説明

配線システム

【課題】交換作業や取付作業の手間を簡略化した配線システムを提供する。
【解決手段】配線モジュール1A〜1Cは、複数の導電バー3を保持したモジュール本体2の背面を壁20に当接させた状態で壁20に固定される。配線モジュール同士を連結する際には、モジュール本体2の一端側に設けられた略T形の嵌合突起4に、相手側のモジュール本体2の長手方向他端側に設けられた嵌合爪5aを、壁20との当接面の法線方向に沿って移動させ、嵌合突起4の溝4aに嵌合爪5aを嵌合させることで、モジュール本体2同士が着脱自在に取り付けられる。嵌合突起4の先端面には導電バー3の一端側を露出させた接点板6が設けられている。またモジュール本体2の長手方向他端側には導電バー3の他端側を露出させて接点ばね7を設けてあり、この接点ばね7を接点板6に接触させることによって、連結された配線モジュールの導電バー3が電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力線および情報線を内部に収納した長尺の配線モジュールを用い、複数の配線モジュールが連結された状態で壁に固定することで、電力線および情報線を配線する配線システムが提案されていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−174892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に開示された配線システムでは、配線モジュール同士を連結する際に、一方の配線モジュールの端面から突出する形で設けられたコネクタと、他方の配線モジュールの端面を凹ませる形で設けられたコネクタとを凹凸結合させることによって連結していた。したがって、両側に別の配線モジュールが連結された配線モジュールを交換する場合、中央の配線モジュールのみを取り外すことができず、両側に連結された配線モジュールまで取り外さなければならないため、交換作業に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、交換作業や取付作業の手間を簡略化した配線システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配線システムは、電力用導電路および情報用導電路を構成する配線をモジュール本体に保持させモジュール本体の一面を造営面に当接させた状態で造営面に固定される配線モジュール同士を互いに連結する配線システムであって、互いに連結される配線モジュールの各々に設けられ、造営面に当接する当接面の法線方向に沿って相対的に移動させられた連結相手である配線モジュールのモジュール本体を着脱自在に取り付けるための取付手段と、配線モジュールの連結部位において、一方の配線モジュールには、この配線モジュールが保持する配線に電気的に接続された接点板が設けられ、他方の配線モジュールには、この配線モジュールが保持する配線に電気的に接続されるとともに、接点板に接触する接点ばねが設けられたことを特徴とする。
【0007】
この配線システムにおいて、接点ばねが、配線モジュールの連結方向から接点板に接触することも好ましい。
【0008】
さらに、この配線システムにおいて、接点ばねが、当接面の法線方向に平行する方向から接点板に接触することも好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、交換作業や取付作業の手間を簡略化することができ、配線モジュールの交換や追加にも容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1の配線システムを示し、(a)は複数の配線モジュールを連結した状態の正面図、(b)はA−A断面図である。
【図2】同上の配線モジュール同士を連結する前の状態の断面図である。
【図3】実施形態2の配線システムを示し、(a)は複数の配線モジュールを連結した状態正面図、(b)はB−B断面図である。
【図4】同上の配線モジュール同士を連結する前の状態の断面図である。
【図5】同上の配線モジュール同士を連結する前の状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(実施形態1)
本発明に係る配線システムの実施形態1を図1及び図2に基づいて説明する。この配線システムは、一面を造営面に当接させた状態で造営面に固定される配線モジュール1同士を連結して構成され、所望の数の配線モジュールを連結することによって必要な配線長を確保することができる。図1(a)は3個の配線モジュール1が連結された状態の正面図、図1(b)は3個の配線モジュール1が連結された状態のA−A断面図である。また図2に、配線モジュール同士が連結される前の状態の断面図を示す。以下の説明では、特に断りがないかぎり、図1(a)に示す向きで上下左右の方向を規定し、図1(b)の上側を前側、下側を後側として説明を行う。また以下の説明で、個々の配線モジュールについて説明する場合は配線モジュール1A,1B,1C…と表記し、配線モジュールの全般的な説明をする場合は配線モジュール1と表記する。
【0013】
各々の配線モジュール1は、例えば絶縁性の合成樹脂により細長い矩形板状に形成されたモジュール本体2を備えている。モジュール本体2は背面を壁20の表面(造営面)に当接させた状態で壁20に固定され、長手方向に並べて複数の配線モジュール1が連結されるようになっている。
【0014】
このモジュール本体2には、例えば銅合金などの導電板からなる4本の導電バー3がインサート成形されており、4本の導電バー3は短幅方向において所定のピッチで埋設固定されている。ここにおいて、4本の導電バー3の内の2本は、低圧の直流電圧[例えばIEC規格で規格化されたSELV(Safty Extra Low Voltage:安全超低電圧)]を供給するための電力配線(電力用導電路)を構成する。また残りの2本の導電バー3は、低圧の直流電圧に情報信号を重畳させる電力線搬送通信方式により情報信号を伝送する情報配線(情報用導電路)を構成する。尚、電力用導電路を構成する2本の導電バーを用いて、電力線搬送通信方式により情報信号を伝送してもよく、この場合は電力用導電路である2本の導電バーで情報用導電路が兼用される。
【0015】
モジュール本体2の長手方向一端側(図1(a)の右側部)には、モジュール本体2の上下方向における中央部から右方向へ突出する略T形の嵌合突起4が、モジュール本体2から延長して形成されている。この嵌合突起4の基部の上下両側面にはそれぞれ溝4aが形成されている。また、モジュール本体2の長手方向他端側(図1(a)の左側部)には、モジュール本体2の上下方向両側部から左方向へ突出する略L形の嵌合片5,5が、モジュール本体2から延長して形成されている。各嵌合片5の先端部には、上下方向の内側(嵌合突起4側)に突出する嵌合爪5aが設けられている。
【0016】
また4本の導電バー3は、モジュール本体2の長手方向における一端側から他端側に亘って埋設固定されている。各導電バー3の一端側は嵌合突起4の先端面から外部に露出するとともに、前方に突出し、嵌合突起4の先端面に沿って配置されており、この露出部位が接点板6となっている。また各導電バー3の他端側はモジュール本体2の他端側の端面(嵌合突起4と反対側の端面)から外部に露出するとともに、略U字形に湾曲するように折り曲げ形成されており、この露出部位が接点板6に接触する接点ばね7となっている。
【0017】
図2は配線モジュールが連結される前の状態を示した断面図であり、壁20には、配線モジュール1Bを接続するのに必要な間隔を開けて、2個の配線モジュール1A,1Cが同一直線上に並ぶように固定されている。尚、図示例では配線モジュール1A,1Cは嵌合突起4が右側、嵌合片5が左側に位置するようにして並べられている。
【0018】
ここで、配線モジュール1Bを配線モジュール1A,1Cの間に連結する場合、先ず配線モジュール1Bの嵌合突起4と配線モジュール1Cの嵌合片5、配線モジュール1Bの嵌合片5と配線モジュール1Aの嵌合突起4の位置合わせをそれぞれ行う。このように嵌合突起4と嵌合片5の位置を合わせた状態で、配線モジュール1Bを、壁20の表面の法線方向に沿って壁20側に近付けると、配線モジュール1Bが備える嵌合片5の嵌合爪5aが、配線モジュール1Aが備える嵌合突起4の溝4aに嵌合する。また配線モジュール1Bが備える嵌合突起4の溝4aに、配線モジュール1Cの嵌合片5の嵌合爪5aが嵌合する。また更に、配線モジュール1Bを配線モジュール1A,1Cの間に連結すると、配線モジュール1Bの接点ばね7が配線モジュール1Aの接点板6に接触するとともに、配線モジュール1Bの接点板6に配線モジュール1Cの接点ばね7が接触する。このように隣り合う配線モジュールの接点板6と接点ばね7とが接触することによって、連結された配線モジュール1A,1B,1Cに収納されている各4本の導電バー3を電気的に接続することができる。ここで、嵌合爪5aが溝4aと嵌合することによって、モジュール本体2が左右方向において位置決めされており、この状態で接点ばね7が接点板6と接触し、接点ばね7が撓められることによって、接点ばね7と接点板6との接圧が確保される。
【0019】
尚、両側に配線モジュール1A,1Cが連結された状態で、中央の配線モジュール1Bのみを取り外す際には、配線モジュール1Bの全体を手前側(造営面20と直交する方向)に引く。そして、配線モジュール1B,1Cの嵌合爪5aが配線モジュール1A,1Bの溝4aから外に出るまで、配線モジュール1Bを手前側に移動させると、配線モジュール同士の嵌合状態が解除される。したがって、配線モジュール1Bのみを配線モジュール1A,1Cから取り外すことができる。
【0020】
以上説明したように、互いに連結される配線モジュール1の各々には、造営面に当接する当接面の法線方向に沿って相対的に移動させられた連結相手の配線モジュール1のモジュール本体2を着脱自在に取り付けるための取付手段が設けられている。そして、配線モジュール1の連結部位において、一方の配線モジュール1には、この配線モジュール1が保持する配線(導電バー3)に電気的に接続された接点板6が設けられている。また、他方の配線モジュール1には、この配線モジュール1が保持する配線(導電バー3)に電気的に接続されるとともに、一方の配線モジュール1に設けられた接点板6に接触する接点ばね7が設けられている。
【0021】
これにより、造営面に固定された配線モジュール1に対して、造営面の法線方向から別の配線モジュール1を近付けることによって、配線モジュール1同士を機械的に連結することができる。また、一方の配線モジュール1に設けた接点ばね7が、他方の配線モジュール1に設けた接点板6に接触することによって、両配線モジュール1の電力用導電路及び情報用導電路を電気的に接続することができる。したがって、造営面に固定された配線モジュールに対して、この配線モジュールを取り外すことなく、別の配線モジュールを接続することができる。また、複数の配線モジュールが互いに連結された状態で造営面に固定されている場合に、そのうちの1つの配線モジュールを、この配線モジュールに連結された別の配線モジュールを造営面から取り外すことなく、造営面から取り外すことができる。その結果、複数の配線モジュールが連結された状態で造営面に固定されている状態でも、故障や機種変更によって所望の配線モジュール1を交換したい場合には、交換対象の配線モジュール1のみを取り外したり、取り付けることができる。したがって、配線モジュール1の交換作業や取付作業の手間を簡略化することができる。ここにおいて、突出片4に設けられた溝4aと、嵌合片5に設けられた嵌合爪5aとで、配線モジュール同士を着脱自在に取り付けるための取付手段が構成される。
【0022】
さらに、本実施形態では、接点ばね7が、配線モジュール1の連結方向(連結された配線モジュール1の並ぶ方向)から、接点板6に接触している。これにより、接点ばね7の弾性力によって嵌合爪5aが溝4aに押し付けられると、連結されたモジュール本体2同士が連結方向において位置決めされるから、左右方向におけるモジュール本体2の位置ずれを低減することができる。
【0023】
尚、上述の実施形態では3個の配線モジュール1が造営面20に配置されているが、必要な個数の配線モジュール1が連結されていればよい。また配線モジュール1の形状は上記のものに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0024】
(実施形態2)
本発明に係る配線システムの実施形態2を図3及び図4に基づいて説明する。この配線システムは、一面を造営面に当接させた状態で造営面に固定される配線モジュール1同士を連結して構成され、所望の数の配線モジュールを連結することによって必要な配線長を確保することができる。図3(a)は3個の配線モジュール1が連結された状態の正面図、図3(b)は3個の配線モジュール1が連結された状態のB−B断面図である。また、配線モジュール同士が連結される前の状態の断面図を図3に、斜視図を図4にそれぞれ示す。尚、以下の説明では、特に断りがないかぎり、図3(a)に示す向きで上下左右の方向を規定し、図3(b)の上側を前側、下側を後側として説明を行う。また、実施形態1と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0025】
各々の配線モジュール1は、例えば絶縁性の合成樹脂により細長い矩形板状に成形されたモジュール本体2を備えている。モジュール本体2は背面を壁20の表面(造営面)に当接させた状態で壁20に固定され、長手方向に並べて複数の配線モジュール1が連結されるようになっている。
【0026】
このモジュール本体2には、例えば銅合金などの導電板からなる4本の導電バー3がインサート成形されており、4本の導電バー3は短幅方向において所定のピッチで埋設固定されている。ここにおいて、4本の導電バー3の内の2本は電力配線を構成し、残りの2本は情報配線を構成する。
【0027】
モジュール本体2の長手方向一端側(図3(a)の右側部)には、モジュール本体2の上下方向における中央部から右方向へ突出する矩形板状の突出片10が、モジュール本体2から延長して形成されている。この突出片10の先端側には、基部側に比べて薄肉の差込片11が設けられており、この差込片11の前面は突出片10の前面よりも後方に位置している。また突出片10の上下両側面には嵌合溝12がそれぞれ形成されている。
【0028】
一方、モジュール本体2の長手方向他端側(図3(a)の左側部)には、モジュール本体2の上下方向両側部から左方向へ突出する嵌合突起13が、モジュール本体2から延長して形成されている。各嵌合突起13の先端部には、上下方向における中心方向(対向する嵌合突起13側)へ突出する嵌合爪14が設けられている。また、モジュール本体2の長手方向他端側の背面には、上下方向における中間部に、上述した差込片11が挿入される収納凹部15が設けられている。
【0029】
4本の導電バー3は、モジュール本体2の長手方向における一端側から他端側に亘って埋設固定されている。各導電バー3の一端側は、モジュール本体2の一端側に設けた突出片10の端面から外部に露出して、差込片11の上面に配置されており、この露出部位が接点板6となっている。また各導電バー3の他端側は、モジュール本体2の他端側(突出片10と反対側)の端面から外部に露出し、収納凹部15に臨んで配置されている。そして、この露出部位は、長手方向の中間部が両側部に比べて下方に突出するように折り曲げ形成されており、この露出部位が接点板6に接触する接点ばね7となっている。
【0030】
図4は配線モジュールが連結される前の状態を示した断面図、図5は連結前の状態の斜視図であり、壁20には、配線モジュール1Bを接続するのに必要な間隔を開けて、2個の配線モジュール1A,1Cが同一直線上に並ぶように固定されている。尚、図示例では配線モジュール1A,1Cは突出片10が右側、嵌合突起13が左側に位置するようにして並べられている。
【0031】
ここで、配線モジュール1Bを配線モジュール1A,1Cの間に連結する場合、先ず配線モジュール1Bの長手方向を壁20に対して斜めに傾けた状態で、配線モジュール1Bの差込片11を配線モジュール1Cの収納凹部15内に差し込む。この状態から配線モジュール1Bの長手方向他端側を壁20側へ近付けていくと、収納凹部15内に配線モジュール1Aの差込片11が挿入される。また配線モジュール1Bの移動に伴い、配線モジュール1Bの嵌合爪14が配線モジュール1Aの突出片10の上下両側面に当たることによって、配線モジュール1Bの嵌合突起13が外側に撓められる。また配線モジュール1Cの嵌合爪14が配線モジュール1Bの突出片10の上下両側面に当たることによって、配線モジュール1Cの嵌合突起13が外側に撓められる。そして、配線モジュール1Bの背面が壁20の表面に当接するまで配線モジュール1Bを移動させると、配線モジュール1B,1Cの嵌合爪14が、それぞれ配線モジュール1A,1Bの嵌合溝12に嵌合し、配線モジュール1A〜1Cが機械的に連結される。また、接続状態においては、配線モジュール1B,1Cの接点ばね7が、それぞれ配線モジュール1A,1Bの接点板6に対して、当接面(モジュール本体2の背面)の法線方向に平行する方向から接触する。これにより、連結された配線モジュール1A,1B,1Cに収納されている各4本の導電バー3を電気的に接続することができる。ここで、嵌合爪14が嵌合溝12と嵌合することによって、モジュール本体2が前後方向において位置決めされており、この状態で接点ばね7が接点板6と接触し、接点ばね7が撓められることによって、接点ばね7と接点板6との接圧が確保される。ここにおいて、配線モジュール1の突出片10に設けられた嵌合溝12と、連結相手の配線モジュール1の嵌合突起13に設けられた嵌合爪14とで、配線モジュール同士を着脱自在に取り付けるための取付手段が構成される。
【0032】
尚、両側に配線モジュール1A,1Cが連結された状態で、中央の配線モジュール1Bのみを取り外す際には、先ず配線モジュール1Bの嵌合突起13側を手前に引く。そして、配線モジュール1Bの嵌合爪14を配線モジュール1Aの嵌合溝12から外側へ退出させるとともに、配線モジュール1Bの嵌合溝12から外側へ配線モジュール1Cの嵌合爪14を退出させて、配線モジュール同士の嵌合状態を解除する。そして、配線モジュール1Bが壁20の表面に対して斜めに傾けられた状態で、配線モジュール1Bの差込片11を配線モジュール1Cの収納凹部15から引き出すことによって、配線モジュール1Bを配線モジュール1A,1Cから取り外すことができる。
【0033】
以上説明したように、互いに連結される配線モジュール1の各々には、造営面に当接する当接面の法線方向に沿って相対的に移動させられた連結相手の配線モジュール1のモジュール本体2を着脱自在に取り付けるための取付手段が設けられている。そして、配線モジュール1の連結部位において、一方の配線モジュール1には、この配線モジュール1が保持する配線(導電バー3)に電気的に接続された接点板6が設けられている。また、他方の配線モジュール1には、この配線モジュール1が保持する配線(導電バー3)に電気的に接続されるとともに、一方の配線モジュール1に設けられた接点板6に接触する接点ばね7が設けられている。
【0034】
これにより、造営面に固定された配線モジュール1に対して、造営面の法線方向から別の配線モジュール1を近付けることによって、配線モジュール1同士を機械的に連結することができる。また、一方の配線モジュール1に設けた接点ばね7が、他方の配線モジュール1に設けた接点板6に接触することによって、両配線モジュール1の電力用導電路及び情報用導電路を電気的に接続することができる。したがって、造営面に固定された配線モジュールに対して、この配線モジュールを取り外すことなく、別の配線モジュールを接続することができる。また、複数の配線モジュールが互いに連結された状態で造営面に固定されている場合に、そのうちの1つの配線モジュールを、この配線モジュールに連結された別の配線モジュールを造営面から取り外すことなく、造営面から取り外すことができる。その結果、複数の配線モジュールが連結された状態で造営面に固定されている状態でも、故障や機種変更によって所望の配線モジュール1を交換したい場合には、交換対象の配線モジュール1のみを取り外したり、取り付けることができる。したがって、配線モジュール1の交換作業や取付作業の手間を簡略化することができる。
【0035】
また、接点ばね7は、当接面(すなわち造営面)の法線方向と平行する方向から、接点板6に接触している。これにより、接点ばね7の弾性力によって嵌合爪14が嵌合溝12に押し付けられ、連結されたモジュール本体2同士が前後方向において位置決めされるから、前後方向におけるモジュール本体2の位置ずれを低減することができる。
【符号の説明】
【0036】
1A〜1C 配線モジュール
2 モジュール本体
3 導電バー(電力配線、情報配線)
4 嵌合突起(取付手段)
4a 溝
5 嵌合片(取付手段)
5a 嵌合爪
6 接点板
7 接点ばね
20 壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力用導電路および情報用導電路を構成する配線をモジュール本体に保持させ前記モジュール本体の一面を造営面に当接させた状態で前記造営面に固定される配線モジュール同士を互いに連結する配線システムであって、
互いに連結される前記配線モジュールの各々に設けられ、前記造営面に当接する当接面の法線方向に沿って相対的に移動させられた連結相手である配線モジュールのモジュール本体を着脱自在に取り付けるための取付手段と、
前記配線モジュールの連結部位において、一方の前記配線モジュールには、この配線モジュールが保持する配線に電気的に接続された接点板が設けられ、他方の前記配線モジュールには、この配線モジュールが保持する配線に電気的に接続されるとともに、前記接点板に接触する接点ばねが設けられたことを特徴とする配線システム。
【請求項2】
前記接点ばねは、前記配線モジュールの連結方向から前記接点板に接触することを特徴とする請求項1記載の配線システム。
【請求項3】
前記接点ばねは、前記当接面の法線方向に平行する方向から前記接点板に接触することを特徴とする請求項1記載の配線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−229266(P2011−229266A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96211(P2010−96211)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】