説明

配線基板の製造方法

【課題】本発明は、信頼性を向上させる要求に応える配線基板の製造方法を提供するものである。
【解決手段】本発明の一形態にかかる配線基板4の製造方法は、樹脂基板15を、フッ素ゴム17を介して放熱部材16に載置する工程と、蒸着法を用いて、フッ素ゴム17を介して放熱部材16に載置された樹脂基板15の露出した一主面に金属層12を形成する工程と、を備えている。また、本発明の一形態にかかる配線基板4の製造方法は、一主面に第1金属層12aを有する樹脂基板15の該第1金属層12a側にフッ素ゴム17を配しつつ、樹脂基板15を、フッ素ゴム17を介して放熱部材16に載置する工程と、蒸着法を用いて、フッ素ゴム17を介して放熱部材16に載置された樹脂基板15の露出した他主面に第2金属層12bを形成する工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器(たとえば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器およびその周辺機器)等に使用される配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器における実装構造体としては、配線基板に電子部品を実装したものが使用されている。
【0003】
特許文献1には、半導体製造工程において基板の配線形成に用いられるスパッタリング装置であって、冷却部材を内蔵した基板ホルダの静電吸着板上に基板を搭載した構成が記載されている。
【0004】
この特許文献1のスパッタリング装置は、基板が載置される静電吸着板がセラミック製であるため、基板との間に隙間が生じやすい。このため、うねりや凹凸が生じやすい樹脂基板を試料とした場合には、樹脂基板と静電吸着板との間に隙間が生じやすくなる。
【0005】
このような隙間においては、スパッタリングが行われる真空条件下で大気の対流による伝熱が生じにくく、伝熱の効率が低い。したがって、スパッタリングによって加わる熱が樹脂基板に蓄積して樹脂基板全体が高温となりやすく、樹脂基板の樹脂が変性してしまい、ひいては配線基板の信頼性が低下しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−302766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、信頼性を向上させる要求に応える配線基板の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法は、樹脂基板を、フッ素ゴムを介して放熱部材に載置する工程と、蒸着法を用いて、前記フッ素ゴムを介して前記放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した一主面に金属層を形成する工程と、を備えている。
【0009】
また、本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法は、一主面に第1金属層を有する樹脂基板の該第1金属層側にフッ素ゴムを配しつつ、前記樹脂基板を、前記フッ素ゴムを介して放熱部材に載置する工程と、蒸着法を用いて、前記フッ素ゴムを介して前記放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した他主面に第2金属層を形成する工程と、を備えている。
【0010】
また、本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法は、樹脂基板を、第1フッ素ゴムを介して第1放熱部材に載置する工程と、蒸着法を用いて、前記第1フッ素ゴムを介して前記第1放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した一主面に第1金属層を形成する工程と、前記樹脂基板の前記第1金属層側に第2フッ素ゴムを配しつつ、前記樹脂基板を、前記第2フッ素ゴムを介して前記第2放熱部材に載置する工程と、蒸着法を用いて、前記第2フッ素ゴムを介して前記第2放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した他主面に第2金属層を形成する工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法によれば、蒸着法の際に樹脂基板に加わる熱を、フッ素ゴムを介して放熱部材に良好に伝導させることができる。したがって、樹脂基板を低温に維持することができるため、樹脂基板の樹脂の変性を低減し、ひいては信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)は、本発明の第1実施形態にかかる実装構造体を厚み方向に切断した断面図であり、図1(b)は、図1に示した実装構造体のP1部分を拡大して示した断面図である。
【図2】図2(a)ないし(c)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。
【図3】図3(a)は、図2(c)に示した実装構造体のP2部分を拡大して示した断面図であり、図3(b)は、図2(c)に示した実装構造体のP3部分を拡大して示した断面図である。
【図4】図4(a)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、図2(c)のP2部分に相当する部分を拡大して示した断面図であり、図4(b)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。
【図5】図5(a)は、図4(c)に示した実装構造体のP4部分を拡大して示した断面図であり、図5(b)は、図4(c)に示した実装構造体のP5部分を拡大して示した断面図である。
【図6】図6(a)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、図4(b)のP4部分に相当する部分を拡大して示した断面図であり、図6(b)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。
【図7】図7(a)および(b)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、図6(b)のP6部分に相当する部分を拡大して示した断面図である。
【図8】図1に示す実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。
【図9】図9(a)は、第2実施形態にかかる実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図であり、図9(b)は、図9(a)に示した実装構造体のP7部分を拡大して示した断面図である。
【図10】図10(a)は、本発明の実施例における実験例1の結果を示すグラフであり、図10(b)は、本発明の実施例における実験例2の結果を示すグラフである。
【図11】図11(a)は、本発明の実施例における実験例3の結果を示す表とグラフであり、図11(b)は、本発明の実施例における実験例4の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態に係る配線基板の製造方法を、該配線基板の製造方法を用いた実装構造体の製造方法を例に、図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1(a)に示した実装構造体1は、本実施形態に係る実装構造体の製造方法を用いて作製されたものであり、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置またはその周辺機器などの電子機器に使用されるものである。この実装構造体1は、電子部品2と、電子部品2がバンプ3を介してフリップチップ実装された配線基板4と、を含んでいる。
【0015】
電子部品2は、例えばICまたはLSI等の半導体素子であり、母材が、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム砒素リン、窒化ガリウムまたは炭化珪素等の半導体材料により形成することができる。この電子部品2は、各方向への熱膨張率が例えば3ppm/℃以上5ppm/℃以下に設定されている。
【0016】
なお、電子部品2の熱膨張率は、市販のTMA装置を用いてJISK7197‐1991に準じた測定方法により測定される。以下、各部材の熱膨張率は、電子部品2と同様に測定される。
【0017】
バンプ3は、例えば鉛、錫、銀、金、銅、亜鉛、ビスマス、インジウムまたはアルミニウム等を含む半田等の導電材料により形成することができる。
配線基板4は、コア基板5とコア基板5の両主面に形成された一対の配線層6とを含んでいる。
【0018】
コア基板5は、配線基板4の強度を高めるものであり、平板状の基体7と、該基体7を厚み方向に貫通する筒状のスルーホール導体8と、該スルーホール導体8の内部に配された柱状の絶縁体9と、を含んでいる。
【0019】
基体7は、コア基板5の主要部をなして剛性を高めるものであり、基体7は、樹脂と該樹脂により被覆された基材と該樹脂により被覆された複数の粒子からなる無機絶縁フィラーとを含んでいる。また、基体7は、厚みが例えば0.1mm以上1mm以下に設定され、平面方向への熱膨張率が例えば5ppm/℃以上30ppm/℃以下に設定され、厚み方向への熱膨張率が例えば15ppm/℃以上50ppm/℃以下に設定され、ヤング率が例えば5GPa以上30GPa以下に設定されている。
【0020】
なお、基体7のヤング率は、MTSシステムズ社製Nano Indenter XP/DCMを用いて測定される。以下、各部材のヤング率は、基体7と同様に測定される。
【0021】
基体7の樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂またはポリエーテルケトン樹脂等を用いることができる。また、基体7の基材は、繊維により構成された織布若しくは不織布または繊維を一方向に配列したものを用いることができ、この繊維としては、例えばガラス繊維、樹脂繊維、炭素繊維または金属繊維等を用いることができる。また、基体7の無機絶縁フィラーの粒子は、例えば酸化ケイ素等の無機絶縁材料により形成することができる。
【0022】
スルーホール導体8は、コア基板5の両主面に形成された配線層6を電気的に接続するものであり、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロム等の導電材料により形成することができる。
【0023】
絶縁体9は、後述するビア導体13の支持面を形成するものであり、例えばエポキシ樹脂等の樹脂材料により形成することができる。
【0024】
一方、コア基板5の両主面には、上述した如く、一対の配線層6が形成されている。配線層6は、図1(a)および(b)に示すように、複数の絶縁層10と、基体7上および絶縁層10上に部分的に形成された複数の導電層11と、該導電層11と絶縁層10との間に介された金属層12と、絶縁層10を厚み方向に貫通して導電層11に接続したビア導体13と、を含んでいる。
【0025】
絶縁層10は、導電層11を支持する支持部材として機能するだけでなく、導電層11同士の短絡を防ぐ絶縁部材として機能するものであり、第1樹脂層10aと、該第1樹脂層10aよりもコア基板5側に配された第2樹脂層10bと、を有する。この絶縁層10は、厚みが例えば5μm以上40μm以下に設定されている。
【0026】
第1樹脂層10aは、絶縁層10の剛性を高めるとともに平面方向における熱膨張率を低減するものであり、樹脂と該樹脂に被覆された複数の粒子からなる無機絶縁フィラーとを含んでいる。また、第1樹脂層10aは、平面方向への熱膨張率が例えば0ppm/℃以上30ppm/℃以下に設定され、厚み方向への熱膨張率が例えば20ppm/℃以上50ppm/℃以下に設定され、ヤング率が例えば2.5GPa以上10GPa以下に設定されている。また、第1樹脂層10aは、第2樹脂層10bよりもヤング率が高いとともに平面方向の熱膨張率が小さい。
【0027】
第1樹脂層10aの樹脂は、ポリイミド樹脂等を用いることができ、平面方向への熱膨張率低減の観点から、各樹脂分子鎖の長手方向が第1樹脂層10aの平面方向に平行である構造を有するフィルム状であることが望ましい。また、第1樹脂層10aの無機絶縁フィラーの粒子は、上述した基体7に含まれたものと同様のものを用いることができる。
【0028】
第2樹脂層10bは、厚み方向に隣接した第該第1樹脂層10a同士を接着するとともに、導電層11の側面および一主面に接着して導電層11を固定するものであり、樹脂を含んでいる。なお、第2樹脂層10bは、接着性の観点から無機絶縁フィラーを含まない方が望ましいが、無機絶縁フィラーを含んでも構わない。また、第2樹脂層10bは、平面方向および厚み方向への熱膨張率が例えば10ppm/℃以上100ppm/℃以下に設定され、および/または、平面方向への熱膨張率が第1樹脂層10aの例えば2倍以上100倍以下に設定されている。また、第2樹脂層10bは、ヤング率が例えば0.05GPa以上0.5GPa以下に設定され、および/または、ヤング率が第1樹脂層10aの例えば0.0005倍以上0.2倍以下に設定されている。また、第2樹脂層10bは、第1樹脂層10aよりもヤング率が低い。
【0029】
第2樹脂層10bの樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、またはアミド樹脂等を用いることができる。
【0030】
導電層11は、接地用配線、電力供給用配線または信号用配線として機能するものであり、高導電率である銅からなる金属材料により形成することができる。また、導電層11は、厚みが例えば3μm以上20μm以下に設定されている。
【0031】
金属層12は、導電層11と第1樹脂層10aとを接着するものであり、第1樹脂層10aに接続した膜状の第1領域14aと、該第1領域14a上に形成され、導電層11に接続した膜状の第2領域14bと、を有する。
【0032】
第1領域14aは、チタン、モリブデン、クロムまたはニッケルクロム合金からなる金属材料により形成することができる。このような金属材料は、第1樹脂層10aとの界面において、導電層11を構成する銅と比較して、金属粒子がイオン化して遊離しにくいため、金属層12と第1樹脂層10aとの接着強度を高めることができる。また、金属層12は、厚みが例えば0.03μm以上0.1μm以下に設定され、厚みが導電層11の例えば0.0015倍以上0.033倍以下に設定されている。
【0033】
第2領域14bは、銅からなる金属材料により形成することができる。その結果、導電層11と金属層12との接着強度を高めることができる。一方、第2領域14bは、結晶の粒塊が導電層11よりも小さく、緻密な構造を有し、後述するように、第1領域14aと連続的に形成されるため、第1領域14aとの接着強度を高めることができる。この第2領域14bは、厚みが例えば0.2μm以上1μm以下に設定されている。
【0034】
ビア導体13は、厚み方向に互いに離間した導電層11同士を相互に接続するものであり、例えば銅、チタン、モリブデン、クロムまたはニッケルクロム合金等の金属材料により形成することができる。また、ビア導体13は、コア基板5に向って幅狭となる柱状である。
【0035】
かくして、上述した実装構造体1は、配線基板4を介して供給される電源や信号に基づいて電子部品2を駆動若しくは制御することにより、所望の機能を発揮する。
【0036】
次に、上述した実装構造体1の製造方法を、図2から図8に基づいて説明する。
【0037】
(1)図2(a)に示すように、両主面に導電層11が形成されたコア基板5を準備する。具体的には、例えば以下のように行う。
【0038】
まず、例えば未硬化の樹脂シートを複数積層するとともに最外層に銅箔を積層し、該積層体を加熱加圧して硬化させることにより、基体7を作製する。なお、未硬化は、ISO472:1999に準ずるA‐ステージまたはB‐ステージの状態である。次に、例えばドリル加工やレーザー加工等により、基体7を厚み方向に貫通したスルーホールを形成する。次に、例えば無電解めっき法および電気めっき法等により、スルーホールの内壁に導電材料を被着させて、スルーホール導体8を形成する。次に、スルーホール導体8の内部に、樹脂等を充填し、絶縁体9を形成する。次に、導電材料を絶縁体9の露出部に被着させた後、従来周知のフォトリソグラフィー技術、エッチング等により、銅箔をパターニングして導電層11を形成する。
【0039】
(2)図2(b)に示すように、コア基板5上に絶縁層10を形成し、該絶縁層10にビア孔Vを形成する。具体的には、例えば以下のように行う。
【0040】
まず、未硬化の第2樹脂層10bを介して、フィルム状の第1樹脂層10aを導電層11上に配置した後、コア基板5、第2樹脂層10bおよび第1樹脂層10aを加熱加圧して第2樹脂層10bを硬化させることにより、コア基板5上に絶縁層10を形成する。次に、例えばYAGレーザー装置または炭酸ガスレーザー装置により、絶縁層10にビア孔Vを形成し、ビア孔V内に導電層11の少なくとも一部を露出させる。ここで、便宜上、製造途中の配線基板を樹脂基板15とする。
【0041】
(3)図2(c)ないし図4(a)に示すように、スパッタリング法を用いて、樹脂基板15の露出した一主面S1に第1金属層12aを形成する。具体的には、例えば以下のように行う。ここで、便宜上、樹脂基板15の一主面S1に形成する金属層12を第1金属層12aとし、樹脂基板15の他主面S2に形成する金属層12を第2金属層12bとする。
【0042】
まず、図2(c)ないし図3(b)に示すように、スパッタリング装置内に、放熱部材16と該放熱部材16上に載置されたフッ素ゴム17とを配置した後、樹脂基板15を、フッ素ゴム17を介して放熱部材16上に載置する。この際、樹脂基板15の一主面S1が露出し、樹脂基板15の他主面S2がフッ素ゴム17と接触する。次に、図4(a)に示すように、スパッタリング法を用いて、樹脂基板15の露出した一主面S1に第1金属層12aの第1領域14aおよび第2領域14bを順次形成する。
【0043】
上述した放熱部材16は、図示しない冷却部材によって冷却されることによって、樹脂基板15の熱を放熱するものである。該冷却部材は、放熱部材16を載置するテーブルをなしており、例えば空冷また水冷をするための冷却管を内部に有するものである。この放熱部材16は、例えばアルミ、銅、またはステレンス鋼等によって形成することができ、なかでも、高熱伝導率であるアルミまたは銅を用いることが望ましい。また、放熱部材16は、例えば平板状に形成されており、厚みが例えば1.5mm以上5mm以下に設定されている。
【0044】
ところで、スパッタリング法は、一般的に真空条件で行われるため、大気の対流による伝熱が生じにくい。それ故、樹脂基板とその支持部材との間に隙間があると、該隙間においては熱放射のみで伝熱されるため、伝熱の効率が低下して樹脂基板に熱が蓄積されやすい。このように樹脂基板に熱が蓄積されやすい真空条件は、気圧が例えば1000Pa以下に設定されている。
【0045】
一方、本実施形態においては、硬度が低いフッ素ゴム17を樹脂基板15と放熱部材16との間に介在させているため、該フッ素ゴム17が樹脂基板15の他主面S2におけるうねりや凹凸に追随して密着しやすい。したがって、フッ素ゴム17と樹脂基板15との間の隙間を低減し、樹脂基板15からフッ素ゴム17を介して放熱部材16へと良好に熱伝導させることができる。その結果、樹脂基板15から放熱部材16への伝熱の効率を高めて樹脂基板15を低温に維持することによって、樹脂基板15の樹脂の変性を低減し、ひいては信頼性に優れた配線基板4を得ることができる。
【0046】
さらに、上述した如く、フッ素ゴム17と樹脂基板15との間の隙間を低減することによって、フッ素ゴム17への伝熱を樹脂基板15にて均一に行うことができるため、樹脂基板15内の温度分布をより均一にすることができる。その結果、樹脂基板15にて、局所的に高温となる箇所を低減して樹脂の変性を低減することができる。
【0047】
さらに、上述したフッ素ゴム17は、放熱部材16に対しても良好に密着するため、フッ素ゴム17と放熱部材16との間における伝熱の効率を高めることができ、ひいては樹脂基板15から放熱部材16への伝熱の効率を高めることができる。
【0048】
また、本実施形態においては、熱伝導させる部材としてフッ素ゴム17を用いているため、例えば配線基板4に対する汚染物質であるシロキサンを真空条件下で発生するシリコンゴム等と比較して、配線基板4に対する汚染物質が発生しにくい。その結果、信頼性に優れた配線基板4を得ることができる。
【0049】
このフッ素ゴム17は、硬度が40度以上100度以下であることが望ましい。その結果、硬度が40度以上であることによって、基板の平坦度を保持することができる。硬度が40未満と小さすぎると基板の変形が大きくなりすぎる。硬度が100度以下であることによって、フッ素ゴム17を樹脂基板15の他主面S2に良好に密着させることができる。なお、フッ素ゴム17の硬度は、JIS K6253:2006に準じ、デュロメータと呼ばれるプランジャーの押し込み深さ量を測定することによって測定される。
【0050】
また、フッ素ゴム17は、表面張力が30dyn/cm以下であることが望ましい。その結果、フッ素ゴム17が樹脂基板15および放熱部材16と反発することなく吸い付くように接着するため、フッ素ゴム17を樹脂基板15および放熱部材16に良好に密着させることができる。なお、フッ素ゴム17の表面張力は、JIS K6768:1999に準じ、既知の表面張力を持つ液体を用い滴下直後の測定する固体表面と接触角を実測しYoungの式で算出することによって測定される。
【0051】
また、フッ素ゴム17は、ポリテトラフルオロエチレンを含むことが望ましい。その結果、ポリテトラフルオロエチレンの含有量により表面張力を低下させることができる。このフッ素ゴム17は、例えばポリテトラフルオロエチレンを1体積%以上100体積%以下含む。
【0052】
また、フッ素ゴム17は、フッ素ゴム17全体の熱伝導率を高くするために、熱伝導率の高い無機絶縁フィラーまたは金属フィラーを含んでいてもよい。このような無機絶縁フィラーとしては、例えば酸化ケイ素または酸化アルミニウム等を含む複数の粒子を用いることができる。一方、金属フィラーとしては、銅、アルミ、ステンレス鋼が選択され、特に銅やアルミは熱伝導率がより高くなる。フッ素ゴム17は、このような無機絶縁フィラーまたは金属フィラーを1体積%以上30体積%以下含有することが望ましい。
【0053】
また、フッ素ゴム17は、厚みが放熱部材16よりも小さい。その結果、樹脂基板15から放熱部材16に熱を効率良く伝達することができる。このフッ素ゴム17の厚みは、0.5mm以上3mm以下に設定されていることが望ましい。その結果、樹脂基板15と密着するための厚みを確保しつつ薄くすることで、樹脂基板15から放熱部材16に熱を効率良く伝達することができる。
【0054】
一方、第1金属層12aの第1領域14aおよび第2領域14bは、例えば同一装置内で連続的に行うことが望ましい。その結果、第1領域14aの酸化を低減しつつ、第1領域14a上に第2領域14bを形成することができる。
【0055】
なお、第1領域14aのスパッタリングの条件は、気圧が例えば10−1Pa以上10Pa以下に設定され、出力が例えば500W以上10KW以下に設定され、処理時間が例えば10秒以上5分以下に設定されている。また、第2領域14bのスパッタリングの条件は、気圧が例えば10−1Pa以上10Pa以下に設定され、出力が例えば500W以上10KW以下に設定され、処理時間が例えば60秒以上10分以下に設定されている。
【0056】
(4)図4(b)ないし図6(a)に示すように、樹脂基板15の表裏を反対にして、樹脂基板15の他主面S2を露出させた後、(3)の工程と同様に、スパッタリング法を用いて、樹脂基板15の露出した他主面S2に第2金属層12bを形成する。
【0057】
ここで、本工程においては、図5(b)に示すように、放熱部材16と樹脂基板15との間に第1金属層12aが配されることとなる。この第1金属層12aは、樹脂よりも熱の放射率が低い金属材料からなるため、第1金属層とその支持部材との間に隙間があると、樹脂基板が直接支持部材に載置される場合と比較して、伝熱の効率が低下しやすい。
【0058】
一方、本実施形態においては、第1金属層12aと放熱部材16との間にフッ素ゴム17を介在させているため、(3)の工程で上述した如く、フッ素ゴム17を第1金属層12aに良好に密着させることによって、フッ素ゴム17と第1金属層12aとの間の隙間を低減することができる。それ故、第1金属層12aからフッ素ゴム17を介して放熱部材16へと良好に熱伝導させることができる。
【0059】
(5)図6(b)ないし図7(b)に示すように、樹脂基板15両主面の金属層12上に導電層11を部分的に複数形成するとともに、ビア孔V内にビア導体13を形成する。具体的には、例えば以下のように行う。
【0060】
まず、図7(a)に示すように、レジストを用いた電気めっき法により、金属層12の第2領域14bをシード層として該第2領域14b上に導電層11を部分的に複数形成するとともに、ビア孔V内にビア導体13を形成する。次に、図7(b)に示すように、塩酸および硫酸の混合液、過酸化水素水および水酸化ナトリウム水溶液の混合液、塩化第2鉄水溶液または塩化第2銅水溶液等を用いて、部分的に形成された導電層11をマスクとして第2領域14bをエッチングする。その結果、導電層11同士の間に第1領域14aが露出する。次に、硫酸と塩酸との混合液、または、水酸化ナトリウム水溶液と過酸化水素水との混合液を用いて、部分的に形成された導電層11をマスクとして、導電層11、第1領域14aおよび第2領域14bの内、第1領域14aを選択的にエッチングする。
【0061】
(6)図8に示すように、上述した(2)ないし(5)の工程を繰り返すことにより、配線層6を形成し、配線基板4を作製することができる。
【0062】
(7)配線基板4にバンプ3を介して電子部品2をフリップチップ実装することにより、図1に示す実装構造体1を作製することができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る配線基板の製造方法を、該配線基板の製造方法を用いた実装構造体の製造方法を例に、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、上述した第1実施形態と同様の構成に関しては、記載を省略する。
【0064】
第2実施形態は、第1実施形態と異なり、図9(a)および(b)に示すように、(3)の工程にて、フッ素ゴム17の樹脂基板15側の主面S3に金属膜18が被着している。この金属膜18によって、フッ素ゴム17の樹脂基板15に対する接着強度を調節して適度なものとすることができる。
【0065】
このように接着強度を調節したフッ素ゴム17としては、せん断強度が50g/cm以上200g/cm以下のものを用いることが望ましい。フッ素ゴム17のせん断強度が50g/cm以上であることによって、フッ素ゴム17と樹脂基板15との密着性を高め、第1金属層12aを形成する際に樹脂基板15から放熱部材16への伝熱の効率を高めることができる。さらに、フッ素ゴム17のせん断強度が200g/cm以下であることによって、フッ素ゴム17と樹脂基板15との接着強度を低減して、第1金属層12aを形成した後にフッ素ゴム17から樹脂基板15を容易に剥離することができる。
【0066】
なお、フッ素ゴム17のせん断強度は、以下のようにして測定する。まず、フッ素ゴム17に対して、ポリイミドフィルムを接触面積1cm(1cm×1cmの正方形)で接触させる。次に、ポリイミドフィルムをフッ素ゴム17から離れる方向に荷重を加え、フッ素ゴム17から離れた時の荷重をせん断強度として測定する。
【0067】
金属膜18は、チタン、モリブデン、クロムまたはニッケルクロム合金からなる金属材料により形成することができる。その結果、金属膜18とフッ素ゴム17との接着強度を高めることができる。
【0068】
また、金属膜18は、厚みが0.3nm以上10nm以下に設定されていることが望ましい。金属膜18の厚みを0.3nm以上とすることによって、フッ素ゴム17の樹脂基板15に対する接着強度を低減し、第1金属層12aを形成した後にフッ素ゴム17から樹脂基板15を容易に剥離することができる。さらに、金属膜18の厚みを10nm以下とすることによって、フッ素ゴム17と樹脂基板15との密着性を高め、第1金属層12aを形成する際に樹脂基板15から放熱部材16への伝熱の効率を高めることができる。
【0069】
また、フッ素ゴム17の樹脂基板15側の主面S3は、金属膜18が被着した被着領域R1と、金属膜18から露出した露出領域R2とを有している。このように被着領域R1と露出領域R2とを設け、その面積を調節することによって、フッ素ゴム17の樹脂基板15に対する接着強度を調節して適度なものとすることができる。
【0070】
フッ素ゴム17の樹脂基板15側の主面S3において、露出領域R2が占める面積の割合は、10%以上60%以下に設定されていることが望ましい。露出領域R2が占める面積の割合を10%以上とすることによって、フッ素ゴム17と樹脂基板15との密着性を高め、第1金属層12aを形成する際に樹脂基板15から放熱部材16への伝熱の効率を高めることができる。さらに、露出領域R2が占める面積の割合を60%以下とすることによって、フッ素ゴム17の樹脂基板15に対する接着強度を低減し、第1金属層12aを形成した後にフッ素ゴム17から樹脂基板15を容易に剥離することができる。
【0071】
金属膜18は、スパッタリング法を用いて、フッ素ゴム17上に被着させることができる。このようにスパッタリング法を用いることによって、金属膜18を0.3nm以上10nm以下と薄膜にすることができるとともに、露出領域R2が占める面積の割合を10%以上60%以下と調節することができる。なお、金属膜18は、スパッタリング法以外の蒸着法を用いても構わない。この場合、例えば、真空蒸着法もしくはイオンプレーティング法等のPVD法、または、CVD法を用いることができる。
【0072】
金属膜18のスパッタリングの条件は、気圧が例えば10−1Pa以上10Pa以下に設定され、出力が例えば50W以上4KW以下に設定され、処理時間が例えば10秒以上5分以下に設定されている。
【0073】
なお、金属膜18は、フッ素ゴム17の樹脂基板15と反対側の主面に形成しても構わない。また、(4)の工程においても、樹脂基板15側の主面S3に金属膜18が被着したフッ素ゴム17を用いても構わない。
【0074】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。
【0075】
例えば、上述した実施形態において、2層の絶縁層により配線層を形成した構成を例に説明したが、絶縁層は3層以上であっても構わない。
【0076】
また、上述した実施形態において、絶縁層として第1樹脂層および第2樹脂層を含むものを用いた構成を例に説明したが、絶縁層は、第2樹脂層のみにより形成されていても構わない。この場合、第2樹脂層は、低熱膨張および高剛性の観点から、無機絶フィラーを10重量%以上80重量%以下含むことが望ましい。
【0077】
また、上述した実施形態において、基体として樹脂製のものを用いた構成を例に説明したが、基体としては、例えばセラミック製のものや金属板を樹脂で被覆したものを用いても構わない。
【0078】
また、上述した実施形態において、金属層として第1領域および第2領域を含むものを用いた構成を例に説明したが、金属層は、第1領域のみを有していても構わないし、第2領域のみを有していても構わない。
【0079】
また、上述した実施形態の(2)の工程において、セミアディティブ法により導電層を形成した構成を例に説明したが、フルアディティブ法またはサブトラクティブ法により導電層を形成しても構わない。
【0080】
また、上述した実施形態の(3)および(4)の工程において、スパッタリング法を用いて金属層を形成した構成を例に説明したが、スパッタリング法以外の蒸着法を用いても構わない。この場合、蒸着法は、気圧が1000Pa以下の真空条件下で行われるものであれば、どのような方法でもよく、例えば、真空蒸着法もしくはイオンプレーティング法等のPVD法、または、CVD法を用いることができる。なお、真空蒸着法は、気圧が例えば10−4Pa以上10−3Pa以下に設定され、イオンプレーティング法は、気圧が例えば10−2Pa以上10−1Pa以下に設定されている。
【0081】
また、上述した実施形態の(3)および(4)の双方の工程でフッ素ゴムを用いた構成を例に説明したが、フッ素ゴムは、少なくともどちらか一方の工程に用いられればよい。フッ素ゴムを(3)および(4)のいずれかの工程に用いる場合には、第1金属層によって伝熱しにくい(4)の工程に用いることが望ましい。
【0082】
また、上述した実施形態の(3)および(4)の工程において、フッ素ゴムおよび放熱部材は同一のものを用いた構成を例に説明したが、フッ素ゴムおよび放熱部材はそれぞれ異なるものを用いても構わない。
【0083】
また、上述した実施形態の(3)および(4)の工程において、フッ素ゴム上に直接、試料(樹脂基板あるいは第1金属層)を載置した構成を例に説明したが、フッ素ゴムと試料との間には、試料と密着性がよく真空条件下でシロキサンを発生しない部材であれば、他の部材(介在部材)が介在されても構わない。この場合、フッ素ゴムは、介在部材および放熱部材と良好に密着するため、介在部材から放熱部材へと効率良く伝熱させることができる。
【実施例】
【0084】
本実施例では、フッ素ゴムの有無が、スパッタリング時における樹脂基板の温度に与える影響を検討した。また、フッ素ゴムに対する金属膜の被着が、フッ素ゴムのせん断強度とスパッタリング時における樹脂基板の温度とに与える影響を検討した。
【0085】
(フッ素ゴムの有無)
実験例1として、フッ素ゴムを樹脂基板と放熱部材との間に介在させた上で、樹脂基板に銅を出力4KWにて連続して20分間スパッタリングして、樹脂基板の表面温度を測定した結果を図10(a)に示す。また、実験例2として、フッ素ゴムを使用せずに放熱部材に樹脂基板を載置した上で、樹脂基板に銅を出力2KWにて連続して10分間スパッタリングして、樹脂基板の表面温度を測定した結果を図10(b)に示す。なお、表面温度はクロメル/アルメル熱電対により測定した。
【0086】
フッ素ゴムを使用した実験例1のスパッタリング条件は、フッ素ゴムを使用していない実験例2のスパッタリング条件と比較して、出力が高く(実験例2の2倍)且つ時間が長い(実験例2の2倍)ことから、高温となりやすい条件(実験例2の4倍)であるが、図10(a)および(b)に示すように、実験例1の到達温度は、65℃であり、実験例2の到達温度(172℃)の3分の1程度であった。
【0087】
この結果から、フッ素ゴムを用いることによって、スパッタリング時における樹脂基板の到達温度を低減できることが確認された。
【0088】
(フッ素ゴムに対する金属膜の被着)
実験例3として、それぞれ厚みの異なる金属膜を被着させた複数のフッ素ゴムを形成し、それらのせん断強度を測定した結果を図11(a)に示す。なお、金属膜は、フッ素ゴムに対してニッケルクロム合金をスパッタリングすることによって形成した。また、スパッタリング時の出力および時間を変更することによって、厚みの異なる金属膜を形成した。
【0089】
実験例3では、金属膜を被着させていないフッ素ゴムを用いた場合(金属膜の厚みが0nm)と比較して、金属膜を被着させたフッ素ゴムを用いた場合(金属膜の厚みが0.5nm以上)には、フッ素ゴムのせん断強度が148.2g/cm2以下と小さくなっており、さらに、樹脂基板からのフッ素ゴムの剥離も容易であった。
【0090】
また、実験例3では、金属膜の厚みを10.7nm以上と大きくした場合と比較して、金属膜の厚みを8.1nm以下と小さくした場合には、フッ素ゴムのせん断強度が106.6g/cm2以上と大きくなっており、さらに、樹脂基板とフッ素ゴムとの密着性も高かった。
【0091】
この結果から、フッ素ゴムに金属膜を被着することによって、フッ素ゴムのせん断強度を低減できることが確認された。また、金属膜の厚みを調節することによって、樹脂基板とフッ素ゴムとの密着性を高めつつ、樹脂基板からのフッ素ゴムの剥離を容易にできることが確認された。
【0092】
一方、実験例4として、フッ素ゴムを樹脂基板と放熱部材との間に介在させた上で、樹脂基板にニッケルクロム合金を所定時間スパッタリングした後、樹脂基板に銅を出力2KWにて連続して10分間スパッタリングして、樹脂基板の表面温度を測定した結果を図11(b)に示す。なお、フッ素ゴムは、樹脂基板側の主面に金属膜としてニッケルクロム合金を3nmの厚みで被着させたものを用いた。
【0093】
図10(b)および図11(b)に示すように、実験例4の到達温度は、49℃であり、実験例2の到達温度(172℃)の3分の1程度であった。
【0094】
この結果から、金属膜を被着したフッ素ゴムを用いた場合においても、スパッタリング時における樹脂基板の到達温度を低減できることが確認された。
【符号の説明】
【0095】
1 実装構造体
2 電子部品
3 バンプ
4 配線基板
5 コア基板
6 配線層
7 基体
8 スルーホール導体
9 絶縁体
10 絶縁層
10a 第1樹脂層
10b 第2樹脂層
11 導電層
12 金属層
12a 第1金属層
12b 第2金属層
13 ビア導体
14a 第1領域
14b 第2領域
15 樹脂基板
16 放熱板
17 フッ素ゴム
18 金属膜
V ビア孔
S1 一主面
S2 他主面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基板を、フッ素ゴムを介して放熱部材に載置する工程と、
蒸着法を用いて、前記フッ素ゴムを介して前記放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した一主面に金属層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、硬度が40度以上100度以下である前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、表面張力が30dyn/cm以下である前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、ポリテトラフルオロエチレンを含む前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、該樹脂基板側の主面に金属膜が被着した前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、該樹脂基板側の主面に厚みが0.3nm以上10nm以下の前記金属膜が被着した前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、該樹脂基板側の主面に前記金属膜が被着した被着領域と前記金属膜から露出した露出領域とを有する前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、該樹脂基板側の主面における前記露出領域が占める面積の割合が10%以上60%以下である前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
前記樹脂基板を前記放熱部材に載置する工程で、
前記樹脂基板を、せん断強度が50g/cm以上200g/cm以下である前記フッ素ゴムを介して、前記放熱部材に載置することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項10】
一主面に第1金属層を有する樹脂基板の該第1金属層側にフッ素ゴムを配しつつ、前記樹脂基板を、前記フッ素ゴムを介して放熱部材に載置する工程と、
蒸着法を用いて、前記フッ素ゴムを介して前記放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した他主面に第2金属層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項11】
樹脂基板を、第1フッ素ゴムを介して第1放熱部材に載置する工程と、
蒸着法を用いて、前記第1フッ素ゴムを介して前記第1放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した一主面に第1金属層を形成する工程と、
前記樹脂基板の前記第1金属層側に第2フッ素ゴムを配しつつ、前記樹脂基板を、前記第2フッ素ゴムを介して前記第2放熱部材に載置する工程と、
蒸着法を用いて、前記第2フッ素ゴムを介して前記第2放熱部材に載置された前記樹脂基板の露出した他主面に第2金属層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−48203(P2013−48203A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258267(P2011−258267)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(304024898)京セラSLCテクノロジー株式会社 (213)
【Fターム(参考)】