説明

配管構造

【課題】ヒートポンプの施工に用いられる配管構造において、様々なヒートポンプの配列に柔軟に対応し、かつ施工の容易とする。
【解決手段】T字状に形成された管体11と、管体11の端部に装着されたワンタッチ継手12,13を有する複数の配管モジュール10を互いに連結させて配管構造を構成する。配管モジュール10は、熱源機連結用管110においてヒートポンプ60の低温用配管61及び高温用配管62と連結される。また、ワンタッチ継手12,13を介して第1管111同士が連結されて各配管モジュールが互いに連結される。ヒートポンプの配列に応じて予め準備された配管モジュール10等を用いて、配管の施工が容易になされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のヒートポンプ等の熱源機を相互に接続する配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のヒートポンプを熱源機として使用する給湯システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような給湯システムにおいては、システムが必要とする熱量や熱源機を設置する場所に応じて、ヒートポンプは最適な配列で設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−267708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のヒートポンプを相互に接続することを前提としていない従来の配管構造にあっては、設置現場でヒートポンプの配列に応じて配管を現物合わせ等により施工していたため、その作業が煩雑となり作業者に負担を強いていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、様々なヒートポンプの配列に柔軟に対応し、かつ施工の容易な配管構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために発明の配管構造は、水平方向及び/又は鉛直方向に配列された複数の熱源機から延出された配管を相互に連結させる配管構造において、所定の形状に形成された管体と、この管体の端部に装着された継手を有する複数の配管モジュールを互いに連結させて構成されることを特徴とする。
【0007】
この発明において、前記継手は、ワンタッチ継手であることが好ましい。
【0008】
この発明において、前記継手は、止水機能を有することが好ましい。
【0009】
この発明において、前記管体は、熱源機から延出された配管に連結される熱源機連結用管と、この熱源機連結用管に連通され、水平方向又は鉛直方向のうちいずれかの第1方向に配設される第1管とを有し、前記第1管の端部に装着された継手同士を相互に結合させることにより、前記配管モジュールが水平方向に互いに連結されることが好ましい。
【0010】
この発明において、前記熱源機連結用管は、前記第1方向に対して垂直な第2方向に配設される第2管を介して前記第1管に連通され、前記第1管は、熱源機の上方又は下方にずれた位置に配設されることが好ましい。
【0011】
この発明において、前記管体は、前記熱源機連結用管に連通され、前記第1方向に対して平行な第3方向に配設される第3管とを有し、前記第3管の端部に装着された継手同士を相互に結合させることにより、前記配管モジュールが鉛直方向に互いに連結されることが好ましい。
【0012】
この発明において、前記第1管又は第3管は、バッファタンクを兼用することが好ましい。
【0013】
この発明において、前記第1管は、熱源機の左右又は前後の側方に配設されたバッファタンクに連結されることが好ましい。
【0014】
この発明において、前記第3管は、最上段に位置する熱源機の上方又は最下段に位置する熱源機の下方に配設されたバッファタンクに連結されることが好ましい。
【0015】
この発明において、前記熱源機から延出された配管、熱源機連結用管、第1管、第2管及び第3管は、それぞれ一対設けられ、一方の管によって低温の液体又は気体が前記熱源機に流入され、他方の管によって高温の液体又は気体が前記熱源機から流出されることが好ましい。
【0016】
この発明において、前記配管モジュールは、前記管体の周囲に断熱材を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の配管構造によれば、複数の配管モジュールを互いに連結させることにより、複数の熱源機から延出された配管を相互に連結させることができるので、様々な熱源機の配列に柔軟に対応し、かつその配管の施工を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る配管構造を備えた給湯システムの構成を示す図。
【図2】同配管構造の構成を示す斜視図。
【図3】同分解斜視図。
【図4】同配管構造の変形例の構成を示す斜視図。
【図5】同分解斜視図。
【図6】同配管構造に使用される配管モジュールの側面図。
【図7】同配管構造の別な変形例の構成を示す斜視図。
【図8】同分解斜視図。
【図9】同変形例の配管構造に使用される配管モジュールの側面図。
【図10】同配管構造のさらに別な変形例の構成を示す斜視図。
【図11】同分解斜視図。
【図12】(a)は同変形例の配管構造に使用される配管モジュールの正面図、(b)はその側面図。
【図13】(a)は同変形例の配管構造に使用される別の配管モジュールの正面図、(b)はその側面図。
【図14】(a)は同変形例の配管構造に使用されるさらに別の配管モジュールの正面図、(b)はその側面図。
【図15】(a)は同変形例の配管構造に使用されるさらに別の配管モジュールの正面図、(b)はその側面図。
【図16】同配管構造のさらに別な変形例の構成を示す斜視図。
【図17】同配管構造のさらに別な変形例の構成を示す斜視図。
【図18】同配管構造のさらに別な変形例の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る配管構造を備えた給湯システムについて、図面を参照して説明する。図1は給湯システムの構成を示す。給湯システムは、湯水を加熱する熱源機1と、熱源機1によって加熱された湯水を貯える貯湯タンク2と貯湯タンク2に給水する給水配管4と、沸し上げられた湯を通す高温出湯配管5とを備える。貯湯タンク2と熱源機1とは、送り配管6及び戻り配管7を介して接続されている。
【0020】
熱源機1としては、例えばヒートポンプが用いられる。本実施形態においては、水平方向及び鉛直方向に配列された複数のヒートポンプ60が適用される。水平方向のみに配列された複数のヒートポンプ60を用いてもよいし、鉛直方向のみに配列された複数のヒートポンプ60を用いてもよい。各ヒートポンプ60は、並列に接続される。
【0021】
給水配管4は、貯湯タンク2の底部に接続され、貯湯タンク2にその底部から給水する。
高温出湯配管5の上流端は貯湯タンク2上部に接続され、その下流端は湯を出湯するカランなどの高温用の出湯端末に接続されている。また、高温出湯配管5から高温分岐配管9aが、給水配管4から給水分岐配管9bが、それぞれ分岐されて混合弁9cに接続される。混合弁9cは、高温分岐配管9aから供給される湯と給水分岐配管9bから供給される水を混合して、カランなどの中温用の出湯端末に所望の温度の湯を供給する。なお、必要に応じて温出湯配管5から分岐され貯湯タンク2の側部に接続される即湯分岐配管(図示せず)を適宜設けるように構成してもよい。
【0022】
図2及び図3は、水平方向に配列された複数のヒートポンプ60を相互に連結させるための配管構造を示す。各ヒートポンプ60には、低温の湯水をヒートポンプ60内に流入させるための低温用配管61と、ヒートポンプ60によって沸し上げられた高温の湯を流出させるための高温用配管62が延出されている。本発明の配管構造は、複数の配管モジュール10を互いに連結させることにより構成される。各配管モジュール10は一対として用いられ、対の一方が低温用配管61と他方が高温用配管62とそれぞれ連結される。また、低温用配管61と連結される配管モジュール10は、送り配管6と連結され、高温用配管62と連結される配管モジュール10は、戻り配管7と連結される。
【0023】
配管モジュール10は、T字状に形成された管体11と、管体11の端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有する。本実施形態において、管体11の材料としては、銅管が用いられるが、これに限定されることなくその他の金属又は非金属の管材を用いてもよい。管体11は、ヒートポンプ60から延出された低温用配管61又は高温用配管62と連結される熱源機連結用管110と、熱源機連結用管110に連通され、水平方向に配設される第1管111とを有する。熱源機連結用管110と第1管111とは、内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。管体11及びワンタッチ継手13の周囲には、必要に応じて断熱材(保温材)が巻回される。断熱材によって管体11等及びその内部を流れる湯が保温され、温度低下を抑制できる。また、配管モジュール10の外周に予め断熱材を設けることにより、配管構造の施工が容易に行える。
【0024】
熱源機連結用管110の先端には、雌のワンタッチ継手13が装着され、低温用配管61又は高温用配管62の先端に装着されている雄のワンタッチ継手と結合される。また、第1管111の両端には、雄又は雌のワンタッチ継手12,13が装着され、送り配管6、戻り配管7又は、別の配管モジュール10の先端に装着されている雌又は雄のワンタッチ継手13,12と結合される。第1管111の長さは、ヒートポンプ60の外形寸法に応じて設定される。図3に示すように、異なる長さの第1管111を有する複数種類の配管モジュール10を準備しておくことが望ましい。
【0025】
ワンタッチ継手12,13は、施工が容易とされるワンタッチタイプの継手であり、特に雌のワンタッチ継手13は、止水機能を具備するように構成されている。雄又は雌ワンタッチ継手12,13は、相互に入れ替えて装着されていてもよい。この場合、雄のワンタッチ継手12に止水機能が設けられる。配管構造の末端に位置されるワンタッチ継手12,13にあっては、施工後その止水機能が有効とされ、湯水の流出が防止される。止水機能を具備しないワンタッチ継手12,13を適用することも可能であるが、この場合、配管構造の末端には止水弁等が別途装着される。なお、止水機能を具備するワンタッチ継手に関しては、例えば特開2004−293096号公報にその構造が開示されているので、説明を省略する。
【0026】
以上のように、本実施形態の配管構造によれば、複数の配管モジュール10を互いに連結させることにより、水平方向に配列された複数のヒートポンプ60から延出された低温用配管61又は高温用配管62を相互に連結させることができる。これにより、水平方向のヒートポンプ60の配列に柔軟に対応し、かつその配管の施工を容易とすることができる。
【0027】
また、各配管モジュール10の連結にワンタッチ継手12,13が用いられているので、施工作業を一層容易とすることができる。また、配管構造の末端に位置されるワンタッチ継手13の止水機能を有効とすることにより、容易に湯水の流出を防止できる。また、水平方向に配設される第1管111の端部に装着されたワンタッチ継手12,13を相互に結合させることにより、配管モジュール10が水平方向に互いに連結されるので、水平方向に配列されたヒートポンプ60の配管を容易に行うことができる。また、配管モジュール10が熱源機連結用管110と第1管111等による簡素な形状であることから、輸送や施工時などにおいて取り扱いが容易になる。
【0028】
(変形例)
図4乃至図6は、本実施形態に係る配管構造の変形例を示す。この配管構造は、複数の配管モジュール20a又は複数の配管モジュール20bをそれぞれ互いに連結させることにより構成され、水平方向に配列された複数のヒートポンプ60を相互に連結させるために用いられる。ヒートポンプ60の台数に応じて、配管モジュール20a,20bは適宜追加される。
【0029】
配管モジュール20aは、管体21aと、管体21aの端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有し、低温用配管61及び送り配管6に連結される。配管モジュール20bは、管体21bと、管体21bの端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有し、高温用配管62及び戻り配管7に連結される。管体21a,21bは、管体11と同等の材料にて形成される。管体21a,21b及びワンタッチ継手13の周囲には、必要に応じて断熱材(保温材)が巻回される。
【0030】
管体21aは、ヒートポンプ60から延出された低温用配管61と連結される熱源機連結用管210aと、水平方向に配設される第1管211aと、鉛直方向に配設される第2管212aを有する。第2管212aは、熱源機連結用管210aと第1管211aとの間に配設され、一端が熱源機連結用管210aに、他端が第1管211aに連通されている。一本の管材を曲げることにより、熱源機連結用管210a及び第2管212aが一体的に形成される。第2管212aと第1管211aとは、内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。
【0031】
管体21bは、ヒートポンプ60から延出された高温用配管62と連結される熱源機連結用管210bと、水平方向に配設される第1管211bと、鉛直方向に配設される第2管212bを有する。第2管212bは、熱源機連結用管210bと第1管211bとの間に配設され、一端が熱源機連結用管210bに、他端が第1管211bに連通されている。一本の管材を曲げることにより、熱源機連結用管210b及び第2管212bが一体的に形成される。第2管212bと第1管211bとは、内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。
【0032】
本実施形態において、高温用配管62は、低温用配管61の上方から延出されている。従って、低温用配管61に接続される配管モジュール20aの第1管211aと高温用配管62に接続される配管モジュール20bの第1管211bの高さを揃えるために、第2管212a,212bの長さが調整されている。すなわち、配管モジュール20bの第2管212bの長さH2を配管モジュール20aの第2管212aの長さH1よりも大きく設定している。(図6中、H2>H1)。また、低温用配管61に接続される配管モジュール20aの第1管211aをヒートポンプ60に近づけて配置するために、熱源機連結用管210a,210bの長さが調整されている。すなわち、配管モジュール20aの熱源機連結用管210aの長さL1を配管モジュール20bの熱源機連結用管210bの長さL2よりも小さく設定している。(図6中、L1<L2)。このように、異なる長さの熱源機連結用管210a,b及び第2管212a,212bを有する複数種類の配管モジュール20a,20bを準備しておくことにより、第1管211a,211bを所望の位置に配設することができる。なお、管体21a,21bの端部に装着される雄又は雌のワンタッチ継手12,13については、配管モジュール10と同様であるので、その説明を省略する。また、図5に示すように、異なる長さの第1管211a,211bを有する複数種類の配管モジュール20a,20bを準備しておくことが望ましい。
【0033】
本変形例の配管構造によれば、熱源機連結用管210a,210bが鉛直方向に配設される第2管212a,212bを介して第1管211a,211bに連通される。そして、第1管211a,211bは、ヒートポンプ60の高温用配管62及び低温用配管61より下方にずれた位置に配設される。これにより、ヒートポンプ60の正面側又は背面側に、メンテナンスの際に必要な空間を確保することができる。
【0034】
(変形例)
図7乃至図9は、本実施形態に係る配管構造の別の変形例を示す。この配管構造は、第1管211a,bをヒートポンプ60の高温用配管62及び低温用配管61より上方にずれた位置に配設させた点において、図4乃至図6に示した変形例とは異なる。すなわち、高温用配管62に接続される配管モジュール20aの第2管212aを低温用配管61に接続される配管モジュール20bの第2管212bよりも短く設定している。(図9中、H1<H2)。また、低温用配管61に接続される配管モジュール20bの熱源機連結用管210bを高温用配管62に接続される配管モジュール20aの熱源機連結用管210aよりも長く設定している。(図9中、L2>L1)。
【0035】
本変形例の配管構造によれば、熱源機連結用管210a,210bが鉛直方向に配設される第2管212a,bを介して第1管211a,211bに連通される。そして、第1管211a,211bは、ヒートポンプ60の高温用配管62及び低温用配管61の上方にずれた位置に配設される。これにより、ヒートポンプ60の正面側又は背面側に、メンテナンスの際に必要な空間を確保することができる。
【0036】
(変形例)
図10及び図11は、本実施形態に係る配管構造のさらに別の変形例を示す。この配管構造は、配管モジュール30aと配管モジュール35aを、また配管モジュール30bと配管モジュール35bを、それぞれ互いに連結させることにより構成され、鉛直方向に配列された複数のヒートポンプ60を相互に連結させるために用いられる。ヒートポンプ60の台数に応じて、配管モジュール35a,35bは適宜追加される。
【0037】
図12は、配管モジュール30aの構成を示す。配管モジュール30aは、管体31aと、管体31aの端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有し、最下段(第1段)に配列されたヒートポンプ60の低温用配管61及び送り配管6に連結される。
【0038】
管体31aは、ヒートポンプ60から延出された低温用配管61と連結される熱源機連結用管310aと、水平方向に配設され、送り配管6と連結される第1管311aと、鉛直方向に配設される第3管313aを有する。熱源機連結用管310aと第3管313a及び第1管311aと第3管313aとは、それぞれ内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。また、第3管313aは、熱源機連結用管310aとの接合部分よりも上方に延出され、その先端には、配管モジュール35aを連結させるための雌のワンタッチ継手13が装着される。なお、管体31a及びワンタッチ継手13の周囲には、必要に応じて断熱材が巻回される。
【0039】
図13は、配管モジュール30bの構成を示す。配管モジュール30bは、管体31bと、管体31bの端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有し、最下段に配列されたヒートポンプ60の高温用配管62及び戻り配管7に連結される。管体31a,31bは、管体11と同等の材料にて形成される。
【0040】
管体31bは、ヒートポンプ60から延出された高温用配管62と連結される熱源機連結用管310bと、水平方向に配設され、戻り配管7と連結される第1管311bと、鉛直方向に配設される第3管313bを有する。熱源機連結用管310bは、第3管313aと第3管313bとの干渉を回避するために、クランク状に曲げられている。熱源機連結用管310bと第3管313b及び第1管311bと第3管313bとは、それぞれ内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。また、第3管313bは、熱源機連結用管310bとの接合部分よりも上方に延出され、その先端には、配管モジュール35bを連結させるための雌のワンタッチ継手13が装着される。なお、管体31b及びワンタッチ継手13の周囲には、必要に応じて断熱材が巻回される。
【0041】
図14は、配管モジュール35aの構成を示す。配管モジュール35aは、管体36aと、管体36aの端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有し、第2段より上段に配列されたヒートポンプ60の低温用配管61に連結される。
【0042】
管体36aは、ヒートポンプ60から延出された低温用配管61と連結される熱源機連結用管360aと、鉛直方向に配設される第3管363aを有する。熱源機連結用管360aと第3管363aとは、それぞれ内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。また、第3管363aは、熱源機連結用管360aとの接合部分よりも上方に延出され、その一端には管体31aを連結させるための雄のワンタッチ継手12が、他端にはさらに別の管体31aを連結させるための雌のワンタッチ継手13がそれぞれ装着される。なお、管体36a及びワンタッチ継手13の周囲には、必要に応じて断熱材が巻回される。
【0043】
図15は、配管モジュール35bの構成を示す。配管モジュール35bは、管体36bと、管体36bの端部に装着された雄又は雌のワンタッチ継手12,13を有し、第2段より上段に配列されたヒートポンプ60の高温用配管62に連結される。管体36a,36bは、管体11と同等の材料にて形成される。
【0044】
管体36bは、ヒートポンプ60から延出された高温用配管62と連結される熱源機連結用管360bと、鉛直方向に配設される第3管363bを有する。熱源機連結用管360bは、熱源機連結用管310bと同様に、クランク状に曲げられている。熱源機連結用管360bと第3管363bとは、それぞれ内部において連通可能なように、溶接等によって接合される。また、第3管363bは、熱源機連結用管360bとの接合部分よりも上方に延出され、その一端には管体31bを連結させるための雄のワンタッチ継手12が、他端にはさらに別の管体31bを連結させるための雌のワンタッチ継手13がそれぞれ装着される。なお、管体36b及びワンタッチ継手13の周囲には、必要に応じて断熱材が巻回される。
【0045】
本変形例の配管構造によれば、配管モジュール30a,30b及び配管モジュール35a,35bを互いに連結させることにより、鉛直方向に配列された複数のヒートポンプ60から延出された低温用配管61又は高温用配管62を相互に連結させることができる。これにより、鉛直方向のヒートポンプ60の配列に柔軟に対応し、かつその配管の施工を容易とすることができる。
【0046】
(変形例)
図16は、本実施形態に係る配管構造のさらに別の変形例を示す。この配管構造は、複数の配管モジュール30a,35a,30b,35bを、それぞれ互いに連結させることにより構成され、水平方向及び鉛直方向に配列された複数のヒートポンプ60を相互に連結させるために用いられる。ヒートポンプ60の台数に応じて、配管モジュール35a,35bは適宜追加される。例えば、図1に示すように、水平方向に3台ずつ、さらに鉛直方向に3台ずつ(合計9台)のヒートポンプ60を配列する場合は、3対の配管モジュール30a,30bと、6対の配管モジュール35a,35bが使用される。
【0047】
配管モジュール30a同士及び配管モジュール30b同士の連結にあたっては、必要に応じて延長用の接続管38が用いられる。接続管38の周囲にも、必要に応じて断熱材が巻回される。配管モジュール30a,30bの第1管311a,311bの長さがヒートポンプ60の寸法に対応している場合は、接続管38は不要である。また、配管モジュール35a,35bの第3管363a,363bの長さがヒートポンプ60の寸法に対して不足している場合には、接続管38を用いて第3管363a,363bを延長してもよい。接続管38の径は、第1管311a,311b及び第3管363a,363bよりも大きく設定されていてもよい。この場合、接続管38の内容積を大きくできるので、接続管38を熱源機1のバッファタンクとして有効に機能させることができる。
【0048】
本変形例の配管構造によれば、配管モジュール30a,30b,35a,35bを適宜連結させることにより、水平方向及び鉛直方向に配列された複数のヒートポンプ60から延出された配管を相互に連結させることができる。これにより、様々なヒートポンプ60の配列に柔軟に対応し、かつその配管の施工を容易とすることができる。また、接続管38が熱源機1のバッファタンクを兼用するので、熱源機1内の湯温の急激な変動を抑制できる。
【0049】
(変形例)
図17は、本実施形態に係る配管構造のさらに別の変形例を示す。この配管構造は、図2における互いに接続される配管モジュール10の間に小型のバッファタンク39を有する。バッファタンク39には、配管モジュール10のワンタッチ継手12,13に対応するワンタッチ継手(図示せず)が装着されている。なお、バッファタンク39の配置は、ヒートポンプ60の側方(図17に示すように背面側の他、正面側又は左右側面側)若しくはヒートポンプ60の上方又は下方であってもよい。
【0050】
本変形例の配管構造によれば、バッファタンク39によって、湯温の変動を抑制する効果をさらに高めることができる。また、ヒートポンプ60の側方等にバッファタンク39を配置できるので、限られたスペースの中に相当容量のバッファタンク39を容易に組み込むことが可能となる。
【0051】
(変形例)
図18は、本実施形態に係る配管構造のさらに別の変形例を示す。この配管構造は、図16に示した変形例の構成に加えて、最上段のヒートポンプ60の上方に、小型のバッファタンク39を有する。バッファタンク39は、接続管40を介して最上段に位置する配管モジュール35a,35bの第3管363a,363bと連結される。バッファタンク39、接続管40及び配管モジュール35a,35bの接続は、ワンタッチ継手12,13を用いてなされる。なお、バッファタンク39の配置は、最下段のヒートポンプ60の下方であってもよい。また、鉛直方向に配列されたヒートポンプ60の間にバッファタンク39が挿入される配置であってもよい。
【0052】
本変形例の配管構造によれば、バッファタンク39によって、湯温の変動を抑制する効果をさらに高めることができる。また、ヒートポンプ60の上方又は下方にバッファタンク39を配置できるので、熱源機1の設置面積(フットプリント)を増やすことなく、限られたスペースの中に相当容量のバッファタンク39を容易に組み込むことが可能となる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも所定の形状に形成された管体と、管体の端部に装着された継手を有する複数の配管モジュールを互いに連結させることにより構成されていればよい。
【0054】
また、本発明は種々の変形が可能であり、例えば、ヒートポンプ60以外の熱源機(例えばガス給湯器等)を水平方向及び/又は鉛直方向に配列する構成にも適用が可能である。また、ヒートポンプ60とガス給湯器を組み合わせて配列する構成にも適用可能である。また、配管モジュール内を流れる流体は、液体に限られることなく、気体であってもよい。
【0055】
また、ヒートポンプ60から延出される低温用配管61及び高温用配管62の取り回しを適宜変更することにより、第1管111、第2管212a及び第3管313a等の配置を変更できる。例えば、直線状の低温用配管61及び高温用配管62を用いることにより、第1配管をヒートポンプ60の左右側方に位置させて、前後方向にヒートポンプ60を配列することも可能となる。同様に、低温用配管61及び高温用配管62の突き出し位置及び方向を変更することにより、第1管111、第2管212a及び第3管313a等の方向や配置を変更し、ヒートポンプ60の配列を変更できる。例えば、第1管111等及び第3管313a等を鉛直方向に、第2管212a等を水平方向に配置することも可能である。
【0056】
また、図3等における第1管111、図5等における第1管211a,211b、図11等における第1管311a,311b及び第3管363a,363bの径を適宜設定することにより、各管をバッファタンクとして機能させることも可能である。また、各管の曲がり角度や管同士が接合される角度は、90゜程度であることが望ましいが、これに限られることなく任意の角度で加工されていてもよい。また、各ヒートポンプ60を直列に接続できるように、各配管モジュールの形状及び寸法を設定してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 熱源機
10 配管モジュール
11 管体
12,13 ワンタッチ継手
60 ヒートポンプ(熱源機)
61 低温用配管(熱源機から延出された配管)
62 高温用配管(熱源機から延出された配管)
110 熱源機連結用管
111 第1管
20a,20b 配管モジュール
21a,21b 管体
210 熱源機連結用管
211a,211b 第1管
212a,212b 第2管
30a,30b 配管モジュール
31a,31b 管体
310 熱源機連結用管
311a,311b 第1管
313a,313b 第3管
35a,35b 配管モジュール
36a,36b 管体
360 熱源機連結用管
361a,361b 第1管
363a,363b 第3管
39 バッファタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向及び/又は鉛直方向に配列された複数の熱源機から延出された配管を相互に連結させる配管構造において、所定の形状に形成された管体と、この管体の端部に装着された継手を有する複数の配管モジュールを互いに連結させて構成されることを特徴とする配管構造。
【請求項2】
前記継手は、ワンタッチ継手であることを特徴とする請求項1に記載の配管構造。
【請求項3】
前記継手は、止水機能を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配管構造。
【請求項4】
前記管体は、熱源機から延出された配管に連結される熱源機連結用管と、この熱源機連結用管に連通され、水平方向又は鉛直方向のうちいずれかの第1方向に配設される第1管とを有し、
前記第1管の端部に装着された継手同士を相互に結合させることにより、前記配管モジュールが水平方向に互いに連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の配管構造。
【請求項5】
前記熱源機連結用管は、前記第1方向に対して垂直な第2方向に配設される第2管を介して前記第1管に連通され、前記第1管は、熱源機の上方又は下方にずれた位置に配設されることを特徴とする請求項4に記載の配管構造。
【請求項6】
前記管体は、前記熱源機連結用管に連通され、前記第1方向に対して平行な第3方向に配設される第3管とを有し、
前記第3管の端部に装着された継手同士を相互に結合させることにより、前記配管モジュールが鉛直方向に互いに連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の配管構造。
【請求項7】
前記第1管又は第3管は、バッファタンクを兼用することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の配管構造。
【請求項8】
前記第1管は、熱源機の左右又は前後の側方に配設されたバッファタンクに連結されることを特徴とする請求項4乃至請求項7いずれか一項に記載の配管構造。
【請求項9】
前記第3管は、最上段に位置する熱源機の上方又は最下段に位置する熱源機の下方に配設されたバッファタンクに連結されることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれか一項に記載の配管構造。
【請求項10】
前記熱源機から延出された配管、熱源機連結用管、第1管、第2管及び第3管は、それぞれ一対設けられ、一方の管によって低温の液体又は気体が前記熱源機に流入され、他方の管によって高温の液体又は気体が前記熱源機から流出されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の配管構造。
【請求項11】
前記配管モジュールは、前記管体の周囲に断熱材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の配管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−127486(P2012−127486A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282085(P2010−282085)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】