説明

配管用フロアバンド

【目的】安定した状態で複数本の配管を並設状態で抱持支持可能な配管用フロアバンドを提供する。
【構成】3本以上のボルトを立設状態で並設固定してあり、固定面に取り付けられる1つの基板と、隣り合った全てのボルト間で配管を抱持する半割環状バンド部と、3本以上のボルトを挿通するボルト孔が形成されている取付部とを有する上・下一対の連接ブリッジ体と、
前記取付部の各々を前記3本以上のボルトに前記基板から一定の高さに固定するため該取付部の上・下に位置する2つ1組のナットと、
を有し、
前記連接ブリッジ体が、上・下別体の帯状体に間隔を明けて半割環状バンド部が複数個並設されるように曲折され、且つ左・右端縁と半割環状バンド部の間にボルトに対する取付部を有する帯状上連接ブリッジ体と帯状下連接ブリッジ体とから構成され、且つ取付部のボルト孔の少なくとも一部が、配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管用フロアバンドに関し、詳しくは床面等の固定面から立ち上げた状態で複数本の配管を並設状態で支持する配管用フロアバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数本の配管を並設状態で支持する技術としては、特許文献1に記載のものなどが知られている。
【0003】
この技術では、台座に起立した2本の全螺子間に平板を架け渡し、該平板にナット止めした複数本のUボルトの夫々によって複数本の配管の夫々を並設状態で支持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭56−113284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこの技術では、配管の抱持がUボルトによって行われるため、配管外周の略半分しか抱持できず、しかもかかる抱持もUボルトであるため線接触での抱持である。
従って、抱持支持が安定しないだけでなく、抱持支持する配管の種類や材質、例えば、比較的軟質な銅管等の場合では、局部的な圧迫によって配管に凹みが生じたりすることがあった。
【0006】
そこで本発明の課題は、安定した状態で複数本の配管を並設状態で抱持支持可能な配管用フロアバンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記課題は、下記構成によって達成される。
【0008】
1.床面等の固定面から立ち上げた状態で複数本の配管を並設状態で支持する配管用フロアバンドにおいて、
3本以上のボルトを立設状態で並設固定してあり、前記固定面に取り付けられる1つの基板と、隣り合った全てのボルト間で配管を抱持する半割環状バンド部と、前記3本以上のボルトを各々挿通するボルト孔が形成されている取付部とを有する上・下一対の連接ブリッジ体と、
該上・下一対の連接ブリッジ体の前記取付部の各々を前記3本以上のボルトに前記基板から一定の高さに固定するため該取付部の上・下に位置する2つ1組のナットと、
を有し、
前記上・下一対の連接ブリッジ体が、上・下別体の帯状体に間隔を明けて半割環状バンド部が複数個並設されるように曲折され、且つ左・右端縁と半割環状バンド部の間にボルトに対する前記取付部を有する帯状上連接ブリッジ体と帯状下連接ブリッジ体とから構成されており、且つ前記取付部に形成されているボルト孔の少なくとも一部が、配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝であることを特徴とする配管用フロアバンド。
【0009】
2.同一肉厚の帯状防振ゴムの一個又は複数個を、上・下一対の帯状連接ブリッジ体の半割環状バンド部の内周に配設して配管の径の大小に対応させる構成であることを特徴とする上記1に記載の配管用フロアバンド。
【0010】
本発明の実施例として下記3が挙げられる。
【0011】
3.床面等の固定面から立ち上げた状態で、第1配管及び第2配管の2本の配管、又は第1配管、第2配管及び第3配管の3本の配管を、並設状態で支持する配管用フロアバンドにおいて、
下記[I]又は[II]の構成を有することを特徴とする配管用フロアバンド。
[I]の構成
[I−1]前記固定面に取り付けられる1つの基板に、第1ボルト、第2ボルト及び第3ボルトを立設状態で並設固定してあり、
[I−2]該第1ボルト、第2ボルト及び第3ボルトに取り付けられる第1取付部、第2取付部及び第3取付部と、該第1取付部及び第2取付部の間で前記第1配管を抱持する第1半割環状バンド部と、該第2取付部及び第3取付部の間で前記第2配管を抱持する第2半割環状バンド部とからなる上・下一対の帯状連接ブリッジ体を有し、
[I−3]該上・下一対の帯状連接ブリッジ体は、上・下別体の帯状体を曲折することにより、前記第1取付部、第1半割環状バンド部、第2取付部、第2半割環状バンド部及び第3取付部をこの順で形成してある帯状上連接ブリッジ体と帯状下連接ブリッジ体とからなっており、
[I−4]前記第1取付部、第2取付部及び第3取付部には、前記第1ボルト、第2ボルト及び第3ボルトを各々挿通するボルト孔が形成されており、
[I−5]該ボルト孔に挿通された第1取付部、第2取付部及び第3取付部は、該取付部の各々の上下に位置する2つ1組のナットによって、前記第1ボルト、第2ボルト及び第3ボルトに、前記基板から一定の高さに固定されており、
[I−6]且つ前記取付部に形成されているボルト孔の少なくとも一部が、配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝である構成。
[II]の構成
[II−1]前記固定面に取り付けられる1つの基板に、第1ボルト、第2ボルト、第3ボルト及び第4ボルトを立設状態で並設固定してあり、
[II−2]該第1ボルト、第2ボルト、第3ボルト及び第4ボルトに取り付けられる第1取付部、第2取付部、第3取付部及び第4取付部と、該第1取付部及び第2取付部の間で前記第1配管を抱持する第1半割環状バンド部と、該第2取付部及び第3取付部の間で前記第2配管を抱持する第2半割環状バンド部と、該第3取付部及び第4取付部の間で前記第3配管を抱持する第3半割環状バンド部とからなる上・下一対の帯状連接ブリッジ体を有し、
[II−3]該上・下一対の帯状連接ブリッジ体は、上・下別体の帯状体を曲折することにより、前記第1取付部、第1半割環状バンド部、第2取付部、第2半割環状バンド部、第3取付部、第3半割環状バンド部及び第4取付部をこの順で形成してある帯状上連接ブリッジ体と帯状下連接ブリッジ体とからなっており、
[II−4]前記第1取付部、第2取付部、第3取付部及び第4取付部には、前記第1ボルト、第2ボルト、第3ボルト及び第4ボルトを各々挿通するボルト孔が形成されており、
[II−5]該ボルト孔に挿通された第1取付部、第2取付部、第3取付部及び第4取付部は、該取付部の各々の上下に位置する2つ1組のナットによって、前記第1ボルト、第2ボルト、第3ボルト及び第4ボルトに、前記基板から一定の高さに固定されており、
[II−6]且つ前記取付部に形成されているボルト孔の少なくとも一部が、配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝である構成。
【0012】
本発明の参考例として下記が挙げられる。
【0013】
(1)前記帯状上連接ブリッジ体の取付部のボルト孔の一つを除く他の全てのボルト孔が配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝であり、切込溝ではないボルト孔を支点として帯状上連接ブリッジ体が枢支回動して配管の抱持状態を開放可能な構成を有しており、帯状上連接ブリッジ体の取付部と帯状下連接ブリッジ体の取付部の少なくともいずれか一方には、他方の連接ブリッジ体の取付部の一部に掛止することで、切込溝の形成されている取付部がボルトから脱落するのを防止する掛止部が設けられていることを特徴とする上記1又は2に記載の配管用フロアバンド。
【0014】
(2)3本以上のボルトを立設状態で並設してあり、床面等の固定面に取り付けられる基板と、
隣り合った全てのボルト間で配管を抱持する半割環状バンド部と、前記3本以上のボルトを各々挿通するボルト孔が形成されている取付部とを有する上・下一対の帯状連接ブリッジ体と、
該上・下一対の帯状連接ブリッジ体を前記3本以上のボルトに一定の高さに固定するナットとを有する配管用フロアバンドであって、
前記上・下一対の帯状連接ブリッジ体が、複数個の半割環状バンド部から成り、各半割環状バンド部の左・右端縁が延伸され、該延伸された部分がボルト孔を有する取付部であることを特徴とする配管用フロアバンド(図2参照)。
【0015】
(3)帯状上連接ブリッジ体の各半割環状バンド部の左・右端縁延伸部分である取付部のいずれか一方のボルト孔が配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝であり、切込溝ではないボルト孔を支点として帯状上連接ブリッジ体の各半割環状バンド部が枢支回動して配管の抱持状態を開放可能な構成を有しており、帯状上連接ブリッジ体の各半割環状バンド部の取付部と帯状下連接ブリッジ体の各半割環状バンド部の取付部の少なくともいずれか一方には、他方の連接ブリッジ体の半割環状バンド部の取付部の一部に掛止することで、切込溝の形成されている取付部がボルトから脱落するのを防止する掛止部が設けられていることを特徴とする上記(2)に記載の配管用フロアバンド。
【0016】
(4)同一肉厚の帯状防振ゴムの一個又は複数個を、上・下一対の帯状連接ブリッジ体の半割環状バンド部の内周に配設して配管の径の大小に対応させる構成であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の配管用フロアバンド。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に示す本発明によれば、上・下一対の帯状連接ブリッジ体の半割環状バンド部によって配管の外周の全周を面接触で抱持支持することができるので、常に安定した状態で複数本の配管を並設状態で抱持支持可能な配管用フロアバンドを提供することができる。
【0018】
また、上ナットを螺合したままの状態で、配管の抱持状態を開放して配管抱持位置に配管を案内することができる。さらに、作業時に特に紛失し易い部品であるナット類(ワッシャーを含む)を外すことなくボルトに螺合させたままで作業ができる。
【0019】
さらに、請求項2に示す本発明によれば、上・下半割環状バンド部の内周に帯状防振ゴムを配設して配管の径の大小に対応させる構成であるので、異なる径の配管の抱持支持が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る配管用フロアバンドの一実施例を示す正面図
【図2】本発明の参考例に係る配管用フロアバンドの他の実施例を示す正面図
【図3】本発明に係る配管用フロアバンドの他の実施例を示す斜視図
【図4】図1の他の実施例を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体的構成について添付図面に基づき説明する。
【0022】
本発明に係る配管用フロアバンドは、床面等の固定面から立ち上げた状態で複数本の配管を並設状態で支持するものであり、3本以上のボルトを立設状態で並設固定した1つの基板をベース部分としている。
【0023】
図1に示す本発明の配管用フロアバンド1では、床面等の固定面に取り付けられる基板2に、4本のボルト3a・3b・3c・3dを立設状態で並設しており、全てのボルト3a・3b・3c・3dの間、即ち、3箇所において3本の配管を並設状態に支持するものである(図1では、配管は省略。)。図1において、8a・8b・8c・8dは基板1に点付溶接された基板ナットであり、前記ボルト3a・3b・3c・3dの立設に際して螺合するものである。尚、ボルト3a・3b・3c・3dは、基板ナット8a・8b・8c・8dを用いることなく、基板1に直接溶接してもよいし、基板1を部分的に打ち抜き立ち上げし、該立ち上げ部分の内側に雌ネジを切り、該雌ネジ部にボルト3a・3b・3c・3dを螺合する等の他の手段により立設固定してもよい。
【0024】
3本の配管は、上・下一対から成る帯状連接ブリッジ体4・5の半割環状バンド部41a・51a、41b・51b及び41c・51cによって上下から挟み込まれた状態で抱持されることになる。
【0025】
帯状連接ブリッジ体4・5の両端縁と、各半割環状バンド部の41aと41b間、41bと41c間、51aと51b間、51bと51c間には、前記4本以上のボルト3a・3b・3c・3dに対する取付部42a・42b・42c・42d・52a・52b・52c・52dを有する。各取付部42a・42b・42c・42d・52a・52b・52c・52dには、ボルト3a・3b・3c・3dが挿通されるボルト孔が各々形成されている。
【0026】
上記構成を有する上・下一対の帯状連接ブリッジ体4・5の前記取付部42a・42b・42c・42d・52a・52b・52c・52dの各々は、下ナット6a・6b・6c・6dと上ナット7a・7b・7c・7dによって、ボルト3a・3b・3c・3d毎に一定の高さに固定される。
【0027】
尚、本実施例の図面ではワッシャーを省略しているが各取付部とナットとの間に噛ませた方が螺合が安定するので好ましいことは言うまでもない。
【0028】
尚また、ボルト3b・3cに固定される上ナット7b・7cは螺合を省略することができるが、各配管の安定した抱持支持のためには、省略することなく螺合されている方が好ましく、本発明では、この好ましい態様に限定される。
【0029】
さらに、ウォーターハンマー現象が生じ易い温水等、配管内を通る物質によっては、各取付部とナットとの間に防振ゴムを噛ませておくことが好ましい。防振性を高めるためには、基板1と固定面との間にも、板状の防振ゴムを介在させてもよい。
【0030】
上・下一対の帯状連接ブリッジ体4・5は、図1に示すような夫々一枚の帯状板を加工したものが本発明である。即ち、前記上・下一対の連接ブリッジ体が、上・下別体の帯状体に間隔を明けて半割環状バンド部が複数個並設されるように曲折され、且つ左・右端縁と半割環状バンド部の間にボルトに対する前記取付部を有する帯状上連接ブリッジ体と帯状下連接ブリッジ体とから構成されているのが、本発明である。
尚、本発明の参考例として抱持する配管1本毎に独立した複数個から成る半割環状バンド部から成るものが挙げられるので、かかる参考例について図2に基づき説明する。
【0031】
図2に示す本発明の参考例に係る配管用フロアバンド1は、上・下一対の帯状連接ブリッジ体14・15が、複数個の半割環状バンド部141a・151a、141b・151b及び141c・151cから成り、各半割環状バンド部141a・141b・141c・151a・151b・151cの左・右端縁が夫々延伸され、該延伸された各部分が取付部142aL・142aR、142bL・142bR、142cL・142cR、152aL・152aR、152bL・152bR、152cL・152cRとなっている。そして、該取付部には、ボルト3a・3b・3c・3dが挿通されるボルト孔が各々形成されている。
【0032】
図2に示す参考例によれば、並設状態で抱持支持する3本の配管を異なった高さに調整する必要がある場合に特に有効である。また、各半割環状バンド部として、従来の配管用フロアバンドに用いられていた半割環状バンド部を流用することができる。
【0033】
また、図2に示す参考例における抱持支持の際、
(1)4本のボルト3a・3b・3c・3dに、先ず、下ナット6a・6b・6c・6dを螺合し、その後、帯状下連接ブリッジ15を構成する半割環状バンド部151a・151b・151cを取り付けた後、配管を載せ、その後、帯状上連接ブリッジ14を構成する半割環状バンド部141a・141b・141cを取り付けて、上ナット7a・7b・7c・7dを螺合して固定してもよいし、
或いは、
(2)4本のボルト3a・3b・3c・3dに、先ず、下ナット6a・6b・6c・6dを螺合し、その後、帯状下連接ブリッジ15の一部材を構成する半割環状バンド部151aを取り付けた後、1本目である左側の配管を載せ、そして帯状上連接ブリッジ14の一部材を構成する半割環状バンド部141aを取り付け、次に半割環状バンド部151bを取り付けた後、2本目である中央の配管を載せ、そして半割環状バンド部141bを取り付け、最後に、半割環状バンド部151cを取り付けた後、3本目である右側の配管を載せ、そして半割環状バンド部141cを取り付け、それから、上ナット7a・7b・7c・7dを螺合して固定してもよい。
【0034】
上記(2)の場合、配管を支持する順番は上記の図面上左側からに限らず、施工場所の状況や配管設備状況によって支持する順番は適宜決められるものである。
【0035】
次に図3に基づき、図1の配管用フロアバンドの他の実施例について説明する。
【0036】
図3に示す配管用フロアバンド1では、帯状上連接ブリッジ体4の取付部42a・42b・42c・42dの各ボルト孔の内の一つ(43d)を除く他の全てのボルト孔43a・43b・43cが配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝となっているため、切込溝ではないボルト孔43dを支点として帯状上連接ブリッジ体4が枢支回動することが可能となる。
【0037】
従って、上ナット7a・7b・7c・7dを螺合したままの状態で、配管の抱持状態を開放することが可能となるので、この状態で、配管抱持位置に配管を案内することができる。
【0038】
配管を案内した後、前記ボルト孔43dを支点として帯状上連接ブリッジ体4を回動し、切込溝であるボルト孔43a・43b・43cを夫々ボルト3a・3b・3cに挿通し、その後、上ナット7a・7b・7c・7dを締め付けることにより配管を抱持した状態で固定することができる。
【0039】
図3に示す態様によれば、作業時に特に紛失し易い部品であるナット類(ワッシャーを含む)を外すことなくボルト3a・3b・3c・3dに螺合させたままで作業ができるという効果を有している。
【0040】
尚、図3では、支点となるボルト孔を43dとしたが、反対側の43aでもよいし、それ以外の43b或いは43cであってもよい。支点となるボルト孔が43b或いは43cのように端部のボルト孔ではない場合、支点以外のボルト孔の切込溝の開放方向は、支点となるボルト孔を中心にして左右で逆向きでなければならない。
【0041】
更に図3に示す態様では、帯状上連接ブリッジ体4の取付部42aには、掛止部44が設けられており、帯状下連接ブリッジ体5の取付部52aには、掛止部44が掛止する被掛止部54が設けられている。
【0042】
掛止部44及び被掛止部54の存在により、ナット7a・7b・7c・7d(及び/又は6a・6b・6c・6d)に緩みが生じた場合であっても、各取付部42a・42b・42cがボルト3a・3b・3cからの脱落を防止することができる。
【0043】
掛止部44は、帯状上連接ブリッジ体4と帯状下連接ブリッジ体5とが互いに掛止されていればよいので、帯状上連接ブリッジ体4の取付部42aに限らず、他の取付部に設けられていてもよいし、帯状下連接ブリッジ体5の取付部のいずれかに設けられていてもよいし、上下のいずれの帯状連接ブリッジ体4・5の取付部のいずれかに設けられていてもよい。
【0044】
図3に示すような態様は、図2に示した参考例、即ち、抱持する配管1本毎に独立した複数個から成る半割環状バンド部から成るものにも適用することができる。
【0045】
この場合には、帯状上連接ブリッジ体の各半割環状バンド部毎に左右の取付部のいずれか一方のボルト孔を配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝とし、切込溝ではない他方のボルト孔を支点として帯状上連接ブリッジ体の各半割環状バンド部を枢支回動して配管の抱持状態を開放可能とするものである。
【0046】
即ち、半割環状バンド部一つ一つ夫々について、配管の抱持状態を開放できるものである。尚、この態様の場合、掛止部及び被掛止部についても半割環状バンド部毎に設けるものである。
【0047】
次に図4に基づき、本発明に係る配管用フロアバンドの更に他の実施例について説明する。
【0048】
配管抱持面である上・下一対の帯状連接ブリッジ体の半割環状バンド部41a・51a、41b・51b、41c・51cの内周に同一肉厚の帯状防振ゴム9を配設することができる。配設する帯状防振ゴム9の枚数を調整することにより、抱持支持する配管の径の大小に対応させることができる。
【0049】
即ち、図4において、上・下半割環状バンド部41a・51aの内周には帯状防振ゴム9を配設せず、上・下半割環状バンド部41b・51bの内周には帯状防振ゴム9を2枚、上・下半割環状バンド部41c・51cの内周には帯状防振ゴム9を1枚、夫々配設することによって、異なる径の3本の配管を並設状態で支持することができる。
【0050】
帯状防振ゴム9の配設は、枚数による調整だけでなく、複数種類の厚みのものを用意しておき、厚みで調整してもよい。
【0051】
また本態様では、配管の径の大小に対応するためだけでなく、帯状防振ゴム9本来の機能である防振支持のために配設してもよいことは言うまでもないことである。
【0052】
以上、本発明に係る配管用フロアバンドについて説明したが、本発明は上記に限定されず、種々の態様を採ることができる。基板2に立設するボルトの本数及び抱持支持する配管の数も本実施例に限定されず、3本以上のボルト間において2本以上の配管を抱持支持するものであれば本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 配管用フロアバンド
2 基板
3a・3b・3c・3d ボルト
4 帯状上連接ブリッジ体
41a・41b・41c 半割環状バンド部
42a・42b・42c・42d 取付部
43a・43b・43c・43d ボルト孔
44 掛止部
5 帯状下連接ブリッジ体
51a・51b・51c 半割環状バンド部
52a・52b・52c・52d 取付部
54 被掛止部
6a・6b・6c・6d 下ナット
7a・7b・7c・7d 上ナット
8a・8b・8c・8d 基板ナット
9 帯状防振ゴム
14 帯状上連接ブリッジ体
141a・141b・141c 半割環状バンド部
142a・142b・142c・142d 取付部
15 帯状下連接ブリッジ体
151a・151b・151c 半割環状バンド部
152a・152b・152c・152d 取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面等の固定面から立ち上げた状態で複数本の配管を並設状態で支持する配管用フロアバンドにおいて、
3本以上のボルトを立設状態で並設固定してあり、前記固定面に取り付けられる1つの基板と、隣り合った全てのボルト間で配管を抱持する半割環状バンド部と、前記3本以上のボルトを各々挿通するボルト孔が形成されている取付部とを有する上・下一対の連接ブリッジ体と、
該上・下一対の連接ブリッジ体の前記取付部の各々を前記3本以上のボルトに前記基板から一定の高さに固定するため該取付部の上・下に位置する2つ1組のナットと、
を有し、
前記上・下一対の連接ブリッジ体が、上・下別体の帯状体に間隔を明けて半割環状バンド部が複数個並設されるように曲折され、且つ左・右端縁と半割環状バンド部の間にボルトに対する前記取付部を有する帯状上連接ブリッジ体と帯状下連接ブリッジ体とから構成されており、且つ前記取付部に形成されているボルト孔の少なくとも一部が、配管軸と略平行方向に開放部を有する切込溝であることを特徴とする配管用フロアバンド。
【請求項2】
同一肉厚の帯状防振ゴムの一個又は複数個を、上・下一対の帯状連接ブリッジ体の半割環状バンド部の内周に配設して配管の径の大小に対応させる構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管用フロアバンド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−281455(P2010−281455A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183689(P2010−183689)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【分割の表示】特願2001−43678(P2001−43678)の分割
【原出願日】平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願人】(591021958)株式会社アカギ (14)
【Fターム(参考)】