋根2上に斜め方向に配置される配管3を配管支持具4で支持することができる。
【0057】
一方、配管支持具4を使用しない場合には、屋根2上に縦方向、横方向、又は斜め方向に配置される配管3と連結板11を、針金や結束バンド等の結束部材で結束すること等により、連結板11の上方側に配管3を直に固定することもできる。同様に、屋根2上に縦方向に配置される配管3と側部連結板51等を結束部材で結束すること等により、側部連結板51の外側に配管3を直に固定することもできる。また、屋根2上に横方向に配置される配管3と後脚板13又は前脚板12等を結束部材で結束すること等により、後脚板13の外側又は前脚板12の外側に配管3を直に固定することもできる。
【0058】
以上のように、配管固定台座41によれば、和瓦46上の適宜の位置に設置できるので、屋根2上に横方向、縦方向、又は斜め方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又は配管3を和瓦46上の適宜の位置に固定できるという利点がある。
【0059】
更に、前脚板12及び後脚板13が、外側に配管支持具4又は配管3を固定可能であれば、屋根2上に横方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又はその配管3を、連結板11の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定できるという利点がある。同様に、連結板11の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に既述の側部連結板51を設けておけば、強度を向上でき、屋根2上に縦方向に配置される配管3を支持可能な配管支持具4又はその配管3を、側部連結板51の外側でも固定できると共に、連結板11の上方側に固定する場合よりも低い位置で固定できるという利点がある。加えて、前脚板12及び後脚板13を、和瓦46上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、連結板11の面方向に対して後方側に傾斜させておけば、当該配管固定台座41を和瓦46上に設置した際に配管3をより安定した状態で固定できるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係る配管固定台座は、建物の屋根上に設置される太陽電池パネルの配線配管、太陽熱温水器の熱媒体配管等の配管を支持可能な配管支持具又は配管を、屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座として有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 配管固定台座
2 屋根
3 配管
4 配管支持具
5 下地
6 スレート瓦(瓦)
11 連結板
12 前脚板
13 後脚板
14 介在板
15 引掛部
16 突出板
21 貫通孔
22 突出部
41 配管固定台座
46 和瓦(瓦)
51 側部連結板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋根上に配置される配管を支持可能な配管支持具又は前記配管を、前記屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座であって、
上方側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な連結板と、
前記連結板の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられた前脚板及び後脚板と、
前記前脚板の下端部に前方側へ延びるように設けられかつ前記瓦上に載置される介在板と、
前記介在板の前端部近傍に下方側へ突出するように設けられかつ前記瓦の上端部に引っ掛けられる引掛部と、
前記後脚板の下端部に後方側へ突出するように設けられかつ前記瓦上に載置される突出板、
を備えたことを特徴とする配管固定台座。
【請求項2】
前記連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けた請求項1に記載の配管固定台座。
【請求項3】
前記貫通孔の周囲に、下方側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けた請求項2に記載の配管固定台座。
【請求項4】
前記前脚板及び前記後脚板が、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能である請求項1から3のいずれかに記載の配管固定台座。
【請求項5】
前記前脚板及び前記後脚板を、前記瓦上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、前記連結板の面方向に対して後方側に傾斜させた請求項4に記載の配管固定台座。
【請求項6】
前記前脚板と前記後脚板の少なくともいずれか一方に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けた請求項4又は5に記載の配管固定台座。
【請求項7】
前記連結板の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に、下方側へ突出しかつ前記前脚板の側端部と前記後脚板の側端部を連結するように、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な側部連結板を設けた請求項4から6のいずれかに記載の配管固定台座。
【請求項8】
前記側部連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けた請求項7に記載の配管固定台座。
【請求項9】
前記貫通孔の周囲に、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けた請求項6又は8に記載の配管固定台座。
【請求項1】
建物の屋根上に配置される配管を支持可能な配管支持具又は前記配管を、前記屋根の下地上に設置された瓦上に固定するための台座であって、
上方側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な連結板と、
前記連結板の前端部及び後端部にそれぞれ下方側へ突出するように設けられた前脚板及び後脚板と、
前記前脚板の下端部に前方側へ延びるように設けられかつ前記瓦上に載置される介在板と、
前記介在板の前端部近傍に下方側へ突出するように設けられかつ前記瓦の上端部に引っ掛けられる引掛部と、
前記後脚板の下端部に後方側へ突出するように設けられかつ前記瓦上に載置される突出板、
を備えたことを特徴とする配管固定台座。
【請求項2】
前記連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けた請求項1に記載の配管固定台座。
【請求項3】
前記貫通孔の周囲に、下方側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けた請求項2に記載の配管固定台座。
【請求項4】
前記前脚板及び前記後脚板が、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能である請求項1から3のいずれかに記載の配管固定台座。
【請求項5】
前記前脚板及び前記後脚板を、前記瓦上に設置された状態で面方向が鉛直方向に対して略平行となるように、前記連結板の面方向に対して後方側に傾斜させた請求項4に記載の配管固定台座。
【請求項6】
前記前脚板と前記後脚板の少なくともいずれか一方に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けた請求項4又は5に記載の配管固定台座。
【請求項7】
前記連結板の右側端部と左側端部の少なくともいずれか一方に、下方側へ突出しかつ前記前脚板の側端部と前記後脚板の側端部を連結するように、外側に前記配管支持具又は前記配管を固定可能な側部連結板を設けた請求項4から6のいずれかに記載の配管固定台座。
【請求項8】
前記側部連結板に、前記配管支持具を装着するための貫通孔を設けた請求項7に記載の配管固定台座。
【請求項9】
前記貫通孔の周囲に、内側へ突出して周方向に延びかつ内方に前記配管支持具を嵌入可能な突出部を設けた請求項6又は8に記載の配管固定台座。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−241870(P2012−241870A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115330(P2011−115330)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【特許番号】特許第4878402号(P4878402)
【特許公報発行日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(501314396)古河樹脂加工株式会社 (26)
【出願人】(510314264)株式会社フォトボルテック (2)
【出願人】(594188906)平田工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【特許番号】特許第4878402号(P4878402)
【特許公報発行日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(501314396)古河樹脂加工株式会社 (26)
【出願人】(510314264)株式会社フォトボルテック (2)
【出願人】(594188906)平田工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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