説明

配管継手用かしめ忘れ防止システム及びその方法

【課題】施工の確認作業を容易にし、継手のかしめ忘れを確実に防止する。
【解決手段】本発明は、専用のかしめ工具13を使用して配管36に継手12をかしめて接合する際に継手12のかしめ忘れを防止するための配管継手用かしめ忘れ防止システム10であって、継手12に対応した固有の識別情報が書き込まれた状態で継手12に取り付けられるICタグ11と、かしめ工具本体17に取り付けられ、かしめ工具本体17による配管36への継手12のかしめ作業完了後にICタグ11にかしめ作業の履歴情報を自動的に書き込む制御装置22が設けられたアタッチメント20と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、専用のかしめ工具を使用して配管に継手をかしめて接合する際に該継手のかしめ忘れを防止するための配管継手用かしめ忘れ防止システム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配管用の継手には、配管に差し込んだ後、専用のかしめ工具を使用して配管にかしめて接合するタイプのものがあり、この種の市販されている継手としては、例えば、積水化学工業株式会社製のメタキュット(例えば、非特許文献1参照)、株式会社ベンカン・ジャパン製のモルコジョイント、ダブルプレス、CUプレス(例えば、非特許文献2参照)、東洋フィッティング株式会社製のプロプレスS(例えば、非特許文献3参照)、シーケー金属株式会社製のSUSプレス(例えば、非特許文献4参照)などが知られている。
【0003】
従来、この種の継手を配管に接合する場合、作業効率を高めるため、継手を配管に差し込む作業をまとめて行った後に、かしめ作業をまとめて行う施工方法が採られる。ところが、この施工方法では、かしめ作業の確認の不備により、かしめ忘れが発生するおそれがあり、そのまま、後工程の保温工事が行われてしまうと、外観からかしめ忘れを発見することができないため、配管内に通水した際にかしめ忘れ箇所から水漏れ事故が発生することがある。
【0004】
そこで、このような問題を解決すべく、実際の施工現場では、継手のかしめ作業完了後に別の作業員が目視で確認して確認済みのシールなどを継手に貼付するといったかしめ忘れ防止方法が採られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】積水化学株式会社のウェブサイトURL:http://www.eslontimes.com/system/items-view/20/
【非特許文献2】株式会社ベンカン・ジャパンのウェブサイトURL:http://www.benkan-japan.com/consumer/mj/product/01.html
【非特許文献3】東洋フィッティング株式会社のウェブサイトURL:http://www.toyo-fit.co.jp/tsugite15f.html
【非特許文献4】シーケー金属株式会社のウェブサイトURL:http://www.ckmetals.co.jp/products/sus.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来のかしめ忘れ防止方法では、継手が目視し難い場所にある場合には作業員が見落とす可能性があり、万全の対策とは言い難かった。
【0007】
また、確認データの集計が手作業で行われるため、継手のかしめ箇所数が多いと、集計作業が煩雑になるといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、施工の確認作業が容易であり、継手のかしめ忘れを確実に防止することのできる配管継手用かしめ忘れ防止システム及びその方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明は、専用のかしめ工具を使用して配管に継手をかしめて接合する際に該継手のかしめ忘れを防止するための配管継手用かしめ忘れ防止システムであって、前記継手に対応した固有の識別情報が書き込まれた状態で該継手に取り付けられるICタグと、前記かしめ工具本体に取り付けられ、該かしめ工具本体による前記配管への前記継手のかしめ作業完了後に前記ICタグにかしめ作業の履歴情報を自動的に書き込む制御装置が設けられたアタッチメントと、を備えていることを特徴とする。
【0010】
そして、本発明に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムにおいて、前記制御装置は、前記ICタグの識別情報を読み取るための手段と、該読み取られた前記ICタグの識別情報を予め格納された識別情報と照合し、両者が合致した場合に前記かしめ工具本体に対する駆動用電源からの電力供給を許可する手段と、を備えているのが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムにおいて、前記制御装置は、前記かしめ工具の駆動用電源の電流値を検出し、該電流値の特徴的変化を検出した時に前記かしめ工具によるかしめ作業が完了したと判断するのが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムは、前記ICタグに書き込まれた履歴情報を該ICタグに書き込まれた識別情報に対応付けて格納し、該書き込まれた識別情報に対応付けて格納された前記履歴情報と、予め格納されたかしめ接合すべき継手の識別情報とを対応させて出力する端末装置を備えているのが好ましい。
【0013】
さらにまた、本発明に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムは、前記ICタグに書き込まれた履歴情報を前記ICタグから直接読み取る読取装置を備えているのが好ましい。
【0014】
また、本発明は、専用のかしめ工具を使用して配管に継手をかしめて接合する際に該継手のかしめ忘れを防止するための配管継手用かしめ忘れ防止方法であって、前記継手に対応した固有の識別情報が書き込まれた状態で該継手に取り付けられるICタグの前記識別情報を制御装置が読み取る工程と、該読み取られた前記ICタグの識別情報を予め格納された識別情報と照合し、両者が合致した場合に前記かしめ工具本体に対する駆動用電源からの電力供給を許可する工程と、前記制御装置が前記かしめ工具の駆動用電源の電流値を検出し、該電流値の特徴的変化を検出した時に前記かしめ工具による前記配管への前記継手のかしめ作業が完了したと判断する工程と、前記かしめ工具本体によるかしめ作業が完了したと判断した後に前記制御装置が前記ICタグにかしめ作業の履歴情報を自動的に書き込む工程と、前記ICタグに書き込まれた履歴情報を該ICタグに書き込まれた識別情報に対応付けて端末装置が格納する工程と、前記書き込まれた識別情報に対応付けて格納された前記履歴情報と、予め格納されたかしめ接合すべき継手の識別情報とを対応させて前記端末装置が出力する工程と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一連のかしめ作業を行う間に自動的にICタグにかしめ作業の履歴情報が書き込まれるようになっているため、かしめ作業やその確認作業が簡素化されると共に前記履歴情報の書き込み忘れが生じるおそれがない。
【0016】
また、例え、かしめ作業が未施工の継手があったとしても、その継手を容易に発見することができるため、継手のかしめ忘れを確実に防止し、施工の信頼性を高めることができる。
【0017】
さらに、かしめ工具の改造を軽減、抑制することができるため、製造費用や開発費用を抑制することができる。
【0018】
さらにまた、継手のタイプやサイズの違いによってかしめ作業時の駆動用電源の電流値の特徴的変化が異なる場合であっても、ソフトウェアの変更で対応することができるため、いろいろなタイプ及びサイズの継手にも簡単に対応することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)〜(e)は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムのかしめ工具の制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ工具で継手をかしめる前の状態を示す概念図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ工具で継手をかしめている状態を示す概念図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ工具で継手をかしめている間の電流検出結果を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ作業の確認作業を行っている状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1の(a)〜(e)は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムの構成を示す説明図、図2は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システムのかしめ工具の制御装置を示すブロック図である。
【0021】
本実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システム10は、ICタグ11が取り付けられた継手12(図1(a))と、継手12専用のかしめ工具13(図1(b))と、施工現場に携帯可能な端末装置としてのPDA(Personal Data Assistant)14(図1(c))と、現場事務所に設置される端末装置としてのホストパソコン15(図1(d))と、施工現場に携帯可能な読取装置としてのスキャニング装置16(図1(e))とを備えて構成されている。
【0022】
ICタグ11は、例えばUHF(Ultra High Fequency)帯で使用されるタイプのものであり、予め固有の識別情報として、例えば、識別番号などが書き込まれている。また、継手12としては、例えば、積水化学工業株式会社製のメタキュット、株式会社ベンカン・ジャパン製のモルコジョイント、ダブルプレス、CUプレス、東洋フィッティング株式会社製のプロプレスS、シーケー金属株式会社製のSUSプレスなどが使用される。
【0023】
かしめ工具13は、かしめ工具本体17と、かしめ工具本体17の先端に設けられるかしめ機構部18と、かしめ工具本体17の基端側に設けられる駆動用電源としてのバッテリー(DC12V)19と、バッテリー19とかしめ工具本体17との間の電源回路に割り込ませて装着されるアタッチメント20とにより構成されている。
【0024】
アタッチメント20は、ICタグ11へのデータの読み書き、PDA14との無線通信、及びかしめ工具本体17への電源供給制御を主な機能とする制御装置22と、ICタグ11が挿脱可能なタグホルダー21とを備えている。制御装置22には、図2に示されているように、リレー23、電流センサー24、マイコン25、DC/DCコンバータ26、Bluetoothモジュール27、RFIDモジュール28、及びアンテナ29がそれぞれ内蔵されている。また、タグホルダー21は、アンテナ(図示省略)を内蔵し、ICタグ11への書き込みエラーを防止するため、アンテナ29に近接した位置に設けられているのが好ましい。
【0025】
PDA14は、タッチパネル入力装置を兼ねた液晶表示画面30を備えており、Bluetooth通信を介して、アタッチメント20の制御装置22及びホストパソコン15とのデータ連携機能を有している。そして、予め登録されている作業者の名前とパスワードが入力されることによりログオンされ、本システムの状態及びアタッチメント20との通信履歴が表示されるようになっている。また、予め格納された施工現場の階数と部屋名のリストから特定の階数及び部屋名が選択されることにより、継手12の施工場所が入力されると共に、作業日時等の作業履歴が表示されるようになっている。
【0026】
ホストパソコン15は、CPU(Central Processing Unit)やハードディスクを有する本体31と、液晶ディスプレイ32と、キーボード33とにより構成されており、本体31のハードディスクに集計用ソフトウェアがインストールされる。
【0027】
スキャニング装置16は、高出力型のRFID(Radio Frequency IDentification)リーダー34と、アンテナ35とにより構成されている。
【0028】
次に、主に図3〜図7を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法について説明する。ここで、図3は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法を示すフローチャート、図4は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ工具で継手をかしめる前の状態を示す概念図、図5は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ工具で継手をかしめている状態を示す概念図、図6は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ工具で継手をかしめている間の電流検出結果を示す図、図7は本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止方法においてかしめ作業の確認作業を行っている状態を示す概念図である。
【0029】
先ず、図4に示すように、施工現場に納入された継手12を配管36に差し込み、継手12のICタグ11を、かしめ工具13のアタッチメント20のタグホルダー21に挿入すると、タグホルダー21に設置されたリミットスイッチ(図示省略)によりICタグ11の挿入動作が検出され、これが以下の一連の作業を開始させるトリガーとなる。
【0030】
アタッチメント20では、図3のステップ1(S1)に示されているように、RFIDモジュール28及びアンテナ29を介してICタグ11の識別番号がマイコン25によって読み取られ、その情報はBluetooth通信によってPDA14に送信される。
【0031】
PDA14では、ステップ2(S2)に示されているように、前記アタッチメント20で読み取られた前記ICタグの識別情報が、予めPDA内のデータベースに格納されたICタグ11の識別番号と照合され、ステップ3(S3)に示されているように、両方の識別番号が合致したかどうかが判断される。
【0032】
その結果、両方の識別番号が合致したと判断された場合には、ステップ4(S3)に示されているように、施工開始命令がBluetooth通信によってアタッチメント20の制御装置22に送信される。一方、前記ステップ3(S3)において、前記両方の識別番号が合致しないと判断された場合には、ステップ5(S5)に示されているように、その旨がPDA14の液晶表示画面30に表示される。
【0033】
次いで、図2及び図3のステップ6(S6)に示されているように、アタッチメント20では、PDA14から送信された施工開始命令を受け、かしめ工具本体17に対する電力供給がマイコン25により許可され、バッテリー19からリレー23及び電流センサー24を介して電力がかしめ工具本体17に供給される。
【0034】
これにより、図5に示されているように、かしめ工具13による継手12のかしめ作業が開始され、このかしめ作業の間、ステップ7(S7)に示されているように、バッテリー19から供給される電流値が電流センサー24によって検出される。このかしめ作業が行われている間のバッテリー19の電流値は、図6に示されているように、時間の経過に伴って次第に上昇し、かしめ作業が完了すると、一端急激に低下する特徴的変化を発生し(図6の破線参照)、その後は一定の出力を示す傾向があるため、図3のステップ8(S8)に示されているように、電流値が急激に低下したかどうかがマイコン25によって判断される。なお、このステップ8(S8)での判定時に検出される電流値の特徴的変化は、継手12のタイプやサイズによって異なることがあるため、予め継手12をかしめた時の電流値の実験値に基づき決定される。
【0035】
このステップ8における判定の結果、電流値が急激に低下したと判断された場合には、かしめ工具13による配管36への継手12のかしめ作業が完了したと判断され、次のステップ9(S9)に示されているように、マイコン25によって、バッテリー19からかしめ工具本体17への電力の供給が停止され、PDA14に対して施工完了信号が送信される。一方、前記ステップ8(S8)において、電流値が急激に低下したと判断されなかった場合には、前記ステップ7(S7)に戻り、引き続き電流値が検出される。
【0036】
次いで、PDA14では、ステップ10(S10)に示されているように、アタッチメント20から送信された施工完了信号を受けて、施工者、施工日時等のかしめ作業の履歴情報が入力され、この履歴情報は、PDA14に保存されると共に、Bluetooth通信によりアタッチメント20の制御装置22に送信される。
【0037】
その後、アタッチメント20では、ステップ11(S11)に示されているように、ICタグ11に前記履歴情報がマイコン25によって自動的に書き込まれる。
【0038】
また、ホストパソコン15では、ステップ12(S12)に示されているように、PDA14に保存された前記履歴情報が、該履歴情報が書き込まれたICタグ11固有の識別情報に対応付けて本体31のハードディスクにアップロードされて格納され、前記集計用ソフトが起動されることにより、前記識別情報に対応付けて格納された前記履歴情報が、予め格納されたかしめ接合すべき継手の識別情報と対応付けて出力される。
【0039】
以降、すべての継手12に対して、上記したのと同様の方法で、かしめ作業が行われる。そして、かしめ作業完了後、スキャニング装置16を施工現場に携帯し、ICタグ11に書き込まれた前記履歴情報を、アンテナ35を介してRFIDリーダー34によって読み取ることにより、かしめ忘れの継手12を発見することができる。
【0040】
このように上記した本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システム及びその方法によれば、一連のかしめ作業を行う間に自動的にICタグ11に前記履歴情報が書き込まれるようになっているため、かしめ作業やその確認作業が簡素化されると共に前記履歴情報の書き込み忘れが生じるおそれがない。また、現場事務所のホストパソコン15において、例えば、予め格納されたかしめ接合すべき継手12の識別番号が001〜100の場合に、識別番号001〜095までの継手12のかしめ作業完了のデータしか出力されない場合には、識別番号096〜100の継手がかしめ忘れの可能性があることが分かるように、ICタグ11固有の識別情報に対応付けて格納された前記履歴情報と、予め格納されたかしめ接合すべき継手の識別情報とを対応させて出力させることができる。
さらに、かしめ作業完了後、施工現場において、ICタグ11に書き込まれた前記履歴情報をスキャニング装置16によって読み取ることもできる。したがって、かしめ作業が未施工の継手12があったとしても、現場事務所と現場の両方において、その継手12を容易に発見することができるため、継手12のかしめ忘れを確実に防止し、施工の信頼性を高めることができる。
【0041】
さらに、上記した本発明の実施の形態に係る配管継手用かしめ忘れ防止システム及びその方法によれば、かしめ作業中のバッテリー19の電流値の特徴的変化を検出することによってかしめ作業の完了を判定しているため、かしめ作業の完了を検出するためのスイッチやセンサーなどを、かしめ工具13に取り付ける必要がないため、製造費用や開発費用を抑制することができる。さらにまた、継手12のタイプやサイズの違いによってかしめ作業時のバッテリー19の電流値の特徴的変化が異なる場合であっても、ソフトウェアの変更で簡単に対応することができるため、いろいろなタイプ及びサイズの継手12にも対応することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 配管継手用かしめ忘れ防止システム
11 ICタグ
12 継手
13 かしめ工具
14 PDA(端末装置)
15 ホストパソコン(端末装置)
16 スキャニング装置(読取装置)
17 かしめ工具本体
19 バッテリー(駆動用電源)
22 制御装置
25 マイコン
36 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用のかしめ工具を使用して配管に継手をかしめて接合する際に該継手のかしめ忘れを防止するための配管継手用かしめ忘れ防止システムであって、
前記継手に対応した固有の識別情報が書き込まれた状態で該継手に取り付けられるICタグと、
前記かしめ工具本体に取り付けられ、該かしめ工具本体による前記配管への前記継手のかしめ作業完了後に前記ICタグにかしめ作業の履歴情報を自動的に書き込む制御装置が設けられたアタッチメントと、
を備えていることを特徴とする配管継手用かしめ忘れ防止システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記ICタグの識別情報を読み取るための手段と、
該読み取られた前記ICタグの識別情報を予め格納された識別情報と照合し、両者が合致した場合に前記かしめ工具本体に対する駆動用電源からの電力供給を許可する手段と、
を備えている請求項1に記載の配管継手用かしめ忘れ防止システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記かしめ工具の駆動用電源の電流値を検出し、該電流値の特徴的変化を検出した時に前記かしめ工具によるかしめ作業が完了したと判断する請求項1又は2に記載の配管継手用かしめ忘れ防止システム。
【請求項4】
前記ICタグに書き込まれた履歴情報を該ICタグに書き込まれた識別情報に対応付けて格納し、該書き込まれた識別情報に対応付けて格納された前記履歴情報と、予め格納されたかしめ接合すべき継手の識別情報とを対応させて出力する端末装置を備えている請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の配管継手用かしめ忘れ防止システム。
【請求項5】
前記ICタグに書き込まれた履歴情報を前記ICタグから直接読み取る読取装置を備えている請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の配管継手用かしめ忘れ防止システム。
【請求項6】
専用のかしめ工具を使用して配管に継手をかしめて接合する際に該継手のかしめ忘れを防止するための配管継手用かしめ忘れ防止方法であって、
前記継手に対応した固有の識別情報が書き込まれた状態で該継手に取り付けられるICタグの前記識別情報を制御装置が読み取る工程と、
該読み取られた前記ICタグの識別情報を予め格納された識別情報と照合し、両者が合致した場合に前記かしめ工具本体に対する駆動用電源からの電力供給を許可する工程と、
前記制御装置が前記かしめ工具の駆動用電源の電流値を検出し、該電流値の特徴的変化を検出した時に前記かしめ工具による前記配管への前記継手のかしめ作業が完了したと判断する工程と、
前記かしめ工具本体によるかしめ作業が完了したと判断した後に前記制御装置が前記ICタグにかしめ作業の履歴情報を自動的に書き込む工程と、
前記ICタグに書き込まれた履歴情報を該ICタグに書き込まれた識別情報に対応付けて端末装置が格納する工程と、
前記書き込まれた識別情報に対応付けて格納された前記履歴情報と、予め格納されたかしめ接合すべき継手の識別情報とを対応させて前記端末装置が出力する工程と、
を備えていることを特徴とする配管継手用かしめ忘れ防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−206783(P2011−206783A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74533(P2010−74533)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000191319)新菱冷熱工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】